1条 (目的)
1項 この法律は、原子炉の運転等により原子力損害が生じた場合における損害賠償に関する基本的制度を定め、もつて被害者の保護を図り、及び原子力事業の健全な発達に資することを目的とする。
2条 (定義)
1項 この法律において「 原子炉の運転等 」とは、次の各号に掲げるもの及びこれらに付随してする核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物(原子核分裂生成物を含む。第5号において同じ。)の運搬、貯蔵又は廃棄であつて、政令で定めるものをいう。
1号 原子炉の運転
2号 加工
3号 再処理
4号 核燃料物質の使用
4_2号 使用済燃料の貯蔵
5号 核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物(以下「 核燃料物質等 」という。)の廃棄
2項 この法律において「 原子力損害 」とは、核燃料物質の原子核分裂の過程の作用又は 核燃料物質等 の放射線の作用若しくは毒性的作用(これらを摂取し、又は吸入することにより人体に中毒及びその続発症を及ぼすものをいう。)により生じた損害をいう。ただし、次条の規定により損害を賠償する責めに任ずべき原子力事業者の受けた損害を除く。
3項 この法律において「 原子力事業者 」とは、次の各号に掲げる者(これらの者であつた者を含む。)をいう。
1号 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 (1957年法律第166号。以下「 規制法 」という。)
第23条第1項
《発電用原子炉以外の原子炉以下「試験研究用…》
等原子炉」という。を設置しようとする者は、政令で定めるところにより、原子力規制委員会の許可を受けなければならない。
の許可( 規制法 第76条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者(規制法第39条第5項の規定により試験研究用等原子炉設置者とみなされた者を含む。)
2号 規制法 第23条の2第1項の許可を受けた者
3号 規制法 第43条の3の5第1項の許可(規制法第76条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者
4号 規制法 第13条第1項の許可(規制法第76条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者
5号 規制法 第43条の4第1項の許可(規制法第76条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者
6号 規制法 第44条第1項の指定(規制法第76条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者
7号 規制法 第51条の2第1項の許可(規制法第76条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者
8号 規制法 第52条第1項の許可(規制法第76条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者
4項 この法律において「 原子炉 」とは、 原子力基本法 (1955年法律第186号)
第3条第4号
《定義 第3条 この法律において次に掲げる…》
用語は、次の定義に従うものとする。 1 「原子力」とは、原子核変換の過程において原子核から放出されるすべての種類のエネルギーをいう。 2 「核燃料物質」とは、ウラン、トリウム等原子核分裂の過程において
に規定する 原子炉 をいい、「核燃料物質」とは、同法同条第2号に規定する核燃料物質( 規制法 第2条第10項に規定する使用済燃料を含む。)をいい、「加工」とは、規制法第2条第9項に規定する加工をいい、「再処理」とは、規制法第2条第10項に規定する再処理をいい、「使用済燃料の貯蔵」とは、規制法第43条の4第1項に規定する使用済燃料の貯蔵をいい、「核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物の廃棄」とは、規制法第51条の2第1項に規定する廃棄物埋設又は廃棄物管理をいい、「放射線」とは、 原子力基本法 第3条第5号
《定義 第3条 この法律において次に掲げる…》
用語は、次の定義に従うものとする。 1 「原子力」とは、原子核変換の過程において原子核から放出されるすべての種類のエネルギーをいう。 2 「核燃料物質」とは、ウラン、トリウム等原子核分裂の過程において
に規定する放射線をいい、「原子力船」又は「外国原子力船」とは、規制法第23条の2第1項に規定する原子力船又は外国原子力船をいう。
3条 (無過失責任、責任の集中等)
1項 原子炉の運転等 の際、当該原子炉の運転等により 原子力損害 を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る 原子力事業者 がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない。
2項 前項の場合において、その損害が 原子力事業者 間の 核燃料物質等 の運搬により生じたものであるときは、当該原子力事業者間に書面による特約がない限り、当該核燃料物質等の発送人である原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。
1項 前条の場合においては、同条の規定により損害を賠償する責めに任ずべき 原子力事業者 以外の者は、その損害を賠償する責めに任じない。
2項 前条第1項の場合において、
第7条の2第2項
《2 外国原子力船を本邦の水域に立ち入らせ…》
る場合の損害賠償措置は、当該外国原子力船に係る原子力事業者が原子力損害を賠償する責めに任ずべきものとして政府が当該外国政府と合意した額原子力損害の発生の原因となつた事実1について36,100,000,
に規定する損害賠償措置を講じて本邦の水域に外国原子力船を立ち入らせる 原子力事業者 が損害を賠償する責めに任ずべき額は、同項に規定する額までとする。
3項 原子炉の運転等 により生じた 原子力損害 については、商法(1899年法律第48号)第789条(同法第790条(同法第791条において準用する場合を含む。)及び第791条において準用する場合を含む。)及び第812条、 船舶の所有者等の責任の制限に関する法律 (1975年法律第94号)並びに 製造物責任法 (1994年法律第85号)の規定は、適用しない。
4条の2 (被害者に重大な過失がある場合における損害賠償の額の算定)
1項 第3条
《無過失責任、責任の集中等 原子炉の運転…》
等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。 ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたもの
の場合において、被害者に重大な過失があつたときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。
5条 (求償権)
1項 第3条
《無過失責任、責任の集中等 原子炉の運転…》
等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。 ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたもの
の場合において、他にその損害の発生の原因について責めに任ずべき自然人があるとき(当該損害が当該自然人の故意により生じたものである場合に限る。)は、同条の規定により損害を賠償した 原子力事業者 は、その者に対して求償権を有する。
2項 前項の規定は、求償権に関し書面による特約をすることを妨げない。
6条 (損害賠償措置を講ずべき義務)
1項 原子力事業者 は、 原子力損害 を賠償するための措置(以下「 損害賠償措置 」という。)を講じていなければ、 原子炉の運転等 をしてはならない。
7条 (損害賠償措置の内容)
1項 損害賠償措置 は、次条の規定の適用がある場合を除き、 原子力損害 賠償責任保険契約及び原子力損害賠償補償契約の締結若しくは供託であつて、その措置により、一工場若しくは一事業所当たり若しくは一原子力船当たり120,100,000,000円(政令で定める 原子炉の運転等 については、120,100,000,000円以内で政令で定める金額とする。以下「 賠償措置額 」という。)を原子力損害の賠償に充てることができるものとして文部科学大臣の承認を受けたもの又はこれらに相当する措置であつて文部科学大臣の承認を受けたものとする。
2項 文部科学大臣は、 原子力事業者 が
第3条
《無過失責任、責任の集中等 原子炉の運転…》
等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。 ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたもの
の規定により 原子力損害 を賠償したことにより原子力損害の賠償に充てるべき金額が 賠償措置額 未満となつた場合において、原子力損害の賠償の履行を確保するため必要があると認めるときは、当該原子力事業者に対し、期限を指定し、これを賠償措置額にすることを命ずることができる。
3項 前項に規定する場合においては、同項の規定による命令がなされるまでの間(同項の規定による命令がなされた場合においては、当該命令により指定された期限までの間)は、前条の規定は、適用しない。
1項 原子力船を外国の水域に立ち入らせる場合の 損害賠償措置 は、 原子力損害 賠償責任保険契約及び原子力損害賠償補償契約の締結その他の措置であつて、当該原子力船に係る 原子力事業者 が原子力損害を賠償する責めに任ずべきものとして政府が当該外国政府と合意した額の原子力損害を賠償するに足りる措置として文部科学大臣の承認を受けたものとする。
2項 外国原子力船を本邦の水域に立ち入らせる場合の 損害賠償措置 は、当該外国原子力船に係る 原子力事業者 が 原子力損害 を賠償する責めに任ずべきものとして政府が当該外国政府と合意した額(原子力損害の発生の原因となつた事実1について36,100,000,000円を下らないものとする。)の原子力損害を賠償するに足りる措置として文部科学大臣の承認を受けたものとする。
8条 (原子力損害賠償責任保険契約)
1項 原子力損害 賠償 責任保険契約 (以下「 責任保険契約 」という。)は、 原子力事業者 の原子力損害の賠償の責任が発生した場合において、一定の事由による原子力損害を原子力事業者が賠償することにより生ずる損失を保険者( 保険業法 (1995年法律第105号)
第2条第4項
《4 この法律において「損害保険会社」とは…》
、保険会社のうち第3条第5項の損害保険業免許を受けた者をいう。
に規定する損害保険会社又は同条第9項に規定する外国損害保険会社等で、責任保険の引受けを行う者に限る。以下同じ。)がうめることを約し、保険契約者が保険者に保険料を支払うことを約する契約とする。
1項 被害者は、損害賠償請求権に関し、 責任保険契約 の保険金について、他の債権者に優先して弁済を受ける権利を有する。
2項 被保険者は、被害者に対する損害賠償額について、自己が支払つた限度又は被害者の承諾があつた限度においてのみ、保険者に対して保険金の支払を請求することができる。
3項 責任保険契約 の保険金請求権は、これを譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、被害者が損害賠償請求権に関し差し押える場合は、この限りでない。
9条の2 (責任保険契約の解除の制限)
1項 保険者は、 責任保険契約 を解除しようとするときは、あらかじめ、その旨を文部科学大臣に届け出なければならない。
2項 文部科学大臣は、前項の規定による届出を受理したときは、その旨を当該 責任保険契約 の被保険者に通知しなければならない。
3項 責任保険契約 の解除は、文部科学大臣が当該解除に係る第1項の規定による届出を受理した日から起算して90日の後に、将来に向かつてその効力を生ずる。
4項 核燃料物質等 の運搬に係る 責任保険契約 については、保険者は、当該核燃料物質等の運搬の開始後その終了までの間においては、これを解除することができない。
5項 前2項の規定に反する特約で被保険者に不利なものは、無効とする。
10条 (原子力損害賠償補償契約)
1項 原子力損害 賠償 補償契約 (以下「 補償契約 」という。)は、 原子力事業者 の原子力損害の賠償の責任が発生した場合において、 責任保険契約 その他の原子力損害を賠償するための措置によつてはうめることができない原子力損害を原子力事業者が賠償することにより生ずる損失を政府が補償することを約し、原子力事業者が補償料を納付することを約する契約とする。
2項 補償契約 に関する事項は、別に法律で定める。
1項 第9条
《 被害者は、損害賠償請求権に関し、責任保…》
険契約の保険金について、他の債権者に優先して弁済を受ける権利を有する。 2 被保険者は、被害者に対する損害賠償額について、自己が支払つた限度又は被害者の承諾があつた限度においてのみ、保険者に対して保険
の規定は、 補償契約 に基づく補償金について準用する。
1項 損害賠償措置 としての供託は、 原子力事業者 の主たる事務所のもよりの法務局又は地方法務局に、金銭又は文部科学省令で定める有価証券( 社債、株式等の振替に関する法律 (2001年法律第75号)
第278条第1項
《法令の規定により担保若しくは保証として、…》
又は公職選挙法1950年法律第100号の規定により、第2条第1項第1号から第10号まで及び第11号に掲げるもので振替機関が取り扱うもの以下この条において「振替債」という。の供託をしようとする者は、主務
に規定する振替債を含む。以下この節において同じ。)によりするものとする。
13条 (供託物の還付)
1項 被害者は、損害賠償請求権に関し、前条の規定により 原子力事業者 が供託した金銭又は有価証券について、その債権の弁済を受ける権利を有する。
14条 (供託物の取りもどし)
1項 原子力事業者 は、次の各号に掲げる場合においては、文部科学大臣の承認を受けて、
第12条
《供託 損害賠償措置としての供託は、原子…》
力事業者の主たる事務所のもよりの法務局又は地方法務局に、金銭又は文部科学省令で定める有価証券社債、株式等の振替に関する法律2001年法律第75号第278条第1項に規定する振替債を含む。以下この節におい
の規定により供託した金銭又は有価証券を取りもどすことができる。
1号 原子力損害 を賠償したとき。
2号 供託に代えて他の 損害賠償措置 を講じたとき。
3号 原子炉の運転等 をやめたとき。
2項 文部科学大臣は、前項第2号又は第3号に掲げる場合において承認するときは、 原子力損害 の賠償の履行を確保するため必要と認められる限度において、取りもどすことができる時期及び取りもどすことができる金銭又は有価証券の額を指定して承認することができる。
15条 (文部科学省令・法務省令への委任)
1項 この節に定めるもののほか、供託に関する事項は、文部科学省令・法務省令で定める。
16条 (国の措置)
1項 政府は、 原子力損害 が生じた場合において、 原子力事業者 (外国原子力船に係る原子力事業者を除く。)が
第3条
《無過失責任、責任の集中等 原子炉の運転…》
等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。 ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたもの
の規定により損害を賠償する責めに任ずべき額が 賠償措置額 をこえ、かつ、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、原子力事業者に対し、原子力事業者が損害を賠償するために必要な援助を行なうものとする。
2項 前項の援助は、国会の議決により政府に属させられた権限の範囲内において行なうものとする。
1項 政府は、
第3条第1項
《原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等に…》
より原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。 ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない
ただし書の場合又は
第7条の2第2項
《2 外国原子力船を本邦の水域に立ち入らせ…》
る場合の損害賠償措置は、当該外国原子力船に係る原子力事業者が原子力損害を賠償する責めに任ずべきものとして政府が当該外国政府と合意した額原子力損害の発生の原因となつた事実1について36,100,000,
の 原子力損害 で同項に規定する額をこえると認められるものが生じた場合においては、被災者の救助及び被害の拡大の防止のため必要な措置を講ずるようにするものとする。
1項 原子炉の運転等 を行う 原子力事業者 は、 原子力損害 の賠償の迅速かつ適切な実施を図るための方針(以下この条において「 損害賠償実施方針 」という。)を作成しなければならない。
2項 損害賠償実施方針 には、 損害賠償措置 の概要、 原子力損害 の賠償に係る事務の実施方法、原子力損害の賠償に関する紛争の解決を図るための方策その他の原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施に関し必要な事項として文部科学省令で定める事項を定めなければならない。
3項 原子力事業者 は、 損害賠償実施方針 を作成し、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
4項 前3項に定めるもののほか、 損害賠償実施方針 の作成、変更及び公表に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。
17条の3 (特定原子力損害賠償仮払金の支払のための資金の貸付け)
1項 原子力事業者 は、特定 原子力損害 ( 原子炉の運転等 により生じた原子力損害のうち、 原子力災害対策特別措置法 (1999年法律第156号)
第15条第3項
《3 内閣総理大臣は、第1項の規定による報…》
告及び提出があったときは、直ちに、前項第1号に掲げる区域を管轄する市町村長及び都道府県知事に対し、第28条第2項の規定により読み替えて適用される災害対策基本法第60条第1項及び第6項の規定による避難の
又は
第20条第2項
《2 原子力災害対策本部長は、当該原子力災…》
害対策本部の緊急事態応急対策実施区域及び原子力災害事後対策実施区域における緊急事態応急対策等を的確かつ迅速に実施するため特に必要があると認めるときは、その必要な限度において、関係指定行政機関の長及び関
の規定により内閣総理大臣又は原子力災害対策本部長(同法第17条第1項に規定する原子力災害対策本部長をいう。)が市町村長(特別区の区長を含む。以下この項において同じ。)又は都道府県知事に対して行つた指示に基づき当該市町村長又は都道府県知事が行つた指示に基づく避難のための立退き又は事業活動の制限によつて生じた損害その他これに準ずるものとして政令で定めるものをいう。以下この節において同じ。)を受けた被害者に対して、政令で定める基準に従い、特定原子力損害賠償仮払金(特定原子力損害を填補するために支払われる金銭であつて、当該特定原子力損害の賠償額の確定前に支払われるものをいう。以下この節において同じ。)の支払を行おうとするときは、政府に対し、 賠償措置額 を超えない範囲内において政令で定める金額を限度として、政府が当該特定原子力損害賠償仮払金の支払のために必要な資金の貸付けを行うことを申し込むことができる。
2項 前項の規定による申込みを行う 原子力事業者 は、文部科学大臣に対し、次に掲げる事項を記載した書類を提出しなければならない。
1号 特定 原子力損害 賠償仮払金の支払の内容
2号 政府が行う前項の貸付け(以下この節において単に「貸付け」という。)を必要とする理由及び貸付希望金額
3号 貸付けに係る貸付金(以下この節において単に「貸付金」という。)の償還に関する事項
3項 文部科学大臣は、第1項の規定による申込みがあつた場合において、特定 原子力損害 賠償仮払金の迅速な支払のために必要があると認めるときは、遅滞なく、当該申込みに係る貸付けを決定し、その旨を当該申込みを行つた 原子力事業者 に通知するものとする。
1項 貸付けを受けた 原子力事業者 は、文部科学省令で定めるところにより、貸付金をその他の資産と分別して管理しなければならない。
17条の5 (特定原子力損害賠償仮払金の支払の報告)
1項 貸付けを受けた 原子力事業者 は、文部科学省令で定めるところにより、貸付金を充てて行う特定 原子力損害 賠償仮払金の支払状況について文部科学大臣に報告しなければならない。
17条の6 (保険金請求権等の取得等)
1項 政府は、貸付けを受けた 原子力事業者 が貸付金を充てて行つた特定 原子力損害 賠償仮払金の支払の対象となつた特定原子力損害の賠償額が確定したときは、
第9条第3項
《3 責任保険契約の保険金請求権は、これを…》
譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。 ただし、被害者が損害賠償請求権に関し差し押える場合は、この限りでない。
本文(
第11条
《 第9条の規定は、補償契約に基づく補償金…》
について準用する。
において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、当該特定原子力損害賠償仮払金の額に応じて、当該原子力事業者が有する当該特定原子力損害の賠償に係る 責任保険契約 の保険金請求権又は 補償契約 の補償金請求権を取得する。
2項 貸付けを受けた 原子力事業者 は、前項に規定する賠償額が確定したときは、遅滞なく、文部科学省令で定めるところにより、その旨を文部科学大臣に届け出なければならない。
3項 貸付けを受けた 原子力事業者 は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額の限度で、貸付金の償還の義務を免れる。
1号 第1項の規定により政府が保険金請求権を取得した場合当該保険金請求権に係る保険金の額
2号 第1項の規定により政府が補償金請求権を取得した場合当該補償金請求権に係る補償金の額
1項 この節に規定する政府の業務は、文部科学大臣が管掌する。
17条の8 (原子力損害賠償・廃炉等支援機構への文部科学大臣の権限に係る事務の委任)
1項 文部科学大臣は、 原子力損害 賠償・廃炉等支援機構に、この節に規定する文部科学大臣の権限に係る事務(
第17条の3第3項
《3 文部科学大臣は、第1項の規定による申…》
込みがあつた場合において、特定原子力損害賠償仮払金の迅速な支払のために必要があると認めるときは、遅滞なく、当該申込みに係る貸付けを決定し、その旨を当該申込みを行つた原子力事業者に通知するものとする。
の規定による貸付けの決定を除く。)を行わせることができる。この場合におけるこの節の規定の適用については、同条第1項及び第2項第2号中「政府が」とあるのは「原子力損害賠償・廃炉等支援機構が」と、
第17条の6第1項
《政府は、貸付けを受けた原子力事業者が貸付…》
金を充てて行つた特定原子力損害賠償仮払金の支払の対象となつた特定原子力損害の賠償額が確定したときは、第9条第3項本文第11条において準用する場合を含む。の規定にかかわらず、当該特定原子力損害賠償仮払金
及び第3項各号中「政府」とあるのは「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」とするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
2項 文部科学大臣は、前項の規定により 原子力損害 賠償・廃炉等支援機構に貸付けに係る事務を行わせるときは、その旨を公示しなければならない。
1項 この節に定めるもののほか、貸付金の償還期間及び償還方法並びに前条第2項の公示その他貸付けに関し必要な事項は、政令で定める。
18条 (原子力損害賠償紛争審査会)
1項 文部科学省に、 原子力損害 の賠償に関して紛争が生じた場合における和解の仲介及び当該紛争の当事者による自主的な解決に資する一般的な指針の策定に係る事務を行わせるため、政令の定めるところにより、原子力損害賠償紛争 審査会 (以下この章において「 審査会 」という。)を置くことができる。
2項 審査会 は、次に掲げる事務を処理する。
1号 原子力損害 の賠償に関する紛争について和解の仲介を行うこと。
2号 原子力損害 の賠償に関する紛争について原子力損害の範囲の判定の指針その他の当該紛争の当事者による自主的な解決に資する一般的な指針を定めること。
3号 前2号に掲げる事務を行うため必要な 原子力損害 の調査及び評価を行うこと。
3項 前2項に定めるもののほか、 審査会 の組織及び運営並びに和解の仲介の申立及びその処理の手続に関し必要な事項は、政令で定める。
1項 審査会 が和解の仲介を打ち切つた場合(当該打切りが政令で定める理由により行われた場合に限る。)において、当該和解の仲介の申立てをした者がその旨の通知を受けた日から1月以内に当該和解の仲介の目的となつた請求について訴えを提起したときは、時効の完成猶予に関しては、当該和解の仲介の申立ての時に、訴えの提起があつたものとみなす。
19条 (国会に対する報告及び意見書の提出)
1項 政府は、相当規模の 原子力損害 が生じた場合には、できる限りすみやかに、その損害の状況及びこの法律に基づいて政府のとつた措置を国会に報告しなければならない。
2項 政府は、 原子力損害 が生じた場合において、原子力委員会が損害の処理及び損害の防止等に関する意見書を内閣総理大臣に提出したときは、これを国会に提出しなければならない。
20条 (第10条第1項及び第16条第1項の規定の適用)
1項 第10条第1項
《原子力損害賠償補償契約以下「補償契約」と…》
いう。は、原子力事業者の原子力損害の賠償の責任が発生した場合において、責任保険契約その他の原子力損害を賠償するための措置によつてはうめることができない原子力損害を原子力事業者が賠償することにより生ずる
及び
第16条第1項
《政府は、原子力損害が生じた場合において、…》
原子力事業者外国原子力船に係る原子力事業者を除く。が第3条の規定により損害を賠償する責めに任ずべき額が賠償措置額をこえ、かつ、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、原子力事業者に対し、
の規定は、2029年12月31日までに
第2条第1項
《この法律において「原子炉の運転等」とは、…》
次の各号に掲げるもの及びこれらに付随してする核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物原子核分裂生成物を含む。第5号において同じ。の運搬、貯蔵又は廃棄であつて、政令で定めるものをいう。 1 原子炉の
各号に掲げる行為を開始した 原子炉の運転等 に係る 原子力損害 について適用する。
21条 (報告徴収及び立入検査)
1項 文部科学大臣は、
第6条
《損害賠償措置を講ずべき義務 原子力事業…》
者は、原子力損害を賠償するための措置以下「損害賠償措置」という。を講じていなければ、原子炉の運転等をしてはならない。
の規定の実施を確保するため必要があると認めるときは、 原子力事業者 に対し必要な報告を求め、又はその職員に、原子力事業者の事務所若しくは工場若しくは事業所若しくは原子力船に立ち入り、その者の帳簿、書類その他必要な物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2項 前項の規定により職員が立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3項 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
22条 (経済産業大臣又は国土交通大臣との協議)
1項 文部科学大臣は、
第7条第1項
《損害賠償措置は、次条の規定の適用がある場…》
合を除き、原子力損害賠償責任保険契約及び原子力損害賠償補償契約の締結若しくは供託であつて、その措置により、一工場若しくは一事業所当たり若しくは一原子力船当たり120,100,000,000円政令で定め
若しくは
第7条の2第1項
《原子力船を外国の水域に立ち入らせる場合の…》
損害賠償措置は、原子力損害賠償責任保険契約及び原子力損害賠償補償契約の締結その他の措置であつて、当該原子力船に係る原子力事業者が原子力損害を賠償する責めに任ずべきものとして政府が当該外国政府と合意した
若しくは第2項の規定による処分又は
第7条第2項
《2 文部科学大臣は、原子力事業者が第3条…》
の規定により原子力損害を賠償したことにより原子力損害の賠償に充てるべき金額が賠償措置額未満となつた場合において、原子力損害の賠償の履行を確保するため必要があると認めるときは、当該原子力事業者に対し、期
の規定による命令をする場合においては、あらかじめ、発電の用に供する 原子炉 の運転、加工、再処理、使用済燃料の貯蔵又は核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物の廃棄に係るものについては経済産業大臣、船舶に設置する原子炉の運転に係るものについては国土交通大臣に協議しなければならない。
22条の2 (関係行政機関の協力)
1項 文部科学大臣は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料又は情報の提供、意見の開陳その他の必要な協力を求めることができる。
23条 (国等に対する適用除外)
1項 国については第3章、
第16条
《国の措置 政府は、原子力損害が生じた場…》
合において、原子力事業者外国原子力船に係る原子力事業者を除く。が第3条の規定により損害を賠償する責めに任ずべき額が賠償措置額をこえ、かつ、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、原子力事
、第4章の2第2節及び次章の規定、 独立行政法人通則法 (1999年法律第103号)
第2条第1項
《この法律において「独立行政法人」とは、国…》
民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体に委ねた場合には必ずしも実施されないおそ
に規定する独立行政法人、 国立大学法人法 (2003年法律第112号)
第2条第1項
《この法律において「国立大学法人」とは、国…》
立大学を設置することを目的として、この法律の定めるところにより設立される法人をいう。
に規定する国立大学法人及び同条第3項に規定する大学共同利用機関法人については同節の規定は、適用しない。
1項 第6条
《損害賠償措置を講ずべき義務 原子力事業…》
者は、原子力損害を賠償するための措置以下「損害賠償措置」という。を講じていなければ、原子炉の運転等をしてはならない。
の規定に違反した者は、1年以下の拘禁刑若しくは1,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
1項 次の各号のいずれかに該当する者は、1,010,000円以下の罰金に処する。
1号 第21条第1項
《文部科学大臣は、第6条の規定の実施を確保…》
するため必要があると認めるときは、原子力事業者に対し必要な報告を求め、又はその職員に、原子力事業者の事務所若しくは工場若しくは事業所若しくは原子力船に立ち入り、その者の帳簿、書類その他必要な物件を検査
の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
2号 第21条第1項
《文部科学大臣は、第6条の規定の実施を確保…》
するため必要があると認めるときは、原子力事業者に対し必要な報告を求め、又はその職員に、原子力事業者の事務所若しくは工場若しくは事業所若しくは原子力船に立ち入り、その者の帳簿、書類その他必要な物件を検査
の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
1項 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人その他の従業者が、その法人又は人の事業に関して前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
1項 第17条の2第3項
《3 原子力事業者は、損害賠償実施方針を作…》
成し、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
の規定による公表をせず、又は虚偽の公表をした者は、210,000円以下の過料に処する。