地震保険に関する法律《本則》

法番号:1966年法律第73号

略称: 地震保険法

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1条 (目的)

1項 この法律は、保険会社等が負う地震保険責任を政府が再保険することにより、地震保険の普及を図り、もつて地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的とする。

2条 (定義)

1項 この法律において「 保険会社等 」とは、 保険業法 1995年法律第105号第3条第5項 《5 損害保険業免許は、第1号に掲げる保険…》 の引受けを行い、又はこれに併せて第2号若しくは第3号に掲げる保険の引受けを行う事業に係る免許とする。 1 一定の偶然の事故によって生ずることのある損害をてん補することを約し、保険料を収受する保険次号に の損害保険業免許若しくは同法第185条第5項の外国損害保険業免許を受けた者若しくは同法第219条第5項の免許を受けた者の社員( 第9条の2 《協議 内閣総理大臣は、地震保険契約によ…》 つて保険会社等が負う保険責任を再保険する保険会社に対し、保険業法第311条の2第1項各号に掲げる処分をしようとするときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。 において「 保険会社 」という。又は他の法律に基づき火災に係る共済事業を行う法人で財務大臣の指定するものをいう。

2項 この法律において「 地震保険契約 」とは、次に掲げる要件を備える損害保険契約(火災に係る共済契約を含む。以下同じ。)をいう。

1号 居住の用に供する建物又は生活用動産のみを保険の目的とすること。

2号 地震若しくは噴火又はこれらによる津波(以下「 地震等 」という。)を直接又は間接の原因とする火災、損壊、埋没又は流失による損害(政令で定めるものに限る。)を政令で定める金額によりてん補すること。

3号 特定の損害保険契約に附帯して締結されること。

4号 附帯される損害保険契約の保険金額の100分の三十以上100分の五十以下の額に相当する金額(その金額が政令で定める金額を超えるときは、当該政令で定める金額)を保険金額とすること。

3項 この法律において「保険」、「保険金」又は「保険責任」とあるのは、共済契約については、それぞれ「共済」、「共済金」又は「共済責任」と読み替えるものとする。

3条 (政府の再保険)

1項 政府は、 地震保険契約 によつて 保険会社 等が負う保険責任を再保険する保険会社等を相手方として、再保険契約を締結することができる。

2項 前項の再保険契約は、契約の相手方ごとに、一回の 地震等 によりその相手方に係るすべての 地震保険契約 によつて支払われるべき保険金の合計額が政令で定める金額をこえる場合に、そのこえる金額につき政令で定める区分ごとの割合により支払うべきことを約するものとする。

3項 一回の 地震等 により政府が支払うべき再保険金の総額は、毎年度、国会の議決を経た金額をこえない範囲内のものでなければならない。

4項 72時間以内に生じた二以上の 地震等 は、一括して一回の地震等とみなす。ただし、被災地域が全く重複しない場合は、この限りでない。

4条 (保険金の削減)

1項 前条第1項の規定による政府の再保険契約に係るすべての 地震保険契約 によつて支払われるべき保険金の総額が、一回の 地震等 につき、当該再保険契約により 保険会社 等のすべてが負担することとなる金額と同条第3項の規定による政府の負担限度額との合計額をこえることとなる場合には、保険会社等は、政令で定めるところにより、その支払うべき保険金を削減することができる。

4条の2 (警戒宣言が発せられた場合における地震保険契約の締結の停止)

1項 大規模地震対策特別措置法 1978年法律第73号第9条第1項 《内閣総理大臣は、気象庁長官から地震予知情…》 報の報告を受けた場合において、地震防災応急対策を実施する緊急の必要があると認めるときは、閣議にかけて、地震災害に関する警戒宣言を発するとともに、次に掲げる措置を執らなければならない。 1 強化地域内の の規定に基づく地震災害に関する 警戒宣言 以下この条において「 警戒宣言 」という。)が発せられたときは、同法第3条第1項の規定により地震防災対策強化地域として指定された地域のうち当該警戒宣言に係る地域内に所在する保険の目的については、 保険会社 等は、当該警戒宣言が発せられた時から同法第9条第3項の規定に基づく地震災害に関する警戒解除宣言が発せられた日(当該警戒宣言に係る大規模な地震が発生するに至つた場合にあつては、財務大臣が地震保険審査会の議を経て告示により指定をする日)までの間、政府の再保険契約に係る 地震保険契約 政令で定めるものを除く。)を新たに締結することができない。

2項 前項に定めるもののほか、 警戒宣言 が発せられた場合(当該警戒宣言に係る大規模な地震が発生するに至つた場合を含む。)における 地震保険契約 の締結の停止に関し必要な事項は、政令で定める。

5条 (保険料率及び再保険料率)

1項 政府の再保険に係る 地震保険契約 の保険料率は、収支の償う範囲内においてできる限り低いものでなければならない。

2項 政府の再保険事業に係る再保険料率は、長期的に再保険料収入が再保険金を償うように合理的に定めなければならない。

6条 (審査の申立て)

1項 保険会社 等は、政府の再保険に関する事項につき不服があるときは、財務大臣に対し、審査を申し立てることができる。

2項 前項の規定による審査の申立てがあつたときは、財務大臣は、地震保険審査会の審査を経て裁決する。

3項 第1項の審査の申立ては、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求とみなす。

7条 (地震保険審査会)

1項 財務省に、政令で定めるところにより、地震保険審査会を置くことができる。

2項 地震保険審査会は、 第4条 《保険金の削減 前条第1項の規定による政…》 府の再保険契約に係るすべての地震保険契約によつて支払われるべき保険金の総額が、一回の地震等につき、当該再保険契約により保険会社等のすべてが負担することとなる金額と同条第3項の規定による政府の負担限度額 の二及び前条第2項の規定によりその権限に属する事項を処理するほか、再保険金を支払うべき事態が生じた場合において、財務大臣の諮問に応じ、当該再保険金の額及び 第4条 《保険金の削減 前条第1項の規定による政…》 府の再保険契約に係るすべての地震保険契約によつて支払われるべき保険金の総額が、一回の地震等につき、当該再保険契約により保険会社等のすべてが負担することとなる金額と同条第3項の規定による政府の負担限度額 の保険金の削減に係る事項に関し調査審議する。

3項 前2項に定めるもののほか、地震保険審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

8条 (国の措置)

1項 政府は、 地震保険契約 による保険金の支払のため特に必要があるときは、 保険会社 等に対し、資金のあつせん又は融通に努めるものとする。

9条 (報告及び検査)

1項 財務大臣は、この法律に規定する政府の再保険事業の健全な経営を確保するため必要があると認めるときは、 地震保険契約 に係る事業を行なう 保険会社 等に対し、その事業に関し報告をさせ、又はその職員に当該保険会社等の事務所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

2項 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。

3項 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

9条の2 (協議)

1項 内閣総理大臣は、 地震保険契約 によつて 保険会社 等が負う保険責任を再保険する保険会社に対し、 保険業法 第311条の2第1項 《内閣総理大臣は、保険会社等、外国保険会社…》 又は免許特定法人に対し次に掲げる処分をすることが保険業に対する信頼性の維持に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、あらかじめ、保険業に対する信頼性の維持を図るために必要な措置に関し、財務大臣 各号に掲げる処分をしようとするときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。

9条の3 (通知等)

1項 内閣総理大臣は、第1号に掲げる場合に該当するときはあらかじめ、第2号から第4号までに掲げる場合のいずれかに該当するときは遅滞なく、その旨及びその内容を財務大臣に通知するものとする。

1号 保険業法 第131条 《事業方法書等に定めた事項の変更命令 内…》 閣総理大臣は、保険会社の業務若しくは財産の状況に照らして、又は事情の変更により、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該保険会社に対し、そ第203条 《事業の方法書等に定めた事項の変更命令 …》 内閣総理大臣は、外国保険会社等の業務若しくは財産の状況に照らして、又は事情の変更により、外国保険会社等の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要がある 又は 第229条 《事業の方法書等に定めた事項の変更命令 …》 内閣総理大臣は、免許特定法人及び引受社員の業務若しくは財産の状況に照らして、又は事情の変更により、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要が の規定による変更の命令であつて、政府の再保険に係る 地震保険契約 に関するものをしようとするとき。

2号 保険業法 第4条第1項 《前条第1項の免許を受けようとする者は、次…》 に掲げる事項を記載した免許申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。 1 商号又は名称 2 資本金の額又は基金の総額 3 取締役及び監査役監査等委員会設置会社監査等委員会を置く株式会社又は相互会社第187条第1項 《第185条第1項の免許を受けようとする外…》 国保険業者は、次に掲げる事項を記載した免許申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。 1 当該外国保険業者の本国当該外国保険業者が保険業の開始又は当該外国保険業者に係る法人の設立に当たって準拠した 又は 第220条第1項 《前条第1項の免許を受けようとする特定法人…》 は、次に掲げる事項を記載した免許申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。 1 当該特定法人の商号又は名称、本店又は主たる事務所の所在地及び設立の年月日 2 当該特定法人の設立に当たって準拠した法 に規定する免許申請書が提出された場合において、それに添付された事業方法書に政府の再保険に係る 地震保険契約 に関する記載があつたとき。

3号 保険業法 第123条第1項 《保険会社は、第4条第2項第2号から第4号…》 までに掲げる書類に定めた事項保険契約者等の保護に欠けるおそれが少ないものとして内閣府令で定める事項を除く。を変更しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。同法第207条において準用する場合を含む。又は第225条第1項の規定による変更の認可の申請であつて、政府の再保険に係る 地震保険契約 に関するものがあつたとき。

4号 損害保険料率算出団体に関する法律 1948年法律第193号第9条の3第1項 《料率団体は、第3条第5項各号に掲げる保険…》 の種類に係る基準料率を算出したときは、次に掲げる事項を記載した書類を添付して、当該基準料率を内閣総理大臣に届け出なければならない。 その届出をした基準料率を変更しようとするときも、同様とする。 1 基 の規定による届出であつて、政府の再保険に係る 地震保険契約 に関するものがあつたとき。

2項 財務大臣は、前項の通知を受けた場合において、この法律に規定する政府の再保険事業の健全な経営を確保するため必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、意見を述べることができる。

3項 内閣総理大臣は、前項の規定により財務大臣から意見が述べられたときは、その意見を尊重するものとする。

9条の4 (金融庁長官への権限の委任)

1項 内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。

10条 (実施規定)

1項 この法律の実施のための手続その他その執行について必要な事項は、財務省令で定める。

11条 (罰則)

1項 第9条第1項 《財務大臣は、この法律に規定する政府の再保…》 険事業の健全な経営を確保するため必要があると認めるときは、地震保険契約に係る事業を行なう保険会社等に対し、その事業に関し報告をさせ、又はその職員に当該保険会社等の事務所に立ち入り、帳簿書類その他の物件 の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、40,000円以下の罰金に処する。

2項 保険会社 等の代表者又は代理人、使用人その他の従業者がその保険会社等の業務に関して前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その保険会社等に対しても同項の刑を科する。

《本則》 ここまで 附則 >  

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