社会教育法《本則》

法番号:1949年法律第207号

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1章 総則

1条 (この法律の目的)

1項 この法律は、 教育基本法 2006年法律第120号)の精神に則り、社会教育に関する国及び地方公共団体の任務を明らかにすることを目的とする。

2条 (社会教育の定義)

1項 この法律において「 社会教育 」とは、 学校教育法 1947年法律第26号又は 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律 2006年法律第77号)に基づき、学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーシヨンの活動を含む。)をいう。

3条 (国及び地方公共団体の任務)

1項 及び地方公共団体は、この法律及び他の法令の定めるところにより、 社会教育 の奨励に必要な施設の設置及び運営、集会の開催、資料の作製、頒布その他の方法により、すべての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、自ら実際生活に即する文化的教養を高め得るような環境を醸成するように努めなければならない。

2項 及び地方公共団体は、前項の任務を行うに当たつては、国民の学習に対する多様な需要を踏まえ、これに適切に対応するために必要な学習の機会の提供及びその奨励を行うことにより、生涯学習の振興に寄与することとなるよう努めるものとする。

3項 及び地方公共団体は、第1項の任務を行うに当たつては、 社会教育 が学校教育及び家庭教育との密接な関連性を有することにかんがみ、学校教育との連携の確保に努め、及び家庭教育の向上に資することとなるよう必要な配慮をするとともに、学校、家庭及び地域住民その他の関係者相互間の連携及び協力の促進に資することとなるよう努めるものとする。

4条 (国の地方公共団体に対する援助)

1項 前条第1項の任務を達成するために、国は、この法律及び他の法令の定めるところにより、地方公共団体に対し、予算の範囲内において、財政的援助並びに物資の提供及びそのあつせんを行う。

5条 (市町村の教育委員会の事務)

1項 市(特別区を含む。以下同じ。)町村の教育委員会は、 社会教育 に関し、当該地方の必要に応じ、予算の範囲内において、次の事務を行う。

1号 社会教育 に必要な援助を行うこと。

2号 社会教育 委員の委嘱に関すること。

3号 公民館の設置及び管理に関すること。

4号 所管に属する図書館、博物館、青年の家その他の 社会教育 施設の設置及び管理に関すること。

5号 所管に属する学校の行う 社会教育 のための講座の開設及びその奨励に関すること。

6号 講座の開設及び討論会、講習会、講演会、展示会その他の集会の開催並びにこれらの奨励に関すること。

7号 家庭教育に関する学習の機会を提供するための講座の開設及び集会の開催並びに家庭教育に関する情報の提供並びにこれらの奨励に関すること。

8号 職業教育及び産業に関する科学技術指導のための集会の開催並びにその奨励に関すること。

9号 生活の科学化の指導のための集会の開催及びその奨励に関すること。

10号 情報化の進展に対応して情報の収集及び利用を円滑かつ適正に行うために必要な知識又は技能に関する学習の機会を提供するための講座の開設及び集会の開催並びにこれらの奨励に関すること。

11号 運動会、競技会その他体育指導のための集会の開催及びその奨励に関すること。

12号 音楽、演劇、美術その他芸術の発表会等の開催及びその奨励に関すること。

13号 主として学齢児童及び学齢生徒(それぞれ 学校教育法 第18条 《 前条第1項又は第2項の規定によつて、保…》 護者が就学させなければならない子以下それぞれ「学齢児童」又は「学齢生徒」という。で、病弱、発育不完全その他やむを得ない事由のため、就学困難と認められる者の保護者に対しては、市町村の教育委員会は、文部科 に規定する学齢児童及び学齢生徒をいう。)に対し、学校の授業の終了後又は休業日において学校、 社会教育 施設その他適切な施設を利用して行う学習その他の活動の機会を提供する事業の実施並びにその奨励に関すること。

14号 青少年に対しボランティア活動など社会奉仕体験活動、自然体験活動その他の体験活動の機会を提供する事業の実施及びその奨励に関すること。

15号 社会教育 における学習の機会を利用して行つた学習の成果を活用して学校、社会教育施設その他地域において行う教育活動その他の活動の機会を提供する事業の実施及びその奨励に関すること。

16号 社会教育 に関する情報の収集、整理及び提供に関すること。

17号 視聴覚教育、体育及びレクリエーションに必要な設備、器材及び資料の提供に関すること。

18号 情報の交換及び調査研究に関すること。

19号 その他 第3条第1項 《学校を設置しようとする者は、学校の種類に…》 応じ、文部科学大臣の定める設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならない。 の任務を達成するために必要な事務

2項 市町村の教育委員会は、前項第13号から第15号までに規定する活動であつて地域住民その他の関係者(以下この項及び 第9条の7第2項 《2 地域学校協働活動推進員は、地域学校協…》 働活動に関する事項につき、教育委員会の施策に協力して、地域住民等と学校との間の情報の共有を図るとともに、地域学校協働活動を行う地域住民等に対する助言その他の援助を行う。 において「 地域住民等 」という。)が学校と協働して行うもの(以下「 地域学校協働活動 」という。)の機会を提供する事業を実施するに当たつては、 地域住民等 の積極的な参加を得て当該 地域学校協働活動 が学校との適切な連携の下に円滑かつ効果的に実施されるよう、地域住民等と学校との連携協力体制の整備、地域学校協働活動に関する普及啓発その他の必要な措置を講ずるものとする。

3項 地方教育行政の組織及び運営に関する法律 1956年法律第162号第23条第1項 《前2条の規定にかかわらず、地方公共団体は…》 、前条各号に掲げるもののほか、条例の定めるところにより、当該地方公共団体の長が、次の各号に掲げる教育に関する事務のいずれか又は全てを管理し、及び執行することとすることができる。 1 図書館、博物館、公 の条例の定めるところによりその長が同項第1号に掲げる事務(以下「 特定事務 」という。)を管理し、及び執行することとされた地方公共団体(以下「 特定地方公共団体 」という。)である市町村にあつては、第1項の規定にかかわらず、同項第3号及び第4号の事務のうち 特定事務 に関するものは、その長が行うものとする。

6条 (都道府県の教育委員会の事務)

1項 都道府県の教育委員会は、 社会教育 に関し、当該地方の必要に応じ、予算の範囲内において、前条第1項各号の事務(同項第3号の事務を除く。)を行うほか、次の事務を行う。

1号 公民館及び図書館の設置及び管理に関し、必要な指導及び調査を行うこと。

2号 社会教育 を行う者の研修に必要な施設の設置及び運営、講習会の開催、資料の配布等に関すること。

3号 社会教育 施設の設置及び運営に必要な物資の提供及びそのあつせんに関すること。

4号 市町村の教育委員会との連絡に関すること。

5号 その他法令によりその職務権限に属する事項

2項 前条第2項の規定は、都道府県の教育委員会が 地域学校協働活動 の機会を提供する事業を実施する場合に準用する。

3項 特定地方公共団体 である都道府県にあつては、第1項の規定にかかわらず、前条第1項第4号の事務のうち 特定事務 に関するものは、その長が行うものとする。

7条 (教育委員会と地方公共団体の長との関係)

1項 地方公共団体の長は、その所掌に関する必要な広報宣伝で視聴覚教育の手段を利用することその他教育の施設及び手段によることを適当とするものにつき、教育委員会に対し、その実施を依頼し、又は実施の協力を求めることができる。

2項 前項の規定は、他の行政庁がその所掌に関する必要な広報宣伝につき、教育委員会( 特定地方公共団体 にあつては、その長又は教育委員会)に対し、その実施を依頼し、又は実施の協力を求める場合に準用する。

8条

1項 教育委員会は、 社会教育 に関する事務を行うために必要があるときは、当該地方公共団体の長及び関係行政庁に対し、必要な資料の提供その他の協力を求めることができる。

8条の2

1項 特定地方公共団体 の長は、 特定事務 のうち当該特定地方公共団体の教育委員会の所管に属する学校、 社会教育 施設その他の施設における教育活動と密接な関連を有するものとして当該特定地方公共団体の規則で定めるものを管理し、及び執行するに当たつては、当該教育委員会の意見を聴かなければならない。

2項 特定地方公共団体 の長は、前項の規則を制定し、又は改廃しようとするときは、あらかじめ、当該特定地方公共団体の教育委員会の意見を聴かなければならない。

8条の3

1項 特定地方公共団体 の教育委員会は、 特定事務 の管理及び執行について、その職務に関して必要と認めるときは、当該特定地方公共団体の長に対し、意見を述べることができる。

9条 (図書館及び博物館)

1項 図書館及び博物館は、 社会教育 のための機関とする。

2項 図書館及び博物館に関し必要な事項は、別に法律をもつて定める。

2章 社会教育主事等

9条の2 (社会教育主事及び社会教育主事補の設置)

1項 都道府県及び市町村の教育委員会の事務局に、 社会教育 主事を置く。

2項 都道府県及び市町村の教育委員会の事務局に、 社会教育 主事補を置くことができる。

9条の3 (社会教育主事及び社会教育主事補の職務)

1項 社会教育 主事は、社会教育を行う者に専門的技術的な助言と指導を与える。ただし、命令及び監督をしてはならない。

2項 社会教育 主事は、学校が社会教育関係団体、地域住民その他の関係者の協力を得て教育活動を行う場合には、その求めに応じて、必要な助言を行うことができる。

3項 社会教育 主事補は、社会教育主事の職務を助ける。

9条の4 (社会教育主事の資格)

1項 次の各号のいずれかに該当する者は、 社会教育 主事となる資格を有する。

1号 大学に2年以上在学して六十二単位以上を修得し、又は高等専門学校を卒業し、かつ、次に掲げる期間を通算した期間が3年以上になる者で、次条の規定による 社会教育 主事の講習を修了したもの

社会教育 主事補の職にあつた期間

官公署、学校、 社会教育 施設又は社会教育関係団体における職で司書、学芸員その他の社会教育主事補の職と同等以上の職として文部科学大臣の指定するものにあつた期間

官公署、学校、 社会教育 施設又は社会教育関係団体が実施する社会教育に関係のある事業における業務であつて、社会教育主事として必要な知識又は技能の習得に資するものとして文部科学大臣が指定するものに従事した期間(又はロに掲げる期間に該当する期間を除く。

2号 教育職員の普通免許状を有し、かつ、5年以上文部科学大臣の指定する教育に関する職にあつた者で、次条の規定による 社会教育 主事の講習を修了したもの

3号 大学に2年以上在学して、六十二単位以上を修得し、かつ、大学において文部科学省令で定める 社会教育 に関する科目の単位を修得した者で、第1号イからハまでに掲げる期間を通算した期間が1年以上になるもの

4号 次条の規定による 社会教育 主事の講習を修了した者(第1号及び第2号に掲げる者を除く。)で、社会教育に関する専門的事項について前3号に掲げる者に相当する教養と経験があると都道府県の教育委員会が認定したもの

9条の5 (社会教育主事の講習)

1項 社会教育 主事の講習は、文部科学大臣の委嘱を受けた大学その他の教育機関が行う。

2項 受講資格その他 社会教育 主事の講習に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。

9条の6 (社会教育主事及び社会教育主事補の研修)

1項 社会教育 主事及び社会教育主事補の研修は、任命権者が行うもののほか、文部科学大臣及び都道府県が行う。

9条の7 (地域学校協働活動推進員)

1項 教育委員会は、 地域学校協働活動 の円滑かつ効果的な実施を図るため、社会的信望があり、かつ、地域学校協働活動の推進に熱意と識見を有する者のうちから、地域学校協働活動推進員を委嘱することができる。

2項 地域学校協働活動 推進員は、地域学校協働活動に関する事項につき、教育委員会の施策に協力して、 地域住民等 と学校との間の情報の共有を図るとともに、地域学校協働活動を行う地域住民等に対する助言その他の援助を行う。

3章 社会教育関係団体

10条 (社会教育関係団体の定義)

1項 この法律で「 社会教育 関係団体」とは、法人であると否とを問わず、公の支配に属しない団体で社会教育に関する事業を行うことを主たる目的とするものをいう。

11条 (文部科学大臣及び教育委員会との関係)

1項 文部科学大臣及び教育委員会は、 社会教育 関係団体の求めに応じ、これに対し、専門的技術的指導又は助言を与えることができる。

2項 文部科学大臣及び教育委員会は、 社会教育 関係団体の求めに応じ、これに対し、社会教育に関する事業に必要な物資の確保につき援助を行う。

12条 (国及び地方公共団体との関係)

1項 及び地方公共団体は、 社会教育 関係団体に対し、いかなる方法によつても、不当に統制的支配を及ぼし、又はその事業に干渉を加えてはならない。

13条 (審議会等への諮問)

1項 又は地方公共団体が 社会教育 関係団体に対し補助金を交付しようとする場合には、あらかじめ、国にあつては文部科学大臣が審議会等( 国家行政組織法 1948年法律第120号第8条 《審議会等 第3条の国の行政機関には、法…》 律の定める所掌事務の範囲内で、法律又は政令の定めるところにより、重要事項に関する調査審議、不服審査その他学識経験を有する者等の合議により処理することが適当な事務をつかさどらせるための合議制の機関を置く に規定する機関をいう。 第51条第3項 《3 文部科学大臣が、第1項の規定により、…》 認定を与えようとするときは、あらかじめ、第13条の政令で定める審議会等に諮問しなければならない。 において同じ。)で政令で定めるものの、地方公共団体にあつては教育委員会が社会教育委員の会議(社会教育委員が置かれていない場合には、条例で定めるところにより社会教育に係る補助金の交付に関する事項を調査審議する審議会その他の合議制の機関)の意見を聴いて行わなければならない。

14条 (報告)

1項 文部科学大臣及び教育委員会は、 社会教育 関係団体に対し、指導資料の作製及び調査研究のために必要な報告を求めることができる。

4章 社会教育委員

15条 (社会教育委員の設置)

1項 都道府県及び市町村に 社会教育 委員を置くことができる。

2項 社会教育 委員は、教育委員会が委嘱する。

16条

1項 削除

17条 (社会教育委員の職務)

1項 社会教育 委員は、社会教育に関し教育委員会に助言するため、次の職務を行う。

1号 社会教育 に関する諸計画を立案すること。

2号 定時又は臨時に会議を開き、教育委員会の諮問に応じ、これに対して、意見を述べること。

3号 前2号の職務を行うために必要な研究調査を行うこと。

2項 社会教育 委員は、教育委員会の会議に出席して社会教育に関し意見を述べることができる。

3項 市町村の 社会教育 委員は、当該市町村の教育委員会から委嘱を受けた青少年教育に関する特定の事項について、社会教育関係団体、社会教育指導者その他関係者に対し、助言と指導を与えることができる。

18条 (社会教育委員の委嘱の基準等)

1項 社会教育 委員の委嘱の基準、定数及び任期その他社会教育委員に関し必要な事項は、当該地方公共団体の条例で定める。この場合において、社会教育委員の委嘱の基準については、文部科学省令で定める基準を参酌するものとする。

19条

1項 削除

5章 公民館

20条 (目的)

1項 公民館は、市町村その他一定区域内の住民のために、実際生活に即する教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、もつて住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することを目的とする。

21条 (公民館の設置者)

1項 公民館は、市町村が設置する。

2項 前項の場合を除くほか、公民館は、公民館の設置を目的とする一般社団 法人 又は一般財団法人(以下この章において「 法人 」という。)でなければ設置することができない。

3項 公民館の事業の運営上必要があるときは、公民館に分館を設けることができる。

22条 (公民館の事業)

1項 公民館は、 第20条 《目的 公民館は、市町村その他一定区域内…》 の住民のために、実際生活に即する教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、もつて住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することを目的とする。 の目的達成のために、おおむね、左の事業を行う。但し、この法律及び他の法令によつて禁じられたものは、この限りでない。

1号 定期講座を開設すること。

2号 討論会、講習会、講演会、実習会、展示会等を開催すること。

3号 図書、記録、模型、資料等を備え、その利用を図ること。

4号 体育、レクリエーシヨン等に関する集会を開催すること。

5号 各種の団体、機関等の連絡を図ること。

6号 その施設を住民の集会その他の公共的利用に供すること。

23条 (公民館の運営方針)

1項 公民館は、次の行為を行つてはならない。

1号 もつぱら営利を目的として事業を行い、特定の営利事務に公民館の名称を利用させその他営利事業を援助すること。

2号 特定の政党の利害に関する事業を行い、又は公私の選挙に関し、特定の候補者を支持すること。

2項 市町村の設置する公民館は、特定の宗教を支持し、又は特定の教派、宗派若しくは教団を支援してはならない。

23条の2 (公民館の基準)

1項 文部科学大臣は、公民館の健全な発達を図るために、公民館の設置及び運営上必要な基準を定めるものとする。

2項 文部科学大臣及び都道府県の教育委員会は、市町村の設置する公民館が前項の基準に従つて設置され及び運営されるように、当該市町村に対し、指導、助言その他の援助に努めるものとする。

24条 (公民館の設置)

1項 市町村が公民館を設置しようとするときは、条例で、公民館の設置及び管理に関する事項を定めなければならない。

25条及び26条

1項 削除

27条 (公民館の職員)

1項 公民館に館長を置き、主事その他必要な職員を置くことができる。

2項 館長は、公民館の行う各種の事業の企画実施その他必要な事務を行い、所属職員を監督する。

3項 主事は、館長の命を受け、公民館の事業の実施にあたる。

28条

1項 市町村の設置する公民館の館長、主事その他必要な職員は、当該市町村の教育委員会( 特定地方公共団体 である市町村の長がその設置、管理及び廃止に関する事務を管理し、及び執行することとされた公民館( 第30条第1項 《市町村の設置する公民館にあつては、公民館…》 運営審議会の委員は、当該市町村の教育委員会特定公民館に置く公民館運営審議会の委員にあつては、当該市町村の長が委嘱する。 及び 第40条第1項 《公民館が第23条の規定に違反する行為を行…》 つたときは、市町村の設置する公民館にあつては当該市町村の教育委員会特定公民館にあつては、当該市町村の長、法人の設置する公民館にあつては都道府県の教育委員会は、その事業又は行為の停止を命ずることができる において「 特定公民館 」という。)の館長、主事その他必要な職員にあつては、当該市町村の長)が任命する。

28条の2 (公民館の職員の研修)

1項 第9条の6 《社会教育主事及び社会教育主事補の研修 …》 社会教育主事及び社会教育主事補の研修は、任命権者が行うもののほか、文部科学大臣及び都道府県が行う。 の規定は、公民館の職員の研修について準用する。

29条 (公民館運営審議会)

1項 公民館に公民館運営審議会を置くことができる。

2項 公民館運営審議会は、館長の諮問に応じ、公民館における各種の事業の企画実施につき調査審議するものとする。

30条

1項 市町村の設置する公民館にあつては、公民館運営審議会の委員は、当該市町村の教育委員会( 特定公民館 に置く公民館運営審議会の委員にあつては、当該市町村の長)が委嘱する。

2項 前項の公民館運営審議会の委員の委嘱の基準、定数及び任期その他当該公民館運営審議会に関し必要な事項は、当該市町村の条例で定める。この場合において、委員の委嘱の基準については、文部科学省令で定める基準を参酌するものとする。

31条

1項 法人 の設置する公民館に公民館運営審議会を置く場合にあつては、その委員は、当該法人の役員をもつて充てるものとする。

32条 (運営の状況に関する評価等)

1項 公民館は、当該公民館の運営の状況について評価を行うとともに、その結果に基づき公民館の運営の改善を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

32条の2 (運営の状況に関する情報の提供)

1項 公民館は、当該公民館の事業に関する地域住民その他の関係者の理解を深めるとともに、これらの者との連携及び協力の推進に資するため、当該公民館の運営の状況に関する情報を積極的に提供するよう努めなければならない。

33条 (基金)

1項 公民館を設置する市町村にあつては、公民館の維持運営のために、 地方自治法 1947年法律第67号第241条 《基金 普通地方公共団体は、条例の定める…》 ところにより、特定の目的のために財産を維持し、資金を積み立て、又は定額の資金を運用するための基金を設けることができる。 2 基金は、これを前項の条例で定める特定の目的に応じ、及び確実かつ効率的に運用し の基金を設けることができる。

34条 (特別会計)

1項 公民館を設置する市町村にあつては、公民館の維持運営のために、特別会計を設けることができる。

35条 (公民館の補助)

1項 国は、公民館を設置する市町村に対し、予算の範囲内において、公民館の施設、設備に要する経費その他必要な経費の一部を補助することができる。

2項 前項の補助金の交付に関し必要な事項は、政令で定める。

36条

1項 削除

37条

1項 都道府県が 地方自治法 第232条の2 《寄附又は補助 普通地方公共団体は、その…》 公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をすることができる。 の規定により、公民館の運営に要する経費を補助する場合において、文部科学大臣は、政令の定めるところにより、その補助金の額、補助の比率、補助の方法その他必要な事項につき報告を求めることができる。

38条

1項 国庫の補助を受けた市町村は、左に掲げる場合においては、その受けた補助金を国庫に返還しなければならない。

1号 公民館がこの法律若しくはこの法律に基く命令又はこれらに基いてした処分に違反したとき。

2号 公民館がその事業の全部若しくは一部を廃止し、又は 第20条 《目的 公民館は、市町村その他一定区域内…》 の住民のために、実際生活に即する教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、もつて住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することを目的とする。 に掲げる目的以外の用途に利用されるようになつたとき。

3号 補助金交付の条件に違反したとき。

4号 虚偽の方法で補助金の交付を受けたとき。

39条 (法人の設置する公民館の指導)

1項 文部科学大臣及び都道府県の教育委員会は、 法人 の設置する公民館の運営その他に関し、その求めに応じて、必要な指導及び助言を与えることができる。

40条 (公民館の事業又は行為の停止)

1項 公民館が 第23条 《公民館の運営方針 公民館は、次の行為を…》 行つてはならない。 1 もつぱら営利を目的として事業を行い、特定の営利事務に公民館の名称を利用させその他営利事業を援助すること。 2 特定の政党の利害に関する事業を行い、又は公私の選挙に関し、特定の候 の規定に違反する行為を行つたときは、市町村の設置する公民館にあつては当該市町村の教育委員会( 特定公民館 にあつては、当該市町村の長)、 法人 の設置する公民館にあつては都道府県の教育委員会は、その事業又は行為の停止を命ずることができる。

2項 前項の規定による 法人 の設置する公民館の事業又は行為の停止命令に関し必要な事項は、都道府県の条例で定めることができる。

41条 (罰則)

1項 前条第1項の規定による公民館の事業又は行為の停止命令に違反する行為をした者は、1年以下の拘禁刑又は40,000円以下の罰金に処する。

42条 (公民館類似施設)

1項 公民館に類似する施設は、何人もこれを設置することができる。

2項 前項の施設の運営その他に関しては、 第39条 《法人の設置する公民館の指導 文部科学大…》 及び都道府県の教育委員会は、法人の設置する公民館の運営その他に関し、その求めに応じて、必要な指導及び助言を与えることができる。 の規定を準用する。

6章 学校施設の利用

43条 (適用範囲)

1項 社会教育 のためにする国立学校( 学校教育法 第1条 《 この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、…》 中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。 に規定する学校(以下この条において「 第1条 《 この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、…》 中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。 学校 」という。及び 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律 第2条第7項 《7 この法律において「幼保連携型認定こど…》 も園」とは、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとしての満3歳以上の子どもに対する教育並びに保育を必要とする子どもに対する保育を一体的に行い、これらの子どもの健やかな成長が図られるよう適当な環境を に規定する 幼保連携型認定こども園 以下「 幼保連携型認定こども園 」という。)であつて国( 国立大学法人 法(2003年法律第112号)第2条第1項に規定する国立大学法人(次条第2項において「 国立大学 法人 」という。及び独立行政法人国立高等専門学校機構を含む。)が設置するものをいう。以下同じ。又は公立学校( 第1条 《目的 この法律は、幼児期の教育及び保育…》 が生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであること並びに我が国における急速な少子化の進行並びに家庭及び地域を取り巻く環境の変化に伴い小学校就学前の子どもの教育及び保育に対する需要が多様なものとなっ 学校 及び幼保連携型認定こども園であつて地方公共団体( 地方独立行政法人法 2003年法律第118号第68条第1項 《一般地方独立行政法人で第21条第2号に掲…》 げる業務を行うもの以下「公立大学法人」という。は、第4条第1項の規定にかかわらず、その名称中に、地方独立行政法人という文字に代えて、公立大学法人という文字を用いなければならない。 に規定する 公立大学法人 次条第2項及び 第48条第1項 《特定地方独立行政法人の役員に対する報酬及…》 び退職手当以下この条、次条及び第56条第1項において「報酬等」という。は、その役員の業績が考慮されるものでなければならない。 において「 公立大学法人 」という。)を含む。)が設置するものをいう。以下同じ。)の施設の利用に関しては、この章の定めるところによる。

44条 (学校施設の利用)

1項 学校(国立学校又は公立学校をいう。以下この章において同じ。)の管理機関は、学校教育上支障がないと認める限り、その管理する学校の施設を 社会教育 のために利用に供するように努めなければならない。

2項 前項において「 学校の管理機関 」とは、国立学校にあつては設置者である 国立大学法人 の学長若しくは理事長又は独立行政 法人 国立高等専門学校機構の理事長、公立学校のうち、大学及び 幼保連携型認定こども園 にあつては設置者である地方公共団体の長又は 公立大学法人 の理事長、大学及び幼保連携型認定こども園以外の公立学校にあつては設置者である地方公共団体に設置されている教育委員会又は公立大学法人の理事長をいう。

45条 (学校施設利用の許可)

1項 社会教育 のために学校の施設を利用しようとする者は、当該 学校の管理機関 の許可を受けなければならない。

2項 前項の規定により、 学校の管理機関 が学校施設の利用を許可しようとするときは、あらかじめ、学校の長の意見を聞かなければならない。

46条

1項 又は地方公共団体が 社会教育 のために、学校の施設を利用しようとするときは、前条の規定にかかわらず、当該 学校の管理機関 と協議するものとする。

47条

1項 第45条 《学校施設利用の許可 社会教育のために学…》 校の施設を利用しようとする者は、当該学校の管理機関の許可を受けなければならない。 2 前項の規定により、学校の管理機関が学校施設の利用を許可しようとするときは、あらかじめ、学校の長の意見を聞かなければ の規定による学校施設の利用が1時的である場合には、 学校の管理機関 は、同条第1項の許可に関する権限を学校の長に委任することができる。

2項 前項の権限の委任その他学校施設の利用に関し必要な事項は、 学校の管理機関 が定める。

48条 (社会教育の講座)

1項 文部科学大臣は国立学校に対し、地方公共団体の長は当該地方公共団体が設置する大学若しくは 幼保連携型認定こども園 又は当該地方公共団体が設立する 公立大学法人 が設置する公立学校に対し、地方公共団体に設置されている教育委員会は当該地方公共団体が設置する大学及び幼保連携型認定こども園以外の公立学校に対し、その教育組織及び学校の施設の状況に応じ、文化講座、専門講座、夏期講座、社会学級講座等学校施設の利用による 社会教育 のための講座の開設を求めることができる。

2項 文化講座は、成人の一般的教養に関し、専門講座は、成人の専門的学術知識に関し、夏期講座は、夏期休暇中、成人の一般的教養又は専門的学術知識に関し、それぞれ大学、高等専門学校又は高等学校において開設する。

3項 社会学級講座は、成人の一般的教養に関し、小学校、中学校又は義務教育学校において開設する。

4項 第1項の規定する講座を担当する講師の報酬その他必要な経費は、予算の範囲内において、国又は地方公共団体が負担する。

7章 通信教育

49条 (適用範囲)

1項 学校教育法 第54条 《 高等学校には、全日制の課程又は定時制の…》 課程のほか、通信制の課程を置くことができる。 高等学校には、通信制の課程のみを置くことができる。 市指定都市を除く。以下この項において同じ。町村市町村が単独で又は他の市町村と共同して設立する公立大学法第70条第1項 《第30条第2項、第31条、第34条、第3…》 7条第4項から第17項まで及び第19項、第42条から第44条まで、第59条並びに第60条第4項及び第6項の規定は中等教育学校に、第53条から第55条まで、第58条、第58条の二及び第61条の規定は中等第82条 《 第26条、第27条、第31条第49条及…》 び第62条において読み替えて準用する場合を含む。、第32条、第34条第49条及び第62条において準用する場合を含む。、第36条、第37条第28条、第49条及び第62条において準用する場合を含む。、第4 及び 第84条 《 大学は、通信による教育を行うことができ…》 る。 の規定により行うものを除き、通信による教育に関しては、この章の定めるところによる。

50条 (通信教育の定義)

1項 この法律において「 通信教育 」とは、通信の方法により一定の教育計画の下に、教材、補助教材等を受講者に送付し、これに基き、設問解答、添削指導、質疑応答等を行う教育をいう。

2項 通信教育 を行う者は、その計画実現のために、必要な指導者を置かなければならない。

51条 (通信教育の認定)

1項 文部科学大臣は、学校又は一般社団 法人 若しくは一般財団法人の行う 通信教育 社会教育 上奨励すべきものについて、通信教育の 認定 以下「 認定 」という。)を与えることができる。

2項 認定 を受けようとする者は、文部科学大臣の定めるところにより、文部科学大臣に申請しなければならない。

3項 文部科学大臣が、第1項の規定により、 認定 を与えようとするときは、あらかじめ、 第13条 《審議会等への諮問 国又は地方公共団体が…》 社会教育関係団体に対し補助金を交付しようとする場合には、あらかじめ、国にあつては文部科学大臣が審議会等国家行政組織法1948年法律第120号第8条に規定する機関をいう。第51条第3項において同じ。で政 の政令で定める審議会等に諮問しなければならない。

52条 (認定手数料)

1項 文部科学大臣は、 認定 を申請する者から実費の範囲内において文部科学省令で定める額の手数料を徴収することができる。ただし、国立学校又は公立学校が行う 通信教育 に関しては、この限りでない。

53条

1項 削除

54条 (郵便料金の特別取扱)

1項 認定 を受けた 通信教育 に要する郵便料金については、 郵便法 1947年法律第165号)の定めるところにより、特別の取扱を受けるものとする。

55条 (通信教育の廃止)

1項 認定 を受けた 通信教育 を廃止しようとするとき、又はその条件を変更しようとするときは、文部科学大臣の定めるところにより、その許可を受けなければならない。

2項 前項の許可に関しては、 第51条第3項 《3 文部科学大臣が、第1項の規定により、…》 認定を与えようとするときは、あらかじめ、第13条の政令で定める審議会等に諮問しなければならない。 の規定を準用する。

56条 (報告及び措置)

1項 文部科学大臣は、 認定 を受けた者に対し、必要な報告を求め、又は必要な措置を命ずることができる。

57条 (認定の取消)

1項 認定 を受けた者がこの法律若しくはこの法律に基く命令又はこれらに基いてした処分に違反したときは、文部科学大臣は、認定を取り消すことができる。

2項 前項の 認定 の取消に関しては、 第51条第3項 《3 文部科学大臣が、第1項の規定により、…》 認定を与えようとするときは、あらかじめ、第13条の政令で定める審議会等に諮問しなければならない。 の規定を準用する。

《本則》 ここまで 附則 >  

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