1条 (趣旨)
1項 この法律は、 物品の1時輸入のための通関手帳に関する通関条約 (ATA条約)(以下「条約」という。)を実施するため、 関税法 (1954年法律第61号)及び 関税定率法 (1910年法律第54号)の特例その他必要な事項を定めるものとする。
2条 (定義)
1項 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
1号 通関手帳 :条約の定めるところに従い発給される条約第1条(d)に規定するATAカルネをいう。
2号 保証団体 :
第5条第1項
《通関手帳を発給し、及び第3条の通関手帳に…》
よる輸入又は保税運送がされる物品に係る輸入税を保証することができる者となるには、財務大臣の認可を受けなければならない。
の規定により財務大臣の認可を受けた者をいう。
3号 輸入税 :関税及び 輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律 (1955年法律第37号。以下徴収法という。)
第2条第1号
《定義 第2条 この法律において、次の各号…》
に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 1 「内国消費税」とは、消費税法等の規定により課される消費税、酒税、たばこ税、揮発油税、地方揮発油税、石油ガス税又は石油石炭税をいう。 2 「課税
に規定する内国消費税をいう。
3条 (通関手帳による通関等)
1項 関税定率法
第17条第1項
《左の各号に掲げる貨物で輸入され、その輸入…》
の許可の日から1年第11号に掲げる貨物については、政令で定める期間とし、これらの期間をこえることがやむを得ないと認められる理由があり、政令で定めるところにより税関長の承認を受けた貨物については、これら
各号の物品のうち政令で定める物品は、 通関手帳 ( 保証団体 が 輸入税 を保証する者として記載されているものに限る。
第5条第1項
《関税についての条約の特別の規定による便益…》
を受けない国その一部である地域を含む。以下この条、次条第1項及び第2項並びに第9条第4項において同じ。の生産物で輸入されるものには、政令で定めるところにより、国及び貨物を指定し、当該規定による便益の限
及び第6項を除き、以下同じ。)による輸入をすることができる。
2項 関税法
第63条第1項
《外国貨物郵便物、特例輸出貨物及び政令で定…》
めるその他の貨物を除く。第63条の9第1項及び第65条の3を除き、以下この章において同じ。は、税関長に申告し、その承認を受けて、開港、税関空港、保税地域、税関官署及び第30条第1項第2号外国貨物を置く
の規定に基づく運送(以下「 保税運送 」という。)は、 通関手帳 により行なうことができる。
3項 通関手帳 による物品の輸入又は 保税運送 をする者は、政令で定めるところにより、当該通関手帳につき 保証団体 の確認を受けなければならない。
4条 (再輸出期間)
1項 通関手帳 による輸入がされる物品に対する 関税定率法
第17条
《再輸出免税 左の各号に掲げる貨物で輸入…》
され、その輸入の許可の日から1年第11号に掲げる貨物については、政令で定める期間とし、これらの期間をこえることがやむを得ないと認められる理由があり、政令で定めるところにより税関長の承認を受けた貨物につ
の規定の適用については、同条第1項の期間は、当該物品の輸入の許可の日から当該通関手帳の有効期限の到来する日までの期間(以下「 有効期間 」という。)とする。ただし、同項第11号に該当する物品については、当該 有効期間 が同項の政令で定める期間をこえる場合には、当該政令で定める期間とし、当該政令で定める期間をこえることがやむを得ないと認められる理由があり、政令で定めるところにより税関長の承認を受けた場合には、当該有効期間の範囲内において税関長が指定する期間とする。
5条 (保証団体)
1項 通関手帳 を発給し、及び
第3条
《通関手帳による通関等 関税定率法第17…》
条第1項各号の物品のうち政令で定める物品は、通関手帳保証団体が輸入税を保証する者として記載されているものに限る。第5条第1項及び第6項を除き、以下同じ。による輸入をすることができる。 2 関税法第63
の通関手帳による輸入又は 保税運送 がされる物品に係る 輸入税 を保証することができる者となるには、財務大臣の認可を受けなければならない。
2項 前項の認可を申請するには、申請書に、定款、事業計画書及び業務方法書その他財務省令で定める書類を添えて、これを財務大臣に提出しなければならない。
3項 財務大臣は、第1項の認可の申請者が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の認可をしてはならない。
1号 条約に基づく保証のための組織に加入することが確実な法人であること。
2号 輸入税 の納付その他 保証団体 の業務を適正に遂行するに足りる能力があること。
4項 保証団体 は、 通関手帳 による輸入をした者又は通関手帳による 保税運送 の承認を受けた者が、 関税定率法
第17条第4項
《4 第1項の規定により関税の免除を受けた…》
貨物が同項の期間内に輸出されないこととなつた場合又は同項各号に掲げる用途以外の用途に供された場合においては、同項の規定により免除を受けた関税を、直ちに徴収する。
(徴収法第13条第3項において準用する場合を含む。)又は 関税法
第65条第1項
《第63条第1項保税運送又は前条第1項の規…》
定により運送の承認を受けて運送された外国貨物輸出の許可を受けた貨物を除く。次項において同じ。がその指定された運送の期間内に運送先に到着しないときは、運送の承認を受けた者から、直ちにその関税を徴収する。
及び徴収法第11条第5項の規定により 輸入税 を徴収されることとなつたときは、条約の定めるところに従い、その者と連帯して当該輸入税を納付する義務を負う。
5項 保証団体 は、第3項第1号に規定する組織に加入したときは、直ちに、その旨を財務大臣に届け出なければならない。
6項 保証団体 は、前項の届出をした後でなければ、 通関手帳 を発給してはならない。
7項 保証団体 は、その業務を廃止しようとするときは、財務省令で定めるところにより、その旨を財務大臣に届け出なければならない。
8項 財務大臣は、 保証団体 が第3項各号の1に適合しなくなつたと認めるとき、保証団体がこの法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分に違反したとき、又は保証団体から前項の届出があつたときは、第1項の認可を取り消すことができる。
9項 前項の規定により認可が取り消された場合において、当該認可を取り消された日前に発給された 通関手帳 があるときは、当該通関手帳については、当該認可を取り消された者を 保証団体 とみなして、この法律を適用する。
6条 (担保の提供等)
1項 財務大臣は、 輸入税 の保全のため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、 保証団体 に対し、金額及び期間を指定し、輸入税につき担保の提供を命ずることができる。
2項 財務大臣は、必要があると認めるときは、前項の金額又は期間を変更することができる。
3項 財務大臣は、第1項の規定により担保を徴した場合において、 保証団体 が納付すべき 輸入税 がその納期限までに完納されないときは、税関長に、その担保として提供された財産の処分その他の処分を行なわせるものとする。
4項 国税通則法 (1962年法律第66号)
第52条
《担保の処分 税務署長等は、担保の提供さ…》
れている国税がその納期限第38条第2項繰上請求に規定する繰上げに係る期限及び納税の猶予又は徴収若しくは滞納処分に関する猶予に係る期限を含む。以下次条及び第63条第2項延滞税の免除において同じ。までに完
の規定は、前項の処分について準用する。
7条 (報告の徴取及び検査)
1項 財務大臣は、必要があると認めるときは、 保証団体 に対し業務若しくは財産に関し報告をさせ、又はその職員をして保証団体の事務所に立ち入り、業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2項 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3項 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
8条 (政令への委任)
1項 前各条に規定するもののほか、条約及びこの法律の実施に関し必要な事項は、政令で定める。
9条 (罰則)
1項 第7条第1項
《財務大臣は、必要があると認めるときは、保…》
証団体に対し業務若しくは財産に関し報告をさせ、又はその職員をして保証団体の事務所に立ち入り、業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、60,000円以下の罰金に処する。
10条
1項 保証団体 の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、保証団体の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その保証団体に対して同条の罰金刑を科する。