企業担保法《本則》

法番号:1958年法律第106号

附則 >  

1章 企業担保権

1条 (企業担保権)

1項 株式 会社 以下「 会社 」という。)の総財産は、その会社の発行する社債を担保するため、一体として、企業担保権の目的とすることができる。

2項 企業担保権は、物権とする。

2条 (効力)

1項 企業担保権者は、現に 会社 に属する総財産につき、他の債権者に先だつて、債権の弁済を受けることができる。

2項 前項の規定は、 会社 の財産に対する強制執行又は担保権の実行としての競売の場合には、適用しない。

3条 (設定及び変更)

1項 企業担保権の設定又は変更を目的とする契約は、公正証書によつてしなければならない。

4条 (登記)

1項 企業担保権の得喪及び変更は、 会社 の本店の所在地において、株式会社登記簿にその登記をしなければ、効力を生じない。ただし、一般承継、混同又は担保する債権の消滅による得喪及び変更については、この限りでない。

2項 企業担保権の登記に関し必要な事項は、政令で定める。

5条 (順位)

1項 数個の企業担保権相互の順位は、その登記の前後による。

6条 (他の権利との関係)

1項 会社 の財産の上に存する権利は、企業担保権の登記の後に対抗要件を備えたものでも、企業担保権者に対抗することができる。

7条

1項 一般の先取特権は、企業担保権に優先する。

2項 特別の先取特権、質権又は抵当権は、その権利の目的となつている財産につき、企業担保権に優先する。

8条 (会社の合併)

1項 合併により消滅する 会社 の総財産を目的とする企業担保権は、合併後存続する会社又は合併により設立される会社の総財産につき、効力を有する。

2項 合併をする 会社 の双方の総財産が企業担保権の目的となつているときは、合併後の企業担保権の順位に関する企業担保権者間に協定がなければ、合併をすることができない。

3項 合併の無効の訴は、企業担保権者も、提起することができる。

8条の2 (会社の分割)

1項 会社 の総財産が企業担保権の目的となつているときは、その会社は、企業担保権が担保する債務を分割により承継させることができない。

9条 (民法の準用)

1項 民法 1896年法律第89号第296条 《留置権の不可分性 留置権者は、債権の全…》 部の弁済を受けるまでは、留置物の全部についてその権利を行使することができる。第374条 《抵当権の順位の変更 抵当権の順位は、各…》 抵当権者の合意によって変更することができる。 ただし、利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない。 2 前項の規定による順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない。第375条 《抵当権の被担保債権の範囲 抵当権者は、…》 利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の2年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。 ただし、それ以前の定期金についても、満期後に特別の登記をしたときは、その登第376条 《抵当権の処分 抵当権者は、その抵当権を…》 他の債権の担保とし、又は同1の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。 2 前項の場合において、抵当権者が数人のためにその抵当権の処分を 中順位の譲渡及び放棄に関する部分、 第377条 《抵当権の処分の対抗要件 前条の場合には…》 、第467条の規定に従い、主たる債務者に抵当権の処分を通知し、又は主たる債務者がこれを承諾しなければ、これをもって主たる債務者、保証人、抵当権設定者及びこれらの者の承継人に対抗することができない。 2 及び 第396条 《抵当権の消滅時効 抵当権は、債務者及び…》 抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しない。 の規定は、企業担保権について準用する。

2章 企業担保権の実行 > 1節 総則

10条 (管轄)

1項 企業担保権の実行は、 会社 の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。

11条 (実行の申立)

1項 企業担保権の実行は、企業担保権者の申立によつてする。

12条 (任意的口頭弁論)

1項 実行手続に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。

13条 (公告)

1項 この章の規定によつてする公告は、別段の定がない限り、官報及び裁判所の定める1個又は数個の新聞紙に掲載してする。

2項 前項の規定による公告は、最終の掲載があつた日の翌日に、その効力を生ずる。

14条 (利害関係人)

1項 実行手続における利害関係人は、次に掲げる者とする。

1号 申立人

2号 会社

3号 申立人以外の企業担保権者

4号 第22条第1項 《裁判所は、実行手続の開始の決定をしたとき…》 は、ただちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 1 実行手続の開始の決定の主文 2 管財人の表示 3 会社の債務者及び会社の財産の所持者は、会社に弁済し、又はその財産を交付してはならない旨及び の規定による公告の最終の掲載があつた日又は 第23条第1項 《管財人は、実行手続の開始の決定があつたと…》 きは、遅滞なく、実行手続の開始の登記及び管財人の登記を会社の本店の所在地を管轄する登記所に申請しなければならない。 の規定による実行手続の開始の登記の日のうちいずれか遅い日において、 会社 の財産につき、登記若しくは登録した権利又は仮登記若しくは仮登録により保全される権利を有する者として、その権利を証明した者

5号 前号に掲げる者を除くほか、 会社 の財産につき、実行手続において主張することができる権利を有する者として、その権利を証明した者

15条 (報告の徴取)

1項 裁判所は、利害の関係を有する者の申請により、又は職権で、管財人に、 会社 の財産又はその管理若しくは換価の状況に関する報告をさせることができる。

16条 (書類の閲覧等)

1項 利害の関係を有する者は、裁判所書記官に、実行手続に関する書類の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。

16条の2 (ファイル記録事項の閲覧等)

1項 利害の関係を有する者は、裁判所書記官に、最高裁判所の定めるところにより、実行手続に関し裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。次項及び第3項において同じ。)に備えられたファイル( 第29条第2項 《2 実行手続の開始の決定があつた後更に実…》 行の申立てがあつたときは、その申立ては、実行手続においてファイルに記録することにより配当要求の効力を生じ、開始決定を受けた債権者が実行の申立てを取り下げたとき、又は実行手続の開始の決定が取り消されたと 及び 第54条第1項 《管財人は、企業担保権者及びこれに優先する…》 債権者の電子配当表次条において準用する民事執行法第85条第3項に規定する電子配当表であつて、同条第5項の規定によりファイルに記録されたものをいう。が実施されたときは、遅滞なく、次に掲げる登記及び登録を において単に「ファイル」という。)に記録された事項(次項及び第3項において「 ファイル記録事項 」という。)の内容を最高裁判所の定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。

2項 利害の関係を有する者は、裁判所書記官に、 ファイル記録事項 について、最高裁判所の定めるところにより、最高裁判所の定める電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機と手続の相手方の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。次項において同じ。)を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所の定める方法による複写を請求することができる。

3項 利害の関係を有する者は、裁判所書記官に、最高裁判所の定めるところにより、 ファイル記録事項 の全部若しくは一部を記載した書面であつて裁判所書記官が最高裁判所の定める方法により当該書面の内容がファイル記録事項と同一であることを証明したものを交付し、又はファイル記録事項の全部若しくは一部を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)であつて裁判所書記官が最高裁判所の定める方法により当該電磁的記録の内容がファイル記録事項と同一であることを証明したものを最高裁判所の定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所の定める方法により提供することを請求することができる。

17条 (民事訴訟法及び民事執行法の準用)

1項 特別の定めがある場合を除き、実行手続に関しては、その性質に反しない限り、 民事訴訟法 1996年法律第109号)第1編から第4編までの規定を準用する。この場合において、同法第132条の11第1項第2号中「 第2条 《効力 企業担保権者は、現に会社に属する…》 総財産につき、他の債権者に先だつて、債権の弁済を受けることができる。 2 前項の規定は、会社の財産に対する強制執行又は担保権の実行としての競売の場合には、適用しない。 」とあるのは、「 第9条 《民法の準用 民法1896年法律第89号…》 第296条、第374条、第375条、第376条中順位の譲渡及び放棄に関する部分、第377条及び第396条の規定は、企業担保権について準用する。 において準用する同法第2条」と読み替えるものとする。

2項 民事執行法 1979年法律第4号第10条 《執行抗告 民事執行の手続に関する裁判に…》 対しては、特別の定めがある場合に限り、執行抗告をすることができる。 2 執行抗告は、裁判の告知を受けた日から1週間の不変期間内に、抗告状を原裁判所に提出してしなければならない。 3 抗告状に執行抗告の から 第12条 《取消決定等に対する執行抗告 民事執行の…》 手続を取り消す旨の決定に対しては、執行抗告をすることができる。 民事執行の手続を取り消す執行官の処分に対する執行異議の申立てを却下する裁判又は執行官に民事執行の手続の取消しを命ずる決定に対しても、同様 まで、 第14条 《費用の予納等 執行裁判所に対し民事執行…》 の申立てをするときは、申立人は、民事執行の手続に必要な費用として裁判所書記官の定める金額を予納しなければならない。 予納した費用が不足する場合において、裁判所書記官が相当の期間を定めてその不足する費用 から 第16条 《送達の特例 民事執行の手続について、執…》 行裁判所に対し申立て、申出若しくは届出をし、又は執行裁判所から文書若しくは電磁的記録電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報 まで、 第18条 《官庁等に対する援助請求等 民事執行のた…》 め必要がある場合には、執行裁判所又は執行官は、官庁又は公署に対し、援助を求めることができる。 2 前項に規定する場合には、執行裁判所又は執行官は、民事執行の目的である財産財産が土地である場合にはその上第18条 《官庁等に対する援助請求等 民事執行のた…》 め必要がある場合には、執行裁判所又は執行官は、官庁又は公署に対し、援助を求めることができる。 2 前項に規定する場合には、執行裁判所又は執行官は、民事執行の目的である財産財産が土地である場合にはその上 の二、 第38条 《第三者異議の訴え 強制執行の目的物につ…》 いて所有権その他目的物の譲渡又は引渡しを妨げる権利を有する第三者は、債権者に対し、その強制執行の不許を求めるために、第三者異議の訴えを提起することができる。 2 前項に規定する第三者は、同項の訴えに併第42条 《執行費用の負担 強制執行の費用で必要な…》 もの以下「執行費用」という。は、債務者の負担とする。 2 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行にあつては、執行費用は、その執行手続において、債務名義を要しないで、同時に、取り立てることができる 及び 第183条 《不動産担保権の実行の手続の停止 不動産…》 担保権の実行の手続は、第1号の申立て又は第2号の文書同号ハにあつては、文書又は電磁的記録の提出があつたときは、停止しなければならない。 1 担保権の登記の抹消がされた不動産についての不動産担保権の実行 の規定は、実行手続に関し準用する。

18条 (政令等への委任)

1項 この法律に定めるもののほか、実行手続に関し必要な事項で、登記又は登録に関するものは政令で、その他のものは最高裁判所が定める。

2節 実行手続の開始

19条 (開始決定)

1項 実行手続の開始は、決定でする。

2項 実行の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

20条

1項 実行手続の開始の決定には、同時に、企業担保権者のために 会社 の総財産を差し押える旨を宣言しなければならない。

2項 差押は、決定を 会社 に送達することによつてその効力を生ずる。

21条

1項 裁判所は、実行手続の開始の決定と同時に、管財人を選任しなければならない。

22条 (公告)

1項 裁判所は、実行手続の開始の決定をしたときは、ただちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。

1号 実行手続の開始の決定の主文

2号 管財人の表示

3号 会社 の債務者及び会社の財産の所持者は、会社に弁済し、又はその財産を交付してはならない旨及び債務を負担すること又はその財産を所持することを一定の期間内に管財人に届け出るべき旨

4号 一般の優先権を有する 会社 の債権者(租税その他の公課については、その賦課徴収の事務を掌る機関)は、その債権を一定の期間内に裁判所に届け出るべき旨

5号 特別担保を有する 会社 の債権者は、その担保権を一定の期間内に裁判所に届け出るべき旨

2項 裁判所は、管財人又はその表示に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。

3項 第1項第3号の届出を怠つた者は、これによつて 会社 の総財産に生じた損害を賠償しなければならない。

23条 (登記及び登録)

1項 管財人は、実行手続の開始の決定があつたときは、遅滞なく、実行手続の開始の登記及び管財人の登記を 会社 の本店の所在地を管轄する登記所に申請しなければならない。

2項 前項の規定は、管財人又はその表示に変更があつた場合における管財人の更迭又はその表示の変更の登記に準用する。

24条

1項 管財人は、実行手続の開始の決定があつたときは、遅滞なく、 会社 の財産で登記又は登録をすることができるものについて、実行手続の開始の登記又は登録を申請しなければならない。

25条

1項 前2条の規定による登記及び登録については、登録免許税を課さない。

26条 (会社の債務者への通知)

1項 管財人は、実行手続の開始の決定があつたときは、遅滞なく、 会社 の債務者に、会社のその債務者に対する債権が差し押えられた旨を通知しなければならない。ただし、債務を負担することを管財人に届け出た債務者に対しては、この限りでない。

27条 (差押の対抗)

1項 第20条 《 実行手続の開始の決定には、同時に、企業…》 担保権者のために会社の総財産を差し押える旨を宣言しなければならない。 2 差押は、決定を会社に送達することによつてその効力を生ずる。 の規定による差押は、善意の第三者に対しては、 第22条第1項 《裁判所は、実行手続の開始の決定をしたとき…》 は、ただちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 1 実行手続の開始の決定の主文 2 管財人の表示 3 会社の債務者及び会社の財産の所持者は、会社に弁済し、又はその財産を交付してはならない旨及び の規定による公告及び 第23条第1項 《管財人は、実行手続の開始の決定があつたと…》 きは、遅滞なく、実行手続の開始の登記及び管財人の登記を会社の本店の所在地を管轄する登記所に申請しなければならない。 の規定による実行手続の開始の登記の後でなければ、対抗することができない。その公告及び登記の後でも、第三者が正当の理由により差押を知らなかつたときは、同様とする。

2項 前項の公告及び登記の後に、 会社 の法律行為によらないで会社の財産に関して権利を取得しても、その取得は、実行手続に対する関係においては、その効力を主張することができない。

28条 (他の手続の失効)

1項 実行手続の開始の決定があつたときは、 会社 の財産に対し既にされている債権若しくは担保権に基づく強制執行、仮差押、仮処分若しくは担保権の実行としての競売手続若しくは 国税徴収法 1959年法律第147号)による滞納処分若しくは国税徴収の例による滞納処分又は財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続は、実行手続に対する関係においては、その効力を失う。

29条 (二重実行の禁止)

1項 裁判所は、実行手続の開始の決定をしたときは、更に実行手続の開始の決定をすることができない。

2項 実行手続の開始の決定があつた後更に実行の申立てがあつたときは、その申立ては、実行手続においてファイルに記録することにより配当要求の効力を生じ、開始決定を受けた債権者が実行の申立てを取り下げたとき、又は実行手続の開始の決定が取り消されたときは、その時に実行手続の開始の決定を受けたものとみなす。

3項 前項の規定により後の実行の申立てが実行手続の開始の決定を受けたものとみなされたときは、従前の管財人は、引き続き、その後の手続における管財人となる。

3節 会社の総財産の管理

30条 (管財人の選任等)

1項 管財人は、裁判所が選任する。この場合においては、裁判所は、申立人の意見をきかなければならない。

2項 信託 会社 信託業法 2004年法律第154号第3条 《免許 信託業は、内閣総理大臣の免許を受…》 けた者でなければ、営むことができない。 又は 第53条第1項 《第3条の規定にかかわらず、外国信託業者は…》 、当該外国信託業者が国内における信託業の本拠として設ける1の支店以下「主たる支店」という。について内閣総理大臣の免許を受けた場合に限り、当該主たる支店及び当該外国信託業者が国内において設ける他の支店に の免許を受けた者をいう。)、銀行その他の法人は、管財人となることができる。

3項 管財人は、その職務を行う場合において必要があるときは、補助者を使用することができる。

31条

1項 裁判所は、利害関係人の申請により、又は職権で、管財人を解任することができる。この場合においては、申立人の意見をきき、かつ、その管財人を審尋しなければならない。

31条の2 (管財人代理)

1項 管財人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で1人又は数人の管財人代理を選任することができる。

2項 前項の管財人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。

32条 (管財人の権限)

1項 実行手続の開始の決定があつたときは、管財人は、 会社 の総財産を保全するため、これを管理する。

2項 管財人は、 会社 の商品及び有価証券を売却することができる。

3項 管財人は、 会社 の債権を直接に取り立てることができる。

33条 (説明義務)

1項 会社 の取締役、執行役及び監査役は、管財人の請求により、会社の財産に関し、必要な説明をしなければならない。

34条 (財産明細表)

1項 管財人は、最高裁判所の定めるところにより、 会社 の総財産につき財産明細表を作成し、その謄本を裁判所に提出しなければならない。

2項 前項の財産明細表は、電磁的記録をもつて作成し、又は提出することができる。

35条 (管理費用及び報酬)

1項 管財人は、 会社 の金銭を費用及び報酬に充てることができる。

2項 申立人は、管財人の請求により、費用及び報酬を立て替えなければならない。

36条 (破産法の準用)

1項 破産法 2004年法律第75号第76条 《数人の破産管財人の職務執行 破産管財人…》 が数人あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 2 破産管財人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その1人に対第80条 《当事者適格 破産財団に関する訴えについ…》 ては、破産管財人を原告又は被告とする。第85条 《破産管財人の注意義務 破産管財人は、善…》 良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 破産管財人が前項の注意を怠ったときは、その破産管財人は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する義務を負う。第87条第1項 《破産管財人は、費用の前払及び裁判所が定め…》 る報酬を受けることができる。 及び 第90条第1項 《破産管財人の任務が終了した場合において、…》 急迫の事情があるときは、破産管財人又はその承継人は、後任の破産管財人又は破産者が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。 の規定は管財人について、同法第79条及び第155条の規定は 会社 の財産の管理について、同法第87条第1項の規定は管財人代理について準用する。この場合において、同法第76条第1項中「、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務」とあるのは「その職務」と、同法第79条及び第155条中「破産管財人」とあるのは「管財人」と、同法第79条及び第80条中「破産財団」とあるのは「株式会社の財産」と、同法第90条第1項中「破産者」とあるのは「株式会社」と読み替えるものとする。

2項 前項において準用する 破産法 第87条第1項 《破産管財人は、費用の前払及び裁判所が定め…》 る報酬を受けることができる。 の規定による決定に対しては、執行抗告をすることができる。

4節 換価

37条 (換価の方法)

1項 会社 の総財産(金銭を除く。以下この節において同じ。)の換価は、一括競売又は任意売却によつてする。

2項 一括競売は、 会社 の総財産を一括し、せり売又は入札の方法によつてする。

3項 任意売却は、 会社 の総財産を一括し、又は個別に、適宜の方法によつてする。

38条 (一括競売の場合の評価)

1項 一括競売によるときは、管財人は、鑑定人に、 会社 の総財産及び特別担保の目的となつている財産の評価をさせなければならない。

2項 鑑定人は、 会社 の総財産の評価をするには、これを一体としてしなければならない。

39条 (最低競売価額)

1項 前条の規定による 会社 の総財産の評価額は、最低競売価額とする。

40条 (競売期日及び意見陳述期間等)

1項 競売期日は管財人が、 第50条 《民事執行法の準用 民事執行法第59条、…》 第60条第2項、第63条、第65条から第68条まで、第68条の4から第71条まで、第72条第1項及び第2項、第74条から第76条まで、第78条並びに第80条の規定は、換価に関し準用する。 この場合にお において読み替えて準用する 民事執行法 第70条第1項 《不動産の売却の許可又は不許可に関し利害関…》 係を有する者は、次条各号に掲げる事由で自己の権利に影響のあるものについて、意見を陳述することができる。 の規定により意見を陳述すべき期間(次条及び 第43条 《不動産執行の方法 不動産登記することが…》 できない土地の定着物を除く。以下この節において同じ。に対する強制執行以下「不動産執行」という。は、強制競売又は強制管理の方法により行う。 これらの方法は、併用することができる。 2 金銭の支払を目的と において「 意見陳述期間 」という。及び 第50条 《催告を受けた者の債権の届出義務 前条第…》 2項の規定による催告を受けた同項第1号又は第2号に掲げる者は、配当要求の終期までに、その催告に係る事項について届出をしなければならない。 2 前項の届出をした者は、その届出に係る債権の元本の額に変更が において読み替えて準用する同法第69条第1項の決定をする日(次条において「 競落決定日 」という。)は裁判所書記官が定める。

41条

1項 管財人は、競売期日、せり売又は入札の別、 意見陳述期間 競落決定日 及び最高裁判所の定める事項を公告しなければならない。

42条

1項 競売期日は、前条の規定による公告の後14日を経過した日以後でなければならない。

2項 競売期日は、管財人が開く。

3項 管財人は、競売期日に、競売につき調書を作らなければならない。

4項 前項の調書は、電磁的記録をもつて作成することができる。

43条

1項 意見陳述期間 の満了の日は、競売期日から起算して14日を過ぎることができない。

44条 (競落の効果)

1項 会社 の総財産は、代金の支払があつた時に、競落人に移転する。

2項 前項の場合には、競落人は、 会社 の営業に関する行政庁の許可、認可、免許その他の処分に基く地位を承継する。ただし、その承継に関し他の法令に禁止又は制限の定があるときは、その定に従う。

45条 (任意売却)

1項 任意売却は、裁判所の認可を受けて、管財人が実施する。ただし、企業担保権者、特別担保を有する債権者又は 会社 の申出があつた場合において、管財人が、企業担保権者全員及び、特別担保の目的となつている財産については、その特別担保を有する債権者の同意を得たときに限る。

2項 裁判所は、前項の認可の申請があつたときは、鑑定人に、売却価額の鑑定をさせることができる。

3項 会社 の総財産の一部の売却代金から実行手続の費用を控除して、企業担保権者及びこれに優先する債権者の債権を弁済することができるときは、他の財産を売却してはならない。

46条

1項 特別担保の目的となつている財産は、各別に売却しなければならない。

47条

1項 第45条第1項 《任意売却は、裁判所の認可を受けて、管財人…》 が実施する。 ただし、企業担保権者、特別担保を有する債権者又は会社の申出があつた場合において、管財人が、企業担保権者全員及び、特別担保の目的となつている財産については、その特別担保を有する債権者の同意 の規定による認可を受けないでされた売却は、無効とする。ただし、その無効は、善意の買受人又は転得者に対しては、主張することができない。

48条 (有価証券の名義書換)

1項 記名の有価証券が売却されたときは、管財人は、名義書換のため必要な行為をすることができる。

49条 (債権の譲渡の通知)

1項 債権(民法第3編第1章第4節の規定により譲渡されるものに限る。)が売却されたときは、管財人は、その旨を債務者に通知しなければならない。

2項 前項の通知があつたときは、競落人又は買受人は、その債権の取得を債務者その他の第三者に対抗することができる。

50条 (民事執行法の準用)

1項 民事執行法 第59条 《売却に伴う権利の消滅等 不動産の上に存…》 する先取特権、使用及び収益をしない旨の定めのある質権並びに抵当権は、売却により消滅する。 2 前項の規定により消滅する権利を有する者、差押債権者又は仮差押債権者に対抗することができない不動産に係る権利第60条第2項 《2 執行裁判所は、必要があると認めるとき…》 は、売却基準価額を変更することができる。第63条 《剰余を生ずる見込みのない場合等の措置 …》 執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その旨を差押債権者最初の強制競売の開始決定に係る差押債権者をいう。ただし、第47条第6項の規定により手続を続行する旨の裁判があつたときは、その第65条 《売却の場所の秩序維持 執行官は、次に掲…》 げる者に対し、売却の場所に入ることを制限し、若しくはその場所から退場させ、又は買受けの申出をさせないことができる。 1 他の者の買受けの申出を妨げ、若しくは不当に価額を引き下げる目的をもつて連合する等 から 第68条 《債務者の買受けの申出の禁止 債務者は、…》 買受けの申出をすることができない。 まで、 第68条の4 《調査の嘱託 執行裁判所は、最高価買受申…》 出人その者が法人である場合にあつては、その役員。以下この項において同じ。が暴力団員等に該当するか否かについて、必要な調査を執行裁判所の所在地を管轄する都道府県警察に嘱託しなければならない。 ただし、 から 第71条 《売却不許可事由 執行裁判所は、次に掲げ…》 る事由があると認めるときは、売却不許可決定をしなければならない。 1 強制競売の手続の開始又は続行をすべきでないこと。 2 最高価買受申出人が不動産を買い受ける資格若しくは能力を有しないこと又はその代 まで、 第72条第1項 《売却の実施の終了から売却の許可又は不許可…》 の決定までの間に第39条第1項第7号に掲げる文書の提出があつた場合には、執行裁判所は、他の事由により売却不許可決定をするときを除き、売却の許可又は不許可の決定をすることができない。 この場合においては 及び第2項、 第74条 《売却の許可又は不許可の決定に対する執行抗…》 告 売却の許可又は不許可の決定に対しては、その決定により自己の権利が害されることを主張するときに限り、執行抗告をすることができる。 2 売却許可決定に対する執行抗告は、第71条各号に掲げる事由がある から 第76条 《買受けの申出後の強制競売の申立ての取下げ…》 等 買受けの申出があつた後に強制競売の申立てを取り下げるには、最高価買受申出人又は買受人及び次順位買受申出人の同意を得なければならない。 ただし、他に差押債権者配当要求の終期後に強制競売又は競売の申 まで、 第78条 《代金の納付 売却許可決定が確定したとき…》 は、買受人は、裁判所書記官の定める期限までに代金を執行裁判所に納付しなければならない。 2 買受人が買受けの申出の保証として提供した金銭及び前条第1項の規定により納付した金銭は、代金に充てる。 3 買 並びに 第80条 《代金不納付の効果 買受人が代金を納付し…》 ないときは、売却許可決定は、その効力を失う。 この場合においては、買受人は、第66条の規定により提供した保証の返還を請求することができない。 2 前項前段の場合において、次順位買受けの申出があるときは の規定は、換価に関し準用する。この場合において、同法第59条第1項中「不動産」とあるのは「株式 会社 ࿸以下「会社」という。)の総財産(金銭を除く。以下同じ。又は財産(金銭を除く。以下同じ。)」と、「並びに抵当権」とあるのは「、抵当権並びに企業担保権」と、同条第2項から第4項までの規定中「不動産」とあるのは「会社の財産」と、同項中「買受人」とあるのは「競落人又は買受人」と、同条第5項中「次条第1項に規定する売却基準価額」とあり、同法第60条第2項及び第71条第7号中「売却基準価額」とあり、並びに同法第63条第1項から第3項まで及び第67条中「買受可能価額」とあるのは「最低競売価額」と、同法第59条第5項中「不動産」とあるのは「会社の総財産又は財産」と、同法第60条第2項中「執行裁判所」とあり、並びに同法第65条及び第67条中「執行官」とあるのは「管財人」と、同法第63条第1項中「差押債権者࿸最初の強制競売の開始決定に係る差押債権者をいう。ただし、第47条第6項の規定により手続を続行する旨の裁判があつたときは、その裁判を受けた差押債権者をいう」とあるのは「実行の申立てをした債権者࿸実行手続の開始の決定に係るものをいう」と、同項第1号並びに同条第2項及び第3項中「差押債権者」とあり、並びに同法第76条第1項中「差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)」とあるのは「実行の申立てをした債権者」と、同法第63条第1項及び第2項、第65条の二、第66条、第70条第1項並びに第71条第2号及び第3号並びに同法第75条の見出し及び同条第1項中「不動産」とあるのは「会社の総財産」と、同法第63条第2項、第75条第1項、第76条第1項、第78条第1項から第5項まで及び第80条第1項中「買受人」とあるのは「競落人」と、同法第65条(見出しを含む。及び第71条第8号中「売却の」とあるのは「競売の」と、同法第67条、第72条第2項、第74条第2項、第75条、第78条第1項及び第4項並びに第80条第1項中「売却許可決定」とあるのは「競落許可決定」と、同法第67条中「売却を」とあるのは「競落を」と、同法第69条の見出し中「売却決定」とあるのは「競落決定」と、同条第1項、同法第70条の見出し及び同条第1項、同法第71条第6号及び第72条第2項、同法第74条の見出し並びに同条第1項、第3項、第4項及び第6項、同法第75条の見出し及び同条第1項並びに同法第80条第2項中「売却の」とあるのは「競落の」と、同法第70条第2項中「第64条第4項の規定により指定された期間」とあるのは「 企業担保法 第40条 《競売期日及び意見陳述期間等 競売期日は…》 管財人が、第50条において読み替えて準用する民事執行法第70条第1項の規定により意見を陳述すべき期間次条及び第43条において「意見陳述期間」という。及び第50条において読み替えて準用する同法第69条第 の規定により定められた期間」と、同法第71条の見出し中「売却不許可事由」とあるのは「競落不許可事由」と、同条並びに同法第72条第1項及び第2項中「売却不許可決定」とあるのは「競落不許可決定」と、同法第71条第7号中「電子物件明細書」とあるのは「財産明細表」と、同法第72条第1項中「売却の許可」とあるのは「競落の許可」と読み替えるものとする。

5節 配当

51条 (金銭の引渡及び計算書等の提出)

1項 換価が完了したときは、管財人は、裁判所の指定する日に裁判所書記官に、 会社 の金銭を引き渡し、職務の執行に関する費用の計算書及びその証明書類並びに、任意売却により換価したときは、換価に関する報告書を提出しなければならない。

51条の2 (配当要求)

1項 債権者は、一括競売により換価をする場合には競落の許可又は不許可の決定までに、任意売却により換価をする場合には裁判所が定めて公告した日までに、裁判所に配当要求をすることができる。

52条 (配当)

1項 裁判所は、一括競売による売却代金、 第51条 《金銭の引渡及び計算書等の提出 換価が完…》 了したときは、管財人は、裁判所の指定する日に裁判所書記官に、会社の金銭を引き渡し、職務の執行に関する費用の計算書及びその証明書類並びに、任意売却により換価したときは、換価に関する報告書を提出しなければ の規定により引渡を受けた金銭並びに 第35条第1項 《管財人は、会社の金銭を費用及び報酬に充て…》 ることができる。 の規定により管財人が費用及び報酬に充てた金銭の合計額から実行手続の費用を控除して、まず企業担保権者及びこれに優先する債権者に配当し、その残余を他の債権者に配当しなければならない。

53条

1項 特別担保を有する債権者の受けるべき配当額は、その特別担保の目的となつている財産の価額から、前条の合計額に対するその財産の価額の割合を実行手続の費用に乗じて得た額を控除した額を限度とする。

2項 特別担保の目的となつている財産の価額は、一括競売により換価したときは、 第38条第1項 《一括競売によるときは、管財人は、鑑定人に…》 、会社の総財産及び特別担保の目的となつている財産の評価をさせなければならない。 の規定による 会社 の総財産の評価額に対する同項の規定によるその財産の評価額の割合を一括競売による売却代金に乗じて得た額、任意売却により換価したときは、その売却価額とする。

54条 (登記及び登録)

1項 管財人は、企業担保権者及びこれに優先する債権者の電子配当表(次条において準用する 民事執行法 第85条第3項 《3 第1項の規定により同項本文に規定する…》 事項同項ただし書に規定する場合には、配当の順位及び額を除く。次条第1項において同じ。が定められたときは、裁判所書記官は、最高裁判所規則で定めるところにより、電子配当表裁判所書記官が、最高裁判所規則で定 に規定する電子配当表であつて、同条第5項の規定によりファイルに記録されたものをいう。)が実施されたときは、遅滞なく、次に掲げる登記及び登録を申請しなければならない。

1号 企業担保権の登記及び 第23条 《強制執行をすることができる者の範囲 執…》 行証書以外の債務名義による強制執行は、次に掲げる者に対し、又はその者のためにすることができる。 1 債務名義に表示された当事者 2 債務名義に表示された当事者が他人のために当事者となつた場合のその他人 の規定によつてされた登記の抹消

2号 登記又は登録のされた 会社 の財産について、消滅した権利の登記又は登録及び 第24条 《外国裁判所の判決の執行判決 外国裁判所…》 の判決についての執行判決を求める訴えは、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所家事事件における裁判に係るものにあつては、家庭裁判所。以下この項において同じ。が管轄し、この普通裁判籍がないときは の規定によつてされた登記又は登録の抹消並びに競落人又は買受人の権利の取得の登記又は登録

2項 前項第1号の登記の申請に要する費用は、実行手続の費用とし、同項第2号の登記又は登録の申請に要する費用は、競落人又は買受人の負担とする。

55条 (民事執行法の準用)

1項 民事執行法 第84条 《売却代金の配当等の実施 執行裁判所は、…》 代金の納付があつた場合には、次項に規定する場合を除き、電子配当表次条第3項に規定する電子配当表であつて、同条第5項の規定によりファイルに記録されたものをいう。に基づいて配当を実施しなければならない。 から 第86条 《音声の送受信による通話の方法による配当期…》 日 執行裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、執行裁判所並びに第85条第1項に規定する債権者及び債務者が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によつて、配当期 まで、 第86条の2第1項 《売却代金は、次に掲げるものとする。 1 …》 不動産の代金 2 第63条第2項第2号の規定により提供した保証のうち申出額から代金の額を控除した残額に相当するもの 3 第80条第1項後段の規定により買受人が返還を請求することができない保証 及び第3項並びに 第88条 《期限付債権の配当等 確定期限の到来して…》 いない債権は、配当等については、弁済期が到来したものとみなす。 2 前項の債権が無利息であるときは、配当等の日から期限までの配当等の日における法定利率による利息との合算額がその債権の額となるべき元本額 から 第92条 《権利確定等に伴う配当等の実施 前条第1…》 項の規定による供託がされた場合において、その供託の事由が消滅したときは、執行裁判所は、供託金について配当等を実施しなければならない。 2 前項の規定により配当を実施すべき場合において、前条第1項第1号 までの規定は、配当に関し準用する。

6節 雑則

56条 (差押の消滅)

1項 実行の申立の取下があつたときは、 第20条 《 実行手続の開始の決定には、同時に、企業…》 担保権者のために会社の総財産を差し押える旨を宣言しなければならない。 2 差押は、決定を会社に送達することによつてその効力を生ずる。 の規定による差押は、消滅する。

57条 (会社への財産の引渡)

1項 裁判所は、 会社 の申立により、又は職権で、 第45条第3項 《3 会社の総財産の一部の売却代金から実行…》 手続の費用を控除して、企業担保権者及びこれに優先する債権者の債権を弁済することができるときは、他の財産を売却してはならない。 の規定により売却の禁止される会社の財産について、会社に引き渡すべき旨を管財人に命ずることができる。

2項 前項の規定による裁判所の命令により管財人が 会社 に引き渡した財産については、 第20条 《 実行手続の開始の決定には、同時に、企業…》 担保権者のために会社の総財産を差し押える旨を宣言しなければならない。 2 差押は、決定を会社に送達することによつてその効力を生ずる。 の規定による差押は、その引渡の時に消滅する。

58条 (申立の取下等の公告)

1項 裁判所は、実行手続が実行の申立の取下又は実行手続の開始の決定の取消により終結したときは、ただちに、その旨を公告しなければならない。

59条 (申立の取下等の場合の登記及び登録)

1項 管財人は、実行手続が実行の申立の取下又は実行手続の開始の決定の取消により終結したときは、遅滞なく、 第23条 《登記及び登録 管財人は、実行手続の開始…》 の決定があつたときは、遅滞なく、実行手続の開始の登記及び管財人の登記を会社の本店の所在地を管轄する登記所に申請しなければならない。 2 前項の規定は、管財人又はその表示に変更があつた場合における管財人 又は 第24条 《 管財人は、実行手続の開始の決定があつた…》 ときは、遅滞なく、会社の財産で登記又は登録をすることができるものについて、実行手続の開始の登記又は登録を申請しなければならない。 の規定によつてされた登記又は登録のまつ消を申請しなければならない。 第57条第2項 《2 前項の規定による裁判所の命令により管…》 財人が会社に引き渡した財産については、第20条の規定による差押は、その引渡の時に消滅する。 の規定により差押の消滅した財産についても、同様とする。

3章 罰則

60条 (収賄罪)

1項 管財人又は管財人代理がその職務に関し賄賂を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、3年以下の拘禁刑又は210,000円以下の罰金に処する。

2項 管財人が法人であるときは、管財人の職務に従事するその役員又は職員がその職務に関し賄賂を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、3年以下の拘禁刑又は210,000円以下の罰金に処する。管財人が法人である場合において、その役員又は職員が管財人の職務に関し管財人に賄賂を収受させ、又はその供与を要求し、若しくは約束したときも、同様とする。

3項 犯人又は法人である管財人が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

61条 (贈賄罪)

1項 前条第1項若しくは第2項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、3年以下の拘禁刑又は210,000円以下の罰金に処する。

62条 (説明義務違反の罪)

1項 第33条 《説明義務 会社の取締役、執行役及び監査…》 役は、管財人の請求により、会社の財産に関し、必要な説明をしなければならない。 の規定により説明の義務のある者が、正当の理由がないのにその説明をせず、又は虚偽の説明をしたときは、1年以下の拘禁刑又は60,000円以下の罰金に処する。

63条 (虚偽陳述の罪)

1項 第50条 《民事執行法の準用 民事執行法第59条、…》 第60条第2項、第63条、第65条から第68条まで、第68条の4から第71条まで、第72条第1項及び第2項、第74条から第76条まで、第78条並びに第80条の規定は、換価に関し準用する。 この場合にお において準用する 民事執行法 第65条の2 《暴力団員等に該当しないこと等の陳述 不…》 動産の買受けの申出は、次の各号のいずれにも該当しない旨を買受けの申出をしようとする者その者に法定代理人がある場合にあつては当該法定代理人、その者が法人である場合にあつてはその代表者が最高裁判所規則で定 の規定により陳述すべき事項について虚偽の陳述をした者は、6月以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金に処する。

《本則》 ここまで 附則 >  

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