制定文
警察法施行令 (1954年政令第151号)
第13条第1項
《国家公安委員会が法第5条第4項の規定によ…》
る管理に係る事務又は同条第5項若しくは第6項の事務を行うために必要な手続その他の事項については、国家公安委員会規則で定める。
の規定に基づき、 少年警察活動規則 を次のように定める。
1章 総則
1条 (趣旨)
1項 この規則は、少年の非行の防止及び保護を通じて少年の健全な育成を図るための警察活動(以下「 少年警察活動 」という。)に関し、必要な事項を定めるものとする。
2項 少年警察活動 に関しては、 警察法 (1954年法律第162号)、 警察官職務執行法 (1948年法律第136号)、 少年法 (1948年法律第168号)、 刑事訴訟法 (1948年法律第131号)、 児童福祉法 (1947年法律第164号)、 児童虐待の防止等に関する法律 (2000年法律第82号)、犯罪捜査規範(1957年国家公安委員会規則第2号)その他の法令(地方公共団体の条例又は規則を含む。)によるほか、この規則の定めるところによる。
2条 (定義)
1項 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
1号 少年 : 少年 法第2条第1項に規定する少年をいう。
2号 特定 少年 : 少年法
第62条第1項
《家庭裁判所は、特定少年18歳以上の少年を…》
いう。以下同じ。に係る事件については、第20条の規定にかかわらず、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致し
に規定する 特定少年 をいう。
3号 犯罪 少年 : 少年法
第3条第1項第1号
《次に掲げる少年は、これを家庭裁判所の審判…》
に付する。 1 罪を犯した少年 2 14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年 3 次に掲げる事由があつて、その性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年
に規定する少年をいう。
4号 触法 少年 : 少年法
第3条第1項第2号
《次に掲げる少年は、これを家庭裁判所の審判…》
に付する。 1 罪を犯した少年 2 14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年 3 次に掲げる事由があつて、その性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年
に規定する少年をいう。
5号 ぐ犯 少年 : 少年法
第3条第1項第3号
《次に掲げる少年は、これを家庭裁判所の審判…》
に付する。 1 罪を犯した少年 2 14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年 3 次に掲げる事由があつて、その性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年
に規定する少年( 特定少年 に該当する場合を除く。)をいう。
6号 非行 少年 : 犯罪少年 、 触法少年 及び ぐ犯少年 をいう。
7号 不良行為 少年 : 非行少年 には該当しないが、飲酒、喫煙、深夜はいかいその他自己又は他人の徳性を害する行為(以下不良行為という。)をしている少年をいう。
8号 被害 少年 :犯罪その他少年の健全な育成を阻害する行為により被害を受けた少年をいう。
9号 要保護 少年 : 児童福祉法 による福祉のための措置又はこれに類する保護のための措置が必要と認められる少年( 非行少年 又は児童虐待を受けたと思われる児童に該当する場合を除く。)をいう。
10号 児童虐待を受けたと思われる児童 : 児童虐待の防止等に関する法律
第2条
《児童虐待の定義 この法律において、「児…》
童虐待」とは、保護者親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。がその監護する児童18歳に満たない者をいう。以下同じ。について行う次に掲げる行為をいう。 1 児童の
に規定する 児童虐待を受けたと思われる児童 をいう。
11号 低年齢 少年 :14歳未満の者をいう。
12号 保護者 : 少年 法第2条第2項に規定する者をいう。
13号 少年補導職員 : 少年 相談(少年の非行の防止及び保護に関する相談をいう。以下同じ。)、継続補導(
第8条第2項
《2 少年相談に係る少年について、その非行…》
の防止を図るため特に必要と認められる場合には、保護者の同意を得た上で、家庭、学校、交友その他の環境について相当の改善が認められるまでの間、本人に対する助言又は指導その他の補導を継続的に実施するものとす
(同条第5項(
第14条第2項
《2 第8条第2項から第5項までの規定は、…》
不良行為少年について準用する。
において準用する場合を含む。)の規定により読み替えて適用する場合並びに
第13条第3項
《3 触法少年であって少年法第6条の6第1…》
項の規定により送致すべき者若しくは児童福祉法第25条第1項の規定により通告すべき者に該当しないもの又は14歳未満のぐ犯少年であって同項の規定により通告すべき者に該当しないものの処遇については、第1項に
及び
第14条第2項
《2 第8条第2項から第5項までの規定は、…》
不良行為少年について準用する。
において準用する場合を含む。)の規定により行う継続的な補導をいう。)、 被害少年 に対する継続的な支援その他の特に専門的な知識及び技能を必要とする 少年警察活動 を行わせるため、当該活動に必要な知識及び技能を有する都道府県警察の職員(警察官を除く。)のうちから警察本部長(警視総監及び道府県警察本部長をいう。以下同じ。)が命じた者をいう。
14号 少年サポートセンター :警視庁、道府県警察本部又は方面本部の内部組織のうち、 少年 補導職員又は前号に規定する知識及び技能を有する警察官(以下少年補導職員等という。)を配置し、専門的な知識及び技能を必要とし、又は継続的に実施することを要する 少年警察活動 について中心的な役割を果たすための組織として警察本部長及び方面本部長が定めるものをいう。
3条 (少年警察活動の基本)
1項 少年警察活動 を行うに際しては、次の各号に掲げる事項を基本とするものとする。
1号 少年 の健全な育成を期する精神をもって当たるとともに、その規範意識の向上及び立直りに資するよう配意すること。
2号 少年 の心理、生理その他の特性に関する深い理解をもって当たること。
3号 少年 の性行及び環境を深く洞察し、非行の原因の究明や犯罪被害等の状況の把握に努め、その非行の防止及び保護をする上で最も適切な処遇の方法を講ずるようにすること。
4号 秘密の保持に留意して、 少年 その他の関係者が秘密の漏れることに不安を抱かないように配意すること。
5号 少年 の非行の防止及び保護に関する国際的動向に10分配慮すること。
4条 (部門間の連絡等)
1項 警察本部長及び警察署長は、 少年 に係る事案の適切な取扱いを確保し、及び少年に対する暴力団の影響の排除、暴走族等の非行集団に係る対策その他の複数の部門に関係する施策を的確に推進するため、少年警察部門( 少年警察活動 を所掌する部門をいう。以下同じ。)とその他の警察部門との緊密な連絡を保たせるものとする。
2項 警察本部長及び警察署長は、全ての警察職員が 少年警察活動 の基本を理解するよう、適切かつ効果的な教養を実施するものとする。
3項 関東管区警察局長は、サイバー特別捜査部の警察職員が 少年警察活動 の基本を理解するよう、適切かつ効果的な教養を実施するとともに、 少年 に係る事案の適切な取扱いを確保するため、サイバー特別捜査部に、都道府県警察の少年警察部門との緊密な連絡を保たせるものとする。
5条 (関係機関等との連携)
1項 少年警察活動 は、学校、家庭裁判所、児童相談所その他の 少年 の健全な育成に関係する業務を行う機関又は少年の健全な育成のための活動を行うボランティア若しくは団体との連携と適切な役割分担の下に行うものとする。
6条 (早期発見)
1項 第2条第6号
《定義 第2条 この規則において、次の各号…》
に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 1 少年 :dfn: 少年法第2条第1項に規定する少年をいう。 2 特定少年 :dfn: 少年法第62条第1項に規定する特定少年をいう。
から第10号までに掲げる 少年 については、街頭補導(次条第1項に規定する街頭補導をいう。)及び少年相談を適切に実施し、並びに警察の各部門間及び警察と関係機関の連携を図り、これらを早期に発見するように努めるものとする。
2章 一般的活動
7条 (街頭補導)
1項 街頭補導(道路その他の公共の場所、駅その他の多数の客の来集する施設又は風俗営業の営業所その他の 少年 の非行が行われやすい場所において、前条に規定する少年を発見し、必要に応じその場で、これらに
第13条第1項
《非行少年については、当該少年に係る事件の…》
捜査又は調査のほか、その適切な処遇に資するため必要な範囲において、時機を失することなく、本人又はその保護者に対する助言、学校その他の関係機関への連絡その他の必要な措置をとるものとする。
、
第14条第1項
《不良行為少年を発見したときは、当該不良行…》
為についての注意、その後の非行を防止するための助言又は指導その他の補導を行い、必要に応じ、保護者学校又は職場の関係者に連絡することが特に必要であると認めるときは、保護者及び当該関係者に連絡するものとす
、
第36条第1項
《被害少年については、適切な助言を行う等必…》
要な支援を実施するものとする。
、
第38条第1項
《要保護少年については、児童福祉法第25条…》
第1項の規定による児童相談所への通告、同法第33条第1項又は第2項の規定による委託を受けて行う1時保護その他これらに類する保護のための措置の適切な実施のため、本人又はその保護者に対する助言、学校その他
又は
第39条第1項
《児童虐待を受けたと思われる児童については…》
、児童虐待の防止等に関する法律第6条第1項の規定による児童相談所への通告又は児童福祉法第33条第1項若しくは第2項の規定による委託を受けて行う1時保護の適切な実施のため、本人又はその保護者に対する助言
に規定する措置を執る活動をいう。以下同じ。)は、自らの身分を明らかにし、その他相手方の権利を不当に害することのないよう注意して行うものとする。
2項 前条に規定する 少年 を早期に発見するため必要があるときは、街頭補導の実施に当たり、学校その他の関係機関、少年の健全な育成のための活動を行うボランティアその他の関係者の協力を求めるものとする。
8条 (少年相談)
1項 少年 又は 保護者 その他の関係者から少年相談を受けたときは、懇切を旨として、その内容に応じ、指導又は助言、関係機関への引継ぎその他適切な処理を行うものとする。
2項 少年 相談に係る少年について、その非行の防止を図るため特に必要と認められる場合には、 保護者 の同意を得た上で、家庭、学校、交友その他の環境について相当の改善が認められるまでの間、本人に対する助言又は指導その他の補導を継続的に実施するものとする。
3項 前項の規定による補導は、 少年 サポートセンターに配置された少年補導職員等(やむを得ない理由がある場合には、少年サポートセンターの指導の下、少年警察部門に属するその他の警察職員)が実施するものとする。
4項 少年 サポートセンターにおいては、第2項の規定による補導の適切な実施のため必要があるときは、 保護者 の同意を得た上で、これを学校関係者その他の適当な者と協力して実施するものとする。
5項 特定少年 に対する第2項及び前項の規定の適用については、これらの規定中「 保護者 」とあるのは、「本人」とする。
9条 (少年の規範意識の向上等に資する活動)
1項 広く 少年 の参加を得て行うボランティア活動等の社会奉仕体験活動、柔道、剣道等のスポーツ活動その他の少年の規範意識の向上又は社会の一員としての意識の涵養に資するための体験活動については、学校その他の関係機関等が実施する少年の健全な育成のための活動との適切な役割分担の下、 少年警察活動 に関する知見、警察職員の能力その他警察業務の専門性を生かして、効果的に実施するものとする。
10条 (情報発信)
1項 少年警察活動 については、 少年 の健全な育成に関する国民の理解を深めるため、少年の非行及び犯罪被害の実態並びに少年警察活動の状況に関する情報を積極的に発信するものとする。この場合においては、関係機関との協議会の開催、関係機関が開催する講習会等への協力その他の適切な方法により、少年警察活動に関する専門的な知見が関係機関等における少年の健全な育成のための活動に反映されるよう配慮するものとする。
11条 (有害環境の影響の排除に係る都道府県知事への連絡等)
1項 警察本部長及び警察署長は、 少年 が容易に見ることができるような状態で性的好奇心をそそる写真、ビデオテープその他の物品が販売されていることその他の少年の心身に有害な影響を与える環境(以下「 有害環境 」という。)があると認めるときは、都道府県知事その他の関係行政機関に対し、その旨を連絡するものとし、広報啓発その他の地域における民間公益活動、酒類販売業者等の事業者による顧客の年齢確認その他の民間における 有害環境 の少年に対する影響を排除するための自主的な活動に関し、その求めに応じ、必要な配慮を加えるものとする。
3章 少年の非行の防止のための活動 > 1節 通則
12条 (捜査又は調査を行う部門)
1項 警察本部長又は警察署長は、 犯罪少年 に係る事件の捜査又は 触法少年 に係る事件の調査(以下「 触法調査 」という。)若しくは ぐ犯少年 に係る事件の調査(以下「 ぐ犯調査 」という。)を 少年 警察部門に属する警察官に行わせるものとする。ただし、事件の内容及び当該警察本部又は警察署の実情に鑑み、適切な捜査又は調査の実施のため必要と認められるときは、この限りでない。
2項 警察本部長又は警察署長は、前項ただし書の場合においても、 少年 の特性に配慮した捜査又は調査が行われるよう、少年警察部門に属する警察官に捜査又は調査の経過について常に把握させ、捜査又は調査を行う警察官に対する必要な支援を行わせるものとする。
3項 関東管区警察局長は、 犯罪少年 、 触法少年 又は ぐ犯少年 に係る事件があると認めるときは、速やかに、サイバー特別捜査部に、関係都道府県警察の 少年 警察部門への当該事件の移送又は引継ぎを行わせるものとする。この場合において、適切な捜査又は調査が行われるよう、サイバー特別捜査部に、当該少年警察部門に対する必要な支援を行わせるものとする。
4項 関東管区警察局長は、前項の規定にかかわらず、適切な捜査の実施のため必要と認められる場合には、サイバー特別捜査部の警察官に、 犯罪少年 に係る事件の捜査を行わせることができる。この場合において、 少年 の特性に配慮した捜査が行われるよう、サイバー特別捜査部に、関係都道府県警察の少年警察部門との緊密な連携を保たせ、当該少年警察部門に属する警察官に対し、当該捜査を行う警察官に対する必要な支援を求めさせるものとする。
13条 (非行少年についての活動)
1項 非行少年 については、当該 少年 に係る事件の捜査又は調査のほか、その適切な処遇に資するため必要な範囲において、時機を失することなく、本人又はその 保護者 に対する助言、学校その他の関係機関への連絡その他の必要な措置をとるものとする。
2項 触法調査 又は ぐ犯調査 を行うに当たっては、特に家庭裁判所及び児童相談所との連携を密にしつつ、これを進めなければならない。
3項 触法少年 であって 少年 法第6条の6第1項の規定により送致すべき者若しくは 児童福祉法
第25条第1項
《要保護児童を発見した者は、これを市町村、…》
都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。 ただし、罪を犯した満14歳以上の児童については、この
の規定により通告すべき者に該当しないもの又は14歳未満の ぐ犯少年 であって同項の規定により通告すべき者に該当しないものの処遇については、第1項に定めるもののほか、
第8条第2項
《前項に規定する審議会その他の合議制の機関…》
以下「都道府県児童福祉審議会」という。は、同項に定めるもののほか、児童、妊産婦及び知的障害者の福祉に関する事項を調査審議することができる。
から第4項までの規定を準用する。
14条 (不良行為少年についての活動)
1項 不良行為少年 を発見したときは、当該不良行為についての注意、その後の非行を防止するための助言又は指導その他の補導を行い、必要に応じ、 保護者 (学校又は職場の関係者に連絡することが特に必要であると認めるときは、保護者及び当該関係者)に連絡するものとする。
2項 第8条第2項
《2 少年相談に係る少年について、その非行…》
の防止を図るため特に必要と認められる場合には、保護者の同意を得た上で、家庭、学校、交友その他の環境について相当の改善が認められるまでの間、本人に対する助言又は指導その他の補導を継続的に実施するものとす
から第5項までの規定は、 不良行為少年 について準用する。
2節 触法調査
15条 (触法調査の基本)
1項 触法調査 については、 少年 法及び 児童福祉法 に基づく措置に資することを念頭に置き、少年の健全な育成を期する精神をもって、これに当たらなければならない。
2項 触法調査 を行うに当たっては、特に 低年齢少年 が精神的に未成熟であり、可塑性に富むこと、迎合する傾向にあること等の特性を有することにかんがみ、特に他人の耳目に触れないようにし、 少年 に対する言動に注意する等温情と理解をもって当たり、少年の心情と早期の立直りに配慮しなければならない。
16条 (調査すべき事項)
1項 触法調査 においては、事件の事実、原因及び動機並びに当該 少年 の性格、行状、経歴、教育程度、環境、家庭の状況、交友関係等について調査するものとする。
17条 (調査指揮)
1項 触法調査 の指揮については、犯罪捜査規範
第16条
《調査すべき事項 触法調査においては、事…》
件の事実、原因及び動機並びに当該少年の性格、行状、経歴、教育程度、環境、家庭の状況、交友関係等について調査するものとする。
から
第19条
《付添人の選任 少年法第6条の3に規定す…》
る付添人の選任については、付添人を選任することができる者又は付添人から両者が連署した付添人選任届を差し出させるものとする。
(事件指揮簿に関する部分を除く。)までの規定を準用する。この場合において、
第16条
《調査すべき事項 触法調査においては、事…》
件の事実、原因及び動機並びに当該少年の性格、行状、経歴、教育程度、環境、家庭の状況、交友関係等について調査するものとする。
中「捜査」又は「犯罪の捜査」とあるのは「 触法少年 に係る事件の調査」と、「捜査態勢」とあるのは「調査態勢」と、
第17条
《調査指揮 触法調査の指揮については、犯…》
罪捜査規範第16条から第19条事件指揮簿に関する部分を除く。までの規定を準用する。 この場合において、第16条中「捜査」又は「犯罪の捜査」とあるのは「触法少年に係る事件の調査」と、「捜査態勢」とあるの
の見出し中「捜査担当部課長」とあるのは「調査担当部長及び課長」と、同条中「刑事部長、警備部長その他犯罪の捜査を担当する部課長」とあるのは「触法少年に係る事件の調査を担当する部長及び課長」と、「犯罪の捜査の」とあるのは「触法少年に係る事件の調査の」と、
第18条
《調査主任官 警察本部長又は警察署長は、…》
個々の触法調査につき、調査主任官を指名するものとする。 2 調査主任官は、前条第1項の規定により読み替えて準用する犯罪捜査規範第16条から第19条事件指揮簿に関する部分を除く。までの規定により指揮を受
中「犯罪の捜査」又は「捜査」とあるのは「触法少年に係る事件の調査」と、
第19条
《付添人の選任 少年法第6条の3に規定す…》
る付添人の選任については、付添人を選任することができる者又は付添人から両者が連署した付添人選任届を差し出させるものとする。
の見出し中「捜査指揮」とあるのは「調査指揮」と、同条第1項中「犯罪の捜査」とあるのは「触法少年に係る事件の調査」と読み替えるものとする。
2項 触法少年 に係る事件については、警察庁 長官 (以下「 長官 」という。)が定める様式の 少年 事件処理簿を作成し、 触法調査 の指揮及び事件の送致又は通告その他の事件の処理の経過を明らかにしておかなければならない。
18条 (調査主任官)
1項 警察本部長又は警察署長は、個々の 触法調査 につき、調査主任官を指名するものとする。
2項 調査主任官は、前条第1項の規定により読み替えて準用する犯罪捜査規範
第16条
《調査すべき事項 触法調査においては、事…》
件の事実、原因及び動機並びに当該少年の性格、行状、経歴、教育程度、環境、家庭の状況、交友関係等について調査するものとする。
から
第19条
《付添人の選任 少年法第6条の3に規定す…》
る付添人の選任については、付添人を選任することができる者又は付添人から両者が連署した付添人選任届を差し出させるものとする。
(事件指揮簿に関する部分を除く。)までの規定により指揮を受け、当該 触法調査 につき、次に掲げる職務を行うものとする。
1号 調査すべき事項及び調査に従事する者の任務分担を定めること。
2号 押収物及びその換価代金の出納を承認し、これらの保管の状況を常に把握すること。
3号 調査方針を立てること。
4号 調査に従事する者に対し、調査の状況に関し報告を求めること。
5号 調査の適正な遂行及び当該調査に係る 少年 の自殺その他の事故の防止について調査に従事する者に対する指導教養を行うこと。
6号 家庭裁判所、児童相談所、学校その他の関係機関との連絡調整を行うこと。
7号 前各号に掲げるもののほか、警察本部長又は警察署長から特に命ぜられた事項
3項 警察本部長又は警察署長は、第1項の規定により調査主任官を指名する場合には、当該事件の内容並びに所属の職員の調査能力、知識経験及び職務遂行の状況を勘案し、前項に規定する職務を的確に行うことができると認められる者を指名しなければならない。
4項 調査主任官が交代する場合には、関係書類、証拠物等の引継ぎを確実に行うとともに、調査の状況その他必要な事項を明らかにし、事後の調査に支障を来すことのないようにしなければならない。
19条 (付添人の選任)
1項 少年 法第6条の3に規定する付添人の選任については、付添人を選任することができる者又は付添人から両者が連署した付添人選任届を差し出させるものとする。
20条 (触法調査のための呼出し及び質問)
1項 触法調査 のため、 触法少年 であると疑うに足りる相当の理由のある者(以下この条において「 少年 」という。)、 保護者 又は参考人を呼び出すに当たっては、電話、 長官 が定める様式の呼出状の送付その他適当な方法により、出向くべき日時、場所、用件その他必要な事項を呼出人に確実に伝達しなければならない。この場合において、 少年 又は重要な参考人の呼出しについては、警察本部長又は警察署長に報告して、その指揮を受けなければならない。
2項 少年 を呼び出し、質問するに当たっては、当該少年の 保護者 又はこれに代わるべき者に連絡するものとする。ただし、連絡することが当該少年の福祉上著しく不適当であると認められるときは、この限りでない。
3項 少年 を呼び出し、質問するに当たっては、当該少年に無用の緊張又は不安を与えることのないよう言動に注意するとともに、やむを得ない場合を除き、夜間に呼び出し、質問すること、長時間にわたり質問すること及び他人の耳目に触れるおそれがある場所において質問することを避けなければならない。
4項 少年 に質問するに当たっては、当該少年に無用の緊張又は不安を与えることを避け、事案の真相を明らかにし、事後の効果的な指導育成に資するよう、少年の 保護者 その他の当該少年の保護又は監護の観点から適切と認められる者の立会いについて配慮するものとする。
5項 少年 、 保護者 又は参考人を呼び出す場合には、 長官 が定める様式の呼出簿に所要事項を記載して、その処理の経過を明らかにしておかなければならない。
21条 (令状の請求)
1項 少年 法第6条の5第2項において準用する 刑事訴訟法 中の司法警察職員の行う押収、捜索、検証及び鑑定の嘱託に関する規定(同法第224条を除く。)による捜索、差押え、記録命令付差押え、検証若しくは身体検査の令状又は鑑定処分許可状は、同法第199条第2項の規定に基づき都道府県公安委員会が指定する警部以上の階級にある司法警察員たる警察官がこれを請求するものとする。ただし、やむを得ないときは、他の司法警察員たる警察官が請求しても差し支えない。
2項 前項の令状を請求するに当たっては、順を経て警察本部長又は警察署長に報告し、その指揮を受けなければならない。ただし、急速を要し、指揮を受けるいとまのない場合には、請求後速やかに、その旨を報告するものとする。
3項 第1項の令状を請求したときは、 長官 が定める様式の令状請求簿により、請求の手続、発付後の状況等を明らかにしておかなければならない。
22条 (触法少年に係る事件の送致又は通告)
1項 触法調査 の結果、次の各号に該当するときは、当該各号の手続により処理をするものとする。
1号 当該 少年 が 少年法
第6条の6第1項
《警察官は、調査の結果、次の各号のいずれか…》
に該当するときは、当該調査に係る書類とともに事件を児童相談所長に送致しなければならない。 1 第3条第1項第2号に掲げる少年に係る事件について、その少年の行為が次に掲げる罪に係る刑罰法令に触れるもので
各号のいずれかに該当するとき 長官 が定める様式の 触法少年 事件送致書を作成し、これに長官が定める様式の身上調査表その他の関係書類を添付して児童相談所長に送致すること。
2号 前号に掲げるもののほか、当該 少年 に 保護者 がないとき又は保護者に監護させることが不適当であると認められるとき 長官 が定める様式の児童通告書により児童相談所に通告するほか、 少年法第6条の2第3項の規定に基づく警察職員の職務等に関する規則 (2007年国家公安委員会規則第23号)別記様式の調査概要結果通知書により児童相談所に通知すること。
2項 前項の処理をするに当たっては、警察本部長又は警察署長の指揮を受けて行わなければならない。
23条 (関連事件の送致)
1項 数個の 触法少年 に係る事件が関連する場合において、これらを共に児童相談所長に送致するときは、各別の記録とすることを要しないものとする。
24条 (共通証拠物の取扱い)
1項 触法少年 に係る事件が20歳以上の者又は 犯罪少年 に係る事件と関連し、これらを送致し、又は送付する場合において、共通の証拠物があるときは、20歳以上の者又は犯罪少年に係る事件に証拠物を添付し、触法少年に係る事件の記録にその旨を記載するものとする。ただし、触法少年に係る事件のみが重要と認められ、かつ、当該触法少年について 児童福祉法
第27条第1項第4号
《都道府県は、前条第1項第1号の規定による…》
報告又は少年法第18条第2項の規定による送致のあつた児童につき、次の各号のいずれかの措置を採らなければならない。 1 児童又はその保護者に訓戒を加え、又は誓約書を提出させること。 2 児童又はその保護
の措置が執られた場合は、当該措置に係る家庭裁判所に証拠物を送付するものとする。
25条 (指導教養)
1項 警察本部長及び警察署長は、 触法調査 に従事する者に対し、 低年齢少年 の特性その他の職務遂行に必要な知識及び技能に関する指導教養を行うものとする。
26条 (準用規定)
1項 触法調査 については、この節に規定するもののほか、その性質に反しない限り、犯罪捜査規範第12章の例によるものとする。
3節 ぐ犯調査
27条 (ぐ犯調査の基本)
1項 犯罪の捜査、 触法調査 、 少年 相談その他の活動において、 ぐ犯少年 と認められる者を発見した場合は、 少年法 及び 児童福祉法 に基づく措置に資することを念頭に置き、少年の健全な育成を期する精神をもって、当該少年に係る事件の調査に当たるものとする。
2項 ぐ犯調査 を行うに当たっては、 少年 の心理、生理その他の特性にかんがみ、特に他人の耳目に触れないようにし、少年に対する言動に注意する等温情と理解をもって当たり、その心情を傷つけないよう努めなければならない。
28条 (ぐ犯調査を行うことができる警察職員)
1項 少年 法第6条の2第3項の規定に基づく警察職員の職務等に関する規則第1条の規定により警察本部長が指定した警察職員は、上司である警察官の命を受け、 ぐ犯調査 を行うことができる。
29条 (調査すべき事項)
1項 ぐ犯調査 においては、事件の事実、原因及び動機並びに当該 少年 の性格、行状、経歴、教育程度、環境、家庭の状況、交友関係等について調査するものとする。
30条 (調査主任官等)
1項 警察本部長又は警察署長は、調査すべき事項及び調査に従事する者の任務分担の決定、関係機関との連絡調整その他の適正な調査の遂行及び管理のために必要な職務を行わせるため、個々の ぐ犯調査 につき、調査主任官を指名するものとする。
2項 調査主任官が交代する場合には、関係書類等の引継ぎを確実に行うとともに、調査の状況その他必要な事項を明らかにし、事後の調査に支障を来すことのないようにしなければならない。
3項 ぐ犯少年 に係る事件については、 長官 が定める様式の 少年 事件処理簿を作成し、 ぐ犯調査 の指揮及び事件の送致又は通告その他の事件の処理の経過を明らかにしておかなければならない。
31条 (ぐ犯調査のための呼出し及び質問)
1項 ぐ犯調査 のため、 ぐ犯少年 と認められる者(以下この条において「 少年 」という。)、 保護者 又は参考人を呼び出すに当たっては、電話、 長官 が定める様式の呼出状の送付その他適当な方法により、出向くべき日時、場所、用件その他必要な事項を呼出人に確実に伝達しなければならない。この場合において、 少年 又は重要な参考人の呼出しについては、警察本部長又は警察署長に報告して、その指揮を受けなければならない。
2項 少年 を呼び出し、質問するに当たっては、当該少年の 保護者 又はこれに代わるべき者に連絡するものとする。ただし、連絡することが当該少年の福祉上著しく不適当であると認められるときは、この限りでない。
3項 少年 、 保護者 又は参考人を呼び出す場合には、 長官 が定める様式の呼出簿に所要事項を記載して、その処理の経過を明らかにしておかなければならない。
32条 (低年齢少年に係るぐ犯調査における配慮)
1項 低年齢少年 に係る ぐ犯調査 を行うに当たっては、特に低年齢少年が精神的に未成熟であり、可塑性に富むこと、迎合する傾向にあること等の特性を有することにかんがみ、 少年 の心情と早期の立直りに配慮しなければならない。
2項 低年齢少年 であって ぐ犯少年 と認められる者(以下この項及び次項において「 少年 」という。)を呼び出し、質問するに当たっては、当該 少年 に無用の緊張又は不安を与えることのないよう言動に注意するとともに、やむを得ない場合を除き、夜間に呼び出し、質問すること、長時間にわたり質問すること及び他人の耳目に触れるおそれがある場所において質問することを避けなければならない。
3項 少年 に質問するに当たっては、当該少年に無用の緊張又は不安を与えることを避け、事案の真相を明らかにし、事後の効果的な指導育成に資するよう、少年の 保護者 その他の当該少年の保護又は監護の観点から適切と認められる者の立会いについて配慮するものとする。
33条 (ぐ犯少年に係る事件の送致又は通告)
1項 ぐ犯調査 の結果、次の各号に該当するときは、当該各号に定める手続により処理をするものとする。
1号 処理をする時において、当該 少年 が14歳以上18歳未満であって、その者を家庭裁判所の審判に付することが適当と認められるとき。 長官 が定める様式の ぐ犯少年 事件送致書を作成し、これに長官が定める様式の身上調査表その他の関係書類を添付して家庭裁判所に送致すること。
2号 処理をする時において、当該 少年 が14歳以上18歳未満であって、 保護者 がないとき又は保護者に監護させることが不適当であると認められ、かつ、家庭裁判所に直接送致するよりも、まず、 児童福祉法 による措置に委ねるのが適当であると認められるとき。 長官 が定める様式の児童通告書により児童相談所に通告すること。
3号 処理をする時において、当該 少年 が 低年齢少年 であって、 保護者 がないとき又は保護者に監護させることが不適当であると認められるとき。 長官 が定める様式の児童通告書により児童相談所に通告すること。
2項 前項の処理をするに当たっては、警察本部長又は警察署長の指揮を受けて行わなければならない。
34条 (指導教養)
1項 警察本部長及び警察署長は、 ぐ犯調査 に従事する者に対し、職務遂行に必要な知識及び技能に関する指導教養を行うものとする。
4節 雑則
35条 (長官への委任)
1項 この章に定めるもののほか、 触法調査 又は ぐ犯調査 に関する書類の様式その他必要な事項は、 長官 の定めるところによる。
4章 少年の保護のための活動
36条 (被害少年についての活動)
1項 被害少年 については、適切な助言を行う等必要な支援を実施するものとする。
2項 前項に定めるもののほか、 被害少年 について、その精神的打撃の軽減を図るため特に必要と認められるときは、 保護者 の同意を得た上で、カウンセリングの実施、関係者への助言その他の継続的な支援を実施するものとする。
3項 前項に規定する継続的な支援について、その適切な実施のため必要があるときは、 保護者 の同意を得た上で、これを学校関係者その他の適当な者と協力して実施するものとする。
4項 特定少年 に対する前2項の規定の適用については、これらの規定中「 保護者 」とあるのは「本人」とする。
37条 (福祉犯の被害少年についての活動)
1項 福祉犯(児童買春に係る犯罪、児童にその心身に有害な影響を与える行為をさせる犯罪その他の 少年 の福祉を害する犯罪であって 長官 が定めるものをいう。以下同じ。)の 被害少年 については、当該福祉犯に係る捜査、前条に規定する支援のほか、当該少年が再び被害にあうことを防止するため 保護者 その他の関係者に配慮を求め、及び関係行政機関への連絡その他の同種の犯罪の発生を防止するため必要な措置をとるものとする。
38条 (要保護少年についての活動)
1項 要保護少年 については、 児童福祉法
第25条第1項
《要保護児童を発見した者は、これを市町村、…》
都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。 ただし、罪を犯した満14歳以上の児童については、この
の規定による児童相談所への通告、同法第33条第1項又は第2項の規定による委託を受けて行う1時保護その他これらに類する保護のための措置の適切な実施のため、本人又はその 保護者 に対する助言、学校その他の関係機関への連絡その他の必要な措置を執るものとする。
2項 18歳未満の 要保護少年 について、 少年 に 保護者 がないとき又は保護者に監護させることが不適当であると認められるときは、 長官 が定める様式の児童通告書又は口頭により児童相談所に通告するものとする。この場合において、口頭により通告したときは、その内容を記載した書面を事後に当該児童相談所に送付するものとする。
39条 (児童虐待を受けたと思われる児童についての活動)
1項 児童虐待を受けたと思われる児童 については、 児童虐待の防止等に関する法律
第6条第1項
《児童虐待を受けたと思われる児童を発見した…》
者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。
の規定による児童相談所への通告又は 児童福祉法
第33条第1項
《児童相談所長は、児童虐待のおそれがあると…》
き、少年法第6条の6第1項の規定により事件の送致を受けたときその他の内閣府令で定める場合であつて、必要があると認めるときは、第26条第1項の措置を採るに至るまで、児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図
若しくは第2項の規定による委託を受けて行う1時保護の適切な実施のため、本人又はその 保護者 に対する助言、学校その他の関係機関への連絡その他の必要な措置を執るものとする。
2項 児童虐待を受けたと思われる児童 を発見したときは、速やかに、 長官 が定める様式の児童通告書又は口頭により児童相談所に通告するものとする。この場合において、口頭により通告したときは、その内容を記載した書面を事後に当該児童相談所に送付するものとする。
3項 児童虐待を受けたと思われる児童 については、児童相談所その他の関係機関との緊密な連携の下、当該児童に対するカウンセリング、 保護者 に対する助言又は指導その他の当該児童に対する支援を的確に実施するほか、 児童虐待の防止等に関する法律
第10条
《警察署長に対する援助要請等 児童相談所…》
長は、第8条第2項の児童の安全の確認を行おうとする場合、又は同項第1号の1時保護を行おうとし、若しくは行わせようとする場合において、これらの職務の執行に際し必要があると認めるときは、当該児童の住所又は
の規定による援助の求めがあった場合においては、その求めをした者との適切な役割分担の下、必要な措置を執るものとする。