国家行政組織法《本則》

法番号:1948年法律第120号

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1条 (目的)

1項 この法律は、内閣の統轄の下における行政機関で内閣府及びデジタル庁以外のもの(以下「 国の行政機関 」という。)の組織の基準を定め、もつて国の行政事務の能率的な遂行のために必要な国家行政組織を整えることを目的とする。

2条 (組織の構成)

1項 国家行政組織は、内閣の統轄の下に、内閣府及びデジタル庁の組織と共に、任務及びこれを達成するため必要となる明確な範囲の所掌事務を有する行政機関の全体によつて、系統的に構成されなければならない。

2項 国の行政機関 は、内閣の統轄の下に、その政策について、自ら評価し、企画及び立案を行い、並びに国の行政機関相互の調整を図るとともに、その相互の連絡を図り、全て、一体として、行政機能を発揮するようにしなければならない。内閣府及びデジタル庁との政策についての調整及び連絡についても、同様とする。

3条 (行政機関の設置、廃止、任務及び所掌事務)

1項 国の行政機関 の組織は、この法律でこれを定めるものとする。

2項 行政組織のため置かれる 国の行政機関 は、省、委員会及び庁とし、その設置及び廃止は、別に法律の定めるところによる。

3項 省は、内閣の統轄の下に 第5条第1項 《各省の長は、それぞれ各省大臣とし、内閣法…》 1947年法律第5号にいう主任の大臣として、それぞれ行政事務を分担管理する。 の規定により各省大臣の分担管理する行政事務及び同条第2項の規定により当該大臣が掌理する行政事務をつかさどる機関として置かれるものとし、委員会及び庁は、省に、その外局として置かれるものとする。

4項 第2項の 国の行政機関 として置かれるものは、別表第1にこれを掲げる。

4条

1項 前条の 国の行政機関 の任務及びこれを達成するため必要となる所掌事務の範囲は、別に法律でこれを定める。

5条 (行政機関の長)

1項 各省の長は、それぞれ各省大臣とし、 内閣法 1947年法律第5号)にいう主任の大臣として、それぞれ行政事務を分担管理する。

2項 各省大臣は、前項の規定により行政事務を分担管理するほか、それぞれ、その分担管理する行政事務に係る各省の任務に関連する特定の内閣の重要政策について、当該重要政策に関して閣議において決定された基本的な方針に基づいて、行政各部の施策の統1を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務を掌理する。

3項 各省大臣は、国務大臣のうちから、内閣総理大臣が命ずる。ただし、内閣総理大臣が自ら当たることを妨げない。

6条

1項 委員会の長は、委員長とし、庁の長は、長官とする。

7条 (内部部局)

1項 省には、その所掌事務を遂行するため、官房及び局を置く。

2項 前項の官房又は局には、特に必要がある場合においては、部を置くことができる。

3項 庁には、その所掌事務を遂行するため、官房及び部を置くことができる。

4項 官房、局及び部の設置及び所掌事務の範囲は、政令でこれを定める。

5項 庁、官房、局及び部(その所掌事務が主として政策の実施に係るものである庁として別表第2に掲げるもの(以下「 実施庁 」という。並びにこれに置かれる官房及び部を除く。)には、課及びこれに準ずる室を置くことができるものとし、これらの設置及び所掌事務の範囲は、政令でこれを定める。

6項 実施庁 並びにこれに置かれる官房及び部には、政令の定める数の範囲内において、課及びこれに準ずる室を置くことができるものとし、これらの設置及び所掌事務の範囲は、省令でこれを定める。

7項 委員会には、法律の定めるところにより、事務局を置くことができる。第3項から第5項までの規定は、事務局の内部組織について、これを準用する。

8項 委員会には、特に必要がある場合においては、法律の定めるところにより、事務総局を置くことができる。

8条 (審議会等)

1項 第3条 《行政機関の設置、廃止、任務及び所掌事務 …》 国の行政機関の組織は、この法律でこれを定めるものとする。 2 行政組織のため置かれる国の行政機関は、省、委員会及び庁とし、その設置及び廃止は、別に法律の定めるところによる。 3 省は、内閣の統轄の下 国の行政機関 には、法律の定める所掌事務の範囲内で、法律又は政令の定めるところにより、重要事項に関する調査審議、不服審査その他学識経験を有する者等の合議により処理することが適当な事務をつかさどらせるための合議制の機関を置くことができる。

8条の2 (施設等機関)

1項 第3条 《行政機関の設置、廃止、任務及び所掌事務 …》 国の行政機関の組織は、この法律でこれを定めるものとする。 2 行政組織のため置かれる国の行政機関は、省、委員会及び庁とし、その設置及び廃止は、別に法律の定めるところによる。 3 省は、内閣の統轄の下 国の行政機関 には、法律の定める所掌事務の範囲内で、法律又は政令の定めるところにより、試験研究機関、検査検定機関、文教研修施設(これらに類する機関及び施設を含む。)、医療更生施設、矯正収容施設及び作業施設を置くことができる。

8条の3 (特別の機関)

1項 第3条 《行政機関の設置、廃止、任務及び所掌事務 …》 国の行政機関の組織は、この法律でこれを定めるものとする。 2 行政組織のため置かれる国の行政機関は、省、委員会及び庁とし、その設置及び廃止は、別に法律の定めるところによる。 3 省は、内閣の統轄の下 国の行政機関 には、特に必要がある場合においては、前2条に規定するもののほか、法律の定める所掌事務の範囲内で、法律の定めるところにより、特別の機関を置くことができる。

9条 (地方支分部局)

1項 第3条 《行政機関の設置、廃止、任務及び所掌事務 …》 国の行政機関の組織は、この法律でこれを定めるものとする。 2 行政組織のため置かれる国の行政機関は、省、委員会及び庁とし、その設置及び廃止は、別に法律の定めるところによる。 3 省は、内閣の統轄の下 国の行政機関 には、その所掌事務を分掌させる必要がある場合においては、法律の定めるところにより、地方支分部局を置くことができる。

10条 (行政機関の長の権限)

1項 各省大臣、各委員会の委員長及び各庁の長官は、その機関の事務を統括し、職員の服務について、これを統督する。

11条

1項 各省大臣は、主任の行政事務について、法律又は政令の制定、改正又は廃止を必要と認めるときは、案をそなえて、内閣総理大臣に提出して、閣議を求めなければならない。

12条

1項 各省大臣は、主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、それぞれその機関の命令として省令を発することができる。

2項 各外局の長は、その機関の所掌事務について、それぞれ主任の各省大臣に対し、案をそなえて、省令を発することを求めることができる。

3項 省令には、法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができない。

13条

1項 各委員会及び各庁の長官は、別に法律の定めるところにより、政令及び省令以外の規則その他の特別の命令を自ら発することができる。

2項 前条第3項の規定は、前項の命令に、これを準用する。

14条

1項 各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、公示を必要とする場合においては、告示を発することができる。

2項 各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、命令又は示達をするため、所管の諸機関及び職員に対し、訓令又は通達を発することができる。

15条

1項 各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の任務(各省にあつては、各省大臣が主任の大臣として分担管理する行政事務に係るものに限る。)を遂行するため政策について行政機関相互の調整を図る必要があると認めるときは、その必要性を明らかにした上で、関係行政機関の長に対し、必要な資料の提出及び説明を求め、並びに当該関係行政機関の政策に関し意見を述べることができる。

15条の2

1項 各省大臣は、 第5条第2項 《2 各省大臣は、前項の規定により行政事務…》 を分担管理するほか、それぞれ、その分担管理する行政事務に係る各省の任務に関連する特定の内閣の重要政策について、当該重要政策に関して閣議において決定された基本的な方針に基づいて、行政各部の施策の統1を図 に規定する事務の遂行のため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。

2項 各省大臣は、 第5条第2項 《2 各省大臣は、前項の規定により行政事務…》 を分担管理するほか、それぞれ、その分担管理する行政事務に係る各省の任務に関連する特定の内閣の重要政策について、当該重要政策に関して閣議において決定された基本的な方針に基づいて、行政各部の施策の統1を図 に規定する事務の遂行のため特に必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、勧告することができる。

3項 各省大臣は、前項の規定により関係行政機関の長に対し勧告したときは、当該関係行政機関の長に対し、その勧告に基づいてとつた措置について報告を求めることができる。

4項 各省大臣は、第2項の規定により勧告した事項に関し特に必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、当該事項について 内閣法 第6条 《 内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方…》 針に基いて、行政各部を指揮監督する。 の規定による措置がとられるよう意見を具申することができる。

16条 (副大臣)

1項 各省に副大臣を置く。

2項 副大臣の定数は、それぞれ別表第3の副大臣の定数の欄に定めるところによる。

3項 副大臣は、その省の長である大臣の命を受け、政策及び企画をつかさどり、政務を処理し、並びにあらかじめその省の長である大臣の命を受けて大臣不在の場合その職務を代行する。

4項 副大臣が2人置かれた省においては、各副大臣の行う前項の職務の範囲及び職務代行の順序については、その省の長である大臣の定めるところによる。

5項 副大臣の任免は、その省の長である大臣の申出により内閣が行い、天皇がこれを認証する。

6項 副大臣は、内閣総辞職の場合においては、内閣総理大臣その他の国務大臣がすべてその地位を失つたときに、これと同時にその地位を失う。

17条 (大臣政務官)

1項 各省に大臣政務官を置く。

2項 大臣政務官の定数は、それぞれ別表第3の大臣政務官の定数の欄に定めるところによる。

3項 大臣政務官は、その省の長である大臣を助け、特定の政策及び企画に参画し、政務を処理する。

4項 各大臣政務官の行う前項の職務の範囲については、その省の長である大臣の定めるところによる。

5項 大臣政務官の任免は、その省の長である大臣の申出により、内閣がこれを行う。

6項 前条第6項の規定は、大臣政務官について、これを準用する。

17条の2 (大臣補佐官)

1項 各省に、特に必要がある場合においては、大臣補佐官1人を置くことができる。

2項 大臣補佐官は、その省の長である大臣の命を受け、特定の政策に係るその省の長である大臣の行う企画及び立案並びに政務に関し、その省の長である大臣を補佐する。

3項 大臣補佐官の任免は、その省の長である大臣の申出により、内閣がこれを行う。

4項 大臣補佐官は、非常勤とすることができる。

5項 国家公務員法 1947年法律第120号第96条第1項 《すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公…》 共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。第98条第1項 《職員は、その職務を遂行するについて、法令…》 に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。第99条 《信用失墜行為の禁止 職員は、その官職の…》 信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。 並びに 第100条第1項 《職員は、職務上知ることのできた秘密を漏ら…》 してはならない。 その職を退いた後といえども同様とする。 及び第2項の規定は、大臣補佐官の服務について準用する。

6項 常勤の大臣補佐官は、在任中、その省の長である大臣の許可がある場合を除き、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行つてはならない。

18条 (事務次官及び庁の次長等)

1項 各省には、事務次官1人を置く。

2項 事務次官は、その省の長である大臣を助け、省務を整理し、各部局及び機関の事務を監督する。

3項 各庁には、特に必要がある場合においては、長官を助け、庁務を整理する職として次長を置くことができるものとし、その設置及び定数は、政令でこれを定める。

4項 各省及び各庁には、特に必要がある場合においては、その所掌事務の一部を総括整理する職を置くことができるものとし、その設置、職務及び定数は、法律(庁にあつては、政令)でこれを定める。

19条 (秘書官)

1項 各省に秘書官を置く。

2項 秘書官の定数は、政令でこれを定める。

3項 秘書官は、それぞれ各省大臣の命を受け、機密に関する事務を掌り、又は臨時命を受け各部局の事務を助ける。

20条 (官房及び局の所掌に属しない事務をつかさどる職等)

1項 各省には、特に必要がある場合においては、官房及び局の所掌に属しない事務の能率的な遂行のためこれを所掌する職で局長に準ずるものを置くことができるものとし、その設置、職務及び定数は、政令でこれを定める。

2項 各庁には、特に必要がある場合においては、官房及び部の所掌に属しない事務の能率的な遂行のためこれを所掌する職で部長に準ずるものを置くことができるものとし、その設置、職務及び定数は、政令でこれを定める。

3項 各省及び各庁( 実施庁 を除く。)には、特に必要がある場合においては、前2項の職のつかさどる職務の全部又は一部を助ける職で課長に準ずるものを置くことができるものとし、その設置、職務及び定数は、政令でこれを定める。

4項 実施庁 には、特に必要がある場合においては、政令の定める数の範囲内において、第2項の職のつかさどる職務の全部又は一部を助ける職で課長に準ずるものを置くことができるものとし、その設置、職務及び定数は、省令でこれを定める。

21条 (内部部局の職)

1項 委員会の事務局並びに局、部、課及び課に準ずる室に、それぞれ事務局長並びに局長、部長、課長及び室長を置く。

2項 官房には、長を置くことができるものとし、その設置及び職務は、政令でこれを定める。

3項 局、部又は委員会の事務局には、次長を置くことができるものとし、その設置、職務及び定数は、政令でこれを定める。

4項 官房、局若しくは部( 実施庁 に置かれる官房及び部を除く。又は委員会の事務局には、その所掌事務の一部を総括整理する職又は課(課に準ずる室を含む。)の所掌に属しない事務の能率的な遂行のためこれを所掌する職で課長に準ずるものを置くことができるものとし、これらの設置、職務及び定数は、政令でこれを定める。官房又は部を置かない庁(実施庁を除く。)にこれらの職に相当する職を置くときも、同様とする。

5項 実施庁 に置かれる官房又は部には、政令の定める数の範囲内において、その所掌事務の一部を総括整理する職又は課(課に準ずる室を含む。)の所掌に属しない事務の能率的な遂行のためこれを所掌する職で課長に準ずるものを置くことができるものとし、これらの設置、職務及び定数は、省令でこれを定める。官房又は部を置かない実施庁にこれらの職に相当する職を置くときも、同様とする。

22条

1項 削除

23条 (官房及び局の数)

1項 第7条第1項 《省には、その所掌事務を遂行するため、官房…》 及び局を置く。 の規定に基づき置かれる官房及び局の数は、 内閣府設置法 1999年法律第89号第17条第1項 《本府には、その所掌事務を遂行するため、官…》 及び並びにこれらの所掌に属しない事務の能率的な遂行のためこれを所掌する職で局長に準ずるものを置く。 の規定に基づき置かれる官房及び局の数と合わせて、九十七以内とする。

24条

1項 削除

25条 (国会への報告等)

1項 政府は、 第7条第4項 《4 官房、局及び部の設置及び所掌事務の範…》 囲は、政令でこれを定める。同条第7項において準用する場合を含む。)、 第8条 《審議会等 第3条の国の行政機関には、法…》 律の定める所掌事務の範囲内で、法律又は政令の定めるところにより、重要事項に関する調査審議、不服審査その他学識経験を有する者等の合議により処理することが適当な事務をつかさどらせるための合議制の機関を置く第8条 《審議会等 第3条の国の行政機関には、法…》 律の定める所掌事務の範囲内で、法律又は政令の定めるところにより、重要事項に関する調査審議、不服審査その他学識経験を有する者等の合議により処理することが適当な事務をつかさどらせるための合議制の機関を置く の二、 第18条第3項 《3 各庁には、特に必要がある場合において…》 は、長官を助け、庁務を整理する職として次長を置くことができるものとし、その設置及び定数は、政令でこれを定める。 若しくは第4項、 第20条第1項 《各省には、特に必要がある場合においては、…》 官房及び局の所掌に属しない事務の能率的な遂行のためこれを所掌する職で局長に準ずるものを置くことができるものとし、その設置、職務及び定数は、政令でこれを定める。 若しくは第2項又は 第21条第2項 《2 官房には、長を置くことができるものと…》 し、その設置及び職務は、政令でこれを定める。 若しくは第3項の規定により政令で設置される組織その他これらに準ずる主要な組織につき、その新設、改正及び廃止をしたときは、その状況を次の国会に報告しなければならない。

2項 政府は、少なくとも毎年一回 国の行政機関 の組織の一覧表を官報で公示するものとする。

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