刑事訴訟法《本則》

法番号:1948年法律第131号

略称: 刑訴法

附則 >  

1編 総則

1条

1項 この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。

1章 裁判所の管轄

2条

1項 裁判所の土地管轄は、犯罪地又は被告人の住所、居所若しくは現在地による。

2項 国外に在る日本船舶内で犯した罪については、前項に規定する地の外、その船舶の船籍の所在地又は犯罪後その船舶の寄泊した地による。

3項 国外に在る日本航空機内で犯した罪については、第1項に規定する地の外、犯罪後その航空機の着陸(着水を含む。)した地による。

3条

1項 事物管轄を異にする数個の事件が関連するときは、上級の裁判所は、併せてこれを管轄することができる。

2項 高等裁判所の特別権限に属する事件と他の事件とが関連するときは、高等裁判所は、併せてこれを管轄することができる。

4条

1項 事物管轄を異にする数個の関連事件が上級の裁判所に係属する場合において、併せて審判することを必要としないものがあるときは、上級の裁判所は、決定で管轄権を有する下級の裁判所にこれを移送することができる。

5条

1項 数個の関連事件が各別に上級の裁判所及び下級の裁判所に係属するときは、事物管轄にかかわらず、上級の裁判所は、決定で下級の裁判所の管轄に属する事件を併せて審判することができる。

2項 高等裁判所の特別権限に属する事件が高等裁判所に係属し、これと関連する事件が下級の裁判所に係属するときは、高等裁判所は、決定で下級の裁判所の管轄に属する事件を併せて審判することができる。

6条

1項 土地管轄を異にする数個の事件が関連するときは、1個の事件につき管轄権を有する裁判所は、併せて他の事件を管轄することができる。但し、他の法律の規定により特定の裁判所の管轄に属する事件は、これを管轄することができない。

7条

1項 土地管轄を異にする数個の関連事件が同一裁判所に係属する場合において、併せて審判することを必要としないものがあるときは、その裁判所は、決定で管轄権を有する他の裁判所にこれを移送することができる。

8条

1項 数個の関連事件が各別に事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、各裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定でこれを1の裁判所に併合することができる。

2項 前項の場合において各裁判所の決定が一致しないときは、各裁判所に共通する直近上級の裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で事件を1の裁判所に併合することができる。

9条

1項 数個の事件は、左の場合に関連するものとする。

1号 1人が数罪を犯したとき。

2号 数人が共に同一又は別個の罪を犯したとき。

3号 数人が通謀して各別に罪を犯したとき。

2項 犯人蔵匿の罪、証憑湮滅の罪、偽証の罪、虚偽の鑑定通訳の罪及び贓物に関する罪とその本犯の罪とは、共に犯したものとみなす。

10条

1項 同一事件が事物管轄を異にする数個の裁判所に係属するときは、上級の裁判所が、これを審判する。

2項 上級の裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で管轄権を有する下級の裁判所にその事件を審判させることができる。

11条

1項 同一事件が事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、最初に公訴を受けた裁判所が、これを審判する。

2項 各裁判所に共通する直近上級の裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で後に公訴を受けた裁判所にその事件を審判させることができる。

12条

1項 裁判所は、事実発見のため必要があるときは、管轄区域外で職務を行うことができる。

2項 前項の規定は、受命裁判官にこれを準用する。

13条

1項 訴訟手続は、管轄違の理由によつては、その効力を失わない。

14条

1項 裁判所は、管轄権を有しないときでも、急速を要する場合には、事実発見のため必要な処分をすることができる。

2項 前項の規定は、受命裁判官にこれを準用する。

15条

1項 検察官は、左の場合には、関係のある第一審裁判所に共通する直近上級の裁判所に管轄指定の請求をしなければならない。

1号 裁判所の管轄区域が明らかでないため管轄裁判所が定まらないとき。

2号 管轄違を言い渡した裁判が確定した事件について他に管轄裁判所がないとき。

16条

1項 法律による管轄裁判所がないとき、又はこれを知ることができないときは、検事総長は、最高裁判所に管轄指定の請求をしなければならない。

17条

1項 検察官は、左の場合には、直近上級の裁判所に管轄移転の請求をしなければならない。

1号 管轄裁判所が法律上の理由又は特別の事情により裁判権を行うことができないとき。

2号 地方の民心、訴訟の状況その他の事情により裁判の公平を維持することができない虞があるとき。

2項 前項各号の場合には、被告人も管轄移転の請求をすることができる。

18条

1項 犯罪の性質、地方の民心その他の事情により管轄裁判所が審判をするときは公安を害する虞があると認める場合には、検事総長は、最高裁判所に管轄移転の請求をしなければならない。

19条

1項 裁判所は、適当と認めるときは、検察官若しくは被告人の請求により又は職権で、決定を以て、その管轄に属する事件を事物管轄を同じくする他の管轄裁判所に移送することができる。

2項 移送の決定は、被告事件につき証拠調を開始した後は、これをすることができない。

3項 移送の決定又は移送の請求を却下する決定に対しては、その決定により著しく利益を害される場合に限り、その事由を疎明して、即時抗告をすることができる。

2章 裁判所職員の除斥及び忌避

20条

1項 裁判官は、次に掲げる場合には、職務の執行から除斥される。

1号 裁判官が被害者であるとき。

2号 裁判官が被告人又は被害者の親族であるとき、又はあつたとき。

3号 裁判官が被告人又は被害者の法定代理人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。

4号 裁判官が事件について証人又は鑑定人となつたとき。

5号 裁判官が事件について被告人の代理人、弁護人又は補佐人となつたとき。

6号 裁判官が事件について検察官又は司法警察員の職務を行つたとき。

7号 裁判官が事件について 第266条第2号 《第266条 裁判所は、第262条第1項の…》 請求を受けたときは、左の区別に従い、決定をしなければならない。 1 請求が法令上の方式に違反し、若しくは請求権の消滅後にされたものであるとき、又は請求が理由のないときは、請求を棄却する。 2 請求が理 の決定、略式命令、前審の裁判、 第398条 《 不法に、管轄違を言い渡し、又は公訴を棄…》 却したことを理由として原判決を破棄するときは、判決で事件を原裁判所に差し戻さなければならない。 ないし[から〜まで] 第400条 《 前2条に規定する理由以外の理由によつて…》 原判決を破棄するときは、判決で、事件を原裁判所に差し戻し、又は原裁判所と同等の他の裁判所に移送しなければならない。 但し、控訴裁判所は、訴訟記録並びに原裁判所及び控訴裁判所において取り調べた証拠によつ第412条 《 不法に管轄を認めたことを理由として原判…》 決を破棄するときは、判決で事件を管轄控訴裁判所又は管轄第一審裁判所に移送しなければならない。 若しくは 第413条 《 前条に規定する理由以外の理由によつて原…》 判決を破棄するときは、判決で、事件を原裁判所若しくは第一審裁判所に差し戻し、又はこれらと同等の他の裁判所に移送しなければならない。 但し、上告裁判所は、訴訟記録並びに原裁判所及び第一審裁判所において取 の規定により差し戻し、若しくは移送された場合における原判決又はこれらの裁判の基礎となつた取調べに関与したとき。ただし、受託裁判官として関与した場合は、この限りでない。

21条

1項 裁判官が職務の執行から除斥されるべきとき、又は不公平な裁判をする虞があるときは、検察官又は被告人は、これを忌避することができる。

2項 弁護人は、被告人のため忌避の申立をすることができる。但し、被告人の明示した意思に反することはできない。

22条

1項 事件について請求又は陳述をした後には、不公平な裁判をする虞があることを理由として裁判官を忌避することはできない。但し、忌避の原因があることを知らなかつたとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。

23条

1項 合議体の構成員である裁判官が忌避されたときは、その裁判官所属の裁判所が、決定をしなければならない。この場合において、その裁判所が地方裁判所であるときは、合議体で決定をしなければならない。

2項 地方裁判所の1人の裁判官又は家庭裁判所の裁判官が忌避されたときはその裁判官所属の裁判所が、簡易裁判所の裁判官が忌避されたときは管轄地方裁判所が、合議体で決定をしなければならない。ただし、忌避された裁判官が忌避の申立てを理由があるものとするときは、その決定があつたものとみなす。

3項 忌避された裁判官は、前2項の決定に関与することができない。

4項 裁判所が忌避された裁判官の退去により決定をすることができないときは、直近上級の裁判所が、決定をしなければならない。

24条

1項 訴訟を遅延させる目的のみでされたことの明らかな忌避の申立は、決定でこれを却下しなければならない。この場合には、前条第3項の規定を適用しない。 第22条 《 事件について請求又は陳述をした後には、…》 不公平な裁判をする虞があることを理由として裁判官を忌避することはできない。 但し、忌避の原因があることを知らなかつたとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。 の規定に違反し、又は裁判所の規則で定める手続に違反してされた忌避の申立を却下する場合も、同様である。

2項 前項の場合には、忌避された受命裁判官、地方裁判所の1人の裁判官又は家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官は、忌避の申立てを却下する裁判をすることができる。

25条

1項 忌避の申立を却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。

26条

1項 この章の規定は、 第20条第7号 《第20条 裁判官は、次に掲げる場合には、…》 職務の執行から除斥される。 1 裁判官が被害者であるとき。 2 裁判官が被告人又は被害者の親族であるとき、又はあつたとき。 3 裁判官が被告人又は被害者の法定代理人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補 の規定を除いて、裁判所書記にこれを準用する。

2項 決定は、裁判所書記所属の裁判所がこれをしなければならない。但し、 第24条第1項 《訴訟を遅延させる目的のみでされたことの明…》 らかな忌避の申立は、決定でこれを却下しなければならない。 この場合には、前条第3項の規定を適用しない。 第22条の規定に違反し、又は裁判所の規則で定める手続に違反してされた忌避の申立を却下する場合も、 の場合には、裁判所書記の附属する受命裁判官が、忌避の申立を却下する裁判をすることができる。

3章 訴訟能力

27条

1項 被告人又は被疑者が法人であるときは、その代表者が、訴訟行為についてこれを代表する。

2項 数人が共同して法人を代表する場合にも、訴訟行為については、各自が、これを代表する。

28条

1項 刑法 1907年法律第45号第39条 《心神喪失及び心神耗弱 心神喪失者の行為…》 は、罰しない。 2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。 又は 第41条 《責任年齢 14歳に満たない者の行為は、…》 罰しない。 の規定を適用しない罪に当たる事件について、被告人又は被疑者が意思能力を有しないときは、その法定代理人(2人以上あるときは、各自。以下同じ。)が、訴訟行為についてこれを代理する。

29条

1項 前2条の規定により被告人を代表し、又は代理する者がないときは、検察官の請求により又は職権で、特別代理人を選任しなければならない。

2項 前2条の規定により被疑者を代表し、又は代理する者がない場合において、検察官、司法警察員又は利害関係人の請求があつたときも、前項と同様である。

3項 特別代理人は、被告人又は被疑者を代表し又は代理して訴訟行為をする者ができるまで、その任務を行う。

4章 弁護及び補佐

30条

1項 被告人又は被疑者は、何時でも弁護人を選任することができる。

2項 被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができる。

31条

1項 弁護人は、弁護士の中からこれを選任しなければならない。

2項 簡易裁判所又は地方裁判所においては、裁判所の許可を得たときは、弁護士でない者を弁護人に選任することができる。ただし、地方裁判所においては、他に弁護士の中から選任された弁護人がある場合に限る。

31条の2

1項 弁護人を選任しようとする被告人又は被疑者は、弁護士会に対し、弁護人の選任の申出をすることができる。

2項 弁護士会は、前項の申出を受けた場合は、速やかに、所属する弁護士の中から弁護人となろうとする者を紹介しなければならない。

3項 弁護士会は、前項の弁護人となろうとする者がないときは、当該申出をした者に対し、速やかに、その旨を通知しなければならない。同項の規定により紹介した弁護士が被告人又は被疑者がした弁護人の選任の申込みを拒んだときも、同様とする。

32条

1項 公訴の提起前にした弁護人の選任は、第一審においてもその効力を有する。

2項 公訴の提起後における弁護人の選任は、審級ごとにこれをしなければならない。

33条

1項 被告人に数人の弁護人があるときは、裁判所の規則で、主任弁護人を定めなければならない。

34条

1項 前条の規定による主任弁護人の権限については、裁判所の規則の定めるところによる。

35条

1項 裁判所は、裁判所の規則の定めるところにより、被告人又は被疑者の弁護人の数を制限することができる。但し、被告人の弁護人については、特別の事情のあるときに限る。

36条

1項 被告人が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判所は、その請求により、被告人のため弁護人を附しなければならない。但し、被告人以外の者が選任した弁護人がある場合は、この限りでない。

36条の2

1項 この法律により弁護人を要する場合を除いて、被告人が前条の請求をするには、 資力 申告書(その者に属する現金、預金その他政令で定めるこれらに準ずる資産の合計額(以下「 資力 」という。及びその内訳を申告する書面をいう。以下同じ。)を提出しなければならない。

36条の3

1項 この法律により弁護人を要する場合を除いて、その 資力 が基準額(標準的な必要生計費を勘案して一般に弁護人の報酬及び費用を賄うに足りる額として政令で定める額をいう。以下同じ。)以上である被告人が 第36条 《 被告人が貧困その他の事由により弁護人を…》 選任することができないときは、裁判所は、その請求により、被告人のため弁護人を附しなければならない。 但し、被告人以外の者が選任した弁護人がある場合は、この限りでない。 の請求をするには、あらかじめ、その請求をする裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内に在る弁護士会に 第31条の2第1項 《弁護人を選任しようとする被告人又は被疑者…》 は、弁護士会に対し、弁護人の選任の申出をすることができる。 の申出をしていなければならない。

2項 前項の規定により 第31条の2第1項 《弁護人を選任しようとする被告人又は被疑者…》 は、弁護士会に対し、弁護人の選任の申出をすることができる。 の申出を受けた弁護士会は、同条第3項の規定による通知をしたときは、前項の地方裁判所又は当該被告事件が係属する裁判所に対し、その旨を通知しなければならない。

37条

1項 左の場合に被告人に弁護人がないときは、裁判所は、職権で弁護人を附することができる。

1号 被告人が未成年者であるとき。

2号 被告人が年齢70年以上の者であるとき。

3号 被告人が耳の聞えない者又は口のきけない者であるとき。

4号 被告人が心神喪失者又は心神耗弱者である疑があるとき。

5号 その他必要と認めるとき。

37条の2

1項 被疑者に対して勾留状が発せられている場合において、被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判官は、その請求により、被疑者のため弁護人を付さなければならない。ただし、被疑者以外の者が選任した弁護人がある場合又は被疑者が釈放された場合は、この限りでない。

2項 前項の請求は、勾留を請求された被疑者も、これをすることができる。

37条の3

1項 前条第1項の請求をするには、 資力 申告書を提出しなければならない。

2項 その 資力 が基準額以上である被疑者が前条第1項の請求をするには、あらかじめ、その勾留の請求を受けた裁判官の所属する裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内に在る弁護士会に 第31条の2第1項 《弁護人を選任しようとする被告人又は被疑者…》 は、弁護士会に対し、弁護人の選任の申出をすることができる。 の申出をしていなければならない。

3項 前項の規定により 第31条の2第1項 《弁護人を選任しようとする被告人又は被疑者…》 は、弁護士会に対し、弁護人の選任の申出をすることができる。 の申出を受けた弁護士会は、同条第3項の規定による通知をしたときは、前項の地方裁判所に対し、その旨を通知しなければならない。

37条の4

1項 裁判官は、被疑者に対して勾留状が発せられ、かつ、これに弁護人がない場合において、精神上の障害その他の事由により弁護人を必要とするかどうかを判断することが困難である疑いがある被疑者について必要があると認めるときは、職権で弁護人を付することができる。ただし、被疑者が釈放された場合は、この限りでない。

37条の5

1項 裁判官は、死刑又は無期拘禁刑に当たる事件について 第37条の2第1項 《被疑者に対して勾留状が発せられている場合…》 において、被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判官は、その請求により、被疑者のため弁護人を付さなければならない。 ただし、被疑者以外の者が選任した弁護人がある場合又は 又は前条の規定により弁護人を付する場合又は付した場合において、特に必要があると認めるときは、職権で更に弁護人1人を付することができる。ただし、被疑者が釈放された場合は、この限りでない。

38条

1項 この法律の規定に基づいて裁判所若しくは裁判長又は裁判官が付すべき弁護人は、弁護士の中からこれを選任しなければならない。

2項 前項の規定により選任された弁護人は、旅費、日当、宿泊料及び報酬を請求することができる。

38条の2

1項 裁判官による弁護人の選任は、被疑者がその選任に係る事件について釈放されたときは、その効力を失う。ただし、その釈放が勾留の執行停止によるときは、この限りでない。

38条の3

1項 裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、裁判所若しくは裁判長又は裁判官が付した弁護人を解任することができる。

1号 第30条 《 被告人又は被疑者は、何時でも弁護人を選…》 任することができる。 被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができる。 の規定により弁護人が選任されたことその他の事由により弁護人を付する必要がなくなつたとき。

2号 被告人と弁護人との利益が相反する状況にあり弁護人にその職務を継続させることが相当でないとき。

3号 心身の故障その他の事由により、弁護人が職務を行うことができず、又は職務を行うことが困難となつたとき。

4号 弁護人がその任務に著しく反したことによりその職務を継続させることが相当でないとき。

5号 弁護人に対する暴行、脅迫その他の被告人の責めに帰すべき事由により弁護人にその職務を継続させることが相当でないとき。

2項 弁護人を解任するには、あらかじめ、その意見を聴かなければならない。

3項 弁護人を解任するに当たつては、被告人の権利を不当に制限することがないようにしなければならない。

4項 公訴の提起前は、裁判官が付した弁護人の解任は、裁判官がこれを行う。この場合においては、前3項の規定を準用する。

38条の4

1項 裁判所又は裁判官の判断を誤らせる目的で、その 資力 について虚偽の記載のある資力申告書を提出した者は、110,000円以下の過料に処する。

39条

1項 身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつては、 第31条第2項 《簡易裁判所又は地方裁判所においては、裁判…》 所の許可を得たときは、弁護士でない者を弁護人に選任することができる。 ただし、地方裁判所においては、他に弁護士の中から選任された弁護人がある場合に限る。 の許可があつた後に限る。)と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。

2項 前項の接見又は授受については、法令(裁判所の規則を含む。以下同じ。)で、被告人又は被疑者の逃亡、罪証の隠滅又は戒護に支障のある物の授受を防ぐため必要な措置を規定することができる。

3項 検察官、検察事務官又は司法警察職員(司法警察員及び司法巡査をいう。以下同じ。)は、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り、第1項の接見又は授受に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる。但し、その指定は、被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであつてはならない。

40条

1項 弁護人は、公訴の提起後は、裁判所において、訴訟に関する書類及び証拠物を閲覧し、且つ謄写することができる。但し、証拠物を謄写するについては、裁判長の許可を受けなければならない。

2項 前項の規定にかかわらず、 第157条の6第4項 《前項の規定により証人の尋問及び供述並びに…》 その状況を記録した記録媒体は、訴訟記録に添付して調書の一部とするものとする。 に規定する記録媒体は、謄写することができない。

41条

1項 弁護人は、この法律に特別の定のある場合に限り、独立して訴訟行為をすることができる。

42条

1項 被告人の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、何時でも補佐人となることができる。

2項 補佐人となるには、審級ごとにその旨を届け出なければならない。

3項 補佐人は、被告人の明示した意思に反しない限り、被告人がすることのできる訴訟行為をすることができる。但し、この法律に特別の定のある場合は、この限りでない。

5章 裁判

43条

1項 判決は、この法律に特別の定のある場合を除いては、口頭弁論に基いてこれをしなければならない。

2項 決定又は命令は、口頭弁論に基いてこれをすることを要しない。

3項 決定又は命令をするについて必要がある場合には、事実の取調をすることができる。

4項 前項の取調は、合議体の構成員にこれをさせ、又は地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。

44条

1項 裁判には、理由を附しなければならない。

2項 上訴を許さない決定又は命令には、理由を附することを要しない。但し、 第428条第2項 《即時抗告をすることができる旨の規定がある…》 決定並びに第419条及び第420条の規定により抗告をすることができる決定で高等裁判所がしたものに対しては、その高等裁判所に異議の申立をすることができる。 の規定により異議の申立をすることができる決定については、この限りでない。

45条

1項 判決以外の裁判は、判事補が1人でこれをすることができる。

46条

1項 被告人その他訴訟関係人は、自己の費用で、裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本の交付を請求することができる。

6章 書類及び送達

47条

1項 訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。

48条

1項 公判期日における訴訟手続については、公判調書を作成しなければならない。

2項 公判調書には、裁判所の規則の定めるところにより、公判期日における審判に関する重要な事項を記載しなければならない。

3項 公判調書は、各公判期日後速かに、遅くとも判決を宣告するまでにこれを整理しなければならない。ただし、判決を宣告する公判期日の調書は当該公判期日後7日以内に、公判期日から判決を宣告する日までの期間が10日に満たない場合における当該公判期日の調書は当該公判期日後10日以内(判決を宣告する日までの期間が3日に満たないときは、当該判決を宣告する公判期日後7日以内)に、整理すれば足りる。

49条

1項 被告人に弁護人がないときは、公判調書は、裁判所の規則の定めるところにより、被告人も、これを閲覧することができる。被告人は、読むことができないとき、又は目の見えないときは、公判調書の朗読を求めることができる。

50条

1項 公判調書が次回の公判期日までに整理されなかつたときは、裁判所書記は、検察官、被告人又は弁護人の請求により、次回の公判期日において又はその期日までに、前回の公判期日における証人の供述の要旨を告げなければならない。この場合において、請求をした検察官、被告人又は弁護人が証人の供述の要旨の正確性につき異議を申し立てたときは、その旨を調書に記載しなければならない。

2項 被告人及び弁護人の出頭なくして開廷した公判期日の公判調書が、次回の公判期日までに整理されなかつたときは、裁判所書記は、次回の公判期日において又はその期日までに、出頭した被告人又は弁護人に前回の公判期日における審理に関する重要な事項を告げなければならない。

51条

1項 検察官、被告人又は弁護人は、公判調書の記載の正確性につき異議を申し立てることができる。異議の申立があつたときは、その旨を調書に記載しなければならない。

2項 前項の異議の申立ては、遅くとも当該審級における最終の公判期日後14日以内にこれをしなければならない。ただし、 第48条第3項 《公判調書は、各公判期日後速かに、遅くとも…》 判決を宣告するまでにこれを整理しなければならない。 ただし、判決を宣告する公判期日の調書は当該公判期日後7日以内に、公判期日から判決を宣告する日までの期間が10日に満たない場合における当該公判期日の調 ただし書の規定により判決を宣告する公判期日後に整理された調書については、整理ができた日から14日以内にこれをすることができる。

52条

1項 公判期日における訴訟手続で公判調書に記載されたものは、公判調書のみによつてこれを証明することができる。

53条

1項 何人も、被告事件の終結後、訴訟記録を閲覧することができる。但し、訴訟記録の保存又は裁判所若しくは検察庁の事務に支障のあるときは、この限りでない。

2項 弁論の公開を禁止した事件の訴訟記録又は一般の閲覧に適しないものとしてその閲覧が禁止された訴訟記録は、前項の規定にかかわらず、訴訟関係人又は閲覧につき正当な理由があつて特に訴訟記録の保管者の許可を受けた者でなければ、これを閲覧することができない。

3項 日本国憲法 第82条第2項 《裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又…》 は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。 但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第3章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこ 但書に掲げる事件については、閲覧を禁止することはできない。

4項 訴訟記録の保管及びその閲覧の手数料については、別に法律でこれを定める。

53条の2

1項 訴訟に関する書類及び押収物については、 行政機関の保有する情報の公開に関する法律 1999年法律第42号及び 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律 2001年法律第140号)の規定は、適用しない。

2項 訴訟に関する書類及び押収物に記録されている個人情報については、 個人情報の保護に関する法律 2003年法律第57号)第5章第4節の規定は、適用しない。

3項 訴訟に関する書類については、 公文書等の管理に関する法律 2009年法律第66号)第2章の規定は、適用しない。この場合において、訴訟に関する書類についての同法第4章の規定の適用については、同法第14条第1項中「国の機関(行政機関を除く。以下この条において同じ。)」とあり、及び同法第16条第1項第3号中「国の機関(行政機関を除く。)」とあるのは、「国の機関」とする。

4項 押収物については、 公文書等の管理に関する法律 の規定は、適用しない。

54条

1項 書類の送達については、裁判所の規則に特別の定めのある場合を除いては、民事訴訟に関する法令の規定( 民事訴訟法 1996年法律第109号第100条第2項 《2 前項の場合において、送達をした者は、…》 同項の規定による書面の提出に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、当該書面に記載すべき事項を最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してファイルに記録し、又は当該書面に記載すべき事項に係る電 並びに第1編第5章第4節第3款及び第4款の規定を除く。)を準用する。

7章 期間

55条

1項 期間の計算については、時で計算するものは、即時からこれを起算し、日、月又は年で計算するものは、初日を算入しない。但し、時効期間の初日は、時間を論じないで1日としてこれを計算する。

2項 及び年は、暦に従つてこれを計算する。

3項 期間の末日が日曜日、土曜日、 国民の祝日に関する法律 1948年法律第178号)に規定する休日、1月2日、1月3日又は12月29日から12月31日までの日に当たるときは、これを期間に算入しない。ただし、時効期間については、この限りでない。

56条

1項 法定の期間は、裁判所の規則の定めるところにより、訴訟行為をすべき者の住居又は事務所の所在地と裁判所又は検察庁の所在地との距離及び交通通信の便否に従い、これを延長することができる。

2項 前項の規定は、宣告した裁判に対する上訴の提起期間には、これを適用しない。

8章 被告人の召喚、勾引及び勾留

57条

1項 裁判所は、裁判所の規則で定める相当の猶予期間を置いて、被告人を召喚することができる。

58条

1項 裁判所は、次の場合には、被告人を勾引することができる。

1号 被告人が定まつた住居を有しないとき。

2号 被告人が、正当な理由がなく、召喚に応じないとき、又は応じないおそれがあるとき。

59条

1項 勾引した被告人は、裁判所に引致した時から24時間以内にこれを釈放しなければならない。但し、その時間内に勾留状が発せられたときは、この限りでない。

60条

1項 裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の1にあたるときは、これを勾留することができる。

1号 被告人が定まつた住居を有しないとき。

2号 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

3号 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

2項 勾留の期間は、公訴の提起があつた日から2箇月とする。特に継続の必要がある場合においては、具体的にその理由を附した決定で、1箇月ごとにこれを更新することができる。但し、 第89条第1号 《第89条 保釈の請求があつたときは、次の…》 場合を除いては、これを許さなければならない。 1 被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の拘禁刑に当たる罪を犯したものであるとき。 2 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える拘禁刑に当た 、第3号、第4号又は第6号にあたる場合を除いては、更新は、一回に限るものとする。

3項 310,000円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律(1926年法律第60号及び経済関係罰則の整備に関する法律(1944年法律第4号)の罪以外の罪については、当分の間、30,000円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる事件については、被告人が定まつた住居を有しない場合に限り、第1項の規定を適用する。

61条

1項 被告人の勾留は、被告人に対し被告事件を告げこれに関する陳述を聴いた後でなければ、これをすることができない。但し、被告人が逃亡した場合は、この限りでない。

62条

1項 被告人の召喚、勾引又は勾留は、召喚状、勾引状又は勾留状を発してこれをしなければならない。

63条

1項 召喚状には、被告人の氏名及び住居、罪名、出頭すべき年月日時及び場所並びに正当な理由がなく出頭しないときは勾引状を発することがある旨その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判長又は受命裁判官が、これに記名押印しなければならない。

64条

1項 勾引状又は勾留状には、被告人の氏名及び住居、罪名、公訴事実の要旨、引致すべき場所又は勾留すべき刑事施設、有効期間及びその期間経過後は執行に着手することができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判長又は受命裁判官が、これに記名押印しなければならない。

2項 被告人の氏名が明らかでないときは、人相、体格その他被告人を特定するに足りる事項で被告人を指示することができる。

3項 被告人の住居が明らかでないときは、これを記載することを要しない。

65条

1項 召喚状は、これを送達する。

2項 被告人から期日に出頭する旨を記載した書面を差し出し、又は出頭した被告人に対し口頭で次回の出頭を命じたときは、召喚状を送達した場合と同1の効力を有する。口頭で出頭を命じた場合には、その旨を調書に記載しなければならない。

3項 裁判所に近接する刑事施設にいる被告人に対しては、刑事施設職員(刑事施設の長又はその指名する刑事施設の職員をいう。以下同じ。)に通知してこれを召喚することができる。この場合には、被告人が刑事施設職員から通知を受けた時に召喚状の送達があつたものとみなす。

66条

1項 裁判所は、被告人の現在地の地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に被告人の勾引を嘱託することができる。

2項 受託裁判官は、受託の権限を有する他の地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に転嘱することができる。

3項 受託裁判官は、受託事項について権限を有しないときは、受託の権限を有する他の地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に嘱託を移送することができる。

4項 嘱託又は移送を受けた裁判官は、勾引状を発しなければならない。

5項 第64条 《 勾引状又は勾留状には、被告人の氏名及び…》 住居、罪名、公訴事実の要旨、引致すべき場所又は勾留すべき刑事施設、有効期間及びその期間経過後は執行に着手することができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める の規定は、前項の勾引状についてこれを準用する。この場合においては、勾引状に嘱託によつてこれを発する旨を記載しなければならない。

67条

1項 前条の場合には、嘱託によつて勾引状を発した裁判官は、被告人を引致した時から24時間以内にその人違でないかどうかを取り調べなければならない。

2項 被告人が人違でないときは、速やかに且つ直接これを指定された裁判所に送致しなければならない。この場合には、嘱託によつて勾引状を発した裁判官は、被告人が指定された裁判所に到着すべき期間を定めなければならない。

3項 前項の場合には、 第59条 《 勾引した被告人は、裁判所に引致した時か…》 ら24時間以内にこれを釈放しなければならない。 但し、その時間内に勾留状が発せられたときは、この限りでない。 の期間は、被告人が指定された裁判所に到着した時からこれを起算する。

68条

1項 裁判所は、必要があるときは、指定の場所に被告人の出頭又は同行を命ずることができる。被告人が正当な理由がなくこれに応じないときは、その場所に勾引することができる。この場合には、 第59条 《 勾引した被告人は、裁判所に引致した時か…》 ら24時間以内にこれを釈放しなければならない。 但し、その時間内に勾留状が発せられたときは、この限りでない。 の期間は、被告人をその場所に引致した時からこれを起算する。

69条

1項 裁判長は、急速を要する場合には、 第57条 《 裁判所は、裁判所の規則で定める相当の猶…》 予期間を置いて、被告人を召喚することができる。 ないし[から〜まで] 第62条 《 被告人の召喚、勾引又は勾留は、召喚状、…》 勾引状又は勾留状を発してこれをしなければならない。第65条 《 召喚状は、これを送達する。 被告人から…》 期日に出頭する旨を記載した書面を差し出し、又は出頭した被告人に対し口頭で次回の出頭を命じたときは、召喚状を送達した場合と同1の効力を有する。 口頭で出頭を命じた場合には、その旨を調書に記載しなければな第66条 《 裁判所は、被告人の現在地の地方裁判所、…》 家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に被告人の勾引を嘱託することができる。 受託裁判官は、受託の権限を有する他の地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に転嘱することができる。 受託裁判官は、受託事項 及び前条に規定する処分をし、又は合議体の構成員にこれをさせることができる。

70条

1項 勾引状又は勾留状は、検察官の指揮によつて、検察事務官又は司法警察職員がこれを執行する。但し、急速を要する場合には、裁判長、受命裁判官又は地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官は、その執行を指揮することができる。

2項 刑事施設にいる被告人に対して発せられた勾留状は、検察官の指揮によつて、刑事施設職員がこれを執行する。

71条

1項 検察事務官又は司法警察職員は、必要があるときは、管轄区域外で、勾引状若しくは勾留状を執行し、又はその地の検察事務官若しくは司法警察職員にその執行を求めることができる。

72条

1項 被告人の現在地が判らないときは、裁判長は、検事長にその捜査及び勾引状又は勾留状の執行を嘱託することができる。

2項 嘱託を受けた検事長は、その管内の検察官に捜査及び勾引状又は勾留状の執行の手続をさせなければならない。

73条

1項 勾引状を執行するには、これを被告人に示した上、できる限り速やかに且つ直接、指定された裁判所その他の場所に引致しなければならない。 第66条第4項 《嘱託又は移送を受けた裁判官は、勾引状を発…》 しなければならない。 の勾引状については、これを発した裁判官に引致しなければならない。

2項 勾留状を執行するには、これを被告人に示した上、できる限り速やかに、かつ、直接、指定された刑事施設に引致しなければならない。

3項 勾引状又は勾留状を所持しないためこれを示すことができない場合において、急速を要するときは、前2項の規定にかかわらず、被告人に対し公訴事実の要旨及び令状が発せられている旨を告げて、その執行をすることができる。但し、令状は、できる限り速やかにこれを示さなければならない。

74条

1項 勾引状又は勾留状の執行を受けた被告人を護送する場合において必要があるときは、仮に最寄りの刑事施設にこれを留置することができる。

75条

1項 勾引状の執行を受けた被告人を引致した場合において必要があるときは、これを刑事施設に留置することができる。

76条

1項 被告人を勾引したときは、直ちに被告人に対し、公訴事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨並びに貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは弁護人の選任を請求することができる旨を告げなければならない。ただし、被告人に弁護人があるときは、公訴事実の要旨を告げれば足りる。

2項 前項の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たつては、弁護士、 弁護士法 人(弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下同じ。又は弁護士会を指定して弁護人の選任を申し出ることができる旨及びその申出先を教示しなければならない。

3項 第1項の告知及び前項の教示は、合議体の構成員又は裁判所書記官にこれをさせることができる。

4項 第66条第4項 《嘱託又は移送を受けた裁判官は、勾引状を発…》 しなければならない。 の規定により勾引状を発した場合には、第1項の告知及び第2項の教示は、その勾引状を発した裁判官がこれをしなければならない。ただし、裁判所書記官にその告知及び教示をさせることができる。

77条

1項 被告人を勾留するには、被告人に対し、弁護人を選任することができる旨及び貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは弁護人の選任を請求することができる旨を告げなければならない。ただし、被告人に弁護人があるときは、この限りでない。

2項 前項の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たつては、勾留された被告人は弁護士、 弁護士法 又は弁護士会を指定して弁護人の選任を申し出ることができる旨及びその申出先を教示しなければならない。

3項 第61条 《 被告人の勾留は、被告人に対し被告事件を…》 告げこれに関する陳述を聴いた後でなければ、これをすることができない。 但し、被告人が逃亡した場合は、この限りでない。 ただし書の場合には、被告人を勾留した後直ちに、第1項に規定する事項及び公訴事実の要旨を告げるとともに、前項に規定する事項を教示しなければならない。ただし、被告人に弁護人があるときは、公訴事実の要旨を告げれば足りる。

4項 前条第3項の規定は、第1項の告知、第2項の教示並びに前項の告知及び教示についてこれを準用する。

78条

1項 勾引又は勾留された被告人は、裁判所又は刑事施設の長若しくはその代理者に弁護士、 弁護士法 又は弁護士会を指定して弁護人の選任を申し出ることができる。ただし、被告人に弁護人があるときは、この限りでない。

2項 前項の申出を受けた裁判所又は刑事施設の長若しくはその代理者は、直ちに被告人の指定した弁護士、 弁護士法 又は弁護士会にその旨を通知しなければならない。被告人が2人以上の弁護士又は二以上の 弁護士法 人若しくは弁護士会を指定して前項の申出をしたときは、そのうちの1人の弁護士又は1の 弁護士法 人若しくは弁護士会にこれを通知すれば足りる。

79条

1項 被告人を勾留したときは、直ちに弁護人にその旨を通知しなければならない。被告人に弁護人がないときは、被告人の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹のうち被告人の指定する者1人にその旨を通知しなければならない。

80条

1項 勾留されている被告人は、 第39条第1項 《身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は…》 、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者弁護士でない者にあつては、第31条第2項の許可があつた後に限る。と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることが に規定する者以外の者と、法令の範囲内で、接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。勾引状により刑事施設に留置されている被告人も、同様である。

81条

1項 裁判所は、逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるときは、検察官の請求により又は職権で、勾留されている被告人と 第39条第1項 《身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は…》 、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者弁護士でない者にあつては、第31条第2項の許可があつた後に限る。と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることが に規定する者以外の者との接見を禁じ、又はこれと授受すべき書類その他の物を検閲し、その授受を禁じ、若しくはこれを差し押えることができる。但し、糧食の授受を禁じ、又はこれを差し押えることはできない。

82条

1項 勾留されている被告人は、裁判所に勾留の理由の開示を請求することができる。

2項 勾留されている被告人の弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹その他利害関係人も、前項の請求をすることができる。

3項 前2項の請求は、保釈、勾留の執行停止若しくは勾留の取消があつたとき、又は勾留状の効力が消滅したときは、その効力を失う。

83条

1項 勾留の理由の開示は、公開の法廷でこれをしなければならない。

2項 法廷は、裁判官及び裁判所書記が列席してこれを開く。

3項 被告人及びその弁護人が出頭しないときは、開廷することはできない。但し、被告人の出頭については、被告人が病気その他やむを得ない事由によつて出頭することができず且つ被告人に異議がないとき、弁護人の出頭については、被告人に異議がないときは、この限りでない。

84条

1項 法廷においては、裁判長は、勾留の理由を告げなければならない。

2項 検察官又は被告人及び弁護人並びにこれらの者以外の請求者は、意見を述べることができる。但し、裁判長は、相当と認めるときは、意見の陳述に代え意見を記載した書面を差し出すべきことを命ずることができる。

85条

1項 勾留の理由の開示は、合議体の構成員にこれをさせることができる。

86条

1項 同1の勾留について 第82条 《 勾留されている被告人は、裁判所に勾留の…》 理由の開示を請求することができる。 勾留されている被告人の弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹その他利害関係人も、前項の請求をすることができる。 前2項の請求は、保釈、勾留の執行停 の請求が二以上ある場合には、勾留の理由の開示は、最初の請求についてこれを行う。その他の請求は、勾留の理由の開示が終つた後、決定でこれを却下しなければならない。

87条

1項 勾留の理由又は勾留の必要がなくなつたときは、裁判所は、検察官、勾留されている被告人若しくはその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取り消さなければならない。

2項 第82条第3項 《前2項の請求は、保釈、勾留の執行停止若し…》 くは勾留の取消があつたとき、又は勾留状の効力が消滅したときは、その効力を失う。 の規定は、前項の請求についてこれを準用する。

88条

1項 勾留されている被告人又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹は、保釈の請求をすることができる。

2項 第82条第3項 《前2項の請求は、保釈、勾留の執行停止若し…》 くは勾留の取消があつたとき、又は勾留状の効力が消滅したときは、その効力を失う。 の規定は、前項の請求についてこれを準用する。

89条

1項 保釈の請求があつたときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。

1号 被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の拘禁刑に当たる罪を犯したものであるとき。

2号 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える拘禁刑に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。

3号 被告人が常習として長期3年以上の拘禁刑に当たる罪を犯したものであるとき。

4号 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

5号 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。

6号 被告人の氏名又は住居が分からないとき。

90条

1項 裁判所は、保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情を考慮し、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができる。

91条

1項 勾留による拘禁が不当に長くなつたときは、裁判所は、 第88条 《 勾留されている被告人又はその弁護人、法…》 定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹は、保釈の請求をすることができる。 第82条第3項の規定は、前項の請求についてこれを準用する。 に規定する者の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取り消し、又は保釈を許さなければならない。

2項 第82条第3項 《前2項の請求は、保釈、勾留の執行停止若し…》 くは勾留の取消があつたとき、又は勾留状の効力が消滅したときは、その効力を失う。 の規定は、前項の請求についてこれを準用する。

92条

1項 裁判所は、保釈を許す決定又は保釈の請求を却下する決定をするには、検察官の意見を聴かなければならない。

2項 検察官の請求による場合を除いて、勾留を取り消す決定をするときも、前項と同様である。但し、急速を要する場合は、この限りでない。

93条

1項 保釈を許す場合には、保証金額を定めなければならない。

2項 保証金額は、犯罪の性質及び情状、証拠の証明力並びに被告人の性格及び資産を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければならない。

3項 保釈を許す場合には、被告人の住居を制限し、その他適当と認める条件を付することができる。

4項 裁判所は、前項の規定により被告人の住居を制限する場合において、必要と認めるときは、裁判所の許可を受けないでその指定する期間を超えて当該住居を離れてはならない旨の条件を付することができる。

5項 前項の期間は、被告人の生活の状況その他の事情を考慮して指定する。

6項 第4項の許可をする場合には、同項の住居を離れることを必要とする理由その他の事情を考慮して、当該住居を離れることができる期間を指定しなければならない。

7項 裁判所は、必要と認めるときは、前項の期間を延長することができる。

8項 裁判所は、第4項の許可を受けた被告人について、同項の住居を離れることができる期間として指定された期間の終期まで当該住居を離れる必要がなくなつたと認めるときは、当該期間を短縮することができる。

94条

1項 保釈を許す決定は、保証金の納付があつた後でなければ、これを執行することができない。

2項 裁判所は、保釈請求者でない者に保証金を納めることを許すことができる。

3項 裁判所は、有価証券又は裁判所の適当と認める被告人以外の者の差し出した保証書を以て保証金に代えることを許すことができる。

95条

1項 裁判所は、適当と認めるときは、決定で、勾留されている被告人を親族、保護団体その他の者に委託し、又は被告人の住居を制限して、勾留の執行を停止することができる。この場合においては、適当と認める条件を付することができる。

2項 前項前段の決定をする場合には、勾留の執行停止をする期間を指定することができる。

3項 前項の期間を指定するに当たつては、その終期を日時をもつて指定するとともに、当該日時に出頭すべき場所を指定しなければならない。

4項 裁判所は、必要と認めるときは、第2項の期間を延長することができる。この場合においては、前項の規定を準用する。

5項 裁判所は、期間を指定されて勾留の執行停止をされた被告人について、当該期間の終期として指定された日時まで勾留の執行停止を継続する必要がなくなつたと認めるときは、当該期間を短縮することができる。この場合においては、第3項の規定を準用する。

6項 第93条第4項 《裁判所は、前項の規定により被告人の住居を…》 制限する場合において、必要と認めるときは、裁判所の許可を受けないでその指定する期間を超えて当該住居を離れてはならない旨の条件を付することができる。 から第8項までの規定は、第1項前段の規定により被告人の住居を制限する場合について準用する。

95条の2

1項 期間を指定されて勾留の執行停止をされた被告人が、正当な理由がなく、当該期間の終期として指定された日時に、出頭すべき場所として指定された場所に出頭しないときは、2年以下の拘禁刑に処する。

95条の3

1項 裁判所の許可を受けないで指定された期間を超えて制限された住居を離れてはならない旨の条件を付されて保釈又は勾留の執行停止をされた被告人が、当該条件に係る住居を離れ、当該許可を受けないで、正当な理由がなく、当該期間を超えて当該住居に帰着しないときは、2年以下の拘禁刑に処する。

2項 前項の被告人が、裁判所の許可を受けて同項の住居を離れ、正当な理由がなく、当該住居を離れることができる期間として指定された期間を超えて当該住居に帰着しないときも、同項と同様とする。

95条の4

1項 裁判所は、被告人の逃亡を防止し、又は公判期日への出頭を確保するため必要があると認めるときは、保釈を許す決定又は 第95条第1項 《裁判所は、適当と認めるときは、決定で、勾…》 留されている被告人を親族、保護団体その他の者に委託し、又は被告人の住居を制限して、勾留の執行を停止することができる。 この場合においては、適当と認める条件を付することができる。 前段の決定を受けた被告人に対し、その住居、労働又は通学の状況、身分関係その他のその変更が被告人が逃亡すると疑うに足りる相当な理由の有無の判断に影響を及ぼす生活上又は身分上の事項として裁判所の定めるものについて、次に掲げるところに従つて報告をすることを命ずることができる。

1号 裁判所の指定する時期に、当該時期における当該事項について報告をすること。

2号 当該事項に変更が生じたときは、速やかに、その変更の内容について報告をすること。

2項 裁判所は、前項の場合において、必要と認めるときは、同項の被告人に対し、同項の規定による報告を裁判所の指定する日時及び場所に出頭してすることを命ずることができる。

3項 裁判所は、第1項の規定による報告があつたときはその旨及びその報告の内容を、同項(第1号に係る部分に限る。)の規定による報告がなかつたとき又は同項(第2号に係る部分に限る。)の規定による報告がなかつたことを知つたときはその旨及びその状況を、それぞれ速やかに検察官に通知しなければならない。

96条

1項 裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合には、検察官の請求により、又は職権で、決定で、保釈又は勾留の執行停止を取り消すことができる。

1号 被告人が、召喚を受け正当な理由がなく出頭しないとき。

2号 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

3号 被告人が罪証を隠滅し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

4号 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え若しくは加えようとし、又はこれらの者を畏怖させる行為をしたとき。

5号 被告人が、正当な理由がなく前条第1項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

6号 被告人が住居の制限その他裁判所の定めた条件に違反したとき。

2項 前項の規定により保釈を取り消す場合には、裁判所は、決定で、保証金の全部又は一部を没取することができる。

3項 保釈を取り消された者が、 第98条の2 《 検察官は、保釈又は勾留の執行停止を取り…》 消す決定があつた場合において、被告人が刑事施設に収容されていないときは、被告人に対し、指定する日時及び場所に出頭することを命ずることができる。 の規定による命令を受け正当な理由がなく出頭しないとき、又は逃亡したときも、前項と同様とする。

4項 拘禁刑以上の刑に処する判決(拘禁刑の全部の執行猶予の言渡しをしないものに限る。以下同じ。)の宣告を受けた後、保釈又は勾留の執行停止をされている被告人が逃亡したときは、裁判所は、検察官の請求により、又は職権で、決定で、保釈又は勾留の執行停止を取り消さなければならない。

5項 前項の規定により保釈を取り消す場合には、裁判所は、決定で、保証金の全部又は一部を没取しなければならない。

6項 保釈を取り消された者が、 第98条の2 《 検察官は、保釈又は勾留の執行停止を取り…》 消す決定があつた場合において、被告人が刑事施設に収容されていないときは、被告人に対し、指定する日時及び場所に出頭することを命ずることができる。 の規定による命令を受け正当な理由がなく出頭しない場合又は逃亡した場合において、その者が拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者であるときは、裁判所は、決定で、保証金の全部又は一部を没取しなければならない。ただし、第4項の規定により保釈を取り消された者が逃亡したときは、この限りでない。

7項 保釈された者が、拘禁刑以上の刑に処する判決又は拘留に処する判決の宣告を受けた後、 第343条 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告があつ…》 たときは、保釈又は勾留の執行停止は、その効力を失う。 前項の場合には、新たに保釈又は勾留の執行停止の決定がないときに限り、第98条及び第271条の8第5項第312条の2第4項において準用する場合を含む の二( 第404条 《 第2編中公判に関する規定は、この法律に…》 特別の定のある場合を除いては、控訴の審判についてこれを準用する。 第414条 《 前章の規定は、この法律に特別の定のある…》 場合を除いては、上告の審判についてこれを準用する。 において準用する場合を含む。 第98条の17第1項第2号 《位置測定端末装着命令は、次に掲げる場合に…》 は、その効力を失う。 1 保釈が取り消された場合において、第98条第1項又は第2項の規定により刑事施設に収容されたとき。 2 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告があつた場合において、第343条第2項前段 及び第4号において同じ。)において準用する場合を含む。)の規定による命令を受け正当な理由がなく出頭しないとき又は逃亡したとき(保釈されている場合及び保釈を取り消された後、逃亡した場合を除く。)は検察官の請求により又は職権で、刑の執行のため呼出しを受け正当な理由がなく出頭しないときは検察官の請求により、決定で、保証金の全部又は一部を没取しなければならない。

97条

1項 上訴の提起期間内の事件でまだ上訴の提起がないものについて、勾留の期間を更新し、勾留を取り消し、又は保釈若しくは勾留の執行停止をし、若しくはこれを取り消すべき場合には、原裁判所が、その決定をしなければならない。

2項 上訴中の事件で訴訟記録が上訴裁判所に到達していないものについて前項の決定をすべき裁判所は、裁判所の規則の定めるところによる。

3項 前2項の規定は、勾留の理由の開示をすべき場合にこれを準用する。

98条

1項 保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定があつたとき、又は勾留の執行停止の期間が満了したときは、検察事務官、司法警察職員又は刑事施設職員は、検察官の指揮により、勾留状の謄本及び保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定の謄本又は期間を指定した勾留の執行停止の決定の謄本を被告人に示してこれを刑事施設に収容しなければならない。

2項 前項の書面を所持しないためこれを示すことができない場合において、急速を要するときは、同項の規定にかかわらず、検察官の指揮により、被告人に対し保釈若しくは勾留の執行停止が取り消された旨又は勾留の執行停止の期間が満了した旨を告げて、これを刑事施設に収容することができる。ただし、その書面は、できる限り速やかにこれを示さなければならない。

3項 第71条 《 検察事務官又は司法警察職員は、必要があ…》 るときは、管轄区域外で、勾引状若しくは勾留状を執行し、又はその地の検察事務官若しくは司法警察職員にその執行を求めることができる。 の規定は、前2項の規定による収容についてこれを準用する。

98条の2

1項 検察官は、保釈又は勾留の執行停止を取り消す決定があつた場合において、被告人が刑事施設に収容されていないときは、被告人に対し、指定する日時及び場所に出頭することを命ずることができる。

98条の3

1項 保釈又は勾留の執行停止を取り消され、検察官から出頭を命ぜられた被告人が、正当な理由がなく、指定された日時及び場所に出頭しないときは、2年以下の拘禁刑に処する。

98条の4

1項 裁判所は、保釈を許し、又は勾留の執行停止をする場合において、必要と認めるときは、適当と認める者を、その同意を得て監督者として選任することができる。

2項 裁判所は、前項の同意を得るに当たつては、あらかじめ、監督者として選任する者に対し、次項及び第4項に規定する監督者の責務並びに 第98条の8第2項 《前項第1号に係る部分に限る。の規定により…》 監督者を解任する場合には、裁判所は、決定で、監督保証金の全部又は一部を没取することができる。第98条 《 保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決…》 定があつたとき、又は勾留の執行停止の期間が満了したときは、検察事務官、司法警察職員又は刑事施設職員は、検察官の指揮により、勾留状の謄本及び保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定の謄本又は期間を指定し の十一及び 第98条の18第3項 《監督者が選任されている場合において、第1…》 項第2号位置測定端末を自己の身体に装着しないでいることができる期間の終期として指定された日時に、当該日時において位置測定端末を装着するために出頭すべき場所として指定された場所に出頭しなかつたことにより の規定による監督保証金の没取の制度を理解させるために必要な事項を説明しなければならない。

3項 監督者は、被告人の逃亡を防止し、及び公判期日への出頭を確保するために必要な監督をするものとする。

4項 裁判所は、監督者に対し、次の各号に掲げる事項のいずれか又は全てを命ずるものとする。

1号 被告人が召喚を受けたときその他この法律又は他の法律の規定により被告人が出頭しなければならないときは、その出頭すべき日時及び場所に、被告人と共に出頭すること。

2号 被告人の住居、労働又は通学の状況、身分関係その他のその変更が被告人が逃亡すると疑うに足りる相当な理由の有無の判断に影響を及ぼす生活上又は身分上の事項として裁判所の定めるものについて、次に掲げるところに従つて報告をすること。

裁判所の指定する時期に、当該時期における当該事項について報告をすること。

当該事項に変更が生じたときは、速やかに、その変更の内容について報告をすること。

98条の5

1項 監督者を選任する場合には、監督保証金額を定めなければならない。

2項 監督保証金額は、監督者として選任する者の資産及び被告人との関係その他の事情を考慮して、前条第4項の規定により命ずる事項及び被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければならない。

98条の6

1項 監督者を選任した場合には、保釈を許す決定は、 第94条第1項 《保釈を許す決定は、保証金の納付があつた後…》 でなければ、これを執行することができない。 の規定にかかわらず、保証金及び監督保証金の納付があつた後でなければ、執行することができない。

2項 監督者を選任した場合には、 第95条第1項 《裁判所は、適当と認めるときは、決定で、勾…》 留されている被告人を親族、保護団体その他の者に委託し、又は被告人の住居を制限して、勾留の執行を停止することができる。 この場合においては、適当と認める条件を付することができる。 前段の決定は、監督保証金の納付があつた後でなければ、執行することができない。

3項 第94条第2項 《裁判所は、保釈請求者でない者に保証金を納…》 めることを許すことができる。 及び第3項の規定は、監督保証金の納付について準用する。この場合において、同条第2項中「保釈請求者でない者」とあるのは「監督者でない者(被告人を除く。)」と、同条第3項中「被告人」とあるのは「被告人及び監督者」と読み替えるものとする。

98条の7

1項 裁判所は、監督者を選任した場合において、被告人の召喚がされたときその他この法律又は他の法律の規定により被告人が指定の日時及び場所に出頭しなければならないこととされたときは、速やかに、監督者に対し、その旨並びに当該日時及び場所を通知しなければならない。

2項 裁判所は、 第98条の4第4項 《裁判所は、監督者に対し、次の各号に掲げる…》 事項のいずれか又は全てを命ずるものとする。 1 被告人が召喚を受けたときその他この法律又は他の法律の規定により被告人が出頭しなければならないときは、その出頭すべき日時及び場所に、被告人と共に出頭するこ第1号に係る部分に限る。)の規定による出頭があつたときはその旨を、同項(第2号に係る部分に限る。)の規定による報告があつたときはその旨及びその報告の内容を、同項(第1号に係る部分に限る。)の規定による出頭若しくは同項(第2号イに係る部分に限る。)の規定による報告がなかつたとき又は同項(第2号ロに係る部分に限る。)の規定による報告がなかつたことを知つたときはその旨及びその状況を、それぞれ速やかに検察官に通知しなければならない。

98条の8

1項 裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、監督者を解任することができる。

1号 監督者が、正当な理由がなく、 第98条の4第4項 《裁判所は、監督者に対し、次の各号に掲げる…》 事項のいずれか又は全てを命ずるものとする。 1 被告人が召喚を受けたときその他この法律又は他の法律の規定により被告人が出頭しなければならないときは、その出頭すべき日時及び場所に、被告人と共に出頭するこ の規定による命令に違反したとき。

2号 心身の故障その他の事由により、監督者が 第98条の4第4項 《裁判所は、監督者に対し、次の各号に掲げる…》 事項のいずれか又は全てを命ずるものとする。 1 被告人が召喚を受けたときその他この法律又は他の法律の規定により被告人が出頭しなければならないときは、その出頭すべき日時及び場所に、被告人と共に出頭するこ の規定により命ぜられた事項をすることができない状態になつたとき。

3号 監督者から解任の申出があつたとき。

2項 前項(第1号に係る部分に限る。)の規定により監督者を解任する場合には、裁判所は、決定で、監督保証金の全部又は一部を没取することができる。

98条の9

1項 裁判所は、監督者を解任した場合又は監督者が死亡した場合には、決定で、保釈又は勾留の執行停止を取り消さなければならない。

2項 裁判所は、前項に規定する場合において、相当と認めるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める措置をとることができる。この場合においては、同項の規定は、適用しない。

1号 被告人が保釈されている場合新たに適当と認める者を監督者として選任し、又は保証金額を増額すること。

2号 被告人が勾留の執行停止をされている場合新たに適当と認める者を監督者として選任すること。

3項 裁判所は、前項前段の規定により監督者を選任する場合には、監督保証金を納付すべき期限を指定しなければならない。

4項 裁判所は、やむを得ない事由があると認めるときは、前項の期限を延長することができる。

5項 裁判所は、第3項の期限までに監督保証金の納付がなかつたときは、監督者を解任しなければならない。

6項 裁判所は、第2項前段(第1号に係る部分に限る。次項において同じ。)の規定により監督者を選任する場合において、相当と認めるときは、保証金額を減額することができる。

7項 裁判所は、第2項前段の規定により保証金額を増額する場合には、増額分の保証金を納付すべき期限を指定しなければならない。この場合においては、第4項の規定を準用する。

8項 第94条第2項 《裁判所は、保釈請求者でない者に保証金を納…》 めることを許すことができる。 及び第3項の規定は、前項に規定する場合における増額分の保証金の納付について準用する。この場合において、同条第2項中「保釈請求者」とあるのは、「被告人」と読み替えるものとする。

9項 裁判所は、第7項の期限までに増額分の保証金の納付がなかつたときは、決定で、保釈を取り消さなければならない。

98条の10

1項 被告人は、 第98条の8第1項第2号 《裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると…》 認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、監督者を解任することができる。 1 監督者が、正当な理由がなく、第98条の4第4項の規定による命令に違反したとき。 2 心身の故障その他の事由により、監督 に該当すること又は監督者が死亡したことを知つたときは、速やかに、その旨を裁判所に届け出なければならない。

2項 裁判所は、前項の規定による届出がなかつたときは、検察官の請求により、又は職権で、決定で、保釈又は勾留の執行停止を取り消すことができる。

3項 前項の規定により保釈を取り消す場合には、裁判所は、決定で、保証金の全部又は一部を没取することができる。

98条の11

1項 監督者が選任されている場合において、 第96条第1項 《裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場…》 合には、検察官の請求により、又は職権で、決定で、保釈又は勾留の執行停止を取り消すことができる。 1 被告人が、召喚を受け正当な理由がなく出頭しないとき。 2 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相第1号、第2号及び第5号( 第95条の4第2項 《裁判所は、前項の場合において、必要と認め…》 るときは、同項の被告人に対し、同項の規定による報告を裁判所の指定する日時及び場所に出頭してすることを命ずることができる。 の規定による出頭をしなかつたことにより適用される場合に限る。)に係る部分に限る。)の規定により保釈又は勾留の執行停止を取り消すときは、裁判所は、決定で、監督保証金の全部又は一部を没取することができる。

98条の12

1項 裁判所は、保釈を許す場合において、被告人が国外に逃亡することを防止するため、その位置及び当該位置に係る時刻を把握する必要があると認めるときは、被告人に対し、 位置測定 端末(人の身体に装着される電子計算機であつて、人工衛星から発射される信号その他これを補完する信号(第3項第1号において「 人工衛星信号等 」という。)を用いて行う当該電子計算機の位置及び当該位置に係る時刻の測定(以下「 位置測定 」という。)に用いられるものをいう。以下同じ。)をその身体に装着することを命ずることができる。

2項 裁判所は、前項の規定による命令(以下「 位置測定端末装着命令 」という。)をするときは、飛行場又は港湾施設の周辺の区域その他の 位置測定 端末装着命令を受けた者が本邦から出国する際に立ち入ることとなる区域であつて、当該者が所在してはならない区域(以下「 所在禁止区域 」という。)を定めるものとする。

3項 位置測定 端末は、次に掲げる機能及び構造を有するものでなければならない。

1号 位置測定 のために必要な 人工衛星信号等 を受信する機能

2号 次に掲げる事由の発生を検知する機能

位置測定 端末が装着された者の身体から離れたこと。

位置測定 に関して行われる信号の送受信(以下「 位置測定通信 」という。)であつて位置測定端末に係るものが途絶するおそれがある事由として裁判所の規則で定めるもの

ロに掲げる事由がなくなつたこと。

イからハまでに掲げるもののほか、 位置測定 端末を装着された者の本邦からの出国を防止し、又はその位置を把握するために位置測定端末において検知すべき事由として裁判所の規則で定めるもの

3号 前号に掲げる事由の発生が検知されたときは、直ちに、かつ、自動的に、 位置測定 端末を装着された者に当該事由の発生を知らせるとともに、第5項の閲覧設備において当該事由の発生を確認するために必要な信号を、直接に又は次項の位置測定設備を経由して、第5項の閲覧設備に送信する機能

4号 人の身体に装着された場合において、その全部又は一部を損壊することなく当該人の身体から取り外すことを困難とする構造

5号 前各号に掲げるもののほか、 位置測定 に関して必要な機能又は構造として裁判所の規則で定めるもの

4項 位置測定 においては、次に掲げる機能を有する電気通信設備であつて裁判所の規則で定めるもの(第1号及び 第98条の15第1項 《裁判所は、やむを得ない理由により必要があ…》 ると認めるときは、位置測定端末装着命令を受けた者に対し、期間を指定して、所在禁止区域内に所在することを許可することができる。 この場合において、当該期間内に当該所在禁止区域内に所在することについては、 において「 位置測定設備 」という。)を使用するものとする。

1号 次に掲げる事由の発生を検知する機能

位置測定 端末が 所在禁止区域 内に所在すること。

位置測定 通信であつて位置測定設備に係るものが途絶するおそれがある事由として裁判所の規則で定めるもの

ロに掲げる事由がなくなつたこと。

イからハまでに掲げるもののほか、 位置測定 端末を装着された者の本邦からの出国を防止し、又はその位置を把握するために位置測定設備において検知すべき事由として裁判所の規則で定めるもの

2号 前号に掲げる事由の発生が検知されたときは、直ちに、かつ、自動的に、 位置測定 端末を装着された者に当該事由の発生を知らせるとともに、次項の閲覧設備において当該事由の発生を確認するために必要な信号を同項の閲覧設備に送信する機能

5項 位置測定 においては、裁判所が端末位置情報(位置測定により得られた位置測定端末の位置及び当該位置に係る時刻に関する情報をいう。以下同じ。)を表示して閲覧すること及び第3項第3号又は前項第2号の信号を受信することにより次に掲げる事由の発生を確認することができる機能を有する電気通信設備(以下「 閲覧設備 」という。)を使用するものとする。

1号 第3項第2号イに掲げる事由

2号 前項第1号イに掲げる事由

3号 第3項第2号ロ又は前項第1号ロに掲げる事由

4号 第3項第2号ハ又は前項第1号ハに掲げる事由

5号 第3項第2号ニ又は前項第1号ニに掲げる事由

98条の13

1項 位置測定 端末は、裁判所の指揮によつて、裁判所書記官その他の裁判所の職員が位置測定端末装着命令を受けた者の身体に装着するものとする。

2項 位置測定 端末装着命令がされたときは、保釈を許す決定は、前項の規定による位置測定端末の装着をした後でなければ、執行することができない。

98条の14

1項 位置測定 端末装着命令を受けた者は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

1号 所在禁止区域 内に所在しないこと。

2号 位置測定 端末を自己の身体に装着し続けること。

3号 次に掲げる行為をしないこと。

自己の身体に装着された 位置測定 端末を損壊する行為

位置測定 通信に障害を与える行為

及びロに掲げるもののほか、 位置測定 端末による位置測定端末装着命令を受けた者の位置の把握に支障を生じさせるおそれがある行為として裁判所の規則で定めるもの

4号 裁判所の定める方法により、 位置測定 端末の充電その他の位置測定端末の機能の維持に必要な管理をすること。

5号 自己の身体に装着された 位置測定 端末において位置測定通信のうち裁判所の規則で定めるものが行われていないことを知つたときは、遅滞なく、裁判所に対し、当該位置測定端末の損壊又は機能の障害の有無及び程度、電池の残量、自己の現在地その他の位置測定通信の回復に必要な措置を講ずるため必要な事項として裁判所の規則で定めるものを報告すること。

2項 裁判所は、 位置測定 通信の回復その他の位置測定端末を用いて行う位置測定端末装着命令を受けた者の位置の把握に必要な措置を講ずるため必要があると認めるときは、当該者に対し、裁判所の指定する日時及び場所に出頭することを命ずることができる。

98条の15

1項 裁判所は、やむを得ない理由により必要があると認めるときは、 位置測定 端末装着命令を受けた者に対し、期間を指定して、 所在禁止区域 内に所在することを許可することができる。この場合において、当該期間内に当該所在禁止区域内に所在することについては、前条第1項(第1号に係る部分に限る。)の規定は、適用せず、裁判所は、位置測定設備による 第98条の12第4項第1号 《位置測定においては、次に掲げる機能を有す…》 る電気通信設備であつて裁判所の規則で定めるもの第1号及び第98条の15第1項において「位置測定設備」という。を使用するものとする。 1 次に掲げる事由の発生を検知する機能 イ 位置測定端末が所在禁止区 イに掲げる事由の発生の検知を停止するものとする。

2項 前項前段の期間は、その始期及び終期を日時をもつて指定しなければならない。

3項 裁判所は、必要と認めるときは、第1項前段の期間を延長することができる。

4項 裁判所は、第1項前段の規定による許可を受けた者について、 所在禁止区域 内に所在することができる期間の終期として指定された日時まで当該所在禁止区域内に所在する必要がなくなつたと認めるときは、当該期間を短縮することができる。

5項 第2項の規定は、前2項の規定による期間の延長又は短縮をする場合について準用する。この場合において、第2項中「始期及び終期」とあるのは、「終期」と読み替えるものとする。

6項 裁判所は、やむを得ない理由により必要があると認めるときは、 位置測定 端末装着命令を受けた者に対し、期間を指定して、位置測定端末を自己の身体に装着しないでいることを許可することができる。

7項 前項の規定による許可は、当該許可を受けた者の身体から 位置測定 端末を取り外した後でなければ、その効力を生じない。

8項 第6項の規定による許可を受けた者の身体に装着された 位置測定 端末は、裁判所の指揮によつて、裁判所書記官その他の裁判所の職員が取り外すものとする。

9項 前条第1項(第2号から第5号までに係る部分に限る。)の規定は、第6項の期間内は適用しない。

10項 第6項の期間を指定するに当たつては、その終期を日時をもつて指定するとともに、当該日時において 位置測定 端末を装着するために出頭すべき場所を指定しなければならない。

11項 裁判所は、必要と認めるときは、第6項の期間を延長することができる。この場合においては、前項の規定を準用する。

12項 裁判所は、第6項の規定による許可を受けた者について、 位置測定 端末を自己の身体に装着しないでいることができる期間の終期として指定された日時まで位置測定端末を自己の身体に装着しないでいる必要がなくなつたと認めるときは、当該期間を短縮することができる。この場合においては、第10項の規定を準用する。

98条の16

1項 位置測定 端末を装着させる必要がなくなつたときは、裁判所は、検察官、位置測定端末装着命令を受けた者若しくは弁護人の請求により、又は職権で、決定で、位置測定端末装着命令を取り消さなければならない。この場合においては、できる限り速やかに、位置測定端末装着命令を取り消された者の身体から位置測定端末を取り外さなければならない。

2項 前条第8項の規定は、前項後段の規定による 位置測定 端末の取り外しについて準用する。

98条の17

1項 位置測定 端末装着命令は、次に掲げる場合には、その効力を失う。

1号 保釈が取り消された場合において、 第98条第1項 《保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定…》 があつたとき、又は勾留の執行停止の期間が満了したときは、検察事務官、司法警察職員又は刑事施設職員は、検察官の指揮により、勾留状の謄本及び保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定の謄本又は期間を指定した 又は第2項の規定により刑事施設に収容されたとき。

2号 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告があつた場合において、 第343条第2項 《前項の場合には、新たに保釈又は勾留の執行…》 停止の決定がないときに限り、第98条及び第271条の8第5項第312条の2第4項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。の規定を準用する。 この場合において、第271条の8第5項中「第1項 前段( 第404条 《 第2編中公判に関する規定は、この法律に…》 特別の定のある場合を除いては、控訴の審判についてこれを準用する。 において準用する場合を含む。 第98条の20第5項第2号 《検察官、検察事務官又は司法警察職員前項に…》 規定する場合にあつては、受託裁判官所属の裁判所の所在地を管轄する検察庁の検察官若しくは検察事務官又は当該検察庁の所在地において職務を行うことができる司法警察職員を含む。は、位置測定端末装着命令を受けた において同じ。)において準用する 第98条第1項 《保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定…》 があつたとき、又は勾留の執行停止の期間が満了したときは、検察事務官、司法警察職員又は刑事施設職員は、検察官の指揮により、勾留状の謄本及び保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定の謄本又は期間を指定した 又は第2項の規定により刑事施設に収容されたとき。

3号 拘禁刑以上の刑に処する判決又は拘留に処する判決の宣告があつた場合において、当該判決に係る刑の執行が開始されたとき。

4号 無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶予、公訴棄却( 第338条第4号 《第338条 左の場合には、判決で公訴を棄…》 却しなければならない。 1 被告人に対して裁判権を有しないとき。 2 第340条の規定に違反して公訴が提起されたとき。 3 公訴の提起があつた事件について、更に同一裁判所に公訴が提起されたとき。 4 第404条 《 第2編中公判に関する規定は、この法律に…》 特別の定のある場合を除いては、控訴の審判についてこれを準用する。 において準用する場合を含む。)による場合を除く。)、罰金若しくは科料の裁判又は勾留を取り消す裁判の告知があつたとき。

5号 勾留状が効力を失つたとき(第3号の判決が確定した場合及び前号に掲げる場合を除く。)。

2項 前項の規定により 位置測定 端末装着命令が効力を失つたときは、できる限り速やかに、位置測定端末装着命令が効力を失つた者の身体から位置測定端末を取り外さなければならない。

3項 第98条の15第8項 《第6項の規定による許可を受けた者の身体に…》 装着された位置測定端末は、裁判所の指揮によつて、裁判所書記官その他の裁判所の職員が取り外すものとする。 の規定は、前項の規定による 位置測定 端末の取り外しについて準用する。

4項 裁判所は、前項において準用する 第98条の15第8項 《第6項の規定による許可を受けた者の身体に…》 装着された位置測定端末は、裁判所の指揮によつて、裁判所書記官その他の裁判所の職員が取り外すものとする。 の規定にかかわらず、第2項の規定により刑事施設に収容された者の身体から 位置測定 端末を取り外すときは、刑事施設職員を指揮してこれをさせることができる。

98条の18

1項 裁判所は、 位置測定 端末装着命令を受けた被告人が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、決定で、保釈を取り消すことができる。

1号 第98条の15第1項 《裁判所は、やむを得ない理由により必要があ…》 ると認めるときは、位置測定端末装着命令を受けた者に対し、期間を指定して、所在禁止区域内に所在することを許可することができる。 この場合において、当該期間内に当該所在禁止区域内に所在することについては、 前段の規定による許可を受けないで、正当な理由がなく、 所在禁止区域 内に所在したとき。

2号 第98条の15第6項 《裁判所は、やむを得ない理由により必要があ…》 ると認めるときは、位置測定端末装着命令を受けた者に対し、期間を指定して、位置測定端末を自己の身体に装着しないでいることを許可することができる。 の規定による許可を受けないで、正当な理由がなく、 位置測定 端末を自己の身体から取り外し、又は装着しなかつたとき。

3号 正当な理由がなく、 第98条の14第1項第3号 《位置測定端末装着命令を受けた者は、次に掲…》 げる事項を遵守しなければならない。 1 所在禁止区域内に所在しないこと。 2 位置測定端末を自己の身体に装着し続けること。 3 次に掲げる行為をしないこと。 イ 自己の身体に装着された位置測定端末を損 イからハまでのいずれかに掲げる行為をしたとき。

4号 正当な理由がなく、 第98条の14第1項 《位置測定端末装着命令を受けた者は、次に掲…》 げる事項を遵守しなければならない。 1 所在禁止区域内に所在しないこと。 2 位置測定端末を自己の身体に装着し続けること。 3 次に掲げる行為をしないこと。 イ 自己の身体に装着された位置測定端末を損第4号に係る部分に限る。)の規定による管理をしなかつたとき。

5号 正当な理由がなく 第98条の14第1項 《位置測定端末装着命令を受けた者は、次に掲…》 げる事項を遵守しなければならない。 1 所在禁止区域内に所在しないこと。 2 位置測定端末を自己の身体に装着し続けること。 3 次に掲げる行為をしないこと。 イ 自己の身体に装着された位置測定端末を損第5号に係る部分に限る。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

6号 第98条の14第2項 《裁判所は、位置測定通信の回復その他の位置…》 測定端末を用いて行う位置測定端末装着命令を受けた者の位置の把握に必要な措置を講ずるため必要があると認めるときは、当該者に対し、裁判所の指定する日時及び場所に出頭することを命ずることができる。 の日時及び場所を指定され、正当な理由がなく、当該日時及び場所に出頭しないとき。

2項 前項の規定により保釈を取り消す場合には、裁判所は、決定で、保証金の全部又は一部を没取することができる。

3項 監督者が選任されている場合において、第1項(第2号( 位置測定 端末を自己の身体に装着しないでいることができる期間の終期として指定された日時に、当該日時において位置測定端末を装着するために出頭すべき場所として指定された場所に出頭しなかつたことにより適用される場合に限る。及び第6号に係る部分に限る。)の規定により保釈を取り消すときは、裁判所は、決定で、監督保証金の全部又は一部を没取することができる。

98条の19

1項 裁判所は、 位置測定 端末装着命令を受けた被告人について、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、当該被告人を勾引することができる。ただし、明らかに勾引の必要がないと認めるときは、この限りでない。

1号 閲覧設備 において 第98条の12第5項第1号 《位置測定においては、裁判所が端末位置情報…》 位置測定により得られた位置測定端末の位置及び当該位置に係る時刻に関する情報をいう。以下同じ。を表示して閲覧すること及び第3項第3号又は前項第2号の信号を受信することにより次に掲げる事由の発生を確認する 又は第2号に掲げる事由の発生を確認したとき。

2号 閲覧設備 において 第98条の12第5項第3号 《位置測定においては、裁判所が端末位置情報…》 位置測定により得られた位置測定端末の位置及び当該位置に係る時刻に関する情報をいう。以下同じ。を表示して閲覧すること及び第3項第3号又は前項第2号の信号を受信することにより次に掲げる事由の発生を確認する に掲げる事由の発生を確認した後、裁判所の規則で定める時間を経過するまでの間に、同項第4号に掲げる事由の発生を確認することができず、かつ、 第98条の14第1項 《位置測定端末装着命令を受けた者は、次に掲…》 げる事項を遵守しなければならない。 1 所在禁止区域内に所在しないこと。 2 位置測定端末を自己の身体に装着し続けること。 3 次に掲げる行為をしないこと。 イ 自己の身体に装着された位置測定端末を損第5号に係る部分に限る。)の規定による報告がなかつたとき。

98条の20

1項 裁判所は、 閲覧設備 において 第98条の12第5項第1号 《位置測定においては、裁判所が端末位置情報…》 位置測定により得られた位置測定端末の位置及び当該位置に係る時刻に関する情報をいう。以下同じ。を表示して閲覧すること及び第3項第3号又は前項第2号の信号を受信することにより次に掲げる事由の発生を確認する から第5号までのいずれかに掲げる事由の発生を確認したときは、直ちにその旨を検察官に通知しなければならない。

2項 裁判所は、 閲覧設備 において 第98条の12第5項第1号 《位置測定においては、裁判所が端末位置情報…》 位置測定により得られた位置測定端末の位置及び当該位置に係る時刻に関する情報をいう。以下同じ。を表示して閲覧すること及び第3項第3号又は前項第2号の信号を受信することにより次に掲げる事由の発生を確認する から第3号まで又は第5号のいずれかに掲げる事由の発生を確認したときは、当該事由の発生に係る 位置測定 端末の端末位置情報を表示して閲覧することができる。ただし、同項第3号に掲げる事由の発生を確認した場合にあつては当該事由の発生を検知する前のものに限り、同項第5号に掲げる事由の発生を確認した場合にあつては当該事由ごとに裁判所の規則で定める時前のものに限る。

3項 検察官は、第1項の規定による通知を受けたときは、裁判所の許可を受けて、前項の規定の例により端末位置情報を表示して閲覧することができる。

4項 裁判所が 第66条第1項 《裁判所は、被告人の現在地の地方裁判所、家…》 庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に被告人の勾引を嘱託することができる。 の規定により前条の規定による勾引を嘱託した場合においては、受託裁判官所属の裁判所の所在地を管轄する検察庁の検察官も、裁判所又は受託裁判官の許可を受けて、第2項の規定の例により端末位置情報を表示して閲覧することができる。

5項 検察官、検察事務官又は司法警察職員(前項に規定する場合にあつては、受託裁判官所属の裁判所の所在地を管轄する検察庁の検察官若しくは検察事務官又は当該検察庁の所在地において職務を行うことができる司法警察職員を含む。)は、 位置測定 端末装着命令を受けた者について、次の各号のいずれかに該当する場合において、必要と認めるときは、裁判所(同項に規定する場合にあつては、裁判所又は受託裁判官)の許可を受けて、当該者に係る端末位置情報を表示して閲覧することができる。

1号 勾引状を執行するとき。

2号 第98条第1項 《保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定…》 があつたとき、又は勾留の執行停止の期間が満了したときは、検察事務官、司法警察職員又は刑事施設職員は、検察官の指揮により、勾留状の謄本及び保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定の謄本又は期間を指定した 又は第2項(これらの規定を 第343条第2項 《前項の場合には、新たに保釈又は勾留の執行…》 停止の決定がないときに限り、第98条及び第271条の8第5項第312条の2第4項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。の規定を準用する。 この場合において、第271条の8第5項中「第1項 前段において準用する場合を含む。次条第3項第2号において同じ。)の規定により刑事施設に収容するとき。

6項 裁判所は、 位置測定 端末その他の位置測定の用に供される電気通信設備の保守点検、修理その他の管理のために必要な限度において、当該位置測定端末の端末位置情報を表示して閲覧し、又は当該管理のために必要と認める者に表示させて閲覧させることができる。

98条の21

1項 裁判所は、自ら 第98条 《 保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決…》 定があつたとき、又は勾留の執行停止の期間が満了したときは、検察事務官、司法警察職員又は刑事施設職員は、検察官の指揮により、勾留状の謄本及び保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定の謄本又は期間を指定し の十九各号に掲げる事由を把握することが困難であるときは、あらかじめ、同条の規定による勾引に関する権限を裁判所の規則で定める裁判所の裁判官に委任することができる。この場合において、裁判所は、当該勾引に関し、適当と認める条件を付することができる。

2項 前項の規定による委任を受けた裁判官(以下この条において「 受任裁判官 」という。)は、 第98条の19 《 裁判所は、位置測定端末装着命令を受けた…》 被告人について、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、当該被告人を勾引することができる。 ただし、明らかに勾引の必要がないと認めるときは、この限りでない。 1 閲 の規定による勾引に関し裁判所又は裁判長と同1の権限を有する。

3項 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者は、必要と認めるときは、 受任裁判官 受任裁判官が 第66条第1項 《裁判所は、被告人の現在地の地方裁判所、家…》 庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に被告人の勾引を嘱託することができる。 の規定により 第98条の19 《 裁判所は、位置測定端末装着命令を受けた…》 被告人について、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、当該被告人を勾引することができる。 ただし、明らかに勾引の必要がないと認めるときは、この限りでない。 1 閲 の規定による勾引を嘱託した場合にあつては、受任裁判官又は受託裁判官)の許可を受けて、 位置測定 端末装着命令を受けた者に係る端末位置情報を表示して閲覧することができる。

1号 勾引状を執行する場合 受任裁判官 所属の裁判所に対応する検察庁の検察官若しくは検察事務官、当該検察庁の所在地において職務を行うことができる司法警察職員、当該執行を指揮する検察官又は当該執行をする検察事務官若しくは司法警察職員

2号 第98条第1項 《保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定…》 があつたとき、又は勾留の執行停止の期間が満了したときは、検察事務官、司法警察職員又は刑事施設職員は、検察官の指揮により、勾留状の謄本及び保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定の謄本又は期間を指定した 又は第2項の規定により刑事施設に収容する場合 受任裁判官 所属の裁判所に対応する検察庁の検察官若しくは検察事務官、当該検察庁の所在地において職務を行うことができる司法警察職員、当該収容を指揮する検察官又は当該収容をする検察事務官若しくは司法警察職員

4項 受任裁判官 は、前条第6項の規定による処分をすることができる。

98条の22

1項 端末位置情報の閲覧は、 第98条の20第2項 《裁判所は、閲覧設備において第98条の12…》 第5項第1号から第3号まで又は第5号のいずれかに掲げる事由の発生を確認したときは、当該事由の発生に係る位置測定端末の端末位置情報を表示して閲覧することができる。 ただし、同項第3号に掲げる事由の発生を から第6項まで、前条第3項及び第4項並びに 第489条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決又は拘留に処…》 する判決が確定した後における第98条の12から第98条の十七まで及び第98条の20の規定の適用については、第98条の12第5項、第98条の14第1項第4号及び第2項、第98条の15第1項、第3項、第4 の場合を除き、してはならない。

98条の23

1項 裁判長は、急速を要する場合には、 第98条 《 保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決…》 定があつたとき、又は勾留の執行停止の期間が満了したときは、検察事務官、司法警察職員又は刑事施設職員は、検察官の指揮により、勾留状の謄本及び保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定の謄本又は期間を指定し の十九及び 第98条の20 《 裁判所は、閲覧設備において第98条の1…》 2第5項第1号から第5号までのいずれかに掲げる事由の発生を確認したときは、直ちにその旨を検察官に通知しなければならない。 裁判所は、閲覧設備において第98条の12第5項第1号から第3号まで又は第5号の の規定による処分をし、又は合議体の構成員にこれをさせることができる。

98条の24

1項 位置測定 端末装着命令を受けた者が、次の各号のいずれかに該当するときは、1年以下の拘禁刑に処する。

1号 第98条の15第1項 《裁判所は、やむを得ない理由により必要があ…》 ると認めるときは、位置測定端末装着命令を受けた者に対し、期間を指定して、所在禁止区域内に所在することを許可することができる。 この場合において、当該期間内に当該所在禁止区域内に所在することについては、 前段の規定による許可を受けないで、正当な理由がなく、 所在禁止区域 内に所在したとき。

2号 第98条の15第6項 《裁判所は、やむを得ない理由により必要があ…》 ると認めるときは、位置測定端末装着命令を受けた者に対し、期間を指定して、位置測定端末を自己の身体に装着しないでいることを許可することができる。 の規定による許可を受けないで、正当な理由がなく、 位置測定 端末を自己の身体から取り外し、又は装着しなかつたとき。

3号 正当な理由がなく、 第98条の14第1項第3号 《位置測定端末装着命令を受けた者は、次に掲…》 げる事項を遵守しなければならない。 1 所在禁止区域内に所在しないこと。 2 位置測定端末を自己の身体に装着し続けること。 3 次に掲げる行為をしないこと。 イ 自己の身体に装着された位置測定端末を損 イからハまでのいずれかに掲げる行為をしたとき。

2項 位置測定 端末装着命令を受けた者が、次の各号のいずれかに該当するときは、6月以下の拘禁刑に処する。

1号 正当な理由がなく 第98条の14第1項 《位置測定端末装着命令を受けた者は、次に掲…》 げる事項を遵守しなければならない。 1 所在禁止区域内に所在しないこと。 2 位置測定端末を自己の身体に装着し続けること。 3 次に掲げる行為をしないこと。 イ 自己の身体に装着された位置測定端末を損第5号に係る部分に限る。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

2号 第98条の14第2項 《裁判所は、位置測定通信の回復その他の位置…》 測定端末を用いて行う位置測定端末装着命令を受けた者の位置の把握に必要な措置を講ずるため必要があると認めるときは、当該者に対し、裁判所の指定する日時及び場所に出頭することを命ずることができる。 の日時及び場所を指定され、正当な理由がなく、当該日時及び場所に出頭しないとき。

9章 押収及び捜索

99条

1項 裁判所は、必要があるときは、証拠物又は没収すべき物と思料するものを差し押えることができる。但し、特別の定のある場合は、この限りでない。

2項 差し押さえるべき物が電子計算機であるときは、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、当該電子計算機で作成若しくは変更をした電磁的記録又は当該電子計算機で変更若しくは消去をすることができることとされている電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから、その電磁的記録を当該電子計算機又は他の記録媒体に複写した上、当該電子計算機又は当該他の記録媒体を差し押さえることができる。

3項 裁判所は、差し押えるべき物を指定し、所有者、所持者又は保管者にその物の提出を命ずることができる。

99条の2

1項 裁判所は、必要があるときは、記録命令付差押え(電磁的記録を保管する者その他電磁的記録を利用する権限を有する者に命じて必要な電磁的記録を記録媒体に記録させ、又は印刷させた上、当該記録媒体を差し押さえることをいう。以下同じ。)をすることができる。

100条

1項 裁判所は、被告人から発し、又は被告人に対して発した郵便物、信書便物又は電信に関する書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものを差し押え、又は提出させることができる。

2項 前項の規定に該当しない郵便物、信書便物又は電信に関する書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものは、被告事件に関係があると認めるに足りる状況のあるものに限り、これを差し押え、又は提出させることができる。

3項 前2項の規定による処分をしたときは、その旨を発信人又は受信人に通知しなければならない。但し、通知によつて審理が妨げられる虞がある場合は、この限りでない。

101条

1項 被告人その他の者が遺留した物又は所有者、所持者若しくは保管者が任意に提出した物は、これを領置することができる。

102条

1項 裁判所は、必要があるときは、被告人の身体、物又は住居その他の場所に就き、捜索をすることができる。

2項 被告人以外の者の身体、物又は住居その他の場所については、押収すべき物の存在を認めるに足りる状況のある場合に限り、捜索をすることができる。

103条

1項 公務員又は公務員であつた者が保管し、又は所持する物について、本人又は当該公務所から職務上の秘密に関するものであることを申し立てたときは、当該監督官庁の承諾がなければ、押収をすることはできない。但し、当該監督官庁は、国の重大な利益を害する場合を除いては、承諾を拒むことができない。

104条

1項 左に掲げる者が前条の申立をしたときは、第1号に掲げる者についてはその院、第2号に掲げる者については内閣の承諾がなければ、押収をすることはできない。

1号 衆議院若しくは参議院の議員又はその職に在つた者

2号 内閣総理大臣その他の国務大臣又はその職に在つた者

2項 前項の場合において、衆議院、参議院又は内閣は、国の重大な利益を害する場合を除いては、承諾を拒むことができない。

105条

1項 医師、歯科医師、助産師、看護師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、弁理士、公証人、宗教の職に在る者又はこれらの職に在つた者は、業務上委託を受けたため、保管し、又は所持する物で他人の秘密に関するものについては、押収を拒むことができる。但し、本人が承諾した場合、押収の拒絶が被告人のためのみにする権利の濫用と認められる場合(被告人が本人である場合を除く。)その他裁判所の規則で定める事由がある場合は、この限りでない。

106条

1項 公判廷外における差押え、記録命令付差押え又は捜索は、差押状、記録命令付差押状又は捜索状を発してこれをしなければならない。

107条

1項 差押状、記録命令付差押状又は捜索状には、被告人の氏名、罪名、差し押さえるべき物、記録させ若しくは印刷させるべき電磁的記録及びこれを記録させ若しくは印刷させるべき者又は捜索すべき場所、身体若しくは物、有効期間及びその期間経過後は執行に着手することができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判長が、これに記名押印しなければならない。

2項 第99条第2項 《差し押さえるべき物が電子計算機であるとき…》 は、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、当該電子計算機で作成若しくは変更をした電磁的記録又は当該電子計算機で変更若しくは消去をすることができることとされている電磁的記録を保管す の規定による処分をするときは、前項の差押状に、同項に規定する事項のほか、差し押さえるべき電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、その電磁的記録を複写すべきものの範囲を記載しなければならない。

3項 第64条第2項 《被告人の氏名が明らかでないときは、人相、…》 体格その他被告人を特定するに足りる事項で被告人を指示することができる。 の規定は、第1項の差押状、記録命令付差押状又は捜索状についてこれを準用する。

108条

1項 差押状、記録命令付差押状又は捜索状は、検察官の指揮によつて、検察事務官又は司法警察職員がこれを執行する。ただし、裁判所が被告人の保護のため必要があると認めるときは、裁判長は、裁判所書記官又は司法警察職員にその執行を命ずることができる。

2項 裁判所は、差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行に関し、その執行をする者に対し書面で適当と認める指示をすることができる。

3項 前項の指示は、合議体の構成員にこれをさせることができる。

4項 第71条 《 検察事務官又は司法警察職員は、必要があ…》 るときは、管轄区域外で、勾引状若しくは勾留状を執行し、又はその地の検察事務官若しくは司法警察職員にその執行を求めることができる。 の規定は、差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行についてこれを準用する。

109条

1項 検察事務官又は裁判所書記官は、差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行について必要があるときは、司法警察職員に補助を求めることができる。

110条

1項 差押状、記録命令付差押状又は捜索状は、処分を受ける者にこれを示さなければならない。

110条の2

1項 差し押さえるべき物が電磁的記録に係る記録媒体であるときは、差押状の執行をする者は、その差押えに代えて次に掲げる処分をすることができる。公判廷で差押えをする場合も、同様である。

1号 差し押さえるべき記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写し、印刷し、又は移転した上、当該他の記録媒体を差し押さえること。

2号 差押えを受ける者に差し押さえるべき記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写させ、印刷させ、又は移転させた上、当該他の記録媒体を差し押さえること。

111条

1項 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行については、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。公判廷で差押え、記録命令付差押え又は捜索をする場合も、同様である。

2項 前項の処分は、押収物についても、これをすることができる。

111条の2

1項 差し押さえるべき物が電磁的記録に係る記録媒体であるときは、差押状又は捜索状の執行をする者は、処分を受ける者に対し、電子計算機の操作その他の必要な協力を求めることができる。公判廷で差押え又は捜索をする場合も、同様である。

112条

1項 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行中は、何人に対しても、許可を得ないでその場所に出入りすることを禁止することができる。

2項 前項の禁止に従わない者は、これを退去させ、又は執行が終わるまでこれに看守者を付することができる。

113条

1項 検察官、被告人又は弁護人は、差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行に立ち会うことができる。ただし、身体の拘束を受けている被告人は、この限りでない。

2項 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行をする者は、あらかじめ、執行の日時及び場所を前項の規定により立ち会うことができる者に通知しなければならない。ただし、これらの者があらかじめ裁判所に立ち会わない意思を明示した場合及び急速を要する場合は、この限りでない。

3項 裁判所は、差押状又は捜索状の執行について必要があるときは、被告人をこれに立ち会わせることができる。

114条

1項 公務所内で差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行をするときは、その長又はこれに代わるべき者に通知してその処分に立ち会わせなければならない。

2項 前項の規定による場合を除いて、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内で差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行をするときは、住居主若しくは看守者又はこれらの者に代わるべき者をこれに立ち会わせなければならない。これらの者を立ち会わせることができないときは、隣人又は地方公共団体の職員を立ち会わせなければならない。

115条

1項 女子の身体について捜索状の執行をする場合には、成年の女子をこれに立ち会わせなければならない。但し、急速を要する場合は、この限りでない。

116条

1項 日出前、日没後には、令状に夜間でも執行することができる旨の記載がなければ、差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行のため、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入ることはできない。

2項 日没前に差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行に着手したときは、日没後でも、その処分を継続することができる。

117条

1項 次に掲げる場所で差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行をするについては、前条第1項に規定する制限によることを要しない。

1号 賭博、富くじ又は風俗を害する行為に常用されるものと認められる場所

2号 旅館、飲食店その他夜間でも公衆が出入りすることができる場所。ただし、公開した時間内に限る。

118条

1項 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行を中止する場合において必要があるときは、執行が終わるまでその場所を閉鎖し、又は看守者を置くことができる。

119条

1項 捜索をした場合において証拠物又は没収すべきものがないときは、捜索を受けた者の請求により、その旨の証明書を交付しなければならない。

120条

1項 押収をした場合には、その目録を作り、所有者、所持者若しくは保管者( 第110条の2 《 差し押さえるべき物が電磁的記録に係る記…》 録媒体であるときは、差押状の執行をする者は、その差押えに代えて次に掲げる処分をすることができる。 公判廷で差押えをする場合も、同様である。 1 差し押さえるべき記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録 の規定による処分を受けた者を含む。又はこれらの者に代わるべき者に、これを交付しなければならない。

121条

1項 運搬又は保管に不便な押収物については、看守者を置き、又は所有者その他の者に、その承諾を得て、これを保管させることができる。

2項 危険を生ずる虞がある押収物は、これを廃棄することができる。

3項 前2項の処分は、裁判所が特別の指示をした場合を除いては、差押状の執行をした者も、これをすることができる。

122条

1項 没収することができる押収物で滅失若しくは破損の虞があるもの又は保管に不便なものについては、これを売却してその代価を保管することができる。

123条

1項 押収物で留置の必要がないものは、被告事件の終結を待たないで、決定でこれを還付しなければならない。

2項 押収物は、所有者、所持者、保管者又は差出人の請求により、決定で仮にこれを還付することができる。

3項 押収物が 第110条の2 《 差し押さえるべき物が電磁的記録に係る記…》 録媒体であるときは、差押状の執行をする者は、その差押えに代えて次に掲げる処分をすることができる。 公判廷で差押えをする場合も、同様である。 1 差し押さえるべき記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録 の規定により電磁的記録を移転し、又は移転させた上差し押さえた記録媒体で留置の必要がないものである場合において、差押えを受けた者と当該記録媒体の所有者、所持者又は保管者とが異なるときは、被告事件の終結を待たないで、決定で、当該差押えを受けた者に対し、当該記録媒体を交付し、又は当該電磁的記録の複写を許さなければならない。

4項 前3項の決定をするについては、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。

124条

1項 押収した贓物で留置の必要がないものは、被害者に還付すべき理由が明らかなときに限り、被告事件の終結を待たないで、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、決定でこれを被害者に還付しなければならない。

2項 前項の規定は、民事訴訟の手続に従い、利害関係人がその権利を主張することを妨げない。

125条

1項 押収又は捜索は、合議体の構成員にこれをさせ、又はこれをすべき地の地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。

2項 受託裁判官は、受託の権限を有する他の地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に転嘱することができる。

3項 受託裁判官は、受託事項について権限を有しないときは、受託の権限を有する他の地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に嘱託を移送することができる。

4項 受命裁判官又は受託裁判官がする押収又は捜索については、裁判所がする押収又は捜索に関する規定を準用する。但し、 第100条第3項 《前2項の規定による処分をしたときは、その…》 旨を発信人又は受信人に通知しなければならない。 但し、通知によつて審理が妨げられる虞がある場合は、この限りでない。 の通知は、裁判所がこれをしなければならない。

126条

1項 検察事務官又は司法警察職員は、勾引状又は勾留状を執行する場合において必要があるときは、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入り、被告人の捜索をすることができる。この場合には、捜索状は、これを必要としない。

127条

1項 第111条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行については、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。 公判廷で差押え、記録命令付差押え又は捜索をする場合も、同様である。 前項の処分は、押収物についても、これをすることができる。第112条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行中は、何人に対しても、許可を得ないでその場所に出入りすることを禁止することができる。 前項の禁止に従わない者は、これを退去させ、又は執行が終わるまでこれに看守者を付することができる。第114条 《 公務所内で差押状、記録命令付差押状又は…》 捜索状の執行をするときは、その長又はこれに代わるべき者に通知してその処分に立ち会わせなければならない。 前項の規定による場合を除いて、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内で差押状、記録命 及び 第118条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行を中止する場合において必要があるときは、執行が終わるまでその場所を閉鎖し、又は看守者を置くことができる。 の規定は、前条の規定により検察事務官又は司法警察職員がする捜索についてこれを準用する。但し、急速を要する場合は、 第114条第2項 《前項の規定による場合を除いて、人の住居又…》 は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内で差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行をするときは、住居主若しくは看守者又はこれらの者に代わるべき者をこれに立ち会わせなければならない。 これらの者を立ち会 の規定によることを要しない。

10章 検証

128条

1項 裁判所は、事実発見のため必要があるときは、検証することができる。

129条

1項 検証については、身体の検査、死体の解剖、墳墓の発掘、物の破壊その他必要な処分をすることができる。

130条

1項 日出前、日没後には、住居主若しくは看守者又はこれらの者に代るべき者の承諾がなければ、検証のため、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入ることはできない。但し、日出後では検証の目的を達することができない虞がある場合は、この限りでない。

2項 日没前検証に着手したときは、日没後でもその処分を継続することができる。

3項 第117条 《 次に掲げる場所で差押状、記録命令付差押…》 又は捜索状の執行をするについては、前条第1項に規定する制限によることを要しない。 1 賭博、富くじ又は風俗を害する行為に常用されるものと認められる場所 2 旅館、飲食店その他夜間でも公衆が出入りする に規定する場所については、第1項に規定する制限によることを要しない。

131条

1項 身体の検査については、これを受ける者の性別、健康状態その他の事情を考慮した上、特にその方法に注意し、その者の名誉を害しないように注意しなければならない。

2項 女子の身体を検査する場合には、医師又は成年の女子をこれに立ち会わせなければならない。

132条

1項 裁判所は、身体の検査のため、被告人以外の者を裁判所又は指定の場所に召喚することができる。

133条

1項 前条の規定により召喚を受けた者が正当な理由がなく出頭しないときは、決定で、110,000円以下の過料に処し、かつ、出頭しないために生じた費用の賠償を命ずることができる。

2項 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

134条

1項 第132条 《 裁判所は、身体の検査のため、被告人以外…》 の者を裁判所又は指定の場所に召喚することができる。 の規定により召喚を受け正当な理由がなく出頭しない者は、110,000円以下の罰金又は拘留に処する。

2項 前項の罪を犯した者には、情状により、罰金及び拘留を併科することができる。

135条

1項 第132条 《 裁判所は、身体の検査のため、被告人以外…》 の者を裁判所又は指定の場所に召喚することができる。 の規定による召喚に応じない者は、更にこれを召喚し、又はこれを勾引することができる。

136条

1項 第62条 《 被告人の召喚、勾引又は勾留は、召喚状、…》 勾引状又は勾留状を発してこれをしなければならない。第63条 《 召喚状には、被告人の氏名及び住居、罪名…》 、出頭すべき年月日時及び場所並びに正当な理由がなく出頭しないときは勾引状を発することがある旨その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判長又は受命裁判官が、これに記名押印しなければならない。 及び 第65条 《 召喚状は、これを送達する。 被告人から…》 期日に出頭する旨を記載した書面を差し出し、又は出頭した被告人に対し口頭で次回の出頭を命じたときは、召喚状を送達した場合と同1の効力を有する。 口頭で出頭を命じた場合には、その旨を調書に記載しなければな の規定は、 第132条 《 裁判所は、身体の検査のため、被告人以外…》 の者を裁判所又は指定の場所に召喚することができる。 及び前条の規定による召喚について、 第62条 《 被告人の召喚、勾引又は勾留は、召喚状、…》 勾引状又は勾留状を発してこれをしなければならない。第64条 《 勾引状又は勾留状には、被告人の氏名及び…》 住居、罪名、公訴事実の要旨、引致すべき場所又は勾留すべき刑事施設、有効期間及びその期間経過後は執行に着手することができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める第66条 《 裁判所は、被告人の現在地の地方裁判所、…》 家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に被告人の勾引を嘱託することができる。 受託裁判官は、受託の権限を有する他の地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に転嘱することができる。 受託裁判官は、受託事項第67条 《 前条の場合には、嘱託によつて勾引状を発…》 した裁判官は、被告人を引致した時から24時間以内にその人違でないかどうかを取り調べなければならない。 被告人が人違でないときは、速やかに且つ直接これを指定された裁判所に送致しなければならない。 この場第70条 《 勾引状又は勾留状は、検察官の指揮によつ…》 て、検察事務官又は司法警察職員がこれを執行する。 但し、急速を要する場合には、裁判長、受命裁判官又は地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官は、その執行を指揮することができる。 刑事施設にいる第71条 《 検察事務官又は司法警察職員は、必要があ…》 るときは、管轄区域外で、勾引状若しくは勾留状を執行し、又はその地の検察事務官若しくは司法警察職員にその執行を求めることができる。 及び 第73条第1項 《勾引状を執行するには、これを被告人に示し…》 た上、できる限り速やかに且つ直接、指定された裁判所その他の場所に引致しなければならない。 第66条第4項の勾引状については、これを発した裁判官に引致しなければならない。 の規定は、前条の規定による勾引についてこれを準用する。

137条

1項 被告人又は被告人以外の者が正当な理由がなく身体の検査を拒んだときは、決定で、110,000円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。

2項 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

138条

1項 正当な理由がなく身体の検査を拒んだ者は、110,000円以下の罰金又は拘留に処する。

2項 前項の罪を犯した者には、情状により、罰金及び拘留を併科することができる。

139条

1項 裁判所は、身体の検査を拒む者を過料に処し、又はこれに刑を科しても、その効果がないと認めるときは、そのまま、身体の検査を行うことができる。

140条

1項 裁判所は、 第137条 《 被告人又は被告人以外の者が正当な理由が…》 なく身体の検査を拒んだときは、決定で、110,000円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 の規定により過料を科し、又は前条の規定により身体の検査をするにあたつては、あらかじめ、検察官の意見を聴き、且つ、身体の検査を受ける者の異議の理由を知るため適当な努力をしなければならない。

141条

1項 検証をするについて必要があるときは、司法警察職員に補助をさせることができる。

142条

1項 第111条の2 《 差し押さえるべき物が電磁的記録に係る記…》 録媒体であるときは、差押状又は捜索状の執行をする者は、処分を受ける者に対し、電子計算機の操作その他の必要な協力を求めることができる。 公判廷で差押え又は捜索をする場合も、同様である。 から 第114条 《 公務所内で差押状、記録命令付差押状又は…》 捜索状の執行をするときは、その長又はこれに代わるべき者に通知してその処分に立ち会わせなければならない。 前項の規定による場合を除いて、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内で差押状、記録命 まで、 第118条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行を中止する場合において必要があるときは、執行が終わるまでその場所を閉鎖し、又は看守者を置くことができる。 及び 第125条 《 押収又は捜索は、合議体の構成員にこれを…》 させ、又はこれをすべき地の地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。 受託裁判官は、受託の権限を有する他の地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に転嘱すること の規定は、検証についてこれを準用する。

11章 証人尋問

143条

1項 裁判所は、この法律に特別の定のある場合を除いては、何人でも証人としてこれを尋問することができる。

143条の2

1項 裁判所は、裁判所の規則で定める相当の猶予期間を置いて、証人を召喚することができる。

144条

1項 公務員又は公務員であつた者が知り得た事実について、本人又は当該公務所から職務上の秘密に関するものであることを申し立てたときは、当該監督官庁の承諾がなければ証人としてこれを尋問することはできない。但し、当該監督官庁は、国の重大な利益を害する場合を除いては、承諾を拒むことができない。

145条

1項 左に掲げる者が前条の申立をしたときは、第1号に掲げる者についてはその院、第2号に掲げる者については内閣の承諾がなければ、証人としてこれを尋問することはできない。

1号 衆議院若しくは参議院の議員又はその職に在つた者

2号 内閣総理大臣その他の国務大臣又はその職に在つた者

2項 前項の場合において、衆議院、参議院又は内閣は、国の重大な利益を害する場合を除いては、承諾を拒むことができない。

146条

1項 何人も、自己が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受ける虞のある証言を拒むことができる。

147条

1項 何人も、左に掲げる者が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受ける虞のある証言を拒むことができる。

1号 自己の配偶者、三親等内の血族若しくは二親等内の姻族又は自己とこれらの親族関係があつた者

2号 自己の後見人、後見監督人又は保佐人

3号 自己を後見人、後見監督人又は保佐人とする者

148条

1項 共犯又は共同被告人の1人又は数人に対し前条の関係がある者でも、他の共犯又は共同被告人のみに関する事項については、証言を拒むことはできない。

149条

1項 医師、歯科医師、助産師、看護師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、弁理士、公証人、宗教の職に在る者又はこれらの職に在つた者は、業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについては、証言を拒むことができる。但し、本人が承諾した場合、証言の拒絶が被告人のためのみにする権利の濫用と認められる場合(被告人が本人である場合を除く。)その他裁判所の規則で定める事由がある場合は、この限りでない。

150条

1項 召喚を受けた証人が正当な理由がなく出頭しないときは、決定で、110,000円以下の過料に処し、かつ、出頭しないために生じた費用の賠償を命ずることができる。

2項 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

151条

1項 証人として召喚を受け正当な理由がなく出頭しない者は、1年以下の拘禁刑又は310,000円以下の罰金に処する。

152条

1項 裁判所は、証人が、正当な理由がなく、召喚に応じないとき、又は応じないおそれがあるときは、その証人を勾引することができる。

153条

1項 第62条 《 被告人の召喚、勾引又は勾留は、召喚状、…》 勾引状又は勾留状を発してこれをしなければならない。第63条 《 召喚状には、被告人の氏名及び住居、罪名…》 、出頭すべき年月日時及び場所並びに正当な理由がなく出頭しないときは勾引状を発することがある旨その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判長又は受命裁判官が、これに記名押印しなければならない。 及び 第65条 《 召喚状は、これを送達する。 被告人から…》 期日に出頭する旨を記載した書面を差し出し、又は出頭した被告人に対し口頭で次回の出頭を命じたときは、召喚状を送達した場合と同1の効力を有する。 口頭で出頭を命じた場合には、その旨を調書に記載しなければな の規定は、証人の召喚について、 第62条 《 被告人の召喚、勾引又は勾留は、召喚状、…》 勾引状又は勾留状を発してこれをしなければならない。第64条 《 勾引状又は勾留状には、被告人の氏名及び…》 住居、罪名、公訴事実の要旨、引致すべき場所又は勾留すべき刑事施設、有効期間及びその期間経過後は執行に着手することができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める第66条 《 裁判所は、被告人の現在地の地方裁判所、…》 家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に被告人の勾引を嘱託することができる。 受託裁判官は、受託の権限を有する他の地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に転嘱することができる。 受託裁判官は、受託事項第67条 《 前条の場合には、嘱託によつて勾引状を発…》 した裁判官は、被告人を引致した時から24時間以内にその人違でないかどうかを取り調べなければならない。 被告人が人違でないときは、速やかに且つ直接これを指定された裁判所に送致しなければならない。 この場第70条 《 勾引状又は勾留状は、検察官の指揮によつ…》 て、検察事務官又は司法警察職員がこれを執行する。 但し、急速を要する場合には、裁判長、受命裁判官又は地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官は、その執行を指揮することができる。 刑事施設にいる第71条 《 検察事務官又は司法警察職員は、必要があ…》 るときは、管轄区域外で、勾引状若しくは勾留状を執行し、又はその地の検察事務官若しくは司法警察職員にその執行を求めることができる。 及び 第73条第1項 《勾引状を執行するには、これを被告人に示し…》 た上、できる限り速やかに且つ直接、指定された裁判所その他の場所に引致しなければならない。 第66条第4項の勾引状については、これを発した裁判官に引致しなければならない。 の規定は、証人の勾引についてこれを準用する。

153条の2

1項 勾引状の執行を受けた証人を護送する場合又は引致した場合において必要があるときは、1時最寄の警察署その他の適当な場所にこれを留置することができる。

154条

1項 証人には、この法律に特別の定のある場合を除いて、宣誓をさせなければならない。

155条

1項 宣誓の趣旨を理解することができない者は、宣誓をさせないで、これを尋問しなければならない。

2項 前項に掲げる者が宣誓をしたときでも、その供述は、証言としての効力を妨げられない。

156条

1項 証人には、その実験した事実により推測した事項を供述させることができる。

2項 前項の供述は、鑑定に属するものでも、証言としての効力を妨げられない。

157条

1項 検察官、被告人又は弁護人は、証人の尋問に立ち会うことができる。

2項 証人尋問の日時及び場所は、あらかじめ、前項の規定により尋問に立ち会うことができる者にこれを通知しなければならない。但し、これらの者があらかじめ裁判所に立ち会わない意思を明示したときは、この限りでない。

3項 第1項に規定する者は、証人の尋問に立ち会つたときは、裁判長に告げて、その証人を尋問することができる。

157条の2

1項 検察官は、証人が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受けるおそれのある事項についての尋問を予定している場合であつて、当該事項についての証言の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状その他の事情を考慮し、必要と認めるときは、あらかじめ、裁判所に対し、当該証人尋問を次に掲げる条件により行うことを請求することができる。

1号 尋問に応じてした供述及びこれに基づいて得られた証拠は、証人が当該証人尋問においてした行為が 第161条 《 正当な理由がなく宣誓又は証言を拒んだ者…》 は、1年以下の拘禁刑又は310,000円以下の罰金に処する。 又は 刑法 第169条 《偽証 法律により宣誓した証人が虚偽の陳…》 述をしたときは、3月以上10年以下の拘禁刑に処する。 の罪に当たる場合に当該行為に係るこれらの罪に係る事件において用いるときを除き、証人の刑事事件において、これらを証人に不利益な証拠とすることができないこと。

2号 第146条 《水道毒物等混入及び同致死 水道により公…》 衆に供給する飲料の浄水又はその水源に毒物その他人の健康を害すべき物を混入した者は、2年以上の有期拘禁刑に処する。 よって人を死亡させた者は、死刑又は無期若しくは5年以上の拘禁刑に処する。 の規定にかかわらず、自己が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受けるおそれのある証言を拒むことができないこと。

2項 裁判所は、前項の請求を受けたときは、その証人に尋問すべき事項に証人が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受けるおそれのある事項が含まれないと明らかに認められる場合を除き、当該証人尋問を同項各号に掲げる条件により行う旨の決定をするものとする。

157条の3

1項 検察官は、証人が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受けるおそれのある事項について証言を拒んだと認める場合であつて、当該事項についての証言の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状その他の事情を考慮し、必要と認めるときは、裁判所に対し、それ以後の当該証人尋問を前条第1項各号に掲げる条件により行うことを請求することができる。

2項 裁判所は、前項の請求を受けたときは、その証人が証言を拒んでいないと認められる場合又はその証人に尋問すべき事項に証人が刑事訴追を受け、若しくは有罪判決を受けるおそれのある事項が含まれないと明らかに認められる場合を除き、それ以後の当該証人尋問を前条第1項各号に掲げる条件により行う旨の決定をするものとする。

157条の4

1項 裁判所は、証人を尋問する場合において、証人の年齢、心身の状態その他の事情を考慮し、証人が著しく不安又は緊張を覚えるおそれがあると認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、その不安又は緊張を緩和するのに適当であり、かつ、裁判官若しくは訴訟関係人の尋問若しくは証人の供述を妨げ、又はその供述の内容に不当な影響を与えるおそれがないと認める者を、その証人の供述中、証人に付き添わせることができる。

2項 前項の規定により証人に付き添うこととされた者は、その証人の供述中、裁判官若しくは訴訟関係人の尋問若しくは証人の供述を妨げ、又はその供述の内容に不当な影響を与えるような言動をしてはならない。

157条の5

1項 裁判所は、証人を尋問する場合において、犯罪の性質、証人の年齢、心身の状態、被告人との関係その他の事情により、証人が被告人の面前(次条第1項及び第2項に規定する方法による場合を含む。)において供述するときは圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認める場合であつて、相当と認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、被告人とその証人との間で、一方から又は相互に相手の状態を認識することができないようにするための措置を採ることができる。ただし、被告人から証人の状態を認識することができないようにするための措置については、弁護人が出頭している場合に限り、採ることができる。

2項 裁判所は、証人を尋問する場合において、犯罪の性質、証人の年齢、心身の状態、名誉に対する影響その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、傍聴人とその証人との間で、相互に相手の状態を認識することができないようにするための措置を採ることができる。

157条の6

1項 裁判所は、次に掲げる者を証人として尋問する場合において、相当と認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、裁判官及び訴訟関係人が証人を尋問するために在席する場所以外の場所であつて、同一構内(これらの者が在席する場所と同1の構内をいう。次項において同じ。)にあるものにその証人を在席させ、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によつて、尋問することができる。

1号 刑法 第176条 《不同意わいせつ 次に掲げる行為又は事由…》 その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以第177条 《不同意性交等 前条第1項各号に掲げる行…》 又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは第179条 《監護者わいせつ及び監護者性交等 18歳…》 未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条第1項の例による。 2 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影第181条 《不同意わいせつ等致死傷 第176条若し…》 くは第179条第1項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は3年以上の拘禁刑に処する。 2 第177条若しくは第179条第2項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死 若しくは 第182条 《16歳未満の者に対する面会要求等 わい…》 せつの目的で、16歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。は、1年以下の拘禁 の罪、同法第225条若しくは第226条の2第3項の罪(わいせつ又は結婚の目的に係る部分に限る。以下この号において同じ。)、同法第227条第1項(同法第225条又は第226条の2第3項の罪を犯した者をほう助する目的に係る部分に限る。)若しくは第3項(わいせつの目的に係る部分に限る。)の罪若しくは同法第241条第1項若しくは第3項の罪又はこれらの罪の未遂罪の被害者

2号 児童福祉法 1947年法律第164号第60条第1項 《第34条第1項第6号の規定に違反したとき…》 は、当該違反行為をした者は、10年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 の罪若しくは同法第34条第1項第9号に係る同法第60条第2項の罪、 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律 1999年法律第52号第4条 《児童買春 児童買春をした者は、5年以下…》 の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 から 第8条 《児童買春等目的人身売買等 児童を児童買…》 春における性交等の相手方とさせ又は第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を描写して児童ポルノを製造する目的で、当該児童を売買した者は、1年以上10年以下の拘禁刑に処する。 2 前項の目的で、外国 までの罪又は 性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律 2023年法律第67号第2条 《性的姿態等撮影 次の各号のいずれかに掲…》 げる行為をした者は、3年以下の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 1 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等以下「性的姿態等」という。のうち、人が通常衣服を着けている場所にお から 第6条 《性的姿態等影像記録 情を知って、前条第…》 1項各号のいずれかに掲げる行為により影像送信をされた影像を記録した者は、3年以下の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 2 前項の罪の未遂は、罰する。 までの罪の被害者

3号 前2号に掲げる者のほか、犯罪の性質、証人の年齢、心身の状態、被告人との関係その他の事情により、裁判官及び訴訟関係人が証人を尋問するために在席する場所において供述するときは圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認められる者

2項 裁判所は、証人を尋問する場合において、次に掲げる場合であつて、相当と認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、同一構内以外にある場所であつて裁判所の規則で定めるものに証人を在席させ、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によつて、尋問することができる。

1号 犯罪の性質、証人の年齢、心身の状態、被告人との関係その他の事情により、証人が同一構内に出頭するときは精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認めるとき。

2号 同一構内への出頭に伴う移動に際し、証人の身体若しくは財産に害を加え又は証人を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認めるとき。

3号 同一構内への出頭後の移動に際し尾行その他の方法で証人の住居、勤務先その他その通常所在する場所が特定されることにより、証人若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認めるとき。

4号 証人が遠隔地に居住し、その年齢、職業、健康状態その他の事情により、同一構内に出頭することが著しく困難であると認めるとき。

3項 前2項に規定する方法により証人尋問を行う場合(前項第4号の規定による場合を除く。)において、裁判所は、その証人が後の刑事手続において同1の事実につき再び証人として供述を求められることがあると思料する場合であつて、証人の同意があるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、その証人の尋問及び供述並びにその状況を記録媒体(映像及び音声を同時に記録することができるものに限る。)に記録することができる。

4項 前項の規定により証人の尋問及び供述並びにその状況を記録した記録媒体は、訴訟記録に添付して調書の一部とするものとする。

158条

1項 裁判所は、証人の重要性、年齢、職業、健康状態その他の事情と事案の軽重とを考慮した上、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、必要と認めるときは、裁判所外にこれを召喚し、又はその現在場所でこれを尋問することができる。

2項 前項の場合には、裁判所は、あらかじめ、検察官、被告人及び弁護人に、尋問事項を知る機会を与えなければならない。

3項 検察官、被告人又は弁護人は、前項の尋問事項に附加して、必要な事項の尋問を請求することができる。

159条

1項 裁判所は、検察官、被告人又は弁護人が前条の証人尋問に立ち会わなかつたときは、立ち会わなかつた者に、証人の供述の内容を知る機会を与えなければならない。

2項 前項の証人の供述が被告人に予期しなかつた著しい不利益なものである場合には、被告人又は弁護人は、更に必要な事項の尋問を請求することができる。

3項 裁判所は、前項の請求を理由がないものと認めるときは、これを却下することができる。

160条

1項 証人が正当な理由がなく宣誓又は証言を拒んだときは、決定で、110,000円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。

2項 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

161条

1項 正当な理由がなく宣誓又は証言を拒んだ者は、1年以下の拘禁刑又は310,000円以下の罰金に処する。

162条

1項 裁判所は、必要があるときは、決定で指定の場所に証人の同行を命ずることができる。証人が正当な理由がなく同行に応じないときは、これを勾引することができる。

163条

1項 裁判所外で証人を尋問すべきときは、合議体の構成員にこれをさせ、又は証人の現在地の地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。

2項 受託裁判官は、受託の権限を有する他の地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に転嘱することができる。

3項 受託裁判官は、受託事項について権限を有しないときは、受託の権限を有する他の地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に嘱託を移送することができる。

4項 受命裁判官又は受託裁判官は、証人の尋問に関し、裁判所又は裁判長に属する処分をすることができる。但し、 第150条 《 召喚を受けた証人が正当な理由がなく出頭…》 しないときは、決定で、110,000円以下の過料に処し、かつ、出頭しないために生じた費用の賠償を命ずることができる。 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 及び 第160条 《 証人が正当な理由がなく宣誓又は証言を拒…》 んだときは、決定で、110,000円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 の決定は、裁判所もこれをすることができる。

5項 第158条第2項 《前項の場合には、裁判所は、あらかじめ、検…》 察官、被告人及び弁護人に、尋問事項を知る機会を与えなければならない。 及び第3項並びに 第159条 《 裁判所は、検察官、被告人又は弁護人が前…》 条の証人尋問に立ち会わなかつたときは、立ち会わなかつた者に、証人の供述の内容を知る機会を与えなければならない。 前項の証人の供述が被告人に予期しなかつた著しい不利益なものである場合には、被告人又は弁護 に規定する手続は、前項の規定にかかわらず、裁判所がこれをしなければならない。

164条

1項 証人は、旅費、日当及び宿泊料を請求することができる。但し、正当な理由がなく宣誓又は証言を拒んだ者は、この限りでない。

2項 証人は、あらかじめ旅費、日当又は宿泊料の支給を受けた場合において、正当な理由がなく、出頭せず又は宣誓若しくは証言を拒んだときは、その支給を受けた費用を返納しなければならない。

12章 鑑定

165条

1項 裁判所は、学識経験のある者に鑑定を命ずることができる。

166条

1項 鑑定人には、宣誓をさせなければならない。

167条

1項 被告人の心神又は身体に関する鑑定をさせるについて必要があるときは、裁判所は、期間を定め、病院その他の相当な場所に被告人を留置することができる。

2項 前項の留置は、鑑定留置状を発してこれをしなければならない。

3項 第1項の留置につき必要があるときは、裁判所は、被告人を収容すべき病院その他の場所の管理者の申出により、又は職権で、司法警察職員に被告人の看守を命ずることができる。

4項 裁判所は、必要があるときは、留置の期間を延長し又は短縮することができる。

5項 勾留に関する規定は、この法律に特別の定のある場合を除いては、第1項の留置についてこれを準用する。但し、保釈に関する規定は、この限りでない。

6項 第1項の留置は、未決勾留日数の算入については、これを勾留とみなす。

167条の2

1項 勾留中の被告人に対し鑑定留置状が執行されたときは、被告人が留置されている間、勾留は、その執行を停止されたものとする。

2項 前項の場合において、前条第1項の処分が取り消され又は留置の期間が満了したときは、 第98条 《 保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決…》 定があつたとき、又は勾留の執行停止の期間が満了したときは、検察事務官、司法警察職員又は刑事施設職員は、検察官の指揮により、勾留状の謄本及び保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定の謄本又は期間を指定し の規定を準用する。

168条

1項 鑑定人は、鑑定について必要がある場合には、裁判所の許可を受けて、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入り、身体を検査し、死体を解剖し、墳墓を発掘し、又は物を破壊することができる。

2項 裁判所は、前項の許可をするには、被告人の氏名、罪名及び立ち入るべき場所、検査すべき身体、解剖すべき死体、発掘すべき墳墓又は破壊すべき物並びに鑑定人の氏名その他裁判所の規則で定める事項を記載した許可状を発して、これをしなければならない。

3項 裁判所は、身体の検査に関し、適当と認める条件を附することができる。

4項 鑑定人は、第1項の処分を受ける者に許可状を示さなければならない。

5項 前3項の規定は、鑑定人が公判廷でする第1項の処分については、これを適用しない。

6項 第131条 《 身体の検査については、これを受ける者の…》 性別、健康状態その他の事情を考慮した上、特にその方法に注意し、その者の名誉を害しないように注意しなければならない。 女子の身体を検査する場合には、医師又は成年の女子をこれに立ち会わせなければならない。第137条 《 被告人又は被告人以外の者が正当な理由が…》 なく身体の検査を拒んだときは、決定で、110,000円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。第138条 《 正当な理由がなく身体の検査を拒んだ者は…》 、110,000円以下の罰金又は拘留に処する。 前項の罪を犯した者には、情状により、罰金及び拘留を併科することができる。 及び 第140条 《 裁判所は、第137条の規定により過料を…》 科し、又は前条の規定により身体の検査をするにあたつては、あらかじめ、検察官の意見を聴き、且つ、身体の検査を受ける者の異議の理由を知るため適当な努力をしなければならない。 の規定は、鑑定人の第1項の規定によつてする身体の検査についてこれを準用する。

169条

1項 裁判所は、合議体の構成員に鑑定について必要な処分をさせることができる。但し、 第167条第1項 《被告人の心神又は身体に関する鑑定をさせる…》 について必要があるときは、裁判所は、期間を定め、病院その他の相当な場所に被告人を留置することができる。 に規定する処分については、この限りでない。

170条

1項 検察官及び弁護人は、鑑定に立ち会うことができる。この場合には、 第157条第2項 《証人尋問の日時及び場所は、あらかじめ、前…》 項の規定により尋問に立ち会うことができる者にこれを通知しなければならない。 但し、これらの者があらかじめ裁判所に立ち会わない意思を明示したときは、この限りでない。 の規定を準用する。

171条

1項 前章の規定は、勾引に関する規定を除いて、鑑定についてこれを準用する。

172条

1項 身体の検査を受ける者が、鑑定人の 第168条第1項 《鑑定人は、鑑定について必要がある場合には…》 、裁判所の許可を受けて、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入り、身体を検査し、死体を解剖し、墳墓を発掘し、又は物を破壊することができる。 の規定によつてする身体の検査を拒んだ場合には、鑑定人は、裁判官にその者の身体の検査を請求することができる。

2項 前項の請求を受けた裁判官は、第10章の規定に準じ身体の検査をすることができる。

173条

1項 鑑定人は、旅費、日当及び宿泊料の外、鑑定料を請求し、及び鑑定に必要な費用の支払又は償還を受けることができる。

2項 鑑定人は、あらかじめ鑑定に必要な費用の支払を受けた場合において、正当な理由がなく、出頭せず又は宣誓若しくは鑑定を拒んだときは、その支払を受けた費用を返納しなければならない。

174条

1項 特別の知識によつて知り得た過去の事実に関する尋問については、この章の規定によらないで、前章の規定を適用する。

13章 通訳及び翻訳

175条

1項 国語に通じない者に陳述をさせる場合には、通訳人に通訳をさせなければならない。

176条

1項 耳の聞えない者又は口のきけない者に陳述をさせる場合には、通訳人に通訳をさせることができる。

177条

1項 国語でない文字又は符号は、これを翻訳させることができる。

178条

1項 前章の規定は、通訳及び翻訳についてこれを準用する。

14章 証拠保全

179条

1項 被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収、捜索、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができる。

2項 前項の請求を受けた裁判官は、その処分に関し、裁判所又は裁判長と同1の権限を有する。

180条

1項 検察官及び弁護人は、裁判所において、前条第1項の処分に関する書類及び証拠物を閲覧し、且つ謄写することができる。但し、弁護人が証拠物の謄写をするについては、裁判官の許可を受けなければならない。

2項 前項の規定にかかわらず、 第157条の6第4項 《前項の規定により証人の尋問及び供述並びに…》 その状況を記録した記録媒体は、訴訟記録に添付して調書の一部とするものとする。 に規定する記録媒体は、謄写することができない。

3項 被告人又は被疑者は、裁判官の許可を受け、裁判所において、第1項の書類及び証拠物を閲覧することができる。ただし、被告人又は被疑者に弁護人があるときは、この限りでない。

15章 訴訟費用

181条

1項 刑の言渡をしたときは、被告人に訴訟費用の全部又は一部を負担させなければならない。但し、被告人が貧困のため訴訟費用を納付することのできないことが明らかであるときは、この限りでない。

2項 被告人の責に帰すべき事由によつて生じた費用は、刑の言渡をしない場合にも、被告人にこれを負担させることができる。

3項 検察官のみが上訴を申し立てた場合において、上訴が棄却されたとき、又は上訴の取下げがあつたときは、上訴に関する訴訟費用は、これを被告人に負担させることができない。ただし、被告人の責めに帰すべき事由によつて生じた費用については、この限りでない。

4項 公訴が提起されなかつた場合において、被疑者の責めに帰すべき事由により生じた費用があるときは、被疑者にこれを負担させることができる。

182条

1項 共犯の訴訟費用は、共犯人に、連帯して、これを負担させることができる。

183条

1項 告訴、告発又は請求により公訴の提起があつた事件について被告人が無罪又は免訴の裁判を受けた場合において、告訴人、告発人又は請求人に故意又は重大な過失があつたときは、その者に訴訟費用を負担させることができる。

2項 告訴、告発又は請求があつた事件について公訴が提起されなかつた場合において、告訴人、告発人又は請求人に故意又は重大な過失があつたときも、前項と同様とする。

184条

1項 検察官以外の者が上訴又は再審若しくは正式裁判の請求を取り下げた場合には、その者に上訴、再審又は正式裁判に関する費用を負担させることができる。

185条

1項 裁判によつて訴訟手続が終了する場合において、被告人に訴訟費用を負担させるときは、職権でその裁判をしなければならない。この裁判に対しては、本案の裁判について上訴があつたときに限り、不服を申し立てることができる。

186条

1項 裁判によつて訴訟手続が終了する場合において、被告人以外の者に訴訟費用を負担させるときは、職権で別にその決定をしなければならない。この決定に対しては、即時抗告をすることができる。

187条

1項 裁判によらないで訴訟手続が終了する場合において、訴訟費用を負担させるときは、最終に事件の係属した裁判所が、職権でその決定をしなければならない。この決定に対しては、即時抗告をすることができる。

187条の2

1項 公訴が提起されなかつた場合において、訴訟費用を負担させるときは、検察官の請求により、裁判所が決定をもつてこれを行う。この決定に対しては、即時抗告をすることができる。

188条

1項 訴訟費用の負担を命ずる裁判にその額を表示しないときは、執行の指揮をすべき検察官が、これを算定する。

16章 費用の補償

188条の2

1項 無罪の判決が確定したときは、国は、当該事件の被告人であつた者に対し、その裁判に要した費用の補償をする。ただし、被告人であつた者の責めに帰すべき事由によつて生じた費用については、補償をしないことができる。

2項 被告人であつた者が、捜査又は審判を誤らせる目的で、虚偽の自白をし、又は他の有罪の証拠を作ることにより、公訴の提起を受けるに至つたものと認められるときは、前項の補償の全部又は一部をしないことができる。

3項 第188条の5第1項 《前条の補償は、被告人又は被告人であつた者…》 の請求により、当該上訴裁判所であつた最高裁判所又は高等裁判所が、決定をもつてこれを行う。 の規定による補償の請求がされている場合には、 第188条の4 《 検察官のみが上訴をした場合において、上…》 訴が棄却され又は取り下げられて当該上訴に係る原裁判が確定したときは、これによつて無罪の判決が確定した場合を除き、国は、当該事件の被告人又は被告人であつた者に対し、上訴によりその審級において生じた費用の の規定により補償される費用については、第1項の補償をしない。

188条の3

1項 前条第1項の補償は、被告人であつた者の請求により、無罪の判決をした裁判所が、決定をもつてこれを行う。

2項 前項の請求は、無罪の判決が確定した後6箇月以内にこれをしなければならない。

3項 補償に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。

188条の4

1項 検察官のみが上訴をした場合において、上訴が棄却され又は取り下げられて当該上訴に係る原裁判が確定したときは、これによつて無罪の判決が確定した場合を除き、国は、当該事件の被告人又は被告人であつた者に対し、上訴によりその審級において生じた費用の補償をする。ただし、被告人又は被告人であつた者の責めに帰すべき事由によつて生じた費用については、補償をしないことができる。

188条の5

1項 前条の補償は、被告人又は被告人であつた者の請求により、当該上訴裁判所であつた最高裁判所又は高等裁判所が、決定をもつてこれを行う。

2項 前項の請求は、当該上訴に係る原裁判が確定した後2箇月以内にこれをしなければならない。

3項 補償に関する決定で高等裁判所がしたものに対しては、 第428条第2項 《即時抗告をすることができる旨の規定がある…》 決定並びに第419条及び第420条の規定により抗告をすることができる決定で高等裁判所がしたものに対しては、その高等裁判所に異議の申立をすることができる。 の異議の申立てをすることができる。この場合には、即時抗告に関する規定をも準用する。

188条の6

1項 第188条の2第1項 《無罪の判決が確定したときは、国は、当該事…》 件の被告人であつた者に対し、その裁判に要した費用の補償をする。 ただし、被告人であつた者の責めに帰すべき事由によつて生じた費用については、補償をしないことができる。 又は 第188条の4 《 検察官のみが上訴をした場合において、上…》 訴が棄却され又は取り下げられて当該上訴に係る原裁判が確定したときは、これによつて無罪の判決が確定した場合を除き、国は、当該事件の被告人又は被告人であつた者に対し、上訴によりその審級において生じた費用の の規定により補償される費用の範囲は、被告人若しくは被告人であつた者又はそれらの者の弁護人であつた者が公判準備及び公判期日に出頭するに要した旅費、日当及び宿泊料並びに弁護人であつた者に対する報酬に限るものとし、その額に関しては、刑事訴訟費用に関する法律の規定中、被告人又は被告人であつた者については証人、弁護人であつた者については弁護人に関する規定を準用する。

2項 裁判所は、公判準備又は公判期日に出頭した弁護人が2人以上あつたときは、事件の性質、審理の状況その他の事情を考慮して、前項の弁護人であつた者の旅費、日当及び宿泊料を主任弁護人その他一部の弁護人に係るものに限ることができる。

188条の7

1項 補償の請求その他補償に関する手続、補償と他の法律による損害賠償との関係、補償を受ける権利の譲渡又は差押え及び被告人又は被告人であつた者の相続人に対する補償については、この法律に特別の定めがある場合のほか、 刑事補償法 1950年法律第1号第1条 《補償の要件 刑事訴訟法1948年法律第…》 131号による通常手続又は再審若しくは非常上告の手続において無罪の裁判を受けた者が同法、少年法1948年法律第168号又は経済調査庁法1948年法律第206号によつて未決の抑留又は拘禁を受けた場合には に規定する補償の例による。

2編 一審 > 1章 捜査

189条

1項 警察官は、それぞれ、他の法律又は国家公安委員会若しくは都道府県公安委員会の定めるところにより、司法警察職員として職務を行う。

2項 司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するものとする。

190条

1項 森林、鉄道その他特別の事項について司法警察職員として職務を行うべき者及びその職務の範囲は、別に法律でこれを定める。

191条

1項 検察官は、必要と認めるときは、自ら犯罪を捜査することができる。

2項 検察事務官は、検察官の指揮を受け、捜査をしなければならない。

192条

1項 検察官と都道府県公安委員会及び司法警察職員とは、捜査に関し、互に協力しなければならない。

193条

1項 検察官は、その管轄区域により、司法警察職員に対し、その捜査に関し、必要な一般的指示をすることができる。この場合における指示は、捜査を適正にし、その他公訴の遂行を全うするために必要な事項に関する一般的な準則を定めることによつて行うものとする。

2項 検察官は、その管轄区域により、司法警察職員に対し、捜査の協力を求めるため必要な一般的指揮をすることができる。

3項 検察官は、自ら犯罪を捜査する場合において必要があるときは、司法警察職員を指揮して捜査の補助をさせることができる。

4項 前3項の場合において、司法警察職員は、検察官の指示又は指揮に従わなければならない。

194条

1項 検事総長、検事長又は検事正は、司法警察職員が正当な理由がなく検察官の指示又は指揮に従わない場合において必要と認めるときは、警察官たる司法警察職員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会に、警察官たる者以外の司法警察職員については、その者を懲戒し又は罷免する権限を有する者に、それぞれ懲戒又は罷免の訴追をすることができる。

2項 国家公安委員会、都道府県公安委員会又は警察官たる者以外の司法警察職員を懲戒し若しくは罷免する権限を有する者は、前項の訴追が理由のあるものと認めるときは、別に法律の定めるところにより、訴追を受けた者を懲戒し又は罷免しなければならない。

195条

1項 検察官及び検察事務官は、捜査のため必要があるときは、管轄区域外で職務を行うことができる。

196条

1項 検察官、検察事務官及び司法警察職員並びに弁護人その他職務上捜査に関係のある者は、被疑者その他の者の名誉を害しないように注意し、且つ、捜査の妨げとならないように注意しなければならない。

197条

1項 捜査については、その目的を達するため必要な取調をすることができる。但し、強制の処分は、この法律に特別の定のある場合でなければ、これをすることができない。

2項 捜査については、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

3項 検察官、検察事務官又は司法警察員は、差押え又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者又は自己の業務のために不特定若しくは多数の者の通信を媒介することのできる電気通信を行うための設備を設置している者に対し、その業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、30日を超えない期間を定めて、これを消去しないよう、書面で求めることができる。この場合において、当該電磁的記録について差押え又は記録命令付差押えをする必要がないと認めるに至つたときは、当該求めを取り消さなければならない。

4項 前項の規定により消去しないよう求める期間については、特に必要があるときは、30日を超えない範囲内で延長することができる。ただし、消去しないよう求める期間は、通じて60日を超えることができない。

5項 第2項又は第3項の規定による求めを行う場合において、必要があるときは、みだりにこれらに関する事項を漏らさないよう求めることができる。

198条

1項 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。

2項 前項の取調に際しては、被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない。

3項 被疑者の供述は、これを調書に録取することができる。

4項 前項の調書は、これを被疑者に閲覧させ、又は読み聞かせて、誤がないかどうかを問い、被疑者が増減変更の申立をしたときは、その供述を調書に記載しなければならない。

5項 被疑者が、調書に誤のないことを申し立てたときは、これに署名押印することを求めることができる。但し、これを拒絶した場合は、この限りでない。

199条

1項 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。ただし、310,000円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、30,000円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まつた住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。

2項 裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。次項及び 第201条の2第1項 《検察官又は司法警察員は、次に掲げる者の個…》 人特定事項氏名及び住所その他の個人を特定させることとなる事項をいう。以下同じ。について、必要と認めるときは、第199条第2項本文の請求と同時に、裁判官に対し、被疑者に示すものとして、当該個人特定事項の において同じ。)の請求により、前項の逮捕状を発する。ただし、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。

3項 検察官又は司法警察員は、第1項の逮捕状を請求する場合において、同1の犯罪事実についてその被疑者に対し前に逮捕状の請求又はその発付があつたときは、その旨を裁判所に通知しなければならない。

200条

1項 逮捕状には、被疑者の氏名及び住居、罪名、被疑事実の要旨、引致すべき官公署その他の場所、有効期間及びその期間経過後は逮捕をすることができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判官が、これに記名押印しなければならない。

2項 第64条第2項 《被告人の氏名が明らかでないときは、人相、…》 体格その他被告人を特定するに足りる事項で被告人を指示することができる。 及び第3項の規定は、逮捕状についてこれを準用する。

201条

1項 逮捕状により被疑者を逮捕するには、逮捕状を被疑者に示さなければならない。

2項 第73条第3項 《勾引状又は勾留状を所持しないためこれを示…》 すことができない場合において、急速を要するときは、前2項の規定にかかわらず、被告人に対し公訴事実の要旨及び令状が発せられている旨を告げて、その執行をすることができる。 但し、令状は、できる限り速やかに の規定は、逮捕状により被疑者を逮捕する場合にこれを準用する。

201条の2

1項 検察官又は司法警察員は、次に掲げる者の個人特定事項(氏名及び住所その他の個人を特定させることとなる事項をいう。以下同じ。)について、必要と認めるときは、 第199条第2項 《裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに…》 足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。次項及び第201条の2第1項において同じ。の 本文の請求と同時に、裁判官に対し、被疑者に示すものとして、当該個人特定事項の記載がない逮捕状の抄本その他の逮捕状に代わるものの交付を請求することができる。

1号 次に掲げる事件の被害者

刑法 第176条 《不同意わいせつ 次に掲げる行為又は事由…》 その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以第177条 《不同意性交等 前条第1項各号に掲げる行…》 又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは第179条 《監護者わいせつ及び監護者性交等 18歳…》 未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条第1項の例による。 2 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影第181条 《不同意わいせつ等致死傷 第176条若し…》 くは第179条第1項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は3年以上の拘禁刑に処する。 2 第177条若しくは第179条第2項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死 若しくは 第182条 《16歳未満の者に対する面会要求等 わい…》 せつの目的で、16歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。は、1年以下の拘禁 の罪、同法第225条若しくは第226条の2第3項の罪(わいせつ又は結婚の目的に係る部分に限る。以下このイにおいて同じ。)、同法第227条第1項(同法第225条又は第226条の2第3項の罪を犯した者を幇助する目的に係る部分に限る。)若しくは第3項(わいせつの目的に係る部分に限る。)の罪若しくは同法第241条第1項若しくは第3項の罪又はこれらの罪の未遂罪に係る事件

児童福祉法 第60条第1項 《第34条第1項第6号の規定に違反したとき…》 は、当該違反行為をした者は、10年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 の罪若しくは同法第34条第1項第9号に係る同法第60条第2項の罪、 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律 第4条 《児童買春 児童買春をした者は、5年以下…》 の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 から 第8条 《児童買春等目的人身売買等 児童を児童買…》 春における性交等の相手方とさせ又は第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を描写して児童ポルノを製造する目的で、当該児童を売買した者は、1年以上10年以下の拘禁刑に処する。 2 前項の目的で、外国 までの罪又は 性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律 第2条 《性的姿態等撮影 次の各号のいずれかに掲…》 げる行為をした者は、3年以下の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 1 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等以下「性的姿態等」という。のうち、人が通常衣服を着けている場所にお から 第6条 《性的姿態等影像記録 情を知って、前条第…》 1項各号のいずれかに掲げる行為により影像送信をされた影像を記録した者は、3年以下の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 2 前項の罪の未遂は、罰する。 までの罪に係る事件

及びロに掲げる事件のほか、犯行の態様、被害の状況その他の事情により、被害者の個人特定事項が被疑者に知られることにより次に掲げるおそれがあると認められる事件

(1) 被害者等(被害者又は被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。以下同じ。)の名誉又は社会生活の平穏が著しく害されるおそれ

(2) 1)に掲げるもののほか、被害者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれ

2号 前号に掲げる者のほか、個人特定事項が被疑者に知られることにより次に掲げるおそれがあると認められる者

その者の名誉又は社会生活の平穏が著しく害されるおそれ

イに掲げるもののほか、その者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれ

2項 裁判官は、前項の規定による請求を受けた場合において、 第199条第2項 《裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに…》 足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。次項及び第201条の2第1項において同じ。の の規定により逮捕状を発するときは、これと同時に、被疑者に示すものとして、当該請求に係る個人特定事項を明らかにしない方法により被疑事実の要旨を記載した逮捕状の抄本その他の逮捕状に代わるものを交付するものとする。ただし、当該請求に係る者が前項第1号又は第2号に掲げる者に該当しないことが明らかなときは、この限りでない。

3項 前項の規定による逮捕状に代わるものの交付があつたときは、前条第1項の規定にかかわらず、逮捕状により被疑者を逮捕するに当たり、当該逮捕状に代わるものを被疑者に示すことができる。

4項 第2項の規定による逮捕状に代わるものの交付があつた場合において、当該逮捕状に代わるものを所持しないためこれを示すことができない場合であつて、急速を要するときは、前条第1項の規定及び同条第2項において準用する 第73条第3項 《勾引状又は勾留状を所持しないためこれを示…》 すことができない場合において、急速を要するときは、前2項の規定にかかわらず、被告人に対し公訴事実の要旨及び令状が発せられている旨を告げて、その執行をすることができる。 但し、令状は、できる限り速やかに の規定にかかわらず、被疑者に対し、逮捕状に記載された個人特定事項のうち当該逮捕状に代わるものに記載がないものを明らかにしない方法により被疑事実の要旨を告げるとともに、逮捕状が発せられている旨を告げて、逮捕状により被疑者を逮捕することができる。ただし、当該逮捕状に代わるものは、できる限り速やかに示さなければならない。

202条

1項 検察事務官又は司法巡査が逮捕状により被疑者を逮捕したときは、直ちに、検察事務官はこれを検察官に、司法巡査はこれを司法警察員に引致しなければならない。

203条

1項 司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から48時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。

2項 前項の場合において、被疑者に弁護人の有無を尋ね、弁護人があるときは、弁護人を選任することができる旨は、これを告げることを要しない。

3項 司法警察員は、第1項の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たつては、被疑者に対し、弁護士、 弁護士法 又は弁護士会を指定して弁護人の選任を申し出ることができる旨及びその申出先を教示しなければならない。

4項 司法警察員は、第1項の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たつては、被疑者に対し、引き続き勾留を請求された場合において貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは裁判官に対して弁護人の選任を請求することができる旨並びに裁判官に対して弁護人の選任を請求するには 資力 申告書を提出しなければならない旨及びその資力が基準額以上であるときは、あらかじめ、弁護士会( 第37条の3第2項 《その資力が基準額以上である被疑者が前条第…》 1項の請求をするには、あらかじめ、その勾留の請求を受けた裁判官の所属する裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内に在る弁護士会に第31条の2第1項の申出をしていなければならない。 の規定により 第31条の2第1項 《弁護人を選任しようとする被告人又は被疑者…》 は、弁護士会に対し、弁護人の選任の申出をすることができる。 の申出をすべき弁護士会をいう。)に弁護人の選任の申出をしていなければならない旨を教示しなければならない。

5項 第1項の時間の制限内に送致の手続をしないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。

204条

1項 検察官は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者(前条の規定により送致された被疑者を除く。)を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から48時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。但し、その時間の制限内に公訴を提起したときは、勾留の請求をすることを要しない。

2項 検察官は、前項の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たつては、被疑者に対し、弁護士、 弁護士法 又は弁護士会を指定して弁護人の選任を申し出ることができる旨及びその申出先を教示しなければならない。

3項 検察官は、第1項の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たつては、被疑者に対し、引き続き勾留を請求された場合において貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは裁判官に対して弁護人の選任を請求することができる旨並びに裁判官に対して弁護人の選任を請求するには 資力 申告書を提出しなければならない旨及びその資力が基準額以上であるときは、あらかじめ、弁護士会( 第37条の3第2項 《その資力が基準額以上である被疑者が前条第…》 1項の請求をするには、あらかじめ、その勾留の請求を受けた裁判官の所属する裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内に在る弁護士会に第31条の2第1項の申出をしていなければならない。 の規定により 第31条の2第1項 《弁護人を選任しようとする被告人又は被疑者…》 は、弁護士会に対し、弁護人の選任の申出をすることができる。 の申出をすべき弁護士会をいう。)に弁護人の選任の申出をしていなければならない旨を教示しなければならない。

4項 第1項の時間の制限内に勾留の請求又は公訴の提起をしないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。

5項 前条第2項の規定は、第1項の場合にこれを準用する。

205条

1項 検察官は、 第203条 《 司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕…》 したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留 の規定により送致された被疑者を受け取つたときは、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取つた時から24時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。

2項 前項の時間の制限は、被疑者が身体を拘束された時から72時間を超えることができない。

3項 前2項の時間の制限内に公訴を提起したときは、勾留の請求をすることを要しない。

4項 第1項及び第2項の時間の制限内に勾留の請求又は公訴の提起をしないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。

206条

1項 検察官又は司法警察員がやむを得ない事情によつて前3条の時間の制限に従うことができなかつたときは、検察官は、裁判官にその事由を疎明して、被疑者の勾留を請求することができる。

2項 前項の請求を受けた裁判官は、その遅延がやむを得ない事由に基く正当なものであると認める場合でなければ、勾留状を発することができない。

207条

1項 前3条の規定による勾留の請求を受けた裁判官は、その処分に関し裁判所又は裁判長と同1の権限を有する。但し、保釈については、この限りでない。

2項 前項の裁判官は、勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げる際に、被疑者に対し、弁護人を選任することができる旨及び貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは弁護人の選任を請求することができる旨を告げなければならない。ただし、被疑者に弁護人があるときは、この限りでない。

3項 前項の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たつては、勾留された被疑者は弁護士、 弁護士法 又は弁護士会を指定して弁護人の選任を申し出ることができる旨及びその申出先を教示しなければならない。

4項 第2項の規定により弁護人の選任を請求することができる旨を告げるに当たつては、弁護人の選任を請求するには 資力 申告書を提出しなければならない旨及びその資力が基準額以上であるときは、あらかじめ、弁護士会( 第37条の3第2項 《その資力が基準額以上である被疑者が前条第…》 1項の請求をするには、あらかじめ、その勾留の請求を受けた裁判官の所属する裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内に在る弁護士会に第31条の2第1項の申出をしていなければならない。 の規定により 第31条の2第1項 《弁護人を選任しようとする被告人又は被疑者…》 は、弁護士会に対し、弁護人の選任の申出をすることができる。 の申出をすべき弁護士会をいう。)に弁護人の選任の申出をしていなければならない旨を教示しなければならない。

5項 裁判官は、第1項の勾留の請求を受けたときは、速やかに勾留状を発しなければならない。ただし、勾留の理由がないと認めるとき、及び前条第2項の規定により勾留状を発することができないときは、勾留状を発しないで、直ちに被疑者の釈放を命じなければならない。

207条の2

1項 検察官は、 第201条の2第1項第1号 《検察官又は司法警察員は、次に掲げる者の個…》 人特定事項氏名及び住所その他の個人を特定させることとなる事項をいう。以下同じ。について、必要と認めるときは、第199条第2項本文の請求と同時に、裁判官に対し、被疑者に示すものとして、当該個人特定事項の 又は第2号に掲げる者の個人特定事項について、必要と認めるときは、前条第1項の勾留の請求と同時に、裁判官に対し、勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げるに当たつては当該個人特定事項を明らかにしない方法によること及び被疑者に示すものとして当該個人特定事項の記載がない勾留状の抄本その他の勾留状に代わるものを交付することを請求することができる。

2項 裁判官は、前項の規定による請求を受けたときは、勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げるに当たつては、当該請求に係る個人特定事項を明らかにしない方法によるとともに、前条第5項本文の規定により勾留状を発するときは、これと同時に、被疑者に示すものとして、当該個人特定事項を明らかにしない方法により被疑事実の要旨を記載した勾留状の抄本その他の勾留状に代わるものを交付するものとする。ただし、当該請求に係る者が 第201条の2第1項第1号 《検察官又は司法警察員は、次に掲げる者の個…》 人特定事項氏名及び住所その他の個人を特定させることとなる事項をいう。以下同じ。について、必要と認めるときは、第199条第2項本文の請求と同時に、裁判官に対し、被疑者に示すものとして、当該個人特定事項の 又は第2号に掲げる者に該当しないことが明らかなときは、この限りでない。

207条の3

1項 裁判官は、前条第2項の規定による措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被疑者又は弁護人の請求により、当該措置に係る個人特定事項の全部又は一部を被疑者に通知する旨の裁判をしなければならない。

1号 又はロに掲げる個人特定事項の区分に応じ、当該イ又はロに定める場合であるとき。

被害者の個人特定事項当該措置に係る事件に係る罪が 第201条の2第1項第1号 《検察官又は司法警察員は、次に掲げる者の個…》 人特定事項氏名及び住所その他の個人を特定させることとなる事項をいう。以下同じ。について、必要と認めるときは、第199条第2項本文の請求と同時に、裁判官に対し、被疑者に示すものとして、当該個人特定事項の及びロに規定するものに該当せず、かつ、当該措置に係る事件が同号ハに掲げるものに該当しないとき。

被害者以外の者の個人特定事項当該措置に係る者が 第201条の2第1項第2号 《検察官又は司法警察員は、次に掲げる者の個…》 人特定事項氏名及び住所その他の個人を特定させることとなる事項をいう。以下同じ。について、必要と認めるときは、第199条第2項本文の請求と同時に、裁判官に対し、被疑者に示すものとして、当該個人特定事項の に掲げる者に該当しないとき。

2号 当該措置により被疑者の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるとき。

2項 裁判官は、前項の請求について裁判をするときは、検察官の意見を聴かなければならない。

3項 裁判官は、第1項の裁判(前条第2項の規定による措置に係る個人特定事項の一部を被疑者に通知する旨のものに限る。)をしたときは、速やかに、検察官に対し、被疑者に示すものとして、当該個人特定事項(当該裁判により通知することとされたものを除く。)を明らかにしない方法により被疑事実の要旨を記載した勾留状の抄本その他の勾留状に代わるものを交付するものとする。

4項 第70条第1項 《勾引状又は勾留状は、検察官の指揮によつて…》 、検察事務官又は司法警察職員がこれを執行する。 但し、急速を要する場合には、裁判長、受命裁判官又は地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官は、その執行を指揮することができる。 本文及び第2項の規定は、第1項の裁判の執行について準用する。

5項 第1項の裁判を執行するには、前条第2項の規定による措置に係る個人特定事項の全部について当該裁判があつた場合にあつては勾留状を、当該個人特定事項の一部について当該裁判があつた場合にあつては第3項の勾留状に代わるものを、被疑者に示さなければならない。

208条

1項 第207条 《 前3条の規定による勾留の請求を受けた裁…》 判官は、その処分に関し裁判所又は裁判長と同1の権限を有する。 但し、保釈については、この限りでない。 前項の裁判官は、勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げる際に、被疑者に対し、弁護人を選任することが の規定により被疑者を勾留した事件につき、勾留の請求をした日から10日以内に公訴を提起しないときは、検察官は、直ちに被疑者を釈放しなければならない。

2項 裁判官は、やむを得ない事由があると認めるときは、検察官の請求により、前項の期間を延長することができる。この期間の延長は、通じて10日を超えることができない。

208条の2

1項 裁判官は、 刑法 第2編第2章ないし[から〜まで]第4章又は第8章の罪にあたる事件については、検察官の請求により、前条第2項の規定により延長された期間を更に延長することができる。この期間の延長は、通じて5日を超えることができない。

208条の3

1項 期間を指定されて勾留の執行停止をされた被疑者が、正当な理由がなく、当該期間の終期として指定された日時に、出頭すべき場所として指定された場所に出頭しないときは、2年以下の拘禁刑に処する。

208条の4

1項 裁判所の許可を受けないで指定された期間を超えて制限された住居を離れてはならない旨の条件を付されて勾留の執行停止をされた被疑者が、当該条件に係る住居を離れ、当該許可を受けないで、正当な理由がなく、当該期間を超えて当該住居に帰着しないときは、2年以下の拘禁刑に処する。

2項 前項の被疑者が、裁判所の許可を受けて同項の住居を離れ、正当な理由がなく、当該住居を離れることができる期間として指定された期間を超えて当該住居に帰着しないときも、同項と同様とする。

208条の5

1項 勾留の執行停止を取り消され、検察官から出頭を命ぜられた被疑者が、正当な理由がなく、指定された日時及び場所に出頭しないときは、2年以下の拘禁刑に処する。

209条

1項 第74条 《 勾引状又は勾留状の執行を受けた被告人を…》 護送する場合において必要があるときは、仮に最寄りの刑事施設にこれを留置することができる。第75条 《 勾引状の執行を受けた被告人を引致した場…》 合において必要があるときは、これを刑事施設に留置することができる。 及び 第78条 《 勾引又は勾留された被告人は、裁判所又は…》 刑事施設の長若しくはその代理者に弁護士、弁護士法人又は弁護士会を指定して弁護人の選任を申し出ることができる。 ただし、被告人に弁護人があるときは、この限りでない。 前項の申出を受けた裁判所又は刑事施設 の規定は、逮捕状による逮捕についてこれを準用する。

210条

1項 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、死刑又は無期若しくは長期3年以上の拘禁刑に当たる罪を犯したことを疑うに足りる10分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる。この場合には、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならない。逮捕状が発せられないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。

2項 第200条 《 逮捕状には、被疑者の氏名及び住居、罪名…》 、被疑事実の要旨、引致すべき官公署その他の場所、有効期間及びその期間経過後は逮捕をすることができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判官が の規定は、前項の逮捕状についてこれを準用する。

211条

1項 前条の規定により被疑者が逮捕された場合には、 第199条 《 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、…》 被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。 ただし、310,000円刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則 の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。

212条

1項 現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。

2項 左の各号の1にあたる者が、罪を行い終つてから間がないと明らかに認められるときは、これを現行犯人とみなす。

1号 犯人として追呼されているとき。

2号 贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の物を所持しているとき。

3号 身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき。

4号 誰何されて逃走しようとするとき。

213条

1項 現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。

214条

1項 検察官、検察事務官及び司法警察職員以外の者は、現行犯人を逮捕したときは、直ちにこれを地方検察庁若しくは区検察庁の検察官又は司法警察職員に引き渡さなければならない。

215条

1項 司法巡査は、現行犯人を受け取つたときは、速やかにこれを司法警察員に引致しなければならない。

2項 司法巡査は、犯人を受け取つた場合には、逮捕者の氏名、住居及び逮捕の事由を聴き取らなければならない。必要があるときは、逮捕者に対しともに官公署に行くことを求めることができる。

216条

1項 現行犯人が逮捕された場合には、 第199条 《 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、…》 被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。 ただし、310,000円刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則 の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。

217条

1項 310,000円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、30,000円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪の現行犯については、犯人の住居若しくは氏名が明らかでない場合又は犯人が逃亡するおそれがある場合に限り、 第213条 《 現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこ…》 れを逮捕することができる。 から前条までの規定を適用する。

218条

1項 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。

2項 差し押さえるべき物が電子計算機であるときは、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、当該電子計算機で作成若しくは変更をした電磁的記録又は当該電子計算機で変更若しくは消去をすることができることとされている電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから、その電磁的記録を当該電子計算機又は他の記録媒体に複写した上、当該電子計算機又は当該他の記録媒体を差し押さえることができる。

3項 身体の拘束を受けている被疑者の指紋若しくは足型を採取し、身長若しくは体重を測定し、又は写真を撮影するには、被疑者を裸にしない限り、第1項の令状によることを要しない。

4項 第1項の令状は、検察官、検察事務官又は司法警察員の請求により、これを発する。

5項 検察官、検察事務官又は司法警察員は、身体検査令状の請求をするには、身体の検査を必要とする理由及び身体の検査を受ける者の性別、健康状態その他裁判所の規則で定める事項を示さなければならない。

6項 裁判官は、身体の検査に関し、適当と認める条件を附することができる。

219条

1項 前条の令状には、被疑者若しくは被告人の氏名、罪名、差し押さえるべき物、記録させ若しくは印刷させるべき電磁的記録及びこれを記録させ若しくは印刷させるべき者、捜索すべき場所、身体若しくは物、検証すべき場所若しくは物又は検査すべき身体及び身体の検査に関する条件、有効期間及びその期間経過後は差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証に着手することができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判官が、これに記名押印しなければならない。

2項 前条第2項の場合には、同条の令状に、前項に規定する事項のほか、差し押さえるべき電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、その電磁的記録を複写すべきものの範囲を記載しなければならない。

3項 第64条第2項 《被告人の氏名が明らかでないときは、人相、…》 体格その他被告人を特定するに足りる事項で被告人を指示することができる。 の規定は、前条の令状についてこれを準用する。

220条

1項 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、 第199条 《 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、…》 被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。 ただし、310,000円刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則 の規定により被疑者を逮捕する場合又は現行犯人を逮捕する場合において必要があるときは、左の処分をすることができる。 第210条 《 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、…》 死刑又は無期若しくは長期3年以上の拘禁刑に当たる罪を犯したことを疑うに足りる10分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができ の規定により被疑者を逮捕する場合において必要があるときも、同様である。

1号 人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入り被疑者の捜索をすること。

2号 逮捕の現場で差押、捜索又は検証をすること。

2項 前項後段の場合において逮捕状が得られなかつたときは、差押物は、直ちにこれを還付しなければならない。 第123条第3項 《押収物が第110条の2の規定により電磁的…》 記録を移転し、又は移転させた上差し押さえた記録媒体で留置の必要がないものである場合において、差押えを受けた者と当該記録媒体の所有者、所持者又は保管者とが異なるときは、被告事件の終結を待たないで、決定で の規定は、この場合についてこれを準用する。

3項 第1項の処分をするには、令状は、これを必要としない。

4項 第1項第2号及び前項の規定は、検察事務官又は司法警察職員が勾引状又は勾留状を執行する場合にこれを準用する。被疑者に対して発せられた勾引状又は勾留状を執行する場合には、第1項第1号の規定をも準用する。

221条

1項 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者その他の者が遺留した物又は所有者、所持者若しくは保管者が任意に提出した物は、これを領置することができる。

222条

1項 第99条第1項 《裁判所は、必要があるときは、証拠物又は没…》 収すべき物と思料するものを差し押えることができる。 但し、特別の定のある場合は、この限りでない。第100条 《 裁判所は、被告人から発し、又は被告人に…》 対して発した郵便物、信書便物又は電信に関する書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものを差し押え、又は提出させることができる。 前項の規定に該当しない郵便物、信書便物又は第102条 《 裁判所は、必要があるときは、被告人の身…》 体、物又は住居その他の場所に就き、捜索をすることができる。 被告人以外の者の身体、物又は住居その他の場所については、押収すべき物の存在を認めるに足りる状況のある場合に限り、捜索をすることができる。 から 第105条 《 医師、歯科医師、助産師、看護師、弁護士…》 外国法事務弁護士を含む。、弁理士、公証人、宗教の職に在る者又はこれらの職に在つた者は、業務上委託を受けたため、保管し、又は所持する物で他人の秘密に関するものについては、押収を拒むことができる。 但し、 まで、 第110条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状は、…》 処分を受ける者にこれを示さなければならない。 から 第112条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行中は、何人に対しても、許可を得ないでその場所に出入りすることを禁止することができる。 前項の禁止に従わない者は、これを退去させ、又は執行が終わるまでこれに看守者を付することができる。 まで、 第114条 《 公務所内で差押状、記録命令付差押状又は…》 捜索状の執行をするときは、その長又はこれに代わるべき者に通知してその処分に立ち会わせなければならない。 前項の規定による場合を除いて、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内で差押状、記録命第115条 《 女子の身体について捜索状の執行をする場…》 合には、成年の女子をこれに立ち会わせなければならない。 但し、急速を要する場合は、この限りでない。 及び 第118条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行を中止する場合において必要があるときは、執行が終わるまでその場所を閉鎖し、又は看守者を置くことができる。 から 第124条 《 押収した贓物で留置の必要がないものは、…》 被害者に還付すべき理由が明らかなときに限り、被告事件の終結を待たないで、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、決定でこれを被害者に還付しなければならない。 前項の規定は、民事訴訟の手続に従い、利害関 までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が 第218条 《 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、…》 犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。 この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。 差第220条 《 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、…》 第199条の規定により被疑者を逮捕する場合又は現行犯人を逮捕する場合において必要があるときは、左の処分をすることができる。 第210条の規定により被疑者を逮捕する場合において必要があるときも、同様であ 及び前条の規定によつてする押収又は捜索について、 第110条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状は、…》 処分を受ける者にこれを示さなければならない。第111条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行については、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。 公判廷で差押え、記録命令付差押え又は捜索をする場合も、同様である。 前項の処分は、押収物についても、これをすることができる。 の二、 第112条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行中は、何人に対しても、許可を得ないでその場所に出入りすることを禁止することができる。 前項の禁止に従わない者は、これを退去させ、又は執行が終わるまでこれに看守者を付することができる。第114条 《 公務所内で差押状、記録命令付差押状又は…》 捜索状の執行をするときは、その長又はこれに代わるべき者に通知してその処分に立ち会わせなければならない。 前項の規定による場合を除いて、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内で差押状、記録命第118条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行を中止する場合において必要があるときは、執行が終わるまでその場所を閉鎖し、又は看守者を置くことができる。第129条 《 検証については、身体の検査、死体の解剖…》 、墳墓の発掘、物の破壊その他必要な処分をすることができる。第131条 《 身体の検査については、これを受ける者の…》 性別、健康状態その他の事情を考慮した上、特にその方法に注意し、その者の名誉を害しないように注意しなければならない。 女子の身体を検査する場合には、医師又は成年の女子をこれに立ち会わせなければならない。 及び 第137条 《 被告人又は被告人以外の者が正当な理由が…》 なく身体の検査を拒んだときは、決定で、110,000円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 から 第140条 《 裁判所は、第137条の規定により過料を…》 科し、又は前条の規定により身体の検査をするにあたつては、あらかじめ、検察官の意見を聴き、且つ、身体の検査を受ける者の異議の理由を知るため適当な努力をしなければならない。 までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が 第218条 《 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、…》 犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。 この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。 差 又は 第220条 《 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、…》 第199条の規定により被疑者を逮捕する場合又は現行犯人を逮捕する場合において必要があるときは、左の処分をすることができる。 第210条の規定により被疑者を逮捕する場合において必要があるときも、同様であ の規定によつてする検証についてこれを準用する。ただし、司法巡査は、 第122条 《 没収することができる押収物で滅失若しく…》 は破損の虞があるもの又は保管に不便なものについては、これを売却してその代価を保管することができる。 から 第124条 《 押収した贓物で留置の必要がないものは、…》 被害者に還付すべき理由が明らかなときに限り、被告事件の終結を待たないで、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、決定でこれを被害者に還付しなければならない。 前項の規定は、民事訴訟の手続に従い、利害関 までに規定する処分をすることができない。

2項 第220条 《 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、…》 第199条の規定により被疑者を逮捕する場合又は現行犯人を逮捕する場合において必要があるときは、左の処分をすることができる。 第210条の規定により被疑者を逮捕する場合において必要があるときも、同様であ の規定により被疑者を捜索する場合において急速を要するときは、 第114条第2項 《前項の規定による場合を除いて、人の住居又…》 は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内で差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行をするときは、住居主若しくは看守者又はこれらの者に代わるべき者をこれに立ち会わせなければならない。 これらの者を立ち会 の規定によることを要しない。

3項 第116条 《 日出前、日没後には、令状に夜間でも執行…》 することができる旨の記載がなければ、差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行のため、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入ることはできない。 日没前に差押状、記録命令付差押状又は捜索状 及び 第117条 《 次に掲げる場所で差押状、記録命令付差押…》 又は捜索状の執行をするについては、前条第1項に規定する制限によることを要しない。 1 賭博、富くじ又は風俗を害する行為に常用されるものと認められる場所 2 旅館、飲食店その他夜間でも公衆が出入りする の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が 第218条 《 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、…》 犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。 この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。 差 の規定によつてする差押え、記録命令付差押え又は捜索について、これを準用する。

4項 日出前、日没後には、令状に夜間でも検証をすることができる旨の記載がなければ、検察官、検察事務官又は司法警察職員は、 第218条 《 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、…》 犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。 この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。 差 の規定によつてする検証のため、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入ることができない。但し、 第117条 《 次に掲げる場所で差押状、記録命令付差押…》 又は捜索状の執行をするについては、前条第1項に規定する制限によることを要しない。 1 賭博、富くじ又は風俗を害する行為に常用されるものと認められる場所 2 旅館、飲食店その他夜間でも公衆が出入りする に規定する場所については、この限りでない。

5項 日没前検証に着手したときは、日没後でもその処分を継続することができる。

6項 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、 第218条 《 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、…》 犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。 この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。 差 の規定により差押、捜索又は検証をするについて必要があるときは、被疑者をこれに立ち会わせることができる。

7項 第1項の規定により、身体の検査を拒んだ者を過料に処し、又はこれに賠償を命ずべきときは、裁判所にその処分を請求しなければならない。

222条の2

1項 通信の当事者のいずれの同意も得ないで電気通信の傍受を行う強制の処分については、別に法律で定めるところによる。

223条

1項 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者以外の者の出頭を求め、これを取り調べ、又はこれに鑑定、通訳若しくは翻訳を嘱託することができる。

2項 第198条第1項 《検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯…》 罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。 但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。 但書及び第3項ないし[から〜まで]第5項の規定は、前項の場合にこれを準用する。

224条

1項 前条第1項の規定により鑑定を嘱託する場合において 第167条第1項 《被告人の心神又は身体に関する鑑定をさせる…》 について必要があるときは、裁判所は、期間を定め、病院その他の相当な場所に被告人を留置することができる。 に規定する処分を必要とするときは、検察官、検察事務官又は司法警察員は、裁判官にその処分を請求しなければならない。

2項 裁判官は、前項の請求を相当と認めるときは、 第167条 《 被告人の心神又は身体に関する鑑定をさせ…》 るについて必要があるときは、裁判所は、期間を定め、病院その他の相当な場所に被告人を留置することができる。 前項の留置は、鑑定留置状を発してこれをしなければならない。 第1項の留置につき必要があるときは の場合に準じてその処分をしなければならない。この場合には、 第167条の2 《 勾留中の被告人に対し鑑定留置状が執行さ…》 れたときは、被告人が留置されている間、勾留は、その執行を停止されたものとする。 前項の場合において、前条第1項の処分が取り消され又は留置の期間が満了したときは、第98条の規定を準用する。 の規定を準用する。

3項 第207条 《 前3条の規定による勾留の請求を受けた裁…》 判官は、その処分に関し裁判所又は裁判長と同1の権限を有する。 但し、保釈については、この限りでない。 前項の裁判官は、勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げる際に、被疑者に対し、弁護人を選任することが の二及び 第207条の3 《 裁判官は、前条第2項の規定による措置を…》 とつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被疑者又は弁護人の請求により、当該措置に係る個人特定事項の全部又は一部を被疑者に通知する旨の裁判をしなければならない。 1 イ又はロに掲 の規定は、第1項の請求について準用する。この場合において、 第207条 《 前3条の規定による勾留の請求を受けた裁…》 判官は、その処分に関し裁判所又は裁判長と同1の権限を有する。 但し、保釈については、この限りでない。 前項の裁判官は、勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げる際に、被疑者に対し、弁護人を選任することが の二中「勾留を」とあるのは「 第167条第1項 《被告人の心神又は身体に関する鑑定をさせる…》 について必要があるときは、裁判所は、期間を定め、病院その他の相当な場所に被告人を留置することができる。 に規定する処分を」と、同条並びに 第207条の3第3項 《裁判官は、第1項の裁判前条第2項の規定に…》 よる措置に係る個人特定事項の一部を被疑者に通知する旨のものに限る。をしたときは、速やかに、検察官に対し、被疑者に示すものとして、当該個人特定事項当該裁判により通知することとされたものを除く。を明らかに 及び第5項中「勾留状」とあるのは「鑑定留置状」と、 第207条の2第2項 《裁判官は、前項の規定による請求を受けたと…》 きは、勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げるに当たつては、当該請求に係る個人特定事項を明らかにしない方法によるとともに、前条第5項本文の規定により勾留状を発するときは、これと同時に、被疑者に示すもの 中「前条第5項本文の規定により」とあるのは「 第224条第2項 《裁判官は、前項の請求を相当と認めるときは…》 、第167条の場合に準じてその処分をしなければならない。 この場合には、第167条の2の規定を準用する。 前段の規定により 第167条 《 被告人の心神又は身体に関する鑑定をさせ…》 るについて必要があるときは、裁判所は、期間を定め、病院その他の相当な場所に被告人を留置することができる。 前項の留置は、鑑定留置状を発してこれをしなければならない。 第1項の留置につき必要があるときは の場合に準じて」と読み替えるものとする。

224条の2

1項 第207条の2第2項 《裁判官は、前項の規定による請求を受けたと…》 きは、勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げるに当たつては、当該請求に係る個人特定事項を明らかにしない方法によるとともに、前条第5項本文の規定により勾留状を発するときは、これと同時に、被疑者に示すもの の規定による勾留状に代わるものの交付があつた場合における前条第2項後段において準用する 第167条の2第2項 《前項の場合において、前条第1項の処分が取…》 り消され又は留置の期間が満了したときは、第98条の規定を準用する。 において準用する 第98条 《 保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決…》 定があつたとき、又は勾留の執行停止の期間が満了したときは、検察事務官、司法警察職員又は刑事施設職員は、検察官の指揮により、勾留状の謄本及び保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定の謄本又は期間を指定し の規定の適用については、同条第1項中「勾留状の謄本」とあるのは、「 第207条の2第2項 《裁判官は、前項の規定による請求を受けたと…》 きは、勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げるに当たつては、当該請求に係る個人特定事項を明らかにしない方法によるとともに、前条第5項本文の規定により勾留状を発するときは、これと同時に、被疑者に示すもの 本文の勾留状に代わるもの」とする。

225条

1項 第223条第1項 《検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯…》 罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者以外の者の出頭を求め、これを取り調べ、又はこれに鑑定、通訳若しくは翻訳を嘱託することができる。 の規定による鑑定の嘱託を受けた者は、裁判官の許可を受けて、 第168条第1項 《鑑定人は、鑑定について必要がある場合には…》 、裁判所の許可を受けて、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入り、身体を検査し、死体を解剖し、墳墓を発掘し、又は物を破壊することができる。 に規定する処分をすることができる。

2項 前項の許可の請求は、検察官、検察事務官又は司法警察員からこれをしなければならない。

3項 裁判官は、前項の請求を相当と認めるときは、許可状を発しなければならない。

4項 第168条第2項 《裁判所は、前項の許可をするには、被告人の…》 氏名、罪名及び立ち入るべき場所、検査すべき身体、解剖すべき死体、発掘すべき墳墓又は破壊すべき物並びに鑑定人の氏名その他裁判所の規則で定める事項を記載した許可状を発して、これをしなければならない。 ないし[から〜まで]第4項及び第6項の規定は、前項の許可状についてこれを準用する。

226条

1項 犯罪の捜査に欠くことのできない知識を有すると明らかに認められる者が、 第223条第1項 《検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯…》 罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者以外の者の出頭を求め、これを取り調べ、又はこれに鑑定、通訳若しくは翻訳を嘱託することができる。 の規定による取調に対して、出頭又は供述を拒んだ場合には、第一回の公判期日前に限り、検察官は、裁判官にその者の証人尋問を請求することができる。

227条

1項 第223条第1項 《検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯…》 罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者以外の者の出頭を求め、これを取り調べ、又はこれに鑑定、通訳若しくは翻訳を嘱託することができる。 の規定による検察官、検察事務官又は司法警察職員の取調べに際して任意の供述をした者が、公判期日においては前にした供述と異なる供述をするおそれがあり、かつ、その者の供述が犯罪の証明に欠くことができないと認められる場合には、第一回の公判期日前に限り、検察官は、裁判官にその者の証人尋問を請求することができる。

2項 前項の請求をするには、検察官は、証人尋問を必要とする理由及びそれが犯罪の証明に欠くことができないものであることを疎明しなければならない。

228条

1項 前2条の請求を受けた裁判官は、証人の尋問に関し、裁判所又は裁判長と同1の権限を有する。

2項 裁判官は、捜査に支障を生ずる虞がないと認めるときは、被告人、被疑者又は弁護人を前項の尋問に立ち会わせることができる。

229条

1項 変死者又は変死の疑のある死体があるときは、その所在地を管轄する地方検察庁又は区検察庁の検察官は、検視をしなければならない。

2項 検察官は、検察事務官又は司法警察員に前項の処分をさせることができる。

230条

1項 犯罪により害を被つた者は、告訴をすることができる。

231条

1項 被害者の法定代理人は、独立して告訴をすることができる。

2項 被害者が死亡したときは、その配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹は、告訴をすることができる。但し、被害者の明示した意思に反することはできない。

232条

1項 被害者の法定代理人が被疑者であるとき、被疑者の配偶者であるとき、又は被疑者の四親等内の血族若しくは三親等内の姻族であるときは、被害者の親族は、独立して告訴をすることができる。

233条

1項 死者の名誉を毀損した罪については、死者の親族又は子孫は、告訴をすることができる。

2項 名誉を毀損した罪について被害者が告訴をしないで死亡したときも、前項と同様である。但し、被害者の明示した意思に反することはできない。

234条

1項 親告罪について告訴をすることができる者がない場合には、検察官は、利害関係人の申立により告訴をすることができる者を指定することができる。

235条

1項 親告罪の告訴は、犯人を知つた日から6箇月を経過したときは、これをすることができない。ただし、 刑法 第232条第2項 《2 告訴をすることができる者が天皇、皇后…》 、太皇太后、皇太后又は皇嗣であるときは内閣総理大臣が、外国の君主又は大統領であるときはその国の代表者がそれぞれ代わって告訴を行う。 の規定により外国の代表者が行う告訴及び日本国に派遣された外国の使節に対する同法第230条又は 第231条 《 被害者の法定代理人は、独立して告訴をす…》 ることができる。 被害者が死亡したときは、その配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹は、告訴をすることができる。 但し、被害者の明示した意思に反することはできない。 の罪につきその使節が行う告訴については、この限りでない。

236条

1項 告訴をすることができる者が数人ある場合には、1人の期間の徒過は、他の者に対しその効力を及ぼさない。

237条

1項 告訴は、公訴の提起があるまでこれを取り消すことができる。

2項 告訴の取消をした者は、更に告訴をすることができない。

3項 前2項の規定は、請求を待つて受理すべき事件についての請求についてこれを準用する。

238条

1項 親告罪について共犯の1人又は数人に対してした告訴又はその取消は、他の共犯に対しても、その効力を生ずる。

2項 前項の規定は、告発又は請求を待つて受理すべき事件についての告発若しくは請求又はその取消についてこれを準用する。

239条

1項 何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。

2項 官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。

240条

1項 告訴は、代理人によりこれをすることができる。告訴の取消についても、同様である。

241条

1項 告訴又は告発は、書面又は口頭で検察官又は司法警察員にこれをしなければならない。

2項 検察官又は司法警察員は、口頭による告訴又は告発を受けたときは調書を作らなければならない。

242条

1項 司法警察員は、告訴又は告発を受けたときは、速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない。

243条

1項 前2条の規定は、告訴又は告発の取消についてこれを準用する。

244条

1項 刑法 第232条第2項 《2 告訴をすることができる者が天皇、皇后…》 、太皇太后、皇太后又は皇嗣であるときは内閣総理大臣が、外国の君主又は大統領であるときはその国の代表者がそれぞれ代わって告訴を行う。 の規定により外国の代表者が行う告訴又はその取消は、 第241条 《強盗・不同意性交等及び同致死 強盗の罪…》 若しくはその未遂罪を犯した者が第177条の罪若しくはその未遂罪をも犯したとき、又は同条の罪若しくはその未遂罪を犯した者が強盗の罪若しくはその未遂罪をも犯したときは、無期又は7年以上の拘禁刑に処する。 及び前条の規定にかかわらず、外務大臣にこれをすることができる。日本国に派遣された外国の使節に対する 刑法 第230条 《名誉毀損 公然と事実を摘示し、人の名誉…》 を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金に処する。 2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。 又は 第231条 《侮辱 事実を摘示しなくても、公然と人を…》 侮辱した者は、1年以下の拘禁刑若しくは310,000円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。 の罪につきその使節が行う告訴又はその取消も、同様である。

245条

1項 第241条 《 告訴又は告発は、書面又は口頭で検察官又…》 は司法警察員にこれをしなければならない。 検察官又は司法警察員は、口頭による告訴又は告発を受けたときは調書を作らなければならない。 及び 第242条 《 司法警察員は、告訴又は告発を受けたとき…》 は、速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない。 の規定は、自首についてこれを準用する。

246条

1項 司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。但し、検察官が指定した事件については、この限りでない。

2章 公訴

247条

1項 公訴は、検察官がこれを行う。

248条

1項 犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。

249条

1項 公訴は、検察官の指定した被告人以外の者にその効力を及ぼさない。

250条

1項 時効は、人を死亡させた罪であつて拘禁刑に当たるものについては、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。

1号 無期拘禁刑に当たる罪については30年

2号 長期20年の拘禁刑に当たる罪については20年

3号 前2号に掲げる罪以外の罪については10年

2項 時効は、人を死亡させた罪であつて拘禁刑以上の刑に当たるもの以外の罪については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。

1号 死刑に当たる罪については25年

2号 無期拘禁刑に当たる罪については15年

3号 長期15年以上の拘禁刑に当たる罪については10年

4号 長期15年未満の拘禁刑に当たる罪については7年

5号 長期10年未満の拘禁刑に当たる罪については5年

6号 長期5年未満の拘禁刑又は罰金に当たる罪については3年

7号 拘留又は科料に当たる罪については1年

3項 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる罪についての時効は、当該各号に定める期間を経過することによつて完成する。

1号 刑法 第181条 《不同意わいせつ等致死傷 第176条若し…》 くは第179条第1項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は3年以上の拘禁刑に処する。 2 第177条若しくは第179条第2項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死 の罪(人を負傷させたときに限る。)若しくは同法第241条第1項の罪又は盗犯等の防止及び処分に関する法律(1930年法律第9号)第4条の罪(同項の罪に係る部分に限る。)20年

2号 刑法 第177条 《不同意性交等 前条第1項各号に掲げる行…》 又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは 若しくは 第179条第2項 《2 18歳未満の者に対し、その者を現に監…》 護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第177条第1項の例による。 の罪又はこれらの罪の未遂罪15年

3号 刑法 第176条 《不同意わいせつ 次に掲げる行為又は事由…》 その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以 若しくは 第179条第1項 《18歳未満の者に対し、その者を現に監護す…》 る者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条第1項の例による。 の罪若しくはこれらの罪の未遂罪又は 児童福祉法 第60条第1項 《第34条第1項第6号の規定に違反したとき…》 は、当該違反行為をした者は、10年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 の罪(自己を相手方として淫行をさせる行為に係るものに限る。)12年

4項 前2項の規定にかかわらず、前項各号に掲げる罪について、その被害者が犯罪行為が終わつた時に18歳未満である場合における時効は、当該各号に定める期間に当該犯罪行為が終わつた時から当該被害者が18歳に達する日までの期間に相当する期間を加算した期間を経過することによつて完成する。

251条

1項 二以上の主刑を併科し、又は二以上の主刑中その1を科すべき罪については、その重い刑に従つて、前条の規定を適用する。

252条

1項 刑法 により刑を加重し、又は減軽すべき場合には、加重し、又は減軽しない刑に従つて、 第250条 《 時効は、人を死亡させた罪であつて拘禁刑…》 に当たるものについては、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。 1 無期拘禁刑に当たる罪については30年 2 長期20年の拘禁刑に当たる罪については20年 3 前2号に掲げる罪以外の罪について の規定を適用する。

253条

1項 時効は、犯罪行為が終つた時から進行する。

2項 共犯の場合には、最終の行為が終つた時から、すべての共犯に対して時効の期間を起算する。

254条

1項 時効は、当該事件についてした公訴の提起によつてその進行を停止し、管轄違又は公訴棄却の裁判が確定した時からその進行を始める。

2項 共犯の1人に対してした公訴の提起による時効の停止は、他の共犯に対してその効力を有する。この場合において、停止した時効は、当該事件についてした裁判が確定した時からその進行を始める。

255条

1項 犯人が国外にいる場合又は犯人が逃げ隠れているため有効に起訴状の謄本の送達若しくは略式命令の告知ができなかつた場合には、時効は、その国外にいる期間又は逃げ隠れている期間その進行を停止する。

2項 犯人が国外にいること又は犯人が逃げ隠れているため有効に起訴状の謄本の送達若しくは略式命令の告知ができなかつたことの証明に必要な事項は、裁判所の規則でこれを定める。

256条

1項 公訴の提起は、起訴状を提出してこれをしなければならない。

2項 起訴状には、左の事項を記載しなければならない。

1号 被告人の氏名その他被告人を特定するに足りる事項

2号 公訴事実

3号 罪名

3項 公訴事実は、訴因を明示してこれを記載しなければならない。訴因を明示するには、できる限り日時、場所及び方法を以て罪となるべき事実を特定してこれをしなければならない。

4項 罪名は、適用すべき罰条を示してこれを記載しなければならない。但し、罰条の記載の誤は、被告人の防禦に実質的な不利益を生ずる虞がない限り、公訴提起の効力に影響を及ぼさない。

5項 数個の訴因及び罰条は、予備的に又は択一的にこれを記載することができる。

6項 起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添附し、又はその内容を引用してはならない。

256条の2

1項 検察官は、公訴の提起と同時に、被告人に送達するものとして、起訴状の謄本を裁判所に提出しなければならない。ただし、やむを得ない事情があるときは、公訴の提起後速やかにこれを提出すれば足りる。

257条

1項 公訴は、第一審の判決があるまでこれを取り消すことができる。

258条

1項 検察官は、事件がその所属検察庁の対応する裁判所の管轄に属しないものと思料するときは、書類及び証拠物とともにその事件を管轄裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。

259条

1項 検察官は、事件につき公訴を提起しない処分をした場合において、被疑者の請求があるときは、速やかにその旨をこれに告げなければならない。

260条

1項 検察官は、告訴、告発又は請求のあつた事件について、公訴を提起し、又はこれを提起しない処分をしたときは、速やかにその旨を告訴人、告発人又は請求人に通知しなければならない。公訴を取り消し、又は事件を他の検察庁の検察官に送致したときも、同様である。

261条

1項 検察官は、告訴、告発又は請求のあつた事件について公訴を提起しない処分をした場合において、告訴人、告発人又は請求人の請求があるときは、速やかに告訴人、告発人又は請求人にその理由を告げなければならない。

262条

1項 刑法 第193条 《公務員職権濫用 公務員がその職権を濫用…》 して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したときは、2年以下の拘禁刑に処する。 から 第196条 《特別公務員職権濫用等致死傷 前2条の罪…》 を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。 まで又は 破壊活動防止法 1952年法律第240号第45条 《公安調査官の職権濫用の罪 公安調査官が…》 その職権を濫用し、人をして義務のないことを行わせ、又は行うべき権利を妨害したときは、3年以下の拘禁刑に処する。 若しくは 無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律 1999年法律第147号第42条 《公安調査官の職権濫用の罪 公安調査官が…》 この法律に定める職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したときは、3年以下の拘禁刑に処する。 若しくは 第43条 《警察職員の職権濫用の罪 警察職員がこの…》 法律に定める職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したときは、3年以下の拘禁刑に処する。 の罪について告訴又は告発をした者は、検察官の公訴を提起しない処分に不服があるときは、その検察官所属の検察庁の所在地を管轄する地方裁判所に事件を裁判所の審判に付することを請求することができる。

2項 前項の請求は、 第260条 《 検察官は、告訴、告発又は請求のあつた事…》 件について、公訴を提起し、又はこれを提起しない処分をしたときは、速やかにその旨を告訴人、告発人又は請求人に通知しなければならない。 公訴を取り消し、又は事件を他の検察庁の検察官に送致したときも、同様で の通知を受けた日から7日以内に、請求書を公訴を提起しない処分をした検察官に差し出してこれをしなければならない。

263条

1項 前条第1項の請求は、 第266条 《 裁判所は、第262条第1項の請求を受け…》 たときは、左の区別に従い、決定をしなければならない。 1 請求が法令上の方式に違反し、若しくは請求権の消滅後にされたものであるとき、又は請求が理由のないときは、請求を棄却する。 2 請求が理由のあると の決定があるまでこれを取り下げることができる。

2項 前項の取下をした者は、その事件について更に前条第1項の請求をすることができない。

264条

1項 検察官は、 第262条第1項 《刑法第193条から第196条まで又は破壊…》 活動防止法1952年法律第240号第45条若しくは無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律1999年法律第147号第42条若しくは第43条の罪について告訴又は告発をした者は、検察官の公訴を提起 の請求を理由があるものと認めるときは、公訴を提起しなければならない。

265条

1項 第262条第1項 《刑法第193条から第196条まで又は破壊…》 活動防止法1952年法律第240号第45条若しくは無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律1999年法律第147号第42条若しくは第43条の罪について告訴又は告発をした者は、検察官の公訴を提起 の請求についての審理及び裁判は、合議体でこれをしなければならない。

2項 裁判所は、必要があるときは、合議体の構成員に事実の取調をさせ、又は地方裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。この場合には、受命裁判官及び受託裁判官は、裁判所又は裁判長と同1の権限を有する。

266条

1項 裁判所は、 第262条第1項 《刑法第193条から第196条まで又は破壊…》 活動防止法1952年法律第240号第45条若しくは無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律1999年法律第147号第42条若しくは第43条の罪について告訴又は告発をした者は、検察官の公訴を提起 の請求を受けたときは、左の区別に従い、決定をしなければならない。

1号 請求が法令上の方式に違反し、若しくは請求権の消滅後にされたものであるとき、又は請求が理由のないときは、請求を棄却する。

2号 請求が理由のあるときは、事件を管轄地方裁判所の審判に付する。

267条

1項 前条第2号の決定があつたときは、その事件について公訴の提起があつたものとみなす。

267条の2

1項 裁判所は、 第266条第2号 《第266条 裁判所は、第262条第1項の…》 請求を受けたときは、左の区別に従い、決定をしなければならない。 1 請求が法令上の方式に違反し、若しくは請求権の消滅後にされたものであるとき、又は請求が理由のないときは、請求を棄却する。 2 請求が理 の決定をした場合において、同1の事件について、 検察審査会法 1948年法律第147号第2条第1項第1号 《検察審査会は、左の事項を掌る。 1 検察…》 官の公訴を提起しない処分の当否の審査に関する事項 2 検察事務の改善に関する建議又は勧告に関する事項 に規定する審査を行う検察審査会又は同法第41条の6第1項の起訴議決をした検察審査会(同法第41条の9第1項の規定により公訴の提起及びその維持に当たる者が指定された後は、その者)があるときは、これに当該決定をした旨を通知しなければならない。

268条

1項 裁判所は、 第266条第2号 《第266条 裁判所は、第262条第1項の…》 請求を受けたときは、左の区別に従い、決定をしなければならない。 1 請求が法令上の方式に違反し、若しくは請求権の消滅後にされたものであるとき、又は請求が理由のないときは、請求を棄却する。 2 請求が理 の規定により事件がその裁判所の審判に付されたときは、その事件について公訴の維持にあたる者を弁護士の中から指定しなければならない。

2項 前項の指定を受けた弁護士は、事件について公訴を維持するため、裁判の確定に至るまで検察官の職務を行う。但し、検察事務官及び司法警察職員に対する捜査の指揮は、検察官に嘱託してこれをしなければならない。

3項 前項の規定により検察官の職務を行う弁護士は、これを法令により公務に従事する職員とみなす。

4項 裁判所は、第1項の指定を受けた弁護士がその職務を行うに適さないと認めるときその他特別の事情があるときは、何時でもその指定を取り消すことができる。

5項 第1項の指定を受けた弁護士には、政令で定める額の手当を給する。

269条

1項 裁判所は、 第262条第1項 《刑法第193条から第196条まで又は破壊…》 活動防止法1952年法律第240号第45条若しくは無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律1999年法律第147号第42条若しくは第43条の罪について告訴又は告発をした者は、検察官の公訴を提起 の請求を棄却する場合又はその請求の取下があつた場合には、決定で、請求者に、その請求に関する手続によつて生じた費用の全部又は一部の賠償を命ずることができる。この決定に対しては、即時抗告をすることができる。

270条

1項 検察官は、公訴の提起後は、訴訟に関する書類及び証拠物を閲覧し、且つ謄写することができる。

2項 前項の規定にかかわらず、 第157条の6第4項 《前項の規定により証人の尋問及び供述並びに…》 その状況を記録した記録媒体は、訴訟記録に添付して調書の一部とするものとする。 に規定する記録媒体は、謄写することができない。

3章 公判 > 1節 公判準備及び公判手続

271条

1項 裁判所は、公訴の提起があつたときは、遅滞なく起訴状の謄本を被告人に送達しなければならない。

2項 公訴の提起があつた日から2箇月以内に起訴状の謄本が送達されないときは、公訴の提起は、さかのぼつてその効力を失う。

271条の2

1項 検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。

1号 次に掲げる事件の被害者

刑法 第176条 《不同意わいせつ 次に掲げる行為又は事由…》 その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以第177条 《不同意性交等 前条第1項各号に掲げる行…》 又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは第179条 《監護者わいせつ及び監護者性交等 18歳…》 未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条第1項の例による。 2 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影第181条 《不同意わいせつ等致死傷 第176条若し…》 くは第179条第1項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は3年以上の拘禁刑に処する。 2 第177条若しくは第179条第2項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死 若しくは 第182条 《16歳未満の者に対する面会要求等 わい…》 せつの目的で、16歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。は、1年以下の拘禁 の罪、同法第225条若しくは第226条の2第3項の罪(わいせつ又は結婚の目的に係る部分に限る。以下このイにおいて同じ。)、同法第227条第1項(同法第225条又は第226条の2第3項の罪を犯した者を幇助する目的に係る部分に限る。)若しくは第3項(わいせつの目的に係る部分に限る。)の罪若しくは同法第241条第1項若しくは第3項の罪又はこれらの罪の未遂罪に係る事件

児童福祉法 第60条第1項 《第34条第1項第6号の規定に違反したとき…》 は、当該違反行為をした者は、10年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 の罪若しくは同法第34条第1項第9号に係る同法第60条第2項の罪、 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律 第4条 《児童買春 児童買春をした者は、5年以下…》 の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 から 第8条 《児童買春等目的人身売買等 児童を児童買…》 春における性交等の相手方とさせ又は第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を描写して児童ポルノを製造する目的で、当該児童を売買した者は、1年以上10年以下の拘禁刑に処する。 2 前項の目的で、外国 までの罪又は 性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律 第2条 《性的姿態等撮影 次の各号のいずれかに掲…》 げる行為をした者は、3年以下の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 1 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等以下「性的姿態等」という。のうち、人が通常衣服を着けている場所にお から 第6条 《性的姿態等影像記録 情を知って、前条第…》 1項各号のいずれかに掲げる行為により影像送信をされた影像を記録した者は、3年以下の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 2 前項の罪の未遂は、罰する。 までの罪に係る事件

及びロに掲げる事件のほか、犯行の態様、被害の状況その他の事情により、被害者の個人特定事項が被告人に知られることにより次に掲げるおそれがあると認められる事件

(1) 被害者等の名誉又は社会生活の平穏が著しく害されるおそれ

(2) 1)に掲げるもののほか、被害者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれ

2号 前号に掲げる者のほか、個人特定事項が被告人に知られることにより次に掲げるおそれがあると認められる者

その者の名誉又は社会生活の平穏が著しく害されるおそれ

イに掲げるもののほか、その者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれ

2項 前項の規定による求めは、公訴の提起において、裁判所に対し、起訴状とともに、被告人に送達するものとして、当該求めに係る個人特定事項の記載がない起訴状の抄本その他の起訴状の謄本に代わるもの(以下「 起訴状抄本等 」という。)を提出して行わなければならない。

3項 前項の場合には、 起訴状抄本等 については、その公訴事実を 第256条第3項 《公訴事実は、訴因を明示してこれを記載しな…》 ければならない。 訴因を明示するには、できる限り日時、場所及び方法を以て罪となるべき事実を特定してこれをしなければならない。 に規定する公訴事実とみなして、同項の規定を適用する。この場合において、同項中「できる限り日時、場所及び方法を以て罪となるべき事実」とあるのは、「罪となるべき事実」とする。

4項 裁判所は、第2項の規定による 起訴状抄本等 の提出があつたときは、前条第1項の規定にかかわらず、遅滞なく起訴状抄本等を被告人に送達しなければならない。この場合において、 第255条 《 犯人が国外にいる場合又は犯人が逃げ隠れ…》 ているため有効に起訴状の謄本の送達若しくは略式命令の告知ができなかつた場合には、時効は、その国外にいる期間又は逃げ隠れている期間その進行を停止する。 犯人が国外にいること又は犯人が逃げ隠れているため有 及び前条第2項中「起訴状の謄本」とあるのは、「起訴状抄本等」とする。

271条の3

1項 検察官は、前条第2項の規定により 起訴状抄本等 を提出する場合において、被告人に弁護人があるときは、裁判所に対し、弁護人に送達するものとして、起訴状の謄本を提出しなければならない。

2項 裁判所は、前項の規定による起訴状の謄本の提出があつたときは、遅滞なく、弁護人に対し、起訴状に記載された個人特定事項のうち 起訴状抄本等 に記載がないものを被告人に知らせてはならない旨の条件を付して起訴状の謄本を送達しなければならない。

3項 検察官は、第1項に規定する場合において、前項の規定による措置によつては、前条第1項第1号ハ(1)若しくは第2号イに規定する名誉若しくは社会生活の平穏が著しく害されること又は同項第1号ハ(2)若しくは第2号ロに規定する行為を防止できないおそれがあると認めるときは、裁判所に対し、起訴状の謄本に代えて弁護人に送達するものとして、 起訴状抄本等 を提出することができる。

4項 裁判所は、前項の規定による 起訴状抄本等 の提出があつたときは、遅滞なく、弁護人に対し、起訴状抄本等を送達しなければならない。

271条の4

1項 裁判所は、 第271条の2第2項 《前項の規定による求めは、公訴の提起におい…》 て、裁判所に対し、起訴状とともに、被告人に送達するものとして、当該求めに係る個人特定事項の記載がない起訴状の抄本その他の起訴状の謄本に代わるもの以下「起訴状抄本等」という。を提出して行わなければならな の規定による 起訴状抄本等 の提出があつた後に弁護人が選任されたときは、速やかに、検察官にその旨を通知しなければならない。

2項 検察官は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、裁判所に対し、弁護人に送達するものとして、起訴状の謄本を提出しなければならない。

3項 裁判所は、前項の規定による起訴状の謄本の提出があつたときは、遅滞なく、弁護人に対し、起訴状に記載された個人特定事項のうち 起訴状抄本等 に記載がないものを被告人に知らせてはならない旨の条件を付して起訴状の謄本を送達しなければならない。

4項 検察官は、第2項に規定する場合において、前項の規定による措置によつては、 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 ハ(1)若しくは第2号イに規定する名誉若しくは社会生活の平穏が著しく害されること又は同項第1号ハ(2)若しくは第2号ロに規定する行為を防止できないおそれがあると認めるときは、裁判所に対し、起訴状の謄本に代えて弁護人に送達するものとして、 起訴状抄本等 を提出することができる。

5項 裁判所は、前項の規定による 起訴状抄本等 の提出があつたときは、遅滞なく、弁護人に対し、起訴状抄本等を送達しなければならない。

271条の5

1項 裁判所は、 第271条の2第4項 《裁判所は、第2項の規定による起訴状抄本等…》 の提出があつたときは、前条第1項の規定にかかわらず、遅滞なく起訴状抄本等を被告人に送達しなければならない。 この場合において、第255条及び前条第2項中「起訴状の謄本」とあるのは、「起訴状抄本等」とす の規定による措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、当該措置に係る個人特定事項の全部又は一部を被告人に通知する旨の決定をしなければならない。

1号 又はロに掲げる個人特定事項の区分に応じ、当該イ又はロに定める場合であるとき。

被害者の個人特定事項当該措置に係る事件に係る罪が 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次及びロに規定するものに該当せず、かつ、当該措置に係る事件が同号ハに掲げるものに該当しないとき。

被害者以外の者の個人特定事項当該措置に係る者が 第271条の2第1項第2号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 に掲げる者に該当しないとき。

2号 当該措置により被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるとき。

2項 裁判所は、 第271条の3第4項 《裁判所は、前項の規定による起訴状抄本等の…》 提出があつたときは、遅滞なく、弁護人に対し、起訴状抄本等を送達しなければならない。 又は前条第5項の規定による措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、弁護人に対し、当該措置に係る個人特定事項を被告人に知らせてはならない旨の条件を付して当該個人特定事項の全部又は一部を通知する旨の決定をしなければならない。

1号 第271条の3第2項 《裁判所は、前項の規定による起訴状の謄本の…》 提出があつたときは、遅滞なく、弁護人に対し、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないものを被告人に知らせてはならない旨の条件を付して起訴状の謄本を送達しなければならない。 又は前条第3項の規定による措置によつて、 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 ハ(1及び第2号イに規定する名誉又は社会生活の平穏が著しく害されること並びに同項第1号ハ(2及び第2号ロに規定する行為を防止できるとき。

2号 当該措置により被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるとき。

3項 裁判所は、前2項の請求について決定をするときは、検察官の意見を聴かなければならない。

4項 第1項又は第2項の決定に係る通知は、裁判所が、当該決定により通知することとした個人特定事項を記載した書面によりするものとする。

5項 第1項又は第2項の請求についてした決定に対しては、即時抗告をすることができる。

271条の6

1項 裁判所は、 第271条の3第1項 《検察官は、前条第2項の規定により起訴状抄…》 本等を提出する場合において、被告人に弁護人があるときは、裁判所に対し、弁護人に送達するものとして、起訴状の謄本を提出しなければならない。 又は 第271条の4第2項 《検察官は、前項の規定による通知を受けたと…》 きは、速やかに、裁判所に対し、弁護人に送達するものとして、起訴状の謄本を提出しなければならない。 の規定による起訴状の謄本の提出があつた事件について、起訴状に記載された個人特定事項のうち 起訴状抄本等 に記載がないもの(前条第1項の決定により通知することとされたものを除く。以下この条及び 第271条の8第1項 《裁判所第1号及び第4号にあつては裁判長及…》 び合議体の構成員を、第2号及び第3号にあつては第66条第4項の裁判官並びに裁判長及び合議体の構成員を含み、第5号にあつては裁判官とする。は、第271条の2第2項の規定による起訴状抄本等の提出があつた事 において同じ。)が 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 又は第2号に掲げる者のものに該当すると認める場合において、検察官及び弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、弁護人が 第40条第1項 《弁護人は、公訴の提起後は、裁判所において…》 、訴訟に関する書類及び証拠物を閲覧し、且つ謄写することができる。 但し、証拠物を謄写するについては、裁判長の許可を受けなければならない。 の規定により訴訟に関する書類又は証拠物を閲覧し又は謄写するに当たり、これらに記載され又は記録されている当該個人特定事項を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、又は被告人に知らせる時期若しくは方法を指定することができる。ただし、当該個人特定事項に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。

2項 裁判所は、 第271条の3第3項 《検察官は、第1項に規定する場合において、…》 前項の規定による措置によつては、前条第1項第1号ハ1若しくは第2号イに規定する名誉若しくは社会生活の平穏が著しく害されること又は同項第1号ハ2若しくは第2号ロに規定する行為を防止できないおそれがあると 又は 第271条の4第4項 《検察官は、第2項に規定する場合において、…》 前項の規定による措置によつては、第271条の2第1項第1号ハ1若しくは第2号イに規定する名誉若しくは社会生活の平穏が著しく害されること又は同項第1号ハ2若しくは第2号ロに規定する行為を防止できないおそ の規定による 起訴状抄本等 の提出があつた事件について、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないものが 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 又は第2号に掲げる者のものに該当すると認める場合において、検察官及び弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、弁護人が 第40条第1項 《弁護人は、公訴の提起後は、裁判所において…》 、訴訟に関する書類及び証拠物を閲覧し、且つ謄写することができる。 但し、証拠物を謄写するについては、裁判長の許可を受けなければならない。 の規定により訴訟に関する書類又は証拠物を閲覧し又は謄写するについて、これらのうち当該個人特定事項が記載され若しくは記録されている部分の閲覧若しくは謄写を禁じ、又は当該個人特定事項を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、若しくは被告人に知らせる時期若しくは方法を指定することができる。ただし、当該個人特定事項に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。

3項 裁判所は、第1項本文に規定する事件について、起訴状に記載された個人特定事項のうち 起訴状抄本等 に記載がないものが 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 又は第2号に掲げる者のものに該当すると認める場合において、弁護人から 第46条 《 被告人その他訴訟関係人は、自己の費用で…》 、裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本の交付を請求することができる。 の規定による請求があつた場合であつて、検察官及び弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、弁護人に裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本を交付するに当たり、これらに記載されている当該個人特定事項を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、又は被告人に知らせる時期若しくは方法を指定することができる。ただし、当該個人特定事項に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。

4項 裁判所は、第2項本文に規定する事件について、起訴状に記載された個人特定事項のうち 起訴状抄本等 に記載がないものが 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 又は第2号に掲げる者のものに該当すると認める場合において、弁護人から 第46条 《 被告人その他訴訟関係人は、自己の費用で…》 、裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本の交付を請求することができる。 の規定による請求があつた場合であつて、検察官及び弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、裁判書若しくは裁判を記載した調書の抄本であつて当該個人特定事項の記載がないものを交付し、又は弁護人に裁判書若しくは裁判を記載した調書の謄本若しくは抄本を交付するに当たり、当該個人特定事項を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、若しくは被告人に知らせる時期若しくは方法を指定することができる。ただし、当該個人特定事項に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。

5項 裁判所は、 第271条の2第2項 《前項の規定による求めは、公訴の提起におい…》 て、裁判所に対し、起訴状とともに、被告人に送達するものとして、当該求めに係る個人特定事項の記載がない起訴状の抄本その他の起訴状の謄本に代わるもの以下「起訴状抄本等」という。を提出して行わなければならな の規定による 起訴状抄本等 の提出があつた事件について、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないものが同条第1項第1号又は第2号に掲げる者のものに該当すると認める場合において、被告人その他訴訟関係人(検察官及び弁護人を除く。)から 第46条 《 被告人その他訴訟関係人は、自己の費用で…》 、裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本の交付を請求することができる。 の規定による請求があつた場合であつて、検察官及び当該請求をした被告人その他訴訟関係人の意見を聴き、相当と認めるときは、裁判書又は裁判を記載した調書の抄本であつて当該個人特定事項の記載がないものを交付することができる。ただし、当該個人特定事項に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。

6項 裁判所は、前項本文に規定する事件について、起訴状に記載された個人特定事項のうち 起訴状抄本等 に記載がないものが 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 又は第2号に掲げる者のものに該当すると認める場合において、検察官及び被告人の意見を聴き、相当と認めるときは、被告人が 第49条 《 被告人に弁護人がないときは、公判調書は…》 、裁判所の規則の定めるところにより、被告人も、これを閲覧することができる。 被告人は、読むことができないとき、又は目の見えないときは、公判調書の朗読を求めることができる。 の規定により公判調書を閲覧し又はその朗読を求めるについて、このうち当該個人特定事項が記載され若しくは記録されている部分の閲覧を禁じ、又は当該部分の朗読の求めを拒むことができる。ただし、当該個人特定事項に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。

271条の7

1項 裁判所は、 第271条の3第2項 《裁判所は、前項の規定による起訴状の謄本の…》 提出があつたときは、遅滞なく、弁護人に対し、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないものを被告人に知らせてはならない旨の条件を付して起訴状の謄本を送達しなければならない。第271条の4第3項 《裁判所は、前項の規定による起訴状の謄本の…》 提出があつたときは、遅滞なく、弁護人に対し、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないものを被告人に知らせてはならない旨の条件を付して起訴状の謄本を送達しなければならない。第271条の5第2項 《裁判所は、第271条の3第4項又は前条第…》 5項の規定による措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、弁護人に対し、当該措置に係る個人特定事項を被告人に知らせてはならない旨の条件を付して 若しくは前条第1項から第4項までの規定により付した条件に弁護人が違反したとき、又は同条第1項から第4項までの規定による時期若しくは方法の指定に弁護人が従わなかつたときは、弁護士である弁護人については当該弁護士の所属する弁護士会又は日本弁護士連合会に通知し、適当な処置をとるべきことを請求することができる。

2項 前項の規定による請求を受けた者は、そのとつた処置をその請求をした裁判所に通知しなければならない。

271条の8

1項 裁判所(第1号及び第4号にあつては裁判長及び合議体の構成員を、第2号及び第3号にあつては 第66条第4項 《嘱託又は移送を受けた裁判官は、勾引状を発…》 しなければならない。 の裁判官並びに裁判長及び合議体の構成員を含み、第5号にあつては裁判官とする。)は、 第271条の2第2項 《前項の規定による求めは、公訴の提起におい…》 て、裁判所に対し、起訴状とともに、被告人に送達するものとして、当該求めに係る個人特定事項の記載がない起訴状の抄本その他の起訴状の謄本に代わるもの以下「起訴状抄本等」という。を提出して行わなければならな の規定による 起訴状抄本等 の提出があつた事件について、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないものが同条第1項第1号又は第2号に掲げる者のものに該当すると認める場合において、相当と認めるときは、次に掲げる措置をとることができる。

1号 当該個人特定事項を明らかにしない方法により 第61条 《 被告人の勾留は、被告人に対し被告事件を…》 告げこれに関する陳述を聴いた後でなければ、これをすることができない。 但し、被告人が逃亡した場合は、この限りでない。 の規定による被告事件の告知をすること。

2号 勾引状又は勾留状を発する場合において、これと同時に、被告人に示すものとして、当該個人特定事項を明らかにしない方法により公訴事実の要旨を記載した勾引状の抄本その他の勾引状に代わるもの又は勾留状の抄本その他の勾留状に代わるものを交付すること。

3号 当該個人特定事項を明らかにしない方法により 第76条第1項 《被告人を勾引したときは、直ちに被告人に対…》 し、公訴事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨並びに貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは弁護人の選任を請求することができる旨を告げなければならない。 ただし、被告人に弁 の規定による公訴事実の要旨の告知をし、又はこれをさせること。

4号 当該個人特定事項を明らかにしない方法により 第77条第3項 《第61条ただし書の場合には、被告人を勾留…》 した後直ちに、第1項に規定する事項及び公訴事実の要旨を告げるとともに、前項に規定する事項を教示しなければならない。 ただし、被告人に弁護人があるときは、公訴事実の要旨を告げれば足りる。 の規定による公訴事実の要旨の告知をし、又はこれをさせること。

5号 当該個人特定事項を明らかにしない方法により 第280条第2項 《第199条若しくは第210条の規定により…》 逮捕され、又は現行犯人として逮捕された被疑者でまだ勾留されていないものについて第204条又は第205条の時間の制限内に公訴の提起があつた場合には、裁判官は、速やかに、被告事件を告げ、これに関する陳述を の規定による被告事件の告知をすること。

2項 前項(第2号に係る部分に限る。)の規定による勾引状に代わるものの交付があつた場合における 第73条第1項 《勾引状を執行するには、これを被告人に示し…》 た上、できる限り速やかに且つ直接、指定された裁判所その他の場所に引致しなければならない。 第66条第4項の勾引状については、これを発した裁判官に引致しなければならない。 及び第3項の規定の適用については、同条第1項前段中「これ」とあり、同条第3項中「勾引状又は勾留状」とあり、及び同項ただし書中「令状」とあるのは「 第271条の8第1項第2号 《裁判所第1号及び第4号にあつては裁判長及…》 び合議体の構成員を、第2号及び第3号にあつては第66条第4項の裁判官並びに裁判長及び合議体の構成員を含み、第5号にあつては裁判官とする。は、第271条の2第2項の規定による起訴状抄本等の提出があつた事 の勾引状に代わるもの」と、同項中「公訴事実の要旨及び」とあるのは「勾引状に記載された個人特定事項のうち 第271条の8第1項第2号 《裁判所第1号及び第4号にあつては裁判長及…》 び合議体の構成員を、第2号及び第3号にあつては第66条第4項の裁判官並びに裁判長及び合議体の構成員を含み、第5号にあつては裁判官とする。は、第271条の2第2項の規定による起訴状抄本等の提出があつた事 の勾引状に代わるものに記載がないものを明らかにしない方法により公訴事実の要旨を告げるとともに、」とする。

3項 第1項(第2号に係る部分に限る。)の規定による勾留状に代わるものの交付があつた場合における 第73条第2項 《勾留状を執行するには、これを被告人に示し…》 た上、できる限り速やかに、かつ、直接、指定された刑事施設に引致しなければならない。 及び第3項の規定の適用については、同条第2項中「これ」とあり、同条第3項中「勾引状又は勾留状」とあり、及び同項ただし書中「令状」とあるのは「 第271条の8第1項第2号 《裁判所第1号及び第4号にあつては裁判長及…》 び合議体の構成員を、第2号及び第3号にあつては第66条第4項の裁判官並びに裁判長及び合議体の構成員を含み、第5号にあつては裁判官とする。は、第271条の2第2項の規定による起訴状抄本等の提出があつた事 の勾留状に代わるもの」と、同項中「公訴事実の要旨及び」とあるのは「勾留状に記載された個人特定事項のうち 第271条の8第1項第2号 《裁判所第1号及び第4号にあつては裁判長及…》 び合議体の構成員を、第2号及び第3号にあつては第66条第4項の裁判官並びに裁判長及び合議体の構成員を含み、第5号にあつては裁判官とする。は、第271条の2第2項の規定による起訴状抄本等の提出があつた事 の勾留状に代わるものに記載がないものを明らかにしない方法により公訴事実の要旨を告げるとともに、」とする。

4項 裁判長又は合議体の構成員は、第1項(第2号に係る部分に限る。)の規定による勾留状に代わるものの交付があつた場合又は 第207条の2第2項 《裁判官は、前項の規定による請求を受けたと…》 きは、勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げるに当たつては、当該請求に係る個人特定事項を明らかにしない方法によるとともに、前条第5項本文の規定により勾留状を発するときは、これと同時に、被疑者に示すもの の規定による勾留状に代わるものの交付があつた場合において、勾留状に記載された個人特定事項のうちこれらの勾留状に代わるものに記載がないもの( 第271条の5第1項 《裁判所は、第271条の2第4項の規定によ…》 る措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、当該措置に係る個人特定事項の全部又は一部を被告人に通知する旨の決定をしなければならない。 1 イ又 の決定又は 第207条の3第1項 《裁判官は、前条第2項の規定による措置をと…》 つた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被疑者又は弁護人の請求により、当該措置に係る個人特定事項の全部又は一部を被疑者に通知する旨の裁判をしなければならない。 1 イ又はロに掲げ の裁判により通知することとされたものを除く。)が 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 又は第2号に掲げる者のものに該当すると認める場合であつて、検察官及び弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、勾留の理由の開示をするに当たり、当該個人特定事項を明らかにしない方法により被告事件を告げることができる。

5項 第1項(第2号に係る部分に限る。)の規定による勾留状に代わるものの交付があつた場合又は 第207条の2第2項 《裁判官は、前項の規定による請求を受けたと…》 きは、勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げるに当たつては、当該請求に係る個人特定事項を明らかにしない方法によるとともに、前条第5項本文の規定により勾留状を発するときは、これと同時に、被疑者に示すもの の規定による勾留状に代わるものの交付があつた場合における 第98条 《 保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決…》 定があつたとき、又は勾留の執行停止の期間が満了したときは、検察事務官、司法警察職員又は刑事施設職員は、検察官の指揮により、勾留状の謄本及び保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定の謄本又は期間を指定し の規定の適用については、同条第1項中「勾留状の謄本」とあるのは、「 第271条の8第1項第2号 《裁判所第1号及び第4号にあつては裁判長及…》 び合議体の構成員を、第2号及び第3号にあつては第66条第4項の裁判官並びに裁判長及び合議体の構成員を含み、第5号にあつては裁判官とする。は、第271条の2第2項の規定による起訴状抄本等の提出があつた事 の勾留状に代わるもの又は 第207条の2第2項 《裁判官は、前項の規定による請求を受けたと…》 きは、勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げるに当たつては、当該請求に係る個人特定事項を明らかにしない方法によるとともに、前条第5項本文の規定により勾留状を発するときは、これと同時に、被疑者に示すもの 本文の勾留状に代わるもの」とする。

6項 前項の規定は、第1項(第2号に係る部分に限る。)の規定による勾留状に代わるものの交付があつた場合又は 第207条の2第2項 《裁判官は、前項の規定による請求を受けたと…》 きは、勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げるに当たつては、当該請求に係る個人特定事項を明らかにしない方法によるとともに、前条第5項本文の規定により勾留状を発するときは、これと同時に、被疑者に示すもの の規定による勾留状に代わるものの交付があつた場合であつて、 第167条の2第2項 《前項の場合において、前条第1項の処分が取…》 り消され又は留置の期間が満了したときは、第98条の規定を準用する。 に規定するときにおける同項において準用する 第98条 《 保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決…》 定があつたとき、又は勾留の執行停止の期間が満了したときは、検察事務官、司法警察職員又は刑事施設職員は、検察官の指揮により、勾留状の謄本及び保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定の謄本又は期間を指定し の規定の適用について準用する。

272条

1項 裁判所は、公訴の提起があつたときは、遅滞なく被告人に対し、弁護人を選任することができる旨及び貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは弁護人の選任を請求することができる旨を知らせなければならない。但し、被告人に弁護人があるときは、この限りでない。

2項 裁判所は、この法律により弁護人を要する場合を除いて、前項の規定により弁護人の選任を請求することができる旨を知らせるに当たつては、弁護人の選任を請求するには 資力 申告書を提出しなければならない旨及びその資力が基準額以上であるときは、あらかじめ、弁護士会( 第36条の3第1項 《この法律により弁護人を要する場合を除いて…》 、その資力が基準額標準的な必要生計費を勘案して一般に弁護人の報酬及び費用を賄うに足りる額として政令で定める額をいう。以下同じ。以上である被告人が第36条の請求をするには、あらかじめ、その請求をする裁判 の規定により 第31条の2第1項 《弁護人を選任しようとする被告人又は被疑者…》 は、弁護士会に対し、弁護人の選任の申出をすることができる。 の申出をすべき弁護士会をいう。)に弁護人の選任の申出をしていなければならない旨を教示しなければならない。

273条

1項 裁判長は、公判期日を定めなければならない。

2項 公判期日には、被告人を召喚しなければならない。

3項 公判期日は、これを検察官、弁護人及び補佐人に通知しなければならない。

274条

1項 裁判所の構内にいる被告人に対し公判期日を通知したときは、召喚状の送達があつた場合と同1の効力を有する。

275条

1項 第一回の公判期日と被告人に対する召喚状の送達との間には、裁判所の規則で定める猶予期間を置かなければならない。

276条

1項 裁判所は、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、公判期日を変更することができる。

2項 公判期日を変更するには、裁判所の規則の定めるところにより、あらかじめ、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。但し、急速を要する場合は、この限りでない。

3項 前項但書の場合には、変更後の公判期日において、まず、検察官及び被告人又は弁護人に対し、異議を申し立てる機会を与えなければならない。

277条

1項 裁判所がその権限を濫用して公判期日を変更したときは、訴訟関係人は、最高裁判所の規則又は訓令の定めるところにより、司法行政監督上の措置を求めることができる。

278条

1項 公判期日に召喚を受けた者が病気その他の事由によつて出頭することができないときは、裁判所の規則の定めるところにより、医師の診断書その他の資料を提出しなければならない。

278条の2

1項 保釈又は勾留の執行停止をされた被告人が、召喚を受け正当な理由がなく公判期日に出頭しないときは、2年以下の拘禁刑に処する。

278条の3

1項 裁判所は、必要と認めるときは、検察官又は弁護人に対し、公判準備又は公判期日に出頭し、かつ、これらの手続が行われている間在席し又は在廷することを命ずることができる。

2項 裁判長は、急速を要する場合には、前項に規定する命令をし、又は合議体の構成員にこれをさせることができる。

3項 前2項の規定による命令を受けた検察官又は弁護人が正当な理由がなくこれに従わないときは、決定で、110,000円以下の過料に処し、かつ、その命令に従わないために生じた費用の賠償を命ずることができる。

4項 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

5項 裁判所は、第3項の決定をしたときは、検察官については当該検察官を指揮監督する権限を有する者に、弁護士である弁護人については当該弁護士の所属する弁護士会又は日本弁護士連合会に通知し、適当な処置をとるべきことを請求しなければならない。

6項 前項の規定による請求を受けた者は、そのとつた処置を裁判所に通知しなければならない。

279条

1項 裁判所は、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

280条

1項 公訴の提起があつた後第一回の公判期日までは、勾留に関する処分は、裁判官がこれを行う。

2項 第199条 《 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、…》 被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。 ただし、310,000円刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則 若しくは 第210条 《 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、…》 死刑又は無期若しくは長期3年以上の拘禁刑に当たる罪を犯したことを疑うに足りる10分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができ の規定により逮捕され、又は現行犯人として逮捕された被疑者でまだ勾留されていないものについて 第204条 《 検察官は、逮捕状により被疑者を逮捕した…》 とき、又は逮捕状により逮捕された被疑者前条の規定により送致された被疑者を除く。を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと 又は 第205条 《 検察官は、第203条の規定により送致さ…》 れた被疑者を受け取つたときは、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取つた時から24時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しな の時間の制限内に公訴の提起があつた場合には、裁判官は、速やかに、被告事件を告げ、これに関する陳述を聴き、勾留状を発しないときは、直ちにその釈放を命じなければならない。

3項 前2項の裁判官は、その処分に関し、裁判所又は裁判長と同1の権限を有する。

281条

1項 証人については、裁判所は、 第158条 《 裁判所は、証人の重要性、年齢、職業、健…》 康状態その他の事情と事案の軽重とを考慮した上、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、必要と認めるときは、裁判所外にこれを召喚し、又はその現在場所でこれを尋問することができる。 前項の場合には、裁判所 に掲げる事項を考慮した上、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き必要と認めるときに限り、公判期日外においてこれを尋問することができる。

281条の2

1項 裁判所は、公判期日外における証人尋問に被告人が立ち会つた場合において、証人が被告人の面前( 第157条の5第1項 《裁判所は、証人を尋問する場合において、犯…》 罪の性質、証人の年齢、心身の状態、被告人との関係その他の事情により、証人が被告人の面前次条第1項及び第2項に規定する方法による場合を含む。において供述するときは圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそ に規定する措置を採る場合並びに 第157条の6第1項 《裁判所は、次に掲げる者を証人として尋問す…》 る場合において、相当と認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、裁判官及び訴訟関係人が証人を尋問するために在席する場所以外の場所であつて、同一構内これらの者が在席する場所と同1の構内をいう 及び第2項に規定する方法による場合を含む。)においては圧迫を受け充分な供述をすることができないと認めるときは、弁護人が立ち会つている場合に限り、検察官及び弁護人の意見を聴き、その証人の供述中被告人を退席させることができる。この場合には、供述終了後被告人に証言の要旨を告知し、その証人を尋問する機会を与えなければならない。

281条の3

1項 弁護人は、検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧又は謄写の機会を与えた証拠に係る複製等(複製その他証拠の全部又は一部をそのまま記録した物及び書面をいう。以下同じ。)を適正に管理し、その保管をみだりに他人にゆだねてはならない。

281条の4

1項 被告人若しくは弁護人( 第440条 《 検察官以外の者は、再審の請求をする場合…》 には、弁護人を選任することができる。 前項の規定による弁護人の選任は、再審の判決があるまでその効力を有する。 に規定する弁護人を含む。又はこれらであつた者は、検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧又は謄写の機会を与えた証拠に係る複製等を、次に掲げる手続又はその準備に使用する目的以外の目的で、人に交付し、又は提示し、若しくは電気通信回線を通じて提供してはならない。

1号 当該被告事件の審理その他の当該被告事件に係る裁判のための審理

2号 当該被告事件に関する次に掲げる手続

第1編第16章の規定による費用の補償の手続

第349条第1項 《刑の執行猶予の言渡しを取り消すべき場合に…》 は、検察官は、刑の言渡しを受けた者の現在地又は最後の住所地を管轄する地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所に対しその請求をしなければならない。 の請求があつた場合の手続

第350条 《 刑法第52条の規定により刑を定むべき場…》 合には、検察官は、その犯罪事実について最終の判決をした裁判所にその請求をしなければならない。 この場合には、前条第1項及び第5項の規定を準用する。 の請求があつた場合の手続

上訴権回復の請求の手続

再審の請求の手続

非常上告の手続

第500条第1項 《訴訟費用の負担を命ぜられた者は、貧困のた…》 めこれを完納することができないときは、裁判所の規則の定めるところにより、訴訟費用の全部又は一部について、その裁判の執行の免除の申立をすることができる。 の申立ての手続

第502条 《 裁判の執行を受ける者又はその法定代理人…》 若しくは保佐人は、執行に関し検察官のした処分次章の規定によるものを除く。を不当とするときは、言渡しをした裁判所に異議の申立てをすることができる。 の申立ての手続

刑事補償法 の規定による補償の請求の手続

2項 前項の規定に違反した場合の措置については、被告人の防御権を踏まえ、複製等の内容、行為の目的及び態様、関係人の名誉、その私生活又は業務の平穏を害されているかどうか、当該複製等に係る証拠が公判期日において取り調べられたものであるかどうか、その取調べの方法その他の事情を考慮するものとする。

281条の5

1項 被告人又は被告人であつた者が、検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧又は謄写の機会を与えた証拠に係る複製等を、前条第1項各号に掲げる手続又はその準備に使用する目的以外の目的で、人に交付し、又は提示し、若しくは電気通信回線を通じて提供したときは、1年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金に処する。

2項 弁護人( 第440条 《 検察官以外の者は、再審の請求をする場合…》 には、弁護人を選任することができる。 前項の規定による弁護人の選任は、再審の判決があるまでその効力を有する。 に規定する弁護人を含む。以下この項において同じ。又は弁護人であつた者が、検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧又は謄写の機会を与えた証拠に係る複製等を、対価として財産上の利益その他の利益を得る目的で、人に交付し、又は提示し、若しくは電気通信回線を通じて提供したときも、前項と同様とする。

281条の6

1項 裁判所は、審理に2日以上を要する事件については、できる限り、連日開廷し、継続して審理を行わなければならない。

2項 訴訟関係人は、期日を厳守し、審理に支障を来さないようにしなければならない。

282条

1項 公判期日における取調は、公判廷でこれを行う。

2項 公判廷は、裁判官及び裁判所書記が列席し、且つ検察官が出席してこれを開く。

283条

1項 被告人が法人である場合には、代理人を出頭させることができる。

284条

1項 510,000円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、60,000円)以下の罰金又は科料に当たる事件については、被告人は、公判期日に出頭することを要しない。ただし、被告人は、代理人を出頭させることができる。

285条

1項 拘留に当たる事件の被告人は、判決の宣告をする場合には、公判期日に出頭しなければならない。その他の場合には、裁判所は、被告人の出頭がその権利の保護のため重要でないと認めるときは、被告人に対し公判期日に出頭しないことを許すことができる。

2項 長期3年以下の拘禁刑又は510,000円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、60,000円)を超える罰金に当たる事件の被告人は、 第291条 《 検察官は、まず、起訴状を朗読しなければ…》 ならない。 第290条の2第1項又は第3項の決定があつたときは、前項の起訴状の朗読は、被害者特定事項を明らかにしない方法でこれを行うものとする。 この場合においては、検察官は、被告人に起訴状を示さなけ の手続をする場合及び判決の宣告をする場合には、公判期日に出頭しなければならない。その他の場合には、前項後段の例による。

286条

1項 前3条に規定する場合の外、被告人が公判期日に出頭しないときは、開廷することはできない。

286条の2

1項 被告人が出頭しなければ開廷することができない場合において、勾留されている被告人が、公判期日に召喚を受け、正当な理由がなく出頭を拒否し、刑事施設職員による引致を著しく困難にしたときは、裁判所は、被告人が出頭しないでも、その期日の公判手続を行うことができる。

287条

1項 公判廷においては、被告人の身体を拘束してはならない。但し、被告人が暴力を振い又は逃亡を企てた場合は、この限りでない。

2項 被告人の身体を拘束しない場合にも、これに看守者を附することができる。

288条

1項 被告人は、裁判長の許可がなければ、退廷することができない。

2項 裁判長は、被告人を在廷させるため、又は法廷の秩序を維持するため相当な処分をすることができる。

289条

1項 死刑又は無期若しくは長期3年を超える拘禁刑に当たる事件を審理する場合には、弁護人がなければ開廷することはできない。

2項 弁護人がなければ開廷することができない場合において、弁護人が出頭しないとき若しくは在廷しなくなつたとき、又は弁護人がないときは、裁判長は、職権で弁護人を付さなければならない。

3項 弁護人がなければ開廷することができない場合において、弁護人が出頭しないおそれがあるときは、裁判所は、職権で弁護人を付することができる。

290条

1項 第37条 《 左の場合に被告人に弁護人がないときは、…》 裁判所は、職権で弁護人を附することができる。 1 被告人が未成年者であるとき。 2 被告人が年齢70年以上の者であるとき。 3 被告人が耳の聞えない者又は口のきけない者であるとき。 4 被告人が心神喪 各号の場合に弁護人が出頭しないときは、裁判所は、職権で弁護人を附することができる。

290条の2

1項 裁判所は、次に掲げる事件を取り扱う場合において、当該事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、被害者特定事項(氏名及び住所その他の当該事件の被害者を特定させることとなる事項をいう。以下同じ。)を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることができる。

1号 刑法 第176条 《不同意わいせつ 次に掲げる行為又は事由…》 その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以第177条 《不同意性交等 前条第1項各号に掲げる行…》 又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは第179条 《監護者わいせつ及び監護者性交等 18歳…》 未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条第1項の例による。 2 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影第181条 《不同意わいせつ等致死傷 第176条若し…》 くは第179条第1項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は3年以上の拘禁刑に処する。 2 第177条若しくは第179条第2項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死 若しくは 第182条 《16歳未満の者に対する面会要求等 わい…》 せつの目的で、16歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。は、1年以下の拘禁 の罪、同法第225条若しくは第226条の2第3項の罪(わいせつ又は結婚の目的に係る部分に限る。以下この号において同じ。)、同法第227条第1項(同法第225条又は第226条の2第3項の罪を犯した者を幇助する目的に係る部分に限る。)若しくは第3項(わいせつの目的に係る部分に限る。)の罪若しくは同法第241条第1項若しくは第3項の罪又はこれらの罪の未遂罪に係る事件

2号 児童福祉法 第60条第1項 《第34条第1項第6号の規定に違反したとき…》 は、当該違反行為をした者は、10年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 の罪若しくは同法第34条第1項第9号に係る同法第60条第2項の罪、 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律 第4条 《児童買春 児童買春をした者は、5年以下…》 の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 から 第8条 《児童買春等目的人身売買等 児童を児童買…》 春における性交等の相手方とさせ又は第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を描写して児童ポルノを製造する目的で、当該児童を売買した者は、1年以上10年以下の拘禁刑に処する。 2 前項の目的で、外国 までの罪又は 性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律 第2条 《性的姿態等撮影 次の各号のいずれかに掲…》 げる行為をした者は、3年以下の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 1 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等以下「性的姿態等」という。のうち、人が通常衣服を着けている場所にお から 第6条 《性的姿態等影像記録 情を知って、前条第…》 1項各号のいずれかに掲げる行為により影像送信をされた影像を記録した者は、3年以下の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 2 前項の罪の未遂は、罰する。 までの罪に係る事件

3号 前2号に掲げる事件のほか、犯行の態様、被害の状況その他の事情により、被害者特定事項が公開の法廷で明らかにされることにより被害者等の名誉又は社会生活の平穏が著しく害されるおそれがあると認められる事件

2項 前項の申出は、あらかじめ、検察官にしなければならない。この場合において、検察官は、意見を付して、これを裁判所に通知するものとする。

3項 裁判所は、第1項に定めるもののほか、犯行の態様、被害の状況その他の事情により、被害者特定事項が公開の法廷で明らかにされることにより被害者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認められる事件を取り扱う場合において、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることができる。

4項 裁判所は、第1項又は前項の決定をした事件について、被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしないことが相当でないと認めるに至つたとき、 第312条 《 裁判所は、検察官の請求があるときは、公…》 訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。 裁判所は、審理の経過に鑑み適当と認めるときは、訴因又は罰条を追加又は変更すべきことを命 の規定により罰条が撤回若しくは変更されたため第1項第1号若しくは第2号に掲げる事件に該当しなくなつたとき又は同項第3号に掲げる事件若しくは前項に規定する事件に該当しないと認めるに至つたときは、決定で、第1項又は前項の決定を取り消さなければならない。

290条の3

1項 裁判所は、次に掲げる場合において、証人、鑑定人、通訳人、翻訳人又は供述録取書等(供述書、供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるもの又は映像若しくは音声を記録することができる記録媒体であつて供述を記録したものをいう。以下同じ。)の供述者(以下この項において「 証人等 」という。)から申出があるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、 証人等 特定事項(氏名及び住所その他の当該証人等を特定させることとなる事項をいう。以下同じ。)を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることができる。

1号 証人等 特定事項が公開の法廷で明らかにされることにより証人等若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認めるとき。

2号 前号に掲げる場合のほか、 証人等 特定事項が公開の法廷で明らかにされることにより証人等の名誉又は社会生活の平穏が著しく害されるおそれがあると認めるとき。

2項 裁判所は、前項の決定をした事件について、 証人等 特定事項を公開の法廷で明らかにしないことが相当でないと認めるに至つたときは、決定で、同項の決定を取り消さなければならない。

291条

1項 検察官は、まず、起訴状を朗読しなければならない。

2項 第290条の2第1項 《裁判所は、次に掲げる事件を取り扱う場合に…》 おいて、当該事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、被害者特定事項氏名及び住所その他の当 又は第3項の決定があつたときは、前項の起訴状の朗読は、被害者特定事項を明らかにしない方法でこれを行うものとする。この場合においては、検察官は、被告人に起訴状を示さなければならない。

3項 前条第1項の決定があつた場合における第1項の起訴状の朗読についても、前項と同様とする。この場合において、同項中「被害者特定事項」とあるのは、「 証人等 特定事項」とする。

4項 第271条の2第4項 《裁判所は、第2項の規定による起訴状抄本等…》 の提出があつたときは、前条第1項の規定にかかわらず、遅滞なく起訴状抄本等を被告人に送達しなければならない。 この場合において、第255条及び前条第2項中「起訴状の謄本」とあるのは、「起訴状抄本等」とす の規定による措置がとられた場合においては、第2項後段(前項前段の規定により第2項後段と同様とすることとされる場合を含む。以下この項において同じ。)の規定は、当該措置に係る個人特定事項の全部又は一部について 第271条の5第1項 《裁判所は、第271条の2第4項の規定によ…》 る措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、当該措置に係る個人特定事項の全部又は一部を被告人に通知する旨の決定をしなければならない。 1 イ又 の決定があつた場合に限り、適用する。この場合において、第2項後段中「起訴状」とあるのは、「 第271条の2第4項 《裁判所は、第2項の規定による起訴状抄本等…》 の提出があつたときは、前条第1項の規定にかかわらず、遅滞なく起訴状抄本等を被告人に送達しなければならない。 この場合において、第255条及び前条第2項中「起訴状の謄本」とあるのは、「起訴状抄本等」とす の規定による措置に係る個人特定事項の全部について 第271条の5第1項 《裁判所は、第271条の2第4項の規定によ…》 る措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、当該措置に係る個人特定事項の全部又は一部を被告人に通知する旨の決定をしなければならない。 1 イ又 の決定があつた場合にあつては起訴状を、 第271条の2第4項 《裁判所は、第2項の規定による起訴状抄本等…》 の提出があつたときは、前条第1項の規定にかかわらず、遅滞なく起訴状抄本等を被告人に送達しなければならない。 この場合において、第255条及び前条第2項中「起訴状の謄本」とあるのは、「起訴状抄本等」とす の規定による措置に係る個人特定事項の一部について当該決定があつた場合にあつては 起訴状抄本等 及び 第271条の5第4項 《第1項又は第2項の決定に係る通知は、裁判…》 所が、当該決定により通知することとした個人特定事項を記載した書面によりするものとする。 に規定する書面」とする。

5項 裁判長は、第1項の起訴状の朗読が終わつた後、被告人に対し、終始沈黙し、又は個々の質問に対し陳述を拒むことができる旨その他裁判所の規則で定める被告人の権利を保護するため必要な事項を告げた上、被告人及び弁護人に対し、被告事件について陳述する機会を与えなければならない。

291条の2

1項 被告人が、前条第5項の手続に際し、起訴状に記載された訴因について有罪である旨を陳述したときは、裁判所は、検察官、被告人及び弁護人の意見を聴き、有罪である旨の陳述のあつた訴因に限り、簡易公判手続によつて審判をする旨の決定をすることができる。ただし、死刑又は無期若しくは短期1年以上の拘禁刑に当たる事件については、この限りでない。

291条の3

1項 裁判所は、前条の決定があつた事件が簡易公判手続によることができないものであり、又はこれによることが相当でないものであると認めるときは、その決定を取り消さなければならない。

292条

1項 証拠調べは、 第291条 《 検察官は、まず、起訴状を朗読しなければ…》 ならない。 第290条の2第1項又は第3項の決定があつたときは、前項の起訴状の朗読は、被害者特定事項を明らかにしない方法でこれを行うものとする。 この場合においては、検察官は、被告人に起訴状を示さなけ の手続が終つた後、これを行う。ただし、次節第1款に定める公判前整理手続において争点及び証拠の整理のために行う手続については、この限りでない。

292条の2

1項 裁判所は、被害者等又は当該被害者の法定代理人から、被害に関する心情その他の被告事件に関する意見の陳述の申出があるときは、公判期日において、その意見を陳述させるものとする。

2項 前項の規定による意見の陳述の申出は、あらかじめ、検察官にしなければならない。この場合において、検察官は、意見を付して、これを裁判所に通知するものとする。

3項 裁判長又は陪席の裁判官は、被害者等又は当該被害者の法定代理人が意見を陳述した後、その趣旨を明確にするため、これらの者に質問することができる。

4項 訴訟関係人は、被害者等又は当該被害者の法定代理人が意見を陳述した後、その趣旨を明確にするため、裁判長に告げて、これらの者に質問することができる。

5項 裁判長は、被害者等若しくは当該被害者の法定代理人の意見の陳述又は訴訟関係人の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人に対する質問が既にした陳述若しくは質問と重複するとき、又は事件に関係のない事項にわたるときその他相当でないときは、これを制限することができる。

6項 第157条 《 検察官、被告人又は弁護人は、証人の尋問…》 に立ち会うことができる。 証人尋問の日時及び場所は、あらかじめ、前項の規定により尋問に立ち会うことができる者にこれを通知しなければならない。 但し、これらの者があらかじめ裁判所に立ち会わない意思を明示 の四、 第157条 《 検察官、被告人又は弁護人は、証人の尋問…》 に立ち会うことができる。 証人尋問の日時及び場所は、あらかじめ、前項の規定により尋問に立ち会うことができる者にこれを通知しなければならない。 但し、これらの者があらかじめ裁判所に立ち会わない意思を明示 の五並びに 第157条の6第1項 《裁判所は、次に掲げる者を証人として尋問す…》 る場合において、相当と認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、裁判官及び訴訟関係人が証人を尋問するために在席する場所以外の場所であつて、同一構内これらの者が在席する場所と同1の構内をいう 及び第2項の規定は、第1項の規定による意見の陳述について準用する。

7項 裁判所は、審理の状況その他の事情を考慮して、相当でないと認めるときは、意見の陳述に代え意見を記載した書面を提出させ、又は意見の陳述をさせないことができる。

8項 前項の規定により書面が提出された場合には、裁判長は、公判期日において、その旨を明らかにしなければならない。この場合において、裁判長は、相当と認めるときは、その書面を朗読し、又はその要旨を告げることができる。

9項 第1項の規定による陳述又は第7項の規定による書面は、犯罪事実の認定のための証拠とすることができない。

293条

1項 証拠調が終つた後、検察官は、事実及び法律の適用について意見を陳述しなければならない。

2項 被告人及び弁護人は、意見を陳述することができる。

294条

1項 公判期日における訴訟の指揮は、裁判長がこれを行う。

295条

1項 裁判長は、訴訟関係人のする尋問又は陳述が既にした尋問若しくは陳述と重複するとき、又は事件に関係のない事項にわたるときその他相当でないときは、訴訟関係人の本質的な権利を害しない限り、これを制限することができる。訴訟関係人の被告人に対する供述を求める行為についても同様である。

2項 裁判長は、証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人を尋問する場合において、証人、鑑定人、通訳人若しくは翻訳人若しくはこれらの親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあり、これらの者の住居、勤務先その他その通常所在する場所が特定される事項が明らかにされたならば証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人が10分な供述をすることができないと認めるときは、当該事項についての尋問を制限することができる。ただし、検察官のする尋問を制限することにより犯罪の証明に重大な支障を生ずるおそれがあるとき、又は被告人若しくは弁護人のする尋問を制限することにより被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。

3項 裁判長は、 第290条の2第1項 《裁判所は、次に掲げる事件を取り扱う場合に…》 おいて、当該事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、被害者特定事項氏名及び住所その他の当 又は第3項の決定があつた場合において、訴訟関係人のする尋問又は陳述が被害者特定事項にわたるときは、これを制限することにより、犯罪の証明に重大な支障を生ずるおそれがある場合又は被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがある場合を除き、当該尋問又は陳述を制限することができる。訴訟関係人の被告人に対する供述を求める行為についても、同様とする。

4項 第290条の3第1項 《裁判所は、次に掲げる場合において、証人、…》 鑑定人、通訳人、翻訳人又は供述録取書等供述書、供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるもの又は映像若しくは音声を記録することができる記録媒体であつて供述を記録したものをいう。以下同じ。の供述 の決定があつた場合における訴訟関係人のする尋問若しくは陳述又は訴訟関係人の被告人に対する供述を求める行為についても、前項と同様とする。この場合において、同項中「被害者特定事項」とあるのは、「 証人等 特定事項」とする。

5項 裁判所は、前各項の規定による命令を受けた検察官又は弁護士である弁護人がこれに従わなかつた場合には、検察官については当該検察官を指揮監督する権限を有する者に、弁護士である弁護人については当該弁護士の所属する弁護士会又は日本弁護士連合会に通知し、適当な処置をとるべきことを請求することができる。

6項 前項の規定による請求を受けた者は、そのとつた処置を裁判所に通知しなければならない。

296条

1項 証拠調のはじめに、検察官は、証拠により証明すべき事実を明らかにしなければならない。但し、証拠とすることができず、又は証拠としてその取調を請求する意思のない資料に基いて、裁判所に事件について偏見又は予断を生ぜしめる虞のある事項を述べることはできない。

297条

1項 裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、証拠調の範囲、順序及び方法を定めることができる。

2項 前項の手続は、合議体の構成員にこれをさせることができる。

3項 裁判所は、適当と認めるときは、何時でも、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、第1項の規定により定めた証拠調の範囲、順序又は方法を変更することができる。

298条

1項 検察官、被告人又は弁護人は、証拠調を請求することができる。

2項 裁判所は、必要と認めるときは、職権で証拠調をすることができる。

299条

1項 検察官、被告人又は弁護人が証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の尋問を請求するについては、あらかじめ、相手方に対し、その氏名及び住居を知る機会を与えなければならない。証拠書類又は証拠物の取調を請求するについては、あらかじめ、相手方にこれを閲覧する機会を与えなければならない。但し、相手方に異議のないときは、この限りでない。

2項 裁判所が職権で証拠調の決定をするについては、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。

299条の2

1項 検察官又は弁護人は、前条第1項の規定により証人、鑑定人、通訳人若しくは翻訳人の氏名及び住居を知る機会を与え又は証拠書類若しくは証拠物を閲覧する機会を与えるに当たり、証人、鑑定人、通訳人若しくは翻訳人若しくは証拠書類若しくは証拠物にその氏名が記載され若しくは記録されている者若しくはこれらの親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認めるときは、相手方に対し、その旨を告げ、これらの者の住居、勤務先その他その通常所在する場所が特定される事項が、犯罪の証明若しくは犯罪の捜査又は被告人の防御に関し必要がある場合を除き、関係者(被告人を含む。)に知られないようにすることその他これらの者の安全が脅かされることがないように配慮することを求めることができる。

299条の3

1項 検察官は、 第299条第1項 《検察官、被告人又は弁護人が証人、鑑定人、…》 通訳人又は翻訳人の尋問を請求するについては、あらかじめ、相手方に対し、その氏名及び住居を知る機会を与えなければならない。 証拠書類又は証拠物の取調を請求するについては、あらかじめ、相手方にこれを閲覧す の規定により証人の氏名及び住居を知る機会を与え又は証拠書類若しくは証拠物を閲覧する機会を与えるに当たり、被害者特定事項が明らかにされることにより、被害者等の名誉若しくは社会生活の平穏が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は被害者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え若しくはこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認めるときは、弁護人に対し、その旨を告げ、被害者特定事項が、被告人の防御に関し必要がある場合を除き、被告人その他の者に知られないようにすることを求めることができる。ただし、 第271条の2第2項 《前項の規定による求めは、公訴の提起におい…》 て、裁判所に対し、起訴状とともに、被告人に送達するものとして、当該求めに係る個人特定事項の記載がない起訴状の抄本その他の起訴状の謄本に代わるもの以下「起訴状抄本等」という。を提出して行わなければならな の規定により 起訴状抄本等 を提出した場合を除き、被告人に知られないようにすることを求めることについては、被害者特定事項のうち起訴状に記載された事項以外のものに限る。

299条の4

1項 検察官は、 第299条第1項 《検察官、被告人又は弁護人が証人、鑑定人、…》 通訳人又は翻訳人の尋問を請求するについては、あらかじめ、相手方に対し、その氏名及び住居を知る機会を与えなければならない。 証拠書類又は証拠物の取調を請求するについては、あらかじめ、相手方にこれを閲覧す の規定により証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の氏名及び住居を知る機会を与えるべき場合において、その者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認めるときは、弁護人に対し、当該氏名及び住居を知る機会を与えた上で、当該氏名又は住居を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、又は被告人に知らせる時期若しくは方法を指定することができる。ただし、その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。

2項 第299条第1項 《検察官、被告人又は弁護人が証人、鑑定人、…》 通訳人又は翻訳人の尋問を請求するについては、あらかじめ、相手方に対し、その氏名及び住居を知る機会を与えなければならない。 証拠書類又は証拠物の取調を請求するについては、あらかじめ、相手方にこれを閲覧す の規定により証人の氏名及び住居を知る機会を与えるべき場合において、 第271条の2第2項 《前項の規定による求めは、公訴の提起におい…》 て、裁判所に対し、起訴状とともに、被告人に送達するものとして、当該求めに係る個人特定事項の記載がない起訴状の抄本その他の起訴状の謄本に代わるもの以下「起訴状抄本等」という。を提出して行わなければならな の規定により 起訴状抄本等 を提出した場合又は 第312条の2第2項 《前項の規定による求めは、裁判所に対し、訴…》 因変更等請求書面とともに、被告人に送達するものとして、当該求めに係る個人特定事項の記載がない訴因変更等請求書面の抄本その他の訴因変更等請求書面の謄本に代わるもの以下この条において「訴因変更等請求書面抄 の規定により訴因変更等請求書面抄本等(同項に規定する訴因変更等請求書面抄本等をいう。以下この条及び次条第2項第1号において同じ。)を提出した場合( 第312条第1項 《裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴…》 事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。 の請求を却下する決定があつた場合を除く。第7項において同じ。)であつて、当該氏名又は住居が起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないもの又は訴因変更等請求書面( 第312条第4項 《検察官は、第1項の請求と同時に、被告人に…》 送達するものとして、前項の書面以下「訴因変更等請求書面」という。の謄本を裁判所に提出しなければならない。 に規定する訴因変更等請求書面をいう。以下この条及び同号において同じ。)に記載された個人特定事項のうち訴因変更等請求書面抄本等に記載がないもの(いずれも 第271条の5第1項 《裁判所は、第271条の2第4項の規定によ…》 る措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、当該措置に係る個人特定事項の全部又は一部を被告人に通知する旨の決定をしなければならない。 1 イ又 第312条の2第4項 《第271条の3から第271条の八までの規…》 定は、第2項の規定による訴因変更等請求書面抄本等の提出がある場合について準用する。 この場合において、第271条の3第3項中「前条第1項第1号ハ1」とあるのは「第271条の2第1項第1号ハ1」と、第2 において読み替えて準用する場合を含む。)の決定により通知することとされたものを除く。第7項及び同号において同じ。)に該当し、かつ、 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 又は第2号に掲げる者のものに該当すると認めるときも、前項と同様とする。この場合において、同項ただし書中「証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人」とあるのは、「証人」とする。

3項 検察官は、第1項本文の場合において、同項本文の規定による措置によつては同項本文に規定する行為を防止できないおそれがあると認めるとき(被告人に弁護人がないときを含む。)は、その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなる場合その他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがある場合を除き、被告人及び弁護人に対し、その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の氏名又は住居を知る機会を与えないことができる。この場合において、被告人又は弁護人に対し、氏名にあつてはこれに代わる呼称を、住居にあつてはこれに代わる連絡先を知る機会を与えなければならない。

4項 第299条第1項 《検察官、被告人又は弁護人が証人、鑑定人、…》 通訳人又は翻訳人の尋問を請求するについては、あらかじめ、相手方に対し、その氏名及び住居を知る機会を与えなければならない。 証拠書類又は証拠物の取調を請求するについては、あらかじめ、相手方にこれを閲覧す の規定により証人の氏名及び住居を知る機会を与えるべき場合において、 第271条の3第3項 《検察官は、第1項に規定する場合において、…》 前項の規定による措置によつては、前条第1項第1号ハ1若しくは第2号イに規定する名誉若しくは社会生活の平穏が著しく害されること又は同項第1号ハ2若しくは第2号ロに規定する行為を防止できないおそれがあると 又は 第271条の4第4項 《検察官は、第2項に規定する場合において、…》 前項の規定による措置によつては、第271条の2第1項第1号ハ1若しくは第2号イに規定する名誉若しくは社会生活の平穏が著しく害されること又は同項第1号ハ2若しくは第2号ロに規定する行為を防止できないおそこれらの規定を 第312条の2第4項 《第271条の3から第271条の八までの規…》 定は、第2項の規定による訴因変更等請求書面抄本等の提出がある場合について準用する。 この場合において、第271条の3第3項中「前条第1項第1号ハ1」とあるのは「第271条の2第1項第1号ハ1」と、第2 において準用する場合を含む。第9項において同じ。)の規定により 起訴状抄本等 又は訴因変更等請求書面抄本等を提出した場合( 第312条第1項 《裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴…》 事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。 の請求を却下する決定があつた場合を除く。第9項において同じ。)であつて、当該氏名又は住居が起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないもの又は訴因変更等請求書面に記載された個人特定事項のうち訴因変更等請求書面抄本等に記載がないもの(いずれも 第271条の5第1項 《裁判所は、第271条の2第4項の規定によ…》 る措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、当該措置に係る個人特定事項の全部又は一部を被告人に通知する旨の決定をしなければならない。 1 イ又 又は第2項(これらの規定を 第312条の2第4項 《第271条の3から第271条の八までの規…》 定は、第2項の規定による訴因変更等請求書面抄本等の提出がある場合について準用する。 この場合において、第271条の3第3項中「前条第1項第1号ハ1」とあるのは「第271条の2第1項第1号ハ1」と、第2 において準用する場合を含む。)の決定により通知することとされたものを除く。第9項において同じ。)に該当し、かつ、 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 又は第2号に掲げる者のものに該当すると認めるときも、前項と同様とする。この場合において、同項中「証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の供述」とあるのは「証人の供述」と、「その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の氏名」とあるのは「当該氏名」とする。

5項 第2項前段に規定する場合において、被告人に弁護人がないときも、第3項と同様とする。この場合において、同項中「証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の供述」とあるのは「証人の供述」と、「その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の氏名」とあるのは「当該氏名」とする。

6項 検察官は、 第299条第1項 《検察官、被告人又は弁護人が証人、鑑定人、…》 通訳人又は翻訳人の尋問を請求するについては、あらかじめ、相手方に対し、その氏名及び住居を知る機会を与えなければならない。 証拠書類又は証拠物の取調を請求するについては、あらかじめ、相手方にこれを閲覧す の規定により証拠書類又は証拠物を閲覧する機会を与えるべき場合において、証拠書類若しくは証拠物に氏名若しくは住居が記載され若しくは記録されている者であつて検察官が証人、鑑定人、通訳人若しくは翻訳人として尋問を請求するもの若しくは供述録取書等の供述者(以下この項及び第8項において「 検察官請求 証人等 」という。)若しくは 検察官請求証人等 の親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認めるときは、弁護人に対し、証拠書類又は証拠物を閲覧する機会を与えた上で、その検察官請求証人等の氏名又は住居を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、又は被告人に知らせる時期若しくは方法を指定することができる。ただし、その検察官請求証人等の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。

7項 第299条第1項 《検察官、被告人又は弁護人が証人、鑑定人、…》 通訳人又は翻訳人の尋問を請求するについては、あらかじめ、相手方に対し、その氏名及び住居を知る機会を与えなければならない。 証拠書類又は証拠物の取調を請求するについては、あらかじめ、相手方にこれを閲覧す の規定により証拠書類又は証拠物を閲覧する機会を与えるべき場合において、 第271条の2第2項 《前項の規定による求めは、公訴の提起におい…》 て、裁判所に対し、起訴状とともに、被告人に送達するものとして、当該求めに係る個人特定事項の記載がない起訴状の抄本その他の起訴状の謄本に代わるもの以下「起訴状抄本等」という。を提出して行わなければならな の規定により 起訴状抄本等 を提出した場合又は 第312条の2第2項 《前項の規定による求めは、裁判所に対し、訴…》 因変更等請求書面とともに、被告人に送達するものとして、当該求めに係る個人特定事項の記載がない訴因変更等請求書面の抄本その他の訴因変更等請求書面の謄本に代わるもの以下この条において「訴因変更等請求書面抄 の規定により訴因変更等請求書面抄本等を提出した場合であつて、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないもの又は訴因変更等請求書面に記載された個人特定事項のうち訴因変更等請求書面抄本等に記載がないものが 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 又は第2号に掲げる者のものに該当すると認めるときも、前項と同様とする。この場合において、同項中「その 検察官請求証人等 の氏名又は住居」とあるのは「これらに記載され又は記録されているこれらの個人特定事項」と、同項ただし書中「その検察官請求証人等」とあるのは「これらの個人特定事項に係る証人」とする。

8項 検察官は、第6項本文の場合において、同項本文の規定による措置によつては同項本文に規定する行為を防止できないおそれがあると認めるとき(被告人に弁護人がないときを含む。)は、その 検察官請求証人等 の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなる場合その他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがある場合を除き、被告人及び弁護人に対し、証拠書類又は証拠物のうちその検察官請求証人等の氏名又は住居が記載され又は記録されている部分について閲覧する機会を与えないことができる。この場合において、被告人又は弁護人に対し、氏名にあつてはこれに代わる呼称を、住居にあつてはこれに代わる連絡先を知る機会を与えなければならない。

9項 第299条第1項 《検察官、被告人又は弁護人が証人、鑑定人、…》 通訳人又は翻訳人の尋問を請求するについては、あらかじめ、相手方に対し、その氏名及び住居を知る機会を与えなければならない。 証拠書類又は証拠物の取調を請求するについては、あらかじめ、相手方にこれを閲覧す の規定により証拠書類又は証拠物を閲覧する機会を与えるべき場合において、 第271条の3第3項 《検察官は、第1項に規定する場合において、…》 前項の規定による措置によつては、前条第1項第1号ハ1若しくは第2号イに規定する名誉若しくは社会生活の平穏が著しく害されること又は同項第1号ハ2若しくは第2号ロに規定する行為を防止できないおそれがあると 又は 第271条の4第4項 《検察官は、第2項に規定する場合において、…》 前項の規定による措置によつては、第271条の2第1項第1号ハ1若しくは第2号イに規定する名誉若しくは社会生活の平穏が著しく害されること又は同項第1号ハ2若しくは第2号ロに規定する行為を防止できないおそ の規定により 起訴状抄本等 又は訴因変更等請求書面抄本等を提出した場合であつて、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないもの又は訴因変更等請求書面に記載された個人特定事項のうち訴因変更等請求書面抄本等に記載がないものが 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 又は第2号に掲げる者のものに該当すると認めるときも、前項と同様とする。この場合において、同項中「その 検察官請求証人等 の供述」とあるのは「これらの個人特定事項に係る証人の供述」と、「その検察官請求証人等の氏名又は住居」とあるのは「これらの個人特定事項」とする。

10項 第7項前段に規定する場合において、被告人に弁護人がないときも、第8項と同様とする。この場合において、同項中「その 検察官請求証人等 の供述」とあるのは「これらの個人特定事項に係る証人の供述」と、「その検察官請求証人等の氏名又は住居」とあるのは「これらの個人特定事項」とする。

11項 検察官は、前各項の規定による措置をとつたときは、速やかに、裁判所にその旨を通知しなければならない。

299条の5

1項 裁判所は、検察官が前条第1項、第3項、第6項又は第8項の規定による措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、決定で、当該措置の全部又は一部を取り消さなければならない。

1号 当該措置に係る者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがないとき。

2号 当該措置により、当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるとき。

3号 検察官のとつた措置が前条第3項又は第8項の規定によるものである場合において、同条第1項本文又は第6項本文の規定による措置によつて第1号に規定する行為を防止できるとき。

2項 検察官が前条第2項、第4項、第5項、第7項、第9項又は第10項の規定による措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときも、前項と同様とする。

1号 当該措置に係る氏名若しくは住居又は個人特定事項が起訴状に記載された個人特定事項のうち 起訴状抄本等 に記載がないもの又は訴因変更等請求書面に記載された個人特定事項のうち訴因変更等請求書面抄本等に記載がないもの( 第312条第1項 《裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴…》 事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。 の請求を却下する決定があつた場合における当該請求に係るものを除く。)に該当しないとき。

2号 又はロに掲げる個人特定事項の区分に応じ、当該イ又はロに定める場合であるとき。

被害者の個人特定事項当該措置に係る事件に係る罪が 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次及びロに規定するものに該当せず、かつ、当該措置に係る事件が同号ハに掲げるものに該当しないとき。

被害者以外の者の個人特定事項当該措置に係る者が 第271条の2第1項第2号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 に掲げる者に該当しないとき。

3号 検察官のとつた措置が前条第4項、第5項、第9項又は第10項の規定によるものである場合において、当該措置に係る個人特定事項が 第271条の5第2項 《裁判所は、第271条の3第4項又は前条第…》 5項の規定による措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、弁護人に対し、当該措置に係る個人特定事項を被告人に知らせてはならない旨の条件を付して 第312条の2第4項 《第271条の3から第271条の八までの規…》 定は、第2項の規定による訴因変更等請求書面抄本等の提出がある場合について準用する。 この場合において、第271条の3第3項中「前条第1項第1号ハ1」とあるのは「第271条の2第1項第1号ハ1」と、第2 において準用する場合を含む。)の決定により通知することとされたものに該当するとき。

4号 当該措置により、当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるとき。

5号 検察官のとつた措置が前条第4項、第5項、第9項又は第10項の規定によるものである場合において、同条第2項又は第7項の規定による措置によつて 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 ハ(1及び第2号イに規定する名誉又は社会生活の平穏が著しく害されること並びに同項第1号ハ(2及び第2号ロに規定する行為を防止できるとき。

3項 裁判所は、第1項第2号又は第3号に該当すると認めて検察官がとつた措置の全部又は一部を取り消す場合において、同項第1号に規定する行為がなされるおそれがあると認めるときは、弁護人に対し、当該措置に係る者の氏名又は住居を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、又は被告人に知らせる時期若しくは方法を指定することができる。ただし、当該条件を付し、又は当該時期若しくは方法の指定をすることにより、当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。

4項 第2項第3号から第5号までに該当すると認めて検察官がとつた措置の全部又は一部を取り消す場合において、 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 ハ(1)若しくは第2号イに規定する名誉若しくは社会生活の平穏が著しく害されるおそれ又は同項第1号ハ(2)若しくは第2号ロに規定する行為がなされるおそれがあると認めるときも、前項と同様とする。この場合において、同項中「者の氏名又は住居」とあるのは、「個人特定事項」とする。

5項 裁判所は、第1項又は第2項の請求について決定をするときは、検察官の意見を聴かなければならない。

6項 第1項又は第2項の請求についてした決定(第3項又は第4項の規定により条件を付し、又は時期若しくは方法を指定する裁判を含む。)に対しては、即時抗告をすることができる。

299条の6

1項 裁判所は、検察官がとつた 第299条の4第1項 《検察官は、第299条第1項の規定により証…》 人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の氏名及び住居を知る機会を与えるべき場合において、その者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認 若しくは第6項の規定による措置に係る者若しくは裁判所がとつた前条第3項の規定による措置に係る者若しくはこれらの親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認める場合において、検察官及び弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、弁護人が 第40条第1項 《弁護人は、公訴の提起後は、裁判所において…》 、訴訟に関する書類及び証拠物を閲覧し、且つ謄写することができる。 但し、証拠物を謄写するについては、裁判長の許可を受けなければならない。 の規定により訴訟に関する書類又は証拠物を閲覧し又は謄写するに当たり、これらに記載され又は記録されている当該措置に係る者の氏名又は住居を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、又は被告人に知らせる時期若しくは方法を指定することができる。ただし、当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。

2項 裁判所は、検察官がとつた 第299条の4第3項 《検察官は、第1項本文の場合において、同項…》 本文の規定による措置によつては同項本文に規定する行為を防止できないおそれがあると認めるとき被告人に弁護人がないときを含む。は、その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の供述の証明力の判断に資するような被告人 若しくは第8項の規定による措置に係る者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認める場合において、検察官及び弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、弁護人が 第40条第1項 《弁護人は、公訴の提起後は、裁判所において…》 、訴訟に関する書類及び証拠物を閲覧し、且つ謄写することができる。 但し、証拠物を謄写するについては、裁判長の許可を受けなければならない。 の規定により訴訟に関する書類又は証拠物を閲覧し又は謄写するについて、これらのうち当該措置に係る者の氏名若しくは住居が記載され若しくは記録されている部分の閲覧若しくは謄写を禁じ、又は当該氏名若しくは住居を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、若しくは被告人に知らせる時期若しくは方法を指定することができる。ただし、当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。

3項 裁判所は、検察官がとつた 第299条の4第1項 《検察官は、第299条第1項の規定により証…》 人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の氏名及び住居を知る機会を与えるべき場合において、その者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認 若しくは第6項の規定による措置に係る者若しくは裁判所がとつた前条第3項の規定による措置に係る者若しくはこれらの親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認める場合において、弁護人から 第46条 《 被告人その他訴訟関係人は、自己の費用で…》 、裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本の交付を請求することができる。 の規定による請求があつた場合であつて、検察官及び弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、弁護人に裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本を交付するに当たり、これらに記載されている当該措置に係る者の氏名又は住居を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、又は被告人に知らせる時期若しくは方法を指定することができる。ただし、当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。

4項 裁判所は、検察官がとつた 第299条の4第3項 《検察官は、第1項本文の場合において、同項…》 本文の規定による措置によつては同項本文に規定する行為を防止できないおそれがあると認めるとき被告人に弁護人がないときを含む。は、その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の供述の証明力の判断に資するような被告人 若しくは第8項の規定による措置に係る者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認める場合において、弁護人から 第46条 《 被告人その他訴訟関係人は、自己の費用で…》 、裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本の交付を請求することができる。 の規定による請求があつた場合であつて、検察官及び弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、裁判書若しくは裁判を記載した調書の抄本であつて当該措置に係る者の氏名若しくは住居の記載がないものを交付し、又は弁護人に裁判書若しくは裁判を記載した調書の謄本若しくは抄本を交付するに当たり、当該氏名若しくは住居を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、若しくは被告人に知らせる時期若しくは方法を指定することができる。ただし、当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。

5項 裁判所は、検察官がとつた 第299条の4第1項 《検察官は、第299条第1項の規定により証…》 人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の氏名及び住居を知る機会を与えるべき場合において、その者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認 、第3項、第6項若しくは第8項の規定による措置に係る者若しくは裁判所がとつた前条第3項の規定による措置に係る者若しくはこれらの親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認める場合において、被告人その他訴訟関係人(検察官及び弁護人を除く。)から 第46条 《 被告人その他訴訟関係人は、自己の費用で…》 、裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本の交付を請求することができる。 の規定による請求があつた場合であつて、検察官及び当該請求をした被告人その他訴訟関係人の意見を聴き、相当と認めるときは、裁判書又は裁判を記載した調書の抄本であつて当該措置に係る者の氏名又は住居の記載がないものを交付することができる。ただし、当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。

6項 裁判所は、検察官がとつた 第299条の4第1項 《検察官は、第299条第1項の規定により証…》 人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の氏名及び住居を知る機会を与えるべき場合において、その者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認 、第3項、第6項若しくは第8項の規定による措置に係る者若しくは裁判所がとつた前条第3項の規定による措置に係る者若しくはこれらの親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認める場合において、検察官及び被告人の意見を聴き、相当と認めるときは、被告人が 第49条 《 被告人に弁護人がないときは、公判調書は…》 、裁判所の規則の定めるところにより、被告人も、これを閲覧することができる。 被告人は、読むことができないとき、又は目の見えないときは、公判調書の朗読を求めることができる。 の規定により公判調書を閲覧し又はその朗読を求めるについて、このうち当該措置に係る者の氏名若しくは住居が記載され若しくは記録されている部分の閲覧を禁じ、又は当該部分の朗読の求めを拒むことができる。ただし、当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。

299条の7

1項 検察官は、 第299条の4第1項 《検察官は、第299条第1項の規定により証…》 人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の氏名及び住居を知る機会を与えるべき場合において、その者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認 、第2項、第6項若しくは第7項の規定により付した条件に弁護人が違反したとき、又はこれらの規定による時期若しくは方法の指定に弁護人が従わなかつたときは、弁護士である弁護人については当該弁護士の所属する弁護士会又は日本弁護士連合会に通知し、適当な処置をとるべきことを請求することができる。

2項 裁判所は、 第299条の5第3項 《裁判所は、第1項第2号又は第3号に該当す…》 ると認めて検察官がとつた措置の全部又は一部を取り消す場合において、同項第1号に規定する行為がなされるおそれがあると認めるときは、弁護人に対し、当該措置に係る者の氏名又は住居を被告人に知らせてはならない 若しくは第4項若しくは前条第1項から第4項までの規定により付した条件に弁護人が違反したとき、又はこれらの規定による時期若しくは方法の指定に弁護人が従わなかつたときは、弁護士である弁護人については当該弁護士の所属する弁護士会又は日本弁護士連合会に通知し、適当な処置をとるべきことを請求することができる。

3項 前2項の規定による請求を受けた者は、そのとつた処置をその請求をした検察官又は裁判所に通知しなければならない。

300条

1項 第321条第1項第2号 《被告人以外の者が作成した供述書又はその者…》 の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。 1 裁判官の面前第157条の6第1項及び第2項に規定する方法による場合を含む。における 後段の規定により証拠とすることができる書面については、検察官は、必ずその取調を請求しなければならない。

301条

1項 第322条 《 被告人が作成した供述書又は被告人の供述…》 を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができ 及び 第324条第1項 《被告人以外の者の公判準備又は公判期日にお…》 ける供述で被告人の供述をその内容とするものについては、第322条の規定を準用する。 の規定により証拠とすることができる被告人の供述が自白である場合には、犯罪事実に関する他の証拠が取り調べられた後でなければ、その取調を請求することはできない。

301条の2

1項 次に掲げる事件については、検察官は、 第322条第1項 《被告人が作成した供述書又は被告人の供述を…》 録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる の規定により証拠とすることができる書面であつて、当該事件についての 第198条第1項 《検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯…》 罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。 但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。 の規定による取調べ(逮捕又は勾留されている被疑者の取調べに限る。第3項において同じ。又は 第203条第1項 《司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕し…》 たとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置第204条第1項 《検察官は、逮捕状により被疑者を逮捕したと…》 き、又は逮捕状により逮捕された被疑者前条の規定により送致された被疑者を除く。を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思 若しくは 第205条第1項 《検察官は、第203条の規定により送致され…》 た被疑者を受け取つたときは、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取つた時から24時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなけ 第211条 《 前条の規定により被疑者が逮捕された場合…》 には、第199条の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。 及び 第216条 《 現行犯人が逮捕された場合には、第199…》 条の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。 においてこれらの規定を準用する場合を含む。第3項において同じ。)の弁解の機会に際して作成され、かつ、被告人に不利益な事実の承認を内容とするものの取調べを請求した場合において、被告人又は弁護人が、その取調べの請求に関し、その承認が任意にされたものでない疑いがあることを理由として異議を述べたときは、その承認が任意にされたものであることを証明するため、当該書面が作成された取調べ又は弁解の機会の開始から終了に至るまでの間における被告人の供述及びその状況を第4項の規定により記録した記録媒体の取調べを請求しなければならない。ただし、同項各号のいずれかに該当することにより同項の規定による記録が行われなかつたことその他やむを得ない事情によつて当該記録媒体が存在しないときは、この限りでない。

1号 死刑又は無期拘禁刑に当たる罪に係る事件

2号 短期1年以上の拘禁刑に当たる罪であつて故意の犯罪行為により被害者を死亡させたものに係る事件

3号 司法警察員が送致し又は送付した事件以外の事件(前2号に掲げるものを除く。

2項 検察官が前項の規定に違反して同項に規定する記録媒体の取調べを請求しないときは、裁判所は、決定で、同項に規定する書面の取調べの請求を却下しなければならない。

3項 前2項の規定は、第1項各号に掲げる事件について、 第324条第1項 《被告人以外の者の公判準備又は公判期日にお…》 ける供述で被告人の供述をその内容とするものについては、第322条の規定を準用する。 において準用する 第322条第1項 《被告人が作成した供述書又は被告人の供述を…》 録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる の規定により証拠とすることができる被告人以外の者の供述であつて、当該事件についての 第198条第1項 《検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯…》 罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。 但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。 の規定による取調べ又は 第203条第1項 《司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕し…》 たとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置第204条第1項 《検察官は、逮捕状により被疑者を逮捕したと…》 き、又は逮捕状により逮捕された被疑者前条の規定により送致された被疑者を除く。を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思 若しくは 第205条第1項 《検察官は、第203条の規定により送致され…》 た被疑者を受け取つたときは、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取つた時から24時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなけ の弁解の機会に際してされた被告人の供述(被告人に不利益な事実の承認を内容とするものに限る。)をその内容とするものを証拠とすることに関し、被告人又は弁護人が、その承認が任意にされたものでない疑いがあることを理由として異議を述べた場合にこれを準用する。

4項 検察官又は検察事務官は、第1項各号に掲げる事件(同項第3号に掲げる事件のうち、関連する事件が送致され又は送付されているものであつて、司法警察員が現に捜査していることその他の事情に照らして司法警察員が送致し又は送付することが見込まれるものを除く。)について、逮捕若しくは勾留されている被疑者を 第198条第1項 《検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯…》 罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。 但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。 の規定により取り調べるとき又は被疑者に対し 第204条第1項 《検察官は、逮捕状により被疑者を逮捕したと…》 き、又は逮捕状により逮捕された被疑者前条の規定により送致された被疑者を除く。を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思 若しくは 第205条第1項 《検察官は、第203条の規定により送致され…》 た被疑者を受け取つたときは、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取つた時から24時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなけ 第211条 《 前条の規定により被疑者が逮捕された場合…》 には、第199条の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。 及び 第216条 《 現行犯人が逮捕された場合には、第199…》 条の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。 においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定により弁解の機会を与えるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、被疑者の供述及びその状況を録音及び録画を同時に行う方法により記録媒体に記録しておかなければならない。司法警察職員が、第1項第1号又は第2号に掲げる事件について、逮捕若しくは勾留されている被疑者を 第198条第1項 《検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯…》 罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。 但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。 の規定により取り調べるとき又は被疑者に対し 第203条第1項 《司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕し…》 たとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置 第211条 《 前条の規定により被疑者が逮捕された場合…》 には、第199条の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。 及び 第216条 《 現行犯人が逮捕された場合には、第199…》 条の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。 において準用する場合を含む。)の規定により弁解の機会を与えるときも、同様とする。

1号 記録に必要な機器の故障その他のやむを得ない事情により、記録をすることができないとき。

2号 被疑者が記録を拒んだことその他の被疑者の言動により、記録をしたならば被疑者が10分な供述をすることができないと認めるとき。

3号 当該事件が 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 1991年法律第77号第3条 《指定 都道府県公安委員会以下「公安委員…》 会」という。は、暴力団が次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、当該暴力団を、その暴力団員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれが大きい暴力団として指定するものとする。 の規定により都道府県公安委員会の指定を受けた暴力団の構成員による犯罪に係るものであると認めるとき。

4号 前2号に掲げるもののほか、犯罪の性質、関係者の言動、被疑者がその構成員である団体の性格その他の事情に照らし、被疑者の供述及びその状況が明らかにされた場合には被疑者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあることにより、記録をしたならば被疑者が10分な供述をすることができないと認めるとき。

302条

1項 第321条 《 被告人以外の者が作成した供述書又はその…》 者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。 1 裁判官の面前第157条の6第1項及び第2項に規定する方法による場合を含む。におけ ないし[から〜まで] 第323条 《 第321条から前条までに掲げる書面以外…》 の書面は、次に掲げるものに限り、これを証拠とすることができる。 1 戸籍謄本、公正証書謄本その他公務員外国の公務員を含む。がその職務上証明することができる事実についてその公務員の作成した書面 2 商業 又は 第326条 《 検察官及び被告人が証拠とすることに同意…》 した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条ないし[から〜まで]前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。 被告人が出頭しない の規定により証拠とすることができる書面が捜査記録の一部であるときは、検察官は、できる限り他の部分と分離してその取調を請求しなければならない。

303条

1項 公判準備においてした証人その他の者の尋問、検証、押収及び捜索の結果を記載した書面並びに押収した物については、裁判所は、公判期日において証拠書類又は証拠物としてこれを取り調べなければならない。

304条

1項 証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人は、裁判長又は陪席の裁判官が、まず、これを尋問する。

2項 検察官、被告人又は弁護人は、前項の尋問が終つた後、裁判長に告げて、その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人を尋問することができる。この場合において、その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の取調が、検察官、被告人又は弁護人の請求にかかるものであるときは、請求をした者が、先に尋問する。

3項 裁判所は、適当と認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、前2項の尋問の順序を変更することができる。

304条の2

1項 裁判所は、証人を尋問する場合において、証人が被告人の面前( 第157条の5第1項 《裁判所は、証人を尋問する場合において、犯…》 罪の性質、証人の年齢、心身の状態、被告人との関係その他の事情により、証人が被告人の面前次条第1項及び第2項に規定する方法による場合を含む。において供述するときは圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそ に規定する措置を採る場合並びに 第157条の6第1項 《裁判所は、次に掲げる者を証人として尋問す…》 る場合において、相当と認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、裁判官及び訴訟関係人が証人を尋問するために在席する場所以外の場所であつて、同一構内これらの者が在席する場所と同1の構内をいう 及び第2項に規定する方法による場合を含む。)においては圧迫を受け充分な供述をすることができないと認めるときは、弁護人が出頭している場合に限り、検察官及び弁護人の意見を聴き、その証人の供述中被告人を退廷させることができる。この場合には、供述終了後被告人を入廷させ、これに証言の要旨を告知し、その証人を尋問する機会を与えなければならない。

305条

1項 検察官、被告人又は弁護人の請求により、証拠書類の取調べをするについては、裁判長は、その取調べを請求した者にこれを朗読させなければならない。ただし、裁判長は、自らこれを朗読し、又は陪席の裁判官若しくは裁判所書記官にこれを朗読させることができる。

2項 裁判所が職権で証拠書類の取調べをするについては、裁判長は、自らその書類を朗読し、又は陪席の裁判官若しくは裁判所書記官にこれを朗読させなければならない。

3項 第290条の2第1項 《裁判所は、次に掲げる事件を取り扱う場合に…》 おいて、当該事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、被害者特定事項氏名及び住所その他の当 又は第3項の決定があつたときは、前2項の規定による証拠書類の朗読は、被害者特定事項を明らかにしない方法でこれを行うものとする。

4項 第290条の3第1項 《裁判所は、次に掲げる場合において、証人、…》 鑑定人、通訳人、翻訳人又は供述録取書等供述書、供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるもの又は映像若しくは音声を記録することができる記録媒体であつて供述を記録したものをいう。以下同じ。の供述 の決定があつた場合における第1項又は第2項の規定による証拠書類の朗読についても、前項と同様とする。この場合において、同項中「被害者特定事項」とあるのは、「 証人等 特定事項」とする。

5項 第157条の6第4項 《前項の規定により証人の尋問及び供述並びに…》 その状況を記録した記録媒体は、訴訟記録に添付して調書の一部とするものとする。 の規定により記録媒体がその一部とされた調書の取調べについては、第1項又は第2項の規定による朗読に代えて、当該記録媒体を再生するものとする。ただし、裁判長は、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、当該記録媒体の再生に代えて、当該調書の取調べを請求した者、陪席の裁判官若しくは裁判所書記官に当該調書に記録された供述の内容を告げさせ、又は自らこれを告げることができる。

6項 裁判所は、前項の規定により 第157条の6第4項 《前項の規定により証人の尋問及び供述並びに…》 その状況を記録した記録媒体は、訴訟記録に添付して調書の一部とするものとする。 に規定する記録媒体を再生する場合において、必要と認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、 第157条の5 《 裁判所は、証人を尋問する場合において、…》 犯罪の性質、証人の年齢、心身の状態、被告人との関係その他の事情により、証人が被告人の面前次条第1項及び第2項に規定する方法による場合を含む。において供述するときは圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるお に規定する措置を採ることができる。

306条

1項 検察官、被告人又は弁護人の請求により、証拠物の取調をするについては、裁判長は、請求をした者をしてこれを示させなければならない。但し、裁判長は、自らこれを示し、又は陪席の裁判官若しくは裁判所書記にこれを示させることができる。

2項 裁判所が職権で証拠物の取調をするについては、裁判長は、自らこれを訴訟関係人に示し、又は陪席の裁判官若しくは裁判所書記にこれを示させなければならない。

307条

1項 証拠物中書面の意義が証拠となるものの取調をするについては、前条の規定による外、 第305条 《 検察官、被告人又は弁護人の請求により、…》 証拠書類の取調べをするについては、裁判長は、その取調べを請求した者にこれを朗読させなければならない。 ただし、裁判長は、自らこれを朗読し、又は陪席の裁判官若しくは裁判所書記官にこれを朗読させることがで の規定による。

307条の2

1項 第291条の2 《 被告人が、前条第5項の手続に際し、起訴…》 状に記載された訴因について有罪である旨を陳述したときは、裁判所は、検察官、被告人及び弁護人の意見を聴き、有罪である旨の陳述のあつた訴因に限り、簡易公判手続によつて審判をする旨の決定をすることができる。 の決定があつた事件については、 第296条 《 証拠調のはじめに、検察官は、証拠により…》 証明すべき事実を明らかにしなければならない。 但し、証拠とすることができず、又は証拠としてその取調を請求する意思のない資料に基いて、裁判所に事件について偏見又は予断を生ぜしめる虞のある事項を述べること第297条 《 裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の…》 意見を聴き、証拠調の範囲、順序及び方法を定めることができる。 前項の手続は、合議体の構成員にこれをさせることができる。 裁判所は、適当と認めるときは、何時でも、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、第300条 《 第321条第1項第2号後段の規定により…》 証拠とすることができる書面については、検察官は、必ずその取調を請求しなければならない。 ないし[から〜まで] 第302条 《 第321条ないし[から〜まで]第323…》 又は第326条の規定により証拠とすることができる書面が捜査記録の一部であるときは、検察官は、できる限り他の部分と分離してその取調を請求しなければならない。 及び 第304条 《 証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人は、裁判…》 又は陪席の裁判官が、まず、これを尋問する。 検察官、被告人又は弁護人は、前項の尋問が終つた後、裁判長に告げて、その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人を尋問することができる。 この場合において、その証人、 ないし[から〜まで]前条の規定は、これを適用せず、証拠調は、公判期日において、適当と認める方法でこれを行うことができる。

308条

1項 裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人に対し、証拠の証明力を争うために必要とする適当な機会を与えなければならない。

309条

1項 検察官、被告人又は弁護人は、証拠調に関し異議を申し立てることができる。

2項 検察官、被告人又は弁護人は、前項に規定する場合の外、裁判長の処分に対して異議を申し立てることができる。

3項 裁判所は、前2項の申立について決定をしなければならない。

310条

1項 証拠調を終つた証拠書類又は証拠物は、遅滞なくこれを裁判所に提出しなければならない。但し、裁判所の許可を得たときは、原本に代え、その謄本を提出することができる。

311条

1項 被告人は、終始沈黙し、又は個々の質問に対し、供述を拒むことができる。

2項 被告人が任意に供述をする場合には、裁判長は、何時でも必要とする事項につき被告人の供述を求めることができる。

3項 陪席の裁判官、検察官、弁護人、共同被告人又はその弁護人は、裁判長に告げて、前項の供述を求めることができる。

312条

1項 裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。

2項 裁判所は、審理の経過に鑑み適当と認めるときは、訴因又は罰条を追加又は変更すべきことを命ずることができる。

3項 第1項の請求は、書面を提出してしなければならない。

4項 検察官は、第1項の請求と同時に、被告人に送達するものとして、前項の書面(以下「 訴因変更等請求書面 」という。)の謄本を裁判所に提出しなければならない。

5項 裁判所は、前項の規定による 訴因変更等請求書面 の謄本の提出があつたときは、遅滞なくこれを被告人に送達しなければならない。

6項 第3項の規定にかかわらず、被告人が在廷する公判廷においては、第1項の請求は、口頭ですることができる。この場合においては、第4項の規定は、適用しない。

7項 裁判所は、訴因又は罰条の追加又は変更により被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、決定で、被告人に10分な防御の準備をさせるため必要な期間公判手続を停止しなければならない。

312条の2

1項 検察官は、 訴因変更等請求書面 に記載された 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 又は第2号に掲げる者の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第5項の規定による訴因変更等請求書面の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。

2項 前項の規定による求めは、裁判所に対し、 訴因変更等請求書面 とともに、被告人に送達するものとして、当該求めに係る個人特定事項の記載がない訴因変更等請求書面の抄本その他の訴因変更等請求書面の謄本に代わるもの(以下この条において「 訴因変更等請求書面抄本等 」という。)を提出して行わなければならない。

3項 裁判所は、前項の規定による 訴因変更等請求書面 抄本等の提出があつたときは、前条第5項の規定にかかわらず、遅滞なく訴因変更等請求書面抄本等を被告人に送達しなければならない。

4項 第271条の3 《 検察官は、前条第2項の規定により起訴状…》 抄本等を提出する場合において、被告人に弁護人があるときは、裁判所に対し、弁護人に送達するものとして、起訴状の謄本を提出しなければならない。 裁判所は、前項の規定による起訴状の謄本の提出があつたときは、 から 第271条 《 裁判所は、公訴の提起があつたときは、遅…》 滞なく起訴状の謄本を被告人に送達しなければならない。 公訴の提起があつた日から2箇月以内に起訴状の謄本が送達されないときは、公訴の提起は、さかのぼつてその効力を失う。 の八までの規定は、第2項の規定による 訴因変更等請求書面 抄本等の提出がある場合について準用する。この場合において、 第271条の3第3項 《検察官は、第1項に規定する場合において、…》 前項の規定による措置によつては、前条第1項第1号ハ1若しくは第2号イに規定する名誉若しくは社会生活の平穏が著しく害されること又は同項第1号ハ2若しくは第2号ロに規定する行為を防止できないおそれがあると 中「前条第1項第1号ハ(1)」とあるのは「 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 ハ(1)」と、 第271条の5第1項 《裁判所は、第271条の2第4項の規定によ…》 る措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、当該措置に係る個人特定事項の全部又は一部を被告人に通知する旨の決定をしなければならない。 1 イ又 中「 第271条の2第4項 《裁判所は、第2項の規定による起訴状抄本等…》 の提出があつたときは、前条第1項の規定にかかわらず、遅滞なく起訴状抄本等を被告人に送達しなければならない。 この場合において、第255条及び前条第2項中「起訴状の謄本」とあるのは、「起訴状抄本等」とす 」とあるのは「 第312条の2第3項 《裁判所は、前項の規定による訴因変更等請求…》 書面抄本等の提出があつたときは、前条第5項の規定にかかわらず、遅滞なく訴因変更等請求書面抄本等を被告人に送達しなければならない。 」と、 第271条の6第5項 《裁判所は、第271条の2第2項の規定によ…》 る起訴状抄本等の提出があつた事件について、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないものが同条第1項第1号又は第2号に掲げる者のものに該当すると認める場合において、被告人その他訴訟関 及び 第271条の8第1項 《裁判所第1号及び第4号にあつては裁判長及…》 び合議体の構成員を、第2号及び第3号にあつては第66条第4項の裁判官並びに裁判長及び合議体の構成員を含み、第5号にあつては裁判官とする。は、第271条の2第2項の規定による起訴状抄本等の提出があつた事 中「同条第1項第1号」とあるのは「 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 」と読み替えるものとする。

313条

1項 裁判所は、適当と認めるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、決定を以て、弁論を分離し若しくは併合し、又は終結した弁論を再開することができる。

2項 裁判所は、被告人の権利を保護するため必要があるときは、裁判所の規則の定めるところにより、決定を以て弁論を分離しなければならない。

313条の2

1項 この法律の規定に基づいて裁判所若しくは裁判長又は裁判官が付した弁護人の選任は、弁論が併合された事件についてもその効力を有する。ただし、裁判所がこれと異なる決定をしたときは、この限りでない。

2項 前項ただし書の決定をするには、あらかじめ、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。

314条

1項 被告人が心神喪失の状態に在るときは、検察官及び弁護人の意見を聴き、決定で、その状態の続いている間公判手続を停止しなければならない。但し、無罪、免訴、刑の免除又は公訴棄却の裁判をすべきことが明らかな場合には、被告人の出頭を待たないで、直ちにその裁判をすることができる。

2項 被告人が病気のため出頭することができないときは、検察官及び弁護人の意見を聴き、決定で、出頭することができるまで公判手続を停止しなければならない。但し、 第284条 《 510,000円刑法、暴力行為等処罰に…》 関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、60,000円以下の罰金又は科料に当たる事件については、被告人は、公判期日に出頭することを要しない。 ただし、被告人は、代 及び 第285条 《 拘留に当たる事件の被告人は、判決の宣告…》 をする場合には、公判期日に出頭しなければならない。 その他の場合には、裁判所は、被告人の出頭がその権利の保護のため重要でないと認めるときは、被告人に対し公判期日に出頭しないことを許すことができる。 の規定により代理人を出頭させた場合は、この限りでない。

3項 犯罪事実の存否の証明に欠くことのできない証人が病気のため公判期日に出頭することができないときは、公判期日外においてその取調をするのを適当と認める場合の外、決定で、出頭することができるまで公判手続を停止しなければならない。

4項 前3項の規定により公判手続を停止するには、医師の意見を聴かなければならない。

315条

1項 開廷後裁判官がかわつたときは、公判手続を更新しなければならない。但し、判決の宣告をする場合は、この限りでない。

315条の2

1項 第291条の2 《 被告人が、前条第5項の手続に際し、起訴…》 状に記載された訴因について有罪である旨を陳述したときは、裁判所は、検察官、被告人及び弁護人の意見を聴き、有罪である旨の陳述のあつた訴因に限り、簡易公判手続によつて審判をする旨の決定をすることができる。 の決定が取り消されたときは、公判手続を更新しなければならない。但し、検察官及び被告人又は弁護人に異議がないときは、この限りでない。

316条

1項 地方裁判所において1人の裁判官のした訴訟手続は、被告事件が合議体で審判すべきものであつた場合にも、その効力を失わない。

2節 争点及び証拠の整理手続 > 1款 公判前整理手続 > 1目 通則

316条の2

1項 裁判所は、充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に行うため必要があると認めるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、第一回公判期日前に、決定で、事件の争点及び証拠を整理するための公判準備として、事件を公判前整理手続に付することができる。

2項 前項の決定又は同項の請求を却下する決定をするには、裁判所の規則の定めるところにより、あらかじめ、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。

3項 公判前整理手続は、この款に定めるところにより、訴訟関係人を出頭させて陳述させ、又は訴訟関係人に書面を提出させる方法により、行うものとする。

316条の3

1項 裁判所は、充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に行うことができるよう、公判前整理手続において、10分な準備が行われるようにするとともに、できる限り早期にこれを終結させるように努めなければならない。

2項 訴訟関係人は、充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に行うことができるよう、公判前整理手続において、相互に協力するとともに、その実施に関し、裁判所に進んで協力しなければならない。

316条の4

1項 公判前整理手続においては、被告人に弁護人がなければその手続を行うことができない。

2項 公判前整理手続において被告人に弁護人がないときは、裁判長は、職権で弁護人を付さなければならない。

316条の5

1項 公判前整理手続においては、次に掲げる事項を行うことができる。

1号 訴因又は罰条を明確にさせること。

2号 訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許すこと。

3号 第271条の5第1項 《裁判所は、第271条の2第4項の規定によ…》 る措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、当該措置に係る個人特定事項の全部又は一部を被告人に通知する旨の決定をしなければならない。 1 イ又 又は第2項(これらの規定を 第312条の2第4項 《第271条の3から第271条の八までの規…》 定は、第2項の規定による訴因変更等請求書面抄本等の提出がある場合について準用する。 この場合において、第271条の3第3項中「前条第1項第1号ハ1」とあるのは「第271条の2第1項第1号ハ1」と、第2 において準用する場合を含む。)の請求について決定をすること。

4号 公判期日においてすることを予定している主張を明らかにさせて事件の争点を整理すること。

5号 証拠調べの請求をさせること。

6号 前号の請求に係る証拠について、その立証趣旨、尋問事項等を明らかにさせること。

7号 証拠調べの請求に関する意見(証拠書類について 第326条 《 検察官及び被告人が証拠とすることに同意…》 した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条ないし[から〜まで]前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。 被告人が出頭しない の同意をするかどうかの意見を含む。)を確かめること。

8号 証拠調べをする決定又は証拠調べの請求を却下する決定をすること。

9号 証拠調べをする決定をした証拠について、その取調べの順序及び方法を定めること。

10号 証拠調べに関する異議の申立てに対して決定をすること。

11号 第3目の定めるところにより証拠開示に関する裁定をすること。

12号 第316条の33第1項 《裁判所は、次に掲げる罪に係る被告事件の被…》 害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から、被告事件の手続への参加の申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、犯罪の性質、被告人との関係その他の事情を考慮し、相 の規定による被告事件の手続への参加の申出に対する決定又は当該決定を取り消す決定をすること。

13号 公判期日を定め、又は変更することその他公判手続の進行上必要な事項を定めること。

316条の6

1項 裁判長は、訴訟関係人を出頭させて公判前整理手続をするときは、公判前整理手続期日を定めなければならない。

2項 公判前整理手続期日は、これを検察官、被告人及び弁護人に通知しなければならない。

3項 裁判長は、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、公判前整理手続期日を変更することができる。この場合においては、裁判所の規則の定めるところにより、あらかじめ、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。

316条の7

1項 公判前整理手続期日に検察官又は弁護人が出頭しないときは、その期日の手続を行うことができない。

316条の8

1項 弁護人が公判前整理手続期日に出頭しないとき、又は在席しなくなつたときは、裁判長は、職権で弁護人を付さなければならない。

2項 弁護人が公判前整理手続期日に出頭しないおそれがあるときは、裁判所は、職権で弁護人を付することができる。

316条の9

1項 被告人は、公判前整理手続期日に出頭することができる。

2項 裁判所は、必要と認めるときは、被告人に対し、公判前整理手続期日に出頭することを求めることができる。

3項 裁判長は、被告人を出頭させて公判前整理手続をする場合には、被告人が出頭する最初の公判前整理手続期日において、まず、被告人に対し、終始沈黙し、又は個々の質問に対し陳述を拒むことができる旨を告知しなければならない。

316条の10

1項 裁判所は、弁護人の陳述又は弁護人が提出する書面について被告人の意思を確かめる必要があると認めるときは、公判前整理手続期日において被告人に対し質問を発し、及び弁護人に対し被告人と連署した書面の提出を求めることができる。

316条の11

1項 裁判所は、合議体の構成員に命じ、公判前整理手続( 第316条の5第2号 《第316条の5 公判前整理手続においては…》 、次に掲げる事項を行うことができる。 1 訴因又は罰条を明確にさせること。 2 訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許すこと。 3 第271条の5第1項又は第2項これらの規定を第312条の2第4項におい 、第3号、第8号及び第10号から第12号までの決定を除く。)をさせることができる。この場合において、受命裁判官は、裁判所又は裁判長と同1の権限を有する。

316条の12

1項 公判前整理手続期日には、裁判所書記官を立ち会わせなければならない。

2項 公判前整理手続期日における手続については、裁判所の規則の定めるところにより、公判前整理手続調書を作成しなければならない。

2目 争点及び証拠の整理

316条の13

1項 検察官は、事件が公判前整理手続に付されたときは、その証明予定事実(公判期日において証拠により証明しようとする事実をいう。以下同じ。)を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならない。この場合においては、当該書面には、証拠とすることができず、又は証拠としてその取調べを請求する意思のない資料に基づいて、裁判所に事件について偏見又は予断を生じさせるおそれのある事項を記載することができない。

2項 検察官は、前項の証明予定事実を証明するために用いる証拠の取調べを請求しなければならない。

3項 前項の規定により証拠の取調べを請求するについては、 第299条第1項 《検察官、被告人又は弁護人が証人、鑑定人、…》 通訳人又は翻訳人の尋問を請求するについては、あらかじめ、相手方に対し、その氏名及び住居を知る機会を与えなければならない。 証拠書類又は証拠物の取調を請求するについては、あらかじめ、相手方にこれを閲覧す の規定は適用しない。

4項 裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴いた上で、第1項の書面の提出及び送付並びに第2項の請求の期限を定めるものとする。

316条の14

1項 検察官は、前条第2項の規定により取調べを請求した証拠(以下「 検察官請求証拠 」という。)については、速やかに、被告人又は弁護人に対し、次の各号に掲げる証拠の区分に応じ、当該各号に定める方法による開示をしなければならない。

1号 証拠書類又は証拠物当該証拠書類又は証拠物を閲覧する機会(弁護人に対しては、閲覧し、かつ、謄写する機会)を与えること。

2号 証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人その氏名及び住居を知る機会を与え、かつ、その者の供述録取書等のうち、その者が公判期日において供述すると思料する内容が明らかになるもの(当該供述録取書等が存在しないとき、又はこれを閲覧させることが相当でないと認めるときにあつては、その者が公判期日において供述すると思料する内容の要旨を記載した書面)を閲覧する機会(弁護人に対しては、閲覧し、かつ、謄写する機会)を与えること。

2項 検察官は、前項の規定による証拠の開示をした後、被告人又は弁護人から請求があつたときは、速やかに、被告人又は弁護人に対し、検察官が保管する証拠の一覧表の交付をしなければならない。

3項 前項の一覧表には、次の各号に掲げる証拠の区分に応じ、証拠ごとに、当該各号に定める事項を記載しなければならない。

1号 証拠物品名及び数量

2号 供述を録取した書面で供述者の署名又は押印のあるもの当該書面の標目、作成の年月日及び供述者の氏名

3号 証拠書類(前号に掲げるものを除く。)当該証拠書類の標目、作成の年月日及び作成者の氏名

4項 前項の規定にかかわらず、検察官は、同項の規定により第2項の一覧表に記載すべき事項であつて、これを記載することにより次に掲げるおそれがあると認めるものは、同項の一覧表に記載しないことができる。

1号 人の身体若しくは財産に害を加え又は人を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれ

2号 人の名誉又は社会生活の平穏が著しく害されるおそれ

3号 犯罪の証明又は犯罪の捜査に支障を生ずるおそれ

5項 検察官は、第2項の規定により一覧表の交付をした後、証拠を新たに保管するに至つたときは、速やかに、被告人又は弁護人に対し、当該新たに保管するに至つた証拠の一覧表の交付をしなければならない。この場合においては、前2項の規定を準用する。

316条の15

1項 検察官は、前条第1項の規定による開示をした証拠以外の証拠であつて、次の各号に掲げる証拠の類型のいずれかに該当し、かつ、特定の 検察官請求証拠 の証明力を判断するために重要であると認められるものについて、被告人又は弁護人から開示の請求があつた場合において、その重要性の程度その他の被告人の防御の準備のために当該開示をすることの必要性の程度並びに当該開示によつて生じるおそれのある弊害の内容及び程度を考慮し、相当と認めるときは、速やかに、同項第1号に定める方法による開示をしなければならない。この場合において、検察官は、必要と認めるときは、開示の時期若しくは方法を指定し、又は条件を付することができる。

1号 証拠物

2号 第321条第2項 《被告人以外の者の公判準備若しくは公判期日…》 における供述を録取した書面又は裁判所若しくは裁判官の検証の結果を記載した書面は、前項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。 に規定する裁判所又は裁判官の検証の結果を記載した書面

3号 第321条第3項 《検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証…》 の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第1項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。 に規定する書面又はこれに準ずる書面

4号 第321条第4項 《鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人…》 の作成したものについても、前項と同様である。 に規定する書面又はこれに準ずる書面

5号 次に掲げる者の供述録取書等

検察官が証人として尋問を請求した者

検察官が取調べを請求した供述録取書等の供述者であつて、当該供述録取書等が 第326条 《 検察官及び被告人が証拠とすることに同意…》 した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条ないし[から〜まで]前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。 被告人が出頭しない の同意がされない場合には、検察官が証人として尋問を請求することを予定しているもの

6号 前号に掲げるもののほか、被告人以外の者の供述録取書等であつて、検察官が特定の 検察官請求証拠 により直接証明しようとする事実の有無に関する供述を内容とするもの

7号 被告人の供述録取書等

8号 取調べ状況の記録に関する準則に基づき、検察官、検察事務官又は司法警察職員が職務上作成することを義務付けられている書面であつて、身体の拘束を受けている者の取調べに関し、その年月日、時間、場所その他の取調べの状況を記録したもの(被告人又はその共犯として身体を拘束され若しくは公訴を提起された者であつて第5号イ若しくはロに掲げるものに係るものに限る。

9号 検察官請求証拠 である証拠物の押収手続記録書面(押収手続の記録に関する準則に基づき、検察官、検察事務官又は司法警察職員が職務上作成することを義務付けられている書面であつて、証拠物の押収に関し、その押収者、押収の年月日、押収場所その他の押収の状況を記録したものをいう。次項及び第3項第2号イにおいて同じ。

2項 前項の規定による開示をすべき証拠物の押収手続記録書面(前条第1項又は前項の規定による開示をしたものを除く。)について、被告人又は弁護人から開示の請求があつた場合において、当該証拠物により特定の 検察官請求証拠 の証明力を判断するために当該開示をすることの必要性の程度並びに当該開示によつて生じるおそれのある弊害の内容及び程度を考慮し、相当と認めるときも、同項と同様とする。

3項 被告人又は弁護人は、前2項の開示の請求をするときは、次の各号に掲げる開示の請求の区分に応じ、当該各号に定める事項を明らかにしなければならない。

1号 第1項の開示の請求次に掲げる事項

第1項各号に掲げる証拠の類型及び開示の請求に係る証拠を識別するに足りる事項

事案の内容、特定の 検察官請求証拠 に対応する証明予定事実、開示の請求に係る証拠と当該検察官請求証拠との関係その他の事情に照らし、当該開示の請求に係る証拠が当該検察官請求証拠の証明力を判断するために重要であることその他の被告人の防御の準備のために当該開示が必要である理由

2号 前項の開示の請求次に掲げる事項

開示の請求に係る押収手続記録書面を識別するに足りる事項

第1項の規定による開示をすべき証拠物と特定の 検察官請求証拠 との関係その他の事情に照らし、当該証拠物により当該検察官請求証拠の証明力を判断するために当該開示が必要である理由

316条の16

1項 被告人又は弁護人は、 第316条の13第1項 《検察官は、事件が公判前整理手続に付された…》 ときは、その証明予定事実公判期日において証拠により証明しようとする事実をいう。以下同じ。を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならない。 この場合においては、当該書面に の書面の送付を受け、かつ、 第316条の14第1項 《検察官は、前条第2項の規定により取調べを…》 請求した証拠以下「検察官請求証拠」という。については、速やかに、被告人又は弁護人に対し、次の各号に掲げる証拠の区分に応じ、当該各号に定める方法による開示をしなければならない。 1 証拠書類又は証拠物 並びに前条第1項及び第2項の規定による開示をすべき証拠の開示を受けたときは、 検察官請求証拠 について、 第326条 《 検察官及び被告人が証拠とすることに同意…》 した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条ないし[から〜まで]前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。 被告人が出頭しない の同意をするかどうか又はその取調べの請求に関し異議がないかどうかの意見を明らかにしなければならない。

2項 裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴いた上で、前項の意見を明らかにすべき期限を定めることができる。

316条の17

1項 被告人又は弁護人は、 第316条の13第1項 《検察官は、事件が公判前整理手続に付された…》 ときは、その証明予定事実公判期日において証拠により証明しようとする事実をいう。以下同じ。を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならない。 この場合においては、当該書面に の書面の送付を受け、かつ、 第316条の14第1項 《検察官は、前条第2項の規定により取調べを…》 請求した証拠以下「検察官請求証拠」という。については、速やかに、被告人又は弁護人に対し、次の各号に掲げる証拠の区分に応じ、当該各号に定める方法による開示をしなければならない。 1 証拠書類又は証拠物 並びに 第316条の15第1項 《検察官は、前条第1項の規定による開示をし…》 た証拠以外の証拠であつて、次の各号に掲げる証拠の類型のいずれかに該当し、かつ、特定の検察官請求証拠の証明力を判断するために重要であると認められるものについて、被告人又は弁護人から開示の請求があつた場合 及び第2項の規定による開示をすべき証拠の開示を受けた場合において、その証明予定事実その他の公判期日においてすることを予定している事実上及び法律上の主張があるときは、裁判所及び検察官に対し、これを明らかにしなければならない。この場合においては、 第316条の13第1項 《検察官は、事件が公判前整理手続に付された…》 ときは、その証明予定事実公判期日において証拠により証明しようとする事実をいう。以下同じ。を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならない。 この場合においては、当該書面に 後段の規定を準用する。

2項 被告人又は弁護人は、前項の証明予定事実があるときは、これを証明するために用いる証拠の取調べを請求しなければならない。この場合においては、 第316条の13第3項 《前項の規定により証拠の取調べを請求するに…》 ついては、第299条第1項の規定は適用しない。 の規定を準用する。

3項 裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴いた上で、第1項の主張を明らかにすべき期限及び前項の請求の期限を定めることができる。

316条の18

1項 被告人又は弁護人は、前条第2項の規定により取調べを請求した証拠については、速やかに、検察官に対し、次の各号に掲げる証拠の区分に応じ、当該各号に定める方法による開示をしなければならない。

1号 証拠書類又は証拠物当該証拠書類又は証拠物を閲覧し、かつ、謄写する機会を与えること。

2号 証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人その氏名及び住居を知る機会を与え、かつ、その者の供述録取書等のうち、その者が公判期日において供述すると思料する内容が明らかになるもの(当該供述録取書等が存在しないとき、又はこれを閲覧させることが相当でないと認めるときにあつては、その者が公判期日において供述すると思料する内容の要旨を記載した書面)を閲覧し、かつ、謄写する機会を与えること。

316条の19

1項 検察官は、前条の規定による開示をすべき証拠の開示を受けたときは、 第316条の17第2項 《被告人又は弁護人は、前項の証明予定事実が…》 あるときは、これを証明するために用いる証拠の取調べを請求しなければならない。 この場合においては、第316条の13第3項の規定を準用する。 の規定により被告人又は弁護人が取調べを請求した証拠について、 第326条 《 検察官及び被告人が証拠とすることに同意…》 した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条ないし[から〜まで]前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。 被告人が出頭しない の同意をするかどうか又はその取調べの請求に関し異議がないかどうかの意見を明らかにしなければならない。

2項 裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴いた上で、前項の意見を明らかにすべき期限を定めることができる。

316条の20

1項 検察官は、 第316条の14第1項 《検察官は、前条第2項の規定により取調べを…》 請求した証拠以下「検察官請求証拠」という。については、速やかに、被告人又は弁護人に対し、次の各号に掲げる証拠の区分に応じ、当該各号に定める方法による開示をしなければならない。 1 証拠書類又は証拠物 並びに 第316条の15第1項 《検察官は、前条第1項の規定による開示をし…》 た証拠以外の証拠であつて、次の各号に掲げる証拠の類型のいずれかに該当し、かつ、特定の検察官請求証拠の証明力を判断するために重要であると認められるものについて、被告人又は弁護人から開示の請求があつた場合 及び第2項の規定による開示をした証拠以外の証拠であつて、 第316条の17第1項 《被告人又は弁護人は、第316条の13第1…》 項の書面の送付を受け、かつ、第316条の14第1項並びに第316条の15第1項及び第2項の規定による開示をすべき証拠の開示を受けた場合において、その証明予定事実その他の公判期日においてすることを予定し の主張に関連すると認められるものについて、被告人又は弁護人から開示の請求があつた場合において、その関連性の程度その他の被告人の防御の準備のために当該開示をすることの必要性の程度並びに当該開示によつて生じるおそれのある弊害の内容及び程度を考慮し、相当と認めるときは、速やかに、 第316条の14第1項第1号 《検察官は、前条第2項の規定により取調べを…》 請求した証拠以下「検察官請求証拠」という。については、速やかに、被告人又は弁護人に対し、次の各号に掲げる証拠の区分に応じ、当該各号に定める方法による開示をしなければならない。 1 証拠書類又は証拠物 に定める方法による開示をしなければならない。この場合において、検察官は、必要と認めるときは、開示の時期若しくは方法を指定し、又は条件を付することができる。

2項 被告人又は弁護人は、前項の開示の請求をするときは、次に掲げる事項を明らかにしなければならない。

1号 開示の請求に係る証拠を識別するに足りる事項

2号 第316条の17第1項 《被告人又は弁護人は、第316条の13第1…》 項の書面の送付を受け、かつ、第316条の14第1項並びに第316条の15第1項及び第2項の規定による開示をすべき証拠の開示を受けた場合において、その証明予定事実その他の公判期日においてすることを予定し の主張と開示の請求に係る証拠との関連性その他の被告人の防御の準備のために当該開示が必要である理由

316条の21

1項 検察官は、 第316条の13 《 検察官は、事件が公判前整理手続に付され…》 たときは、その証明予定事実公判期日において証拠により証明しようとする事実をいう。以下同じ。を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならない。 この場合においては、当該書面 から前条まで( 第316条の14第5項 《検察官は、第2項の規定により一覧表の交付…》 をした後、証拠を新たに保管するに至つたときは、速やかに、被告人又は弁護人に対し、当該新たに保管するに至つた証拠の一覧表の交付をしなければならない。 この場合においては、前2項の規定を準用する。 を除く。)に規定する手続が終わつた後、その証明予定事実を追加し又は変更する必要があると認めるときは、速やかに、その追加し又は変更すべき証明予定事実を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならない。この場合においては、 第316条の13第1項 《検察官は、事件が公判前整理手続に付された…》 ときは、その証明予定事実公判期日において証拠により証明しようとする事実をいう。以下同じ。を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならない。 この場合においては、当該書面に 後段の規定を準用する。

2項 検察官は、その証明予定事実を証明するために用いる証拠の取調べの請求を追加する必要があると認めるときは、速やかに、その追加すべき証拠の取調べを請求しなければならない。この場合においては、 第316条の13第3項 《前項の規定により証拠の取調べを請求するに…》 ついては、第299条第1項の規定は適用しない。 の規定を準用する。

3項 裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴いた上で、第1項の書面の提出及び送付並びに前項の請求の期限を定めることができる。

4項 第316条の14第1項 《検察官は、前条第2項の規定により取調べを…》 請求した証拠以下「検察官請求証拠」という。については、速やかに、被告人又は弁護人に対し、次の各号に掲げる証拠の区分に応じ、当該各号に定める方法による開示をしなければならない。 1 証拠書類又は証拠物 第316条 《 地方裁判所において1人の裁判官のした訴…》 訟手続は、被告事件が合議体で審判すべきものであつた場合にも、その効力を失わない。 の十五及び 第316条の16 《 被告人又は弁護人は、第316条の13第…》 1項の書面の送付を受け、かつ、第316条の14第1項並びに前条第1項及び第2項の規定による開示をすべき証拠の開示を受けたときは、検察官請求証拠について、第326条の同意をするかどうか又はその取調べの請 の規定は、第2項の規定により検察官が取調べを請求した証拠についてこれを準用する。

316条の22

1項 被告人又は弁護人は、 第316条の13 《 検察官は、事件が公判前整理手続に付され…》 たときは、その証明予定事実公判期日において証拠により証明しようとする事実をいう。以下同じ。を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならない。 この場合においては、当該書面 から 第316条 《 地方裁判所において1人の裁判官のした訴…》 訟手続は、被告事件が合議体で審判すべきものであつた場合にも、その効力を失わない。 の二十まで( 第316条の14第5項 《検察官は、第2項の規定により一覧表の交付…》 をした後、証拠を新たに保管するに至つたときは、速やかに、被告人又は弁護人に対し、当該新たに保管するに至つた証拠の一覧表の交付をしなければならない。 この場合においては、前2項の規定を準用する。 を除く。)に規定する手続が終わつた後、 第316条の17第1項 《被告人又は弁護人は、第316条の13第1…》 項の書面の送付を受け、かつ、第316条の14第1項並びに第316条の15第1項及び第2項の規定による開示をすべき証拠の開示を受けた場合において、その証明予定事実その他の公判期日においてすることを予定し の主張を追加し又は変更する必要があると認めるときは、速やかに、裁判所及び検察官に対し、その追加し又は変更すべき主張を明らかにしなければならない。この場合においては、 第316条の13第1項 《検察官は、事件が公判前整理手続に付された…》 ときは、その証明予定事実公判期日において証拠により証明しようとする事実をいう。以下同じ。を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならない。 この場合においては、当該書面に 後段の規定を準用する。

2項 被告人又は弁護人は、その証明予定事実を証明するために用いる証拠の取調べの請求を追加する必要があると認めるときは、速やかに、その追加すべき証拠の取調べを請求しなければならない。この場合においては、 第316条の13第3項 《前項の規定により証拠の取調べを請求するに…》 ついては、第299条第1項の規定は適用しない。 の規定を準用する。

3項 裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴いた上で、第1項の主張を明らかにすべき期限及び前項の請求の期限を定めることができる。

4項 第316条 《 地方裁判所において1人の裁判官のした訴…》 訟手続は、被告事件が合議体で審判すべきものであつた場合にも、その効力を失わない。 の十八及び 第316条の19 《 検察官は、前条の規定による開示をすべき…》 証拠の開示を受けたときは、第316条の17第2項の規定により被告人又は弁護人が取調べを請求した証拠について、第326条の同意をするかどうか又はその取調べの請求に関し異議がないかどうかの意見を明らかにし の規定は、第2項の規定により被告人又は弁護人が取調べを請求した証拠についてこれを準用する。

5項 第316条の20 《 検察官は、第316条の14第1項並びに…》 第316条の15第1項及び第2項の規定による開示をした証拠以外の証拠であつて、第316条の17第1項の主張に関連すると認められるものについて、被告人又は弁護人から開示の請求があつた場合において、その関 の規定は、第1項の追加し又は変更すべき主張に関連すると認められる証拠についてこれを準用する。

316条の23

1項 第299条 《 検察官、被告人又は弁護人が証人、鑑定人…》 、通訳人又は翻訳人の尋問を請求するについては、あらかじめ、相手方に対し、その氏名及び住居を知る機会を与えなければならない。 証拠書類又は証拠物の取調を請求するについては、あらかじめ、相手方にこれを閲覧 の二及び 第299条の3 《 検察官は、第299条第1項の規定により…》 証人の氏名及び住居を知る機会を与え又は証拠書類若しくは証拠物を閲覧する機会を与えるに当たり、被害者特定事項が明らかにされることにより、被害者等の名誉若しくは社会生活の平穏が著しく害されるおそれがあると の規定は、検察官又は弁護人がこの目の規定による証拠の開示をする場合についてこれを準用する。

2項 第299条の4 《 検察官は、第299条第1項の規定により…》 証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の氏名及び住居を知る機会を与えるべき場合において、その者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると の規定は、検察官が 第316条の14第1項 《検察官は、前条第2項の規定により取調べを…》 請求した証拠以下「検察官請求証拠」という。については、速やかに、被告人又は弁護人に対し、次の各号に掲げる証拠の区分に応じ、当該各号に定める方法による開示をしなければならない。 1 証拠書類又は証拠物 第316条の21第4項 《第316条の14第1項、第316条の十五…》 及び第316条の16の規定は、第2項の規定により検察官が取調べを請求した証拠についてこれを準用する。 において準用する場合を含む。)の規定による証拠の開示をすべき場合についてこれを準用する。

3項 第299条の5 《 裁判所は、検察官が前条第1項、第3項、…》 第6項又は第8項の規定による措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、決定で、当該措置の全部又は一部を取り消さなければならない。 1 当該措置 から 第299条 《 検察官、被告人又は弁護人が証人、鑑定人…》 、通訳人又は翻訳人の尋問を請求するについては、あらかじめ、相手方に対し、その氏名及び住居を知る機会を与えなければならない。 証拠書類又は証拠物の取調を請求するについては、あらかじめ、相手方にこれを閲覧 の七までの規定は、検察官が前項において準用する 第299条の4第1項 《検察官は、第299条第1項の規定により証…》 人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の氏名及び住居を知る機会を与えるべき場合において、その者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認 から第10項までの規定による措置をとつた場合についてこれを準用する。

316条の24

1項 裁判所は、公判前整理手続を終了するに当たり、検察官及び被告人又は弁護人との間で、事件の争点及び証拠の整理の結果を確認しなければならない。

3目 証拠開示に関する裁定

316条の25

1項 裁判所は、証拠の開示の必要性の程度並びに証拠の開示によつて生じるおそれのある弊害の内容及び程度その他の事情を考慮して、必要と認めるときは、 第316条の14第1項 《検察官は、前条第2項の規定により取調べを…》 請求した証拠以下「検察官請求証拠」という。については、速やかに、被告人又は弁護人に対し、次の各号に掲げる証拠の区分に応じ、当該各号に定める方法による開示をしなければならない。 1 証拠書類又は証拠物 第316条の21第4項 《第316条の14第1項、第316条の十五…》 及び第316条の16の規定は、第2項の規定により検察官が取調べを請求した証拠についてこれを準用する。 において準用する場合を含む。)の規定による開示をすべき証拠については検察官の請求により、 第316条 《 地方裁判所において1人の裁判官のした訴…》 訟手続は、被告事件が合議体で審判すべきものであつた場合にも、その効力を失わない。 の十八( 第316条の22第4項 《第316条の十八及び第316条の19の規…》 定は、第2項の規定により被告人又は弁護人が取調べを請求した証拠についてこれを準用する。 において準用する場合を含む。)の規定による開示をすべき証拠については被告人又は弁護人の請求により、決定で、当該証拠の開示の時期若しくは方法を指定し、又は条件を付することができる。

2項 裁判所は、前項の請求について決定をするときは、相手方の意見を聴かなければならない。

3項 第1項の請求についてした決定に対しては、即時抗告をすることができる。

316条の26

1項 裁判所は、検察官が 第316条の14第1項 《検察官は、前条第2項の規定により取調べを…》 請求した証拠以下「検察官請求証拠」という。については、速やかに、被告人又は弁護人に対し、次の各号に掲げる証拠の区分に応じ、当該各号に定める方法による開示をしなければならない。 1 証拠書類又は証拠物 若しくは 第316条の15第1項 《検察官は、前条第1項の規定による開示をし…》 た証拠以外の証拠であつて、次の各号に掲げる証拠の類型のいずれかに該当し、かつ、特定の検察官請求証拠の証明力を判断するために重要であると認められるものについて、被告人又は弁護人から開示の請求があつた場合 若しくは第2項( 第316条の21第4項 《第316条の14第1項、第316条の十五…》 及び第316条の16の規定は、第2項の規定により検察官が取調べを請求した証拠についてこれを準用する。 においてこれらの規定を準用する場合を含む。)若しくは 第316条の20第1項 《検察官は、第316条の14第1項並びに第…》 316条の15第1項及び第2項の規定による開示をした証拠以外の証拠であつて、第316条の17第1項の主張に関連すると認められるものについて、被告人又は弁護人から開示の請求があつた場合において、その関連 第316条の22第5項 《第316条の20の規定は、第1項の追加し…》 又は変更すべき主張に関連すると認められる証拠についてこれを準用する。 において準用する場合を含む。)の規定による開示をすべき証拠を開示していないと認めるとき、又は被告人若しくは弁護人が 第316条 《 地方裁判所において1人の裁判官のした訴…》 訟手続は、被告事件が合議体で審判すべきものであつた場合にも、その効力を失わない。 の十八( 第316条の22第4項 《第316条の十八及び第316条の19の規…》 定は、第2項の規定により被告人又は弁護人が取調べを請求した証拠についてこれを準用する。 において準用する場合を含む。)の規定による開示をすべき証拠を開示していないと認めるときは、相手方の請求により、決定で、当該証拠の開示を命じなければならない。この場合において、裁判所は、開示の時期若しくは方法を指定し、又は条件を付することができる。

2項 裁判所は、前項の請求について決定をするときは、相手方の意見を聴かなければならない。

3項 第1項の請求についてした決定に対しては、即時抗告をすることができる。

316条の27

1項 裁判所は、 第316条の25第1項 《裁判所は、証拠の開示の必要性の程度並びに…》 証拠の開示によつて生じるおそれのある弊害の内容及び程度その他の事情を考慮して、必要と認めるときは、第316条の14第1項第316条の21第4項において準用する場合を含む。の規定による開示をすべき証拠に 又は前条第1項の請求について決定をするに当たり、必要があると認めるときは、検察官、被告人又は弁護人に対し、当該請求に係る証拠の提示を命ずることができる。この場合においては、裁判所は、何人にも、当該証拠の閲覧又は謄写をさせることができない。

2項 裁判所は、被告人又は弁護人がする前条第1項の請求について決定をするに当たり、必要があると認めるときは、検察官に対し、その保管する証拠であつて、裁判所の指定する範囲に属するものの標目を記載した一覧表の提示を命ずることができる。この場合においては、裁判所は、何人にも、当該一覧表の閲覧又は謄写をさせることができない。

3項 第1項の規定は 第316条の25第3項 《第1項の請求についてした決定に対しては、…》 即時抗告をすることができる。 又は前条第3項の即時抗告が係属する抗告裁判所について、前項の規定は同条第3項の即時抗告が係属する抗告裁判所について、それぞれ準用する。

2款 期日間整理手続

316条の28

1項 裁判所は、審理の経過に鑑み必要と認めるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、第一回公判期日後に、決定で、事件の争点及び証拠を整理するための公判準備として、事件を期日間整理手続に付することができる。

2項 期日間整理手続については、前款( 第316条の2第1項 《裁判所は、充実した公判の審理を継続的、計…》 画的かつ迅速に行うため必要があると認めるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、第一回公判期日前に、決定で、事件の争点及び証拠を整理するための公判準備として、事件を公判前整理手続に 及び 第316条の9第3項 《裁判長は、被告人を出頭させて公判前整理手…》 続をする場合には、被告人が出頭する最初の公判前整理手続期日において、まず、被告人に対し、終始沈黙し、又は個々の質問に対し陳述を拒むことができる旨を告知しなければならない。 を除く。)の規定を準用する。この場合において、検察官、被告人又は弁護人が前項の決定前に取調べを請求している証拠については、期日間整理手続において取調べを請求した証拠とみなし、 第316条の6 《 裁判長は、訴訟関係人を出頭させて公判前…》 整理手続をするときは、公判前整理手続期日を定めなければならない。 公判前整理手続期日は、これを検察官、被告人及び弁護人に通知しなければならない。 裁判長は、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は から 第316条 《 地方裁判所において1人の裁判官のした訴…》 訟手続は、被告事件が合議体で審判すべきものであつた場合にも、その効力を失わない。 の十まで及び 第316条 《 地方裁判所において1人の裁判官のした訴…》 訟手続は、被告事件が合議体で審判すべきものであつた場合にも、その効力を失わない。 の十二中「公判前整理手続期日」とあるのは「期日間整理手続期日」と、同条第2項中「公判前整理手続調書」とあるのは「期日間整理手続調書」と読み替えるものとする。

3款 公判手続の特例

316条の29

1項 公判前整理手続又は期日間整理手続に付された事件を審理する場合には、 第289条第1項 《死刑又は無期若しくは長期3年を超える拘禁…》 刑に当たる事件を審理する場合には、弁護人がなければ開廷することはできない。 に規定する事件に該当しないときであつても、弁護人がなければ開廷することはできない。

316条の30

1項 公判前整理手続に付された事件については、被告人又は弁護人は、証拠により証明すべき事実その他の事実上及び法律上の主張があるときは、 第296条 《 証拠調のはじめに、検察官は、証拠により…》 証明すべき事実を明らかにしなければならない。 但し、証拠とすることができず、又は証拠としてその取調を請求する意思のない資料に基いて、裁判所に事件について偏見又は予断を生ぜしめる虞のある事項を述べること の手続に引き続き、これを明らかにしなければならない。この場合においては、同条ただし書の規定を準用する。

316条の31

1項 公判前整理手続に付された事件については、裁判所は、裁判所の規則の定めるところにより、前条の手続が終わつた後、公判期日において、当該公判前整理手続の結果を明らかにしなければならない。

2項 期日間整理手続に付された事件については、裁判所は、裁判所の規則の定めるところにより、その手続が終わつた後、公判期日において、当該期日間整理手続の結果を明らかにしなければならない。

316条の32

1項 公判前整理手続又は期日間整理手続に付された事件については、検察官及び被告人又は弁護人は、 第298条第1項 《検察官、被告人又は弁護人は、証拠調を請求…》 することができる。 の規定にかかわらず、やむを得ない事由によつて公判前整理手続又は期日間整理手続において請求することができなかつたものを除き、当該公判前整理手続又は期日間整理手続が終わつた後には、証拠調べを請求することができない。

2項 前項の規定は、裁判所が、必要と認めるときに、職権で証拠調べをすることを妨げるものではない。

3節 被害者参加

316条の33

1項 裁判所は、次に掲げる罪に係る被告事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から、被告事件の手続への参加の申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、犯罪の性質、被告人との関係その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、決定で、当該被害者等又は当該被害者の法定代理人の被告事件の手続への参加を許すものとする。

1号 故意の犯罪行為により人を死傷させた罪

2号 刑法 第176条 《不同意わいせつ 次に掲げる行為又は事由…》 その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以第177条 《不同意性交等 前条第1項各号に掲げる行…》 又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは第179条 《監護者わいせつ及び監護者性交等 18歳…》 未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条第1項の例による。 2 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影第211条 《業務上過失致死傷等 業務上必要な注意を…》 怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の拘禁刑又は1,010,000円以下の罰金に処する。 重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。第220条 《逮捕及び監禁 不法に人を逮捕し、又は監…》 禁した者は、3月以上7年以下の拘禁刑に処する。 又は 第224条 《未成年者略取及び誘拐 未成年者を略取し…》 又は誘拐した者は、3月以上7年以下の拘禁刑に処する。 から 第227条 《被略取者引渡し等 第224条、第225…》 又は前3条の罪を犯した者を幇助する目的で、略取され、誘拐され、又は売買された者を引き渡し、収受し、輸送し、蔵匿し、又は隠避させた者は、3月以上5年以下の拘禁刑に処する。 2 第225条の2第1項の罪 までの罪

3号 前号に掲げる罪のほか、その犯罪行為にこれらの罪の犯罪行為を含む罪(第1号に掲げる罪を除く。

4号 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律 2013年法律第86号第4条 《過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱 …》 アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の第5条 《過失運転致死傷 自動車の運転上必要な注…》 意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の拘禁刑又は1,010,000円以下の罰金に処する。 ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。 又は 第6条第3項 《3 第4条の罪を犯した者が、その罪を犯し…》 た時に無免許運転をしたものであるときは、15年以下の拘禁刑に処する。 若しくは第4項の罪

5号 第1号から第3号までに掲げる罪の未遂罪

2項 前項の申出は、あらかじめ、検察官にしなければならない。この場合において、検察官は、意見を付して、これを裁判所に通知するものとする。

3項 裁判所は、第1項の規定により被告事件の手続への参加を許された者(以下「 被害者参加人 」という。)が当該被告事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人に該当せず若しくは該当しなくなつたことが明らかになつたとき、又は 第312条 《 裁判所は、検察官の請求があるときは、公…》 訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。 裁判所は、審理の経過に鑑み適当と認めるときは、訴因又は罰条を追加又は変更すべきことを命 の規定により罰条が撤回若しくは変更されたため当該被告事件が同項各号に掲げる罪に係るものに該当しなくなつたときは、決定で、同項の決定を取り消さなければならない。犯罪の性質、被告人との関係その他の事情を考慮して被告事件の手続への参加を認めることが相当でないと認めるに至つたときも、同様とする。

316条の34

1項 被害者参加人 又はその委託を受けた弁護士は、公判期日に出席することができる。

2項 公判期日は、これを 被害者参加人 に通知しなければならない。

3項 裁判所は、 被害者参加人 又はその委託を受けた弁護士が多数である場合において、必要があると認めるときは、これらの者の全員又はその一部に対し、その中から、公判期日に出席する代表者を選定するよう求めることができる。

4項 裁判所は、審理の状況、 被害者参加人 又はその委託を受けた弁護士の数その他の事情を考慮して、相当でないと認めるときは、公判期日の全部又は一部への出席を許さないことができる。

5項 前各項の規定は、公判準備において証人の尋問又は検証が行われる場合について準用する。

316条の35

1項 被害者参加人 又はその委託を受けた弁護士は、検察官に対し、当該被告事件についてのこの法律の規定による検察官の権限の行使に関し、意見を述べることができる。この場合において、検察官は、当該権限を行使し又は行使しないこととしたときは、必要に応じ、当該意見を述べた者に対し、その理由を説明しなければならない。

316条の36

1項 裁判所は、証人を尋問する場合において、 被害者参加人 又はその委託を受けた弁護士から、その者がその証人を尋問することの申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、審理の状況、申出に係る尋問事項の内容、申出をした者の数その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、情状に関する事項(犯罪事実に関するものを除く。)についての証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、申出をした者がその証人を尋問することを許すものとする。

2項 前項の申出は、検察官の尋問が終わつた後(検察官の尋問がないときは、被告人又は弁護人の尋問が終わつた後)直ちに、尋問事項を明らかにして、検察官にしなければならない。この場合において、検察官は、当該事項について自ら尋問する場合を除き、意見を付して、これを裁判所に通知するものとする。

3項 裁判長は、 第295条第1項 《裁判長は、訴訟関係人のする尋問又は陳述が…》 既にした尋問若しくは陳述と重複するとき、又は事件に関係のない事項にわたるときその他相当でないときは、訴訟関係人の本質的な権利を害しない限り、これを制限することができる。 訴訟関係人の被告人に対する供述 から第4項までに規定する場合のほか、 被害者参加人 又はその委託を受けた弁護士のする尋問が第1項に規定する事項以外の事項にわたるときは、これを制限することができる。

316条の37

1項 裁判所は、 被害者参加人 又はその委託を受けた弁護士から、その者が被告人に対して 第311条第2項 《被告人が任意に供述をする場合には、裁判長…》 は、何時でも必要とする事項につき被告人の供述を求めることができる。 の供述を求めるための質問を発することの申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士がこの法律の規定による意見の陳述をするために必要があると認める場合であつて、審理の状況、申出に係る質問をする事項の内容、申出をした者の数その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、申出をした者が被告人に対してその質問を発することを許すものとする。

2項 前項の申出は、あらかじめ、質問をする事項を明らかにして、検察官にしなければならない。この場合において、検察官は、当該事項について自ら供述を求める場合を除き、意見を付して、これを裁判所に通知するものとする。

3項 裁判長は、 第295条第1項 《裁判長は、訴訟関係人のする尋問又は陳述が…》 既にした尋問若しくは陳述と重複するとき、又は事件に関係のない事項にわたるときその他相当でないときは、訴訟関係人の本質的な権利を害しない限り、これを制限することができる。 訴訟関係人の被告人に対する供述 、第3項及び第4項に規定する場合のほか、 被害者参加人 又はその委託を受けた弁護士のする質問が第1項に規定する意見の陳述をするために必要がある事項に関係のない事項にわたるときは、これを制限することができる。

316条の38

1項 裁判所は、 被害者参加人 又はその委託を受けた弁護士から、事実又は法律の適用について意見を陳述することの申出がある場合において、審理の状況、申出をした者の数その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、公判期日において、 第293条第1項 《証拠調が終つた後、検察官は、事実及び法律…》 の適用について意見を陳述しなければならない。 の規定による検察官の意見の陳述の後に、訴因として特定された事実の範囲内で、申出をした者がその意見を陳述することを許すものとする。

2項 前項の申出は、あらかじめ、陳述する意見の要旨を明らかにして、検察官にしなければならない。この場合において、検察官は、意見を付して、これを裁判所に通知するものとする。

3項 裁判長は、 第295条第1項 《裁判長は、訴訟関係人のする尋問又は陳述が…》 既にした尋問若しくは陳述と重複するとき、又は事件に関係のない事項にわたるときその他相当でないときは、訴訟関係人の本質的な権利を害しない限り、これを制限することができる。 訴訟関係人の被告人に対する供述 、第3項及び第4項に規定する場合のほか、 被害者参加人 又はその委託を受けた弁護士の意見の陳述が第1項に規定する範囲を超えるときは、これを制限することができる。

4項 第1項の規定による陳述は、証拠とはならないものとする。

316条の39

1項 裁判所は、 被害者参加人 第316条の34第1項 《被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は…》 、公判期日に出席することができる。同条第5項において準用する場合を含む。第4項において同じ。)の規定により公判期日又は公判準備に出席する場合において、被害者参加人の年齢、心身の状態その他の事情を考慮し、被害者参加人が著しく不安又は緊張を覚えるおそれがあると認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、その不安又は緊張を緩和するのに適当であり、かつ、裁判官若しくは訴訟関係人の尋問若しくは被告人に対する供述を求める行為若しくは訴訟関係人がする陳述を妨げ、又はその陳述の内容に不当な影響を与えるおそれがないと認める者を、被害者参加人に付き添わせることができる。

2項 前項の規定により 被害者参加人 に付き添うこととされた者は、裁判官若しくは訴訟関係人の尋問若しくは被告人に対する供述を求める行為若しくは訴訟関係人がする陳述を妨げ、又はその陳述の内容に不当な影響を与えるような言動をしてはならない。

3項 裁判所は、第1項の規定により 被害者参加人 に付き添うこととされた者が、裁判官若しくは訴訟関係人の尋問若しくは被告人に対する供述を求める行為若しくは訴訟関係人がする陳述を妨げ、又はその陳述の内容に不当な影響を与えるおそれがあると認めるに至つたときその他その者を被害者参加人に付き添わせることが相当でないと認めるに至つたときは、決定で、同項の決定を取り消すことができる。

4項 裁判所は、 被害者参加人 第316条の34第1項 《被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は…》 、公判期日に出席することができる。 の規定により公判期日又は公判準備に出席する場合において、犯罪の性質、被害者参加人の年齢、心身の状態、被告人との関係その他の事情により、被害者参加人が被告人の面前において在席、尋問、質問又は陳述をするときは圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認める場合であつて、相当と認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、弁護人が出頭している場合に限り、被告人とその被害者参加人との間で、被告人から被害者参加人の状態を認識することができないようにするための措置を採ることができる。

5項 裁判所は、 被害者参加人 第316条の34第1項 《被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は…》 、公判期日に出席することができる。 の規定により公判期日に出席する場合において、犯罪の性質、被害者参加人の年齢、心身の状態、名誉に対する影響その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、傍聴人とその被害者参加人との間で、相互に相手の状態を認識することができないようにするための措置を採ることができる。

4節 証拠

317条

1項 事実の認定は、証拠による。

318条

1項 証拠の証明力は、裁判官の自由な判断に委ねる。

319条

1項 強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は、これを証拠とすることができない。

2項 被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯1の証拠である場合には、有罪とされない。

3項 前2項の自白には、起訴された犯罪について有罪であることを自認する場合を含む。

320条

1項 第321条 《 被告人以外の者が作成した供述書又はその…》 者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。 1 裁判官の面前第157条の6第1項及び第2項に規定する方法による場合を含む。におけ ないし[から〜まで] 第328条 《 第321条ないし[から〜まで]第324…》 条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であつても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。 に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。

2項 第291条の2 《 被告人が、前条第5項の手続に際し、起訴…》 状に記載された訴因について有罪である旨を陳述したときは、裁判所は、検察官、被告人及び弁護人の意見を聴き、有罪である旨の陳述のあつた訴因に限り、簡易公判手続によつて審判をする旨の決定をすることができる。 の決定があつた事件の証拠については、前項の規定は、これを適用しない。但し、検察官、被告人又は弁護人が証拠とすることに異議を述べたものについては、この限りでない。

321条

1項 被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。

1号 裁判官の面前( 第157条の6第1項 《裁判所は、次に掲げる者を証人として尋問す…》 る場合において、相当と認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、裁判官及び訴訟関係人が証人を尋問するために在席する場所以外の場所であつて、同一構内これらの者が在席する場所と同1の構内をいう 及び第2項に規定する方法による場合を含む。)における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異なつた供述をしたとき。

2号 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なつた供述をしたとき。ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。

3号 前2号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。ただし、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。

2項 被告人以外の者の公判準備若しくは公判期日における供述を録取した書面又は裁判所若しくは裁判官の検証の結果を記載した書面は、前項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。

3項 検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第1項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。

4項 鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。

321条の2

1項 被告事件の公判準備若しくは公判期日における手続以外の刑事手続又は他の事件の刑事手続において 第157条の6第1項 《裁判所は、次に掲げる者を証人として尋問す…》 る場合において、相当と認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、裁判官及び訴訟関係人が証人を尋問するために在席する場所以外の場所であつて、同一構内これらの者が在席する場所と同1の構内をいう 又は第2項に規定する方法によりされた証人の尋問及び供述並びにその状況を記録した記録媒体がその一部とされた調書は、前条第1項の規定にかかわらず、証拠とすることができる。この場合において、裁判所は、その調書を取り調べた後、訴訟関係人に対し、その供述者を証人として尋問する機会を与えなければならない。

2項 前項の規定により調書を取り調べる場合においては、 第305条第5項 《第157条の6第4項の規定により記録媒体…》 がその一部とされた調書の取調べについては、第1項又は第2項の規定による朗読に代えて、当該記録媒体を再生するものとする。 ただし、裁判長は、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、当 ただし書の規定は、適用しない。

3項 第1項の規定により取り調べられた調書に記録された証人の供述は、 第295条第1項 《裁判長は、訴訟関係人のする尋問又は陳述が…》 既にした尋問若しくは陳述と重複するとき、又は事件に関係のない事項にわたるときその他相当でないときは、訴訟関係人の本質的な権利を害しない限り、これを制限することができる。 訴訟関係人の被告人に対する供述 前段並びに前条第1項第1号及び第2号の適用については、被告事件の公判期日においてされたものとみなす。

321条の3

1項 第1号に掲げる者の供述及びその状況を録音及び録画を同時に行う方法により記録した記録媒体(その供述がされた聴取の開始から終了に至るまでの間における供述及びその状況を記録したものに限る。)は、その供述が第2号に掲げる措置が特に採られた情況の下にされたものであると認める場合であつて、聴取に至るまでの情況その他の事情を考慮し相当と認めるときは、 第321条第1項 《被告人以外の者が作成した供述書又はその者…》 の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。 1 裁判官の面前第157条の6第1項及び第2項に規定する方法による場合を含む。における の規定にかかわらず、証拠とすることができる。この場合において、裁判所は、その記録媒体を取り調べた後、訴訟関係人に対し、その供述者を証人として尋問する機会を与えなければならない。

1号 次に掲げる者

刑法 第176条 《不同意わいせつ 次に掲げる行為又は事由…》 その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以第177条 《不同意性交等 前条第1項各号に掲げる行…》 又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは第179条 《監護者わいせつ及び監護者性交等 18歳…》 未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条第1項の例による。 2 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影第181条 《不同意わいせつ等致死傷 第176条若し…》 くは第179条第1項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は3年以上の拘禁刑に処する。 2 第177条若しくは第179条第2項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死 若しくは 第182条 《16歳未満の者に対する面会要求等 わい…》 せつの目的で、16歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。は、1年以下の拘禁 の罪、同法第225条若しくは第226条の2第3項の罪(わいせつ又は結婚の目的に係る部分に限る。以下このイにおいて同じ。)、同法第227条第1項(同法第225条又は第226条の2第3項の罪を犯した者を幇助する目的に係る部分に限る。)若しくは第3項(わいせつの目的に係る部分に限る。)の罪若しくは同法第241条第1項若しくは第3項の罪又はこれらの罪の未遂罪の被害者

児童福祉法 第60条第1項 《第34条第1項第6号の規定に違反したとき…》 は、当該違反行為をした者は、10年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 の罪若しくは同法第34条第1項第9号に係る同法第60条第2項の罪、 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律 第4条 《児童買春 児童買春をした者は、5年以下…》 の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 から 第8条 《児童買春等目的人身売買等 児童を児童買…》 春における性交等の相手方とさせ又は第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を描写して児童ポルノを製造する目的で、当該児童を売買した者は、1年以上10年以下の拘禁刑に処する。 2 前項の目的で、外国 までの罪又は 性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律 第2条 《性的姿態等撮影 次の各号のいずれかに掲…》 げる行為をした者は、3年以下の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 1 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等以下「性的姿態等」という。のうち、人が通常衣服を着けている場所にお から 第6条 《性的姿態等影像記録 情を知って、前条第…》 1項各号のいずれかに掲げる行為により影像送信をされた影像を記録した者は、3年以下の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 2 前項の罪の未遂は、罰する。 までの罪の被害者

及びロに掲げる者のほか、犯罪の性質、供述者の年齢、心身の状態、被告人との関係その他の事情により、更に公判準備又は公判期日において供述するときは精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認められる者

2号 次に掲げる措置

供述者の年齢、心身の状態その他の特性に応じ、供述者の不安又は緊張を緩和することその他の供述者が10分な供述をするために必要な措置

供述者の年齢、心身の状態その他の特性に応じ、誘導をできる限り避けることその他の供述の内容に不当な影響を与えないようにするために必要な措置

2項 前項の規定により取り調べられた記録媒体に記録された供述者の供述は、 第295条第1項 《裁判長は、訴訟関係人のする尋問又は陳述が…》 既にした尋問若しくは陳述と重複するとき、又は事件に関係のない事項にわたるときその他相当でないときは、訴訟関係人の本質的な権利を害しない限り、これを制限することができる。 訴訟関係人の被告人に対する供述 前段の規定の適用については、被告事件の公判期日においてされたものとみなす。

322条

1項 被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。但し、被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても、 第319条 《 強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長…》 く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は、これを証拠とすることができない。 被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯1の証拠である場合 の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。

2項 被告人の公判準備又は公判期日における供述を録取した書面は、その供述が任意にされたものであると認めるときに限り、これを証拠とすることができる。

323条

1項 第321条 《 被告人以外の者が作成した供述書又はその…》 者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。 1 裁判官の面前第157条の6第1項及び第2項に規定する方法による場合を含む。におけ から前条までに掲げる書面以外の書面は、次に掲げるものに限り、これを証拠とすることができる。

1号 戸籍謄本、公正証書謄本その他公務員(外国の公務員を含む。)がその職務上証明することができる事実についてその公務員の作成した書面

2号 商業帳簿、航海日誌その他業務の通常の過程において作成された書面

3号 前2号に掲げるもののほか特に信用すべき情況の下に作成された書面

324条

1項 被告人以外の者の公判準備又は公判期日における供述で被告人の供述をその内容とするものについては、 第322条 《 被告人が作成した供述書又は被告人の供述…》 を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができ の規定を準用する。

2項 被告人以外の者の公判準備又は公判期日における供述で被告人以外の者の供述をその内容とするものについては、 第321条第1項第3号 《被告人以外の者が作成した供述書又はその者…》 の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。 1 裁判官の面前第157条の6第1項及び第2項に規定する方法による場合を含む。における の規定を準用する。

325条

1項 裁判所は、 第321条 《 被告人以外の者が作成した供述書又はその…》 者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。 1 裁判官の面前第157条の6第1項及び第2項に規定する方法による場合を含む。におけ から前条までの規定により証拠とすることができる書面又は供述であつても、あらかじめ、その書面に記載された供述又は公判準備若しくは公判期日における供述の内容となつた他の者の供述が任意にされたものかどうかを調査した後でなければ、これを証拠とすることができない。

326条

1項 検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、 第321条 《 被告人以外の者が作成した供述書又はその…》 者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。 1 裁判官の面前第157条の6第1項及び第2項に規定する方法による場合を含む。におけ ないし[から〜まで]前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。

2項 被告人が出頭しないでも証拠調を行うことができる場合において、被告人が出頭しないときは、前項の同意があつたものとみなす。但し、代理人又は弁護人が出頭したときは、この限りでない。

327条

1項 裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人が合意の上、文書の内容又は公判期日に出頭すれば供述することが予想されるその供述の内容を書面に記載して提出したときは、その文書又は供述すべき者を取り調べないでも、その書面を証拠とすることができる。この場合においても、その書面の証明力を争うことを妨げない。

328条

1項 第321条 《 被告人以外の者が作成した供述書又はその…》 者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。 1 裁判官の面前第157条の6第1項及び第2項に規定する方法による場合を含む。におけ ないし[から〜まで] 第324条 《 被告人以外の者の公判準備又は公判期日に…》 おける供述で被告人の供述をその内容とするものについては、第322条の規定を準用する。 被告人以外の者の公判準備又は公判期日における供述で被告人以外の者の供述をその内容とするものについては、第321条第 の規定により証拠とすることができない書面又は供述であつても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。

5節 公判の裁判

329条

1項 被告事件が裁判所の管轄に属しないときは、判決で管轄違の言渡をしなければならない。但し、 第266条第2号 《第266条 裁判所は、第262条第1項の…》 請求を受けたときは、左の区別に従い、決定をしなければならない。 1 請求が法令上の方式に違反し、若しくは請求権の消滅後にされたものであるとき、又は請求が理由のないときは、請求を棄却する。 2 請求が理 の規定により地方裁判所の審判に付された事件については、管轄違の言渡をすることはできない。

330条

1項 高等裁判所は、その特別権限に属する事件として公訴の提起があつた場合において、その事件が下級の裁判所の管轄に属するものと認めるときは、前条の規定にかかわらず、決定で管轄裁判所にこれを移送しなければならない。

331条

1項 裁判所は、被告人の申立がなければ、土地管轄について、管轄違の言渡をすることができない。

2項 管轄違の申立は、被告事件につき証拠調を開始した後は、これをすることができない。

332条

1項 簡易裁判所は、地方裁判所において審判するのを相当と認めるときは、決定で管轄地方裁判所にこれを移送しなければならない。

333条

1項 被告事件について犯罪の証明があつたときは、 第334条 《 被告事件について刑を免除するときは、判…》 決でその旨の言渡をしなければならない。 の場合を除いては、判決で刑の言渡をしなければならない。

2項 刑の執行猶予は、刑の言渡しと同時に、判決でその言渡しをしなければならない。猶予の期間中保護観察に付する場合も、同様とする。

334条

1項 被告事件について刑を免除するときは、判決でその旨の言渡をしなければならない。

335条

1項 有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。

2項 法律上犯罪の成立を妨げる理由又は刑の加重減免の理由となる事実が主張されたときは、これに対する判断を示さなければならない。

336条

1項 被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない。

337条

1項 左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。

1号 確定判決を経たとき。

2号 犯罪後の法令により刑が廃止されたとき。

3号 大赦があつたとき。

4号 時効が完成したとき。

338条

1項 左の場合には、判決で公訴を棄却しなければならない。

1号 被告人に対して裁判権を有しないとき。

2号 第340条 《 公訴の取消による公訴棄却の決定が確定し…》 たときは、公訴の取消後犯罪事実につきあらたに重要な証拠を発見した場合に限り、同一事件について更に公訴を提起することができる。 の規定に違反して公訴が提起されたとき。

3号 公訴の提起があつた事件について、更に同一裁判所に公訴が提起されたとき。

4号 公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるとき。

339条

1項 左の場合には、決定で公訴を棄却しなければならない。

1号 第271条第2項 《公訴の提起があつた日から2箇月以内に起訴…》 状の謄本が送達されないときは、公訴の提起は、さかのぼつてその効力を失う。 の規定により公訴の提起がその効力を失つたとき。

2号 起訴状に記載された事実が真実であつても、何らの罪となるべき事実を包含していないとき。

3号 公訴が取り消されたとき。

4号 被告人が死亡し、又は被告人たる法人が存続しなくなつたとき。

5号 第10条 《 同一事件が事物管轄を異にする数個の裁判…》 所に係属するときは、上級の裁判所が、これを審判する。 上級の裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で管轄権を有する下級の裁判所にその事件を審判させることができる。 又は 第11条 《 同一事件が事物管轄を同じくする数個の裁…》 判所に係属するときは、最初に公訴を受けた裁判所が、これを審判する。 各裁判所に共通する直近上級の裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で後に公訴を受けた裁判所にその事件を審判させることができる。 の規定により審判してはならないとき。

2項 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

340条

1項 公訴の取消による公訴棄却の決定が確定したときは、公訴の取消後犯罪事実につきあらたに重要な証拠を発見した場合に限り、同一事件について更に公訴を提起することができる。

341条

1項 被告人が陳述をせず、許可を受けないで退廷し、又は秩序維持のため裁判長から退廷を命ぜられたときは、その陳述を聴かないで判決をすることができる。

342条

1項 判決は、公判廷において、宣告によりこれを告知する。

342条の2

1項 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。

342条の3

1項 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹は、前条の許可の請求をすることができる。

342条の4

1項 裁判所は、前条の請求があつた場合において、本邦から出国することを許すべき特別の事情があると認めるときは、決定で、国外にいることができる期間を指定して、 第342条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。 の許可をすることができる。ただし、出入国管理及び難民認定法(1951年政令第319号。以下「 入管法 」という。)第40条( 入管法 第44条の4第4項において準用する場合を含む。)に規定する収容令書若しくは入管法第51条に規定する退去強制令書の発付を受けている者又は入管法第44条の2第7項に規定する被監理者については、この限りでない。

2項 裁判所は、前項本文に規定する特別の事情の有無を判断するに当たつては、 第342条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。 の許可がされた場合に拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者が同項の規定により指定する期間内に本邦に帰国せず又は上陸しないこととなるおそれの程度のほか、本邦から出国することができないことによりその者が受ける不利益の程度その他の事情を考慮するものとする。

3項 裁判所は、前条の請求について決定をするときは、検察官の意見を聴かなければならない。

4項 裁判所は、必要と認めるときは、第1項本文の期間を延長することができる。

5項 裁判所は、 第342条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。 の許可を受けた者について、国外にいることができる期間として指定された期間(以下「 指定期間 」という。)の終期まで国外にいる必要がなくなつたと認めるときは、当該 指定期間 を短縮することができる。

342条の5

1項 裁判所は、 第342条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。 の許可をする場合には、帰国等保証金額を定めなければならない。ただし、保釈を許す決定を受けた被告人について、同条の許可をするときは、この限りでない。

2項 帰国等保証金額は、宣告された判決に係る刑名及び刑期、当該判決の宣告を受けた者の性格、生活の本拠及び資産、その者が外国人である場合にあつてはその在留資格( 入管法 第2条の2第1項に規定する在留資格をいう。)の内容その他の事情を考慮して、その者が前条第1項の規定により指定される期間内に本邦に帰国し又は上陸することを保証するに足りる相当な金額でなければならない。

3項 裁判所は、 第342条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。 の許可をする場合には、その許可を受ける者の渡航先を制限し、その他適当と認める条件を付することができる。

342条の6

1項 第342条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。 の許可は、帰国等保証金額が定められたときは、帰国等保証金の納付があつた時にその効力を生ずる。

2項 第94条第2項 《裁判所は、保釈請求者でない者に保証金を納…》 めることを許すことができる。 及び第3項の規定は、帰国等保証金の納付について準用する。この場合において、同条第2項中「保釈請求者」とあるのは「 第342条の3 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹は、前条の許可の請求をすることができる。 の請求をした者」と、同条第3項中「被告人」とあるのは「拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者」と読み替えるものとする。

342条の7

1項 裁判所は、 第342条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。 の許可を受けた者が、 入管法 第40条に規定する収容令書若しくは入管法第51条に規定する退去強制令書の発付又は入管法第44条の2第7項に規定する監理措置決定を受けたときは、決定で、当該許可を取り消さなければならない。

2項 裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、決定で、 第342条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。 の許可を取り消すことができる。

1号 第342条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。 の許可を受けた者が、正当な理由がなく、 指定期間 内に本邦に帰国せず又は上陸しないと疑うに足りる相当な理由があるとき。

2号 第342条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。 の許可を受けた者が渡航先の制限その他裁判所の定めた条件に違反したとき。

3項 前項の規定により 第342条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。 の許可を取り消す場合には、裁判所は、決定で、帰国等保証金( 第94条第1項 《保釈を許す決定は、保証金の納付があつた後…》 でなければ、これを執行することができない。 の保証金が納付されている場合にあつては、当該保証金。次項において同じ。)の全部又は一部を没取することができる。

4項 第342条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。 の許可を受けた者が、正当な理由がなく、 指定期間 内に本邦に帰国せず又は上陸しなかつたときは、裁判所は、検察官の請求により、又は職権で、決定で、帰国等保証金の全部又は一部を没取することができる。

342条の8

1項 裁判所は、拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた被告人が 第342条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。 の許可を受けないで本邦から出国し若しくは出国しようとしたとき、同条の許可を受けた被告人について前条第2項の規定により当該許可が取り消されたとき、又は 第342条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。 の許可を受けた被告人が正当な理由がなく 指定期間 内に本邦に帰国せず若しくは上陸しなかつたときは、検察官の請求により、又は職権で、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める決定をすることができる。

1号 当該被告人について勾留状が発せられていない場合勾留する決定

2号 当該被告人が保釈されている場合保釈を取り消す決定

3号 当該被告人が勾留の執行停止をされている場合勾留の執行停止を取り消す決定

2項 前項(第2号に係る部分に限る。)の規定により保釈を取り消す場合には、裁判所は、決定で、保証金の全部又は一部を没取することができる。

343条

1項 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告があつたときは、保釈又は勾留の執行停止は、その効力を失う。

2項 前項の場合には、新たに保釈又は勾留の執行停止の決定がないときに限り、 第98条 《 保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決…》 定があつたとき、又は勾留の執行停止の期間が満了したときは、検察事務官、司法警察職員又は刑事施設職員は、検察官の指揮により、勾留状の謄本及び保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定の謄本又は期間を指定し 及び 第271条の8第5項 《第1項第2号に係る部分に限る。の規定によ…》 る勾留状に代わるものの交付があつた場合又は第207条の2第2項の規定による勾留状に代わるものの交付があつた場合における第98条の規定の適用については、同条第1項中「勾留状の謄本」とあるのは、「第271 第312条の2第4項 《第271条の3から第271条の八までの規…》 定は、第2項の規定による訴因変更等請求書面抄本等の提出がある場合について準用する。 この場合において、第271条の3第3項中「前条第1項第1号ハ1」とあるのは「第271条の2第1項第1号ハ1」と、第2 において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定を準用する。この場合において、 第271条の8第5項 《第1項第2号に係る部分に限る。の規定によ…》 る勾留状に代わるものの交付があつた場合又は第207条の2第2項の規定による勾留状に代わるものの交付があつた場合における第98条の規定の適用については、同条第1項中「勾留状の謄本」とあるのは、「第271 中「第1項࿸」とあるのは、「 第271条の8第1項 《裁判所第1号及び第4号にあつては裁判長及…》 び合議体の構成員を、第2号及び第3号にあつては第66条第4項の裁判官並びに裁判長及び合議体の構成員を含み、第5号にあつては裁判官とする。は、第271条の2第2項の規定による起訴状抄本等の提出があつた事 ࿸」と読み替えるものとする。

343条の2

1項 検察官は、拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告により保釈又は勾留の執行停止がその効力を失つた場合において、被告人が刑事施設に収容されていないときは、被告人に対し、指定する日時及び場所に出頭することを命ずることができる。

343条の3

1項 前条の規定による命令を受けた被告人が、正当な理由がなく、指定された日時及び場所に出頭しないときは、2年以下の拘禁刑に処する。

344条

1項 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告があつた後は、 第60条第2項 《勾留の期間は、公訴の提起があつた日から2…》 箇月とする。 特に継続の必要がある場合においては、具体的にその理由を附した決定で、1箇月ごとにこれを更新することができる。 但し、第89条第1号、第3号、第4号又は第6号にあたる場合を除いては、更新は ただし書及び 第89条 《 保釈の請求があつたときは、次の場合を除…》 いては、これを許さなければならない。 1 被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の拘禁刑に当たる罪を犯したものであるとき。 2 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える拘禁刑に当たる罪につ の規定は、これを適用しない。

2項 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告があつた後は、 第90条 《 裁判所は、保釈された場合に被告人が逃亡…》 又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情を考慮し、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができ の規定による保釈を許すには、同条に規定する不利益その他の不利益の程度が著しく高い場合でなければならない。ただし、保釈された場合に被告人が逃亡するおそれの程度が高くないと認めるに足りる相当な理由があるときは、この限りでない。

345条

1項 無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶予、公訴棄却( 第338条第4号 《第338条 左の場合には、判決で公訴を棄…》 却しなければならない。 1 被告人に対して裁判権を有しないとき。 2 第340条の規定に違反して公訴が提起されたとき。 3 公訴の提起があつた事件について、更に同一裁判所に公訴が提起されたとき。 4 による場合を除く。)、罰金又は科料の裁判の告知があつたときは、勾留状は、その効力を失う。

345条の2

1項 裁判所は、罰金の裁判(その刑の執行猶予の言渡しをしないものに限る。以下同じ。)の告知を受けた被告人について、当該裁判の確定後に罰金を完納することができないこととなるおそれがあると認めるときは、勾留状を発する場合を除き、検察官の請求により、又は職権で、決定で、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならないことを命ずるものとする。

2項 前項の被告人について、保釈を許し、又は勾留の執行停止をする場合において、罰金の裁判の確定後に罰金を完納することができないこととなるおそれがあると認めるときも、同項と同様とする。

345条の3

1項 第342条の3 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹は、前条の許可の請求をすることができる。 から 第342条 《 判決は、公判廷において、宣告によりこれ…》 を告知する。 の八までの規定は、前条の許可について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

345条の4

1項 裁判所は、 第345条の2 《 裁判所は、罰金の裁判その刑の執行猶予の…》 言渡しをしないものに限る。以下同じ。の告知を受けた被告人について、当該裁判の確定後に罰金を完納することができないこととなるおそれがあると認めるときは、勾留状を発する場合を除き、検察官の請求により、又は の規定による決定の理由がなくなつたと認めるときは、検察官、当該決定を受けた者若しくはその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹の請求により、又は職権で、決定で、当該決定を取り消さなければならない。

2項 裁判所は、検察官の請求による場合を除いて、前項の規定による決定をするときは、あらかじめ、検察官の意見を聴かなければならない。

346条

1項 押収した物について、没収の言渡がないときは、押収を解く言渡があつたものとする。

347条

1項 押収した贓物で被害者に還付すべき理由が明らかなものは、これを被害者に還付する言渡をしなければならない。

2項 贓物の対価として得た物について、被害者から交付の請求があつたときは、前項の例による。

3項 仮に還付した物について、別段の言渡がないときは、還付の言渡があつたものとする。

4項 前3項の規定は、民事訴訟の手続に従い、利害関係人がその権利を主張することを妨げない。

348条

1項 裁判所は、罰金、科料又は追徴を言い渡す場合において、判決の確定を待つてはその執行をすることができず、又はその執行をするのに著しい困難を生ずる虞があると認めるときは、検察官の請求により又は職権で、被告人に対し、仮に罰金、科料又は追徴に相当する金額を納付すべきことを命ずることができる。

2項 仮納付の裁判は、刑の言渡と同時に、判決でその言渡をしなければならない。

3項 仮納付の裁判は、直ちにこれを執行することができる。

349条

1項 刑の執行猶予の言渡しを取り消すべき場合には、検察官は、刑の言渡しを受けた者の現在地又は最後の住所地を管轄する地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所に対しその請求をしなければならない。

2項 刑法 第26条の2第2号 《刑の全部の執行猶予の裁量的取消し 第26…》 条の2 次に掲げる場合においては、刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。 1 猶予の期間内に更に罪を犯し、罰金に処せられたとき。 2 第25条の2第1項の規定により保護観察に付せられた者が 又は 第27条の5第2号 《刑の一部の執行猶予の裁量的取消し 第27…》 条の5 次に掲げる場合においては、刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。 1 猶予の言渡し後に更に罪を犯し、罰金に処せられたとき。 2 第27条の3第1項の規定により保護観察に付せられた者 の規定により刑の執行猶予の言渡しを取り消すべき場合には、前項の請求は、保護観察所の長の申出に基づいてこれをしなければならない。

3項 刑法 第27条第4項 《4 第2項前段の場合において、当該罪につ…》 いて拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないときは、同項後段の規定による刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。 ただし、当該罪が同項前段の猶予の期間の経過後 若しくは第5項又は 第27条の7第4項 《4 第2項前段の場合において、当該罪につ…》 いて拘禁刑以上の刑に処せられたときは、同項後段の規定による刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。 ただし、当該罪が同項前段の猶予の期間の経過後に犯した罪と併合罪として処断された場合にお 若しくは第5項の規定により刑の執行猶予の言渡しを取り消すべき場合には、第1項の請求は、同法第27条第2項前段に規定する刑の全部の執行猶予の期間内又は同法第27条の7第2項前段に規定する刑の一部の執行猶予の言渡し後その猶予の期間を経過するまでに更に犯した罪であつて当該請求の理由に係るものについて罰金以上の刑に処する裁判が確定した日から2箇月を経過した後は、これをすることができない。

349条の2

1項 前条の請求があつたときは、裁判所は、猶予の言渡を受けた者又はその代理人の意見を聴いて決定をしなければならない。

2項 前項の場合において、その請求が 刑法 第26条の2第2号 《刑の全部の執行猶予の裁量的取消し 第26…》 条の2 次に掲げる場合においては、刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。 1 猶予の期間内に更に罪を犯し、罰金に処せられたとき。 2 第25条の2第1項の規定により保護観察に付せられた者が 又は 第27条の5第2号 《刑の一部の執行猶予の裁量的取消し 第27…》 条の5 次に掲げる場合においては、刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。 1 猶予の言渡し後に更に罪を犯し、罰金に処せられたとき。 2 第27条の3第1項の規定により保護観察に付せられた者 の規定による猶予の言渡しの取消しを求めるものであつて、猶予の言渡しを受けた者の請求があるときは、口頭弁論を経なければならない。

3項 第1項の決定をするについて口頭弁論を経る場合には、猶予の言渡を受けた者は、弁護人を選任することができる。

4項 第1項の決定をするについて口頭弁論を経る場合には、検察官は、裁判所の許可を得て、保護観察官に意見を述べさせることができる。

5項 第1項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

350条

1項 刑法 第52条 《一部に大赦があった場合の措置 併合罪に…》 ついて処断された者がその一部の罪につき大赦を受けたときは、他の罪について改めて刑を定める。 の規定により刑を定むべき場合には、検察官は、その犯罪事実について最終の判決をした裁判所にその請求をしなければならない。この場合には、前条第1項及び第5項の規定を準用する。

4章 証拠収集等への協力及び訴追に関する合意 > 1節 合意及び協議の手続

350条の2

1項 検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件(以下単に「他人の刑事事件」という。)について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性の程度その他の事情を考慮して、必要と認めるときは、被疑者又は被告人との間で、被疑者又は被告人が当該他人の刑事事件について一又は二以上の同号に掲げる行為をし、かつ、検察官が被疑者又は被告人の当該事件について一又は二以上の第2号に掲げる行為をすることを内容とする合意をすることができる。

1号 次に掲げる行為

第198条第1項 《検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯…》 罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。 但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。 又は 第223条第1項 《検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯…》 罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者以外の者の出頭を求め、これを取り調べ、又はこれに鑑定、通訳若しくは翻訳を嘱託することができる。 の規定による検察官、検察事務官又は司法警察職員の取調べに際して真実の供述をすること。

証人として尋問を受ける場合において真実の供述をすること。

検察官、検察事務官又は司法警察職員による証拠の収集に関し、証拠の提出その他の必要な協力をすること(及びロに掲げるものを除く。)。

2号 次に掲げる行為

公訴を提起しないこと。

公訴を取り消すこと。

特定の訴因及び罰条により公訴を提起し、又はこれを維持すること。

特定の訴因若しくは罰条の追加若しくは撤回又は特定の訴因若しくは罰条への変更を請求すること。

第293条第1項 《証拠調が終つた後、検察官は、事実及び法律…》 の適用について意見を陳述しなければならない。 の規定による意見の陳述において、被告人に特定の刑を科すべき旨の意見を陳述すること。

即決裁判手続の申立てをすること。

略式命令の請求をすること。

2項 前項に規定する「特定犯罪」とは、次に掲げる罪(死刑又は無期拘禁刑に当たるものを除く。)をいう。

1号 刑法 第96条 《封印等破棄 公務員が施した封印若しくは…》 差押えの表示を損壊し、又はその他の方法によりその封印若しくは差押えの表示に係る命令若しくは処分を無効にした者は、3年以下の拘禁刑若しくは2,510,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 から 第96条 《封印等破棄 公務員が施した封印若しくは…》 差押えの表示を損壊し、又はその他の方法によりその封印若しくは差押えの表示に係る命令若しくは処分を無効にした者は、3年以下の拘禁刑若しくは2,510,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 の六まで若しくは 第155条 《公文書偽造等 行使の目的で、公務所若し…》 くは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは の罪、同条の例により処断すべき罪、同法第157条の罪、同法第158条の罪(同法第155条の罪、同条の例により処断すべき罪又は同法第157条第1項若しくは第2項の罪に係るものに限る。又は同法第159条から 第163条 《 裁判所外で証人を尋問すべきときは、合議…》 体の構成員にこれをさせ、又は証人の現在地の地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。 受託裁判官は、受託の権限を有する他の地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判 の五まで、 第197条 《 捜査については、その目的を達するため必…》 要な取調をすることができる。 但し、強制の処分は、この法律に特別の定のある場合でなければ、これをすることができない。 捜査については、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる から 第197条 《 捜査については、その目的を達するため必…》 要な取調をすることができる。 但し、強制の処分は、この法律に特別の定のある場合でなければ、これをすることができない。 捜査については、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる の四まで、 第198条 《 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、…》 犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。 但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる第246条 《 司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、…》 この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。 但し、検察官が指定した事件については、この限りでない。 から 第250条 《 時効は、人を死亡させた罪であつて拘禁刑…》 に当たるものについては、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。 1 無期拘禁刑に当たる罪については30年 2 長期20年の拘禁刑に当たる罪については20年 3 前2号に掲げる罪以外の罪について まで若しくは 第252条 《 刑法により刑を加重し、又は減軽すべき場…》 合には、加重し、又は減軽しない刑に従つて、第250条の規定を適用する。 から 第254条 《 時効は、当該事件についてした公訴の提起…》 によつてその進行を停止し、管轄違又は公訴棄却の裁判が確定した時からその進行を始める。 共犯の1人に対してした公訴の提起による時効の停止は、他の共犯に対してその効力を有する。 この場合において、停止した までの罪

2号 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律 1999年法律第136号。以下「 組織的犯罪処罰法 」という。第3条第1項第1号 《次の各号に掲げる罪に当たる行為が、団体の…》 活動団体の意思決定に基づく行為であって、その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するものをいう。以下同じ。として、当該罪に当たる行為を実行するための組織により行われたときは、その罪を犯した者は、当該 から第4号まで、第13号若しくは第14号に掲げる罪に係る同条の罪、同項第13号若しくは第14号に掲げる罪に係る同条の罪の未遂罪又は 組織的犯罪処罰法 第10条 《犯罪収益等隠匿 犯罪収益等公衆等脅迫目…》 的の犯罪行為等のための資金等の提供等の処罰に関する法律第3条第1項若しくは第2項前段、第4条第1項又は第5条第1項の罪の未遂罪の犯罪行為日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたと 若しくは 第11条 《犯罪収益等収受 情を知って、犯罪収益等…》 を収受した者は、7年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 ただし、法令上の義務の履行として提供されたものを収受した者又は契約債権者において相当の財産上の利益を の罪

3号 前2号に掲げるもののほか、租税に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(1947年法律第54号又は 金融商品取引法 1948年法律第25号)の罪その他の財政経済関係犯罪として政令で定めるもの

4号 次に掲げる法律の罪

爆発物取締罰則(1884年太政官布告第32号

大麻草の栽培の規制に関する法律 1948年法律第124号

覚醒剤取締法 1951年法律第252号

麻薬及び向精神薬取締法 1953年法律第14号

武器等製造法 1953年法律第145号

あへん法(1954年法律第71号

銃砲刀剣類所持等取締法 1958年法律第6号

国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律 1991年法律第94号

5号 刑法 第103条 《犯人蔵匿等 罰金以上の刑に当たる罪を犯…》 した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、3年以下の拘禁刑又は310,000円以下の罰金に処する。第104条 《証拠隠滅等 他人の刑事事件に関する証拠…》 を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、3年以下の拘禁刑又は310,000円以下の罰金に処する。 若しくは 第105条の2 《証人等威迫 自己若しくは他人の刑事事件…》 の捜査若しくは審判に必要な知識を有すると認められる者又はその親族に対し、当該事件に関して、正当な理由がないのに面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、2年以下の拘禁刑又は310,000円以下の罰金 の罪又は 組織的犯罪処罰法 第7条 《組織的な犯罪に係る犯人蔵匿等 拘禁刑以…》 上の刑が定められている罪に当たる行為が、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われた場合において、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める刑に処する。 1 その罪を犯した者を蔵匿し、又は の罪(同条第1項第1号から第3号までに掲げる者に係るものに限る。)若しくは組織的犯罪処罰法第7条の2の罪(いずれも前各号に掲げる罪を本犯の罪とするものに限る。

3項 第1項の合意には、被疑者若しくは被告人がする同項第1号に掲げる行為又は検察官がする同項第2号に掲げる行為に付随する事項その他の合意の目的を達するため必要な事項をその内容として含めることができる。

350条の3

1項 前条第1項の合意をするには、弁護人の同意がなければならない。

2項 前条第1項の合意は、検察官、被疑者又は被告人及び弁護人が連署した書面により、その内容を明らかにしてするものとする。

350条の4

1項 第350条の2第1項 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 の合意をするため必要な協議は、検察官と被疑者又は被告人及び弁護人との間で行うものとする。ただし、被疑者又は被告人及び弁護人に異議がないときは、協議の一部を弁護人のみとの間で行うことができる。

350条の5

1項 前条の協議において、検察官は、被疑者又は被告人に対し、他人の刑事事件について供述を求めることができる。この場合においては、 第198条第2項 《前項の取調に際しては、被疑者に対し、あら…》 かじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない。 の規定を準用する。

2項 被疑者又は被告人が前条の協議においてした供述は、 第350条の2第1項 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 の合意が成立しなかつたときは、これを証拠とすることができない。

3項 前項の規定は、被疑者又は被告人が当該協議においてした行為が 刑法 第103条 《犯人蔵匿等 罰金以上の刑に当たる罪を犯…》 した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、3年以下の拘禁刑又は310,000円以下の罰金に処する。第104条 《証拠隠滅等 他人の刑事事件に関する証拠…》 を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、3年以下の拘禁刑又は310,000円以下の罰金に処する。 若しくは 第172条 《虚偽告訴等 人に刑事又は懲戒の処分を受…》 けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をした者は、3月以上10年以下の拘禁刑に処する。 の罪又は 組織的犯罪処罰法 第7条第1項第1号 《拘禁刑以上の刑が定められている罪に当たる…》 行為が、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われた場合において、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める刑に処する。 1 その罪を犯した者を蔵匿し、又は隠避させた者 5年以下の拘禁刑又 若しくは第2号に掲げる者に係る同条の罪に当たる場合において、これらの罪に係る事件において用いるときは、これを適用しない。

350条の6

1項 検察官は、司法警察員が送致し若しくは送付した事件又は司法警察員が現に捜査していると認める事件について、その被疑者との間で 第350条の4 《 第350条の2第1項の合意をするため必…》 要な協議は、検察官と被疑者又は被告人及び弁護人との間で行うものとする。 ただし、被疑者又は被告人及び弁護人に異議がないときは、協議の一部を弁護人のみとの間で行うことができる。 の協議を行おうとするときは、あらかじめ、司法警察員と協議しなければならない。

2項 検察官は、 第350条の4 《 第350条の2第1項の合意をするため必…》 要な協議は、検察官と被疑者又は被告人及び弁護人との間で行うものとする。 ただし、被疑者又は被告人及び弁護人に異議がないときは、協議の一部を弁護人のみとの間で行うことができる。 の協議に係る他人の刑事事件について司法警察員が現に捜査していることその他の事情を考慮して、当該他人の刑事事件の捜査のため必要と認めるときは、前条第1項の規定により供述を求めることその他の当該協議における必要な行為を司法警察員にさせることができる。この場合において、司法警察員は、検察官の個別の授権の範囲内で、検察官が 第350条の2第1項 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 の合意の内容とすることを提案する同項第2号に掲げる行為の内容の提示をすることができる。

2節 公判手続の特例

350条の7

1項 検察官は、被疑者との間でした 第350条の2第1項 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 の合意がある場合において、当該合意に係る被疑者の事件について公訴を提起したときは、 第291条 《 検察官は、まず、起訴状を朗読しなければ…》 ならない。 第290条の2第1項又は第3項の決定があつたときは、前項の起訴状の朗読は、被害者特定事項を明らかにしない方法でこれを行うものとする。 この場合においては、検察官は、被告人に起訴状を示さなけ の手続が終わつた後(事件が公判前整理手続に付された場合にあつては、その時後)遅滞なく、証拠として 第350条の3第2項 《前条第1項の合意は、検察官、被疑者又は被…》 告人及び弁護人が連署した書面により、その内容を明らかにしてするものとする。 の書面(以下「 合意内容書面 」という。)の取調べを請求しなければならない。被告事件について、公訴の提起後に被告人との間で 第350条の2第1項 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 の合意をしたときも、同様とする。

2項 前項の規定により 合意内容書面 の取調べを請求する場合において、当該合意の当事者が 第350条の10第2項 《前項の規定による離脱は、その理由を記載し…》 た書面により、当該離脱に係る合意の相手方に対し、当該合意から離脱する旨の告知をして行うものとする。 の規定により当該合意から離脱する旨の告知をしているときは、検察官は、あわせて、同項の書面の取調べを請求しなければならない。

3項 第1項の規定により 合意内容書面 の取調べを請求した後に、当該合意の当事者が 第350条の10第2項 《前項の規定による離脱は、その理由を記載し…》 た書面により、当該離脱に係る合意の相手方に対し、当該合意から離脱する旨の告知をして行うものとする。 の規定により当該合意から離脱する旨の告知をしたときは、検察官は、遅滞なく、同項の書面の取調べを請求しなければならない。

350条の8

1項 被告人以外の者の供述録取書等であつて、その者が 第350条の2第1項 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 の合意に基づいて作成したもの又は同項の合意に基づいてされた供述を録取し若しくは記録したものについて、検察官、被告人若しくは弁護人が取調べを請求し、又は裁判所が職権でこれを取り調べることとしたときは、検察官は、遅滞なく、 合意内容書面 の取調べを請求しなければならない。この場合においては、前条第2項及び第3項の規定を準用する。

350条の9

1項 検察官、被告人若しくは弁護人が証人尋問を請求し、又は裁判所が職権で証人尋問を行うこととした場合において、その証人となるべき者との間で当該証人尋問についてした 第350条の2第1項 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 の合意があるときは、検察官は、遅滞なく、 合意内容書面 の取調べを請求しなければならない。この場合においては、 第350条の7第3項 《第1項の規定により合意内容書面の取調べを…》 請求した後に、当該合意の当事者が第350条の10第2項の規定により当該合意から離脱する旨の告知をしたときは、検察官は、遅滞なく、同項の書面の取調べを請求しなければならない。 の規定を準用する。

3節 合意の終了

350条の10

1項 次の各号に掲げる事由があるときは、当該各号に定める者は、 第350条の2第1項 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 の合意から離脱することができる。

1号 第350条の2第1項 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 の合意の当事者が当該合意に違反したときその相手方

2号 次に掲げる事由被告人

検察官が 第350条の2第1項第2号 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 ニに係る同項の合意に基づいて訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を請求した場合において、裁判所がこれを許さなかつたとき。

検察官が 第350条の2第1項第2号 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 ホに係る同項の合意に基づいて 第293条第1項 《証拠調が終つた後、検察官は、事実及び法律…》 の適用について意見を陳述しなければならない。 の規定による意見の陳述において被告人に特定の刑を科すべき旨の意見を陳述した事件について、裁判所がその刑より重い刑の言渡しをしたとき。

検察官が 第350条の2第1項第2号 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 ヘに係る同項の合意に基づいて即決裁判手続の申立てをした事件について、裁判所がこれを却下する決定( 第350条の22第3号 《第350条の22 裁判所は、即決裁判手続…》 の申立てがあつた事件について、第291条第5項の手続に際し、被告人が起訴状に記載された訴因について有罪である旨の陳述をしたときは、次に掲げる場合を除き、即決裁判手続によつて審判をする旨の決定をしなけれ 又は第4号に掲げる場合に該当することを理由とするものに限る。)をし、又は 第350条の25第1項第3号 《裁判所は、第350条の22の決定があつた…》 事件について、次の各号のいずれかに該当することとなつた場合には、当該決定を取り消さなければならない。 1 判決の言渡し前に、被告人又は弁護人が即決裁判手続によることについての同意を撤回したとき。 2 若しくは第4号に該当すること(同号については、被告人が起訴状に記載された訴因について有罪である旨の陳述と相反するか又は実質的に異なつた供述をしたことにより同号に該当する場合を除く。)となつたことを理由として 第350条の22 《 裁判所は、即決裁判手続の申立てがあつた…》 事件について、第291条第5項の手続に際し、被告人が起訴状に記載された訴因について有罪である旨の陳述をしたときは、次に掲げる場合を除き、即決裁判手続によつて審判をする旨の決定をしなければならない。 1 の決定を取り消したとき。

検察官が 第350条の2第1項第2号 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 トに係る同項の合意に基づいて略式命令の請求をした事件について、裁判所が 第463条第1項 《第462条の請求があつた場合において、そ…》 の事件が略式命令をすることができないものであり、又はこれをすることが相当でないものであると思料するときは、通常の規定に従い、審判をしなければならない。 若しくは第2項の規定により通常の規定に従い審判をすることとし、又は検察官が 第465条第1項 《略式命令を受けた者又は検察官は、その告知…》 を受けた日から14日以内に正式裁判の請求をすることができる。 の規定により正式裁判の請求をしたとき。

3号 次に掲げる事由検察官

被疑者又は被告人が 第350条の4 《 第350条の2第1項の合意をするため必…》 要な協議は、検察官と被疑者又は被告人及び弁護人との間で行うものとする。 ただし、被疑者又は被告人及び弁護人に異議がないときは、協議の一部を弁護人のみとの間で行うことができる。 の協議においてした他人の刑事事件についての供述の内容が真実でないことが明らかになつたとき。

第1号に掲げるもののほか、被疑者若しくは被告人が 第350条の2第1項 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 の合意に基づいてした供述の内容が真実でないこと又は被疑者若しくは被告人が同項の合意に基づいて提出した証拠が偽造若しくは変造されたものであることが明らかになつたとき。

2項 前項の規定による離脱は、その理由を記載した書面により、当該離脱に係る合意の相手方に対し、当該合意から離脱する旨の告知をして行うものとする。

350条の11

1項 検察官が 第350条の2第1項第2号 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 イに係る同項の合意に基づいて公訴を提起しない処分をした事件について、 検察審査会法 第39条の5第1項第1号 《検察審査会は、検察官の公訴を提起しない処…》 分の当否に関し、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める議決をするものとする。 1 起訴を相当と認めるとき 起訴を相当とする議決 2 前号に掲げる場合を除き、公訴を提起しない処分を不当と認めるとき 若しくは第2号の議決又は同法第41条の6第1項の起訴議決があつたときは、当該合意は、その効力を失う。

350条の12

1項 前条の場合には、当該議決に係る事件について公訴が提起されたときにおいても、被告人が 第350条の4 《 第350条の2第1項の合意をするため必…》 要な協議は、検察官と被疑者又は被告人及び弁護人との間で行うものとする。 ただし、被疑者又は被告人及び弁護人に異議がないときは、協議の一部を弁護人のみとの間で行うことができる。 の協議においてした供述及び当該合意に基づいてした被告人の行為により得られた証拠並びにこれらに基づいて得られた証拠は、当該被告人の刑事事件において、これらを証拠とすることができない。

2項 前項の規定は、次に掲げる場合には、これを適用しない。

1号 前条に規定する議決の前に被告人がした行為が、当該合意に違反するものであつたことが明らかになり、又は 第350条の10第1項第3号 《次の各号に掲げる事由があるときは、当該各…》 号に定める者は、第350条の2第1項の合意から離脱することができる。 1 第350条の2第1項の合意の当事者が当該合意に違反したとき その相手方 2 次に掲げる事由 被告人 イ 検察官が第350条の2 イ若しくはロに掲げる事由に該当することとなつたとき。

2号 被告人が当該合意に基づくものとしてした行為又は当該協議においてした行為が 第350条の15第1項 《第350条の2第1項の合意に違反して、検…》 察官、検察事務官又は司法警察職員に対し、虚偽の供述をし又は偽造若しくは変造の証拠を提出した者は、5年以下の拘禁刑に処する。 の罪、 刑法 第103条 《犯人蔵匿等 罰金以上の刑に当たる罪を犯…》 した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、3年以下の拘禁刑又は310,000円以下の罰金に処する。第104条 《証拠隠滅等 他人の刑事事件に関する証拠…》 を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、3年以下の拘禁刑又は310,000円以下の罰金に処する。第169条 《偽証 法律により宣誓した証人が虚偽の陳…》 述をしたときは、3月以上10年以下の拘禁刑に処する。 若しくは 第172条 《虚偽告訴等 人に刑事又は懲戒の処分を受…》 けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をした者は、3月以上10年以下の拘禁刑に処する。 の罪又は 組織的犯罪処罰法 第7条第1項第1号 《拘禁刑以上の刑が定められている罪に当たる…》 行為が、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われた場合において、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める刑に処する。 1 その罪を犯した者を蔵匿し、又は隠避させた者 5年以下の拘禁刑又 若しくは第2号に掲げる者に係る同条の罪に当たる場合において、これらの罪に係る事件において用いるとき。

3号 証拠とすることについて被告人に異議がないとき。

4節 合意の履行の確保

350条の13

1項 検察官が 第350条の2第1項第2号 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 イからニまで、ヘ又はトに係る同項の合意(同号ハに係るものについては、特定の訴因及び罰条により公訴を提起する旨のものに限る。)に違反して、公訴を提起し、公訴を取り消さず、異なる訴因及び罰条により公訴を提起し、訴因若しくは罰条の追加、撤回若しくは変更を請求することなく若しくは異なる訴因若しくは罰条の追加若しくは撤回若しくは異なる訴因若しくは罰条への変更を請求して公訴を維持し、又は即決裁判手続の申立て若しくは略式命令の請求を同時にすることなく公訴を提起したときは、判決で当該公訴を棄却しなければならない。

2項 検察官が 第350条の2第1項第2号 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 ハに係る同項の合意(特定の訴因及び罰条により公訴を維持する旨のものに限る。)に違反して訴因又は罰条の追加又は変更を請求したときは、裁判所は、 第312条第1項 《裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴…》 事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。 の規定にかかわらず、これを許してはならない。

350条の14

1項 検察官が 第350条の2第1項 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 の合意に違反したときは、被告人が 第350条の4 《 第350条の2第1項の合意をするため必…》 要な協議は、検察官と被疑者又は被告人及び弁護人との間で行うものとする。 ただし、被疑者又は被告人及び弁護人に異議がないときは、協議の一部を弁護人のみとの間で行うことができる。 の協議においてした供述及び当該合意に基づいてした被告人の行為により得られた証拠は、これらを証拠とすることができない。

2項 前項の規定は、当該被告人の刑事事件の証拠とすることについて当該被告人に異議がない場合及び当該被告人以外の者の刑事事件の証拠とすることについてその者に異議がない場合には、これを適用しない。

350条の15

1項 第350条の2第1項 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 の合意に違反して、検察官、検察事務官又は司法警察職員に対し、虚偽の供述をし又は偽造若しくは変造の証拠を提出した者は、5年以下の拘禁刑に処する。

2項 前項の罪を犯した者が、当該合意に係る他人の刑事事件の裁判が確定する前であつて、かつ、当該合意に係る自己の刑事事件の裁判が確定する前に自白したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。

5章 即決裁判手続 > 1節 即決裁判手続の申立て

350条の16

1項 検察官は、公訴を提起しようとする事件について、事案が明白であり、かつ、軽微であること、証拠調べが速やかに終わると見込まれることその他の事情を考慮し、相当と認めるときは、公訴の提起と同時に、書面により即決裁判手続の申立てをすることができる。ただし、死刑又は無期若しくは短期1年以上の拘禁刑に当たる事件については、この限りでない。

2項 前項の申立ては、即決裁判手続によることについての被疑者の同意がなければ、これをすることができない。

3項 検察官は、被疑者に対し、前項の同意をするかどうかの確認を求めるときは、これを書面でしなければならない。この場合において、検察官は、被疑者に対し、即決裁判手続を理解させるために必要な事項(被疑者に弁護人がないときは、次条の規定により弁護人を選任することができる旨を含む。)を説明し、通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げなければならない。

4項 被疑者に弁護人がある場合には、第1項の申立ては、被疑者が第2項の同意をするほか、弁護人が即決裁判手続によることについて同意をし又はその意見を留保しているときに限り、これをすることができる。

5項 被疑者が第2項の同意をし、及び弁護人が前項の同意をし又はその意見を留保するときは、書面でその旨を明らかにしなければならない。

6項 第1項の書面には、前項の書面を添付しなければならない。

350条の17

1項 前条第3項の確認を求められた被疑者が即決裁判手続によることについて同意をするかどうかを明らかにしようとする場合において、被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判官は、その請求により、被疑者のため弁護人を付さなければならない。ただし、被疑者以外の者が選任した弁護人がある場合は、この限りでない。

2項 第37条の3 《 前条第1項の請求をするには、資力申告書…》 を提出しなければならない。 その資力が基準額以上である被疑者が前条第1項の請求をするには、あらかじめ、その勾留の請求を受けた裁判官の所属する裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内に在る弁護士会 の規定は、前項の請求をする場合についてこれを準用する。

2節 公判準備及び公判手続の特例

350条の18

1項 即決裁判手続の申立てがあつた場合において、被告人に弁護人がないときは、裁判長は、できる限り速やかに、職権で弁護人を付さなければならない。

350条の19

1項 検察官は、即決裁判手続の申立てをした事件について、被告人又は弁護人に対し、 第299条第1項 《検察官、被告人又は弁護人が証人、鑑定人、…》 通訳人又は翻訳人の尋問を請求するについては、あらかじめ、相手方に対し、その氏名及び住居を知る機会を与えなければならない。 証拠書類又は証拠物の取調を請求するについては、あらかじめ、相手方にこれを閲覧す の規定により証拠書類を閲覧する機会その他の同項に規定する機会を与えるべき場合には、できる限り速やかに、その機会を与えなければならない。

350条の20

1項 裁判所は、即決裁判手続の申立てがあつた事件について、弁護人が即決裁判手続によることについてその意見を留保しているとき、又は即決裁判手続の申立てがあつた後に弁護人が選任されたときは、弁護人に対し、できる限り速やかに、即決裁判手続によることについて同意をするかどうかの確認を求めなければならない。

2項 弁護人は、前項の同意をするときは、書面でその旨を明らかにしなければならない。

350条の21

1項 裁判長は、即決裁判手続の申立てがあつたときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴いた上で、その申立て後(前条第1項に規定する場合においては、同項の同意があつた後)、できる限り早い時期の公判期日を定めなければならない。

350条の22

1項 裁判所は、即決裁判手続の申立てがあつた事件について、 第291条第5項 《裁判長は、第1項の起訴状の朗読が終わつた…》 後、被告人に対し、終始沈黙し、又は個々の質問に対し陳述を拒むことができる旨その他裁判所の規則で定める被告人の権利を保護するため必要な事項を告げた上、被告人及び弁護人に対し、被告事件について陳述する機会 の手続に際し、被告人が起訴状に記載された訴因について有罪である旨の陳述をしたときは、次に掲げる場合を除き、即決裁判手続によつて審判をする旨の決定をしなければならない。

1号 第350条の16第2項 《前項の申立ては、即決裁判手続によることに…》 ついての被疑者の同意がなければ、これをすることができない。 又は第4項の同意が撤回されたとき。

2号 第350条の20第1項 《裁判所は、即決裁判手続の申立てがあつた事…》 件について、弁護人が即決裁判手続によることについてその意見を留保しているとき、又は即決裁判手続の申立てがあつた後に弁護人が選任されたときは、弁護人に対し、できる限り速やかに、即決裁判手続によることにつ に規定する場合において、同項の同意がされなかつたとき、又はその同意が撤回されたとき。

3号 前2号に掲げるもののほか、当該事件が即決裁判手続によることができないものであると認めるとき。

4号 当該事件が即決裁判手続によることが相当でないものであると認めるとき。

350条の23

1項 前条の手続を行う公判期日及び即決裁判手続による公判期日については、弁護人がないときは、これを開くことができない。

350条の24

1項 第350条の22 《 裁判所は、即決裁判手続の申立てがあつた…》 事件について、第291条第5項の手続に際し、被告人が起訴状に記載された訴因について有罪である旨の陳述をしたときは、次に掲げる場合を除き、即決裁判手続によつて審判をする旨の決定をしなければならない。 1 の決定のための審理及び即決裁判手続による審判については、 第284条 《 510,000円刑法、暴力行為等処罰に…》 関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、60,000円以下の罰金又は科料に当たる事件については、被告人は、公判期日に出頭することを要しない。 ただし、被告人は、代第285条 《 拘留に当たる事件の被告人は、判決の宣告…》 をする場合には、公判期日に出頭しなければならない。 その他の場合には、裁判所は、被告人の出頭がその権利の保護のため重要でないと認めるときは、被告人に対し公判期日に出頭しないことを許すことができる。第296条 《 証拠調のはじめに、検察官は、証拠により…》 証明すべき事実を明らかにしなければならない。 但し、証拠とすることができず、又は証拠としてその取調を請求する意思のない資料に基いて、裁判所に事件について偏見又は予断を生ぜしめる虞のある事項を述べること第297条 《 裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の…》 意見を聴き、証拠調の範囲、順序及び方法を定めることができる。 前項の手続は、合議体の構成員にこれをさせることができる。 裁判所は、適当と認めるときは、何時でも、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、第300条 《 第321条第1項第2号後段の規定により…》 証拠とすることができる書面については、検察官は、必ずその取調を請求しなければならない。 から 第302条 《 第321条ないし[から〜まで]第323…》 又は第326条の規定により証拠とすることができる書面が捜査記録の一部であるときは、検察官は、できる限り他の部分と分離してその取調を請求しなければならない。 まで及び 第304条 《 証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人は、裁判…》 又は陪席の裁判官が、まず、これを尋問する。 検察官、被告人又は弁護人は、前項の尋問が終つた後、裁判長に告げて、その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人を尋問することができる。 この場合において、その証人、 から 第307条 《 証拠物中書面の意義が証拠となるものの取…》 調をするについては、前条の規定による外、第305条の規定による。 までの規定は、これを適用しない。

2項 即決裁判手続による証拠調べは、公判期日において、適当と認める方法でこれを行うことができる。

350条の25

1項 裁判所は、 第350条の22 《 裁判所は、即決裁判手続の申立てがあつた…》 事件について、第291条第5項の手続に際し、被告人が起訴状に記載された訴因について有罪である旨の陳述をしたときは、次に掲げる場合を除き、即決裁判手続によつて審判をする旨の決定をしなければならない。 1 の決定があつた事件について、次の各号のいずれかに該当することとなつた場合には、当該決定を取り消さなければならない。

1号 判決の言渡し前に、被告人又は弁護人が即決裁判手続によることについての同意を撤回したとき。

2号 判決の言渡し前に、被告人が起訴状に記載された訴因について有罪である旨の陳述を撤回したとき。

3号 前2号に掲げるもののほか、当該事件が即決裁判手続によることができないものであると認めるとき。

4号 当該事件が即決裁判手続によることが相当でないものであると認めるとき。

2項 前項の規定により 第350条の22 《 裁判所は、即決裁判手続の申立てがあつた…》 事件について、第291条第5項の手続に際し、被告人が起訴状に記載された訴因について有罪である旨の陳述をしたときは、次に掲げる場合を除き、即決裁判手続によつて審判をする旨の決定をしなければならない。 1 の決定が取り消されたときは、公判手続を更新しなければならない。ただし、検察官及び被告人又は弁護人に異議がないときは、この限りでない。

350条の26

1項 即決裁判手続の申立てを却下する決定( 第350条の22第3号 《第350条の22 裁判所は、即決裁判手続…》 の申立てがあつた事件について、第291条第5項の手続に際し、被告人が起訴状に記載された訴因について有罪である旨の陳述をしたときは、次に掲げる場合を除き、即決裁判手続によつて審判をする旨の決定をしなけれ 又は第4号に掲げる場合に該当することを理由とするものを除く。)があつた事件について、当該決定後、証拠調べが行われることなく公訴が取り消された場合において、公訴の取消しによる公訴棄却の決定が確定したときは、 第340条 《 公訴の取消による公訴棄却の決定が確定し…》 たときは、公訴の取消後犯罪事実につきあらたに重要な証拠を発見した場合に限り、同一事件について更に公訴を提起することができる。 の規定にかかわらず、同一事件について更に公訴を提起することができる。前条第1項第1号、第2号又は第4号のいずれかに該当すること(同号については、被告人が起訴状に記載された訴因について有罪である旨の陳述と相反するか又は実質的に異なつた供述をしたことにより同号に該当する場合に限る。)となつたことを理由として 第350条の22 《 裁判所は、即決裁判手続の申立てがあつた…》 事件について、第291条第5項の手続に際し、被告人が起訴状に記載された訴因について有罪である旨の陳述をしたときは、次に掲げる場合を除き、即決裁判手続によつて審判をする旨の決定をしなければならない。 1 の決定が取り消された事件について、当該取消しの決定後、証拠調べが行われることなく公訴が取り消された場合において、公訴の取消しによる公訴棄却の決定が確定したときも、同様とする。

3節 証拠の特例

350条の27

1項 第350条の22 《 裁判所は、即決裁判手続の申立てがあつた…》 事件について、第291条第5項の手続に際し、被告人が起訴状に記載された訴因について有罪である旨の陳述をしたときは、次に掲げる場合を除き、即決裁判手続によつて審判をする旨の決定をしなければならない。 1 の決定があつた事件の証拠については、 第320条第1項 《第321条ないし[から〜まで]第328条…》 に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。 の規定は、これを適用しない。ただし、検察官、被告人又は弁護人が証拠とすることに異議を述べたものについては、この限りでない。

4節 公判の裁判の特例

350条の28

1項 裁判所は、 第350条の22 《 裁判所は、即決裁判手続の申立てがあつた…》 事件について、第291条第5項の手続に際し、被告人が起訴状に記載された訴因について有罪である旨の陳述をしたときは、次に掲げる場合を除き、即決裁判手続によつて審判をする旨の決定をしなければならない。 1 の決定があつた事件については、できる限り、即日判決の言渡しをしなければならない。

350条の29

1項 即決裁判手続において拘禁刑の言渡しをする場合には、その刑の全部の執行猶予の言渡しをしなければならない。

3編 上訴 > 1章 通則

351条

1項 検察官又は被告人は、上訴をすることができる。

2項 第266条第2号 《第266条 裁判所は、第262条第1項の…》 請求を受けたときは、左の区別に従い、決定をしなければならない。 1 請求が法令上の方式に違反し、若しくは請求権の消滅後にされたものであるとき、又は請求が理由のないときは、請求を棄却する。 2 請求が理 の規定により裁判所の審判に付された事件と他の事件とが併合して審判され、1個の裁判があつた場合には、 第268条第2項 《前項の指定を受けた弁護士は、事件について…》 公訴を維持するため、裁判の確定に至るまで検察官の職務を行う。 但し、検察事務官及び司法警察職員に対する捜査の指揮は、検察官に嘱託してこれをしなければならない。 の規定により検察官の職務を行う弁護士及び当該他の事件の検察官は、その裁判に対し各々独立して上訴をすることができる。

352条

1項 検察官又は被告人以外の者で決定を受けたものは、抗告をすることができる。

353条

1項 被告人の法定代理人又は保佐人は、被告人のため上訴をすることができる。

354条

1項 勾留に対しては、勾留の理由の開示があつたときは、その開示の請求をした者も、被告人のため上訴をすることができる。その上訴を棄却する決定に対しても、同様である。

355条

1項 原審における代理人又は弁護人は、被告人のため上訴をすることができる。

356条

1項 前3条の上訴は、被告人の明示した意思に反してこれをすることができない。

357条

1項 上訴は、裁判の一部に対してこれをすることができる。部分を限らないで上訴をしたときは、裁判の全部に対してしたものとみなす。

358条

1項 上訴の提起期間は、裁判が告知された日から進行する。

359条

1項 検察官、被告人又は 第352条 《 検察官又は被告人以外の者で決定を受けた…》 ものは、抗告をすることができる。 に規定する者は、上訴の放棄又は取下をすることができる。

360条

1項 第353条 《 被告人の法定代理人又は保佐人は、被告人…》 のため上訴をすることができる。 又は 第354条 《 勾留に対しては、勾留の理由の開示があつ…》 たときは、その開示の請求をした者も、被告人のため上訴をすることができる。 その上訴を棄却する決定に対しても、同様である。 に規定する者は、書面による被告人の同意を得て、上訴の放棄又は取下をすることができる。

360条の2

1項 死刑又は無期拘禁刑に処する判決に対する上訴は、前2条の規定にかかわらず、これを放棄することができない。

360条の3

1項 上訴放棄の申立は、書面でこれをしなければならない。

361条

1項 上訴の放棄又は取下をした者は、その事件について更に上訴をすることができない。上訴の放棄又は取下に同意をした被告人も、同様である。

362条

1項 第351条 《 検察官又は被告人は、上訴をすることがで…》 きる。 第266条第2号の規定により裁判所の審判に付された事件と他の事件とが併合して審判され、1個の裁判があつた場合には、第268条第2項の規定により検察官の職務を行う弁護士及び当該他の事件の検察官は ないし[から〜まで] 第355条 《 原審における代理人又は弁護人は、被告人…》 のため上訴をすることができる。 の規定により上訴をすることができる者は、自己又は代人の責に帰することができない事由によつて上訴の提起期間内に上訴をすることができなかつたときは、原裁判所に上訴権回復の請求をすることができる。

363条

1項 上訴権回復の請求は、事由が止んだ日から上訴の提起期間に相当する期間内にこれをしなければならない。

2項 上訴権回復の請求をする者は、その請求と同時に上訴の申立をしなければならない。

364条

1項 上訴権回復の請求についてした決定に対しては、即時抗告をすることができる。

365条

1項 上訴権回復の請求があつたときは、原裁判所は、前条の決定をするまで裁判の執行を停止する決定をすることができる。この場合には、被告人に対し勾留状を発することができる。

366条

1項 刑事施設にいる被告人が上訴の提起期間内に上訴の申立書を刑事施設の長又はその代理者に差し出したときは、上訴の提起期間内に上訴をしたものとみなす。

2項 被告人が自ら申立書を作ることができないときは、刑事施設の長又はその代理者は、これを代書し、又は所属の職員にこれをさせなければならない。

367条

1項 前条の規定は、刑事施設にいる被告人が上訴の放棄若しくは取下げ又は上訴権回復の請求をする場合にこれを準用する。

368条から371条まで

1項 削除

2章 控訴

372条

1項 控訴は、地方裁判所又は簡易裁判所がした第一審の判決に対してこれをすることができる。

373条

1項 控訴の提起期間は、14日とする。

374条

1項 控訴をするには、申立書を第一審裁判所に差し出さなければならない。

375条

1項 控訴の申立が明らかに控訴権の消滅後にされたものであるときは、第一審裁判所は、決定でこれを棄却しなければならない。この決定に対しては、即時抗告をすることができる。

376条

1項 控訴申立人は、裁判所の規則で定める期間内に控訴趣意書を控訴裁判所に差し出さなければならない。

2項 控訴趣意書には、この法律又は裁判所の規則の定めるところにより、必要な疎明資料又は検察官若しくは弁護人の保証書を添附しなければならない。

377条

1項 左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることの充分な証明をすることができる旨の検察官又は弁護人の保証書を添附しなければならない。

1号 法律に従つて判決裁判所を構成しなかつたこと。

2号 法令により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。

3号 審判の公開に関する規定に違反したこと。

378条

1項 左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつてその事由があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。

1号 不法に管轄又は管轄違を認めたこと。

2号 不法に、公訴を受理し、又はこれを棄却したこと。

3号 審判の請求を受けた事件について判決をせず、又は審判の請求を受けない事件について判決をしたこと。

4号 判決に理由を附せず、又は理由にくいちがいがあること。

379条

1項 前2条の場合を除いて、訴訟手続に法令の違反があつてその違反が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき法令の違反があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。

380条

1項 法令の適用に誤があつてその誤が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、その誤及びその誤が明らかに判決に影響を及ぼすべきことを示さなければならない。

381条

1項 刑の量定が不当であることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて刑の量定が不当であることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。

382条

1項 事実の誤認があつてその誤認が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき誤認があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。

382条の2

1項 やむを得ない事由によつて第一審の弁論終結前に取調を請求することができなかつた証拠によつて証明することのできる事実であつて前2条に規定する控訴申立の理由があることを信ずるに足りるものは、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実以外の事実であつても、控訴趣意書にこれを援用することができる。

2項 第一審の弁論終結後判決前に生じた事実であつて前2条に規定する控訴申立の理由があることを信ずるに足りるものについても、前項と同様である。

3項 前2項の場合には、控訴趣意書に、その事実を疎明する資料を添附しなければならない。第1項の場合には、やむを得ない事由によつてその証拠の取調を請求することができなかつた旨を疎明する資料をも添附しなければならない。

383条

1項 左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることを疎明する資料を添附しなければならない。

1号 再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。

2号 判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は大赦があつたこと。

384条

1項 控訴の申立は、 第377条 《 左の事由があることを理由として控訴の申…》 立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることの充分な証明をすることができる旨の検察官又は弁護人の保証書を添附しなければならない。 1 法律に従つて判決裁判所を構成しなかつたこと。 2 法令により ないし[から〜まで] 第382条 《 事実の誤認があつてその誤認が判決に影響…》 を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき誤認があることを信ず 及び前条に規定する事由があることを理由とするときに限り、これをすることができる。

385条

1項 控訴の申立が法令上の方式に違反し、又は控訴権の消滅後にされたものであることが明らかなときは、控訴裁判所は、決定でこれを棄却しなければならない。

2項 前項の決定に対しては、 第428条第2項 《即時抗告をすることができる旨の規定がある…》 決定並びに第419条及び第420条の規定により抗告をすることができる決定で高等裁判所がしたものに対しては、その高等裁判所に異議の申立をすることができる。 の異議の申立をすることができる。この場合には、即時抗告に関する規定をも準用する。

386条

1項 左の場合には、控訴裁判所は、決定で控訴を棄却しなければならない。

1号 第376条第1項 《控訴申立人は、裁判所の規則で定める期間内…》 に控訴趣意書を控訴裁判所に差し出さなければならない。 に定める期間内に控訴趣意書を差し出さないとき。

2号 控訴趣意書がこの法律若しくは裁判所の規則で定める方式に違反しているとき、又は控訴趣意書にこの法律若しくは裁判所の規則の定めるところに従い必要な疎明資料若しくは保証書を添附しないとき。

3号 控訴趣意書に記載された控訴の申立の理由が、明らかに 第377条 《 左の事由があることを理由として控訴の申…》 立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることの充分な証明をすることができる旨の検察官又は弁護人の保証書を添附しなければならない。 1 法律に従つて判決裁判所を構成しなかつたこと。 2 法令により ないし[から〜まで] 第382条 《 事実の誤認があつてその誤認が判決に影響…》 を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき誤認があることを信ず 及び 第383条 《 左の事由があることを理由として控訴の申…》 立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることを疎明する資料を添附しなければならない。 1 再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。 2 判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は に規定する事由に該当しないとき。

2項 前条第2項の規定は、前項の決定についてこれを準用する。

387条

1項 控訴審では、弁護士以外の者を弁護人に選任することはできない。

388条

1項 控訴審では、被告人のためにする弁論は、弁護人でなければ、これをすることができない。

389条

1項 公判期日には、検察官及び弁護人は、控訴趣意書に基いて弁論をしなければならない。

390条

1項 控訴審においては、被告人は、公判期日に出頭することを要しない。ただし、裁判所は、510,000円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、60,000円)以下の罰金又は科料に当たる事件以外の事件について、被告人の出頭がその権利の保護のため重要であると認めるときは、被告人の出頭を命ずることができる。

390条の2

1項 前条の規定にかかわらず、控訴裁判所は、拘禁刑以上の刑に当たる罪で起訴されている被告人であつて、保釈又は勾留の執行停止をされているものについては、判決を宣告する公判期日への出頭を命じなければならない。ただし、重い疾病又は傷害その他やむを得ない事由により被告人が当該公判期日に出頭することが困難であると認めるときは、この限りでない。

391条

1項 弁護人が出頭しないとき、又は弁護人の選任がないときは、この法律により弁護人を要する場合又は決定で弁護人を附した場合を除いては、検察官の陳述を聴いて判決をすることができる。

392条

1項 控訴裁判所は、控訴趣意書に包含された事項は、これを調査しなければならない。

2項 控訴裁判所は、控訴趣意書に包含されない事項であつても、 第377条 《 左の事由があることを理由として控訴の申…》 立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることの充分な証明をすることができる旨の検察官又は弁護人の保証書を添附しなければならない。 1 法律に従つて判決裁判所を構成しなかつたこと。 2 法令により ないし[から〜まで] 第382条 《 事実の誤認があつてその誤認が判決に影響…》 を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき誤認があることを信ず 及び 第383条 《 左の事由があることを理由として控訴の申…》 立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることを疎明する資料を添附しなければならない。 1 再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。 2 判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は に規定する事由に関しては、職権で調査をすることができる。

393条

1項 控訴裁判所は、前条の調査をするについて必要があるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で事実の取調をすることができる。但し、 第382条の2 《 やむを得ない事由によつて第一審の弁論終…》 結前に取調を請求することができなかつた証拠によつて証明することのできる事実であつて前2条に規定する控訴申立の理由があることを信ずるに足りるものは、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われてい の疎明があつたものについては、刑の量定の不当又は判決に影響を及ぼすべき事実の誤認を証明するために欠くことのできない場合に限り、これを取り調べなければならない。

2項 控訴裁判所は、必要があると認めるときは、職権で、第一審判決後の刑の量定に影響を及ぼすべき情状につき取調をすることができる。

3項 前2項の取調は、合議体の構成員にこれをさせ、又は地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。この場合には、受命裁判官及び受託裁判官は、裁判所又は裁判長と同1の権限を有する。

4項 第1項又は第2項の規定による取調をしたときは、検察官及び弁護人は、その結果に基いて弁論をすることができる。

394条

1項 第一審において証拠とすることができた証拠は、控訴審においても、これを証拠とすることができる。

395条

1項 控訴の申立が法令上の方式に違反し、又は控訴権の消滅後にされたものであるときは、判決で控訴を棄却しなければならない。

396条

1項 第377条 《 左の事由があることを理由として控訴の申…》 立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることの充分な証明をすることができる旨の検察官又は弁護人の保証書を添附しなければならない。 1 法律に従つて判決裁判所を構成しなかつたこと。 2 法令により ないし[から〜まで] 第382条 《 事実の誤認があつてその誤認が判決に影響…》 を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき誤認があることを信ず 及び 第383条 《 左の事由があることを理由として控訴の申…》 立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることを疎明する資料を添附しなければならない。 1 再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。 2 判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は に規定する事由がないときは、判決で控訴を棄却しなければならない。

397条

1項 第377条 《 左の事由があることを理由として控訴の申…》 立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることの充分な証明をすることができる旨の検察官又は弁護人の保証書を添附しなければならない。 1 法律に従つて判決裁判所を構成しなかつたこと。 2 法令により ないし[から〜まで] 第382条 《 事実の誤認があつてその誤認が判決に影響…》 を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき誤認があることを信ず 及び 第383条 《 左の事由があることを理由として控訴の申…》 立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることを疎明する資料を添附しなければならない。 1 再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。 2 判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は に規定する事由があるときは、判決で原判決を破棄しなければならない。

2項 第393条第2項 《控訴裁判所は、必要があると認めるときは、…》 職権で、第一審判決後の刑の量定に影響を及ぼすべき情状につき取調をすることができる。 の規定による取調の結果、原判決を破棄しなければ明らかに正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる。

398条

1項 不法に、管轄違を言い渡し、又は公訴を棄却したことを理由として原判決を破棄するときは、判決で事件を原裁判所に差し戻さなければならない。

399条

1項 不法に管轄を認めたことを理由として原判決を破棄するときは、判決で事件を管轄第一審裁判所に移送しなければならない。但し、控訴裁判所は、その事件について第一審の管轄権を有するときは、第一審として審判をしなければならない。

400条

1項 前2条に規定する理由以外の理由によつて原判決を破棄するときは、判決で、事件を原裁判所に差し戻し、又は原裁判所と同等の他の裁判所に移送しなければならない。但し、控訴裁判所は、訴訟記録並びに原裁判所及び控訴裁判所において取り調べた証拠によつて、直ちに判決をすることができるものと認めるときは、被告事件について更に判決をすることができる。

401条

1項 被告人の利益のため原判決を破棄する場合において、破棄の理由が控訴をした共同被告人に共通であるときは、その共同被告人のためにも原判決を破棄しなければならない。

402条

1項 被告人が控訴をし、又は被告人のため控訴をした事件については、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできない。

402条の2

1項 控訴裁判所は、拘禁刑以上の刑に当たる罪で起訴されている被告人であつて、保釈又は勾留の執行停止をされているものが判決を宣告する公判期日に出頭しないときは、次に掲げる判決以外の判決を宣告することができない。ただし、 第390条 《 控訴審においては、被告人は、公判期日に…》 出頭することを要しない。 ただし、裁判所は、510,000円刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、60,000円以下の罰金又は科料に当たる の二ただし書に規定する場合であつて、刑の執行のためその者を収容するのに困難を生ずるおそれがないと認めるときは、この限りでない。

1号 無罪、免訴、刑の免除、公訴棄却又は管轄違いの言渡しをした原判決に対する控訴を棄却する判決

2号 事件を原裁判所に差し戻し、又は管轄裁判所に移送する判決

3号 無罪、免訴、刑の免除又は公訴棄却の言渡しをする判決

2項 拘禁刑以上の刑に当たる罪で起訴されている被告人であつて、保釈又は勾留の執行停止を取り消されたものが勾留されていないときも、前項本文と同様とする。ただし、被告人が逃亡していることにより勾留することが困難であると見込まれる場合において、次に掲げる判決について、速やかに宣告する必要があると認めるときは、この限りでない。

1号 公職選挙法 1950年法律第100号第253条の2第1項 《当選人に係るこの章に掲げる罪第235条の…》 六、第236条の二、第245条、第246条第2号から第9号まで、第248条、第249条の2第3項から第5項まで及び第7項、第249条の三、第249条の四、第249条の5第1項及び第3項、第252条の二 に規定する刑事事件について、有罪の言渡し(刑の免除の言渡しを除く。以下この号において同じ。)をする判決又は有罪の言渡しをした原判決に対する控訴を棄却する判決

2号 組織的犯罪処罰法 第13条第3項 《3 前項の規定にかかわらず、次の各号のい…》 ずれかに該当するときは、犯罪被害財産第1項各号に掲げる財産の一部が犯罪被害財産である場合における当該部分を含む。以下この項において同じ。を没収することができる。 1 前項各号に掲げる罪の犯罪行為が、団 の規定による犯罪被害財産の没収若しくは組織的犯罪処罰法第16条第2項の規定による犯罪被害財産の価額の追徴の言渡しをする判決又はこれらの言渡しをした原判決に対する控訴を棄却する判決

403条

1項 原裁判所が不法に公訴棄却の決定をしなかつたときは、決定で公訴を棄却しなければならない。

2項 第385条第2項 《前項の決定に対しては、第428条第2項の…》 異議の申立をすることができる。 この場合には、即時抗告に関する規定をも準用する。 の規定は、前項の決定についてこれを準用する。

403条の2

1項 即決裁判手続においてされた判決に対する控訴の申立ては、 第384条 《 控訴の申立は、第377条ないし[から〜…》 まで]第382条及び前条に規定する事由があることを理由とするときに限り、これをすることができる。 の規定にかかわらず、当該判決の言渡しにおいて示された罪となるべき事実について 第382条 《 事実の誤認があつてその誤認が判決に影響…》 を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき誤認があることを信ず に規定する事由があることを理由としては、これをすることができない。

2項 原裁判所が即決裁判手続によつて判決をした事件については、 第397条第1項 《第377条ないし[から〜まで]第382条…》 及び第383条に規定する事由があるときは、判決で原判決を破棄しなければならない。 の規定にかかわらず、控訴裁判所は、当該判決の言渡しにおいて示された罪となるべき事実について 第382条 《 事実の誤認があつてその誤認が判決に影響…》 を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき誤認があることを信ず に規定する事由があることを理由としては、原判決を破棄することができない。

403条の3

1項 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた被告人について、次に掲げる裁判の告知があつたときは、当該被告人に対しては、 第342条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。 の規定は、適用しない。

1号 拘禁刑以上の刑に処する原判決を破棄する判決

2号 拘禁刑以上の刑に処する原判決に係る被告事件についての公訴を棄却する決定

2項 前項第1号に掲げる判決の宣告があつた場合( 第400条 《 前2条に規定する理由以外の理由によつて…》 原判決を破棄するときは、判決で、事件を原裁判所に差し戻し、又は原裁判所と同等の他の裁判所に移送しなければならない。 但し、控訴裁判所は、訴訟記録並びに原裁判所及び控訴裁判所において取り調べた証拠によつ ただし書の規定により更に 第345条 《 無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶…》 予、公訴棄却第338条第4号による場合を除く。、罰金又は科料の裁判の告知があつたときは、勾留状は、その効力を失う。 に規定する裁判をした場合を除く。)には、 第342条の8第1項 《裁判所は、拘禁刑以上の刑に処する判決の宣…》 告を受けた被告人が第342条の2の許可を受けないで本邦から出国し若しくは出国しようとしたとき、同条の許可を受けた被告人について前条第2項の規定により当該許可が取り消されたとき、又は第342条の2の許可第1号に係る部分に限り、 第404条 《 第2編中公判に関する規定は、この法律に…》 特別の定のある場合を除いては、控訴の審判についてこれを準用する。 において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る勾留状は、その効力を失う。

3項 拘禁刑以上の刑に処する判決に対する控訴が棄却されたときは、 第342条 《 判決は、公判廷において、宣告によりこれ…》 を告知する。 の二( 第404条 《 第2編中公判に関する規定は、この法律に…》 特別の定のある場合を除いては、控訴の審判についてこれを準用する。 において準用する場合を含む。)の許可は、その効力を失う。

403条の4

1項 次に掲げる裁判の告知があつたときは、 第345条 《 無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶…》 予、公訴棄却第338条第4号による場合を除く。、罰金又は科料の裁判の告知があつたときは、勾留状は、その効力を失う。 の二(次条において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による決定は、その効力を失う。

1号 第345条の2 《 裁判所は、罰金の裁判その刑の執行猶予の…》 言渡しをしないものに限る。以下同じ。の告知を受けた被告人について、当該裁判の確定後に罰金を完納することができないこととなるおそれがあると認めるときは、勾留状を発する場合を除き、検察官の請求により、又は の規定による決定に係る罰金の原判決を破棄する判決

2号 第345条の2 《 裁判所は、罰金の裁判その刑の執行猶予の…》 言渡しをしないものに限る。以下同じ。の告知を受けた被告人について、当該裁判の確定後に罰金を完納することができないこととなるおそれがあると認めるときは、勾留状を発する場合を除き、検察官の請求により、又は の規定による決定に係る罰金の原判決に係る被告事件についての公訴を棄却する決定

2項 前項第1号に掲げる判決の宣告があつた場合( 第400条 《 前2条に規定する理由以外の理由によつて…》 原判決を破棄するときは、判決で、事件を原裁判所に差し戻し、又は原裁判所と同等の他の裁判所に移送しなければならない。 但し、控訴裁判所は、訴訟記録並びに原裁判所及び控訴裁判所において取り調べた証拠によつ ただし書の規定により更に 第345条 《 無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶…》 予、公訴棄却第338条第4号による場合を除く。、罰金又は科料の裁判の告知があつたときは、勾留状は、その効力を失う。 に規定する裁判をした場合を除く。)には、 第345条 《 無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶…》 予、公訴棄却第338条第4号による場合を除く。、罰金又は科料の裁判の告知があつたときは、勾留状は、その効力を失う。 の三(次条において準用する場合を含む。)において読み替えて準用する 第342条の8第1項 《裁判所は、拘禁刑以上の刑に処する判決の宣…》 告を受けた被告人が第342条の2の許可を受けないで本邦から出国し若しくは出国しようとしたとき、同条の許可を受けた被告人について前条第2項の規定により当該許可が取り消されたとき、又は第342条の2の許可第1号に係る部分に限る。)の規定による決定に係る勾留状は、その効力を失う。

404条

1項 第2編中公判に関する規定は、この法律に特別の定のある場合を除いては、控訴の審判についてこれを準用する。

3章 上告

405条

1項 高等裁判所がした第一審又は第二審の判決に対しては、左の事由があることを理由として上告の申立をすることができる。

1号 憲法の違反があること又は憲法の解釈に誤があること。

2号 最高裁判所の判例と相反する判断をしたこと。

3号 最高裁判所の判例がない場合に、大審院若しくは上告裁判所たる高等裁判所の判例又はこの法律施行後の控訴裁判所たる高等裁判所の判例と相反する判断をしたこと。

406条

1項 最高裁判所は、前条の規定により上告をすることができる場合以外の場合であつても、法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件については、その判決確定前に限り、裁判所の規則の定めるところにより、自ら上告審としてその事件を受理することができる。

407条

1項 上告趣意書には、裁判所の規則の定めるところにより、上告の申立の理由を明示しなければならない。

408条

1項 上告裁判所は、上告趣意書その他の書類によつて、上告の申立の理由がないことが明らかであると認めるときは、弁論を経ないで、判決で上告を棄却することができる。

409条

1項 上告審においては、公判期日に被告人を召喚することを要しない。

410条

1項 上告裁判所は、 第405条 《 高等裁判所がした第一審又は第二審の判決…》 に対しては、左の事由があることを理由として上告の申立をすることができる。 1 憲法の違反があること又は憲法の解釈に誤があること。 2 最高裁判所の判例と相反する判断をしたこと。 3 最高裁判所の判例が 各号に規定する事由があるときは、判決で原判決を破棄しなければならない。但し、判決に影響を及ぼさないことが明らかな場合は、この限りでない。

2項 第405条第2号 《第405条 高等裁判所がした第一審又は第…》 二審の判決に対しては、左の事由があることを理由として上告の申立をすることができる。 1 憲法の違反があること又は憲法の解釈に誤があること。 2 最高裁判所の判例と相反する判断をしたこと。 3 最高裁判 又は第3号に規定する事由のみがある場合において、上告裁判所がその判例を変更して原判決を維持するのを相当とするときは、前項の規定は、これを適用しない。

411条

1項 上告裁判所は、 第405条 《 高等裁判所がした第一審又は第二審の判決…》 に対しては、左の事由があることを理由として上告の申立をすることができる。 1 憲法の違反があること又は憲法の解釈に誤があること。 2 最高裁判所の判例と相反する判断をしたこと。 3 最高裁判所の判例が 各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる。

1号 判決に影響を及ぼすべき法令の違反があること。

2号 刑の量定が甚しく不当であること。

3号 判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認があること。

4号 再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。

5号 判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は大赦があつたこと。

412条

1項 不法に管轄を認めたことを理由として原判決を破棄するときは、判決で事件を管轄控訴裁判所又は管轄第一審裁判所に移送しなければならない。

413条

1項 前条に規定する理由以外の理由によつて原判決を破棄するときは、判決で、事件を原裁判所若しくは第一審裁判所に差し戻し、又はこれらと同等の他の裁判所に移送しなければならない。但し、上告裁判所は、訴訟記録並びに原裁判所及び第一審裁判所において取り調べた証拠によつて、直ちに判決をすることができるものと認めるときは、被告事件について更に判決をすることができる。

413条の2

1項 第一審裁判所が即決裁判手続によつて判決をした事件については、 第411条 《 上告裁判所は、第405条各号に規定する…》 事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる。 1 判決に影響を及ぼすべき法令の違反があること。 2 刑の量定が の規定にかかわらず、上告裁判所は、当該判決の言渡しにおいて示された罪となるべき事実について同条第3号に規定する事由があることを理由としては、原判決を破棄することができない。

414条

1項 前章の規定は、この法律に特別の定のある場合を除いては、上告の審判についてこれを準用する。

415条

1項 上告裁判所は、その判決の内容に誤のあることを発見したときは、検察官、被告人又は弁護人の申立により、判決でこれを訂正することができる。

2項 前項の申立は、判決の宣告があつた日から10日以内にこれをしなければならない。

3項 上告裁判所は、適当と認めるときは、第1項に規定する者の申立により、前項の期間を延長することができる。

416条

1項 訂正の判決は、弁論を経ないでもこれをすることができる。

417条

1項 上告裁判所は、訂正の判決をしないときは、速やかに決定で申立を棄却しなければならない。

2項 訂正の判決に対しては、 第415条第1項 《上告裁判所は、その判決の内容に誤のあるこ…》 とを発見したときは、検察官、被告人又は弁護人の申立により、判決でこれを訂正することができる。 の申立をすることはできない。

418条

1項 上告裁判所の判決は、宣告があつた日から 第415条 《 上告裁判所は、その判決の内容に誤のある…》 ことを発見したときは、検察官、被告人又は弁護人の申立により、判決でこれを訂正することができる。 前項の申立は、判決の宣告があつた日から10日以内にこれをしなければならない。 上告裁判所は、適当と認める の期間を経過したとき、又はその期間内に同条第1項の申立があつた場合には訂正の判決若しくは申立を棄却する決定があつたときに、確定する。

4章 抗告

419条

1項 抗告は、特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合の外、裁判所のした決定に対してこれをすることができる。但し、この法律に特別の定のある場合は、この限りでない。

420条

1項 裁判所の管轄又は訴訟手続に関し判決前にした決定に対しては、この法律に特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合を除いては、抗告をすることはできない。

2項 前項の規定は、勾留、保釈、押収又は押収物の還付に関する決定及び鑑定のためにする留置に関する決定については、これを適用しない。

3項 勾留に対しては、前項の規定にかかわらず、犯罪の嫌疑がないことを理由として抗告をすることはできない。

421条

1項 抗告は、即時抗告を除いては、何時でもこれをすることができる。但し、原決定を取り消しても実益がないようになつたときは、この限りでない。

422条

1項 即時抗告の提起期間は、3日とする。

423条

1項 抗告をするには、申立書を原裁判所に差し出さなければならない。

2項 原裁判所は、抗告を理由があるものと認めるときは、決定を更正しなければならない。抗告の全部又は一部を理由がないと認めるときは、申立書を受け取つた日から3日以内に意見書を添えて、これを抗告裁判所に送付しなければならない。

424条

1項 抗告は、即時抗告を除いては、裁判の執行を停止する効力を有しない。但し、原裁判所は、決定で、抗告の裁判があるまで執行を停止することができる。

2項 抗告裁判所は、決定で裁判の執行を停止することができる。

425条

1項 即時抗告の提起期間内及びその申立があつたときは、裁判の執行は、停止される。

426条

1項 抗告の手続がその規定に違反したとき、又は抗告が理由のないときは、決定で抗告を棄却しなければならない。

2項 抗告が理由のあるときは、決定で原決定を取り消し、必要がある場合には、更に裁判をしなければならない。

427条

1項 抗告裁判所の決定に対しては、抗告をすることはできない。

428条

1項 高等裁判所の決定に対しては、抗告をすることはできない。

2項 即時抗告をすることができる旨の規定がある決定並びに 第419条 《 抗告は、特に即時抗告をすることができる…》 旨の規定がある場合の外、裁判所のした決定に対してこれをすることができる。 但し、この法律に特別の定のある場合は、この限りでない。 及び 第420条 《 裁判所の管轄又は訴訟手続に関し判決前に…》 した決定に対しては、この法律に特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合を除いては、抗告をすることはできない。 前項の規定は、勾留、保釈、押収又は押収物の還付に関する決定及び鑑定のためにする留置 の規定により抗告をすることができる決定で高等裁判所がしたものに対しては、その高等裁判所に異議の申立をすることができる。

3項 前項の異議の申立に関しては、抗告に関する規定を準用する。即時抗告をすることができる旨の規定がある決定に対する異議の申立に関しては、即時抗告に関する規定をも準用する。

429条

1項 裁判官が次に掲げる裁判をした場合において、不服がある者は、簡易裁判所の裁判官がした裁判に対しては管轄地方裁判所に、その他の裁判官がした裁判に対してはその裁判官所属の裁判所にその裁判の取消し又は変更を請求することができる。

1号 忌避の申立てを却下する裁判

2号 勾留、保釈、押収又は押収物の還付に関する裁判

3号 鑑定のため留置を命ずる裁判

4号 証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人に対して過料又は費用の賠償を命ずる裁判

5号 身体の検査を受ける者に対して過料又は費用の賠償を命ずる裁判

2項 第420条第3項 《勾留に対しては、前項の規定にかかわらず、…》 犯罪の嫌疑がないことを理由として抗告をすることはできない。 の規定は、前項の請求についてこれを準用する。

3項 第207条の2第2項 《裁判官は、前項の規定による請求を受けたと…》 きは、勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げるに当たつては、当該請求に係る個人特定事項を明らかにしない方法によるとともに、前条第5項本文の規定により勾留状を発するときは、これと同時に、被疑者に示すもの 第224条第3項 《第207条の二及び第207条の3の規定は…》 、第1項の請求について準用する。 この場合において、第207条の二中「勾留を」とあるのは「第167条第1項に規定する処分を」と、同条並びに第207条の3第3項及び第5項中「勾留状」とあるのは「鑑定留置 において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による措置に関する裁判に対しては、当該措置に係る者が 第201条の2第1項第1号 《検察官又は司法警察員は、次に掲げる者の個…》 人特定事項氏名及び住所その他の個人を特定させることとなる事項をいう。以下同じ。について、必要と認めるときは、第199条第2項本文の請求と同時に、裁判官に対し、被疑者に示すものとして、当該個人特定事項の 又は第2号に掲げる者に該当しないことを理由として第1項の請求をすることができない。

4項 第1項の請求を受けた地方裁判所又は家庭裁判所は、合議体で決定をしなければならない。

5項 第1項第4号又は第5号の裁判の取消し又は変更の請求は、その裁判のあつた日から3日以内にしなければならない。

6項 前項の請求期間内及びその請求があつたときは、裁判の執行は、停止される。

430条

1項 検察官又は検察事務官のした 第39条第3項 《検察官、検察事務官又は司法警察職員司法警…》 察員及び司法巡査をいう。以下同じ。は、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り、第1項の接見又は授受に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる。 但し、その指定は、被疑者が防禦の準備を の処分又は押収若しくは押収物の還付に関する処分に不服がある者は、その検察官又は検察事務官が所属する検察庁の対応する裁判所にその処分の取消又は変更を請求することができる。

2項 司法警察職員のした前項の処分に不服がある者は、司法警察職員の職務執行地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所にその処分の取消又は変更を請求することができる。

3項 前2項の請求については、行政事件訴訟に関する法令の規定は、これを適用しない。

431条

1項 前2条の請求をするには、請求書を管轄裁判所に差し出さなければならない。

432条

1項 第424条 《 抗告は、即時抗告を除いては、裁判の執行…》 を停止する効力を有しない。 但し、原裁判所は、決定で、抗告の裁判があるまで執行を停止することができる。 抗告裁判所は、決定で裁判の執行を停止することができる。第426条 《 抗告の手続がその規定に違反したとき、又…》 は抗告が理由のないときは、決定で抗告を棄却しなければならない。 抗告が理由のあるときは、決定で原決定を取り消し、必要がある場合には、更に裁判をしなければならない。 及び 第427条 《 抗告裁判所の決定に対しては、抗告をする…》 ことはできない。 の規定は、 第429条 《 裁判官が次に掲げる裁判をした場合におい…》 て、不服がある者は、簡易裁判所の裁判官がした裁判に対しては管轄地方裁判所に、その他の裁判官がした裁判に対してはその裁判官所属の裁判所にその裁判の取消し又は変更を請求することができる。 1 忌避の申立て 及び 第430条 《 検察官又は検察事務官のした第39条第3…》 項の処分又は押収若しくは押収物の還付に関する処分に不服がある者は、その検察官又は検察事務官が所属する検察庁の対応する裁判所にその処分の取消又は変更を請求することができる。 司法警察職員のした前項の処分 の請求があつた場合にこれを準用する。

433条

1項 この法律により不服を申し立てることができない決定又は命令に対しては、 第405条 《 高等裁判所がした第一審又は第二審の判決…》 に対しては、左の事由があることを理由として上告の申立をすることができる。 1 憲法の違反があること又は憲法の解釈に誤があること。 2 最高裁判所の判例と相反する判断をしたこと。 3 最高裁判所の判例が に規定する事由があることを理由とする場合に限り、最高裁判所に特に抗告をすることができる。

2項 前項の抗告の提起期間は、5日とする。

434条

1項 第423条 《 抗告をするには、申立書を原裁判所に差し…》 出さなければならない。 原裁判所は、抗告を理由があるものと認めるときは、決定を更正しなければならない。 抗告の全部又は一部を理由がないと認めるときは、申立書を受け取つた日から3日以内に意見書を添えて、第424条 《 抗告は、即時抗告を除いては、裁判の執行…》 を停止する効力を有しない。 但し、原裁判所は、決定で、抗告の裁判があるまで執行を停止することができる。 抗告裁判所は、決定で裁判の執行を停止することができる。 及び 第426条 《 抗告の手続がその規定に違反したとき、又…》 は抗告が理由のないときは、決定で抗告を棄却しなければならない。 抗告が理由のあるときは、決定で原決定を取り消し、必要がある場合には、更に裁判をしなければならない。 の規定は、この法律に特別の定のある場合を除いては、前条第1項の抗告についてこれを準用する。

4編 再審

435条

1項 再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。

1号 原判決の証拠となつた証拠書類又は証拠物が確定判決により偽造又は変造であつたことが証明されたとき。

2号 原判決の証拠となつた証言、鑑定、通訳又は翻訳が確定判決により虚偽であつたことが証明されたとき。

3号 有罪の言渡を受けた者を誣告した罪が確定判決により証明されたとき。但し、誣告により有罪の言渡を受けたときに限る。

4号 原判決の証拠となつた裁判が確定裁判により変更されたとき。

5号 特許権、実用新案権、意匠権又は商標権を害した罪により有罪の言渡をした事件について、その権利の無効の審決が確定したとき、又は無効の判決があつたとき。

6号 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。

7号 原判決に関与した裁判官、原判決の証拠となつた証拠書類の作成に関与した裁判官又は原判決の証拠となつた書面を作成し若しくは供述をした検察官、検察事務官若しくは司法警察職員が被告事件について職務に関する罪を犯したことが確定判決により証明されたとき。但し、原判決をする前に裁判官、検察官、検察事務官又は司法警察職員に対して公訴の提起があつた場合には、原判決をした裁判所がその事実を知らなかつたときに限る。

436条

1項 再審の請求は、左の場合において、控訴又は上告を棄却した確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。

1号 前条第1号又は第2号に規定する事由があるとき。

2号 原判決又はその証拠となつた証拠書類の作成に関与した裁判官について前条第7号に規定する事由があるとき。

2項 第一審の確定判決に対して再審の請求をした事件について再審の判決があつた後は、控訴棄却の判決に対しては、再審の請求をすることはできない。

3項 第一審又は第二審の確定判決に対して再審の請求をした事件について再審の判決があつた後は、上告棄却の判決に対しては、再審の請求をすることはできない。

437条

1項 前2条の規定に従い、確定判決により犯罪が証明されたことを再審の請求の理由とすべき場合において、その確定判決を得ることができないときは、その事実を証明して再審の請求をすることができる。但し、証拠がないという理由によつて確定判決を得ることができないときは、この限りでない。

438条

1項 再審の請求は、原判決をした裁判所がこれを管轄する。

439条

1項 再審の請求は、左の者がこれをすることができる。

1号 検察官

2号 有罪の言渡を受けた者

3号 有罪の言渡を受けた者の法定代理人及び保佐人

4号 有罪の言渡を受けた者が死亡し、又は心神喪失の状態に在る場合には、その配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹

2項 第435条第7号 《第435条 再審の請求は、左の場合におい…》 て、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。 1 原判決の証拠となつた証拠書類又は証拠物が確定判決により偽造又は変造であつたことが証明されたとき。 又は 第436条第1項第2号 《再審の請求は、左の場合において、控訴又は…》 上告を棄却した確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。 1 前条第1号又は第2号に規定する事由があるとき。 2 原判決又はその証拠となつた証拠書類の作成に関与した裁 に規定する事由による再審の請求は、有罪の言渡を受けた者がその罪を犯させた場合には、検察官でなければこれをすることができない。

440条

1項 検察官以外の者は、再審の請求をする場合には、弁護人を選任することができる。

2項 前項の規定による弁護人の選任は、再審の判決があるまでその効力を有する。

441条

1項 再審の請求は、刑の執行が終り、又はその執行を受けることがないようになつたときでも、これをすることができる。

442条

1項 再審の請求は、刑の執行を停止する効力を有しない。但し、管轄裁判所に対応する検察庁の検察官は、再審の請求についての裁判があるまで刑の執行を停止することができる。

443条

1項 再審の請求は、これを取り下げることができる。

2項 再審の請求を取り下げた者は、同1の理由によつては、更に再審の請求をすることができない。

444条

1項 第366条 《 刑事施設にいる被告人が上訴の提起期間内…》 に上訴の申立書を刑事施設の長又はその代理者に差し出したときは、上訴の提起期間内に上訴をしたものとみなす。 被告人が自ら申立書を作ることができないときは、刑事施設の長又はその代理者は、これを代書し、又は の規定は、再審の請求及びその取下についてこれを準用する。

445条

1項 再審の請求を受けた裁判所は、必要があるときは、合議体の構成員に再審の請求の理由について、事実の取調をさせ、又は地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。この場合には、受命裁判官及び受託裁判官は、裁判所又は裁判長と同1の権限を有する。

446条

1項 再審の請求が法令上の方式に違反し、又は請求権の消滅後にされたものであるときは、決定でこれを棄却しなければならない。

447条

1項 再審の請求が理由のないときは、決定でこれを棄却しなければならない。

2項 前項の決定があつたときは、何人も、同1の理由によつては、更に再審の請求をすることはできない。

448条

1項 再審の請求が理由のあるときは、再審開始の決定をしなければならない。

2項 再審開始の決定をしたときは、決定で刑の執行を停止することができる。

449条

1項 控訴を棄却した確定判決とその判決によつて確定した第一審の判決とに対して再審の請求があつた場合において、第一審裁判所が再審の判決をしたときは、控訴裁判所は、決定で再審の請求を棄却しなければならない。

2項 第一審又は第二審の判決に対する上告を棄却した判決とその判決によつて確定した第一審又は第二審の判決とに対して再審の請求があつた場合において、第一審裁判所又は控訴裁判所が再審の判決をしたときは、上告裁判所は、決定で再審の請求を棄却しなければならない。

450条

1項 第446条 《 再審の請求が法令上の方式に違反し、又は…》 請求権の消滅後にされたものであるときは、決定でこれを棄却しなければならない。第447条第1項 《再審の請求が理由のないときは、決定でこれ…》 を棄却しなければならない。第448条第1項 《再審の請求が理由のあるときは、再審開始の…》 決定をしなければならない。 又は前条第1項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

451条

1項 裁判所は、再審開始の決定が確定した事件については、 第449条 《 控訴を棄却した確定判決とその判決によつ…》 て確定した第一審の判決とに対して再審の請求があつた場合において、第一審裁判所が再審の判決をしたときは、控訴裁判所は、決定で再審の請求を棄却しなければならない。 第一審又は第二審の判決に対する上告を棄却 の場合を除いては、その審級に従い、更に審判をしなければならない。

2項 左の場合には、 第314条第1項 《被告人が心神喪失の状態に在るときは、検察…》 及び弁護人の意見を聴き、決定で、その状態の続いている間公判手続を停止しなければならない。 但し、無罪、免訴、刑の免除又は公訴棄却の裁判をすべきことが明らかな場合には、被告人の出頭を待たないで、直ちに 本文及び 第339条第1項第4号 《左の場合には、決定で公訴を棄却しなければ…》 ならない。 1 第271条第2項の規定により公訴の提起がその効力を失つたとき。 2 起訴状に記載された事実が真実であつても、何らの罪となるべき事実を包含していないとき。 3 公訴が取り消されたとき。 の規定は、前項の審判にこれを適用しない。

1号 死亡者又は回復の見込がない心神喪失者のために再審の請求がされたとき。

2号 有罪の言渡を受けた者が、再審の判決がある前に、死亡し、又は心神喪失の状態に陥りその回復の見込がないとき。

3項 前項の場合には、被告人の出頭がなくても、審判をすることができる。但し、弁護人が出頭しなければ開廷することはできない。

4項 第2項の場合において、再審の請求をした者が弁護人を選任しないときは、裁判長は、職権で弁護人を附しなければならない。

452条

1項 再審においては、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできない。

453条

1項 再審において無罪の言渡をしたときは、官報及び新聞紙に掲載して、その判決を公示しなければならない。

5編 非常上告

454条

1項 検事総長は、判決が確定した後その事件の審判が法令に違反したことを発見したときは、最高裁判所に非常上告をすることができる。

455条

1項 非常上告をするには、その理由を記載した申立書を最高裁判所に差し出さなければならない。

456条

1項 公判期日には、検察官は、申立書に基いて陳述をしなければならない。

457条

1項 非常上告が理由のないときは、判決でこれを棄却しなければならない。

458条

1項 非常上告が理由のあるときは、左の区別に従い、判決をしなければならない。

1号 原判決が法令に違反したときは、その違反した部分を破棄する。但し、原判決が被告人のため不利益であるときは、これを破棄して、被告事件について更に判決をする。

2号 訴訟手続が法令に違反したときは、その違反した手続を破棄する。

459条

1項 非常上告の判決は、前条第1号但書の規定によりされたものを除いては、その効力を被告人に及ぼさない。

460条

1項 裁判所は、申立書に包含された事項に限り、調査をしなければならない。

2項 裁判所は、裁判所の管轄、公訴の受理及び訴訟手続に関しては、事実の取調をすることができる。この場合には、 第393条第3項 《前2項の取調は、合議体の構成員にこれをさ…》 せ、又は地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。 この場合には、受命裁判官及び受託裁判官は、裁判所又は裁判長と同1の権限を有する。 の規定を準用する。

6編 略式手続

461条

1項 簡易裁判所は、検察官の請求により、その管轄に属する事件について、公判前、略式命令で、1,010,000円以下の罰金又は科料を科することができる。この場合には、刑の執行猶予をし、没収を科し、その他付随の処分をすることができる。

461条の2

1項 検察官は、略式命令の請求に際し、被疑者に対し、あらかじめ、略式手続を理解させるために必要な事項を説明し、通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げた上、略式手続によることについて異議がないかどうかを確めなければならない。

2項 被疑者は、略式手続によることについて異議がないときは、書面でその旨を明らかにしなければならない。

462条

1項 略式命令の請求は、公訴の提起と同時に、書面でこれをしなければならない。

2項 前項の書面には、前条第2項の書面を添附しなければならない。

462条の2

1項 検察官は、略式命令の請求をする場合において、その事件について被告人との間でした 第350条の2第1項 《検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は…》 被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件以下単に「他人の刑事事件」という。について一又は二以上の第1号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性 の合意があるときは、当該請求と同時に、 合意内容書面 を裁判所に差し出さなければならない。

2項 前項の規定により 合意内容書面 を裁判所に差し出した後、裁判所が略式命令をする前に、当該合意の当事者が 第350条の10第2項 《前項の規定による離脱は、その理由を記載し…》 た書面により、当該離脱に係る合意の相手方に対し、当該合意から離脱する旨の告知をして行うものとする。 の規定により当該合意から離脱する旨の告知をしたときは、検察官は、遅滞なく、同項の書面をその裁判所に差し出さなければならない。

463条

1項 第462条 《 略式命令の請求は、公訴の提起と同時に、…》 書面でこれをしなければならない。 前項の書面には、前条第2項の書面を添附しなければならない。 の請求があつた場合において、その事件が略式命令をすることができないものであり、又はこれをすることが相当でないものであると思料するときは、通常の規定に従い、審判をしなければならない。

2項 検察官が、 第461条の2 《 検察官は、略式命令の請求に際し、被疑者…》 に対し、あらかじめ、略式手続を理解させるために必要な事項を説明し、通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げた上、略式手続によることについて異議がないかどうかを確めなければならない。 被疑者は、 に定める手続をせず、又は 第462条第2項 《前項の書面には、前条第2項の書面を添附し…》 なければならない。 に違反して略式命令を請求したときも、前項と同様である。

3項 裁判所は、前2項の規定により通常の規定に従い審判をするときは、直ちに検察官にその旨を通知しなければならない。

4項 検察官は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、裁判所に対し、被告人に送達するものとして、起訴状の謄本を提出しなければならない。

5項 第1項及び第2項の場合には、 第271条 《 裁判所は、公訴の提起があつたときは、遅…》 滞なく起訴状の謄本を被告人に送達しなければならない。 公訴の提起があつた日から2箇月以内に起訴状の謄本が送達されないときは、公訴の提起は、さかのぼつてその効力を失う。 及び 第271条の2 《 検察官は、起訴状に記載された次に掲げる…》 者の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 の規定の適用があるものとする。この場合において、 第271条第1項 《裁判所は、公訴の提起があつたときは、遅滞…》 なく起訴状の謄本を被告人に送達しなければならない。 中「公訴の提起」とあるのは「 第463条第4項 《検察官は、前項の規定による通知を受けたと…》 きは、速やかに、裁判所に対し、被告人に送達するものとして、起訴状の謄本を提出しなければならない。 の規定による起訴状の謄本の提出」と、同条第2項中「公訴の提起が」とあるのは「 第463条第3項 《裁判所は、前2項の規定により通常の規定に…》 従い審判をするときは、直ちに検察官にその旨を通知しなければならない。 の規定による通知が」と、 第271条の2第2項 《前項の規定による求めは、公訴の提起におい…》 て、裁判所に対し、起訴状とともに、被告人に送達するものとして、当該求めに係る個人特定事項の記載がない起訴状の抄本その他の起訴状の謄本に代わるもの以下「起訴状抄本等」という。を提出して行わなければならな 中「公訴の提起において、裁判所に対し、起訴状とともに」とあるのは「 第463条第3項 《裁判所は、前2項の規定により通常の規定に…》 従い審判をするときは、直ちに検察官にその旨を通知しなければならない。 の規定による通知を受けた後速やかに、裁判所に対し」とする。

6項 前項において読み替えて適用する 第271条の2第2項 《前項の規定による求めは、公訴の提起におい…》 て、裁判所に対し、起訴状とともに、被告人に送達するものとして、当該求めに係る個人特定事項の記載がない起訴状の抄本その他の起訴状の謄本に代わるもの以下「起訴状抄本等」という。を提出して行わなければならな の規定による 起訴状抄本等 の提出は、 第338条 《 左の場合には、判決で公訴を棄却しなけれ…》 ばならない。 1 被告人に対して裁判権を有しないとき。 2 第340条の規定に違反して公訴が提起されたとき。 3 公訴の提起があつた事件について、更に同一裁判所に公訴が提起されたとき。 4 公訴提起の第4号に係る部分に限る。)の規定の適用については、公訴の提起においてされたものとみなす。

463条の2

1項 前条の場合を除いて、略式命令の請求があつた日から4箇月以内に略式命令が被告人に告知されないときは、公訴の提起は、さかのぼつてその効力を失う。

2項 前項の場合には、裁判所は、決定で、公訴を棄却しなければならない。略式命令が既に検察官に告知されているときは、略式命令を取り消した上、その決定をしなければならない。

3項 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

464条

1項 略式命令には、罪となるべき事実、適用した法令、科すべき刑及び附随の処分並びに略式命令の告知があつた日から14日以内に正式裁判の請求をすることができる旨を示さなければならない。

465条

1項 略式命令を受けた者又は検察官は、その告知を受けた日から14日以内に正式裁判の請求をすることができる。

2項 正式裁判の請求は、略式命令をした裁判所に、書面でこれをしなければならない。正式裁判の請求があつたときは、裁判所は、速やかにその旨を検察官又は略式命令を受けた者に通知しなければならない。

466条

1項 正式裁判の請求は、第一審の判決があるまでこれを取り下げることができる。

467条

1項 第353条 《 被告人の法定代理人又は保佐人は、被告人…》 のため上訴をすることができる。第355条 《 原審における代理人又は弁護人は、被告人…》 のため上訴をすることができる。 ないし[から〜まで] 第357条 《 上訴は、裁判の一部に対してこれをするこ…》 とができる。 部分を限らないで上訴をしたときは、裁判の全部に対してしたものとみなす。第359条 《 検察官、被告人又は第352条に規定する…》 者は、上訴の放棄又は取下をすることができる。第360条 《 第353条又は第354条に規定する者は…》 、書面による被告人の同意を得て、上訴の放棄又は取下をすることができる。 及び 第361条 《 上訴の放棄又は取下をした者は、その事件…》 について更に上訴をすることができない。 上訴の放棄又は取下に同意をした被告人も、同様である。 ないし[から〜まで] 第365条 《 上訴権回復の請求があつたときは、原裁判…》 所は、前条の決定をするまで裁判の執行を停止する決定をすることができる。 この場合には、被告人に対し勾留状を発することができる。 の規定は、正式裁判の請求又はその取下についてこれを準用する。

468条

1項 正式裁判の請求が法令上の方式に違反し、又は請求権の消滅後にされたものであるときは、決定でこれを棄却しなければならない。この決定に対しては、即時抗告をすることができる。

2項 正式裁判の請求を適法とするときは、通常の規定に従い、審判をしなければならない。

3項 前項の場合においては、略式命令に拘束されない。

4項 検察官は、第2項の規定により通常の規定に従い審判をすることとされた場合において、起訴状に記載された 第271条の2第1項第1号 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 又は第2号に掲げる者の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。

5項 前項の規定による求めは、 第271条の2第1項 《検察官は、起訴状に記載された次に掲げる者…》 の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、前条第1項の規定による起訴状の謄本の送達により当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。 1 次 の規定による求めとみなして、同条第2項の規定を適用する。この場合において、同項中「公訴の提起において、裁判所に対し、起訴状とともに」とあるのは、「速やかに、裁判所に対し」とする。

6項 第463条第6項 《前項において読み替えて適用する第271条…》 の2第2項の規定による起訴状抄本等の提出は、第338条第4号に係る部分に限る。の規定の適用については、公訴の提起においてされたものとみなす。 の規定は、前項において読み替えて適用する 第271条の2第2項 《前項の規定による求めは、公訴の提起におい…》 て、裁判所に対し、起訴状とともに、被告人に送達するものとして、当該求めに係る個人特定事項の記載がない起訴状の抄本その他の起訴状の謄本に代わるもの以下「起訴状抄本等」という。を提出して行わなければならな の規定による 起訴状抄本等 の提出について準用する。

469条

1項 正式裁判の請求により判決をしたときは、略式命令は、その効力を失う。

2項 略式命令が効力を失つたときは、 第345条の2 《 裁判所は、罰金の裁判その刑の執行猶予の…》 言渡しをしないものに限る。以下同じ。の告知を受けた被告人について、当該裁判の確定後に罰金を完納することができないこととなるおそれがあると認めるときは、勾留状を発する場合を除き、検察官の請求により、又は の規定による決定及び 第345条の3 《 第342条の3から第342条の八までの…》 規定は、前条の許可について準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第342条の三、第342条の4第2項 において読み替えて準用する 第342条の8第1項 《裁判所は、拘禁刑以上の刑に処する判決の宣…》 告を受けた被告人が第342条の2の許可を受けないで本邦から出国し若しくは出国しようとしたとき、同条の許可を受けた被告人について前条第2項の規定により当該許可が取り消されたとき、又は第342条の2の許可第1号に係る部分に限る。)の規定による決定に係る勾留状は、その効力を失う。

470条

1項 略式命令は、正式裁判の請求期間の経過又はその請求の取下により、確定判決と同1の効力を生ずる。正式裁判の請求を棄却する裁判が確定したときも、同様である。

7編 裁判の執行 > 1章 裁判の執行の手続

471条

1項 裁判は、この法律に特別の定のある場合を除いては、確定した後これを執行する。

472条

1項 裁判の執行は、その裁判をした裁判所に対応する検察庁の検察官がこれを指揮する。但し、 第70条第1項 《勾引状又は勾留状は、検察官の指揮によつて…》 、検察事務官又は司法警察職員がこれを執行する。 但し、急速を要する場合には、裁判長、受命裁判官又は地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官は、その執行を指揮することができる。 但書の場合、 第108条第1項 《差押状、記録命令付差押状又は捜索状は、検…》 察官の指揮によつて、検察事務官又は司法警察職員がこれを執行する。 ただし、裁判所が被告人の保護のため必要があると認めるときは、裁判長は、裁判所書記官又は司法警察職員にその執行を命ずることができる。 但書の場合その他その性質上裁判所又は裁判官が指揮すべき場合は、この限りでない。

2項 上訴の裁判又は上訴の取下により下級の裁判所の裁判を執行する場合には、上訴裁判所に対応する検察庁の検察官がこれを指揮する。但し、訴訟記録が下級の裁判所又はその裁判所に対応する検察庁に在るときは、その裁判所に対応する検察庁の検察官が、これを指揮する。

473条

1項 裁判の執行の指揮は、書面でこれをし、これに裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本を添えなければならない。但し、刑の執行を指揮する場合を除いては、裁判書の原本、謄本若しくは抄本又は裁判を記載した調書の謄本若しくは抄本に認印して、これをすることができる。

474条

1項 二以上の主刑の執行は、罰金及び科料を除いては、その重いものを先にする。但し、検察官は、重い刑の執行を停止して、他の刑の執行をさせることができる。

475条

1項 死刑の執行は、法務大臣の命令による。

2項 前項の命令は、判決確定の日から6箇月以内にこれをしなければならない。但し、上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない。

476条

1項 法務大臣が死刑の執行を命じたときは、5日以内にその執行をしなければならない。

477条

1項 死刑は、検察官、検察事務官及び刑事施設の長又はその代理者の立会いの上、これを執行しなければならない。

2項 検察官又は刑事施設の長の許可を受けた者でなければ、刑場に入ることはできない。

478条

1項 死刑の執行に立ち会つた検察事務官は、執行始末書を作り、検察官及び刑事施設の長又はその代理者とともに、これに署名押印しなければならない。

479条

1項 死刑の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは、法務大臣の命令によつて執行を停止する。

2項 死刑の言渡を受けた女子が懐胎しているときは、法務大臣の命令によつて執行を停止する。

3項 前2項の規定により死刑の執行を停止した場合には、心神喪失の状態が回復した後又は出産の後に法務大臣の命令がなければ、執行することはできない。

4項 第475条第2項 《前項の命令は、判決確定の日から6箇月以内…》 にこれをしなければならない。 但し、上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は、これを の規定は、前項の命令についてこれを準用する。この場合において、判決確定の日とあるのは、心神喪失の状態が回復した日又は出産の日と読み替えるものとする。

479条の2

1項 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者について、 刑法 第11条第2項 《2 死刑の言渡しを受けた者は、その執行に…》 至るまで刑事施設に拘置する。 の規定による拘置若しくは拘禁刑の執行が開始されたとき、又は当該判決に係る刑の執行を受けることがなくなつたときは、当該者に対しては、 第342条 《 判決は、公判廷において、宣告によりこれ…》 を告知する。 の二( 第404条 《 第2編中公判に関する規定は、この法律に…》 特別の定のある場合を除いては、控訴の審判についてこれを準用する。 第414条 《 前章の規定は、この法律に特別の定のある…》 場合を除いては、上告の審判についてこれを準用する。 において準用する場合を含む。以下この章において同じ。)において準用する場合を含む。 第485条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者が次の各号のいずれかに該当するときは、検察官は、当該判決が確定した後、直ちに収容状を発付し、又は司法警察員にこれを発付させることができる。 1 第342条の2の許可を受けないで本邦から出国し又は において同じ。)の規定は、適用しない。

480条

1項 拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者が心神喪失の状態にあるときは、刑の言渡しをした裁判所に対応する検察庁の検察官又は刑の言渡しを受けた者の現在地を管轄する地方検察庁の検察官の指揮によつて、その状態が回復するまで執行を停止する。

481条

1項 前条の規定により刑の執行を停止した場合には、検察官は、刑の言渡を受けた者を監護義務者又は地方公共団体の長に引き渡し、病院その他の適当な場所に入れさせなければならない。

2項 刑の執行を停止された者は、前項の処分があるまでこれを刑事施設に留置し、その期間を刑期に算入する。

482条

1項 拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者について次に掲げる事由があるときは、刑の言渡しをした裁判所に対応する検察庁の検察官又は刑の言渡しを受けた者の現在地を管轄する地方検察庁の検察官の指揮によつて執行を停止することができる。

1号 刑の執行によつて、著しく健康を害するとき、又は生命を保つことのできないおそれがあるとき。

2号 年齢70年以上であるとき。

3号 受胎後150日以上であるとき。

4号 出産後60日を経過しないとき。

5号 刑の執行によつて回復することのできない不利益を生ずるおそれがあるとき。

6号 祖父母又は父母が年齢70年以上又は重病若しくは不具で、他にこれを保護する親族がないとき。

7号 又は孫が幼年で、他にこれを保護する親族がないとき。

8号 その他重大な事由があるとき。

483条

1項 第500条 《 訴訟費用の負担を命ぜられた者は、貧困の…》 ためこれを完納することができないときは、裁判所の規則の定めるところにより、訴訟費用の全部又は一部について、その裁判の執行の免除の申立をすることができる。 前項の申立は、訴訟費用の負担を命ずる裁判が確定 に規定する申立の期間内及びその申立があつたときは、訴訟費用の負担を命ずる裁判の執行は、その申立についての裁判が確定するまで停止される。

483条の2

1項 拘禁刑以上の刑に処する判決が確定した後における 第342条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。 から 第342条 《 判決は、公判廷において、宣告によりこれ…》 を告知する。 の七まで(これらの規定を 第404条 《 第2編中公判に関する規定は、この法律に…》 特別の定のある場合を除いては、控訴の審判についてこれを準用する。 において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とし、 第342条の5第1項 《裁判所は、第342条の2の許可をする場合…》 には、帰国等保証金額を定めなければならない。 ただし、保釈を許す決定を受けた被告人について、同条の許可をするときは、この限りでない。 ただし書の規定は、適用しない。

484条

1項 死刑、拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者が拘禁されていないときは、検察官は、執行のため、出頭すべき日時及び場所を指定してこれを呼び出さなければならない。呼出しに応じないときは、収容状を発しなければならない。

484条の2

1項 前条前段の規定による呼出しを受けた者が、正当な理由がなく、指定された日時及び場所に出頭しないときは、2年以下の拘禁刑に処する。

485条

1項 死刑、拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者が逃亡したとき、又は逃亡するおそれがあるときは、検察官は、直ちに収容状を発し、又は司法警察員にこれを発せしめることができる。

485条の2

1項 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、検察官は、当該判決が確定した後、直ちに収容状を発付し、又は司法警察員にこれを発付させることができる。

1号 第342条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。 の許可を受けないで本邦から出国し又は出国しようとしたとき。

2号 第342条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。 の許可が取り消されたとき。

3号 第342条の2 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。 の許可を受け、正当な理由がなく、 指定期間 内に本邦に帰国せず又は上陸しなかつたとき。

486条

1項 死刑、拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者の現在地が分からないときは、検察官は、検事長にその者の刑事施設への収容を請求することができる。

2項 請求を受けた検事長は、その管内の検察官に収容状を発せしめなければならない。

487条

1項 収容状には、刑の言渡しを受けた者の氏名、住居、年齢、刑名、刑期その他収容に必要な事項を記載し、検察官又は司法警察員が、これに記名押印しなければならない。

488条

1項 収容状は、勾引状と同1の効力を有する。

489条

1項 収容状の執行については、勾引状の執行に関する規定を準用する。

489条の2

1項 拘禁刑以上の刑に処する判決又は拘留に処する判決が確定した後における 第98条の12 《 裁判所は、保釈を許す場合において、被告…》 人が国外に逃亡することを防止するため、その位置及び当該位置に係る時刻を把握する必要があると認めるときは、被告人に対し、位置測定端末人の身体に装着される電子計算機であつて、人工衛星から発射される信号その から 第98条 《 保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決…》 定があつたとき、又は勾留の執行停止の期間が満了したときは、検察事務官、司法警察職員又は刑事施設職員は、検察官の指揮により、勾留状の謄本及び保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定の謄本又は期間を指定し の十七まで及び 第98条の20 《 裁判所は、閲覧設備において第98条の1…》 2第5項第1号から第5号までのいずれかに掲げる事由の発生を確認したときは、直ちにその旨を検察官に通知しなければならない。 裁判所は、閲覧設備において第98条の12第5項第1号から第3号まで又は第5号の の規定の適用については、 第98条の12第5項 《位置測定においては、裁判所が端末位置情報…》 位置測定により得られた位置測定端末の位置及び当該位置に係る時刻に関する情報をいう。以下同じ。を表示して閲覧すること及び第3項第3号又は前項第2号の信号を受信することにより次に掲げる事由の発生を確認する第98条の14第1項第4号 《位置測定端末装着命令を受けた者は、次に掲…》 げる事項を遵守しなければならない。 1 所在禁止区域内に所在しないこと。 2 位置測定端末を自己の身体に装着し続けること。 3 次に掲げる行為をしないこと。 イ 自己の身体に装着された位置測定端末を損 及び第2項、 第98条の15第1項 《裁判所は、やむを得ない理由により必要があ…》 ると認めるときは、位置測定端末装着命令を受けた者に対し、期間を指定して、所在禁止区域内に所在することを許可することができる。 この場合において、当該期間内に当該所在禁止区域内に所在することについては、 、第3項、第4項、第6項、第11項及び第12項、 第98条の16第1項 《位置測定端末を装着させる必要がなくなつた…》 ときは、裁判所は、検察官、位置測定端末装着命令を受けた者若しくは弁護人の請求により、又は職権で、決定で、位置測定端末装着命令を取り消さなければならない。 この場合においては、できる限り速やかに、位置測第98条の17第4項 《裁判所は、前項において準用する第98条の…》 15第8項の規定にかかわらず、第2項の規定により刑事施設に収容された者の身体から位置測定端末を取り外すときは、刑事施設職員を指揮してこれをさせることができる。 並びに 第98条の20第1項 《裁判所は、閲覧設備において第98条の12…》 第5項第1号から第5号までのいずれかに掲げる事由の発生を確認したときは、直ちにその旨を検察官に通知しなければならない。 、第3項及び第6項中「裁判所」とあるのは「拘禁刑以上の刑に処する判決又は拘留に処する判決の言渡しをした裁判所」と、 第98条の13第1項 《位置測定端末は、裁判所の指揮によつて、裁…》 判所書記官その他の裁判所の職員が位置測定端末装着命令を受けた者の身体に装着するものとする。 及び 第98条の15第8項 《第6項の規定による許可を受けた者の身体に…》 装着された位置測定端末は、裁判所の指揮によつて、裁判所書記官その他の裁判所の職員が取り外すものとする。 中「裁判所の指揮」とあるのは「拘禁刑以上の刑に処する判決又は拘留に処する判決の言渡しをした裁判所の指揮」と、 第98条の14第1項第5号 《位置測定端末装着命令を受けた者は、次に掲…》 げる事項を遵守しなければならない。 1 所在禁止区域内に所在しないこと。 2 位置測定端末を自己の身体に装着し続けること。 3 次に掲げる行為をしないこと。 イ 自己の身体に装着された位置測定端末を損 中「裁判所に」とあるのは「拘禁刑以上の刑に処する判決又は拘留に処する判決の言渡しをした裁判所に」とし、 第98条の12第1項 《裁判所は、保釈を許す場合において、被告人…》 が国外に逃亡することを防止するため、その位置及び当該位置に係る時刻を把握する必要があると認めるときは、被告人に対し、位置測定端末人の身体に装着される電子計算機であつて、人工衛星から発射される信号その他 及び第2項並びに 第98条の20第2項 《裁判所は、閲覧設備において第98条の12…》 第5項第1号から第3号まで又は第5号のいずれかに掲げる事由の発生を確認したときは、当該事由の発生に係る位置測定端末の端末位置情報を表示して閲覧することができる。 ただし、同項第3号に掲げる事由の発生を 、第4項及び第5項の規定は、適用しない。

2項 収容状の執行を指揮する検察官又はその執行をする検察事務官若しくは司法警察職員は、 位置測定 端末装着命令を受けた者について、収容状の執行をする場合において、必要と認めるときは、拘禁刑以上の刑に処する判決又は拘留に処する判決の言渡しをした裁判所の許可を受けて、当該者に係る端末位置情報を表示して閲覧することができる。

3項 拘禁刑以上の刑に処する判決又は拘留に処する判決の言渡しをした裁判所は、自ら 第98条の20第1項 《裁判所は、閲覧設備において第98条の12…》 第5項第1号から第5号までのいずれかに掲げる事由の発生を確認したときは、直ちにその旨を検察官に通知しなければならない。 の規定による通知をすることが困難であるときは、あらかじめ、当該通知及び端末位置情報の閲覧の許可に関する権限を裁判所の規則で定める裁判所の裁判官に委任することができる。この場合においては、次に掲げる者は、必要と認めるときは、委任を受けた裁判官の許可を受けて、前項の規定による端末位置情報の閲覧をすることができる。

1号 委任を受けた裁判官所属の裁判所に対応する検察庁の検察官若しくは検察事務官又は当該検察庁の所在地において職務を行うことができる司法警察職員

2号 収容状の執行を指揮する検察官又は当該執行をする検察事務官若しくは司法警察職員

490条

1項 罰金、科料、没収、追徴、過料、没取、訴訟費用、費用賠償又は仮納付の裁判は、検察官の命令によつてこれを執行する。この命令は、執行力のある債務名義と同1の効力を有する。

2項 前項の裁判の執行は、 民事執行法 1979年法律第4号)その他強制執行の手続に関する法令の規定に従つてする。ただし、執行前に裁判の送達をすることを要しない。

491条

1項 没収又は租税その他の公課若しくは専売に関する法令の規定により言い渡した罰金若しくは追徴は、刑の言渡を受けた者が判決の確定した後死亡した場合には、相続財産についてこれを執行することができる。

492条

1項 法人に対して罰金、科料、没収又は追徴を言い渡した場合に、その法人が判決の確定した後合併によつて消滅したときは、合併の後存続する法人又は合併によつて設立された法人に対して執行することができる。

492条の2

1項 罰金に相当する金額について仮納付の裁判の執行があつたときは、 第345条 《 無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶…》 予、公訴棄却第338条第4号による場合を除く。、罰金又は科料の裁判の告知があつたときは、勾留状は、その効力を失う。 の二( 第404条 《 第2編中公判に関する規定は、この法律に…》 特別の定のある場合を除いては、控訴の審判についてこれを準用する。 において準用する場合を含む。 第494条 《 仮納付の裁判の執行があつた後に、罰金、…》 科料又は追徴の裁判が確定したときは、その金額の限度において刑の執行があつたものとみなす。 前項の場合において、仮納付の裁判の執行によつて得た金額が罰金、科料又は追徴の金額を超えるときは、その超過額は、 の三、 第494条 《 仮納付の裁判の執行があつた後に、罰金、…》 科料又は追徴の裁判が確定したときは、その金額の限度において刑の執行があつたものとみなす。 前項の場合において、仮納付の裁判の執行によつて得た金額が罰金、科料又は追徴の金額を超えるときは、その超過額は、 の五(第3号を除く。)、 第494条 《 仮納付の裁判の執行があつた後に、罰金、…》 科料又は追徴の裁判が確定したときは、その金額の限度において刑の執行があつたものとみなす。 前項の場合において、仮納付の裁判の執行によつて得た金額が罰金、科料又は追徴の金額を超えるときは、その超過額は、 の六、 第494条の8第1項 《第345条の二又は第494条の3の規定に…》 よる決定を受けた者を拘置したときは、その法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹のうちその決定を受けた者の指定する者1人にその旨を通知しなければならない。第494条の12第1項 《第345条の二又は第494条の3の規定に…》 よる決定をした裁判所は、第494条の6に規定する手続のため必要があると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、決定で、当該第345条の二又は第494条の3の規定による決定を受けた者に対し、指定す 及び 第494条の14 《 次の各号のいずれかに該当するときは、第…》 345条の二又は第494条の3の規定による決定及び拘置状は、その効力を失う。 1 罰金が完納されたとき。 2 罰金について労役場留置の執行が開始されたとき。 3 拘置の日数が罰金の金額未決勾留の日数が において同じ。)の規定による決定及び 第345条 《 無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶…》 予、公訴棄却第338条第4号による場合を除く。、罰金又は科料の裁判の告知があつたときは、勾留状は、その効力を失う。 の三( 第404条 《 第2編中公判に関する規定は、この法律に…》 特別の定のある場合を除いては、控訴の審判についてこれを準用する。 において準用する場合を含む。 第494条の2 《 罰金の裁判が確定した後における第345…》 条の3において準用する第342条の3から第342条の七までの規定及び第345条の四これらの規定を第404条において準用する場合を含む。以下この条において同じ。の規定の適用については、次の表の上欄に掲げ において同じ。)において読み替えて準用する 第342条の8第1項 《裁判所は、拘禁刑以上の刑に処する判決の宣…》 告を受けた被告人が第342条の2の許可を受けないで本邦から出国し若しくは出国しようとしたとき、同条の許可を受けた被告人について前条第2項の規定により当該許可が取り消されたとき、又は第342条の2の許可第1号に係る部分に限る。)の規定による決定に係る勾留状は、その効力を失う。

493条

1項 第一審と第二審とにおいて、仮納付の裁判があつた場合に、第一審の仮納付の裁判について既に執行があつたときは、その執行は、これを第二審の仮納付の裁判で納付を命ぜられた金額の限度において、第二審の仮納付の裁判についての執行とみなす。

2項 前項の場合において、第一審の仮納付の裁判の執行によつて得た金額が第二審の仮納付の裁判で納付を命ぜられた金額を超えるときは、その超過額は、これを還付しなければならない。

494条

1項 仮納付の裁判の執行があつた後に、罰金、科料又は追徴の裁判が確定したときは、その金額の限度において刑の執行があつたものとみなす。

2項 前項の場合において、仮納付の裁判の執行によつて得た金額が罰金、科料又は追徴の金額を超えるときは、その超過額は、これを還付しなければならない。

494条の2

1項 罰金の裁判が確定した後における 第345条の3 《 第342条の3から第342条の八までの…》 規定は、前条の許可について準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第342条の三、第342条の4第2項 において準用する 第342条の3 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹は、前条の許可の請求をすることができる。 から 第342条 《 判決は、公判廷において、宣告によりこれ…》 を告知する。 の七までの規定及び 第345条 《 無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶…》 予、公訴棄却第338条第4号による場合を除く。、罰金又は科料の裁判の告知があつたときは、勾留状は、その効力を失う。 の四(これらの規定を 第404条 《 第2編中公判に関する規定は、この法律に…》 特別の定のある場合を除いては、控訴の審判についてこれを準用する。 において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とし、 第345条の3 《 第342条の3から第342条の八までの…》 規定は、前条の許可について準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第342条の三、第342条の4第2項 において準用する 第342条の5第1項 《裁判所は、第342条の2の許可をする場合…》 には、帰国等保証金額を定めなければならない。 ただし、保釈を許す決定を受けた被告人について、同条の許可をするときは、この限りでない。 ただし書の規定は、適用しない。

494条の3

1項 罰金の裁判を告知した裁判所は、当該裁判が確定した者について、罰金を完納することができないおそれがあると認めるとき(その者が受けた 第345条の2 《 裁判所は、罰金の裁判その刑の執行猶予の…》 言渡しをしないものに限る。以下同じ。の告知を受けた被告人について、当該裁判の確定後に罰金を完納することができないこととなるおそれがあると認めるときは、勾留状を発する場合を除き、検察官の請求により、又は の規定による決定が効力を失つていないときを除く。)は、拘置状を発する場合を除き、検察官の請求により、決定で、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならないことを命ずるものとする。

494条の4

1項 第342条の3 《 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受け…》 た者又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹は、前条の許可の請求をすることができる。 から 第342条 《 判決は、公判廷において、宣告によりこれ…》 を告知する。 の七まで( 第342条の5第1項 《裁判所は、第342条の2の許可をする場合…》 には、帰国等保証金額を定めなければならない。 ただし、保釈を許す決定を受けた被告人について、同条の許可をするときは、この限りでない。 ただし書を除く。)の規定は前条の許可について、 第345条の4 《 裁判所は、第345条の2の規定による決…》 定の理由がなくなつたと認めるときは、検察官、当該決定を受けた者若しくはその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹の請求により、又は職権で、決定で、当該決定を取り消さなければなら の規定は前条の規定による決定について、それぞれ準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

494条の5

1項 第345条 《 無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶…》 予、公訴棄却第338条第4号による場合を除く。、罰金又は科料の裁判の告知があつたときは、勾留状は、その効力を失う。 の二又は 第494条の3 《 罰金の裁判を告知した裁判所は、当該裁判…》 が確定した者について、罰金を完納することができないおそれがあると認めるときその者が受けた第345条の2の規定による決定が効力を失つていないときを除く。は、拘置状を発する場合を除き、検察官の請求により、 の規定による決定をした裁判所は、罰金の裁判が確定した者で、次の各号のいずれかに該当するものについて、罰金を完納することができないこととなるおそれがあると認めるときは、検察官の請求により、当該裁判が確定した後30日を経過するまでの間、その者を刑事施設に拘置することができる。

1号 第345条 《 無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶…》 予、公訴棄却第338条第4号による場合を除く。、罰金又は科料の裁判の告知があつたときは、勾留状は、その効力を失う。 の二又は 第494条の3 《 罰金の裁判を告知した裁判所は、当該裁判…》 が確定した者について、罰金を完納することができないおそれがあると認めるときその者が受けた第345条の2の規定による決定が効力を失つていないときを除く。は、拘置状を発する場合を除き、検察官の請求により、 の規定による決定を受けた者であつて、裁判所の許可を受けないで本邦から出国し又は出国しようとしたもの

2号 第345条 《 無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶…》 予、公訴棄却第338条第4号による場合を除く。、罰金又は科料の裁判の告知があつたときは、勾留状は、その効力を失う。 の二又は 第494条の3 《 罰金の裁判を告知した裁判所は、当該裁判…》 が確定した者について、罰金を完納することができないおそれがあると認めるときその者が受けた第345条の2の規定による決定が効力を失つていないときを除く。は、拘置状を発する場合を除き、検察官の請求により、 の許可を取り消された者

3号 正当な理由がなく、 指定期間 内に本邦に帰国せず又は上陸しなかつた者

4号 前3号に掲げる者のほか、 第345条 《 無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶…》 予、公訴棄却第338条第4号による場合を除く。、罰金又は科料の裁判の告知があつたときは、勾留状は、その効力を失う。 の二又は 第494条の3 《 罰金の裁判を告知した裁判所は、当該裁判…》 が確定した者について、罰金を完納することができないおそれがあると認めるときその者が受けた第345条の2の規定による決定が効力を失つていないときを除く。は、拘置状を発する場合を除き、検察官の請求により、 の規定による決定を受けた者であつて、逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるもの

494条の6

1項 前条の規定による拘置は、 第345条 《 無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶…》 予、公訴棄却第338条第4号による場合を除く。、罰金又は科料の裁判の告知があつたときは、勾留状は、その効力を失う。 の二又は 第494条の3 《 罰金の裁判を告知した裁判所は、当該裁判…》 が確定した者について、罰金を完納することができないおそれがあると認めるときその者が受けた第345条の2の規定による決定が効力を失つていないときを除く。は、拘置状を発する場合を除き、検察官の請求により、 の規定による決定を受けた者に対し理由を告げこれに関する陳述を聴いた後でなければ、することができない。ただし、その者が逃亡した場合は、この限りでない。

494条の7

1項 第494条の5 《 第345条の二又は第494条の3の規定…》 による決定をした裁判所は、罰金の裁判が確定した者で、次の各号のいずれかに該当するものについて、罰金を完納することができないこととなるおそれがあると認めるときは、検察官の請求により、当該裁判が確定した後 の規定による拘置は、拘置状を発してしなければならない。

2項 第64条 《 勾引状又は勾留状には、被告人の氏名及び…》 住居、罪名、公訴事実の要旨、引致すべき場所又は勾留すべき刑事施設、有効期間及びその期間経過後は執行に着手することができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める第70条 《 勾引状又は勾留状は、検察官の指揮によつ…》 て、検察事務官又は司法警察職員がこれを執行する。 但し、急速を要する場合には、裁判長、受命裁判官又は地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官は、その執行を指揮することができる。 刑事施設にいる第1項ただし書を除く。)、 第71条 《 検察事務官又は司法警察職員は、必要があ…》 るときは、管轄区域外で、勾引状若しくは勾留状を執行し、又はその地の検察事務官若しくは司法警察職員にその執行を求めることができる。第72条 《 被告人の現在地が判らないときは、裁判長…》 は、検事長にその捜査及び勾引状又は勾留状の執行を嘱託することができる。 嘱託を受けた検事長は、その管内の検察官に捜査及び勾引状又は勾留状の執行の手続をさせなければならない。第73条第2項 《勾留状を執行するには、これを被告人に示し…》 た上、できる限り速やかに、かつ、直接、指定された刑事施設に引致しなければならない。 及び第3項並びに 第74条 《 勾引状又は勾留状の執行を受けた被告人を…》 護送する場合において必要があるときは、仮に最寄りの刑事施設にこれを留置することができる。 の規定(これらの規定のうち勾留に関する部分に限る。)は、拘置状について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

494条の8

1項 第345条 《 無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶…》 予、公訴棄却第338条第4号による場合を除く。、罰金又は科料の裁判の告知があつたときは、勾留状は、その効力を失う。 の二又は 第494条の3 《 罰金の裁判を告知した裁判所は、当該裁判…》 が確定した者について、罰金を完納することができないおそれがあると認めるときその者が受けた第345条の2の規定による決定が効力を失つていないときを除く。は、拘置状を発する場合を除き、検察官の請求により、 の規定による決定を受けた者を拘置したときは、その法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹のうちその決定を受けた者の指定する者1人にその旨を通知しなければならない。

2項 第69条 《 裁判長は、急速を要する場合には、第57…》 条ないし[から〜まで]第62条、第65条、第66条及び前条に規定する処分をし、又は合議体の構成員にこれをさせることができる。第82条 《 勾留されている被告人は、裁判所に勾留の…》 理由の開示を請求することができる。 勾留されている被告人の弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹その他利害関係人も、前項の請求をすることができる。 前2項の請求は、保釈、勾留の執行停 から 第87条 《 勾留の理由又は勾留の必要がなくなつたと…》 きは、裁判所は、検察官、勾留されている被告人若しくはその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取り消さなければならない。 第82条第3 まで、 第92条第2項 《検察官の請求による場合を除いて、勾留を取…》 り消す決定をするときも、前項と同様である。 但し、急速を要する場合は、この限りでない。 及び 第95条 《 裁判所は、適当と認めるときは、決定で、…》 勾留されている被告人を親族、保護団体その他の者に委託し、又は被告人の住居を制限して、勾留の執行を停止することができる。 この場合においては、適当と認める条件を付することができる。 前項前段の決定をする の規定並びに 第96条第1項 《裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場…》 合には、検察官の請求により、又は職権で、決定で、保釈又は勾留の執行停止を取り消すことができる。 1 被告人が、召喚を受け正当な理由がなく出頭しないとき。 2 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相第2号及び第6号に係る部分に限る。)、 第98条 《 保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決…》 定があつたとき、又は勾留の執行停止の期間が満了したときは、検察事務官、司法警察職員又は刑事施設職員は、検察官の指揮により、勾留状の謄本及び保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定の謄本又は期間を指定し 及び 第98条の2 《 検察官は、保釈又は勾留の執行停止を取り…》 消す決定があつた場合において、被告人が刑事施設に収容されていないときは、被告人に対し、指定する日時及び場所に出頭することを命ずることができる。 の規定(これらの規定のうち勾留の執行停止に関する部分に限る。)は、 第494条の5 《 第345条の二又は第494条の3の規定…》 による決定をした裁判所は、罰金の裁判が確定した者で、次の各号のいずれかに該当するものについて、罰金を完納することができないこととなるおそれがあると認めるときは、検察官の請求により、当該裁判が確定した後 の規定による拘置について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

494条の9

1項 期間を指定されて拘置の執行停止をされた者が、正当な理由がなく、当該期間の終期として指定された日時に、出頭すべき場所として指定された場所に出頭しないときは、2年以下の拘禁刑に処する。

494条の10

1項 第494条の5 《 第345条の二又は第494条の3の規定…》 による決定をした裁判所は、罰金の裁判が確定した者で、次の各号のいずれかに該当するものについて、罰金を完納することができないこととなるおそれがあると認めるときは、検察官の請求により、当該裁判が確定した後 の規定による拘置をした裁判所の許可を受けないで指定された期間を超えて制限された住居を離れてはならない旨の条件を付されて拘置の執行停止をされた者が、当該条件に係る住居を離れ、当該許可を受けないで、正当な理由がなく、当該期間を超えて当該住居に帰着しないときは、2年以下の拘禁刑に処する。

2項 前項の者が、 第494条の5 《 第345条の二又は第494条の3の規定…》 による決定をした裁判所は、罰金の裁判が確定した者で、次の各号のいずれかに該当するものについて、罰金を完納することができないこととなるおそれがあると認めるときは、検察官の請求により、当該裁判が確定した後 の規定による拘置をした裁判所の許可を受けて同項の住居を離れ、正当な理由がなく、当該住居を離れることができる期間として指定された期間を超えて当該住居に帰着しないときも、同項と同様とする。

494条の11

1項 拘置の執行停止を取り消され、検察官から出頭を命ぜられた者が、正当な理由がなく、指定された日時及び場所に出頭しないときは、2年以下の拘禁刑に処する。

494条の12

1項 第345条 《 無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶…》 予、公訴棄却第338条第4号による場合を除く。、罰金又は科料の裁判の告知があつたときは、勾留状は、その効力を失う。 の二又は 第494条の3 《 罰金の裁判を告知した裁判所は、当該裁判…》 が確定した者について、罰金を完納することができないおそれがあると認めるときその者が受けた第345条の2の規定による決定が効力を失つていないときを除く。は、拘置状を発する場合を除き、検察官の請求により、 の規定による決定をした裁判所は、 第494条の6 《 前条の規定による拘置は、第345条の二…》 又は第494条の3の規定による決定を受けた者に対し理由を告げこれに関する陳述を聴いた後でなければ、することができない。 ただし、その者が逃亡した場合は、この限りでない。 に規定する手続のため必要があると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、決定で、当該 第345条 《 無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶…》 予、公訴棄却第338条第4号による場合を除く。、罰金又は科料の裁判の告知があつたときは、勾留状は、その効力を失う。 の二又は 第494条の3 《 罰金の裁判を告知した裁判所は、当該裁判…》 が確定した者について、罰金を完納することができないおそれがあると認めるときその者が受けた第345条の2の規定による決定が効力を失つていないときを除く。は、拘置状を発する場合を除き、検察官の請求により、 の規定による決定を受けた者に対し、指定する日時及び場所に出頭することを命ずることができる。

2項 前項の規定による決定をした裁判所は、当該決定を受けた者が、正当な理由がなく、これに応じないとき、又は応じないおそれがあるときは、その者を同項の規定により指定した場所に勾引することができる。

3項 第59条 《 勾引した被告人は、裁判所に引致した時か…》 ら24時間以内にこれを釈放しなければならない。 但し、その時間内に勾留状が発せられたときは、この限りでない。第62条 《 被告人の召喚、勾引又は勾留は、召喚状、…》 勾引状又は勾留状を発してこれをしなければならない。第64条 《 勾引状又は勾留状には、被告人の氏名及び…》 住居、罪名、公訴事実の要旨、引致すべき場所又は勾留すべき刑事施設、有効期間及びその期間経過後は執行に着手することができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める第66条 《 裁判所は、被告人の現在地の地方裁判所、…》 家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に被告人の勾引を嘱託することができる。 受託裁判官は、受託の権限を有する他の地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に転嘱することができる。 受託裁判官は、受託事項第67条 《 前条の場合には、嘱託によつて勾引状を発…》 した裁判官は、被告人を引致した時から24時間以内にその人違でないかどうかを取り調べなければならない。 被告人が人違でないときは、速やかに且つ直接これを指定された裁判所に送致しなければならない。 この場第69条 《 裁判長は、急速を要する場合には、第57…》 条ないし[から〜まで]第62条、第65条、第66条及び前条に規定する処分をし、又は合議体の構成員にこれをさせることができる。第70条第1項 《勾引状又は勾留状は、検察官の指揮によつて…》 、検察事務官又は司法警察職員がこれを執行する。 但し、急速を要する場合には、裁判長、受命裁判官又は地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官は、その執行を指揮することができる。第71条 《 検察事務官又は司法警察職員は、必要があ…》 るときは、管轄区域外で、勾引状若しくは勾留状を執行し、又はその地の検察事務官若しくは司法警察職員にその執行を求めることができる。第72条 《 被告人の現在地が判らないときは、裁判長…》 は、検事長にその捜査及び勾引状又は勾留状の執行を嘱託することができる。 嘱託を受けた検事長は、その管内の検察官に捜査及び勾引状又は勾留状の執行の手続をさせなければならない。第73条第1項 《勾引状を執行するには、これを被告人に示し…》 た上、できる限り速やかに且つ直接、指定された裁判所その他の場所に引致しなければならない。 第66条第4項の勾引状については、これを発した裁判官に引致しなければならない。 及び第3項、 第74条 《 勾引状又は勾留状の執行を受けた被告人を…》 護送する場合において必要があるときは、仮に最寄りの刑事施設にこれを留置することができる。 並びに 第75条 《 勾引状の執行を受けた被告人を引致した場…》 合において必要があるときは、これを刑事施設に留置することができる。 の規定(これらの規定のうち勾引に関する部分に限る。)は、前項の規定による勾引について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

494条の13

1項 拘置の日数は、その1日を、 刑法 第18条第6項 《6 罰金又は科料の一部を納付した者につい…》 ての留置の日数は、その残額を留置1日の割合に相当する金額で除して得た日数その日数に1日未満の端数を生じるときは、これを1日とする。とする。 に規定する留置1日の割合に相当する金額に換算し、全部本刑に算入する。

494条の14

1項 次の各号のいずれかに該当するときは、 第345条 《 無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶…》 予、公訴棄却第338条第4号による場合を除く。、罰金又は科料の裁判の告知があつたときは、勾留状は、その効力を失う。 の二又は 第494条の3 《 罰金の裁判を告知した裁判所は、当該裁判…》 が確定した者について、罰金を完納することができないおそれがあると認めるときその者が受けた第345条の2の規定による決定が効力を失つていないときを除く。は、拘置状を発する場合を除き、検察官の請求により、 の規定による決定及び拘置状は、その効力を失う。

1号 罰金が完納されたとき。

2号 罰金について労役場留置の執行が開始されたとき。

3号 拘置の日数が罰金の金額(未決勾留の日数が罰金に算入され若しくは通算された場合又は罰金の一部が納付された場合にあつては、当該金額から算入又は通算がされた金額及び納付された罰金の金額の合計額を控除した残額)を 刑法 第18条第6項 《6 罰金又は科料の一部を納付した者につい…》 ての留置の日数は、その残額を留置1日の割合に相当する金額で除して得た日数その日数に1日未満の端数を生じるときは、これを1日とする。とする。 に規定する留置1日の割合に相当する金額で除して得た日数(その日数に1日未満の端数を生じるときは、これを1日とする。)を超えることとなつたとき。

4号 罰金の執行を受けることがなくなつたとき。

495条

1項 上訴の提起期間中の未決勾留の日数は、上訴申立後の未決勾留の日数を除き、全部これを本刑に通算する。

2項 上訴申立後の未決勾留の日数は、左の場合には、全部これを本刑に通算する。

1号 検察官が上訴を申し立てたとき。

2号 検察官以外の者が上訴を申し立てた場合においてその上訴審において原判決が破棄されたとき。

3項 前2項の規定による通算については、未決勾留の1日を刑期の1日又は金額の4,000円に折算する。

4項 上訴裁判所が原判決を破棄した後の未決勾留は、上訴中の未決勾留日数に準じて、これを通算する。

496条

1項 没収物は、検察官がこれを処分しなければならない。

497条

1項 没収を執行した後3箇月以内に、権利を有する者が没収物の交付を請求したときは、検察官は、破壊し、又は廃棄すべき物を除いては、これを交付しなければならない。

2項 没収物を処分した後前項の請求があつた場合には、検察官は、公売によつて得た代価を交付しなければならない。

498条

1項 偽造し、又は変造された物を返還する場合には、偽造又は変造の部分をその物に表示しなければならない。

2項 偽造し、又は変造された物が押収されていないときは、これを提出させて、前項に規定する手続をしなければならない。但し、その物が公務所に属するときは、偽造又は変造の部分を公務所に通知して相当な処分をさせなければならない。

498条の2

1項 不正に作られた電磁的記録又は没収された電磁的記録に係る記録媒体を返還し、又は交付する場合には、当該電磁的記録を消去し、又は当該電磁的記録が不正に利用されないようにする処分をしなければならない。

2項 不正に作られた電磁的記録に係る記録媒体が公務所に属する場合において、当該電磁的記録に係る記録媒体が押収されていないときは、不正に作られた部分を公務所に通知して相当な処分をさせなければならない。

499条

1項 押収物の還付を受けるべき者の所在が判らないため、又はその他の事由によつて、その物を還付することができない場合には、検察官は、その旨を政令で定める方法によつて公告しなければならない。

2項 第222条第1項 《第99条第1項、第100条、第102条か…》 ら第105条まで、第110条から第112条まで、第114条、第115条及び第118条から第124条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第218条、第220条及び前条の規定によつてする押収 において準用する 第123条第1項 《押収物で留置の必要がないものは、被告事件…》 の終結を待たないで、決定でこれを還付しなければならない。 若しくは 第124条第1項 《押収した贓物で留置の必要がないものは、被…》 害者に還付すべき理由が明らかなときに限り、被告事件の終結を待たないで、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、決定でこれを被害者に還付しなければならない。 の規定又は 第220条第2項 《前項後段の場合において逮捕状が得られなか…》 つたときは、差押物は、直ちにこれを還付しなければならない。 第123条第3項の規定は、この場合についてこれを準用する。 の規定により押収物を還付しようとするときも、前項と同様とする。この場合において、同項中「検察官」とあるのは、「検察官又は司法警察員」とする。

3項 前2項の規定による公告をした日から6箇月以内に還付の請求がないときは、その物は、国庫に帰属する。

4項 前項の期間内でも、価値のない物は、これを廃棄し、保管に不便な物は、これを公売してその代価を保管することができる。

499条の2

1項 前条第1項の規定は 第123条第3項 《押収物が第110条の2の規定により電磁的…》 記録を移転し、又は移転させた上差し押さえた記録媒体で留置の必要がないものである場合において、差押えを受けた者と当該記録媒体の所有者、所持者又は保管者とが異なるときは、被告事件の終結を待たないで、決定で の規定による交付又は複写について、前条第2項の規定は 第220条第2項 《前項後段の場合において逮捕状が得られなか…》 つたときは、差押物は、直ちにこれを還付しなければならない。 第123条第3項の規定は、この場合についてこれを準用する。 及び 第222条第1項 《第99条第1項、第100条、第102条か…》 ら第105条まで、第110条から第112条まで、第114条、第115条及び第118条から第124条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第218条、第220条及び前条の規定によつてする押収 において準用する 第123条第3項 《押収物が第110条の2の規定により電磁的…》 記録を移転し、又は移転させた上差し押さえた記録媒体で留置の必要がないものである場合において、差押えを受けた者と当該記録媒体の所有者、所持者又は保管者とが異なるときは、被告事件の終結を待たないで、決定で の規定による交付又は複写について、それぞれ準用する。

2項 前項において準用する前条第1項又は第2項の規定による公告をした日から6箇月以内に前項の交付又は複写の請求がないときは、その交付をし、又は複写をさせることを要しない。

500条

1項 訴訟費用の負担を命ぜられた者は、貧困のためこれを完納することができないときは、裁判所の規則の定めるところにより、訴訟費用の全部又は一部について、その裁判の執行の免除の申立をすることができる。

2項 前項の申立は、訴訟費用の負担を命ずる裁判が確定した後20日以内にこれをしなければならない。

500条の2

1項 被告人又は被疑者は、検察官に訴訟費用の概算額の予納をすることができる。

500条の3

1項 検察官は、訴訟費用の裁判を執行する場合において、前条の規定による予納がされた金額があるときは、その予納がされた金額から当該訴訟費用の額に相当する金額を控除し、当該金額を当該訴訟費用の納付に充てる。

2項 前項の規定により予納がされた金額から訴訟費用の額に相当する金額を控除して残余があるときは、その残余の額は、その予納をした者の請求により返還する。

500条の4

1項 次の各号のいずれかに該当する場合には、 第500条の2 《 被告人又は被疑者は、検察官に訴訟費用の…》 概算額の予納をすることができる。 の規定による予納がされた金額は、その予納をした者の請求により返還する。

1号 第38条の2 《 裁判官による弁護人の選任は、被疑者がそ…》 の選任に係る事件について釈放されたときは、その効力を失う。 ただし、その釈放が勾留の執行停止によるときは、この限りでない。 の規定により弁護人の選任が効力を失つたとき。

2号 訴訟手続が終了する場合において、被告人に訴訟費用の負担を命ずる裁判がなされなかつたとき。

3号 訴訟費用の負担を命ぜられた者が、訴訟費用の全部について、その裁判の執行の免除を受けたとき。

501条

1項 刑の言渡を受けた者は、裁判の解釈について疑があるときは、言渡をした裁判所に裁判の解釈を求める申立をすることができる。

502条

1項 裁判の執行を受ける者又はその法定代理人若しくは保佐人は、執行に関し検察官のした処分(次章の規定によるものを除く。)を不当とするときは、言渡しをした裁判所に異議の申立てをすることができる。

503条

1項 第500条 《 訴訟費用の負担を命ぜられた者は、貧困の…》 ためこれを完納することができないときは、裁判所の規則の定めるところにより、訴訟費用の全部又は一部について、その裁判の執行の免除の申立をすることができる。 前項の申立は、訴訟費用の負担を命ずる裁判が確定 及び前2条の申立ては、決定があるまでこれを取り下げることができる。

2項 第366条 《 刑事施設にいる被告人が上訴の提起期間内…》 に上訴の申立書を刑事施設の長又はその代理者に差し出したときは、上訴の提起期間内に上訴をしたものとみなす。 被告人が自ら申立書を作ることができないときは、刑事施設の長又はその代理者は、これを代書し、又は の規定は、 第500条 《 訴訟費用の負担を命ぜられた者は、貧困の…》 ためこれを完納することができないときは、裁判所の規則の定めるところにより、訴訟費用の全部又は一部について、その裁判の執行の免除の申立をすることができる。 前項の申立は、訴訟費用の負担を命ずる裁判が確定 及び前2条の申立て及びその取下げについてこれを準用する。

504条

1項 第500条 《 訴訟費用の負担を命ぜられた者は、貧困の…》 ためこれを完納することができないときは、裁判所の規則の定めるところにより、訴訟費用の全部又は一部について、その裁判の執行の免除の申立をすることができる。 前項の申立は、訴訟費用の負担を命ずる裁判が確定第501条 《 刑の言渡を受けた者は、裁判の解釈につい…》 て疑があるときは、言渡をした裁判所に裁判の解釈を求める申立をすることができる。 及び 第502条 《 裁判の執行を受ける者又はその法定代理人…》 若しくは保佐人は、執行に関し検察官のした処分次章の規定によるものを除く。を不当とするときは、言渡しをした裁判所に異議の申立てをすることができる。 の申立てについてした決定に対しては、即時抗告をすることができる。

505条

1項 罰金又は科料を完納することができない場合における労役場留置の執行については、刑の執行に関する規定を準用する。

506条

1項 第490条第1項 《罰金、科料、没収、追徴、過料、没取、訴訟…》 費用、費用賠償又は仮納付の裁判は、検察官の命令によつてこれを執行する。 この命令は、執行力のある債務名義と同1の効力を有する。 の裁判の執行の費用は、執行を受ける者の負担とし、 民事執行法 その他強制執行の手続に関する法令の規定に従い、執行と同時にこれを取り立てなければならない。

2章 裁判の執行に関する調査

507条

1項 検察官及び検察事務官は、裁判の執行に関する調査のため必要があるときは、管轄区域外で職務を行うことができる。

508条

1項 検察官又は裁判所若しくは裁判官は、裁判の執行に関して、その目的を達するため必要な調査をすることができる。ただし、強制の処分は、この法律に特別の定めがある場合でなければ、これをすることができない。

2項 検察官又は裁判所若しくは裁判官は、裁判の執行に関しては、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

509条

1項 検察官は、裁判の執行に関して必要があると認めるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。

2項 差し押さえるべき物が電子計算機であるときは、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、当該電子計算機で作成若しくは変更をした電磁的記録又は当該電子計算機で変更若しくは消去をすることができることとされている電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから、その電磁的記録を当該電子計算機又は他の記録媒体に複写した上、当該電子計算機又は当該他の記録媒体を差し押さえることができる。

3項 第1項の令状は、検察官の請求により、これを発する。

4項 検察官は、第1項の身体検査令状の請求をするには、身体の検査を必要とする理由及び身体の検査を受ける者の性別、健康状態その他裁判所の規則で定める事項を示さなければならない。

5項 裁判官は、身体の検査に関し、適当と認める条件を付することができる。

510条

1項 前条第1項の令状には、裁判の執行を受ける者の氏名、差し押さえるべき物、記録させ若しくは印刷させるべき電磁的記録及びこれを記録させ若しくは印刷させるべき者、捜索すべき場所、身体若しくは物、検証すべき場所若しくは物又は検査すべき身体及び身体の検査に関する条件、有効期間及びその期間経過後は差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証に着手することができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判官が、これに記名押印しなければならない。

2項 前条第2項の場合には、同条第1項の令状に、前項に規定する事項のほか、差し押さえるべき電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、その電磁的記録を複写すべきものの範囲を記載しなければならない。

3項 第64条第2項 《被告人の氏名が明らかでないときは、人相、…》 体格その他被告人を特定するに足りる事項で被告人を指示することができる。 の規定は、前条第1項の令状について準用する。この場合において、 第64条第2項 《被告人の氏名が明らかでないときは、人相、…》 体格その他被告人を特定するに足りる事項で被告人を指示することができる。 中「被告人の」とあるのは「裁判の執行を受ける者の」と、「被告人を」とあるのは「その者を」と読み替えるものとする。

511条

1項 裁判所又は裁判官は、裁判の執行に関して必要があると認めるときは、令状を発して、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。

2項 差し押さえるべき物が電子計算機であるときは、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、当該電子計算機で作成若しくは変更をした電磁的記録又は当該電子計算機で変更若しくは消去をすることができることとされている電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから、その電磁的記録を当該電子計算機又は他の記録媒体に複写した上、当該電子計算機又は当該他の記録媒体を差し押さえることができる。

3項 前条の規定は、第1項の令状について準用する。この場合において、同条第1項中「裁判官」とあるのは「裁判長又は裁判官」と、同条第2項中「前条第2項」とあるのは「次条第2項」と読み替えるものとする。

512条

1項 検察官又は裁判所若しくは裁判官は、裁判の執行を受ける者その他の者が遺留した物又は所有者、所持者若しくは保管者が任意に提出した物は、これを領置することができる。

513条

1項 第99条第1項 《裁判所は、必要があるときは、証拠物又は没…》 収すべき物と思料するものを差し押えることができる。 但し、特別の定のある場合は、この限りでない。第100条 《 裁判所は、被告人から発し、又は被告人に…》 対して発した郵便物、信書便物又は電信に関する書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものを差し押え、又は提出させることができる。 前項の規定に該当しない郵便物、信書便物又は第102条 《 裁判所は、必要があるときは、被告人の身…》 体、物又は住居その他の場所に就き、捜索をすることができる。 被告人以外の者の身体、物又は住居その他の場所については、押収すべき物の存在を認めるに足りる状況のある場合に限り、捜索をすることができる。 から 第105条 《 医師、歯科医師、助産師、看護師、弁護士…》 外国法事務弁護士を含む。、弁理士、公証人、宗教の職に在る者又はこれらの職に在つた者は、業務上委託を受けたため、保管し、又は所持する物で他人の秘密に関するものについては、押収を拒むことができる。 但し、 まで、 第110条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状は、…》 処分を受ける者にこれを示さなければならない。第110条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状は、…》 処分を受ける者にこれを示さなければならない。 の二前段、 第111条第1項 《差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行…》 については、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。 公判廷で差押え、記録命令付差押え又は捜索をする場合も、同様である。 前段及び第2項、 第111条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行については、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。 公判廷で差押え、記録命令付差押え又は捜索をする場合も、同様である。 前項の処分は、押収物についても、これをすることができる。 の二前段、 第112条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行中は、何人に対しても、許可を得ないでその場所に出入りすることを禁止することができる。 前項の禁止に従わない者は、これを退去させ、又は執行が終わるまでこれに看守者を付することができる。第114条 《 公務所内で差押状、記録命令付差押状又は…》 捜索状の執行をするときは、その長又はこれに代わるべき者に通知してその処分に立ち会わせなければならない。 前項の規定による場合を除いて、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内で差押状、記録命第115条 《 女子の身体について捜索状の執行をする場…》 合には、成年の女子をこれに立ち会わせなければならない。 但し、急速を要する場合は、この限りでない。第118条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行を中止する場合において必要があるときは、執行が終わるまでその場所を閉鎖し、又は看守者を置くことができる。 から 第120条 《 押収をした場合には、その目録を作り、所…》 有者、所持者若しくは保管者第110条の2の規定による処分を受けた者を含む。又はこれらの者に代わるべき者に、これを交付しなければならない。 まで、 第121条第1項 《運搬又は保管に不便な押収物については、看…》 守者を置き、又は所有者その他の者に、その承諾を得て、これを保管させることができる。 及び第2項、 第123条第1項 《押収物で留置の必要がないものは、被告事件…》 の終結を待たないで、決定でこれを還付しなければならない。 から第3項まで並びに 第222条第6項 《検察官、検察事務官又は司法警察職員は、第…》 218条の規定により差押、捜索又は検証をするについて必要があるときは、被疑者をこれに立ち会わせることができる。 の規定は、検察官が 第509条 《 検察官は、裁判の執行に関して必要がある…》 と認めるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。 この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。 差し押さえるべき物が電子計算 及び前条の規定によつてする押収又は捜索について、 第110条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状は、…》 処分を受ける者にこれを示さなければならない。第111条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行については、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。 公判廷で差押え、記録命令付差押え又は捜索をする場合も、同様である。 前項の処分は、押収物についても、これをすることができる。 の二前段、 第112条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行中は、何人に対しても、許可を得ないでその場所に出入りすることを禁止することができる。 前項の禁止に従わない者は、これを退去させ、又は執行が終わるまでこれに看守者を付することができる。第114条 《 公務所内で差押状、記録命令付差押状又は…》 捜索状の執行をするときは、その長又はこれに代わるべき者に通知してその処分に立ち会わせなければならない。 前項の規定による場合を除いて、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内で差押状、記録命第118条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行を中止する場合において必要があるときは、執行が終わるまでその場所を閉鎖し、又は看守者を置くことができる。第129条 《 検証については、身体の検査、死体の解剖…》 、墳墓の発掘、物の破壊その他必要な処分をすることができる。第131条 《 身体の検査については、これを受ける者の…》 性別、健康状態その他の事情を考慮した上、特にその方法に注意し、その者の名誉を害しないように注意しなければならない。 女子の身体を検査する場合には、医師又は成年の女子をこれに立ち会わせなければならない。第137条 《 被告人又は被告人以外の者が正当な理由が…》 なく身体の検査を拒んだときは、決定で、110,000円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 から 第140条 《 裁判所は、第137条の規定により過料を…》 科し、又は前条の規定により身体の検査をするにあたつては、あらかじめ、検察官の意見を聴き、且つ、身体の検査を受ける者の異議の理由を知るため適当な努力をしなければならない。 まで及び 第222条第4項 《日出前、日没後には、令状に夜間でも検証を…》 することができる旨の記載がなければ、検察官、検察事務官又は司法警察職員は、第218条の規定によつてする検証のため、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入ることができない。 但し、第11 から第7項までの規定は、検察官が 第509条 《 検察官は、裁判の執行に関して必要がある…》 と認めるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。 この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。 差し押さえるべき物が電子計算 の規定によつてする検証について、それぞれ準用する。この場合において、 第99条第1項 《裁判所は、必要があるときは、証拠物又は没…》 収すべき物と思料するものを差し押えることができる。 但し、特別の定のある場合は、この限りでない。 中「証拠物又は没収すべき物」とあり、及び 第119条 《 捜索をした場合において証拠物又は没収す…》 べきものがないときは、捜索を受けた者の請求により、その旨の証明書を交付しなければならない。 中「証拠物又は没収すべきもの」とあるのは「裁判の執行を受ける者若しくは裁判の執行の対象となるものの所在若しくは状況に関する資料、裁判の執行を受ける者の資産に関する資料、裁判の執行の対象となるもの若しくは裁判の執行を受ける者の財産を管理するために使用されている物又は 第490条第2項 《前項の裁判の執行は、民事執行法1979年…》 法律第4号その他強制執行の手続に関する法令の規定に従つてする。 ただし、執行前に裁判の送達をすることを要しない。 の規定によりその規定に従うこととされる 民事執行法 その他強制執行の手続に関する法令の規定により金銭の支払を目的とする債権についての強制執行の目的となる物若しくはそれ以外の物であつて当該強制執行の手続において執行官による取上げの対象となるべきもの」と、 第100条第1項 《裁判所は、被告人から発し、又は被告人に対…》 して発した郵便物、信書便物又は電信に関する書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものを差し押え、又は提出させることができる。第102条 《 裁判所は、必要があるときは、被告人の身…》 体、物又は住居その他の場所に就き、捜索をすることができる。 被告人以外の者の身体、物又は住居その他の場所については、押収すべき物の存在を認めるに足りる状況のある場合に限り、捜索をすることができる。第105条 《 医師、歯科医師、助産師、看護師、弁護士…》 外国法事務弁護士を含む。、弁理士、公証人、宗教の職に在る者又はこれらの職に在つた者は、業務上委託を受けたため、保管し、又は所持する物で他人の秘密に関するものについては、押収を拒むことができる。 但し、 ただし書及び 第137条第1項 《被告人又は被告人以外の者が正当な理由がな…》 く身体の検査を拒んだときは、決定で、110,000円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。 中「被告人」とあり、並びに 第222条第6項 《検察官、検察事務官又は司法警察職員は、第…》 218条の規定により差押、捜索又は検証をするについて必要があるときは、被疑者をこれに立ち会わせることができる。 中「被疑者」とあるのは「裁判の執行を受ける者」と、 第100条第2項 《前項の規定に該当しない郵便物、信書便物又…》 は電信に関する書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものは、被告事件に関係があると認めるに足りる状況のあるものに限り、これを差し押え、又は提出させることができる。 並びに 第123条第1項 《押収物で留置の必要がないものは、被告事件…》 の終結を待たないで、決定でこれを還付しなければならない。 及び第3項中「被告事件」とあり、並びに 第100条第3項 《前2項の規定による処分をしたときは、その…》 旨を発信人又は受信人に通知しなければならない。 但し、通知によつて審理が妨げられる虞がある場合は、この限りでない。 ただし書中「審理」とあるのは「裁判の執行」と、 第222条第7項 《第1項の規定により、身体の検査を拒んだ者…》 を過料に処し、又はこれに賠償を命ずべきときは、裁判所にその処分を請求しなければならない。 中「第1項」とあるのは「 第513条第1項 《第99条第1項、第100条、第102条か…》 ら第105条まで、第110条、第110条の二前段、第111条第1項前段及び第2項、第111条の二前段、第112条、第114条、第115条、第118条から第120条まで、第121条第1項及び第2項、第1 において読み替えて準用する 第137条第1項 《被告人又は被告人以外の者が正当な理由がな…》 く身体の検査を拒んだときは、決定で、110,000円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。 」と読み替えるものとする。

2項 第116条 《 日出前、日没後には、令状に夜間でも執行…》 することができる旨の記載がなければ、差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行のため、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入ることはできない。 日没前に差押状、記録命令付差押状又は捜索状 及び 第117条 《 次に掲げる場所で差押状、記録命令付差押…》 又は捜索状の執行をするについては、前条第1項に規定する制限によることを要しない。 1 賭博、富くじ又は風俗を害する行為に常用されるものと認められる場所 2 旅館、飲食店その他夜間でも公衆が出入りする の規定は、検察官が 第509条 《 検察官は、裁判の執行に関して必要がある…》 と認めるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。 この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。 差し押さえるべき物が電子計算 の規定によつてする差押え、記録命令付差押え又は捜索について準用する。

3項 検察官は、 第490条第2項 《前項の裁判の執行は、民事執行法1979年…》 法律第4号その他強制執行の手続に関する法令の規定に従つてする。 ただし、執行前に裁判の送達をすることを要しない。 の規定によりその規定に従うこととされる 民事執行法 その他強制執行の手続に関する法令の規定による手続において必要があると認めるときは、執行官に押収物を提出することができる。

4項 前項の規定による提出をしたときは、押収を解く処分があつたものとする。この場合において、当該押収物は、還付することを要しない。

5項 前2項の規定は、民事訴訟の手続に従い、利害関係人がその権利を主張することを妨げない。

6項 第99条第1項 《裁判所は、必要があるときは、証拠物又は没…》 収すべき物と思料するものを差し押えることができる。 但し、特別の定のある場合は、この限りでない。第100条 《 裁判所は、被告人から発し、又は被告人に…》 対して発した郵便物、信書便物又は電信に関する書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものを差し押え、又は提出させることができる。 前項の規定に該当しない郵便物、信書便物又は第102条 《 裁判所は、必要があるときは、被告人の身…》 体、物又は住居その他の場所に就き、捜索をすることができる。 被告人以外の者の身体、物又は住居その他の場所については、押収すべき物の存在を認めるに足りる状況のある場合に限り、捜索をすることができる。 から 第105条 《 医師、歯科医師、助産師、看護師、弁護士…》 外国法事務弁護士を含む。、弁理士、公証人、宗教の職に在る者又はこれらの職に在つた者は、業務上委託を受けたため、保管し、又は所持する物で他人の秘密に関するものについては、押収を拒むことができる。 但し、 まで、 第108条第1項 《差押状、記録命令付差押状又は捜索状は、検…》 察官の指揮によつて、検察事務官又は司法警察職員がこれを執行する。 ただし、裁判所が被告人の保護のため必要があると認めるときは、裁判長は、裁判所書記官又は司法警察職員にその執行を命ずることができる。 から第3項まで、 第109条 《 検察事務官又は裁判所書記官は、差押状、…》 記録命令付差押状又は捜索状の執行について必要があるときは、司法警察職員に補助を求めることができる。第110条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状は、…》 処分を受ける者にこれを示さなければならない。第110条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状は、…》 処分を受ける者にこれを示さなければならない。 の二前段、 第111条第1項 《差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行…》 については、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。 公判廷で差押え、記録命令付差押え又は捜索をする場合も、同様である。 前段及び第2項、 第111条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行については、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。 公判廷で差押え、記録命令付差押え又は捜索をする場合も、同様である。 前項の処分は、押収物についても、これをすることができる。 の二前段、 第112条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行中は、何人に対しても、許可を得ないでその場所に出入りすることを禁止することができる。 前項の禁止に従わない者は、これを退去させ、又は執行が終わるまでこれに看守者を付することができる。第113条第3項 《裁判所は、差押状又は捜索状の執行について…》 必要があるときは、被告人をこれに立ち会わせることができる。第114条 《 公務所内で差押状、記録命令付差押状又は…》 捜索状の執行をするときは、その長又はこれに代わるべき者に通知してその処分に立ち会わせなければならない。 前項の規定による場合を除いて、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内で差押状、記録命第115条 《 女子の身体について捜索状の執行をする場…》 合には、成年の女子をこれに立ち会わせなければならない。 但し、急速を要する場合は、この限りでない。第118条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行を中止する場合において必要があるときは、執行が終わるまでその場所を閉鎖し、又は看守者を置くことができる。 から 第121条 《 運搬又は保管に不便な押収物については、…》 看守者を置き、又は所有者その他の者に、その承諾を得て、これを保管させることができる。 危険を生ずる虞がある押収物は、これを廃棄することができる。 前2項の処分は、裁判所が特別の指示をした場合を除いては まで、 第123条第1項 《押収物で留置の必要がないものは、被告事件…》 の終結を待たないで、決定でこれを還付しなければならない。 から第3項まで並びに 第125条 《 押収又は捜索は、合議体の構成員にこれを…》 させ、又はこれをすべき地の地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。 受託裁判官は、受託の権限を有する他の地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に転嘱すること の規定は、裁判所又は裁判官が前2条の規定によつてする押収又は捜索について、 第108条第1項 《差押状、記録命令付差押状又は捜索状は、検…》 察官の指揮によつて、検察事務官又は司法警察職員がこれを執行する。 ただし、裁判所が被告人の保護のため必要があると認めるときは、裁判長は、裁判所書記官又は司法警察職員にその執行を命ずることができる。 から第3項まで、 第109条 《 検察事務官又は裁判所書記官は、差押状、…》 記録命令付差押状又は捜索状の執行について必要があるときは、司法警察職員に補助を求めることができる。第110条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状は、…》 処分を受ける者にこれを示さなければならない。第111条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行については、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。 公判廷で差押え、記録命令付差押え又は捜索をする場合も、同様である。 前項の処分は、押収物についても、これをすることができる。 の二前段、 第112条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行中は、何人に対しても、許可を得ないでその場所に出入りすることを禁止することができる。 前項の禁止に従わない者は、これを退去させ、又は執行が終わるまでこれに看守者を付することができる。第113条第3項 《裁判所は、差押状又は捜索状の執行について…》 必要があるときは、被告人をこれに立ち会わせることができる。第114条 《 公務所内で差押状、記録命令付差押状又は…》 捜索状の執行をするときは、その長又はこれに代わるべき者に通知してその処分に立ち会わせなければならない。 前項の規定による場合を除いて、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内で差押状、記録命第118条 《 差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執…》 行を中止する場合において必要があるときは、執行が終わるまでその場所を閉鎖し、又は看守者を置くことができる。第125条第1項 《押収又は捜索は、合議体の構成員にこれをさ…》 せ、又はこれをすべき地の地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。 から第3項まで及び第4項本文、 第129条 《 検証については、身体の検査、死体の解剖…》 、墳墓の発掘、物の破壊その他必要な処分をすることができる。第131条 《 身体の検査については、これを受ける者の…》 性別、健康状態その他の事情を考慮した上、特にその方法に注意し、その者の名誉を害しないように注意しなければならない。 女子の身体を検査する場合には、医師又は成年の女子をこれに立ち会わせなければならない。第137条 《 被告人又は被告人以外の者が正当な理由が…》 なく身体の検査を拒んだときは、決定で、110,000円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 から 第140条 《 裁判所は、第137条の規定により過料を…》 科し、又は前条の規定により身体の検査をするにあたつては、あらかじめ、検察官の意見を聴き、且つ、身体の検査を受ける者の異議の理由を知るため適当な努力をしなければならない。 まで並びに 第222条第4項 《日出前、日没後には、令状に夜間でも検証を…》 することができる旨の記載がなければ、検察官、検察事務官又は司法警察職員は、第218条の規定によつてする検証のため、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入ることができない。 但し、第11 及び第5項の規定は、裁判所又は裁判官が 第511条 《 裁判所又は裁判官は、裁判の執行に関して…》 必要があると認めるときは、令状を発して、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。 この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。 差し押さえるべき物が電子計算機 の規定によつてする検証について、それぞれ準用する。この場合において、 第99条第1項 《裁判所は、必要があるときは、証拠物又は没…》 収すべき物と思料するものを差し押えることができる。 但し、特別の定のある場合は、この限りでない。 中「証拠物又は没収すべき物」とあり、及び 第119条 《 捜索をした場合において証拠物又は没収す…》 べきものがないときは、捜索を受けた者の請求により、その旨の証明書を交付しなければならない。 中「証拠物又は没収すべきもの」とあるのは「裁判の執行を受ける者若しくは裁判の執行の対象となるものの所在若しくは状況に関する資料又は裁判の執行の対象となるものを管理するために使用されている物」と、 第100条第1項 《裁判所は、被告人から発し、又は被告人に対…》 して発した郵便物、信書便物又は電信に関する書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものを差し押え、又は提出させることができる。第102条 《 裁判所は、必要があるときは、被告人の身…》 体、物又は住居その他の場所に就き、捜索をすることができる。 被告人以外の者の身体、物又は住居その他の場所については、押収すべき物の存在を認めるに足りる状況のある場合に限り、捜索をすることができる。第105条 《 医師、歯科医師、助産師、看護師、弁護士…》 外国法事務弁護士を含む。、弁理士、公証人、宗教の職に在る者又はこれらの職に在つた者は、業務上委託を受けたため、保管し、又は所持する物で他人の秘密に関するものについては、押収を拒むことができる。 但し、 ただし書、 第108条第1項 《差押状、記録命令付差押状又は捜索状は、検…》 察官の指揮によつて、検察事務官又は司法警察職員がこれを執行する。 ただし、裁判所が被告人の保護のため必要があると認めるときは、裁判長は、裁判所書記官又は司法警察職員にその執行を命ずることができる。 ただし書、 第113条第3項 《裁判所は、差押状又は捜索状の執行について…》 必要があるときは、被告人をこれに立ち会わせることができる。 及び 第137条第1項 《被告人又は被告人以外の者が正当な理由がな…》 く身体の検査を拒んだときは、決定で、110,000円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。 中「被告人」とあるのは「裁判の執行を受ける者」と、 第100条第2項 《前項の規定に該当しない郵便物、信書便物又…》 は電信に関する書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものは、被告事件に関係があると認めるに足りる状況のあるものに限り、これを差し押え、又は提出させることができる。 並びに 第123条第1項 《押収物で留置の必要がないものは、被告事件…》 の終結を待たないで、決定でこれを還付しなければならない。 及び第3項中「被告事件」とあり、並びに 第100条第3項 《前2項の規定による処分をしたときは、その…》 旨を発信人又は受信人に通知しなければならない。 但し、通知によつて審理が妨げられる虞がある場合は、この限りでない。 ただし書中「審理」とあるのは「裁判の執行」と、 第125条第4項 《受命裁判官又は受託裁判官がする押収又は捜…》 索については、裁判所がする押収又は捜索に関する規定を準用する。 但し、第100条第3項の通知は、裁判所がこれをしなければならない。 ただし書中「裁判所」とあるのは「裁判所又は 第513条第6項 《第99条第1項、第100条、第102条か…》 ら第105条まで、第108条第1項から第3項まで、第109条、第110条、第110条の二前段、第111条第1項前段及び第2項、第111条の二前段、第112条、第113条第3項、第114条、第115条、 において準用する第1項の規定による嘱託をした裁判官」と、 第222条第4項 《日出前、日没後には、令状に夜間でも検証を…》 することができる旨の記載がなければ、検察官、検察事務官又は司法警察職員は、第218条の規定によつてする検証のため、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入ることができない。 但し、第11 中「検察官、検察事務官又は司法警察職員」とあるのは「検証状を執行する者」と読み替えるものとする。

7項 第116条 《 日出前、日没後には、令状に夜間でも執行…》 することができる旨の記載がなければ、差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行のため、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入ることはできない。 日没前に差押状、記録命令付差押状又は捜索状 及び 第117条 《 次に掲げる場所で差押状、記録命令付差押…》 又は捜索状の執行をするについては、前条第1項に規定する制限によることを要しない。 1 賭博、富くじ又は風俗を害する行為に常用されるものと認められる場所 2 旅館、飲食店その他夜間でも公衆が出入りする の規定は、裁判所又は裁判官が 第511条 《 裁判所又は裁判官は、裁判の執行に関して…》 必要があると認めるときは、令状を発して、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。 この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。 差し押さえるべき物が電子計算機 の規定によつてする差押え、記録命令付差押え又は捜索について準用する。

8項 第71条 《 検察事務官又は司法警察職員は、必要があ…》 るときは、管轄区域外で、勾引状若しくは勾留状を執行し、又はその地の検察事務官若しくは司法警察職員にその執行を求めることができる。 の規定は、 第511条第1項 《裁判所又は裁判官は、裁判の執行に関して必…》 要があると認めるときは、令状を発して、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。 この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。 の令状の執行について準用する。

9項 第499条第1項 《押収物の還付を受けるべき者の所在が判らな…》 いため、又はその他の事由によつて、その物を還付することができない場合には、検察官は、その旨を政令で定める方法によつて公告しなければならない。 、第3項及び第4項の規定は、第1項及び第6項において読み替えて準用する 第123条第1項 《押収物で留置の必要がないものは、被告事件…》 の終結を待たないで、決定でこれを還付しなければならない。 の規定による押収物の還付について準用する。この場合において、 第499条第3項 《前2項の規定による公告をした日から6箇月…》 以内に還付の請求がないときは、その物は、国庫に帰属する。 中「前2項」とあるのは、「 第513条第9項 《第499条第1項、第3項及び第4項の規定…》 は、第1項及び第6項において読み替えて準用する第123条第1項の規定による押収物の還付について準用する。 この場合において、第499条第3項中「前2項」とあるのは、「において準用する第1項」と読み替え において準用する第1項」と読み替えるものとする。

10項 第499条第1項 《押収物の還付を受けるべき者の所在が判らな…》 いため、又はその他の事由によつて、その物を還付することができない場合には、検察官は、その旨を政令で定める方法によつて公告しなければならない。 の規定は、第1項及び第6項において読み替えて準用する 第123条第3項 《押収物が第110条の2の規定により電磁的…》 記録を移転し、又は移転させた上差し押さえた記録媒体で留置の必要がないものである場合において、差押えを受けた者と当該記録媒体の所有者、所持者又は保管者とが異なるときは、被告事件の終結を待たないで、決定で の規定による交付又は複写について準用する。

11項 前項において準用する 第499条第1項 《押収物の還付を受けるべき者の所在が判らな…》 いため、又はその他の事由によつて、その物を還付することができない場合には、検察官は、その旨を政令で定める方法によつて公告しなければならない。 の規定による公告をした日から6箇月以内に前項の交付又は複写の請求がないときは、その交付をし、又は複写をさせることを要しない。

514条

1項 検察官又は裁判所若しくは裁判官は、裁判の執行に関して必要があると認めるときは、裁判の執行を受ける者その他の者の出頭を求め、質問をし、又は裁判の執行を受ける者以外の者に鑑定、通訳若しくは翻訳を嘱託することができる。

515条

1項 前条の規定による鑑定の嘱託を受けた者は、裁判官の許可を受けて、 第168条第1項 《鑑定人は、鑑定について必要がある場合には…》 、裁判所の許可を受けて、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入り、身体を検査し、死体を解剖し、墳墓を発掘し、又は物を破壊することができる。 に規定する処分をすることができる。

2項 検察官が前条の規定による鑑定の嘱託をした場合においては、前項の許可の請求は、検察官からこれをしなければならない。

3項 裁判官は、前項の請求を相当と認めるとき、又は裁判所若しくは裁判官が鑑定を嘱託した場合において第1項の許可をするときは、許可状を発しなければならない。

4項 第131条 《 身体の検査については、これを受ける者の…》 性別、健康状態その他の事情を考慮した上、特にその方法に注意し、その者の名誉を害しないように注意しなければならない。 女子の身体を検査する場合には、医師又は成年の女子をこれに立ち会わせなければならない。第137条 《 被告人又は被告人以外の者が正当な理由が…》 なく身体の検査を拒んだときは、決定で、110,000円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。第138条 《 正当な理由がなく身体の検査を拒んだ者は…》 、110,000円以下の罰金又は拘留に処する。 前項の罪を犯した者には、情状により、罰金及び拘留を併科することができる。第140条 《 裁判所は、第137条の規定により過料を…》 科し、又は前条の規定により身体の検査をするにあたつては、あらかじめ、検察官の意見を聴き、且つ、身体の検査を受ける者の異議の理由を知るため適当な努力をしなければならない。 及び 第168条第2項 《裁判所は、前項の許可をするには、被告人の…》 氏名、罪名及び立ち入るべき場所、検査すべき身体、解剖すべき死体、発掘すべき墳墓又は破壊すべき物並びに鑑定人の氏名その他裁判所の規則で定める事項を記載した許可状を発して、これをしなければならない。 から第4項までの規定は、第1項の許可及び前項の許可状について準用する。この場合において、 第137条第1項 《被告人又は被告人以外の者が正当な理由がな…》 く身体の検査を拒んだときは、決定で、110,000円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。 中「被告人」とあるのは「裁判の執行を受ける者」と、 第168条第2項 《裁判所は、前項の許可をするには、被告人の…》 氏名、罪名及び立ち入るべき場所、検査すべき身体、解剖すべき死体、発掘すべき墳墓又は破壊すべき物並びに鑑定人の氏名その他裁判所の規則で定める事項を記載した許可状を発して、これをしなければならない。 中「被告人の氏名、罪名」とあるのは「裁判の執行を受ける者の氏名」と読み替えるものとする。

516条

1項 検察官は、検察事務官に 第508条第1項 《検察官又は裁判所若しくは裁判官は、裁判の…》 執行に関して、その目的を達するため必要な調査をすることができる。 ただし、強制の処分は、この法律に特別の定めがある場合でなければ、これをすることができない。 本文の調査又は同条第2項、 第509条 《 検察官は、裁判の執行に関して必要がある…》 と認めるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。 この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。 差し押さえるべき物が電子計算第512条 《 検察官又は裁判所若しくは裁判官は、裁判…》 の執行を受ける者その他の者が遺留した物又は所有者、所持者若しくは保管者が任意に提出した物は、これを領置することができる。 若しくは 第514条 《 検察官又は裁判所若しくは裁判官は、裁判…》 の執行に関して必要があると認めるときは、裁判の執行を受ける者その他の者の出頭を求め、質問をし、又は裁判の執行を受ける者以外の者に鑑定、通訳若しくは翻訳を嘱託することができる。 の処分をさせることができる。

《本則》 ここまで 附則 >  

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