組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律《本則》

法番号:1999年法律第136号

略称: 組織的犯罪処罰法・組織犯罪対策三法・組織犯罪処罰法

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1章 総則

1条 (目的)

1項 この法律は、組織的な犯罪が平穏かつ健全な社会生活を著しく害し、及び犯罪による収益がこの種の犯罪を助長するとともに、これを用いた事業活動への干渉が健全な経済活動に重大な悪影響を与えることに鑑み、並びに国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を実施するため、組織的に行われた殺人等の行為に対する処罰を強化し、犯罪による収益の隠匿及び収受並びにこれを用いた法人等の事業経営の支配を目的とする行為を処罰するとともに、犯罪による収益に係る没収及び追徴の特例等について定めることを目的とする。

2条 (定義)

1項 この法律において「 団体 」とは、共同の目的を有する多数人の継続的結合体であって、その目的又は意思を実現する行為の全部又は一部が組織(指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動する人の結合体をいう。以下同じ。)により反復して行われるものをいう。

2項 この法律において「 犯罪収益 」とは、次に掲げる財産をいう。

1号 財産上の不正な利益を得る目的で犯した次に掲げる罪の犯罪行為(日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたとしたならばこれらの罪に当たり、かつ、当該行為地の法令により罪に当たるものを含む。)により生じ、若しくは当該犯罪行為により得た財産又は当該犯罪行為の報酬として得た財産

死刑又は無期若しくは長期4年以上の拘禁刑が定められている罪(ロに掲げる罪及び 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律 1991年法律第94号。以下「 麻薬特例法 」という。第2条第2項 《2 この法律において「薬物犯罪」とは、次…》 に掲げる罪をいう。 1 第5条、第8条又は第9条の罪 2 麻薬及び向精神薬取締法第64条、第64条の二、第65条、第66条、第66条の三、第66条の四、第68条の二又は第69条の5の罪 3 大麻草の栽 各号に掲げる罪を除く。

別表第一(第3号を除く。又は別表第2に掲げる罪

2号 次に掲げる罪の犯罪行為(日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたとしたならばイ、ロ又はニに掲げる罪に当たり、かつ、当該行為地の法令により罪に当たるものを含む。)により提供された資金

覚醒剤取締法 1951年法律第252号第41条 《刑罰 覚醒剤を、みだりに、本邦若しくは…》 外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者の5第1項第2号に該当する者を除く。は、1年以上の有期拘禁刑に処する。 2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、無期若しくは3年以上の拘禁刑に処し の十(覚醒剤原料の輸入等に係る資金等の提供等)の罪

売春防止法 1956年法律第118号第13条 《資金等の提供 情を知つて、第11条第2…》 項の業に要する資金、土地又は建物を提供した者は、5年以下の拘禁刑及び210,000円以下の罰金に処する。 2 情を知つて、前条の業に要する資金、土地又は建物を提供した者は、7年以下の拘禁刑及び310,資金等の提供)の罪

銃砲刀剣類所持等取締法 1958年法律第6号第31条 《 第3条の13の規定に違反したときの11…》 第1項第3号に該当する場合を除く。は、当該違反行為をした者は、無期又は3年以上の拘禁刑に処する。 2 前項の違反行為拳銃等の発射に係るものに限る。次項において同じ。が、団体共同の目的を有する多数人の継 の十三(資金等の提供)の罪

サリン等による人身被害の防止に関する法律 1995年法律第78号第7条 《 情を知って、第5条第1項の罪又は製造若…》 しくは輸入に係る前条第1項若しくは第2項の罪に当たる行為に要する資金、土地、建物、艦船、航空機、車両、設備、機械、器具又は原材料を提供した者は、3年以下の拘禁刑に処する。資金等の提供)の罪

3号 次に掲げる罪の犯罪行為(日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたとしたならばこれらの罪に当たり、かつ、当該行為地の法令により罪に当たるものを含む。)により供与された財産

第7条 《 情を知って、第5条第1項の罪又は製造若…》 しくは輸入に係る前条第1項若しくは第2項の罪に当たる行為に要する資金、土地、建物、艦船、航空機、車両、設備、機械、器具又は原材料を提供した者は、3年以下の拘禁刑に処する。 の二(証人等買収)の罪

不正競争防止法 1993年法律第47号第21条第4項第4号 《4 次の各号のいずれかに該当する場合には…》 、当該違反行為をした者は、10年以下の拘禁刑若しくは30,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 1 日本国外において使用する目的で、第1項第1号の罪を犯したとき。 2 相手方に日本国外国公務員等に対する不正の利益の供与等)の罪

4号 公衆等脅迫目的の犯罪行為等のための資金等の提供等の処罰に関する法律 2002年法律第67号第3条第1項 《公衆等脅迫目的の犯罪行為等の実行を容易に…》 する目的で、これを実行しようとする者に対し、資金又はその実行に資するその他利益を提供した者は、12年以下の拘禁刑又は12,010,000円以下の罰金に処する。 若しくは第2項前段、 第4条第1項 《前条第1項の罪の実行を容易にする目的で、…》 これを実行しようとする者に対し、資金又はその実行に資するその他利益を提供した者は、7年以下の拘禁刑又は7,010,000円以下の罰金に処する。 若しくは 第5条第1項 《前2条に規定するもののほか、公衆等脅迫目…》 的の犯罪行為等の実行のために利用されるものとして、資金又はその他利益を提供した者は、5年以下の拘禁刑又は5,010,000円以下の罰金に処する。資金等の提供)の罪又はこれらの罪の未遂罪の犯罪行為(日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたとしたならばこれらの罪に当たり、かつ、当該行為地の法令により罪に当たるものを含む。)により提供され、又は提供しようとした財産

5号 第6条の2第1項 《次の各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリ…》 ズム集団その他の組織的犯罪集団団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第3に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。の団体の活動として、当該行為を実行するための組織によ 又は第2項(テロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画)の罪の犯罪行為である計画(日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたとしたならば当該罪に当たり、かつ、当該行為地の法令により罪に当たるものを含む。)をした者が、計画をした犯罪の実行のための資金として使用する目的で取得した財産

3項 この法律において「 犯罪収益に由来する財産 」とは、 犯罪収益 の果実として得た財産、犯罪収益の対価として得た財産、これらの財産の対価として得た財産その他犯罪収益の保有又は処分に基づき得た財産をいう。

4項 この法律において「 犯罪収益等 」とは、 犯罪収益 、犯罪収益に由来する財産又はこれらの財産とこれらの財産以外の財産とが混和した財産をいう。

5項 この法律において「 薬物 犯罪収益 」とは、 麻薬特例法 第2条第3項に規定する 薬物犯罪収益 をいう。

6項 この法律において「 薬物 犯罪収益 に由来する財産 」とは、 麻薬特例法 第2条第4項に規定する 薬物犯罪収益 に由来する財産をいう。

7項 この法律において「 薬物 犯罪収益 」とは、 麻薬特例法 第2条第5項に規定する 薬物犯罪収益 等をいう。

2章 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の没収等

3条 (組織的な殺人等)

1項 次の各号に掲げる罪に当たる行為が、 団体 の活動(団体の意思決定に基づく行為であって、その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するものをいう。以下同じ。)として、当該罪に当たる行為を実行するための組織により行われたときは、その罪を犯した者は、当該各号に定める刑に処する。

1号 刑法 1907年法律第45号第96条 《封印等破棄 公務員が施した封印若しくは…》 差押えの表示を損壊し、又はその他の方法によりその封印若しくは差押えの表示に係る命令若しくは処分を無効にした者は、3年以下の拘禁刑若しくは2,510,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。封印等破棄)の罪5年以下の拘禁刑若しくは5,010,000円以下の罰金又はこれらの併科

2号 刑法 第96条 《封印等破棄 公務員が施した封印若しくは…》 差押えの表示を損壊し、又はその他の方法によりその封印若しくは差押えの表示に係る命令若しくは処分を無効にした者は、3年以下の拘禁刑若しくは2,510,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 の二(強制執行妨害目的財産損壊等)の罪5年以下の拘禁刑若しくは5,010,000円以下の罰金又はこれらの併科

3号 刑法 第96条 《封印等破棄 公務員が施した封印若しくは…》 差押えの表示を損壊し、又はその他の方法によりその封印若しくは差押えの表示に係る命令若しくは処分を無効にした者は、3年以下の拘禁刑若しくは2,510,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 の三(強制執行行為妨害等)の罪5年以下の拘禁刑若しくは5,010,000円以下の罰金又はこれらの併科

4号 刑法 第96条 《封印等破棄 公務員が施した封印若しくは…》 差押えの表示を損壊し、又はその他の方法によりその封印若しくは差押えの表示に係る命令若しくは処分を無効にした者は、3年以下の拘禁刑若しくは2,510,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 の四(強制執行関係売却妨害)の罪5年以下の拘禁刑若しくは5,010,000円以下の罰金又はこれらの併科

5号 刑法 第186条第1項 《常習として賭博をした者は、3年以下の拘禁…》 刑に処する。常習賭博)の罪5年以下の拘禁刑

6号 刑法 第186条第2項 《2 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利…》 益を図った者は、3月以上5年以下の拘禁刑に処する。賭博場開張等図利)の罪3月以上7年以下の拘禁刑

7号 刑法 第199条 《殺人 人を殺した者は、死刑又は無期若し…》 くは5年以上の拘禁刑に処する。殺人)の罪死刑又は無期若しくは6年以上の拘禁刑

8号 刑法 第220条 《逮捕及び監禁 不法に人を逮捕し、又は監…》 禁した者は、3月以上7年以下の拘禁刑に処する。逮捕及び監禁)の罪3月以上10年以下の拘禁刑

9号 刑法 第223条第1項 《生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し…》 害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の拘禁刑に処する。 又は第2項(強要)の罪5年以下の拘禁刑

10号 刑法 第225条 《営利目的等略取及び誘拐 営利、わいせつ…》 、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、1年以上10年以下の拘禁刑に処する。 の二(身の代金目的略取等)の罪無期又は5年以上の拘禁刑

11号 刑法 第233条 《信用毀損及び業務妨害 虚偽の風説を流布…》 し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金に処する。信用毀損及び業務妨害)の罪5年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金

12号 刑法 第234条 《威力業務妨害 威力を用いて人の業務を妨…》 害した者も、前条の例による。威力業務妨害)の罪5年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金

13号 刑法 第246条 《詐欺 人を欺いて財物を交付させた者は、…》 10年以下の拘禁刑に処する。 2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。詐欺)の罪1年以上の有期拘禁刑

14号 刑法 第249条 《恐喝 人を恐喝して財物を交付させた者は…》 、10年以下の拘禁刑に処する。 2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。恐喝)の罪1年以上の有期拘禁刑

15号 刑法 第260条 《建造物等損壊及び同致死傷 他人の建造物…》 又は艦船を損壊した者は、5年以下の拘禁刑に処する。 よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。 前段(建造物等損壊)の罪7年以下の拘禁刑

2項 団体 に不正権益(団体の威力に基づく一定の地域又は分野における支配力であって、当該団体の構成員による犯罪その他の不正な行為により当該団体又はその構成員が継続的に利益を得ることを容易にすべきものをいう。以下この項及び 第6条の2第2項 《2 前項各号に掲げる罪に当たる行為で、テ…》 ロリズム集団その他の組織的犯罪集団に不正権益を得させ、又はテロリズム集団その他の組織的犯罪集団の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で行われるものの遂行を2人以上で計画した者も、その計画をした者のい において同じ。)を得させ、又は団体の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で、前項各号(第5号、第6号及び第13号を除く。)に掲げる罪を犯した者も、同項と同様とする。

4条 (未遂罪)

1項 前条第1項第7号、第9号、第10号(刑法第225条の2第1項に係る部分に限る。)、第13号及び第14号に掲げる罪に係る前条の罪の未遂は、罰する。

5条 (組織的な身の代金目的略取等における解放による刑の減軽)

1項 第3条第1項第10号 《次の各号に掲げる罪に当たる行為が、団体の…》 活動団体の意思決定に基づく行為であって、その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するものをいう。以下同じ。として、当該罪に当たる行為を実行するための組織により行われたときは、その罪を犯した者は、当該 に掲げる罪に係る同条の罪を犯した者が、公訴が提起される前に、略取され又は誘拐された者を安全な場所に解放したときは、その刑を減軽する。

6条 (組織的な殺人等の予備)

1項 次の各号に掲げる罪で、これに当たる行為が、 団体 の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものを犯す目的で、その予備をした者は、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

1号 刑法 第199条 《殺人 人を殺した者は、死刑又は無期若し…》 くは5年以上の拘禁刑に処する。殺人)の罪5年以下の拘禁刑

2号 刑法 第225条 《営利目的等略取及び誘拐 営利、わいせつ…》 、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、1年以上10年以下の拘禁刑に処する。営利目的等略取及び誘拐)の罪(営利の目的によるものに限る。)2年以下の拘禁刑

2項 第3条第2項 《2 団体に不正権益団体の威力に基づく一定…》 の地域又は分野における支配力であって、当該団体の構成員による犯罪その他の不正な行為により当該団体又はその構成員が継続的に利益を得ることを容易にすべきものをいう。以下この項及び第6条の2第2項において同 に規定する目的で、前項各号に掲げる罪の予備をした者も、同項と同様とする。

6条の2 (テロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画)

1項 次の各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団( 団体 のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第3に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。)の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を2人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

1号 別表第4に掲げる罪のうち、死刑又は無期若しくは長期10年を超える拘禁刑が定められているもの5年以下の拘禁刑

2号 別表第4に掲げる罪のうち、長期4年以上10年以下の拘禁刑が定められているもの2年以下の拘禁刑

2項 前項各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団に不正権益を得させ、又はテロリズム集団その他の組織的犯罪集団の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で行われるものの遂行を2人以上で計画した者も、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、同項と同様とする。

3項 別表第4に掲げる罪のうち告訴がなければ公訴を提起することができないものに係る前2項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

4項 第1項及び第2項の罪に係る事件についての 刑事訴訟法 1948年法律第131号第198条第1項 《検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯…》 罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。 但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。 の規定による取調べその他の捜査を行うに当たっては、その適正の確保に10分に配慮しなければならない。

7条 (組織的な犯罪に係る犯人蔵匿等)

1項 拘禁刑以上の刑が定められている罪に当たる行為が、 団体 の活動として、当該行為を実行するための組織により行われた場合において、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める刑に処する。

1号 その罪を犯した者を蔵匿し、又は隠避させた者5年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金

2号 その罪に係る他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者5年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金

3号 その罪に係る自己若しくは他人の刑事事件の捜査若しくは審判に必要な知識を有すると認められる者又はその親族に対し、当該事件に関して、正当な理由がないのに面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者5年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金

4号 その罪に係る被告事件に関し、当該被告事件の審判に係る職務を行う裁判員若しくは補充裁判員若しくはこれらの職にあった者又はその親族に対し、面会、文書の送付、電話をかけることその他のいかなる方法をもってするかを問わず、威迫の行為をした者3年以下の拘禁刑又は210,000円以下の罰金

5号 その罪に係る被告事件に関し、当該被告事件の審判に係る職務を行う裁判員若しくは補充裁判員の選任のために選定された裁判員候補者若しくは当該裁判員若しくは補充裁判員の職務を行うべき選任予定裁判員又はその親族に対し、面会、文書の送付、電話をかけることその他のいかなる方法をもってするかを問わず、威迫の行為をした者3年以下の拘禁刑又は210,000円以下の罰金

2項 拘禁刑以上の刑が定められている罪が 第3条第2項 《2 団体に不正権益団体の威力に基づく一定…》 の地域又は分野における支配力であって、当該団体の構成員による犯罪その他の不正な行為により当該団体又はその構成員が継続的に利益を得ることを容易にすべきものをいう。以下この項及び第6条の2第2項において同 に規定する目的で犯された場合において、前項各号のいずれかに該当する者も、同項と同様とする。

7条の2 (証人等買収)

1項 次に掲げる罪に係る自己又は他人の刑事事件に関し、証言をしないこと、若しくは虚偽の証言をすること、又は証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造すること、若しくは偽造若しくは変造の証拠を使用することの報酬として、金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、2年以下の拘禁刑又は310,000円以下の罰金に処する。

1号 死刑又は無期若しくは長期4年以上の拘禁刑が定められている罪(次号に掲げる罪を除く。

2号 別表第1に掲げる罪

2項 前項各号に掲げる罪に当たる行為が、 団体 の活動として、当該行為を実行するための組織により行われた場合、又は同項各号に掲げる罪が 第3条第2項 《2 団体に不正権益団体の威力に基づく一定…》 の地域又は分野における支配力であって、当該団体の構成員による犯罪その他の不正な行為により当該団体又はその構成員が継続的に利益を得ることを容易にすべきものをいう。以下この項及び第6条の2第2項において同 に規定する目的で犯された場合において、前項の罪を犯した者は、5年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金に処する。

8条 (団体に属する犯罪行為組成物件等の没収)

1項 団体 の構成員が罪(これに当たる行為が、当該団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われたもの、又は 第3条第2項 《2 団体に不正権益団体の威力に基づく一定…》 の地域又は分野における支配力であって、当該団体の構成員による犯罪その他の不正な行為により当該団体又はその構成員が継続的に利益を得ることを容易にすべきものをいう。以下この項及び第6条の2第2項において同 に規定する目的で行われたものに限る。)を犯した場合、又は当該罪を犯す目的でその予備罪(これに当たる行為が、当該団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われたもの、及び同項に規定する目的で行われたものを除く。)を犯した場合において、当該犯罪行為を組成し、又は当該犯罪行為の用に供し、若しくは供しようとした物が、当該団体に属し、かつ、当該構成員が管理するものであるときは、 刑法 第19条第2項 《2 没収は、犯人以外の者に属しない物に限…》 り、これをすることができる。 ただし、犯人以外の者に属する物であっても、犯罪の後にその者が情を知って取得したものであるときは、これを没収することができる。 本文の規定にかかわらず、その物が当該団体及び犯人以外の者に属しない場合に限り、これを没収することができる。ただし、当該団体において、当該物が当該犯罪行為を組成し、又は当該犯罪行為の用に供され、若しくは供されようとすることの防止に必要な措置を講じていたときは、この限りでない。

9条 (不法収益等による法人等の事業経営の支配を目的とする行為)

1項 第2条第2項第1号 《2 この法律において「犯罪収益」とは、次…》 に掲げる財産をいう。 1 財産上の不正な利益を得る目的で犯した次に掲げる罪の犯罪行為日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたとしたならばこれらの罪に当たり、かつ、当該行為地の法令 若しくは第3号の 犯罪収益 若しくは 薬物犯罪収益 麻薬特例法 第2条第2項各号に掲げる罪の犯罪行為により得た財産又は当該犯罪行為の報酬として得た財産に限る。 第13条第1項第3号 《次に掲げる財産は、没収することができる。…》 1 犯罪収益第6号に掲げる財産に該当するものを除く。 2 犯罪収益に由来する財産第6号に掲げる財産に該当する犯罪収益の保有又は処分に基づき得たものを除く。 3 第9条第1項の罪に係る株主等の地位に係 及び同条第4項において同じ。)、これらの保有若しくは処分に基づき得た財産又はこれらの財産とこれらの財産以外の財産とが混和した財産(以下「 不法収益等 」という。)を用いることにより、法人等(法人又は法人でない社団若しくは財団をいう。以下この条において同じ。)の株主等(株主若しくは社員又は発起人その他の法人等の設立者をいう。以下同じ。)の地位を取得し、又は第三者に取得させた者が、当該法人等又はその子法人の事業経営を支配する目的で、その株主等の権限又は当該権限に基づく影響力を行使し、又は当該第三者に行使させて、次の各号のいずれかに該当する行為をしたときは、10年以下の拘禁刑若しくは10,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

1号 当該法人等又はその子法人の役員等(取締役、執行役、理事、管理人その他いかなる名称を有するものであるかを問わず、法人等の経営を行う役職にある者をいう。以下この条において同じ。)を選任し、若しくは選任させ、解任し、若しくは解任させ、又は辞任させること。

2号 当該法人等又はその子法人を代表すべき役員等の地位を変更させること(前号に該当するものを除く。)。

2項 不法収益等 を用いることにより、法人等に対する債権を取得し、又は第三者に取得させた者が、当該法人等又はその子法人の事業経営を支配する目的で、当該債権の取得又は行使に関し、次の各号のいずれかに該当する行為をしたときも、前項と同様とする。不法収益等を用いることにより、法人等に対する債権を取得しようとし、又は第三者に取得させようとする者が、当該法人等又はその子法人の事業経営を支配する目的で、当該債権の取得又は行使に関し、これらの各号のいずれかに該当する行為をした場合において、当該債権を取得し、又は第三者に取得させたときも、同様とする。

1号 当該法人等又はその子法人の役員等を選任させ、若しくは解任させ、又は辞任させること。

2号 当該法人等又はその子法人を代表すべき役員等の地位を変更させること(前号に該当するものを除く。)。

3項 不法収益等 を用いることにより、法人等の株主等に対する債権を取得し、又は第三者に取得させた者が、当該法人等又はその子法人の事業経営を支配する目的で、当該債権の取得又は行使に関し、当該株主等にその権限又は当該権限に基づく影響力を行使させて、前項各号のいずれかに該当する行為をしたときも、第1項と同様とする。不法収益等を用いることにより、法人等の株主等に対する債権を取得しようとし、又は第三者に取得させようとする者が、当該法人等又はその子法人の事業経営を支配する目的で、当該債権の取得又は行使に関し、当該株主等にその権限又は当該権限に基づく影響力を行使させて、これらの各号のいずれかに該当する行為をした場合において、当該債権を取得し、又は第三者に取得させたときも、同様とする。

4項 この条において「子法人」とは、1の法人等が株主等の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(2005年法律第86号)第879条第3項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。以下この項において同じ。)の総数の100分の50を超える数の議決権を保有する法人をいい、1の法人等及びその子法人又は1の法人等の子法人が株主等の議決権の総数の100分の50を超える数の議決権を保有する法人は、当該法人等の子法人とみなす。

10条 (犯罪収益等隠匿)

1項 犯罪収益 等( 公衆等脅迫目的の犯罪行為等のための資金等の提供等の処罰に関する法律 第3条第1項 《公衆等脅迫目的の犯罪行為等の実行を容易に…》 する目的で、これを実行しようとする者に対し、資金又はその実行に資するその他利益を提供した者は、12年以下の拘禁刑又は12,010,000円以下の罰金に処する。 若しくは第2項前段、 第4条第1項 《前条第1項の罪の実行を容易にする目的で、…》 これを実行しようとする者に対し、資金又はその実行に資するその他利益を提供した者は、7年以下の拘禁刑又は7,010,000円以下の罰金に処する。 又は 第5条第1項 《前2条に規定するもののほか、公衆等脅迫目…》 的の犯罪行為等の実行のために利用されるものとして、資金又はその他利益を提供した者は、5年以下の拘禁刑又は5,010,000円以下の罰金に処する。 の罪の未遂罪の犯罪行為(日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたとしたならばこれらの罪に当たり、かつ、当該行為地の法令により罪に当たるものを含む。以下この項において同じ。)により提供しようとした財産を除く。以下この項及び次条において同じ。)の取得若しくは処分につき事実を仮装し、又は犯罪収益等を隠匿した者は、10年以下の拘禁刑若しくは5,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。犯罪収益(同法第3条第1項若しくは第2項前段、 第4条第1項 《前条第1項第7号、第9号、第10号刑法第…》 225条の2第1項に係る部分に限る。、第13号及び第14号に掲げる罪に係る前条の罪の未遂は、罰する。 又は 第5条第1項 《第3条第1項第10号に掲げる罪に係る同条…》 の罪を犯した者が、公訴が提起される前に、略取され又は誘拐された者を安全な場所に解放したときは、その刑を減軽する。 の罪の未遂罪の犯罪行為により提供しようとした財産を除く。)の発生の原因につき事実を仮装した者も、同様とする。

2項 前項の罪の未遂は、罰する。

3項 第1項の罪を犯す目的で、その予備をした者は、2年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金に処する。

11条 (犯罪収益等収受)

1項 情を知って、 犯罪収益 等を収受した者は、7年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。ただし、法令上の義務の履行として提供されたものを収受した者又は契約(債権者において相当の財産上の利益を提供すべきものに限る。)の時に当該契約に係る債務の履行が犯罪収益等によって行われることの情を知らないでした当該契約に係る債務の履行として提供されたものを収受した者は、この限りでない。

12条 (国外犯)

1項 第3条第1項第9号 《次の各号に掲げる罪に当たる行為が、団体の…》 活動団体の意思決定に基づく行為であって、その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するものをいう。以下同じ。として、当該罪に当たる行為を実行するための組織により行われたときは、その罪を犯した者は、当該 、第11号、第12号及び第15号に掲げる罪に係る同条の罪、 第6条第1項第1号 《次の各号に掲げる罪で、これに当たる行為が…》 、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものを犯す目的で、その予備をした者は、当該各号に定める刑に処する。 ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。 に掲げる罪に係る同条の罪並びに 第6条の2第1項 《次の各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリ…》 ズム集団その他の組織的犯罪集団団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第3に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。の団体の活動として、当該行為を実行するための組織によ 及び第2項の罪は 刑法 第4条の2 《条約による国外犯 第2条から前条までに…》 規定するもののほか、この法律は、日本国外において、第2編の罪であって条約により日本国外において犯したときであっても罰すべきものとされているものを犯したすべての者に適用する。 の例に、 第9条第1項 《死刑、拘禁刑、罰金、拘留及び科料を主刑と…》 し、没収を付加刑とする。 から第3項まで及び前2条の罪は同法第3条の例に従う。

13条 (犯罪収益等の没収等)

1項 次に掲げる財産は、没収することができる。

1号 犯罪収益 第6号に掲げる財産に該当するものを除く。

2号 犯罪収益 に由来する財産(第6号に掲げる財産に該当する犯罪収益の保有又は処分に基づき得たものを除く。

3号 第9条第1項 《第2条第2項第1号若しくは第3号の犯罪収…》 益若しくは薬物犯罪収益麻薬特例法第2条第2項各号に掲げる罪の犯罪行為により得た財産又は当該犯罪行為の報酬として得た財産に限る。第13条第1項第3号及び同条第4項において同じ。、これらの保有若しくは処分 の罪に係る株主等の地位に係る株式又は持分であって、 不法収益等 薬物犯罪収益 、その保有若しくは処分に基づき得た財産又はこれらの財産とこれらの財産以外の財産とが混和した財産であるもの(第4項において「 薬物不法収益等 」という。)を除く。以下この項において同じ。)を用いることにより取得されたもの

4号 第9条第2項又は第3項の罪に係る債権であって、 不法収益等 を用いることにより取得されたもの(当該債権がその取得に用いられた不法収益等である財産の返還を目的とするものであるときは、当該不法収益等

5号 第10条 《犯罪収益等隠匿 犯罪収益等公衆等脅迫目…》 的の犯罪行為等のための資金等の提供等の処罰に関する法律第3条第1項若しくは第2項前段、第4条第1項又は第5条第1項の罪の未遂罪の犯罪行為日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたと 又は 第11条 《犯罪収益等収受 情を知って、犯罪収益等…》 を収受した者は、7年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 ただし、法令上の義務の履行として提供されたものを収受した者又は契約債権者において相当の財産上の利益を の罪に係る 犯罪収益

6号 不法収益等 を用いた 第9条第1項 《第2条第2項第1号若しくは第3号の犯罪収…》 益若しくは薬物犯罪収益麻薬特例法第2条第2項各号に掲げる罪の犯罪行為により得た財産又は当該犯罪行為の報酬として得た財産に限る。第13条第1項第3号及び同条第4項において同じ。、これらの保有若しくは処分 から第3項までの犯罪行為又は 第10条 《犯罪収益等隠匿 犯罪収益等公衆等脅迫目…》 的の犯罪行為等のための資金等の提供等の処罰に関する法律第3条第1項若しくは第2項前段、第4条第1項又は第5条第1項の罪の未遂罪の犯罪行為日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたと 若しくは 第11条 《犯罪収益等収受 情を知って、犯罪収益等…》 を収受した者は、7年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 ただし、法令上の義務の履行として提供されたものを収受した者又は契約債権者において相当の財産上の利益を の犯罪行為により生じ、若しくはこれらの犯罪行為により得た財産又はこれらの犯罪行為の報酬として得た財産

7号 第3号から前号までの財産の果実として得た財産、これらの各号の財産の対価として得た財産、これらの財産の対価として得た財産その他これらの各号の財産の保有又は処分に基づき得た財産

2項 前項各号に掲げる財産が犯罪被害財産(次に掲げる罪の犯罪行為によりその被害を受けた者から得た財産又は当該財産の保有若しくは処分に基づき得た財産をいう。以下同じ。)であるときは、これを没収することができない。同項各号に掲げる財産の一部が犯罪被害財産である場合において、当該部分についても、同様とする。

1号 財産に対する罪

2号 刑法 第225条の2第2項 《2 人を略取し又は誘拐した者が近親者その…》 他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又はこれを要求する行為をしたときも、前項と同様とする。 の罪に係る 第3条 《国民の国外犯 この法律は、日本国外にお…》 いて次に掲げる罪を犯した日本国民に適用する。 1 第108条現住建造物等放火及び第109条第1項非現住建造物等放火の罪、これらの規定の例により処断すべき罪並びにこれらの罪の未遂罪 2 第119条現住建組織的な拐取者身の代金取得等)の罪

3号 刑法 第225条の2第2項 《2 人を略取し又は誘拐した者が近親者その…》 他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又はこれを要求する行為をしたときも、前項と同様とする。拐取者身の代金取得等又は 第227条第4項 《4 第225条の2第1項の目的で、略取さ…》 又は誘拐された者を収受した者は、2年以上の有期拘禁刑に処する。 略取され又は誘拐された者を収受した者が近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又は 後段(収受者身の代金取得等)の罪

4号 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律 1954年法律第195号第5条第1項 《金銭の貸付けを行う者が、年109・5パー…》 セント2月29日を含む1年については年109・8パーセントとし、1日当たりについては0・3パーセントとする。を超える割合による利息債務の不履行について予定される賠償額を含む。以下同じ。の契約をしたとき 後段(高金利の受領)、第2項後段(業として行う高金利の受領)若しくは第3項後段(業として行う著しい高金利の受領)、 第5条の2第1項 《金銭の貸付け金銭の貸付けを行う者が業とし…》 て行うものに限る。以下この条及び次条において同じ。の保証業として行うものに限る。以下この条及び次条において同じ。を行う者が、当該保証に係る貸付けの利息と合算して当該貸付けの金額の年20パーセントを超え 後段(高保証料の受領)若しくは 第5条の3第1項 《金銭の貸付けを行う者が、当該貸付けに係る…》 保証料の契約の後に当該貸付けの利息を増加する場合において、その保証料と合算して年20パーセントを超える割合となる利息年20パーセントを超える割合のものを除く。の契約をしたときは、5年以下の拘禁刑若しく 後段(保証料がある場合の高金利の受領)、第2項後段(保証があり、かつ、変動利率による利息の定めがある場合の高金利の受領)若しくは第3項後段(根保証がある場合の高金利の受領)の罪、同法第5条第1項後段若しくは第2項後段、第5条の2第1項後段若しくは第5条の3第1項後段、第2項後段若しくは第3項後段の違反行為に係る同法第8条第1項(高金利の受領等の脱法行為)の罪、同法第5条第3項後段の違反行為に係る同法第8条第2項(業として行う著しい高金利の受領の脱法行為)の罪又は同法第1条若しくは 第2条第1項 《この法律において「団体」とは、共同の目的…》 を有する多数人の継続的結合体であって、その目的又は意思を実現する行為の全部又は一部が組織指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動する人の結合体をいう。以下同じ。に の違反行為に係る同法第8条第3項(元本を保証して行う出資金の受入れ等)の罪

5号 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律 1955年法律第179号第29条 《 偽りその他不正の手段により補助金等の交…》 付を受け、又は間接補助金等の交付若しくは融通を受けた者は、5年以下の拘禁刑若しくは1,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前項の場合において、情を知つて交付又は融通をした者も、不正の手段による補助金等の受交付等)の罪

6号 航空機工業振興法 1958年法律第150号第29条 《 偽りその他不正の手段により交付金又は開…》 発助成金の交付を受けた者は、5年以下の拘禁刑若しくは1,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前項の場合において、情を知つて交付した者も、また同項と同様とする。不正の手段による交付金等の受交付等)の罪

7号 人質による強要行為等の処罰に関する法律 1978年法律第48号第1条 《人質による強要等 人を逮捕し、又は監禁…》 し、これを人質にして、第三者に対し、義務のない行為をすること又は権利を行わないことを要求した者は、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。 2 第三者に対して義務のない行為をすること又は権利を行わないこと から 第4条 《人質殺害 第2条又は前条の罪を犯した者…》 が、人質にされている者を殺したときは、死刑又は無期拘禁刑に処する。 2 前項の未遂罪は、罰する。 まで(人質による強要等、加重人質強要、人質殺害)の罪

8号 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律 1996年法律第95号第549条 《詐欺更生罪 第4条第1項に規定する更生…》 手続の開始の前後を問わず、債権者、協同組織金融機関に係る担保権者協同組織金融機関の財産につき特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権を有する者をいう。以下この章において同じ詐欺更生)の罪

9号 民事再生法 1999年法律第225号第255条 《詐欺再生罪 再生手続開始の前後を問わず…》 、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者について再生手続開始の決定が確定したときは、10年以下の拘禁刑若しくは10,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科す詐欺再生)の罪

10号 会社更生法 2002年法律第154号第266条 《詐欺更生罪 更生手続開始の前後を問わず…》 、債権者、担保権者株式会社の財産につき特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権を有する者をいう。以下この章において同じ。又は株主を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する詐欺更生)の罪

11号 破産法 2004年法律第75号第265条 《詐欺破産罪 破産手続開始の前後を問わず…》 、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産。次項において同じ。について破産手続開始の決定が確定したとき詐欺破産)の罪

12号 海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律 2009年法律第55号第2条第4号 《定義 第2条 この法律において「海賊行為…》 」とは、船舶軍艦及び各国政府が所有し又は運航する船舶を除く。に乗り組み又は乗船した者が、私的目的で、公海海洋法に関する国際連合条約に規定する排他的経済水域を含む。又は我が国の領海若しくは内水において行 に係る海賊行為に係る同法第3条第1項(人質強要に係る海賊行為又は 第4条 《未遂罪 前条第1項第7号、第9号、第1…》 0号刑法第225条の2第1項に係る部分に限る。、第13号及び第14号に掲げる罪に係る前条の罪の未遂は、罰する。人質強要に係る海賊行為致死傷)の罪

3項 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当するときは、犯罪被害財産(第1項各号に掲げる財産の一部が犯罪被害財産である場合における当該部分を含む。以下この項において同じ。)を没収することができる。

1号 前項各号に掲げる罪の犯罪行為が、 団体 の活動として、当該犯罪行為を実行するための組織により行われたもの、又は 第3条第2項 《2 団体に不正権益団体の威力に基づく一定…》 の地域又は分野における支配力であって、当該団体の構成員による犯罪その他の不正な行為により当該団体又はその構成員が継続的に利益を得ることを容易にすべきものをいう。以下この項及び第6条の2第2項において同 に規定する目的で行われたものであるとき、その他犯罪の性質に照らし、前項各号に掲げる罪の犯罪行為により受けた被害の回復に関し、犯人に対する損害賠償請求権その他の請求権の行使が困難であると認められるとき。

2号 当該犯罪被害財産について、その取得若しくは処分若しくは発生の原因につき事実を仮装し、又は当該犯罪被害財産を隠匿する行為が行われたとき。

3号 当該犯罪被害財産について、情を知って、これを収受する行為が行われたとき。

4項 次に掲げる財産は、これを没収する。ただし、 第9条第1項 《第2条第2項第1号若しくは第3号の犯罪収…》 益若しくは薬物犯罪収益麻薬特例法第2条第2項各号に掲げる罪の犯罪行為により得た財産又は当該犯罪行為の報酬として得た財産に限る。第13条第1項第3号及び同条第4項において同じ。、これらの保有若しくは処分 から第3項までの罪が 薬物犯罪収益 又はその保有若しくは処分に基づき得た財産とこれらの財産以外の財産とが混和した財産に係る場合において、これらの罪につき次に掲げる財産の全部を没収することが相当でないと認められるときは、その一部を没収することができる。

1号 第9条第1項 《第2条第2項第1号若しくは第3号の犯罪収…》 益若しくは薬物犯罪収益麻薬特例法第2条第2項各号に掲げる罪の犯罪行為により得た財産又は当該犯罪行為の報酬として得た財産に限る。第13条第1項第3号及び同条第4項において同じ。、これらの保有若しくは処分 の罪に係る株主等の地位に係る株式又は持分であって、 薬物不法収益等 を用いることにより取得されたもの

2号 第9条第2項又は第3項の罪に係る債権であって、 薬物不法収益等 を用いることにより取得されたもの(当該債権がその取得に用いられた薬物不法収益等である財産の返還を目的とするものであるときは、当該薬物不法収益等

3号 薬物不法収益等 を用いた 第9条第1項 《第2条第2項第1号若しくは第3号の犯罪収…》 益若しくは薬物犯罪収益麻薬特例法第2条第2項各号に掲げる罪の犯罪行為により得た財産又は当該犯罪行為の報酬として得た財産に限る。第13条第1項第3号及び同条第4項において同じ。、これらの保有若しくは処分 から第3項までの犯罪行為により得た財産又は当該犯罪行為の報酬として得た財産

4号 前3号の財産の果実として得た財産、前3号の財産の対価として得た財産、これらの財産の対価として得た財産その他前3号の財産の保有又は処分に基づき得た財産

5項 前項の規定により没収すべき財産について、当該財産の性質、その使用の状況、当該財産に関する犯人以外の者の権利の有無その他の事情からこれを没収することが相当でないと認められるときは、同項の規定にかかわらず、これを没収しないことができる。

14条 (犯罪収益等が混和した財産の没収等)

1項 前条第1項各号又は第4項各号に掲げる財産(以下「 不法財産 」という。)が 不法財産 以外の財産と混和した場合において、当該不法財産を没収すべきときは、当該混和により生じた財産(次条第1項において「 混和財産 」という。)のうち当該不法財産(当該混和に係る部分に限る。)の額又は数量に相当する部分を没収することができる。

15条 (没収の要件等)

1項 第13条 《犯罪収益等の没収等 次に掲げる財産は、…》 没収することができる。 1 犯罪収益第6号に掲げる財産に該当するものを除く。 2 犯罪収益に由来する財産第6号に掲げる財産に該当する犯罪収益の保有又は処分に基づき得たものを除く。 3 第9条第1項の罪 の規定による没収は、 不法財産 又は 混和財産 が犯人以外の者に帰属しない場合に限る。ただし、犯人以外の者が、犯罪の後情を知って当該不法財産又は混和財産を取得した場合(法令上の義務の履行として提供されたものを収受した場合又は契約(債権者において相当の財産上の利益を提供すべきものに限る。)の時に当該契約に係る債務の履行が不法財産若しくは混和財産によって行われることの情を知らないでした当該契約に係る債務の履行として提供されたものを収受した場合を除く。)は、当該不法財産又は混和財産が犯人以外の者に帰属する場合であっても、これを没収することができる。

2項 地上権、抵当権その他の権利がその上に存在する財産を 第13条 《犯罪収益等の没収等 次に掲げる財産は、…》 没収することができる。 1 犯罪収益第6号に掲げる財産に該当するものを除く。 2 犯罪収益に由来する財産第6号に掲げる財産に該当する犯罪収益の保有又は処分に基づき得たものを除く。 3 第9条第1項の罪 の規定により没収する場合において、犯人以外の者が犯罪の前に当該権利を取得したとき、又は犯人以外の者が犯罪の後情を知らないで当該権利を取得したときは、これを存続させるものとする。

16条 (追徴)

1項 第13条第1項 《次に掲げる財産は、没収することができる。…》 1 犯罪収益第6号に掲げる財産に該当するものを除く。 2 犯罪収益に由来する財産第6号に掲げる財産に該当する犯罪収益の保有又は処分に基づき得たものを除く。 3 第9条第1項の罪に係る株主等の地位に係 各号に掲げる財産を没収することができないとき、又は当該財産の性質、その使用の状況、当該財産に関する犯人以外の者の権利の有無その他の事情からこれを没収することが相当でないと認められるときは、その価額を犯人から追徴することができる。ただし、当該財産が犯罪被害財産であるときは、この限りでない。

2項 前項ただし書の規定にかかわらず、 第13条第3項 《3 前項の規定にかかわらず、次の各号のい…》 ずれかに該当するときは、犯罪被害財産第1項各号に掲げる財産の一部が犯罪被害財産である場合における当該部分を含む。以下この項において同じ。を没収することができる。 1 前項各号に掲げる罪の犯罪行為が、団 各号のいずれかに該当するときは、その犯罪被害財産の価額を犯人から追徴することができる。

3項 第13条第4項 《4 次に掲げる財産は、これを没収する。 …》 ただし、第9条第1項から第3項までの罪が薬物犯罪収益又はその保有若しくは処分に基づき得た財産とこれらの財産以外の財産とが混和した財産に係る場合において、これらの罪につき次に掲げる財産の全部を没収するこ の規定により没収すべき財産を没収することができないとき、又は同条第5項の規定によりこれを没収しないときは、その価額を犯人から追徴する。

17条 (両罰規定)

1項 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して 第9条第1項 《第2条第2項第1号若しくは第3号の犯罪収…》 益若しくは薬物犯罪収益麻薬特例法第2条第2項各号に掲げる罪の犯罪行為により得た財産又は当該犯罪行為の報酬として得た財産に限る。第13条第1項第3号及び同条第4項において同じ。、これらの保有若しくは処分 から第3項まで、 第10条 《犯罪収益等隠匿 犯罪収益等公衆等脅迫目…》 的の犯罪行為等のための資金等の提供等の処罰に関する法律第3条第1項若しくは第2項前段、第4条第1項又は第5条第1項の罪の未遂罪の犯罪行為日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたと 又は 第11条 《犯罪収益等収受 情を知って、犯罪収益等…》 を収受した者は、7年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 ただし、法令上の義務の履行として提供されたものを収受した者又は契約債権者において相当の財産上の利益を の罪を犯したときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。

3章 没収に関する手続等の特例

18条 (第三者の財産の没収手続等)

1項 不法財産 である債権等(不動産及び動産以外の財産をいう。 第19条第1項 《没収された債権等は、検察官がこれを処分し…》 なければならない。 及び 第21条 《刑事補償の特例 債権等の没収の執行に対…》 する刑事補償法による補償の内容については、同法第4条第6項の規定を準用する。 において同じ。)が被告人以外の者(以下この条において「 第三者 」という。)に帰属する場合において、当該 第三者 が被告事件の手続への参加を許されていないときは、没収の裁判をすることができない。

2項 第13条 《犯罪収益等の没収等 次に掲げる財産は、…》 没収することができる。 1 犯罪収益第6号に掲げる財産に該当するものを除く。 2 犯罪収益に由来する財産第6号に掲げる財産に該当する犯罪収益の保有又は処分に基づき得たものを除く。 3 第9条第1項の罪 の規定により、地上権、抵当権その他の 第三者 の権利がその上に存在する財産を没収しようとする場合において、当該第三者が被告事件の手続への参加を許されていないときも、前項と同様とする。

3項 地上権、抵当権その他の 第三者 の権利がその上に存在する財産を没収する場合において、 第15条第2項 《2 地上権、抵当権その他の権利がその上に…》 存在する財産を第13条の規定により没収する場合において、犯人以外の者が犯罪の前に当該権利を取得したとき、又は犯人以外の者が犯罪の後情を知らないで当該権利を取得したときは、これを存続させるものとする。 の規定により当該権利を存続させるときは、裁判所は、没収の言渡しと同時に、その旨を宣告しなければならない。

4項 第15条第2項 《2 地上権、抵当権その他の権利がその上に…》 存在する財産を第13条の規定により没収する場合において、犯人以外の者が犯罪の前に当該権利を取得したとき、又は犯人以外の者が犯罪の後情を知らないで当該権利を取得したときは、これを存続させるものとする。 の規定により存続させるべき権利について前項の宣告がない没収の裁判が確定したときは、当該権利を有する者で自己の責めに帰することのできない理由により被告事件の手続において権利を主張することができなかったものは、当該権利について、これを存続させるべき場合に該当する旨の裁判を請求することができる。

5項 前項の裁判があったときは、 刑事補償法 1950年法律第1号)に定める処分された没収物に係る補償の例により、補償を行う。

6項 第1項及び第2項に規定する財産の没収に関する手続については、この法律に特別の定めがあるもののほか、刑事事件における 第三者 所有物の没収手続に関する応急措置法(1963年法律第138号)の規定を準用する。

18条の2 (犯罪被害財産の没収手続等)

1項 裁判所は、 第13条第3項 《3 前項の規定にかかわらず、次の各号のい…》 ずれかに該当するときは、犯罪被害財産第1項各号に掲げる財産の一部が犯罪被害財産である場合における当該部分を含む。以下この項において同じ。を没収することができる。 1 前項各号に掲げる罪の犯罪行為が、団 の規定により犯罪被害財産を没収し、又は 第16条第2項 《2 前項ただし書の規定にかかわらず、第1…》 3条第3項各号のいずれかに該当するときは、その犯罪被害財産の価額を犯人から追徴することができる。 の規定により犯罪被害財産の価額を追徴するときは、その言渡しと同時に、没収すべき財産が犯罪被害財産である旨又は追徴すべき価額が犯罪被害財産の価額である旨を示さなければならない。

2項 第13条第3項 《3 前項の規定にかかわらず、次の各号のい…》 ずれかに該当するときは、犯罪被害財産第1項各号に掲げる財産の一部が犯罪被害財産である場合における当該部分を含む。以下この項において同じ。を没収することができる。 1 前項各号に掲げる罪の犯罪行為が、団 の規定により没収した犯罪被害財産及び 第16条第2項 《2 前項ただし書の規定にかかわらず、第1…》 3条第3項各号のいずれかに該当するときは、その犯罪被害財産の価額を犯人から追徴することができる。 の規定により追徴した犯罪被害財産の価額に相当する金銭は、 犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律 2006年法律第87号)に定めるところによる被害回復給付金の支給に充てるものとする。

19条 (没収された債権等の処分等)

1項 没収された債権等は、検察官がこれを処分しなければならない。

2項 債権の没収の裁判が確定したときは、検察官は、当該債権の債務者に対し没収の裁判の裁判書の抄本を送付してその旨を通知するものとする。

20条 (没収の裁判に基づく登記等)

1項 権利の移転について登記又は登録(以下「 登記等 」という。)を要する財産を没収する裁判に基づき権利の移転の 登記等 を関係機関に嘱託する場合において、没収により効力を失った処分の制限に係る登記等若しくは没収により消滅した権利の取得に係る登記等があり、又は当該没収に関して次章第1節の規定による没収保全命令若しくは附帯保全命令に係る登記等があるときは、併せてその抹消を嘱託するものとする。

21条 (刑事補償の特例)

1項 債権等の没収の執行に対する 刑事補償法 による補償の内容については、同法第4条第6項の規定を準用する。

4章 保全手続 > 1節 没収保全

22条 (没収保全命令)

1項 裁判所は、 第2条第2項第1号 《2 この法律において「犯罪収益」とは、次…》 に掲げる財産をいう。 1 財産上の不正な利益を得る目的で犯した次に掲げる罪の犯罪行為日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたとしたならばこれらの罪に当たり、かつ、当該行為地の法令 イ若しくはロ若しくは同項第2号ニに掲げる罪又は 第10条第3項 《3 第1項の罪を犯す目的で、その予備をし…》 た者は、2年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金に処する。 の罪に係る被告事件に関し、この法律その他の法令の規定により没収することができる財産(以下「 没収対象財産 」という。)に当たると思料するに足りる相当な理由があり、かつ、これを没収するため必要があると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、没収保全命令を発して、当該 没収対象財産 につき、この節の定めるところにより、その処分を禁止することができる。

2項 裁判所は、地上権、抵当権その他の権利がその上に存在する財産について没収保全命令を発した場合又は発しようとする場合において、当該権利が没収により消滅すると思料するに足りる相当な理由がある場合であって当該財産を没収するため必要があると認めるとき、又は当該権利が仮装のものであると思料するに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、附帯保全命令を別に発して、当該権利の処分を禁止することができる。

3項 没収保全命令又は附帯保全命令には、被告人の氏名、罪名、公訴事実の要旨、没収の根拠となるべき法令の条項、処分を禁止すべき財産又は権利の表示、これらの財産又は権利を有する者(名義人が異なる場合は、名義人を含む。)の氏名、発付の年月日その他最高裁判所規則で定める事項を記載し、裁判長又は受命裁判官が、これに記名押印しなければならない。

4項 裁判長は、急速を要する場合には、第1項若しくは第2項に規定する処分をし、又は合議体の構成員にこれをさせることができる。

5項 没収保全(没収保全命令による処分の禁止をいう。以下同じ。)に関する処分は、第一回公判期日までは、裁判官が行う。この場合において、裁判官は、その処分に関し、裁判所又は裁判長と同1の権限を有する。

6項 没収保全がされた不動産又は動産については、 刑事訴訟法 の規定により押収することを妨げない。

23条 (起訴前の没収保全命令)

1項 裁判官は、前条第1項又は第2項に規定する理由及び必要があると認めるときは、公訴が提起される前であっても、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。次項において同じ。)の請求により、同条第1項又は第2項に規定する処分をすることができる。

2項 司法警察員は、その請求により没収保全命令又は附帯保全命令が発せられたときは、速やかに、関係書類を検察官に送付しなければならない。

3項 第1項の規定による没収保全は、没収保全命令が発せられた日から30日以内に当該保全がされた事件につき公訴が提起されないときは、その効力を失う。ただし、共犯に対して公訴が提起された場合において、その共犯に関し、当該財産につき前条第1項に規定する理由があるときは、この限りでない。

4項 裁判官は、やむを得ない事由があると認めるときは、検察官の請求により、30日ごとに、前項の期間を更新することができる。この場合において、更新の裁判は、検察官に告知された時にその効力を生ずる。

5項 第1項又は前項の規定による請求は、請求する者の所属する官公署の所在地を管轄する地方裁判所の裁判官にしなければならない。

6項 第1項又は第4項の規定による請求を受けた裁判官は、没収保全に関し、裁判所又は裁判長と同1の権限を有する。

7項 検察官は、第1項の規定による没収保全が、公訴の提起があったためその効力を失うことがなくなるに至ったときは、その旨を没収保全命令を受けた者(被告人を除く。)に通知しなければならない。この場合において、その者の所在が分からないため、又はその他の理由によって、通知をすることができないときは、通知に代えて、その旨を検察庁の掲示場に7日間掲示して公告しなければならない。

24条 (没収保全に関する裁判の執行)

1項 没収保全に関する裁判で執行を要するものは、検察官の指揮によって、これを執行する。

2項 没収保全命令の執行は、当該命令により処分を禁止すべき財産を有する者にその謄本が送達される前であっても、することができる。

25条 (没収保全の効力)

1項 没収保全がされた財産(以下「 没収保全財産 」という。)について当該保全がされた後にされた処分は、没収に関しては、その効力を生じない。ただし、 第37条第1項 《没収保全がされる前に強制競売の開始決定又…》 は強制執行による差押えがされている財産については、没収の裁判をすることができない。 ただし、差押債権者の債権が仮装のものであるとき、差押債権者が没収対象財産であることの情を知りながら強制執行の申立てを の規定により没収の裁判をすることができない場合における同項に規定する手続( 第40条第3項 《3 第37条の規定は没収保全がされる前に…》 当該保全に係る財産に対し仮差押えの執行がされていた場合又は没収対象財産の上に存在する地上権その他の権利であって附帯保全命令による処分の禁止がされたものについて当該処分の禁止がされる前に仮差押えの執行が の規定により 第37条第1項 《没収保全がされる前に強制競売の開始決定又…》 は強制執行による差押えがされている財産については、没収の裁判をすることができない。 ただし、差押債権者の債権が仮装のものであるとき、差押債権者が没収対象財産であることの情を知りながら強制執行の申立てを の規定を準用する手続を含む。及び 没収保全財産 に対して実行することができる担保権の実行としての競売の手続による処分については、この限りでない。

26条 (代替金の納付)

1項 裁判所は、 没収保全財産 を有する者の請求により、適当と認めるときは、決定をもって、当該没収保全財産に代わるものとして、その財産の価額に相当する金銭(以下「 代替金 」という。)の額を定め、その納付を許すことができる。

2項 裁判所は、前項の請求について決定をするには、検察官の意見を聴かなければならない。

3項 第1項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

4項 代替金 の納付があったときは、没収保全は、代替金についてされたものとみなす。

27条 (不動産の没収保全)

1項 不動産( 民事執行法 1979年法律第4号第43条第1項 《不動産登記することができない土地の定着物…》 を除く。以下この節において同じ。に対する強制執行以下「不動産執行」という。は、強制競売又は強制管理の方法により行う。 これらの方法は、併用することができる。 に規定する不動産及び同条第2項の規定により不動産とみなされるものをいう。以下この条(第8項本文を除く。)、次条、 第29条第1項 《強制執行は、債務名義若しくは確定により債…》 務名義となるべき裁判の正本若しくは謄本又はその債務名義若しくは裁判に係る電磁的記録が、あらかじめ、又は同時に、債務者に送達されたときに限り、開始することができる。 第27条の規定により執行文が付与され 及び 第35条第1項 《債務名義第22条第2号又は第3号の2から…》 第4号までに掲げる債務名義で確定前のものを除く。以下この項において同じ。に係る請求権の存在又は内容について異議のある債務者は、その債務名義による強制執行の不許を求めるために、請求異議の訴えを提起するこ において同じ。)の没収保全は、その処分を禁止する旨の没収保全命令を発して行う。

2項 前項の没収保全命令の謄本及び 第23条第4項 《4 裁判官は、やむを得ない事由があると認…》 めるときは、検察官の請求により、30日ごとに、前項の期間を更新することができる。 この場合において、更新の裁判は、検察官に告知された時にその効力を生ずる。 の規定による更新の裁判の裁判書の謄本(以下「 更新の裁判の謄本 」という。)は、不動産の所有者( 民事執行法 第43条第2項 《2 金銭の支払を目的とする債権についての…》 強制執行については、不動産の共有持分、登記された地上権及び永小作権並びにこれらの権利の共有持分は、不動産とみなす。 の規定により不動産とみなされる権利についてはその権利者とし、当該不動産又は権利に係る名義人が異なる場合は名義人を含む。)に送達しなければならない。

3項 不動産の没収保全命令の執行は、没収保全の登記をする方法により行う。

4項 前項の登記は、検察事務官が嘱託する。この場合において、嘱託は、検察官が没収保全命令の執行を指揮する書面に基づいて、これを行う。

5項 登記官は、前項の規定による嘱託に基づいて没収保全の登記をしたときは、その登記事項証明書を登記の嘱託をした検察事務官の所属する検察庁の検察官に送付しなければならない。

6項 不動産の没収保全の効力は、没収保全の登記がされた時に生ずる。

7項 不動産の没収保全の効力が生じたときは、検察官は、当該不動産の所在する場所に公示書を掲示する方法その他相当の方法により、その旨を公示する措置を執らなければならない。

8項 不動産の登記請求権を保全するための処分禁止の仮処分の登記の後に没収保全の登記がされた場合において、その仮処分の債権者が保全すべき登記請求権に係る登記をするときは、没収保全の登記に係る処分の制限は、仮処分の登記に係る権利の取得又は消滅と抵触しないものとみなす。ただし、その権利の取得を当該債権者に対抗することができない者を不動産を有する者として当該没収保全の登記がされたときは、この限りでない。

9項 民事執行法 第46条第2項 《2 差押えは、債務者が通常の用法に従つて…》 不動産を使用し、又は収益することを妨げない。 の規定は、不動産の没収保全について準用する。この場合において、同項中「債務者」とあるのは、「 没収保全財産 を有する者」と読み替えるものとする。

28条 (船舶等の没収保全)

1項 登記される船舶、 航空法 1952年法律第231号)の規定により登録を受けた飛行機若しくは回転翼航空機( 第35条第1項 《没収保全がされた後に、当該保全に係る不動…》 産、船舶民事執行法第112条に規定する船舶をいう。、航空機、自動車、建設機械若しくは小型船舶に対し強制競売の開始決定がされたとき又は当該保全に係る動産同法第122条第1項に規定する動産をいう。第42条 において単に「航空機」という。)、 道路運送車両法 1951年法律第185号)の規定により登録を受けた自動車(同項において単に「自動車」という。)、 建設機械抵当法 1954年法律第97号)の規定により登記を受けた建設機械(同項において単に「建設機械」という。又は 小型船舶の登録等に関する法律 2001年法律第102号)の規定により登録を受けた小型船舶(同項において単に「小型船舶」という。)の没収保全については、不動産の没収保全の例による。

29条 (動産の没収保全)

1項 動産(不動産及び前条に規定する物以外の物をいう。以下この条において同じ。)の没収保全は、その処分を禁止する旨の没収保全命令を発して行う。

2項 前項の没収保全命令の謄本及び 更新の裁判の謄本 は、動産の所有者(名義人が異なる場合は、名義人を含む。)に送達しなければならない。

3項 動産の没収保全の効力は、没収保全命令の謄本が所有者に送達された時に生ずる。

4項 刑事訴訟法 の規定による押収がされていない動産又は同法第121条第1項の規定により、看守者を置き、若しくは所有者その他の者に保管させている動産について、没収保全の効力が生じたときは、検察官は、公示書をはり付ける方法その他相当の方法により、その旨を公示する措置を執らなければならない。

30条 (債権の没収保全)

1項 債権の没収保全は、債権者(名義人が異なる場合は、名義人を含む。以下この条において同じ。)に対し債権の取立てその他の処分を禁止し、及び債務者に対し債権者への弁済を禁止する旨の没収保全命令を発して行う。

2項 前項の没収保全命令の謄本及び 更新の裁判の謄本 は、債権者及び債務者に送達しなければならない。

3項 債権の没収保全の効力は、没収保全命令の謄本が債務者に送達された時に生ずる。

4項 民事執行法 第150条 《先取特権等によつて担保される債権の差押え…》 の登記等の嘱託 登記又は登録以下「登記等」という。のされた先取特権、質権又は抵当権によつて担保される債権に対する差押命令が効力を生じたときは、裁判所書記官は、申立てにより、その債権について差押えがさ第156条第1項 《第三債務者は、差押えに係る金銭債権差押命…》 令により差し押さえられた金銭債権に限る。以下この条及び第161条の2において同じ。の全額に相当する金銭を債務の履行地の供託所に供託することができる。 及び第4項並びに 第164条第5項 《5 第150条の規定により登記等がされた…》 場合において、差し押さえられた債権について支払又は供託があつたことを証する文書又は電磁的記録が提出されたときは、裁判所書記官は、申立てにより、その登記等の抹消を嘱託しなければならない。 債権執行の申立 の規定は、債権の没収保全について準用する。この場合において、同法第150条及び第156条第1項中「差押え」とあり、及び同法第150条中「差押命令」とあるのは「没収保全」と、同条中「裁判所書記官は、申立てにより」とあるのは「検察事務官は、検察官が没収保全命令の執行を指揮する書面に基づいて」と、同法第156条第1項及び第4項中「第三債務者」とあるのは「債務者」と、同項中「執行裁判所」とあるのは「没収保全命令を発した裁判所」と、同法第164条第5項中「差し押さえられた債権」とあるのは「没収保全がされた債権」と、「支払又は供託」とあるのは「供託」と、「裁判所書記官は、申立てにより」とあるのは「検察事務官は、検察官が 登記等 の抹消の嘱託を指揮する書面に基づいて」と、「債権執行の申立てが取り下げられたとき、又は差押命令の取消決定が確定したときも」とあるのは「没収保全が効力を失つたとき、又は 代替金 が納付されたときも」と読み替えるものとする。

31条 (その他の財産権の没収保全)

1項 第27条 《不動産の没収保全 不動産民事執行法19…》 79年法律第4号第43条第1項に規定する不動産及び同条第2項の規定により不動産とみなされるものをいう。以下この条第8項本文を除く。、次条、第29条第1項及び第35条第1項において同じ。の没収保全は、そ から前条までに規定する財産以外の財産権(以下この条において「 その他の財産権 」という。)の没収保全については、この条に特別の定めがあるもののほか、債権の没収保全の例による。

2項 その他の財産権 で債務者又はこれに準ずる者がないもの(次項に規定するものを除く。)の没収保全の効力は、没収保全命令の謄本が権利者に送達された時に生ずる。

3項 第27条第3項 《3 不動産の没収保全命令の執行は、没収保…》 全の登記をする方法により行う。 から第6項まで及び第8項の規定は、 その他の財産権 で権利の移転について 登記等 を要するものについて準用する。この場合において、同条第5項中「前項」とあるのは、「 第31条第3項 《3 第27条第3項から第6項まで及び第8…》 項の規定は、その他の財産権で権利の移転について登記等を要するものについて準用する。 この場合において、同条第5項中「前項」とあるのは、「において準用する前項」と読み替えるものとする。 において準用する前項」と読み替えるものとする。

32条 (没収保全命令の取消し)

1項 没収保全の理由若しくは必要がなくなったとき、又は没収保全の期間が不当に長くなったときは、裁判所は、検察官若しくは 没収保全財産 を有する者(その者が被告人であるときは、その弁護人を含む。)の請求により、又は職権で、決定をもって、没収保全命令を取り消さなければならない。

2項 裁判所は、検察官の請求による場合を除き、前項の決定をするときは、検察官の意見を聴かなければならない。

33条 (没収保全命令の失効)

1項 没収保全命令は、無罪、免訴若しくは公訴棄却( 刑事訴訟法 第338条第4号 《第338条 左の場合には、判決で公訴を棄…》 却しなければならない。 1 被告人に対して裁判権を有しないとき。 2 第340条の規定に違反して公訴が提起されたとき。 3 公訴の提起があつた事件について、更に同一裁判所に公訴が提起されたとき。 4 及び 第339条第1項第1号 《左の場合には、決定で公訴を棄却しなければ…》 ならない。 1 第271条第2項の規定により公訴の提起がその効力を失つたとき。 2 起訴状に記載された事実が真実であつても、何らの罪となるべき事実を包含していないとき。 3 公訴が取り消されたとき。 の規定による場合を除く。)の裁判の告知があったとき、又は有罪の裁判の告知があった場合において没収の言渡しがなかったときは、その効力を失う。

2項 刑事訴訟法 第338条第4号 《第338条 左の場合には、判決で公訴を棄…》 却しなければならない。 1 被告人に対して裁判権を有しないとき。 2 第340条の規定に違反して公訴が提起されたとき。 3 公訴の提起があつた事件について、更に同一裁判所に公訴が提起されたとき。 4 又は 第339条第1項第1号 《左の場合には、決定で公訴を棄却しなければ…》 ならない。 1 第271条第2項の規定により公訴の提起がその効力を失つたとき。 2 起訴状に記載された事実が真実であつても、何らの罪となるべき事実を包含していないとき。 3 公訴が取り消されたとき。 の規定による公訴棄却の裁判があった場合における没収保全の効力については、 第23条第3項 《忌避された裁判官は、前2項の決定に関与す…》 ることができない。 及び第4項の規定を準用する。この場合において、同条第3項中「没収保全命令が発せられた日」とあるのは、「公訴棄却の裁判が確定した日」と読み替えるものとする。

34条 (失効等の場合の措置)

1項 没収保全が効力を失ったとき、又は 代替金 が納付されたときは、検察官は、速やかに、検察事務官に当該没収保全の 登記等 の抹消の嘱託をさせ、及び公示書の除去その他の必要な措置を執らなければならない。この場合において、没収保全の登記等の抹消の嘱託は、検察官がその嘱託を指揮する書面に基づいて、これを行う。

35条 (没収保全財産に対する強制執行の手続の制限)

1項 没収保全がされた後に、当該保全に係る不動産、船舶( 民事執行法 第112条 《船舶執行の方法 総トン数二十トン以上の…》 船舶端舟その他ろかい又は主としてろかいをもつて運転する舟を除く。以下この節及び次章において「船舶」という。に対する強制執行以下「船舶執行」という。は、強制競売の方法により行う。 に規定する船舶をいう。)、航空機、自動車、建設機械若しくは小型船舶に対し強制競売の開始決定がされたとき又は当該保全に係る動産(同法第122条第1項に規定する動産をいう。 第42条第2項 《2 追徴保全命令は、追徴の裁判の執行のた…》 め保全することを相当と認める金額第4項において「追徴保全額」という。を定め、特定の財産について発しなければならない。 ただし、動産については、目的物を特定しないで発することができる。 において同じ。)に対し強制執行による差押えがされたときは、強制執行による売却のための手続は、没収保全が効力を失った後又は 代替金 が納付された後でなければ、することができない。

2項 没収保全がされている債権( 民事執行法 第143条 《債権執行の開始 金銭の支払又は船舶若し…》 くは動産の引渡しを目的とする債権動産執行の目的となる有価証券が発行されている債権を除く。以下この節において「債権」という。に対する強制執行第167条の2第2項に規定する少額訴訟債権執行を除く。以下この に規定する債権をいう。以下同じ。)に対し強制執行による差押命令又は差押処分が発せられたときは、当該差押えをした債権者は、差押えに係る債権のうち没収保全がされた部分については、没収保全が効力を失った後又は 代替金 が納付された後でなければ、取立て又は同法第163条第1項の規定による請求をすることができない。

3項 第1項の規定は、没収保全がされた後に強制執行による差押命令又は差押処分が発せられた債権で、条件付若しくは期限付であるもの又は反対給付に係ることその他の事由によりその取立てが困難であるものについて準用する。

4項 没収保全がされている その他の財産権 民事執行法 第167条第1項 《不動産、船舶、動産及び債権以外の財産権以…》 下この条において「その他の財産権」という。に対する強制執行については、特別の定めがあるもののほか、債権執行の例による。 に規定するその他の財産権をいう。)に対する強制執行については、没収保全がされている債権に対する強制執行の例による。

36条 (第三債務者の供託)

1項 金銭債権(金銭の支払を目的とする債権をいう。以下同じ。)の債務者(以下「 第三債務者 」という。)は、没収保全がされた後に当該保全に係る債権について強制執行による差押命令又は差押処分の送達を受けたときは、その債権の全額に相当する金銭を債務の履行地の供託所に供託することができる。

2項 第三債務者 は、前項の規定による供託をしたときは、その事情を没収保全命令を発した裁判所に届け出なければならない。

3項 第1項の規定による供託がされた場合においては、差押命令を発した執行裁判所又は差押処分をした裁判所書記官は、供託された金銭のうち、没収保全がされた金銭債権の額に相当する部分については没収保全が効力を失ったとき又は 代替金 が納付されたときに、その余の部分については供託されたときに、配当又は弁済金の交付を実施しなければならない。

4項 第1項及び第2項の規定は、強制執行による差押えがされている金銭債権について没収保全がされた場合における 第三債務者 の供託について準用する。この場合において、同項中「没収保全命令を発した裁判所」とあるのは、「執行裁判所(差押処分がされている場合にあっては、当該差押処分をした裁判所書記官)」と読み替えるものとする。

5項 第1項(前項において準用する場合を含む。)の規定による供託がされた場合における 民事執行法 第165条 《配当等を受けるべき債権者の範囲 配当等…》 を受けるべき債権者は、次に掲げる時までに差押え、仮差押えの執行又は配当要求をした債権者とする。 1 第三債務者が第156条第1項から第3項までの規定による供託をした時 2 取立訴訟の訴状が第三債務者に同法第167条の14第1項において同法第165条(第3号及び第4号を除く。)の規定を準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定の適用については、同条第1号中「第156条第1項から第3項まで」とあるのは、「組織的な犯罪の処罰及び 犯罪収益 の規制等に関する法律第36条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)」とする。

37条 (強制執行に係る財産の没収の制限)

1項 没収保全がされる前に強制競売の開始決定又は強制執行による差押えがされている財産については、没収の裁判をすることができない。ただし、差押債権者の債権が仮装のものであるとき、差押債権者が 没収対象財産 であることの情を知りながら強制執行の申立てをしたものであるとき、又は差押債権者が犯人であるときは、この限りでない。

2項 没収対象財産 の上に存在する地上権その他の権利であって附帯保全命令による処分の禁止がされたものについて、当該処分の禁止がされる前に強制競売の開始決定又は強制執行による差押えがされていた場合において、当該財産を没収するときは、その権利を存続させるものとし、没収の言渡しと同時に、その旨の宣告をしなければならない。ただし、差押債権者の債権が仮装のものであるとき、差押債権者が没収により当該権利が消滅することの情を知りながら強制執行の申立てをしたものであるとき、又は差押債権者が犯人であるときは、この限りでない。

3項 強制競売の開始決定又は強制執行による差押えがされている財産について没収保全命令が発せられた場合における当該財産については、差押債権者(被告人である差押債権者を除く。)が被告事件の手続への参加を許されていないときは、没収の裁判をすることができない。前項に規定する場合における財産の没収についても、同様とする。

4項 第18条第4項 《4 第15条第2項の規定により存続させる…》 べき権利について前項の宣告がない没収の裁判が確定したときは、当該権利を有する者で自己の責めに帰することのできない理由により被告事件の手続において権利を主張することができなかったものは、当該権利について 及び第5項の規定は第2項の規定により存続させるべき権利について同項の宣告がない没収の裁判が確定した場合について、同条第6項の規定は前項の没収に関する手続について準用する。

38条 (強制執行の停止)

1項 裁判所は、強制競売の開始決定又は強制執行による差押えがされている財産について没収保全命令を発した場合又は発しようとする場合において、前条第1項ただし書に規定する事由があると思料するに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、決定をもって、強制執行の停止を命ずることができる。

2項 検察官が前項の決定の裁判書の謄本を執行裁判所(差押処分がされている場合にあっては、当該差押処分をした裁判所書記官。以下この項において同じ。)に提出したときは、執行裁判所は、強制執行を停止しなければならない。この場合における 民事執行法 の規定の適用については、同法第39条第1項第7号の文書の提出があったものとみなす。

3項 裁判所は、没収保全が効力を失ったとき、 代替金 が納付されたとき、第1項の理由がなくなったとき、又は強制執行の停止の期間が不当に長くなったときは、検察官若しくは差押債権者の請求により、又は職権で、決定をもって、同項の決定を取り消さなければならない。 第32条第2項 《2 裁判所は、検察官の請求による場合を除…》 き、前項の決定をするときは、検察官の意見を聴かなければならない。 の規定は、この場合に準用する。

39条 (担保権の実行としての競売の手続との調整)

1項 没収保全財産 の上に存在する担保権で、当該保全がされた後に生じたもの又は附帯保全命令による処分の禁止がされたものの実行(差押えを除く。)は、没収保全若しくは附帯保全命令による処分の禁止が効力を失った後又は 代替金 が納付された後でなければ、することができない。

2項 担保権の実行としての競売の手続が開始された後に当該担保権について附帯保全命令が発せられた場合において、検察官が当該命令の謄本を提出したときは、執行裁判所は、その手続を停止しなければならない。この場合における 民事執行法 の規定の適用については、同法第183条第1項第2号ヘ(同法第189条、第192条又は第193条第2項において準用する場合を含む。)の文書の提出があったものとみなす。

40条 (その他の手続との調整)

1項 第35条 《没収保全財産に対する強制執行の手続の制限…》 没収保全がされた後に、当該保全に係る不動産、船舶民事執行法第112条に規定する船舶をいう。、航空機、自動車、建設機械若しくは小型船舶に対し強制競売の開始決定がされたとき又は当該保全に係る動産同法第 の規定は、没収保全がされている財産に対し滞納処分( 国税徴収法 1959年法律第147号)による滞納処分及びその例による滞納処分をいう。以下同じ。)による差押えがされた場合又は没収保全がされている財産を有する者について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定若しくは承認援助手続における 外国倒産処理手続の承認援助に関する法律 2000年法律第129号第28条第1項 《裁判所は、承認援助手続の目的を達成するた…》 めに必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、外国倒産処理手続の承認の決定と同時に又はその決定後、すべての債権者に対し、債務者の財産に対する強制執行等の禁止を命ずることができる。 の規定による禁止の命令(第3項において「 破産手続開始決定等 」という。)がされた場合若しくは没収保全がされている財産を有する会社その他の法人について更生手続開始の決定若しくは特別清算開始の命令(同項において「 更生手続開始決定等 」という。)がされた場合におけるこれらの手続の制限について準用する。

2項 第36条 《管理命令が発せられた場合の債務者の財産関…》 係の訴えの取扱い 管理命令が発せられた場合には、債務者の日本国内にある財産に関する訴えについては、承認管財人を原告又は被告とする。 2 管理命令が発せられた場合には、債務者の日本国内にある財産に関す の規定は没収保全がされている金銭債権に対し滞納処分による差押えがされた場合又は滞納処分による差押えがされている金銭債権について没収保全がされた場合における 第三債務者 の供託について、同条第1項、第2項及び第4項の規定は没収保全がされている金銭債権に対し仮差押えの執行がされた場合又は仮差押えの執行がされている金銭債権について没収保全がされた場合における第三債務者の供託について準用する。

3項 第37条 《行政庁に係属する事件の取扱い 前条第2…》 項から第6項までの規定は、債務者の日本国内にある財産に関する事件で管理命令が発せられた当時行政庁に係属するものについて準用する。 の規定は没収保全がされる前に当該保全に係る財産に対し仮差押えの執行がされていた場合又は 没収対象財産 の上に存在する地上権その他の権利であって附帯保全命令による処分の禁止がされたものについて当該処分の禁止がされる前に仮差押えの執行がされていた場合におけるこれらの財産の没収の制限について、同条第1項本文の規定は没収保全がされる前に当該保全に係る財産に対し滞納処分による差押えがされていた場合又は没収保全がされる前に当該保全に係る財産を有する者について 破産手続開始決定等 がされていた場合若しくは没収保全がされる前に当該保全に係る財産を有する会社その他の法人について 更生手続開始決定等 がされていた場合におけるこれらの財産の没収の制限について、同条第2項本文の規定は没収対象財産の上に存在する地上権その他の権利であって附帯保全命令による処分の禁止がされたものについて当該処分の禁止がされる前に滞納処分による差押えがされていた場合又は没収対象財産の上に存在する地上権その他の権利であって附帯保全命令による処分の禁止がされたものを有する者について当該処分の禁止がされる前に破産手続開始決定等がされていた場合若しくは没収対象財産の上に存在する地上権その他の権利であって附帯保全命令による処分の禁止がされたものを有する会社その他の法人について当該処分の禁止がされる前に更生手続開始決定等がされていた場合におけるこれらの財産の没収の制限について準用する。

4項 第38条 《承認管財人に対する監督等 承認管財人は…》 、裁判所が監督する。 2 重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、承認管財人を解任することができる。 この場合においては、その承認管財人を審尋しなければならない。 の規定は、仮差押えの執行がされている財産について没収保全命令を発した場合又は発しようとする場合における強制執行の停止について準用する。

41条 (附帯保全命令の効力等)

1項 附帯保全命令は、当該命令に係る没収保全が効力を有する間、その効力を有する。ただし、 代替金 が納付されたときは、この限りでない。

2項 附帯保全命令による処分の禁止については、特別の定めがあるもののほか、没収保全に関する規定を準用する。

2節 追徴保全

42条 (追徴保全命令)

1項 裁判所は、 第2条第2項第1号 《2 この法律において「犯罪収益」とは、次…》 に掲げる財産をいう。 1 財産上の不正な利益を得る目的で犯した次に掲げる罪の犯罪行為日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたとしたならばこれらの罪に当たり、かつ、当該行為地の法令 イ若しくはロ若しくは同項第2号ニに掲げる罪又は 第10条第3項 《3 第1項の罪を犯す目的で、その予備をし…》 た者は、2年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金に処する。 の罪に係る被告事件に関し、この法律その他の法令の規定により 不法財産 の価額を追徴すべき場合に当たると思料するに足りる相当な理由がある場合において、追徴の裁判の執行をすることができなくなるおそれがあり、又はその執行をするのに著しい困難を生ずるおそれがあると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、追徴保全命令を発して、被告人に対し、その財産の処分を禁止することができる。

2項 追徴保全命令は、追徴の裁判の執行のため保全することを相当と認める金額(第4項において「 追徴保全額 」という。)を定め、特定の財産について発しなければならない。ただし、動産については、目的物を特定しないで発することができる。

3項 追徴保全命令においては、処分を禁止すべき財産について、追徴保全命令の執行の停止を得るため、又は追徴保全命令の執行としてされた処分の取消しを得るために被告人が納付すべき金銭(以下「 追徴保全解放金 」という。)の額を定めなければならない。

4項 追徴保全命令には、被告人の氏名、罪名、公訴事実の要旨、追徴の根拠となるべき法令の条項、 追徴保全額 、処分を禁止すべき財産の表示、 追徴保全解放金 の額、発付の年月日その他最高裁判所規則で定める事項を記載し、裁判長又は受命裁判官が、これに記名押印しなければならない。

5項 第22条第4項 《4 裁判長は、急速を要する場合には、第1…》 項若しくは第2項に規定する処分をし、又は合議体の構成員にこれをさせることができる。 及び第5項の規定は、追徴保全(追徴保全命令による処分の禁止をいう。以下同じ。)について準用する。

43条 (起訴前の追徴保全命令)

1項 裁判官は、 第16条第3項 《3 第13条第4項の規定により没収すべき…》 財産を没収することができないとき、又は同条第5項の規定によりこれを没収しないときは、その価額を犯人から追徴する。 の規定により追徴すべき場合に当たると思料するに足りる相当な理由がある場合において、前条第1項に規定する必要があると認めるときは、公訴が提起される前であっても、検察官の請求により、同項に規定する処分をすることができる。

2項 第23条第3項 《3 第1項の規定による没収保全は、没収保…》 全命令が発せられた日から30日以内に当該保全がされた事件につき公訴が提起されないときは、その効力を失う。 ただし、共犯に対して公訴が提起された場合において、その共犯に関し、当該財産につき前条第1項に規 本文及び第4項から第6項までの規定は、前項の規定による追徴保全について準用する。

44条 (追徴保全命令の執行)

1項 追徴保全命令は、検察官の命令によってこれを執行する。この命令は、 民事保全法 平成元年法律第91号)の規定による仮差押命令と同1の効力を有する。

2項 追徴保全命令の執行は、追徴保全命令の謄本が被告人又は被疑者に送達される前であっても、これをすることができる。

3項 追徴保全命令の執行は、この法律に特別の定めがあるもののほか、 民事保全法 その他仮差押えの執行の手続に関する法令の規定に従ってする。この場合において、これらの法令の規定において仮差押命令を発した裁判所が保全執行裁判所として管轄することとされる仮差押えの執行については、第1項の規定による命令を発した検察官の所属する検察庁の対応する裁判所が管轄する。

45条 (金銭債権の債務者の供託)

1項 追徴保全命令に基づく仮差押えの執行がされた金銭債権の債務者が、当該債権の額に相当する額の金銭を供託したときは、債権者の供託金の還付請求権につき、当該仮差押えの執行がされたものとみなす。

2項 前項の規定は、 追徴保全解放金 の額を超える部分に係る供託金については、これを適用しない。

46条 (追徴保全解放金の納付と追徴等の裁判の執行)

1項 追徴保全解放金 が納付された後に、追徴の裁判が確定したとき、又は仮納付の裁判の言渡しがあったときは、納付された金額の限度において追徴又は仮納付の裁判の執行があったものとみなす。

2項 追徴の言渡しがあった場合において、納付された 追徴保全解放金 が追徴の金額を超えるときは、その超過額は、被告人に還付しなければならない。

47条 (追徴保全命令の取消し)

1項 裁判所は、追徴保全の理由若しくは必要がなくなったとき、又は追徴保全の期間が不当に長くなったときは、検察官、被告人若しくはその弁護人の請求により、又は職権で、決定をもって、追徴保全命令を取り消さなければならない。 第32条第2項 《2 裁判所は、検察官の請求による場合を除…》 き、前項の決定をするときは、検察官の意見を聴かなければならない。 の規定は、この場合に準用する。

48条 (追徴保全命令の失効)

1項 追徴保全命令は、無罪、免訴若しくは公訴棄却( 刑事訴訟法 第338条第4号 《第338条 左の場合には、判決で公訴を棄…》 却しなければならない。 1 被告人に対して裁判権を有しないとき。 2 第340条の規定に違反して公訴が提起されたとき。 3 公訴の提起があつた事件について、更に同一裁判所に公訴が提起されたとき。 4 及び 第339条第1項第1号 《左の場合には、決定で公訴を棄却しなければ…》 ならない。 1 第271条第2項の規定により公訴の提起がその効力を失つたとき。 2 起訴状に記載された事実が真実であつても、何らの罪となるべき事実を包含していないとき。 3 公訴が取り消されたとき。 の規定による場合を除く。)の裁判の告知があったとき、又は有罪の裁判の告知があった場合において追徴の言渡しがなかったときは、その効力を失う。

2項 刑事訴訟法 第338条第4号 《第338条 左の場合には、判決で公訴を棄…》 却しなければならない。 1 被告人に対して裁判権を有しないとき。 2 第340条の規定に違反して公訴が提起されたとき。 3 公訴の提起があつた事件について、更に同一裁判所に公訴が提起されたとき。 4 又は 第339条第1項第1号 《左の場合には、決定で公訴を棄却しなければ…》 ならない。 1 第271条第2項の規定により公訴の提起がその効力を失つたとき。 2 起訴状に記載された事実が真実であつても、何らの罪となるべき事実を包含していないとき。 3 公訴が取り消されたとき。 の規定による公訴棄却の裁判があった場合における追徴保全命令の効力については、 第33条第2項 《2 刑事訴訟法第338条第4号又は第33…》 9条第1項第1号の規定による公訴棄却の裁判があった場合における没収保全の効力については、第23条第3項及び第4項の規定を準用する。 この場合において、同条第3項中「没収保全命令が発せられた日」とあるの の規定を準用する。

49条 (失効等の場合の措置)

1項 追徴保全命令が効力を失ったとき、又は 追徴保全解放金 が納付されたときは、検察官は、速やかに、 第44条第1項 《追徴保全命令は、検察官の命令によってこれ…》 を執行する。 この命令は、民事保全法平成元年法律第91号の規定による仮差押命令と同1の効力を有する。 の規定によりした命令を取り消し、かつ、追徴保全命令に基づく仮差押えの執行の停止又は既にした仮差押えの執行の取消しのため、必要な措置を執らなければならない。

3節 雑則

50条 (送達)

1項 没収保全又は追徴保全(追徴保全命令に基づく仮差押えの執行を除く。以下この節において同じ。)に関する書類の送達については、最高裁判所規則に特別の定めがある場合を除き、民事訴訟に関する法令の規定( 民事訴訟法 1996年法律第109号第100条第2項 《2 前項の場合において、送達をした者は、…》 同項の規定による書面の提出に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、当該書面に記載すべき事項を最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してファイルに記録し、又は当該書面に記載すべき事項に係る電 、第1編第5章第4節第3款、 第111条 《公示送達の方法 公示送達は、次の各号に…》 掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める事項を最高裁判所規則で定める方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置く措置をとるとともに、当該事項が記載された書面を裁判所の掲示場に掲示し、又は 及び 第112条第2項 《2 外国においてすべき送達についてした公…》 示送達にあっては、前項の期間は、6週間とする。 の規定を除く。)を準用する。この場合において、同条第1項中「前条の規定による措置を開始した日から2週間」とあるのは「組織的な犯罪の処罰及び 犯罪収益 の規制等に関する法律第50条第2項の規定による掲示を始めた日から7日間」と、同項ただし書中「前条の規定による措置を開始した」とあるのは「当該掲示を始めた」と、同法第113条中「書類又は電磁的記録」とあるのは「書類」と、「記載又は記録」とあるのは「記載」と、「第111条の規定による措置を開始した」とあるのは「 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律 第50条第2項 《2 前項において準用する民事訴訟法第11…》 0条の規定による公示送達は、裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。 の規定による掲示を始めた」と読み替えるものとする。

2項 前項において準用する 民事訴訟法 第110条 《公示送達の要件 次に掲げる場合には、裁…》 判所書記官は、申立てにより、公示送達をすることができる。 1 当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合第109条の2の規定により送達をすることができる場合を除く。 2 第107条第1項の の規定による公示送達は、裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。

51条 (上訴提起期間中の処分等)

1項 上訴の提起期間内の事件でまだ上訴の提起がないもの又は上訴中の事件で訴訟記録が上訴裁判所に到達していないものについて、没収保全又は追徴保全に関する処分をすべき場合には、原裁判所がこれをしなければならない。

52条 (不服申立て)

1項 没収保全又は追徴保全に関して裁判所のした決定に対しては、抗告をすることができる。ただし、没収又は追徴すべき場合に該当すると思料するに足りる相当な理由がないこと( 第22条第2項 《2 裁判所は、地上権、抵当権その他の権利…》 がその上に存在する財産について没収保全命令を発した場合又は発しようとする場合において、当該権利が没収により消滅すると思料するに足りる相当な理由がある場合であって当該財産を没収するため必要があると認める の規定による決定に関しては同項に規定する理由がないことを、 第38条第1項 《裁判所は、強制競売の開始決定又は強制執行…》 による差押えがされている財産について没収保全命令を発した場合又は発しようとする場合において、前条第1項ただし書に規定する事由があると思料するに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官の請求により、 第41条第2項 《2 附帯保全命令による処分の禁止について…》 は、特別の定めがあるもののほか、没収保全に関する規定を準用する。 において準用する場合を含む。)の規定による決定に関しては 第38条第1項 《裁判所は、強制競売の開始決定又は強制執行…》 による差押えがされている財産について没収保全命令を発した場合又は発しようとする場合において、前条第1項ただし書に規定する事由があると思料するに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官の請求により、 に規定する理由がないことを含む。)を理由としてすることはできない。

2項 没収保全又は追徴保全に関して裁判官のした裁判に不服がある者は、その裁判官の所属する裁判所(簡易裁判所の裁判官がした裁判に対しては、当該簡易裁判所の所在地を管轄する地方裁判所)にその裁判の取消し又は変更を請求することができる。前項ただし書の規定は、この場合に準用する。

3項 前項の規定による不服申立てに関する手続については、 刑事訴訟法 第429条第1項 《裁判官が次に掲げる裁判をした場合において…》 、不服がある者は、簡易裁判所の裁判官がした裁判に対しては管轄地方裁判所に、その他の裁判官がした裁判に対してはその裁判官所属の裁判所にその裁判の取消し又は変更を請求することができる。 1 忌避の申立てを に規定する裁判官の裁判の取消し又は変更の請求に係る手続の例による。

53条 (準用)

1項 没収保全及び追徴保全に関する手続については、この法律に特別の定めがあるもののほか、 刑事訴訟法 の規定を準用する。

5章 削除

54条から58条まで

1項 削除

6章 没収及び追徴の裁判の執行及び保全についての国際共助手続等

59条 (共助の実施)

1項 外国の刑事事件( 麻薬特例法 第16条第2項に規定する薬物犯罪等に当たる行為に係るものを除く。)に関して、当該外国から、没収若しくは追徴の確定裁判の執行又は没収若しくは追徴のための財産の保全の共助の要請があったときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、当該要請に係る共助をすることができる。

1号 共助犯罪(共助の要請において犯されたとされている犯罪をいう。以下この項において同じ。)に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、当該行為が 第2条第2項第1号 《2 この法律において「犯罪収益」とは、次…》 に掲げる財産をいう。 1 財産上の不正な利益を得る目的で犯した次に掲げる罪の犯罪行為日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたとしたならばこれらの罪に当たり、かつ、当該行為地の法令 イ若しくはロ若しくは同項第2号ニに掲げる罪又は 第10条第3項 《3 第1項の罪を犯す目的で、その予備をし…》 た者は、2年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金に処する。 の罪に当たるものでないとき。

2号 共助犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、日本国の法令によればこれについて刑罰を科すことができないと認められるとき。

3号 共助犯罪に係る事件が日本国の裁判所に係属するとき、又はその事件について日本国の裁判所において確定判決を経たとき。

4号 没収の確定裁判の執行の共助又は没収のための保全の共助については、共助犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、要請に係る財産が日本国の法令によれば共助犯罪について没収の裁判をし、又は没収保全をすることができる財産に当たるものでないとき。

5号 追徴の確定裁判の執行の共助又は追徴のための保全の共助については、共助犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、日本国の法令によれば共助犯罪について追徴の裁判をし、又は追徴保全をすることができる場合に当たるものでないとき。

6号 没収の確定裁判の執行の共助については要請に係る財産を有し又はその財産の上に地上権、抵当権その他の権利を有すると思料するに足りる相当な理由のある者が、追徴の確定裁判の執行の共助については当該裁判を受けた者が、自己の責めに帰することのできない理由により、当該裁判に係る手続において自己の権利を主張することができなかったと認められるとき。

7号 没収又は追徴のための保全の共助については、要請国の裁判所若しくは裁判官のした没収若しくは追徴のための保全の裁判に基づく要請である場合又は没収若しくは追徴の裁判の確定後の要請である場合を除き、共助犯罪に係る行為が行われたと疑うに足りる相当な理由がないとき、又は当該行為が日本国内で行われたとした場合において 第22条第1項 《裁判所は、第2条第2項第1号イ若しくはロ…》 若しくは同項第2号ニに掲げる罪又は第10条第3項の罪に係る被告事件に関し、この法律その他の法令の規定により没収することができる財産以下「没収対象財産」という。に当たると思料するに足りる相当な理由があり 若しくは 第42条第1項 《裁判所は、第2条第2項第1号イ若しくはロ…》 若しくは同項第2号ニに掲げる罪又は第10条第3項の罪に係る被告事件に関し、この法律その他の法令の規定により不法財産の価額を追徴すべき場合に当たると思料するに足りる相当な理由がある場合において、追徴の裁 に規定する理由がないと認められるとき。

2項 麻薬特例法 第16条第2項に規定する薬物犯罪等に当たる行為に係る外国の刑事事件に関して、当該外国から、条約に基づかないで、前項の共助の要請があったときは、麻薬特例法第21条各号のいずれかに該当する場合を除き、その要請に係る共助をすることができる。

3項 地上権、抵当権その他の権利がその上に存在する財産に係る没収の確定裁判の執行の共助をするに際し、日本国の法令により当該財産を没収するとすれば当該権利を存続させるべき場合に当たるときは、これを存続させるものとする。

60条 (追徴とみなす没収)

1項 不法財産 又は 麻薬特例法 第11条第1項各号若しくは第3項各号に掲げる財産(以下この条において「 不法財産等 」という。)に代えて、その価額が不法財産等の価額に相当する財産であって当該裁判を受けた者が有するものを没収する確定裁判の執行に係る共助の要請にあっては、当該確定裁判は、この法律による共助の実施については、その者から当該財産の価額を追徴する確定裁判とみなす。

2項 前項の規定は、 不法財産 等に代えてその価額が不法財産等の価額に相当する財産を没収するための保全に係る共助の要請について準用する。

61条 (要請の受理)

1項 共助の要請の受理は、外務大臣が行う。ただし、条約に基づき法務大臣が共助の要請の受理を行うこととされているとき、又は緊急その他特別の事情がある場合において外務大臣が同意したときは、法務大臣が行うものとする。

2項 前項ただし書の規定により法務大臣が共助の要請の受理を行う場合においては、法務大臣は、外務大臣に対し、共助に関する事務の実施に関し、必要な協力を求めることができる。

62条 (裁判所の審査)

1項 共助の要請が没収又は追徴の確定裁判の執行に係るものであるときは、検察官は、裁判所に対し、共助をすることができる場合に該当するかどうかについて審査の請求をしなければならない。

2項 裁判所は、審査の結果、審査の請求が不適法であるときは、これを却下する決定をし、共助の要請に係る確定裁判の全部若しくは一部について共助をすることができる場合に該当するとき、又はその全部について共助をすることができない場合に該当するときは、それぞれその旨の決定をしなければならない。

3項 裁判所は、没収の確定裁判の執行の共助の要請につき共助をすることができる場合に該当する旨の決定をする場合において、 第59条第3項 《3 地上権、抵当権その他の権利がその上に…》 存在する財産に係る没収の確定裁判の執行の共助をするに際し、日本国の法令により当該財産を没収するとすれば当該権利を存続させるべき場合に当たるときは、これを存続させるものとする。 の規定により存続させなければならない権利があるときは、当該権利を存続させる旨の決定を同時にしなければならない。

4項 裁判所は、追徴の確定裁判の執行の共助の要請につき、共助をすることができる場合に該当する旨の決定をするときは、追徴すべき日本円の金額を同時に示さなければならない。

5項 第1項の規定による審査においては、共助の要請に係る確定裁判の当否を審査することができない。

6項 第1項の規定による審査に関しては、次に掲げる者(以下「 利害関係人 」という。)が当該審査請求事件の手続への参加を許されていないときは、共助をすることができる場合に該当する旨の決定をすることができない。

1号 没収の確定裁判の執行の共助については、要請に係る財産を有し、若しくはその財産の上に地上権、抵当権その他の権利を有すると思料するに足りる相当な理由のある者又はこれらの財産若しくは権利について没収保全がされる前に強制競売の開始決定、強制執行による差押え若しくは仮差押えの執行がされている場合における差押債権者若しくは仮差押債権者

2号 追徴の確定裁判の執行の共助については、当該裁判を受けた者

7項 裁判所は、審査の請求について決定をするときは、検察官及び審査請求事件の手続への参加を許された者(以下「 参加人 」という。)の意見を聴かなければならない。

8項 裁判所は、 参加人 が口頭で意見を述べたい旨を申し出たとき、又は裁判所において証人若しくは鑑定人を尋問するときは、公開の法廷において審問期日を開き、参加人に当該期日に出頭する機会を与えなければならない。この場合において、参加人が出頭することができないときは、審問期日に代理人を出頭させ、又は書面により意見を述べる機会を与えたことをもって、参加人に出頭する機会を与えたものとみなす。

9項 検察官は、前項の審問期日の手続に立ち会うことができる。

63条 (抗告)

1項 検察官及び 参加人 は、審査の請求に係る決定に対し、抗告をすることができる。

2項 抗告裁判所の決定に対しては、 刑事訴訟法 第405条 《 高等裁判所がした第一審又は第二審の判決…》 に対しては、左の事由があることを理由として上告の申立をすることができる。 1 憲法の違反があること又は憲法の解釈に誤があること。 2 最高裁判所の判例と相反する判断をしたこと。 3 最高裁判所の判例が 各号に定める事由があるときは、最高裁判所に特に抗告をすることができる。

3項 前2項の抗告の提起期間は、14日とする。

64条 (決定の効力)

1項 没収又は追徴の確定裁判の執行の共助の要請につき共助をすることができる場合に該当する旨の決定が確定したときは、当該没収又は追徴の確定裁判は、共助の実施に関しては、日本国の裁判所が言い渡した没収又は追徴の確定裁判とみなす。

64条の2 (要請国への執行財産等の譲与等)

1項 没収又は追徴の確定裁判の執行の共助の要請をした外国(第3項において「 執行共助の要請国 」という。)から、当該共助の実施に係る財産又はその価額に相当する金銭(以下この条において「 執行財産等 」という。)の譲与の要請があったときは、その全部又は一部を譲与することができる。

2項 法務大臣は、 執行財産等 の全部又は一部を譲与することが相当であると認めるときは、没収又は追徴の確定裁判の執行の共助に必要な措置を命じた地方検察庁の検事正に対し、当該執行財産等の譲与のための保管を命ずるものとする。

3項 法務大臣は、 執行財産等 について、次の各号のいずれかに該当する場合には、前項に規定する検事正に対し、当該執行財産等の全部又は一部を仮に保管することを命ずることができる。

1号 執行共助の要請国 から 執行財産等 の譲与の要請があった場合において、これに応ずるか否かの判断をするために必要があると認めるとき。

2号 執行共助の要請国 から 執行財産等 の譲与の要請がされると思料する場合において、必要があると認めるとき。

65条 (決定の取消し)

1項 没収又は追徴の確定裁判の執行の共助の要請につき共助をすることができる場合に該当する旨の決定が確定した場合において、当該要請に係る確定裁判が取り消されたときその他その効力がなくなったときは、裁判所は、検察官又は 利害関係人 の請求により、決定をもって、共助をすることができる場合に該当する旨の決定を取り消さなければならない。

2項 前項の取消しの決定が確定したときは、 刑事補償法 に定める没収又は追徴の執行による補償の例により、補償を行う。

3項 第63条 《抗告 検察官及び参加人は、審査の請求に…》 係る決定に対し、抗告をすることができる。 2 抗告裁判所の決定に対しては、刑事訴訟法第405条各号に定める事由があるときは、最高裁判所に特に抗告をすることができる。 3 前2項の抗告の提起期間は、14 の規定は、第1項の請求に係る決定について準用する。

66条 (没収保全の請求)

1項 共助の要請が没収のための保全に係るものであるときは、検察官は、裁判官に、没収保全命令を発して要請に係る財産につきその処分を禁止することを請求しなければならない。この場合において、検察官は、必要と認めるときは、附帯保全命令を発して当該財産の上に存在する地上権、抵当権その他の権利の処分を禁止することを請求することができる。

2項 第62条第1項 《共助の要請が没収又は追徴の確定裁判の執行…》 に係るものであるときは、検察官は、裁判所に対し、共助をすることができる場合に該当するかどうかについて審査の請求をしなければならない。 の審査の請求があった後は、没収保全に関する処分は、審査の請求を受けた裁判所が行う。

67条 (追徴保全の請求)

1項 共助の要請が追徴のための保全に係るものであるときは、検察官は、裁判官に、追徴保全命令を発して、追徴の裁判を受けるべき者に対しその財産の処分を禁止することを請求しなければならない。

2項 前条第2項の規定は、追徴保全に関する処分について準用する。

68条 (公訴提起前の保全の期間)

1項 没収又は追徴のための保全の共助の要請が公訴の提起されていない事件に関してされた場合において、没収保全命令又は追徴保全命令が発せられた日から45日以内に要請国から当該事件につき公訴が提起された旨の通知がないときは、当該没収保全又は追徴保全命令は、その効力を失う。

2項 要請国から、前項の期間内に公訴を提起できないことについてやむを得ない事由がある旨理由を付して通知があったときは、裁判官は、検察官の請求により、30日間を限り、保全の期間を更新することができる。更新された期間内に公訴を提起できないことについてやむを得ない事由がある旨理由を付して通知があったときも、同様とする。

69条 (手続の取消し)

1項 共助の要請を撤回する旨の通知があったときは、検察官は、速やかに、審査、没収保全若しくは追徴保全の請求を取り消し、又は没収保全命令若しくは追徴保全命令の取消しを請求しなければならない。

2項 前項の請求があったときは、裁判所又は裁判官は、速やかに、没収保全命令又は追徴保全命令を取り消さなければならない。

70条 (事実の取調べ)

1項 裁判所又は裁判官は、この章の規定による審査をし、又は没収保全若しくは追徴保全に関する処分をするため必要があるときは、事実の取調べをすることができる。この場合においては、証人を尋問し、検証を行い、又は鑑定、通訳若しくは翻訳を命ずることができる。

71条 (検察官の処分)

1項 検察官は、この章の規定による没収保全若しくは追徴保全の請求又は没収保全命令若しくは追徴保全命令の執行に関して必要があると認めるときは、次に掲げる処分をすることができる。

1号 関係人の出頭を求めてこれを取り調べること。

2号 鑑定を嘱託すること。

3号 実況見分をすること。

4号 書類その他の物の所有者、所持者又は保管者にその物の提出を求めること。

5号 公務所又は公私の 団体 に照会して必要な事項の報告を求めること。

6号 電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者又は自己の業務のために不特定若しくは多数の者の通信を媒介することのできる電気通信を行うための設備を設置している者に対し、その業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、30日を超えない期間(延長する場合には、通じて60日を超えない期間)を定めて、これを消去しないよう、書面で求めること。

7号 裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすること。

2項 検察官は、検察事務官に前項の処分をさせることができる。

72条 (管轄裁判所)

1項 この章の規定による審査、没収保全若しくは追徴保全又は令状の発付の請求は、請求する検察官の所属する検察庁の所在地を管轄する地方裁判所又はその裁判官にしなければならない。

73条 (準用)

1項 この章に特別の定めがあるもののほか、裁判所若しくは裁判官のする審査、処分若しくは令状の発付、検察官若しくは検察事務官のする処分又は裁判所の審査への 利害関係人 の参加については第3章及び第4章、 刑事訴訟法 第1編第2章及び第5章から第13章まで、第2編第1章、第3編第1章及び第4章並びに第7編に限る。)、刑事訴訟費用に関する法令並びに刑事事件における 第三者 所有物の没収手続に関する応急措置法の規定を、共助の要請を受理した場合における措置については 国際捜査共助等に関する法律 1980年法律第69号第4条 《外務大臣の措置 外務大臣は、共助の要請…》 を受理したときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、共助要請書又は外務大臣の作成した共助の要請があつたことを証明する書面に関係書類を添付し、意見を付して、これを法務大臣に送付するものとする。 1第5条第1項 《法務大臣は、受刑者証人移送以外の共助の要…》 請について、第2条各号第3条第1項ただし書の規定により法務大臣が共助の要請の受理を行う場合にあつては、第2条各号又は前条各号のいずれにも該当せず、かつ、要請に応ずることが相当であると認めるときは、次項第1号に係る部分に限る。及び第3項並びに 第7条第1項 《第5条第1項第1号の命令を受けた検事正は…》 、その庁の検察官に共助に必要な証拠を収集するための処分をさせなければならない。 並びに 逃亡犯罪人引渡法 1953年法律第68号第8条第2項 《2 前項の審査の請求は書面で行い、これに…》 関係書類を添附しなければならない。 並びに 第11条第1項 《外務大臣は、第3条の規定による書面の送付…》 をした後に、請求国から逃亡犯罪人の引渡しの請求を撤回する旨の通知を受け、又は第3条第2号に該当するに至つたときは、直ちに、その旨を法務大臣に通知しなければならない。 及び第2項の規定を、それぞれその性質に反しない限り、準用する。

2項 第64条の2第1項 《没収又は追徴の確定裁判の執行の共助の要請…》 をした外国第3項において「執行共助の要請国」という。から、当該共助の実施に係る財産又はその価額に相当する金銭以下この条において「執行財産等」という。の譲与の要請があったときは、その全部又は一部を譲与す に規定する譲与の要請の受理及び当該要請を受理した場合における措置については、 国際捜査共助等に関する法律 第3条 《要請の受理及び証拠の送付 共助の要請の…》 受理及び要請国に対する証拠の送付は、外務大臣が行う。 ただし、条約に基づき法務大臣が共助の要請の受理を行うこととされているとき、又は緊急その他特別の事情がある場合において外務大臣が同意したときは、法務第4条 《外務大臣の措置 外務大臣は、共助の要請…》 を受理したときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、共助要請書又は外務大臣の作成した共助の要請があつたことを証明する書面に関係書類を添付し、意見を付して、これを法務大臣に送付するものとする。 1第14条第1項 《検事正は、共助に必要な証拠の収集を終えた…》 ときは、速やかに、意見を付して、収集した証拠を法務大臣に送付しなければならない。 第5条第1項第3号の国の機関の長が証拠の収集を終えたときも、同様とする。 前段、第5項及び第6項並びに 第16条第1項 《法務大臣は、要請が第4条第1号に該当する…》 ものと認めて共助をしないこととするとき、要請に応ずることが相当でないと認めて共助をしないこととするとき及び第14条第5項の条件を定めるときは、外務大臣と協議するものとする。 の規定を準用する。この場合において、同法第3条の見出し中「証拠の送付」とあるのは「 執行財産等 の引渡し」と、同条第1項中「証拠の送付」とあるのは「執行財産等(組織的な犯罪の処罰及び 犯罪収益 の規制等に関する法律(1999年法律第136号)第64条の2第1項に規定する執行財産等をいう。以下同じ。)の引渡し」と、同条第2項中「証拠の送付」とあるのは「執行財産等の引渡し」と、同法第4条中「共助要請書」とあるのは「譲与要請書」と、同法第14条第1項前段中「証拠の収集を終えた」とあるのは「執行財産等を保管するに至つた」と、「収集した証拠」とあるのは「当該執行財産等」と、「送付しなければ」とあるのは「引き渡さなければ」と、同条第5項中「第1項、第3項又は前項の規定による送付」とあるのは「第1項の規定による引渡し」と、「証拠」とあるのは「執行財産等」と、「返還」とあるのは「処分」と読み替えるものとする。

74条 (逃亡犯罪人の引渡しに関する特例)

1項 逃亡犯罪人引渡法 第1条第3項 《3 この法律において「引渡犯罪」とは、請…》 求国からの犯罪人の引渡しの請求において当該犯罪人が犯したとする犯罪をいう。 に規定する引渡犯罪に係る行為が日本国内において行われたとしたならば 第6条の2第1項第2号 《次の各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリ…》 ズム集団その他の組織的犯罪集団団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第3に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。の団体の活動として、当該行為を実行するための組織によ に掲げる罪に係る同項若しくは同条第2項の罪又は 第10条第3項 《3 第1項の罪を犯す目的で、その予備をし…》 た者は、2年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金に処する。 の罪に当たるものである場合における同法第2条の規定の適用については、同条第3号及び第4号中「3年」とあるのは、「2年」とする。

7章 雑則

75条 (政令等への委任)

1項 この法律に定めるもののほか、没収保全と滞納処分との手続の調整について必要な事項で、滞納処分に関するものは、政令で定める。

2項 この法律に定めるもののほか、 第18条 《第三者の財産の没収手続等 不法財産であ…》 る債権等不動産及び動産以外の財産をいう。第19条第1項及び第21条において同じ。が被告人以外の者以下この条において「第三者」という。に帰属する場合において、当該第三者が被告事件の手続への参加を許されて の規定による 第三者 の参加及び裁判に関する手続、第4章に規定する没収保全及び追徴保全に関する手続並びに前章に規定する国際共助手続について必要な事項(前項に規定する事項を除く。)は、最高裁判所規則で定める。

76条 (経過措置)

1項 この法律の規定に基づき政令を制定し、又は改廃する場合においては、その政令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置を定めることができる。

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