土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律《本則》

法番号:2000年法律第57号

略称: 土砂災害防止法

附則 >  

1章 総則

1条 (目的)

1項 この法律は、土砂災害から国民の生命及び身体を保護するため、土砂災害が発生するおそれがある土地の区域を明らかにし、当該区域における警戒避難体制の整備を図るとともに、著しい土砂災害が発生するおそれがある土地の区域において一定の開発行為を制限し、建築物の構造の規制に関する所要の措置を定めるほか、土砂災害の急迫した危険がある場合において避難に資する情報を提供すること等により、土砂災害の防止のための対策の推進を図り、もって公共の福祉の確保に資することを目的とする。

2条 (定義)

1項 この法律において「 土砂災害 」とは、急傾斜地の崩壊(傾斜度が三十度以上である土地が崩壊する自然現象をいう。)、土石流(山腹が崩壊して生じた土石等又は渓流の土石等が水と一体となって流下する自然現象をいう。 第27条第2項 《2 前項の規定による土砂災害警戒情報の通…》 及び周知のための必要な措置は、その区域に係る降雨量が危険降雨量に達した区域以下この項において「危険降雨量区域」という。のほか、その周辺の区域のうち土砂災害が発生するおそれがあると認められるもの危険降 及び 第28条第1項 《都道府県知事は、土石流、地滑り又は河道閉…》 塞による湛水を発生原因とする重大な土砂災害の急迫した危険が予想されるものとして政令で定める状況があると認めるときは、基本指針に基づき、これらの自然現象を発生原因とする重大な土砂災害が想定される土地の区 において同じ。)若しくは地滑り(土地の一部が地下水等に起因して滑る自然現象又はこれに伴って移動する自然現象をいう。同項において同じ。)(以下「急傾斜地の崩壊等」と総称する。又は河道閉塞によるたん水(土石等が河道を閉塞したことによって水がたまる自然現象をいう。 第7条第1項 《都道府県知事は、基本指針に基づき、急傾斜…》 地の崩壊等が発生した場合には住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、当該区域における土砂災害河道閉塞による湛水を発生原因とするものを除く。以下この章、次章及び第27条に 及び 第28条第1項 《都道府県知事は、土石流、地滑り又は河道閉…》 塞による湛水を発生原因とする重大な土砂災害の急迫した危険が予想されるものとして政令で定める状況があると認めるときは、基本指針に基づき、これらの自然現象を発生原因とする重大な土砂災害が想定される土地の区 において同じ。)を発生原因として国民の生命又は身体に生ずる被害をいう。

2章 土砂災害防止対策基本指針等

3条 (土砂災害防止対策基本指針)

1項 国土交通大臣は、 土砂災害 の防止のための対策の推進に関する基本的な指針(以下「 基本指針 」という。)を定めなければならない。

2項 基本指針 においては、次に掲げる事項について定めるものとする。

1号 この法律に基づき行われる 土砂災害 の防止のための対策に関する基本的な事項

2号 次条第1項の基礎調査の実施について指針となるべき事項

3号 第7条第1項 《都道府県知事は、基本指針に基づき、急傾斜…》 地の崩壊等が発生した場合には住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、当該区域における土砂災害河道閉塞による湛水を発生原因とするものを除く。以下この章、次章及び第27条に の規定による 土砂災害 警戒区域の指定及び 第9条第1項 《都道府県知事は、基本指針に基づき、警戒区…》 域のうち、急傾斜地の崩壊等が発生した場合には建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、一定の開発行為の制限及び居室建築基準法1950年法律第201 の規定による土砂災害特別警戒区域の指定について指針となるべき事項

4号 第9条第1項 《都道府県知事は、基本指針に基づき、警戒区…》 域のうち、急傾斜地の崩壊等が発生した場合には建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、一定の開発行為の制限及び居室建築基準法1950年法律第201 土砂災害 特別警戒区域内の建築物の移転その他この法律に基づき行われる土砂災害の防止のための対策に関し指針となるべき事項

5号 第27条第1項 《都道府県知事は、基本指針に基づき、当該都…》 道府県の区域を分けて定める区域ごとに、土砂災害の急迫した危険が予想される降雨量以下この条において「危険降雨量」という。を設定し、当該区域に係る降雨量が危険降雨量に達したときは、災害対策基本法第60条第 の規定による危険降雨量の設定並びに同項の規定による 土砂災害 警戒情報の通知及び周知のための必要な措置について指針となるべき事項

6号 第28条第1項 《都道府県知事は、土石流、地滑り又は河道閉…》 塞による湛水を発生原因とする重大な土砂災害の急迫した危険が予想されるものとして政令で定める状況があると認めるときは、基本指針に基づき、これらの自然現象を発生原因とする重大な土砂災害が想定される土地の区 及び 第29条第1項 《国土交通大臣は、前条第1項の政令で定める…》 状況があると認める場合であって、当該土砂災害の発生原因である自然現象が緊急調査を行うために特に高度な専門的知識及び技術を要するものとして政令で定めるものであるときは、基本指針に基づき、緊急調査を行うも の緊急調査の実施並びに 第31条第1項 《都道府県知事又は国土交通大臣は、緊急調査…》 の結果、基本指針に基づき、第28条第1項に規定する自然現象の発生により一定の土地の区域において重大な土砂災害の急迫した危険があると認めるとき、又は当該土砂災害が想定される土地の区域若しくは時期が明らか の規定による 土砂災害 緊急情報の通知及び周知のための必要な措置について指針となるべき事項

3項 国土交通大臣は、 基本指針 を定めようとするときは、あらかじめ、総務大臣及び農林水産大臣に協議するとともに、社会資本整備審議会の意見を聴かなければならない。

4項 国土交通大臣は、 基本指針 を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

5項 前2項の規定は、 基本指針 の変更について準用する。

4条 (基礎調査)

1項 都道府県は、 基本指針 に基づき、おおむね5年ごとに、 第7条第1項 《都道府県知事は、基本指針に基づき、急傾斜…》 地の崩壊等が発生した場合には住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、当該区域における土砂災害河道閉塞による湛水を発生原因とするものを除く。以下この章、次章及び第27条に の規定による 土砂災害 警戒区域の指定及び 第9条第1項 《都道府県知事は、基本指針に基づき、警戒区…》 域のうち、急傾斜地の崩壊等が発生した場合には建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、一定の開発行為の制限及び居室建築基準法1950年法律第201 の規定による土砂災害特別警戒区域の指定その他この法律に基づき行われる土砂災害の防止のための対策に必要な 基礎調査 として、急傾斜地の崩壊等のおそれがある土地に関する地形、地質、降水等の状況及び土砂災害の発生のおそれがある土地の利用の状況その他の事項に関する調査(以下「 基礎調査 」という。)を行うものとする。

2項 都道府県は、 基礎調査 の結果を、国土交通省令で定めるところにより、関係のある市町村(特別区を含む。以下同じ。)の長に通知するとともに、公表しなければならない。

3項 国土交通大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、都道府県に対し、 基礎調査 の結果について必要な報告を求めることができる。

5条 (基礎調査のための土地の立入り等)

1項 都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者は、 基礎調査 のためにやむを得ない必要があるときは、その必要な限度において、他人の占有する土地に立ち入り、又は特別の用途のない他人の土地を作業場として1時使用することができる。

2項 前項の規定により他人の占有する土地に立ち入ろうとする者は、あらかじめ、その旨を当該土地の占有者に通知しなければならない。ただし、あらかじめ通知することが困難であるときは、この限りでない。

3項 第1項の規定により宅地又は垣、柵等で囲まれた他人の占有する土地に立ち入ろうとする場合においては、その立ち入ろうとする者は、立入りの際、あらかじめ、その旨を当該土地の占有者に告げなければならない。

4項 日出前及び日没後においては、土地の占有者の承諾があった場合を除き、前項に規定する土地に立ち入ってはならない。

5項 第1項の規定により他人の占有する土地に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

6項 第1項の規定により特別の用途のない他人の土地を作業場として1時使用しようとする者は、あらかじめ、当該土地の占有者及び所有者に通知して、その意見を聴かなければならない。

7項 土地の占有者又は所有者は、正当な理由がない限り、第1項の規定による立入り又は1時使用を拒み、又は妨げてはならない。

8項 都道府県は、第1項の規定による立入り又は1時使用により損失を受けた者がある場合においては、その者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。

9項 前項の規定による損失の補償については、都道府県と損失を受けた者とが協議しなければならない。

10項 前項の規定による協議が成立しない場合においては、都道府県は、自己の見積もった金額を損失を受けた者に支払わなければならない。この場合において、当該金額について不服のある者は、政令で定めるところにより、補償金の支払を受けた日から30日以内に、収用委員会に 土地収用法 1951年法律第219号第94条第2項 《2 前項の規定による協議が成立しないとき…》 は、起業者又は損失を受けた者は、収用委員会の裁決を申請することができる。 の規定による裁決を申請することができる。

6条 (基礎調査に関する是正の要求の方式)

1項 国土交通大臣は、都道府県の 基礎調査 に関する事務の処理が法令の規定に違反している場合又は科学的知見に基づかずに行われている場合において、当該基礎調査の結果によったのでは次条第1項の規定による 土砂災害 警戒区域の指定又は 第9条第1項 《都道府県知事は、基本指針に基づき、警戒区…》 域のうち、急傾斜地の崩壊等が発生した場合には建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、一定の開発行為の制限及び居室建築基準法1950年法律第201 の規定による土砂災害特別警戒区域の指定が著しく適正を欠くこととなり、住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあることが明らかであるとして 地方自治法 1947年法律第67号第245条の5第1項 《各大臣は、その担任する事務に関し、都道府…》 県の自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該都道府県に対し、当該自治事務の処理について違反の是正又は改善のため必要 の規定による求めを行うときは、当該都道府県が講ずべき措置の内容を示して行うものとする。

3章 土砂災害警戒区域

7条 (土砂災害警戒区域)

1項 都道府県知事は、 基本指針 に基づき、急傾斜地の崩壊等が発生した場合には住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、当該区域における 土砂災害 河道閉塞による湛水を発生原因とするものを除く。以下この章、次章及び 第27条 《土砂災害警戒情報の提供 都道府県知事は…》 、基本指針に基づき、当該都道府県の区域を分けて定める区域ごとに、土砂災害の急迫した危険が予想される降雨量以下この条において「危険降雨量」という。を設定し、当該区域に係る降雨量が危険降雨量に達したときは において同じ。)を防止するために警戒避難体制を特に整備すべき土地の区域として政令で定める基準に該当するものを、土砂災害警戒区域(以下「 警戒区域 」という。)として指定することができる。

2項 前項の規定による 指定 以下この条において「 指定 」という。)は、 第2条 《定義 この法律において「土砂災害」とは…》 、急傾斜地の崩壊傾斜度が三十度以上である土地が崩壊する自然現象をいう。、土石流山腹が崩壊して生じた土石等又は渓流の土石等が水と一体となって流下する自然現象をいう。第27条第2項及び第28条第1項におい に規定する 土砂災害 の発生原因ごとに、指定の区域及びその発生原因となる自然現象の種類を定めてするものとする。

3項 都道府県知事は、 指定 をしようとするときは、あらかじめ、関係のある市町村の長の意見を聴かなければならない。

4項 都道府県知事は、 指定 をするときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨並びに指定の区域及び 土砂災害 の発生原因となる自然現象の種類を公示しなければならない。

5項 都道府県知事は、前項の規定による公示をしたときは、速やかに、国土交通省令で定めるところにより、関係のある市町村の長に、同項の規定により公示された事項を記載した図書を送付しなければならない。

6項 前3項の規定は、 指定 の解除について準用する。

8条 (警戒避難体制の整備等)

1項 市町村防災会議( 災害対策基本法 1961年法律第223号第16条第1項 《市町村に、当該市町村の地域に係る地域防災…》 計画を作成し、及びその実施を推進するほか、市町村長の諮問に応じて当該市町村の地域に係る防災に関する重要事項を審議するため、市町村防災会議を置く。 の市町村防災会議をいい、これを設置しない市町村にあっては、当該市町村の長とする。次項において同じ。)は、前条第1項の規定による 警戒区域 指定 があったときは、市町村地域防災計画(同法第42条第1項の市町村地域防災計画をいう。以下同じ。)において、当該警戒区域ごとに、次に掲げる事項について定めるものとする。

1号 土砂災害 に関する情報の収集及び伝達並びに予報又は警報の発令及び伝達に関する事項

2号 避難施設その他の避難場所及び避難路その他の避難経路に関する事項

3号 災害対策基本法 第48条第1項 《災害予防責任者は、法令又は防災計画の定め…》 るところにより、それぞれ又は他の災害予防責任者と共同して、防災訓練を行なわなければならない。 の防災訓練として市町村長が行う 土砂災害 に係る避難訓練の実施に関する事項

4号 警戒区域 内に、要配慮者利用施設(社会福祉施設、学校、医療施設その他の主として防災上の配慮を要する者が利用する施設をいう。以下同じ。)であって、急傾斜地の崩壊等が発生するおそれがある場合における当該要配慮者利用施設を利用している者の円滑かつ迅速な避難を確保する必要があると認められるものがある場合にあっては、当該要配慮者利用施設の名称及び所在地

5号 救助に関する事項

6号 前各号に掲げるもののほか、 警戒区域 における 土砂災害 を防止するために必要な警戒避難体制に関する事項

2項 市町村防災会議は、前項の規定により市町村地域防災計画において同項第4号に掲げる事項を定めるときは、当該市町村地域防災計画において、急傾斜地の崩壊等が発生するおそれがある場合における要配慮者利用施設を利用している者の円滑かつ迅速な避難を確保するため、同項第1号に掲げる事項として 土砂災害 に関する情報、予報及び警報の伝達に関する事項を定めるものとする。

3項 警戒区域 をその区域に含む市町村の長は、市町村地域防災計画に基づき、国土交通省令で定めるところにより、 土砂災害 に関する情報の伝達方法、急傾斜地の崩壊等が発生するおそれがある場合における避難施設その他の避難場所及び避難路その他の避難経路に関する事項その他警戒区域における円滑な警戒避難を確保する上で必要な事項を住民等に周知させるため、これらの事項を記載した印刷物の配布その他の必要な措置を講じなければならない。

8条の2 (要配慮者利用施設の利用者の避難の確保のための措置に関する計画の作成等)

1項 前条第1項の規定により市町村地域防災計画にその名称及び所在地を定められた要配慮者利用施設の所有者又は管理者は、国土交通省令で定めるところにより、急傾斜地の崩壊等が発生するおそれがある場合における当該要配慮者利用施設を利用している者の円滑かつ迅速な避難の確保を図るために必要な訓練その他の措置に関する計画を作成しなければならない。

2項 前項の要配慮者利用施設の所有者又は管理者は、同項の規定による計画を作成したときは、遅滞なく、これを市町村長に報告しなければならない。これを変更したときも、同様とする。

3項 市町村長は、第1項の要配慮者利用施設の所有者又は管理者が同項に規定する計画を作成していない場合において、急傾斜地の崩壊等が発生するおそれがある場合における当該要配慮者利用施設を利用している者の円滑かつ迅速な避難の確保を図るため必要があると認めるときは、当該要配慮者利用施設の所有者又は管理者に対し、必要な指示をすることができる。

4項 市町村長は、前項の規定による指示を受けた第1項の要配慮者利用施設の所有者又は管理者が、正当な理由がなく、その指示に従わなかったときは、その旨を公表することができる。

5項 第1項の要配慮者利用施設の所有者又は管理者は、同項に規定する計画で定めるところにより、急傾斜地の崩壊等が発生するおそれがある場合における同項の要配慮者利用施設を利用している者の円滑かつ迅速な避難の確保のための訓練を行うとともに、その結果を市町村長に報告しなければならない。

6項 市町村長は、第2項又は前項の規定により報告を受けたときは、第1項の要配慮者利用施設の所有者又は管理者に対し、急傾斜地の崩壊等が発生するおそれがある場合における当該要配慮者利用施設を利用している者の円滑かつ迅速な避難の確保を図るために必要な助言又は勧告をすることができる。

4章 土砂災害特別警戒区域

9条 (土砂災害特別警戒区域)

1項 都道府県知事は、 基本指針 に基づき、 警戒区域 のうち、急傾斜地の崩壊等が発生した場合には建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、一定の開発行為の制限及び居室( 建築基準法 1950年法律第201号第2条第4号 《用語の定義 第2条 この法律において次の…》 各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 1 建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するものこれに類する構造のものを含む。、これに附属する門若しくは塀、観覧のため に規定する居室をいう。以下同じ。)を有する建築物の構造の規制をすべき土地の区域として政令で定める基準に該当するものを、 土砂災害 特別警戒区域(以下「 特別警戒区域 」という。)として 指定 することができる。

2項 前項の規定による 指定 以下この条において「 指定 」という。)は、 第2条 《用語の定義 この法律において次の各号に…》 掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 1 建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するものこれに類する構造のものを含む。、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作 に規定する 土砂災害 の発生原因ごとに、指定の区域並びにその発生原因となる自然現象の種類及び当該自然現象により建築物に作用すると想定される衝撃に関する事項(土砂災害の発生を防止するために行う建築物の構造の規制に必要な事項として政令で定めるものに限る。)を定めてするものとする。

3項 都道府県知事は、 指定 をしようとするときは、あらかじめ、関係のある市町村の長の意見を聴かなければならない。

4項 都道府県知事は、 指定 をするときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨並びに指定の区域、 土砂災害 の発生原因となる自然現象の種類及び第2項の政令で定める事項を公示しなければならない。

5項 都道府県知事は、前項の規定による公示をしたときは、速やかに、国土交通省令で定めるところにより、関係のある市町村の長に、同項の規定により公示された事項を記載した図書を送付しなければならない。

6項 指定 は、第4項の規定による公示によってその効力を生ずる。

7項 関係のある市町村の長は、第5項の図書を当該市町村の事務所において、一般の縦覧に供しなければならない。

8項 都道府県知事は、 土砂災害 の防止に関する工事の実施等により、 特別警戒区域 の全部又は一部について 指定 の事由がなくなったと認めるときは、当該特別警戒区域の全部又は一部について指定を解除するものとする。

9項 第3項から第6項までの規定は、前項の規定による解除について準用する。

10条 (特定開発行為の制限)

1項 特別警戒区域 内において、 都市計画法 1968年法律第100号第4条第12項 《12 この法律において「開発行為」とは、…》 主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいう。 に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物(当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定されている建築物を除く。以下「 予定建築物 」という。)の用途が制限用途であるもの(以下「 特定開発行為 」という。)をしようとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、非常災害のために必要な応急措置として行う行為その他の政令で定める行為については、この限りでない。

2項 前項の制限用途とは、 予定建築物 の用途で、住宅(自己の居住の用に供するものを除く。並びに高齢者、障害者、乳幼児その他の特に防災上の配慮を要する者が利用する社会福祉施設、学校及び医療施設(政令で定めるものに限る。)以外の用途でないものをいう。

11条 (申請の手続)

1項 前条第1項の許可を受けようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を提出しなければならない。

1号 特定開発行為 をする土地の区域( 第14条第2項 《2 都道府県知事は、前項の規定による届出…》 があった場合において、当該届出に係る開発区域特別警戒区域内のものに限る。における土砂災害を防止するために必要があると認めるときは、当該届出をした者に対して、予定建築物の用途の変更その他の必要な助言又は 及び 第19条 《建築制限 第10条第1項の許可を受けた…》 開発区域特別警戒区域内のものに限る。内の土地においては、前条第3項の規定による公告があるまでの間は、第10条第1項の制限用途の建築物を建築してはならない。 において「 開発区域 」という。)の位置、区域及び規模

2号 予定建築物 前条第1項の制限用途のものに限る。以下「 特定予定建築物 」という。)の用途及びその敷地の位置

3号 特定予定建築物 における 土砂災害 を防止するため自ら施行しようとする工事(次号において「 対策工事 」という。)の計画

4号 対策工事 以外の 特定開発行為 に関する工事の計画

5号 その他国土交通省令で定める事項

2項 前項の申請書には、国土交通省令で定める図書を添付しなければならない。

12条 (許可の基準)

1項 都道府県知事は、 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 の許可の申請があったときは、前条第1項第3号及び第4号に規定する工事(以下「 対策工事等 」という。)の計画が、 特定予定建築物 における 土砂災害 を防止するために必要な措置を政令で定める技術的基準に従い講じたものであり、かつ、その申請の手続がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反していないと認めるときは、その許可をしなければならない。

13条 (許可の条件)

1項 都道府県知事は、 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 の許可に、 対策工事 等の施行に伴う災害を防止するために必要な条件を付することができる。

14条 (既着手の場合の届出等)

1項 第9条第1項 《都道府県知事は、基本指針に基づき、警戒区…》 域のうち、急傾斜地の崩壊等が発生した場合には建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、一定の開発行為の制限及び居室建築基準法1950年法律第201 の規定による 特別警戒区域 指定 の際当該特別警戒区域内において既に 特定開発行為 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 ただし書の政令で定める行為を除く。)に着手している者は、その指定の日から起算して21日以内に、国土交通省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

2項 都道府県知事は、前項の規定による届出があった場合において、当該届出に係る 開発区域 特別警戒区域 内のものに限る。)における 土砂災害 を防止するために必要があると認めるときは、当該届出をした者に対して、 予定建築物 の用途の変更その他の必要な助言又は勧告をすることができる。

15条 (許可の特例)

1項 又は地方公共団体が行う 特定開発行為 については、国又は地方公共団体と都道府県知事との協議が成立することをもって 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 の許可を受けたものとみなす。

16条 (許可又は不許可の通知)

1項 都道府県知事は、 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 の許可の申請があったときは、遅滞なく、許可又は不許可の処分をしなければならない。

2項 前項の処分をするには、文書をもって当該申請をした者に通知しなければならない。

17条 (変更の許可等)

1項 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 の許可(この項の規定による許可を含む。)を受けた者は、 第11条第1項第2号 《前条第1項の許可を受けようとする者は、国…》 土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を提出しなければならない。 1 特定開発行為をする土地の区域第14条第2項及び第19条において「開発区域」という。の位置、区域及び規模 2 から第4号までに掲げる事項の変更をしようとする場合においては、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、変更後の 予定建築物 の用途が 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 の制限用途以外のものであるとき、又は国土交通省令で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。

2項 前項の許可を受けようとする者は、国土交通省令で定める事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。

3項 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 の許可を受けた者は、第1項ただし書に該当する変更をしたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

4項 第12条 《許可の基準 都道府県知事は、第10条第…》 1項の許可の申請があったときは、前条第1項第3号及び第4号に規定する工事以下「対策工事等」という。の計画が、特定予定建築物における土砂災害を防止するために必要な措置を政令で定める技術的基準に従い講じた第13条 《許可の条件 都道府県知事は、第10条第…》 1項の許可に、対策工事等の施行に伴う災害を防止するために必要な条件を付することができる。 及び前2条の規定は、第1項の許可について準用する。

5項 第1項の許可又は第3項の規定による届出の場合における次条から 第20条 《特定開発行為の廃止 第10条第1項の許…》 可を受けた者は、当該許可に係る対策工事等を廃止したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。 までの規定の適用については、第1項の許可又は第3項の規定による届出に係る変更後の内容を 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 の許可の内容とみなす。

18条 (工事完了の検査等)

1項 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 の許可を受けた者は、当該許可に係る 対策工事 等の全てを完了したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

2項 都道府県知事は、前項の規定による届出があったときは、遅滞なく、当該 対策工事 等が 第12条 《許可の基準 都道府県知事は、第10条第…》 1項の許可の申請があったときは、前条第1項第3号及び第4号に規定する工事以下「対策工事等」という。の計画が、特定予定建築物における土砂災害を防止するために必要な措置を政令で定める技術的基準に従い講じた の政令で定める技術的基準に適合しているかどうかについて検査し、その検査の結果当該対策工事等が当該政令で定める技術的基準に適合していると認めたときは、国土交通省令で定める様式の検査済証を当該届出をした者に交付しなければならない。

3項 都道府県知事は、前項の規定により検査済証を交付したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、当該 対策工事 等が完了した旨を公告しなければならない。

19条 (建築制限)

1項 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 の許可を受けた 開発区域 特別警戒区域 内のものに限る。)内の土地においては、前条第3項の規定による公告があるまでの間は、 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 の制限用途の建築物を建築してはならない。

20条 (特定開発行為の廃止)

1項 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 の許可を受けた者は、当該許可に係る 対策工事 等を廃止したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

21条 (監督処分)

1項 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する者に対して、 特定予定建築物 における 土砂災害 を防止するために必要な限度において、 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 若しくは 第17条第1項 《第10条第1項の許可この項の規定による許…》 可を含む。を受けた者は、第11条第1項第2号から第4号までに掲げる事項の変更をしようとする場合においては、都道府県知事の許可を受けなければならない。 ただし、変更後の予定建築物の用途が第10条第1項の の許可を取り消し、若しくはその許可に付した条件を変更し、又は工事その他の行為の停止を命じ、若しくは相当の期限を定めて必要な措置をとることを命ずることができる。

1号 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 又は 第17条第1項 《第10条第1項の許可この項の規定による許…》 可を含む。を受けた者は、第11条第1項第2号から第4号までに掲げる事項の変更をしようとする場合においては、都道府県知事の許可を受けなければならない。 ただし、変更後の予定建築物の用途が第10条第1項の の規定に違反して、 特定開発行為 をした者

2号 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 又は 第17条第1項 《第10条第1項の許可この項の規定による許…》 可を含む。を受けた者は、第11条第1項第2号から第4号までに掲げる事項の変更をしようとする場合においては、都道府県知事の許可を受けなければならない。 ただし、変更後の予定建築物の用途が第10条第1項の の許可に付した条件に違反した者

3号 特別警戒区域 で行われる又は行われた 特定開発行為 当該特別警戒区域の 指定 の際当該特別警戒区域内において既に着手している行為を除く。)であって、 特定予定建築物 土砂災害 を防止するために必要な措置を 第12条 《許可の基準 都道府県知事は、第10条第…》 1項の許可の申請があったときは、前条第1項第3号及び第4号に規定する工事以下「対策工事等」という。の計画が、特定予定建築物における土砂災害を防止するために必要な措置を政令で定める技術的基準に従い講じた の政令で定める技術的基準に従って講じていないものに関する工事の注文主若しくは請負人(請負工事の下請人を含む。又は請負契約によらないで自らその工事をしている者若しくはした者

4号 詐欺その他不正な手段により 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 又は 第17条第1項 《第10条第1項の許可この項の規定による許…》 可を含む。を受けた者は、第11条第1項第2号から第4号までに掲げる事項の変更をしようとする場合においては、都道府県知事の許可を受けなければならない。 ただし、変更後の予定建築物の用途が第10条第1項の の許可を受けた者

2項 前項の規定により必要な措置をとることを命じようとする場合において、過失がなくて当該措置を命ずべき者を確知することができないときは、都道府県知事は、その者の負担において、当該措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、当該措置を行うべき旨及びその期限までに当該措置を行わないときは、都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者が当該措置を行う旨を、あらかじめ、公告しなければならない。

3項 都道府県知事は、第1項の規定による命令をした場合においては、標識の設置その他国土交通省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない。

4項 前項の標識は、第1項の規定による命令に係る土地又は建築物若しくは建築物の敷地内に設置することができる。この場合においては、同項の規定による命令に係る土地又は建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者又は占有者は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。

22条 (立入検査)

1項 都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者は、 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定第17条第1項 《第10条第1項の許可この項の規定による許…》 可を含む。を受けた者は、第11条第1項第2号から第4号までに掲げる事項の変更をしようとする場合においては、都道府県知事の許可を受けなければならない。 ただし、変更後の予定建築物の用途が第10条第1項の第18条第2項 《2 都道府県知事は、前項の規定による届出…》 があったときは、遅滞なく、当該対策工事等が第12条の政令で定める技術的基準に適合しているかどうかについて検査し、その検査の結果当該対策工事等が当該政令で定める技術的基準に適合していると認めたときは、国第19条 《建築制限 第10条第1項の許可を受けた…》 開発区域特別警戒区域内のものに限る。内の土地においては、前条第3項の規定による公告があるまでの間は、第10条第1項の制限用途の建築物を建築してはならない。 又は前条第1項の規定による権限を行うため必要がある場合においては、当該土地に立ち入り、当該土地又は当該土地において行われている 対策工事 等の状況を検査することができる。

2項 第5条第5項 《5 第1項の規定により他人の占有する土地…》 に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。 の規定は、前項の場合について準用する。

3項 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

23条 (報告の徴収等)

1項 都道府県知事は、 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 又は 第17条第1項 《第10条第1項の許可この項の規定による許…》 可を含む。を受けた者は、第11条第1項第2号から第4号までに掲げる事項の変更をしようとする場合においては、都道府県知事の許可を受けなければならない。 ただし、変更後の予定建築物の用途が第10条第1項の の許可を受けた者に対し、当該許可に係る土地若しくは当該許可に係る 対策工事 等の状況について報告若しくは資料の提出を求め、又は当該土地における 土砂災害 を防止するために必要な助言若しくは勧告をすることができる。

24条 (特別警戒区域内における居室を有する建築物の構造耐力に関する基準)

1項 特別警戒区域 における 土砂災害 の発生を防止するため、 建築基準法 第20条第1項 《建築物は、自重、積載荷重、積雪荷重、風圧…》 、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃に対して安全な構造のものとして、次の各号に掲げる建築物の区分に応じ、当該各号に定める基準に適合するものでなければならない。 1 高さが60メートルを超える建 に基づく政令においては、居室を有する建築物の構造が当該土砂災害の発生原因となる自然現象により建築物に作用すると想定される衝撃に対して安全なものとなるよう建築物の構造耐力に関する基準を定めるものとする。

25条 (特別警戒区域内における居室を有する建築物に対する建築基準法の適用)

1項 特別警戒区域 建築基準法 第6条第1項第3号 《建築主は、第1号若しくは第2号に掲げる建…》 築物を建築しようとする場合増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第1号又は第2号に規定する規模のものとなる場合を含む。、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする に規定する区域を除く。)内における居室を有する建築物(同項第1号又は第2号に掲げるものを除く。)については、同項第3号の規定に基づき都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて 指定 する区域内における建築物とみなして、同法第6条から 第7条 《土砂災害警戒区域 都道府県知事は、基本…》 指針に基づき、急傾斜地の崩壊等が発生した場合には住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、当該区域における土砂災害河道閉塞による湛水を発生原因とするものを除く。以下この章 の五まで、 第18条 《工事完了の検査等 第10条第1項の許可…》 を受けた者は、当該許可に係る対策工事等の全てを完了したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。 2 都道府県知事は、前項の規定による届出があったときは、 、第89条、第91条及び第93条の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。

26条 (移転等の勧告)

1項 都道府県知事は、急傾斜地の崩壊等が発生した場合には 特別警戒区域 内に存する居室を有する建築物に損壊が生じ、住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれが大きいと認めるときは、当該建築物の所有者、管理者又は占有者に対し、当該建築物の移転その他 土砂災害 を防止し、又は軽減するために必要な措置をとることを勧告することができる。

2項 都道府県知事は、前項の規定による勧告をした場合において、必要があると認めるときは、その勧告を受けた者に対し、土地の取得についてのあっせんその他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

5章 避難に資する情報の提供等

27条 (土砂災害警戒情報の提供)

1項 都道府県知事は、 基本指針 に基づき、当該都道府県の区域を分けて定める区域ごとに、 土砂災害 の急迫した危険が予想される降雨量(以下この条において「 危険降雨量 」という。)を設定し、当該区域に係る降雨量が 危険降雨量 に達したときは、 災害対策基本法 第60条第1項 《災害が発生し、又は発生するおそれがある場…》 合において、人の生命又は身体を災害から保護し、その他災害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、必要と認める地域の必要と認める居住者等に対し、避難のための立退きを指示することがで の規定による避難のための立退きの指示の判断に資するため、土砂災害の発生を警戒すべき旨の情報(次項において「 土砂災害警戒情報 」という。)を関係のある市町村の長に通知するとともに、一般に周知させるため必要な措置を講じなければならない。

2項 前項の規定による 土砂災害 警戒情報の通知及び周知のための必要な措置は、その区域に係る降雨量が 危険降雨量 に達した区域(以下この項において「 危険降雨量区域 」という。)のほか、その周辺の区域のうち土砂災害が発生するおそれがあると認められるもの(危険降雨量区域において土石流が発生した場合には、当該土石流が到達し、土砂災害が発生するおそれがあると認められる区域を含む。)を明らかにしてするものとする。

28条 (都道府県知事が行う緊急調査)

1項 都道府県知事は、土石流、地滑り又は河道閉塞による湛水を発生原因とする重大な 土砂災害 の急迫した危険が予想されるものとして政令で定める状況があると認めるときは、 基本指針 に基づき、これらの自然現象を発生原因とする重大な土砂災害が想定される土地の区域及び時期を明らかにするため必要な調査(以下「 緊急調査 」という。)を行うものとする。ただし、次条第1項の規定により国土交通大臣が 緊急調査 を行う場合は、この限りでない。

2項 都道府県知事は、 緊急調査 の結果、 基本指針 に基づき、前項の重大な 土砂災害 の危険がないと認めるとき、又はその危険が急迫したものでないと認めるときは、当該緊急調査を終了することができる。

29条 (国土交通大臣が行う緊急調査)

1項 国土交通大臣は、前条第1項の政令で定める状況があると認める場合であって、当該 土砂災害 の発生原因である自然現象が 緊急調査 を行うために特に高度な専門的知識及び技術を要するものとして政令で定めるものであるときは、 基本指針 に基づき、緊急調査を行うものとする。

2項 国土交通大臣は、前項の規定により 緊急調査 を行おうとするときは、あらかじめ、緊急調査を行おうとする土地の区域を管轄する都道府県知事にその旨を通知しなければならない。次項において準用する前条第2項の規定により緊急調査を終了しようとするときも、同様とする。

3項 前条第2項の規定は、国土交通大臣が行う 緊急調査 について準用する。

30条 (緊急調査のための土地の立入り等)

1項 都道府県知事若しくは国土交通大臣又はこれらの命じた者若しくは委任した者は、 緊急調査 のためにやむを得ない必要があるときは、これらの必要な限度において、他人の占有する土地に立ち入り、又は特別の用途のない他人の土地を作業場として1時使用することができる。

2項 第5条 《基礎調査のための土地の立入り等 都道府…》 県知事又はその命じた者若しくは委任した者は、基礎調査のためにやむを得ない必要があるときは、その必要な限度において、他人の占有する土地に立ち入り、又は特別の用途のない他人の土地を作業場として1時使用する第1項及び第4項を除く。)の規定は、前項の規定による立入り及び1時使用について準用する。この場合において、同条第8項から第10項までの規定中「都道府県」とあるのは、「都道府県又は国」と読み替えるものとする。

31条 (土砂災害緊急情報の通知及び周知等)

1項 都道府県知事又は国土交通大臣は、 緊急調査 の結果、 基本指針 に基づき、 第28条第1項 《都道府県知事は、土石流、地滑り又は河道閉…》 塞による湛水を発生原因とする重大な土砂災害の急迫した危険が予想されるものとして政令で定める状況があると認めるときは、基本指針に基づき、これらの自然現象を発生原因とする重大な土砂災害が想定される土地の区 に規定する自然現象の発生により一定の土地の区域において重大な 土砂災害 の急迫した危険があると認めるとき、又は当該土砂災害が想定される土地の区域若しくは時期が明らかに変化したと認めるときは、 災害対策基本法 第60条第1項 《災害が発生し、又は発生するおそれがある場…》 合において、人の生命又は身体を災害から保護し、その他災害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、必要と認める地域の必要と認める居住者等に対し、避難のための立退きを指示することがで 及び第6項の規定による避難のための立退きの指示の判断に資するため、当該緊急調査により得られた当該土砂災害が想定される土地の区域及び時期に関する情報(次項において「 土砂災害緊急情報 」という。)を、都道府県知事にあっては関係のある市町村の長に、国土交通大臣にあっては関係のある都道府県及び市町村の長に通知するとともに、一般に周知させるため必要な措置を講じなければならない。

2項 都道府県知事又は国土交通大臣は、 土砂災害 緊急情報のほか、 緊急調査 により得られた情報を、都道府県知事にあっては関係のある市町村の長に、国土交通大臣にあっては関係のある都道府県及び市町村の長に随時提供するよう努めるものとする。

32条 (避難のための立退きの指示の解除に関する助言)

1項 市町村長は、 災害対策基本法 第60条第1項 《災害が発生し、又は発生するおそれがある場…》 合において、人の生命又は身体を災害から保護し、その他災害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、必要と認める地域の必要と認める居住者等に対し、避難のための立退きを指示することがで の規定による避難のための立退きの指示( 土砂災害 が発生し、又は発生するおそれがある場合におけるものに限る。)を解除しようとする場合において、必要があると認めるときは、国土交通大臣又は都道府県知事に対し、当該解除に関する事項について、助言を求めることができる。この場合において、助言を求められた国土交通大臣又は都道府県知事は、必要な助言をするものとする。

6章 雑則

33条 (費用の補助)

1項 国は、都道府県に対し、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、 基礎調査 に要する費用の一部を補助することができる。

34条 (資金の確保等)

1項 及び都道府県は、 第26条第1項 《都道府県知事は、急傾斜地の崩壊等が発生し…》 た場合には特別警戒区域内に存する居室を有する建築物に損壊が生じ、住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれが大きいと認めるときは、当該建築物の所有者、管理者又は占有者に対し、当該建築物の移転その他 の規定による勧告に基づく建築物の移転等が円滑に行われるために必要な資金の確保、融通又はそのあっせんに努めるものとする。

35条 (緊急時の指示)

1項 国土交通大臣は、 土砂災害 が発生し、又は発生するおそれがあると認められる場合において、土砂災害を防止し、又は軽減するため緊急の必要があると認められるときは、都道府県知事に対し、この法律の規定により都道府県知事が行う事務のうち政令で定めるものに関し、必要な指示をすることができる。

36条 (地方公共団体への援助)

1項 国土交通大臣は、 第31条第2項 《2 都道府県知事又は国土交通大臣は、土砂…》 災害緊急情報のほか、緊急調査により得られた情報を、都道府県知事にあっては関係のある市町村の長に、国土交通大臣にあっては関係のある都道府県及び市町村の長に随時提供するよう努めるものとする。 に規定するもののほか、 第7条第1項 《都道府県知事は、基本指針に基づき、急傾斜…》 地の崩壊等が発生した場合には住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、当該区域における土砂災害河道閉塞による湛水を発生原因とするものを除く。以下この章、次章及び第27条に の規定による 警戒区域 指定 及び 第9条第1項 《都道府県知事は、基本指針に基づき、警戒区…》 域のうち、急傾斜地の崩壊等が発生した場合には建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、一定の開発行為の制限及び居室建築基準法1950年法律第201 の規定による 特別警戒区域 の指定その他この法律に基づく都道府県及び市町村が行う事務が適正かつ円滑に行われるよう、都道府県及び市町村に対する必要な助言、情報の提供その他の援助を行うよう努めなければならない。

37条 (権限の委任)

1項 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、その一部を地方整備局長又は北海道開発局長に委任することができる。

7章 罰則

38条

1項 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金に処する。

1号 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 又は 第17条第1項 《第10条第1項の許可この項の規定による許…》 可を含む。を受けた者は、第11条第1項第2号から第4号までに掲げる事項の変更をしようとする場合においては、都道府県知事の許可を受けなければならない。 ただし、変更後の予定建築物の用途が第10条第1項の の規定に違反して、 特定開発行為 をした者

2号 第19条 《建築制限 第10条第1項の許可を受けた…》 開発区域特別警戒区域内のものに限る。内の土地においては、前条第3項の規定による公告があるまでの間は、第10条第1項の制限用途の建築物を建築してはならない。 の規定に違反して、 第10条第1項 《特別警戒区域内において、都市計画法196…》 8年法律第100号第4条第12項に規定する開発行為で当該開発行為をする土地の区域内において建築が予定されている建築物当該区域が特別警戒区域の内外にわたる場合においては、特別警戒区域外において建築が予定 の制限用途の建築物を建築した者

3号 第21条第1項 《都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当…》 する者に対して、特定予定建築物における土砂災害を防止するために必要な限度において、第10条第1項若しくは第17条第1項の許可を取り消し、若しくはその許可に付した条件を変更し、又は工事その他の行為の停止 の規定による都道府県知事の命令に違反した者

39条

1項 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の拘禁刑又は310,000円以下の罰金に処する。

1号 第5条第7項 《7 土地の占有者又は所有者は、正当な理由…》 がない限り、第1項の規定による立入り又は1時使用を拒み、又は妨げてはならない。 第30条第2項 《2 第5条第1項及び第4項を除く。の規定…》 は、前項の規定による立入り及び1時使用について準用する。 この場合において、同条第8項から第10項までの規定中「都道府県」とあるのは、「都道府県又は国」と読み替えるものとする。 において準用する場合を含む。)の規定に違反して、土地の立入り又は1時使用を拒み、又は妨げた者

2号 第22条第1項 《都道府県知事又はその命じた者若しくは委任…》 した者は、第10条第1項、第17条第1項、第18条第2項、第19条又は前条第1項の規定による権限を行うため必要がある場合においては、当該土地に立ち入り、当該土地又は当該土地において行われている対策工事 の規定による立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

40条

1項 第23条 《報告の徴収等 都道府県知事は、第10条…》 第1項又は第17条第1項の許可を受けた者に対し、当該許可に係る土地若しくは当該許可に係る対策工事等の状況について報告若しくは資料の提出を求め、又は当該土地における土砂災害を防止するために必要な助言若し の規定による報告又は資料の提出を求められて、報告若しくは資料を提出せず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者は、210,000円以下の罰金に処する。

41条

1項 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。

42条

1項 第14条第1項 《第9条第1項の規定による特別警戒区域の指…》 定の際当該特別警戒区域内において既に特定開発行為第10条第1項ただし書の政令で定める行為を除く。に着手している者は、その指定の日から起算して21日以内に、国土交通省令で定めるところにより、その旨を都道第17条第3項 《3 第10条第1項の許可を受けた者は、第…》 1項ただし書に該当する変更をしたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。 又は 第20条 《特定開発行為の廃止 第10条第1項の許…》 可を受けた者は、当該許可に係る対策工事等を廃止したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。 の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、210,000円以下の過料に処する。

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