1章 総則
1条 (目的)
1項 この法律は、独立行政法人国立病院機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
2条 (名称)
1項 この法律及び独立行政法人 通則法 (1999年法律第103号。以下「 通則法 」という。)の定めるところにより設立される通則法第2条第1項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人国立病院機構とする。
3条 (機構の目的)
1項 独立行政法人国立病院 機構 (以下「 機構 」という。)は、医療の提供、医療に関する調査及び研究並びに技術者の研修等の業務を行うことにより、国民の健康に重大な影響のある疾病に関する医療その他の医療であって、国の医療政策として機構が担うべきものの向上を図り、もって公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的とする。
4条 (中期目標管理法人)
1項 機構 は、 通則法
第2条第2項
《2 この法律において「中期目標管理法人」…》
とは、公共上の事務等のうち、その特性に照らし、一定の自主性及び自律性を発揮しつつ、中期的な視点に立って執行することが求められるもの国立研究開発法人が行うものを除く。を国が中期的な期間について定める業務
に規定する中期目標管理法人とする。
5条 (事務所)
1項 機構 は、主たる事務所を東京都に置く。
6条 (資本金)
1項 機構 の資本金は、附則第5条第2項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
2項 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、 機構 に追加して出資することができる。
3項 機構 は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
2章 役員及び職員
7条 (役員)
1項 機構 に、役員として、その長である理事長及び監事2人を置く。
2項 機構 に、役員として、副理事長1人及び理事5人以内を置くことができる。
3項 機構 に、役員として、前項の理事のほか、非常勤の理事8人以内を置くことができる。
8条 (副理事長及び理事の職務及び権限等)
1項 副理事長は、理事長の定めるところにより、 機構 を代表し、理事長を補佐して機構の業務を掌理する。
2項 理事は、理事長の定めるところにより、理事長(副理事長が置かれているときは、理事長及び副理事長)を補佐して 機構 の業務を掌理する。
3項 通則法
第19条第2項
《2 個別法で定める役員法人の長を除く。は…》
、法人の長の定めるところにより、法人の長に事故があるときはその職務を代理し、法人の長が欠員のときはその職務を行う。
の個別法で定める役員は、副理事長とする。ただし、副理事長が置かれていない場合であって理事が置かれているときは理事、副理事長及び理事が置かれていないときは監事とする。
4項 前項ただし書の場合において、 通則法
第19条第2項
《2 個別法で定める役員法人の長を除く。は…》
、法人の長の定めるところにより、法人の長に事故があるときはその職務を代理し、法人の長が欠員のときはその職務を行う。
の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
9条 (副理事長及び理事の任期)
1項 副理事長の任期は4年とし、理事の任期は2年とする。
10条 (役員の欠格条項の特例)
1項 通則法
第22条
《役員の欠格条項 政府又は地方公共団体の…》
職員非常勤の者を除く。は、役員となることができない。
の規定にかかわらず、教育公務員又は研究公務員で政令で定めるもの(次条各号のいずれかに該当する者を除く。)は、理事又は監事となることができる。
11条
1項 通則法
第22条
《役員の欠格条項 政府又は地方公共団体の…》
職員非常勤の者を除く。は、役員となることができない。
に定めるもののほか、次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
1号 物品の製造若しくは販売、工事の請負若しくは役務の提供を業とする者であって 機構 と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
2号 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
12条
1項 機構 の理事長及び副理事長の解任に関する 通則法
第23条第1項
《主務大臣又は法人の長は、それぞれその任命…》
に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至ったときは、その役員を解任しなければならない。
の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条及び 独立行政法人国立病院機構法 (2002年法律第191号)
第11条
《 通則法第22条に定めるもののほか、次の…》
各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。 1 物品の製造若しくは販売、工事の請負若しくは役務の提供を業とする者であって機構と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であると
」とする。
2項 機構 の理事及び監事の解任に関する 通則法
第23条第1項
《主務大臣又は法人の長は、それぞれその任命…》
に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至ったときは、その役員を解任しなければならない。
の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条並びに 独立行政法人国立病院機構法
第10条
《役員の欠格条項の特例 通則法第22条の…》
規定にかかわらず、教育公務員又は研究公務員で政令で定めるもの次条各号のいずれかに該当する者を除く。は、理事又は監事となることができる。
及び
第11条
《 通則法第22条に定めるもののほか、次の…》
各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。 1 物品の製造若しくは販売、工事の請負若しくは役務の提供を業とする者であって機構と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であると
」とする。
13条 (役員及び職員の秘密保持義務)
1項 機構 の役員及び職員は、職務上知ることができた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。その職を退いた後も、同様とする。
14条 (役員及び職員の地位)
1項 機構 の役員及び職員は、 刑法 (1907年法律第45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
3章 業務等
15条 (業務の範囲)
1項 機構 は、
第3条
《機構の目的 独立行政法人国立病院機構以…》
下「機構」という。は、医療の提供、医療に関する調査及び研究並びに技術者の研修等の業務を行うことにより、国民の健康に重大な影響のある疾病に関する医療その他の医療であって、国の医療政策として機構が担うべき
の目的を達成するため、次の業務を行う。
1号 医療を提供すること。
2号 医療に関する調査及び研究を行うこと。
3号 医療に関する技術者の研修を行うこと。
4号 前3号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
2項 機構 は、前項の業務のほか、同項の業務の遂行に支障のない範囲内で、その建物の一部、設備、器械及び器具を、機構に勤務しない医師又は歯科医師の診療又は研究のために利用させることができる。
16条 (施設別財務書類)
1項 機構 は、毎事業年度、医療を提供するために設置する施設ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、その財務に関する書類(以下「 施設別財務書類 」という。)を作成し、 通則法
第38条第1項
《独立行政法人は、毎事業年度、貸借対照表、…》
損益計算書、利益の処分又は損失の処理に関する書類その他主務省令で定める書類及びこれらの附属明細書以下「財務諸表」という。を作成し、当該事業年度の終了後3月以内に主務大臣に提出し、その承認を受けなければ
の規定により機構の財務諸表を厚生労働大臣に提出するときに、当該 施設別財務書類 を添付しなければならない。
2項 機構 は、 通則法
第38条第1項
《独立行政法人は、毎事業年度、貸借対照表、…》
損益計算書、利益の処分又は損失の処理に関する書類その他主務省令で定める書類及びこれらの附属明細書以下「財務諸表」という。を作成し、当該事業年度の終了後3月以内に主務大臣に提出し、その承認を受けなければ
の規定による厚生労働大臣の承認を受けたときは、同項に規定する財務諸表その他の書面とともに、遅滞なく、 施設別財務書類 を厚生労働省令で定めるところにより各事務所及び各施設に備えて置き、同条第3項の主務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。
17条 (積立金の処分)
1項 機構 は、 通則法
第29条第2項第1号
《2 中期目標においては、次に掲げる事項に…》
ついて具体的に定めるものとする。 1 中期目標の期間前項の期間の範囲内で主務大臣が定める期間をいう。以下同じ。 2 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項 3 業務運営の効率化
に規定する 中期目標の期間 (以下この項において「 中期目標の期間 」という。)の最後の事業年度に係る通則法第44条第1項又は第2項の規定による整理を行った後、同条第1項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち厚生労働大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第30条第1項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における
第15条
《業務の範囲 機構は、第3条の目的を達成…》
するため、次の業務を行う。 1 医療を提供すること。 2 医療に関する調査及び研究を行うこと。 3 医療に関する技術者の研修を行うこと。 4 前3号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。 2 機構は、
に規定する業務の財源に充てることができる。
2項 機構 は、前項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
3項 前2項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
18条 (長期借入金及び独立行政法人国立病院機構債券)
1項 機構 は、政令で定める施設の設置若しくは整備又は設備の設置に必要な費用に充てるため、厚生労働大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は独立行政法人国立病院機構債券(以下「 債券 」という。)を発行することができる。
2項 前項に規定するもののほか、 機構 は、長期借入金又は 債券 で政令で定めるものの償還に充てるため、厚生労働大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は債券を発行することができる。ただし、その償還期間が政令で定める期間のものに限る。
3項 前2項の規定による 債券 の債権者は、 機構 の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
4項 前項の先取特権の順位は、 民法 (1896年法律第89号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
5項 機構 は、厚生労働大臣の認可を受けて、 債券 の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。
6項 会社法(2005年法律第86号)第705条第1項及び第2項並びに第709条の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。
7項 前各項に定めるもののほか、第1項又は第2項の規定による長期借入金又は 債券 に関し必要な事項は、政令で定める。
19条 (債務保証)
1項 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(1946年法律第24号)第3条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、前条第1項又は第2項の規定による 機構 の長期借入金又は 債券 に係る債務( 国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律 (1953年法律第51号)
第2条
《外貨債務の保証 政府は、法人に対する政…》
府の財政援助の制限に関する法律1946年法律第24号第3条の規定にかかわらず、政令で定める法人が国際復興開発銀行又は外国政府金融機関当該金融機関に対する出資の金額の半額以上が外国政府の出資により設立さ
の規定に基づき政府が保証契約をすることができる債務を除く。)について保証することができる。
20条 (償還計画)
1項 機構 は、毎事業年度、長期借入金及び 債券 の償還計画を立てて、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
4章 雑則
21条 (緊急の必要がある場合の厚生労働大臣の要求)
1項 厚生労働大臣は、災害が発生し、若しくはまさに発生しようとしている事態又は公衆衛生上重大な危害が生じ、若しくは生じるおそれがある緊急の事態に対処するため必要があると認めるときは、 機構 に対し、
第15条第1項第1号
《機構は、第3条の目的を達成するため、次の…》
業務を行う。 1 医療を提供すること。 2 医療に関する調査及び研究を行うこと。 3 医療に関する技術者の研修を行うこと。 4 前3号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
又は第2号の業務のうち必要な業務の実施を求めることができる。
2項 機構 は、厚生労働大臣から前項の規定による求めがあったときは、正当な理由がない限り、その求めに応じなければならない。
22条 (財務大臣との協議)
1項 厚生労働大臣は、次の場合には、財務大臣に協議しなければならない。
1号 第17条第1項
《機構は、通則法第29条第2項第1号に規定…》
する中期目標の期間以下この項において「中期目標の期間」という。の最後の事業年度に係る通則法第44条第1項又は第2項の規定による整理を行った後、同条第1項の規定による積立金があるときは、その額に相当する
の承認をしようとするとき。
2号 第18条第1項
《機構は、政令で定める施設の設置若しくは整…》
備又は設備の設置に必要な費用に充てるため、厚生労働大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は独立行政法人国立病院機構債券以下「債券」という。を発行することができる。
、第2項若しくは第5項又は
第20条
《償還計画 機構は、毎事業年度、長期借入…》
金及び債券の償還計画を立てて、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
の認可をしようとするとき。
23条 (主務大臣等)
24条 (他の法令の準用)
1項 医療法(1948年法律第205号)その他政令で定める法令については、政令で定めるところにより、 機構 を国とみなして、これらの法令を準用する。
5章 罰則
25条
1項 第13条
《役員及び職員の秘密保持義務 機構の役員…》
及び職員は、職務上知ることができた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。 その職を退いた後も、同様とする。
の規定に違反して秘密を漏らし、又は盗用した者は、1年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金に処する。
26条
1項 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした 機構 の役員は、210,000円以下の過料に処する。
1号 第15条第1項
《機構は、第3条の目的を達成するため、次の…》
業務を行う。 1 医療を提供すること。 2 医療に関する調査及び研究を行うこと。 3 医療に関する技術者の研修を行うこと。 4 前3号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
及び第2項並びに附則第7条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
2号 第17条第1項
《機構は、通則法第29条第2項第1号に規定…》
する中期目標の期間以下この項において「中期目標の期間」という。の最後の事業年度に係る通則法第44条第1項又は第2項の規定による整理を行った後、同条第1項の規定による積立金があるときは、その額に相当する
の規定により厚生労働大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。
3号 第18条第1項
《機構は、政令で定める施設の設置若しくは整…》
備又は設備の設置に必要な費用に充てるため、厚生労働大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は独立行政法人国立病院機構債券以下「債券」という。を発行することができる。
、第2項若しくは第5項又は
第20条
《償還計画 機構は、毎事業年度、長期借入…》
金及び債券の償還計画を立てて、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
の規定により厚生労働大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかったとき。