弁護士法《本則》

法番号:1949年法律第205号

附則 >  

制定文 弁護士法 1933年法律第53号)の全部を改正する。


1章 弁護士の使命及び職務

1条 (弁護士の使命)

1項 弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。

2項 弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。

2条 (弁護士の職責の根本基準)

1項 弁護士は、常に、深い教養の保持と高い品性の陶に努め、法令及び法律事務に精通しなければならない。

3条 (弁護士の職務)

1項 弁護士は、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によつて、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うことを職務とする。

2項 弁護士は、当然、弁理士及び税理士の事務を行うことができる。

2章 弁護士の資格

4条 (弁護士の資格)

1項 司法修習生の修習を終えた者は、弁護士となる資格を有する。

5条 (法務大臣の認定を受けた者についての弁護士の資格の特例)

1項 法務大臣が、次の各号のいずれかに該当し、その後に弁護士業務について法務省令で定める法人が実施する研修であつて法務大臣が指定するものの課程を修了したと認定した者は、前条の規定にかかわらず、弁護士となる資格を有する。

1号 司法修習生となる資格を得た後に簡易裁判所判事、検察官、裁判所調査官、裁判所事務官、法務事務官、司法研修所、裁判所職員総合研修所若しくは 法務省設置法 1999年法律第93号第4条第1項第35号 《法務省は、前条第1項の任務を達成するため…》 、次に掲げる事務をつかさどる。 1 民事法制に関する企画及び立案に関すること。 2 刑事法制に関する企画及び立案に関すること。 3 司法制度に関する企画及び立案に関すること。 4 司法試験に関すること 若しくは第37号の事務をつかさどる機関で政令で定めるものの教官、衆議院若しくは参議院の議員若しくは法制局参事、 内閣法 制局参事官又は 学校教育法 1947年法律第26号)による大学で法律学を研究する大学院の置かれているものの法律学を研究する学部、専攻科若しくは大学院における法律学の教授若しくは准教授の職に在つた期間が通算して5年以上になること。

2号 司法修習生となる資格を得た後に自らの法律に関する専門的知識に基づいて次に掲げる事務のいずれかを処理する職務に従事した期間が通算して7年以上になること。

企業その他の事業者(及び地方公共団体を除く。)の役員、代理人又は使用人その他の従業者として行う当該事業者の事業に係る事務であつて、次に掲げるもの( 第72条 《非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止 弁…》 護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事 の規定に違反しないで行われるものに限る。

(1) 契約書案その他の事業活動において当該事業者の権利義務についての法的な検討の結果に基づいて作成することを要する書面の作成

(2) 裁判手続等(裁判手続及び法務省令で定めるこれに類する手続をいう。以下同じ。)のための事実関係の確認又は証拠の収集

(3) 裁判手続等において提出する訴状、申立書、答弁書、準備書面その他の当該事業者の主張を記載した書面の案の作成

(4) 裁判手続等の期日における主張若しくは意見の陳述又は尋問

(5) 民事上の紛争の解決のための和解の交渉又はそのために必要な事実関係の確認若しくは証拠の収集

公務員として行う国又は地方公共団体の事務であつて、次に掲げるもの

(1) 法令(条例を含む。)の立案、条約その他の国際約束の締結に関する事務又は条例の制定若しくは改廃に関する議案の審査若しくは審議

(2) イ(2)から(5)までに掲げる事務

(3) 法務省令で定める審判その他の裁判に類する手続における審理又は審決、決定その他の判断に係る事務であつて法務省令で定める者が行うもの

3号 検察庁法 1947年法律第61号第18条第3項 《3年以上副検事の職に在つて政令で定める考…》 試を経た者は、第1項の規定にかかわらず、これを二級の検事に任命及び叙級することができる。 に規定する考試を経た後に検察官(副検事を除く。)の職に在つた期間が通算して5年以上になること。

4号 前3号に掲げるもののほか、次のイ又はロに掲げる期間(これらの期間のうち、第1号に規定する職に在つた期間及び第2号に規定する職務に従事した期間については司法修習生となる資格を得た後のものに限り、前号に規定する職に在つた期間については 検察庁法 第18条第3項 《3年以上副検事の職に在つて政令で定める考…》 試を経た者は、第1項の規定にかかわらず、これを二級の検事に任命及び叙級することができる。 に規定する考試を経た後のものに限る。)が、当該イ又はロに定める年数以上になること。

第1号及び前号に規定する職に在つた期間を通算した期間5年

第2号に規定する職務に従事した期間に第1号及び前号に規定する職に在つた期間を通算した期間7年

5条の2 (認定の申請)

1項 前条の規定により弁護士となる資格を得ようとする者は、氏名、司法修習生となる資格を取得し、又は 検察庁法 第18条第3項 《3年以上副検事の職に在つて政令で定める考…》 試を経た者は、第1項の規定にかかわらず、これを二級の検事に任命及び叙級することができる。 の考試を経た年月日、前条第1号若しくは第3号の職に在つた期間又は同条第2号の職務に従事した期間及び同号の職務の内容その他の法務省令で定める事項を記載した認定申請書を法務大臣に提出しなければならない。

2項 前項の認定申請書には、司法修習生となる資格を取得し、又は 検察庁法 第18条第3項 《3年以上副検事の職に在つて政令で定める考…》 試を経た者は、第1項の規定にかかわらず、これを二級の検事に任命及び叙級することができる。 の考試を経たことを証する書類、前条第1号若しくは第3号の職に在つた期間又は同条第2号の職務に従事した期間及び同号の職務の内容を証する書類その他の法務省令で定める書類を添付しなければならない。

3項 第1項の規定による申請をする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めなければならない。

5条の3 (認定の手続等)

1項 法務大臣は、前条第1項の規定による申請をした者(以下この章において「 申請者 」という。)が 第5条 《法務大臣の認定を受けた者についての弁護士…》 の資格の特例 法務大臣が、次の各号のいずれかに該当し、その後に弁護士業務について法務省令で定める法人が実施する研修であつて法務大臣が指定するものの課程を修了したと認定した者は、前条の規定にかかわらず 各号のいずれかに該当すると認めるときは、 申請者 に対し、その受けるべき同条の研修(以下この条において単に「研修」という。)を定めて書面で通知しなければならない。

2項 研修を実施する法人は、 申請者 がその研修の課程を終えたときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、当該申請者の研修の履修の状況(当該研修の課程を修了したと法務大臣が認めてよいかどうかの意見を含む。)を書面で法務大臣に報告しなければならない。

3項 法務大臣は、前項の規定による報告に基づき、 申請者 が研修の課程を修了したと認めるときは、当該申請者について 第5条 《法務大臣の認定を受けた者についての弁護士…》 の資格の特例 法務大臣が、次の各号のいずれかに該当し、その後に弁護士業務について法務省令で定める法人が実施する研修であつて法務大臣が指定するものの課程を修了したと認定した者は、前条の規定にかかわらず の認定(以下この章において単に「認定」という。)を行わなければならない。

4項 法務大臣は、前条第1項の規定による申請につき認定又は却下の処分をするときは、 申請者 に対し、書面によりその旨を通知しなければならない。

5項 前条第1項の規定による申請に係る処分( 申請者 第5条 《法務大臣の認定を受けた者についての弁護士…》 の資格の特例 法務大臣が、次の各号のいずれかに該当し、その後に弁護士業務について法務省令で定める法人が実施する研修であつて法務大臣が指定するものの課程を修了したと認定した者は、前条の規定にかかわらず 各号のいずれにも該当しないことを理由とする却下の処分を除く。又はその不作為についての審査請求については、 行政不服審査法 2014年法律第68号)第2章第4節の規定は、適用しない。

5条の4 (研修の指定)

1項 法務大臣は、研修の内容が、弁護士業務を行うのに必要な能力の習得に適切かつ10分なものと認めるときでなければ、 第5条 《法務大臣の認定を受けた者についての弁護士…》 の資格の特例 法務大臣が、次の各号のいずれかに該当し、その後に弁護士業務について法務省令で定める法人が実施する研修であつて法務大臣が指定するものの課程を修了したと認定した者は、前条の規定にかかわらず の規定による研修の指定をしてはならない。

2項 研修を実施する法人は、前項の研修の指定に関して法務大臣に対して意見を述べることができる。

3項 法務大臣は、 第5条 《法務大臣の認定を受けた者についての弁護士…》 の資格の特例 法務大臣が、次の各号のいずれかに該当し、その後に弁護士業務について法務省令で定める法人が実施する研修であつて法務大臣が指定するものの課程を修了したと認定した者は、前条の規定にかかわらず の研修の適正かつ確実な実施を確保するために必要な限度において、当該研修を実施する法人に対し、当該研修に関して、必要な報告若しくは資料の提出を求め、又は必要な意見を述べることができる。

5条の5 (資料の要求等)

1項 法務大臣は、認定に関する事務の処理に関し必要があると認めるときは、 申請者 に対し必要な資料の提出を求め、又は公務所、公私の団体その他の関係者に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

5条の6 (法務省令への委任)

1項 この法律に定めるもののほか、認定の手続に関し必要な事項は、法務省令で定める。

6条 (最高裁判所の裁判官の職に在つた者についての弁護士の資格の特例)

1項 最高裁判所の裁判官の職に在つた者は、 第4条 《弁護士の資格 司法修習生の修習を終えた…》 者は、弁護士となる資格を有する。 の規定にかかわらず、弁護士となる資格を有する。

7条 (弁護士の欠格事由)

1項 次に掲げる者は、 第4条 《弁護士の資格 司法修習生の修習を終えた…》 者は、弁護士となる資格を有する。第5条 《法務大臣の認定を受けた者についての弁護士…》 の資格の特例 法務大臣が、次の各号のいずれかに該当し、その後に弁護士業務について法務省令で定める法人が実施する研修であつて法務大臣が指定するものの課程を修了したと認定した者は、前条の規定にかかわらず 及び前条の規定にかかわらず、弁護士となる資格を有しない。

1号 拘禁刑以上の刑に処せられた者

2号 弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者

3号 懲戒の処分により、弁護士若しくは外国法事務弁護士であつて除名され、弁理士であつて業務を禁止され、公認会計士であつて登録を抹消され、税理士であつて業務を禁止され、若しくは公務員であつて免職され、又は税理士であつた者であつて税理士業務の禁止の懲戒処分を受けるべきであつたことについて決定を受け、その処分を受けた日から3年を経過しない者

4号 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

3章 弁護士名簿

8条 (弁護士の登録)

1項 弁護士となるには、日本弁護士連合会に備えた弁護士名簿に登録されなければならない。

9条 (登録の請求)

1項 弁護士となるには、入会しようとする弁護士会を経て、日本弁護士連合会に登録の請求をしなければならない。

10条 (登録換の請求)

1項 弁護士は、所属弁護士会を変更するには、新たに入会しようとする弁護士会を経て、日本弁護士連合会に登録換の請求をしなければならない。

2項 弁護士は、登録換の請求をする場合には、所属弁護士会にその旨を届け出なければならない。

11条 (登録取消の請求)

1項 弁護士がその業務をやめようとするときは、所属弁護士会を経て、日本弁護士連合会に登録取消の請求をしなければならない。

12条 (登録又は登録換えの請求の進達の拒絶)

1項 弁護士会は、弁護士会の秩序若しくは信用を害するおそれがある者又は次に掲げる場合に該当し弁護士の職務を行わせることがその適正を欠くおそれがある者について、資格審査会の議決に基づき、登録又は登録換えの請求の進達を拒絶することができる。

1号 心身に故障があるとき。

2号 第7条第3号 《弁護士の欠格事由 第7条 次に掲げる者は…》 、第4条、第5条及び前条の規定にかかわらず、弁護士となる資格を有しない。 1 拘禁刑以上の刑に処せられた者 2 弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者 3 懲戒の処分により、弁護士若しくは外国法事務弁護士で に当たる者が、除名、業務禁止、登録の抹消、免職又は税理士業務の禁止の懲戒処分を受けるべきであつたことについての決定の処分を受けた日から3年を経過して請求したとき。

2項 登録又は登録換えの請求前1年以内に当該弁護士会の地域内において常時勤務を要する公務員であつた者で、その地域内において弁護士の職務を行わせることが特にその適正を欠くおそれがあるものについてもまた前項と同様とする。

3項 弁護士会は、前2項の規定により請求の進達を拒絶する場合には、登録又は登録換えを請求した者に、速やかに、その旨及びその理由を書面により通知しなければならない。

4項 弁護士会が登録又は登録換えの請求の進達を求められた後3箇月を経てもなお日本弁護士連合会にその進達をしないときは、その登録又は登録換えの請求をした者は、その登録又は登録換えの請求の進達を拒絶されたものとみなし、審査請求をすることができる。

12条の2

1項 日本弁護士連合会は、前条の規定による登録又は登録換えの進達の拒絶についての審査請求(同条第4項の規定による審査請求を含む。)に対して裁決をする場合には、資格審査会の議決に基づかなければならない。

2項 日本弁護士連合会は、前項の審査請求に理由があると認めるときは、弁護士会に対し登録又は登録換えの請求の進達を命じなければならない。

3項 第1項の審査請求については、 行政不服審査法 第9条 《審理員 第4条又は他の法律若しくは条例…》 の規定により審査請求がされた行政庁第14条の規定により引継ぎを受けた行政庁を含む。以下「審査庁」という。は、審査庁に所属する職員第17条に規定する名簿を作成した場合にあっては、当該名簿に記載されている第17条 《審理員となるべき者の名簿 審査庁となる…》 べき行政庁は、審理員となるべき者の名簿を作成するよう努めるとともに、これを作成したときは、当該審査庁となるべき行政庁及び関係処分庁の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければなら 、第2章第3節及び 第50条第2項 《2 第43条第1項の規定による行政不服審…》 査会等への諮問を要しない場合には、前項の裁決書には、審理員意見書を添付しなければならない。 の規定は、適用しない。

4項 第1項の審査請求に関する 行政不服審査法 の規定の適用については、同法第11条第2項中「 第9条第1項 《弁護士となるには、入会しようとする弁護士…》 会を経て、日本弁護士連合会に登録の請求をしなければならない。 の規定により指名された者࿸以下「審理員」という。)」とあるのは「日本弁護士連合会の資格審査会」と、同法第13条第1項及び第2項中「審理員」とあるのは「第11条第2項の資格審査会」と、同法第44条中「行政不服審査会等から諮問に対する答申を受けたとき(前条第1項の規定による諮問を要しない場合(同項第2号又は第3号に該当する場合を除く。)にあっては審理員意見書が提出されたとき、同項第2号又は第3号に該当する場合にあっては同項第2号又は第3号に規定する議を経たとき)」とあるのは「 弁護士法 1949年法律第205号第12条の2第1項 《日本弁護士連合会は、前条の規定による登録…》 又は登録換えの進達の拒絶についての審査請求同条第4項の規定による審査請求を含む。に対して裁決をする場合には、資格審査会の議決に基づかなければならない。 の議決があったとき」とする。

13条 (弁護士会による登録取消しの請求)

1項 弁護士会は、弁護士が 第12条第1項第1号 《弁護士会は、弁護士会の秩序若しくは信用を…》 害するおそれがある者又は次に掲げる場合に該当し弁護士の職務を行わせることがその適正を欠くおそれがある者について、資格審査会の議決に基づき、登録又は登録換えの請求の進達を拒絶することができる。 1 心身 、第2号及び第2項に掲げる事項について虚偽の申告をしていたとき、又は心身の故障により弁護士の職務を行わせることがその適正を欠くおそれがあるときは、資格審査会の議決に基き、日本弁護士連合会に登録取消しの請求をすることができる。

2項 弁護士会は、前項の請求をした場合には、その弁護士に、速やかに、その旨及びその理由を書面により通知しなければならない。

14条

1項 前条の規定により登録取消しの請求をされた者は、その通知を受けた日の翌日から起算して3箇月以内に日本弁護士連合会に異議を申し出ることができる。

2項 日本弁護士連合会は、前項の申出を受けた場合においては、資格審査会の議決に基き、その申出に理由があると認めるときは、弁護士会に登録取消の請求を差し戻し、その申出に理由がないと認めるときは、これを棄却しなければならない。

3項 日本弁護士連合会は、前項の処分をした場合には、異議の申出をした者に、速やかに、その旨及びその理由を書面により通知しなければならない。

15条 (登録及び登録換の拒絶)

1項 日本弁護士連合会は、弁護士会から登録及び登録換の請求の進達を受けた場合において、 第12条第1項 《弁護士会は、弁護士会の秩序若しくは信用を…》 害するおそれがある者又は次に掲げる場合に該当し弁護士の職務を行わせることがその適正を欠くおそれがある者について、資格審査会の議決に基づき、登録又は登録換えの請求の進達を拒絶することができる。 1 心身 又は第2項に掲げる事由があつて登録又は登録換を拒絶することを相当と認めるときは、資格審査会の議決に基き、その登録又は登録換を拒絶することができる。

2項 日本弁護士連合会は、前項の規定により登録又は登録換えを拒絶する場合には、登録又は登録換えを請求した者及びこれを進達した弁護士会に、速やかに、その旨及びその理由を書面により通知しなければならない。

16条 (訴えの提起)

1項 第12条 《登録又は登録換えの請求の進達の拒絶 弁…》 護士会は、弁護士会の秩序若しくは信用を害するおそれがある者又は次に掲げる場合に該当し弁護士の職務を行わせることがその適正を欠くおそれがある者について、資格審査会の議決に基づき、登録又は登録換えの請求の の規定による登録若しくは登録換えの請求の進達の拒絶についての審査請求を却下され若しくは棄却され、 第14条第1項 《前条の規定により登録取消しの請求をされた…》 者は、その通知を受けた日の翌日から起算して3箇月以内に日本弁護士連合会に異議を申し出ることができる。 の規定による異議の申出を棄却され、又は前条の規定により登録若しくは登録換えを拒絶された者は、東京高等裁判所にその取消しの訴えを提起することができる。

2項 日本弁護士連合会が 第12条 《登録又は登録換えの請求の進達の拒絶 弁…》 護士会は、弁護士会の秩序若しくは信用を害するおそれがある者又は次に掲げる場合に該当し弁護士の職務を行わせることがその適正を欠くおそれがある者について、資格審査会の議決に基づき、登録又は登録換えの請求の の規定による登録若しくは登録換えの請求の進達の拒絶についての審査請求若しくは 第14条第1項 《前条の規定により登録取消しの請求をされた…》 者は、その通知を受けた日の翌日から起算して3箇月以内に日本弁護士連合会に異議を申し出ることができる。 の規定による異議の申出を受けた後3箇月を経てもなお裁決若しくは 第14条第2項 《2 日本弁護士連合会は、前項の申出を受け…》 た場合においては、資格審査会の議決に基き、その申出に理由があると認めるときは、弁護士会に登録取消の請求を差し戻し、その申出に理由がないと認めるときは、これを棄却しなければならない。 の処分をせず、又は登録若しくは登録換えの請求の進達を受けた後3箇月を経てもなお弁護士名簿に登録若しくは登録換えをしないときは、審査請求若しくは異議の申出をし、又は登録若しくは登録換えの請求をした者は、その審査請求若しくは異議の申出を棄却され、又は登録若しくは登録換えを拒絶されたものとみなし、前項の訴えを提起することができる。

3項 登録又は登録換えの請求の進達の拒絶に関しては、これについての日本弁護士連合会の裁決に対してのみ、取消しの訴えを提起することができる。

17条 (登録取消しの事由)

1項 日本弁護士連合会は、次に掲げる場合においては、弁護士名簿の登録を取り消さなければならない。

1号 弁護士が 第7条 《弁護士の欠格事由 次に掲げる者は、第4…》 条、第5条及び前条の規定にかかわらず、弁護士となる資格を有しない。 1 拘禁刑以上の刑に処せられた者 2 弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者 3 懲戒の処分により、弁護士若しくは外国法事務弁護士であつて 各号(第2号を除く。)のいずれかに該当するに至つたとき。

2号 弁護士が 第11条 《登録取消の請求 弁護士がその業務をやめ…》 ようとするときは、所属弁護士会を経て、日本弁護士連合会に登録取消の請求をしなければならない。 の規定により登録取消しの請求をしたとき。

3号 弁護士について退会命令、除名又は 第13条 《弁護士会による登録取消しの請求 弁護士…》 会は、弁護士が第12条第1項第1号、第2号及び第2項に掲げる事項について虚偽の申告をしていたとき、又は心身の故障により弁護士の職務を行わせることがその適正を欠くおそれがあるときは、資格審査会の議決に基 の規定による登録取消しが確定したとき。

4号 弁護士が死亡したとき。

18条 (登録取消の事由の報告)

1項 弁護士会は、所属の弁護士に弁護士名簿の登録取消の事由があると認めるときは、日本弁護士連合会に、すみやかに、その旨を報告しなければならない。

19条 (登録等の通知及び公告)

1項 弁護士名簿の登録、登録換及び登録取消は、すみやかに、日本弁護士連合会から当該弁護士の所属弁護士会に通知し、且つ、官報をもつて公告しなければならない。

4章 弁護士の権利及び義務

20条 (法律事務所)

1項 弁護士の事務所は、法律事務所と称する。

2項 法律事務所は、その弁護士の所属弁護士会の地域内に設けなければならない。

3項 弁護士は、いかなる名義をもつてしても、2箇以上の法律事務所を設けることができない。但し、他の弁護士の法律事務所において執務することを妨げない。

21条 (法律事務所の届出義務)

1項 弁護士が法律事務所を設け、又はこれを移転したときは、直ちに、所属弁護士会及び日本弁護士連合会に届け出なければならない。

22条 (会則を守る義務)

1項 弁護士は、所属弁護士会及び日本弁護士連合会の会則を守らなければならない。

23条 (秘密保持の権利及び義務)

1項 弁護士又は弁護士であつた者は、その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う。但し、法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

23条の2 (報告の請求)

1項 弁護士は、受任している事件について、所属弁護士会に対し、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることを申し出ることができる。申出があつた場合において、当該弁護士会は、その申出が適当でないと認めるときは、これを拒絶することができる。

2項 弁護士会は、前項の規定による申出に基き、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

24条 (委嘱事項等を行う義務)

1項 弁護士は、正当の理由がなければ、法令により官公署の委嘱した事項及び会則の定めるところにより所属弁護士会又は日本弁護士連合会の指定した事項を行うことを辞することができない。

25条 (職務を行い得ない事件)

1項 弁護士は、次に掲げる事件については、その職務を行つてはならない。ただし、第3号及び第9号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。

1号 相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件

2号 相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの

3号 受任している事件の相手方からの依頼による他の事件

4号 公務員として職務上取り扱つた事件

5号 仲裁手続により仲裁人として取り扱つた事件

6号 弁護士法 人( 第30条の2第1項 《弁護士は、この章の定めるところにより、第…》 3条に規定する業務を行うことを目的とする法人以下「弁護士法人」という。を設立することができる。 に規定する 弁護士法 人をいう。以下この条において同じ。)若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人( 外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律 1986年法律第66号第2条第6号 《定義 第2条 この法律において、次の各号…》 に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 1 弁護士 弁護士法1949年法律第205号の規定による弁護士をいう。 2 弁護士法人 弁護士法の規定による弁護士法人をいう。 3 外国弁護士 外 に規定する弁護士・外国法事務弁護士共同法人をいう。以下同じ。)の社員若しくは使用人である弁護士又は外国法事務 弁護士法 人(同条第5号に規定する外国法事務 弁護士法 人をいう。以下この条において同じ。)の使用人である弁護士としてその業務に従事していた期間内に、当該 弁護士法 人、当該弁護士・外国法事務弁護士共同法人又は当該外国法事務 弁護士法 人が相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件であつて、自らこれに関与したもの

7号 弁護士法 人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員若しくは使用人である弁護士又は外国法事務 弁護士法 人の使用人である弁護士としてその業務に従事していた期間内に、当該 弁護士法 人、当該弁護士・外国法事務弁護士共同法人又は当該外国法事務 弁護士法 人が相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるものであつて、自らこれに関与したもの

8号 弁護士法 人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員若しくは使用人又は外国法事務 弁護士法 人の使用人である場合に、当該 弁護士法 人、当該弁護士・外国法事務弁護士共同法人又は当該外国法事務 弁護士法 人が相手方から受任している事件

9号 弁護士法 人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員若しくは使用人又は外国法事務 弁護士法 人の使用人である場合に、当該 弁護士法 人、当該弁護士・外国法事務弁護士共同法人又は当該外国法事務 弁護士法 人が受任している事件(当該弁護士が自ら関与しているものに限る。)の相手方からの依頼による他の事件

26条 (汚職行為の禁止)

1項 弁護士は、受任している事件に関し相手方から利益を受け、又はこれを要求し、若しくは約束してはならない。

27条 (非弁護士との提携の禁止)

1項 弁護士は、 第72条 《非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止 弁…》 護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事 ないし[から〜まで] 第74条 《非弁護士の虚偽標示等の禁止 弁護士又は…》 弁護士法人でない者は、弁護士又は法律事務所の標示又は記載をしてはならない。 2 弁護士又は弁護士法人でない者は、利益を得る目的で、法律相談その他法律事務を取り扱う旨の標示又は記載をしてはならない。 3 の規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。

28条 (係争権利の譲受の禁止)

1項 弁護士は、係争権利を譲り受けることができない。

29条 (依頼不承諾の通知義務)

1項 弁護士は、事件の依頼を承諾しないときは、依頼者に、すみやかに、その旨を通知しなければならない。

30条 (営利業務の届出等)

1項 弁護士は、次の各号に掲げる場合には、あらかじめ、当該各号に定める事項を所属弁護士会に届け出なければならない。

1号 自ら営利を目的とする業務を営もうとするとき商号及び当該業務の内容

2号 営利を目的とする業務を営む者の取締役、執行役その他業務を執行する役員(以下この条において「 取締役等 」という。又は使用人になろうとするときその業務を営む者の商号若しくは名称又は氏名、本店若しくは主たる事務所の所在地又は住所及び業務の内容並びに 取締役等 になろうとするときはその役職名

2項 弁護士会は、前項の規定による届出をした者について、同項各号に定める事項を記載した営利業務従事弁護士名簿を作成し、弁護士会の事務所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。

3項 第1項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項に変更を生じたときは、遅滞なく、その旨を所属弁護士会に届け出なければならない。届出に係る業務を廃止し、又は届出に係る 取締役等 若しくは使用人でなくなつたときも、同様とする。

4項 弁護士会は、前項の規定による届出があつたときは、直ちに、営利業務従事弁護士名簿の記載を訂正し、又はこれを抹消しなければならない。

4章の2 弁護士法人

30条の2 (設立等)

1項 弁護士は、この章の定めるところにより、 第3条 《弁護士の職務 弁護士は、当事者その他関…》 係人の依頼又は官公署の委嘱によつて、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うことを職務とする。 2 弁護士は、当然、弁 に規定する業務を行うことを目的とする法人(以下「 弁護士法 」という。)を設立することができる。

2項 第1条 《弁護士の使命 弁護士は、基本的人権を擁…》 護し、社会正義を実現することを使命とする。 2 弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。 の規定は、 弁護士法 について準用する。

30条の3 (名称)

1項 弁護士法 は、その名称中に 弁護士法 人という文字を使用しなければならない。

30条の4 (社員の資格)

1項 弁護士法 の社員は、弁護士でなければならない。

2項 次に掲げる者は、社員となることができない。

1号 第56条 《懲戒事由及び懲戒権者 弁護士及び弁護士…》 法人は、この法律弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員又は使用人である弁護士及び外国法事務弁護士法人の使用人である弁護士にあつては、この法律又は外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律又は所属弁 又は 第60条 《日本弁護士連合会の懲戒 日本弁護士連合…》 会は、第56条第1項に規定する事案について自らその弁護士又は弁護士法人を懲戒することを適当と認めるときは、次項から第6項までに規定するところにより、これを懲戒することができる。 2 日本弁護士連合会は の規定により業務の停止の懲戒を受け、当該業務の停止の期間を経過しない者

2号 第56条 《懲戒事由及び懲戒権者 弁護士及び弁護士…》 法人は、この法律弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員又は使用人である弁護士及び外国法事務弁護士法人の使用人である弁護士にあつては、この法律又は外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律又は所属弁 又は 第60条 《日本弁護士連合会の懲戒 日本弁護士連合…》 会は、第56条第1項に規定する事案について自らその弁護士又は弁護士法人を懲戒することを適当と認めるときは、次項から第6項までに規定するところにより、これを懲戒することができる。 2 日本弁護士連合会は の規定により 弁護士法 が除名され、又は 弁護士法 人の業務の停止の懲戒を受けた場合において、その処分を受けた日以前30日内にその社員であつた者でその処分を受けた日から3年( 弁護士法 人の業務の停止の懲戒を受けた場合にあつては、当該業務の停止の期間)を経過しないもの

3号 外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律 第92条 《懲戒事由及び懲戒権者 弁護士・外国法事…》 務弁護士共同法人は、この法律又は所属弁護士会若しくは日本弁護士連合会の会則に違反し、所属弁護士会の秩序又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける。 2 又は 第94条 《日本弁護士連合会の懲戒 日本弁護士連合…》 会は、第92条第1項に規定する事案について自らその弁護士・外国法事務弁護士共同法人を懲戒することを適当と認めるときは、次項において準用する弁護士法第60条第2項から第6項までに規定するところにより、こ の規定により弁護士・外国法事務弁護士共同法人が除名され、又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人の業務の停止の懲戒を受けた場合において、その処分を受けた日以前30日内にその社員であつた者でその処分を受けた日から3年(弁護士・外国法事務弁護士共同法人の業務の停止の懲戒を受けた場合にあつては、当該業務の停止の期間)を経過しないもの

30条の5 (業務の範囲)

1項 弁護士法 は、 第3条 《弁護士の職務 弁護士は、当事者その他関…》 係人の依頼又は官公署の委嘱によつて、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うことを職務とする。 2 弁護士は、当然、弁 に規定する業務を行うほか、定款で定めるところにより、法令等に基づき弁護士が行うことができるものとして法務省令で定める業務の全部又は一部を行うことができる。

30条の6 (訴訟関係事務の取扱い)

1項 弁護士法 は、次に掲げる事務については、依頼者からその社員又は使用人である弁護士(以下この条において「 社員等弁護士 」という。)に行わせる事務の委託を受けるものとする。この場合において、当該 弁護士法 人は、依頼者に、当該 弁護士法 人の 社員等弁護士 のうちからその代理人、弁護人、付添人又は補佐人を選任させなければならない。

1号 裁判所における事件(刑事に関するものを除く。)の手続についての代理又は補佐

2号 刑事に関する事件の手続についての代理、刑事に関する事件における弁護人としての活動、少年の保護事件における付添人としての活動又は逃亡犯罪人引渡審査請求事件における補佐

2項 弁護士法 は、前項に規定する事務についても、 社員等弁護士 がその業務の執行に関し注意を怠らなかつたことを証明しなければ、依頼者に対する損害賠償の責めを免れることはできない。

30条の7 (登記)

1項 弁護士法 は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。

2項 前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

30条の8 (設立の手続)

1項 弁護士法 を設立するには、その社員になろうとする弁護士が、定款を定めなければならない。

2項 会社法(2005年法律第86号)第30条第1項の規定は、 弁護士法 の定款について準用する。

3項 定款には、少なくとも次に掲げる事項を記載しなければならない。

1号 目的

2号 名称

3号 法律事務所の所在地

4号 所属弁護士会

5号 社員の氏名、住所及び所属弁護士会

6号 社員の出資に関する事項

7号 業務の執行に関する事項

30条の9 (成立の時期)

1項 弁護士法 は、その主たる法律事務所の所在地において設立の登記をすることによつて成立する。

30条の10 (成立の届出)

1項 弁護士法 は、成立したときは、成立の日から2週間以内に、登記事項証明書及び定款の写しを添えて、その旨を所属弁護士会及び日本弁護士連合会に届け出なければならない。

30条の11 (定款の変更)

1項 弁護士法 は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によつて、定款の変更をすることができる。

2項 弁護士法 は、定款を変更したときは、変更の日から2週間以内に、変更に係る事項を所属弁護士会及び日本弁護士連合会に届け出なければならない。

30条の12 (業務の執行)

1項 弁護士法 の社員は、定款で別段の定めがある場合を除き、すべて業務を執行する権利を有し、義務を負う。

30条の13 (法人の代表)

1項 弁護士法 の業務を執行する社員は、各自 弁護士法 人を代表する。

2項 前項の規定は、定款又は総社員の同意によつて、業務を執行する社員中特に 弁護士法 を代表すべき社員を定めることを妨げない。

3項 弁護士法 を代表する社員は、 弁護士法 人の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。

4項 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

5項 弁護士法 を代表する社員は、定款によつて禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。

30条の14 (指定社員)

1項 弁護士法 は、特定の事件について、業務を担当する社員を指定することができる。

2項 前項の規定による指定がされた事件(以下「 指定事件 」という。)については、指定を受けた社員(以下「 指定社員 」という。)のみが業務を執行する権利を有し、義務を負う。

3項 指定事件 については、前条の規定にかかわらず、 指定社員 のみが 弁護士法 を代表する。

4項 弁護士法 は、第1項の規定による指定をしたときは、 指定事件 の依頼者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。

5項 依頼者は、その依頼に係る事件について、 弁護士法 に対して、相当の期間を定め、その期間内に第1項の規定による指定をするかどうかを明らかにすることを求めることができる。この場合において、 弁護士法 人が、その期間内に前項の通知をしないときは、 弁護士法 人は、その後において、指定をすることができない。ただし、依頼者の同意を得て指定をすることを妨げない。

6項 指定事件 について、委任事務の結了前に 指定社員 が欠けたときは、 弁護士法 は、新たな指定をしなければならない。その指定がされなかつたときは、全社員を指定したものとみなす。

7項 社員が1人の 弁護士法 が、事件の依頼を受けたときは、その社員を指定したものとみなす。

30条の15 (社員の責任)

1項 弁護士法 の財産をもつてその債務を完済することができないときは、各社員は、連帯してその弁済の責めに任ずる。

2項 弁護士法 の財産に対する強制執行がその効を奏しなかつたときも、前項と同様とする。

3項 前項の規定は、社員が 弁護士法 に資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、適用しない。

4項 前条第1項の規定による指定がされ、同条第4項の規定による通知がされている場合(同条第6項又は第7項の規定により指定したものとみなされる場合を含む。)において、 指定事件 に関し依頼者に対して負担することとなつた 弁護士法 の債務をその 弁護士法 人の財産をもつて完済することができないときは、第1項の規定にかかわらず、 指定社員 指定社員であつた者を含む。以下この条において同じ。)が、連帯してその弁済の責めに任ずる。ただし、脱退した指定社員が脱退後の事由により生じた債務であることを証明した場合は、この限りでない。

5項 前項の場合において、 指定事件 に関し依頼者に生じた債権に基づく 弁護士法 の財産に対する強制執行がその効を奏しなかつたときは、 指定社員 が、 弁護士法 人に資力があり、かつ、執行が容易であることを証明した場合を除き、同項と同様とする。

6項 第4項の場合において、指定を受けていない社員が指定の前後を問わず 指定事件 に係る業務に関与したときは、当該社員は、その関与に当たり注意を怠らなかつたことを証明した場合を除き、 指定社員 が前2項の規定により負う責任と同1の責任を負う。 弁護士法 を脱退した後も同様とする。

7項 会社法第612条の規定は、 弁護士法 の社員の脱退について準用する。ただし、第4項の場合において、 指定事件 に関し依頼者に対して負担することとなつた 弁護士法 人の債務については、この限りでない。

30条の16 (社員であると誤認させる行為をした者の責任)

1項 社員でない者が自己を社員であると誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて 弁護士法 と取引をした者に対し、社員と同1の責任を負う。

30条の17 (社員の常駐)

1項 弁護士法 は、その法律事務所に、当該法律事務所の所在する地域の弁護士会(その地域に2個以上の弁護士会があるときは、当該 弁護士法 人の所属弁護士会。以下この条において同じ。)の会員である社員を常駐させなければならない。ただし、従たる法律事務所については、当該法律事務所の所在する地域の弁護士会が当該法律事務所の周辺における弁護士の分布状況その他の事情を考慮して常駐しないことを許可したときは、この限りでない。

30条の18 (特定の事件についての業務の制限)

1項 弁護士法 は、次の各号のいずれかに該当する事件については、その業務を行つてはならない。ただし、第3号に規定する事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。

1号 相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件

2号 相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの

3号 受任している事件の相手方からの依頼による他の事件

4号 社員若しくは使用人である弁護士又は使用人である外国法事務弁護士(以下「 社員等 」という。)が相手方から受任している事件

5号 第25条第1号 《職務を行い得ない事件 第25条 弁護士は…》 、次に掲げる事件については、その職務を行つてはならない。 ただし、第3号及び第9号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。 1 相手方の協議を受けて賛助し、又 から第7号までに掲げる事件として社員の半数以上の者が職務を行つてはならないこととされる事件

30条の19 (他の弁護士法人等への加入の禁止等)

1項 弁護士法 の社員は、他の 弁護士法 又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員となつてはならない。

2項 弁護士法 の社員は、他の社員の承諾がなければ、自己又は第三者のために、その 弁護士法 人の業務の範囲に属する業務を行つてはならない。ただし、法令により官公署の委嘱した事項を行うときは、この限りでない。

3項 弁護士法 の社員が前項の規定に違反して自己又は第三者のためにその 弁護士法 人の業務の範囲に属する業務を行つたときは、当該業務によつて当該社員又は第三者が得た利益の額は、 弁護士法 人に生じた損害の額と推定する。

30条の20 (弁護士法人の社員等の汚職行為の禁止)

1項 弁護士法 社員等 は、その 弁護士法 人が受任している事件に関し、相手方から利益の供与を受け、又はその供与の要求若しくは約束をしてはならない。

2項 弁護士法 社員等 は、その 弁護士法 人が受任している事件に関し、相手方から当該 弁護士法 人に利益を供与させ、又はその供与の要求若しくは約束をしてはならない。

30条の21 (弁護士の義務等の規定の準用)

1項 第20条第1項 《弁護士の事務所は、法律事務所と称する。…》 及び第2項、 第21条 《法律事務所の届出義務 弁護士が法律事務…》 所を設け、又はこれを移転したときは、直ちに、所属弁護士会及び日本弁護士連合会に届け出なければならない。第22条 《会則を守る義務 弁護士は、所属弁護士会…》 及び日本弁護士連合会の会則を守らなければならない。第23条 《秘密保持の権利及び義務 弁護士又は弁護…》 士であつた者は、その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う。 但し、法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。 の二、 第24条 《委嘱事項等を行う義務 弁護士は、正当の…》 理由がなければ、法令により官公署の委嘱した事項及び会則の定めるところにより所属弁護士会又は日本弁護士連合会の指定した事項を行うことを辞することができない。 並びに 第27条 《非弁護士との提携の禁止 弁護士は、第7…》 2条ないし[から〜まで]第74条の規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。 から 第29条 《依頼不承諾の通知義務 弁護士は、事件の…》 依頼を承諾しないときは、依頼者に、すみやかに、その旨を通知しなければならない。 までの規定は、 弁護士法 について準用する。

30条の22 (法定脱退)

1項 弁護士法 の社員は、次に掲げる理由によつて脱退する。

1号 定款に定める理由の発生

2号 総社員の同意

3号 死亡

4号 第7条 《弁護士の欠格事由 次に掲げる者は、第4…》 条、第5条及び前条の規定にかかわらず、弁護士となる資格を有しない。 1 拘禁刑以上の刑に処せられた者 2 弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者 3 懲戒の処分により、弁護士若しくは外国法事務弁護士であつて 各号(第2号を除く。)のいずれかに該当することとなつたとき。

5号 第11条 《登録取消の請求 弁護士がその業務をやめ…》 ようとするときは、所属弁護士会を経て、日本弁護士連合会に登録取消の請求をしなければならない。 の規定による登録取消しの請求をしたとき。

6号 第57条第1項第2号 《弁護士に対する懲戒は、次の4種とする。 …》 1 戒告 2 2年以内の業務の停止 3 退会命令 4 除名 から第4号までに規定する処分を受けたとき又は 第13条第1項 《弁護士会は、弁護士が第12条第1項第1号…》 、第2号及び第2項に掲げる事項について虚偽の申告をしていたとき、又は心身の故障により弁護士の職務を行わせることがその適正を欠くおそれがあるときは、資格審査会の議決に基き、日本弁護士連合会に登録取消しの の規定による登録取消しが確定したとき。

7号 第30条の30第1項 《一般社団法人及び一般財団法人に関する法律…》 2006年法律第48号第4条並びに会社法第600条、第614条から第619条まで、第621条及び第622条の規定は弁護士法人について、同法第581条、第582条、第585条第1項及び第4項、第586条 において準用する会社法第859条の規定による除名

30条の23 (解散)

1項 弁護士法 は、次に掲げる理由によつて解散する。

1号 定款に定める理由の発生

2号 総社員の同意

3号 合併(合併により当該 弁護士法 が消滅する場合に限る。

4号 破産手続開始の決定

5号 解散を命ずる裁判

6号 第56条 《懲戒事由及び懲戒権者 弁護士及び弁護士…》 法人は、この法律弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員又は使用人である弁護士及び外国法事務弁護士法人の使用人である弁護士にあつては、この法律又は外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律又は所属弁 又は 第60条 《日本弁護士連合会の懲戒 日本弁護士連合…》 会は、第56条第1項に規定する事案について自らその弁護士又は弁護士法人を懲戒することを適当と認めるときは、次項から第6項までに規定するところにより、これを懲戒することができる。 2 日本弁護士連合会は の規定による除名

7号 社員の欠亡

2項 弁護士法 は、前項第3号及び第6号の事由以外の事由により解散したときは、解散の日から2週間以内に、その旨を所属弁護士会及び日本弁護士連合会に届け出なければならない。

30条の24 (弁護士法人の継続)

1項 清算人は、社員の死亡により前条第1項第7号に該当するに至つた場合に限り、当該社員の相続人( 第30条の30第2項 《2 会社法第644条第3号を除く。、第6…》 45条から第649条まで、第650条第1項及び第2項、第651条第1項及び第2項同法第594条の準用に係る部分を除く。、第652条、第653条、第655条から第659条まで、第662条から第664条ま において準用する会社法第675条において準用する同法第608条第5項の規定により社員の権利を行使する者が定められている場合にはその者)の同意を得て、新たに社員を加入させて 弁護士法 を継続することができる。

30条の25 (解散を命ずる裁判)

1項 会社法第824条、第826条、第868条第1項、第870条第1項(第10号に係る部分に限る。)、第871条本文、第872条(第4号に係る部分に限る。)、第873条本文、第875条、第876条、第904条及び第937条第1項(第3号ロに係る部分に限る。)の規定は 弁護士法 の解散の命令について、同法第825条、第868条第1項、第870条第1項(第1号に係る部分に限る。)、第871条、第872条(第1号及び第4号に係る部分に限る。)、第873条、第874条(第2号及び第3号に係る部分に限る。)、第875条、第876条及び第905条から第906条の二までの規定はこの項において準用する同法第824条第1項の申立てがあつた場合における 弁護士法 人の財産の保全について、それぞれ準用する。

2項 会社法第833条第2項、第834条(第21号に係る部分に限る。)、第835条第1項、第837条、第838条、第846条及び第937条第1項(第1号リに係る部分に限る。)の規定は、 弁護士法 の解散の訴えについて準用する。

3項 法務大臣は、第1項において準用する会社法第824条第1項の規定による解散命令を請求しようとするときは、あらかじめ、日本弁護士連合会の意見を聴くものとする。

30条の26 (清算)

1項 弁護士法 の清算人は、弁護士でなければならない。

2項 清算人は、清算が結了したときは、清算結了の登記後速やかに、登記事項証明書を添えて、その旨を当該 弁護士法 の所属弁護士会及び日本弁護士連合会に届け出なければならない。

30条の26の2 (裁判所による監督)

1項 弁護士法 の解散及び清算は、裁判所の監督に属する。

2項 裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる。

3項 弁護士法 の解散及び清算を監督する裁判所は、日本弁護士連合会に対し、意見を求め、又は調査を嘱託することができる。

4項 日本弁護士連合会は、前項に規定する裁判所に対し、意見を述べることができる。

30条の26の3 (解散及び清算の監督に関する事件の管轄)

1項 弁護士法 の解散及び清算の監督に関する事件は、その主たる法律事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。

30条の26の4 (検査役の選任)

1項 裁判所は、 弁護士法 の解散及び清算の監督に必要な調査をさせるため、検査役を選任することができる。

2項 前項の検査役の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

3項 裁判所は、第1項の検査役を選任した場合には、 弁護士法 が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。この場合においては、裁判所は、当該 弁護士法 及び検査役の陳述を聴かなければならない。

30条の27 (合併)

1項 弁護士法 は、総社員の同意があるときは、他の 弁護士法 人と合併することができる。

2項 合併は、合併後存続する 弁護士法 又は合併により設立する 弁護士法 人が、その主たる法律事務所の所在地において登記をすることによつて、その効力を生ずる。

3項 弁護士法 は、合併したときは、合併の日から2週間以内に、登記事項証明書(合併により設立する 弁護士法 人にあつては、登記事項証明書及び定款の写し)を添えて、その旨を所属弁護士会及び日本弁護士連合会に届け出なければならない。

4項 合併後存続する 弁護士法 又は合併により設立する 弁護士法 人は、当該合併により消滅する 弁護士法 人の権利義務を承継する。

30条の28 (債権者の異議等)

1項 合併をする 弁護士法 の債権者は、当該 弁護士法 人に対し、合併について異議を述べることができる。

2項 合併をする 弁護士法 は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第3号の期間は、1箇月を下ることができない。

1号 合併をする旨

2号 合併により消滅する 弁護士法 及び合併後存続する 弁護士法 又は合併により設立する 弁護士法 人の名称及び主たる事務所の所在地

3号 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨

3項 前項の規定にかかわらず、合併をする 弁護士法 が同項の規定による公告を、官報のほか、第6項において準用する会社法第939条第1項の規定による定款の定めに従い、同項第2号又は第3号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。

4項 債権者が第2項第3号の期間内に異議を述べなかつたときは、当該債権者は、当該合併について承認をしたものとみなす。

5項 債権者が第2項第3号の期間内に異議を述べたときは、合併をする 弁護士法 は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関( 金融機関の信託業務の兼営等に関する法律 1943年法律第43号第1条第1項 《銀行その他の金融機関政令で定めるものに限…》 る。以下「金融機関」という。は、他の法律の規定にかかわらず、内閣総理大臣の認可を受けて、信託業法2004年法律第154号第2条第1項に規定する信託業及び次に掲げる業務政令で定めるものを除く。以下「信託 の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。)に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。

6項 会社法第939条第1項(第2号及び第3号に係る部分に限る。及び第3項、第940条第1項(第3号に係る部分に限る。及び第3項、第941条、第946条、第947条、第951条第2項、第953条並びに第955条の規定は、 弁護士法 が第2項の規定による公告をする場合について準用する。この場合において、同法第939条第1項及び第3項中「公告方法」とあるのは「合併の公告の方法」と、同法第946条第3項中「商号」とあるのは「名称」と読み替えるものとする。

30条の29 (合併の無効の訴え)

1項 会社法第828条第1項(第7号及び第8号に係る部分に限る。及び第2項(第7号及び第8号に係る部分に限る。)、第834条(第7号及び第8号に係る部分に限る。)、第835条第1項、第836条第2項及び第3項、第837条から第839条まで、第843条(第1項第3号及び第4号並びに第2項ただし書を除く。並びに第846条の規定は 弁護士法 の合併の無効の訴えについて、同法第868条第6項、第870条第2項(第6号に係る部分に限る。)、第870条の二、第871条本文、第872条(第5号に係る部分に限る。)、第872条の二、第873条本文、第875条及び第876条の規定はこの条において準用する同法第843条第4項の申立てについて、それぞれ準用する。

30条の30 (一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び会社法の準用等)

1項 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 2006年法律第48号第4条 《住所 一般社団法人及び一般財団法人の住…》 所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。 並びに会社法第600条、第614条から第619条まで、第621条及び第622条の規定は 弁護士法 について、同法第581条、第582条、第585条第1項及び第4項、第586条、第593条、第595条、第596条、第601条、第605条、第606条、第609条第1項及び第2項、第611条(第1項ただし書を除く。並びに第613条の規定は 弁護士法 人の社員について、同法第859条から第862条までの規定は 弁護士法 人の社員の除名並びに業務を執行する権利及び代表権の消滅の訴えについて、それぞれ準用する。この場合において、同法第613条中「商号」とあるのは「名称」と、同法第859条第2号中「第594条第1項(第598条第2項において準用する場合を含む。)」とあるのは「 弁護士法 1949年法律第205号第30条の19第1項 《弁護士法人の社員は、他の弁護士法人又は弁…》 護士・外国法事務弁護士共同法人の社員となつてはならない。 又は第2項」と読み替えるものとする。

2項 会社法第644条(第3号を除く。)、第645条から第649条まで、第650条第1項及び第2項、第651条第1項及び第2項(同法第594条の準用に係る部分を除く。)、第652条、第653条、第655条から第659条まで、第662条から第664条まで、第666条から第673条まで、第675条、第863条、第864条、第868条第1項、第869条、第870条第1項(第1号及び第2号に係る部分に限る。)、第871条、第872条(第4号に係る部分に限る。)、第874条(第1号及び第4号に係る部分に限る。)、第875条並びに第876条の規定は、 弁護士法 の解散及び清算について準用する。この場合において、同法第644条第1号中「第641条第5号」とあるのは「 弁護士法 第30条の23第1項第3号 《弁護士法人は、次に掲げる理由によつて解散…》 する。 1 定款に定める理由の発生 2 総社員の同意 3 合併合併により当該弁護士法人が消滅する場合に限る。 4 破産手続開始の決定 5 解散を命ずる裁判 6 第56条又は第60条の規定による除名 7 」と、同法第647条第3項中「第641条第4号又は第7号」とあるのは「 弁護士法 第30条の23第1項第5号 《弁護士法人は、次に掲げる理由によつて解散…》 する。 1 定款に定める理由の発生 2 総社員の同意 3 合併合併により当該弁護士法人が消滅する場合に限る。 4 破産手続開始の決定 5 解散を命ずる裁判 6 第56条又は第60条の規定による除名 7 から第7号まで」と、同法第668条第1項及び第669条中「第641条第1号から第3号まで」とあるのは「 弁護士法 第30条の23第1項第1号 《弁護士法人は、次に掲げる理由によつて解散…》 する。 1 定款に定める理由の発生 2 総社員の同意 3 合併合併により当該弁護士法人が消滅する場合に限る。 4 破産手続開始の決定 5 解散を命ずる裁判 6 第56条又は第60条の規定による除名 7 又は第2号」と、同法第670条第3項中「第939条第1項」とあるのは「 弁護士法 第30条の28第6項 《6 会社法第939条第1項第2号及び第3…》 号に係る部分に限る。及び第3項、第940条第1項第3号に係る部分に限る。及び第3項、第941条、第946条、第947条、第951条第2項、第953条並びに第955条の規定は、弁護士法人が第2項の規定に において準用する第939条第1項」と、同法第673条第1項中「第580条」とあるのは「 弁護士法 第30条 《営利業務の届出等 弁護士は、次の各号に…》 掲げる場合には、あらかじめ、当該各号に定める事項を所属弁護士会に届け出なければならない。 1 自ら営利を目的とする業務を営もうとするとき 商号及び当該業務の内容 2 営利を目的とする業務を営む者の取締 の十五」と読み替えるものとする。

3項 会社法第828条第1項(第1号に係る部分に限る。及び第2項(第1号に係る部分に限る。)、第834条(第1号に係る部分に限る。)、第835条第1項、第837条から第839条まで並びに第846条の規定は、 弁護士法 の設立の無効の訴えについて準用する。

4項 破産法 2004年法律第75号第16条 《法人の破産手続開始の原因 債務者が法人…》 である場合に関する前条第1項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態をいう。」とする。 2 前項 の規定の適用については、 弁護士法 は、合名会社とみなす。

5章 弁護士会

31条 (目的及び法人格)

1項 弁護士会は、弁護士及び 弁護士法 の使命及び職務にかんがみ、その品位を保持し、弁護士及び 弁護士法 人の事務の改善進歩を図るため、弁護士及び 弁護士法 人の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする。

2項 弁護士会は、法人とする。

32条 (設立の基準となる区域)

1項 弁護士会は、地方裁判所の管轄区域ごとに設立しなければならない。

33条 (会則)

1項 弁護士会は、日本弁護士連合会の承認を受けて、会則を定めなければならない。

2項 弁護士会の会則には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

1号 名称及び事務所の所在地

2号 会長、副会長その他会の機関の選任、構成及び職務権限に関する規定

3号 入会及び退会に関する規定

4号 資格審査会に関する規定

5号 会議に関する規定

6号 弁護士名簿の登録、登録換え及び登録取消しの請求の進達並びに 第13条 《弁護士会による登録取消しの請求 弁護士…》 会は、弁護士が第12条第1項第1号、第2号及び第2項に掲げる事項について虚偽の申告をしていたとき、又は心身の故障により弁護士の職務を行わせることがその適正を欠くおそれがあるときは、資格審査会の議決に基 の規定による登録取消しの請求及びその実施のために必要な手続に関する規定

7号 弁護士道徳その他会員の綱紀保持に関する規定

8号 懲戒並びに懲戒委員会及び綱紀委員会に関する規定

9号 無資力者のためにする法律扶助に関する規定

10号 官公署その他に対する弁護士の推薦に関する規定

11号 司法修習生の修習に関する規定

12号 会員の職務に関する紛議の調停に関する規定

13号 建議及び答申に関する規定

14号 営利業務の届出及び営利業務従事弁護士名簿に関する規定

15号 会費に関する規定

16号 会計及び資産に関する規定

3項 前項に掲げる事項を変更するときは、日本弁護士連合会の承認を受けなければならない。

34条 (登記)

1項 弁護士会は、その所在地において設立の登記をすることによつて成立する。

2項 弁護士会の設立の登記には、次に掲げる事項を登記しなければならない。

1号 名称

2号 設立の基準となる地方裁判所の名称及び管轄区域

3号 事務所の所在場所

4号 会長及び副会長の氏名及び住所

5号 第43条第3項 《3 第30条の28の規定は、弁護士会が合…》 併をする場合について準用する。 この場合において、同条第3項中「定款」とあるのは「会則」と、同条第6項中「同法第939条第1項及び第3項」とあるのは「同法第939条第1項中「定款」とあるのは「会則」と において準用する 第30条の28第2項 《2 合併をする弁護士法人は、次に掲げる事…》 項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第3号の期間は、1箇月を下ることができない。 1 合併をする旨 2 合併により消滅する弁護士法人及び合併後存 の公告を時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法によりする旨の会則の定めがあるときは、その定め

6号 第43条第3項 《3 第30条の28の規定は、弁護士会が合…》 併をする場合について準用する。 この場合において、同条第3項中「定款」とあるのは「会則」と、同条第6項中「同法第939条第1項及び第3項」とあるのは「同法第939条第1項中「定款」とあるのは「会則」と において準用する 第30条の28第2項 《2 合併をする弁護士法人は、次に掲げる事…》 項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第3号の期間は、1箇月を下ることができない。 1 合併をする旨 2 合併により消滅する弁護士法人及び合併後存 の公告を電子公告(会社法第2条第34号に規定する電子公告をいう。イにおいて同じ。)によりする旨の会則の定めがあるときは、その定め及び次に掲げる事項

電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であつて法務省令で定めるもの

第43条第3項 《3 第30条の28の規定は、弁護士会が合…》 併をする場合について準用する。 この場合において、同条第3項中「定款」とあるのは「会則」と、同条第6項中「同法第939条第1項及び第3項」とあるのは「同法第939条第1項中「定款」とあるのは「会則」と において準用する 第30条の28第6項 《6 会社法第939条第1項第2号及び第3…》 号に係る部分に限る。及び第3項、第940条第1項第3号に係る部分に限る。及び第3項、第941条、第946条、第947条、第951条第2項、第953条並びに第955条の規定は、弁護士法人が第2項の規定に において準用する会社法第939条第3項後段の規定による会則の定めがあるときは、その定め

3項 弁護士会が解散したときは、2週間以内に解散の登記をしなければならない。

4項 第2項に掲げる事項に変更を生じたときは、2週間以内に変更の登記をしなければならない。

5項 弁護士会において登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

6項 この法律に規定するものの外、弁護士会の登記の手続に関して必要な事項は、政令で定める。

35条 (会長及び副会長)

1項 弁護士会の代表者は、会長とする。

2項 会長に事故のあるとき又は会長が欠けたときは、副会長がこの法律及び会則に規定する会長の職務を行う。

3項 会長及び副会長は、 刑法 1907年法律第45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

36条 (入会及び退会)

1項 弁護士名簿に登録又は登録換を受けた者は、当然、入会しようとする弁護士会の会員となり、登録換を受けた場合には、これによつて旧所属弁護士会を退会するものとする。

2項 第11条 《登録取消の請求 弁護士がその業務をやめ…》 ようとするときは、所属弁護士会を経て、日本弁護士連合会に登録取消の請求をしなければならない。 に規定する請求により登録取消を受けた者は、当然、所属弁護士会を退会するものとする。

36条の2 (弁護士法人の入会及び退会)

1項 弁護士法 は、その成立の時に、主たる法律事務所の所在する地域の弁護士会(2個以上の弁護士会があるときは、当該 弁護士法 人が定款に記載した弁護士会)の会員となる。

2項 弁護士法 は、所属弁護士会の地域外に法律事務所を設け、又は移転したときは、法律事務所の新所在地(従たる法律事務所を設け、又は移転したときにあつては、主たる法律事務所の所在地)においてその旨の登記をした時に、当該法律事務所(従たる法律事務所を設け、又は移転したときにあつては、当該従たる法律事務所)の所在する地域の弁護士会(2個以上の弁護士会があるときは、当該 弁護士法 人が定款に記載した弁護士会)の会員となる。

3項 弁護士法 は、その法律事務所の移転又は廃止により、所属弁護士会の地域内に法律事務所を有しないこととなつたときは、旧所在地(従たる法律事務所を移転し、又は廃止したときにあつては、主たる法律事務所の所在地)においてその旨の登記をした時に、当該弁護士会を退会するものとする。

4項 弁護士法 は、その法律事務所の所在地に2個以上の弁護士会がある場合に限り、定款を変更することにより、所属弁護士会を変更することができる。

5項 弁護士法 は、同1の地域にある複数の弁護士会に所属することはできない。

6項 弁護士法 は、第2項又は第4項の規定により、新たに弁護士会に入会したときは、入会の日から2週間以内に、登記事項証明書及び定款の写しを添えて、その旨を当該弁護士会及び日本弁護士連合会に届け出なければならない。

7項 弁護士法 は、第3項又は第4項の規定により、所属弁護士会を退会したときは、退会の日から2週間以内に、その旨を当該弁護士会及び日本弁護士連合会に届け出なければならない。

37条 (総会)

1項 弁護士会は、毎年定期総会を開かなければならない。

2項 弁護士会は、必要と認める場合には、臨時総会を開くことができる。

38条 (総会の決議等の報告)

1項 弁護士会は、総会の決議並びに役員の就任及び退任を日本弁護士連合会に報告しなければならない。

39条 (総会の決議を必要とする事項)

1項 弁護士会の会則の変更、予算及び決算は、総会の決議によらなければならない。

40条 (総会の決議の取消)

1項 弁護士会の総会の決議が公益を害するときその他法令又はその弁護士会若しくは日本弁護士連合会の会則に違反するときは、日本弁護士連合会は、その決議を取り消すことができる。

41条 (紛議の調停)

1項 弁護士会は、弁護士の職務又は 弁護士法 の業務に関する紛議につき、弁護士、 弁護士法 又は当事者その他関係人の請求により調停をすることができる。

42条 (答申及び建議)

1項 弁護士会は、日本弁護士連合会から諮問又は協議を受けた事項につき答申をしなければならない。

2項 弁護士会は、弁護士及び 弁護士法 の事務その他司法事務に関して官公署に建議し、又はその諮問に答申することができる。

43条 (合併及び解散)

1項 地方裁判所の管轄区域が変更されたためその区域内に在る弁護士会が合併し又は解散する必要があるときは、その弁護士会は、総会の決議により合併し又は解散する。

2項 合併後存続する弁護士会又は合併により設立する弁護士会は、当該合併により消滅する弁護士会の権利義務を承継する。

3項 第30条の28 《債権者の異議等 合併をする弁護士法人の…》 債権者は、当該弁護士法人に対し、合併について異議を述べることができる。 2 合併をする弁護士法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただ の規定は、弁護士会が合併をする場合について準用する。この場合において、同条第3項中「定款」とあるのは「会則」と、同条第6項中「同法第939条第1項及び第3項」とあるのは「同法第939条第1項中「定款」とあるのは「会則」と、同項及び同条第3項」と読み替えるものとする。

4項 弁護士会が合併したときは、合併により解散する弁護士会に所属した弁護士又は 弁護士法 は、当然、合併後存続し又は合併により設立する弁護士会の会員となる。

5項 第10条第1項 《弁護士は、所属弁護士会を変更するには、新…》 たに入会しようとする弁護士会を経て、日本弁護士連合会に登録換の請求をしなければならない。 の規定は、前項の場合に弁護士について準用する。

43条の2 (清算中の弁護士会の能力)

1項 解散した弁護士会は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。

43条の3 (清算人)

1項 弁護士会が解散したときは、破産手続開始の決定による解散の場合を除き、会長がその清算人となる。ただし、定款に別段の定めがあるとき、又は総会において会長以外の者を選任したときは、この限りでない。

2項 次に掲げる者は、清算人となることができない。

1号 死刑又は無期若しくは6年以上の拘禁刑に処せられ、復権を得ない者

2号 6年未満の拘禁刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者

43条の4 (裁判所による清算人の選任)

1項 前条第1項の規定により清算人となる者がないとき、又は清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を選任することができる。

43条の5 (清算人の解任)

1項 重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を解任することができる。

43条の6 (清算人の職務及び権限)

1項 清算人の職務は、次のとおりとする。

1号 現務の結了

2号 債権の取立て及び債務の弁済

3号 残余財産の引渡し

2項 清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。

43条の7 (債権の申出の催告等)

1項 清算人は、その就職の日から2箇月以内に、少なくとも三回の公告をもつて、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。この場合において、その期間は、2箇月を下ることができない。

2項 前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない。

3項 清算人は、知れている債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。

4項 第1項の公告は、官報に掲載してする。

43条の8 (期間経過後の債権の申出)

1項 前条第1項の期間の経過後に申出をした債権者は、弁護士会の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。

43条の9 (裁判所による監督)

1項 弁護士会の解散及び清算は、裁判所の監督に属する。

2項 裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる。

43条の10 (解散及び清算の監督等に関する事件の管轄)

1項 弁護士会の解散及び清算の監督並びに清算人に関する事件は、その事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。

43条の11 (不服申立ての制限)

1項 清算人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

43条の12 (裁判所の選任する清算人の報酬)

1項 裁判所は、 第43条の4 《裁判所による清算人の選任 前条第1項の…》 規定により清算人となる者がないとき、又は清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を選任することができる。 の規定により清算人を選任した場合には、弁護士会が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。この場合においては、裁判所は、当該清算人の陳述を聴かなければならない。

43条の13

1項 削除

43条の14 (検査役の選任)

1項 裁判所は、弁護士会の解散及び清算の監督に必要な調査をさせるため、検査役を選任することができる。

2項 第43条 《合併及び解散 地方裁判所の管轄区域が変…》 更されたためその区域内に在る弁護士会が合併し又は解散する必要があるときは、その弁護士会は、総会の決議により合併し又は解散する。 2 合併後存続する弁護士会又は合併により設立する弁護士会は、当該合併によ の十一及び 第43条の12 《裁判所の選任する清算人の報酬 裁判所は…》 、第43条の4の規定により清算人を選任した場合には、弁護士会が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 この場合においては、裁判所は、当該清算人の陳述を聴かなければならない。 の規定は、前項の規定により裁判所が検査役を選任した場合について準用する。この場合において、同条中「清算人の」とあるのは、「弁護士会及び検査役の」と読み替えるものとする。

43条の15 (行政手続法の適用除外)

1項 弁護士会がこの法律に基づいて行う処分については、 行政手続法 1993年法律第88号)第2章、第3章及び第4章の2の規定は、適用しない。

44条 (弁護士会連合会)

1項 同じ高等裁判所の管轄区域内の弁護士会は、共同して特定の事項を行うため、規約を定め、日本弁護士連合会の承認を受けて、弁護士会連合会を設けることができる。

6章 日本弁護士連合会

45条 (設立、目的及び法人格)

1項 全国の弁護士会は、日本弁護士連合会を設立しなければならない。

2項 日本弁護士連合会は、弁護士及び 弁護士法 の使命及び職務にかんがみ、その品位を保持し、弁護士及び 弁護士法 人の事務の改善進歩を図るため、弁護士、 弁護士法 及び弁護士会の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする。

3項 日本弁護士連合会は、法人とする。

46条 (会則)

1項 日本弁護士連合会は、会則を定めなければならない。

2項 日本弁護士連合会の会則には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

1号 第33条第2項第1号 《2 弁護士会の会則には、次に掲げる事項を…》 記載しなければならない。 1 名称及び事務所の所在地 2 会長、副会長その他会の機関の選任、構成及び職務権限に関する規定 3 入会及び退会に関する規定 4 資格審査会に関する規定 5 会議に関する規定 から第5号まで、第7号から第11号まで、第13号、第15号及び第16号に掲げる事項

2号 弁護士名簿の登録、登録換え及び登録取消しに関する規定

3号 綱紀審査会に関する規定

47条 (会員)

1項 弁護士、 弁護士法 及び弁護士会は、当然、日本弁護士連合会の会員となる。

48条 (調査の依頼)

1項 日本弁護士連合会は、弁護士、 弁護士法 及び弁護士会の指導、連絡及び監督に関する事務について、官公署その他に必要な調査を依頼することができる。

49条 (最高裁判所の権限)

1項 最高裁判所は、必要と認める場合には、日本弁護士連合会に、その行う事務について報告を求め、又は弁護士、 弁護士法 及び弁護士会に関する調査を依頼することができる。

49条の2 (行政手続法の適用除外)

1項 日本弁護士連合会がこの法律に基づいて行う処分については、 行政手続法 第2章、第3章及び第4章の2の規定は、適用しない。

49条の3 (審査請求の制限)

1項 この法律に基づく日本弁護士連合会の処分又はその不作為については、審査請求をすることができない。

50条 (準用規定)

1項 第34条 《登記 弁護士会は、その所在地において設…》 立の登記をすることによつて成立する。 2 弁護士会の設立の登記には、次に掲げる事項を登記しなければならない。 1 名称 2 設立の基準となる地方裁判所の名称及び管轄区域 3 事務所の所在場所 4 会長第35条 《会長及び副会長 弁護士会の代表者は、会…》 長とする。 2 会長に事故のあるとき又は会長が欠けたときは、副会長がこの法律及び会則に規定する会長の職務を行う。 3 会長及び副会長は、刑法1907年法律第45号その他の罰則の適用については、法令によ第37条 《総会 弁護士会は、毎年定期総会を開かな…》 ければならない。 2 弁護士会は、必要と認める場合には、臨時総会を開くことができる。第39条 《総会の決議を必要とする事項 弁護士会の…》 会則の変更、予算及び決算は、総会の決議によらなければならない。 及び 第42条第2項 《2 弁護士会は、弁護士及び弁護士法人の事…》 務その他司法事務に関して官公署に建議し、又はその諮問に答申することができる。 の規定は、日本弁護士連合会に準用する。

7章 資格審査会

51条 (設置及び機能)

1項 各弁護士会及び日本弁護士連合会にそれぞれ資格審査会を置く。

2項 資格審査会は、その置かれた弁護士会又は日本弁護士連合会の請求により、登録、登録換及び登録取消の請求に関して必要な審査をする。

52条 (組織)

1項 資格審査会は、会長及び委員若干人をもつて組織する。

2項 会長は、その資格審査会の置かれた弁護士会又は日本弁護士連合会の会長をもつてこれに充てる。

3項 委員は、弁護士、裁判官、検察官及び学識経験のある者の中から会長が委嘱する。但し、弁護士会の資格審査会においては、裁判官又は検察官である委員はその地の高等裁判所若しくは地方裁判所又は高等検察庁検事長若しくは地方検察庁検事正の推薦に基き、その他の委員はその弁護士会の総会の決議に基き、日本弁護士連合会の資格審査会においては、裁判官又は検察官である委員は最高裁判所又は検事総長の推薦に基き、その他の委員は日本弁護士連合会の総会の決議に基かなければならない。

4項 委員の任期は、2年とする。但し、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

53条 (予備委員)

1項 資格審査会に予備委員若干人を置く。

2項 前条第3項及び第4項の規定は、予備委員に準用する。

3項 委員に事故のあるとき又は委員が欠けたときは、会長は、同じ資格を有する予備委員の中からその代理をする者を命ずる。

54条 (会長の職務及びその身分等)

1項 会長は、会務を総理する。

2項 会長、委員及び予備委員は、 刑法 その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

55条 (審査手続)

1項 資格審査会は、審査に関し必要があるときは、当事者、関係人及び官公署その他に対して陳述、説明又は資料の提出を求めることができる。

2項 資格審査会は、登録の請求、登録換の請求若しくはこれらの進達を拒絶することを可とし、又は 第13条 《弁護士会による登録取消しの請求 弁護士…》 会は、弁護士が第12条第1項第1号、第2号及び第2項に掲げる事項について虚偽の申告をしていたとき、又は心身の故障により弁護士の職務を行わせることがその適正を欠くおそれがあるときは、資格審査会の議決に基 の規定による登録取消の請求を可とする議決をする場合には、あらかじめ、当事者に対してその旨を通知し、且つ、これに関して陳述及び資料の提出をする機会を与えなければならない。

8章 懲戒 > 1節 懲戒事由及び懲戒権者等

56条 (懲戒事由及び懲戒権者)

1項 弁護士及び 弁護士法 は、この法律(弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員又は使用人である弁護士及び外国法事務 弁護士法 人の使用人である弁護士にあつては、この法律又は 外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律 又は所属弁護士会若しくは日本弁護士連合会の会則に違反し、所属弁護士会の秩序又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける。

2項 懲戒は、その弁護士又は 弁護士法 の所属弁護士会が、これを行う。

3項 弁護士会がその地域内に従たる法律事務所のみを有する 弁護士法 に対して行う懲戒の事由は、その地域内にある従たる法律事務所に係るものに限る。

57条 (懲戒の種類)

1項 弁護士に対する懲戒は、次の4種とする。

1号 戒告

2号 2年以内の業務の停止

3号 退会命令

4号 除名

2項 弁護士法 に対する懲戒は、次の4種とする。

1号 戒告

2号 2年以内の 弁護士法 の業務の停止又はその法律事務所の業務の停止

3号 退会命令(当該弁護士会の地域内に従たる法律事務所のみを有する 弁護士法 に対するものに限る。

4号 除名(当該弁護士会の地域内に主たる法律事務所を有する 弁護士法 に対するものに限る。

3項 弁護士会は、その地域内に従たる法律事務所のみを有する 弁護士法 に対して、前項第2号の懲戒を行う場合にあつては、その地域内にある法律事務所の業務の停止のみを行うことができる。

4項 第2項又は前項の規定の適用に当たつては、日本弁護士連合会は、その地域内に当該 弁護士法 の主たる法律事務所がある弁護士会とみなす。

57条の2 (弁護士法人に対する懲戒に伴う法律事務所の設置移転の禁止)

1項 弁護士法 は、特定の弁護士会の地域内にあるすべての法律事務所について業務の停止の懲戒を受けた場合には、当該業務の停止の期間中、その地域内において、法律事務所を設け、又は移転してはならない。

2項 弁護士法 は、前条第2項第3号の懲戒を受けた場合には、その処分を受けた日から3年間、当該懲戒を行つた弁護士会の地域内において、法律事務所を設け、又は移転してはならない。

58条 (懲戒の請求、調査及び審査)

1項 何人も、弁護士又は 弁護士法 について懲戒の事由があると思料するときは、その事由の説明を添えて、その弁護士又は 弁護士法 人の所属弁護士会にこれを懲戒することを求めることができる。

2項 弁護士会は、所属の弁護士又は 弁護士法 について、懲戒の事由があると思料するとき又は前項の請求があつたときは、懲戒の手続に付し、綱紀委員会に事案の調査をさせなければならない。

3項 綱紀委員会は、前項の調査により対象弁護士等(懲戒の手続に付された弁護士又は 弁護士法 をいう。以下同じ。)につき懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当と認めるときは、その旨の議決をする。この場合において、弁護士会は、当該議決に基づき、懲戒委員会に事案の審査を求めなければならない。

4項 綱紀委員会は、第2項の調査により、第1項の請求が不適法であると認めるとき若しくは対象弁護士等につき懲戒の手続を開始することができないものであると認めるとき、対象弁護士等につき懲戒の事由がないと認めるとき又は事案の軽重その他情状を考慮して懲戒すべきでないことが明らかであると認めるときは、懲戒委員会に事案の審査を求めないことを相当とする議決をする。この場合において、弁護士会は、当該議決に基づき、対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしなければならない。

5項 懲戒委員会は、第3項の審査により対象弁護士等につき懲戒することを相当と認めるときは、懲戒の処分の内容を明示して、その旨の議決をする。この場合において、弁護士会は、当該議決に基づき、対象弁護士等を懲戒しなければならない。

6項 懲戒委員会は、第3項の審査により対象弁護士等につき懲戒しないことを相当と認めるときは、その旨の議決をする。この場合において、弁護士会は、当該議決に基づき、対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしなければならない。

59条 (懲戒を受けた者の審査請求に対する裁決)

1項 日本弁護士連合会は、 第56条 《懲戒事由及び懲戒権者 弁護士及び弁護士…》 法人は、この法律弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員又は使用人である弁護士及び外国法事務弁護士法人の使用人である弁護士にあつては、この法律又は外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律又は所属弁 の規定により弁護士会がした懲戒の処分について審査請求があつたときは、日本弁護士連合会の懲戒委員会に事案の審査を求め、その議決に基づき、裁決をしなければならない。

2項 前項の審査請求については、 行政不服審査法 第9条 《審理員 第4条又は他の法律若しくは条例…》 の規定により審査請求がされた行政庁第14条の規定により引継ぎを受けた行政庁を含む。以下「審査庁」という。は、審査庁に所属する職員第17条に規定する名簿を作成した場合にあっては、当該名簿に記載されている第17条 《審理員となるべき者の名簿 審査庁となる…》 べき行政庁は、審理員となるべき者の名簿を作成するよう努めるとともに、これを作成したときは、当該審査庁となるべき行政庁及び関係処分庁の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければなら 、第2章第3節及び 第50条第2項 《2 第43条第1項の規定による行政不服審…》 査会等への諮問を要しない場合には、前項の裁決書には、審理員意見書を添付しなければならない。 の規定は、適用しない。

3項 第1項の審査請求に関する 行政不服審査法 の規定の適用については、同法第11条第2項中「 第9条第1項 《弁護士となるには、入会しようとする弁護士…》 会を経て、日本弁護士連合会に登録の請求をしなければならない。 の規定により指名された者࿸以下「審理員」という。)」とあるのは「日本弁護士連合会の懲戒委員会」と、同法第13条第1項及び第2項中「審理員」とあるのは「第11条第2項の懲戒委員会」と、同法第44条中「行政不服審査会等から諮問に対する答申を受けたとき(前条第1項の規定による諮問を要しない場合(同項第2号又は第3号に該当する場合を除く。)にあっては審理員意見書が提出されたとき、同項第2号又は第3号に該当する場合にあっては同項第2号又は第3号に規定する議を経たとき)」とあるのは「 弁護士法 1949年法律第205号第59条第1項 《日本弁護士連合会は、第56条の規定により…》 弁護士会がした懲戒の処分について審査請求があつたときは、日本弁護士連合会の懲戒委員会に事案の審査を求め、その議決に基づき、裁決をしなければならない。 の議決があったとき」とする。

60条 (日本弁護士連合会の懲戒)

1項 日本弁護士連合会は、 第56条第1項 《弁護士及び弁護士法人は、この法律弁護士・…》 外国法事務弁護士共同法人の社員又は使用人である弁護士及び外国法事務弁護士法人の使用人である弁護士にあつては、この法律又は外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律又は所属弁護士会若しくは日本弁護士 に規定する事案について自らその弁護士又は 弁護士法 を懲戒することを適当と認めるときは、次項から第6項までに規定するところにより、これを懲戒することができる。

2項 日本弁護士連合会は、弁護士又は 弁護士法 について懲戒の事由があると思料するときは、懲戒の手続に付し、日本弁護士連合会の綱紀委員会に事案の調査をさせることができる。

3項 日本弁護士連合会の綱紀委員会は、前項の調査により対象弁護士等につき日本弁護士連合会の懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当と認めるときは、その旨の議決をする。この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、日本弁護士連合会の懲戒委員会に事案の審査を求めなければならない。

4項 日本弁護士連合会の綱紀委員会は、第2項の調査により、対象弁護士等につき懲戒の手続を開始することができないものであると認めるとき、対象弁護士等につき懲戒の事由がないと認めるとき又は事案の軽重その他情状を考慮して懲戒すべきでないことが明らかであると認めるときは、日本弁護士連合会の懲戒委員会に事案の審査を求めないことを相当とする議決をする。この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしなければならない。

5項 日本弁護士連合会の懲戒委員会は、第3項の審査により対象弁護士等につき懲戒することを相当と認めるときは、懲戒の処分の内容を明示して、その旨の議決をする。この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、対象弁護士等を懲戒しなければならない。

6項 日本弁護士連合会の懲戒委員会は、第3項の審査により対象弁護士等につき懲戒しないことを相当と認めるときは、その旨の議決をする。この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしなければならない。

61条 (訴えの提起)

1項 第56条 《懲戒事由及び懲戒権者 弁護士及び弁護士…》 法人は、この法律弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員又は使用人である弁護士及び外国法事務弁護士法人の使用人である弁護士にあつては、この法律又は外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律又は所属弁 の規定により弁護士会がした懲戒の処分についての審査請求を却下され若しくは棄却され、又は 第60条 《日本弁護士連合会の懲戒 日本弁護士連合…》 会は、第56条第1項に規定する事案について自らその弁護士又は弁護士法人を懲戒することを適当と認めるときは、次項から第6項までに規定するところにより、これを懲戒することができる。 2 日本弁護士連合会は の規定により日本弁護士連合会から懲戒を受けた者は、東京高等裁判所にその取消しの訴えを提起することができる。

2項 第56条 《懲戒事由及び懲戒権者 弁護士及び弁護士…》 法人は、この法律弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員又は使用人である弁護士及び外国法事務弁護士法人の使用人である弁護士にあつては、この法律又は外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律又は所属弁 の規定により弁護士会がした懲戒の処分に関しては、これについての日本弁護士連合会の裁決に対してのみ、取消しの訴えを提起することができる。

62条 (登録換等の請求の制限)

1項 懲戒の手続に付された弁護士は、その手続が結了するまで登録換又は登録取消の請求をすることができない。

2項 懲戒の手続に付された 弁護士法 は、その手続が結了するまで、法律事務所の移転又は廃止により、所属弁護士会の地域内に法律事務所を有しないこととなつても、これを退会しないものとする。

3項 懲戒の手続に付された 弁護士法 は、その手続が結了するまで、 第36条の2第4項 《4 弁護士法人は、その法律事務所の所在地…》 に2個以上の弁護士会がある場合に限り、定款を変更することにより、所属弁護士会を変更することができる。 の規定により所属弁護士会を変更することができない。

4項 懲戒の手続に付された 弁護士法 が、主たる法律事務所を所属弁護士会の地域外に移転したときは、この章の規定の適用については、その手続が結了するまで、旧所在地にも主たる法律事務所があるものとみなす。

5項 懲戒の手続に付された 弁護士法 は、清算が結了した後においても、この章の規定の適用については、懲戒の手続が結了するまで、なお存続するものとみなす。

63条 (除斥期間)

1項 懲戒の事由があつたときから3年を経過したときは、懲戒の手続を開始することができない。

2節 懲戒請求者による異議の申出等

64条 (懲戒請求者による異議の申出)

1項 第58条第1項 《何人も、弁護士又は弁護士法人について懲戒…》 の事由があると思料するときは、その事由の説明を添えて、その弁護士又は弁護士法人の所属弁護士会にこれを懲戒することを求めることができる。 の規定により弁護士又は 弁護士法 に対する懲戒の請求があつたにもかかわらず、弁護士会が対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしたとき又は相当の期間内に懲戒の手続を終えないときは、その請求をした者(以下「 懲戒請求者 」という。)は、日本弁護士連合会に異議を申し出ることができる。弁護士会がした懲戒の処分が不当に軽いと思料するときも、同様とする。

2項 前項の規定による異議の申出(相当の期間内に懲戒の手続を終えないことについてのものを除く。)は、弁護士会による当該懲戒しない旨の決定に係る 第64条の7第1項第2号 《弁護士会は、その懲戒の手続に関し、次の各…》 号に掲げる場合には、速やかに、対象弁護士等、懲戒請求者、懲戒の手続に付された弁護士法人の他の所属弁護士会及び日本弁護士連合会に、当該各号に定める事項を書面により通知しなければならない。 1 綱紀委員会 の規定による通知又は当該懲戒の処分に係る 第64条の6第2項 《2 弁護士会又は日本弁護士連合会は、対象…》 弁護士等を懲戒したときは、速やかに、弁護士会にあつては懲戒請求者、懲戒の手続に付された弁護士法人の他の所属弁護士会及び日本弁護士連合会に、日本弁護士連合会にあつては懲戒請求者及び対象弁護士等の所属弁護 の規定による通知を受けた日の翌日から起算して3箇月以内にしなければならない。

3項 異議の申出の書面を郵便又は 民間事業者による信書の送達に関する法律 2002年法律第99号第2条第6項 《6 この法律において「一般信書便事業者」…》 とは、一般信書便事業を営むことについて第6条の許可を受けた者をいう。 に規定する一般信書便事業者若しくは同条第9項に規定する特定信書便事業者による同条第2項に規定する信書便で提出した場合における前項の異議の申出期間の計算については、送付に要した日数は、算入しない。

64条の2 (日本弁護士連合会の綱紀委員会による異議の審査等)

1項 日本弁護士連合会は、前条第1項の規定による異議の申出があり、当該事案が原弁護士会( 懲戒請求者 が懲戒の請求をした弁護士会をいう。以下同じ。)の懲戒委員会の審査に付されていないものであるときは、日本弁護士連合会の綱紀委員会に異議の審査を求めなければならない。

2項 日本弁護士連合会の綱紀委員会は、原弁護士会が 第58条第4項 《4 綱紀委員会は、第2項の調査により、第…》 1項の請求が不適法であると認めるとき若しくは対象弁護士等につき懲戒の手続を開始することができないものであると認めるとき、対象弁護士等につき懲戒の事由がないと認めるとき又は事案の軽重その他情状を考慮して の規定により対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしたことについての異議の申出につき、前項の異議の審査により原弁護士会の懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当と認めるときは、その旨の議決をする。この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、原弁護士会がした対象弁護士等を懲戒しない旨の決定を取り消して、事案を原弁護士会に送付する。

3項 前項の規定により事案の送付を受けた原弁護士会は、その懲戒委員会に事案の審査を求めなければならない。この場合においては、 第58条第5項 《5 懲戒委員会は、第3項の審査により対象…》 弁護士等につき懲戒することを相当と認めるときは、懲戒の処分の内容を明示して、その旨の議決をする。 この場合において、弁護士会は、当該議決に基づき、対象弁護士等を懲戒しなければならない。 及び第6項の規定を準用する。

4項 日本弁護士連合会の綱紀委員会は、原弁護士会が相当の期間内に懲戒の手続を終えないことについての異議の申出につき、第1項の異議の審査によりその異議の申出に理由があると認めるときは、その旨の議決をする。この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、原弁護士会に対し、速やかに懲戒の手続を進め、対象弁護士等を懲戒し、又は懲戒しない旨の決定をするよう命じなければならない。

5項 日本弁護士連合会の綱紀委員会は、異議の申出を不適法として却下し、又は理由がないとして棄却することを相当と認めるときは、その旨の議決をする。この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、異議の申出を却下し、又は棄却する決定をしなければならない。

64条の3 (綱紀審査の申出)

1項 懲戒請求者 は、日本弁護士連合会が前条第2項に規定する異議の申出につき同条第5項の規定によりこれを却下し、又は棄却する決定をした場合において、不服があるときは、日本弁護士連合会に、綱紀審査会による綱紀審査を行うことを申し出ることができる。この場合において、日本弁護士連合会は、綱紀審査会に綱紀審査を求めなければならない。

2項 前項の規定による綱紀審査の申出は、日本弁護士連合会がした当該異議の申出を却下し、又は棄却する決定に係る 第64条の7第2項第6号 《2 日本弁護士連合会は、その懲戒の手続に…》 関し、次の各号に掲げる場合には、速やかに、対象弁護士等、懲戒請求者及び対象弁護士等の所属弁護士会に、当該各号に定める事項を書面により通知しなければならない。 1 綱紀委員会に事案の調査をさせたとき又は の規定による通知を受けた日の翌日から起算して30日以内にしなければならない。

3項 第64条第3項 《3 異議の申出の書面を郵便又は民間事業者…》 による信書の送達に関する法律2002年法律第99号第2条第6項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第9項に規定する特定信書便事業者による同条第2項に規定する信書便で提出した場合における前項の異議の申 の規定は、前項の綱紀審査の申出に準用する。

64条の4 (綱紀審査等)

1項 綱紀審査会は、前条第1項の綱紀審査により原弁護士会の懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当と認めるときは、その旨の議決をする。この議決は、出席した委員の3分の二以上の多数をもつてしなければならない。

2項 前項の場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、自らがした異議の申出を却下し、又は棄却する決定及び原弁護士会がした対象弁護士等を懲戒しない旨の決定を取り消して、事案を原弁護士会に送付する。

3項 前項の規定により事案の送付を受けた原弁護士会は、その懲戒委員会に事案の審査を求めなければならない。この場合においては、 第58条第5項 《5 懲戒委員会は、第3項の審査により対象…》 弁護士等につき懲戒することを相当と認めるときは、懲戒の処分の内容を明示して、その旨の議決をする。 この場合において、弁護士会は、当該議決に基づき、対象弁護士等を懲戒しなければならない。 及び第6項の規定を準用する。

4項 綱紀審査会は、綱紀審査の申出を不適法として却下することを相当と認めるときは、その旨の議決をする。この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、綱紀審査の申出を却下する決定をしなければならない。

5項 綱紀審査会は、前項の場合を除き、第1項の議決が得られなかつたときは、その旨の議決をしなければならない。この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、綱紀審査の申出を棄却する決定をしなければならない。

64条の5 (日本弁護士連合会の懲戒委員会による異議の審査等)

1項 日本弁護士連合会は、 第64条第1項 《第58条第1項の規定により弁護士又は弁護…》 士法人に対する懲戒の請求があつたにもかかわらず、弁護士会が対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしたとき又は相当の期間内に懲戒の手続を終えないときは、その請求をした者以下「懲戒請求者」という。は、日本弁護 の規定による異議の申出があり、当該事案が原弁護士会の懲戒委員会の審査に付されたものであるときは、日本弁護士連合会の懲戒委員会に異議の審査を求めなければならない。

2項 日本弁護士連合会の懲戒委員会は、原弁護士会が 第58条第6項 《6 懲戒委員会は、第3項の審査により対象…》 弁護士等につき懲戒しないことを相当と認めるときは、その旨の議決をする。 この場合において、弁護士会は、当該議決に基づき、対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしなければならない。 の規定により対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしたことについての異議の申出につき、前項の異議の審査により対象弁護士等を懲戒することを相当と認めるときは、懲戒の処分の内容を明示して、その旨の議決をする。この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、原弁護士会がした対象弁護士等を懲戒しない旨の決定を取り消し、自ら対象弁護士等を懲戒しなければならない。

3項 日本弁護士連合会の懲戒委員会は、原弁護士会が相当の期間内に懲戒の手続を終えないことについての異議の申出につき、第1項の異議の審査によりその異議の申出に理由があると認めるときは、その旨の議決をする。この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、原弁護士会に対し、速やかに懲戒の手続を進め、対象弁護士等を懲戒し、又は懲戒しない旨の決定をするよう命じなければならない。

4項 日本弁護士連合会の懲戒委員会は、原弁護士会がした懲戒の処分が不当に軽いとする異議の申出につき、第1項の異議の審査によりその異議の申出に理由があると認めるときは、懲戒の処分の内容を明示して、懲戒の処分を変更することを相当とする旨の議決をする。この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、原弁護士会がした懲戒の処分を取り消し、自ら対象弁護士等を懲戒しなければならない。

5項 日本弁護士連合会の懲戒委員会は、異議の申出を不適法として却下し、又は理由がないとして棄却することを相当と認めるときは、その旨の議決をする。この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、異議の申出を却下し、又は棄却する決定をしなければならない。

64条の6 (懲戒の処分の通知及び公告)

1項 弁護士会又は日本弁護士連合会は、対象弁護士等を懲戒するときは、対象弁護士等に懲戒の処分の内容及びその理由を書面により通知しなければならない。

2項 弁護士会又は日本弁護士連合会は、対象弁護士等を懲戒したときは、速やかに、弁護士会にあつては 懲戒請求者 、懲戒の手続に付された 弁護士法 の他の所属弁護士会及び日本弁護士連合会に、日本弁護士連合会にあつては懲戒請求者及び対象弁護士等の所属弁護士会に、懲戒の処分の内容及びその理由を書面により通知しなければならない。

3項 日本弁護士連合会は、弁護士会又は日本弁護士連合会が対象弁護士等を懲戒したときは、遅滞なく、懲戒の処分の内容を官報をもつて公告しなければならない。

64条の7 (懲戒の手続に関する通知)

1項 弁護士会は、その懲戒の手続に関し、次の各号に掲げる場合には、速やかに、対象弁護士等、 懲戒請求者 、懲戒の手続に付された 弁護士法 の他の所属弁護士会及び日本弁護士連合会に、当該各号に定める事項を書面により通知しなければならない。

1号 綱紀委員会に事案の調査をさせたとき又は懲戒委員会に事案の審査を求めたときその旨及び事案の内容

2号 対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしたときその旨及びその理由

3号 懲戒委員会又はその部会が、同1の事由について刑事訴訟が係属していることにより懲戒の手続を中止したとき又はその手続を再開したときその旨

4号 懲戒の手続に付された弁護士が死亡したこと又は弁護士でなくなつたことにより懲戒の手続が終了したときその旨及びその理由

2項 日本弁護士連合会は、その懲戒の手続に関し、次の各号に掲げる場合には、速やかに、対象弁護士等、 懲戒請求者 及び対象弁護士等の所属弁護士会に、当該各号に定める事項を書面により通知しなければならない。

1号 綱紀委員会に事案の調査をさせたとき又は懲戒委員会に事案の審査を求めたときその旨及び事案の内容

2号 対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしたときその旨及びその理由

3号 綱紀委員会に異議の審査を求めたとき、綱紀審査会に綱紀審査を求めたとき又は懲戒委員会に異議の審査を求めたときその旨

4号 第64条の2第2項 《2 日本弁護士連合会の綱紀委員会は、原弁…》 護士会が第58条第4項の規定により対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしたことについての異議の申出につき、前項の異議の審査により原弁護士会の懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当と認めるときは、その旨 又は 第64条の4第2項 《2 前項の場合において、日本弁護士連合会…》 は、当該議決に基づき、自らがした異議の申出を却下し、又は棄却する決定及び原弁護士会がした対象弁護士等を懲戒しない旨の決定を取り消して、事案を原弁護士会に送付する。 の規定により原弁護士会に事案を送付したときその旨及びその理由

5号 原弁護士会に対し、速やかに懲戒の手続を進め、対象弁護士等を懲戒し、又は懲戒しない旨の決定をするよう命じたときその旨及びその理由

6号 異議の申出を却下し、又は棄却する決定をしたときその旨及びその理由

7号 綱紀審査の申出を却下し、又は棄却する決定をしたときその旨及びその理由

8号 懲戒委員会又はその部会が、同1の事由について刑事訴訟が係属していることにより懲戒の手続を中止したとき又はその手続を再開したときその旨

9号 懲戒の手続に付された弁護士が死亡したこと又は弁護士でなくなつたことにより懲戒の手続が終了したときその旨及びその理由

3節 懲戒委員会

65条 (懲戒委員会の設置)

1項 各弁護士会及び日本弁護士連合会にそれぞれ懲戒委員会を置く。

2項 懲戒委員会は、その置かれた弁護士会又は日本弁護士連合会の求めにより、その所属の弁護士又は 弁護士法 の懲戒に関して必要な審査をする。

66条 (懲戒委員会の組織)

1項 懲戒委員会は、4人以上であつてその置かれた弁護士会又は日本弁護士連合会の会則で定める数の委員をもつて組織する。

66条の2 (懲戒委員会の委員)

1項 弁護士会の懲戒委員会の委員は、弁護士、裁判官、検察官及び学識経験のある者の中から、それぞれ弁護士会の会長が委嘱する。この場合において、裁判官又は検察官である委員はその地の高等裁判所若しくは地方裁判所又は高等検察庁検事長若しくは地方検察庁検事正の推薦に基づき、その他の委員はその弁護士会の総会の決議に基づき、委嘱しなければならない。

2項 日本弁護士連合会の懲戒委員会の委員は、弁護士、裁判官、検察官及び学識経験のある者の中から、それぞれ日本弁護士連合会の会長が委嘱する。この場合において、裁判官又は検察官である委員は最高裁判所又は検事総長の推薦に基づき、その他の委員は日本弁護士連合会の総会の決議に基づき、委嘱しなければならない。

3項 懲戒委員会の委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4項 懲戒委員会の委員は、 刑法 その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

66条の3 (懲戒委員会の委員長)

1項 懲戒委員会に委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。

2項 委員長は、会務を総理する。

3項 委員長に事故のあるときは、あらかじめ懲戒委員会の定める順序により、他の委員が委員長の職務を行う。

4項 前条第4項の規定は、委員長に準用する。

66条の4 (懲戒委員会の予備委員)

1項 懲戒委員会に、4人以上であつてその置かれた弁護士会又は日本弁護士連合会の会則で定める数の予備委員を置く。

2項 委員に事故のあるとき又は委員が欠けたときは、弁護士会の会長又は日本弁護士連合会の会長は、その委員と同じ資格を有する予備委員の中からその代理をする者を指名する。

3項 第66条の2 《懲戒委員会の委員 弁護士会の懲戒委員会…》 の委員は、弁護士、裁判官、検察官及び学識経験のある者の中から、それぞれ弁護士会の会長が委嘱する。 この場合において、裁判官又は検察官である委員はその地の高等裁判所若しくは地方裁判所又は高等検察庁検事長 の規定は、予備委員に準用する。

66条の5 (懲戒委員会の部会)

1項 懲戒委員会は、事案の審査をするため、必要に応じ、部会を置くことができる。

2項 部会は、委員長が指名する弁護士、裁判官、検察官及び学識経験のある者である委員各1人以上をもつて組織する。

3項 部会に部会長を置き、部会を組織する委員の互選によりこれを定める。

4項 部会長に事故のあるときは、あらかじめ部会の定める順序により、他の委員が部会長の職務を行う。

5項 懲戒委員会は、その定めるところにより、部会が審査をした事案については、部会の議決をもつて委員会の議決とすることができる。

67条 (懲戒委員会の審査手続)

1項 懲戒委員会は、事案の審査を求められたときは、速やかに、審査の期日を定め、対象弁護士等にその旨を通知しなければならない。

2項 審査を受ける弁護士又は審査を受ける 弁護士法 の社員は、審査期日に出頭し、かつ、陳述することができる。この場合において、その弁護士又は 弁護士法 人の社員は、委員長の指揮に従わなければならない。

3項 懲戒委員会は、審査に関し必要があるときは、対象弁護士等、 懲戒請求者 、関係人及び官公署その他に対して陳述、説明又は資料の提出を求めることができる。

67条の2 (懲戒委員会の議決書)

1項 懲戒委員会は、議決をしたときは、速やかに、理由を付した議決書を作成しなければならない。

68条 (懲戒手続の中止)

1項 懲戒委員会は、同1の事由について刑事訴訟が係属する間は、懲戒の手続を中止することができる。

69条 (懲戒委員会の部会に関する準用規定)

1項 前3条の規定は、懲戒委員会の部会に準用する。

4節 綱紀委員会

70条 (綱紀委員会の設置)

1項 各弁護士会及び日本弁護士連合会にそれぞれ綱紀委員会を置く。

2項 弁護士会の綱紀委員会は、 第58条第2項 《2 弁護士会は、所属の弁護士又は弁護士法…》 人について、懲戒の事由があると思料するとき又は前項の請求があつたときは、懲戒の手続に付し、綱紀委員会に事案の調査をさせなければならない。 及び 第71条の6第2項 《2 綱紀審査会は、綱紀審査に関し必要があ…》 るときは、対象弁護士等の所属弁護士会の綱紀委員会又は日本弁護士連合会の綱紀委員会に必要な調査を嘱託することができる。 の調査その他その置かれた弁護士会所属の弁護士及び 弁護士法 の綱紀保持に関する事項をつかさどる。

3項 日本弁護士連合会の綱紀委員会は、 第60条第2項 《2 日本弁護士連合会は、弁護士又は弁護士…》 法人について懲戒の事由があると思料するときは、懲戒の手続に付し、日本弁護士連合会の綱紀委員会に事案の調査をさせることができる。 及び 第71条の6第2項 《2 綱紀審査会は、綱紀審査に関し必要があ…》 るときは、対象弁護士等の所属弁護士会の綱紀委員会又は日本弁護士連合会の綱紀委員会に必要な調査を嘱託することができる。 の調査並びに 第64条の2第1項 《日本弁護士連合会は、前条第1項の規定によ…》 る異議の申出があり、当該事案が原弁護士会懲戒請求者が懲戒の請求をした弁護士会をいう。以下同じ。の懲戒委員会の審査に付されていないものであるときは、日本弁護士連合会の綱紀委員会に異議の審査を求めなければ の異議の審査その他弁護士及び 弁護士法 の綱紀保持に関する事項をつかさどる。

70条の2 (綱紀委員会の組織)

1項 綱紀委員会は、4人以上であつてその置かれた弁護士会又は日本弁護士連合会の会則で定める数の委員をもつて組織する。

70条の3 (綱紀委員会の委員)

1項 弁護士会の綱紀委員会の委員は、弁護士、裁判官、検察官及び学識経験のある者の中から、それぞれ弁護士会の会長が委嘱する。この場合においては、 第66条の2第1項 《弁護士会の懲戒委員会の委員は、弁護士、裁…》 判官、検察官及び学識経験のある者の中から、それぞれ弁護士会の会長が委嘱する。 この場合において、裁判官又は検察官である委員はその地の高等裁判所若しくは地方裁判所又は高等検察庁検事長若しくは地方検察庁検 後段の規定を準用する。

2項 日本弁護士連合会の綱紀委員会の委員は、弁護士、裁判官、検察官及び学識経験のある者の中から、それぞれ日本弁護士連合会の会長が委嘱する。この場合においては、 第66条の2第2項 《2 日本弁護士連合会の懲戒委員会の委員は…》 、弁護士、裁判官、検察官及び学識経験のある者の中から、それぞれ日本弁護士連合会の会長が委嘱する。 この場合において、裁判官又は検察官である委員は最高裁判所又は検事総長の推薦に基づき、その他の委員は日本 後段の規定を準用する。

3項 綱紀委員会の委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4項 綱紀委員会の委員は、 刑法 その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

70条の4 (綱紀委員会の委員長)

1項 綱紀委員会に委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。

2項 委員長は、会務を総理する。

3項 委員長に事故のあるときは、あらかじめ綱紀委員会の定める順序により、他の委員が委員長の職務を行う。

4項 前条第4項の規定は、委員長に準用する。

70条の5 (綱紀委員会の予備委員)

1項 綱紀委員会に、4人以上であつてその置かれた弁護士会又は日本弁護士連合会の会則で定める数の予備委員を置く。

2項 委員に事故のあるとき又は委員が欠けたときは、弁護士会の会長又は日本弁護士連合会の会長は、その委員と同じ資格を有する予備委員の中からその代理をする者を指名する。

3項 第70条の3 《綱紀委員会の委員 弁護士会の綱紀委員会…》 の委員は、弁護士、裁判官、検察官及び学識経験のある者の中から、それぞれ弁護士会の会長が委嘱する。 この場合においては、第66条の2第1項後段の規定を準用する。 2 日本弁護士連合会の綱紀委員会の委員は の規定は、予備委員に準用する。

70条の6 (綱紀委員会の部会)

1項 綱紀委員会は、事案の調査又は審査をするため、必要に応じ、部会を置くことができる。

2項 部会は、委員長が指名する弁護士、裁判官、検察官及び学識経験のある者である委員各1人以上をもつて組織する。

3項 部会に部会長を置き、部会を組織する委員の互選によりこれを定める。

4項 部会長に事故のあるときは、あらかじめ部会の定める順序により、他の委員が部会長の職務を行う。

5項 綱紀委員会は、その定めるところにより、部会が調査又は審査をした事案については、部会の議決をもつて委員会の議決とすることができる。

70条の7 (綱紀委員会による陳述の要求等)

1項 綱紀委員会は、調査又は審査に関し必要があるときは、対象弁護士等、 懲戒請求者 、関係人及び官公署その他に対して陳述、説明又は資料の提出を求めることができる。

70条の8 (綱紀委員会の議決書)

1項 綱紀委員会は、議決をしたときは、速やかに、理由を付した議決書を作成しなければならない。

70条の9 (綱紀委員会の部会に関する準用規定)

1項 前2条の規定は、綱紀委員会の部会に準用する。

5節 綱紀審査会

71条 (綱紀審査会の設置)

1項 日本弁護士連合会に綱紀審査会を置く。

2項 綱紀審査会は、弁護士会が 第58条第4項 《4 綱紀委員会は、第2項の調査により、第…》 1項の請求が不適法であると認めるとき若しくは対象弁護士等につき懲戒の手続を開始することができないものであると認めるとき、対象弁護士等につき懲戒の事由がないと認めるとき又は事案の軽重その他情状を考慮して の規定により対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をし、かつ、日本弁護士連合会がこれに対する 懲戒請求者 による異議の申出を却下し、又は棄却する決定をした場合において、なお懲戒請求者からの申出があるときに、国民の意見を反映させて懲戒の手続の適正を確保するため必要な綱紀審査を行う。

71条の2 (綱紀審査会の組織)

1項 綱紀審査会は、委員11人をもつて組織する。

71条の3 (綱紀審査会の委員)

1項 綱紀審査会の委員は、学識経験のある者(弁護士、裁判官若しくは検察官である者又はこれらであつた者を除く。)の中から、日本弁護士連合会の会長が日本弁護士連合会の総会の決議に基づき、委嘱する。

2項 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

3項 委員は、 刑法 その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

71条の4 (綱紀審査会の委員長)

1項 綱紀審査会に委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。

2項 委員長は、会務を総理する。

3項 委員長に事故のあるときは、あらかじめ綱紀審査会の定める順序により、他の委員が委員長の職務を行う。

4項 前条第3項の規定は、委員長に準用する。

71条の5 (綱紀審査会の予備委員)

1項 綱紀審査会に、日本弁護士連合会の会則で定める数の予備委員を置く。

2項 委員に事故のあるとき又は委員が欠けたときは、日本弁護士連合会の会長は、予備委員の中からその代理をする者を指名する。

3項 第71条の3 《綱紀審査会の委員 綱紀審査会の委員は、…》 学識経験のある者弁護士、裁判官若しくは検察官である者又はこれらであつた者を除く。の中から、日本弁護士連合会の会長が日本弁護士連合会の総会の決議に基づき、委嘱する。 2 委員の任期は、2年とする。 ただ の規定は、予備委員に準用する。

71条の6 (綱紀審査会による陳述の要求等)

1項 綱紀審査会は、綱紀審査に関し必要があるときは、対象弁護士等、 懲戒請求者 、関係人及び官公署その他に対して陳述、説明又は資料の提出を求めることができる。

2項 綱紀審査会は、綱紀審査に関し必要があるときは、対象弁護士等の所属弁護士会の綱紀委員会又は日本弁護士連合会の綱紀委員会に必要な調査を嘱託することができる。

71条の7 (綱紀審査会の議決書)

1項 綱紀審査会は、議決をしたときは、速やかに、理由を付した議決書を作成しなければならない。

9章 法律事務の取扱いに関する取締り

72条 (非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)

1項 弁護士又は 弁護士法 でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

73条 (譲り受けた権利の実行を業とすることの禁止)

1項 何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟、調停、和解その他の手段によつて、その権利の実行をすることを業とすることができない。

74条 (非弁護士の虚偽標示等の禁止)

1項 弁護士又は 弁護士法 でない者は、弁護士又は法律事務所の標示又は記載をしてはならない。

2項 弁護士又は 弁護士法 でない者は、利益を得る目的で、法律相談その他法律事務を取り扱う旨の標示又は記載をしてはならない。

3項 弁護士法 でない者は、その名称中に 弁護士法 又はこれに類似する名称を用いてはならない。

10章 罰則

75条 (虚偽登録等の罪)

1項 弁護士となる資格を有しない者が、日本弁護士連合会にその資格につき虚偽の申告をして、弁護士名簿に登録をさせたときは、2年以下の拘禁刑又は1,010,000円以下の罰金に処する。

2項 第5条の2第1項 《前条の規定により弁護士となる資格を得よう…》 とする者は、氏名、司法修習生となる資格を取得し、又は検察庁法第18条第3項の考試を経た年月日、前条第1号若しくは第3号の職に在つた期間又は同条第2号の職務に従事した期間及び同号の職務の内容その他の法務 の規定による申請において、 第5条第1号 《法務大臣の認定を受けた者についての弁護士…》 の資格の特例 第5条 法務大臣が、次の各号のいずれかに該当し、その後に弁護士業務について法務省令で定める法人が実施する研修であつて法務大臣が指定するものの課程を修了したと認定した者は、前条の規定にかか 又は第3号に規定する職に在つた期間、同条第2号に規定する職務に従事した期間及び同号の職務の内容その他の重要な事項につき虚偽の申請をして、法務大臣に同条の認定をさせた者も、前項と同様とする。

3項 前2項の罪の未遂は、罰する。

76条 (汚職の罪)

1項 第26条 《汚職行為の禁止 弁護士は、受任している…》 事件に関し相手方から利益を受け、又はこれを要求し、若しくは約束してはならない。 又は 第30条の20 《弁護士法人の社員等の汚職行為の禁止 弁…》 護士法人の社員等は、その弁護士法人が受任している事件に関し、相手方から利益の供与を受け、又はその供与の要求若しくは約束をしてはならない。 2 弁護士法人の社員等は、その弁護士法人が受任している事件に関 の規定に違反した者は、3年以下の拘禁刑に処する。

77条 (非弁護士との提携等の罪)

1項 次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。

1号 第27条 《非弁護士との提携の禁止 弁護士は、第7…》 2条ないし[から〜まで]第74条の規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。 第30条の21 《弁護士の義務等の規定の準用 第20条第…》 1項及び第2項、第21条、第22条、第23条の二、第24条並びに第27条から第29条までの規定は、弁護士法人について準用する。 において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

2号 第28条 《係争権利の譲受の禁止 弁護士は、係争権…》 利を譲り受けることができない。 第30条の21 《弁護士の義務等の規定の準用 第20条第…》 1項及び第2項、第21条、第22条、第23条の二、第24条並びに第27条から第29条までの規定は、弁護士法人について準用する。 において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

3号 第72条 《非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止 弁…》 護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事 の規定に違反した者

4号 第73条 《譲り受けた権利の実行を業とすることの禁止…》 何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟、調停、和解その他の手段によつて、その権利の実行をすることを業とすることができない。 の規定に違反した者

77条の2 (虚偽標示等の罪)

1項 第74条 《非弁護士の虚偽標示等の禁止 弁護士又は…》 弁護士法人でない者は、弁護士又は法律事務所の標示又は記載をしてはならない。 2 弁護士又は弁護士法人でない者は、利益を得る目的で、法律相談その他法律事務を取り扱う旨の標示又は記載をしてはならない。 3 の規定に違反した者は、1,010,000円以下の罰金に処する。

77条の3

1項 第30条の28第6項 《6 会社法第939条第1項第2号及び第3…》 号に係る部分に限る。及び第3項、第940条第1項第3号に係る部分に限る。及び第3項、第941条、第946条、第947条、第951条第2項、第953条並びに第955条の規定は、弁護士法人が第2項の規定に 第43条第3項 《3 第30条の28の規定は、弁護士会が合…》 併をする場合について準用する。 この場合において、同条第3項中「定款」とあるのは「会則」と、同条第6項中「同法第939条第1項及び第3項」とあるのは「同法第939条第1項中「定款」とあるのは「会則」と において準用する場合を含む。)において準用する会社法第955条第1項の規定に違反して、同項に規定する調査記録簿等に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は当該調査記録簿等を保存しなかつた者は、310,000円以下の罰金に処する。

78条 (両罰規定)

1項 弁護士法 社員等 が、その 弁護士法 人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その 弁護士法 人に対して当該各号に定める罰金刑を科する。

1号 第76条 《汚職の罪 第26条又は第30条の20の…》 規定に違反した者は、3年以下の拘禁刑に処する。 第30条の20 《弁護士法人の社員等の汚職行為の禁止 弁…》 護士法人の社員等は、その弁護士法人が受任している事件に関し、相手方から利益の供与を受け、又はその供与の要求若しくは約束をしてはならない。 2 弁護士法人の社員等は、その弁護士法人が受任している事件に関 に係る部分に限る。)3,010,000円以下の罰金刑

2号 第77条第1号 《非弁護士との提携等の罪 第77条 次の各…》 号のいずれかに該当する者は、2年以下の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 1 第27条第30条の21において準用する場合を含む。の規定に違反した者 2 第28条第30条の21において準 第30条の21 《弁護士の義務等の規定の準用 第20条第…》 1項及び第2項、第21条、第22条、第23条の二、第24条並びに第27条から第29条までの規定は、弁護士法人について準用する。 において準用する 第27条 《非弁護士との提携の禁止 弁護士は、第7…》 2条ないし[から〜まで]第74条の規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。 に係る部分に限る。又は 第77条第2号 《非弁護士との提携等の罪 第77条 次の各…》 号のいずれかに該当する者は、2年以下の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 1 第27条第30条の21において準用する場合を含む。の規定に違反した者 2 第28条第30条の21において準 第30条の21 《弁護士の義務等の規定の準用 第20条第…》 1項及び第2項、第21条、第22条、第23条の二、第24条並びに第27条から第29条までの規定は、弁護士法人について準用する。 において準用する 第28条 《係争権利の譲受の禁止 弁護士は、係争権…》 利を譲り受けることができない。 に係る部分に限る。)第77条の罰金刑

2項 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して 第77条第3号 《非弁護士との提携等の罪 第77条 次の各…》 号のいずれかに該当する者は、2年以下の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 1 第27条第30条の21において準用する場合を含む。の規定に違反した者 2 第28条第30条の21において準 若しくは第4号、 第77条 《非弁護士との提携等の罪 次の各号のいず…》 れかに該当する者は、2年以下の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 1 第27条第30条の21において準用する場合を含む。の規定に違反した者 2 第28条第30条の21において準用する場 の二又は前条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

79条 (過料)

1項 次の各号のいずれかに該当する者は、1,010,000円以下の過料に処する。

1号 第30条の28第6項 《6 会社法第939条第1項第2号及び第3…》 号に係る部分に限る。及び第3項、第940条第1項第3号に係る部分に限る。及び第3項、第941条、第946条、第947条、第951条第2項、第953条並びに第955条の規定は、弁護士法人が第2項の規定に 第43条第3項 《3 第30条の28の規定は、弁護士会が合…》 併をする場合について準用する。 この場合において、同条第3項中「定款」とあるのは「会則」と、同条第6項中「同法第939条第1項及び第3項」とあるのは「同法第939条第1項中「定款」とあるのは「会則」と において準用する場合を含む。次号において同じ。)において準用する会社法第946条第3項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者

2号 正当な理由がないのに、 第30条の28第6項 《6 会社法第939条第1項第2号及び第3…》 号に係る部分に限る。及び第3項、第940条第1項第3号に係る部分に限る。及び第3項、第941条、第946条、第947条、第951条第2項、第953条並びに第955条の規定は、弁護士法人が第2項の規定に において準用する会社法第951条第2項各号又は第955条第2項各号に掲げる請求を拒んだ者

79条の2

1項 次の各号のいずれかに該当する場合には、 弁護士法 の社員又は清算人は、310,000円以下の過料に処する。

1号 この法律に基づく政令の規定に違反して登記をすることを怠つたとき。

2号 第30条の28第2項 《2 合併をする弁護士法人は、次に掲げる事…》 項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第3号の期間は、1箇月を下ることができない。 1 合併をする旨 2 合併により消滅する弁護士法人及び合併後存 又は第5項の規定に違反して合併をしたとき。

3号 第30条の28第6項 《6 会社法第939条第1項第2号及び第3…》 号に係る部分に限る。及び第3項、第940条第1項第3号に係る部分に限る。及び第3項、第941条、第946条、第947条、第951条第2項、第953条並びに第955条の規定は、弁護士法人が第2項の規定に において準用する会社法第941条の規定に違反して同条の調査を求めなかつたとき。

4号 定款又は 第30条の30第1項 《一般社団法人及び一般財団法人に関する法律…》 2006年法律第48号第4条並びに会社法第600条、第614条から第619条まで、第621条及び第622条の規定は弁護士法人について、同法第581条、第582条、第585条第1項及び第4項、第586条 において準用する会社法第615条第1項の会計帳簿若しくは 第30条の30第1項 《一般社団法人及び一般財団法人に関する法律…》 2006年法律第48号第4条並びに会社法第600条、第614条から第619条まで、第621条及び第622条の規定は弁護士法人について、同法第581条、第582条、第585条第1項及び第4項、第586条 において準用する同法第617条第1項若しくは第2項の貸借対照表に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。

5号 第30条の30第2項 《2 会社法第644条第3号を除く。、第6…》 45条から第649条まで、第650条第1項及び第2項、第651条第1項及び第2項同法第594条の準用に係る部分を除く。、第652条、第653条、第655条から第659条まで、第662条から第664条ま において準用する会社法第656条第1項の規定に違反して破産手続開始の申立てを怠つたとき。

6号 第30条の30第2項 《2 会社法第644条第3号を除く。、第6…》 45条から第649条まで、第650条第1項及び第2項、第651条第1項及び第2項同法第594条の準用に係る部分を除く。、第652条、第653条、第655条から第659条まで、第662条から第664条ま において準用する会社法第664条の規定に違反して財産を分配したとき。

7号 第30条の30第2項 《2 会社法第644条第3号を除く。、第6…》 45条から第649条まで、第650条第1項及び第2項、第651条第1項及び第2項同法第594条の準用に係る部分を除く。、第652条、第653条、第655条から第659条まで、第662条から第664条ま において準用する会社法第670条第2項又は第5項の規定に違反して財産を処分したとき。

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