質屋営業法《本則》

法番号:1950年法律第158号

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1条 (定義)

1項 この法律において「 質屋営業 」とは、物品(有価証券を含む。 第22条 《盗品及び遺失物の回復 質屋が質物又は流…》 質物として所持する物品が、盗品又は遺失物であつた場合においては、その質屋が当該物品を同種の物を取り扱う営業者から善意で質に取つた場合においても、被害者又は遺失主は、質屋に対し、これを無償で回復すること を除き、以下同じ。)を質に取り、流質期限までに当該質物で担保される債権の弁済を受けないときは、当該質物をもつてその弁済に充てる約款を附して、金銭を貸し付ける営業をいう。

2項 この法律において「 質屋 」とは、 質屋営業 を営む者で 第2条第1項 《質屋になろうとする者は、内閣府令で定める…》 手続により、営業所ごとに、その所在地を管轄する都道府県公安委員会以下「公安委員会」という。の許可を受けなければならない。 の規定による許可を受けたものをいう。

2条 (質屋営業の許可)

1項 質屋 になろうとする者は、内閣府令で定める手続により、営業所ごとに、その所在地を管轄する都道府県 公安委員会 以下「 公安委員会 」という。)の許可を受けなければならない。

2項 前項の場合において、 質屋 になろうとする者は、自ら管理しないで営業所を設けるときは、その営業所の管理者を定めなければならない。

3条 (許可の基準)

1項 公安委員会 は、前条第1項の規定による許可を受けようとする者が、次の各号のいずれかに該当する場合においては、許可をしてはならない。

1号 拘禁刑以上の刑に処せられその執行を終わり、又は執行を受けることのなくなつた後、3年を経過しない者

2号 許可の申請前3年以内に、 第5条 《無許可営業の禁止 質屋でない者は、質屋…》 営業を営んではならない。 の規定に違反して罰金の刑に処せられた者又は他の法令の規定に違反して罰金の刑に処せられその情状が 質屋 として不適当な者

3号 住居の定まらない者

4号 心身の故障により 質屋 の業務を適正に行うことができない者として内閣府令で定めるもの

5号 営業について成年者と同1の行為能力を有しない未成年者。ただし、その者が 質屋 の相続人であつて、その法定代理人が前各号、第7号及び第10号のいずれにも該当しない場合を除くものとする。

6号 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

7号 第25条第1項 《公安委員会は、次の各号のいずれかに該当す…》 る場合において必要があると認めるときは、質屋の許可を取り消し、又は1年以内の期間を定めて質屋営業の停止を命ずることができる。 1 質屋が他の法令に違反して、拘禁刑以上の刑に処せられたとき、又は罰金の刑 の規定により許可を取り消され、取消しの日から3年を経過していない者

8号 同居の親族のうちに前号に該当する者又は営業の停止を受けている者のある者

9号 次のいずれかに該当する管理者を置く者

第1号から第3号まで又は第5号から第7号までのいずれかに該当する者

心身の故障により管理者の業務を適正に行うことができない者として内閣府令で定めるもの

10号 法人である場合においては、その業務を行う役員のうちに第1号から第7号までのいずれかに該当する者がある者

11号 第7条第1項 《公安委員会は、火災、盗難等の予防のため必…》 要があると認めるときは、質屋の設けるべき質物の保管設備について、一定の基準を定めることができる。 の規定により、 公安委員会 が質物の保管設備について基準を定めた場合においては、その基準に適合する質物の保管設備を有しない者

2項 公安委員会 は、許可をしないことを決定しようとするときは、当該申請者の意見を聴き、かつ、申請者が許可を受けるためにする証拠の提出を許さなければならない。

3項 公安委員会 は、許可をしない場合においては、理由を付した書面をもつて申請者にその旨を通知しなければならない。

4条 (営業内容の変更)

1項 質屋 は、同一 公安委員会 の管轄区域内において営業所を移転し、又は管理者を新たに設け、若しくは変更しようとするときは、内閣府令で定める手続により、管轄公安委員会の許可を受けなければならない。

2項 質屋 は、廃業したとき若しくは長期休業をしようとするとき又は 第2条第1項 《質屋になろうとする者は、内閣府令で定める…》 手続により、営業所ごとに、その所在地を管轄する都道府県公安委員会以下「公安委員会」という。の許可を受けなければならない。 の規定による許可の申請書の記載事項につき変更を生じたときは、内閣府令で定める手続により、管轄 公安委員会 に届け出なければならない。

3項 質屋 が死亡したときは、同居の親族、法定代理人又は管理者は、前項の規定に準じて死亡の届出をしなければならない。

5条 (無許可営業の禁止)

1項 質屋 でない者は、 質屋営業 を営んではならない。

6条 (名義貸の禁止)

1項 質屋 は、自己の名義をもつて、他人に 質屋営業 を営ませてはならない。

7条 (保管設備)

1項 公安委員会 は、火災、盗難等の予防のため必要があると認めるときは、 質屋 の設けるべき質物の保管設備について、一定の基準を定めることができる。

2項 公安委員会 は、前項の基準を定めた場合は、一定の公告式により、これを告示するものとする。

3項 第1項の規定により、 公安委員会 が質物の保管設備について基準を定めた場合には、 質屋 は、当該基準に従い質物の保管設備を設けなければならない。

8条 (許可証)

1項 公安委員会 は、 第2条第1項 《質屋になろうとする者は、内閣府令で定める…》 手続により、営業所ごとに、その所在地を管轄する都道府県公安委員会以下「公安委員会」という。の許可を受けなければならない。 の規定による許可をするときは、内閣府令で定める様式の許可証を交付しなければならない。

2項 前項の規定による許可証の交付を受けた者は、 第4条第1項 《質屋は、同一公安委員会の管轄区域内におい…》 て営業所を移転し、又は管理者を新たに設け、若しくは変更しようとするときは、内閣府令で定める手続により、管轄公安委員会の許可を受けなければならない。 の規定による許可を受け、又は同条第2項の規定による届出をした場合において、当該許可又は届出に係る事項が許可証の記載事項に該当するときは、内閣府令で定める手続により、その書換えを受けなければならない。

3項 第1項の規定による許可証の交付を受けた者は、当該許可証を亡失し、又は盗み取られたときは、内閣府令で定める手続により、直ちに管轄 公安委員会 にその旨を届け出なければならない。

4項 第1項の規定による許可証の交付を受けた者は、前項の規定による届出をしたとき又は当該許可証が滅失したときは、内閣府令で定める手続により、管轄 公安委員会 に許可証の再交付を申請して、その再交付を受けなければならない。

9条 (許可証の返納)

1項 前条の規定により許可証の交付を受けた者は、左の各号の1に該当するに至つた場合においては、内閣府令で定める手続により、10日以内に当該許可証を管轄 公安委員会 に返納しなければならない。

1号 廃業したとき。

2号 許可証の再交付を受けた者が亡失し、又は盗み取られた許可証を回復するに至つたとき。

3号 許可を取り消されたとき。

2項 質屋 が死亡した場合において、 第4条第3項 《3 質屋が死亡したときは、同居の親族、法…》 定代理人又は管理者は、前項の規定に準じて死亡の届出をしなければならない。 の規定により死亡の届出をする同居の親族、法定代理人又は管理者は、前項の規定により、許可証を返納しなければならない。

3項 法人が合併以外の事由に因り解散し、又は合併に因り消滅したときは、合併以外の事由に因る解散の場合にあつては清算人又は破産管財人、合併の場合にあつては消滅した法人の役員であつた者は、第1項の規定により、許可証を返納しなければならない。

10条 (標識の掲示等)

1項 第2条第1項 《質屋になろうとする者は、内閣府令で定める…》 手続により、営業所ごとに、その所在地を管轄する都道府県公安委員会以下「公安委員会」という。の許可を受けなければならない。 の許可を受けた者は、許可を受けたことを示す内閣府令で定める様式の標識を営業所の見やすい場所に掲示するとともに、その事業の規模が著しく小さい場合その他の内閣府令で定める場合を除き、内閣府令で定めるところにより、その氏名又は名称、許可をした 公安委員会 の名称及び許可証の番号を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(公衆によつて直接受信されることを目的として公衆からの求めに応じ自動的に送信を行うことをいい、放送又は有線放送に該当するものを除く。)により公衆の閲覧に供しなければならない。

11条 (営業の制限)

1項 質屋 は、その営業所又は質置主の住所若しくは居所以外の場所において物品を質に取つてはならない。

12条 (確認及び申告)

1項 質屋 は、物品を質に取ろうとするときは、内閣府令で定める方法により、質置主の住所、氏名、職業及び年齢を確認しなければならない。不正品の疑いがある場合においては、直ちに警察官にその旨を申告しなければならない。

13条 (帳簿)

1項 質屋 は、内閣府令で定める様式により、帳簿を備え、質契約並びに質物返還及び流質物処分をしたときは、その都度、その帳簿に次に掲げる事項を記載しなければならない。

1号 質契約の年月日

2号 質物の品目及び数量

3号 質物の特徴

4号 質置主の住所、氏名、職業、年齢及び特徴

5号 前条の規定により行つた確認の方法

6号 質物返還又は流質物処分の年月日

7号 流質物の品目及び数量

8号 流質物処分の相手方の住所及び氏名

14条

1項 質屋 は、前条の帳簿を、最終の記載をした日から3年間、保存しなければならない。

2項 質屋 は、前条の帳簿を毀損し、亡失し、又は盗み取られたときは、直ちに営業所の所在地の所轄警察署長に届け出なければならない。

15条 (質受証)

1項 質屋 は、質契約をしたときは、質札又は通帳を質置主に交付しなければならない。

2項 質札及び通帳の様式並びにこれに記載すべき事項は、内閣府令で定める。

16条 (掲示)

1項 質屋 は、次の事項を営業所内の見やすい場所に掲示しなければならない。

1号 利率

2号 利息計算の方法

3号 流質期限

4号 前3号に掲げるもののほか、質契約の内容となるべき事項

5号 営業時間

2項 前項第3号の流質期限は、質契約成立の日から3月未満(質置主が物品を取り扱う営業者であり、かつ、その質に入れようとする物品がその取り扱つている物品である場合においては、1月未満)の期間で定めてはならない。

3項 質屋 は、第1項第1号から第4号までに掲げる事項に係る掲示の内容と異なり、かつ、質置主の不利益となるような質契約をしてはならない。

4項 前項の規定に違反する契約は、その違反する部分については、当該掲示の内容によりされたものとみなす。

17条 (質物の返還)

1項 質置主は、流質期限前は、いつでも元利金を弁済して、その質物を受け戻すことができる。この場合においては、質置主は、質札を返還し、又は通帳に質物を受け戻した旨の記入を受けるものとする。

2項 質屋 は、内閣府令で定める方法により相手方が質物の受取について正当な権限を有する者(以下この条において「 受取権者 」という。)であることを確認した場合でなければ、質物を返還してはならない。

3項 質屋 が前項の内閣府令で定める方法により相手方が 受取権者 であることを確認して質物を返還したときは、正当な返還をしたものとみなす。ただし、受取権者であると確認したことについて過失がある場合は、この限りでない。

18条 (流質物の取得及び処分)

1項 質屋 は、流質期限を経過した時において、その質物の所有権を取得する。ただし、質屋は、当該流質物を処分するまでは、質置主が元金及び流質期限までの利子並びに流質期限経過の時に質契約を更新したとすれば支払うことを要する利子に相当する金額を支払つたときは、これを返還するように努めるものとする。

2項 質屋 は、 古物営業法 1949年法律第108号第14条第3項 《3 古物市場においては、古物商間でなけれ…》 ば古物を売買し、交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けてはならない。 の規定にかかわらず、同法第2条第2項第2号の古物市場において、流質物の売却をすることができる。

19条 (質物が滅失した場合等の措置)

1項 災害その他の事由により、質物が滅失し、若しくは毀損し、又は盗難にかかつた場合においては、 質屋 は、遅滞なく、当該質物の質置主にその旨を通知しなければならない。

2項 災害その他 質屋 及び質置主双方の責めに帰することのできない事由により、質屋が質物の占有を失つた場合においては、質屋は、その質物で担保される債権を失う。

3項 質屋 は、その責めに帰すべき事由により、質物が滅失し、若しくは毀損し、又は盗難にかかつた場合における質置主の損害賠償請求権をあらかじめ放棄させる契約をすることはできない。

20条 (品触れ)

1項 警視総監、道府県警察本部長又は警察署長は、必要があると認めるときは、 質屋 に対して、盗品その他財産に対する罪に当たる行為によつて領得された物( 第23条 《差止め 質屋が質物又は流質物として所持…》 する物品について、盗品等又は遺失物であると疑うに足りる相当な理由がある場合においては、警察署長は、当該質屋に対し、30日以内の期間を定めて、その物品の保管を命ずることができる。 において「 盗品等 」という。)の品触れを発することができる。

2項 質屋 は、前項の品触れを受けたときは、その品触書に到達の日付を記載し、その日から6月間これを保存しなければならない。ただし、 情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律 2002年法律第151号第7条第1項 《処分通知等のうち当該処分通知等に関する他…》 の法令の規定において書面等により行うことその他のその方法が規定されているものについては、当該法令の規定にかかわらず、主務省令で定めるところにより、主務省令で定める電子情報処理組織を使用する方法により行 の規定により同法第6条第1項に規定する電子情報処理組織を使用して行われた品触れについては、到達の日付を記載することを要しない。

3項 質屋 は、品触れを受けた日にその物を質物若しくは流質物として所持していたとき、又は前項の期間内に品触れに相当する質物を受け取つたときは、その旨を直ちに警察官に届け出なければならない。

4項 情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律 第7条第1項 《処分通知等のうち当該処分通知等に関する他…》 の法令の規定において書面等により行うことその他のその方法が規定されているものについては、当該法令の規定にかかわらず、主務省令で定めるところにより、主務省令で定める電子情報処理組織を使用する方法により行 の規定により同法第6条第1項に規定する電子情報処理組織を使用して行われた品触れについては、同法第7条第3項の規定は、適用しない。

21条 (質屋営業に関し行つた行為の取消しの制限)

1項 質屋 個人に限り、未成年者を除く。)が 質屋営業 に関し行つた行為は、行為能力の制限によつては取り消すことができない。

22条 (盗品及び遺失物の回復)

1項 質屋 が質物又は流質物として所持する物品が、盗品又は遺失物であつた場合においては、その質屋が当該物品を同種の物を取り扱う営業者から善意で質に取つた場合においても、被害者又は遺失主は、質屋に対し、これを無償で回復することを求めることができる。但し、盗難又は遺失のときから1年を経過した後においては、この限りでない。

23条 (差止め)

1項 質屋 が質物又は流質物として所持する物品について、 盗品等 又は遺失物であると疑うに足りる相当な理由がある場合においては、警察署長は、当該質屋に対し、30日以内の期間を定めて、その物品の保管を命ずることができる。

24条 (立入検査)

1項 警察官は、必要があると認めるときは、営業時間中において、 質屋 の営業所及び質物の保管場所に立ち入り、質物及び 第13条 《帳簿 質屋は、内閣府令で定める様式によ…》 り、帳簿を備え、質契約並びに質物返還及び流質物処分をしたときは、その都度、その帳簿に次に掲げる事項を記載しなければならない。 1 質契約の年月日 2 質物の品目及び数量 3 質物の特徴 4 質置主の住 の規定による帳簿を検査し、又は関係者に質問することができる。

2項 前項の場合においては、警察官は、その身分を証明する証票を携帯し、関係者に、これを提示しなければならない。

25条 (許可の取消し又は停止)

1項 公安委員会 は、次の各号のいずれかに該当する場合において必要があると認めるときは、 質屋 の許可を取り消し、又は1年以内の期間を定めて 質屋営業 の停止を命ずることができる。

1号 質屋 が他の法令に違反して、拘禁刑以上の刑に処せられたとき、又は罰金の刑に処せられその情状が質屋として不適当なとき。

2号 質屋 第3条第1項第3号 《公安委員会は、前条第1項の規定による許可…》 を受けようとする者が、次の各号のいずれかに該当する場合においては、許可をしてはならない。 1 拘禁刑以上の刑に処せられその執行を終わり、又は執行を受けることのなくなつた後、3年を経過しない者 2 許可 、第4号、第6号若しくは第9号に該当したとき、又は質屋が法人である場合においてその業務を行う役員のうちに同項第1号若しくは第3号から第7号までのいずれかに該当した者若しくは許可の取消し若しくは営業の停止をしようとするとき以前3年以内に 第5条 《無許可営業の禁止 質屋でない者は、質屋…》 営業を営んではならない。 の規定に違反して罰金の刑に処せられた者若しくは許可の取消し若しくは営業の停止をしようとするとき以前3年以内に他の法令に違反して罰金の刑に処せられその情状が質屋として不適当な者があるに至つたとき。

3号 未成年者である 質屋 の法定代理人が 第3条第1項第1号 《公安委員会は、前条第1項の規定による許可…》 を受けようとする者が、次の各号のいずれかに該当する場合においては、許可をしてはならない。 1 拘禁刑以上の刑に処せられその執行を終わり、又は執行を受けることのなくなつた後、3年を経過しない者 2 許可 、第3号、第4号若しくは第7号に該当し、若しくは該当するに至つたとき若しくは許可の取消し若しくは営業の停止をしようとするとき以前3年以内に他の法令の規定に違反して罰金の刑に処せられその情状が質屋として不適当なとき又は未成年者である質屋の法定代理人が法人である場合においてその業務を行う役員のうちに同項第1号若しくは第3号から第7号までのいずれかに該当した者若しくは許可の取消し若しくは営業の停止をしようとするとき以前3年以内に 第5条 《無許可営業の禁止 質屋でない者は、質屋…》 営業を営んではならない。 の規定に違反して罰金の刑に処せられた者若しくは許可の取消し若しくは営業の停止をしようとするとき以前3年以内に他の法令に違反して罰金の刑に処せられその情状が質屋として不適当な者があるに至つたとき。

4号 質屋 、その代理人、使用人その他の従業者がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したとき。ただし、質屋の代理人、使用人その他の従業者がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反した場合においては、質屋(質屋が未成年者である場合においては、その法定代理人)がその代理人又は使用人その他の従業者のした当該違反行為を防止するために相当の注意を怠らなかつたことが証明された場合においては、この限りでない。

2項 二以上の営業所を有する 質屋 が、1の営業所につき、前項の規定により質屋の許可を取り消され、又は 質屋営業 の停止を命じられた場合においては、他の営業所についても、その所在地を管轄する 公安委員会 は、情状により、その質屋の許可を取り消し、又はその質屋営業の停止を命ずることができる。この場合においては、前者の所在地が当該公安委員会の管轄に属すると否とを問わない。

26条 (聴聞の特例)

1項 公安委員会 は、前条の規定により 質屋営業 の停止を命じようとするときは、 行政手続法 1993年法律第88号第13条第1項 《行政庁は、不利益処分をしようとする場合に…》 は、次の各号の区分に従い、この章の定めるところにより、当該不利益処分の名あて人となるべき者について、当該各号に定める意見陳述のための手続を執らなければならない。 1 次のいずれかに該当するとき 聴聞 の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。

2項 前条の規定による処分に係る聴聞を行うに当たつては、その期日の1週間前までに、 行政手続法 第15条第1項 《行政庁は、聴聞を行うに当たっては、聴聞を…》 行うべき期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名宛人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。 1 予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項 2 不利益処分の の規定による通知をし、かつ、聴聞の期日及び場所を公示しなければならない。

3項 前条の規定による処分に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。

27条 (公安委員会の通知)

1項 公安委員会 は、他の公安委員会の許可を有する 質屋 又はその代理人、使用人、その他の従業者がこの法律又はこの法律に基く命令に違反したことを認めたときは、遅滞なく、その事実を当該公安委員会に通知しなければならない。

2項 公安委員会 は、 質屋 の許可を取り消し、又は営業の停止をした場合において、当該質屋が他の公安委員会の管轄区域内に営業所を有するときは、直ちにその旨を当該公安委員会に通知しなければならない。

28条 (質置主の保護)

1項 質屋 が廃業し、又は質屋の許可を取り消された場合においては、質屋であつた者は、廃業又は許可の取消を受けた日以前に成立した質契約については、当該質契約の内容に従い、貸付金の回収、質物の返還その他当該質契約を終了させるため必要な行為をしなければならない。

2項 前項の規定は、 質屋 が営業の停止を受けた場合について準用する。

3項 質屋 が次の各号のいずれかに該当するに至つた場合においては、当該各号に掲げる者は、当該各号に掲げる事由の発生した日以前に成立した質契約について、当該質契約の内容に従い、貸付金の回収、質物の返還その他当該質契約を終了させるため必要な行為をしなければならない。

1号 死亡した場合においては、その相続人のうち当該 質屋 の営業所ごとに管轄 公安委員会 の承認を受けたもの又は相続財産の管理人若しくは相続財産の清算人

2号 法人である場合において、合併以外の事由により解散したときは、清算人又は破産管財人

3号 法人である場合において、合併により消滅したときは、合併後存続する法人又は合併により設立した法人

4項 第13条 《帳簿 質屋は、内閣府令で定める様式によ…》 り、帳簿を備え、質契約並びに質物返還及び流質物処分をしたときは、その都度、その帳簿に次に掲げる事項を記載しなければならない。 1 質契約の年月日 2 質物の品目及び数量 3 質物の特徴 4 質置主の住第14条 《 質屋は、前条の帳簿を、最終の記載をした…》 日から3年間、保存しなければならない。 2 質屋は、前条の帳簿を毀損し、亡失し、又は盗み取られたときは、直ちに営業所の所在地の所轄警察署長に届け出なければならない。第17条 《質物の返還 質置主は、流質期限前は、い…》 つでも元利金を弁済して、その質物を受け戻すことができる。 この場合においては、質置主は、質札を返還し、又は通帳に質物を受け戻した旨の記入を受けるものとする。 2 質屋は、内閣府令で定める方法により相手 から 第24条 《立入検査 警察官は、必要があると認める…》 ときは、営業時間中において、質屋の営業所及び質物の保管場所に立ち入り、質物及び第13条の規定による帳簿を検査し、又は関係者に質問することができる。 2 前項の場合においては、警察官は、その身分を証明す までの規定の適用については、第1項の者及び前項各号に掲げる者は、 質屋 とみなす。

5項 第1項(第2項において準用する場合を含む。又は第3項に規定する行為は、管轄 公安委員会 の承認を受けた場合を除くの外、旧営業所においてしなければならない。

6項 公安委員会 は、第3項第1号又は前項の場合において、質置主の保護のため必要があると認めるときは、承認を与えないことができる。

29条 (権限の委任)

1項 この法律又はこの法律に基づく政令の規定により道 公安委員会 の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、方面公安委員会に行わせることができる。

30条 (罰則)

1項 第5条 《無許可営業の禁止 質屋でない者は、質屋…》 営業を営んではならない。 若しくは 第6条 《名義貸の禁止 質屋は、自己の名義をもつ…》 て、他人に質屋営業を営ませてはならない。 の規定に違反し、又は 第25条 《許可の取消し又は停止 公安委員会は、次…》 の各号のいずれかに該当する場合において必要があると認めるときは、質屋の許可を取り消し、又は1年以内の期間を定めて質屋営業の停止を命ずることができる。 1 質屋が他の法令に違反して、拘禁刑以上の刑に処せ の規定による処分に違反した者は、3年以下の拘禁刑若しくは110,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

31条

1項 第11条 《営業の制限 質屋は、その営業所又は質置…》 主の住所若しくは居所以外の場所において物品を質に取つてはならない。 の規定に違反した者は、1年以下の拘禁刑若しくは40,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

32条

1項 第4条第1項 《質屋は、同一公安委員会の管轄区域内におい…》 て営業所を移転し、又は管理者を新たに設け、若しくは変更しようとするときは、内閣府令で定める手続により、管轄公安委員会の許可を受けなければならない。第12条 《確認及び申告 質屋は、物品を質に取ろう…》 とするときは、内閣府令で定める方法により、質置主の住所、氏名、職業及び年齢を確認しなければならない。 不正品の疑いがある場合においては、直ちに警察官にその旨を申告しなければならない。 前段、 第13条 《帳簿 質屋は、内閣府令で定める様式によ…》 り、帳簿を備え、質契約並びに質物返還及び流質物処分をしたときは、その都度、その帳簿に次に掲げる事項を記載しなければならない。 1 質契約の年月日 2 質物の品目及び数量 3 質物の特徴 4 質置主の住第14条第1項 《質屋は、前条の帳簿を、最終の記載をした日…》 から3年間、保存しなければならない。 又は 第20条第2項 《2 質屋は、前項の品触れを受けたときは、…》 その品触書に到達の日付を記載し、その日から6月間これを保存しなければならない。 ただし、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律2002年法律第151号第7条第1項の規定により同法第6条第1項に 若しくは第3項の規定に違反し、又は 第23条 《差止め 質屋が質物又は流質物として所持…》 する物品について、盗品等又は遺失物であると疑うに足りる相当な理由がある場合においては、警察署長は、当該質屋に対し、30日以内の期間を定めて、その物品の保管を命ずることができる。 の規定による処分に違反した者は、6月以下の拘禁刑若しくは30,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

33条

1項 次の各号のいずれかに該当する者は、30,000円以下の罰金に処する。

1号 第4条第2項 《2 質屋は、廃業したとき若しくは長期休業…》 をしようとするとき又は第2条第1項の規定による許可の申請書の記載事項につき変更を生じたときは、内閣府令で定める手続により、管轄公安委員会に届け出なければならない。 若しくは第3項、 第8条第3項 《3 第1項の規定による許可証の交付を受け…》 た者は、当該許可証を亡失し、又は盗み取られたときは、内閣府令で定める手続により、直ちに管轄公安委員会にその旨を届け出なければならない。第9条 《許可証の返納 前条の規定により許可証の…》 交付を受けた者は、左の各号の1に該当するに至つた場合においては、内閣府令で定める手続により、10日以内に当該許可証を管轄公安委員会に返納しなければならない。 1 廃業したとき。 2 許可証の再交付を受第10条 《標識の掲示等 第2条第1項の許可を受け…》 た者は、許可を受けたことを示す内閣府令で定める様式の標識を営業所の見やすい場所に掲示するとともに、その事業の規模が著しく小さい場合その他の内閣府令で定める場合を除き、内閣府令で定めるところにより、その第14条第2項 《2 質屋は、前条の帳簿を毀損し、亡失し、…》 又は盗み取られたときは、直ちに営業所の所在地の所轄警察署長に届け出なければならない。第16条第1項 《質屋は、次の事項を営業所内の見やすい場所…》 に掲示しなければならない。 1 利率 2 利息計算の方法 3 流質期限 4 前3号に掲げるもののほか、質契約の内容となるべき事項 5 営業時間 、第2項若しくは第3項又は 第28条第1項 《質屋が廃業し、又は質屋の許可を取り消され…》 た場合においては、質屋であつた者は、廃業又は許可の取消を受けた日以前に成立した質契約については、当該質契約の内容に従い、貸付金の回収、質物の返還その他当該質契約を終了させるため必要な行為をしなければな同条第2項において準用する場合を含む。)、第3項若しくは第5項の規定に違反した者

2号 第24条第1項 《警察官は、必要があると認めるときは、営業…》 時間中において、質屋の営業所及び質物の保管場所に立ち入り、質物及び第13条の規定による帳簿を検査し、又は関係者に質問することができる。 の規定による警察官の立入り又は質物若しくは帳簿の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

34条

1項 過失により 第20条第3項 《3 質屋は、品触れを受けた日にその物を質…》 物若しくは流質物として所持していたとき、又は前項の期間内に品触れに相当する質物を受け取つたときは、その旨を直ちに警察官に届け出なければならない。 の規定に違反した者は、拘留又は科料に処する。

35条

1項 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、 第30条 《罰則 第5条若しくは第6条の規定に違反…》 し、又は第25条の規定による処分に違反した者は、3年以下の拘禁刑若しくは110,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 から 第33条 《 次の各号のいずれかに該当する者は、30…》 ,000円以下の罰金に処する。 1 第4条第2項若しくは第3項、第8条第3項、第9条、第10条、第14条第2項、第16条第1項、第2項若しくは第3項又は第28条第1項同条第2項において準用する場合を含 までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

36条

1項 質屋 に対する 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律 1954年法律第195号第5条第2項 《2 前項の規定にかかわらず、金銭の貸付け…》 を行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年20パーセントを超える割合による利息の契約をしたときは、5年以下の拘禁刑若しくは10,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 その貸 の規定の適用については、同項中「20パーセント」とあるのは、「109・5パーセント(2月29日を含む1年については年109・8パーセントとし、1日当たりについては0・3パーセントとする。)」と、同法第5条の4第1項中「貸付け又は保証の期間が15日未満であるときは、これを15日として利息又は保証料の計算をするものとする。」とあるのは、「月の初日から末日までの期間(当該期間の日数は、その月の暦日の数にかかわらず、30日とする。)を一期として利息を計算するものとする。この場合において、貸付けの期間が一期に満たないときは一期とし、二以上の月にわたるときは、そのわたる月の数を期の数とする。」とする。

2項 質屋 については、 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律 第5条第3項 《3 前2項の規定にかかわらず、金銭の貸付…》 けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年109・5パーセント2月29日を含む1年については年109・8パーセントとし、1日当たりについては0・3パーセントとする。を超える割合による利息の第8条第2項 《2 いかなる名義をもつてするかを問わず、…》 また、いかなる方法をもつてするかを問わず、第5条第3項の規定に係る禁止を免れる行為をした者は、10年以下の拘禁刑若しくは30,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 及び 第9条第1項第2号 《法人法人でない社団又は財団で代表者又は管…》 理人の定めのあるものを含む。以下この項及び次項において同じ。の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が法人又は人の業務又は財産に関して次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行 の規定は、適用しない。

《本則》 ここまで 附則 >  

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