有線電気通信設備令《本則》

法番号:1953年政令第131号

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制定文 内閣は、 有線電気通信法 1953年法律第96号第11条第1項 《第5条、第6条、第7条第1項及び前条の規…》 定は、有線電気通信設備以外の設備であつて、送信の場所と受信の場所との間の線条その他の導体を利用して、電磁的方式により、信号を行うための設備に準用する。 この場合において、第6条第1項、第7条第1項及び 第19条 《有線電気通信設備の保安 有線電気通信設…》 備は、総務省令で定めるところにより、絶縁機能、避雷機能その他の保安機能をもたなければならない。 において準用する場合を含む。)の規定に基き、この政令を制定する。


1条 (定義)

1項 この政令及びこの政令に基づく命令の規定の解釈に関しては、次の定義に従うものとする。

1号 電線 :有線電気通信(送信の場所と受信の場所との間の線条その他の導体を利用して、電磁的方式により信号を行うことを含む。)を行うための導体(絶縁物又は保護物で被覆されている場合は、これらの物を含む。)であつて、強電流 電線 に重畳される通信回線に係るもの以外のもの

2号 絶縁 電線 :絶縁物のみで被覆されている電線

3号 ケーブル :光ファイバ並びに光ファイバ以外の絶縁物及び保護物で被覆されている 電線

4号 強電流 電線 :強電流電気の伝送を行うための導体(絶縁物又は保護物で被覆されている場合は、これらの物を含む。

5号 線路 :送信の場所と受信の場所との間に設置されている 電線 及びこれに係る中継器その他の機器(これらを支持し、又は保蔵するための工作物を含む。

6号 支持物 :電柱、支線、つり線その他 電線 又は 強電流電線 を支持するための工作物

7号 離隔距離 線路 と他の物体(線路を含む。)とが気象条件による位置の変化により最も接近した場合におけるこれらの物の間の距離

8号 音声周波 :周波数が二〇〇ヘルツを超え、三、五〇〇ヘルツ以下の電磁波

9号 高周波 :周波数が三、五〇〇ヘルツを超える電磁波

10号 絶対レベル :1の皮相電力の一ミリワツトに対する比をデシベルで表わしたもの

11号 平衡度 :通信回線の中性点と大地との間に起電力を加えた場合におけるこれらの間に生ずる電圧と通信回線の端子間に生ずる電圧との比をデシベルで表わしたもの

2条 (適用除外)

1項 有線電気通信法 第5条第1項 《有線電気通信設備政令で定めるものを除く。…》 は、政令で定める技術基準に適合するものでなければならない。同法第11条において準用する場合を含む。)の政令で定める有線電気通信設備は、 船舶安全法 1933年法律第11号第2条第1項 《船舶ハ左ニ掲グル事項ニ付国土交通省令漁船…》 ノミニ関スルモノニ付テハ国土交通省令・農林水産省令ノ定ムル所ニ依リ施設スルコトヲ要ス 1 船体 2 機関 3 帆装 4 排水設備 5 操舵、繋船及揚錨ノ設備 6 救命及消防ノ設備 7 居住設備 8 衛 の規定により船舶内に設置する有線電気通信設備(送信の場所と受信の場所との間の線条その他の導体を利用して、電磁的方式により、信号を行うための設備を含む。以下同じ。)とする。

2条の2 (使用可能な電線の種類)

1項 有線電気通信設備に使用する 電線 は、 絶縁電線 又は ケーブル でなければならない。ただし、総務省令で定める場合は、この限りでない。

3条 (通信回線の平衡度)

1項 通信回線(導体が光ファイバであるものを除く。以下同じ。)の 平衡度 は、一、〇〇〇ヘルツの交流において三四デシベル以上でなければならない。ただし、総務省令で定める場合は、この限りでない。

2項 前項の 平衡度 は、総務省令で定める方法により測定するものとする。

4条 (線路の電圧及び通信回線の電力)

1項 通信回線の 線路 の電圧は、一〇〇ボルト以下でなければならない。ただし、 電線 として ケーブル のみを使用するとき、又は人体に危害を及ぼし、若しくは物件に損傷を与えるおそれがないときは、この限りでない。

2項 通信回線の電力は、 絶対レベル で表わした値で、その周波数が 音声周波 であるときは、プラス一〇デシベル以下、 高周波 であるときは、プラス二〇デシベル以下でなければならない。ただし、総務省令で定める場合は、この限りでない。

5条 (架空電線の支持物)

1項 架空 電線 支持物 は、その架空電線が他人の設置した架空電線又は架空 強電流電線 と交差し、又は接近するときは、次の各号により設置しなければならない。ただし、その他人の承諾を得たとき、又は人体に危害を及ぼし、若しくは物件に損傷を与えないように必要な設備をしたときは、この限りでない。

1号 他人の設置した架空 電線 又は架空 強電流電線 を挟み、又はこれらの間を通ることがないようにすること。

2号 架空 強電流電線 当該架空 電線 支持物 に架設されるものを除く。)との間の 離隔距離 は、総務省令で定める値以上とすること。

6条

1項 道路上に設置する電柱、架空 電線 と架空 強電流電線 とを架設する電柱その他の総務省令で定める電柱は、総務省令で定める安全係数をもたなければならない。

2項 前項の安全係数は、その電柱に架設する物の重量、 電線 の不平均張力及び総務省令で定める風圧荷重が加わるものとして計算するものとする。

7条

1項 第5条第1号 《架空電線の支持物 第5条 架空電線の支持…》 物は、その架空電線が他人の設置した架空電線又は架空強電流電線と交差し、又は接近するときは、次の各号により設置しなければならない。 ただし、その他人の承諾を得たとき、又は人体に危害を及ぼし、若しくは物件 及び前条の規定は、次に掲げる 線路 であつて、 絶縁電線 又は ケーブル を使用するものについては、その設置の日から1月以内は、適用しない。

1号 天災、事変その他の非常事態が発生し、又は発生するおそれがある場合において、災害の予防若しくは救援、交通、通信若しくは電力の供給の確保又は秩序の維持に必要な通信を行うため設置する 線路

2号 警察事務を行う者がその事務に必要な緊急の通信を行うため設置する 線路

3号 自衛隊法 1954年法律第165号第2条第1項 《この法律において「自衛隊」とは、防衛大臣…》 、防衛副大臣、防衛大臣政務官、防衛大臣補佐官、防衛大臣政策参与及び防衛大臣秘書官並びに防衛省の事務次官及び防衛審議官並びに防衛省本省の内部部局、防衛大学校、防衛医科大学校、防衛会議、統合幕僚監部、情報 に規定する自衛隊がその業務に必要な緊急の通信を行うため設置する 線路

7条の2

1項 架空 電線 支持物 には、取扱者が昇降に使用する足場金具等を地表上1・8メートル未満の高さに取り付けてはならない。ただし、総務省令で定める場合は、この限りでない。

8条 (架空電線の高さ)

1項 架空 電線 の高さは、その架空電線が道路上にあるとき、鉄道又は軌道を横断するとき、及び河川を横断するときは、総務省令で定めるところによらなければならない。

9条 (架空電線と他人の設置した架空電線等との関係)

1項 架空 電線 は、他人の設置した架空電線との 離隔距離 が三〇センチメートル以下となるように設置してはならない。ただし、その他人の承諾を得たとき、又は設置しようとする架空電線(これに係る中継器その他の機器を含む。以下この条において同じ。)が、その他人の設置した架空電線に係る作業に支障を及ぼさず、かつ、その他人の設置した架空電線に損傷を与えない場合として総務省令で定めるときは、この限りでない。

10条

1項 架空 電線 は、他人の建造物との 離隔距離 が三〇センチメートル以下となるように設置してはならない。ただし、その他人の承諾を得たときは、この限りでない。

11条

1項 架空 電線 は、架空 強電流電線 と交差するとき、又は架空強電流電線との水平距離がその架空電線若しくは架空強電流電線の 支持物 のうちいずれか高いものの高さに相当する距離以下となるときは、総務省令で定めるところによらなければ、設置してはならない。

12条

1項 架空 電線 は、総務省令で定めるところによらなければ、架空 強電流電線 と同1の 支持物 に架設してはならない。

13条 (強電流電線に重畳される通信回線)

1項 強電流電線 に重畳される通信回線は、左の各号により設置しなければならない。

1号 重畳される部分とその他の部分とを安全に分離し、且つ、開閉できるようにすること。

2号 重畳される部分に異常電圧が生じた場合において、その他の部分を保護するため総務省令で定める保安装置を設置すること。

14条 (地中電線)

1項 地中 電線 は、地中 強電流電線 との 離隔距離 が三〇センチメートル(その地中強電流電線の電圧が七、〇〇〇ボルトを超えるものであるときは、六〇センチメートル)以下となるように設置するときは、総務省令で定めるところによらなければならない。

15条

1項 地中 電線 の金属製の被覆又は管路は、地中 強電流電線 の金属製の被覆又は管路と電気的に接続してはならない。但し、電気鉄道又は電気軌道の帰線から漏れる直流の電流による腐を防止するため接続する場合であつて、総務省令で定める設備をする場合は、この限りでない。

16条 (海底電線)

1項 海底 電線 は、他人の設置する海底電線又は海底 強電流電線 との水平距離が500メートル以下となるように設置してはならない。ただし、その他人の承諾を得たときは、この限りでない。

17条 (屋内電線)

1項 屋内 電線 光ファイバを除く。以下この条において同じ。)と大地との間及び屋内電線相互間の絶縁抵抗は、直流一〇〇ボルトの電圧で測定した値で、1メグオーム以上でなければならない。

18条

1項 屋内 電線 は、屋内 強電流電線 との 離隔距離 が三〇センチメートル以下となるときは、総務省令で定めるところによらなければ、設置してはならない。

19条 (有線電気通信設備の保安)

1項 有線電気通信設備は、総務省令で定めるところにより、絶縁機能、避雷機能その他の保安機能をもたなければならない。

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