漁業登録令《本則》

法番号:1951年政令第292号

附則 >  

制定文 内閣は、 漁業法 1949年法律第267号)第50条第3項の規定に基き、この政令を制定する。


1章 総則

1条 (目的)

1項 この政令は、漁業権、これを目的とする先取特権及び抵当権並びに入漁権に関する登録について定めることを目的とする。

2条 (管轄)

1項 前条の登録は、当該漁業権の免許をする権限を有する行政庁が行う。

3条 (順位)

1項 同1の漁業権に関して登録した権利の順位は、法令に別段の定がないときは、登録の前後による。

4条

1項 附記登録の順位は、主登録の順位により、附記登録間の順位は、その前後による。

5条

1項 仮登録をしたものについて本登録をしたときは、その順位は、仮登録の順位による。

6条 (登録の不存在を主張できない者)

1項 詐欺又は強迫によつて登録の申請を妨げた第三者は、その登録の不存在を主張することができない。

7条

1項 他人のために登録の申請をする義務がある者は、その登録の不存在を主張することができない。但し、その登録の原因が自己の登録の原因より後に発生した場合は、この限りでない。

2章 免許漁業原簿

8条 (免許漁業原簿の備付)

1項 第1条 《目的 この政令は、漁業権、これを目的と…》 する先取特権及び抵当権並びに入漁権に関する登録について定めることを目的とする。 の登録は、免許漁業原簿にする。

2項 免許漁業原簿は、漁業権登録簿、入漁権登録簿、漁場図及び漁業信託登録簿とする。

3項 第2条 《管轄 前条の登録は、当該漁業権の免許を…》 する権限を有する行政庁が行う。 の規定により登録をすべき行政庁(以下「 登録庁 」という。)は、前項の免許漁業原簿を備え付けなければならない。

9条 (様式等)

1項 免許漁業原簿の様式及び記載の方法並びにその附属書類の種類は、農林水産省令で定める。

10条 (謄本等の交付及び閲覧の請求)

1項 何人も、免許漁業原簿の謄本若しくは抄本の交付又は免許漁業原簿若しくはその附属書類の閲覧を請求することができる。

2項 何人も、農林水産省令で定めるところにより、送付に要する費用を納付して、免許漁業原簿の謄本又は抄本の送付を請求することができる。

3項 免許漁業原簿の附属書類については、 行政機関の保有する情報の公開に関する法律 1999年法律第42号)の規定は、適用しない。

4項 免許漁業原簿の附属書類に記録されている保有個人情報( 個人情報の保護に関する法律 2003年法律第57号第60条第1項 《この章及び第8章において「保有個人情報」…》 とは、行政機関等の職員独立行政法人等及び地方独立行政法人にあっては、その役員を含む。以下この章及び第8章において同じ。が職務上作成し、又は取得した個人情報であって、当該行政機関等の職員が組織的に利用す に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第5章第4節の規定は、適用しない。

11条 (滅失)

1項 登録庁 は、免許漁業原簿の全部又は一部が滅失したときは、3箇月以上の期間を定めて、その期間内に登録の回復の申請をした者は、なおその免許漁業原簿における順位を有すべき旨を告示しなければならない。

2項 前項の申請及びこれによる登録の手続は、別に政令で定める。

3章 登録の手続 > 1節 通則

12条 (登録を行う場合)

1項 登録は、法令に別段の定がある場合を除く外、申請又は嘱託がなければ、してはならない。

2項 嘱託による登録の手続については、法令に別段の定がある場合を除く外、申請による登録に関する規定を準用する。

13条 (登録の申請)

1項 登録の申請は、登録権利者及び登録義務者がしなければならない。

14条

1項 左に掲げる登録の申請は、登録権利者だけですることができる。

1号 判決による登録

2号 相続、法人の合併その他の一般承継による登録

3号 登録をした権利が登録名義人の死亡によつて消滅した場合における当該消滅の登録

15条

1項 登録権利者は、登録義務者の所在が不分明であるため消滅の登録又は登録の抹消を申請することができないときは、 非訟事件手続法 2011年法律第51号第99条 《公示催告の申立て 裁判上の公示催告で権…》 利の届出を催告するためのもの以下この編において「公示催告」という。の申立ては、法令にその届出をしないときは当該権利につき失権の効力を生ずる旨の定めがある場合に限り、することができる。 に規定する公示催告の申立てをすることができる。

2項 前項の申立てをした場合において、 非訟事件手続法 第106条第1項 《権利の届出の終期前条第1項又は第2項の規…》 定により審理終結日が定められた場合にあっては、審理終結日。以下この条において同じ。までに適法な権利の届出又は権利を争う旨の申述がないときは、裁判所は、第104条第1項の場合を除き、当該公示催告の申立て に規定する除権決定があつたときは、申請書にその謄本を添付して、登録権利者だけで消滅の登録又は登録の抹消を申請することができる。

3項 登録義務者の所在が不分明であるため先取特権又は抵当権の消滅の登録を申請することができない場合において、申請書に債権証書及び債権(民法(1896年法律第89号)第375条(抵当権の被担保債権の範囲)の規定により抵当権を行うことができる定期金及び損害賠償を含む。)の受取証書を添付したときは、登録権利者だけで先取特権又は抵当権の消滅の登録を申請することができる。

16条

1項 左に掲げる登録の申請は、登録名義人だけですることができる。

1号 登録名義人の表示の変更の登録

2号 漁業権、これを目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権の放棄による消滅の登録

17条

1項 削除

18条 (申請の手続)

1項 登録の申請をする者(以下「 申請人 」という。)は、申請書に左に掲げる書面を添附して、 登録庁 に提出しなければならない。

1号 登録の原因を証する書面

2号 登録の原因について第三者の同意又は承諾を要するときは、これを証する書面

3号 代理人により登録の申請をするときは、その権限を証する書面

4号 申請人 が登録名義人であるときは、その者の登録済証

2項 前項第1号の書面が執行力のある判決であるときは、同項第2号及び第4号の書面を添附することを要しない。

19条 (申請書)

1項 申請書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

1号 免許番号

2号 入漁登録番号があるときはその番号

3号 申請人 の氏名又は名称及び住所

4号 代理人により登録の申請をするときは、その氏名又は名称及び住所

5号 登録の原因及びその発生年月日

6号 登録の目的

7号 申請の年月日

8号 管轄 登録庁 の表示

9号 その他この政令で別に定める事項

20条 (債権者の代位)

1項 債権者が 民法 第423条第1項 《債権者は、自己の債権を保全するため必要が…》 あるときは、債務者に属する権利以下「被代位権利」という。を行使することができる。 ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。債権者代位権の要件又は 第423条 《債権者代位権の要件 債権者は、自己の債…》 権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利以下「被代位権利」という。を行使することができる。 ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。 2 債権者は、 の七(登記又は登録の請求権を保全するための債権者代位権)の規定により債務者に代位して登録の 申請人 となる場合には、申請書に債権者及び債務者の氏名又は名称及び住所並びに代位の原因を記載し、かつ、これに代位の原因を証する書面を添付しなければならない。

21条 (買戻の特約)

1項 登録の原因に買戻の特約その他登録の目的たる権利の消滅に関する事項の定があるときは、申請書にその事項を記載しなければならない。

22条 (持分の記載)

1項 登録に係る権利に持分の定があるときは、申請書にその持分を記載しなければならない。漁業権又は入漁権の一部の移転の登録を申請する場合もまた同じである。

2項 前項の場合において、 民法 第256条第1項 《各共有者は、いつでも共有物の分割を請求す…》 ることができる。 ただし、5年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。 但書(共有物分割禁止の契約)の規定による定があるときは、申請書にこれを記載しなければならない。

23条 (添付書面に代わるもの)

1項 第18条第1項第2号 《登録の申請をする者以下「申請人」という。…》 は、申請書に左に掲げる書面を添附して、登録庁に提出しなければならない。 1 登録の原因を証する書面 2 登録の原因について第三者の同意又は承諾を要するときは、これを証する書面 3 代理人により登録の申 の第三者の同意又は承諾を要する場合において、その第三者が申請書に当該同意又は承諾をした旨及びその氏名又は名称を記載したときは、同号の書面を添付することを要しない。

2項 第18条第1項第4号 《登録の申請をする者以下「申請人」という。…》 は、申請書に左に掲げる書面を添附して、登録庁に提出しなければならない。 1 登録の原因を証する書面 2 登録の原因について第三者の同意又は承諾を要するときは、これを証する書面 3 代理人により登録の申 に掲げる書面が滅失したときは、 申請人 が登録名義人と同1人であることを証する市町村長又はこれに準ずる者の証明書をもつてこれに代えることができる。

24条 (申請書の副本の添附)

1項 登録の原因を証する書面が始めからないとき、又はこれを提出することができないときは、その書面に代えて申請書の副本を添附しなければならない。

25条 (戸籍謄本等の添付)

1項 次に掲げる場合には、申請書にその事実を証する戸籍の謄本若しくは抄本若しくは登記事項証明書又はこれを証するに足りる書面を添付しなければならない。

1号 登録の原因が相続、法人の合併その他の一般承継であるとき。

2号 申請前に相続、法人の合併その他の一般承継により登録権利者又は登録義務者の変更があつたとき。

3号 登録名義人の表示の変更の登録の申請をするとき。

4号 登録をした権利が、登録名義人の死亡によつて消滅した場合における当該消滅の登録の申請をするとき。

26条 (添附書類の省略)

1項 同1の 登録庁 に同時に数個の登録を申請する場合において、添附すべき書面が同1のものであるときは、その1の申請書にこれを添附し、他の申請書にはその旨を記載すればよい。

27条 (仮登録)

1項 仮登録は、次に掲げる場合にするものとする。

1号 登録の申請に必要な手続上の要件が具備しないとき。

2号 漁業権の移転、変更若しくは消滅に関して請求権を保全しようとするとき、又はその請求権が始期付き若しくは停止条件付きであるときその他将来において確定すべきものであるとき。

3号 漁業権を目的とする先取特権若しくは抵当権若しくは入漁権の設定、保存、移転、変更若しくは消滅に関して請求権を保全しようとするとき、又はその請求権が始期付き若しくは停止条件付きであるときその他将来において確定すべきものであるとき。

28条 (仮登録の申請)

1項 仮登録の申請は、仮登録義務者の承諾があつたときは、申請書にその承諾書を添附して、仮登録権利者だけですることができる。

29条 (仮登録の嘱託)

1項 仮登録は、仮登録権利者の申請により、 漁業法 第118条 《裁判所の管轄 裁判所の土地の管轄が不動…》 産所在地によつて定まる場合には、漁場に最も近い沿岸の属する市町村を不動産所在地とみなす。 により不動産の所在地とみなされる区域を管轄する地方裁判所の裁判所書記官が、職権で、嘱託書に仮処分命令の正本を添付して、 登録庁 に嘱託しなければならない。

2項 地方裁判所は、仮登録権利者が仮登録の原因を疎明したときは、前項の仮処分命令をしなければならない。

3項 第1項の申請を却下した決定に対しては、仮登録権利者は、即時抗告をすることができる。

4項 非訟事件手続法 の規定は、前項の即時抗告について準用する。

30条 (仮登録の

1項 仮登録の消の申請は、仮登録名義人だけですることができる。

2項 登録上の利害関係人は、申請書に仮登録名義人の承諾書又はこれに対抗することができる裁判の謄本を添附すれば、仮登録の消を申請することができる。

31条 (予告登録)

1項 予告登録は、次に掲げる場合にするものとする。

1号 登録の原因の無効又は取消しによる登録の抹消又は回復の訴えが提起されたとき。ただし、登録の原因の無効又は取消しをもつて善意の第三者に対抗することができる場合に限る。

2号 漁業免許について審査請求がされ、又は訴訟が提起されたとき。

32条 (予告登録の嘱託)

1項 裁判所書記官は、前条各号の訴えが提起されたときは、職権で、嘱託書に訴状の謄本又は抄本を添付して、その予告登録を 登録庁 に嘱託しなければならない。

2項 農林水産大臣又は都道府県知事は、前条第2号の審査請求がされたときは、職権で、予告登録をしなければならない。

33条 (予告登録の抹消)

1項 第一審裁判所の裁判所書記官は、 第31条 《予告登録 予告登録は、次に掲げる場合に…》 するものとする。 1 登録の原因の無効又は取消しによる登録の抹消又は回復の訴えが提起されたとき。 ただし、登録の原因の無効又は取消しをもつて善意の第三者に対抗することができる場合に限る。 2 漁業免許 各号の訴えを却下した裁判若しくはこれを提起した者に対して敗訴を言い渡した裁判が確定したとき、訴えの取下げがあつたとき、請求の放棄があつたとき、又は請求の目的について和解があつたときは、職権で、嘱託書に裁判の謄本若しくは抄本又は訴えの取下げ、請求の放棄若しくは和解を証する書面を添付して、予告登録の抹消を 登録庁 に嘱託しなければならない。

34条

1項 農林水産大臣又は都道府県知事は、 第31条第2号 《予告登録 第31条 予告登録は、次に掲げ…》 る場合にするものとする。 1 登録の原因の無効又は取消しによる登録の抹消又は回復の訴えが提起されたとき。 ただし、登録の原因の無効又は取消しをもつて善意の第三者に対抗することができる場合に限る。 2 の審査請求について、却下の裁決をしたとき又は取下げがあつたときは、職権で予告登録を抹消しなければならない。

34条の2 (仮処分の登録に後れる登録等の抹消)

1項 漁業権について 民事保全法 平成元年法律第91号第54条 《不動産に関する権利以外の権利についての登…》 又は登録請求権を保全するための処分禁止の仮処分の執行 前条の規定は、不動産に関する権利以外の権利で、その処分の制限につき登記又は登録を対抗要件又は効力発生要件とするものについての登記仮登記を除く。 において準用する同法第53条第1項の規定による仮処分の登録(同法第54条において準用する同法第53条第2項の規定による仮処分による仮登録(以下「 保全仮登録 」という。)とともにしたものを除く。以下この条及び次条において同じ。)をした後、その仮処分の債権者がその仮処分の債務者を登録義務者として漁業権について登録(仮登録を除く。)を申請する場合においては、その債権者だけでその仮処分の登録に後れる登録の抹消を申請することができる。

2項 前項の規定により登録の抹消を申請するには、申請書に 民事保全法 第61条 《不動産に関する権利以外の権利についての登…》 又は登録請求権を保全するための処分禁止の仮処分の効力 前3条の規定は、第54条に規定する処分禁止の仮処分の効力について準用する。 において準用する同法第59条第1項の規定による通知をしたことを証する書面を添付しなければならない。

3項 登録庁 は、第1項の規定により仮処分の登録に後れる登録を抹消したときは、職権でその仮処分の登録を抹消しなければならない。

34条の3

1項 前条第1項及び第2項の規定は、漁業権を目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権について 民事保全法 第54条 《不動産に関する権利以外の権利についての登…》 又は登録請求権を保全するための処分禁止の仮処分の執行 前条の規定は、不動産に関する権利以外の権利で、その処分の制限につき登記又は登録を対抗要件又は効力発生要件とするものについての登記仮登記を除く。 において準用する同法第53条第1項の規定による仮処分の登録をした後、その仮処分の債権者がその仮処分の債務者を登録義務者としてその権利の移転又は消滅について登録(仮登録を除く。)を申請する場合に準用する。

2項 前条第3項の規定は、前項において準用する同条第1項の規定により仮処分の登録に後れる登録を抹消した場合に準用する。

34条の4 (処分禁止の登録の抹消)

1項 登録庁 は、 保全仮登録 をした後、本登録をしたときは、職権でその保全仮登録とともにした処分禁止の登録を抹消しなければならない。

35条 (附記登録)

1項 登録名義人の表示の変更の登録は、附記によつてする。

2項 左に掲げる事項の登録は、登録上利害関係を有する第三者がないとき、又は申請書に登録上利害関係を有する第三者の承諾書若しくはこれに対抗することができる裁判の謄本を添附したときに限り、附記によつてする。

1号 登録の更正

2号 一部消登録の回復

36条 (登録の順序)

1項 登録は、受付の順序に従つてしなければならない。

37条 (却下)

1項 登録庁 は、左に掲げる場合は、登録の申請を却下しなければならない。

1号 登録の申請をした事項がその 登録庁 の管轄に属しないとき。

2号 登録の申請をした事項が登録すべきものでないとき。

3号 申請書が方式に適合しないとき。

4号 申請書に記載した漁業権、これを目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権の表示が免許漁業原簿と符合しないとき。

5号 第25条第2号 《戸籍謄本等の添付 第25条 次に掲げる場…》 合には、申請書にその事実を証する戸籍の謄本若しくは抄本若しくは登記事項証明書又はこれを証するに足りる書面を添付しなければならない。 1 登録の原因が相続、法人の合併その他の一般承継であるとき。 2 申 及び第3号に規定する場合を除く外、 申請人 が登録名義人である場合において、申請人の表示が免許漁業原簿と符合しないとき。

6号 申請書に記載した事項が登録の原因を証する書面と符合しないとき。

7号 申請に必要な書面を添附しないとき。

8号 登録免許税を納付しないとき。

38条 (登録済証の交付)

1項 登録庁 は、申請による登録を完了したときは、登録の原因を証する書面又は申請書の副本に免許番号、申請書の受付の年月日、受付番号、順位番号、登録の年月日及び登録済の旨を記載し、入漁権に関する登録については入漁登録番号をも記載して、登録庁の印を押し、これを登録権利者に還付しなければならない。この場合において、登録義務者があるときは、登録庁は、更に登録番号、登録の原因及びその日附、登録の目的、申請書の受付の年月日、順位番号、登録の年月日並びに登録済の旨を記載して、登録庁の印を押した書面を作成し、これを登録義務者に交付しなければならない。

2項 登録庁 は、嘱託又は職権によつてする登録を完了したときは、前項の規定に準じて作成した書面を登録名義人に交付しなければならない。

3項 前2項の場合において、登録権利者、登録義務者又は登録名義人が2人以上であるときは、その代表者に還付し、又は交付すれば足りる。

4項 第20条 《債権者の代位 債権者が民法第423条第…》 1項債権者代位権の要件又は第423条の七登記又は登録の請求権を保全するための債権者代位権の規定により債務者に代位して登録の申請人となる場合には、申請書に債権者及び債務者の氏名又は名称及び住所並びに代位 の規定による申請があつた場合において、その登録を完了したときは、第1項前段の書面を債権者に還付し、且つ、同項後段の書面を債務者及び登録義務者に交付しなければならない。

39条 (更正登録)

1項 登録庁 は、登録を完了した後、その登録について錯誤又は脱落があることを発見した場合において、左の各号の1に該当するときは、その登録を更正し、且つ、その旨を登録権利者及び登録義務者に通知しなければならない。

1号 錯誤又は脱落が漁業権、これを目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権の表示に関するものであるとき。

2号 前号の場合を除く外、錯誤又は脱落が 登録庁 の過失に基くものであるとき。(登録上利害関係を有する第三者があるときを除く。

2項 登録庁 は、前項の規定により登録の更正をすべき場合を除く外、登録を完了した後にその登録について錯誤又は脱落があることを発見したときは、その旨を登録権利者及び登録義務者に通知しなければならない。

3項 登録が 第20条 《債権者の代位 債権者が民法第423条第…》 1項債権者代位権の要件又は第423条の七登記又は登録の請求権を保全するための債権者代位権の規定により債務者に代位して登録の申請人となる場合には、申請書に債権者及び債務者の氏名又は名称及び住所並びに代位 の規定による申請に係るものであるときは、前2項の規定による登録権利者への通知は、債権者及び債務者にしなければならない。

40条 (行政区画等の変更)

1項 行政区画又は土地の名称の変更があつたときは、免許漁業原簿に記載した行政区画又は土地の名称は、変更されたものとみなす。

2節 漁業権

41条 (職権による登録)

1項 次に掲げる事項に関する登録は、 登録庁 が職権でしなければならない。

1号 漁業権の取得( 漁業法 第69条第2項 《2 前項の免許を受けた者は、当該漁業権を…》 取得する。 の規定によるものに限る。又は変更(信託による漁業権についての変更を除く。

2号 法律の規定による漁業権の存続期間の延長

3号 取消し又は存続期間満了による漁業権の消滅

4号 漁業免許の取消処分を取り消した場合の登録の回復

5号 漁業法 第92条第2項 《2 都道府県知事は、漁業権者が次の各号の…》 いずれかに該当することとなつたときは、その漁業権を取り消し、又はその行使の停止を命ずることができる。 1 漁業に関する法令の規定に違反したとき。 2 前条第2項の規定による勧告に従わないとき。 又は 第93条第1項 《漁業調整、船舶の航行、停泊又は係留、水底…》 電線の敷設その他公益上必要があると認めるときは、都道府県知事は、漁業権を変更し、取り消し、又はその行使の停止を命ずることができる。 の規定による漁業権の行使の停止又はその解除

3節 入漁権、先取特権及び抵当権

42条 (入漁権の設定)

1項 入漁権の設定の登録の申請書には、 漁業法 第99条 《入漁権の内容の書面化 入漁権については…》 、書面により次に掲げる事項を明らかにしなければならない。 1 入漁すべき区域 2 入漁すべき漁業の種類及び漁獲物の種類並びに漁業時期 3 存続期間の定めがあるときはその期間 4 入漁料の定めがあるとき に掲げる事項を記載しなければならない。

2項 前項の申請書には、漁場図二通を添付しなければならない。ただし、入漁すべき区域が共同漁業権又は区画漁業権に属する漁場の全部であるときは、この限りでない。

43条 (先取特権の保存)

1項 先取特権の保存の登録の申請書には、その債権の額を記載し、登録の原因に弁済期の定があるときは、あわせてこれを記載しなければならない。

44条 (抵当権の設定及び移転)

1項 抵当権の設定の登録の申請書には、その債権の額を記載し、登録の原因に弁済期の定、利息に関する定、その発生期若しくは支払時期の定、債権に附された条件又は 民法 第370条 《抵当権の効力の及ぶ範囲 抵当権は、抵当…》 地の上に存する建物を除き、その目的である不動産以下「抵当不動産」という。に付加して一体となっている物に及ぶ。 ただし、設定行為に別段の定めがある場合及び債務者の行為について第424条第3項に規定する詐 但書(抵当権の効力が及ばない場合)の定があるときは、あわせてこれを記載しなければならない。

2項 抵当権の設定者が債務者でない場合における前項の申請書には、債務者の氏名又は名称及び住所を記載しなければならない。

3項 抵当権の移転の登録の申請書には、抵当権が債権とともに移転するかどうかを記載しなければならない。

45条 (被担保債権の価格)

1項 一定の金額を目的としない債権の担保たる先取特権又は抵当権の保存又は設定の登録の申請書には、その債権の価格を記載しなければならない。

46条

1項 債権の一部の譲渡又は代位弁済による先取特権又は抵当権の移転の登録の申請書には、譲渡又は代位弁済の目的たる債権の額を記載しなければならない。

47条 (併合申請)

1項 同1の 登録庁 の管轄に属する数個の漁業権に関し、先取特権又は抵当権の保存、設定又は移転の登録を申請する場合には、登録原因及び登録の目的が同一であるときに限り、同1の申請書をもつて登録を申請することができる。

48条 (付記登録)

1項 入漁権、先取特権若しくは抵当権の移転又は信託による入漁権、先取特権若しくは抵当権についての変更の登録は、付記によつてする。

2項 入漁権、先取特権又は抵当権の変更(信託による入漁権、先取特権又は抵当権についての変更を除く。又は処分の制限の登録は、登録上利害関係を有する第三者がないとき、又は申請書に登録上利害関係を有する第三者の承諾書若しくはこれに対抗することができる裁判の謄本を添付したときに限り、付記によつてする。

48条の2 (保全仮登録に基づく本登録の順位)

1項 第5条 《 仮登録をしたものについて本登録をしたと…》 きは、その順位は、仮登録の順位による。 の規定は、 保全仮登録 準用する。

4節 信託

49条 (信託の登録の申請方法)

1項 漁業権、これを目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権の信託の登録は、受託者だけで申請することができる。

50条 (権利についての変更の登録の申請の特例)

1項 信託法(2006年法律第108号)第3条第3号(信託の方法)に掲げる方法によつてされた信託による漁業権、これを目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権についての変更の登録は、受託者だけで申請することができる。

51条 (信託の登録の申請の手続)

1項 信託の登録の申請をするときは、申請書に次に掲げる事項を記載した書面を添付しなければならない。

1号 委託者、受託者及び受益者の氏名又は名称及び住所

2号 受益者の指定に関する条件又は受益者を定める方法の定めがあるときは、その定め

3号 信託管理人があるときは、その氏名又は名称及び住所

4号 受益者代理人があるときは、その氏名又は名称及び住所

5号 信託法第185条第3項に規定する受益証券発行信託であるときは、その旨

6号 信託法第258条第1項の受益者の定めのない信託であるときは、その旨

7号 公益信託ニ関スル法律(1922年法律第62号)第1条に規定する公益信託であるときは、その旨

8号 信託の目的

9号 信託財産の管理の方法

10号 信託の終了の事由

11号 その他の信託の条項

2項 前項の申請において、同項第2号から第6号までに掲げる事項のいずれかを記載した書面を添付したときは、同項第1号の受益者(同項第4号に掲げる事項を記載した書面を添付した場合にあつては、当該受益者代理人が代理する受益者に限る。)の氏名又は名称及び住所を記載した書面を添付することを要しない。

52条

1項 受益者又は委託者は、受託者に代位して信託の登録の申請をすることができる。

2項 第20条 《債権者の代位 債権者が民法第423条第…》 1項債権者代位権の要件又は第423条の七登記又は登録の請求権を保全するための債権者代位権の規定により債務者に代位して登録の申請人となる場合には、申請書に債権者及び債務者の氏名又は名称及び住所並びに代位 の規定は、前項の規定による申請に準用する。この場合においては、申請書に登録の目的たる漁業権、これを目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権が信託財産であることを証する書面を添付しなければならない。

53条

1項 信託の登録の申請は、当該信託に係る漁業権、これを目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権についての移転又は変更の登録の申請と同時にしなければならない。

54条

1項 信託財産に属する漁業権、これを目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権が移転又は変更によつて信託財産に属しないこととなつた場合においてするべき信託の登録の抹消の申請は、漁業権、これを目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権についての移転又は変更の移転の登録の申請と同時にしなければならない。

2項 信託の登録の抹消は、受託者だけで申請することができる。

55条 (受託者の変更)

1項 受託者の変更があつた場合において、漁業権を目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権の移転の登録を申請するときは、申請書にその変更を証する書面を添付しなければならない。

2項 前項の規定は、信託法第86条第4項本文(受託者の1人の任務終了)の場合においてするべき変更の登録に準用する。

56条

1項 受託者の任務が死亡、破産手続開始の決定、後見開始若しくは保佐開始の審判、法人の合併以外の理由による解散又は裁判所若しくは主務官庁(その権限の委任を受けた国に所属する行政庁及びその権限に属する事務を処理する都道府県の執行機関を含む。以下同じ。)の解任の命令によつて終了したときは、前条第1項の登録は、新受託者だけで申請することができる。

2項 受託者が2人以上ある場合において、その一部の受託者の任務が前項に規定する事由により終了したときは、前条第2項の登録は、他の受託者だけで申請することができる。

57条

1項 裁判所書記官は、受託者の解任の裁判があつたとき、信託管理人若しくは受益者代理人の選任若しくは解任の裁判があつたとき、又は信託の変更を命ずる裁判があつたときは、職権で、遅滞なく、漁業信託登録簿の登録を 登録庁 に嘱託しなければならない。

58条

1項 主務官庁は、受託者を解任したとき、信託管理人若しくは受益者代理人を選任し、若しくは解任したとき、又は信託の変更を命じたときは、遅滞なく、漁業信託登録簿の登録を 登録庁 に嘱託しなければならない。

59条

1項 登録庁 は、信託財産に属する漁業権、これを目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権について次に掲げる登録をするときは、職権で、漁業信託登録簿の登録をしなければならない。

1号 信託法第75条第1項又は第2項(信託に関する権利義務の承継)の規定による漁業権を目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権の移転の登録

2号 信託法第86条第4項本文の規定による漁業権、これを目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権の変更の登録

3号 受託者である登録名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登録又は更正の登録

60条

1項 前3条に規定する場合を除き、 第51条第1項 《信託の登録の申請をするときは、申請書に次…》 に掲げる事項を記載した書面を添付しなければならない。 1 委託者、受託者及び受益者の氏名又は名称及び住所 2 受益者の指定に関する条件又は受益者を定める方法の定めがあるときは、その定め 3 信託管理人 各号に掲げる事項について変更があつたときは、受託者は、遅滞なく、その変更を証する書面を添付して、漁業信託登録簿の登録を申請しなければならない。

2項 受益者又は委託者は、受託者に代位して前項の規定による申請をすることができる。

3項 第20条 《債権者の代位 債権者が民法第423条第…》 1項債権者代位権の要件又は第423条の七登記又は登録の請求権を保全するための債権者代位権の規定により債務者に代位して登録の申請人となる場合には、申請書に債権者及び債務者の氏名又は名称及び住所並びに代位 の規定は、前項の規定による申請に準用する。

61条 (権利についての変更の登録等の特則)

1項 信託の併合又は分割により漁業権、これを目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権が1の信託の信託財産に属する財産から他の信託の信託財産に属する財産となつた場合における当該漁業権、これを目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権に係る当該1の信託についての信託の登録の抹消及び当該他の信託についての信託の登録の申請は、信託の併合又は分割による漁業権、これを目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権についての変更の登録の申請と同時にしなければならない。信託の併合又は分割以外の事由により漁業権、これを目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権が1の信託の信託財産に属する財産から受託者を同1とする他の信託の信託財産に属する財産となつた場合も、同様とする。

2項 信託財産に属する漁業権、これを目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権についてする次の表の上欄に掲げる場合における漁業権、これを目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権についての変更の登録( 第50条 《権利についての変更の登録の申請の特例 …》 信託法2006年法律第108号第3条第3号信託の方法に掲げる方法によつてされた信託による漁業権、これを目的とする先取特権若しくは抵当権又は入漁権についての変更の登録は、受託者だけで申請することができる の登録を除く。)については、同表の中欄に掲げる者を登録権利者とし、同表の下欄に掲げる者を登録義務者とする。

62条 (受託者の解任の付記)

1項 登録庁 は、 第57条 《 裁判所書記官は、受託者の解任の裁判があ…》 つたとき、信託管理人若しくは受益者代理人の選任若しくは解任の裁判があつたとき、又は信託の変更を命ずる裁判があつたときは、職権で、遅滞なく、漁業信託登録簿の登録を登録庁に嘱託しなければならない。 又は 第58条 《 主務官庁は、受託者を解任したとき、信託…》 管理人若しくは受益者代理人を選任し、若しくは解任したとき、又は信託の変更を命じたときは、遅滞なく、漁業信託登録簿の登録を登録庁に嘱託しなければならない。 の規定により受託者の解任に関する漁業信託登録簿の登録をしたときは、漁業権登録簿にその旨を付記しなければならない。

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