駐留軍関係離職者等臨時措置法《本則》

法番号:1958年法律第158号

略称: 駐留軍法

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1章 総則

1条 (目的)

1項 この法律は、日本国に駐留するアメリカ合衆国の軍隊又は本邦の領域内にあつた国際連合の軍隊の撤退等に伴い、多数の労働者が特定の地域において1時に離職を余儀なくされること等の実情にかんがみ、これらの者に対し特別の措置を講じ、もつてその生活の安定に資することを目的とする。

2条 (定義)

1項 この法律において「 駐留軍関係離職者 」とは、次の各号に掲げる者であつて、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊若しくは日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き日本国に駐留していたアメリカ合衆国の軍隊(以下単に「アメリカ合衆国の軍隊」という。)の撤退、移動、部隊の縮少若しくは予算の削減その他これらに準ずる政令で定める事由の発生に伴い、又は日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定(以下「 国際連合軍協定 」という。)に基き本邦の領域内にあつた国際連合の軍隊(以下単に「国際連合の軍隊」という。)の撤退に伴い、離職を余儀なくされたものをいう。

1号 アメリカ合衆国の軍隊及び日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定 第15条第1項 《政府は、第2条第1号に掲げる者に該当する…》 労働者であつて、政令で定める期間以上在職したものが、アメリカ合衆国の軍隊の撤退、移動、部隊の縮小若しくは予算の削減その他政令で定める理由の発生に伴い離職を余儀なくされ、又は業務上死亡した場合には、予算)に規定する諸機関に労務を提供するため、同協定第12条第4項の規定に基づき国が雇用する者

2号 アメリカ合衆国の軍隊に労務を提供するため、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第3条に基く 行政協定 以下「 行政協定 」という。)第12条第4項の規定及び旧調達庁設置法(1949年法律第129号)第4条第13号の規定により調達庁長官が締結した契約に基き国が雇用していた者

3号 行政協定 第15条第1項()前段に規定する諸機関が雇用していた者

4号 もつぱら、アメリカ合衆国の軍隊がその維持のためにする調達に応ずるため、個人又は法人が雇用する者

5号 国際連合の軍隊に労務を提供するため、 国際連合軍協定 第14条第6項の規定及び旧調達庁設置法第4条第13号の規定により調達庁長官が締結した契約に基き国が雇用していた者

6号 国際連合軍協定 第9条第1項前段に規定する諸機関が雇用していた者

7号 もつぱら、国際連合の軍隊がその維持のためにする調達に応ずるため、個人又は法人が雇用していた者

8号 前各号に掲げる者に準ずる者であつて政令で定めるもの

2章 駐留軍関係離職者等対策協議会

3条 (中央駐留軍関係離職者等対策協議会の設置)

1項 厚生労働省に、中央 駐留軍関係離職者 等対策協議会(以下「 中央協議会 」という。)を置く。

4条 (中央協議会の所掌事務)

1項 中央協議会 は、 第1条 《目的 この法律は、日本国に駐留するアメ…》 リカ合衆国の軍隊又は本邦の領域内にあつた国際連合の軍隊の撤退等に伴い、多数の労働者が特定の地域において1時に離職を余儀なくされること等の実情にかんがみ、これらの者に対し特別の措置を講じ、もつてその生活 の目的を達成するため、 駐留軍関係離職者 等に対する施策について関係行政機関相互の連絡調整を図るものとする。

5条 (中央協議会の組織)

1項 中央協議会 は、会長及び委員13人以内をもつて組織する。

2項 会長は、厚生労働大臣をもつて充てる。

3項 委員は、関係行政機関の職員の中から、厚生労働大臣が任命する。

4項 専門の事項を調査させるため必要があるときは、 中央協議会 に専門委員を置くことができる。

5項 専門委員は、関係行政機関の職員及び学識経験がある者の中から、厚生労働大臣が任命する。

6項 会長、委員及び専門委員は、非常勤とする。

6条 (意見の聴取)

1項 中央協議会 は、必要があるときは、 駐留軍関係離職者 又は 第2条第1号 《定義 第2条 この法律において「駐留軍関…》 係離職者」とは、次の各号に掲げる者であつて、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊若しくは日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き日本国 、第4号及び第8号に掲げる者に該当する労働者である者の意見を代表する者から、その意見を聴くことができる。

7条 (中央協議会の事務局)

1項 中央協議会 の事務を処理させるため、中央協議会に事務局を置く。

2項 事務局に、所要の職員を置く。

8条 (政令への委任)

1項 第3条 《中央駐留軍関係離職者等対策協議会の設置 …》 厚生労働省に、中央駐留軍関係離職者等対策協議会以下「中央協議会」という。を置く。 から前条までに定めるもののほか、 中央協議会 の組織及び運営並びに事務局その他中央協議会に関し必要な事項は、政令で定める。

9条 (都道府県又は市町村の駐留軍関係離職者等対策協議会)

1項 都道府県及び市町村は、その区域内において多数の 駐留軍関係離職者 が発生したとき、又は発生するおそれがあるときは、当該都道府県又は市町村における駐留軍関係離職者等に対する施策について関係行政機関相互の連絡調整を図るため、条例で、都道府県又は市町村の駐留軍関係離職者等対策協議会(以下「 地方協議会 」という。)を置くことができる。

2項 地方協議会 の組織及び運営その他地方協議会に関し必要な事項は、条例で定める。

3項 国は、都道府県又は市町村が 地方協議会 を置いたときは、予算の範囲内において、政令の定めるところにより、当該地方協議会に要する経費の一部を補助することができる。

3章 駐留軍関係離職者等に対する特別措置

10条 (職業訓練等についての特別措置)

1項 駐留軍関係離職者 又は 第2条第1号 《定義 第2条 この法律において「駐留軍関…》 係離職者」とは、次の各号に掲げる者であつて、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊若しくは日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き日本国 、第4号若しくは第8号に掲げる者に該当する労働者である者に対する公共職業能力開発施設の行う職業訓練(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。次条第3項において同じ。)については、必要に応じ、職業能力開発校の設置、新たな教科の追加、夜間における職業訓練等特別の措置が講ぜられるものとする。

2項 国は、予算の範囲内において、政令の定めるところにより、職業能力開発校に係る前項の特別の措置に要する経費の全部又は一部を負担することができる。

3項 防衛大臣は、 防衛省設置法 1954年法律第164号第4条第1項第25号 《防衛省は、次に掲げる事務をつかさどる。 …》 1 防衛及び警備に関すること。 2 自衛隊自衛隊法第2条第1項に規定する自衛隊をいう。以下同じ。の行動に関すること。 3 陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊の組織、定員、編成、装備及び配置に関するこ に掲げる事務として、 第2条第1号 《設置 第2条 国家行政組織法1948年法…》 律第120号第3条第2項の規定に基づいて、防衛省を設置する。 2 防衛省の長は、防衛大臣とする。 に掲げる者に該当する労働者である者が離職した場合に速やかに他の職業に就くことができるようにするため、講習会の開催等職業に必要な知識技能を授けるための特別の措置を講ずることができる。

10条の2 (就職指導等)

1項 公共職業安定所は、 駐留軍関係離職者 であつて次の各号に該当すると公共職業安定所長が認定したものに対し、厚生労働省令の定めるところにより、その者の再就職を促進するために必要な職業指導(以下「 就職指導 」という。)を行うものとする。

1号 当該離職の日が1964年1月1日以後であること。

2号 第2条第1号 《定義 第2条 この法律において「駐留軍関…》 係離職者」とは、次の各号に掲げる者であつて、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊若しくは日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き日本国 に掲げる者に該当する労働者として1年以上在職していたこと。

3号 労働の意思及び能力を有すること。

4号 当該離職の日以後において新たに安定した職業についたことのないこと。

5号 前にこの項の規定による認定を受けたことのないこと。

2項 公共職業安定所は、 駐留軍関係離職者 であつて次の各号のいずれかに該当すると公共職業安定所長が認定したものに対しても、前項の 就職指導 を行なうことができる。

1号 前項各号(第4号を除く。)に該当する者であつて当該離職の日以後新たに安定した職業についた日の翌日から起算して1年以内にその者の責に帰すべき理由又はその者の都合によらないでさらに離職し、かつ、その離職が同項第1号の離職の日の翌日から起算して3年以内であるもの

2号 前項の規定による認定を受けた後において新たに安定した職業についたことによりその認定が第5項の規定により取り消された者であつて当該職業についた日の翌日から起算して1年以内にその者の責に帰すべき理由又はその者の都合によらないでさらに離職し、かつ、その離職が前項第1号の離職の日の翌日から起算して3年以内であるもの

3項 公共職業安定所長は、前2項の規定による認定を受けた者に対して、公共職業能力開発施設の行う職業訓練を受けることその他その者の再就職を促進するために必要な事項を指示することができる。

4項 第1項及び第2項の規定による認定は、当該認定を受けた者の第1項第1号の離職の日の翌日から起算して3年を経過したときは、その効力を失う。

5項 公共職業安定所長は、第1項又は第2項の規定による認定を受けた者が次の各号のいずれかに該当すると認めたときは、当該認定を取り消すことができる。

1号 労働の意思又は能力を有しなくなつたとき。

2号 新たに安定した職業に就いたとき。

3号 正当な理由がなく、第1項の 就職指導 を再度受けず、第3項の規定による指示に再度従わず、又は公共職業安定所の紹介する職業に就くことを再度拒んだとき。

4号 偽りその他不正の行為により、 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 1966年法律第132号)の規定に基づき支給する給付金(事業主に対して支給するものを除く。)の支給を受け、又は受けようとしたとき。

10条の3 (給付金の支給)

1項 国は、 駐留軍関係離職者 がその有する能力に適合する職業に就くことを容易にし、及び促進するため、駐留軍関係離職者又は事業主に対して、 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 の規定に基づき、給付金を支給するものとする。

10条の4 (就職促進指導官)

1項 第10条の2第1項 《公共職業安定所は、駐留軍関係離職者であつ…》 て次の各号に該当すると公共職業安定所長が認定したものに対し、厚生労働省令の定めるところにより、その者の再就職を促進するために必要な職業指導以下「就職指導」という。を行うものとする。 1 当該離職の日が 就職指導 は、 職業安定法 1947年法律第141号第9条の2第1項 《公共職業安定所に就職促進指導官を置く。…》 の就職促進指導官に行なわせるものとする。

11条 (駐留軍関係離職者のための住宅)

1項 国は、アメリカ合衆国の軍隊から返還された国有財産( 国有財産法 1948年法律第73号)に規定する国有財産をいう。以下同じ。)であつて 駐留軍関係離職者 の住宅の用に供することを適当と認めるもの及びその他の国有財産で 第2条第1号 《定義 第2条 この法律において「駐留軍関…》 係離職者」とは、次の各号に掲げる者であつて、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊若しくは日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き日本国 に掲げる者の住宅の用に供されていたものを、必要がある場合においては、駐留軍関係離職者の就職を容易にするためその臨時の住宅の用に供するよう配慮するものとする。

12条 (返還された国有の財産の譲渡及び貸付)

1項 国は、アメリカ合衆国の軍隊から返還された国有の財産(国有財産及び 物品管理法 1956年法律第113号)に規定する物品のうち国が所有するものをいう。以下同じ。)を、 駐留軍関係離職者 が有する株式若しくは出資の金額の合計額がその資本金の額若しくは出資の総額の2分の1を超える法人又はその経営する事業に従事する従業員の過半数が駐留軍関係離職者である法人に対し、通常の条件よりも有利な条件で、譲渡し、又は貸し付けることができる。ただし、 国有財産法 その他国有の財産の管理及び処分に関する他の法令の規定の適用を妨げない。

13条 (資金の融通のあつせん)

1項 関係行政機関は、 駐留軍関係離職者 の経営する事業、前条に規定する法人の経営する事業その他多数の駐留軍関係離職者が関係している事業について、駐留軍関係離職者の自立に資するため、その必要とする事業資金の融通のあつせんに努めなければならない。

14条

1項 削除

15条 (特別給付金の支給)

1項 政府は、 第2条第1号 《定義 第2条 この法律において「駐留軍関…》 係離職者」とは、次の各号に掲げる者であつて、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊若しくは日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き日本国 に掲げる者に該当する労働者であつて、政令で定める期間以上在職したものが、アメリカ合衆国の軍隊の撤退、移動、部隊の縮小若しくは予算の削減その他政令で定める理由の発生に伴い離職を余儀なくされ、又は業務上死亡した場合には、予算の範囲内において、政令の定めるところにより、当該離職を余儀なくされた者若しくはその者の遺族又は当該死亡した者の遺族に対し、特別給付金を支給することができる。

2項 第2条第1号 《定義 第2条 この法律において「駐留軍関…》 係離職者」とは、次の各号に掲げる者であつて、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊若しくは日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き日本国 に掲げる者に該当する労働者が前項に規定する理由の発生に伴い離職を余儀なくされ、又は業務上死亡した場合において、その者が当該労働者として在職した期間の前に次の各号に掲げる者として在職したことがあるときは、前項の規定の適用については、それらの者としての在職期間を当該労働者としての在職期間に合算した期間を当該労働者としての在職期間とみなす。

1号 第2条第1号 《定義 第2条 この法律において「駐留軍関…》 係離職者」とは、次の各号に掲げる者であつて、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊若しくは日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き日本国 から第3号まで、第5号又は第6号に掲げる者に該当する労働者

2号 前号に掲げる者に準ずる労働者として政令で定める者

3項 前項の在職期間の合算は、 第2条第1号 《定義 第2条 この法律において「駐留軍関…》 係離職者」とは、次の各号に掲げる者であつて、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊若しくは日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き日本国 に掲げる者に該当する労働者としての在職期間及びその期間の前の同項各号に掲げる者としての在職期間が、いずれも前後引き続いている場合に限り行うものとする。

4項 第2項各号に該当する者として在職した者が、当該在職の在職期間の終了の日又はその翌日(当該翌日及びこれに引き続く日が政令で定める勤務を要しない日であるときは、当該勤務を要しない日の翌日)に同項各号に掲げる者となつたものであるときは、その前後の同項各号に掲げる者としての在職期間は、引き続いたものとみなす。

5項 前3項に定めるもののほか、在職期間の合算に関して必要な事項は、政令で定める。

16条

1項 前条第1項の特別給付金を支給する場合において、同1の労働者について同項の規定により特別給付金を支給することができる場合が二以上あるときは、同項の規定は、当該二以上の場合のうち最後の場合に限り、適用する。

17条

1項 第15条第1項 《政府は、第2条第1号に掲げる者に該当する…》 労働者であつて、政令で定める期間以上在職したものが、アメリカ合衆国の軍隊の撤退、移動、部隊の縮小若しくは予算の削減その他政令で定める理由の発生に伴い離職を余儀なくされ、又は業務上死亡した場合には、予算 の離職を余儀なくされた者に係る特別給付金は、その者が当該離職を余儀なくされた後引き続く在職者とならなかつたとき、又は当該離職を余儀なくされた後引き続く在職者となつた者が死亡したとき(当該死亡につき同項の規定により特別給付金を支給することとなる場合を除く。)に支払うものとする。

2項 前項において「 引き続く在職者 」とは、離職の日又はその翌日(当該翌日及びこれに引き続く日が政令で定める勤務を要しない日である場合には、当該勤務を要しない日の翌日)に 第2条第1号 《定義 第2条 この法律において「駐留軍関…》 係離職者」とは、次の各号に掲げる者であつて、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊若しくは日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き日本国 に掲げる者に該当する労働者となつた者をいう。

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