保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則《本則》

法番号:1957年厚生省令第16号

略称:

附則 >  

制定文 健康保険法(1922年法律第70号)第43条ノ4第1項及び第43条ノ6第1項(これらの規定を同法第59条ノ2第7項において準用する場合を含む。)の規定に基き、並びに日雇労働者 健康保険法 1953年法律第207号及び 船員保険法 1939年法律第73号)を実施するため、 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則 を次のように定める。


1条 (療養の給付の担当の範囲)

1項 保険薬局が担当する療養の給付及び被扶養者の療養(以下単に「療養の給付」という。)は、薬剤又は治療材料の支給並びに居宅における薬学的管理及び指導とする。

2条 (療養の給付の担当方針)

1項 保険薬局は、懇切丁寧に療養の給付を担当しなければならない。

2条の2 (適正な手続の確保)

1項 保険薬局は、その担当する療養の給付に関し、厚生労働大臣又は地方厚生局長若しくは地方厚生支局長に対する申請、届出等に係る手続及び療養の給付に関する費用の請求に係る手続を適正に行わなければならない。

2条の3 (健康保険事業の健全な運営の確保)

1項 保険薬局は、その担当する療養の給付に関し、次の各号に掲げる行為を行つてはならない。

1号 保険医療機関と一体的な構造とし、又は保険医療機関と一体的な経営を行うこと。

2号 保険医療機関又は保険医に対し、患者に対して特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行うことの対償として、金品その他の財産上の利益を供与すること。

2項 前項に規定するほか、保険薬局は、その担当する療養の給付に関し、健康保険事業の健全な運営を損なうことのないよう努めなければならない。

2条の3の2 (経済上の利益の提供による誘引の禁止)

1項 保険薬局は、患者に対して、 第4条 《患者負担金の受領 保険薬局は、被保険者…》 又は被保険者であつた者については法第74条の規定による一部負担金並びに法第86条の規定による療養についての費用の額に法第74条第1項各号に掲げる場合の区分に応じ、同項各号に定める割合を乗じて得た額の支 の規定により受領する費用の額に応じて当該保険薬局における商品の購入に係る対価の額の値引きをすることその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより、当該患者が自己の保険薬局において調剤を受けるように誘引してはならない。

2項 保険薬局は、事業者又はその従業員に対して、患者を紹介する対価として金品を提供することその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより、患者が自己の保険薬局において調剤を受けるように誘引してはならない。

2条の4 (掲示)

1項 保険薬局は、その薬局内の見やすい場所に、 第4条の3第2項 《2 保険薬局は、その薬局内の見やすい場所…》 に、前項の療養の内容及び費用に関する事項を掲示しなければならない。 に規定する事項のほか、別に厚生労働大臣が定める事項を掲示しなければならない。

2項 保険薬局は、原則として、前項の厚生労働大臣が定める事項をウェブサイトに掲載しなければならない。

3条 (処方箋の確認等)

1項 保険薬局は、被保険者及び被保険者であつた者並びにこれらの者の被扶養者である患者(以下単に「患者」という。)から療養の給付を受けることを求められた場合には、その者の提出する処方箋が 健康保険法 1922年法律第70号。以下「」という。第63条第3項 《3 第1項の給付を受けようとする者は、厚…》 生労働省令で定めるところにより、次に掲げる病院若しくは診療所又は薬局のうち、自己の選定するものから、電子資格確認その他厚生労働省令で定める方法以下「電子資格確認等」という。により、被保険者であることの 各号に掲げる病院又は診療所において健康保険の診療に従事している医師又は歯科医師(以下「 保険医等 」という。)が交付した処方箋であること及び次に掲げるいずれかの方法によつて療養の給付を受ける資格があることを確認しなければならない。ただし、緊急やむを得ない事由によつて療養の給付を受ける資格があることの確認を行うことができない患者であつて、療養の給付を受ける資格が明らかなものについては、この限りでない。

1号 保険医等 が交付した処方箋

2号 第3条第13項 《13 この法律において「電子資格確認」と…》 は、保険医療機関等第63条第3項各号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局をいう。以下同じ。から療養を受けようとする者又は第88条第1項に規定する指定訪問看護事業者から同項に規定する指定訪問看護を受けよう に規定する 電子資格確認 以下「 電子資格確認 」という。

3号 患者の提出し、又は提示する資格確認書

4号 当該保険薬局が、過去に取得した当該患者の被保険者又は被扶養者の資格に係る情報(保険給付に係る費用の請求に必要な情報を含む。)を用いて、保険者に対し、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により、あらかじめ照会を行い、保険者から回答を受けて取得した直近の当該情報を確認する方法(当該患者が当該保険薬局から療養の給付(居宅における薬学的管理及び指導に限る。)を受けようとする場合であつて、当該保険薬局から 電子資格確認 による確認を受けてから継続的な療養の給付を受けている場合に限る。

5号 その他厚生労働大臣が定める方法

2項 患者が 電子資格確認 により療養の給付を受ける資格があることの確認を受けることを求めた場合における前項の規定の適用については、同項中「次に掲げるいずれかの」とあるのは「第2号又は第4号に掲げる」と、「事由によつて」とあるのは「事由によつて第2号又は第4号に掲げる方法により」とする。

3項 療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令 1976年厚生省令第36号)附則第3条の4第1項の規定により同項に規定する書面による請求を行つている保険薬局及び同令附則第3条の5第1項の規定により届出を行つた保険薬局については、前項の規定は、適用しない。

4項 保険薬局(前項の規定の適用を受けるものを除く。)は、第2項に規定する場合において、患者が 電子資格確認 によつて療養の給付を受ける資格があることの確認を受けることができるよう、あらかじめ必要な体制を整備しなければならない。

3条の2 (要介護被保険者等の確認)

1項 保険医療機関等は、患者に対し、居宅療養管理指導その他の 介護保険法 1997年法律第123号第8条第1項 《この法律において「居宅サービス」とは、訪…》 問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護、福祉用具貸与及び特定福祉用具販売 に規定する居宅サービス又は同法第8条の2第1項に規定する介護予防サービスに相当する療養の給付を行うに当たっては、同法第12条第3項に規定する被保険者証の提示を求めるなどにより、当該患者が同法第62条に規定する要介護被保険者等であるか否かの確認を行うものとする。

4条 (患者負担金の受領)

1項 保険薬局は、被保険者又は被保険者であつた者については 第74条 《一部負担金 第63条第3項の規定により…》 保険医療機関又は保険薬局から療養の給付を受ける者は、その給付を受ける際、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該給付につき第76条第2項又は第3項の規定により算定した額に当該各号に定める割合を乗じて得た の規定による一部負担金並びに法第86条の規定による療養についての費用の額に法第74条第1項各号に掲げる場合の区分に応じ、同項各号に定める割合を乗じて得た額の支払を、被扶養者については法第76条第2項又は第86条第2項第1号の費用の額の算定の例により算定された費用の額から法第110条の規定による家族療養費として支給される額(同条第2項第1号に規定する額に限る。)に相当する額を控除した額の支払を受けるものとする。

2項 保険薬局は、 第63条第2項第3号 《2 次に掲げる療養に係る給付は、前項の給…》 付に含まれないものとする。 1 食事の提供である療養であって前項第5号に掲げる療養と併せて行うもの医療法1948年法律第205号第7条第2項第4号に規定する療養病床以下「療養病床」という。への入院及び に規定する 評価療養 以下「 評価療養 」という。)、同項第4号に規定する 患者申出療養 以下「 患者申出療養 」という。又は同項第5号に規定する 選定療養 以下「 選定療養 」という。)に関し、当該療養に要する費用の範囲内において、法第86条第2項又は第110条第3項の規定により算定した費用の額を超える金額の支払を受けることができる。ただし、厚生労働大臣が定める療養に関しては、厚生労働大臣が定める額の支払を受けるものとする。

4条の2 (領収証等の交付)

1項 保険薬局は、前条の規定により患者から費用の支払を受けるときは、正当な理由がない限り、個別の費用ごとに区分して記載した領収証を無償で交付しなければならない。

2項 厚生労働大臣の定める保険薬局は、前項に規定する領収証を交付するときは、正当な理由がない限り、当該費用の計算の基礎となつた項目ごとに記載した明細書を交付しなければならない。

3項 前項に規定する明細書の交付は、無償で行わなければならない。

4条の2の2

1項 前条第2項の厚生労働大臣の定める保険薬局は、公費負担医療(厚生労働大臣の定めるものに限る。)を担当した場合( 第4条第1項 《保険薬局は、被保険者又は被保険者であつた…》 者については法第74条の規定による一部負担金並びに法第86条の規定による療養についての費用の額に法第74条第1項各号に掲げる場合の区分に応じ、同項各号に定める割合を乗じて得た額の支払を、被扶養者につい の規定により患者から費用の支払を受ける場合を除く。)において、正当な理由がない限り、当該公費負担医療に関する費用の請求に係る計算の基礎となつた項目ごとに記載した明細書を交付しなければならない。

2項 前項に規定する明細書の交付は、無償で行わなければならない。

4条の3 (保険外併用療養費に係る療養の基準等)

1項 保険薬局は、 評価療養 患者申出療養 又は 選定療養 に関して 第4条第2項 《2 保険薬局は、法第63条第2項第3号に…》 規定する評価療養以下「評価療養」という。、同項第4号に規定する患者申出療養以下「患者申出療養」という。又は同項第5号に規定する選定療養以下「選定療養」という。に関し、当該療養に要する費用の範囲内におい の規定による支払を受けようとする場合において、当該療養を行うに当たり、その種類及び内容に応じて厚生労働大臣の定める基準に従わなければならないほか、あらかじめ、患者に対しその内容及び費用に関して説明を行い、その同意を得なければならない。

2項 保険薬局は、その薬局内の見やすい場所に、前項の療養の内容及び費用に関する事項を掲示しなければならない。

3項 保険薬局は、原則として、前項の療養の内容及び費用に関する事項をウェブサイトに掲載しなければならない。

5条 (調剤録の記載及び整備)

1項 保険薬局は、 第10条 《調剤録の記載 保険薬剤師は、患者の調剤…》 を行つた場合には、遅滞なく、調剤録に当該調剤に関する必要な事項を記載しなければならない。 の規定による調剤録に、療養の給付の担当に関し必要な事項を記載し、これを他の調剤録と区別して整備しなければならない。

6条 (処方箋等の保存)

1項 保険薬局は、患者に対する療養の給付に関する処方箋及び調剤録をその完結の日から3年間保存しなければならない。

7条 (通知)

1項 保険薬局は、患者が次の各号の1に該当する場合には、遅滞なく、意見を付して、その旨を全国健康保険協会又は当該健康保険組合に通知しなければならない。

1号 正当な理由がなくて、療養に関する指揮に従わないとき。

2号 詐欺その他不正な行為により、療養の給付を受け、又は受けようとしたとき。

7条の2 (後発医薬品の調剤)

1項 保険薬局は、 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第14条の4第1項 《次の各号に掲げる医薬品につき第14条の承…》 認第14条の2の2第1項の規定により条件及び期限を付したものを除く。以下この条及び第14条の6第1項において同じ。を受けた者は、当該医薬品について、当該各号に定める期間内に申請して、厚生労働大臣の再審 各号に掲げる医薬品(以下「 新医薬品等 」という。)とその有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同一性を有する医薬品として、同法第14条又は第19条の2の規定による製造販売の 承認 以下「 承認 」という。)がなされたもの(ただし、同法第14条の4第1項第2号に掲げる医薬品並びに 新医薬品等 に係る承認を受けている者が、当該承認に係る医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同一であつてその形状、有効成分の含量又は有効成分以外の成分若しくはその含量が異なる医薬品に係る承認を受けている場合における当該医薬品を除く。)(以下「後発医薬品」という。)の備蓄に関する体制その他の後発医薬品の調剤に必要な体制の確保に努めなければならない。

8条 (調剤の一般的方針)

1項 保険薬局において健康保険の調剤に従事する 保険薬剤師 以下「 保険薬剤師 」という。)は、 保険医等 の交付した処方箋に基いて、患者の療養上妥当適切に調剤並びに薬学的管理及び指導を行わなければならない。

2項 保険薬剤師 は、調剤を行う場合は、患者の服薬状況及び薬剤服用歴を確認しなければならない。

3項 保険薬剤師 は、処方箋に記載された医薬品に係る後発医薬品が次条に規定する厚生労働大臣の定める医薬品である場合であつて、当該処方箋を発行した 保険医等 が後発医薬品への変更を認めているときは、患者に対して、後発医薬品に関する説明を適切に行わなければならない。この場合において、保険薬剤師は、後発医薬品を調剤するよう努めなければならない。

9条 (使用医薬品)

1項 保険薬剤師 は、厚生労働大臣の定める医薬品以外の医薬品を使用して調剤してはならない。ただし、厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。

9条の2 (健康保険事業の健全な運営の確保)

1項 保険薬剤師 は、調剤に当たつては、健康保険事業の健全な運営を損なう行為を行うことのないよう努めなければならない。

10条 (調剤録の記載)

1項 保険薬剤師 は、患者の調剤を行つた場合には、遅滞なく、調剤録に当該調剤に関する必要な事項を記載しなければならない。

10条の2 (適正な費用の請求の確保)

1項 保険薬剤師 は、その行つた調剤に関する情報の提供等について、保険薬局が行う療養の給付に関する費用の請求が適正なものとなるよう努めなければならない。

11条 (読替規定)

1項 日雇特例被保険者の保険及び船員保険に関してこの省令を適用するについては、次の表の第一欄に掲げるこの省令の規定中の字句で、同表の第二欄に掲げるものは、日雇特例被保険者の保険にあつては同表の第三欄に掲げる字句と、船員保険にあつては同表の第四欄に掲げる字句とそれぞれ読み替えるものとする。

《本則》 ここまで 附則 >  

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