有線電気通信法《本則》

法番号:1953年法律第96号

附則 >  

1条 (目的)

1項 この法律は、有線電気通信設備の設置及び使用を規律し、有線電気通信に関する秩序を確立することによつて、公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。

2条 (定義)

1項 この法律において「 有線電気通信 」とは、送信の場所と受信の場所との間の線条その他の導体を利用して、電磁的方式により、符号、音響又は影像を送り、伝え、又は受けることをいう。

2項 この法律において「 有線電気通信設備 」とは、 有線電気通信 を行うための機械、器具、線路その他の電気的設備(無線通信用の有線連絡線を含む。)をいう。

3条 (有線電気通信設備の届出)

1項 有線電気通信 設備を設置しようとする者は、次の事項を記載した書類を添えて、設置の工事の開始の日の2週間前まで(工事を要しないときは、設置の日から2週間以内)に、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

1号 有線電気通信 の方式の別

2号 設備の設置の場所

3号 設備の概要

2項 前項の届出をする者は、その届出に係る 有線電気通信 設備が次に掲げる設備(総務省令で定めるものを除く。)に該当するものであるときは、同項各号の事項のほか、その使用の態様その他総務省令で定める事項を併せて届け出なければならない。

1号 2人以上の者が共同して設置するもの

2号 他人(電気通信事業者( 電気通信事業法 1984年法律第86号第2条第5号 《定義 第2条 この法律において、次の各号…》 に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 1 電気通信 有線、無線その他の電磁的方式により、符号、音響又は影像を送り、伝え、又は受けることをいう。 2 電気通信設備 電気通信を行うための機 に規定する電気通信事業者をいう。以下同じ。)を除く。)の設置した 有線電気通信 設備と相互に接続されるもの

3号 他人の通信の用に供されるもの

3項 有線電気通信 設備を設置した者は、第1項各号の事項若しくは前項の届出に係る事項を変更しようとするとき、又は同項に規定する設備に該当しない設備をこれに該当するものに変更しようとするときは、変更の工事の開始の日の2週間前まで(工事を要しないときは、変更の日から2週間以内)に、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

4項 前3項の規定は、次の 有線電気通信 設備については、適用しない。

1号 電気通信事業法 第44条第1項 《電気通信事業者は、総務省令で定めるところ…》 により、第41条第1項から第5項まで第4項を除く。又は第41条の2のいずれかに規定する電気通信設備以下「事業用電気通信設備」という。の管理規程を定め、電気通信事業の開始前に、総務大臣に届け出なければな に規定する事業用電気通信設備

2号 放送法 1950年法律第132号第2条第1号 《定義 第2条 この法律及びこの法律に基づ…》 く命令の規定の解釈に関しては、次の定義に従うものとする。 1 「放送」とは、公衆によつて直接受信されることを目的とする電気通信電気通信事業法1984年法律第86号に規定する電気通信をいう。の送信他人の に規定する放送を行うための 有線電気通信 設備(同法第133条第1項の規定による届出をした者が設置するもの及び前号に掲げるものを除く。

3号 設備の1の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同1の構内(これに準ずる区域内を含む。以下同じ。又は同1の建物内であるもの(第2項各号に掲げるもの(同項の総務省令で定めるものを除く。)を除く。

4号 警察事務、消防事務、水防事務、航空保安事務、海上保安事務、気象業務、鉄道事業、軌道事業、電気事業、鉱業その他政令で定める業務を行う者が設置するもの(第2項各号に掲げるもの(同項の総務省令で定めるものを除く。)を除く。

5号 前各号に掲げるもののほか、総務省令で定めるもの

4条 (本邦外にわたる有線電気通信設備)

1項 本邦内の場所と本邦外の場所との間の 有線電気通信 設備は、電気通信事業者がその事業の用に供する設備として設置する場合を除き、設置してはならない。ただし、特別の事由がある場合において、総務大臣の許可を受けたときは、この限りでない。

5条 (技術基準)

1項 有線電気通信 設備(政令で定めるものを除く。)は、政令で定める技術基準に適合するものでなければならない。

2項 前項の技術基準は、これにより次の事項が確保されるものとして定められなければならない。

1号 有線電気通信 設備は、他人の設置する有線電気通信設備に妨害を与えないようにすること。

2号 有線電気通信 設備は、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えないようにすること。

6条 (設備の検査等)

1項 総務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、 有線電気通信 設備を設置した者からその設備に関する報告を徴し、又はその職員に、その事務所、営業所、工場若しくは事業場に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類を検査させることができる。

2項 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

3項 第1項の規定による検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

7条 (設備の改善等の措置)

1項 総務大臣は、 有線電気通信 設備を設置した者に対し、その設備が 第5条 《技術基準 有線電気通信設備政令で定める…》 ものを除く。は、政令で定める技術基準に適合するものでなければならない。 2 前項の技術基準は、これにより次の事項が確保されるものとして定められなければならない。 1 有線電気通信設備は、他人の設置する の技術基準に適合しないため他人の設置する有線電気通信設備に妨害を与え、又は人体に危害を及ぼし、若しくは物件に損傷を与えると認めるときは、その妨害、危害又は損傷の防止又は除去のため必要な限度において、その設備の使用の停止又は改造、修理その他の措置を命ずることができる。

2項 総務大臣は、 第3条第2項 《2 前項の届出をする者は、その届出に係る…》 有線電気通信設備が次に掲げる設備総務省令で定めるものを除く。に該当するものであるときは、同項各号の事項のほか、その使用の態様その他総務省令で定める事項を併せて届け出なければならない。 1 2人以上の者 に規定する 有線電気通信 設備(同項の総務省令で定めるものを除く。)を設置した者に対しては、前項の規定によるほか、その設備につき通信の秘密の確保に支障があると認めるとき、その他その設備の運用が適切でないため他人の利益を阻害すると認めるときは、その支障の除去その他当該他人の利益の確保のために必要な限度において、その設備の改善その他の措置をとるべきことを勧告することができる。

8条 (非常事態における通信の確保)

1項 総務大臣は、天災、事変その他の非常事態が発生し、又は発生するおそれがあるときは、 有線電気通信 設備を設置した者に対し、災害の予防若しくは救援、交通、通信若しくは電力の供給の確保若しくは秩序の維持のために必要な通信を行い、又はこれらの通信を行うためその有線電気通信設備を他の者に使用させ、若しくはこれを他の有線電気通信設備に接続すべきことを命ずることができる。

2項 総務大臣が前項の規定により 有線電気通信 設備を設置した者に通信を行い、又はその設備を他の者に使用させ、若しくは接続すべきことを命じたときは、国は、その通信又は接続に要した実費を弁償しなければならない。

3項 第1項の規定による処分については、審査請求をすることができない。

9条 (有線電気通信の秘密の保護)

1項 有線電気通信 電気通信事業法 第4条第1項 《電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は…》 、侵してはならない。 又は 第164条第3項 《3 第1項の規定にかかわらず、第3条及び…》 第4条の規定は同項各号に掲げる電気通信事業を営む者の取扱中に係る通信について、第27条の十二、第29条第2項第4号に係る部分に限る。、第157条の二、第166条第1項、第167条の二、第186条第3号 の通信たるものを除く。)の秘密は、侵してはならない。

10条 (審査請求の手続における意見の聴取)

1項 この法律又はこの法律に基づく命令の規定による総務大臣の処分又はその不作為についての審査請求に対する裁決は、 行政不服審査法 2014年法律第68号第24条 《審理手続を経ないでする却下裁決 前条の…》 場合において、審査請求人が同条の期間内に不備を補正しないときは、審査庁は、次節に規定する審理手続を経ないで、第45条第1項又は第49条第1項の規定に基づき、裁決で、当該審査請求を却下することができる。 の規定により当該審査請求を却下する場合を除き、当該審査請求をした者に対し、相当な期間を置いて予告した上、同法第11条第2項に規定する審理員が公開による意見の聴取をした後にしなければならない。

2項 前項の意見の聴取に際しては、当該審査請求をした者に対し、当該事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。

3項 第1項に規定する審査請求については、 行政不服審査法 第31条 《口頭意見陳述 審査請求人又は参加人の申…》 立てがあった場合には、審理員は、当該申立てをした者以下この条及び第41条第2項第2号において「申立人」という。に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない。 ただし、当該申 の規定は適用せず、同項の意見の聴取については、同条第2項から第5項までの規定を準用する。

11条 (準用規定)

1項 第5条 《技術基準 有線電気通信設備政令で定める…》 ものを除く。は、政令で定める技術基準に適合するものでなければならない。 2 前項の技術基準は、これにより次の事項が確保されるものとして定められなければならない。 1 有線電気通信設備は、他人の設置する第6条 《設備の検査等 総務大臣は、この法律の施…》 行に必要な限度において、有線電気通信設備を設置した者からその設備に関する報告を徴し、又はその職員に、その事務所、営業所、工場若しくは事業場に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類を検査させることができる。第7条第1項 《総務大臣は、有線電気通信設備を設置した者…》 に対し、その設備が第5条の技術基準に適合しないため他人の設置する有線電気通信設備に妨害を与え、又は人体に危害を及ぼし、若しくは物件に損傷を与えると認めるときは、その妨害、危害又は損傷の防止又は除去のた 及び前条の規定は、 有線電気通信 設備以外の設備であつて、送信の場所と受信の場所との間の線条その他の導体を利用して、電磁的方式により、信号を行うための設備に準用する。この場合において、 第6条第1項 《総務大臣は、この法律の施行に必要な限度に…》 おいて、有線電気通信設備を設置した者からその設備に関する報告を徴し、又はその職員に、その事務所、営業所、工場若しくは事業場に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類を検査させることができる。第7条第1項 《総務大臣は、有線電気通信設備を設置した者…》 に対し、その設備が第5条の技術基準に適合しないため他人の設置する有線電気通信設備に妨害を与え、又は人体に危害を及ぼし、若しくは物件に損傷を与えると認めるときは、その妨害、危害又は損傷の防止又は除去のた 及び前条中「総務大臣」とあるのは、「総務大臣(鉄道事業及び軌道事業の用に供する設備にあつては国土交通大臣、政令で定める設備にあつては政令で定める行政機関)」と読み替えるものとする。

12条 (国に対する適用)

1項 この法律の規定は、 第10条 《審査請求の手続における意見の聴取 この…》 法律又はこの法律に基づく命令の規定による総務大臣の処分又はその不作為についての審査請求に対する裁決は、行政不服審査法2014年法律第68号第24条の規定により当該審査請求を却下する場合を除き、当該審査 及び次条から 第18条 《 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人…》 、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。 までの規定を除き、国に適用があるものとする。この場合において、「許可」とあるのは、「承認」と読み替えるものとする。

13条 (罰則)

1項 有線電気通信 設備を損壊し、これに物品を接触し、その他有線電気通信設備の機能に障害を与えて有線電気通信を妨害した者は、5年以下の拘禁刑又は1,010,000円以下の罰金に処する。

2項 前項の未遂罪は、罰する。

14条

1項 第9条 《有線電気通信の秘密の保護 有線電気通信…》 電気通信事業法第4条第1項又は第164条第3項の通信たるものを除く。の秘密は、侵してはならない。 の規定に違反して 有線電気通信 の秘密を侵した者は、2年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金に処する。

2項 有線電気通信 の業務に従事する者が前項の行為をしたときは、3年以下の拘禁刑又は1,010,000円以下の罰金に処する。

3項 前2項の未遂罪は、罰する。

4項 前3項の罪は、 刑法 1907年法律第45号第4条の2 《条約による国外犯 第2条から前条までに…》 規定するもののほか、この法律は、日本国外において、第2編の罪であって条約により日本国外において犯したときであっても罰すべきものとされているものを犯したすべての者に適用する。 の例に従う。

15条

1項 営利を目的とする事業を営む者が、当該事業に関し、通話(音響又は影像を送り、又は受けることをいう。以下この条において同じ。)を行うことを目的とせずに多数の相手方に電話をかけて符号のみを受信させることを目的として、他人が設置した 有線電気通信 設備の使用を開始した後通話を行わずに直ちに当該有線電気通信設備の使用を終了する動作を自動的に連続して行う機能を有する電気通信を行う装置を用いて、当該機能により符号を送信したときは、1年以下の拘禁刑又は1,010,000円以下の罰金に処する。

16条

1項 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の拘禁刑又は210,000円以下の罰金に処する。

1号 第4条 《本邦外にわたる有線電気通信設備 本邦内…》 の場所と本邦外の場所との間の有線電気通信設備は、電気通信事業者がその事業の用に供する設備として設置する場合を除き、設置してはならない。 ただし、特別の事由がある場合において、総務大臣の許可を受けたとき の規定に違反して 有線電気通信 設備を設置した者

2号 第7条第1項 《総務大臣は、有線電気通信設備を設置した者…》 に対し、その設備が第5条の技術基準に適合しないため他人の設置する有線電気通信設備に妨害を与え、又は人体に危害を及ぼし、若しくは物件に損傷を与えると認めるときは、その妨害、危害又は損傷の防止又は除去のた 第11条 《準用規定 第5条、第6条、第7条第1項…》 及び前条の規定は、有線電気通信設備以外の設備であつて、送信の場所と受信の場所との間の線条その他の導体を利用して、電磁的方式により、信号を行うための設備に準用する。 この場合において、第6条第1項、第7 において準用する場合を含む。又は 第8条第1項 《総務大臣は、天災、事変その他の非常事態が…》 発生し、又は発生するおそれがあるときは、有線電気通信設備を設置した者に対し、災害の予防若しくは救援、交通、通信若しくは電力の供給の確保若しくは秩序の維持のために必要な通信を行い、又はこれらの通信を行う の規定による命令に違反した者

17条

1項 次の各号の1に該当する者は、110,000円以下の罰金に処する。

1号 第3条第1項 《有線電気通信設備を設置しようとする者は、…》 次の事項を記載した書類を添えて、設置の工事の開始の日の2週間前まで工事を要しないときは、設置の日から2週間以内に、その旨を総務大臣に届け出なければならない。 1 有線電気通信の方式の別 2 設備の設置 から第3項までの規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

2号 第6条第1項 《総務大臣は、この法律の施行に必要な限度に…》 おいて、有線電気通信設備を設置した者からその設備に関する報告を徴し、又はその職員に、その事務所、営業所、工場若しくは事業場に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類を検査させることができる。 第11条 《準用規定 第5条、第6条、第7条第1項…》 及び前条の規定は、有線電気通信設備以外の設備であつて、送信の場所と受信の場所との間の線条その他の導体を利用して、電磁的方式により、信号を行うための設備に準用する。 この場合において、第6条第1項、第7 において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

18条

1項 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。

《本則》 ここまで 附則 >  

国の法令検索サービス《E-Gov》の法令データ、法令APIを利用しています。