国の債権の管理等に関する法律《本則》

法番号:1956年法律第114号

略称: 債権管理法

附則 >  

1章 総則

1条 (趣旨)

1項 この法律は、国の債権の管理の適正を期するため、その管理に関する事務の処理について必要な機関及び手続を整えるとともに、国の債権の内容の変更、免除等に関する一般的基準を設け、あわせて国の債権の発生の原因となる契約に関し、その内容とすべき基本的事項を定めるものとする。

2条 (定義)

1項 この法律において「国の債権」又は「債権」とは、金銭の給付を目的とする国の権利をいう。

2項 この法律において「 債権の管理に関する事務 」とは、国の債権について、債権者として行うべき保全、取立、内容の変更及び消滅に関する事務のうち次に掲げるもの以外のものをいう。

1号 国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律 1947年法律第194号)により法務大臣の権限に属する事項に関する事務

2号 法令の規定により滞納処分を執行する者が行うべき事務

3号 弁済の受領に関する事務

4号 金銭又は 物品管理法 1956年法律第113号第35条 《この法律の規定を準用する動産 この法律…》 第3条から第5条まで、第10条、第13条から第16条まで、第19条から第21条まで、第25条から第29条まで、第31条第2項、第34条、第37条及び第38条を除く。の規定は、物品以外の動産で国が保管す の規定により同法の規定を準用する動産の保管に関する事務

3項 この法律において「 各省各庁 」とは、財政法(1947年法律第34号)第21条に規定する 各省各庁 をいい、「各省各庁の長」とは、同法第20条第2項に規定する各省各庁の長をいう。

4項 この法律において「 歳入徴収官等 」とは、 各省各庁 の長、各省各庁の長以外の国の機関で他の法令の規定により 債権の管理に関する事務 を行なうべきこととされているもの又は 第5条第1項 《各省各庁の長は、政令で定めるところにより…》 、会計法第4条の2に規定する歳入徴収官、同法第24条に規定する支出官その他の職員で当該各省各庁又は他の各省各庁に所属するものに、当該各省各庁の所掌事務に係る債権の管理に関する事務他の法令の規定により各 若しくは第2項の規定により債権の管理に関する事務を行なう者をいう。

3条 (適用除外)

1項 この法律は、次に掲げる債権については、適用しない。ただし、当該債権のうち政令で定めるものについては、 第39条 《債権現在額報告書 各省各庁の長は、政令…》 で定めるところにより、当該各省各庁の所掌事務に係る債権の毎年度末における現在額政令で定める債権については、翌年度の4月30日までに消滅した額を除く。の報告書を作成し、翌年度の7月31日までに、財務大臣 及び 第40条 《国会への報告等 財務大臣は、前条の報告…》 書に基き、債権現在額総計算書を作成しなければならない。 2 内閣は、前項の債権現在額総計算書を前条の報告書とともに、翌年度の11月30日までに、会計検査院に送付しなければならない。 3 内閣は、第1項 の規定を適用する。

1号 罰金、科料、刑事追徴金、過料及び刑事訴訟費用並びにこれらに類する徴収金で政令で定めるものに係る債権

2号 証券に化体されている債権( 社債、株式等の振替に関する法律 2001年法律第75号)の規定により振替口座簿に記載され、又は記録されたものを含む。

3号 日本銀行に対する国の預金に係る債権その他 会計法 1947年法律第35号第38条 《 出納官吏とは、現金の出納保管を掌る職員…》 をいう。 出納官吏は、法令の定めるところにより、現金を出納保管しなければならない。 から 第40条 《 各省各庁の長は、特に必要があると認める…》 ときは、政令の定めるところにより、出納官吏、分任出納官吏及び出納官吏代理以外の職員に現金の出納保管の事務を取り扱わせることができる。 前項の規定により現金の出納保管の事務を取り扱う職員は、これを出納員 の二まで又は 第48条 《 国は、政令の定めるところにより、その歳…》 入、歳出、歳入歳出外現金、支出負担行為、支出負担行為の確認又は認証、契約支出負担行為に該当するものを除く。以下同じ。、繰越しの手続及び繰越明許費に係る翌年度にわたる債務の負担の手続に関する事務を、都道 の規定に基き金銭の出納保管の事務を行う者(以下「 現金出納職員 」という。)がその保管に係る金銭を預託した場合の預託金に係る債権

4号 保管金となるべき金銭の給付を目的とする債権

5号 寄附金に係る債権

6号 国税収納金整理資金に属する債権

7号 法律の規定により国が保有する資金(積立金を含む。)の運用により生ずる債権

8号 電子記録債権法 2007年法律第102号第2条第1項 《この法律において「電子記録債権」とは、そ…》 の発生又は譲渡についてこの法律の規定による電子記録以下単に「電子記録」という。を要件とする金銭債権をいう。 に規定する電子記録債権

2項 外国を債務者とする債権その他政令で定める債権については、政令で定めるところにより、この法律の一部を適用しないことができる。

4条 (他の法令との関係)

1項 債権の管理に関する事務 の処理については、他の法律又はこれに基く命令に特別の定がある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。

2章 債権の管理の機関

5条 (管理事務の実施)

1項 各省各庁 の長は、政令で定めるところにより、 会計法 第4条の2 《 各省各庁の長は、政令の定めるところによ…》 り、当該各省各庁所属の職員にその所掌の歳入の徴収に関する事務を委任することができる。 各省各庁の長は、必要があるときは、政令の定めるところにより、他の各省各庁所属の職員に前項の事務を委任することができ に規定する歳入徴収官、同法第24条に規定する支出官その他の職員で当該各省各庁又は他の各省各庁に所属するものに、当該各省各庁の所掌事務に係る 債権の管理に関する事務 他の法令の規定により各省各庁の長以外の国の機関が行うべきこととされているものを除く。)を行わせることができる。

2項 国は、政令で定めるところにより、都道府県の知事又は知事の指定する職員が前項の事務を行うこととすることができる。

3項 各省各庁 の長は、必要があるときは、政令で定めるところにより、当該各省各庁の所掌事務に係る 債権の管理に関する事務 で自ら行なうもの又は第1項の規定により当該各省各庁若しくは他の各省各庁に所属する職員が行なうものの一部をこれらの各省各庁に所属する他の職員に処理させることができる。

4項 前項の規定は、第2項の場合及び他の法令の規定により 各省各庁 の長以外の国の機関が 債権の管理に関する事務 を行なう場合について準用する。

5項 第2項の規定により都道府県が行うこととされる事務は、 地方自治法 1947年法律第67号第2条第9項第1号 《この法律において「法定受託事務」とは、次…》 に掲げる事務をいう。 1 法律又はこれに基づく政令により都道府県、市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち、国が本来果たすべき役割に係るものであつて、国においてその適正な処理を特に確保する必要 に規定する第1号法定受託事務とする。

6条から8条まで

1項 削除

9条 (管理事務の総括)

1項 財務大臣は、債権の管理の適正を期するため、債権の管理に関する制度を整え、 債権の管理に関する事務 の処理手続を統一し、及び当該事務の処理について必要な調整をするものとする。

2項 財務大臣は、債権の管理の適正を期するため必要があると認めるときは、 各省各庁 の長に対し、当該各省各庁の所掌事務に係る債権の内容及び当該 債権の管理に関する事務 の状況に関する報告を求め、又は当該事務について、当該職員をして実地監査を行わせ、若しくは閣議の決定を経て、必要な措置を求めることができる。

3章 債権の管理の準則

10条 (管理の基準)

1項 債権の管理に関する事務 は、法令の定めるところに従い、債権の発生原因及び内容に応じて、財政上もつとも国の利益に適合するように処理しなければならない。

11条 (帳簿への記載)

1項 歳入徴収官等 は、その所掌に属すべき債権が発生し、又は国に帰属したとき(政令で定める債権については、政令で定めるとき)は、政令で定める場合を除き、遅滞なく、債務者の住所及び氏名、債権金額並びに履行期限その他政令で定める事項を調査し、確認の上、これを帳簿に記載し、又は記録しなければならない。当該確認に係る事項について変更があつた場合も、また同様とする。

2項 歳入徴収官等 は、前項に規定するもののほか、政令で定めるところにより、その所掌に属する 債権の管理に関する事務 の処理につき必要な事項を帳簿に記載し、又は記録しなければならない。

12条 (発生等に関する通知)

1項 次の各号に掲げる者は、当該各号に掲げる場合には、遅滞なく、債権が発生し、又は国に帰属したことを、当該債権に係る 歳入徴収官等 に通知しなければならない。

1号 法令の規定に基き国のために債権が発生し、又は国に帰属する原因となる契約その他の行為をする者当該行為をしたとき(債権の発生又は帰属につき停止条件又は不確定の始期があるときは、当該行為に基き、条件の成就又は期限の到来により債権が発生し、又は国に帰属したとき。)。

2号 法令の規定に基き国のために支出負担行為(財政法第34条の2第1項に規定する支出負担行為をいう。以下同じ。)をする者当該支出負担行為の結果返納金に係る債権が発生したことを知つたとき。

3号 法令の規定に基き国のために契約をする者当該契約に関して債権が発生し、又は国に帰属したことを知つたとき(前2号に該当する場合を除く。)。

4号 現金出納職員 物品管理法 第8条 《物品管理官 各省各庁の長は、政令で定め…》 るところにより、当該各省各庁所属の職員に、その所管に属する物品の管理に関する事務を委任することができる。 2 各省各庁の長は、必要があるときは、政令で定めるところにより、他の各省各庁所属の職員に、前項 若しくは 第11条 《都道府県の行う事務 国は、政令で定める…》 ところにより、物品の管理に関する事務第39条の規定による検査を含む。次項において同じ。を都道府県の知事又は知事の指定する職員が行うこととすることができる。 2 前項の規定により都道府県が行う物品の管理 の規定に基き物品の管理に関する事務を行う者(同法第10条若しくは 第11条 《帳簿への記載 歳入徴収官等は、その所掌…》 に属すべき債権が発生し、又は国に帰属したとき政令で定める債権については、政令で定めるときは、政令で定める場合を除き、遅滞なく、債務者の住所及び氏名、債権金額並びに履行期限その他政令で定める事項を調査し の規定に基き当該物品の供用に関する事務を行う者があるときは、その者又は 国有財産法 1948年法律第73号第9条第1項 《各省各庁の長は、その所管に属する国有財産…》 に関する事務の一部を、部局等の長に分掌させることができる。 若しくは第3項の規定に基き国有財産に関する事務を行う者その取扱に係る財産に関して債権が発生したことを知つたとき(前各号に該当する場合を除く。)。

13条 (納入の告知及び督促)

1項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権(申告納付に係る債権その他の政令で定める債権を除く。)について、履行を請求するため、 会計法 第6条 《 歳入徴収官は、歳入を徴収するときは、こ…》 れを調査決定し、政令で定めるものを除き、債務者に対して納入の告知をしなければならない。 の規定によるもののほか、政令で定めるところにより、債務者に対して納入の告知をしなければならない。

2項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権について、その全部又は一部が前項に規定する納入の告知で指定された期限(納入の告知を要しない債権については、履行期限)を経過してもなお履行されていない場合には、債務者に対してその履行を督促しなければならない。

14条 (納付の委託)

1項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権で履行期限を経過してもなおその全部又は一部が履行されていないものについて、債務者が証券をもつてする歳入納付に関する法律(1916年法律第10号)により歳入の納付に使用することができる証券以外の有価証券を提供して、その取立て及び取り立てた金銭による当該債権に係る弁済金の納付の委託を申し出た場合には、その証券が最近において確実に取り立てることができるものであり、かつ、その委託に応ずることが徴収上有利であると認められるときに限り、政令で定めるところにより、その委託に応ずることができる。この場合において、その証券の取立てにつき費用を要するときは、その委託をしようとする者から当該費用の額に相当する金額をあわせて提供させなければならない。

2項 歳入徴収官等 は、前項の委託があつた場合において、必要があるときは、確実と認める金融機関に当該証券の取立て及び納付の再委託をすることができる。

15条 (強制履行の請求等)

1項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権(国税徴収又は国税滞納処分の例によつて徴収する債権その他政令で定める債権を除く。)で履行期限を経過したものについて、その全部又は一部が 第13条第2項 《2 歳入徴収官等は、その所掌に属する債権…》 について、その全部又は一部が前項に規定する納入の告知で指定された期限納入の告知を要しない債権については、履行期限を経過してもなお履行されていない場合には、債務者に対してその履行を督促しなければならない の規定による督促があつた後、相当の期間を経過してもなお履行されない場合には、次に掲げる措置をとらなければならない。ただし、 第21条第1項 《歳入徴収官等は、その所掌に属する債権国税…》 徴収又は国税滞納処分の例によつて徴収する債権その他政令で定める債権を除く。次項において同じ。で履行期限履行期限の定めのない債権にあつては、第11条第1項前段の規定による記載又は記録をした日後相当の期間 の措置をとる場合又は 第24条第1項 《歳入徴収官等は、その所掌に属する債権国税…》 徴収又は国税滞納処分の例によつて徴収する債権その他政令で定める債権を除く。について、他の法律に基く場合のほか、次の各号の1に該当する場合に限り、政令で定めるところにより、その履行期限を延長する特約又は の規定により履行期限を延長する場合(他の法律の規定に基きこれらに準ずる措置をとる場合を含む。)その他 各省各庁 の長が財務大臣と協議して定める特別の事情がある場合は、この限りでない。

1号 担保の附されている債権(保証人の保証がある債権を含む。以下同じ。)については、当該債権の内容に従い、その担保を処分し、若しくは法務大臣に対して競売その他の担保権の実行の手続をとることを求め、又は保証人に対して履行を請求すること。

2号 債務名義のある債権(次号の措置により債務名義を取得したものを含む。)については、法務大臣に対し、強制執行の手続をとることを求めること。

3号 前2号に該当しない債権(第1号に該当する債権で同号の措置をとつてなお履行されないものを含む。)については、法務大臣に対し、訴訟手続(非訟事件の手続を含む。)により履行を請求することを求めること。

16条 (履行期限の繰上)

1項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権について履行期限を繰り上げることができる理由が生じたときは、遅滞なく、 第13条第1項 《歳入徴収官等は、その所掌に属する債権申告…》 納付に係る債権その他の政令で定める債権を除く。について、履行を請求するため、会計法第6条の規定によるもののほか、政令で定めるところにより、債務者に対して納入の告知をしなければならない。 の措置をとらなければならない。ただし、 第24条第1項 《歳入徴収官等は、その所掌に属する債権国税…》 徴収又は国税滞納処分の例によつて徴収する債権その他政令で定める債権を除く。について、他の法律に基く場合のほか、次の各号の1に該当する場合に限り、政令で定めるところにより、その履行期限を延長する特約又は 各号の1に該当する場合その他特に支障がある場合は、この限りでない。

17条 (債権の申出)

1項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権について、次に掲げる理由が生じたことを知つた場合において、法令の規定により国が債権者として配当の要求その他債権の申出をすることができるときは、直ちに、そのための措置をとらなければならない。

1号 債務者が強制執行を受けたこと。

2号 債務者が租税その他の公課について滞納処分を受けたこと。

3号 債務者の財産について競売の開始があつたこと。

4号 債務者が破産手続開始の決定を受けたこと。

5号 債務者の財産について企業担保権の実行手続の開始があつたこと。

6号 債務者の財産について企業価値担保権の実行手続の開始があつたこと。

7号 債務者である法人が解散したこと。

8号 債務者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたこと。

9号 第4号から前号までに定める場合のほか、債務者の総財産についての清算が開始されたこと。

18条 (その他の保全措置)

1項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権を保全するため、法令又は契約の定めるところに従い、債務者に対し、担保の提供若しくは保証人の保証を求め、又は必要に応じ増担保の提供若しくは保証人の変更その他担保の変更を求めなければならない。

2項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権を保全するため必要があるときは、法務大臣に対し、仮差押又は仮処分の手続をとることを求めなければならない。

3項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権を保全するため必要がある場合において、法令の規定により国が債権者として債務者に属する権利を行うことができるときは、債務者に代位して当該権利を行うため必要な措置をとらなければならない。

4項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権について、債務者が国の利益を害する行為をしたことを知つた場合において、法令の規定により国が債権者として当該行為の取消を求めることができるときは、遅滞なく、法務大臣に対し、その取消を裁判所に請求することを求めなければならない。

5項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権が時効によつて消滅することとなるおそれがあるときは、時効を更新するため必要な措置をとらなければならない。

19条 (担保の保全)

1項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権について担保が提供されたときは、遅滞なく、担保権の設定について、登記、登録その他の第三者に対抗することができる要件を備えるため必要な措置をとらなければならない。

20条 (担保及び証拠物件等の保存)

1項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権について、国が債権者として占有すべき金銭以外の担保物(債務者に属する権利を代位して行うことにより受領する物を含む。以下この条において同じ。及びもつぱら債権又は債権の担保に係る事項の立証に供すべき書類その他の物件を、善良な管理者の注意をもつて、整備し、かつ、保存しなければならない。

2項 前項の場合において、有価証券の取扱は、 会計法 及びこれに基く命令の定めるところによる。

3項 第1項の場合において、担保物が 物品管理法 第35条 《この法律の規定を準用する動産 この法律…》 第3条から第5条まで、第10条、第13条から第16条まで、第19条から第21条まで、第25条から第29条まで、第31条第2項、第34条、第37条及び第38条を除く。の規定は、物品以外の動産で国が保管す の規定により同法の規定を準用する動産であるときは、同法第9条又は 第11条 《帳簿への記載 歳入徴収官等は、その所掌…》 に属すべき債権が発生し、又は国に帰属したとき政令で定める債権については、政令で定めるときは、政令で定める場合を除き、遅滞なく、債務者の住所及び氏名、債権金額並びに履行期限その他政令で定める事項を調査し の規定に基き物品の保管に関する事務を行う者がこれを保管するものとし、同法第23条の出納命令は、 歳入徴収官等 が行うものとする。

21条 (徴収停止)

1項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権(国税徴収又は国税滞納処分の例によつて徴収する債権その他政令で定める債権を除く。次項において同じ。)で履行期限(履行期限の定めのない債権にあつては、 第11条第1項 《歳入徴収官等は、その所掌に属すべき債権が…》 発生し、又は国に帰属したとき政令で定める債権については、政令で定めるときは、政令で定める場合を除き、遅滞なく、債務者の住所及び氏名、債権金額並びに履行期限その他政令で定める事項を調査し、確認の上、これ 前段の規定による記載又は記録をした日)後相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて、次の各号の1に該当し、これを履行させることが著しく困難又は不適当であると認められるときは、政令で定めるところにより、以後当該債権について、保全及び取立に関する事務(前条に規定するものを除く。)をすることを要しないものとして整理することができる。

1号 法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込が全くなく、かつ、差し押えることができる財産の価額が強制執行の費用をこえないと認められる場合(当該法人の債務につき弁済の責に任ずべき他の者があり、その者について次号に掲げる事情がない場合を除く。

2号 債務者の所在が不明であり、かつ、差し押えることができる財産の価額が強制執行の費用をこえないと認められる場合その他これに類する政令で定める場合

3号 債権金額が少額で、取立に要する費用に満たないと認められる場合

2項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権について、 第11条第1項 《歳入徴収官等は、その所掌に属すべき債権が…》 発生し、又は国に帰属したとき政令で定める債権については、政令で定めるときは、政令で定める場合を除き、遅滞なく、債務者の住所及び氏名、債権金額並びに履行期限その他政令で定める事項を調査し、確認の上、これ 前段の規定による記載又は記録をした後相当の期間を経過してもなおその債務者が明らかでなく、かつ、将来これを取り立てることができる見込みがないと認められるときは、政令で定めるところにより、前項の措置をとることができる。

3項 歳入徴収官等 は、前2項の措置をとつた後、事情の変更等によりその措置を維持することが不適当となつたことを知つたときは、直ちに、その措置を取りやめなければならない。

22条 (相殺等)

1項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権について、法令の規定により当該債権と相殺し、又はこれに充当することができる国の債務があることを知つたときは、直ちに、当該債務に係る支払事務担当職員( 会計法 第24条 《 各省各庁の長は、政令の定めるところによ…》 り、当該各省各庁所属の職員に、その所掌に属する歳出金を支出するための小切手の振出又は国庫金振替書若しくは支払指図書の交付に関する事務を委任することができる。 各省各庁の長は、必要があるときは、政令の定 に規定する支出官その他の法令の規定により国の支払事務を行う者をいう。以下同じ。)に対し、相殺又は充当をすべきことを請求しなければならない。

2項 支払事務担当職員は、その所掌に属する支払金に係る債務について、前項の請求があつたときその他法令の規定により当該債務と相殺し、又はこれを充当することができる国の債権があることを知つたときは、政令で定める場合を除き、遅滞なく、相殺又は充当をするとともに、その旨を当該債権に係る 歳入徴収官等 に通知しなければならない。

3項 歳入徴収官等 は、前項の通知を受けた場合を除き、その所掌に属する債権と国の債務との間に相殺が行われたことを知つたときは、直ちに、その旨を当該債務に係る支払事務担当職員に通知しなければならない。

23条 (消滅に関する通知)

1項 法令の規定に基き国のために弁済の受領をする者、 第12条第1号 《発生等に関する通知 第12条 次の各号に…》 掲げる者は、当該各号に掲げる場合には、遅滞なく、債権が発生し、又は国に帰属したことを、当該債権に係る歳入徴収官等に通知しなければならない。 1 法令の規定に基き国のために債権が発生し、又は国に帰属する に掲げる者その他政令で定める者は、 会計法 第47条第2項 《出納官吏、出納員及び日本銀行は、政令の定…》 めるところにより、その出納した歳入金又は歳出金について、歳入徴収官又は支出官に報告しなければならない。 の規定によるもののほか、政令で定めるところにより、その職務上債権が消滅したことを知つたときは、遅滞なく、その旨を当該債権に係る 歳入徴収官等 に通知しなければならない。

4章 債権の内容の変更、免除等

24条 (履行延期の特約等をすることができる場合)

1項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権(国税徴収又は国税滞納処分の例によつて徴収する債権その他政令で定める債権を除く。)について、他の法律に基く場合のほか、次の各号の1に該当する場合に限り、政令で定めるところにより、その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において、当該債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。

1号 債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。

2号 債務者が当該債務の全部を1時に履行することが困難であり、かつ、その現に有する資産の状況により、履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。

3号 債務者について災害、盗難その他の事故が生じたことにより、債務者が当該債務の全部を1時に履行することが困難であるため、履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。

4号 契約に基く債権について、債務者が当該債務の全部を1時に履行することが困難であり、かつ、所定の履行期限によることが公益上著しい支障を及ぼすこととなるおそれがあるとき。

5号 損害賠償金又は不当利得による返還金に係る債権について、債務者が当該債務の全部を1時に履行することが困難であり、かつ、弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。

6号 貸付金に係る債権について、債務者が当該貸付金の使途に従つて第三者に貸付を行つた場合において、当該第三者に対する貸付金に関し、第1号から第4号までの1に該当する理由があることその他特別の事情により、当該第三者に対する貸付金の回収が著しく困難であるため、当該債務者がその債務の全部を1時に履行することが困難であるとき。

2項 歳入徴収官等 は、履行期限後においても、前項の規定により履行期限を延長する特約又は処分(以下「 履行延期の特約等 」という。)をすることができる。この場合においては、既に発生した延滞金(履行の遅滞に係る損害賠償金その他の徴収金をいう。以下同じ。)に係る債権は、徴収すべきものとする。

3項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権で分割して弁済させることとなつているものにつき 履行延期の特約等 をする場合において、特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該履行期限後に弁済することとなつている金額に係る履行期限をもあわせて延長することとすることができる。

25条 (履行期限を延長する期間)

1項 歳入徴収官等 は、 履行延期の特約等 をする場合には、履行期限(履行期限後に履行延期の特約等をする場合には、当該履行延期の特約等をする日)から5年(前条第1項第1号又は第6号に該当する場合には、10年)以内において、その延長に係る履行期限を定めなければならない。ただし、さらに履行延期の特約等をすることを妨げない。

26条 (履行延期の特約等に係る措置)

1項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権について 履行延期の特約等 をする場合には、政令で定めるところにより、担保を提供させ、かつ、利息を附するものとする。ただし、 第24条第1項第1号 《歳入徴収官等は、その所掌に属する債権国税…》 徴収又は国税滞納処分の例によつて徴収する債権その他政令で定める債権を除く。について、他の法律に基く場合のほか、次の各号の1に該当する場合に限り、政令で定めるところにより、その履行期限を延長する特約又は に該当する場合、当該債権が 第33条第3項 《3 国が設置する教育施設の授業料に係る債…》 権その他政令で定める国の債権及びこれらに係る延滞金については、弁済金額の合計額が当該債権の金額の全部に相当する金額に達することとなつた場合には、政令で定めるところにより、その時までに付される延滞金の額 に規定する債権に該当する場合その他政令で定める場合には、政令で定めるところにより、担保の提供を免除し、又は利息を附さないことができる。

2項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する債権(債務名義のあるものを除く。)について 履行延期の特約等 をする場合には、政令で定める場合を除き、当該債権について債務名義を取得するため必要な措置をとらなければならない。

27条 (履行延期の特約等に附する条件)

1項 歳入徴収官等 は、 履行延期の特約等 をする場合には、次に掲げる趣旨の条件を附するものとする。

1号 当該債権の保全上必要があるときは、債務者又は保証人に対し、その業務又は資産の状況に関して、質問し、帳簿書類その他の物件を調査し、又は参考となるべき報告若しくは資料の提出を求めること。

2号 次の場合には、当該債権の全部又は一部について、当該延長に係る履行期限を繰り上げることができること。

債務者が国の不利益にその財産を隠し、そこない、若しくは処分したとき、若しくはこれらのおそれがあると認められるとき、又は虚偽に債務を負担する行為をしたとき。

当該債権の金額を分割して履行期限を延長する場合において、債務者が分割された弁済金額についての履行を怠つたとき。

第17条 《債権の申出 歳入徴収官等は、その所掌に…》 属する債権について、次に掲げる理由が生じたことを知つた場合において、法令の規定により国が債権者として配当の要求その他債権の申出をすることができるときは、直ちに、そのための措置をとらなければならない。 各号の1に掲げる理由が生じたとき。

債務者が第1号の条件その他の当該 履行延期の特約等 に附された条件に従わないとき。

その他債務者の資力の状況その他の事情の変化により当該延長に係る履行期限によることが不適当となつたと認められるとき。

28条 (履行延期の特約等に代わる和解)

1項 歳入徴収官等 は、前4条の規定により 履行延期の特約等 をしようとする場合において、 民事訴訟法 1996年法律第109号第275条 《訴え提起前の和解 民事上の争いについて…》 は、当事者は、請求の趣旨及び原因並びに争いの実情を表示して、相手方の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所に和解の申立てをすることができる。 2 前項の和解が調わない場合において、和解の期日に出頭した の和解によることを相当と認めるときは、法務大臣に対し、その手続をとることを求めるものとする。

29条 (市場金利の低下による利率の引下)

1項 歳入徴収官等 は、その所掌に属する貸付金に係る債権その他の契約に基く債権に係る利息(延滞金を含む。)で、その利率(延滞金の計算の基準となつている割合を含む。以下この条において同じ。)が一般金融市場における金利に即して定められたものについて、当該金利が低下したことにより、その利率を維持することが不適当となつたときは、これを是正するため必要な限度において、その利率を引き下げる特約をすることができる。

30条 (更生計画案等についての同意)

1項 法務大臣は、国の債権について、 民事再生法 1999年法律第225号)の規定により決議に付された若しくは付されるべき再生計画案若しくは変更計画案(同意再生の場合にあつては裁判所に提出された再生計画案又は 会社更生法 2002年法律第154号)若しくは 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律 1996年法律第95号)の規定により決議に付された更生計画案若しくは変更計画案がこれらの法律の規定に違反しないものであり、かつ、その内容が債務者が遂行することができる範囲内において国の不利益を最少限度にするように定められていると認められる場合に限り、これに同意することができる。

31条 (和解等)

1項 法務大臣は、国の債権について、この法律その他の法令の規定により認められた内容によるほか、法律上の争いがある場合においては、その争いを解決するためやむを得ず、かつ、国にとつて当該債権の徴収上有利と認められる範囲内において、裁判上の 和解 以下「 和解 」という。)をし、民事 調停 法(1951年法律第222号)若しくは 労働審判法 2004年法律第45号)による調停(以下「 調停 」という。)に応じ、又は同法第21条第1項の規定による異議の申立てをしないことができる。ただし、債権の性質がこれに適しない場合は、この限りでない。

32条 (免除)

1項 歳入徴収官等 は、債務者が無資力又はこれに近い状態にあるため 履行延期の特約等 和解 調停 又は労働審判( 労働審判法 第20条 《労働審判 労働審判委員会は、審理の結果…》 認められる当事者間の権利関係及び労働審判手続の経過を踏まえて、労働審判を行う。 2 労働審判においては、当事者間の権利関係を確認し、金銭の支払、物の引渡しその他の財産上の給付を命じ、その他個別労働関係 の規定による労働審判をいう。 第38条第3項 《3 法務大臣は、第30条の同意をするとき…》 、第31条の規定により和解をし、調停に応じ、若しくは労働審判法第21条第1項の規定による異議の申立てをしないとき、又は和解、調停若しくは労働審判によつて第1項第2号から第4号までに規定する行為に準ずる において同じ。)によつてする履行期限の延長で当該履行延期の特約等に準ずるものを含む。以下この条において同じ。)をした債権について、当初の履行期限(当初の履行期限後に履行延期の特約等をした場合は、最初に履行延期の特約等をした日)から10年を経過した後において、なお債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができることとなる見込みがないと認められる場合には、当該債権並びにこれに係る延滞金及び利息を免除することができる。

2項 前項の規定は、 第24条第1項第6号 《歳入徴収官等は、その所掌に属する債権国税…》 徴収又は国税滞納処分の例によつて徴収する債権その他政令で定める債権を除く。について、他の法律に基く場合のほか、次の各号の1に該当する場合に限り、政令で定めるところにより、その履行期限を延長する特約又は に掲げる理由により 履行延期の特約等 をした貸付金に係る債権で、同号に規定する第三者が無資力又はこれに近い状態にあることに基いて当該履行延期の特約等をしたものについて準用する。この場合における免除については、債務者が当該第三者に対する貸付金について免除をすることを条件としなければならない。

3項 歳入徴収官等 は、 履行延期の特約等 をした債権につき延納利息( 第26条第1項 《歳入徴収官等は、その所掌に属する債権につ…》 いて履行延期の特約等をする場合には、政令で定めるところにより、担保を提供させ、かつ、利息を附するものとする。 ただし、第24条第1項第1号に該当する場合、当該債権が第33条第3項に規定する債権に該当す 本文の規定による利息をいう。以下同じ。)を附した場合において、債務者が当該債権の金額の全部に相当する金額をその延長された履行期限内に弁済したときは、当該債権及び延納利息については、債務者の資力の状況によりやむを得ない事情があると認められる場合に限り、当該延納利息の全部又は一部に相当する金額を免除することができる。

33条 (延滞金に関する特則)

1項 国の債権(利息を附することとなつている債権及び特別の法律において延滞金に関する定のある債権を除く。以下この条において同じ。)に係る延滞金は、履行期限内に弁済されなかつた当該債権の金額が1,000円未満である場合には、附さない。

2項 国の債権及びこれに係る延滞金については、弁済金額の合計額が当該債権の金額の全部に相当する金額に達することとなつた場合において、その時までに附される延滞金の額(その時までに徴収した金額を含む。以下この条において同じ。)が100円未満であるときは、当該延滞金の額に相当する金額を免除することができる。

3項 国が設置する教育施設の授業料に係る債権その他政令で定める国の債権及びこれらに係る延滞金については、弁済金額の合計額が当該債権の金額の全部に相当する金額に達することとなつた場合には、政令で定めるところにより、その時までに付される延滞金の額に相当する金額の全部又は一部を免除することができる。

5章 債権に関する契約等の内容

34条 (債権に関する契約等の内容)

1項 法令の規定に基き国のために契約その他の債権の発生に関する行為をすべき者(以下「 契約等担当職員 」という。)は、当該債権の内容を定めようとするときは、法律又はこれに基く命令で定められた事項を除くほか、債権の減免及び履行期限の延長に関する事項についての定をしてはならない。

35条

1項 契約等担当職員 は、債権の発生の原因となる契約について、その内容を定めようとする場合には、契約書の作成を省略することができる場合その他政令で定める場合を除き、次に掲げる事項についての定をしなければならない。ただし、当該事項について他の法令に規定がある場合は、その事項については、この限りでない。

1号 債務者は、履行期限までに債務を履行しないときは、延滞金として一定の基準により計算した金額を国に納付しなければならないこと。

2号 分割して弁済させることとなつている債権について、債務者が分割された弁済金額についての履行を怠つたときは、当該債権の全部又は一部について、履行期限を繰り上げることができること。

3号 担保の附されている債権について、担保の価額が減少し、又は保証人を不適当とする事情が生じたときは、債務者は、国の請求に応じ、増担保の提供又は保証人の変更その他担保の変更をしなければならないこと。

4号 当該債権の保全上必要があるときは、債務者又は保証人に対し、その業務又は資産の状況に関して、質問し、帳簿書類その他の物件を調査し、又は参考となるべき報告若しくは資料の提出を求めること。

5号 債務者が前号に掲げる事項についての定に従わないときは、当該債権の全部又は一部について、履行期限を繰り上げることができること。

36条

1項 前条の場合において、当該債権が国の貸付金(使途の特定しないものを除く。)に係るものであるときは、 契約等担当職員 は、同条各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項についての定をするものとする。

1号 債務者は、当該貸付金を他の使途に使用してはならないこと、又は当該貸付金を他の使途に使用する場合には、 各省各庁 の長(その委任を受けた者を含む。以下この条において同じ。)の承認を受けなければならないこと。

2号 債務者は、当該貸付金の貸付の対象である事務又は事業(以下「 貸付事業等 」という。)に要する経費の配分その他 貸付事業等 の内容で、当該契約で特に定めるもの(以下単に「貸付事業等の内容」という。)の変更をする場合には、 各省各庁 の長の承認を受けなければならないこと。

3号 債務者は、 貸付事業等 を中止し、又は廃止する場合には、 各省各庁 の長の承認を受けなければならないこと。

4号 債務者は、 貸付事業等 が予定の期間内に完了しない場合又は貸付事業等の遂行が困難となつた場合には、すみやかに 各省各庁 の長に報告して、その指示に従わなければならないこと。

5号 債務者は、 貸付事業等 により取得し、又は効用の増加した財産で、当該貸付の契約で定めるものを、当該契約で定める期間内に、貸付の目的に反して使用し、処分し、又は担保に供する場合(債務者がその債務の全部を履行した場合を除く。)には、 各省各庁 の長の承認を受けなければならないこと。

6号 債務者は、当該貸付の契約で定めるところにより、 貸付事業等 の遂行の状況に関し、 各省各庁 の長に報告しなければならないこと。

7号 債務者は、 貸付事業等 が完了した場合(貸付事業等の廃止の承認を受けた場合を含む。)には、当該貸付の契約で定めるところにより、貸付事業等の成果を記載し、又は記録した実績報告を 各省各庁 の長に提出しなければならないこと。

8号 債務者は、 各省各庁 の長により前号に規定する実績報告に係る 貸付事業等 の成果が当該貸付金の貸付の目的及び貸付事業等の内容に適合していないと認められた場合には、その指示に従わなければならないこと。

9号 第4号又は前号に規定する指示による場合のほか、次に掲げる場合には、当該債権の全部又は一部について、履行期限を繰り上げることができること。

債務者が前各号に掲げる事項についての定に従わないとき。

債務者が当該貸付の契約で定める期間内に貸付金を貸付の目的に従つて使用しないとき。

その他債務者が当該貸付の契約の定に従つて誠実に 貸付事業等 を遂行しないとき。

10号 債務者は、第4号若しくは第8号に規定する指示により、又は前号の規定により履行期限を繰り上げられたときは、政令で定める金額の範囲内で、一定の基準により計算した金額を国に納付しなければならないこと。

11号 債務者は、国の貸付金をその財源の全部又は一部とし、かつ、当該貸付金の貸付の使途に従つて第三者に貸付金(使途の特定しないものを除く。)の貸付を行う場合には、当該貸付の契約において、第1号から第9号までに掲げる事項に準ずる定をしなければならないこと。

37条

1項 前2条の規定は、 契約等担当職員 が、これらの規定に定めるもののほか、必要な定をすることを妨げるものではない。

6章 雑則

38条 (財務大臣への協議等)

1項 歳入徴収官等 は、次の各号に掲げる場合には、あらかじめ、 各省各庁 の長の承認を受けなければならない。ただし、各省各庁の長が財務大臣と協議して定めた基準により当該各号に規定する行為をする場合は、この限りでない。

1号 第21条第1項 《歳入徴収官等は、その所掌に属する債権国税…》 徴収又は国税滞納処分の例によつて徴収する債権その他政令で定める債権を除く。次項において同じ。で履行期限履行期限の定めのない債権にあつては、第11条第1項前段の規定による記載又は記録をした日後相当の期間 又は第2項の措置をとる場合

2号 履行延期の特約等 をする場合

3号 第29条 《市場金利の低下による利率の引下 歳入徴…》 収官等は、その所掌に属する貸付金に係る債権その他の契約に基く債権に係る利息延滞金を含む。で、その利率延滞金の計算の基準となつている割合を含む。以下この条において同じ。が一般金融市場における金利に即して の規定により利率を引き下げる特約をする場合

4号 第32条 《免除 歳入徴収官等は、債務者が無資力又…》 はこれに近い状態にあるため履行延期の特約等和解、調停又は労働審判労働審判法第20条の規定による労働審判をいう。第38条第3項において同じ。によつてする履行期限の延長で当該履行延期の特約等に準ずるものを の規定による免除をする場合

2項 各省各庁 の長は、前項各号に規定する行為をし、又は同項の承認をするときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。ただし、あらかじめ財務大臣と協議して定めた基準によつて行う場合は、この限りでない。

3項 法務大臣は、 第30条 《更生計画案等についての同意 法務大臣は…》 、国の債権について、民事再生法1999年法律第225号の規定により決議に付された若しくは付されるべき再生計画案若しくは変更計画案同意再生の場合にあつては裁判所に提出された再生計画案又は会社更生法200 の同意をするとき、 第31条 《和解等 法務大臣は、国の債権について、…》 この法律その他の法令の規定により認められた内容によるほか、法律上の争いがある場合においては、その争いを解決するためやむを得ず、かつ、国にとつて当該債権の徴収上有利と認められる範囲内において、裁判上の和 の規定により 和解 をし、 調停 に応じ、若しくは 労働審判法 第21条第1項 《当事者は、労働審判に対し、前条第4項の規…》 定による電子審判書の送達又は同条第6項の規定による労働審判の告知を受けた日から2週間の不変期間内に、裁判所に異議の申立てをすることができる。 の規定による異議の申立てをしないとき、又は和解、調停若しくは労働審判によつて第1項第2号から第4号までに規定する行為に準ずる行為をするときは、あらかじめ、財務大臣の意見を求めなければならない。ただし、あらかじめ財務大臣と協議して定めた基準によつて行う場合は、この限りでない。

39条 (債権現在額報告書)

1項 各省各庁 の長は、政令で定めるところにより、当該各省各庁の所掌事務に係る債権の毎年度末における現在額(政令で定める債権については、翌年度の4月30日までに消滅した額を除く。)の報告書を作成し、翌年度の7月31日までに、財務大臣に送付しなければならない。

40条 (国会への報告等)

1項 財務大臣は、前条の報告書に基き、債権現在額総計算書を作成しなければならない。

2項 内閣は、前項の債権現在額総計算書を前条の報告書とともに、翌年度の11月30日までに、会計検査院に送付しなければならない。

3項 内閣は、第1項の債権現在額総計算書に基き、毎年度末における国の債権の現在額について、当該年度の歳入歳出決算の提出とともに、国会に報告しなければならない。

40条の2 (電磁的記録による作成)

1項 この法律又はこの法律に基づく命令の規定により作成することとされている報告書等(報告書、債権現在額総計算書その他文字、図形その他の人の知覚によつて認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。次条において同じ。)については、当該報告書等に記載すべき事項を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして財務大臣が定めるものをいう。同条第1項において同じ。)の作成をもつて、当該報告書等の作成に代えることができる。この場合において、当該電磁的記録は、当該報告書等とみなす。

40条の3 (電磁的方法による提出)

1項 この法律又はこの法律に基づく命令の規定による報告書等の提出については、当該報告書等が電磁的記録で作成されている場合には、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて財務大臣が定めるものをいう。次項において同じ。)をもつて行うことができる。

2項 前項の規定により報告書等の提出が電磁的方法によつて行われたときは、当該報告書等の提出を受けるべき者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該提出を受けるべき者に到達したものとみなす。

41条 (政令への委任)

1項 この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

《本則》 ここまで 附則 >  

国の法令検索サービス《E-Gov》の法令データ、法令APIを利用しています。