母体保護法《本則》

法番号:1948年法律第156号

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1章 総則

1条 (この法律の目的)

1項 この法律は、不妊手術及び人工妊娠中絶に関する事項を定めること等により、母性の生命健康を保護することを目的とする。

2条 (定義)

1項 この法律で不妊手術とは、生殖腺を除去することなしに、生殖を不能にする手術で内閣府令をもつて定めるものをいう。

2項 この法律で人工妊娠中絶とは、胎児が、母体外において、生命を保続することのできない時期に、人工的に、胎児及びその附属物を母体外に排出することをいう。

2章 不妊手術

3条

1項 医師は、次の各号の1に該当する者に対して、本人の同意及び配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様な事情にある者を含む。以下同じ。)があるときはその同意を得て、不妊手術を行うことができる。ただし、未成年者については、この限りでない。

1号 妊娠又は分娩が、母体の生命に危険を及ぼすおそれのあるもの

2号 現に数人の子を有し、かつ、分娩ごとに、母体の健康度を著しく低下するおそれのあるもの

2項 前項各号に掲げる場合には、その配偶者についても同項の規定による不妊手術を行うことができる。

3項 第1項の同意は、配偶者が知れないとき又はその意思を表示することができないときは本人の同意だけで足りる。

4条から13条まで

1項 削除

3章 母性保護

14条 (医師の認定による人工妊娠中絶)

1項 都道府県の区域を単位として設立された公益社団法人たる医師会の指定する医師(以下「 指定医師 」という。)は、次の各号の1に該当する者に対して、本人及び配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行うことができる。

1号 妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの

2号 暴行若しくは脅迫によつて又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫かんいんされて妊娠したもの

2項 前項の同意は、配偶者が知れないとき若しくはその意思を表示することができないとき又は妊娠後に配偶者がなくなつたときには本人の同意だけで足りる。

15条 (受胎調節の実地指導)

1項 女子に対して内閣総理大臣が指定する避妊用の器具を使用する受胎調節の実地指導は、医師のほかは、都道府県知事の指定を受けた者でなければ業として行つてはならない。ただし、子宮腔内に避妊用の器具を挿入する行為は、医師でなければ業として行つてはならない。

2項 前項の都道府県知事の指定を受けることができる者は、内閣総理大臣の定める基準に従つて都道府県知事の認定する講習を終了した助産師、保健師又は看護師とする。

3項 前2項に定めるものの外、都道府県知事の指定又は認定に関して必要な事項は、政令でこれを定める。

4章及び5章 削除

16条から24条まで

1項 削除

6章 届出、禁止その他

25条 (届出)

1項 医師又は 指定医師 は、 第3条第1項 《医師は、次の各号の1に該当する者に対して…》 、本人の同意及び配偶者届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様な事情にある者を含む。以下同じ。があるときはその同意を得て、不妊手術を行うことができる。 ただし、未成年者については、この限りでない。 1 又は 第14条第1項 《都道府県の区域を単位として設立された公益…》 社団法人たる医師会の指定する医師以下「指定医師」という。は、次の各号の1に該当する者に対して、本人及び配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行うことができる。 1 妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由 の規定によつて不妊手術又は人工妊娠中絶を行つた場合は、その月中の手術の結果を取りまとめて翌月10日までに、理由を記して、都道府県知事に届け出なければならない。

26条 (通知)

1項 不妊手術を受けた者は、婚姻しようとするときは、その相手方に対して、不妊手術を受けた旨を通知しなければならない。

27条 (秘密の保持)

1項 不妊手術又は人工妊娠中絶の施行の事務に従事した者は、職務上知り得た人の秘密を、漏らしてはならない。その職を退いた後においても同様とする。

28条 (禁止)

1項 何人も、この法律の規定による場合の外、故なく、生殖を不能にすることを目的として手術又はレントゲン照射を行つてはならない。

7章 罰則

29条 (第15条第1項違反)

1項 第15条第1項 《女子に対して内閣総理大臣が指定する避妊用…》 の器具を使用する受胎調節の実地指導は、医師のほかは、都道府県知事の指定を受けた者でなければ業として行つてはならない。 ただし、子宮腔内に避妊用の器具を挿入する行為は、医師でなければ業として行つてはなら の規定に違反した者は、510,000円以下の罰金に処する。

30条及び31条

1項 削除

32条 (第25条違反)

1項 第25条 《届出 医師又は指定医師は、第3条第1項…》 又は第14条第1項の規定によつて不妊手術又は人工妊娠中絶を行つた場合は、その月中の手術の結果を取りまとめて翌月10日までに、理由を記して、都道府県知事に届け出なければならない。 の規定に違反して、届出をせず又は虚偽の届出をした者は、これを110,000円以下の罰金に処する。

33条 (第27条違反)

1項 第27条 《秘密の保持 不妊手術又は人工妊娠中絶の…》 施行の事務に従事した者は、職務上知り得た人の秘密を、漏らしてはならない。 その職を退いた後においても同様とする。 の規定に違反して、故なく、人の秘密を漏らした者は、6月以下の拘禁刑又は310,000円以下の罰金に処する。

34条 (第28条違反)

1項 第28条 《禁止 何人も、この法律の規定による場合…》 の外、故なく、生殖を不能にすることを目的として手術又はレントゲン照射を行つてはならない。 の規定に違反した者は、1年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金に処する。そのために、人を死に至らしめたときは、3年以下の拘禁刑に処する。

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