制定文 人事院は、 国家公務員法 (1947年法律第120号)に基づき、国立大学教員等の株式会社等の監査役との兼業に関し次の人事院規則を制定する。
1条 (趣旨)
1項 研究職員が株式会社の監査役の職を兼ねる場合における法第103条第2項の規定による承認については、規則14―八(営利企業の役員等との兼業)の規定にかかわらず、この規則の定めるところによる。
2条 (定義)
1項 この規則において「 研究職員 」とは、試験研究機関等( 大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律 (1998年法律第52号)
第11条第1項
《国の試験研究機関であって政令で定めるもの…》
以下「特定試験研究機関」という。における技術に関する研究成果について、当該研究成果に係る国有の特許権若しくは特許を受ける権利又は国有の実用新案権若しくは実用新案登録を受ける権利の譲渡を受け、当該特許権
に規定する特定試験研究機関、 特許法 (1959年法律第121号)
第109条の2第3項第5号
《3 第1項の「試験研究機関等」とは、次の…》
各号のいずれかに該当する者をいう。 1 学校教育法1947年法律第26号第1条に規定する大学次号において「大学」という。の学長、副学長、学部長、教授、准教授、助教、講師、助手若しくはその他の職員のうち
に規定する特定試験研究独立行政法人、 科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律 (2008年法律第63号)
第2条第8項
《8 この法律において「試験研究機関等」と…》
は、次に掲げる機関のうち科学技術に関する試験又は研究以下単に「研究」という。を行うもので政令で定めるものをいう。 1 内閣府設置法1999年法律第89号第39条及び第55条並びに宮内庁法1947年法律
に規定する試験研究機関等その他人事院の定める機関をいう。以下この条において同じ。)の職員(試験研究機関等の長である職員を除く。)のうち研究をその職務の全部又は一部とする者をいう。
3条 (承認権限の委任)
1項 人事院は、法第103条第2項の規定により監査役兼業( 研究職員 が株式会社の監査役の職を兼ねることをいう。以下同じ。)に承認を与える権限を所轄庁の長又は行政執行法人の長(以下「 所轄庁の長等 」という。)に委任する。
2項 所轄庁の長等 は、前項の規定により委任された権限を部内の上級の職員のうち人事院が指定する者に委任することができる。
4条 (承認の基準等)
1項 前条第1項又は第2項の規定により監査役兼業に係る承認の権限の委任を受けた者(以下「 承認権者 」という。)は、監査役兼業について法第103条第2項の申出があった場合において、当該申出に係る監査役兼業が次に掲げる基準のいずれにも適合すると認めるときは、これを承認するものとする。
1号 承認の申出に係る 研究職員 が、当該申出に係る株式会社における監査役の職務に従事するために必要な知見を研究職員の職務に関連して有していること。
2号 研究職員 の占めている官職と承認の申出に係る株式会社(当該株式会社が会社法(2005年法律第86号)第2条第3号に規定する子会社である場合にあっては、同条第4号に規定する親会社を含む。
第6条第3号
《報告 第6条 第4条第1項の規定により承…》
認を受けて監査役兼業を行う研究職員は、4月から9月まで及び10月から翌年3月までの期間第9条において「半期」という。ごとに、監査役兼業状況報告書により、次に掲げる事項を承認権者に報告しなければならない
及び第4号を除き、以下同じ。)との間に、物品購入等の契約関係その他の特別な利害関係又はその発生のおそれがないこと。
3号 承認の申出前2年以内に、 研究職員 が当該申出に係る株式会社との間に、物品購入等の契約関係その他の特別な利害関係のある官職を占めていた期間がないこと。
4号 研究職員 としての職務の遂行に支障が生じないこと。
5号 その他公務の公正性及び信頼性の確保に支障が生じないこと。
2項 前項の承認は、監査役の任期等を考慮して定める期限を付して行うものとする。
5条 (承認の申出)
1項 監査役兼業に係る承認の申出は、監査役兼業承認申出書により行うものとする。
6条 (報告)
1項 第4条第1項
《前条第1項又は第2項の規定により監査役兼…》
業に係る承認の権限の委任を受けた者以下「承認権者」という。は、監査役兼業について法第103条第2項の申出があった場合において、当該申出に係る監査役兼業が次に掲げる基準のいずれにも適合すると認めるときは
の規定により承認を受けて監査役兼業を行う 研究職員 は、4月から9月まで及び10月から翌年3月までの期間(
第9条
《公表 所轄庁の長等は、半期ごとに、監査…》
役兼業の状況について第6条各号に掲げる事項を公表するものとする。
において「 半期 」という。)ごとに、監査役兼業状況報告書により、次に掲げる事項を 承認権者 に報告しなければならない。
1号 氏名、所属及び官職
2号 株式会社の名称
3号 株式会社の監査役としての職務に従事した日時等
4号 株式会社から受領した報酬及び金銭、物品その他の財産上の利益(実費弁償を除く。)の種類及び価額並びにその受領の事由
7条
1項 前条の 研究職員 は、
第5条
《承認の申出 監査役兼業に係る承認の申出…》
は、監査役兼業承認申出書により行うものとする。
の監査役兼業承認申出書に記載された事項のうち株式会社に係る事項で人事院の定めるものに変更があったときは、速やかにその旨を 承認権者 に報告しなければならない。
8条 (承認の取消し)
1項 承認権者 は、監査役兼業が
第4条第1項
《前条第1項又は第2項の規定により監査役兼…》
業に係る承認の権限の委任を受けた者以下「承認権者」という。は、監査役兼業について法第103条第2項の申出があった場合において、当該申出に係る監査役兼業が次に掲げる基準のいずれにも適合すると認めるときは
の承認の基準に適合しなくなったと認めるときは、その承認を取り消すものとする。
9条 (公表)
1項 所轄庁の長等 は、 半期 ごとに、監査役兼業の状況について
第6条
《報告 第4条第1項の規定により承認を受…》
けて監査役兼業を行う研究職員は、4月から9月まで及び10月から翌年3月までの期間第9条において「半期」という。ごとに、監査役兼業状況報告書により、次に掲げる事項を承認権者に報告しなければならない。 1
各号に掲げる事項を公表するものとする。
10条 (人事院の権限)
1項 人事院は、必要があると認めるときは、 所轄庁の長等 及び
第3条第2項
《2 所轄庁の長等は、前項の規定により委任…》
された権限を部内の上級の職員のうち人事院が指定する者に委任することができる。
の規定により監査役兼業に係る承認の権限の委任を受けた者に対し、監査役兼業に関する事務の実施状況について報告を求め、及び監査を行うことができる。
2項 人事院は、監査役兼業の承認がこの規則の規定に反すると認めるとき又は監査役兼業が
第4条第1項
《前条第1項又は第2項の規定により監査役兼…》
業に係る承認の権限の委任を受けた者以下「承認権者」という。は、監査役兼業について法第103条第2項の申出があった場合において、当該申出に係る監査役兼業が次に掲げる基準のいずれにも適合すると認めるときは
の承認の基準に適合しなくなったと認めるときは、その承認を取り消すことができる。
11条 (監査役兼業終了後の業務の制限)
1項 所轄庁の長等 は、監査役兼業の終了の日から2年間、当該監査役兼業を行った 研究職員 を、監査役兼業に係る株式会社との間に、物品購入等の契約関係その他の特別な利害関係のある業務に従事させないようにしなければならない。
12条 (適用除外)
1項 この規則は、非常勤職員(法第60条の2第1項に規定する短時間勤務の官職を占める職員を除く。)及び臨時的職員については、適用しない。
13条 (雑則)
1項 監査役兼業承認申出書及び監査役兼業状況報告書の様式その他この規則の実施に関し必要な事項は、人事院が定める。