非常勤消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令《本則》

法番号:1956年政令第335号

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制定文 内閣は、 消防組織法 1947年法律第226号第15条 《消防職員の任命 消防長は、市町村長が任…》 命し、消防長以外の消防職員は、市町村長の承認を得て消防長が任命する。 2 消防長及び消防署長は、これらの職に必要な消防に関する知識及び経験を有する者の資格として市町村の条例で定める資格を有する者でなけ の四及び 消防法 1948年法律第186号第36条の2 《 市町村は、人口その他の条件を考慮して総…》 務省令で定める基準に従い、この法律の規定による人命の救助を行うため必要な特別の救助器具を装備した消防隊を配置するものとする。 の規定に基き、この政令を制定する。


1条 (損害補償の種類)

1項 消防組織法 第24条第1項 《消防団員で非常勤のものが公務により死亡し…》 、負傷し、若しくは疾病にかかり、又は公務による負傷若しくは疾病により死亡し、若しくは障害の状態となつた場合においては、市町村は、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、その消防団員又はその者の の規定による非常勤消防団員に係る損害補償及び 消防法 第36条の3 《 第25条第2項第36条第8項において準…》 用する場合を含む。又は第29条第5項第30条の二及び第36条第8項において準用する場合を含む。の規定により、消火若しくは延焼の防止若しくは人命の救助その他の消防作業に従事した者又は第35条の10第1項 の規定による消防作業に従事した者又は救急業務に協力した者に係る損害補償並びに 水防法 第6条の2第1項 《水防団長又は水防団員が公務により死亡し、…》 負傷し、若しくは病気にかかり、又は公務による負傷若しくは病気により死亡し、若しくは障害の状態となつたときは、当該水防団長又は水防団員の属する水防管理団体は、政令で定める基準に従い、市町村又は水防事務組 の規定による非常勤の水防団長又は水防団員(以下「 非常勤水防団員 」という。)に係る損害補償及び同法第45条の規定による水防に従事した者に係る損害補償の種類は、次に掲げるものとする。

1号 療養補償

2号 休業補償

3号 傷病補償年金

4号 障害補償

障害補償年金

障害補償1時金

5号 介護補償

6号 遺族補償

遺族補償年金

遺族補償1時金

7号 葬祭補償

2条 (補償基礎額)

1項 前条に規定する 損害補償 以下「 損害補償 」という。)は、療養補償及び介護補償を除き、補償基礎額を基礎として行うものとする。

2項 前項の補償基礎額は、次に定めるところによるものとする。

1号 非常勤消防団員又は 非常勤水防団員 が公務により死亡し、負傷し、若しくは疾病にかかり、又は公務による負傷若しくは疾病により死亡し、若しくは障害の状態となつた場合には、死亡若しくは負傷の原因である事故が発生した日又は診断により死亡の原因である疾病の発生が確定した日若しくは診断により疾病の発生が確定した日(以下「 事故発生日 」という。)において当該非常勤消防団員又は非常勤水防団員が属していた階級及び当該階級に任命された日からの勤務年数に応じて別表に定める額とする。

2号 消防法 第25条第1項 《火災が発生したときは、当該消防対象物の関…》 係者その他総務省令で定める者は、消防隊が火災の現場に到着するまで消火若しくは延焼の防止又は人命の救助を行わなければならない。 若しくは第2項(これらの規定を同法第36条第8項において準用する場合を含む。)若しくは第29条第5項(同法第30条の二及び第36条第8項において準用する場合を含む。)の規定により消防作業に従事した者(以下「 消防作業従事者 」という。)、同法第35条の10第1項の規定により救急業務に協力した者(以下「 救急業務協力者 」という。又は 水防法 第24条 《居住者等の水防義務 水防管理者、水防団…》 又は消防機関の長は、水防のためやむを得ない必要があるときは、当該水防管理団体の区域内に居住する者、又は水防の現場にある者をして水防に従事させることができる。 の規定により水防に従事した者(以下「 水防従事者 」という。)が消防作業若しくは水防(以下「 消防作業等 」という。)に従事し、若しくは救急業務に協力したことにより死亡し、負傷し、若しくは疾病にかかり、又は 消防作業等 に従事し、若しくは救急業務に協力したことによる負傷若しくは疾病により死亡し、若しくは障害の状態となつた場合には、9,100円とする。ただし、その額が、その者の通常得ている収入の日額に比して公正を欠くと認められるときは、14,200円を超えない範囲内においてこれを増額した額とすることができる。

3項 次の各号のいずれかに該当する者で、非常勤消防団員若しくは 非常勤水防団員 又は 消防作業従事者 救急業務協力者 若しくは 水防従事者 以下「 非常勤消防団員等 」という。)の 事故発生日 において、他に生計のみちがなく主として 非常勤消防団員等 の扶養を受けていたものを扶養親族とし、扶養親族のある非常勤消防団員等については、前項の規定による金額に、第1号又は第3号から第6号までのいずれかに該当する扶養親族については1人につき217円を、第2号に該当する扶養親族については1人につき333円を、それぞれ加算して得た額をもつて補償基礎額とするものとする。

1号 配偶者(婚姻の届出をしないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。

2号 22歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子

3号 22歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある孫

4号 60歳以上の父母及び祖父母

5号 22歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある弟妹

6号 重度心身障害者

4項 扶養親族たる子のうちに15歳に達する日後の最初の4月1日から22歳に達する日以後の最初の3月31日までの間(以下この項において「 特定期間 」という。)にある子がいる 非常勤消防団員等 については、前項の規定にかかわらず、167円に 特定期間 にある当該扶養親族たる子の数を乗じて得た額を同項の規定による額に加算した額をもつて補償基礎額とするものとする。

3条 (療養補償)

1項 非常勤消防団員等 が公務により、又は 消防作業等 に従事し、若しくは救急業務に協力したことにより、負傷し、又は疾病にかかつた場合においては、療養補償として、必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を支給する。

4条 (療養及び療養費の支給)

1項 前条の規定による療養の範囲は、次に掲げるものであつて、療養上相当と認められるものとする。

1号 診察

2号 薬剤又は治療材料の支給

3号 処置、手術その他の治療

4号 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護

5号 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護

6号 移送

2項 市町村若しくは都道府県又は水害予防組合は、その経営する医療機関若しくは薬局又は市町村長、都道府県知事若しくは水害予防組合の管理者がその同意を得てあらかじめ指定する医療機関若しくは薬局において、前項第1号から第5号までに掲げる療養(同項第4号又は第5号に掲げる療養にあつては、これらの医療機関の従業者以外の者が提供する世話その他の看護を除く。)を行うものとする。

3項 市町村若しくは都道府県又は水害予防組合は、前項の医療機関若しくは薬局において療養を行うことが困難であると市町村長、都道府県知事若しくは水害予防組合の管理者が認めたとき、 非常勤消防団員等 が同項の医療機関若しくは薬局以外の医師、歯科医師、薬剤師その他の療養機関から診療若しくは手当を受けた場合において緊急その他やむを得ない事情があると市町村長、都道府県知事若しくは水害予防組合の管理者が認めたとき、又は非常勤消防団員等が第1項第4号から第6号までに掲げる療養(同項第4号又は第5号に掲げる療養にあつては、前項の医療機関の従業者以外の者が提供する世話その他の看護に限る。)を受けた場合において市町村長、都道府県知事若しくは水害予防組合の管理者が必要と認めたときは、その必要な療養の費用を当該非常勤消防団員等に支払うものとする。

5条 (休業補償)

1項 非常勤消防団員等 が公務により、又は 消防作業等 に従事し、若しくは救急業務に協力したことにより、負傷し、又は疾病にかかり、療養のため勤務その他の業務に従事することができない場合において、給与その他の業務上の収入を得ることができないときは、休業補償として、その収入を得ることができない期間につき、補償基礎額の100分の60に相当する金額を支給する。ただし、次に掲げる場合(総務省令で定める場合に限る。)には、その拘禁され、又は収容されている期間については、行わない。

1号 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されている場合

2号 少年院その他これに準ずる施設に収容されている場合

5条の2 (傷病補償年金)

1項 非常勤消防団員等 が公務により、又は 消防作業等 に従事し、若しくは救急業務に協力したことにより、負傷し、又は疾病にかかり、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後1年6箇月を経過した日において次の各号のいずれにも該当する場合又は同日後次の各号のいずれにも該当することとなつた場合には、その状態が継続している期間、傷病補償年金を支給する。

1号 当該負傷又は疾病が治つていないこと。

2号 当該負傷又は疾病による障害の程度が、次条第2項に規定する第一級から第三級までの各障害等級に相当するものとして総務省令で定める第一級、第二級又は第三級の傷病等級に該当すること。

2項 傷病補償年金の額は、当該負傷又は疾病による障害の程度が次の各号に掲げる傷病等級(前項第2号の傷病等級をいう。以下同じ。)のいずれに該当するかに応じ、1年につき補償基礎額に当該各号に定める倍数を乗じて得た額とする。

1号 第一級三百十三倍

2号 第二級二百七十七倍

3号 第三級二百四十五倍

3項 傷病補償年金を受ける者には、休業補償は、行わない。

4項 傷病補償年金を受ける者の当該障害の程度に変更があつたため、新たに他の傷病等級に該当するに至つた場合には、新たに該当するに至つた傷病等級に応ずる傷病補償年金を支給するものとし、その後は、従前の傷病補償年金は、支給しない。

6条 (障害補償)

1項 非常勤消防団員等 が公務により、又は 消防作業等 に従事し、若しくは救急業務に協力したことにより、負傷し、又は疾病にかかり、治つたときに次項に規定する障害等級に該当する程度の障害が存する場合においては、障害補償として、同項に規定する第一級から第七級までの障害等級に該当する障害があるときには、当該障害が存する期間、障害補償年金を毎年支給し、同項に規定する第八級から第十四級までの障害等級に該当する障害があるときには、障害補償1時金を支給する。

2項 障害等級は、その障害の程度に応じて重度のものから順に、第一級から第十四級までに区分するものとする。この場合において、各障害等級に該当する障害は、総務省令で定める。

3項 障害補償年金の額は、1年につき、次の各号に掲げる障害等級(前項に規定する障害等級をいう。以下同じ。)に応じ、補償基礎額に当該各号に定める倍数を乗じて得た額とする。

1号 第一級三百十三倍

2号 第二級二百七十七倍

3号 第三級二百四十五倍

4号 第四級二百十三倍

5号 第五級百八十四倍

6号 第六級百五十六倍

7号 第七級百三十一倍

4項 障害補償1時金の額は、次の各号に掲げる障害等級に応じ、補償基礎額に当該各号に定める倍数を乗じて得た額とする。

1号 第八級五百三倍

2号 第九級三百九十一倍

3号 第十級三百二倍

4号 第十一級二百二十三倍

5号 第十二級百五十六倍

6号 第十三級百一倍

7号 第十四級五十六倍

5項 障害等級に該当する程度の障害が二以上ある場合の障害等級は、重い障害に応ずる障害等級によるものとする。

6項 次に掲げる場合の障害等級は、次の各号のうち 非常勤消防団員等 に最も有利なものによるものとする。

1号 第十三級以上に該当する障害が二以上ある場合には、前項の規定による障害等級の一級上位の障害等級

2号 第八級以上に該当する障害が二以上ある場合には、前項の規定による障害等級の二級上位の障害等級

3号 第五級以上に該当する障害が二以上ある場合には、前項の規定による障害等級の三級上位の障害等級

7項 前項の規定による障害補償の金額は、それぞれの障害に応ずる障害等級による障害補償の金額を合算した金額を超えてはならない。ただし、同項の規定による障害等級が第七級以上になる場合は、この限りでない。

8項 既に障害のある 非常勤消防団員等 が公務又は 消防作業等 に従事し、若しくは救急業務に協力したことによる負傷又は疾病によつて、同一部位についての障害の程度を加重した場合には、その者の加重後の障害等級に応ずる障害補償の金額から、次の各号に掲げる場合の区分に応じてそれぞれ当該各号に定める金額(加重後の障害が 第11条の2 《特殊公務に従事する非常勤消防団員及び非常…》 勤水防団員の特例 非常勤消防団員又は非常勤水防団員がその生命又は身体に対する高度の危険が予測される状況の下において、火災の鎮圧又は暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、津波その他の異常な自然現象若しくは火災 に規定する公務上の災害に係るものである場合には、当該金額と当該金額に加重前の障害の程度に応じ同条に規定する率を乗じて得た金額との合計額)を差し引いた金額をもつて障害補償の金額とするものとする。

1号 その者の加重前の障害等級が第七級以上である場合その者の加重前の障害等級に応ずる障害補償年金の額

2号 その者の加重前の障害等級が第八級以下であり、かつ、加重後の障害等級が第七級以上である場合その者の加重前の障害等級に応ずる障害補償1時金の額を二十五で除して得た金額

3号 その者の加重後の障害等級が第八級以下である場合その者の加重前の障害等級に応ずる障害補償1時金の額

9項 障害補償年金を受ける者の当該障害の程度に変更があつたため、新たに他の障害等級に該当するに至つた場合においては、新たに該当するに至つた障害等級に応ずる障害補償を行うものとし、その後は、従前の障害補償年金は、支給しないものとする。

6条の2 (介護補償)

1項 傷病補償年金又は障害補償年金を受ける権利を有する 非常勤消防団員等 が、当該傷病補償年金又は障害補償年金を支給すべき事由となつた障害であつて総務省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けている場合においては、介護補償として、当該介護を受けている期間、常時又は随時介護を受ける場合に通常要する費用を考慮して総務大臣が定める金額を支給する。ただし、次に掲げる場合には、その入院し、又は入所している期間については、介護補償は、行わない。

1号 病院又は診療所に入院している場合

2号 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 2005年法律第123号第5条第11項 《11 この法律において「障害者支援施設」…》 とは、障害者につき、施設入所支援を行うとともに、施設入所支援以外の施設障害福祉サービスを行う施設のぞみの園及び第1項の主務省令で定める施設を除く。をいう。 に規定する 障害者支援施設 次号において「 障害者支援施設 」という。)に入所している場合(同条第7項に規定する 生活介護 次号において「 生活介護 」という。)を受けている場合に限る。

3号 障害者支援施設 生活介護 を行うものに限る。)に準ずる施設として総務大臣が定めるものに入所している場合

2項 介護補償は、月を単位として支給するものとする。

7条 (遺族補償)

1項 非常勤消防団員等 が公務により、又は 消防作業等 に従事し、若しくは救急業務に協力したことにより、死亡した場合においては、遺族補償として、当該非常勤消防団員等の遺族に対して、遺族補償年金又は遺族補償1時金を支給する。

8条 (遺族補償年金)

1項 遺族補償年金を受けることができる遺族は、 非常勤消防団員等 の配偶者(婚姻の届出をしていないが、非常勤消防団員等の死亡の当時事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。以下同じ。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であつて、非常勤消防団員等の死亡の当時その収入によつて生計を維持していたものとする。ただし、妻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。次条において同じ。)以外の者にあつては、非常勤消防団員等の死亡の当時次に掲げる要件に該当した場合に限るものとする。

1号 夫(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。以下同じ。)、父母及び祖父母については、60歳以上であること。

2号 又は孫については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあること。

3号 兄弟姉妹については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあること又は60歳以上であること。

4号 前3号の要件に該当しない夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、総務省令で定める障害の状態(次条、 第8条 《遺族補償年金 遺族補償年金を受けること…》 ができる遺族は、非常勤消防団員等の配偶者婚姻の届出をしていないが、非常勤消防団員等の死亡の当時事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。以下同じ。、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であつて、非常勤消 の三及び 第9条の3 《 遺族補償1時金の額は、補償基礎額に、次…》 の各号に掲げる者の区分に応じ、当該各号に定める倍数を乗じて得た額とする。 ただし、前条第2号の場合にあつては、その額から既に支給された遺族補償年金の額の合計額を控除した額とする。 1 第9条第1項第3 において「 特定障害状態 」という。)にあること。

2項 非常勤消防団員等 の死亡の当時胎児であつた子が出生したときは、前項の規定の適用については、将来に向かつて、その子は、非常勤消防団員等の死亡の当時その収入によつて生計を維持していた子とみなす。

3項 遺族補償年金を受けることができる遺族の順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹の順序とし、父母については、養父母を先にし、実父母を後にする。

8条の2

1項 遺族補償年金の額は、次の各号に掲げる人数(遺族補償年金を受ける権利を有する遺族及びその者と生計を同じくしている遺族補償年金を受けることができる遺族の人数をいう。)の区分に応じ、1年につき当該各号に定める額とする。

1号 1人補償基礎額に153を乗じて得た額(55歳以上の妻又は 特定障害状態 にある妻である場合には、補償基礎額に175を乗じて得た額

2号 2人補償基礎額に201を乗じて得た額

3号 3人補償基礎額に223を乗じて得た額

4号 4人以上補償基礎額に245を乗じて得た額

2項 遺族補償年金を受ける権利を有する者が2人以上あるときは、遺族補償年金の額は、前項の規定にかかわらず、同項に規定する額をその人数で除して得た額とする。

3項 遺族補償年金の額の算定の基礎となる遺族の数に増減を生じたときは、その増減を生じた月の翌月から、遺族補償年金の額を改定するものとする。

4項 遺族補償年金を受ける権利を有する妻にその者と生計を同じくしている他の遺族で遺族補償年金を受けることができるものがない場合において、その妻が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その該当するに至つた月の翌月から遺族補償年金の額を改定する。

1号 55歳に達したとき( 特定障害状態 にあるときを除く。)。

2号 特定障害状態 になり、又はその事情がなくなつたとき(55歳以上であるときを除く。)。

8条の3

1項 遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、消滅する。この場合において、同順位者がなくて後順位者があるときは、次順位者に遺族補償年金を支給するものとする。

1号 死亡したとき。

2号 婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。

3号 直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となつたとき。

4号 離縁によつて、死亡した 非常勤消防団員等 との親族関係が終了したとき。

5号 子、孫又は兄弟姉妹については、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき( 非常勤消防団員等 の死亡の時から引き続き 特定障害状態 にあるときを除く。)。

6号 特定障害状態 にある夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、その事情がなくなつたとき(夫、父母又は祖父母については、 非常勤消防団員等 の死亡の当時60歳以上であつたとき、子又は孫については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるとき、兄弟姉妹については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか又は非常勤消防団員等の死亡の当時60歳以上であつたときを除く。)。

2項 遺族補償年金を受けることができる遺族が前項各号のいずれかに該当するに至つたときは、その者は、遺族補償年金を受けることができる遺族でなくなるものとする。

8条の4

1項 遺族補償年金を受ける権利を有する者の所在が1年以上明らかでない場合には、当該遺族補償年金は、同順位者があるときは同順位者の、同順位者がないときは次順位者の申請によつて、その所在が明らかでない間、その支給を停止するものとする。この場合において、同順位者がないときは、その間、次順位者を先順位者とする。

2項 前項の規定により遺族補償年金の支給を停止された遺族は、いつでも、その支給の停止の解除を申請することができる。

3項 第8条の2第3項 《3 遺族補償年金の額の算定の基礎となる遺…》 族の数に増減を生じたときは、その増減を生じた月の翌月から、遺族補償年金の額を改定するものとする。 の規定は、第1項の規定により遺族補償年金の支給が停止され、又は前項の規定によりその停止が解除された場合について準用する。この場合において、同条第3項中「増減を生じた月」とあるのは、「支給が停止され、又はその停止が解除された月」と読み替えるものとする。

9条 (遺族補償1時金)

1項 遺族補償1時金を受けることができる遺族は、 非常勤消防団員等 の死亡の当時において次の各号の1に該当する者とする。

1号 配偶者

2号 非常勤消防団員等 の収入によつて生計を維持していた子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹

3号 前2号に掲げる者以外の者で主として 非常勤消防団員等 の収入によつて生計を維持していたもの

4号 第2号に該当しない子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹

2項 遺族補償1時金を受けることができる遺族の順位は、前項各号の順序とし、同項第2号及び第4号に掲げる者のうちにあつては、それぞれ当該各号に掲げる順序とし、父母については、養父母を先にし、実父母を後にする。

3項 非常勤消防団員等 が遺言又はその者の属する任命権者に対する予告で、第1項第3号及び第4号に掲げる者のうち特に指定した者があるときは、その者は、同項第3号及び第4号に掲げる他の者に優先して遺族補償1時金を受けるものとする。

9条の2

1項 遺族補償1時金は、次に掲げる場合に支給する。

1号 非常勤消防団員等 の死亡の当時遺族補償年金を受けることができる遺族がないとき。

2号 遺族補償年金を受ける権利を有する者の権利が消滅した場合において、他に当該遺族補償年金を受けることができる遺族がなく、かつ、当該 非常勤消防団員等 の死亡に関し既に支給された遺族補償年金の額の合計額が前号の場合に支給される遺族補償1時金の額に満たないとき。

9条の3

1項 遺族補償1時金の額は、補償基礎額に、次の各号に掲げる者の区分に応じ、当該各号に定める倍数を乗じて得た額とする。ただし、前条第2号の場合にあつては、その額から既に支給された遺族補償年金の額の合計額を控除した額とする。

1号 第9条第1項第3号 《遺族補償1時金を受けることができる遺族は…》 、非常勤消防団員等の死亡の当時において次の各号の1に該当する者とする。 1 配偶者 2 非常勤消防団員等の収入によつて生計を維持していた子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹 3 前2号に掲げる者以外の者で に該当する者(次号に掲げる者を除く。)四百倍

2号 第9条第1項第3号 《遺族補償1時金を受けることができる遺族は…》 、非常勤消防団員等の死亡の当時において次の各号の1に該当する者とする。 1 配偶者 2 非常勤消防団員等の収入によつて生計を維持していた子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹 3 前2号に掲げる者以外の者で に該当する者のうち、 非常勤消防団員等 の死亡の当時18歳未満若しくは55歳以上の三親等内の親族又は 特定障害状態 にある三親等内の親族七百倍

3号 第9条第1項第1号 《遺族補償1時金を受けることができる遺族は…》 、非常勤消防団員等の死亡の当時において次の各号の1に該当する者とする。 1 配偶者 2 非常勤消防団員等の収入によつて生計を維持していた子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹 3 前2号に掲げる者以外の者で 、第2号又は第4号に該当する者千倍

2項 第8条の2第2項 《2 遺族補償年金を受ける権利を有する者が…》 2人以上あるときは、遺族補償年金の額は、前項の規定にかかわらず、同項に規定する額をその人数で除して得た額とする。 の規定は、遺族補償1時金の額について準用する。

10条 (遺族からの排除)

1項 非常勤消防団員等 を故意に死亡させた者は、遺族補償を受けることができる遺族としない。

2項 非常勤消防団員等 の死亡前に、当該非常勤消防団員等の死亡によつて遺族補償年金を受けることができる先順位又は同順位の遺族となるべき者を故意に死亡させた者は、遺族補償年金を受けることができる遺族としない。

3項 非常勤消防団員等 の死亡前又は遺族補償年金を受けることができる遺族の当該遺族補償年金を受ける権利の消滅前に、当該非常勤消防団員等の死亡又は当該権利の消滅によつて遺族補償1時金を受けることができる先順位又は同順位の遺族となるべき者を故意に死亡させた者は、遺族補償1時金を受けることができる遺族としない。

4項 遺族補償年金を受けることができる遺族を故意に死亡させた者は、遺族補償1時金を受けることができる遺族としない。 非常勤消防団員等 の死亡前に、当該非常勤消防団員等の死亡によつて遺族補償年金を受けることができる遺族となるべき者を故意に死亡させた者も、同様とする。

5項 遺族補償年金を受けることができる遺族が、遺族補償年金を受けることができる先順位又は同順位の他の遺族を故意に死亡させたときは、その者は、遺族補償年金を受けることができる遺族でなくなる。この場合において、その者が遺族補償年金を受ける権利を有する者であるときは、その権利は、消滅するものとする。

6項 第8条の3第1項 《遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有…》 する遺族が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、消滅する。 この場合において、同順位者がなくて後順位者があるときは、次順位者に遺族補償年金を支給するものとする。 1 死亡したとき。 2 婚姻届出 後段の規定は、前項後段の場合について準用する。

11条 (葬祭補償)

1項 非常勤消防団員等 が公務により、又は 消防作業等 に従事し、若しくは救急業務に協力したことにより、死亡した場合においては、葬祭を行う者に対して、葬祭補償として315,000円に補償基礎額の三十倍に相当する金額を加えた金額を支給する。

11条の2 (特殊公務に従事する非常勤消防団員及び非常勤水防団員の特例)

1項 非常勤消防団員又は 非常勤水防団員 がその生命又は身体に対する高度の危険が予測される状況の下において、火災の鎮圧又は暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、津波その他の異常な自然現象若しくは火災、爆発その他これらに類する異常な事態の発生時における人命の救助その他の被害の防御に従事し、そのため公務上の災害を受けた場合における当該災害に係る傷病補償年金、障害補償又は遺族補償については、 第5条の2第2項 《2 傷病補償年金の額は、当該負傷又は疾病…》 による障害の程度が次の各号に掲げる傷病等級前項第2号の傷病等級をいう。以下同じ。のいずれに該当するかに応じ、1年につき補償基礎額に当該各号に定める倍数を乗じて得た額とする。 1 第一級 三百十三倍 2第6条第3項 《3 障害補償年金の額は、1年につき、次の…》 各号に掲げる障害等級前項に規定する障害等級をいう。以下同じ。に応じ、補償基礎額に当該各号に定める倍数を乗じて得た額とする。 1 第一級 三百十三倍 2 第二級 二百七十七倍 3 第三級 二百四十五倍 若しくは第4項又は 第8条の2第1項 《遺族補償年金の額は、次の各号に掲げる人数…》 遺族補償年金を受ける権利を有する遺族及びその者と生計を同じくしている遺族補償年金を受けることができる遺族の人数をいう。の区分に応じ、1年につき当該各号に定める額とする。 1 1人 補償基礎額に153を の額は、それぞれ当該額に100分の五十(傷病補償年金のうち、第一級の傷病等級に該当する障害に係るものにあつては100分の四十、第二級の傷病等級に該当する障害に係るものにあつては100分の四十五、障害補償のうち、第一級の障害等級に該当する障害に係るものにあつては100分の四十、第二級の障害等級に該当する障害に係るものにあつては100分の四十五)を乗じて得た額を加算した額とし、 第9条の3第1項 《遺族補償1時金の額は、補償基礎額に、次の…》 各号に掲げる者の区分に応じ、当該各号に定める倍数を乗じて得た額とする。 ただし、前条第2号の場合にあつては、その額から既に支給された遺族補償年金の額の合計額を控除した額とする。 1 第9条第1項第3号 の額は、同項本文に規定する額に100分の50を乗じて得た額を加算した額( 第9条の2第2号 《第9条の2 遺族補償1時金は、次に掲げる…》 場合に支給する。 1 非常勤消防団員等の死亡の当時遺族補償年金を受けることができる遺族がないとき。 2 遺族補償年金を受ける権利を有する者の権利が消滅した場合において、他に当該遺族補償年金を受けること の場合にあつては、その額から既に支給された遺族補償年金の額の合計額を控除した額)とする。

12条 (損害補償の制限)

1項 非常勤消防団員等 が、故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、公務、 消防作業等 若しくは救急業務に係る負傷、疾病、障害若しくは死亡若しくはこれらの原因となつた事故を生じさせ、又は公務、消防作業等若しくは救急業務に係る負傷、疾病若しくは障害の程度を増進させ、若しくはその回復を妨げたときは、市町村若しくは都道府県又は水害予防組合は、 損害補償 の全部又は一部を行なわないことができるものとする。

12条の2 (年金たる損害補償の額の端数処理)

1項 傷病補償年金、障害補償年金又は遺族補償年金(以下「 年金たる 損害補償 」という。)の額に50円未満の端数があるときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数があるときは、これを100円に切り上げるものとする。

13条 (年金たる損害補償の支給期間等)

1項 年金たる損害補償 の支給は、支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、支給を受ける権利が消滅した月で終わるものとする。

2項 年金たる損害補償 は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月までの間は、支給しないものとする。

3項 年金たる損害補償 は、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の六期に、それぞれその前月分までを支給するものとする。ただし、支給を受ける権利が消滅した場合におけるその期の年金たる損害補償は、支給期月でない月であつても、支給するものとする。

14条 (死亡の推定)

1項 行方不明となつた 非常勤消防団員等 の生死が3箇月間わからない場合又は当該非常勤消防団員等の死亡が3箇月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合には、遺族補償及び葬祭補償の支給に関する規定の適用については、当該非常勤消防団員等が行方不明となつた日に、当該非常勤消防団員等は、死亡したものと推定する。

15条 (未支給の損害補償)

1項 損害補償 を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その者に支給すべき損害補償でまだ支給しなかつたものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたもの(遺族補償年金については、当該遺族補償年金を受けることができる他の遺族)に、これを支給するものとする。

2項 前項の規定による 損害補償 を受けるべき者の順位は、同項に規定する順序(遺族補償年金については、 第8条第3項 《3 遺族補償年金を受けることができる遺族…》 の順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹の順序とし、父母については、養父母を先にし、実父母を後にする。 に規定する順序)とする。

3項 第1項の規定による 損害補償 を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、その全額をその1人に支給することができるものとし、この場合において、その1人にした支給は、全員に対してしたものとみなす。

16条 (年金たる損害補償等の支給額の調整)

1項 年金たる損害補償 の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金たる損害補償が支給されたときは、その支給された年金たる損害補償は、その後に支給されるべき年金たる損害補償の内払とみなすことができるものとする。年金たる損害補償を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた月の翌月以後の分として減額しない額の年金たる損害補償が支給された場合における当該年金たる損害補償の当該減額すべきであつた部分についても、同様とする。

2項 公務、 消防作業等 又は救急業務に係る同1の負傷又は疾病(次項において「 同1の傷病 」という。)に関し、傷病補償年金を受ける権利を有する者が休業補償又は障害補償を受ける権利を有することとなり、かつ、当該傷病補償年金を受ける権利が消滅した場合において、その消滅した月の翌月以後の分として傷病補償年金が支払われたときは、その支払われた傷病補償年金は、当該休業補償又は障害補償の内払とみなす。

3項 同1の傷病 に関し、休業補償を受けている者が傷病補償年金又は障害補償を受ける権利を有することとなり、かつ、当該休業補償を行わないこととなつた場合において、その後も休業補償が支払われたときは、その支払われた休業補償は、当該傷病補償年金又は障害補償の内払とみなす。

16条の2

1項 年金たる損害補償 を受ける権利を有する者が死亡したためその支給を受ける権利が消滅したにもかかわらず、その死亡の日の属する月の翌月以後の分として当該年金たる損害補償の過誤払が行われた場合において、当該過誤払による返還金に係る債権(以下この条において「 返還金債権 」という。)に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき次に掲げる 損害補償 があるときは、市町村若しくは都道府県又は水害予防組合は、当該損害補償の支払金の金額を当該過誤払による 返還金債権 の金額に充当することができるものとする。

1号 年金たる損害補償 を受ける権利を有する者の死亡に係る遺族補償年金、遺族補償1時金又は葬祭補償

2号 過誤払による 返還金債権 に係る遺族補償年金と同順位で支給されるべき遺族補償年金

17条 (補償を受ける権利)

1項 非常勤消防団員又は 非常勤水防団員 がその身分を失つた場合においても、 損害補償 を受ける権利は、変更されることはないものとする。

18条 (補償の免責及び求償権)

1項 市町村若しくは都道府県又は水害予防組合は、 損害補償 を受けるべき者が他の法令(条例を含む。)の定めるところによる療養その他の給付又は補償を受けた場合においては、同1の事由については、その受けた療養その他の給付又は補償の限度において、損害補償の責を免かれるものとする。

2項 市町村若しくは都道府県又は水害予防組合は、 損害補償 の原因である災害が第三者の行為によつて生じた場合において、損害補償を受けるべき者が当該第三者から同1の事由について損害賠償を受けたときは、その価額の限度において、損害補償の責を免かれるものとする。

3項 市町村若しくは都道府県又は水害予防組合は、 損害補償 の原因である災害が第三者の行為によつて生じた場合において、損害補償を行つたときは、その価額の限度において、損害補償を受けた者が当該第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得するものとする。

19条 (非常勤水防団員で非常勤消防団員である者に対する損害補償)

1項 非常勤水防団員 に対する 水防法 第6条の2 《公務災害補償 水防団長又は水防団員が公…》 務により死亡し、負傷し、若しくは病気にかかり、又は公務による負傷若しくは病気により死亡し、若しくは障害の状態となつたときは、当該水防団長又は水防団員の属する水防管理団体は、政令で定める基準に従い、市町 の規定による 損害補償 は、当該非常勤水防団員が非常勤消防団員である場合にあつては、その者が所属する消防団が置かれている市町村が行うものとする。

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