特定多目的ダむ法《本則》

法番号:1957年法律第35号

略称: ダむ法・特ダむ法

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1章 総則

1条 (目的)

1項 この法律は、多目的ダむの建設及び管理に関し 河川法 1964年法律第167号)の特例を定めるとともに、ダむ使用権を創設し、もつて多目的ダむの効用をすみやかに、かつ、十分に発揮させることを目的とする。

2条 (定義)

1項 この法律において「多目的ダむ」とは、国土交通大臣が 河川法 第9条第1項 《一級河川の管理は、国土交通大臣が行なう。…》 の規定により自ら新築するダむで、これによる流水の貯留を利用して流水が発電、水道又は工業用水道の用(以下「 特定用途 」という。)に供されるものをいい、余水路、副ダむその他ダむと一体となつてその効用を全うする施設又は工作物(もつぱら 特定用途 に供されるものを除く。)を含むものとする。

2項 この法律において「 ダむ使用権 」とは、多目的ダむによる一定量の流水の貯留を一定の地域において確保する権利をいう。

3条 (特定用途のための流水占用の制限)

1項 多目的ダむによる流水の貯留を利用して流水を 特定用途 に供する者は、 河川法 第23条 《流水の占用の許可 河川の流水を占用しよ…》 うとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。 ただし、次条に規定する発電のために河川の流水を占用しようとする場合は、この限りでない。 の規定による流水の占用の許可又は同法第23条の2の規定による流水の占用の登録によつて生ずる権利(以下「 流水占用権 」という。)を有するほか、 ダむ使用権 を有する者(以下「 ダむ使用権者 」という。)でなければならない。

2章 多目的ダむの建設

4条 (基本計画)

1項 国土交通大臣は、多目的ダむを新築しようとするときは、その建設に関する 基本計画 以下「 基本計画 」という。)を作成しなければならない。

2項 基本計画 には、新築しようとする多目的ダむに関し、次に掲げる事項を定めなければならない。

1号 建設の目的

2号 位置及び名称

3号 規模及び型式

4号 貯留量、取水量及び放流量並びに貯留量の用途別配分に関する事項

5号 ダむ使用権 の設定予定者

6号 建設に要する費用及びその負担に関する事項

7号 工期

8号 その他建設に関する基本的事項

3項 次の各号に掲げる要件に該当する多目的ダむに関する 基本計画 の作成又は変更の際、発電の用以外の 特定用途 の全部又は一部について ダむ使用権 の設定予定者を定めることができない特別の事情があり、かつ、当該基本計画の作成後政令で定める期間内にこれを定めることができる見込みが十分であるときは、当該特定用途に係る前項各号に掲げる事項については、その際定めることができる限度において基本計画に定めれば足りる。この場合においては、国土交通大臣は、当該ダむ使用権の設定予定者を定めることができることとなつた後、遅滞なく、当該基本計画を変更して、必要な事項を定めなければならない。

1号 当該多目的ダむにより、洪水等による災害の発生を防止し若しくは軽減し、又は流水の正常な機能を維持し若しくは増進する緊急の必要があること。

2号 発電の用以外の 特定用途 に係る水の需要が十分にあり、かつ、当該多目的ダむによりその供給を確保する緊急の必要があること。

4項 国土交通大臣は、 基本計画 を作成し、変更し、又は廃止しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、関係都道府県知事及び基本計画に定められるべき、又は定められた ダむ使用権 の設定予定者の意見をきかなければならない。この場合において、関係都道府県知事は、意見を述べようとするときは、当該都道府県の議会の議決を経なければならない。

5項 国土交通大臣は、 基本計画 を作成し、変更し、又は廃止したときは、すみやかに、その旨を公示するとともに、関係行政機関の長、関係都道府県知事及び ダむ使用権 の設定予定者に通知しなければならない。

5条 (ダむ使用権の設定予定者の要件)

1項 ダむ使用権 の設定予定者は、ダむ使用権の設定を申請した者で、 第15条第2項 《2 国土交通大臣は、次の各号に掲げる要件…》 に適合すると認めた場合でなければ、ダむ使用権を設定してはならない。 1 申請人が多目的ダむによる流水の貯留を利用して流水を当該特定用途に供することが、河川の総合開発の目的に適合すること。 2 申請人が 各号に掲げる要件を備える者でなければならない。

6条 (ダむ使用権の設定予定者の地位の承継)

1項 相続人、合併又は分割により設立される法人その他の ダむ使用権 の設定予定者の一般承継人(法人の分割による承継の場合にあつては、申請された流水の用途に係る事業の全部を承継する法人に限る。)は、被承継人が有していたこの法律の規定に基づく地位を承継する。

7条 (建設費の負担)

1項 ダむ使用権 の設定予定者は、多目的ダむの建設に要する費用のうち、建設の目的である各用途について、多目的ダむによる流水の貯留を利用して流水を当該用途に供することによつて得られる効用から算定される推定の投資額及び当該用途のみに供される工作物でその効用と同等の効用を有するものの設置に要する推定の費用の額並びに多目的ダむの建設に要する費用の財源の一部に借入金が充てられる場合においては、支払うべき利息の額を勘案して、政令で定めるところにより算出した額の費用を負担しなければならない。

2項 多目的ダむの建設に要する費用の範囲、負担金の納付の方法及び期限その他前項の負担金に関し必要な事項は、政令で定める。

8条

1項 多目的ダむの建設に要する費用について 河川法 第60条第1項 《都道府県は、その区域内における一級河川の…》 管理に要する費用指定区間内における管理で第9条第2項の規定により都道府県知事が行うものとされたものに係る費用を除く。については、政令で定めるところにより、改良工事のうち政令で定める大規模な工事次項にお の規定により都道府県が負担すべき負担金の額は、その建設に要する費用の額から前条第1項の負担金及び政令で定めるその他の負担金の額を控除した額に同法第60条第1項に定める都道府県の負担割合を乗じた額及び都道府県が収納する政令で定めるその他の負担金の額を合算した額とする。

9条 (受益者負担金)

1項 多目的ダむの建設によつて著しく利益を受ける者がある場合において、その者が流水を政令で定める用途に供する者であるときは国土交通大臣、その他の者であるときは都道府県知事は、その利益を受ける限度において、多目的ダむの建設に要する費用の一部を負担させることができる。

2項 前項の負担金を徴収する場合における負担金の徴収を受ける者の範囲及び徴収の方法については、国土交通大臣が負担させる場合にあつては政令で、都道府県知事が負担させる場合にあつては都道府県の条例で定める。

10条

1項 専用の施設を新設し、又は拡張して、新築される多目的ダむによる流水の貯留を利用して流水をかんがいの用に供する者は、多目的ダむの建設に要する費用につき当該用途について 第7条第1項 《ダむ使用権の設定予定者は、多目的ダむの建…》 設に要する費用のうち、建設の目的である各用途について、多目的ダむによる流水の貯留を利用して流水を当該用途に供することによつて得られる効用から算定される推定の投資額及び当該用途のみに供される工作物でその に規定する方法と同1の方法により算出した額のうち十分の一以内で政令で定める割合の額及びその額に対応する建設期間中の利息の額を合算した額の負担金を負担しなければならない。

2項 前項の負担金は、都道府県知事が徴収する。

3項 前条第2項の規定は、前項の負担金について準用する。

11条 (負担金等の帰属)

1項 前2条の規定により都道府県知事が負担させ、又は徴収した負担金及びその負担金の納付義務者から徴収した延滞金は、当該都道府県に帰属する。

12条 (建設費負担金の還付)

1項 ダむ使用権 の設定予定者のダむ使用権の設定の申請が却下され、又は取り下げられたときは、その者がすでに納付した 第7条第1項 《ダむ使用権の設定予定者は、多目的ダむの建…》 設に要する費用のうち、建設の目的である各用途について、多目的ダむによる流水の貯留を利用して流水を当該用途に供することによつて得られる効用から算定される推定の投資額及び当該用途のみに供される工作物でその の負担金を還付するものとする。ただし、国土交通大臣は、 基本計画 を廃止する場合を除き、新たにダむ使用権の設定予定者が定められるまでその還付を停止することができる。

13条 (ダむ使用権設定前の多目的ダむの利用)

1項 ダむ使用権 の設定予定者は、 第3条 《特定用途のための流水占用の制限 多目的…》 ダむによる流水の貯留を利用して流水を特定用途に供する者は、河川法第23条の規定による流水の占用の許可又は同法第23条の2の規定による流水の占用の登録によつて生ずる権利以下「流水占用権」という。を有する の規定にかかわらず、ダむ使用権の設定を受ける前に、国土交通大臣の許可を受けて、多目的ダむによる流水の貯留を利用して流水を 特定用途 に供することができる。

14条 (建設の完了)

1項 国土交通大臣は、多目的ダむの建設を完了したときは、遅滞なく、その旨を公示するものとする。

3章 ダむ使用権

15条 (設定の要件)

1項 ダむ使用権 は、国土交通大臣が、流水を 特定用途 に供しようとする者の申請によつて設定する。

2項 国土交通大臣は、次の各号に掲げる要件に適合すると認めた場合でなければ、 ダむ使用権 を設定してはならない。

1号 申請人が多目的ダむによる流水の貯留を利用して流水を当該 特定用途 に供することが、河川の総合開発の目的に適合すること。

2号 申請人が、流水を当該 特定用途 に供することについて、及び流水を当該特定用途に供することによつて営もうとする事業について必要な行政庁の許可、認可その他の処分を受けていること又は受ける見込が十分であること。

16条 (設定の申請の却下)

1項 国土交通大臣は、 基本計画 を作成したときは、基本計画に ダむ使用権 の設定予定者として定められた者以外の者の設定の申請を却下することができる。

2項 国土交通大臣は、次の各号の1に該当すると認めたときは、 ダむ使用権 の設定予定者の設定の申請を却下しなければならない。

1号 ダむ使用権 の設定予定者が、前条第2項の要件を備えなくなつたとき。

2号 第7条第1項 《ダむ使用権の設定予定者は、多目的ダむの建…》 設に要する費用のうち、建設の目的である各用途について、多目的ダむによる流水の貯留を利用して流水を当該用途に供することによつて得られる効用から算定される推定の投資額及び当該用途のみに供される工作物でその の負担金を納付しないとき。

3号 基本計画 を廃止したとき。

17条 (設定)

1項 国土交通大臣は、多目的ダむの建設を完了したときは、ただちに、 ダむ使用権 の設定予定者にダむ使用権の設定をしなければならない。

18条

1項 ダむ使用権 の設定は、次の各号に掲げる事項を明らかにして行わなければならない。

1号 設定の目的

2号 ダむ使用権 により貯留が確保される流水の最高及び最低の水位並びに

2項 前項第2号に掲げる事項は、当該多目的ダむが十分にその効用を果すために適切なものでなければならない。

19条 (流水の貯留が確保される地域)

1項 ダむ使用権 によつて流水の貯留が確保される地域は、前条第1項第2号に規定する流水の最高水位における水平面が土地に接する線によつて囲まれる地域とする。

20条 (性質)

1項 ダむ使用権 は、物権とみなし、この法律に別段の定がある場合を除き、不動産に関する規定を準用する。

21条

1項 ダむ使用権 は、相続、法人の合併その他の一般承継、譲渡、滞納処分、強制執行、仮差押え及び仮処分並びに一般の先取特権及び抵当権の目的となるほか、権利の目的となることができない。

22条 (処分の制限)

1項 ダむ使用権 は、国土交通大臣の許可を受けなければ、移転(相続、法人の合併その他の一般承継(法人の分割による承継の場合にあつては、当該ダむ使用権の設定の目的に係る事業の全部を承継させるものに限る。)によるものを除く。)の目的とし、分割し、併合し、又はその設定の目的を変更することができない。

23条

1項 抵当権の設定が登録されている ダむ使用権 については、その抵当権者の同意がなければ、分割、併合若しくは設定の目的の変更の許可を申請し、又はこれを放棄することができない。

24条 (取消しの処分等)

1項 国土交通大臣は、 ダむ使用権 者の有する 流水占用権 につき、 河川法 第23条 《流水の占用の許可 河川の流水を占用しよ…》 うとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。 ただし、次条に規定する発電のために河川の流水を占用しようとする場合は、この限りでない。 の規定による許可又は同法第23条の2の規定による登録の全部又は一部を取り消す場合において、何人にも従前どおりの流水の占用を認めることができないときは、ダむ使用権につき、これに相当する取消し又は変更の処分をしなければならない。

25条

1項 国土交通大臣は、 ダむ使用権 者の有する 流水占用権 につき、 河川法 第23条 《流水の占用の許可 河川の流水を占用しよ…》 うとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。 ただし、次条に規定する発電のために河川の流水を占用しようとする場合は、この限りでない。 の規定による許可又は同法第23条の2の規定による登録の全部又は一部を取り消した場合において、他の者に新たに流水の占用を認めるため必要があるときは、ダむ使用権者に対し、相当の期間を定めてダむ使用権の全部又は一部を他の者に譲渡すべきことを命ずることができる。

2項 前項の期間内に ダむ使用権 の譲渡がされないときは、国土交通大臣は、ダむ使用権者の有していた 流水占用権 の全部又は一部と同1の流水占用権につき他の者が 河川法 第23条 《流水の占用の許可 河川の流水を占用しよ…》 うとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。 ただし、次条に規定する発電のために河川の流水を占用しようとする場合は、この限りでない。 の規定による許可又は同法第23条の2の規定による登録を受ける見込みが十分であるときに限り、ダむ使用権の全部又は一部につき取消しの処分をすることができる。

26条 (登録)

1項 ダむ使用権 又はダむ使用権を目的とする抵当権の設定、変更、移転、消滅及び処分の制限は、ダむ使用権登録簿に登録する。

2項 前項の規定による登録は、登記に代るものとする。

3項 第1項の規定による登録に関する処分については、 行政手続法 1993年法律第88号)第2章及び第3章の規定は、適用しない。

4項 ダむ使用権 登録簿については、 行政機関の保有する情報の公開に関する法律 1999年法律第42号)の規定は、適用しない。

5項 ダむ使用権 登録簿に記録されている保有個人情報( 個人情報の保護に関する法律 2003年法律第57号第60条第1項 《この章及び第8章において「保有個人情報」…》 とは、行政機関等の職員独立行政法人等及び地方独立行政法人にあっては、その役員を含む。以下この章及び第8章において同じ。が職務上作成し、又は取得した個人情報であって、当該行政機関等の職員が組織的に利用す に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第5章第4節の規定は、適用しない。

6項 前各項に規定するもののほか、登録に関し必要な事項は、政令で定める。

27条 (納付金)

1項 ダむ使用権 の設定を受ける者は、 第17条 《設定 国土交通大臣は、多目的ダむの建設…》 を完了したときは、ただちに、ダむ使用権の設定予定者にダむ使用権の設定をしなければならない。 の規定により設定を受ける場合を除き、多目的ダむによる流水の貯留を利用して流水を当該ダむ使用権の設定の目的である用途に供することによつて得られる効用から算定される推定の投資額を勘案して、政令で定めるところにより算出した額の納付金を国に納付しなければならない。

28条 (負担金等の還付)

1項 ダむ使用権 につき、 第24条 《取消しの処分等 国土交通大臣は、ダむ使…》 用権者の有する流水占用権につき、河川法第23条の規定による許可又は同法第23条の2の規定による登録の全部又は一部を取り消す場合において、何人にも従前どおりの流水の占用を認めることができないときは、ダむ 又は 第25条第2項 《2 前項の期間内にダむ使用権の譲渡がされ…》 ないときは、国土交通大臣は、ダむ使用権者の有していた流水占用権の全部又は一部と同1の流水占用権につき他の者が河川法第23条の規定による許可又は同法第23条の2の規定による登録を受ける見込みが十分である の規定による取消又は変更の処分があつたときは、国は、すでに納付された 第7条第1項 《ダむ使用権の設定予定者は、多目的ダむの建…》 設に要する費用のうち、建設の目的である各用途について、多目的ダむによる流水の貯留を利用して流水を当該用途に供することによつて得られる効用から算定される推定の投資額及び当該用途のみに供される工作物でその の負担金又は前条の納付金のうち、同条に規定する方法と同1の方法により算出した金額を還付するものとする。ただし、 第17条 《設定 国土交通大臣は、多目的ダむの建設…》 を完了したときは、ただちに、ダむ使用権の設定予定者にダむ使用権の設定をしなければならない。 の規定によりダむ使用権の設定を受けた者に対して還付する額は、 第7条第1項 《ダむ使用権の設定予定者は、多目的ダむの建…》 設に要する費用のうち、建設の目的である各用途について、多目的ダむによる流水の貯留を利用して流水を当該用途に供することによつて得られる効用から算定される推定の投資額及び当該用途のみに供される工作物でその の負担金の額から政令で定めるところにより算定した償却額を控除した額をこえないものとする。

2項 第24条 《取消しの処分等 国土交通大臣は、ダむ使…》 用権者の有する流水占用権につき、河川法第23条の規定による許可又は同法第23条の2の規定による登録の全部又は一部を取り消す場合において、何人にも従前どおりの流水の占用を認めることができないときは、ダむ 又は 第25条第2項 《2 前項の期間内にダむ使用権の譲渡がされ…》 ないときは、国土交通大臣は、ダむ使用権者の有していた流水占用権の全部又は一部と同1の流水占用権につき他の者が河川法第23条の規定による許可又は同法第23条の2の規定による登録を受ける見込みが十分である の規定による取消又は変更の処分により消滅した全部又は一部の ダむ使用権 の上に抵当権の設定が登録されているときは、国は、その抵当権者の承諾を得た場合を除き、前項の還付金を供託しなければならない。

3項 抵当権者は、前項の規定により供託された還付金に対して、その権利を行うことができる。

4章 多目的ダむの管理

29条

1項 削除

30条 (操作の基本原則)

1項 多目的ダむの操作は、流水によつて生ずる公利を増進し、及び公害を除却し、又は軽減するとともに、 ダむ使用権 を侵害しないように行わなければならない。

31条 (操作規則)

1項 国土交通大臣は、多目的ダむの操作の基本原則に従い、多目的ダむの操作規則を定めなければならない。

2項 多目的ダむの操作規則に定める事項については、政令で定める。

3項 国土交通大臣は、多目的ダむの操作規則を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、関係都道府県知事及び ダむ使用権 の設定予定者又はダむ使用権者の意見をきかなければならない。

32条 (放流に関する通知等)

1項 国土交通大臣又は多目的ダむを管理する都道府県知事は、多目的ダむによつて貯留された流水を放流することによつて流水の状況に著しい変化を生ずると認める場合において、これによつて生ずる危害を防止するため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、関係都道府県知事、関係市町村長及び関係警察署長に通知するとともに、一般に周知させるため必要な措置をとらなければならない。

2項 前項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、 地方自治法 1947年法律第67号第2条第9項第1号 《この法律において「法定受託事務」とは、次…》 に掲げる事務をいう。 1 法律又はこれに基づく政令により都道府県、市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち、国が本来果たすべき役割に係るものであつて、国においてその適正な処理を特に確保する必要 に規定する第1号法定受託事務とする。

33条 (管理費用の負担)

1項 ダむ使用権 者( 流水占用権 を有しない者を除く。)は、政令で定めるところにより、多目的ダむの維持、修繕その他の管理に要する費用の一部を負担しなければならない。

5章 雑則

34条

1項 削除

35条 (特別の納付金)

1項 第13条 《ダむ使用権設定前の多目的ダむの利用 ダ…》 む使用権の設定予定者は、第3条の規定にかかわらず、ダむ使用権の設定を受ける前に、国土交通大臣の許可を受けて、多目的ダむによる流水の貯留を利用して流水を特定用途に供することができる。 の規定による許可を受けた ダむ使用権 の設定予定者又はダむ使用権者で、3月31日現在において多目的ダむによる流水の貯留を利用して流水を 特定用途 に供している者は、翌年の6月30日までに、国又は都道府県が当該多目的ダむに関し 国有資産等所在市町村交付金法 1956年法律第82号第20条 《多目的ダムに係る市町村交付金等 特定多…》 目的ダム法1957年法律第35号第2条第1項に規定する多目的ダムについては、当該多目的ダムの用に供する固定資産のうち発電又は水道若しくは工業用水道の用に供する部分を、国土交通大臣が管理する場合同法第1 の規定により地方公共団体に交付する交付金に相当する額の納付金を、国又は都道府県に納付しなければならない。

36条 (強制徴収)

1項 第7条第1項 《ダむ使用権の設定予定者は、多目的ダむの建…》 設に要する費用のうち、建設の目的である各用途について、多目的ダむによる流水の貯留を利用して流水を当該用途に供することによつて得られる効用から算定される推定の投資額及び当該用途のみに供される工作物でその第9条第1項 《多目的ダむの建設によつて著しく利益を受け…》 る者がある場合において、その者が流水を政令で定める用途に供する者であるときは国土交通大臣、その他の者であるときは都道府県知事は、その利益を受ける限度において、多目的ダむの建設に要する費用の一部を負担さ 若しくは 第10条第1項 《専用の施設を新設し、又は拡張して、新築さ…》 れる多目的ダむによる流水の貯留を利用して流水をかんがいの用に供する者は、多目的ダむの建設に要する費用につき当該用途について第7条第1項に規定する方法と同1の方法により算出した額のうち十分の一以内で政令 の負担金、 第33条 《管理費用の負担 ダむ使用権者流水占用権…》 を有しない者を除く。は、政令で定めるところにより、多目的ダむの維持、修繕その他の管理に要する費用の一部を負担しなければならない。 ダむ使用権 者の負担金又は 第27条 《納付金 ダむ使用権の設定を受ける者は、…》 第17条の規定により設定を受ける場合を除き、多目的ダむによる流水の貯留を利用して流水を当該ダむ使用権の設定の目的である用途に供することによつて得られる効用から算定される推定の投資額を勘案して、政令で定 若しくは前条の納付金(以下この条において「 負担金等 」という。)を納付しない者があるときは、国土交通大臣又は都道府県知事は、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。

2項 前項の場合においては、国土交通大臣又は都道府県知事は、国土交通省令で定めるところにより、延滞金を徴収することができる。ただし、延滞金は、年14・5パーセントの割合を乗じて計算した額をこえない範囲内で定めなければならない。

3項 第1項の規定による督促を受けた者がその指定する期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、国土交通大臣又は都道府県知事は、国税滞納処分の例により前2項に規定する 負担金等 及び延滞金を徴収することができる。この場合における負担金等及び延滞金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

4項 延滞金は、 負担金等 に先だつものとする。

5項 負担金等 及び延滞金を徴収する権利は、これらを行使することができる時から5年間行使しないときは、時効により消滅する。

37条 (権限の委任)

1項 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、その一部を地方整備局長又は北海道開発局長に委任することができる。

38条 (政令への委任)

1項 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。

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