制定文 人事院は、 一般職の任期付研究員の採用、給与及び勤務時間の特例に関する法律 (1997年法律第65号)に基づき、任期付研究員の採用、給与及び勤務時間の特例に関し次の人事院規則を制定する。
1条 (趣旨)
1項 この規則は、任期付研究員法に規定する任期付研究員の採用、給与及び勤務時間の特例に関し必要な事項を定めるものとする。
2条 (適用除外官職)
1項 任期付研究員法第2条第3号の人事院規則で定める官職は、次に掲げる官職とする。
1号 任期付研究員法第2条第1号に規定する 試験研究機関等 (以下この条において「 試験研究機関等 」という。)の長の官職
2号 試験研究機関等 の長を助け、当該試験研究機関等の業務を整理する次長、副所長等の官職
3号 試験研究機関等 に置かれる支所、支場等の長の官職
3条 (任期の更新)
1項 任命権者は、任期付研究員法第5条第1項の規定により任期を更新する場合には、あらかじめ職員の同意を得なければならない。
4条 (異動の制限)
1項 任命権者は、 任期付研究員 法第3条第1項の規定により任期を定めて採用された職員(以下「 任期付研究員 」という。)を、その任期中、当該任期付研究員が現に占めている官職と同1の研究業務を行うことを職務内容とする官職に異動させる場合その他任期を定めた採用の趣旨に反しない場合に限り、異動させることができる。
5条 (人事異動通知書の交付)
1項 任命権者は、次に掲げる場合には、職員に対して、規則8―一二(職員の任免)第58条の規定による 人事異動通知書 (以下この条において「 人事異動通知書 」という。)を交付しなければならない。ただし、第3号に掲げる場合のうち、人事異動通知書の交付によらないことを適当と認める場合は、人事異動通知書に代わる文書の交付その他適当な方法をもって人事異動通知書の交付に代えることができる。
1号 任期付研究員 を採用する場合
2号 任期付研究員 の任期を更新する場合
3号 任期の満了により 任期付研究員 が当然に退職する場合
6条 (号俸の決定)
1項 第1号 任期付研究員 (任期付研究員法第5条第1項に規定する第1号任期付研究員をいう。以下同じ。)の任期付研究員法第6条第1項の俸給表の号俸は、その者の知識経験等の度、その者が従事する研究業務の困難及び重要の度等に応じて、次の各号に定める号俸に決定するものとする。
1号 高度の専門的な知識経験を有し、研究業績等により当該研究分野において特に優れた研究者と認められている者がその知識経験等に基づき困難な研究を独立して行う研究員の職務に従事する場合1号俸
2号 高度の専門的な知識経験を有し、研究業績等により当該研究分野において特に優れた研究者と認められている者がその知識経験等に基づき特に困難な研究を独立して行う研究員の職務に従事する場合2号俸
3号 特に高度の専門的な知識経験を有し、研究業績等により当該研究分野において特に優れた研究者と認められている者がその知識経験等に基づき特に困難な研究を独立して行う研究員の職務又はその知識経験等に基づき研究について相当の範囲にわたり調整、指導等を行う職務に従事する場合3号俸
4号 特に高度の専門的な知識経験を有し、研究業績等により当該研究分野において特に優れた研究者と認められている者がその知識経験等に基づき特に困難な研究で重要なものを独立して行う研究員の職務又はその知識経験等に基づき重要な研究について相当の範囲にわたり調整、指導等を行う職務に従事する場合4号俸
5号 極めて高度の専門的な知識経験を有し、研究業績等により当該研究分野において特に優れた研究者と認められている者がその知識経験等に基づき特に困難な研究で重要なものを独立して行う研究員の職務又はその知識経験等に基づき重要な研究について広範囲にわたり統括、調整等を行う職務に従事する場合5号俸
6号 極めて高度の専門的な知識経験を有し、研究業績等により当該研究分野において極めて優れた研究者と認められている者がその知識経験等に基づき特に困難な研究で特に重要なものを独立して行う研究員の職務又はその知識経験等に基づき特に重要な研究について広範囲にわたり統括、調整等を行う職務に従事する場合6号俸
2項 第2号 任期付研究員 (任期付研究員法第5条第1項に規定する第2号任期付研究員をいう。以下同じ。)の任期付研究員法第6条第2項の俸給表の号俸は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める号俸に決定するものとする。
1号 博士課程修了直後の者の有する程度の専門的な知識経験を有する者が当該知識経験に基づき研究を独立して行う研究員の職務に従事する場合1号俸
2号 博士課程修了後、特別研究員制度(特別の法律により設立された法人等によって運営され、主として博士課程を修了した優れた研究者に国立 試験研究機関等 において研究する機会を提供することを内容とする制度をいう。)等により数年にわたり研究に従事したことのある者の有する程度の専門的な知識経験を有する者が当該知識経験に基づき研究を独立して行う研究員の職務に従事する場合2号俸
3号 博士課程修了後、相当の期間にわたり研究に従事したことのある者の有する程度の専門的な知識経験を有する者が当該知識経験に基づき困難な研究を独立して行う研究員の職務に従事する場合3号俸
7条 (任期付研究員業績手当)
1項 任期付研究員 法第6条第5項の特に顕著な研究業績とは、同条第3項又は第4項の規定により任期付研究員の俸給月額が決定された際に期待された研究成果、研究活動等に照らして特に顕著であると認められる研究業績をいう。
8条
1項 任期付研究員 業績手当は、12月1日(以下「 基準日 」という。)に在職する任期付研究員のうち、任期付研究員として採用された日から当該 基準日 までの間(任期付研究員業績手当の支給を受けたことのある者にあっては、支給を受けた直近の当該手当に係る基準日の翌日から直近の基準日までの間)にその者の任期付研究員としての研究業務に関し特に顕著な研究業績を挙げたと認められる任期付研究員に対し、当該基準日の属する月の規則9―四〇(期末手当及び勤勉手当)第14条に規定する期末手当の支給日に支給することができるものとする。
9条 (裁量勤務の手続等)
1項 任期付研究員 法第8条第1項の規定による職員の裁量による勤務(以下「 裁量勤務 」という。)に従事させることができる第1号任期付研究員は、休職者及び停職者を除く第1号任期付研究員のうち、その職務遂行の方法を大幅に当該第1号任期付研究員の裁量にゆだねた場合に、自己の判断により研究業務を能率的に遂行することができると認められる者に限るものとする。
2項 各省各庁の長( 任期付研究員 法第8条第1項に規定する各省各庁の長をいう。以下同じ。)は、第1号任期付研究員を 裁量勤務 に従事させる場合には、あらかじめ当該第1号任期付研究員の同意を得なければならない。
3項 各省各庁の長は、 裁量勤務 に従事している第1号 任期付研究員 (以下「 裁量勤務研究員 」という。)が裁量勤務を継続しないことを希望する旨申し出た場合又は裁量勤務研究員を裁量勤務に従事させることが当該裁量勤務研究員に係る研究業務の能率的な遂行のため必要であると認められなくなった場合には、速やかに裁量勤務に従事させることをやめなければならない。
4項 各省各庁の長は、第1号 任期付研究員 を 裁量勤務 に従事させ、又は従事させることをやめる場合には、人事院の定めるところにより、当該第1号任期付研究員に対し速やかに通知するものとする。
10条 (勤務場所等)
1項 裁量勤務 研究員は、その勤務官署以外の場所においてその日の勤務のすべてを行う場合で各省各庁の長が必要であると認めるときには、その場所及び勤務内容等各省各庁の長が必要と認める事項についてあらかじめ各省各庁の長に申し出なければならない。
2項 各省各庁の長は、 裁量勤務 研究員に、特定の時間帯にその勤務官署において勤務することその他の特定の方法による職務遂行を命ずる場合には、当該裁量勤務研究員にあらかじめその内容を通知しなければならない。
11条 (勤務の状況についての報告)
1項 裁量勤務 研究員は、研究業務の遂行状況その他の勤務の状況について、各省各庁の長が定める期間ごとに報告しなければならない。
12条 (勤務時間を割り振られたものとみなす時間帯等)
1項 任期付研究員 法第8条第2項の人事院規則で定める時間帯は、午前8時30分から午後5時15分まで(午後零時から午後1時までを除く。)の時間帯とする。
2項 育児休業法第18条の規定により読み替えられた 任期付研究員 法第8条第2項の人事院規則で定める時間帯は、育児休業法第12条第3項の規定により承認を受けた同条第1項に規定する育児短時間勤務の内容に従った時間帯(勤務時間法第9条の規定に基づき休憩時間を置かなければならない場合にあっては、当該休憩時間の時間帯を除く。)とする。
13条
1項 任期付研究員 法第8条第2項の人事院規則で定める日は、次に掲げる日とする。
1号 国民の祝日に関する法律 (1948年法律第178号)に規定する休日
2号 勤務時間法第14条に規定する年末年始の休日
3号 全日にわたり勤務時間法第16条に定める休暇が承認された日
4号 前3号に掲げるもののほか、全日にわたり勤務しないことにつき特に承認があった日
14条 (雑則)
1項 この規則に定めるもののほか、 任期付研究員 の採用、給与及び勤務時間の特例に関し必要な事項は、人事院が定める。