制定文 内閣は、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件(1945年勅令第542号)に基き、この政令を制定する。
1条 (この政令の目的)
1項 この政令は、学校施設が学校教育の目的以外の目的に使用されることを防止し、もつて学校教育に必要な施設を確保することを目的とする。
2条 (定義)
1項 この政令において「 学校 」とは、 学校 教育法(1947年法律第26号)第1条に規定する学校及び 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律 (2006年法律第77号)
第2条第7項
《7 この法律において「幼保連携型認定こど…》
も園」とは、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとしての満3歳以上の子どもに対する教育並びに保育を必要とする子どもに対する保育を一体的に行い、これらの子どもの健やかな成長が図られるよう適当な環境を
に規定する 幼保連携型認定こども園 (第3項において「 幼保連携型認定こども園 」という。)で、公立のものをいう。
2項 この政令において「 学校施設 」とは、 学校 の建物その他の工作物及び土地(学校のために賃借権、使用貸借による権利その他当該工作物又は土地を使用する権利が設定されているものを含む。)をいう。
3項 この政令において「 管理者 」とは、公立の大学及び 幼保連携型認定こども園 にあつては設置者である地方公共団体の長、大学及び幼保連携型認定こども園以外の公立 学校 にあつては設置者である地方公共団体に設置されている教育委員会をいう。
3条 (学校施設の使用禁止)
1項 学校 施設は、学校が学校教育の目的に使用する場合を除く外、使用してはならない。但し、左の各号の1に該当する場合は、この限りでない。
1号 法律又は法律に基く命令の規定に基いて使用する場合
2号 管理者 又は 学校 の長の同意を得て使用する場合
2項 管理者 又は 学校 の長は、前項第2号の同意を与えるには、他の法令の規定に従わなければならない。
4条 (返還命令)
1項 管理者 は、 学校 教育上支障があると認めるときは、学校施設の占有者に対してその学校施設の全部又は一部の返還を命ずることができる。但し、前条第1項第1号に該当する場合及び他の学校が学校教育の目的に使用する場合は、この限りでない。
5条 (適用除外)
1項 前2条の規定は、当該 学校 施設が学校施設となる前から引き続き権原に基いて使用又は占有する者については、適用しない。
6条 (返還令書の交付又は公告)
1項 第4条
《返還命令 管理者は、学校教育上支障があ…》
ると認めるときは、学校施設の占有者に対してその学校施設の全部又は一部の返還を命ずることができる。 但し、前条第1項第1号に該当する場合及び他の学校が学校教育の目的に使用する場合は、この限りでない。
の規定による返還命令は、 管理者 が当該 学校 施設の占有者に対して返還 令書 (以下「 令書 」という。)を交付してしなければならない。ただし、令書の交付をすることができないとき、又は著しく困難であるときは、文部科学省令の定めるところにより、
第8条
《令書の記載事項 令書には、左の事項を記…》
載しなければならない。 1 返還を命ずる管理者名 2 令書の交付を受けるべき者の氏名又は名称 3 返還すべき学校施設の種類、面積及び所在の場所 4 返還の時期 5 その他必要と認める事項
に掲げる事項を公告して、令書の交付に代えることができる。
7条 (関係者に対する通知)
1項 管理者 は、 令書 の交付又は公告をしたときは、速やかに、返還の目的である 学校 施設又は当該学校施設にある工作物その他の物件につき権利を有する者(令書の交付を受けた者を除く。)で知れているものに対して、これを通知し、かつ、前条ただし書の公告をした場合を除くほか、文部科学省令の定めるところにより公告しなければならない。
8条 (令書の記載事項)
1項 令書 には、左の事項を記載しなければならない。
1号 返還を命ずる 管理者 名
2号 令書 の交付を受けるべき者の氏名又は名称
3号 返還すべき 学校 施設の種類、面積及び所在の場所
4号 返還の時期
5号 その他必要と認める事項
9条 (命令の効力)
1項 管理者 が、権原に基いて 学校 施設を占有する者に対して
第4条
《返還命令 管理者は、学校教育上支障があ…》
ると認めるときは、学校施設の占有者に対してその学校施設の全部又は一部の返還を命ずることができる。 但し、前条第1項第1号に該当する場合及び他の学校が学校教育の目的に使用する場合は、この限りでない。
の規定により返還を命じたときは、その者が返還の目的である当該学校施設を占有し得る権原は、 令書 に記載した返還の時期に消滅する。
10条 (管理義務)
1項 返還の目的である 学校 施設の占有者は、
第6条
《返還令書の交付又は公告 第4条の規定に…》
よる返還命令は、管理者が当該学校施設の占有者に対して返還令書以下「令書」という。を交付してしなければならない。 ただし、令書の交付をすることができないとき、又は著しく困難であるときは、文部科学省令の定
又は
第7条
《関係者に対する通知 管理者は、令書の交…》
付又は公告をしたときは、速やかに、返還の目的である学校施設又は当該学校施設にある工作物その他の物件につき権利を有する者令書の交付を受けた者を除く。で知れているものに対して、これを通知し、かつ、前条ただ
の交付、通知又は公告があつた時からその引渡を終るまで、当該学校施設を良好な状態において管理しなければならない。
11条 (形質変更等の制限)
1項 第6条
《返還令書の交付又は公告 第4条の規定に…》
よる返還命令は、管理者が当該学校施設の占有者に対して返還令書以下「令書」という。を交付してしなければならない。 ただし、令書の交付をすることができないとき、又は著しく困難であるときは、文部科学省令の定
又は
第7条
《関係者に対する通知 管理者は、令書の交…》
付又は公告をしたときは、速やかに、返還の目的である学校施設又は当該学校施設にある工作物その他の物件につき権利を有する者令書の交付を受けた者を除く。で知れているものに対して、これを通知し、かつ、前条ただ
の交付、通知又は公告があつた後は、返還の目的である 学校 施設の占有者及び当該学校施設又は当該学校施設にある工作物その他の物件につき権利を有する者は、返還後の使用に支障を及ぼす虞がない場合を除く外、 管理者 の許可を受けなければ、当該学校施設の形質を変更し、当該学校施設を収去し、その他当該学校施設の効用を害する行為をすることができない。
12条 (引渡義務)
1項 第4条
《返還命令 管理者は、学校教育上支障があ…》
ると認めるときは、学校施設の占有者に対してその学校施設の全部又は一部の返還を命ずることができる。 但し、前条第1項第1号に該当する場合及び他の学校が学校教育の目的に使用する場合は、この限りでない。
の返還命令を受けた者は、返還の時期までに、当該 学校 施設を 管理者 に引き渡さなければならない。
13条 (引渡を受ける職員)
1項 管理者 は、当該普通地方公共団体の長の補助機関である職員又は教育委員会の事務局職員(以下当該職員と総称する。)をして、返還を受けるべき 学校 施設の引渡を受けさせるものとする。
14条 (受領調書)
1項 当該職員は、前条の規定により、 学校 施設の引渡を受けたときは、受領調書を作り、引渡をした者にこれを交付しなければならない。
15条 (移転命令)
1項 管理者 は、返還の目的である 学校 施設にある工作物その他の物件の所有者に、その物件の移転を命ずることができる。但し、所有者に移転を命ずることができないとき、又は著しく困難であるときは、その占有者に移転を命ずることができる。
16条 (測量又は検査)
1項 管理者 は、 学校 施設の返還を命ずるため、その他この政令を施行するため必要があると認めるときは、当該職員をして、学校施設その他の土地及び工作物に立ち入り、学校施設、学校施設にある工作物その他の物件及びこれらに関する帳簿書類につき、必要な測量又は検査をさせることができる。
2項 前項の場合においては、 管理者 は、あらかじめ、立ち入るべき土地又は工作物及び立ち入るべき日時を指定して、その占有者又は所有者に通知しなければならない。但し、占有者若しくは所有者を確知することができないとき、又は緊急の必要があるときは、この限りでない。
17条 (報告の徴取)
1項 管理者 は、必要があると認めるときは、 学校 施設及び学校施設にある建物、工作物その他の物件に関し、その占有者その他の関係者に対して、必要な報告を命ずることができる。
18条 (証票携帯義務)
1項 当該職員が
第13条
《引渡を受ける職員 管理者は、当該普通地…》
方公共団体の長の補助機関である職員又は教育委員会の事務局職員以下当該職員と総称する。をして、返還を受けるべき学校施設の引渡を受けさせるものとする。
及び
第16条
《測量又は検査 管理者は、学校施設の返還…》
を命ずるため、その他この政令を施行するため必要があると認めるときは、当該職員をして、学校施設その他の土地及び工作物に立ち入り、学校施設、学校施設にある工作物その他の物件及びこれらに関する帳簿書類につき
の規定により 学校 施設の引渡を受け、又は土地若しくは工作物に立ち入り、測量若しくは検査をする場合には、その身分を示す証票を携帯し、且つ、関係者の請求があるときは、これを呈示しなければならない。
19条 (承継人に対する効力)
1項 この政令又はこの政令に基いて発する命令の規定によつてした処分は、その処分を受けた者の承継人に対しても、その効力を有する。
20条
1項 削除
21条 (直接強制)
1項 この政令の規定により命ぜられ、又はこの政令の規定に基いて 管理者 により命ぜられた行為を義務者が履行しない場合において、 行政代執行法 (1948年法律第43号)による代執行によつては義務の履行を確保することができないときは、管理者は、直接にこれを強制することができる。
2項 行政代執行法
第3条
《 前条の規定による処分代執行をなすには、…》
相当の履行期限を定め、その期限までに履行がなされないときは、代執行をなすべき旨を、予め文書で戒告しなければならない。 義務者が、前項の戒告を受けて、指定の期限までにその義務を履行しないときは、当該行政
及び
第4条
《 代執行のために現場に派遣される執行責任…》
者は、その者が執行責任者たる本人であることを示すべき証票を携帯し、要求があるときは、何時でもこれを呈示しなければならない。
の規定は、前項の規定により直接強制をする場合に準用する。
22条 (損失補償)
1項 学校 を設置した地方公共団体は、
第4条
《返還命令 管理者は、学校教育上支障があ…》
ると認めるときは、学校施設の占有者に対してその学校施設の全部又は一部の返還を命ずることができる。 但し、前条第1項第1号に該当する場合及び他の学校が学校教育の目的に使用する場合は、この限りでない。
の規定による学校施設の返還又は
第15条
《移転命令 管理者は、返還の目的である学…》
校施設にある工作物その他の物件の所有者に、その物件の移転を命ずることができる。 但し、所有者に移転を命ずることができないとき、又は著しく困難であるときは、その占有者に移転を命ずることができる。
の規定による工作物その他の物件の移転に因つて生ずる損失を補償する。
2項 前項の規定により補償すべき損失は、 学校 施設の返還又は工作物その他の物件の移転に関する処分に因り通常生ずべき損失とする。
3項 第1項の規定により補償を受けるべき者は、権原に基いて 学校 施設を占有した者及び権原に基き占有された学校施設にあつた工作物その他の物件につき権利を有する者に限る。
4項 第1項の規定による補償は、補償を受けるべき者から請求があつた場合に限り、行うものとする。
5項 第1項の規定による補償金額は、 管理者 が決定する。
6項 第11条
《形質変更等の制限 第6条又は第7条の交…》
付、通知又は公告があつた後は、返還の目的である学校施設の占有者及び当該学校施設又は当該学校施設にある工作物その他の物件につき権利を有する者は、返還後の使用に支障を及ぼす虞がない場合を除く外、管理者の許
の規定に違反した者に対しては、補償の一部又は全部をしないことができる。
7項 前各項に規定するものを除くほか、第1項の規定による損失補償に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。
23条 (増額の訴え)
1項 前条第5項の補償金額の決定に不服のある者は、決定のあつたことを知つた日から6箇月以内に、訴えをもつてその増額を請求することができる。
2項 前項の訴えにおいては、地方公共団体を被告とする。
24条 (審査請求)
1項 地方公共団体の長又は教育委員会がしたこの政令の規定による処分(
第22条第5項
《5 第1項の規定による補償金額は、管理者…》
が決定する。
の補償金額の決定を除く。)に不服がある者は、文部科学大臣に対して審査請求をすることができる。
25条から27条まで
1項 削除
28条 (文部科学省令への委任)
1項 この政令に定めるものを除くほか、この政令の施行に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。
29条 (罰則)
1項 第4条
《返還命令 管理者は、学校教育上支障があ…》
ると認めるときは、学校施設の占有者に対してその学校施設の全部又は一部の返還を命ずることができる。 但し、前条第1項第1号に該当する場合及び他の学校が学校教育の目的に使用する場合は、この限りでない。
の規定による 学校 施設の返還を拒み、妨げ、又は忌避した者は、3年以下の拘禁刑又は60,000円以下の罰金に処する。
30条
1項 次に掲げる者は、6月以下の拘禁刑又は30,000円以下の罰金に処する。
1号 第3条第1項
《学校施設は、学校が学校教育の目的に使用す…》
る場合を除く外、使用してはならない。 但し、左の各号の1に該当する場合は、この限りでない。 1 法律又は法律に基く命令の規定に基いて使用する場合 2 管理者又は学校の長の同意を得て使用する場合
又は
第11条
《形質変更等の制限 第6条又は第7条の交…》
付、通知又は公告があつた後は、返還の目的である学校施設の占有者及び当該学校施設又は当該学校施設にある工作物その他の物件につき権利を有する者は、返還後の使用に支障を及ぼす虞がない場合を除く外、管理者の許
の規定に違反した者
2号 第15条
《移転命令 管理者は、返還の目的である学…》
校施設にある工作物その他の物件の所有者に、その物件の移転を命ずることができる。 但し、所有者に移転を命ずることができないとき、又は著しく困難であるときは、その占有者に移転を命ずることができる。
の規定による物件の移転又は
第16条
《測量又は検査 管理者は、学校施設の返還…》
を命ずるため、その他この政令を施行するため必要があると認めるときは、当該職員をして、学校施設その他の土地及び工作物に立ち入り、学校施設、学校施設にある工作物その他の物件及びこれらに関する帳簿書類につき
の規定による当該職員の立入、測量若しくは検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
3号 第17条
《報告の徴取 管理者は、必要があると認め…》
るときは、学校施設及び学校施設にある建物、工作物その他の物件に関し、その占有者その他の関係者に対して、必要な報告を命ずることができる。
の規定による報告を怠り、又は虚偽の報告をした者
31条 (両罰規定)
1項 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。