指掌紋取扱規則《本則》

法番号:1997年国家公安委員会規則第13号

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制定文 警察法施行令 1954年政令第151号第13条第1項 《国家公安委員会が法第5条第4項の規定によ…》 る管理に係る事務又は同条第5項若しくは第6項の事務を行うために必要な手続その他の事項については、国家公安委員会規則で定める。 の規定に基づき、指紋等取扱規則(1969年国家公安委員会規則第6号)の全部を改正するこの規則を制定する。


1条 (目的)

1項 この規則は、被疑者の指紋及び掌紋を組織的に収集し、管理し、及び運用するために必要な事項を定め、もって犯罪捜査に資することを目的とする。

2条 (定義)

1項 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

1号 指紋記録等 :被疑者の指紋及び氏名、異名その他の被疑者を識別するために必要な事項(以下身上事項という。)の電磁的方法による記録(以下指紋記録という。又は被疑者の指紋を押なつし、及び身上事項を記載して作成した資料(以下指紋資料という。)をいう。

2号 掌紋記録等 :被疑者の掌紋及び身上事項の電磁的方法による記録(以下掌紋記録という。又は被疑者の掌紋を押なつし、及び身上事項を記載して作成した資料(以下掌紋資料という。)をいう。

3号 処分結果記録 :被疑者の処分結果及び身上事項の電磁的方法による記録をいう。

4号 処分結果資料 :被疑者の処分結果及び身上事項を記載して作成した資料をいう。

5号 現場指紋 :犯罪現場その他被疑者が指紋又は掌紋を遺留したと認められる場所(以下犯罪現場等という。)に残された指紋又はこれを採取したものをいう。

6号 現場掌紋 :犯罪現場等に残された掌紋又はこれを採取したものをいう。

7号 協力者指紋 :被疑者以外の者で犯罪現場等に指紋を残したと認められるものから採取した指紋をいう。

8号 協力者掌紋 :被疑者以外の者で犯罪現場等に掌紋を残したと認められるものから採取した掌紋をいう。

9号 遺留指紋 現場指紋 のうち、 協力者指紋 に該当しないもので被疑者が遺留したと認められるものをいう。

10号 遺留掌紋 現場掌紋 のうち、 協力者掌紋 に該当しないもので被疑者が遺留したと認められるものをいう。

3条 (指掌紋記録等の作成)

1項 警視庁、道府県警察本部若しくは方面本部の犯罪捜査を担当する課(隊その他課に準ずるものを含む。)の長又は警察署長(以下「 警察署長等 」という。)は、所属の警察官が被疑者を逮捕したとき若しくは被疑者の引渡しを受けたとき又は第3項の規定による依頼を受けたときは、 指紋記録等 及び 掌紋記録等 以下「 指掌紋記録等 」という。)を作成しなければならない。

2項 警察署長等 は、身体の拘束を受けていない被疑者について必要があると認めるとき又は第4項の規定による依頼を受けたときは、その承諾を得て 指掌紋記録等 を作成するものとする。

3項 関東管区警察局サイバー特別捜査部企画分析課長又は特別捜査課長(以下「 関東管区捜査担当課長 」という。)は、所属の警察官が被疑者を逮捕し、又は被疑者の引渡しを受けたときは、関係都道府県警察の 警察署長等 に対し、 指掌紋記録等 の作成を依頼しなければならない。

4項 関東管区捜査担当課長 は、身体の拘束を受けていない被疑者について必要があると認めるときは、関係都道府県警察の 警察署長等 に対し、 指掌紋記録等 の作成を依頼するものとする。

4条 (指掌紋記録等の送信等)

1項 警察署長等 は、前条第1項又は第2項の規定により指紋記録及び掌紋記録を作成したときは、速やかに当該指紋記録及び掌紋記録を警察庁刑事局犯罪鑑識官(以下「 警察庁犯罪鑑識官 」という。及び警視庁、道府県警察本部又は方面本部の鑑識課長(以下「 府県鑑識課長 」という。)に電磁的方法により送らなければならない。

2項 警察署長等 は、前条第1項又は第2項の規定により指紋資料及び掌紋資料を作成したときは、速やかに当該指紋資料及び掌紋資料を 府県鑑識課長 に送付しなければならない。

3項 府県鑑識課長 は、前項の規定により指紋資料及び掌紋資料の送付を受けたときは、速やかに当該指紋資料及び掌紋資料に係る指紋記録及び掌紋記録を作成し、これを 警察庁犯罪鑑識官 に電磁的方法により送らなければならない。

4項 警察庁犯罪鑑識官 又は 府県鑑識課長 は、前3項の規定により 指掌紋記録等 の送信又は送付を受けたときは、これを整理保管しなければならない。

5条 (処分結果記録の作成等)

1項 警察署長等 は、 第3条第1項 《警視庁、道府県警察本部若しくは方面本部の…》 犯罪捜査を担当する課隊その他課に準ずるものを含む。の長又は警察署長以下「警察署長等」という。は、所属の警察官が被疑者を逮捕したとき若しくは被疑者の引渡しを受けたとき又は第3項の規定による依頼を受けたと 又は第2項の規定により 指掌紋記録等 を作成した場合において、警察庁長官が定める事由に該当するに至ったときは、速やかに 処分結果記録 を作成し、これを 警察庁犯罪鑑識官 及び 府県鑑識課長 に電磁的方法により送らなければならない。

2項 警察庁犯罪鑑識官 又は 府県鑑識課長 は、前項の 処分結果記録 の送信を受けたときは、当該処分結果記録を整理保管し、又は当該処分結果記録に係る 処分結果資料 を作成し、これを整理保管しなければならない。

3項 警察庁犯罪鑑識官 又は 府県鑑識課長 は、その保管する 指掌紋記録等 が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該指掌紋記録等及び当該指掌紋記録等に係る 処分結果記録 又は 処分結果資料 を抹消し、又は廃棄しなければならない。

1号 指掌紋記録等 に係る者が死亡したとき。

2号 前号に掲げるもののほか、 指掌紋記録等 を保管する必要がなくなったとき。

6条 (遺留指掌紋の照会)

1項 警察署長等 は、 現場指紋 又は 現場掌紋 以下「 現場指掌紋 」という。)を採取したときは、これに 協力者指紋 又は 協力者掌紋 以下「 協力者指掌紋 」という。)を添えて 府県鑑識課長 に直ちに送付しなければならない。

2項 府県鑑識課長 は、前項の規定により 現場指掌紋 の送付を受けたときは、これと 協力者指掌紋 とを直ちに対照しなければならない。

3項 府県鑑識課長 は、前項の 現場指掌紋 のうちに 遺留指紋 又は 遺留掌紋 以下「 遺留指掌紋 」という。)があるときは、当該 遺留指掌紋 及びそれに関連する事項の電磁的方法による記録(以下「 遺留 指掌紋記録 」という。)を作成し、 警察庁犯罪鑑識官 に対し、これを送ることにより、該当する指紋記録又は掌紋記録(以下「 指掌紋記録 」という。)の有無を照会することができる。

4項 警察庁犯罪鑑識官 は、前項の規定による照会を受けたときは、直ちにこれとその保管する 指掌紋記録 とを対照し、当該照会をした 府県鑑識課長 に対し、その結果を電磁的方法により回答しなければならない。

5項 前項の規定による回答を受けた 府県鑑識課長 は、当該回答に係る 遺留指掌紋 を送付した 警察署長等 に対し、直ちに当該回答の内容を通知しなければならない。

7条

1項 府県鑑識課長 は、前条第4項の規定による回答があったとき(当該回答に係る 遺留指掌紋 警察庁犯罪鑑識官 の保管する 指掌紋記録 に該当した場合を除く。)は、警察庁犯罪鑑識官に対し、当該回答に係る遺留指掌紋記録を送り、 第4条第4項 《4 警察庁犯罪鑑識官又は府県鑑識課長は、…》 前3項の規定により指掌紋記録等の送信又は送付を受けたときは、これを整理保管しなければならない。 の規定による指掌紋記録の整理保管の際に当該指掌紋記録と当該遺留指掌紋記録とを対照することを依頼することができる。

2項 警察庁犯罪鑑識官 は、前項の規定による依頼を受けたときは、当該依頼に係る 遺留指掌紋 記録を整理保管しなければならない。

3項 前項の場合において、 警察庁犯罪鑑識官 は、同項の規定により保管する 遺留指掌紋 記録(以下「 保管遺留指掌紋記録 」という。)と 第4条第4項 《4 警察庁犯罪鑑識官又は府県鑑識課長は、…》 前3項の規定により指掌紋記録等の送信又は送付を受けたときは、これを整理保管しなければならない。 の規定により整理保管する 指掌紋記録 とを対照し、当該 保管遺留指掌紋記録 が当該指掌紋記録に該当したときは、第1項の規定による依頼をした 府県鑑識課長 にその旨を回答するものとする。

4項 前項の規定による回答を受けた 府県鑑識課長 は、当該回答に係る 遺留指掌紋 を送付した 警察署長等 に対し、直ちに当該回答の内容を通知しなければならない。

5項 警察庁犯罪鑑識官 は、第3項の規定により回答をするときは、当該回答に係る 指掌紋記録 に係る 府県鑑識課長 に対し、当該回答の内容を通知するものとする。この場合において、当該府県鑑識課長は、当該指掌紋記録に係る 警察署長等 に対し、当該通知の内容を通知するものとする。

6項 警察庁犯罪鑑識官 は、 保管遺留指掌紋記録 が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該保管遺留指掌紋記録を抹消しなければならない。

1号 保管遺留指掌紋記録 に係る事件について確定判決を経たとき。

2号 前号に掲げるもののほか、 保管遺留指掌紋記録 を保管する必要がなくなったとき。

8条 (指名照会)

1項 警察署長等 は、 第6条第1項 《警察署長等は、現場指紋又は現場掌紋以下「…》 現場指掌紋」という。を採取したときは、これに協力者指紋又は協力者掌紋以下「協力者指掌紋」という。を添えて府県鑑識課長に直ちに送付しなければならない。 の規定により送付した 現場指掌紋 のうちに 遺留指掌紋 があった事件について、被疑者と認められる者があるときは、 府県鑑識課長 に対し、氏名を指定してその者の 指掌紋記録等 と遺留指掌紋とを対照することを依頼することができる。

2項 府県鑑識課長 は、前項の規定による依頼(以下この項において「 指名照会 」という。)を受けたときは、直ちに対照を行い、当該 指名照会 をした 警察署長等 に対し、その結果を回答しなければならない。この場合において、対照を行うため必要があるときは、 指掌紋記録 を電磁的方法により送ること又は指紋資料若しくは掌紋資料の写しを送付することを 警察庁犯罪鑑識官 に依頼することができる。

9条 (被疑者に係る指掌紋照会)

1項 警察署長等 は、 第4条第1項 《警察署長等は、前条第1項又は第2項の規定…》 により指紋記録及び掌紋記録を作成したときは、速やかに当該指紋記録及び掌紋記録を警察庁刑事局犯罪鑑識官以下「警察庁犯罪鑑識官」という。及び警視庁、道府県警察本部又は方面本部の鑑識課長以下「府県鑑識課長」 の規定により指紋記録及び掌紋記録を送る場合において、犯罪捜査上必要があるときは、 警察庁犯罪鑑識官 に対し、当該指紋記録及び掌紋記録に係る被疑者の身上事項及び処分結果を照会することができる。

2項 警察署長等 は、 第4条第2項 《2 警察署長等は、前条第1項又は第2項の…》 規定により指紋資料及び掌紋資料を作成したときは、速やかに当該指紋資料及び掌紋資料を府県鑑識課長に送付しなければならない。 の規定により指紋資料及び掌紋資料を送付する場合において、犯罪捜査上必要があるときは、 府県鑑識課長 に対し、当該指紋資料及び掌紋資料に係る被疑者の身上事項及び処分結果を 警察庁犯罪鑑識官 に対し照会することを依頼することができる。

3項 府県鑑識課長 は、前項の規定による依頼を受けたときは、 第4条第3項 《3 府県鑑識課長は、前項の規定により指紋…》 資料及び掌紋資料の送付を受けたときは、速やかに当該指紋資料及び掌紋資料に係る指紋記録及び掌紋記録を作成し、これを警察庁犯罪鑑識官に電磁的方法により送らなければならない。 の規定により指紋記録及び掌紋記録を送る際に、 警察庁犯罪鑑識官 に対し、当該被疑者の身上事項及び処分結果を照会するものとする。

4項 警察庁犯罪鑑識官 は、第1項又は前項の規定による照会を受けたときは、当該照会に係る 指掌紋記録 とその保管する指掌紋記録とを対照する方法により速やかに調査を行い、当該照会をした 警察署長等 又は 府県鑑識課長 に対し、その結果を直ちに回答しなければならない。

5項 前項の規定による回答を受けた 府県鑑識課長 は、当該回答に係る指紋資料及び掌紋資料を送付した 警察署長等 に対し、当該回答の内容を直ちに通知しなければならない。

10条 (変死者等に係る指掌紋照会)

1項 警察署長等 は、犯罪捜査上必要があるときは、変死者等の指紋及び掌紋を押なつし、並びに当該変死者等に関連する事項を記載した資料を作成し、 府県鑑識課長 に対し、これを送付することにより、当該指紋及び掌紋に係る変死者等の身上事項及び処分結果を 警察庁犯罪鑑識官 に対し照会することを依頼することができる。

2項 府県鑑識課長 は、前項の規定による依頼を受けたときは、当該資料に係る電磁的方法による記録を作成し、 警察庁犯罪鑑識官 に対し、これを電磁的方法により送ることにより、当該変死者等の身上事項及び処分結果を照会するものとする。

3項 警察庁犯罪鑑識官 は、前項の規定による照会を受けたときは、当該照会に係る電磁的方法による記録とその保管する 指掌紋記録 とを対照する方法により速やかに調査を行い、当該照会をした 府県鑑識課長 に対し、その結果を直ちに回答しなければならない。

4項 前項の規定による回答を受けた 府県鑑識課長 は、当該回答に係る資料を送付した 警察署長等 に対し、当該回答の内容を直ちに通知しなければならない。

11条 (重大サイバー事案に係る犯罪の捜査に関する協力の求め)

1項 関東管区捜査担当課長 は、 警察法 1954年法律第162号第5条第4項第6号 《4 国家公安委員会は、第1項の任務を達成…》 するため、次に掲げる事務について、警察庁を管理する。 1 警察に関する制度の企画及び立案に関すること。 2 警察に関する国の予算に関すること。 3 警察に関する国の政策の評価に関すること。 4 次に掲 ハに規定する重大サイバー事案に係る犯罪の捜査における被疑者の指掌紋の収集、管理及び運用に関し、必要があると認めるときは、関係都道府県警察の 警察署長等 に協力を求めることができる。

12条 (訓令への委任)

1項 この規則の実施のため必要な事項は、警察庁長官が定める。

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