林業種苗法《本則》

法番号:1970年法律第89号

附則 >  

1条 (目的)

1項 この法律は、種苗について優良な採取源の指定、生産の事業を行なう者の登録、配布の際の表示の適正化等に関する措置を定めることにより、優良な種苗の供給を確保し、もつて適正かつ円滑な造林を推進して林業総生産の増大及び林業の安定的発展に資することを目的とする。

2条 (定義)

1項 この法律において「 種苗 」とは、林業の用に供される樹木の繁殖の用に供される種子、穂木、茎、根及び苗木(幼苗を含む。以下同じ。)であつて、政令で定める樹種に係るものをいう。

2項 この法律において「 生産事業 」とは、配布の目的をもつて 種苗 を採取し、又は育成する事業をいい、「 生産事業 者」とは、生産事業を行なう者をいい、「配布事業」とは、他の者が採取し、又は育成した種苗を配布する事業をいい、「配布事業者」とは、配布事業を行なう者をいう。

3条 (育種母樹、普通母樹等の指定)

1項 都道府県知事は、優良な種穂( 種苗 のうち、種子、穂木、茎又は根をいう。以下同じ。)の確保を図るため、農林水産省令で定める基準に従い、配布(配布のためにする苗木の育成を含む。次条第1項、 第23条 《種穂の採取の禁止等 都道府県知事は、造…》 林の適正かつ円滑な推進を図るため特に必要があると認めるときは、配布の目的をもつてする種穂の採取に関し、農林水産省令で定めるところにより、採取すべき時期を指定し、又は劣悪な種穂が採取されるおそれのある樹 及び 第32条第7号 《罰則 第32条 次の各号の1に該当する者…》 は、40,000円以下の罰金に処する。 1 第6条第1項の規定による命令に従わなかつた者 2 第7条第1項の規定に違反した者 3 第10条第1項の規定に違反して登録を受けないで生産事業を行なつた者又は において同じ。)の目的のための優良な種穂の採取に適する樹木又はその集団を、育種により育成されたものにあつては育種母樹又は育種母樹林として、その他のものにあつては普通母樹又は普通母樹林として指定することができる。

2項 農林水産大臣又は都道府県知事は、前項の基準の作成又は同項の規定による指定に当たつては、 森林法 1951年法律第249号)の規定による全国森林計画及び地域森林計画、森林の現況等を参酌し、優良な種穂の適切な供給が図られるように配慮しなければならない。

3項 都道府県知事は、第1項の規定による指定をしようとするときは、その指定をしようとする樹木又はその集団の所有者(所有権以外の権原に基づきこれらの樹木の使用又は収益をする者があるときは、その者を含む。以下「 所有者等 」という。)の意見をきかなければならない。

4条 (特別母樹等の指定)

1項 農林水産大臣は、優良な種穂の採取に適する樹木又はその集団を育成し、又は改良するため特に優良な種穂の確保を図る必要があるときは、関係都道府県知事の意見をきいて、配布の目的のための特に優良な種穂の採取に適する樹木又はその集団を特別母樹又は特別母樹林として指定することができる。

2項 農林水産大臣は、前項の規定による指定をしようとするときは、学識経験を有する者の意見をきくとともに、その指定をしようとする樹木又はその集団の 所有者等 の意見をきかなければならない。

5条 (指定の公示等)

1項 農林水産大臣又は都道府県知事は、特別母樹若しくは特別母樹林又は育種母樹、育種母樹林、普通母樹若しくは普通母樹林(以下「 指定採取源 」と総称する。)を指定するときは、農林水産省令で定めるところにより、その旨を公示するとともに、その 指定採取源 所有者等 に通知しなければならない。

2項 指定採取源 の指定は、前項の規定による公示によつてその効力を生ずる。

6条 (指定採取源の保護又は管理のための命令等)

1項 農林水産大臣は、特別母樹又は特別母樹林の指定目的を達成するため必要があるときは、その 所有者等 に対し、その保護又は管理に関し、必要な処置を講ずること又は有害な行為を行なわないことを命ずることができる。

2項 都道府県知事は、育種母樹若しくは育種母樹林又は普通母樹若しくは普通母樹林の指定目的を達成するため必要があるときは、その 所有者等 に対し、その保護又は管理に関し、必要な処置を講ずること又は有害な行為を行なわないことを指示することができる。

7条 (指定採取源の伐採の制限)

1項 特別母樹又は特別母樹林の 所有者等 は、これらの樹木を伐採してはならない。ただし、その指定目的を阻害するおそれがないものとして、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。

2項 特別母樹又は特別母樹林の 所有者等 は、次の各号の1に該当する場合には、前項の規定にかかわらず、同項の許可を受けないでこれらの樹木を伐採することができる。この場合には、当該所有者等は、農林水産省令で定めるところにより、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

1号 法令又はこれに基づく処分により伐採の義務のある者がその履行として伐採する場合

2号 火災、風水害その他の非常災害に際し緊急の用に供する必要がある場合

3号 その他農林水産省令で定める場合

3項 育種母樹若しくは育種母樹林又は普通母樹若しくは普通母樹林の 所有者等 は、これらの樹木を伐採しようとするとき(前項第2号に該当する場合には、これらの樹木を伐採したとき。)は、農林水産省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

8条 (特別母樹等についての損失補償)

1項 国は、特別母樹又は特別母樹林の 所有者等 に対し、特別母樹又は特別母樹林の指定によりその者が通常受けるべき損失を補償しなければならない。ただし、当該指定が所有者の申請に基づいてされた場合は、この限りでない。

2項 前項の規定による補償を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣にこれを請求しなければならない。

3項 農林水産大臣は、前項の規定による請求を受けたときは、補償すべき金額を決定し、その請求をした者にこれを通知しなければならない。

4項 前項の規定による決定に不服がある者は、その通知を受けた日から6月以内に、訴えをもつて補償すべき金額の増額を請求することができる。

5項 前項の訴えにおいては、国を被告とする。

9条 (指定の解除)

1項 農林水産大臣又は都道府県知事は、その指定に係る 指定採取源 について、その指定理由が消滅したときは、遅滞なく、その部分につきその指定を解除しなければならない。

2項 農林水産大臣又は都道府県知事は、公益上の理由により必要が生じたときは、その部分につきその指定に係る 指定採取源 の指定を解除することができる。

3項 農林水産大臣は、第1項又は前項の規定によりその指定に係る 指定採取源 の指定を解除しようとするときは、関係都道府県知事及び学識経験を有する者の意見をきかなければならない。

4項 第5条 《指定の公示等 農林水産大臣又は都道府県…》 知事は、特別母樹若しくは特別母樹林又は育種母樹、育種母樹林、普通母樹若しくは普通母樹林以下「指定採取源」と総称する。を指定するときは、農林水産省令で定めるところにより、その旨を公示するとともに、その指 の規定は、第1項又は第2項の規定による 指定採取源 の指定の解除について準用する。

10条 (生産事業者の登録)

1項 生産事業 を行おうとする者は、その住所地(法人にあつては、その主たる事務所の所在地。以下同じ。)を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。

2項 前項の登録を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。

1号 氏名及び住所(法人にあつては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地

2号 生産事業 の内容

3号 事業所の名称及び所在地

4号 生産事業 に係る 種苗 の採取又は育成の場所

5号 生産事業 の開始年月日

6号 生産事業 に従事する者で次項第3号イの講習会の課程を修了したものの氏名及び住所

7号 その他農林水産省令で定める事項

3項 都道府県知事は、前項の申請書を提出した者が次の各号の1に該当する者である場合を除き、政令で定めるところにより、遅滞なく、その登録をしなければならない。

1号 この法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から2年を経過しない者

2号 第15条第1項 《都道府県知事は、生産事業者が次の各号の1…》 に該当するときは、その者に係る登録を取り消すことができる。 1 この法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこれらに基づく処分に違反したとき。 2 不正な手段により登録を受けたとき。 3 第10条第 の規定により登録の取消しを受けた日から2年を経過しない者

3号 次に掲げる者以外の者

都道府県知事が 種苗 の生産、流通等に関し必要な知識を修得させることを目的として行なう講習会の課程を修了した者

イに掲げる者以外の者であつて、その 生産事業 に従事する使用人その他の従業者としてイの講習会の課程を修了した者を置くもの(その置かれる当該講習会の課程を修了した者のすべてが前2号のいずれかに該当するものを除く。

11条 (講習会の開催及び修了証明書の交付)

1項 都道府県知事は、政令で定めるところにより、毎年一回を常例として、前条第3項第3号イの講習会を開催しなければならない。

2項 都道府県知事は、前条第3項第3号イの講習会を開催した場合には、その講習会の課程を修了した者に対し、修了証明書を交付しなければならない。

12条 (登録証の交付及び備付け等)

1項 都道府県知事は、 第10条第1項 《生産事業を行おうとする者は、その住所地法…》 人にあつては、その主たる事務所の所在地。以下同じ。を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。 の登録をしたときは、当該登録を受けた者に対し、次に掲げる事項を記載した登録証を交付しなければならない。

1号 登録番号及び登録年月日

2号 氏名又は名称及び住所

3号 生産事業 の内容

4号 事業所の名称及び所在地

5号 生産事業 に係る 種苗 の採取又は育成の場所

2項 生産事業 者は、登録証の交付を受けたときは、住所以外の場所に事業所を設けている者にあつては登録証をその住所に備え付けるとともにその写しを当該事業所に備え付け、その他の者にあつては登録証をその住所に備え付けておかなければならない。

3項 都道府県知事は、 第10条第1項 《生産事業を行おうとする者は、その住所地法…》 人にあつては、その主たる事務所の所在地。以下同じ。を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。 の登録を拒否したときは、その申請者に対し、遅滞なく、理由を付してその旨を通知しなければならない。

13条 (生産事業者の届出等)

1項 生産事業 者は、登録証の記載事項に変更を生じたときは、農林水産省令で定めるところにより、その住所地を管轄する都道府県知事に変更があつた事項及び変更の年月日を届け出て、その書替交付を申請しなければならない。

2項 生産事業 者は、登録証が滅失し、又は汚損したときは、農林水産省令で定めるところにより、その住所地を管轄する都道府県知事にその旨を届け出て、その再交付を申請しなければならない。

3項 生産事業 者は、農林水産省令で定めるところにより、 第10条第2項 《2 前項の登録を受けようとする者は、農林…》 水産省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。 1 氏名及び住所法人にあつては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地 2 生産事業の内容 各号に掲げる事項(登録証の記載事項に該当するもの及び同項第5号に掲げるものを除く。)に変更を生じたときは変更があつた事項及び変更の年月日を、生産事業を廃止したときはその旨及び廃止の年月日をその住所地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。

14条 (登録の失効)

1項 生産事業 者が前条第3項の規定により生産事業を廃止した旨を届け出たときは、その登録は、その効力を失う。

2項 前項の規定により登録がその効力を失つたときは、当該登録を受けた者は、遅滞なく、登録証をその住所地を管轄する都道府県知事に返納しなければならない。

15条 (登録の取消し)

1項 都道府県知事は、 生産事業 者が次の各号の1に該当するときは、その者に係る登録を取り消すことができる。

1号 この法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこれらに基づく処分に違反したとき。

2号 不正な手段により登録を受けたとき。

3号 第10条第3項第1号 《3 都道府県知事は、前項の申請書を提出し…》 た者が次の各号の1に該当する者である場合を除き、政令で定めるところにより、遅滞なく、その登録をしなければならない。 1 この法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けるこ 又は第3号に該当することとなつたとき。

2項 前項の規定による登録の取消しに係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。

3項 第1項の規定により登録を取り消された者は、遅滞なく、登録証を都道府県知事に返納しなければならない。

16条 (登録に関する公告)

1項 都道府県知事は、 第10条第1項 《生産事業を行おうとする者は、その住所地法…》 人にあつては、その主たる事務所の所在地。以下同じ。を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。 の登録をしたとき、 第14条第1項 《生産事業者が前条第3項の規定により生産事…》 業を廃止した旨を届け出たときは、その登録は、その効力を失う。 の規定により登録が失効したとき、又は前条第1項の規定により登録を取り消したときは、農林水産省令で定めるところにより、次に掲げる事項を公告しなければならない。

1号 登録番号

2号 生産事業 者の氏名又は名称及び住所

3号 生産事業 の内容

4号 事業所の名称及び所在地

2項 都道府県知事は、 第13条第1項 《生産事業者は、登録証の記載事項に変更を生…》 じたときは、農林水産省令で定めるところにより、その住所地を管轄する都道府県知事に変更があつた事項及び変更の年月日を届け出て、その書替交付を申請しなければならない。 の規定により前項第2号から第4号までに掲げる事項に変更があつた旨の届出があつたときは、農林水産省令で定めるところにより、当該変更に係る事項を公告しなければならない。

16条の2 (政令への委任)

1項 第10条 《生産事業者の登録 生産事業を行おうとす…》 る者は、その住所地法人にあつては、その主たる事務所の所在地。以下同じ。を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。 2 前項の登録を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、次に掲 から前条までに規定するもののほか、 生産事業 者の登録に関し必要な事項は、政令で定める。

17条 (配布事業者の届出)

1項 配布事業者は、配布事業を開始したときは、その開始の日から30日以内に、農林水産省令で定めるところにより、氏名及び住所(法人にあつては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地。次項において同じ。)、事業所の所在地その他農林水産省令で定める事項をその住所地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。

2項 配布事業者は、農林水産省令で定めるところにより、氏名及び住所、事業所の所在地その他農林水産省令で定める事項に変更を生じたときは変更があつた事項及び変更の年月日を、配布事業を廃止したときはその旨及び廃止の年月日をその住所地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。

3項 前2項に定めるもののほか、配布事業者の届出に関し必要な事項は、政令で定める。

18条 (生産事業者及び配布事業者の表示義務等)

1項 生産事業 者は、その採取又は育成に係る 種苗 を配布するときは、農林水産省令で定めるところにより、当該種苗の容器又は包装の外部(容器及び包装を用いないものにあつては、各荷口又は各箇。次項において同じ。)に次に掲げる事項を表示した生産事業者表示票を添附しなければならない。ただし、農林水産省令で定める場合において、これらの事項を表示した書面を当該種苗の配布を受ける者に交付するときは、この限りでない。

1号 生産事業 者表示票という文字

2号 種苗 の樹種

3号 生産事業 者の氏名又は名称及び住所

4号 種穂にあつてはその採取の場所及び採取した樹木が 指定採取源 である場合にはその種別(その場所及びその種別が判明しない場合には、その旨)、苗木にあつてはその苗木に係る種穂の採取の場所及び採取した樹木が指定採取源である場合にはその種別並びにその苗木の育成の場所(これらの場所及びその種別が判明しない場合には、その旨

5号 その他農林水産省令で定める事項

2項 配布事業者は、 種苗 をその容器若しくは包装を開き若しくは変更して配布するとき、容器若しくは包装のない種苗を容器に入れ若しくは包装して配布するとき、又は 生産事業 者表示票の添附されていない種苗を配布するときは、農林水産省令で定めるところにより、当該種苗の容器又は包装の外部に次に掲げる事項を表示した配布事業者表示票を添附しなければならない。ただし、農林水産省令で定める場合において、これらの事項を表示した書面を当該種苗の配布を受ける者に交付するときは、この限りでない。

1号 配布事業者表示票という文字

2号 配布事業者の氏名又は名称及び住所

3号 前項第2号から第5号までに掲げる事項( 生産事業 者表示票の添附されていない 種苗 を配布する場合においてこれらの事項が判明しないときは、その旨

3項 生産事業 者表示票又は配布事業者表示票には、第1項各号又は前項各号に掲げる事項、商標及び商号、荷口番号及び出荷年月日その他農林水産省令で定める事項以外の事項を表示し、又は虚偽の表示をしてはならない。第1項ただし書及び前項ただし書の書面についても、同様とする。

19条 (表示義務等の違反に対する是正命令)

1項 都道府県知事は、 生産事業 又は配布事業者が、前条第1項若しくは第2項の規定に違反して生産事業者 表示票 若しくは配布事業者表示票(以下「 表示票 」と総称する。)を添附せず若しくは同条第1項ただし書若しくは第2項ただし書の書面(以下「 表示書 」という。)を交付しないで 種苗 を配布し、又は同条第3項の規定に違反して表示票若しくは 表示書 に同項に規定する事項以外の事項を表示し若しくは虚偽の表示をして種苗を配布したときは、当該生産事業者又は配布事業者に対し、その違反に係る種苗につき、表示票を添附し若しくは表示書を交付し、又は表示票若しくは表示書の表示を是正すべきことを命ずることができる。

2項 都道府県知事は、前項の規定により命令をした場合において、当該 生産事業 又は配布事業者の住所地が他の都道府県の区域内にあるときは、農林水産省令で定めるところにより、その住所地を管轄する都道府県知事にその旨を通知しなければならない。

20条 (指定採取源からの採取に係る種苗の証明)

1項 農林水産大臣は、申請があつた場合には、農林水産省令で定めるところにより、種穂が特別母樹若しくは特別母樹林から採取されたものであること又は苗木が特別母樹若しくは特別母樹林から採取された種穂から育成されたものであることについての証明をすることができる。

2項 都道府県知事は、申請があつた場合には、農林水産省令で定めるところにより、種穂が育種母樹、育種母樹林、普通母樹若しくは普通母樹林から採取されたものであること又は苗木が育種母樹、育種母樹林、普通母樹若しくは普通母樹林から採取された種穂から育成されたものであることについての証明をすることができる。

3項 農林水産大臣又は都道府県知事は、前2項の証明をする場合には、農林水産省令で定める方法により、その職員に、その証明に係る事実を確認させなければならない。

4項 第1項及び第2項の証明は、農林水産省令で定めるところにより、その証明をする 種苗 に農林水産省令で定める様式の証明書を添附してしなければならない。

21条 (表示票等の不正使用等の禁止)

1項 何人も、 表示票 若しくは 表示書 又は前条第4項の証明書(以下「 表示票等 」という。)を偽造し、変造し、若しくは不正に使用し、又は配布される 種苗 につき、偽造し、若しくは変造した表示票等又は表示票等に紛らわしいものを添附し、若しくは交付してはならない。

2項 他の 生産事業 又は配布事業者の氏名、名称、商標若しくは商号又は他の 種苗 の樹種、銘柄その他これに類する事項を表示した容器又は包装は、その表示を消さなければ、何人も、種苗の容器又は包装として種苗を配布するために使用してはならない。

22条 (種穂の採取についての努力義務)

1項 生産事業 者は、種穂を採取するときは、 指定採取源 から採取するように努めなければならない。

23条 (種穂の採取の禁止等)

1項 都道府県知事は、造林の適正かつ円滑な推進を図るため特に必要があると認めるときは、配布の目的をもつてする種穂の採取に関し、農林水産省令で定めるところにより、採取すべき時期を指定し、又は劣悪な種穂が採取されるおそれのある樹木若しくはその集団からの採取を禁止することができる。

24条 (種苗の配布区域の制限)

1項 農林水産大臣は、造林の適正かつ円滑な推進を図るため特に必要があると認めるときは、農林水産省令で定めるところにより、一定の区域(外国における一定の区域を含む。)において採取され、又は育成される 種苗 について気候その他の自然条件からみておおむねその樹木としての生育に適すると認められる区域を配布区域として指定することができる。

2項 生産事業 及び配布事業者は、 種苗 につき前項の配布区域が指定されているときは、当該配布区域以外の区域を受取地として種苗を配布してはならない。ただし、林業の試験研究の用に供する場合その他特別の事情がある場合において農林水産大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

25条 (外国産種苗等に対する措置)

1項 政府は、外国産の劣悪な 種苗 林業の用に供される樹木の繁殖の用に供される種子、穂木、茎、根及び苗木(幼苗を含む。)であつて、 第2条第1項 《この法律において「種苗」とは、林業の用に…》 供される樹木の繁殖の用に供される種子、穂木、茎、根及び苗木幼苗を含む。以下同じ。であつて、政令で定める樹種に係るものをいう。 の政令で定める樹種以外の樹種に係るものを含む。以下この項において同じ。)が輸入されることにより、国内における造林の適正かつ円滑な推進についての著しい支障又は国内における林業の用に供される他の樹木の形質若しくは生育に対する著しい悪影響を生じ、又は生ずるおそれがある場合において、必要があるときは、種苗の輸入に関し、これらの事態を克服するため相当と認められる措置を講ずるものとする。

2項 政府は、 種苗 の供給量がその需要量に比して著しく不足し、又は不足するおそれがある場合において、国内における造林の適正かつ円滑な推進を図るために必要な優良な種苗の供給を確保するため特に必要があるときは、種苗の輸出に関し、相当と認められる措置を講ずるものとする。

26条 (帳簿の備付け)

1項 生産事業 及び配布事業者は、農林水産省令で定めるところにより、その事業所ごとに帳簿を備え、 種苗 を採取し、他の者から配布を受け、又は配布したときは、そのつど、帳簿に、その年月日、樹種、数量その他農林水産省令で定める事項を記載しなければならない。

27条 (報告の徴収)

1項 農林水産大臣又は都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、 指定採取源 所有者等 からその指定採取源に関し必要な事項の報告を求め、又は 生産事業 者若しくは配布事業者からその業務に関し必要な事項の報告を求めることができる。

28条 (立入検査等)

1項 農林水産大臣又は都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、 指定採取源 生産事業 者の事業所、配布事業者の事業所その他種穂の採取、苗木の育成、 種苗 の配布若しくは保管に関係がある場所に立ち入り、樹木若しくはその集団、種苗、その容器若しくは包装若しくは関係書類(その作成又は備付けに代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は備付けがされている場合における当該電磁的記録を含む。)を検査させ、関係者に質問させ、又は種苗を分析検査のため必要な最小量に限り、無償で収去させることができる。

2項 前項の規定により立ち入ろうとする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

3項 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

29条 (監督処分)

1項 農林水産大臣又は都道府県知事は、 生産事業 又は配布事業者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこれらの規定に基づく処分に違反したときは、これらの者に対し、 種苗 の採取若しくは育成に関し必要な処置を講ずべきことを命じ、又は種苗の配布を制限し、若しくは禁止することができる。

2項 農林水産大臣が前項の規定により命令、制限又は禁止をした場合には、農林水産省令で定めるところにより、当該 生産事業 又は配布事業者の住所地を管轄する都道府県知事にその旨を通知しなければならない。

3項 都道府県知事が第1項の規定により命令、制限又は禁止をした場合には、 第19条第2項 《2 都道府県知事は、前項の規定により命令…》 をした場合において、当該生産事業者又は配布事業者の住所地が他の都道府県の区域内にあるときは、農林水産省令で定めるところにより、その住所地を管轄する都道府県知事にその旨を通知しなければならない。 の規定を準用する。

30条 (国及び都道府県の援助)

1項 及び都道府県は、優良な 種苗 の供給を確保し、及びその普及を図るため、森林所有者、 生産事業 及びこれらの者の組織する団体に対し、必要な助言、指導その他の援助を行なうように努めるものとする。

31条 (国等に関する特例)

1項 国が 所有者等 である 指定採取源 については 第6条 《指定採取源の保護又は管理のための命令等 …》 農林水産大臣は、特別母樹又は特別母樹林の指定目的を達成するため必要があるときは、その所有者等に対し、その保護又は管理に関し、必要な処置を講ずること又は有害な行為を行なわないことを命ずることができる。 の規定、国、都道府県又は国立研究開発法人森林研究・整備機構が行う 生産事業 及び配布事業については 第10条 《生産事業者の登録 生産事業を行おうとす…》 る者は、その住所地法人にあつては、その主たる事務所の所在地。以下同じ。を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。 2 前項の登録を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、次に掲 から 第17条 《配布事業者の届出 配布事業者は、配布事…》 業を開始したときは、その開始の日から30日以内に、農林水産省令で定めるところにより、氏名及び住所法人にあつては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地。次項において同じ。、事業所の所在地その他 まで、 第19条 《表示義務等の違反に対する是正命令 都道…》 府県知事は、生産事業者又は配布事業者が、前条第1項若しくは第2項の規定に違反して生産事業者表示票若しくは配布事業者表示票以下「表示票」と総称する。を添附せず若しくは同条第1項ただし書若しくは第2項ただ第26条 《帳簿の備付け 生産事業者及び配布事業者…》 は、農林水産省令で定めるところにより、その事業所ごとに帳簿を備え、種苗を採取し、他の者から配布を受け、又は配布したときは、そのつど、帳簿に、その年月日、樹種、数量その他農林水産省令で定める事項を記載し第29条 《監督処分 農林水産大臣又は都道府県知事…》 は、生産事業者又は配布事業者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこれらの規定に基づく処分に違反したときは、これらの者に対し、種苗の採取若しくは育成に関し必要な処置を講ずべきことを命じ、又は 及び次条から 第35条 《 第12条第2項、第14条第2項又は第1…》 5条第3項の規定に違反した者は、20,000円以下の過料に処する。 までの規定は、適用しない。

2項 国の機関が行なう行為については、 第7条第1項 《特別母樹又は特別母樹林の所有者等は、これ…》 らの樹木を伐採してはならない。 ただし、その指定目的を阻害するおそれがないものとして、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。 の規定による許可を受けることを要しない。この場合において、当該国の機関は、その行為をしようとするときは、あらかじめ、農林水産大臣に協議しなければならない。

3項 国の機関は、 第7条第2項 《2 特別母樹又は特別母樹林の所有者等は、…》 次の各号の1に該当する場合には、前項の規定にかかわらず、同項の許可を受けないでこれらの樹木を伐採することができる。 この場合には、当該所有者等は、農林水産省令で定めるところにより、その旨を農林水産大臣 又は第3項の規定により届出を要する行為をしたとき、又はしようとするときは、これらの規定による届出の例により、その旨を農林水産大臣又は都道府県知事に通知しなければならない。

32条 (罰則)

1項 次の各号の1に該当する者は、40,000円以下の罰金に処する。

1号 第6条第1項 《農林水産大臣は、特別母樹又は特別母樹林の…》 指定目的を達成するため必要があるときは、その所有者等に対し、その保護又は管理に関し、必要な処置を講ずること又は有害な行為を行なわないことを命ずることができる。 の規定による命令に従わなかつた者

2号 第7条第1項 《特別母樹又は特別母樹林の所有者等は、これ…》 らの樹木を伐採してはならない。 ただし、その指定目的を阻害するおそれがないものとして、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。 の規定に違反した者

3号 第10条第1項 《生産事業を行おうとする者は、その住所地法…》 人にあつては、その主たる事務所の所在地。以下同じ。を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。 の規定に違反して登録を受けないで 生産事業 を行なつた者又は偽りその他不正の行為によりその登録を受けた者

4号 第18条第1項 《生産事業者は、その採取又は育成に係る種苗…》 を配布するときは、農林水産省令で定めるところにより、当該種苗の容器又は包装の外部容器及び包装を用いないものにあつては、各荷口又は各箇。次項において同じ。に次に掲げる事項を表示した生産事業者表示票を添附 、第2項又は第3項の規定に違反した者

5号 第19条第1項 《都道府県知事は、生産事業者又は配布事業者…》 が、前条第1項若しくは第2項の規定に違反して生産事業者表示票若しくは配布事業者表示票以下「表示票」と総称する。を添附せず若しくは同条第1項ただし書若しくは第2項ただし書の書面以下「表示書」という。を交 の規定による命令に従わなかつた者

6号 第21条第1項 《何人も、表示票若しくは表示書又は前条第4…》 項の証明書以下「表示票等」という。を偽造し、変造し、若しくは不正に使用し、又は配布される種苗につき、偽造し、若しくは変造した表示票等又は表示票等に紛らわしいものを添附し、若しくは交付してはならない。 の規定に違反して 表示票 等を不正に使用し、若しくは配布される 種苗 につき表示票等に紛らわしいものを添附し、若しくは交付した者又は同条第2項の規定に違反した者

7号 第23条 《種穂の採取の禁止等 都道府県知事は、造…》 林の適正かつ円滑な推進を図るため特に必要があると認めるときは、配布の目的をもつてする種穂の採取に関し、農林水産省令で定めるところにより、採取すべき時期を指定し、又は劣悪な種穂が採取されるおそれのある樹 の規定による指定に係る時期以外の時期において配布の目的をもつて当該指定に係る種穂を採取した者又は同条の規定による禁止に従わなかつた者

8号 第24条第2項 《2 生産事業者及び配布事業者は、種苗につ…》 き前項の配布区域が指定されているときは、当該配布区域以外の区域を受取地として種苗を配布してはならない。 ただし、林業の試験研究の用に供する場合その他特別の事情がある場合において農林水産大臣の承認を受け の規定に違反した者

9号 第29条第1項 《農林水産大臣又は都道府県知事は、生産事業…》 又は配布事業者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこれらの規定に基づく処分に違反したときは、これらの者に対し、種苗の採取若しくは育成に関し必要な処置を講ずべきことを命じ、又は種苗の配布を の規定による命令、制限又は禁止に従わなかつた者

33条

1項 次の各号の1に該当する者は、20,000円以下の罰金に処する。

1号 第7条第2項 《2 特別母樹又は特別母樹林の所有者等は、…》 次の各号の1に該当する場合には、前項の規定にかかわらず、同項の許可を受けないでこれらの樹木を伐採することができる。 この場合には、当該所有者等は、農林水産省令で定めるところにより、その旨を農林水産大臣 又は第3項の規定に違反した者

2号 第13条第1項 《生産事業者は、登録証の記載事項に変更を生…》 じたときは、農林水産省令で定めるところにより、その住所地を管轄する都道府県知事に変更があつた事項及び変更の年月日を届け出て、その書替交付を申請しなければならない。 、第2項若しくは第3項又は 第17条第1項 《配布事業者は、配布事業を開始したときは、…》 その開始の日から30日以内に、農林水産省令で定めるところにより、氏名及び住所法人にあつては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地。次項において同じ。、事業所の所在地その他農林水産省令で定める 若しくは第2項の規定に違反した者

3号 第26条 《帳簿の備付け 生産事業者及び配布事業者…》 は、農林水産省令で定めるところにより、その事業所ごとに帳簿を備え、種苗を採取し、他の者から配布を受け、又は配布したときは、そのつど、帳簿に、その年月日、樹種、数量その他農林水産省令で定める事項を記載し の規定に違反して帳簿を備えず、又は必要な事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をした者

4号 第27条 《報告の徴収 農林水産大臣又は都道府県知…》 事は、この法律の施行に必要な限度において、指定採取源の所有者等からその指定採取源に関し必要な事項の報告を求め、又は生産事業者若しくは配布事業者からその業務に関し必要な事項の報告を求めることができる。 の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

5号 第28条第1項 《農林水産大臣又は都道府県知事は、この法律…》 の施行に必要な限度において、その職員に、指定採取源、生産事業者の事業所、配布事業者の事業所その他種穂の採取、苗木の育成、種苗の配布若しくは保管に関係がある場所に立ち入り、樹木若しくはその集団、種苗、そ の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者

34条

1項 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。

35条

1項 第12条第2項 《2 生産事業者は、登録証の交付を受けたと…》 きは、住所以外の場所に事業所を設けている者にあつては登録証をその住所に備え付けるとともにその写しを当該事業所に備え付け、その他の者にあつては登録証をその住所に備え付けておかなければならない。第14条第2項 《2 前項の規定により登録がその効力を失つ…》 たときは、当該登録を受けた者は、遅滞なく、登録証をその住所地を管轄する都道府県知事に返納しなければならない。 又は 第15条第3項 《3 第1項の規定により登録を取り消された…》 者は、遅滞なく、登録証を都道府県知事に返納しなければならない。 の規定に違反した者は、20,000円以下の過料に処する。

《本則》 ここまで 附則 >  

国の法令検索サービス《E-Gov》の法令データ、法令APIを利用しています。