破産法《本則》

法番号:2004年法律第75号

附則 >  

1章 総則

1条 (目的)

1項 この法律は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。

2条 (定義)

1項 この法律において「 破産手続 」とは、次章以下(第12章を除く。)に定めるところにより、債務者の財産又は相続財産若しくは信託財産を清算する手続をいう。

2項 この法律において「 破産事件 」とは、 破産手続 に係る事件をいう。

3項 この法律において「 破産裁判所 」とは、 破産事件 が係属している地方裁判所をいう。

4項 この法律において「 破産者 」とは、債務者であって、 第30条第1項 《裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場…》 合において、破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、破産手続開始の決定をする。 1 破産手続の費用の予納がないとき第23条第1項前段の規定によりその費 の規定により 破産手続 開始の決定がされているものをいう。

5項 この法律において「 破産債権 」とは、 破産者 に対し 破産手続 開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権( 第97条 《破産債権に含まれる請求権 次に掲げる債…》 権財団債権であるものを除く。は、破産債権に含まれるものとする。 1 破産手続開始後の利息の請求権 2 破産手続開始後の不履行による損害賠償又は違約金の請求権 3 破産手続開始後の延滞税、利子税若しくは 各号に掲げる債権を含む。)であって、財団債権に該当しないものをいう。

6項 この法律において「 破産債権者 」とは、 破産債権 を有する債権者をいう。

7項 この法律において「 財団債権 」とは、 破産手続 によらないで破産財団から随時弁済を受けることができる債権をいう。

8項 この法律において「 財団債権者 」とは、 財団債権 を有する債権者をいう。

9項 この法律において「 別除権 」とは、 破産手続 開始の時において破産財団に属する財産につき特別の先取特権、質権又は抵当権を有する者がこれらの権利の目的である財産について 第65条第1項 《別除権は、破産手続によらないで、行使する…》 ことができる。 の規定により行使することができる権利をいう。

10項 この法律において「 別除権者 」とは、 別除権 を有する者をいう。

11項 この法律において「 支払不能 」とは、債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態(信託財産の破産にあっては、受託者が、信託財産による支払能力を欠くために、信託財産責任負担債務(信託法(2006年法律第108号)第2条第9項に規定する信託財産責任負担債務をいう。以下同じ。)のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態)をいう。

12項 この法律において「 破産管財人 」とは、 破産手続 において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。

13項 この法律において「 保全管理人 」とは、 第91条第1項 《裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場…》 合において、債務者法人である場合に限る。以下この節、第148条第4項及び第152条第2項において同じ。の財産の管理及び処分が失当であるとき、その他債務者の財産の確保のために特に必要があると認めるときは の規定により債務者の財産に関し管理を命じられた者をいう。

14項 この法律において「 破産財団 」とは、 破産者 の財産又は相続財産若しくは信託財産であって、 破産手続 において 破産管財人 にその管理及び処分をする権利が専属するものをいう。

3条 (外国人の地位)

1項 外国人又は外国法人は、 破産手続 、第12章第1節の規定による 免責手続 以下「 免責手続 」という。及び同章第2節の規定による復権の手続(以下この章において「 破産手続等 」と総称する。)に関し、日本人又は日本法人と同1の地位を有する。

4条 (破産事件の管轄)

1項 この法律の規定による 破産手続 開始の申立ては、債務者が個人である場合には日本国内に営業所、住所、居所又は財産を有するときに限り、法人その他の社団又は財団である場合には日本国内に営業所、事務所又は財産を有するときに限り、することができる。

2項 民事訴訟法 1996年法律第109号)の規定により裁判上の請求をすることができる債権は、日本国内にあるものとみなす。

5条

1項 破産事件 は、債務者が、営業者であるときはその主たる営業所の所在地、営業者で外国に主たる営業所を有するものであるときは日本におけるその主たる営業所の所在地、営業者でないとき又は営業者であっても営業所を有しないときはその普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。

2項 前項の規定による管轄裁判所がないときは、 破産事件 は、債務者の財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。

3項 前2項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(2005年法律第86号)第879条第3項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。次項、 第83条第2項第2号 《2 破産管財人は、その職務を行うため必要…》 があるときは、破産者の子会社等次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める法人をいう。次項において同じ。に対して、その業務及び財産の状況につき説明を求め、又はその帳簿、書類その他の物件を検査す 及び第3項並びに 第161条第2項第2号 《2 前項の規定の適用については、当該行為…》 の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が同項第2号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 1 破産者が法人である場合のその理事及びロにおいて同じ。)の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条及び 第161条第2項第2号 《2 前項の規定の適用については、当該行為…》 の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が同項第2号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 1 破産者が法人である場合のその理事 ロにおいて「 親法人 」という。)について 破産事件 、再生事件又は更生事件(以下この条において「 破産事件等 」という。)が係属しているときにおける当該株式会社(以下この条及び 第161条第2項第2号 《2 前項の規定の適用については、当該行為…》 の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が同項第2号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 1 破産者が法人である場合のその理事 ロにおいて「 子株式会社 」という。)についての 破産手続 開始の申立ては、 親法人 の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、 子株式会社 について破産事件等が係属しているときにおける親法人についての破産手続開始の申立ては、子株式会社の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。

4項 子株式会社 又は 親法人 及び子株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社を当該親法人の子株式会社とみなして、前項の規定を適用する。

5項 第1項及び第2項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について会社法第444条の規定により当該株式会社及び他の法人に係る連結計算書類(同条第1項に規定する連結計算書類をいう。)を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について 破産事件 等が係属しているときにおける当該他の法人についての 破産手続 開始の申立ては、当該株式会社の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、当該他の法人について破産事件等が係属しているときにおける当該株式会社についての破産手続開始の申立ては、当該他の法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。

6項 第1項及び第2項の規定にかかわらず、法人について 破産事件 等が係属している場合における当該法人の代表者についての 破産手続 開始の申立ては、当該法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、法人の代表者について破産事件又は再生事件が係属している場合における当該法人についての破産手続開始の申立ては、当該法人の代表者の破産事件又は再生事件が係属している地方裁判所にもすることができる。

7項 第1項及び第2項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者のうちいずれか1人について 破産事件 が係属しているときは、それぞれ当該各号に掲げる他の者についての 破産手続 開始の申立ては、当該破産事件が係属している地方裁判所にもすることができる。

1号 相互に連帯債務者の関係にある個人

2号 相互に主たる債務者と保証人の関係にある個人

3号 夫婦

8項 第1項及び第2項の規定にかかわらず、 破産手続 開始の決定がされたとすれば 破産債権 となるべき債権を有する債権者の数が500人以上であるときは、これらの規定による管轄裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも、破産手続開始の申立てをすることができる。

9項 第1項及び第2項の規定にかかわらず、前項に規定する債権者の数が1,000人以上であるときは、東京地方裁判所又は大阪地方裁判所にも、 破産手続 開始の申立てをすることができる。

10項 前各項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、 破産事件 は、先に 破産手続 開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。

6条 (専属管轄)

1項 この法律に規定する裁判所の管轄は、専属とする。

7条 (破産事件の移送)

1項 裁判所は、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、 破産事件 破産事件の債務者又は 破産者 による免責許可の申立てがある場合にあっては、破産事件及び当該免責許可の申立てに係る事件)を次に掲げる地方裁判所のいずれかに移送することができる。

1号 債務者の主たる営業所又は事務所以外の営業所又は事務所の所在地を管轄する地方裁判所

2号 債務者の住所又は居所の所在地を管轄する地方裁判所

3号 第5条第2項 《2 前項の規定による管轄裁判所がないとき…》 は、破産事件は、債務者の財産の所在地債権については、裁判上の請求をすることができる地を管轄する地方裁判所が管轄する。 に規定する地方裁判所

4号 次のイからハまでのいずれかに掲げる地方裁判所

第5条第3項 《3 前2項の規定にかかわらず、法人が株式…》 会社の総株主の議決権株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法2005年法律第86号第879条第3項の規定により議決権を有す から第7項までに規定する地方裁判所

破産手続 開始の決定がされたとすれば 破産債権 となるべき債権を有する債権者(破産手続開始の決定後にあっては、破産債権者。ハにおいて同じ。)の数が500人以上であるときは、 第5条第8項 《8 第1項及び第2項の規定にかかわらず、…》 破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者の数が500人以上であるときは、これらの規定による管轄裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも、破産手続 に規定する地方裁判所

ロに規定する債権者の数が1,000人以上であるときは、 第5条第9項 《9 第1項及び第2項の規定にかかわらず、…》 前項に規定する債権者の数が1,000人以上であるときは、東京地方裁判所又は大阪地方裁判所にも、破産手続開始の申立てをすることができる。 に規定する地方裁判所

5号 第5条第3項 《3 前2項の規定にかかわらず、法人が株式…》 会社の総株主の議決権株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法2005年法律第86号第879条第3項の規定により議決権を有す から第9項までの規定によりこれらの規定に規定する地方裁判所に 破産事件 が係属しているときは、同条第1項又は第2項に規定する地方裁判所

8条 (任意的口頭弁論等)

1項 破産手続 等に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。

2項 裁判所は、職権で、 破産手続 等に係る事件に関して必要な調査をすることができる。

9条 (不服申立て)

1項 破産手続 等に関する裁判につき利害関係を有する者は、この法律に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。その期間は、裁判の公告があった場合には、その公告が効力を生じた日から起算して2週間とする。

10条 (公告等)

1項 この法律の規定による公告は、官報に掲載してする。

2項 公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。

3項 この法律の規定により送達をしなければならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。

4項 この法律の規定により裁判の公告がされたときは、一切の関係人に対して当該裁判の告知があったものとみなす。

5項 前2項の規定は、この法律に特別の定めがある場合には、適用しない。

11条 (事件に関する文書の閲覧等)

1項 利害関係人は、裁判所書記官に対し、この法律(この法律において準用する他の法律を含む。次条第1項において同じ。)の規定に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び 第12条第1項 《次に掲げる文書等について、利害関係人がそ…》 の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製以下この項から第3項までにおいて「閲覧等」という。を行うことにより、破産財団破産手続開始前にあっては、債務者の財産の管理又は換価に著しい において「 文書等 」という。)の閲覧を請求することができる。

2項 利害関係人は、裁判所書記官に対し、 文書等 の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。

3項 前項の規定は、 文書等 のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。

11条の2 (ファイル記録事項の閲覧等)

1項 利害関係人は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、この法律の規定に基づき裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)に備えられたファイル(次項及び第3項並びに次条を除き、以下単に「ファイル」という。)に記録された事項(以下この条及び 第12条第6項 《6 前各項の規定は、ファイル記録事項につ…》 いて準用する。 この場合において、第1項中「謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製」とあるのは、「複写又はその内容の全部若しくは一部を証明した書面の交付若しくはその内容の全部若しくは一部を において「 ファイル記録事項 」という。)の内容を最高裁判所規則で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。

2項 利害関係人は、裁判所書記官に対し、 ファイル記録事項 について、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機と手続の相手方の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。以下同じ。)を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法による複写を請求することができる。

3項 利害関係人は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、 ファイル記録事項 の全部若しくは一部を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該書面の内容がファイル記録事項と同一であることを証明したものを交付し、又はファイル記録事項の全部若しくは一部を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該電磁的記録の内容がファイル記録事項と同一であることを証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。

11条の3 (事件に関する事項の証明)

1項 利害関係人は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、事件に関する事項を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを交付し、又は当該事項を記録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。

11条の4 (閲覧等の特則)

1項 前3条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、これらの規定による請求をすることができない。ただし、当該者が 破産手続 開始の申立人である場合は、この限りでない。

1号 債務者以外の利害関係人 第24条第1項 《裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場…》 合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。 ただし、第1号に掲げる手続又 の規定による中止の命令、 第25条第2項 《2 前項の規定による禁止の命令以下「包括…》 的禁止命令」という。を発する場合において、裁判所は、相当と認めるときは、一定の範囲に属する強制執行等又は国税滞納処分を包括的禁止命令の対象から除外することができる。 に規定する包括的禁止命令、 第28条第1項 《裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場…》 合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 の規定による保全処分、 第91条第2項 《2 裁判所は、前項の規定による処分以下「…》 保全管理命令」という。をする場合には、当該保全管理命令において、1人又は数人の保全管理人を選任しなければならない。 に規定する保全管理命令、 第171条第1項 《裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時…》 から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人の申立てにより又は職権で、仮差押え、仮処 の規定による保全処分又は 破産手続 開始の申立てについての裁判

2号 債務者 破産手続 開始の申立てに関する口頭弁論若しくは債務者を呼び出す審尋の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分若しくは裁判

12条 (支障部分の閲覧等の制限)

1項 次に掲げる 文書等 について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この項から第3項までにおいて「 閲覧等 」という。)を行うことにより、 破産財団 破産手続 開始前にあっては、債務者の財産)の管理又は換価に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下この項から第3項までにおいて「 支障部分 」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した 破産管財人 又は 保全管理人 の申立てにより、 支障部分 閲覧等 の請求をすることができる者を、当該申立てをした者(その者が保全管理人である場合にあっては、保全管理人又は破産管財人。次項において同じ。)に限ることができる。

1号 第36条、 第40条第1項 《次に掲げる者は、破産管財人若しくは第14…》 4条第2項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 ただし、第5号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。 1 ただし書若しくは同条第2項において準用する同条第1項ただし書(これらの規定を 第96条第1項 《第40条の規定は保全管理人の請求について…》 、第47条、第50条及び第51条の規定は保全管理命令が発せられた場合について、第74条第2項、第75条、第76条、第79条、第80条、第82条から第85条まで、第87条第1項及び第2項並びに第90条第 において準用する場合を含む。)、 第78条第2項 《2 破産管財人が次に掲げる行為をするには…》 、裁判所の許可を得なければならない。 1 不動産に関する物権、登記すべき日本船舶又は外国船舶の任意売却 2 鉱業権、漁業権、公共施設等運営権、樹木採取権、漁港水面施設運営権、貯留権、試掘権二酸化炭素の 第93条第3項 《3 第78条第2項から第6項までの規定は…》 、保全管理人について準用する。 において準用する場合を含む。)、 第84条 《破産管財人の職務の執行の確保 破産管財…》 人は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、裁判所の許可を得て、警察上の援助を求めることができる。 第96条第1項 《第40条の規定は保全管理人の請求について…》 、第47条、第50条及び第51条の規定は保全管理命令が発せられた場合について、第74条第2項、第75条、第76条、第79条、第80条、第82条から第85条まで、第87条第1項及び第2項並びに第90条第 において準用する場合を含む。又は 第93条第1項 《保全管理命令が発せられたときは、債務者の…》 財産日本国内にあるかどうかを問わない。の管理及び処分をする権利は、保全管理人に専属する。 ただし、保全管理人が債務者の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 ただし書の許可を得るために裁判所に提出された 文書等

2号 第157条第2項の規定による報告に係る 文書等

2項 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者を除く。次項において同じ。)は、 支障部分 閲覧等 の請求をすることができない。

3項 支障部分 閲覧等 の請求をしようとする利害関係人は、 破産裁判所 に対し、第1項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。

4項 第1項の申立てを却下する決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

5項 第1項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。

6項 前各項の規定は、 ファイル記録事項 について準用する。この場合において、第1項中「謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製」とあるのは、「複写又はその内容の全部若しくは一部を証明した書面の交付若しくはその内容の全部若しくは一部を証明した電磁的記録の提供」と読み替えるものとする。

13条 (民事訴訟法の準用)

1項 特別の定めがある場合を除き、 破産手続 等に関しては、その性質に反しない限り、 民事訴訟法 第1編から第4編までの規定を準用する。この場合において、同法第132条の11第1項第1号中「 第54条第1項 《前条第1項又は第2項の規定により契約の解…》 除があった場合には、相手方は、損害の賠償について破産債権者としてその権利を行使することができる。 ただし書の許可を得て訴訟代理人となったものを除く。࿹」とあるのは「弁護士に限る。࿹又は 破産管財人 保全管理人 、破産管財人代理若しくは保全管理人代理として選任を受けた者」と、「当該委任」とあるのは「当該委任又は選任」と、同項第2号中「 第2条 《定義 この法律において「破産手続」とは…》 、次章以下第12章を除く。に定めるところにより、債務者の財産又は相続財産若しくは信託財産を清算する手続をいう。 2 この法律において「破産事件」とは、破産手続に係る事件をいう。 3 この法律において「 」とあるのは「 第9条 《不服申立て 破産手続等に関する裁判につ…》 き利害関係を有する者は、この法律に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。 その期間は、裁判の公告があった場合には、その公告が効力を生じた日から起算して2週間とする。 において準用する同法第2条」と読み替えるものとする。

14条 (最高裁判所規則)

1項 この法律に定めるもののほか、 破産手続 等に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

2章 破産手続の開始 > 1節 破産手続開始の申立て

15条 (破産手続開始の原因)

1項 債務者が 支払不能 にあるときは、裁判所は、 第30条第1項 《裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場…》 合において、破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、破産手続開始の決定をする。 1 破産手続の費用の予納がないとき第23条第1項前段の規定によりその費 の規定に基づき、申立てにより、決定で、 破産手続 を開始する。

2項 債務者が支払を停止したときは、 支払不能 にあるものと推定する。

16条 (法人の破産手続開始の原因)

1項 債務者が法人である場合に関する前条第1項の規定の適用については、同項中「 支払不能 」とあるのは、「支払不能又は債務超過(債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。

2項 前項の規定は、存立中の合名会社及び合資会社には、適用しない。

17条 (破産手続開始の原因の推定)

1項 債務者についての外国で開始された手続で 破産手続 に相当するものがある場合には、当該債務者に破産手続開始の原因となる事実があるものと推定する。

18条 (破産手続開始の申立て)

1項 債権者又は債務者は、 破産手続 開始の申立てをすることができる。

2項 債権者が 破産手続 開始の申立てをするときは、その有する債権の存在及び破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。

19条 (法人の破産手続開始の申立て)

1項 次の各号に掲げる法人については、それぞれ当該各号に定める者は、 破産手続 開始の申立てをすることができる。

1号 一般社団法人又は一般財団法人理事

2号 株式会社又は相互会社( 保険業法 1995年法律第105号第2条第5項 《5 この法律において「相互会社」とは、保…》 険業を行うことを目的として、この法律に基づき設立された保険契約者をその社員とする社団をいう。 に規定する相互会社をいう。 第150条第6項第3号 《6 前各項の規定は、次の各号に掲げる者の…》 区分に応じ、それぞれ当該各号に定める債権で破産債権であるものの管理に関する事務につき生ずる費用又は報酬に係る請求権について準用する。 1 担保付社債信託法1905年法律第52号第2条第1項に規定する信 において同じ。)取締役

3号 合名会社、合資会社又は合同会社業務を執行する社員

2項 前項各号に掲げる法人については、清算人も、 破産手続 開始の申立てをすることができる。

3項 前2項の規定により第1項各号に掲げる法人について 破産手続 開始の申立てをする場合には、理事、取締役、業務を執行する社員又は清算人の全員が破産手続開始の申立てをするときを除き、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。

4項 前3項の規定は、第1項各号に掲げる法人以外の法人について準用する。

5項 法人については、その解散後であっても、残余財産の引渡し又は分配が終了するまでの間は、 破産手続 開始の申立てをすることができる。

20条 (破産手続開始の申立ての方式)

1項 破産手続 開始の申立ては、最高裁判所規則で定める事項を記載した書面でしなければならない。

2項 債権者以外の者が 破産手続 開始の申立てをするときは、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者一覧表を裁判所に提出しなければならない。ただし、当該申立てと同時に債権者一覧表を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。

21条 (破産手続開始の申立書の審査)

1項 前条第1項の書面(以下この条において「 破産手続開始の申立書 」という。)に同項に規定する事項が記載されていない場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命ずる処分をしなければならない。 民事訴訟費用等に関する法律 1971年法律第40号)の規定に従い 破産手続 開始の申立ての手数料を納付しない場合も、同様とする。

2項 前項の処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。

3項 第1項の処分に対しては、その告知を受けた日から1週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。

4項 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。

5項 裁判所は、第3項の異議の申立てがあった場合において、 破産手続 開始の申立書に第1項の処分において補正を命じた不備以外の不備があると認めるときは、相当の期間を定め、その期間内に当該不備を補正すべきことを命じなければならない。

6項 第1項又は前項の場合において、 破産手続 開始の申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、破産手続開始の申立書を却下しなければならない。

7項 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。

22条 (費用の予納)

1項 破産手続 開始の申立てをするときは、申立人は、破産手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。

2項 費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。

23条 (費用の仮支弁)

1項 裁判所は、申立人の資力、 破産財団 となるべき財産の状況その他の事情を考慮して、申立人及び利害関係人の利益の保護のため特に必要と認めるときは、 破産手続 の費用を仮に国庫から支弁することができる。職権で破産手続開始の決定をした場合も、同様とする。

2項 前条第1項の規定は、前項前段の規定により 破産手続 の費用を仮に国庫から支弁する場合には、適用しない。

24条 (他の手続の中止命令等)

1項 裁判所は、 破産手続 開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。ただし、第1号に掲げる手続又は第6号に掲げる処分についてはその手続の申立人である債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限り、第5号に掲げる責任制限手続については責任制限手続開始の決定がされていない場合に限る。

1号 債務者の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え、仮処分又は一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法(1899年法律第48号又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(以下この節において「 強制執行等 」という。)の手続で、債務者につき 破産手続 開始の決定がされたとすれば 破産債権 若しくは 財団債権 となるべきもの(以下この項及び次条第8項において「 破産債権等 」という。)に基づくもの又は破産債権等を被担保債権とするもの

2号 債務者の財産に対して既にされている企業担保権の実行手続で、 破産債権 等に基づくもの

3号 債務者の財産関係の訴訟手続

4号 債務者の財産関係の事件で行政庁に係属しているものの手続

5号 債務者の責任制限手続( 船舶の所有者等の責任の制限に関する法律 1975年法律第94号)第3章又は 船舶油濁等損害賠償保障法 1975年法律第95号)第5章、同法第43条第5項において準用する同法第31条及び 第32条 《破産手続開始の公告等 裁判所は、破産手…》 続開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 1 破産手続開始の決定の主文 2 破産管財人の氏名又は名称 3 前条第1項の規定により定めた期間又は期日 4 破産財団に属す 並びに同法第43条第6項において準用する 船舶の所有者等の責任の制限に関する法律 第3章( 第9条 《不服申立て 破産手続等に関する裁判につ…》 き利害関係を有する者は、この法律に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。 その期間は、裁判の公告があった場合には、その公告が効力を生じた日から起算して2週間とする。第10条 《公告等 この法律の規定による公告は、官…》 報に掲載してする。 2 公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。 3 この法律の規定により送達をしなければならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定に第16条 《法人の破産手続開始の原因 債務者が法人…》 である場合に関する前条第1項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態をいう。」とする。 2 前項 及び 第54条 《 前条第1項又は第2項の規定により契約の…》 解除があった場合には、相手方は、損害の賠償について破産債権者としてその権利を行使することができる。 2 前項に規定する場合において、相手方は、破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存するときは、その返 を除く。)若しくは 船舶油濁等損害賠償保障法 第51条第5項 《5 第31条及び第32条の規定は、第3項…》 の規定により保険者等が責任を制限する場合における難破物除去損害に係る責任制限手続について準用する。 この場合において、第31条中「、本邦内又は排他的経済水域内における損害を防止するための第2条第14号 において準用する同法第31条及び 第32条 《破産手続開始の公告等 裁判所は、破産手…》 続開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 1 破産手続開始の決定の主文 2 破産管財人の氏名又は名称 3 前条第1項の規定により定めた期間又は期日 4 破産財団に属す 並びに同法第51条第6項において準用する 船舶の所有者等の責任の制限に関する法律 第3章( 第9条 《不服申立て 破産手続等に関する裁判につ…》 き利害関係を有する者は、この法律に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。 その期間は、裁判の公告があった場合には、その公告が効力を生じた日から起算して2週間とする。第10条 《公告等 この法律の規定による公告は、官…》 報に掲載してする。 2 公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。 3 この法律の規定により送達をしなければならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定に第16条 《法人の破産手続開始の原因 債務者が法人…》 である場合に関する前条第1項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態をいう。」とする。 2 前項 、第4節及び 第54条 《 前条第1項又は第2項の規定により契約の…》 解除があった場合には、相手方は、損害の賠償について破産債権者としてその権利を行使することができる。 2 前項に規定する場合において、相手方は、破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存するときは、その返 を除く。)の規定による責任制限手続をいう。 第263条 《責任制限手続の廃止による破産手続の中止 …》 破産者のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定があったときは、破産手続は、その決定が確定するまで中止する。 及び 第264条第1項 《破産者のために開始した責任制限手続につい…》 て責任制限手続廃止の決定が確定した場合には、裁判所は、制限債権者のために、債権の届出をすべき期間及び債権の調査をするための期間又は期日を定めなければならない。 において同じ。

6号 債務者の財産に対して既にされている共助対象外国租税( 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律 1969年法律第46号。 第103条第5項 《5 第1項の規定にかかわらず、共助対象外…》 国租税の請求権をもって破産手続に参加するには、共助実施決定租税条約等実施特例法第11条第1項に規定する共助実施決定をいう。第134条第2項において同じ。を得なければならない。 及び 第253条第4項 《4 第1項の規定にかかわらず、共助対象外…》 国租税の請求権についての同項の規定による免責の効力は、租税条約等実施特例法第11条第1項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。 において「 租税条約等実施特例法 」という。第11条第1項 《租税条約等の規定に基づき当該租税条約等の…》 相手国等から当該租税条約等に規定する租税債権当該租税条約等の規定により徴収の共助又は徴収のための財産の保全の共助の対象となる当該相手国等の租税債権に限る。以下この条において「共助対象外国租税」という。 に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(以下「 外国租税滞納処分 」という。)で、 破産債権 等に基づくもの

2項 裁判所は、前項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。

3項 裁判所は、 第91条第2項 《2 裁判所は、前項の規定による処分以下「…》 保全管理命令」という。をする場合には、当該保全管理命令において、1人又は数人の保全管理人を選任しなければならない。 に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、 保全管理人 の申立てにより、担保を立てさせて、第1項の規定により中止した 強制執行等 の手続又は 外国租税滞納処分 の取消しを命ずることができる。

4項 第1項の規定による中止の命令、第2項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。

5項 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

6項 第4項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書( 第13条 《民事訴訟法の準用 特別の定めがある場合…》 を除き、破産手続等に関しては、その性質に反しない限り、民事訴訟法第1編から第4編までの規定を準用する。 この場合において、同法第132条の11第1項第1号中「第54条第1項ただし書の許可を得て訴訟代理 において準用する 民事訴訟法 第122条 《判決に関する規定の準用 決定及び命令に…》 は、その性質に反しない限り、判決に関する規定を準用する。 において準用する同法第252条第1項の規定により作成された電磁的記録であって、 第13条 《民事訴訟法の準用 特別の定めがある場合…》 を除き、破産手続等に関しては、その性質に反しない限り、民事訴訟法第1編から第4編までの規定を準用する。 この場合において、同法第132条の11第1項第1号中「第54条第1項ただし書の許可を得て訴訟代理 において準用する同法第122条において準用する同法第253条第2項の規定によりファイルに記録されたものをいう。以下同じ。)を当事者に送達しなければならない。

25条 (包括的禁止命令)

1項 裁判所は、 破産手続 開始の申立てがあった場合において、前条第1項第1号又は第6号の規定による中止の命令によっては破産手続の目的を10分に達成することができないおそれがあると認めるべき特別の事情があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、全ての債権者に対し、債務者の財産に対する 強制執行等 及び国税滞納処分(国税滞納処分の例による処分を含み、交付要求を除く。以下同じ。)の禁止を命ずることができる。ただし、事前に又は同時に、債務者の主要な財産に関し 第28条第1項 《裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場…》 合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 の規定による保全処分をした場合又は 第91条第2項 《2 裁判所は、前項の規定による処分以下「…》 保全管理命令」という。をする場合には、当該保全管理命令において、1人又は数人の保全管理人を選任しなければならない。 に規定する保全管理命令をした場合に限る。

2項 前項の規定による禁止の命令(以下「 包括的禁止命令 」という。)を発する場合において、裁判所は、相当と認めるときは、一定の範囲に属する 強制執行等 又は国税滞納処分を 包括的禁止命令 の対象から除外することができる。

3項 包括的禁止命令 が発せられた場合には、債務者の財産に対して既にされている 強制執行等 の手続及び 外国租税滞納処分 当該包括的禁止命令により禁止されることとなるものに限る。)は、 破産手続 開始の申立てにつき決定があるまでの間、中止する。

4項 裁判所は、 包括的禁止命令 を変更し、又は取り消すことができる。

5項 裁判所は、 第91条第2項 《2 裁判所は、前項の規定による処分以下「…》 保全管理命令」という。をする場合には、当該保全管理命令において、1人又は数人の保全管理人を選任しなければならない。 に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、 保全管理人 の申立てにより、担保を立てさせて、第3項の規定により中止した 強制執行等 の手続又は 外国租税滞納処分 の取消しを命ずることができる。

6項 包括的禁止命令 、第4項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。

7項 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

8項 包括的禁止命令 が発せられたときは、 破産債権 等(当該包括的禁止命令により 強制執行等 又は国税滞納処分が禁止されているものに限る。)については、当該包括的禁止命令が効力を失った日の翌日から2月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。

26条 (包括的禁止命令に関する公告及び送達等)

1項 包括的禁止命令 及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定があった場合には、その旨を公告し、その電子裁判書を債務者( 保全管理人 が選任されている場合にあっては、保全管理人。次項において同じ。及び申立人に送達し、かつ、その決定の主文を知れている債権者及び債務者(保全管理人が選任されている場合に限る。)に通知しなければならない。

2項 包括的禁止命令 及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定は、債務者に対する電子裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。

3項 前条第6項の即時抗告についての裁判( 包括的禁止命令 を変更し、又は取り消す旨の決定を除く。)があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。

27条 (包括的禁止命令の解除)

1項 裁判所は、 包括的禁止命令 を発した場合において、 強制執行等 の申立人である債権者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該債権者の申立てにより、当該債権者に限り当該包括的禁止命令を解除する旨の決定をすることができる。この場合において、当該債権者は、債務者の財産に対する強制執行等をすることができ、当該包括的禁止命令が発せられる前に当該債権者がした強制執行等の手続で 第25条第3項 《3 包括的禁止命令が発せられた場合には、…》 債務者の財産に対して既にされている強制執行等の手続及び外国租税滞納処分当該包括的禁止命令により禁止されることとなるものに限る。は、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、中止する。 の規定により中止されていたものは、続行する。

2項 前項の規定は、裁判所が国税滞納処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認める場合について準用する。

3項 第1項(前項において準用する場合を含む。次項及び第6項において同じ。)の規定による解除の決定を受けた者に対する 第25条第8項 《8 包括的禁止命令が発せられたときは、破…》 産債権等当該包括的禁止命令により強制執行等又は国税滞納処分が禁止されているものに限る。については、当該包括的禁止命令が効力を失った日の翌日から2月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 の規定の適用については、同項中「当該 包括的禁止命令 が効力を失った日」とあるのは、「 第27条第1項 《裁判所は、包括的禁止命令を発した場合にお…》 いて、強制執行等の申立人である債権者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該債権者の申立てにより、当該債権者に限り当該包括的禁止命令を解除する旨の決定をすることができる。 この場合において同条第2項において準用する場合を含む。)の規定による解除の決定があった日」とする。

4項 第1項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

5項 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

6項 第1項の申立てについての裁判及び第4項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

28条 (債務者の財産に関する保全処分)

1項 裁判所は、 破産手続 開始の申立てがあった場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。

2項 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。

3項 第1項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

4項 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

5項 第3項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

6項 裁判所が第1項の規定により債務者が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、 破産手続 の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。ただし、債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。

29条 (破産手続開始の申立ての取下げの制限)

1項 破産手続 開始の申立てをした者は、破産手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。この場合において、 第24条第1項 《裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場…》 合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。 ただし、第1号に掲げる手続又 の規定による中止の命令、 包括的禁止命令 、前条第1項の規定による保全処分、 第91条第2項 《2 裁判所は、前項の規定による処分以下「…》 保全管理命令」という。をする場合には、当該保全管理命令において、1人又は数人の保全管理人を選任しなければならない。 に規定する保全管理命令又は 第171条第1項 《裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時…》 から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人の申立てにより又は職権で、仮差押え、仮処 の規定による保全処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。

2節 破産手続開始の決定

30条 (破産手続開始の決定)

1項 裁判所は、 破産手続 開始の申立てがあった場合において、破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、破産手続開始の決定をする。

1号 破産手続 の費用の予納がないとき( 第23条第1項 《裁判所は、申立人の資力、破産財団となるべ…》 き財産の状況その他の事情を考慮して、申立人及び利害関係人の利益の保護のため特に必要と認めるときは、破産手続の費用を仮に国庫から支弁することができる。 職権で破産手続開始の決定をした場合も、同様とする。 前段の規定によりその費用を仮に国庫から支弁する場合を除く。)。

2号 不当な目的で 破産手続 開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。

2項 前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。

31条 (破産手続開始の決定と同時に定めるべき事項等)

1項 裁判所は、 破産手続 開始の決定と同時に、1人又は数人の 破産管財人 を選任し、かつ、次に掲げる事項を定めなければならない。

1号 破産債権 の届出をすべき期間

2号 破産者 の財産状況を報告するために招集する債権者集会(第4項、 第136条第2項 《2 前項本文の規定にかかわらず、届出をし…》 た破産債権者であって議決権を行使することができないものは、呼び出さないことができる。 財産状況報告集会においては、第32条第3項の規定により通知を受けた者も、同様とする。 及び第3項並びに 第158条 《財産状況報告集会への報告 財産状況報告…》 集会においては、破産管財人は、前条第1項各号に掲げる事項の要旨を報告しなければならない。 において「財産状況報告集会」という。)の期日

3号 破産債権 の調査をするための期間( 第116条第2項 《2 前項の規定にかかわらず、裁判所は、必…》 要があると認めるときは、第3款の規定により、破産債権の調査を、そのための期日における破産管財人の認否並びに破産債権者及び破産者の異議に基づいてすることができる。 の場合にあっては、破産債権の調査をするための期日

2項 前項第1号及び第3号の規定にかかわらず、裁判所は、 破産財団 をもって 破産手続 の費用を支弁するのに不足するおそれがあると認めるときは、同項第1号の期間並びに同項第3号の期間及び期日を定めないことができる。

3項 前項の場合において、裁判所は、 破産財団 をもって 破産手続 の費用を支弁するのに不足するおそれがなくなったと認めるときは、速やかに、第1項第1号の期間及び同項第3号の期間又は期日を定めなければならない。

4項 第1項第2号の規定にかかわらず、裁判所は、知れている 破産債権 者の数その他の事情を考慮して財産状況報告集会を招集することを相当でないと認めるときは、同号の期日を定めないことができる。

5項 第1項の場合において、知れている 破産債権 者の数が1,000人以上であり、かつ、相当と認めるときは、裁判所は、次条第4項本文及び第5項本文において準用する同条第3項第1号、 第33条第3項 《3 破産手続開始の決定をした裁判所は、第…》 1項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちにその主文を公告し、かつ、前条第3項各号第3号を除く。に掲げる者にその主文を通知しなければならない。 ただし、第31条第 本文並びに 第139条第3項 《3 裁判所は、議決権行使の方法として前項…》 第2号又は第3号に掲げる方法を定めたときは、その旨を公告し、かつ、議決権者に対して、同項第2号に規定する書面等投票は裁判所の定める期間内に限りすることができる旨を通知しなければならない。 ただし、第3 本文の規定による破産債権者(同項本文の場合にあっては、同項本文に規定する議決権者。次条第2項において同じ。)に対する通知をせず、かつ、 第111条 《破産債権の届出 破産手続に参加しようと…》 する破産債権者は、第31条第1項第1号又は第3項の規定により定められた破産債権の届出をすべき期間以下「債権届出期間」という。内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。 1 各破産債権の額及第112条 《一般調査期間経過後又は一般調査期日終了後…》 の届出等 破産債権者がその責めに帰することができない事由によって第31条第1項第3号の期間以下「一般調査期間」という。の経過又は同号の期日以下「一般調査期日」という。の終了までに破産債権の届出をする 又は 第114条 《租税等の請求権等の届出 次に掲げる請求…》 権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額及び原因並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨その他最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。 この場合において、当該 の規定により破産債権の 届出をした破産債権者 以下「 届出をした破産債権者 」という。)を債権者集会の期日に呼び出さない旨の決定をすることができる。

32条 (破産手続開始の公告等)

1項 裁判所は、 破産手続 開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。

1号 破産手続 開始の決定の主文

2号 破産管財人 の氏名又は名称

3号 前条第1項の規定により定めた期間又は期日

4号 破産財団 に属する財産の所持者及び 破産者 に対して債務を負担する者(第3項第2号において「 財産所持者等 」という。)は、破産者にその財産を交付し、又は弁済をしてはならない旨

5号 第204条第1項第2号 《裁判所書記官は、第195条第1項の規定に…》 より最後配当をすることができる場合において、次に掲げるときは、破産管財人の申立てにより、最後配当に代えてこの節の規定による配当以下この章及び次章において「簡易配当」という。をすることを許可することがで の規定による簡易配当をすることが相当と認められる場合にあっては、簡易配当をすることにつき異議のある 破産債権 者は裁判所に対し前条第1項第3号の期間の満了時又は同号の期日の終了時までに異議を述べるべき旨

2項 前条第5項の決定があったときは、裁判所は、前項各号に掲げる事項のほか、第4項本文及び第5項本文において準用する次項第1号、次条第3項本文並びに 第139条第3項 《3 裁判所は、議決権行使の方法として前項…》 第2号又は第3号に掲げる方法を定めたときは、その旨を公告し、かつ、議決権者に対して、同項第2号に規定する書面等投票は裁判所の定める期間内に限りすることができる旨を通知しなければならない。 ただし、第3 本文の規定による 破産債権 者に対する通知をせず、かつ、 届出をした破産債権者 を債権者集会の期日に呼び出さない旨をも公告しなければならない。

3項 次に掲げる者には、前2項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。

1号 破産管財人 破産者 及び知れている 破産債権

2号 知れている 財産所持者等

3号 第91条第2項に規定する保全管理命令があった場合における 保全管理人

4号 労働組合等( 破産者 の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは破産者の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。 第78条第4項 《4 裁判所は、第2項第3号の規定により営…》 又は事業の譲渡につき同項の許可をする場合には、労働組合等の意見を聴かなければならない。 及び 第136条第3項 《3 裁判所は、第32条第1項第3号及び第…》 3項の規定により財産状況報告集会の期日の公告及び通知をするほか、各債権者集会財産状況報告集会を除く。以下この項において同じ。の期日及び会議の目的である事項を公告し、かつ、各債権者集会の期日を労働組合等 において同じ。

4項 第1項第3号及び前項第1号の規定は、前条第3項の規定により同条第1項第1号の期間及び同項第3号の期間又は期日を定めた場合について準用する。ただし、同条第5項の決定があったときは、知れている 破産債権 者に対しては、当該通知をすることを要しない。

5項 第1項第2号並びに第3項第1号及び第2号の規定は第1項第2号に掲げる事項に変更を生じた場合について、第1項第3号及び第3項第1号の規定は第1項第3号に掲げる事項に変更を生じた場合(前条第1項第1号の期間又は同項第2号の期日に変更を生じた場合に限る。)について準用する。ただし、同条第5項の決定があったときは、知れている 破産債権 者に対しては、当該通知をすることを要しない。

33条 (抗告)

1項 破産手続 開始の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

2項 第24条 《他の手続の中止命令等 裁判所は、破産手…》 続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。 ただ から 第28条 《債務者の財産に関する保全処分 裁判所は…》 、破産手続開始の申立てがあった場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずるこ までの規定は、 破産手続 開始の申立てを棄却する決定に対して前項の即時抗告があった場合について準用する。

3項 破産手続 開始の決定をした裁判所は、第1項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちにその主文を公告し、かつ、前条第3項各号(第3号を除く。)に掲げる者にその主文を通知しなければならない。ただし、 第31条第5項 《5 第1項の場合において、知れている破産…》 債権者の数が1,000人以上であり、かつ、相当と認めるときは、裁判所は、次条第4項本文及び第5項本文において準用する同条第3項第1号、第33条第3項本文並びに第139条第3項本文の規定による破産債権者 の決定があったときは、知れている 破産債権 者に対しては、当該通知をすることを要しない。

3節 破産手続開始の効果 > 1款 通則

34条 (破産財団の範囲)

1項 破産者 破産手続 開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、 破産財団 とする。

2項 破産者 破産手続 開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は、 破産財団 に属する。

3項 第1項の規定にかかわらず、次に掲げる財産は、 破産財団 に属しない。

1号 民事執行法 1979年法律第4号第131条第3号 《差押禁止動産 第131条 次に掲げる動産…》 は、差し押さえてはならない。 1 債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具 2 債務者等の1月間の生活に必要な食料及び燃料 3 標準的な世帯の2月間の必要生計費を勘案し に規定する額に2分の3を乗じた額の金銭

2号 差し押さえることができない財産( 民事執行法 第131条第3号 《差押禁止動産 第131条 次に掲げる動産…》 は、差し押さえてはならない。 1 債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具 2 債務者等の1月間の生活に必要な食料及び燃料 3 標準的な世帯の2月間の必要生計費を勘案し に規定する金銭を除く。)。ただし、同法第132条第1項(同法第192条において準用する場合を含む。)の規定により差押えが許されたもの及び 破産手続 開始後に差し押さえることができるようになったものは、この限りでない。

4項 裁判所は、 破産手続 開始の決定があった時から当該決定が確定した日以後1月を経過する日までの間、 破産者 の申立てにより又は職権で、決定で、破産者の生活の状況、破産手続開始の時において破産者が有していた前項各号に掲げる財産の種類及び額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して、 破産財団 に属しない財産の範囲を拡張することができる。

5項 裁判所は、前項の決定をするに当たっては、 破産管財人 の意見を聴かなければならない。

6項 第4項の申立てを却下する決定に対しては、 破産者 は、即時抗告をすることができる。

7項 第4項の決定又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を 破産者 及び 破産管財人 に送達しなければならない。この場合においては、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

35条 (法人の存続の擬制)

1項 他の法律の規定により 破産手続 開始の決定によって解散した法人又は解散した法人で破産手続開始の決定を受けたものは、破産手続による清算の目的の範囲内において、破産手続が終了するまで存続するものとみなす。

36条 (破産者の事業の継続)

1項 破産手続 開始の決定がされた後であっても、 破産管財人 は、裁判所の許可を得て、 破産者 の事業を継続することができる。

37条 (破産者の居住に係る制限)

1項 破産者 は、その申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない。

2項 前項の申立てを却下する決定に対しては、 破産者 は、即時抗告をすることができる。

38条 (破産者の引致)

1項 裁判所は、必要と認めるときは、 破産者 の引致を命ずることができる。

2項 破産手続 開始の申立てがあったときは、裁判所は、破産手続開始の決定をする前でも、債務者の引致を命ずることができる。

3項 前2項の規定による引致は、引致状を発してしなければならない。

4項 第1項又は第2項の規定による引致を命ずる決定に対しては、 破産者 又は債務者は、即時抗告をすることができる。

5項 刑事訴訟法 1948年法律第131号)中こう引に関する規定は、第1項及び第2項の規定による引致について準用する。

39条 (破産者に準ずる者への準用)

1項 前2条の規定は、 破産者 の法定代理人及び支配人並びに破産者の理事、取締役、執行役及びこれらに準ずる者について準用する。

40条 (破産者等の説明義務)

1項 次に掲げる者は、 破産管財人 若しくは 第144条第2項 《2 裁判所は、必要があると認めるときは、…》 破産手続において、前項の規定により承認された委員会以下「債権者委員会」という。に対して、意見の陳述を求めることができる。 に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。ただし、第5号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。

1号 破産者

2号 破産者 の代理人

3号 破産者 が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役及び清算人

4号 前号に掲げる者に準ずる者

5号 破産者 の従業者(第2号に掲げる者を除く。

2項 前項の規定は、同項各号(第1号を除く。)に掲げる者であった者について準用する。

41条 (破産者の重要財産開示義務)

1項 破産者 は、 破産手続 開始の決定後遅滞なく、その所有する不動産、現金、有価証券、預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。

42条 (他の手続の失効等)

1項 破産手続 開始の決定があった場合には、 破産財団 に属する財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行、企業担保権の実行又は 外国租税滞納処分 で、 破産債権 若しくは 財団債権 に基づくもの又は破産債権若しくは財団債権を被担保債権とするものは、することができない。

2項 前項に規定する場合には、同項に規定する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行及び企業担保権の実行の手続並びに 外国租税滞納処分 で、 破産財団 に属する財産に対して既にされているものは、破産財団に対してはその効力を失う。ただし、同項に規定する強制執行又は一般の先取特権の実行(以下この条において「 強制執行又は先取特権の実行 」という。)の手続については、 破産管財人 において破産財団のためにその手続を続行することを妨げない。

3項 前項ただし書の規定により続行された 強制執行又は先取特権の実行 の手続については、 民事執行法 第63条 《剰余を生ずる見込みのない場合等の措置 …》 執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その旨を差押債権者最初の強制競売の開始決定に係る差押債権者をいう。ただし、第47条第6項の規定により手続を続行する旨の裁判があつたときは、その 及び 第129条 《剰余を生ずる見込みのない場合の差押えの禁…》 止等 差し押さえるべき動産の売得金の額が手続費用の額を超える見込みがないときは、執行官は、差押えをしてはならない。 2 差押物の売得金の額が手続費用及び差押債権者の債権に優先する債権の額の合計額以上これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。

4項 第2項ただし書の規定により続行された 強制執行又は先取特権の実行 の手続に関する 破産者 に対する費用請求権は、 財団債権 とする。

5項 第2項ただし書の規定により続行された 強制執行又は先取特権の実行 に対する第三者異議の訴えについては、 破産管財人 を被告とする。

6項 破産手続 開始の決定があったときは、 破産債権 又は 財団債権 に基づく財産開示手続( 民事執行法 第196条 《管轄 この節の規定による債務者の財産の…》 開示に関する手続以下「財産開示手続」という。については、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。 に規定する財産開示手続をいう。以下この項並びに 第249条第1項 《免責許可の申立てがあり、かつ、第216条…》 第1項の規定による破産手続廃止の決定、第217条第1項の規定による破産手続廃止の決定の確定又は第220条第1項の規定による破産手続終結の決定があったときは、当該申立てについての裁判が確定するまでの間は 及び第2項において同じ。又は第三者からの情報取得手続(同法第204条に規定する第三者からの情報取得手続をいう。以下この項並びに 第249条第1項 《免責許可の申立てがあり、かつ、第216条…》 第1項の規定による破産手続廃止の決定、第217条第1項の規定による破産手続廃止の決定の確定又は第220条第1項の規定による破産手続終結の決定があったときは、当該申立てについての裁判が確定するまでの間は 及び第2項において同じ。)の申立てはすることができず、破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続はその効力を失う。

43条 (国税滞納処分等の取扱い)

1項 破産手続 開始の決定があった場合には、 破産財団 に属する財産に対する国税滞納処分( 外国租税滞納処分 を除く。次項において同じ。)は、することができない。

2項 破産財団 に属する財産に対して国税滞納処分が既にされている場合には、 破産手続 開始の決定は、その国税滞納処分の続行を妨げない。

3項 破産手続 開始の決定があったときは、破産手続が終了するまでの間は、罰金、科料及び追徴の時効は、進行しない。免責許可の申立てがあった後当該申立てについての裁判が確定するまでの間(破産手続開始の決定前に免責許可の申立てがあった場合にあっては、破産手続開始の決定後当該申立てについての裁判が確定するまでの間)も、同様とする。

44条 (破産財団に関する訴えの取扱い)

1項 破産手続 開始の決定があったときは、 破産者 を当事者とする 破産財団 に関する訴訟手続は、中断する。

2項 破産管財人 は、前項の規定により中断した訴訟手続のうち 破産債権 に関しないものを受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

3項 前項の場合においては、相手方の 破産者 に対する訴訟費用請求権は、 財団債権 とする。

4項 破産手続 が終了したときは、 破産管財人 を当事者とする 破産財団 に関する訴訟手続は、中断する。

5項 破産者 は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

6項 第1項の規定により中断した訴訟手続について第2項の規定による受継があるまでに 破産手続 が終了したときは、 破産者 は、当然訴訟手続を受継する。

45条 (債権者代位訴訟及び詐害行為取消訴訟の取扱い)

1項 民法 1896年法律第89号第423条第1項 《債権者は、自己の債権を保全するため必要が…》 あるときは、債務者に属する権利以下「被代位権利」という。を行使することができる。 ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。第423条 《債権者代位権の要件 債権者は、自己の債…》 権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利以下「被代位権利」という。を行使することができる。 ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。 2 債権者は、 の七又は 第424条第1項 《債権者は、債務者が債権者を害することを知…》 ってした行為の取消しを裁判所に請求することができる。 ただし、その行為によって利益を受けた者以下この款において「受益者」という。がその行為の時において債権者を害することを知らなかったときは、この限りで の規定により 破産債権 又は 財団債権 者の提起した訴訟が 破産手続 開始当時係属するときは、その訴訟手続は、中断する。

2項 破産管財人 は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

3項 前項の場合においては、相手方の 破産債権 又は 財団債権 者に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。

4項 第1項の規定により中断した訴訟手続について第2項の規定による受継があった後に 破産手続 が終了したときは、当該訴訟手続は、中断する。

5項 前項の場合には、 破産債権 又は 財団債権 者において当該訴訟手続を受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

6項 第1項の規定により中断した訴訟手続について第2項の規定による受継があるまでに 破産手続 が終了したときは、 破産債権 又は 財団債権 者は、当然訴訟手続を受継する。

46条 (行政庁に係属する事件の取扱い)

1項 第44条 《破産財団に関する訴えの取扱い 破産手続…》 開始の決定があったときは、破産者を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 2 破産管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続のうち破産債権に関しないものを受け継ぐことができる。 この場合に の規定は、 破産財団 に関する事件で行政庁に係属するものについて準用する。

2款 破産手続開始の効果

47条 (開始後の法律行為の効力)

1項 破産者 破産手続 開始後に 破産財団 に属する財産に関してした法律行為は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。

2項 破産者 破産手続 開始の日にした法律行為は、破産手続開始後にしたものと推定する。

48条 (開始後の権利取得の効力)

1項 破産手続 開始後に 破産財団 に属する財産に関して 破産者 の法律行為によらないで権利を取得しても、その権利の取得は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。

2項 前条第2項の規定は、 破産手続 開始の日における前項の権利の取得について準用する。

49条 (開始後の登記及び登録の効力)

1項 不動産又は船舶に関し 破産手続 開始前に生じた登記原因に基づき破産手続開始後にされた登記又は 不動産登記法 2004年法律第123号第105条第1号 《仮登記 第105条 仮登記は、次に掲げる…》 場合にすることができる。 1 第3条各号に掲げる権利について保存等があった場合において、当該保存等に係る登記の申請をするために登記所に対し提供しなければならない情報であって、第25条第9号の申請情報と の規定による仮登記は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。ただし、登記権利者が破産手続開始の事実を知らないでした登記又は仮登記については、この限りでない。

2項 前項の規定は、権利の設定、移転若しくは変更に関する登録若しくは仮登録又は企業担保権の設定、移転若しくは変更に関する登記について準用する。

50条 (開始後の破産者に対する弁済の効力)

1項 破産手続 開始後に、その事実を知らないで 破産者 にした弁済は、破産手続の関係においても、その効力を主張することができる。

2項 破産手続 開始後に、その事実を知って 破産者 にした弁済は、 破産財団 が受けた利益の限度においてのみ、破産手続の関係において、その効力を主張することができる。

51条 (善意又は悪意の推定)

1項 前2条の規定の適用については、 第32条第1項 《裁判所は、破産手続開始の決定をしたときは…》 、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 1 破産手続開始の決定の主文 2 破産管財人の氏名又は名称 3 前条第1項の規定により定めた期間又は期日 4 破産財団に属する財産の所持者及び破産者 の規定による公告の前においてはその事実を知らなかったものと推定し、当該公告の後においてはその事実を知っていたものと推定する。

52条 (共有関係)

1項 数人が共同して財産権を有する場合において、共有者の中に 破産手続 開始の決定を受けた者があるときは、その共有に係る財産の分割の請求は、共有者の間で分割をしない旨の定めがあるときでも、することができる。

2項 前項の場合には、他の共有者は、相当の償金を支払って 破産者 の持分を取得することができる。

53条 (双務契約)

1項 双務契約について 破産者 及びその相手方が 破産手続 開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、 破産管財人 は、契約の解除をし、又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。

2項 前項の場合には、相手方は、 破産管財人 に対し、相当の期間を定め、その期間内に契約の解除をするか、又は債務の履行を請求するかを確答すべき旨を催告することができる。この場合において、破産管財人がその期間内に確答をしないときは、契約の解除をしたものとみなす。

3項 前項の規定は、相手方又は 破産管財人 民法 第631条 《使用者についての破産手続の開始による解約…》 の申入れ 使用者が破産手続開始の決定を受けた場合には、雇用に期間の定めがあるときであっても、労働者又は破産管財人は、第627条の規定により解約の申入れをすることができる。 この場合において、各当事者 前段の規定により解約の申入れをすることができる場合又は同法第642条第1項前段の規定により契約の解除をすることができる場合について準用する。

54条

1項 前条第1項又は第2項の規定により契約の解除があった場合には、相手方は、損害の賠償について 破産債権 者としてその権利を行使することができる。

2項 前項に規定する場合において、相手方は、 破産者 の受けた反対給付が 破産財団 中に現存するときは、その返還を請求することができ、現存しないときは、その価額について 財団債権 者としてその権利を行使することができる。

55条 (継続的給付を目的とする双務契約)

1項 破産者 に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、 破産手続 開始の申立て前の給付に係る 破産債権 について弁済がないことを理由としては、破産手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。

2項 前項の双務契約の相手方が 破産手続 開始の申立て後破産手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権を含む。)は、 財団債権 とする。

3項 前2項の規定は、労働契約には、適用しない。

56条 (賃貸借契約等)

1項 第53条第1項 《双務契約について破産者及びその相手方が破…》 産手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、破産管財人は、契約の解除をし、又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。 及び第2項の規定は、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を設定する契約について 破産者 の相手方が当該権利につき登記、登録その他の第三者に対抗することができる要件を備えている場合には、適用しない。

2項 前項に規定する場合には、相手方の有する請求権は、 財団債権 とする。

57条 (委任契約)

1項 委任者について 破産手続 が開始された場合において、受任者は、 民法 第655条 《委任の終了の対抗要件 委任の終了事由は…》 、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、これをもってその相手方に対抗することができない。 の規定による破産手続開始の通知を受けず、かつ、破産手続開始の事実を知らないで委任事務を処理したときは、これによって生じた債権について、 破産債権 者としてその権利を行使することができる。

58条 (市場の相場がある商品の取引に係る契約)

1項 取引所の相場その他の市場の相場がある商品の取引に係る契約であって、その取引の性質上特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができないものについて、その時期が 破産手続 開始後に到来すべきときは、当該契約は、解除されたものとみなす。

2項 前項の場合において、損害賠償の額は、履行地又はその地の相場の標準となるべき地における同種の取引であって同1の時期に履行すべきものの相場と当該契約における商品の価格との差額によって定める。

3項 第54条第1項 《前条第1項又は第2項の規定により契約の解…》 除があった場合には、相手方は、損害の賠償について破産債権者としてその権利を行使することができる。 の規定は、前項の規定による損害の賠償について準用する。

4項 第1項又は第2項に定める事項について当該取引所又は市場における別段の定めがあるときは、その定めに従う。

5項 第1項の取引を継続して行うためにその当事者間で締結された基本契約において、その基本契約に基づいて行われるすべての同項の取引に係る契約につき生ずる第2項に規定する損害賠償の債権又は債務を差引計算して決済する旨の定めをしたときは、請求することができる損害賠償の額の算定については、その定めに従う。

59条 (交互計算)

1項 交互計算は、当事者の一方について 破産手続 が開始されたときは、終了する。この場合においては、各当事者は、計算を閉鎖して、残額の支払を請求することができる。

2項 前項の規定による請求権は、 破産者 が有するときは 破産財団 に属し、相手方が有するときは 破産債権 とする。

60条 (為替手形の引受け又は支払等)

1項 為替手形の振出人又は裏書人について 破産手続 が開始された場合において、支払人又は予備支払人がその事実を知らないで引受け又は支払をしたときは、その支払人又は予備支払人は、これによって生じた債権につき、 破産債権 者としてその権利を行使することができる。

2項 前項の規定は、小切手及び金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする有価証券について準用する。

3項 第51条 《善意又は悪意の推定 前2条の規定の適用…》 については、第32条第1項の規定による公告の前においてはその事実を知らなかったものと推定し、当該公告の後においてはその事実を知っていたものと推定する。 の規定は、前2項の規定の適用について準用する。

61条 (夫婦財産関係における管理者の変更等)

1項 民法 第758条第2項 《2 夫婦の一方が、他の一方の財産を管理す…》 る場合において、管理が失当であったことによってその財産を危うくしたときは、他の一方は、自らその管理をすることを家庭裁判所に請求することができる。 及び第3項並びに 第759条 《財産の管理者の変更及び共有財産の分割の対…》 抗要件 前条の規定又は第755条の契約の結果により、財産の管理者を変更し、又は共有財産の分割をしたときは、その登記をしなければ、これを夫婦の承継人及び第三者に対抗することができない。 の規定は配偶者の財産を管理する者につき 破産手続 が開始された場合について、同法第835条の規定は親権を行う者につき破産手続が開始された場合について準用する。

3款 取戻権

62条 (取戻権)

1項 破産手続 の開始は、 破産者 に属しない財産を 破産財団 から取り戻す権利( 第64条 《代償的取戻権 破産者保全管理人が選任さ…》 れている場合にあっては、保全管理人が破産手続開始前に取戻権の目的である財産を譲り渡した場合には、当該財産について取戻権を有する者は、反対給付の請求権の移転を請求することができる。 破産管財人が取戻権の 及び 第78条第2項第13号 《2 破産管財人が次に掲げる行為をするには…》 、裁判所の許可を得なければならない。 1 不動産に関する物権、登記すべき日本船舶又は外国船舶の任意売却 2 鉱業権、漁業権、公共施設等運営権、樹木採取権、漁港水面施設運営権、貯留権、試掘権二酸化炭素の において「 取戻権 」という。)に影響を及ぼさない。

63条 (運送中の物品の売主等の取戻権)

1項 売主が売買の目的である物品を買主に発送した場合において、買主がまだ代金の全額を弁済せず、かつ、到達地でその物品を受け取らない間に買主について 破産手続 開始の決定があったときは、売主は、その物品を取り戻すことができる。ただし、 破産管財人 が代金の全額を支払ってその物品の引渡しを請求することを妨げない。

2項 前項の規定は、 第53条第1項 《双務契約について破産者及びその相手方が破…》 産手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、破産管財人は、契約の解除をし、又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。 及び第2項の規定の適用を妨げない。

3項 第1項の規定は、物品の買入れの委託を受けた問屋がその物品を委託者に発送した場合について準用する。この場合において、同項中「代金」とあるのは、「報酬及び費用」と読み替えるものとする。

64条 (代償的取戻権)

1項 破産者 保全管理人 が選任されている場合にあっては、保全管理人)が 破産手続 開始前に 取戻権 の目的である財産を譲り渡した場合には、当該財産について取戻権を有する者は、反対給付の請求権の移転を請求することができる。 破産管財人 が取戻権の目的である財産を譲り渡した場合も、同様とする。

2項 前項の場合において、 破産管財人 が反対給付を受けたときは、同項の 取戻権 を有する者は、破産管財人が反対給付として受けた財産の給付を請求することができる。

4款 別除権

65条 (別除権)

1項 別除権 は、 破産手続 によらないで、行使することができる。

2項 担保権(特別の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この項において同じ。)の目的である財産が 破産管財人 による任意売却その他の事由により 破産財団 に属しないこととなった場合において当該担保権がなお存続するときにおける当該担保権を有する者も、その目的である財産について 別除権 を有する。

66条 (留置権の取扱い)

1項 破産手続 開始の時において 破産財団 に属する財産につき存する商法又は会社法の規定による留置権は、破産財団に対しては特別の先取特権とみなす。

2項 前項の特別の先取特権は、 民法 その他の法律の規定による他の特別の先取特権に後れる。

3項 第1項に規定するものを除き、 破産手続 開始の時において 破産財団 に属する財産につき存する留置権は、破産財団に対してはその効力を失う。

5款 相殺権

67条 (相殺権)

1項 破産債権 者は、 破産手続 開始の時において 破産者 に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができる。

2項 破産債権 者の有する債権が 破産手続 開始の時において期限付若しくは解除条件付であるとき、又は 第103条第2項第1号 《2 前項の場合において、破産債権の額は、…》 次に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める額とする。 1 次に掲げる債権 破産手続開始の時における評価額 イ 金銭の支払を目的としない債権 ロ 金銭債権で、その額が不確定であるもの又はその額 に掲げるものであるときでも、破産債権者が前項の規定により相殺をすることを妨げない。破産債権者の負担する債務が期限付若しくは条件付であるとき、又は将来の請求権に関するものであるときも、同様とする。

68条 (相殺に供することができる破産債権の額)

1項 破産債権 者が前条の規定により相殺をする場合の破産債権の額は、 第103条第2項 《2 前項の場合において、破産債権の額は、…》 次に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める額とする。 1 次に掲げる債権 破産手続開始の時における評価額 イ 金銭の支払を目的としない債権 ロ 金銭債権で、その額が不確定であるもの又はその額 各号に掲げる債権の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額とする。

2項 前項の規定にかかわらず、 破産債権 者の有する債権が無利息債権又は定期金債権であるときは、その破産債権者は、その債権の債権額から 第99条第1項第2号 《次に掲げる債権以下「劣後的破産債権」とい…》 う。は、他の破産債権次項に規定する約定劣後破産債権を除く。に後れる。 1 第97条第1号から第7号までに掲げる請求権 2 破産手続開始後に期限が到来すべき確定期限付債権で無利息のもののうち、破産手続開 から第4号までに掲げる部分の額を控除した額の限度においてのみ、相殺をすることができる。

69条 (解除条件付債権を有する者による相殺)

1項 解除条件付債権を有する者が相殺をするときは、その相殺によって消滅する債務の額について、 破産財団 のために、担保を供し、又は寄託をしなければならない。

70条 (停止条件付債権等を有する者による寄託の請求)

1項 停止条件付債権又は将来の請求権を有する者は、 破産者 に対する債務を弁済する場合には、後に相殺をするため、その債権額の限度において弁済額の寄託を請求することができる。敷金の返還請求権を有する者が破産者に対する賃料債務を弁済する場合も、同様とする。

71条 (相殺の禁止)

1項 破産債権 者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。

1号 破産手続 開始後に 破産財団 に対して債務を負担したとき。

2号 支払不能 になった後に契約によって負担する債務を専ら 破産債権 をもってする相殺に供する目的で 破産者 の財産の処分を内容とする契約を破産者との間で締結し、又は破産者に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより破産者に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。

3号 支払の停止があった後に 破産者 に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。ただし、当該支払の停止があった時において 支払不能 でなかったときは、この限りでない。

4号 破産手続 開始の申立てがあった後に 破産者 に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、破産手続開始の申立てがあったことを知っていたとき。

2項 前項第2号から第4号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。

1号 法定の原因

2号 支払不能 であったこと又は支払の停止若しくは 破産手続 開始の申立てがあったことを 破産債権 者が知った時より前に生じた原因

3号 破産手続 開始の申立てがあった時より1年以上前に生じた原因

72条

1項 破産者 に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。

1号 破産手続 開始後に他人の 破産債権 を取得したとき。

2号 支払不能 になった後に 破産債権 を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。

3号 支払の停止があった後に 破産債権 を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。ただし、当該支払の停止があった時において 支払不能 でなかったときは、この限りでない。

4号 破産手続 開始の申立てがあった後に 破産債権 を取得した場合であって、その取得の当時、破産手続開始の申立てがあったことを知っていたとき。

2項 前項第2号から第4号までの規定は、これらの規定に規定する 破産債権 の取得が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。

1号 法定の原因

2号 支払不能 であったこと又は支払の停止若しくは 破産手続 開始の申立てがあったことを 破産者 に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因

3号 破産手続 開始の申立てがあった時より1年以上前に生じた原因

4号 破産者 に対して債務を負担する者と破産者との間の契約

73条 (破産管財人の催告権)

1項 破産管財人 は、 第31条第1項第3号 《裁判所は、破産手続開始の決定と同時に、1…》 又は数人の破産管財人を選任し、かつ、次に掲げる事項を定めなければならない。 1 破産債権の届出をすべき期間 2 破産者の財産状況を報告するために招集する債権者集会第4項、第136条第2項及び第3項並 の期間が経過した後又は同号の期日が終了した後は、 第67条 《相殺権 破産債権者は、破産手続開始の時…》 において破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができる。 2 破産債権者の有する債権が破産手続開始の時において期限付若しくは解除条件付であるとき、又は第103条第2項 の規定により相殺をすることができる 破産債権 者に対し、1月以上の期間を定め、その期間内に当該破産債権をもって相殺をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。ただし、破産債権者の負担する債務が弁済期にあるときに限る。

2項 前項の規定による催告があった場合において、 破産債権 者が同項の規定により定めた期間内に確答をしないときは、当該破産債権者は、 破産手続 の関係においては、当該破産債権についての相殺の効力を主張することができない。

3章 破産手続の機関 > 1節 破産管財人 > 1款 破産管財人の選任及び監督

74条 (破産管財人の選任)

1項 破産管財人 は、裁判所が選任する。

2項 法人は、 破産管財人 となることができる。

75条 (破産管財人に対する監督等)

1項 破産管財人 は、裁判所が監督する。

2項 裁判所は、 破産管財人 破産財団 に属する財産の管理及び処分を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産管財人を解任することができる。この場合においては、その破産管財人を審尋しなければならない。

76条 (数人の破産管財人の職務執行)

1項 破産管財人 が数人あるときは、共同してその職務を行う。ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。

2項 破産管財人 が数人あるときは、第三者の意思表示は、その1人に対してすれば足りる。

77条 (破産管財人代理)

1項 破産管財人 は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で1人又は数人の破産管財人代理を選任することができる。

2項 前項の 破産管財人 代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。

2款 破産管財人の権限等

78条 (破産管財人の権限)

1項 破産手続 開始の決定があった場合には、 破産財団 に属する財産の管理及び処分をする権利は、裁判所が選任した 破産管財人 に専属する。

2項 破産管財人 が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。

1号 不動産に関する物権、登記すべき日本船舶又は外国船舶の任意売却

2号 鉱業権、漁業権、公共施設等運営権、樹木採取権、漁港水面施設運営権、貯留権、試掘権( 二酸化炭素の貯留事業に関する法律 2024年法律第38号第2条第8項 《8 この法律において「試掘権」とは、試掘…》 区域における試掘の用に供する貯留等工作物を当該試掘区域に設置し、及び運用し、並びに当該試掘区域において試掘を行う権利をいう。 に規定する試掘権をいう。)、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、回路配置利用権、育成者権、著作権又は著作隣接権の任意売却

3号 営業又は事業の譲渡

4号 商品の一括売却

5号 借財

6号 第238条第2項 《2 破産管財人は、前項後段の規定にかかわ…》 らず、相続の放棄の効力を認めることができる。 この場合においては、相続の放棄があったことを知った時から3月以内に、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。 の規定による相続の放棄の承認、 第243条 《包括受遺者の破産 前節の規定は、包括受…》 遺者について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 において準用する同項の規定による包括遺贈の放棄の承認又は 第244条第1項 《破産手続開始の決定前に破産者のために特定…》 遺贈があった場合において、破産者が当該決定の時においてその承認又は放棄をしていなかったときは、破産管財人は、破産者に代わって、その承認又は放棄をすることができる。 の規定による特定遺贈の放棄

7号 動産の任意売却

8号 債権又は有価証券の譲渡

9号 第53条第1項 《双務契約について破産者及びその相手方が破…》 産手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、破産管財人は、契約の解除をし、又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。 の規定による履行の請求

10号 訴えの提起

11号 和解又は仲裁合意( 仲裁法 2003年法律第138号第2条第1項 《この法律において「仲裁合意」とは、既に生…》 じた民事上の紛争又は将来において生ずる一定の法律関係契約に基づくものであるかどうかを問わない。に関する民事上の紛争の全部又は一部の解決を1人又は2人以上の仲裁人にゆだね、かつ、その判断以下「仲裁判断」 に規定する仲裁合意をいう。

12号 権利の放棄

13号 財団債権 取戻権 又は 別除権 の承認

14号 別除権 の目的である財産の受戻し

15号 その他裁判所の指定する行為

3項 前項の規定にかかわらず、同項第7号から第14号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。

1号 最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。

2号 前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。

4項 裁判所は、第2項第3号の規定により営業又は事業の譲渡につき同項の許可をする場合には、労働組合等の意見を聴かなければならない。

5項 第2項の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。

6項 破産管財人 は、第2項各号に掲げる行為をしようとするときは、遅滞を生ずるおそれのある場合又は第3項各号に掲げる場合を除き、 破産者 の意見を聴かなければならない。

79条 (破産財団の管理)

1項 破産管財人 は、就職の後直ちに 破産財団 に属する財産の管理に着手しなければならない。

80条 (当事者適格)

1項 破産財団 に関する訴えについては、 破産管財人 を原告又は被告とする。

81条 (郵便物等の管理)

1項 裁判所は、 破産管財人 の職務の遂行のため必要があると認めるときは、信書の送達の事業を行う者に対し、 破産者 にあてた郵便物又は 民間事業者による信書の送達に関する法律 2002年法律第99号第2条第3項 《3 この法律において「信書便物」とは、信…》 書便の役務により送達される信書その包装及びその包装に封入される信書以外の物を含む。をいう。 に規定する信書便物(次条及び 第118条第5項 《5 前項の規定による送達をした場合におい…》 ては、その郵便物等が通常到達すべきであった時に、送達があったものとみなす。 において「 郵便物等 」という。)を破産管財人に配達すべき旨を嘱託することができる。

2項 裁判所は、 破産者 の申立てにより又は職権で、 破産管財人 の意見を聴いて、前項に規定する嘱託を取り消し、又は変更することができる。

3項 破産手続 が終了したときは、裁判所は、第1項に規定する嘱託を取り消さなければならない。

4項 第1項又は第2項の規定による決定及び同項の申立てを却下する裁判に対しては、 破産者 又は 破産管財人 は、即時抗告をすることができる。

5項 第1項の規定による決定に対する前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

82条

1項 破産管財人 は、 破産者 にあてた 郵便物等 を受け取ったときは、これを開いて見ることができる。

2項 破産者 は、 破産管財人 に対し、破産管財人が受け取った前項の 郵便物等 の閲覧又は当該郵便物等で 破産財団 に関しないものの交付を求めることができる。

83条 (破産管財人による調査等)

1項 破産管財人 は、 第40条第1項 《次に掲げる者は、破産管財人若しくは第14…》 4条第2項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 ただし、第5号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。 1 各号に掲げる者及び同条第2項に規定する者に対して同条の規定による説明を求め、又は 破産財団 に関する帳簿、書類その他の物件を検査することができる。

2項 破産管財人 は、その職務を行うため必要があるときは、 破産者 の子会社等(次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める法人をいう。次項において同じ。)に対して、その業務及び財産の状況につき説明を求め、又はその帳簿、書類その他の物件を検査することができる。

1号 破産者 が株式会社である場合破産者の子会社(会社法第2条第3号に規定する子会社をいう。

2号 破産者 が株式会社以外のものである場合破産者が株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合における当該株式会社

3項 破産者 株式会社以外のものに限る。以下この項において同じ。)の子会社等又は破産者及びその子会社等が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、前項の規定の適用については、当該他の株式会社を当該破産者の子会社等とみなす。

84条 (破産管財人の職務の執行の確保)

1項 破産管財人 は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、裁判所の許可を得て、警察上の援助を求めることができる。

85条 (破産管財人の注意義務)

1項 破産管財人 は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。

2項 破産管財人 が前項の注意を怠ったときは、その破産管財人は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する義務を負う。

86条 (破産管財人の情報提供努力義務)

1項 破産管財人 は、 破産債権 である給料の請求権又は退職手当の請求権を有する者に対し、 破産手続 に参加するのに必要な情報を提供するよう努めなければならない。

87条 (破産管財人の報酬等)

1項 破産管財人 は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。

2項 前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

3項 前2項の規定は、 破産管財人 代理について準用する。

88条 (破産管財人の任務終了の場合の報告義務等)

1項 破産管財人 の任務が終了した場合には、破産管財人は、遅滞なく、計算の報告書を裁判所に提出しなければならない。

2項 前項の場合において、 破産管財人 が欠けたときは、同項の計算の報告書は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人が提出しなければならない。

3項 第1項又は前項の場合には、第1項の 破産管財人 又は前項の後任の破産管財人は、破産管財人の任務終了による債権者集会への計算の報告を目的として 第135条第1項 《裁判所は、次の各号に掲げる者のいずれかの…》 申立てがあった場合には、債権者集会を招集しなければならない。 ただし、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して債権者集会を招集することを相当でないと認めるときは、この限りでない。 1 破産管財人 本文の申立てをしなければならない。

4項 破産者 破産債権 又は後任の 破産管財人 第2項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の申立てにより招集される債権者集会の期日において、第1項又は第2項の計算について異議を述べることができる。

5項 前項の債権者集会の期日と第1項又は第2項の規定による計算の報告書の提出日との間には、3日以上の期間を置かなければならない。

6項 第4項の債権者集会の期日において同項の異議がなかった場合には、第1項又は第2項の計算は、承認されたものとみなす。

89条

1項 前条第1項又は第2項の場合には、同条第1項の 破産管財人 又は同条第2項の後任の破産管財人は、同条第3項の申立てに代えて、書面による計算の報告をする旨の申立てを裁判所にすることができる。

2項 裁判所は、前項の規定による申立てがあり、かつ、前条第1項又は第2項の規定による計算の報告書の提出があったときは、その提出があった旨及びその計算に異議があれば一定の期間内にこれを述べるべき旨を公告しなければならない。この場合においては、その期間は、1月を下ることができない。

3項 破産者 破産債権 又は後任の 破産管財人 第1項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の期間内に前条第1項又は第2項の計算について異議を述べることができる。

4項 第2項の期間内に前項の異議がなかった場合には、前条第1項又は第2項の計算は、承認されたものとみなす。

90条 (任務終了の場合の財産の管理)

1項 破産管財人 の任務が終了した場合において、急迫の事情があるときは、破産管財人又はその承継人は、後任の破産管財人又は 破産者 が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。

2項 破産手続 開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定が確定した場合には、 破産管財人 は、 財団債権 を弁済しなければならない。ただし、その存否又は額について争いのある財団債権については、その債権を有する者のために供託しなければならない。

2節 保全管理人

91条 (保全管理命令)

1項 裁判所は、 破産手続 開始の申立てがあった場合において、債務者(法人である場合に限る。以下この節、 第148条第4項 《4 保全管理人が債務者の財産に関し権限に…》 基づいてした行為によって生じた請求権は、財団債権とする。 及び 第152条第2項 《2 前項の規定にかかわらず、同項本文に規…》 定する場合における第148条第1項第1号及び第2号に掲げる財団債権債務者の財産の管理及び換価に関する費用の請求権であって、同条第4項に規定するものを含む。は、他の財団債権に先立って、弁済する。 において同じ。)の財産の管理及び処分が失当であるとき、その他債務者の財産の確保のために特に必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、 保全管理人 による管理を命ずる処分をすることができる。

2項 裁判所は、前項の規定による処分(以下「 保全管理命令 」という。)をする場合には、当該 保全管理命令 において、1人又は数人の 保全管理人 を選任しなければならない。

3項 前2項の規定は、 破産手続 開始の申立てを棄却する決定に対して 第33条第1項 《破産手続開始の申立てについての裁判に対し…》 ては、即時抗告をすることができる。 の即時抗告があった場合について準用する。

4項 裁判所は、 保全管理命令 を変更し、又は取り消すことができる。

5項 保全管理命令 及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

6項 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

92条 (保全管理命令に関する公告及び送達)

1項 裁判所は、 保全管理命令 を発したときは、その旨を公告しなければならない。保全管理命令を変更し、又は取り消す旨の決定があった場合も、同様とする。

2項 保全管理命令 、前条第4項の規定による決定及び同条第5項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。

3項 第10条第4項 《4 この法律の規定により裁判の公告がされ…》 たときは、一切の関係人に対して当該裁判の告知があったものとみなす。 の規定は、第1項の場合については、適用しない。

93条 (保全管理人の権限)

1項 保全管理命令 が発せられたときは、債務者の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)の管理及び処分をする権利は、 保全管理人 に専属する。ただし、保全管理人が債務者の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。

2項 前項ただし書の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。

3項 第78条第2項 《2 破産管財人が次に掲げる行為をするには…》 、裁判所の許可を得なければならない。 1 不動産に関する物権、登記すべき日本船舶又は外国船舶の任意売却 2 鉱業権、漁業権、公共施設等運営権、樹木採取権、漁港水面施設運営権、貯留権、試掘権二酸化炭素の から第6項までの規定は、 保全管理人 について準用する。

94条 (保全管理人の任務終了の場合の報告義務)

1項 保全管理人 の任務が終了した場合には、保全管理人は、遅滞なく、裁判所に書面による計算の報告をしなければならない。

2項 前項の場合において、 保全管理人 が欠けたときは、同項の計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の保全管理人又は 破産管財人 がしなければならない。

95条 (保全管理人代理)

1項 保全管理人 は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で1人又は数人の保全管理人代理を選任することができる。

2項 前項の規定による 保全管理人 代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。

96条 (準用)

1項 第40条 《破産者等の説明義務 次に掲げる者は、破…》 産管財人若しくは第144条第2項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 ただし、第5号に掲げる者については、裁判所の許可 の規定は 保全管理人 の請求について、 第47条 《開始後の法律行為の効力 破産者が破産手…》 続開始後に破産財団に属する財産に関してした法律行為は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 2 破産者が破産手続開始の日にした法律行為は、破産手続開始後にしたものと推定する。第50条 《開始後の破産者に対する弁済の効力 破産…》 手続開始後に、その事実を知らないで破産者にした弁済は、破産手続の関係においても、その効力を主張することができる。 2 破産手続開始後に、その事実を知って破産者にした弁済は、破産財団が受けた利益の限度に 及び 第51条 《善意又は悪意の推定 前2条の規定の適用…》 については、第32条第1項の規定による公告の前においてはその事実を知らなかったものと推定し、当該公告の後においてはその事実を知っていたものと推定する。 の規定は 保全管理命令 が発せられた場合について、 第74条第2項 《2 法人は、破産管財人となることができる…》 第75条 《破産管財人に対する監督等 破産管財人は…》 、裁判所が監督する。 2 裁判所は、破産管財人が破産財団に属する財産の管理及び処分を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産管財人を解任することが第76条 《数人の破産管財人の職務執行 破産管財人…》 が数人あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 2 破産管財人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その1人に対第79条 《破産財団の管理 破産管財人は、就職の後…》 直ちに破産財団に属する財産の管理に着手しなければならない。第80条 《当事者適格 破産財団に関する訴えについ…》 ては、破産管財人を原告又は被告とする。第82条 《 破産管財人は、破産者にあてた郵便物等を…》 受け取ったときは、これを開いて見ることができる。 2 破産者は、破産管財人に対し、破産管財人が受け取った前項の郵便物等の閲覧又は当該郵便物等で破産財団に関しないものの交付を求めることができる。 から 第85条 《破産管財人の注意義務 破産管財人は、善…》 良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 破産管財人が前項の注意を怠ったときは、その破産管財人は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する義務を負う。 まで、 第87条第1項 《破産管財人は、費用の前払及び裁判所が定め…》 る報酬を受けることができる。 及び第2項並びに 第90条第1項 《破産管財人の任務が終了した場合において、…》 急迫の事情があるときは、破産管財人又はその承継人は、後任の破産管財人又は破産者が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。 の規定は保全管理人について、 第87条第1項 《破産管財人は、費用の前払及び裁判所が定め…》 る報酬を受けることができる。 及び第2項の規定は保全管理人代理について準用する。この場合において、 第51条 《善意又は悪意の推定 前2条の規定の適用…》 については、第32条第1項の規定による公告の前においてはその事実を知らなかったものと推定し、当該公告の後においてはその事実を知っていたものと推定する。 中「 第32条第1項 《裁判所は、破産手続開始の決定をしたときは…》 、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 1 破産手続開始の決定の主文 2 破産管財人の氏名又は名称 3 前条第1項の規定により定めた期間又は期日 4 破産財団に属する財産の所持者及び破産者 の規定による公告」とあるのは「 第92条第1項 《裁判所は、保全管理命令を発したときは、そ…》 の旨を公告しなければならない。 保全管理命令を変更し、又は取り消す旨の決定があった場合も、同様とする。 の規定による公告」と、 第90条第1項 《破産管財人の任務が終了した場合において、…》 急迫の事情があるときは、破産管財人又はその承継人は、後任の破産管財人又は破産者が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。 中「後任の 破産管財人 」とあるのは「後任の保全管理人、破産管財人」と読み替えるものとする。

2項 債務者の財産に関する訴訟手続及び債務者の財産関係の事件で行政庁に係属するものについては、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める規定を準用する。

1号 保全管理命令 が発せられた場合 第44条第1項 《破産手続開始の決定があったときは、破産者…》 を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 から第3項まで

2号 保全管理命令 が効力を失った場合( 破産手続 開始の決定があった場合を除く。)第44条第4項から第6項まで

4章 破産債権 > 1節 破産債権者の権利

97条 (破産債権に含まれる請求権)

1項 次に掲げる債権( 財団債権 であるものを除く。)は、 破産債権 に含まれるものとする。

1号 破産手続 開始後の利息の請求権

2号 破産手続 開始後の不履行による損害賠償又は違約金の請求権

3号 破産手続 開始後の延滞税、利子税若しくは延滞金の請求権又はこれらに類する共助対象外国租税の請求権

4号 国税徴収法 1959年法律第147号又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権(以下「 租税等の請求権 」という。)であって、 破産財団 に関して 破産手続 開始後の原因に基づいて生ずるもの

5号 加算税( 国税通則法 1962年法律第66号第2条第4号 《定義 第2条 この法律において、次の各号…》 に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 1 国税 国が課する税のうち関税、とん税、特別とん税、森林環境税及び特別法人事業税以外のものをいう。 2 源泉徴収等による国税 源泉徴収に係る所得 に規定する過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税をいう。)若しくは加算金( 地方税法 1950年法律第226号第1条第1項第14号 《この法律において、次の各号に掲げる用語の…》 意義は、当該各号に定めるところによる。 1 地方団体 道府県又は市町村をいう。 2 地方団体の長 道府県知事又は市町村長をいう。 3 徴税吏員 道府県知事若しくはその委任を受けた道府県職員又は市町村長 に規定する過少申告加算金、不申告加算金及び重加算金をいう。)の請求権又はこれらに類する共助対象外国租税の請求権

6号 罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金又は過料の請求権(以下「 罰金等の請求権 」という。

7号 破産手続 参加の費用の請求権

8号 第54条第1項 《第53条第1項に規定する法人税法第71条…》 第1項の規定による法人税に係る申告書同法第72条第1項各号に掲げる事項を記載したものに限る。又は同法第144条の3第1項の規定による法人税に係る申告書同法第144条の4第1項各号に掲げる事項を記載した 第58条第3項 《3 第1項の道府県知事は、同項若しくは本…》 項の規定による従業者数の修正又は前項の規定による従業者数の決定をした場合において、当該修正又は決定に係る従業者数が事実と異なることを発見したときは、これを修正するものとする。 において準用する場合を含む。)に規定する相手方の損害賠償の請求権

9号 第57条 《二以上の道府県において事務所又は事業所を…》 有する法人の道府県民税の申告納付 二以上の道府県において事務所又は事業所を有する法人予定申告法人及び第53条第2項の規定により申告書を提出すべき法人を除く。が同条同条第1項後段を除く。の規定により法 に規定する債権

10号 第59条第1項 《前条第6項の通知に係る同条第1項の道府県…》 知事の処分に不服がある関係道府県知事は、総務大臣に対し、決定を求める旨を申し出ることができる。 の規定による請求権であって、相手方の有するもの

11号 第60条第1項 《削除…》 同条第2項において準用する場合を含む。)に規定する債権

12号 第168条第2項第2号 《2 道府県知事は、申告書を提出すべき者が…》 当該申告書を提出しなかつた場合には、その調査により、申告すべき課税標準額及び環境性能割額を決定する。 又は第3号に定める権利

98条 (優先的破産債権)

1項 破産財団 に属する財産につき一般の先取特権その他一般の優先権がある 破産債権 次条第1項に規定する劣後的破産債権及び同条第2項に規定する約定劣後破産債権を除く。以下「 優先的破産債権 」という。)は、他の破産債権に優先する。

2項 前項の場合において、 優先的破産債権 間の優先順位は、 民法 、商法その他の法律の定めるところによる。

3項 優先権が一定の期間内の債権額につき存在する場合には、その期間は、 破産手続 開始の時からさかのぼって計算する。

99条 (劣後的破産債権等)

1項 次に掲げる債権(以下「 劣後的 破産債権 」という。)は、他の破産債権(次項に規定する約定劣後破産債権を除く。)に後れる。

1号 第97条第1号 《破産債権に含まれる請求権 第97条 次に…》 掲げる債権財団債権であるものを除く。は、破産債権に含まれるものとする。 1 破産手続開始後の利息の請求権 2 破産手続開始後の不履行による損害賠償又は違約金の請求権 3 破産手続開始後の延滞税、利子税 から第7号までに掲げる請求権

2号 破産手続 開始後に期限が到来すべき確定期限付債権で無利息のもののうち、破産手続開始の時から期限に至るまでの期間の年数(その期間に1年に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)に応じた債権に対する破産手続開始の時における法定利率による利息の額に相当する部分

3号 破産手続 開始後に期限が到来すべき不確定期限付債権で無利息のもののうち、その債権額と破産手続開始の時における評価額との差額に相当する部分

4号 金額及び存続期間が確定している定期金債権のうち、各定期金につき第2号の規定に準じて算定される額の合計額(その額を各定期金の合計額から控除した額が 破産手続 開始の時における法定利率によりその定期金に相当する利息を生ずべき元本額を超えるときは、その超過額を加算した額)に相当する部分

2項 破産債権 者と 破産者 との間において、 破産手続 開始前に、当該債務者について破産手続が開始されたとすれば当該破産手続におけるその配当の順位が 劣後的破産債権 に後れる旨の合意がされた債権(以下「 約定劣後破産債権 」という。)は、劣後的破産債権に後れる。

100条 (破産債権の行使)

1項 破産債権 は、この法律に特別の定めがある場合を除き、 破産手続 によらなければ、行使することができない。

2項 前項の規定は、次に掲げる行為によって 破産債権 である 租税等の請求権 共助対象外国租税の請求権を除く。)を行使する場合については、適用しない。

1号 破産手続 開始の時に 破産財団 に属する財産に対して既にされている国税滞納処分

2号 徴収の権限を有する者による還付金又は過誤納金の充当

101条 (給料の請求権等の弁済の許可)

1項 優先的破産債権 である給料の請求権又は退職手当の請求権について 届出をした破産債権者 が、これらの 破産債権 の弁済を受けなければその生活の維持を図るのに困難を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、最初に 第195条第1項 《破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一…》 般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了後においては、第217条第1項に規定する場合を除き、遅滞なく、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当以下この章及び次章において「最 に規定する最後配当、 第204条第1項 《裁判所書記官は、第195条第1項の規定に…》 より最後配当をすることができる場合において、次に掲げるときは、破産管財人の申立てにより、最後配当に代えてこの節の規定による配当以下この章及び次章において「簡易配当」という。をすることを許可することがで に規定する簡易配当、 第208条第1項 《裁判所書記官は、第195条第1項の規定に…》 より最後配当をすることができる場合において、破産管財人の申立てがあったときは、最後配当に代えてこの条の規定による配当以下この章及び次章において「同意配当」という。をすることを許可することができる。 に規定する同意配当又は 第209条第1項 《破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一…》 般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了前において、配当をするのに適当な破産財団に属する金銭があると認めるときは、最後配当に先立って、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配 に規定する中間配当の許可があるまでの間、 破産管財人 の申立てにより又は職権で、その全部又は一部の弁済をすることを許可することができる。ただし、その弁済により 財団債権 又は他の先順位若しくは同順位の優先的破産債権を有する者の利益を害するおそれがないときに限る。

2項 破産管財人 は、前項の 破産債権 者から同項の申立てをすべきことを求められたときは、直ちにその旨を裁判所に報告しなければならない。この場合において、その申立てをしないこととしたときは、遅滞なく、その事情を裁判所に報告しなければならない。

102条 (破産管財人による相殺)

1項 破産管財人 は、 破産財団 に属する債権をもって 破産債権 と相殺することが破産債権者の一般の利益に適合するときは、裁判所の許可を得て、その相殺をすることができる。

103条 (破産債権者の手続参加)

1項 破産債権 者は、その有する破産債権をもって 破産手続 に参加することができる。

2項 前項の場合において、 破産債権 の額は、次に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める額とする。

1号 次に掲げる債権 破産手続 開始の時における評価額

金銭の支払を目的としない債権

金銭債権で、その額が不確定であるもの又はその額を外国の通貨をもって定めたもの

金額又は存続期間が不確定である定期金債権

2号 前号に掲げる債権以外の債権債権額

3項 破産債権 が期限付債権でその期限が 破産手続 開始後に到来すべきものであるときは、その破産債権は、破産手続開始の時において弁済期が到来したものとみなす。

4項 破産債権 破産手続 開始の時において条件付債権又は将来の請求権であるときでも、当該破産債権者は、その破産債権をもって破産手続に参加することができる。

5項 第1項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権をもって 破産手続 に参加するには、共助実施決定( 租税条約等実施特例法 第11条第1項に規定する共助実施決定をいう。 第134条第2項 《2 第114条の規定による届出があった請…》 求権罰金、科料及び刑事訴訟費用の請求権を除く。の原因共助対象外国租税の請求権にあっては、共助実施決定が審査請求、訴訟刑事訴訟を除く。次項において同じ。その他の不服の申立てをすることができる処分である場 において同じ。)を得なければならない。

104条 (全部の履行をする義務を負う者が数人ある場合等の手続参加)

1項 数人が各自全部の履行をする義務を負う場合において、その全員又はそのうちの数人若しくは1人について 破産手続 開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてそれぞれの破産手続に参加することができる。

2項 前項の場合において、他の全部の履行をする義務を負う者が 破産手続 開始後に債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為(以下この条において「 弁済等 」という。)をしたときであっても、その債権の全額が消滅した場合を除き、その債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてその権利を行使することができる。

3項 第1項に規定する場合において、 破産者 に対して将来行うことがある求償権を有する者は、その全額について 破産手続 に参加することができる。ただし、債権者が破産手続開始の時において有する債権について破産手続に参加したときは、この限りでない。

4項 第1項の規定により債権者が 破産手続 に参加した場合において、 破産者 に対して将来行うことがある求償権を有する者が破産手続開始後に債権者に対して 弁済等 をしたときは、その債権の全額が消滅した場合に限り、その求償権を有する者は、その求償権の範囲内において、債権者が有した権利を 破産債権 者として行使することができる。

5項 第2項の規定は 破産者 の債務を担保するため自己の財産を担保に供した第三者(以下この項において「 物上保証人 」という。)が 破産手続 開始後に債権者に対して 弁済等 をした場合について、前2項の規定は 物上保証人 が破産者に対して将来行うことがある求償権を有する場合における当該物上保証人について準用する。

105条 (保証人の破産の場合の手続参加)

1項 保証人について 破産手続 開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。

106条 (法人の債務につき無限の責任を負う者の破産の場合の手続参加)

1項 法人の債務につき無限の責任を負う者について 破産手続 開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。

107条 (法人の債務につき有限の責任を負う者の破産の場合の手続参加等)

1項 法人の債務につき有限の責任を負う者について 破産手続 開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、破産手続に参加することができない。この場合においては、当該法人が出資の請求について破産手続に参加することを妨げない。

2項 法人の債務につき有限の責任を負う者がある場合において、当該法人について 破産手続 開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、当該法人の債務につき有限の責任を負う者に対してその権利を行使することができない。

108条 (別除権者等の手続参加)

1項 別除権 者は、当該別除権に係る 第65条第2項 《2 担保権特別の先取特権、質権又は抵当権…》 をいう。以下この項において同じ。の目的である財産が破産管財人による任意売却その他の事由により破産財団に属しないこととなった場合において当該担保権がなお存続するときにおける当該担保権を有する者も、その目 に規定する担保権によって担保される債権については、その別除権の行使によって弁済を受けることができない債権の額についてのみ、 破産債権 者としてその権利を行使することができる。ただし、当該担保権によって担保される債権の全部又は一部が 破産手続 開始後に担保されないこととなった場合には、その債権の当該全部又は一部の額について、破産債権者としてその権利を行使することを妨げない。

2項 破産財団 に属しない 破産者 の財産につき特別の先取特権、質権若しくは抵当権を有する者又は破産者につき更に 破産手続 開始の決定があった場合における前の破産手続において 破産債権 を有する者も、前項と同様とする。

109条 (外国で弁済を受けた破産債権者の手続参加)

1項 破産債権 者は、 破産手続 開始の決定があった後に、 破産財団 に属する財産で外国にあるものに対して権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破産手続に参加することができる。

110条 (代理委員)

1項 破産債権 者は、裁判所の許可を得て、共同して又は各別に、1人又は数人の代理委員を選任することができる。

2項 代理委員は、これを選任した 破産債権 者のために、 破産手続 に属する一切の行為をすることができる。

3項 代理委員が数人あるときは、共同してその権限を行使する。ただし、第三者の意思表示は、その1人に対してすれば足りる。

4項 裁判所は、代理委員の権限の行使が著しく不公正であると認めるときは、第1項の許可を取り消すことができる。

2節 破産債権の届出

111条 (破産債権の届出)

1項 破産手続 に参加しようとする 破産債権 者は、 第31条第1項第1号 《裁判所は、破産手続開始の決定と同時に、1…》 又は数人の破産管財人を選任し、かつ、次に掲げる事項を定めなければならない。 1 破産債権の届出をすべき期間 2 破産者の財産状況を報告するために招集する債権者集会第4項、第136条第2項及び第3項並 又は第3項の規定により定められた破産債権の届出をすべき期間(以下「 債権届出期間 」という。)内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。

1号 破産債権 の額及び原因

2号 優先的破産債権 であるときは、その旨

3号 劣後的破産債権 又は 約定劣後破産債権 であるときは、その旨

4号 自己に対する配当額の合計額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨

5号 前各号に掲げるもののほか、最高裁判所規則で定める事項

2項 別除権 者は、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を届け出なければならない。

1号 別除権 の目的である財産

2号 別除権 の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額

3項 前項の規定は、 第108条第2項 《2 破産財団に属しない破産者の財産につき…》 特別の先取特権、質権若しくは抵当権を有する者又は破産者につき更に破産手続開始の決定があった場合における前の破産手続において破産債権を有する者も、前項と同様とする。 に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は 破産債権 を有する者(以下「 別除権 」という。)について準用する。

112条 (一般調査期間経過後又は一般調査期日終了後の届出等)

1項 破産債権 者がその責めに帰することができない事由によって 第31条第1項第3号 《裁判所は、破産手続開始の決定と同時に、1…》 又は数人の破産管財人を選任し、かつ、次に掲げる事項を定めなければならない。 1 破産債権の届出をすべき期間 2 破産者の財産状況を報告するために招集する債権者集会第4項、第136条第2項及び第3項並 の期間(以下「 一般調査期間 」という。)の経過又は同号の期日(以下「 一般調査期日 」という。)の終了までに破産債権の届出をすることができなかった場合には、その事由が消滅した後1月以内に限り、その届出をすることができる。

2項 前項に規定する1月の期間は、伸長し、又は短縮することができない。

3項 一般調査期間 の経過後又は 一般調査期日 の終了後に生じた 破産債権 については、その権利の発生した後1月の不変期間内に、その届出をしなければならない。

4項 第1項及び第2項の規定は、 破産債権 者が、その責めに帰することができない事由によって、 一般調査期間 の経過後又は 一般調査期日 の終了後に、届け出た事項について他の破産債権者の利益を害すべき変更を加える場合について準用する。

113条 (届出名義の変更)

1項 届出をした 破産債権 を取得した者は、 一般調査期間 の経過後又は 一般調査期日 の終了後でも、届出名義の変更を受けることができる。

2項 前項の規定により届出名義の変更を受ける者は、自己に対する配当額の合計額が 第111条第1項第4号 《破産手続に参加しようとする破産債権者は、…》 第31条第1項第1号又は第3項の規定により定められた破産債権の届出をすべき期間以下「債権届出期間」という。内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。 1 各破産債権の額及び原因 2 優先的 に規定する最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。

114条 (租税等の請求権等の届出)

1項 次に掲げる請求権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額及び原因並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨その他最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。この場合において、当該請求権を有する者が 別除権 又は 準別除権者 であるときは、 第111条第2項 《2 別除権者は、前項各号に掲げる事項のほ…》 か、次に掲げる事項を届け出なければならない。 1 別除権の目的である財産 2 別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 の規定を準用する。

1号 租税等の請求権 であって、 財団債権 に該当しないもの

2号 罰金等の請求権 であって、 財団債権 に該当しないもの

3節 破産債権の調査及び確定 > 1款 通則

115条 (電子破産債権者表の作成等)

1項 裁判所書記官は、届出があった 破産債権 について、最高裁判所規則で定めるところにより、電子破産債権者表(破産債権の調査の対象及び結果を明らかにするとともに、確定した破産債権に関する事項を明らかにするために裁判所書記官が作成する電磁的記録をいう。以下同じ。)を作成しなければならない。

2項 電子 破産債権 者表には、各破産債権について、 第111条第1項第1号 《破産手続に参加しようとする破産債権者は、…》 第31条第1項第1号又は第3項の規定により定められた破産債権の届出をすべき期間以下「債権届出期間」という。内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。 1 各破産債権の額及び原因 2 優先的 から第4号まで及び第2項第2号(同条第3項において準用する場合を含む。)に掲げる事項その他最高裁判所規則で定める事項を記録しなければならない。

3項 裁判所書記官は、第1項の規定により電子 破産債権 者表を作成したときは、最高裁判所規則で定めるところにより、これをファイルに記録しなければならない。

4項 電子 破産債権 者表(前項の規定によりファイルに記録されたものに限る。以下同じ。)の内容に誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでも更正する処分をすることができる。

5項 前項の規定による更正の処分は、最高裁判所規則で定めるところにより、その旨をファイルに記録してしなければならない。

6項 民事訴訟法 第71条第4項 《4 第1項の申立てに関する処分は、相当と…》 認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 、第5項及び第8項の規定は、第4項の規定による更正の処分又は同項の申立てを却下する処分及びこれらに対する異議の申立てについて準用する。

116条 (破産債権の調査の方法)

1項 裁判所による 破産債権 の調査は、次款の規定により、 破産管財人 が作成した認否書並びに破産債権者及び 破産者 の書面による異議に基づいてする。

2項 前項の規定にかかわらず、裁判所は、必要があると認めるときは、第3款の規定により、 破産債権 の調査を、そのための期日における 破産管財人 の認否並びに破産債権者及び 破産者 の異議に基づいてすることができる。

3項 裁判所は、 第121条 《一般調査期日における調査 破産管財人は…》 、一般調査期日が定められたときは、当該一般調査期日に出頭し、債権届出期間内に届出があった破産債権について、第117条第1項各号に掲げる事項についての認否をしなければならない。 2 届出をした破産債権者 の規定による 一般調査期日 における 破産債権 の調査の後であっても、 第119条 《特別調査期間における調査 裁判所は、債…》 権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前にその届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、その調査をするための期間以下「特別調査期間」という。を定めなければならない の規定による特別調査期間における書面による破産債権の調査をすることができ、必要があると認めるときは、 第118条 《一般調査期間における調査 届出をした破…》 産債権者は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前条第1項又は第2項に規定する破産債権についての同条第1項各号に掲げる事項について、書面で、異議を述べることができる。 2 破産者は、一般調査期間内に、裁判 の規定による 一般調査期間 における書面による破産債権の調査の後であっても、 第122条 《特別調査期日における調査 裁判所は、債…》 権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前に届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、必要があると認めるときは、その調査をするための期日以下「特別調査期日」という。 の規定による特別調査期日における破産債権の調査をすることができる。

2款 書面による破産債権の調査

117条 (認否書の作成及び提出)

1項 破産管財人 は、 一般調査期間 が定められたときは、 債権届出期間 内に届出があった 破産債権 について、次に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成しなければならない。

1号 破産債権 の額

2号 優先的破産債権 であること。

3号 劣後的破産債権 又は 約定劣後破産債権 であること。

4号 別除権 第108条第2項 《2 破産財団に属しない破産者の財産につき…》 特別の先取特権、質権若しくは抵当権を有する者又は破産者につき更に破産手続開始の決定があった場合における前の破産手続において破産債権を有する者も、前項と同様とする。 に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は 破産債権 を含む。)の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額

2項 破産管財人 は、 債権届出期間 の経過後に届出があり、又は届出事項の変更(他の 破産債権 者の利益を害すべき事項の変更に限る。以下この節において同じ。)があった破産債権についても、前項各号に掲げる事項(当該届出事項の変更があった場合にあっては、変更後の同項各号に掲げる事項。以下この節において同じ。)についての認否を同項の認否書に記載することができる。

3項 破産管財人 は、 一般調査期間 前の裁判所の定める期限までに、前2項の規定により作成した認否書を裁判所に提出しなければならない。

4項 第1項の規定により同項の認否書に認否を記載すべき事項であって前項の規定により提出された認否書に認否の記載がないものがあるときは、 破産管財人 において当該事項を認めたものとみなす。

5項 第2項の規定により第1項各号に掲げる事項についての認否を認否書に記載することができる 破産債権 について、第3項の規定により提出された認否書に当該事項の一部についての認否の記載があるときは、 破産管財人 において当該事項のうち当該認否書に認否の記載のないものを認めたものとみなす。

118条 (一般調査期間における調査)

1項 届出をした破産債権者 は、 一般調査期間 内に、裁判所に対し、前条第1項又は第2項に規定する 破産債権 についての同条第1項各号に掲げる事項について、書面で、異議を述べることができる。

2項 破産者 は、 一般調査期間 内に、裁判所に対し、前項の 破産債権 の額について、書面で、異議を述べることができる。

3項 裁判所は、 一般調査期間 を変更する決定をしたときは、その電子裁判書を 破産管財人 破産者 及び 届出をした破産債権者 債権届出期間 の経過前にあっては、知れている 破産債権 )に送達しなければならない。

4項 前項の規定による送達は、書類を通常の取扱いによる郵便に付し、又は 民間事業者による信書の送達に関する法律 第2条第6項 《6 この法律において「一般信書便事業者」…》 とは、一般信書便事業を営むことについて第6条の許可を受けた者をいう。 に規定する一般信書便事業者若しくは同条第9項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第2項に規定する信書便の役務を利用して送付する方法によりすることができる。

5項 前項の規定による送達をした場合においては、その 郵便物等 が通常到達すべきであった時に、送達があったものとみなす。

119条 (特別調査期間における調査)

1項 裁判所は、 債権届出期間 の経過後、 一般調査期間 の満了前又は 一般調査期日 の終了前にその届出があり、又は届出事項の変更があった 破産債権 について、その調査をするための期間(以下「 特別調査期間 」という。)を定めなければならない。ただし、当該破産債権について、 破産管財人 第117条第3項 《3 破産管財人は、一般調査期間前の裁判所…》 の定める期限までに、前2項の規定により作成した認否書を裁判所に提出しなければならない。 の規定により提出された認否書に同条第1項各号に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。

2項 一般調査期間 の経過後又は 一般調査期日 の終了後に 第112条第1項 《破産債権者がその責めに帰することができな…》 い事由によって第31条第1項第3号の期間以下「一般調査期間」という。の経過又は同号の期日以下「一般調査期日」という。の終了までに破産債権の届出をすることができなかった場合には、その事由が消滅した後1月 若しくは第3項の規定による届出があり、又は同条第4項において準用する同条第1項の規定による届出事項の変更があった 破産債権 についても、前項本文と同様とする。

3項 第1項本文又は前項の場合には、 特別調査期間 に関する費用は、当該 破産債権 を有する者の負担とする。

4項 破産管財人 は、 特別調査期間 に係る 破産債権 については、 第117条第1項 《破産管財人は、一般調査期間が定められたと…》 きは、債権届出期間内に届出があった破産債権について、次に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成しなければならない。 1 破産債権の額 2 優先的破産債権であること。 3 劣後的破産債権又は約定 各号に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成し、特別調査期間前の裁判所の定める期限までに、これを裁判所に提出しなければならない。この場合においては、同条第4項の規定を準用する。

5項 届出をした破産債権者 は前項の 破産債権 についての 第117条第1項 《破産管財人は、一般調査期間が定められたと…》 きは、債権届出期間内に届出があった破産債権について、次に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成しなければならない。 1 破産債権の額 2 優先的破産債権であること。 3 劣後的破産債権又は約定 各号に掲げる事項について、 破産者 は当該破産債権の額について、 特別調査期間 内に、裁判所に対し、書面で、異議を述べることができる。

6項 前条第3項から第5項までの規定は、 特別調査期間 を定める決定又はこれを変更する決定があった場合における電子裁判書の送達について準用する。

120条 (特別調査期間に関する費用の予納)

1項 前条第1項本文又は第2項の場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、同条第3項の 破産債権 を有する者に対し、同項の費用の予納を命じなければならない。

2項 前項の規定による処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。

3項 第1項の規定による処分に対しては、その告知を受けた日から1週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。

4項 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。

5項 第1項の場合において、同項の 破産債権 を有する者が同項の費用の予納をしないときは、裁判所は、決定で、その者がした破産債権の届出又は届出事項の変更に係る届出を却下しなければならない。

6項 前項の規定による却下の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

3款 期日における破産債権の調査

121条 (一般調査期日における調査)

1項 破産管財人 は、 一般調査期日 が定められたときは、当該一般調査期日に出頭し、 債権届出期間 内に届出があった 破産債権 について、 第117条第1項 《破産管財人は、一般調査期間が定められたと…》 きは、債権届出期間内に届出があった破産債権について、次に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成しなければならない。 1 破産債権の額 2 優先的破産債権であること。 3 劣後的破産債権又は約定 各号に掲げる事項についての認否をしなければならない。

2項 届出をした破産債権者 又はその代理人は、 一般調査期日 に出頭し、前項の 破産債権 についての同項に規定する事項について、異議を述べることができる。

3項 破産者 は、 一般調査期日 に出頭しなければならない。ただし、正当な事由があるときは、代理人を出頭させることができる。

4項 前項本文の規定により出頭した 破産者 は、第1項の 破産債権 の額について、異議を述べることができる。

5項 第3項本文の規定により出頭した 破産者 は、必要な事項に関し意見を述べなければならない。

6項 前2項の規定は、第3項ただし書の代理人について準用する。

7項 前各項の規定は、 債権届出期間 の経過後に届出があり、又は届出事項の変更があった 破産債権 について 一般調査期日 において調査をすることにつき 破産管財人 及び破産債権者の異議がない場合について準用する。

8項 一般調査期日 における 破産債権 の調査は、 破産管財人 が出頭しなければ、することができない。

9項 裁判所は、 一般調査期日 を変更する決定をしたときは、その電子裁判書を 破産管財人 破産者 及び 届出をした破産債権者 債権届出期間 の経過前にあっては、知れている 破産債権 )に送達しなければならない。

10項 裁判所は、 一般調査期日 における 破産債権 の調査の延期又は続行の決定をしたときは、当該一般調査期日において言渡しをした場合を除き、その電子裁判書を 破産管財人 破産者 及び 届出をした破産債権者 に送達しなければならない。

11項 第118条第4項 《4 前項の規定による送達は、書類を通常の…》 取扱いによる郵便に付し、又は民間事業者による信書の送達に関する法律第2条第6項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第9項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第2項に規定する信書便の役務を利用して 及び第5項の規定は、前2項の規定による送達について準用する。

121条の2 (映像等の送受信による通話の方法による一般調査期日)

1項 裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所並びに 破産者 破産管財人 及び 届出をした破産債権者 が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、 一般調査期日 における手続を行うことができる。

2項 前項の 一般調査期日 に出頭しないでその手続に関与した 破産者 破産管財人 及び 届出をした破産債権者 は、その一般調査期日に出頭したものとみなす。

122条 (特別調査期日における調査)

1項 裁判所は、 債権届出期間 の経過後、 一般調査期間 の満了前又は 一般調査期日 の終了前に届出があり、又は届出事項の変更があった 破産債権 について、必要があると認めるときは、その調査をするための期日(以下「 特別調査期日 」という。)を定めることができる。ただし、当該破産債権について、 破産管財人 第117条第3項 《3 破産管財人は、一般調査期間前の裁判所…》 の定める期限までに、前2項の規定により作成した認否書を裁判所に提出しなければならない。 の規定により提出された認否書に同条第1項各号に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。

2項 第119条第2項 《2 一般調査期間の経過後又は一般調査期日…》 の終了後に第112条第1項若しくは第3項の規定による届出があり、又は同条第4項において準用する同条第1項の規定による届出事項の変更があった破産債権についても、前項本文と同様とする。 及び第3項、同条第6項において準用する 第118条第3項 《3 裁判所は、一般調査期間を変更する決定…》 をしたときは、その電子裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者に送達しなければならない。 から第5項まで、 第120条 《特別調査期間に関する費用の予納 前条第…》 1項本文又は第2項の場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、同条第3項の破産債権を有する者に対し、同項の費用の予納を命じなければならない。 2 前項の規定による処分は、相当と認める方法で告知するこ第121条 《一般調査期日における調査 破産管財人は…》 、一般調査期日が定められたときは、当該一般調査期日に出頭し、債権届出期間内に届出があった破産債権について、第117条第1項各号に掲げる事項についての認否をしなければならない。 2 届出をした破産債権者第7項及び第9項を除く。並びに前条の規定は、前項本文の場合における 特別調査期日 について準用する。

123条 (期日終了後の破産者の異議)

1項 破産者 がその責めに帰することができない事由によって 一般調査期日 又は 特別調査期日 に出頭することができなかったときは、破産者は、その事由が消滅した後1週間以内に限り、裁判所に対し、当該一般調査期日又は特別調査期日における調査に係る 破産債権 の額について、書面で、異議を述べることができる。

2項 前項に規定する1週間の期間は、伸長し、又は短縮することができない。

4款 破産債権の確定

124条 (異議等のない破産債権の確定)

1項 第117条第1項 《破産管財人は、一般調査期間が定められたと…》 きは、債権届出期間内に届出があった破産債権について、次に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成しなければならない。 1 破産債権の額 2 優先的破産債権であること。 3 劣後的破産債権又は約定 各号(第4号を除く。)に掲げる事項は、 破産債権 の調査において、 破産管財人 が認め、かつ、 届出をした破産債権者 一般調査期間 内若しくは 特別調査期間 又は 一般調査期日 若しくは 特別調査期日 において異議を述べなかったときは、確定する。

2項 裁判所書記官は、最高裁判所規則で定めるところにより、 破産債権 の調査の結果を電子破産債権者表に記録しなければならない。

3項 第1項の規定により確定した事項についての電子 破産債権 者表の記録は、破産債権者の全員に対して確定判決と同1の効力を有する。

125条 (破産債権査定決定)

1項 破産債権 の調査において、破産債権の額又は 優先的破産債権 劣後的破産債権 若しくは 約定劣後破産債権 であるかどうかの別(以下この条及び 第127条第1項 《異議等のある破産債権に関し破産手続開始当…》 時訴訟が係属する場合において、破産債権者がその額等の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、訴訟手続の受継の申立てをしなければならない。 において「 額等 」という。)について 破産管財人 が認めず、又は 届出をした破産債権者 が異議を述べた場合には、当該破産債権(以下「 異議等のある破産債権 」という。)を有する破産債権者は、その 額等 の確定のために、当該破産管財人及び当該異議を述べた届出をした破産債権者(以下この款において「 異議者等 」という。)の全員を相手方として、裁判所に、その額等についての査定の申立て(以下「 破産債権査定申立て 」という。)をすることができる。ただし、 第127条第1項 《異議等のある破産債権に関し破産手続開始当…》 時訴訟が係属する場合において、破産債権者がその額等の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、訴訟手続の受継の申立てをしなければならない。 並びに 第129条第1項 《異議等のある破産債権のうち執行力ある債務…》 名義又は終局判決のあるものについては、異議者等は、破産者がすることのできる訴訟手続によってのみ、異議を主張することができる。 及び第2項の場合は、この限りでない。

2項 破産債権 査定申立ては、 異議等のある破産債権 に係る 一般調査期間 若しくは 特別調査期間 の末日又は 一般調査期日 若しくは 特別調査期日 から1月の不変期間内にしなければならない。

3項 破産債権 査定申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、決定で、 異議等のある破産債権 の存否及び 額等 を査定する裁判(次項において「 破産債権査定決定 」という。)をしなければならない。

4項 裁判所は、 破産債権 査定決定をする場合には、 異議者等 を審尋しなければならない。

5項 破産債権 査定申立てについての決定があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

126条 (破産債権査定申立てについての決定に対する異議の訴え)

1項 破産債権 査定申立てについての決定に不服がある者は、その送達を受けた日から1月の不変期間内に、異議の訴え(以下「 破産債権査定異議の訴え 」という。)を提起することができる。

2項 破産債権 査定異議の訴えは、 破産裁判所 が管轄する。

3項 破産債権 査定異議の訴えが提起された第一審裁判所は、 破産裁判所 破産事件 を管轄することの根拠となる法令上の規定が 第5条第8項 《8 第1項及び第2項の規定にかかわらず、…》 破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者の数が500人以上であるときは、これらの規定による管轄裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも、破産手続 又は第9項の規定のみである場合(破産裁判所が 第7条第4号 《破産事件の移送 第7条 裁判所は、著しい…》 損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、破産事件破産事件の債務者又は破産者による免責許可の申立てがある場合にあっては、破産事件及び当該免責許可の申立てに係る事件を次に掲げる地方裁判所 の規定により破産事件の移送を受けた場合において、移送を受けたことの根拠となる規定が同号ロ又はハの規定のみであるときを含む。)において、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、職権で、当該破産債権査定異議の訴えに係る訴訟を 第5条第1項 《破産事件は、債務者が、営業者であるときは…》 その主たる営業所の所在地、営業者で外国に主たる営業所を有するものであるときは日本におけるその主たる営業所の所在地、営業者でないとき又は営業者であっても営業所を有しないときはその普通裁判籍の所在地を管轄 に規定する地方裁判所(同項に規定する地方裁判所がない場合にあっては、同条第2項に規定する地方裁判所)に移送することができる。

4項 破産債権 査定異議の訴えは、これを提起する者が、 異議等のある破産債権 を有する破産債権者であるときは 異議者等 の全員を、当該異議者等であるときは当該破産債権者を、それぞれ被告としなければならない。

5項 破産債権 査定異議の訴えの口頭弁論は、第1項の期間を経過した後でなければ開始することができない。

6項 同1の 破産債権 に関し破産債権査定異議の訴えが数個同時に係属するときは、弁論及び裁判は、併合してしなければならない。この場合においては、 民事訴訟法 第40条第1項 《訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合1…》 にのみ確定すべき場合には、その1人の訴訟行為は、全員の利益においてのみその効力を生ずる。 から第3項までの規定を準用する。

7項 破産債権 査定異議の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、破産債権査定申立てについての決定を認可し、又は変更する。

127条 (異議等のある破産債権に関する訴訟の受継)

1項 異議等のある破産債権 に関し 破産手続 開始当時訴訟が係属する場合において、 破産債権 者がその 額等 の確定を求めようとするときは、 異議者等 の全員を当該訴訟の相手方として、訴訟手続の受継の申立てをしなければならない。

2項 第125条第2項 《2 破産債権査定申立ては、異議等のある破…》 産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から1月の不変期間内にしなければならない。 の規定は、前項の申立てについて準用する。

128条 (主張の制限)

1項 破産債権 査定申立てに係る査定の手続又は破産債権査定異議の訴えの提起若しくは前条第1項の規定による受継に係る訴訟手続においては、破産債権者は、 異議等のある破産債権 についての 第111条第1項第1号 《破産手続に参加しようとする破産債権者は、…》 第31条第1項第1号又は第3項の規定により定められた破産債権の届出をすべき期間以下「債権届出期間」という。内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。 1 各破産債権の額及び原因 2 優先的 から第3号までに掲げる事項について、電子破産債権者表に記録されている事項のみを主張することができる。

129条 (執行力ある債務名義のある債権等に対する異議の主張)

1項 異議等のある破産債権 のうち執行力ある債務名義又は終局判決のあるものについては、 異議者等 は、 破産者 がすることのできる訴訟手続によってのみ、異議を主張することができる。

2項 前項に規定する 異議等のある破産債権 に関し 破産手続 開始当時訴訟が係属する場合において、同項の 異議者等 が同項の規定による異議を主張しようとするときは、当該異議者等は、当該 破産債権 を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。

3項 第125条第2項 《2 破産債権査定申立ては、異議等のある破…》 産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から1月の不変期間内にしなければならない。 の規定は第1項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継について、 第126条第5項 《5 破産債権査定異議の訴えの口頭弁論は、…》 第1項の期間を経過した後でなければ開始することができない。 及び第6項並びに前条の規定は前2項の場合について準用する。この場合においては、 第126条第5項 《5 破産債権査定異議の訴えの口頭弁論は、…》 第1項の期間を経過した後でなければ開始することができない。 中「第1項の期間」とあるのは、「 異議等のある破産債権 に係る 一般調査期間 若しくは 特別調査期間 の末日又は 一般調査期日 若しくは 特別調査期日 から1月の不変期間」と読み替えるものとする。

4項 前項において準用する 第125条第2項 《2 破産債権査定申立ては、異議等のある破…》 産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から1月の不変期間内にしなければならない。 に規定する期間内に第1項の規定による異議の主張又は第2項の規定による受継がされなかった場合には、 異議者等 破産債権 者であるときは 第118条第1項 《届出をした破産債権者は、一般調査期間内に…》 、裁判所に対し、前条第1項又は第2項に規定する破産債権についての同条第1項各号に掲げる事項について、書面で、異議を述べることができる。第119条第5項 《5 届出をした破産債権者は前項の破産債権…》 についての第117条第1項各号に掲げる事項について、破産者は当該破産債権の額について、特別調査期間内に、裁判所に対し、書面で、異議を述べることができる。 又は 第121条第2項 《2 届出をした破産債権者又はその代理人は…》 、一般調査期日に出頭し、前項の破産債権についての同項に規定する事項について、異議を述べることができる。同条第7項又は 第122条第2項 《2 第119条第2項及び第3項、同条第6…》 項において準用する第118条第3項から第5項まで、第120条、第121条第7項及び第9項を除く。並びに前条の規定は、前項本文の場合における特別調査期日について準用する。 において準用する場合を含む。)の異議はなかったものとみなし、異議者等が 破産管財人 であるときは破産管財人においてその破産債権を認めたものとみなす。

130条 (破産債権の確定に関する訴訟の結果の記録)

1項 裁判所書記官は、 破産管財人 又は 破産債権 者の申立てがあった場合には、最高裁判所規則で定めるところにより、破産債権の確定に関する訴訟の結果(破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、 第126条第1項 《破産債権査定申立てについての決定に不服が…》 ある者は、その送達を受けた日から1月の不変期間内に、異議の訴え以下「破産債権査定異議の訴え」という。を提起することができる。 に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定の内容)を電子破産債権者表に記録しなければならない。

131条 (破産債権の確定に関する訴訟の判決等の効力)

1項 破産債権 の確定に関する訴訟についてした判決は、破産債権者の全員に対して、その効力を有する。

2項 破産債権 査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、 第126条第1項 《破産債権査定申立てについての決定に不服が…》 ある者は、その送達を受けた日から1月の不変期間内に、異議の訴え以下「破産債権査定異議の訴え」という。を提起することができる。 に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定は、破産債権者の全員に対して、確定判決と同1の効力を有する。

132条 (訴訟費用の償還)

1項 破産財団 破産債権 の確定に関する訴訟(破産債権査定申立てについての決定を含む。)によって利益を受けたときは、異議を主張した破産債権者は、その利益の限度において 財団債権 者として訴訟費用の償還を請求することができる。

133条 (破産手続終了の場合における破産債権の確定手続の取扱い)

1項 破産手続 が終了した際現に係属する 破産債権 査定申立ての手続は、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。

2項 破産手続 終結の決定により破産手続が終了した場合において、破産手続終了後に 破産債権 査定申立てについての決定があったときは、 第126条第1項 《破産債権査定申立てについての決定に不服が…》 ある者は、その送達を受けた日から1月の不変期間内に、異議の訴え以下「破産債権査定異議の訴え」という。を提起することができる。 の規定により破産債権査定異議の訴えを提起することができる。

3項 破産手続 が終了した際現に係属する 破産債権 査定異議の訴えに係る訴訟手続又は 第127条第1項 《異議等のある破産債権に関し破産手続開始当…》 時訴訟が係属する場合において、破産債権者がその額等の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、訴訟手続の受継の申立てをしなければならない。 若しくは 第129条第2項 《2 前項に規定する異議等のある破産債権に…》 関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、同項の異議者等が同項の規定による異議を主張しようとするときは、当該異議者等は、当該破産債権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければなら の規定による受継があった訴訟手続であって、 破産管財人 が当事者であるものは、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは、 第44条第4項 《4 破産手続が終了したときは、破産管財人…》 を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 の規定にかかわらず、中断しないものとする。

4項 破産手続 が終了した際現に係属する 破産債権 査定異議の訴えに係る訴訟手続であって、 破産管財人 が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。

5項 破産手続 が終了した際現に係属する 第127条第1項 《異議等のある破産債権に関し破産手続開始当…》 時訴訟が係属する場合において、破産債権者がその額等の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、訴訟手続の受継の申立てをしなければならない。 又は 第129条第2項 《2 前項に規定する異議等のある破産債権に…》 関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、同項の異議者等が同項の規定による異議を主張しようとするときは、当該異議者等は、当該破産債権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければなら の規定による受継があった訴訟手続であって、 破産管財人 が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは中断するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。

6項 前項の規定により訴訟手続が中断する場合においては、 第44条第5項 《5 破産者は、前項の規定により中断した訴…》 訟手続を受け継がなければならない。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 の規定を準用する。

5款 租税等の請求権等についての特例

134条

1項 租税等の請求権 及び 罰金等の請求権 については、第1款( 第115条 《電子破産債権者表の作成等 裁判所書記官…》 は、届出があった破産債権について、最高裁判所規則で定めるところにより、電子破産債権者表破産債権の調査の対象及び結果を明らかにするとともに、確定した破産債権に関する事項を明らかにするために裁判所書記官が を除く。)から前款までの規定は、適用しない。

2項 第114条 《租税等の請求権等の届出 次に掲げる請求…》 権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額及び原因並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨その他最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。 この場合において、当該 の規定による届出があった請求権(罰金、科料及び刑事訴訟費用の請求権を除く。)の原因(共助対象外国租税の請求権にあっては、共助実施決定)が審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。次項において同じ。)その他の不服の申立てをすることができる処分である場合には、 破産管財人 は、当該届出があった請求権について、当該不服の申立てをする方法で、異議を主張することができる。

3項 前項の場合において、当該届出があった請求権に関し 破産手続 開始当時訴訟が係属するときは、同項に規定する異議を主張しようとする 破産管財人 は、当該届出があった請求権を有する 破産債権 者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。当該届出があった請求権に関し破産手続開始当時 破産財団 に関する事件が行政庁に係属するときも、同様とする。

4項 第2項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継は、 破産管財人 が第2項に規定する届出があったことを知った日から1月の不変期間内にしなければならない。

5項 第124条第2項 《2 裁判所書記官は、最高裁判所規則で定め…》 るところにより、破産債権の調査の結果を電子破産債権者表に記録しなければならない。 の規定は 第114条 《租税等の請求権等の届出 次に掲げる請求…》 権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額及び原因並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨その他最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。 この場合において、当該 の規定による届出があった請求権について、 第128条 《主張の制限 破産債権査定申立てに係る査…》 定の手続又は破産債権査定異議の訴えの提起若しくは前条第1項の規定による受継に係る訴訟手続においては、破産債権者は、異議等のある破産債権についての第111条第1項第1号から第3号までに掲げる事項について第130条 《破産債権の確定に関する訴訟の結果の記録 …》 裁判所書記官は、破産管財人又は破産債権者の申立てがあった場合には、最高裁判所規則で定めるところにより、破産債権の確定に関する訴訟の結果破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが第131条第1項 《破産債権の確定に関する訴訟についてした判…》 決は、破産債権者の全員に対して、その効力を有する。 及び前条第3項の規定は第2項の規定による異議又は第3項の規定による受継があった場合について準用する。

4節 債権者集会及び債権者委員会 > 1款 債権者集会

135条 (債権者集会の招集)

1項 裁判所は、次の各号に掲げる者のいずれかの申立てがあった場合には、債権者集会を招集しなければならない。ただし、知れている 破産債権 者の数その他の事情を考慮して債権者集会を招集することを相当でないと認めるときは、この限りでない。

1号 破産管財人

2号 第144条第2項 《2 裁判所は、必要があると認めるときは、…》 破産手続において、前項の規定により承認された委員会以下「債権者委員会」という。に対して、意見の陳述を求めることができる。 に規定する債権者委員会

3号 知れている 破産債権 者の総債権について裁判所が評価した額の10分の一以上に当たる破産債権を有する破産債権者

2項 裁判所は、前項本文の申立てがない場合であっても、相当と認めるときは、債権者集会を招集することができる。

136条 (債権者集会の期日の呼出し等)

1項 債権者集会の期日には、 破産管財人 破産者 及び 届出をした破産債権者 を呼び出さなければならない。ただし、 第31条第5項 《5 第1項の場合において、知れている破産…》 債権者の数が1,000人以上であり、かつ、相当と認めるときは、裁判所は、次条第4項本文及び第5項本文において準用する同条第3項第1号、第33条第3項本文並びに第139条第3項本文の規定による破産債権者 の決定があったときは、届出をした破産債権者を呼び出すことを要しない。

2項 前項本文の規定にかかわらず、 届出をした破産債権者 であって議決権を行使することができないものは、呼び出さないことができる。財産状況報告集会においては、 第32条第3項 《3 次に掲げる者には、前2項の規定により…》 公告すべき事項を通知しなければならない。 1 破産管財人、破産者及び知れている破産債権者 2 知れている財産所持者等 3 第91条第2項に規定する保全管理命令があった場合における保全管理人 4 労働組 の規定により通知を受けた者も、同様とする。

3項 裁判所は、 第32条第1項第3号 《裁判所は、破産手続開始の決定をしたときは…》 、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 1 破産手続開始の決定の主文 2 破産管財人の氏名又は名称 3 前条第1項の規定により定めた期間又は期日 4 破産財団に属する財産の所持者及び破産者 及び第3項の規定により財産状況報告集会の期日の公告及び通知をするほか、各債権者集会(財産状況報告集会を除く。以下この項において同じ。)の期日及び会議の目的である事項を公告し、かつ、各債権者集会の期日を労働組合等に通知しなければならない。

4項 債権者集会の期日においてその延期又は続行について言渡しがあったときは、第1項本文及び前項の規定は、適用しない。

136条の2 (映像等の送受信による通話の方法による債権者集会)

1項 裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所並びに 破産者 破産管財人 届出をした破産債権者 及び外国管財人( 第245条第1項 《破産管財人は、破産者についての外国倒産処…》 理手続外国で開始された手続で、破産手続又は再生手続に相当するものをいう。以下この章において同じ。がある場合には、外国管財人当該外国倒産処理手続において破産者の財産の管理及び処分をする権利を有する者をい に規定する外国管財人をいう。次項において同じ。)が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、債権者集会の期日における手続を行うことができる。

2項 前項の期日に出席しないでその手続に関与した 破産者 破産管財人 届出をした破産債権者 及び外国管財人は、その期日に出席したものとみなす。

137条 (債権者集会の指揮)

1項 債権者集会は、裁判所が指揮する。

138条 (債権者集会の決議)

1項 債権者集会の決議を要する事項を可決するには、議決権を行使することができる 破産債権 者(以下この款において「 議決権者 」という。)で債権者集会の期日に出席し又は次条第2項第2号に規定する書面等投票をしたものの議決権の総額の2分の1を超える議決権を有する者の同意がなければならない。

139条 (決議に付する旨の決定)

1項 裁判所は、 第135条第1項 《裁判所は、次の各号に掲げる者のいずれかの…》 申立てがあった場合には、債権者集会を招集しなければならない。 ただし、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して債権者集会を招集することを相当でないと認めるときは、この限りでない。 1 破産管財人 各号に掲げる者が債権者集会の決議を要する事項を決議に付することを目的として同項本文の申立てをしたときは、当該事項を債権者集会の決議に付する旨の決定をする。

2項 裁判所は、前項の決議に付する旨の決定において、 議決権者 の議決権行使の方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めなければならない。

1号 債権者集会の期日において議決権を行使する方法

2号 書面等投票(書面その他の最高裁判所規則で定める方法のうち裁判所の定めるものによる投票をいう。)により裁判所の定める期間内に議決権を行使する方法

3号 前2号に掲げる方法のうち 議決権者 が選択するものにより議決権を行使する方法。この場合において、前号の期間の末日は、第1号の債権者集会の期日より前の日でなければならない。

3項 裁判所は、議決権行使の方法として前項第2号又は第3号に掲げる方法を定めたときは、その旨を公告し、かつ、 議決権者 に対して、同項第2号に規定する書面等投票は裁判所の定める期間内に限りすることができる旨を通知しなければならない。ただし、 第31条第5項 《5 第1項の場合において、知れている破産…》 債権者の数が1,000人以上であり、かつ、相当と認めるときは、裁判所は、次条第4項本文及び第5項本文において準用する同条第3項第1号、第33条第3項本文並びに第139条第3項本文の規定による破産債権者 の決定があったときは、当該通知をすることを要しない。

140条 (債権者集会の期日を開く場合における議決権の額の定め方等)

1項 裁判所が議決権行使の方法として前条第2項第1号又は第3号に掲げる方法を定めた場合においては、 議決権者 は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。

1号 前節第4款の規定によりその額が確定した 破産債権 を有する 届出をした破産債権者 別除権 者、 準別除権者 又は停止条件付債権若しくは将来の請求権である破産債権を有する者(次項及び次条第1項第1号において「 別除権者等 」という。)を除く。)確定した破産債権の額

2号 次項本文の異議のない議決権を有する 届出をした破産債権者 届出の額( 別除権 又は 準別除権者 にあっては、 第111条第2項第2号 《2 別除権者は、前項各号に掲げる事項のほ…》 か、次に掲げる事項を届け出なければならない。 1 別除権の目的である財産 2 別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額同条第3項又は 第114条 《租税等の請求権等の届出 次に掲げる請求…》 権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額及び原因並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨その他最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。 この場合において、当該 において準用する場合を含む。)に掲げる額

3号 次項本文の異議のある議決権を有する 届出をした破産債権者 裁判所が定める額。ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。

2項 届出をした破産債権者 の前項の規定による議決権については、 破産管財人 又は届出をした破産債権者は、債権者集会の期日において、異議を述べることができる。ただし、前節第4款の規定により 破産債権 の額が確定した届出をした破産債権者( 別除権 者等を除く。)の議決権については、この限りでない。

3項 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第1項第3号の規定による定めを変更することができる。

141条 (債権者集会の期日を開かない場合における議決権の額の定め方等)

1項 裁判所が議決権行使の方法として 第139条第2項第2号 《2 裁判所は、前項の決議に付する旨の決定…》 において、議決権者の議決権行使の方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めなければならない。 1 債権者集会の期日において議決権を行使する方法 2 書面等投票書面その他の最高裁判所規則で定める方法のう に掲げる方法を定めた場合においては、 議決権者 は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。

1号 前節第4款の規定により 破産債権 の額が確定した破産債権を有する 届出をした破産債権者 別除権 者等を除く。)確定した破産債権の額

2号 届出をした破産債権者 前号に掲げるものを除く。)裁判所が定める額。ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。

2項 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも前項第2号の規定による定めを変更することができる。

142条 (破産債権者の議決権)

1項 破産債権 者は、 劣後的破産債権 及び 約定劣後破産債権 については、議決権を有しない。

2項 第101条第1項 《優先的破産債権である給料の請求権又は退職…》 手当の請求権について届出をした破産債権者が、これらの破産債権の弁済を受けなければその生活の維持を図るのに困難を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、最初に第195条第1項に規定する最後配当、第204条第 の規定により弁済を受けた 破産債権 及び 第109条 《外国で弁済を受けた破産債権者の手続参加 …》 破産債権者は、破産手続開始の決定があった後に、破産財団に属する財産で外国にあるものに対して権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破 に規定する弁済を受けた破産債権者は、その弁済を受けた債権の額については、議決権を行使することができない。

143条 (代理人による議決権行使)

1項 議決権者 は、代理人をもってその議決権を行使することができる。

2款 債権者委員会

144条 (債権者委員会)

1項 裁判所は、 破産債権 者をもって構成する委員会がある場合には、利害関係人の申立てにより、当該委員会が、この法律の定めるところにより、 破産手続 に関与することを承認することができる。ただし、次の各号のいずれにも該当する場合に限る。

1号 委員の数が、3人以上最高裁判所規則で定める人数以内であること。

2号 破産債権 者の過半数が当該委員会が 破産手続 に関与することについて同意していると認められること。

3号 当該委員会が 破産債権 者全体の利益を適切に代表すると認められること。

2項 裁判所は、必要があると認めるときは、 破産手続 において、前項の規定により承認された委員会(以下「 債権者委員会 」という。)に対して、意見の陳述を求めることができる。

3項 債権者委員会 は、 破産手続 において、裁判所又は 破産管財人 に対して、意見を述べることができる。

4項 債権者委員会 破産手続 の円滑な進行に貢献する活動があったと認められるときは、裁判所は、当該活動のために必要な費用を支出した 破産債権 者の申立てにより、 破産財団 から当該破産債権者に対して相当と認める額の費用を償還することを許可することができる。この場合においては、当該費用の請求権は、 財団債権 とする。

5項 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第1項の規定による承認を取り消すことができる。

145条 (債権者委員会の意見聴取)

1項 裁判所書記官は、前条第1項の規定による承認があったときは、遅滞なく、 破産管財人 に対して、その旨を通知しなければならない。

2項 破産管財人 は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、 破産財団 に属する財産の管理及び処分に関する事項について、 債権者委員会 の意見を聴かなければならない。

146条 (破産管財人の債権者委員会に対する報告義務)

1項 破産管財人 は、 第153条第2項 《2 破産管財人は、前項の規定による評定を…》 完了したときは、直ちに破産手続開始の時における財産目録及び貸借対照表を作成し、これらを裁判所に提出しなければならない。 又は 第157条 《裁判所への報告 破産管財人は、破産手続…》 開始後遅滞なく、次に掲げる事項を記載した報告書を、裁判所に提出しなければならない。 1 破産手続開始に至った事情 2 破産者及び破産財団に関する経過及び現状 3 第177条第1項の規定による保全処分又 の規定により報告書等(報告書、財産目録又は貸借対照表をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出したときは、遅滞なく、当該報告書等を 債権者委員会 にも提出しなければならない。

2項 破産管財人 は、前項の場合において、当該報告書等に 第12条第1項 《次に掲げる文書等について、利害関係人がそ…》 の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製以下この項から第3項までにおいて「閲覧等」という。を行うことにより、破産財団破産手続開始前にあっては、債務者の財産の管理又は換価に著しい同条第6項において読み替えて準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に規定する 支障部分 に該当する部分があると主張して同条第1項の申立てをしたときは、当該部分を除いた報告書等を 債権者委員会 に提出すれば足りる。

3項 破産管財人 は、前2項の規定による報告書等の提出に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、 債権者委員会 の承諾を得て、当該報告書等に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって最高裁判所規則で定めるものをいう。)により提供することができる。この場合において、破産管財人は、これらの規定による報告書等の提出をしたものとみなす。

147条 (破産管財人に対する報告命令)

1項 債権者委員会 は、 破産債権 者全体の利益のために必要があるときは、裁判所に対し、 破産管財人 破産財団 に属する財産の管理及び処分に関し必要な事項について 第157条第2項 《2 破産管財人は、前項の規定によるものの…》 ほか、裁判所の定めるところにより、破産財団に属する財産の管理及び処分の状況その他裁判所の命ずる事項を裁判所に報告しなければならない。 の規定による報告をすることを命ずるよう申し出ることができる。

2項 前項の規定による申出を受けた裁判所は、当該申出が相当であると認めるときは、 破産管財人 に対し、 第157条第2項 《2 破産管財人は、前項の規定によるものの…》 ほか、裁判所の定めるところにより、破産財団に属する財産の管理及び処分の状況その他裁判所の命ずる事項を裁判所に報告しなければならない。 の規定による報告をすることを命じなければならない。

5章 財団債権

148条 (財団債権となる請求権)

1項 次に掲げる請求権は、 財団債権 とする。

1号 破産債権 者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権

2号 破産財団 の管理、換価及び配当に関する費用の請求権

3号 破産手続 開始前の原因に基づいて生じた 租税等の請求権 共助対象外国租税の請求権及び 第97条第5号 《破産債権に含まれる請求権 第97条 次に…》 掲げる債権財団債権であるものを除く。は、破産債権に含まれるものとする。 1 破産手続開始後の利息の請求権 2 破産手続開始後の不履行による損害賠償又は違約金の請求権 3 破産手続開始後の延滞税、利子税 に掲げる請求権を除く。)であって、破産手続開始当時、まだ納期限の到来していないもの又は納期限から1年(その期間中に 包括的禁止命令 が発せられたことにより国税滞納処分をすることができない期間がある場合には、当該期間を除く。)を経過していないもの

4号 破産財団 に関し 破産管財人 がした行為によって生じた請求権

5号 事務管理又は不当利得により 破産手続 開始後に 破産財団 に対して生じた請求権

6号 委任の終了又は代理権の消滅の後、急迫の事情があるためにした行為によって 破産手続 開始後に 破産財団 に対して生じた請求権

7号 第53条第1項 《双務契約について破産者及びその相手方が破…》 産手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、破産管財人は、契約の解除をし、又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。 の規定により 破産管財人 が債務の履行をする場合において相手方が有する請求権

8号 破産手続 の開始によって双務契約の解約の申入れ( 第53条第1項 《双務契約について破産者及びその相手方が破…》 産手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、破産管財人は、契約の解除をし、又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。 又は第2項の規定による賃貸借契約の解除を含む。)があった場合において破産手続開始後その契約の終了に至るまでの間に生じた請求権

2項 破産管財人 が負担付遺贈の履行を受けたときは、その負担した義務の相手方が有する当該負担の利益を受けるべき請求権は、遺贈の目的の価額を超えない限度において、 財団債権 とする。

3項 第103条第2項 《2 前項の場合において、破産債権の額は、…》 次に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める額とする。 1 次に掲げる債権 破産手続開始の時における評価額 イ 金銭の支払を目的としない債権 ロ 金銭債権で、その額が不確定であるもの又はその額 及び第3項の規定は、第1項第7号及び前項に規定する 財団債権 について準用する。この場合において、当該財団債権が無利息債権又は定期金債権であるときは、当該債権の額は、当該債権が 破産債権 であるとした場合に 第99条第1項第2号 《次に掲げる債権以下「劣後的破産債権」とい…》 う。は、他の破産債権次項に規定する約定劣後破産債権を除く。に後れる。 1 第97条第1号から第7号までに掲げる請求権 2 破産手続開始後に期限が到来すべき確定期限付債権で無利息のもののうち、破産手続開 から第4号までに掲げる 劣後的破産債権 となるべき部分に相当する金額を控除した額とする。

4項 保全管理人 が債務者の財産に関し権限に基づいてした行為によって生じた請求権は、 財団債権 とする。

149条 (使用人の給料等)

1項 破産手続 開始前3月間の 破産者 の使用人の給料の請求権は、 財団債権 とする。

2項 破産手続 の終了前に退職した 破産者 の使用人の退職手当の請求権(当該請求権の全額が 破産債権 であるとした場合に 劣後的破産債権 となるべき部分を除く。)は、退職前3月間の給料の総額(その総額が破産手続開始前3月間の給料の総額より少ない場合にあっては、破産手続開始前3月間の給料の総額)に相当する額を 財団債権 とする。

150条 (社債管理者等の費用及び報酬)

1項 社債管理者又は社債管理補助者が 破産債権 である社債の管理に関する事務を行おうとする場合には、裁判所は、 破産手続 の円滑な進行を図るために必要があると認めるときは、当該社債管理者又は社債管理補助者の当該事務の処理に要する費用の請求権を 財団債権 とする旨の許可をすることができる。

2項 社債管理者又は社債管理補助者が前項の許可を得ないで 破産債権 である社債の管理に関する事務を行った場合であっても、裁判所は、当該社債管理者又は社債管理補助者が 破産手続 の円滑な進行に貢献したと認められるときは、当該事務の処理に要した費用の償還請求権のうちその貢献の程度を考慮して相当と認める額を 財団債権 とする旨の許可をすることができる。

3項 裁判所は、 破産手続 開始後の原因に基づいて生じた社債管理者又は社債管理補助者の報酬の請求権のうち相当と認める額を 財団債権 とする旨の許可をすることができる。

4項 前3項の規定による許可を得た請求権は、 財団債権 とする。

5項 第1項から第3項までの規定による許可の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

6項 前各項の規定は、次の各号に掲げる者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める債権で 破産債権 であるものの管理に関する事務につき生ずる費用又は報酬に係る請求権について準用する。

1号 担保付社債信託法 1905年法律第52号第2条第1項 《社債に担保を付そうとする場合には、担保の…》 目的である財産を有する者と信託会社との間の信託契約以下単に「信託契約」という。に従わなければならない。 この場合において、担保の目的である財産を有する者が社債を発行しようとする会社又は発行した会社以下 に規定する信託契約の受託会社同項に規定する社債

2号 医療法(1948年法律第205号)第54条の5に規定する社会医療法人債管理者又は同法第54条の5の2に規定する社会医療法人債管理補助者同法第54条の2第1項に規定する社会医療法人債

3号 投資信託及び投資法人に関する法律 1951年法律第198号第139条の8 《投資法人債管理者の設置 投資法人は、投…》 資法人債を発行する場合には、投資法人債管理者を定め、投資法人債権者のために、弁済の受領、債権の保全その他の投資法人債の管理を行うことを委託しなければならない。 ただし、各投資法人債の金額が200,00 に規定する投資法人債管理者又は同法第139条の9の2第1項に規定する投資法人債管理補助者同法第2条第19項に規定する投資法人債

4号 保険業法 第61条の6 《社債管理者の設置 相互会社は、社債を発…》 行する場合には、社債管理者を定め、社債権者のために、弁済の受領、債権の保全その他の社債の管理を行うことを委託しなければならない。 ただし、各社債の金額が200,000,000円以上である場合その他社債 に規定する社債管理者又は同法第61条の7の2に規定する社債管理補助者相互会社が発行する社債

5号 資産の流動化に関する法律 1998年法律第105号第126条 《特定社債管理者の設置 特定目的会社は、…》 特定社債を発行する場合には、特定社債管理者を定め、特定社債権者のために、弁済の受領、債権の保全その他の特定社債の管理を行うことを委託しなければならない。 ただし、その募集に係る各募集特定社債の金額が2 に規定する特定社債管理者又は同法第127条の2第1項に規定する特定社債管理補助者同法第2条第7項に規定する特定社債

151条 (財団債権の取扱い)

1項 財団債権 は、 破産債権 に先立って、弁済する。

152条 (破産財団不足の場合の弁済方法等)

1項 破産財団 財団債権 の総額を弁済するのに足りないことが明らかになった場合における財団債権は、法令に定める優先権にかかわらず、債権額の割合により弁済する。ただし、財団債権を被担保債権とする留置権、特別の先取特権、質権又は抵当権の効力を妨げない。

2項 前項の規定にかかわらず、同項本文に規定する場合における 第148条第1項第1号 《次に掲げる請求権は、財団債権とする。 1…》 破産債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権 2 破産財団の管理、換価及び配当に関する費用の請求権 3 破産手続開始前の原因に基づいて生じた租税等の請求権共助対象外国租税の請求権及び第97 及び第2号に掲げる 財団債権 債務者の財産の管理及び換価に関する費用の請求権であって、同条第4項に規定するものを含む。)は、他の財団債権に先立って、弁済する。

6章 破産財団の管理 > 1節 破産者の財産状況の調査

153条 (財産の価額の評定等)

1項 破産管財人 は、 破産手続 開始後遅滞なく、 破産財団 に属する一切の財産につき、破産手続開始の時における価額を評定しなければならない。この場合においては、 破産者 をその評定に立ち会わせることができる。

2項 破産管財人 は、前項の規定による評定を完了したときは、直ちに 破産手続 開始の時における財産目録及び貸借対照表を作成し、これらを裁判所に提出しなければならない。

3項 破産財団 に属する財産の総額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合には、前項の規定にかかわらず、 破産管財人 は、裁判所の許可を得て、同項の貸借対照表の作成及び提出をしないことができる。

154条 (別除権の目的の提示等)

1項 破産管財人 は、 別除権 者に対し、当該別除権の目的である財産の提示を求めることができる。

2項 破産管財人 が前項の財産の評価をしようとするときは、 別除権 者は、これを拒むことができない。

155条 (封印及び帳簿の閉鎖)

1項 破産管財人 は、必要があると認めるときは、裁判所書記官、執行官又は公証人に、 破産財団 に属する財産に封印をさせ、又はその封印を除去させることができる。

2項 裁判所書記官は、必要があると認めるときは、 破産管財人 の申出により、 破産財団 に関する帳簿を閉鎖することができる。

156条 (破産財団に属する財産の引渡し)

1項 裁判所は、 破産管財人 の申立てにより、決定で、 破産者 に対し、 破産財団 に属する財産を破産管財人に引き渡すべき旨を命ずることができる。

2項 裁判所は、前項の決定をする場合には、 破産者 を審尋しなければならない。

3項 第1項の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。

4項 第1項の申立てについての決定及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

5項 第1項の決定は、確定しなければその効力を生じない。

157条 (裁判所への報告)

1項 破産管財人 は、 破産手続 開始後遅滞なく、次に掲げる事項を記載した報告書を、裁判所に提出しなければならない。

1号 破産手続 開始に至った事情

2号 破産者 及び 破産財団 に関する経過及び現状

3号 第177条第1項 《裁判所は、法人である債務者について破産手…》 続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、当該法人の理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者以下この節において「役員」という の規定による保全処分又は 第178条第1項 《裁判所は、法人である債務者について破産手…》 続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、決定で、役員の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判以下この節において「役員責任査定決定」という。をする に規定する役員責任査定決定を必要とする事情の有無

4号 その他 破産手続 に関し必要な事項

2項 破産管財人 は、前項の規定によるもののほか、裁判所の定めるところにより、 破産財団 に属する財産の管理及び処分の状況その他裁判所の命ずる事項を裁判所に報告しなければならない。

158条 (財産状況報告集会への報告)

1項 財産状況報告集会においては、 破産管財人 は、前条第1項各号に掲げる事項の要旨を報告しなければならない。

159条 (債権者集会への報告)

1項 破産管財人 は、債権者集会がその決議で定めるところにより、 破産財団 の状況を債権者集会に報告しなければならない。

2節 否認権

160条 (破産債権者を害する行為の否認)

1項 次に掲げる行為(担保の供与又は債務の消滅に関する行為を除く。)は、 破産手続 開始後、 破産財団 のために否認することができる。

1号 破産者 破産債権 者を害することを知ってした行為。ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。

2号 破産者 が支払の停止又は 破産手続 開始の申立て(以下この節において「 支払の停止等 」という。)があった後にした 破産債権 者を害する行為。ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、 支払の停止等 があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。

2項 破産者 がした債務の消滅に関する行為であって、債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、 破産手続 開始後、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り、 破産財団 のために否認することができる。

3項 破産者 支払の停止等 があった後又はその前6月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、 破産手続 開始後、 破産財団 のために否認することができる。

161条 (相当の対価を得てした財産の処分行為の否認)

1項 破産者 が、その有する財産を処分する行為をした場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、 破産手続 開始後、 破産財団 のために否認することができる。

1号 当該行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、 破産者 において隠匿、無償の供与その他の 破産債権 者を害することとなる処分(以下「 隠匿等の処分 」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。

2号 破産者 が、当該行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、 隠匿等の処分 をする意思を有していたこと。

3号 相手方が、当該行為の当時、 破産者 が前号の 隠匿等の処分 をする意思を有していたことを知っていたこと。

2項 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、 破産者 が同項第2号の 隠匿等の処分 をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。

1号 破産者 が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者

2号 破産者 が法人である場合にその破産者について次のイからハまでに掲げる者のいずれかに該当する者

破産者 である株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者

破産者 である株式会社の総株主の議決権の過半数を 子株式会社 又は 親法人 及び子株式会社が有する場合における当該親法人

株式会社以外の法人が 破産者 である場合におけるイ又はロに掲げる者に準ずる者

3号 破産者 の親族又は同居者

162条 (特定の債権者に対する担保の供与等の否認)

1項 次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は、 破産手続 開始後、 破産財団 のために否認することができる。

1号 破産者 支払不能 になった後又は 破産手続 開始の申立てがあった後にした行為。ただし、債権者が、その行為の当時、次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る。

当該行為が 支払不能 になった後にされたものである場合支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。

当該行為が 破産手続 開始の申立てがあった後にされたものである場合破産手続開始の申立てがあったこと。

2号 破産者 の義務に属せず、又はその時期が破産者の義務に属しない行為であって、 支払不能 になる前30日以内にされたもの。ただし、債権者がその行為の当時他の 破産債権 者を害することを知らなかったときは、この限りでない。

2項 前項第1号の規定の適用については、次に掲げる場合には、債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、 支払不能 であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。

1号 債権者が前条第2項各号に掲げる者のいずれかである場合

2号 前項第1号に掲げる行為が 破産者 の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が破産者の義務に属しないものである場合

3項 第1項各号の規定の適用については、支払の停止( 破産手続 開始の申立て前1年以内のものに限る。)があった後は、 支払不能 であったものと推定する。

163条 (手形債務支払の場合等の例外)

1項 前条第1項第1号の規定は、 破産者 から手形の支払を受けた者がその支払を受けなければ手形上の債務者の1人又は数人に対する手形上の権利を失う場合には、適用しない。

2項 前項の場合において、最終の償還義務者又は手形の振出しを委託した者が振出しの当時 支払の停止等 があったことを知り、又は過失によって知らなかったときは、 破産管財人 は、これらの者に 破産者 が支払った金額を償還させることができる。

3項 前条第1項の規定は、 破産者 租税等の請求権 共助対象外国租税の請求権を除く。又は 罰金等の請求権 につき、その徴収の権限を有する者に対してした担保の供与又は債務の消滅に関する行為には、適用しない。

164条 (権利変動の対抗要件の否認)

1項 支払の停止等 があった後権利の設定、移転又は変更をもって第三者に対抗するために必要な行為(仮登記又は仮登録を含む。)をした場合において、その行為が権利の設定、移転又は変更があった日から15日を経過した後支払の停止等のあったことを知ってしたものであるときは、 破産手続 開始後、 破産財団 のためにこれを否認することができる。ただし、当該仮登記又は仮登録以外の仮登記又は仮登録があった後にこれらに基づいて本登記又は本登録をした場合は、この限りでない。

2項 前項の規定は、権利取得の効力を生ずる登録について準用する。

165条 (執行行為の否認)

1項 否認権は、否認しようとする行為について執行力のある債務名義があるとき、又はその行為が執行行為に基づくものであるときでも、行使することを妨げない。

166条 (支払の停止を要件とする否認の制限)

1項 破産手続 開始の申立ての日から1年以上前にした行為( 第160条第3項 《3 破産者が支払の停止等があった後又はそ…》 の前6月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 に規定する行為を除く。)は、支払の停止があった後にされたものであること又は支払の停止の事実を知っていたことを理由として否認することができない。

167条 (否認権行使の効果)

1項 否認権の行使は、 破産財団 を原状に復させる。

2項 第160条第3項 《3 破産者が支払の停止等があった後又はそ…》 の前6月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 に規定する行為が否認された場合において、相手方は、当該行為の当時、 支払の停止等 があったこと及び 破産債権 者を害することを知らなかったときは、その現に受けている利益を償還すれば足りる。

168条 (破産者の受けた反対給付に関する相手方の権利等)

1項 第160条第1項 《次に掲げる行為担保の供与又は債務の消滅に…》 関する行為を除く。は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 1 破産者が破産債権者を害することを知ってした行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、破産債権者を害 若しくは第3項又は 第161条第1項 《破産者が、その有する財産を処分する行為を…》 した場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 1 当該行為が、 に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。

1号 破産者 の受けた反対給付が 破産財団 中に現存する場合当該反対給付の返還を請求する権利

2号 破産者 の受けた反対給付が 破産財団 中に現存しない場合 財団債権 者として反対給付の価額の償還を請求する権利

2項 前項第2号の規定にかかわらず、同号に掲げる場合において、当該行為の当時、 破産者 が対価として取得した財産について 隠匿等の処分 をする意思を有し、かつ、相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。

1号 破産者 の受けた反対給付によって生じた利益の全部が 破産財団 中に現存する場合 財団債権 者としてその現存利益の返還を請求する権利

2号 破産者 の受けた反対給付によって生じた利益が 破産財団 中に現存しない場合 破産債権 者として反対給付の価額の償還を請求する権利

3号 破産者 の受けた反対給付によって生じた利益の一部が 破産財団 中に現存する場合 財団債権 者としてその現存利益の返還を請求する権利及び 破産債権 者として反対給付と現存利益との差額の償還を請求する権利

3項 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が 第161条第2項 《2 前項の規定の適用については、当該行為…》 の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が同項第2号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 1 破産者が法人である場合のその理事 各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、 破産者 が前項の 隠匿等の処分 をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。

4項 破産管財人 は、 第160条第1項 《次に掲げる行為担保の供与又は債務の消滅に…》 関する行為を除く。は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 1 破産者が破産債権者を害することを知ってした行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、破産債権者を害 若しくは第3項又は 第161条第1項 《破産者が、その有する財産を処分する行為を…》 した場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 1 当該行為が、 に規定する行為を否認しようとするときは、前条第1項の規定により 破産財団 に復すべき財産の返還に代えて、相手方に対し、当該財産の価額から前3項の規定により 財団債権 となる額(第1項第1号に掲げる場合にあっては、 破産者 の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。

169条 (相手方の債権の回復)

1項 第162条第1項 《次に掲げる行為既存の債務についてされた担…》 保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 1 破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした行為。 ただし、債権者が、そ に規定する行為が否認された場合において、相手方がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、相手方の債権は、これによって原状に復する。

170条 (転得者に対する否認権)

1項 次の各号に掲げる場合において、否認しようとする行為の相手方に対して否認の原因があるときは、否認権は、当該各号に規定する転得者に対しても、行使することができる。ただし、当該転得者が他の転得者から転得した者である場合においては、当該転得者の前に転得した全ての転得者に対しても否認の原因があるときに限る。

1号 転得者が転得の当時、 破産者 がした行為が 破産債権 者を害することを知っていたとき。

2号 転得者が 第161条第2項 《2 前項の規定の適用については、当該行為…》 の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が同項第2号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 1 破産者が法人である場合のその理事 各号に掲げる者のいずれかであるとき。ただし、転得の当時、 破産者 がした行為が 破産債権 者を害することを知らなかったときは、この限りでない。

3号 転得者が無償行為又はこれと同視すべき有償行為によって転得した者であるとき。

2項 第167条第2項 《2 第160条第3項に規定する行為が否認…》 された場合において、相手方は、当該行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、その現に受けている利益を償還すれば足りる。 の規定は、前項第3号の規定により否認権の行使があった場合について準用する。

170条の2 (破産者の受けた反対給付に関する転得者の権利等)

1項 破産者 がした 第160条第1項 《次に掲げる行為担保の供与又は債務の消滅に…》 関する行為を除く。は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 1 破産者が破産債権者を害することを知ってした行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、破産債権者を害 若しくは第3項又は 第161条第1項 《破産者が、その有する財産を処分する行為を…》 した場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 1 当該行為が、 に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認されたときは、転得者は、 第168条第1項 《第160条第1項若しくは第3項又は第16…》 1条第1項に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 1 破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存する場合 当該反対給 各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。ただし、同項第1号に掲げる場合において、破産者の受けた反対給付の価額が、第4項に規定する転得者がした反対給付又は消滅した転得者の債権の価額を超えるときは、転得者は、 財団債権 者として破産者の受けた反対給付の価額の償還を請求する権利を行使することができる。

2項 前項の規定にかかわらず、 第168条第1項第2号 《第160条第1項若しくは第3項又は第16…》 1条第1項に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 1 破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存する場合 当該反対給 に掲げる場合において、当該行為の当時、 破産者 が対価として取得した財産について 隠匿等の処分 をする意思を有し、かつ、当該行為の相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、転得者は、同条第2項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。

3項 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が 第161条第2項 《2 前項の規定の適用については、当該行為…》 の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が同項第2号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 1 破産者が法人である場合のその理事 各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、 破産者 が前項の 隠匿等の処分 をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。

4項 第1項及び第2項の規定による権利の行使は、転得者がその前者から財産を取得するためにした反対給付又はその前者から財産を取得することによって消滅した債権の価額を限度とする。

5項 破産管財人 は、第1項に規定する行為を転得者に対する否認権の行使によって否認しようとするときは、 第167条第1項 《否認権の行使は、破産財団を原状に復させる…》 の規定により 破産財団 に復すべき財産の返還に代えて、転得者に対し、当該財産の価額から前各項の規定により 財団債権 となる額( 第168条第1項第1号 《第160条第1項若しくは第3項又は第16…》 1条第1項に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 1 破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存する場合 当該反対給 に掲げる場合(第1項ただし書に該当するときを除く。)にあっては、 破産者 の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。

170条の3 (相手方の債権に関する転得者の権利)

1項 破産者 がした 第162条第1項 《次に掲げる行為既存の債務についてされた担…》 保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 1 破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした行為。 ただし、債権者が、そ に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認された場合において、転得者がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、転得者は、当該行為がその相手方に対する否認権の行使によって否認されたとすれば 第169条 《相手方の債権の回復 第162条第1項に…》 規定する行為が否認された場合において、相手方がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、相手方の債権は、これによって原状に復する。 の規定により原状に復すべき相手方の債権を行使することができる。この場合には、前条第4項の規定を準用する。

171条 (否認権のための保全処分)

1項 裁判所は、 破産手続 開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人( 保全管理人 が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。

2項 前項の規定による保全処分は、担保を立てさせて、又は立てさせないで命ずることができる。

3項 裁判所は、申立てにより又は職権で、第1項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。

4項 第1項の規定による保全処分及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

5項 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

6項 第4項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

7項 前各項の規定は、 破産手続 開始の申立てを棄却する決定に対して 第33条第1項 《破産手続開始の申立てについての裁判に対し…》 ては、即時抗告をすることができる。 の即時抗告があった場合について準用する。

172条 (保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い)

1項 前条第1項(同条第7項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分が命じられた場合において、 破産手続 開始の決定があったときは、 破産管財人 は、当該保全処分に係る手続を続行することができる。

2項 破産管財人 破産手続 開始の決定後1月以内に前項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しないときは、当該保全処分は、その効力を失う。

3項 破産管財人 は、第1項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しようとする場合において、前条第2項(同条第7項において準用する場合を含む。)に規定する担保の全部又は一部が 破産財団 に属する財産でないときは、その担保の全部又は一部を破産財団に属する財産による担保に変換しなければならない。

4項 民事保全法 平成元年法律第91号第18条 《保全命令の申立ての取下げ 保全命令の申…》 立てを取り下げるには、保全異議又は保全取消しの申立てがあった後においても、債務者の同意を得ることを要しない。 並びに第2章第4節( 第37条第5項 《5 第1項及び第3項の規定の適用について…》 は、本案が家事事件手続法2011年法律第52号第257条第1項に規定する事件であるときは家庭裁判所に対する調停の申立てを、本案が労働審判法2004年法律第45号第1条に規定する事件であるときは地方裁判 から第7項までを除く。及び第5節の規定は、第1項の規定により 破産管財人 が続行する手続に係る保全処分について準用する。

173条 (否認権の行使)

1項 否認権は、訴え、否認の請求又は抗弁によって、 破産管財人 が行使する。

2項 前項の訴え及び否認の請求事件は、 破産裁判所 が管轄する。

174条 (否認の請求)

1項 否認の請求をするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。

2項 否認の請求を認容し、又はこれを棄却する裁判は、理由を付した決定でしなければならない。

3項 裁判所は、前項の決定をする場合には、相手方又は転得者を審尋しなければならない。

4項 否認の請求を認容する決定があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

5項 否認の請求の手続は、 破産手続 が終了したときは、終了する。

175条 (否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え)

1項 否認の請求を認容する決定に不服がある者は、その送達を受けた日から1月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。

2項 前項の訴えは、 破産裁判所 が管轄する。

3項 第1項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、同項の決定を認可し、変更し、又は取り消す。

4項 第1項の決定を認可する判決が確定したときは、その決定は、確定判決と同1の効力を有する。同項の訴えが、同項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときも、同様とする。

5項 第1項の決定を認可し、又は変更する判決については、受訴裁判所は、 民事訴訟法 第259条第1項 《財産権上の請求に関する判決については、裁…》 判所は、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てて、又は立てないで仮執行をすることができることを宣言することができる。 の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。

6項 第1項の訴えに係る訴訟手続は、 破産手続 が終了したときは、 第44条第4項 《4 破産手続が終了したときは、破産管財人…》 を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 の規定にかかわらず、終了する。

176条 (否認権行使の期間)

1項 否認権は、 破産手続 開始の日から2年を経過したときは、行使することができない。否認しようとする行為の日から10年を経過したときも、同様とする。

3節 法人の役員の責任の追及等

177条 (役員の財産に対する保全処分)

1項 裁判所は、法人である債務者について 破産手続 開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、 破産管財人 の申立てにより又は職権で、当該法人の理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者(以下この節において「 役員 」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該 役員 の財産に対する保全処分をすることができる。

2項 裁判所は、 破産手続 開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、債務者( 保全管理人 が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。

3項 裁判所は、前2項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。

4項 第1項若しくは第2項の規定による保全処分又は前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

5項 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

6項 第4項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

7項 第2項から前項までの規定は、 破産手続 開始の申立てを棄却する決定に対して 第33条第1項 《破産手続開始の申立てについての裁判に対し…》 ては、即時抗告をすることができる。 の即時抗告があった場合について準用する。

178条 (役員の責任の査定の申立て等)

1項 裁判所は、法人である債務者について 破産手続 開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、 破産管財人 の申立てにより又は職権で、決定で、 役員 の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この節において「 役員責任査定決定 」という。)をすることができる。

2項 前項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。

3項 裁判所は、職権で 役員 責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。

4項 第1項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。

5項 役員 責任査定決定の手続(役員責任査定決定があった後のものを除く。)は、 破産手続 が終了したときは、終了する。

179条 (役員責任査定決定等)

1項 役員 責任査定決定及び前条第1項の申立てを棄却する決定には、理由を付さなければならない。

2項 裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、 役員 を審尋しなければならない。

3項 役員 責任査定決定があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

180条 (役員責任査定決定に対する異議の訴え)

1項 役員 責任査定決定に不服がある者は、その送達を受けた日から1月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。

2項 前項の訴えは、 破産裁判所 が管轄する。

3項 第1項の訴えは、これを提起する者が、 役員 であるときは 破産管財人 を、破産管財人であるときは役員を、それぞれ被告としなければならない。

4項 第1項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、 役員 責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。

5項 役員 責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同1の効力を有する。

6項 役員 責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、 民事訴訟法 第259条第1項 《財産権上の請求に関する判決については、裁…》 判所は、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てて、又は立てないで仮執行をすることができることを宣言することができる。 の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。

181条 (役員責任査定決定の効力)

1項 前条第1項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、 役員 責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同1の効力を有する。

182条 (社員の出資責任)

1項 会社法第663条の規定は、法人である債務者につき 破産手続 開始の決定があった場合について準用する。この場合において、同条中「当該清算持分会社」とあるのは、「 破産管財人 」と読み替えるものとする。

183条 (匿名組合員の出資責任)

1項 匿名組合契約が営業者が 破産手続 開始の決定を受けたことによって終了したときは、 破産管財人 は、匿名組合員に、その負担すべき損失の額を限度として、出資をさせることができる。

7章 破産財団の換価 > 1節 通則

184条 (換価の方法)

1項 第78条第2項第1号 《2 破産管財人が次に掲げる行為をするには…》 、裁判所の許可を得なければならない。 1 不動産に関する物権、登記すべき日本船舶又は外国船舶の任意売却 2 鉱業権、漁業権、公共施設等運営権、樹木採取権、漁港水面施設運営権、貯留権、試掘権二酸化炭素の 及び第2号に掲げる財産の換価は、これらの規定により任意売却をする場合を除き、 民事執行法 その他強制執行の手続に関する法令の規定によってする。

2項 破産管財人 は、 民事執行法 その他強制執行の手続に関する法令の規定により、 別除権 の目的である財産の換価をすることができる。この場合においては、別除権者は、その換価を拒むことができない。

3項 前2項の場合には、 民事執行法 第63条 《剰余を生ずる見込みのない場合等の措置 …》 執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その旨を差押債権者最初の強制競売の開始決定に係る差押債権者をいう。ただし、第47条第6項の規定により手続を続行する旨の裁判があつたときは、その 及び 第129条 《剰余を生ずる見込みのない場合の差押えの禁…》 止等 差し押さえるべき動産の売得金の額が手続費用の額を超える見込みがないときは、執行官は、差押えをしてはならない。 2 差押物の売得金の額が手続費用及び差押債権者の債権に優先する債権の額の合計額以上これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。

4項 第2項の場合において、 別除権 者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、 破産管財人 は、代金を別に寄託しなければならない。この場合においては、別除権は、寄託された代金につき存する。

185条 (別除権者が処分をすべき期間の指定)

1項 別除権 者が法律に定められた方法によらないで別除権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、裁判所は、 破産管財人 の申立てにより、別除権者がその処分をすべき期間を定めることができる。

2項 別除権 者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。

3項 第1項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

4項 第1項の申立てについての裁判及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

2節 担保権の消滅

186条 (担保権消滅の許可の申立て)

1項 破産手続 開始の時において 破産財団 に属する財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。)が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが 破産債権 者の一般の利益に適合するときは、 破産管財人 は、裁判所に対し、当該財産を任意に売却し、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額に相当する金銭が裁判所に納付されることにより当該財産につき存するすべての担保権を消滅させることについての許可の申立てをすることができる。ただし、当該担保権を有する者の利益を不当に害することとなると認められるときは、この限りでない。

1号 破産管財人 が、売却によってその相手方から取得することができる金銭(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち 破産財団 から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税 額等 当該消費税額及びこれを課税標準として課されるべき地方消費税額をいう。以下この節において同じ。)に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「売得金」という。)の一部を破産財団に組み入れようとする場合売得金の額から破産財団に組み入れようとする金銭(以下この節において「 組入金 」という。)の額を控除した額

2号 前号に掲げる場合以外の場合売得金の額

2項 前項第1号に掲げる場合には、同項の申立てをしようとする 破産管財人 は、 組入金 の額について、あらかじめ、当該担保権を有する者と協議しなければならない。

3項 第1項の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面(以下この節において「 申立書 」という。)でしなければならない。

1号 担保権の目的である財産の表示

2号 売得金の額(前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額

3号 第1号の財産の売却の相手方の氏名又は名称

4号 消滅すべき担保権の表示

5号 前号の担保権によって担保される債権の額

6号 第1項第1号に掲げる場合には、 組入金 の額(第1号の財産が複数あるときは、組入金の額及びその各財産ごとの内訳の額

7号 前項の規定による協議の内容及びその経過

4項 第1項の申立てをするときは、前項第1号の財産の売却に係る売買契約の内容(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち 破産財団 から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税 額等 に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものを含む。)を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を裁判所に提出しなければならない。

5項 第1項の申立てがあった場合には、 申立書 及び前項の書面又は電磁的記録を、当該申立書に記載された第3項第4号の担保権を有する者(以下この節において「 被申立担保権者 」という。)に送達しなければならない。この場合においては、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

187条 (担保権の実行の申立て)

1項 被申立担保権者 は、前条第1項の申立てにつき異議があるときは、同条第5項の規定により全ての被申立担保権者に 申立書 及び同条第4項の書面又は電磁的記録の送達がされた日から1月以内に、担保権の実行の申立てをしたことを証する書面又は電磁的記録を裁判所に提出することができる。

2項 裁判所は、 被申立担保権者 につきやむを得ない事由がある場合に限り、当該被申立担保権者の申立てにより、前項の期間を伸長することができる。

3項 破産管財人 被申立担保権者 との間に売得金及び 組入金 の額(前条第1項第2号に掲げる場合にあっては、売得金の額)について合意がある場合には、当該被申立担保権者は、担保権の実行の申立てをすることができない。

4項 被申立担保権者 は、第1項の期間(第2項の規定により伸長されたときは、その伸長された期間。以下この節において同じ。)が経過した後は、 第190条第6項 《6 第1項の規定による金銭の納付がなかっ…》 たときは、裁判所は、前条第1項の許可の決定を取り消さなければならない。 の規定により 第189条第1項 《裁判所は、被申立担保権者が第187条第1…》 項の期間内に同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面又は電磁的記録を提出したことにより不許可の決定をする場合を除き、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を当該許可に係る売却の の許可の決定が取り消され、又は同項の不許可の決定が確定した場合を除き、担保権の実行の申立てをすることができない。

5項 第1項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面又は電磁的記録が提出された後に、当該担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合には、当該書面又は電磁的記録は提出されなかったものとみなす。 民事執行法 第188条 《不動産執行の規定の準用 第44条の規定…》 は不動産担保権の実行について、前章第2節第1款第2目第81条を除く。の規定は担保不動産競売について、同款第3目の規定は担保不動産収益執行について準用する。 において準用する同法第63条又は同法第192条において準用する同法第129条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定により同項の担保権の実行の手続が取り消された場合も、同様とする。

6項 第189条第1項 《裁判所は、被申立担保権者が第187条第1…》 項の期間内に同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面又は電磁的記録を提出したことにより不許可の決定をする場合を除き、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を当該許可に係る売却の の不許可の決定が確定した後に、第1項の担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合において、 破産管財人 が前条第1項の申立てをしたときは、当該担保権の実行の申立てをした 被申立担保権者 は、第1項の規定にかかわらず、同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面又は電磁的記録を提出することができない。

188条 (買受けの申出)

1項 被申立担保権者 は、 第186条第1項 《破産手続開始の時において破産財団に属する…》 財産につき担保権特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者 の申立てにつき異議があるときは、前条第1項の期間内に、 破産管財人 に対し、当該被申立担保権者又は他の者が 第186条第3項第1号 《3 第1項の申立ては、次に掲げる事項を記…》 載した書面以下この節において「申立書」という。でしなければならない。 1 担保権の目的である財産の表示 2 売得金の額前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額 3 第1号の財 の財産を買い受ける旨の申出(以下この節において「 買受けの申出 」という。)をすることができる。

2項 買受けの申出 は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。

1号 第186条第3項第1号 《3 第1項の申立ては、次に掲げる事項を記…》 載した書面以下この節において「申立書」という。でしなければならない。 1 担保権の目的である財産の表示 2 売得金の額前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額 3 第1号の財 の財産を買い受けようとする者(以下この節において「 買受希望者 」という。)の氏名又は名称

2号 破産管財人 第186条第3項第1号 《3 第1項の申立ては、次に掲げる事項を記…》 載した書面以下この節において「申立書」という。でしなければならない。 1 担保権の目的である財産の表示 2 売得金の額前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額 3 第1号の財 の財産の売却によって 買受希望者 から取得することができる金銭の額(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち 破産財団 から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税 額等 に相当する額であって、当該売買契約において買受希望者の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「 買受けの申出の額 」という。

3号 第186条第3項第1号 《3 第1項の申立ては、次に掲げる事項を記…》 載した書面以下この節において「申立書」という。でしなければならない。 1 担保権の目的である財産の表示 2 売得金の額前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額 3 第1号の財 の財産が複数あるときは、 買受けの申出 の額の各財産ごとの内訳の額

3項 買受けの申出 の額は、 申立書 に記載された 第186条第3項第2号 《3 第1項の申立ては、次に掲げる事項を記…》 載した書面以下この節において「申立書」という。でしなければならない。 1 担保権の目的である財産の表示 2 売得金の額前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額 3 第1号の財 の売得金の額にその20分の1に相当する額を加えた額以上でなければならない。

4項 第186条第3項第1号 《3 第1項の申立ては、次に掲げる事項を記…》 載した書面以下この節において「申立書」という。でしなければならない。 1 担保権の目的である財産の表示 2 売得金の額前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額 3 第1号の財 の財産が複数あるときは、第2項第3号の 買受けの申出 の額の各財産ごとの内訳の額は、当該各財産につき、同条第3項第2号の売得金の額の各財産ごとの内訳の額を下回ってはならない。

5項 買受希望者 は、 買受けの申出 に際し、最高裁判所規則で定める額及び方法による保証を 破産管財人 に提供しなければならない。

6項 前条第3項の規定は、 買受けの申出 について準用する。

7項 買受けの申出 をした者(その者以外の者が 買受希望者 である場合にあっては、当該買受希望者)は、前条第1項の期間内は、当該買受けの申出を撤回することができる。

8項 破産管財人 は、 買受けの申出 があったときは、前条第1項の期間が経過した後、裁判所に対し、 第186条第3項第1号 《3 第1項の申立ては、次に掲げる事項を記…》 載した書面以下この節において「申立書」という。でしなければならない。 1 担保権の目的である財産の表示 2 売得金の額前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額 3 第1号の財 の財産を 買受希望者 に売却する旨の届出をしなければならない。この場合において、買受けの申出が複数あったときは、最高の買受けの申出の額に係る買受希望者(最高の買受けの申出の額に係る買受けの申出が複数あった場合にあっては、そのうち最も先にされたものに係る買受希望者)に売却する旨の届出をしなければならない。

9項 前項の場合においては、 破産管財人 は、前条第1項の期間内にされた 買受けの申出 に係る第2項の書面を裁判所に提出しなければならない。

10項 買受けの申出 があったときは、 破産管財人 は、 第186条第1項 《破産手続開始の時において破産財団に属する…》 財産につき担保権特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者 の申立てを取り下げるには、 買受希望者 次条第1項の許可の決定が確定した後にあっては、同条第2項に規定する買受人)の同意を得なければならない。

189条 (担保権消滅の許可の決定等)

1項 裁判所は、 被申立担保権者 第187条第1項 《被申立担保権者は、前条第1項の申立てにつ…》 き異議があるときは、同条第5項の規定により全ての被申立担保権者に申立書及び同条第4項の書面又は電磁的記録の送達がされた日から1月以内に、担保権の実行の申立てをしたことを証する書面又は電磁的記録を裁判所 の期間内に同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面又は電磁的記録を提出したことにより不許可の決定をする場合を除き、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を当該許可に係る売却の相手方とする 第186条第1項 《破産手続開始の時において破産財団に属する…》 財産につき担保権特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者 の許可の決定をしなければならない。

1号 前条第8項に規定する届出がされなかった場合 第186条第3項第3号 《3 第1項の申立ては、次に掲げる事項を記…》 載した書面以下この節において「申立書」という。でしなければならない。 1 担保権の目的である財産の表示 2 売得金の額前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額 3 第1号の財 の売却の相手方

2号 前条第8項に規定する届出がされた場合同項に規定する 買受希望者

2項 前項第2号に掲げる場合において、同項の許可の決定が確定したときは、 破産管財人 と当該許可に係る同号に定める 買受希望者 以下この節において「 買受人 」という。)との間で、 第186条第4項 《4 第1項の申立てをするときは、前項第1…》 号の財産の売却に係る売買契約の内容売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売 の書面又は電磁的記録に記載され、又は記録された内容と同1の内容(売却の相手方を除く。)の売買契約が締結されたものとみなす。この場合においては、 買受けの申出 の額を売買契約の売得金の額とみなす。

3項 第186条第1項 《破産手続開始の時において破産財団に属する…》 財産につき担保権特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者 の申立てについての裁判があった場合には、その裁判が確定するまでの間、 買受希望者 第1項第2号に定める買受希望者を除く。)は、当該買受希望者に係る 買受けの申出 を撤回することができる。

4項 第186条第1項 《破産手続開始の時において破産財団に属する…》 財産につき担保権特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者 の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

5項 第186条第1項 《破産手続開始の時において破産財団に属する…》 財産につき担保権特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者 の申立てについての裁判又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

190条 (金銭の納付等)

1項 前条第1項の許可の決定が確定したときは、当該許可に係る売却の相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額に相当する金銭を裁判所の定める期限までに裁判所に納付しなければならない。

1号 前条第1項第1号に掲げる場合 第186条第1項 《破産手続開始の時において破産財団に属する…》 財産につき担保権特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者 各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額

2号 前条第1項第2号に掲げる場合同条第2項後段に規定する売得金の額から 第188条第5項 《5 買受希望者は、買受けの申出に際し、最…》 高裁判所規則で定める額及び方法による保証を破産管財人に提供しなければならない。 の規定により 買受人 が提供した保証の額を控除した額

2項 前項第2号の規定による金銭の納付があったときは、 第188条第5項 《5 買受希望者は、買受けの申出に際し、最…》 高裁判所規則で定める額及び方法による保証を破産管財人に提供しなければならない。 の規定により 買受人 が提供した保証の額に相当する金銭は、売得金に充てる。

3項 前項の場合には、 破産管財人 は、同項の保証の額に相当する金銭を直ちに裁判所に納付しなければならない。

4項 被申立担保権者 の有する担保権は、第1項第1号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付があった時に、同項第2号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付及び前項の規定による金銭の納付があった時に、それぞれ消滅する。

5項 前項に規定する金銭の納付があったときは、裁判所書記官は、消滅した担保権に係る登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。

6項 第1項の規定による金銭の納付がなかったときは、裁判所は、前条第1項の許可の決定を取り消さなければならない。

7項 前項の場合には、 買受人 は、第2項の保証の返還を請求することができない。

191条 (配当等の実施)

1項 裁判所は、前条第4項に規定する金銭の納付があった場合には、次項に規定する場合を除き、当該金銭の 被申立担保権者 に対する配当に係る電子配当表(第4項において準用する 民事執行法 第85条第3項 《3 第1項の規定により同項本文に規定する…》 事項同項ただし書に規定する場合には、配当の順位及び額を除く。次条第1項において同じ。が定められたときは、裁判所書記官は、最高裁判所規則で定めるところにより、電子配当表裁判所書記官が、最高裁判所規則で定 の規定により作成された電磁的記録であって、第4項において準用する同条第5項の規定によりファイルに記録されたものをいう。)に基づいて、その配当を実施しなければならない。

2項 被申立担保権者 が1人である場合又は被申立担保権者が2人以上であって前条第4項に規定する金銭で各被申立担保権者の有する担保権によって担保される債権を弁済することができる場合には、裁判所は、最高裁判所規則で定めるところにより、当該金銭の電子交付計算書(裁判所が、最高裁判所規則で定めるところにより、弁済金及び剰余金を交付するために、当該金銭の額、各被申立担保権者の有する担保権によって担保される債権の元本及び利息その他の附帯の債権の額並びに弁済金の交付の順位及び額を記録して作成する電磁的記録をいう。次項において同じ。)を作成して、被申立担保権者に弁済金を交付し、剰余金を 破産管財人 に交付する。

3項 裁判所は、前項の規定により電子交付計算書を作成した場合には、最高裁判所規則で定めるところにより、これをファイルに記録しなければならない。

4項 民事執行法 第85条 《電子配当表の作成 執行裁判所は、第87…》 条第1項各号に掲げる各債権者について、その債権の元本及び利息その他の附帯の債権の額、執行費用の額並びに配当の順位及び額を定める。 ただし、配当の順位及び額については、全ての債権者間に合意が成立し、執行 から 第86条 《音声の送受信による通話の方法による配当期…》 日 執行裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、執行裁判所並びに第85条第1項に規定する債権者及び債務者が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によつて、配当期 まで及び 第88条 《期限付債権の配当等 確定期限の到来して…》 いない債権は、配当等については、弁済期が到来したものとみなす。 2 前項の債権が無利息であるときは、配当等の日から期限までの配当等の日における法定利率による利息との合算額がその債権の額となるべき元本額 から 第92条 《権利確定等に伴う配当等の実施 前条第1…》 項の規定による供託がされた場合において、その供託の事由が消滅したときは、執行裁判所は、供託金について配当等を実施しなければならない。 2 前項の規定により配当を実施すべき場合において、前条第1項第1号 までの規定は第1項の配当の手続について、同法第88条、 第91条 《保全管理命令 裁判所は、破産手続開始の…》 申立てがあった場合において、債務者法人である場合に限る。以下この節、第148条第4項及び第152条第2項において同じ。の財産の管理及び処分が失当であるとき、その他債務者の財産の確保のために特に必要があ 及び 第92条 《保全管理命令に関する公告及び送達 裁判…》 所は、保全管理命令を発したときは、その旨を公告しなければならない。 保全管理命令を変更し、又は取り消す旨の決定があった場合も、同様とする。 2 保全管理命令、前条第4項の規定による決定及び同条第5項の の規定は第2項の規定による弁済金の交付の手続について準用する。

3節 商事留置権の消滅

192条

1項 破産手続 開始の時において 破産財団 に属する財産につき商法又は会社法の規定による留置権がある場合において、当該財産が 第36条 《破産者の事業の継続 破産手続開始の決定…》 がされた後であっても、破産管財人は、裁判所の許可を得て、破産者の事業を継続することができる。 の規定により継続されている事業に必要なものであるとき、その他当該財産の回復が破産財団の価値の維持又は増加に資するときは、 破産管財人 は、留置権者に対して、当該留置権の消滅を請求することができる。

2項 前項の規定による請求をするには、同項の財産の価額に相当する金銭を、同項の留置権者に弁済しなければならない。

3項 第1項の規定による請求及び前項に規定する弁済をするには、裁判所の許可を得なければならない。

4項 前項の許可があった場合における第2項に規定する弁済の額が第1項の財産の価額を満たすときは、当該弁済の時又は同項の規定による請求の時のいずれか遅い時に、同項の留置権は消滅する。

5項 前項の規定により第1項の留置権が消滅したことを原因とする同項の財産の返還を求める訴訟においては、第2項に規定する弁済の額が当該財産の価額を満たさない場合においても、原告の申立てがあり、当該訴訟の受訴裁判所が相当と認めるときは、当該受訴裁判所は、相当の期間内に不足額を弁済することを条件として、第1項の留置権者に対して、当該財産を返還することを命ずることができる。

8章 配当 > 1節 通則

193条 (配当の方法等)

1項 破産債権 者は、この章の定めるところに従い、 破産財団 から、配当を受けることができる。

2項 破産債権 者は、 破産管財人 がその職務を行う場所において配当を受けなければならない。ただし、破産管財人と破産債権者との合意により別段の定めをすることを妨げない。

3項 破産管財人 は、配当をしたときは、その配当をした金額を記載した報告書を裁判所に提出しなければならない。この場合においては、裁判所書記官は、最高裁判所規則で定めるところにより、当該報告書に記載された金額を電子 破産債権 者表に記録しなければならない。

194条 (配当の順位等)

1項 配当の順位は、 破産債権 間においては次に掲げる順位に、第1号の 優先的破産債権 間においては 第98条第2項 《2 前項の場合において、優先的破産債権間…》 の優先順位は、民法、商法その他の法律の定めるところによる。 に規定する優先順位による。

1号 優先的破産債権

2号 前号、次号及び第4号に掲げるもの以外の 破産債権

3号 劣後的破産債権

4号 約定劣後破産債権

2項 同一順位において配当をすべき 破産債権 については、それぞれその債権の額の割合に応じて、配当をする。

2節 最後配当

195条 (最後配当)

1項 破産管財人 は、 一般調査期間 の経過後又は 一般調査期日 の終了後であって 破産財団 に属する財産の換価の終了後においては、 第217条第1項 《裁判所は、破産手続開始の決定があった後、…》 破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、破産手続廃止の決定をしなければならない。 この場合においては、裁判所は、債権者集会の期日において に規定する場合を除き、遅滞なく、 届出をした破産債権者 に対し、この節の規定による配当(以下この章及び次章において「 最後配当 」という。)をしなければならない。

2項 破産管財人 は、 最後配当 をするには、裁判所書記官の許可を得なければならない。

3項 裁判所は、 破産管財人 の意見を聴いて、あらかじめ、 最後配当 をすべき時期を定めることができる。

196条 (配当表)

1項 破産管財人 は、前条第2項の規定による許可があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した配当表を作成し、これを裁判所に提出しなければならない。

1号 最後配当 の手続に参加することができる 破産債権 者の氏名又は名称及び住所

2号 最後配当 の手続に参加することができる債権の額

3号 最後配当 をすることができる金額

2項 前項第2号に掲げる事項は、 優先的破産債権 劣後的破産債権 及び 約定劣後破産債権 をそれぞれ他の 破産債権 と区分し、優先的破産債権については 第98条第2項 《2 前項の場合において、優先的破産債権間…》 の優先順位は、民法、商法その他の法律の定めるところによる。 に規定する優先順位に従い、これを記載しなければならない。

3項 破産管財人 は、 別除権 に係る根抵当権によって担保される 破産債権 については、当該破産債権を有する破産債権者が、破産管財人に対し、当該根抵当権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しない場合においても、これを配当表に記載しなければならない。この場合においては、前条第2項の規定による許可があった日における当該破産債権のうち極度額を超える部分の額を 最後配当 の手続に参加することができる債権の額とする。

4項 前項の規定は、 第108条第2項 《2 破産財団に属しない破産者の財産につき…》 特別の先取特権、質権若しくは抵当権を有する者又は破産者につき更に破産手続開始の決定があった場合における前の破産手続において破産債権を有する者も、前項と同様とする。 に規定する抵当権(根抵当権であるものに限る。)を有する者について準用する。

197条 (配当の公告等)

1項 破産管財人 は、前条第1項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、 最後配当 の手続に参加することができる債権の総額及び最後配当をすることができる金額を公告し、又は 届出をした破産債権者 に通知しなければならない。

2項 前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。

3項 第1項の規定による通知が届出をした各 破産債権 者に通常到達すべきであった時を経過したときは、 破産管財人 は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。

198条 (破産債権の除斥等)

1項 異議等のある破産債権 第129条第1項 《異議等のある破産債権のうち執行力ある債務…》 名義又は終局判決のあるものについては、異議者等は、破産者がすることのできる訴訟手続によってのみ、異議を主張することができる。 に規定するものを除く。)について 最後配当 の手続に参加するには、当該異議等のある破産債権を有する 破産債権 者が、前条第1項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第3項の規定による届出があった日から起算して2週間以内に、 破産管財人 に対し、当該異議等のある破産債権の確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は 第127条第1項 《異議等のある破産債権に関し破産手続開始当…》 時訴訟が係属する場合において、破産債権者がその額等の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、訴訟手続の受継の申立てをしなければならない。 の規定による受継があった訴訟手続が係属していることを証明しなければならない。

2項 停止条件付債権又は将来の請求権である 破産債権 について 最後配当 の手続に参加するには、前項に規定する期間(以下この節及び第5節において「 最後配当に関する除斥期間 」という。)内にこれを行使することができるに至っていなければならない。

3項 別除権 者は、 最後配当 の手続に参加するには、次項の場合を除き、最後配当に関する除斥期間内に、 破産管財人 に対し、当該別除権に係る 第65条第2項 《2 担保権特別の先取特権、質権又は抵当権…》 をいう。以下この項において同じ。の目的である財産が破産管財人による任意売却その他の事由により破産財団に属しないこととなった場合において当該担保権がなお存続するときにおける当該担保権を有する者も、その目 に規定する担保権によって担保される債権の全部若しくは一部が 破産手続 開始後に担保されないこととなったことを証明し、又は当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しなければならない。

4項 第196条第3項 《3 破産管財人は、別除権に係る根抵当権に…》 よって担保される破産債権については、当該破産債権を有する破産債権者が、破産管財人に対し、当該根抵当権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しない場合においても、これを配当表に記載しなけ 前段(同条第4項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された根抵当権によって担保される 破産債権 については、 最後配当 に関する除斥期間内に当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額の証明がされた場合を除き、同条第3項後段(同条第4項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された最後配当の手続に参加することができる債権の額を当該弁済を受けることができない債権の額とみなす。

5項 第3項の規定は、 準別除権者 について準用する。

199条 (配当表の更正)

1項 次に掲げる場合には、 破産管財人 は、直ちに、配当表を更正しなければならない。

1号 電子 破産債権 者表を更正すべき事由が 最後配当 に関する除斥期間内に生じたとき。

2号 前条第1項に規定する事項につき 最後配当 に関する除斥期間内に証明があったとき。

3号 前条第3項に規定する事項につき 最後配当 に関する除斥期間内に証明があったとき。

2項 前項第3号の規定は、 準別除権者 について準用する。

200条 (配当表に対する異議)

1項 届出をした破産債権者 で配当表の記載に不服があるものは、 最後配当 に関する除斥期間が経過した後1週間以内に限り、裁判所に対し、異議を申し立てることができる。

2項 裁判所は、前項の規定による異議の申立てを理由があると認めるときは、 破産管財人 に対し、配当表の更正を命じなければならない。

3項 第1項の規定による異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。この場合においては、配当表の更正を命ずる決定に対する即時抗告の期間は、 第11条の2第1項 《利害関係人は、裁判所書記官に対し、最高裁…》 判所規則で定めるところにより、この法律の規定に基づき裁判所の使用に係る電子計算機入出力装置を含む。以下同じ。に備えられたファイル次項及び第3項並びに次条を除き、以下単に「ファイル」という。に記録された の規定により利害関係人がその電子裁判書の閲覧を請求することができることとなった日から起算する。

4項 第1項の規定による異議の申立てを却下する裁判及び前項前段の即時抗告についての裁判(配当表の更正を命ずる決定を除く。)があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。

201条 (配当額の定め及び通知)

1項 破産管財人 は、前条第1項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てに係る手続が終了した後)、遅滞なく、 最後配当 の手続に参加することができる 破産債権 者に対する配当額を定めなければならない。

2項 破産管財人 は、 第70条 《停止条件付債権等を有する者による寄託の請…》 求 停止条件付債権又は将来の請求権を有する者は、破産者に対する債務を弁済する場合には、後に相殺をするため、その債権額の限度において弁済額の寄託を請求することができる。 敷金の返還請求権を有する者が破 の規定により寄託した金額で 第198条第2項 《2 停止条件付債権又は将来の請求権である…》 破産債権について最後配当の手続に参加するには、前項に規定する期間以下この節及び第5節において「最後配当に関する除斥期間」という。内にこれを行使することができるに至っていなければならない。 の規定に適合しなかったことにより 最後配当 の手続に参加することができなかった 破産債権 者のために寄託したものの配当を、最後配当の一部として他の破産債権者に対してしなければならない。

3項 解除条件付債権である 破産債権 について、その条件が 最後配当 に関する除斥期間内に成就しないときは、 第69条 《解除条件付債権を有する者による相殺 解…》 除条件付債権を有する者が相殺をするときは、その相殺によって消滅する債務の額について、破産財団のために、担保を供し、又は寄託をしなければならない。 の規定により供した担保はその効力を失い、同条の規定により寄託した金額は当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。

4項 第101条第1項 《優先的破産債権である給料の請求権又は退職…》 手当の請求権について届出をした破産債権者が、これらの破産債権の弁済を受けなければその生活の維持を図るのに困難を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、最初に第195条第1項に規定する最後配当、第204条第 の規定により弁済を受けた 破産債権 又は 第109条 《外国で弁済を受けた破産債権者の手続参加 …》 破産債権者は、破産手続開始の決定があった後に、破産財団に属する財産で外国にあるものに対して権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破 に規定する弁済を受けた破産債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済と同1の割合の配当を受けるまでは、 最後配当 を受けることができない。

5項 第1項の規定により 破産債権 者に対する配当額を定めた場合において、 第111条第1項第4号 《破産手続に参加しようとする破産債権者は、…》 第31条第1項第1号又は第3項の規定により定められた破産債権の届出をすべき期間以下「債権届出期間」という。内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。 1 各破産債権の額及び原因 2 優先的 及び 第113条第2項 《2 前項の規定により届出名義の変更を受け…》 る者は、自己に対する配当額の合計額が第111条第1項第4号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。 の規定による届出をしなかった破産債権者について、その定めた配当額が同号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たないときは、 破産管財人 は、当該破産債権者以外の他の破産債権者に対して当該配当額の 最後配当 をしなければならない。この場合においては、当該配当額について、当該他の破産債権者に対する配当額を定めなければならない。

6項 次項の規定による配当額の通知を発する前に、新たに 最後配当 に充てることができる財産があるに至ったときは、 破産管財人 は、遅滞なく、配当表を更正しなければならない。

7項 破産管財人 は、第1項から前項までの規定により定めた配当額を、 最後配当 の手続に参加することができる 破産債権 者(第5項の規定により最後配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。

202条 (配当額の供託)

1項 破産管財人 は、次に掲げる配当額を、これを受けるべき 破産債権 者のために供託しなければならない。

1号 異議等のある破産債権 であって前条第7項の規定による配当額の通知を発した時にその確定に関する 破産債権 査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続、 第127条第1項 《異議等のある破産債権に関し破産手続開始当…》 時訴訟が係属する場合において、破産債権者がその額等の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、訴訟手続の受継の申立てをしなければならない。 若しくは 第129条第2項 《2 前項に規定する異議等のある破産債権に…》 関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、同項の異議者等が同項の規定による異議を主張しようとするときは、当該異議者等は、当該破産債権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければなら の規定による受継があった訴訟手続又は同条第1項の規定による異議の主張に係る訴訟手続が係属しているものに対する配当額

2号 租税等の請求権 又は 罰金等の請求権 であって前条第7項の規定による配当額の通知を発した時に審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。)その他の不服の申立ての手続が終了していないものに対する配当額

3号 破産債権 者が受け取らない配当額

203条 (破産管財人に知れていない財団債権者の取扱い)

1項 第201条第7項 《7 破産管財人は、第1項から前項までの規…》 定により定めた配当額を、最後配当の手続に参加することができる破産債権者第5項の規定により最後配当を受けることができない破産債権者を除く。に通知しなければならない。 の規定による配当額の通知を発した時に 破産管財人 に知れていない 財団債権 者は、 最後配当 をすることができる金額をもって弁済を受けることができない。

3節 簡易配当

204条 (簡易配当)

1項 裁判所書記官は、 第195条第1項 《破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一…》 般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了後においては、第217条第1項に規定する場合を除き、遅滞なく、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当以下この章及び次章において「最 の規定により 最後配当 をすることができる場合において、次に掲げるときは、 破産管財人 の申立てにより、最後配当に代えてこの節の規定による配当(以下この章及び次章において「 簡易配当 」という。)をすることを許可することができる。

1号 配当をすることができる金額が10,010,000円に満たないと認められるとき。

2号 裁判所が、 第32条第1項 《裁判所は、破産手続開始の決定をしたときは…》 、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 1 破産手続開始の決定の主文 2 破産管財人の氏名又は名称 3 前条第1項の規定により定めた期間又は期日 4 破産財団に属する財産の所持者及び破産者 の規定により同項第5号に掲げる事項を公告し、かつ、その旨を知れている 破産債権 者に対し同条第3項第1号の規定により通知した場合において、 届出をした破産債権者 が同条第1項第5号に規定する時までに異議を述べなかったとき。

3号 前2号に掲げるもののほか、相当と認められるとき。

2項 破産管財人 は、前項の規定による許可があった場合には、次条において読み替えて準用する 第196条第1項 《破産管財人は、前条第2項の規定による許可…》 があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した配当表を作成し、これを裁判所に提出しなければならない。 1 最後配当の手続に参加することができる破産債権者の氏名又は名称及び住所 2 最後配当の手続に の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、 届出をした破産債権者 に対する配当見込額を定めて、 簡易配当 の手続に参加することができる債権の総額、簡易配当をすることができる金額及び当該配当見込額を届出をした破産債権者に通知しなければならない。

3項 前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。

4項 第2項の規定による通知が届出をした各 破産債権 者に通常到達すべきであった時を経過したときは、 破産管財人 は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。

205条 (準用)

1項 簡易配当 については、前節( 第195条 《最後配当 破産管財人は、一般調査期間の…》 経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了後においては、第217条第1項に規定する場合を除き、遅滞なく、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当以下この章及び次章第197条 《配当の公告等 破産管財人は、前条第1項…》 の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる債権の総額及び最後配当をすることができる金額を公告し、又は届出をした破産債権者に通知しなければならない。 2 前項第200条第3項 《3 第1項の規定による異議の申立てについ…》 ての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合においては、配当表の更正を命ずる決定に対する即時抗告の期間は、第11条の2第1項の規定により利害関係人がその電子裁判書の閲覧を請求することがで 及び第4項並びに 第201条第7項 《7 破産管財人は、第1項から前項までの規…》 定により定めた配当額を、最後配当の手続に参加することができる破産債権者第5項の規定により最後配当を受けることができない破産債権者を除く。に通知しなければならない。 を除く。)の規定を準用する。この場合において、 第196条第1項 《破産管財人は、前条第2項の規定による許可…》 があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した配当表を作成し、これを裁判所に提出しなければならない。 1 最後配当の手続に参加することができる破産債権者の氏名又は名称及び住所 2 最後配当の手続に 及び第3項中「前条第2項の規定による許可」とあるのは「 第204条第1項 《裁判所書記官は、第195条第1項の規定に…》 より最後配当をすることができる場合において、次に掲げるときは、破産管財人の申立てにより、最後配当に代えてこの節の規定による配当以下この章及び次章において「簡易配当」という。をすることを許可することがで の規定による許可」と、 第198条第1項 《異議等のある破産債権第129条第1項に規…》 定するものを除く。について最後配当の手続に参加するには、当該異議等のある破産債権を有する破産債権者が、前条第1項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第3項の規定による届出があった日から起算して2週 中「前条第1項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第3項」とあるのは「 第204条第4項 《4 第2項の規定による通知が届出をした各…》 破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。 」と、「2週間以内に」とあるのは「1週間以内に」と、 第201条第1項 《破産管財人は、前条第1項に規定する期間が…》 経過した後同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てに係る手続が終了した後、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 中「当該異議の申立てに係る手続が終了した後」とあるのは「当該異議の申立てについての決定があった後」と、同条第6項中「次項の規定による配当額の通知を発する前に」とあるのは「前条第1項に規定する期間内に」と、 第202条第1号 《配当額の供託 第202条 破産管財人は、…》 次に掲げる配当額を、これを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 1 異議等のある破産債権であって前条第7項の規定による配当額の通知を発した時にその確定に関する破産債権査定申立てに係る査 及び第2号中「前条第7項の規定による配当額の通知を発した時に」とあり、並びに 第203条 《破産管財人に知れていない財団債権者の取扱…》 い 第201条第7項の規定による配当額の通知を発した時に破産管財人に知れていない財団債権者は、最後配当をすることができる金額をもって弁済を受けることができない。 中「 第201条第7項 《7 破産管財人は、第1項から前項までの規…》 定により定めた配当額を、最後配当の手続に参加することができる破産債権者第5項の規定により最後配当を受けることができない破産債権者を除く。に通知しなければならない。 の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「 第200条第1項 《届出をした破産債権者で配当表の記載に不服…》 があるものは、最後配当に関する除斥期間が経過した後1週間以内に限り、裁判所に対し、異議を申し立てることができる。 に規定する期間を経過した時に」と読み替えるものとする。

206条 (簡易配当の許可の取消し)

1項 破産管財人 は、 第204条第1項第3号 《裁判所書記官は、第195条第1項の規定に…》 より最後配当をすることができる場合において、次に掲げるときは、破産管財人の申立てにより、最後配当に代えてこの節の規定による配当以下この章及び次章において「簡易配当」という。をすることを許可することがで の規定による許可があった場合において、同条第2項の規定による通知をするときは、同時に、 簡易配当 をすることにつき異議のある 破産債権 者は裁判所に対し同条第4項の規定による届出の日から起算して1週間以内に異議を述べるべき旨をも通知しなければならない。この場合において、 届出をした破産債権者 が同項の規定による届出の日から起算して1週間以内に異議を述べたときは、裁判所書記官は、当該許可を取り消さなければならない。

207条 (適用除外)

1項 第204条第1項 《裁判所書記官は、第195条第1項の規定に…》 より最後配当をすることができる場合において、次に掲げるときは、破産管財人の申立てにより、最後配当に代えてこの節の規定による配当以下この章及び次章において「簡易配当」という。をすることを許可することがで の規定による 簡易配当 の許可は、 第209条第1項 《破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一…》 般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了前において、配当をするのに適当な破産財団に属する金銭があると認めるときは、最後配当に先立って、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配 に規定する中間配当をした場合は、することができない。

4節 同意配当

208条

1項 裁判所書記官は、 第195条第1項 《破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一…》 般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了後においては、第217条第1項に規定する場合を除き、遅滞なく、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当以下この章及び次章において「最 の規定により 最後配当 をすることができる場合において、 破産管財人 の申立てがあったときは、最後配当に代えてこの条の規定による配当(以下この章及び次章において「 同意配当 」という。)をすることを許可することができる。この場合において、破産管財人の申立ては、 届出をした破産債権者 の全員が、破産管財人が定めた配当表、配当額並びに配当の時期及び方法について同意している場合に限り、することができる。

2項 前項の規定による許可があった場合には、 破産管財人 は、同項後段の配当表、配当額並びに配当の時期及び方法に従い、同項後段の 届出をした破産債権者 に対して 同意配当 をすることができる。

3項 同意配当 については、 第196条第1項 《破産管財人は、前条第2項の規定による許可…》 があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した配当表を作成し、これを裁判所に提出しなければならない。 1 最後配当の手続に参加することができる破産債権者の氏名又は名称及び住所 2 最後配当の手続に 及び第2項並びに 第203条 《破産管財人に知れていない財団債権者の取扱…》 い 第201条第7項の規定による配当額の通知を発した時に破産管財人に知れていない財団債権者は、最後配当をすることができる金額をもって弁済を受けることができない。 の規定を準用する。この場合において、 第196条第1項 《破産管財人は、前条第2項の規定による許可…》 があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した配当表を作成し、これを裁判所に提出しなければならない。 1 最後配当の手続に参加することができる破産債権者の氏名又は名称及び住所 2 最後配当の手続に 中「前条第2項の規定による許可があったときは、遅滞なく」とあるのは「あらかじめ」と、 第203条 《破産管財人に知れていない財団債権者の取扱…》 い 第201条第7項の規定による配当額の通知を発した時に破産管財人に知れていない財団債権者は、最後配当をすることができる金額をもって弁済を受けることができない。 中「 第201条第7項 《7 破産管財人は、第1項から前項までの規…》 定により定めた配当額を、最後配当の手続に参加することができる破産債権者第5項の規定により最後配当を受けることができない破産債権者を除く。に通知しなければならない。 の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「 第208条第1項 《裁判所書記官は、第195条第1項の規定に…》 より最後配当をすることができる場合において、破産管財人の申立てがあったときは、最後配当に代えてこの条の規定による配当以下この章及び次章において「同意配当」という。をすることを許可することができる。 の規定による許可があった時に」と読み替えるものとする。

5節 中間配当

209条 (中間配当)

1項 破産管財人 は、 一般調査期間 の経過後又は 一般調査期日 の終了後であって 破産財団 に属する財産の換価の終了前において、配当をするのに適当な破産財団に属する金銭があると認めるときは、 最後配当 に先立って、 届出をした破産債権者 に対し、この節の規定による配当(以下この節において「 中間配当 」という。)をすることができる。

2項 破産管財人 は、 中間配当 をするには、裁判所の許可を得なければならない。

3項 中間配当 については、 第196条第1項 《破産管財人は、前条第2項の規定による許可…》 があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した配当表を作成し、これを裁判所に提出しなければならない。 1 最後配当の手続に参加することができる破産債権者の氏名又は名称及び住所 2 最後配当の手続に 及び第2項、 第197条 《配当の公告等 破産管財人は、前条第1項…》 の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる債権の総額及び最後配当をすることができる金額を公告し、又は届出をした破産債権者に通知しなければならない。 2 前項第198条第1項 《異議等のある破産債権第129条第1項に規…》 定するものを除く。について最後配当の手続に参加するには、当該異議等のある破産債権を有する破産債権者が、前条第1項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第3項の規定による届出があった日から起算して2週第199条第1項第1号 《次に掲げる場合には、破産管財人は、直ちに…》 、配当表を更正しなければならない。 1 電子破産債権者表を更正すべき事由が最後配当に関する除斥期間内に生じたとき。 2 前条第1項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。 3 及び第2号、 第200条 《配当表に対する異議 届出をした破産債権…》 者で配当表の記載に不服があるものは、最後配当に関する除斥期間が経過した後1週間以内に限り、裁判所に対し、異議を申し立てることができる。 2 裁判所は、前項の規定による異議の申立てを理由があると認めると第201条第4項 《4 第101条第1項の規定により弁済を受…》 けた破産債権者又は第109条に規定する弁済を受けた破産債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済と同1の割合の配当を受けるまでは、最後配当を受けることができない。 並びに 第203条 《破産管財人に知れていない財団債権者の取扱…》 い 第201条第7項の規定による配当額の通知を発した時に破産管財人に知れていない財団債権者は、最後配当をすることができる金額をもって弁済を受けることができない。 の規定を準用する。この場合において、 第196条第1項 《破産管財人は、前条第2項の規定による許可…》 があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した配当表を作成し、これを裁判所に提出しなければならない。 1 最後配当の手続に参加することができる破産債権者の氏名又は名称及び住所 2 最後配当の手続に 中「前条第2項の規定による許可」とあるのは「 第209条第2項 《2 破産管財人は、中間配当をするには、裁…》 判所の許可を得なければならない。 の規定による許可」と、 第199条第1項 《次に掲げる場合には、破産管財人は、直ちに…》 、配当表を更正しなければならない。 1 電子破産債権者表を更正すべき事由が最後配当に関する除斥期間内に生じたとき。 2 前条第1項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。 3 各号及び 第200条第1項 《届出をした破産債権者で配当表の記載に不服…》 があるものは、最後配当に関する除斥期間が経過した後1週間以内に限り、裁判所に対し、異議を申し立てることができる。 中「 最後配当 に関する除斥期間」とあるのは「 第210条第1項 《別除権者は、中間配当の手続に参加するには…》 、前条第3項において準用する第198条第1項に規定する期間以下この節において「中間配当に関する除斥期間」という。に、破産管財人に対し、当該別除権の目的である財産の処分に着手したことを証明し、かつ、当該 に規定する中間配当に関する除斥期間」と、 第203条 《破産管財人に知れていない財団債権者の取扱…》 い 第201条第7項の規定による配当額の通知を発した時に破産管財人に知れていない財団債権者は、最後配当をすることができる金額をもって弁済を受けることができない。 中「 第201条第7項 《7 破産管財人は、第1項から前項までの規…》 定により定めた配当額を、最後配当の手続に参加することができる破産債権者第5項の規定により最後配当を受けることができない破産債権者を除く。に通知しなければならない。 の規定による配当額」とあるのは「 第211条 《配当率の定め及び通知 破産管財人は、第…》 209条第3項において準用する第200条第1項に規定する期間が経過した後同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てについての決定があった後、遅滞なく、配当率を定めて、その配当率を中間 の規定による配当率」と読み替えるものとする。

210条 (別除権者の除斥等)

1項 別除権 者は、 中間配当 の手続に参加するには、前条第3項において準用する 第198条第1項 《異議等のある破産債権第129条第1項に規…》 定するものを除く。について最後配当の手続に参加するには、当該異議等のある破産債権を有する破産債権者が、前条第1項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第3項の規定による届出があった日から起算して2週 に規定する期間(以下この節において「 中間配当に関する除斥期間 」という。)に、 破産管財人 に対し、当該別除権の目的である財産の処分に着手したことを証明し、かつ、当該処分によって弁済を受けることができない債権の額を疎明しなければならない。

2項 前項の規定は、 準別除権者 について準用する。

3項 破産管財人 は、第1項(前項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき 中間配当 に関する除斥期間内に証明及び疎明があったときは、直ちに、配当表を更正しなければならない。

211条 (配当率の定め及び通知)

1項 破産管財人 は、 第209条第3項 《3 中間配当については、第196条第1項…》 及び第2項、第197条、第198条第1項、第199条第1項第1号及び第2号、第200条、第201条第4項並びに第203条の規定を準用する。 この場合において、第196条第1項中「前条第2項の規定による において準用する 第200条第1項 《届出をした破産債権者で配当表の記載に不服…》 があるものは、最後配当に関する除斥期間が経過した後1週間以内に限り、裁判所に対し、異議を申し立てることができる。 に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てについての決定があった後)、遅滞なく、配当率を定めて、その配当率を 中間配当 の手続に参加することができる 破産債権 者に通知しなければならない。

212条 (解除条件付債権の取扱い)

1項 解除条件付債権である 破産債権 については、相当の担保を供しなければ、 中間配当 を受けることができない。

2項 前項の 破産債権 について、その条件が 最後配当 に関する除斥期間内に成就しないときは、同項の規定により供した担保は、その効力を失う。

213条 (除斥された破産債権等の後の配当における取扱い)

1項 第209条第3項 《3 中間配当については、第196条第1項…》 及び第2項、第197条、第198条第1項、第199条第1項第1号及び第2号、第200条、第201条第4項並びに第203条の規定を準用する。 この場合において、第196条第1項中「前条第2項の規定による において準用する 第198条第1項 《異議等のある破産債権第129条第1項に規…》 定するものを除く。について最後配当の手続に参加するには、当該異議等のある破産債権を有する破産債権者が、前条第1項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第3項の規定による届出があった日から起算して2週 に規定する事項につき証明をしなかったことにより 中間配当 の手続に参加することができなかった 破産債権 について、当該破産債権を有する破産債権者が 最後配当 に関する除斥期間又はその中間配当の後に行われることがある中間配当に関する除斥期間内に当該事項につき証明をしたときは、その中間配当において受けることができた額について、当該最後配当又はその中間配当の後に行われることがある中間配当において、他の同順位の破産債権者に先立って配当を受けることができる。 第210条第1項 《別除権者は、中間配当の手続に参加するには…》 、前条第3項において準用する第198条第1項に規定する期間以下この節において「中間配当に関する除斥期間」という。に、破産管財人に対し、当該別除権の目的である財産の処分に着手したことを証明し、かつ、当該同条第2項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき証明又は疎明をしなかったことにより中間配当の手続に参加することができなかった 別除権 者( 準別除権者 を含む。)がその中間配当の後に行われることがある中間配当に関する除斥期間内に当該事項につき証明及び疎明をしたときも、同様とする。

214条 (配当額の寄託)

1項 中間配当 を行おうとする 破産管財人 は、次に掲げる 破産債権 に対する配当額を寄託しなければならない。

1号 異議等のある破産債権 であって、 第202条第1号 《配当額の供託 第202条 破産管財人は、…》 次に掲げる配当額を、これを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 1 異議等のある破産債権であって前条第7項の規定による配当額の通知を発した時にその確定に関する破産債権査定申立てに係る査 に規定する手続が係属しているもの

2号 租税等の請求権 又は 罰金等の請求権 であって、 第211条 《配当率の定め及び通知 破産管財人は、第…》 209条第3項において準用する第200条第1項に規定する期間が経過した後同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てについての決定があった後、遅滞なく、配当率を定めて、その配当率を中間 の規定による配当率の通知を発した時に 第202条第2号 《配当額の供託 第202条 破産管財人は、…》 次に掲げる配当額を、これを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 1 異議等のある破産債権であって前条第7項の規定による配当額の通知を発した時にその確定に関する破産債権査定申立てに係る査 に規定する手続が終了していないもの

3号 中間配当 に関する除斥期間内に 第210条第1項 《別除権者は、中間配当の手続に参加するには…》 、前条第3項において準用する第198条第1項に規定する期間以下この節において「中間配当に関する除斥期間」という。に、破産管財人に対し、当該別除権の目的である財産の処分に着手したことを証明し、かつ、当該同条第2項において準用する場合を含む。)の規定による証明及び疎明があった債権のうち、当該疎明があった額に係る部分

4号 停止条件付債権又は将来の請求権である 破産債権

5号 解除条件付債権である 破産債権 であって、 第212条第1項 《解除条件付債権である破産債権については、…》 相当の担保を供しなければ、中間配当を受けることができない。 の規定による担保が供されていないもの

6号 第111条第1項第4号 《破産手続に参加しようとする破産債権者は、…》 第31条第1項第1号又は第3項の規定により定められた破産債権の届出をすべき期間以下「債権届出期間」という。内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。 1 各破産債権の額及び原因 2 優先的 及び 第113条第2項 《2 前項の規定により届出名義の変更を受け…》 る者は、自己に対する配当額の合計額が第111条第1項第4号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。 の規定による届出をしなかった 破産債権 者が有する破産債権

2項 前項第1号又は第2号の規定により当該各号に掲げる 破産債権 に対する配当額を寄託した場合において、 第202条第1号 《配当額の供託 第202条 破産管財人は、…》 次に掲げる配当額を、これを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 1 異議等のある破産債権であって前条第7項の規定による配当額の通知を発した時にその確定に関する破産債権査定申立てに係る査 又は第2号の規定により当該破産債権に対する配当額を供託するときは、 破産管財人 は、その寄託した配当額をこれを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。

3項 第1項第3号又は第4号の規定により当該各号に掲げる 破産債権 に対する配当額を寄託した場合において、当該破産債権を有する破産債権者又は 別除権 者( 準別除権者 を含む。)が 第198条第2項 《2 停止条件付債権又は将来の請求権である…》 破産債権について最後配当の手続に参加するには、前項に規定する期間以下この節及び第5節において「最後配当に関する除斥期間」という。内にこれを行使することができるに至っていなければならない。 の規定に適合しなかったこと又は同条第3項(同条第5項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき証明をしなかったことにより 最後配当 の手続に参加することができなかったときは、 破産管財人 は、その寄託した配当額の最後配当を他の破産債権者に対してしなければならない。

4項 第1項第5号の規定により同号に掲げる 破産債権 に対する配当額を寄託した場合において、当該破産債権の条件が 最後配当 に関する除斥期間内に成就しないときは、 破産管財人 は、その寄託した配当額を当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。

5項 第1項第6号の規定により同号に掲げる 破産債権 に対する配当額を寄託した場合における 第201条第5項 《5 第1項の規定により破産債権者に対する…》 配当額を定めた場合において、第111条第1項第4号及び第113条第2項の規定による届出をしなかった破産債権者について、その定めた配当額が同号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たないときは、破産管財 の規定の適用については、同項中「その定めた配当額が同号に」とあるのは「その定めた配当額及び 破産管財人 第214条第1項第6号 《中間配当を行おうとする破産管財人は、次に…》 掲げる破産債権に対する配当額を寄託しなければならない。 1 異議等のある破産債権であって、第202条第1号に規定する手続が係属しているもの 2 租税等の請求権又は罰金等の請求権であって、第211条の規 の規定により寄託した同号に掲げる破産債権に対する配当額の合計額が 第111条第1項第4号 《破産手続に参加しようとする破産債権者は、…》 第31条第1項第1号又は第3項の規定により定められた破産債権の届出をすべき期間以下「債権届出期間」という。内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。 1 各破産債権の額及び原因 2 優先的 に」と、「当該配当額」とあるのは「当該合計額」とする。

6節 追加配当

215条

1項 第201条第7項 《7 破産管財人は、第1項から前項までの規…》 定により定めた配当額を、最後配当の手続に参加することができる破産債権者第5項の規定により最後配当を受けることができない破産債権者を除く。に通知しなければならない。 の規定による配当額の通知を発した後( 簡易配当 にあっては 第205条 《準用 簡易配当については、前節第195…》 条、第197条、第200条第3項及び第4項並びに第201条第7項を除く。の規定を準用する。 この場合において、第196条第1項及び第3項中「前条第2項の規定による許可」とあるのは「第204条第1項の規 において準用する 第200条第1項 《届出をした破産債権者で配当表の記載に不服…》 があるものは、最後配当に関する除斥期間が経過した後1週間以内に限り、裁判所に対し、異議を申し立てることができる。 に規定する期間を経過した後、 同意配当 にあっては 第208条第1項 《裁判所書記官は、第195条第1項の規定に…》 より最後配当をすることができる場合において、破産管財人の申立てがあったときは、最後配当に代えてこの条の規定による配当以下この章及び次章において「同意配当」という。をすることを許可することができる。 の規定による許可があった後)、新たに配当に充てることができる相当の財産があることが確認されたときは、 破産管財人 は、裁判所の許可を得て、 最後配当 、簡易配当又は同意配当とは別に、 届出をした破産債権者 に対し、この条の規定による配当(以下この条において「 追加配当 」という。)をしなければならない。 破産手続 終結の決定があった後であっても、同様とする。

2項 追加配当 については、 第201条第4項 《4 第101条第1項の規定により弁済を受…》 けた破産債権者又は第109条に規定する弁済を受けた破産債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済と同1の割合の配当を受けるまでは、最後配当を受けることができない。 及び第5項、 第202条 《配当額の供託 破産管財人は、次に掲げる…》 配当額を、これを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 1 異議等のある破産債権であって前条第7項の規定による配当額の通知を発した時にその確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、 並びに 第203条 《破産管財人に知れていない財団債権者の取扱…》 い 第201条第7項の規定による配当額の通知を発した時に破産管財人に知れていない財団債権者は、最後配当をすることができる金額をもって弁済を受けることができない。 の規定を準用する。この場合において、 第201条第5項 《5 第1項の規定により破産債権者に対する…》 配当額を定めた場合において、第111条第1項第4号及び第113条第2項の規定による届出をしなかった破産債権者について、その定めた配当額が同号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たないときは、破産管財 中「第1項の規定」とあるのは「 第215条第4項 《4 破産管財人は、第1項の規定による許可…》 があったときは、遅滞なく、追加配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 の規定」と、 第202条第1号 《配当額の供託 第202条 破産管財人は、…》 次に掲げる配当額を、これを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 1 異議等のある破産債権であって前条第7項の規定による配当額の通知を発した時にその確定に関する破産債権査定申立てに係る査 及び第2号中「前条第7項」とあり、並びに 第203条 《破産管財人に知れていない財団債権者の取扱…》 い 第201条第7項の規定による配当額の通知を発した時に破産管財人に知れていない財団債権者は、最後配当をすることができる金額をもって弁済を受けることができない。 中「 第201条第7項 《7 破産管財人は、第1項から前項までの規…》 定により定めた配当額を、最後配当の手続に参加することができる破産債権者第5項の規定により最後配当を受けることができない破産債権者を除く。に通知しなければならない。 」とあるのは「 第215条第5項 《5 破産管財人は、前項の規定により定めた…》 配当額を、追加配当の手続に参加することができる破産債権者第2項において読み替えて準用する第201条第5項の規定により追加配当を受けることができない破産債権者を除く。に通知しなければならない。 」と読み替えるものとする。

3項 追加配当 は、 最後配当 簡易配当 又は 同意配当 について作成した配当表によってする。

4項 破産管財人 は、第1項の規定による許可があったときは、遅滞なく、 追加配当 の手続に参加することができる 破産債権 者に対する配当額を定めなければならない。

5項 破産管財人 は、前項の規定により定めた配当額を、 追加配当 の手続に参加することができる 破産債権 者(第2項において読み替えて準用する 第201条第5項 《5 第1項の規定により破産債権者に対する…》 配当額を定めた場合において、第111条第1項第4号及び第113条第2項の規定による届出をしなかった破産債権者について、その定めた配当額が同号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たないときは、破産管財 の規定により追加配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。

6項 追加配当 をした場合には、 破産管財人 は、遅滞なく、裁判所に書面による計算の報告をしなければならない。

7項 前項の場合において、 破産管財人 が欠けたときは、当該計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人がしなければならない。

9章 破産手続の終了

216条 (破産手続開始の決定と同時にする破産手続廃止の決定)

1項 裁判所は、 破産財団 をもって 破産手続 の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない。

2項 前項の規定は、 破産手続 の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。

3項 裁判所は、第1項の規定により 破産手続 開始の決定と同時に破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告し、かつ、これを 破産者 に通知しなければならない。

1号 破産手続 開始の決定の主文

2号 破産手続 廃止の決定の主文及び理由の要旨

4項 第1項の規定による 破産手続 廃止の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

5項 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

6項 第31条 《破産手続開始の決定と同時に定めるべき事項…》 等 裁判所は、破産手続開始の決定と同時に、1人又は数人の破産管財人を選任し、かつ、次に掲げる事項を定めなければならない。 1 破産債権の届出をすべき期間 2 破産者の財産状況を報告するために招集する 及び 第32条 《破産手続開始の公告等 裁判所は、破産手…》 続開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 1 破産手続開始の決定の主文 2 破産管財人の氏名又は名称 3 前条第1項の規定により定めた期間又は期日 4 破産財団に属す の規定は、第1項の規定による 破産手続 廃止の決定を取り消す決定が確定した場合について準用する。

217条 (破産手続開始の決定後の破産手続廃止の決定)

1項 裁判所は、 破産手続 開始の決定があった後、 破産財団 をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、 破産管財人 の申立てにより又は職権で、破産手続廃止の決定をしなければならない。この場合においては、裁判所は、債権者集会の期日において 破産債権 者の意見を聴かなければならない。

2項 前項後段の規定にかかわらず、裁判所は、相当と認めるときは、同項後段に規定する債権者集会の期日における 破産債権 者の意見の聴取に代えて、書面による方法その他最高裁判所規則で定める方法により破産債権者の意見を聴くことができる。この場合においては、当該意見の聴取を目的とする 第135条第1項第2号 《裁判所は、次の各号に掲げる者のいずれかの…》 申立てがあった場合には、債権者集会を招集しなければならない。 ただし、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して債権者集会を招集することを相当でないと認めるときは、この限りでない。 1 破産管財人 又は第3号に掲げる者による同項の規定による債権者集会の招集の申立ては、することができない。

3項 前2項の規定は、 破産手続 の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。

4項 裁判所は、第1項の規定による 破産手続 廃止の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、その電子裁判書を 破産者 及び 破産管財人 に送達しなければならない。

5項 裁判所は、第1項の申立てを棄却する決定をしたときは、その電子裁判書を 破産管財人 に送達しなければならない。この場合においては、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

6項 第1項の規定による 破産手続 廃止の決定及び同項の申立てを棄却する決定に対しては、即時抗告をすることができる。

7項 第1項の規定による 破産手続 廃止の決定を取り消す決定が確定したときは、当該破産手続廃止の決定をした裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。

8項 第1項の規定による 破産手続 廃止の決定は、確定しなければその効力を生じない。

218条 (破産債権者の同意による破産手続廃止の決定)

1項 裁判所は、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当する 破産者 の申立てがあったときは、 破産手続 廃止の決定をしなければならない。

1号 破産手続 を廃止することについて、 債権届出期間 内に 届出をした破産債権者 の全員の同意を得ているとき。

2号 前号の同意をしない 破産債権 者がある場合において、当該破産債権者に対して裁判所が相当と認める担保を供しているとき。ただし、 破産財団 から当該担保を供した場合には、破産財団から当該担保を供したことについて、他の 届出をした破産債権者 の同意を得ているときに限る。

2項 前項の規定にかかわらず、裁判所は、まだ確定していない 破産債権 を有する破産債権者について同項第1号及び第2号ただし書の同意を得ることを要しない旨の決定をすることができる。この場合における同項第1号及び第2号ただし書の規定の適用については、これらの規定中「 届出をした破産債権者 」とあるのは、「届出をした破産債権者(まだ確定していない破産債権を有する破産債権者であって、裁判所の決定によりその同意を得ることを要しないとされたものを除く。)」とする。

3項 裁判所は、第1項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。

4項 届出をした破産債権者 は、前項に規定する公告が効力を生じた日から起算して2週間以内に、裁判所に対し、第1項の申立てについて意見を述べることができる。

5項 前条第4項から第8項までの規定は、第1項の規定による 破産手続 廃止の決定について準用する。この場合において、同条第5項中「 破産管財人 」とあるのは、「 破産者 」と読み替えるものとする。

219条 (破産者が法人である場合の破産債権者の同意による破産手続廃止の決定)

1項 法人である 破産者 が前条第1項の申立てをするには、定款その他の基本約款の変更に関する規定に従い、あらかじめ、当該法人を継続する手続をしなければならない。

220条 (破産手続終結の決定)

1項 裁判所は、 最後配当 簡易配当 又は 同意配当 が終了した後、 第88条第4項 《4 破産者、破産債権者又は後任の破産管財…》 人第2項の後任の破産管財人を除く。は、前項の申立てにより招集される債権者集会の期日において、第1項又は第2項の計算について異議を述べることができる。 の債権者集会が終結したとき、又は 第89条第2項 《2 裁判所は、前項の規定による申立てがあ…》 り、かつ、前条第1項又は第2項の規定による計算の報告書の提出があったときは、その提出があった旨及びその計算に異議があれば一定の期間内にこれを述べるべき旨を公告しなければならない。 この場合においては、 に規定する期間が経過したときは、 破産手続 終結の決定をしなければならない。

2項 裁判所は、前項の規定により 破産手続 終結の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、これを 破産者 に通知しなければならない。

221条 (破産手続廃止後又は破産手続終結後の電子破産債権者表の記録の効力)

1項 第217条第1項 《裁判所は、破産手続開始の決定があった後、…》 破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、破産手続廃止の決定をしなければならない。 この場合においては、裁判所は、債権者集会の期日において 若しくは 第218条第1項 《裁判所は、次の各号に掲げる要件のいずれか…》 に該当する破産者の申立てがあったときは、破産手続廃止の決定をしなければならない。 1 破産手続を廃止することについて、債権届出期間内に届出をした破産債権者の全員の同意を得ているとき。 2 前号の同意を の規定による 破産手続 廃止の決定が確定したとき、又は前条第1項の規定による破産手続終結の決定があったときは、確定した 破産債権 については、電子破産債権者表の記録は、 破産者 に対し、確定判決と同1の効力を有する。この場合において、破産債権者は、確定した破産債権について、当該破産者に対し、電子破産債権者表の記録により強制執行をすることができる。

2項 前項の規定は、 破産者 第121条第3項 《3 破産者は、一般調査期日に出頭しなけれ…》 ばならない。 ただし、正当な事由があるときは、代理人を出頭させることができる。 ただし書の代理人を含む。)が 第118条第2項 《2 破産者は、一般調査期間内に、裁判所に…》 対し、前項の破産債権の額について、書面で、異議を述べることができる。第119条第5項 《5 届出をした破産債権者は前項の破産債権…》 についての第117条第1項各号に掲げる事項について、破産者は当該破産債権の額について、特別調査期間内に、裁判所に対し、書面で、異議を述べることができる。第121条第4項 《4 前項本文の規定により出頭した破産者は…》 、第1項の破産債権の額について、異議を述べることができる。同条第6項(同条第7項又は 第122条第2項 《2 第119条第2項及び第3項、同条第6…》 項において準用する第118条第3項から第5項まで、第120条、第121条第7項及び第9項を除く。並びに前条の規定は、前項本文の場合における特別調査期日について準用する。 において準用する場合を含む。)若しくは第7項又は 第122条第2項 《2 第119条第2項及び第3項、同条第6…》 項において準用する第118条第3項から第5項まで、第120条、第121条第7項及び第9項を除く。並びに前条の規定は、前項本文の場合における特別調査期日について準用する。 において準用する場合を含む。又は 第123条第1項 《破産者がその責めに帰することができない事…》 由によって一般調査期日又は特別調査期日に出頭することができなかったときは、破産者は、その事由が消滅した後1週間以内に限り、裁判所に対し、当該一般調査期日又は特別調査期日における調査に係る破産債権の額に の規定による異議を述べた場合には、適用しない。

10章 相続財産の破産等に関する特則 > 1節 相続財産の破産

222条 (相続財産に関する破産事件の管轄)

1項 相続財産についてのこの法律の規定による 破産手続 開始の申立ては、被相続人の相続開始の時の住所又は相続財産に属する財産が日本国内にあるときに限り、することができる。

2項 相続財産に関する 破産事件 は、被相続人の相続開始の時の住所地を管轄する地方裁判所が管轄する。

3項 前項の規定による管轄裁判所がないときは、相続財産に関する 破産事件 は、相続財産に属する財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。

4項 相続財産に関する 破産事件 に対する 第5条第8項 《8 第1項及び第2項の規定にかかわらず、…》 破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者の数が500人以上であるときは、これらの規定による管轄裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも、破産手続 及び第9項並びに 第7条第5号 《破産事件の移送 第7条 裁判所は、著しい…》 損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、破産事件破産事件の債務者又は破産者による免責許可の申立てがある場合にあっては、破産事件及び当該免責許可の申立てに係る事件を次に掲げる地方裁判所 の規定の適用については、 第5条第8項 《8 第1項及び第2項の規定にかかわらず、…》 破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者の数が500人以上であるときは、これらの規定による管轄裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも、破産手続 及び第9項中「第1項及び第2項」とあるのは「 第222条第2項 《2 相続財産に関する破産事件は、被相続人…》 の相続開始の時の住所地を管轄する地方裁判所が管轄する。 及び第3項」と、 第7条第5号 《破産事件の移送 第7条 裁判所は、著しい…》 損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、破産事件破産事件の債務者又は破産者による免責許可の申立てがある場合にあっては、破産事件及び当該免責許可の申立てに係る事件を次に掲げる地方裁判所 中「同条第1項又は第2項」とあるのは「 第222条第2項 《2 相続財産に関する破産事件は、被相続人…》 の相続開始の時の住所地を管轄する地方裁判所が管轄する。 又は第3項」とする。

5項 前3項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、相続財産に関する 破産事件 は、先に 破産手続 開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。

223条 (相続財産の破産手続開始の原因)

1項 相続財産に対する 第30条第1項 《裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場…》 合において、破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、破産手続開始の決定をする。 1 破産手続の費用の予納がないとき第23条第1項前段の規定によりその費 の規定の適用については、同項中「 破産手続 開始の原因となる事実があると認めるとき」とあるのは、「相続財産をもって相続債権者及び受遺者に対する債務を完済することができないと認めるとき」とする。

224条 (破産手続開始の申立て)

1項 相続財産については、相続債権者又は受遺者のほか、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者(相続財産の管理に必要な行為をする権利を有する遺言執行者に限る。以下この節において同じ。)も、 破産手続 開始の申立てをすることができる。

2項 次の各号に掲げる者が相続財産について 破産手続 開始の申立てをするときは、それぞれ当該各号に定める事実を疎明しなければならない。

1号 相続債権者又は受遺者その有する債権の存在及び当該相続財産の 破産手続 開始の原因となる事実

2号 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者当該相続財産の 破産手続 開始の原因となる事実

225条 (破産手続開始の申立期間)

1項 相続財産については、 民法 第941条第1項 《相続債権者又は受遺者は、相続開始の時から…》 3箇月以内に、相続人の財産の中から相続財産を分離することを家庭裁判所に請求することができる。 相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、その期間の満了後も、同様とする。 の規定により財産分離の請求をすることができる間に限り、 破産手続 開始の申立てをすることができる。ただし、限定承認又は財産分離があったときは、相続債権者及び受遺者に対する弁済が完了するまでの間も、破産手続開始の申立てをすることができる。

226条 (破産手続開始の決定前の相続の開始)

1項 裁判所は、 破産手続 開始の申立て後破産手続開始の決定前に債務者について相続が開始したときは、相続債権者、受遺者、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者の申立てにより、当該相続財産についてその破産手続を続行する旨の決定をすることができる。

2項 前項に規定する続行の申立ては、相続が開始した後1月以内にしなければならない。

3項 第1項に規定する 破産手続 は、前項の期間内に第1項に規定する続行の申立てがなかった場合はその期間が経過した時に、前項の期間内に第1項に規定する続行の申立てがあった場合で当該申立てを却下する裁判が確定したときはその時に、それぞれ終了する。

4項 第1項に規定する続行の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

227条 (破産手続開始の決定後の相続の開始)

1項 裁判所は、 破産手続 開始の決定後に 破産者 について相続が開始したときは、当該相続財産についてその破産手続を続行する。

228条 (限定承認又は財産分離の手続との関係)

1項 相続財産についての 破産手続 開始の決定は、限定承認又は財産分離を妨げない。ただし、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。

229条 (破産財団の範囲)

1項 相続財産について 破産手続 開始の決定があった場合には、相続財産に属する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、 破産財団 とする。この場合においては、被相続人が相続人に対して有していた権利は、消滅しなかったものとみなす。

2項 相続人が相続財産の全部又は一部を処分した後に相続財産について 破産手続 開始の決定があったときは、相続人が反対給付について有する権利は、 破産財団 に属する。

3項 前項に規定する場合において、相続人が既に同項の反対給付を受けているときは、相続人は、当該反対給付を 破産財団 に返還しなければならない。ただし、相続人が当該反対給付を受けた当時、 破産手続 開始の原因となる事実又は破産手続開始の申立てがあったことを知らなかったときは、その現に受けている利益を返還すれば足りる。

230条 (相続人等の説明義務等)

1項 相続財産について 破産手続 開始の決定があった場合には、次に掲げる者は、 破産管財人 若しくは 債権者委員会 の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。

1号 被相続人の代理人であった者

2号 相続人及びその代理人

3号 相続財産の管理人、相続財産の清算人及び遺言執行者

2項 前項の規定は、同項第2号又は第3号に掲げる者であった者について準用する。

3項 第37条 《破産者の居住に係る制限 破産者は、その…》 申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない。 2 前項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。 及び 第38条 《破産者の引致 裁判所は、必要と認めると…》 きは、破産者の引致を命ずることができる。 2 破産手続開始の申立てがあったときは、裁判所は、破産手続開始の決定をする前でも、債務者の引致を命ずることができる。 3 前2項の規定による引致は、引致状を発 の規定は、相続財産について 破産手続 開始の決定があった場合における相続人並びにその法定代理人及び支配人について準用する。

231条 (相続債権者及び受遺者の地位)

1項 相続財産について 破産手続 開始の決定があった場合には、相続債権者及び受遺者は、相続人について破産手続開始の決定があったときでも、その債権の全額について破産手続に参加することができる。

2項 相続財産について 破産手続 開始の決定があったときは、相続債権者の債権は、受遺者の債権に優先する。

232条 (相続人の地位)

1項 相続財産について 破産手続 開始の決定があった場合には、相続人が被相続人に対して有していた権利は、消滅しなかったものとみなす。この場合においては、相続人は、被相続人に対して有していた債権について、相続債権者と同1の権利を有する。

2項 前項に規定する場合において、相続人が相続債権者に対して自己の固有財産をもって弁済その他の債務を消滅させる行為をしたときは、相続人は、その出えんの額の範囲内において、当該相続債権者が被相続人に対して有していた権利を行使することができる。

233条 (相続人の債権者の地位)

1項 相続財産について 破産手続 開始の決定があったときは、相続人の債権者は、 破産債権 者としてその権利を行使することができない。

234条 (否認権に関する規定の適用関係)

1項 相続財産について 破産手続 開始の決定があった場合における第6章第2節の規定の適用については、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為は、 破産者 がした行為とみなす。

235条 (受遺者に対する担保の供与等の否認)

1項 相続財産について 破産手続 開始の決定があった場合において、受遺者に対する担保の供与又は債務の消滅に関する行為がその債権に優先する債権を有する 破産債権 者を害するときは、当該行為を否認することができる。

2項 第167条第2項 《2 第160条第3項に規定する行為が否認…》 された場合において、相手方は、当該行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、その現に受けている利益を償還すれば足りる。 の規定は、前項の行為が同項の規定により否認された場合について準用する。この場合において、同条第2項中「 破産債権 者を害すること」とあるのは、「 第235条第1項 《相続財産について破産手続開始の決定があっ…》 た場合において、受遺者に対する担保の供与又は債務の消滅に関する行為がその債権に優先する債権を有する破産債権者を害するときは、当該行為を否認することができる。 の破産債権者を害すること」と読み替えるものとする。

236条 (否認後の残余財産の分配等)

1項 相続財産について 破産手続 開始の決定があった場合において、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為が否認されたときは、 破産管財人 は、相続債権者に弁済をした後、否認された行為の相手方にその権利の価額に応じて残余財産を分配しなければならない。

237条 (破産債権者の同意による破産手続廃止の申立て)

1項 相続財産の破産についての 第218条第1項 《裁判所は、次の各号に掲げる要件のいずれか…》 に該当する破産者の申立てがあったときは、破産手続廃止の決定をしなければならない。 1 破産手続を廃止することについて、債権届出期間内に届出をした破産債権者の全員の同意を得ているとき。 2 前号の同意を の申立ては、相続人がする。

2項 相続人が数人あるときは、前項の申立ては、各相続人がすることができる。

2節 相続人の破産

238条 (破産者の単純承認又は相続放棄の効力等)

1項 破産手続 開始の決定前に 破産者 のために相続の開始があった場合において、破産者が破産手続開始の決定後にした単純承認は、 破産財団 に対しては、限定承認の効力を有する。破産者が破産手続開始の決定後にした相続の放棄も、同様とする。

2項 破産管財人 は、前項後段の規定にかかわらず、相続の放棄の効力を認めることができる。この場合においては、相続の放棄があったことを知った時から3月以内に、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。

239条 (限定承認又は財産分離の手続との関係)

1項 相続人についての 破産手続 開始の決定は、限定承認又は財産分離を妨げない。ただし、当該相続人のみが相続財産につき債務の弁済に必要な行為をする権限を有するときは、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。

240条 (相続債権者、受遺者及び相続人の債権者の地位)

1項 相続人について 破産手続 開始の決定があった場合には、相続債権者及び受遺者は、財産分離があったとき、又は相続財産について破産手続開始の決定があったときでも、その債権の全額について破産手続に参加することができる。

2項 相続人について 破産手続 開始の決定があり、かつ、相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人の債権者の債権は、相続人の 破産財団 については、相続債権者及び受遺者の債権に優先する。

3項 第225条 《破産手続開始の申立期間 相続財産につい…》 ては、民法第941条第1項の規定により財産分離の請求をすることができる間に限り、破産手続開始の申立てをすることができる。 ただし、限定承認又は財産分離があったときは、相続債権者及び受遺者に対する弁済が に規定する期間内にされた 破産手続 開始の申立てにより相続人について破産手続開始の決定があったときは、相続人の固有財産については相続人の債権者の債権が相続債権者及び受遺者の債権に優先し、相続財産については相続債権者及び受遺者の債権が相続人の債権者の債権に優先する。

4項 相続人について 破産手続 開始の決定があり、かつ、当該相続人が限定承認をしたときは、相続債権者及び受遺者は、相続人の固有財産について、 破産債権 者としてその権利を行使することができない。 第238条第1項 《破産手続開始の決定前に破産者のために相続…》 の開始があった場合において、破産者が破産手続開始の決定後にした単純承認は、破産財団に対しては、限定承認の効力を有する。 破産者が破産手続開始の決定後にした相続の放棄も、同様とする。 の規定により限定承認の効力を有するときも、同様とする。

241条 (限定承認又は財産分離の手続において相続債権者等が受けた弁済)

1項 相続債権者又は受遺者は、相続人について 破産手続 開始の決定があった後に、限定承認又は財産分離の手続において権利を行使したことにより、 破産債権 について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破産手続に参加することができる。相続人の債権者が、相続人について破産手続開始の決定があった後に、財産分離の手続において権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合も、同様とする。

2項 前項の相続債権者若しくは受遺者又は相続人の債権者は、他の同順位の 破産債権 者が自己の受けた弁済(相続人が数人ある場合には、当該 破産手続 開始の決定を受けた相続人の相続分に応じた部分に限る。次項において同じ。)と同1の割合の配当を受けるまでは、破産手続により、配当を受けることができない。

3項 第1項の相続債権者若しくは受遺者又は相続人の債権者は、前項の弁済を受けた債権の額については、議決権を行使することができない。

242条 (限定承認又は財産分離等の後の相続財産の管理及び処分等)

1項 相続人について 破産手続 開始の決定があった後、当該相続人が限定承認をしたとき、又は当該相続人について財産分離があったときは、 破産管財人 は、当該相続人の固有財産と分別して相続財産の管理及び処分をしなければならない。限定承認又は財産分離があった後に相続人について破産手続開始の決定があったときも、同様とする。

2項 破産管財人 が前項の規定による相続財産の管理及び処分を終えた場合において、残余財産があるときは、その残余財産のうち当該相続人に帰属すべき部分は、当該相続人の固有財産とみなす。この場合において、破産管財人は、その残余財産について、 破産財団 の財産目録及び貸借対照表を補充しなければならない。

3項 第1項前段及び前項の規定は、 第238条第1項 《破産手続開始の決定前に破産者のために相続…》 の開始があった場合において、破産者が破産手続開始の決定後にした単純承認は、破産財団に対しては、限定承認の効力を有する。 破産者が破産手続開始の決定後にした相続の放棄も、同様とする。 の規定により限定承認の効力を有する場合及び 第240条第3項 《3 第225条に規定する期間内にされた破…》 産手続開始の申立てにより相続人について破産手続開始の決定があったときは、相続人の固有財産については相続人の債権者の債権が相続債権者及び受遺者の債権に優先し、相続財産については相続債権者及び受遺者の債権 の場合について準用する。

3節 受遺者の破産

243条 (包括受遺者の破産)

1項 前節の規定は、包括受遺者について 破産手続 開始の決定があった場合について準用する。

244条 (特定遺贈の承認又は放棄)

1項 破産手続 開始の決定前に 破産者 のために特定遺贈があった場合において、破産者が当該決定の時においてその承認又は放棄をしていなかったときは、 破産管財人 は、破産者に代わって、その承認又は放棄をすることができる。

2項 民法 第987条 《受遺者に対する遺贈の承認又は放棄の催告 …》 遺贈義務者遺贈の履行をする義務を負う者をいう。以下この節において同じ。その他の利害関係人は、受遺者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に遺贈の承認又は放棄をすべき旨の催告をすることができる。 この の規定は、前項の場合について準用する。

10章の2 信託財産の破産に関する特則

244条の2 (信託財産に関する破産事件の管轄)

1項 信託財産についてのこの法律の規定による 破産手続 開始の申立ては、信託財産に属する財産又は受託者の住所が日本国内にあるときに限り、することができる。

2項 信託財産に関する 破産事件 は、受託者の住所地(受託者が数人ある場合にあっては、そのいずれかの住所地)を管轄する地方裁判所が管轄する。

3項 前項の規定による管轄裁判所がないときは、信託財産に関する 破産事件 は、信託財産に属する財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。

4項 信託財産に関する 破産事件 に対する 第5条第8項 《8 第1項及び第2項の規定にかかわらず、…》 破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者の数が500人以上であるときは、これらの規定による管轄裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも、破産手続 及び第9項並びに 第7条第5号 《破産事件の移送 第7条 裁判所は、著しい…》 損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、破産事件破産事件の債務者又は破産者による免責許可の申立てがある場合にあっては、破産事件及び当該免責許可の申立てに係る事件を次に掲げる地方裁判所 の規定の適用については、 第5条第8項 《8 第1項及び第2項の規定にかかわらず、…》 破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者の数が500人以上であるときは、これらの規定による管轄裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも、破産手続 及び第9項中「第1項及び第2項」とあるのは「 第244条の2第2項 《2 信託財産に関する破産事件は、受託者の…》 住所地受託者が数人ある場合にあっては、そのいずれかの住所地を管轄する地方裁判所が管轄する。 及び第3項」と、 第7条第5号 《破産事件の移送 第7条 裁判所は、著しい…》 損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、破産事件破産事件の債務者又は破産者による免責許可の申立てがある場合にあっては、破産事件及び当該免責許可の申立てに係る事件を次に掲げる地方裁判所 中「同条第1項又は第2項」とあるのは「 第244条の2第2項 《2 信託財産に関する破産事件は、受託者の…》 住所地受託者が数人ある場合にあっては、そのいずれかの住所地を管轄する地方裁判所が管轄する。 又は第3項」とする。

5項 前3項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、信託財産に関する 破産事件 は、先に 破産手続 開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。

244条の3 (信託財産の破産手続開始の原因)

1項 信託財産に対する 第15条第1項 《債務者が支払不能にあるときは、裁判所は、…》 第30条第1項の規定に基づき、申立てにより、決定で、破産手続を開始する。 の規定の適用については、同項中「 支払不能 」とあるのは、「支払不能又は債務超過(受託者が、信託財産責任負担債務につき、信託財産に属する財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。

244条の4 (破産手続開始の申立て)

1項 信託財産については、信託債権(信託法第21条第2項第2号に規定する信託債権をいう。次項第1号及び 第244条の7 《信託債権者及び受益者の地位 信託財産に…》 ついて破産手続開始の決定があった場合には、信託債権を有する者及び受益者は、受託者について破産手続開始の決定があったときでも、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができ において同じ。)を有する者又は受益者のほか、受託者又は信託財産管理者、信託財産法人管理人若しくは同法第170条第1項の管理人(以下「 受託者等 」と総称する。)も、 破産手続 開始の申立てをすることができる。

2項 次の各号に掲げる者が信託財産について 破産手続 開始の申立てをするときは、それぞれ当該各号に定める事実を疎明しなければならない。

1号 信託債権を有する者又は受益者その有する信託債権又は受益債権の存在及び当該信託財産の 破産手続 開始の原因となる事実

2号 受託者等 当該信託財産の 破産手続 開始の原因となる事実

3項 前項第2号の規定は、 受託者等 が1人であるとき、又は受託者等が数人ある場合において受託者等の全員が 破産手続 開始の申立てをしたときは、適用しない。

4項 信託財産については、信託が終了した後であっても、残余財産の給付が終了するまでの間は、 破産手続 開始の申立てをすることができる。

244条の5 (破産財団の範囲)

1項 信託財産について 破産手続 開始の決定があった場合には、破産手続開始の時において信託財産に属する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、 破産財団 とする。

244条の6 (受託者等の説明義務等)

1項 信託財産について 破産手続 開始の決定があった場合には、次に掲げる者は、 破産管財人 若しくは 債権者委員会 の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。

1号 受託者等

2号 会計監査人(信託法第248条第1項又は第2項の会計監査人をいう。以下この章において同じ。

2項 前項の規定は、同項各号に掲げる者であった者について準用する。

3項 第37条 《破産者の居住に係る制限 破産者は、その…》 申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない。 2 前項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。 及び 第38条 《破産者の引致 裁判所は、必要と認めると…》 きは、破産者の引致を命ずることができる。 2 破産手続開始の申立てがあったときは、裁判所は、破産手続開始の決定をする前でも、債務者の引致を命ずることができる。 3 前2項の規定による引致は、引致状を発 の規定は、信託財産について 破産手続 開始の決定があった場合における 受託者等 個人である受託者等に限る。)について準用する。

4項 第41条 《破産者の重要財産開示義務 破産者は、破…》 産手続開始の決定後遅滞なく、その所有する不動産、現金、有価証券、預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。 の規定は、信託財産について 破産手続 開始の決定があった場合における 受託者等 について準用する。

244条の7 (信託債権者及び受益者の地位)

1項 信託財産について 破産手続 開始の決定があった場合には、信託債権を有する者及び受益者は、受託者について破産手続開始の決定があったときでも、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。

2項 信託財産について 破産手続 開始の決定があったときは、信託債権は、受益債権に優先する。

3項 受益債権と 約定劣後破産債権 は、同順位とする。ただし、信託行為の定めにより、約定劣後破産債権が受益債権に優先するものとすることができる。

244条の8 (受託者の地位)

1項 信託法第49条第1項(同法第53条第2項及び第54条第4項において準用する場合を含む。)の規定により受託者が有する権利は、信託財産についての 破産手続 との関係においては、金銭債権とみなす。

244条の9 (固有財産等責任負担債務に係る債権者の地位)

1項 信託財産について 破産手続 開始の決定があったときは、固有財産等責任負担債務(信託法第22条第1項に規定する固有財産等責任負担債務をいう。)に係る債権を有する者は、 破産債権 者としてその権利を行使することができない。

244条の10 (否認権に関する規定の適用関係等)

1項 信託財産について 破産手続 開始の決定があった場合における第6章第2節の規定の適用については、 受託者等 が信託財産に関してした行為は、 破産者 がした行為とみなす。

2項 前項に規定する場合における 第161条第1項 《破産者が、その有する財産を処分する行為を…》 した場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 1 当該行為が、 の規定の適用については、当該行為の相手方が 受託者等 又は会計監査人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、受託者等が同項第2号の 隠匿等の処分 をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。

3項 第1項に規定する場合における 第162条第1項第1号 《次に掲げる行為既存の債務についてされた担…》 保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 1 破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした行為。 ただし、債権者が、そ の規定の適用については、債権者が 受託者等 又は会計監査人であるときは、その債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、 支払不能 であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。

4項 第1項に規定する場合における 第168条第2項 《2 前項第2号の規定にかかわらず、同号に…》 掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分 及び 第170条の2第2項 《2 前項の規定にかかわらず、第168条第…》 1項第2号に掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、当該行為の相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、転得者は の規定の適用については、当該行為の相手方が 受託者等 又は会計監査人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、受託者等がこれらの規定に規定する 隠匿等の処分 をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。

244条の11 (破産管財人の権限)

1項 信託財産について 破産手続 開始の決定があった場合には、次に掲げるものは、 破産管財人 がする。

1号 信託法第27条第1項又は第2項の規定による取消権の行使

2号 信託法第31条第5項の規定による追認

3号 信託法第31条第6項又は第7項の規定による取消権の行使

4号 信託法第32条第4項の規定による権利の行使

5号 信託法第40条又は 第41条 《破産者の重要財産開示義務 破産者は、破…》 産手続開始の決定後遅滞なく、その所有する不動産、現金、有価証券、預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。 の規定による責任の追及

6号 信託法第42条(同法第254条第3項において準用する場合を含む。)の規定による責任の免除

7号 信託法第226条第1項、 第228条第1項 《相続財産についての破産手続開始の決定は、…》 限定承認又は財産分離を妨げない。 ただし、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。 又は 第254条第1項 《第265条の罪について破産者に対する有罪…》 の判決が確定したときは、裁判所は、破産債権者の申立てにより又は職権で、免責取消しの決定をすることができる。 破産者の不正の方法によって免責許可の決定がされた場合において、破産債権者が当該免責許可の決定 の規定による責任の追及

2項 前項の規定は、 保全管理人 について準用する。

3項 第177条 《役員の財産に対する保全処分 裁判所は、…》 法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、当該法人の理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者以 の規定は信託財産について 破産手続 開始の決定があった場合における 受託者等 又は会計監査人の財産に対する保全処分について、 第178条 《役員の責任の査定の申立て等 裁判所は、…》 法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、決定で、役員の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判以下この節において「役 から 第181条 《役員責任査定決定の効力 前条第1項の訴…》 えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同1の効力を有する。 までの規定は信託財産についての破産手続における受託者等又は会計監査人の責任に基づく損失のてん補又は原状の回復の請求権の査定について、それぞれ準用する。

244条の12 (保全管理命令)

1項 信託財産について 破産手続 開始の申立てがあった場合における第3章第2節の規定の適用については、 第91条第1項 《裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場…》 合において、債務者法人である場合に限る。以下この節、第148条第4項及び第152条第2項において同じ。の財産の管理及び処分が失当であるとき、その他債務者の財産の確保のために特に必要があると認めるときは 中「債務者(法人である場合に限る。以下この節、 第148条第4項 《4 保全管理人が債務者の財産に関し権限に…》 基づいてした行為によって生じた請求権は、財団債権とする。 及び 第152条第2項 《2 前項の規定にかかわらず、同項本文に規…》 定する場合における第148条第1項第1号及び第2号に掲げる財団債権債務者の財産の管理及び換価に関する費用の請求権であって、同条第4項に規定するものを含む。は、他の財団債権に先立って、弁済する。 において同じ。)の財産」とあり、並びに同項、 第93条第1項 《保全管理命令が発せられたときは、債務者の…》 財産日本国内にあるかどうかを問わない。の管理及び処分をする権利は、保全管理人に専属する。 ただし、保全管理人が債務者の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 及び 第96条第2項 《2 債務者の財産に関する訴訟手続及び債務…》 者の財産関係の事件で行政庁に係属するものについては、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める規定を準用する。 1 保全管理命令が発せられた場合 第44条第1項から第3項まで 2 保全管理命令が効力を 中「債務者の財産」とあるのは、「信託財産に属する財産」とする。

244条の13 (破産債権者の同意による破産手続廃止の申立て)

1項 信託財産の破産についての 第218条第1項 《裁判所は、次の各号に掲げる要件のいずれか…》 に該当する破産者の申立てがあったときは、破産手続廃止の決定をしなければならない。 1 破産手続を廃止することについて、債権届出期間内に届出をした破産債権者の全員の同意を得ているとき。 2 前号の同意を の申立ては、 受託者等 がする。

2項 受託者等 が数人あるときは、前項の申立ては、各受託者等がすることができる。

3項 信託財産の破産について第1項の申立てをするには、信託の変更に関する規定に従い、あらかじめ、当該信託を継続する手続をしなければならない。

11章 外国倒産処理手続がある場合の特則

245条 (外国管財人との協力)

1項 破産管財人 は、 破産者 についての外国倒産処理手続(外国で開始された手続で、 破産手続 又は再生手続に相当するものをいう。以下この章において同じ。)がある場合には、外国管財人(当該外国倒産処理手続において破産者の財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。以下この章において同じ。)に対し、破産手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供を求めることができる。

2項 前項に規定する場合には、 破産管財人 は、外国管財人に対し、外国倒産処理手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供をするよう努めるものとする。

246条 (外国管財人の権限等)

1項 外国管財人は、債務者について 破産手続 開始の申立てをすることができる。

2項 外国管財人は、前項の申立てをするときは、 破産手続 開始の原因となる事実を疎明しなければならない。

3項 外国管財人は、 破産者 破産手続 において、債権者集会の期日に出席し、意見を述べることができる。

4項 第1項の規定により外国管財人が 破産手続 開始の申立てをした場合において、 包括的禁止命令 又はこれを変更し、若しくは取り消す旨の決定があったときはその主文を、破産手続開始の決定があったときは 第32条第1項 《裁判所は、破産手続開始の決定をしたときは…》 、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 1 破産手続開始の決定の主文 2 破産管財人の氏名又は名称 3 前条第1項の規定により定めた期間又は期日 4 破産財団に属する財産の所持者及び破産者 の規定により公告すべき事項を、同項第2号又は第3号に掲げる事項に変更を生じたときはその旨を、破産手続開始の決定を取り消す決定が確定したときはその主文を、それぞれ外国管財人に通知しなければならない。

247条 (相互の手続参加)

1項 外国管財人は、届出をしていない 破産債権 者であって、 破産者 についての外国倒産処理手続に参加しているものを代理して、破産者の 破産手続 に参加することができる。ただし、当該外国の法令によりその権限を有する場合に限る。

2項 破産管財人 は、 届出をした破産債権者 であって、 破産者 についての外国倒産処理手続に参加していないものを代理して、当該外国倒産処理手続に参加することができる。

3項 破産管財人 は、前項の規定による参加をした場合には、同項の規定により代理した 破産債権 者のために、外国倒産処理手続に属する一切の行為をすることができる。ただし、届出の取下げ、和解その他の破産債権者の権利を害するおそれがある行為をするには、当該破産債権者の授権がなければならない。

12章 免責手続及び復権 > 1節 免責手続

248条 (免責許可の申立て)

1項 個人である債務者( 破産手続 開始の決定後にあっては、 破産者 。第4項を除き、以下この節において同じ。)は、破産手続開始の申立てがあった日から破産手続開始の決定が確定した日以後1月を経過する日までの間に、 破産裁判所 に対し、免責許可の申立てをすることができる。

2項 前項の 債務者 以下この節において「 債務者 」という。)は、その責めに帰することができない事由により同項に規定する期間内に免責許可の申立てをすることができなかった場合には、その事由が消滅した後1月以内に限り、当該申立てをすることができる。

3項 免責許可の申立てをするには、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者名簿を提出しなければならない。ただし、当該申立てと同時に債権者名簿を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。

4項 債務者 破産手続 開始の申立てをした場合には、当該申立てと同時に免責許可の申立てをしたものとみなす。ただし、当該債務者が破産手続開始の申立ての際に反対の意思を表示しているときは、この限りでない。

5項 前項本文の規定により免責許可の申立てをしたものとみなされたときは、 第20条第2項 《2 債権者以外の者が破産手続開始の申立て…》 をするときは、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者一覧表を裁判所に提出しなければならない。 ただし、当該申立てと同時に債権者一覧表を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出 の債権者一覧表を第3項本文の債権者名簿とみなす。

6項 債務者 は、免責許可の申立てをしたときは、 第218条第1項 《裁判所は、次の各号に掲げる要件のいずれか…》 に該当する破産者の申立てがあったときは、破産手続廃止の決定をしなければならない。 1 破産手続を廃止することについて、債権届出期間内に届出をした破産債権者の全員の同意を得ているとき。 2 前号の同意を の申立て又は再生手続開始の申立てをすることができない。

7項 債務者 は、次の各号に掲げる申立てをしたときは、第1項及び第2項の規定にかかわらず、当該各号に定める決定が確定した後でなければ、免責許可の申立てをすることができない。

1号 第218条第1項 《裁判所は、次の各号に掲げる要件のいずれか…》 に該当する破産者の申立てがあったときは、破産手続廃止の決定をしなければならない。 1 破産手続を廃止することについて、債権届出期間内に届出をした破産債権者の全員の同意を得ているとき。 2 前号の同意を の申立て当該申立ての棄却の決定

2号 再生手続開始の申立て当該申立ての棄却、再生手続廃止又は再生計画不認可の決定

249条 (強制執行の禁止等)

1項 免責許可の申立てがあり、かつ、 第216条第1項 《裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用…》 を支弁するのに不足すると認めるときは、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない。 の規定による 破産手続 廃止の決定、 第217条第1項 《裁判所は、破産手続開始の決定があった後、…》 破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、破産手続廃止の決定をしなければならない。 この場合においては、裁判所は、債権者集会の期日において の規定による破産手続廃止の決定の確定又は 第220条第1項 《裁判所は、最後配当、簡易配当又は同意配当…》 が終了した後、第88条第4項の債権者集会が終結したとき、又は第89条第2項に規定する期間が経過したときは、破産手続終結の決定をしなければならない。 の規定による破産手続終結の決定があったときは、当該申立てについての裁判が確定するまでの間は、 破産者 の財産に対する 破産債権 に基づく強制執行、仮差押え、仮処分若しくは 外国租税滞納処分 若しくは破産債権を被担保債権とする一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(以下この条において「 破産債権に基づく 強制執行等 」という。)、破産債権に基づく財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続の申立て又は破産者の財産に対する破産債権に基づく国税滞納処分(外国租税滞納処分を除く。)はすることができず、破産債権に基づく強制執行等の手続又は処分で破産者の財産に対して既にされているもの並びに破産者について既にされている破産債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止する。

2項 免責許可の決定が確定したときは、前項の規定により中止した 破産債権 に基づく 強制執行等 の手続又は処分並びに破産債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は、その効力を失う。

3項 第1項の場合において、次の各号に掲げる 破産債権 については、それぞれ当該各号に定める決定が確定した日の翌日から2月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。

1号 第253条第1項 《免責許可の決定が確定したときは、破産者は…》 、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。 ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。 1 租税等の請求権共助対象外国租税の請求権を除く。 2 破産者が悪意で加えた不法 各号に掲げる請求権免責許可の申立てについての決定

2号 前号に掲げる請求権以外の 破産債権 免責許可の申立てを却下した決定又は免責不許可の決定

250条 (免責についての調査及び報告)

1項 裁判所は、 破産管財人 に、 第252条第1項 《裁判所は、破産者について、次の各号に掲げ…》 る事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。 1 債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為を 各号に掲げる事由の有無又は同条第2項の規定による免責許可の決定をするかどうかの判断に当たって考慮すべき事情についての調査をさせ、その結果を報告させることができる。

2項 破産者 は、前項に規定する事項について裁判所が行う調査又は同項の規定により 破産管財人 が行う調査に協力しなければならない。

251条 (免責についての意見申述)

1項 裁判所は、免責許可の申立てがあったときは、 破産手続 開始の決定があった時以後、 破産者 につき免責許可の決定をすることの当否について、 破産管財人 及び 破産債権 者( 第253条第1項 《免責許可の決定が確定したときは、破産者は…》 、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。 ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。 1 租税等の請求権共助対象外国租税の請求権を除く。 2 破産者が悪意で加えた不法 各号に掲げる請求権を有する者を除く。次項、次条第4項及び 第254条 《免責取消しの決定 第265条の罪につい…》 て破産者に対する有罪の判決が確定したときは、裁判所は、破産債権者の申立てにより又は職権で、免責取消しの決定をすることができる。 破産者の不正の方法によって免責許可の決定がされた場合において、破産債権者 において同じ。)が裁判所に対し意見を述べることができる期間を定めなければならない。

2項 裁判所は、前項の期間を定める決定をしたときは、その期間を公告し、かつ、 破産管財人 及び知れている 破産債権 者にその期間を通知しなければならない。

3項 第1項の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して1月以上でなければならない。

252条 (免責許可の決定の要件等)

1項 裁判所は、 破産者 について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。

1号 債権者を害する目的で、 破産財団 に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。

2号 破産手続 の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。

3号 特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、 債務者 の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。

4号 浪費又は博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。

5号 破産手続 開始の申立てがあった日の1年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。

6号 業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと。

7号 虚偽の債権者名簿( 第248条第5項 《5 前項本文の規定により免責許可の申立て…》 をしたものとみなされたときは、第20条第2項の債権者一覧表を第3項本文の債権者名簿とみなす。 の規定により債権者名簿とみなされる債権者一覧表を含む。次条第1項第6号において同じ。)を提出したこと。

8号 破産手続 において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと。

9号 不正の手段により、 破産管財人 保全管理人 、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害したこと。

10号 次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から7年以内に免責許可の申立てがあったこと。

免責許可の決定が確定したこと当該免責許可の決定の確定の日

民事再生法 1999年法律第225号第239条第1項 《第221条第1項に規定する債務者のうち、…》 給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者であって、かつ、その額の変動の幅が小さいと見込まれるものは、この節に規定する特則の適用を受ける再生手続以下「給与所得者等再生」という。を行うことを求 に規定する給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと当該再生計画認可の決定の確定の日

民事再生法 第235条第1項 《再生債務者がその責めに帰することができな…》 い事由により再生計画を遂行することが極めて困難となり、かつ、次の各号のいずれにも該当する場合には、裁判所は、再生債務者の申立てにより、免責の決定をすることができる。 1 第232条第2項の規定により変同法第244条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日

11号 第40条第1項第1号 《次に掲げる者は、破産管財人若しくは第14…》 4条第2項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 ただし、第5号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。 1第41条 《破産者の重要財産開示義務 破産者は、破…》 産手続開始の決定後遅滞なく、その所有する不動産、現金、有価証券、預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。 又は 第250条第2項 《2 破産者は、前項に規定する事項について…》 裁判所が行う調査又は同項の規定により破産管財人が行う調査に協力しなければならない。 に規定する義務その他この法律に定める義務に違反したこと。

2項 前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、 破産手続 開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。

3項 免責許可の決定があった場合には、裁判所書記官は、最高裁判所規則で定めるところにより、その主文を記録した電磁的記録を作成し、これをファイルに記録しなければならない。

4項 裁判所は、免責許可の決定をしたときは、直ちに、その電子裁判書を 破産者 及び 破産管財人 に、前項の規定によりファイルに記録された電磁的記録を 破産債権 者に、それぞれ送達しなければならない。この場合において、電子裁判書の送達については、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

5項 裁判所は、免責不許可の決定をしたときは、直ちに、その電子裁判書を 破産者 に送達しなければならない。この場合においては、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

6項 免責許可の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

7項 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

8項 免責許可の決定は、確定しなければその効力を生じない。

253条 (免責許可の決定の効力等)

1項 免責許可の決定が確定したときは、 破産者 は、 破産手続 による配当を除き、 破産債権 について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。

1号 租税等の請求権 共助対象外国租税の請求権を除く。

2号 破産者 が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権

3号 破産者 が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。

4号 次に掲げる義務に係る請求権

民法 第752条 《同居、協力及び扶助の義務 夫婦は同居し…》 、互いに協力し扶助しなければならない。 の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務

民法 第760条 《婚姻費用の分担 夫婦は、その資産、収入…》 その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。 の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務

民法 第766条 《離婚後の子の監護に関する事項の定め等 …》 父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者又は子の監護の分掌、父又は母と子との交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。 この場合においては、子の 及び 第766条 《離婚後の子の監護に関する事項の定め等 …》 父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者又は子の監護の分掌、父又は母と子との交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。 この場合においては、子の の三(これらの規定を同法第749条、第771条及び第788条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務

民法 第877条 《扶養義務者 直系血族及び兄弟姉妹は、互…》 いに扶養をする義務がある。 2 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。 3 前項の規定による審判があった後事情に変 から 第880条 《扶養に関する協議又は審判の変更又は取消し…》 扶養をすべき者若しくは扶養を受けるべき者の順序又は扶養の程度若しくは方法について協議又は審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その協議又は審判の変更又は取消しをすることができる。 までの規定による扶養の義務

イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの

5号 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権

6号 破産者 が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について 破産手続 開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。

7号 罰金等の請求権

2項 免責許可の決定は、 破産債権 者が 破産者 の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び破産者以外の者が破産債権者のために供した担保に影響を及ぼさない。

3項 免責許可の決定が確定した場合において、電子 破産債権 者表があるときは、裁判所書記官は、最高裁判所規則で定めるところにより、これに免責許可の決定が確定した旨を記録しなければならない。

4項 第1項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による免責の効力は、 租税条約等実施特例法 第11条第1項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。

254条 (免責取消しの決定)

1項 第265条 《詐欺破産罪 破産手続開始の前後を問わず…》 、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産。次項において同じ。について破産手続開始の決定が確定したとき の罪について 破産者 に対する有罪の判決が確定したときは、裁判所は、 破産債権 者の申立てにより又は職権で、免責取消しの決定をすることができる。破産者の不正の方法によって免責許可の決定がされた場合において、破産債権者が当該免責許可の決定があった後1年以内に免責取消しの申立てをしたときも、同様とする。

2項 免責取消しの決定があった場合には、裁判所書記官は、最高裁判所規則で定めるところにより、その主文を記録した電磁的記録を作成し、これをファイルに記録しなければならない。

3項 裁判所は、免責取消しの決定をしたときは、直ちに、その電子裁判書を 破産者 及び申立人に、前項の規定によりファイルに記録された電磁的記録を 破産債権 者に、それぞれ送達しなければならない。この場合において、電子裁判書の送達については、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

4項 第1項の申立てについての裁判及び職権による免責取消しの決定に対しては、即時抗告をすることができる。

5項 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

6項 免責取消しの決定が確定したときは、免責許可の決定は、その効力を失う。

7項 免責取消しの決定が確定した場合において、免責許可の決定の確定後免責取消しの決定が確定するまでの間に生じた原因に基づいて 破産者 に対する債権を有するに至った者があるときは、その者は、新たな 破産手続 において、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

8項 前条第3項の規定は、免責取消しの決定が確定した場合について準用する。

2節 復権

255条 (復権)

1項 破産者 は、次に掲げる事由のいずれかに該当する場合には、復権する。次条第1項の復権の決定が確定したときも、同様とする。

1号 免責許可の決定が確定したとき。

2号 第218条第1項 《裁判所は、次の各号に掲げる要件のいずれか…》 に該当する破産者の申立てがあったときは、破産手続廃止の決定をしなければならない。 1 破産手続を廃止することについて、債権届出期間内に届出をした破産債権者の全員の同意を得ているとき。 2 前号の同意を の規定による 破産手続 廃止の決定が確定したとき。

3号 再生計画認可の決定が確定したとき。

4号 破産者 が、 破産手続 開始の決定後、 第265条 《詐欺破産罪 破産手続開始の前後を問わず…》 、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産。次項において同じ。について破産手続開始の決定が確定したとき の罪について有罪の確定判決を受けることなく10年を経過したとき。

2項 前項の規定による復権の効果は、人の資格に関する法令の定めるところによる。

3項 免責取消しの決定又は再生計画取消しの決定が確定したときは、第1項第1号又は第3号の規定による復権は、将来に向かってその効力を失う。

256条 (復権の決定)

1項 破産者 が弁済その他の方法により 破産債権 者に対する債務の全部についてその責任を免れたときは、 破産裁判所 は、破産者の申立てにより、復権の決定をしなければならない。

2項 裁判所は、前項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。

3項 破産債権 者は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して3月以内に、裁判所に対し、第1項の申立てについて意見を述べることができる。

4項 第1項の申立てについての裁判があった場合には、裁判所書記官は、最高裁判所規則で定めるところにより、その主文を記録した電磁的記録を作成し、これをファイルに記録しなければならない。

5項 裁判所は、第1項の申立てについての裁判をしたときは、その電子裁判書を 破産者 に、前項の規定によりファイルに記録された電磁的記録を 破産債権 者に、それぞれ送達しなければならない。この場合において、電子裁判書の送達については、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

6項 第1項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

7項 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、 第10条第3項 《3 この法律の規定により送達をしなければ…》 ならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 本文の規定は、適用しない。

13章 雑則

257条 (法人の破産手続に関する登記の嘱託等)

1項 法人である 債務者 について 破産手続 開始の決定があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を当該 破産者 の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。ただし、破産者が外国法人であるときは、外国会社にあっては日本における各代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該各営業所の所在地)、その他の外国法人にあっては各事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。

2項 前項の登記には、 破産管財人 の氏名又は名称及び住所、破産管財人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて 第76条第1項 《破産管財人が数人あるときは、共同してその…》 職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 ただし書の許可があったときはその旨並びに破産管財人が職務を分掌することについて同項ただし書の許可があったときはその旨及び各破産管財人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。

3項 第1項の規定は、前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。

4項 第1項の 債務者 について 保全管理命令 が発せられたときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、保全管理命令の登記を同項に規定する登記所に嘱託しなければならない。

5項 前項の登記には、 保全管理人 の氏名又は名称及び住所、保全管理人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて 第96条第1項 《第40条の規定は保全管理人の請求について…》 、第47条、第50条及び第51条の規定は保全管理命令が発せられた場合について、第74条第2項、第75条、第76条、第79条、第80条、第82条から第85条まで、第87条第1項及び第2項並びに第90条第 において準用する 第76条第1項 《破産管財人が数人あるときは、共同してその…》 職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 ただし書の許可があったときはその旨並びに保全管理人が職務を分掌することについて 第96条第1項 《第40条の規定は保全管理人の請求について…》 、第47条、第50条及び第51条の規定は保全管理命令が発せられた場合について、第74条第2項、第75条、第76条、第79条、第80条、第82条から第85条まで、第87条第1項及び第2項並びに第90条第 において準用する 第76条第1項 《破産管財人が数人あるときは、共同してその…》 職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 ただし書の許可があったときはその旨及び各保全管理人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。

6項 第4項の規定は、同項に規定する裁判の変更若しくは取消しがあった場合又は前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。

7項 第1項の規定は、同項の 破産者 につき、 破産手続 開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。

8項 前各項の規定は、限定責任信託に係る信託財産について 破産手続 開始の決定があった場合について準用する。この場合において、第1項中「当該 破産者 の本店又は主たる事務所の所在地」とあるのは、「当該限定責任信託の事務処理地(信託法第216条第2項第4号に規定する事務処理地をいう。)」と読み替えるものとする。

258条 (個人の破産手続に関する登記の嘱託等)

1項 個人である 債務者 について 破産手続 開始の決定があった場合において、次に掲げるときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を登記所に嘱託しなければならない。

1号 当該 破産者 に関する登記があることを知ったとき。

2号 破産財団 に属する権利で登記がされたものがあることを知ったとき。

2項 前項の規定は、当該 破産者 につき、 破産手続 開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。

3項 裁判所書記官は、第1項第2号の規定により 破産手続 開始の登記がされた権利について、 第34条第4項 《4 裁判所は、破産手続開始の決定があった…》 時から当該決定が確定した日以後1月を経過する日までの間、破産者の申立てにより又は職権で、決定で、破産者の生活の状況、破産手続開始の時において破産者が有していた前項各号に掲げる財産の種類及び額、破産者が の決定により 破産財団 に属しないこととされたときは、職権で、遅滞なく、その登記の抹消を嘱託しなければならない。 破産管財人 がその登記がされた権利を放棄し、その登記の抹消の嘱託の申立てをしたときも、同様とする。

4項 第1項第2号(第2項において準用する場合を含む。及び前項後段の規定は、相続財産又は信託財産について 破産手続 開始の決定があった場合について準用する。

5項 第1項第2号の規定は、信託財産について 保全管理命令 があった場合又は当該保全管理命令の変更若しくは取消しがあった場合について準用する。

259条 (保全処分に関する登記の嘱託)

1項 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。

1号 債務者 の財産に属する権利で登記されたものに関し 第28条第1項 《裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場…》 合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 第33条第2項 《2 第24条から第28条までの規定は、破…》 産手続開始の申立てを棄却する決定に対して前項の即時抗告があった場合について準用する。 において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。

2号 登記のある権利に関し 第171条第1項 《裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時…》 から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人の申立てにより又は職権で、仮差押え、仮処同条第7項において準用する場合を含む。又は 第177条第1項 《裁判所は、法人である債務者について破産手…》 続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、当該法人の理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者以下この節において「役員」という 若しくは第2項(同条第7項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。

2項 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。

260条 (否認の登記)

1項 登記の原因である行為が否認されたときは、 破産管財人 は、否認の登記を申請しなければならない。登記が否認されたときも、同様とする。

2項 登記官は、前項の否認の登記に係る権利に関する登記をするときは、職権で、次に掲げる登記を抹消しなければならない。

1号 当該否認の登記

2号 否認された行為を登記原因とする登記又は否認された登記

3号 前号の登記に後れる登記があるときは、当該登記

3項 前項に規定する場合において、否認された行為の後否認の登記がされるまでの間に、同項第2号に掲げる登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記( 破産手続 の関係において、その効力を主張することができるものに限る。)がされているときは、同項の規定にかかわらず、登記官は、職権で、当該否認の登記の抹消及び同号に掲げる登記に係る権利の 破産者 への移転の登記をしなければならない。

4項 裁判所書記官は、第1項の否認の登記がされている場合において、 破産者 について、 破産手続 開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定したとき、又は破産手続終結の決定があったときは、職権で、遅滞なく、当該否認の登記の抹消を嘱託しなければならない。 破産管財人 が、第2項第2号に掲げる登記に係る権利を放棄し、否認の登記の抹消の嘱託の申立てをしたときも、同様とする。

261条 (非課税)

1項 第257条 《法人の破産手続に関する登記の嘱託等 法…》 人である債務者について破産手続開始の決定があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を当該破産者の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。 ただし から前条までの規定による登記については、登録免許税を課さない。

262条 (登録のある権利への準用)

1項 第258条第1項第2号 《個人である債務者について破産手続開始の決…》 定があった場合において、次に掲げるときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を登記所に嘱託しなければならない。 1 当該破産者に関する登記があることを知ったとき。 2 破産財団に属す 及び同条第2項において準用する同号(これらの規定を同条第4項において準用する場合を含む。)、同条第3項(同条第4項において同条第3項後段の規定を準用する場合を含む。並びに前3条の規定は、登録のある権利について準用する。

263条 (責任制限手続の廃止による破産手続の中止)

1項 破産者 のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定があったときは、 破産手続 は、その決定が確定するまで中止する。

264条 (責任制限手続の廃止の場合の措置)

1項 破産者 のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定が確定した場合には、裁判所は、制限債権者のために、債権の届出をすべき期間及び債権の調査をするための期間又は期日を定めなければならない。

2項 裁判所は、前項の規定により定めた期間又は期日を公告しなければならない。

3項 知れている制限債権者には、 第32条第1項第1号 《裁判所は、破産手続開始の決定をしたときは…》 、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 1 破産手続開始の決定の主文 2 破産管財人の氏名又は名称 3 前条第1項の規定により定めた期間又は期日 4 破産財団に属する財産の所持者及び破産者 及び第2号並びに前項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。

4項 破産管財人 破産者 及び 届出をした破産債権者 には、第2項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。ただし、第1項の規定により定めた債権の調査をするための期間又は期日(当該期間又は期日に変更があった場合にあっては、変更後の期間又は期日)が 第31条第1項第3号 《裁判所は、破産手続開始の決定と同時に、1…》 又は数人の破産管財人を選任し、かつ、次に掲げる事項を定めなければならない。 1 破産債権の届出をすべき期間 2 破産者の財産状況を報告するために招集する債権者集会第4項、第136条第2項及び第3項並 の規定により定めた期間又は期日と同一であるときは、届出をした破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。

5項 前3項の規定は第1項の規定により定めた債権の届出をすべき期間に変更を生じた場合について、 第118条第3項 《3 裁判所は、一般調査期間を変更する決定…》 をしたときは、その電子裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者に送達しなければならない。 から第5項までの規定は第1項の規定により定めた債権の調査をするための期間を変更する決定があった場合について、 第121条第9項 《9 裁判所は、一般調査期日を変更する決定…》 をしたときは、その電子裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者に送達しなければならない。 から第11項までの規定は第1項の規定により定めた債権の調査をするための期日を変更する決定があった場合又は当該期日における債権の調査の延期若しくは続行の決定があった場合について準用する。この場合において、 第118条第3項 《3 裁判所は、一般調査期間を変更する決定…》 をしたときは、その電子裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者に送達しなければならない。 及び 第121条第9項 《9 裁判所は、一般調査期日を変更する決定…》 をしたときは、その電子裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者に送達しなければならない。 中「 破産管財人 」とあるのは「届出をした制限債権者( 第264条第1項 《破産者のために開始した責任制限手続につい…》 て責任制限手続廃止の決定が確定した場合には、裁判所は、制限債権者のために、債権の届出をすべき期間及び債権の調査をするための期間又は期日を定めなければならない。 の規定により定められた債権の届出をすべき期間の経過前にあっては、知れている制限債権者)、破産管財人」と、同条第10項中「破産管財人」とあるのは「届出をした制限債権者、破産管財人」と読み替えるものとする。

6項 第31条第2項 《2 前項第1号及び第3号の規定にかかわら…》 ず、裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するおそれがあると認めるときは、同項第1号の期間並びに同項第3号の期間及び期日を定めないことができる。 及び第3項の規定は、第1項に規定する期間及び期日について準用する。

14章 罰則

265条 (詐欺破産罪)

1項 破産手続 開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、 債務者 相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産。次項において同じ。)について破産手続開始の決定が確定したときは、10年以下の拘禁刑若しくは10,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。情を知って、第4号に掲げる行為の相手方となった者も、破産手続開始の決定が確定したときは、同様とする。

1号 債務者 の財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産。以下この条において同じ。)を隠匿し、又は損壊する行為

2号 債務者 の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為

3号 債務者 の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為

4号 債務者 の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為

2項 前項に規定するもののほか、 債務者 について 破産手続 開始の決定がされ、又は 保全管理命令 が発せられたことを認識しながら、債権者を害する目的で、 破産管財人 の承諾その他の正当な理由がなく、その債務者の財産を取得し、又は第三者に取得させた者も、同項と同様とする。

266条 (特定の債権者に対する担保の供与等の罪)

1項 債務者 相続財産の破産にあっては相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者を、信託財産の破産にあっては 受託者等 を含む。以下この条において同じ。)が、 破産手続 開始の前後を問わず、特定の債権者に対する債務について、他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって債務者の義務に属せず又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをし、破産手続開始の決定が確定したときは、5年以下の拘禁刑若しくは5,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

267条 (破産管財人等の特別背任罪)

1項 破産管財人 保全管理人 、破産管財人代理又は保全管理人代理が、自己若しくは第三者の利益を図り又は債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、債権者に財産上の損害を加えたときは、10年以下の拘禁刑若しくは10,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2項 破産管財人 又は 保全管理人 が法人であるときは、前項の規定は、破産管財人又は保全管理人の職務を行う 役員 又は職員に適用する。

268条 (説明及び検査の拒絶等の罪)

1項 第40条第1項 《次に掲げる者は、破産管財人若しくは第14…》 4条第2項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 ただし、第5号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。 1同条第2項において準用する場合を含む。)、 第230条第1項 《相続財産について破産手続開始の決定があっ…》 た場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 1 被相続人の代理人であった者 2 相続人及同条第2項において準用する場合を含む。又は 第244条の6第1項 《信託財産について破産手続開始の決定があっ…》 た場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 1 受託者等 2 会計監査人信託法第248条同条第2項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者は、3年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第96条第1項 《第40条の規定は保全管理人の請求について…》 、第47条、第50条及び第51条の規定は保全管理命令が発せられた場合について、第74条第2項、第75条、第76条、第79条、第80条、第82条から第85条まで、第87条第1項及び第2項並びに第90条第 において準用する 第40条第1項 《次に掲げる者は、破産管財人若しくは第14…》 4条第2項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 ただし、第5号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。 1同条第2項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者も、同様とする。

2項 第40条第1項第2号 《次に掲げる者は、破産管財人若しくは第14…》 4条第2項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 ただし、第5号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。 1 から第5号までに掲げる者若しくは当該各号に掲げる者であった者、 第230条第1項 《相続財産について破産手続開始の決定があっ…》 た場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 1 被相続人の代理人であった者 2 相続人及 各号に掲げる者(相続人を除く。)若しくは同項第2号若しくは第3号に掲げる者(相続人を除く。)であった者又は 第244条の6第1項 《信託財産について破産手続開始の決定があっ…》 た場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 1 受託者等 2 会計監査人信託法第248条 各号に掲げる者若しくは同項各号に掲げる者であった者(以下この項において「 説明義務者 」という。)の代表者、代理人、使用人その他の従業者(以下この項及び第4項において「 代表者等 」という。)が、その 説明義務者 の業務に関し、 第40条第1項 《次に掲げる者は、破産管財人若しくは第14…》 4条第2項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 ただし、第5号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。 1同条第2項において準用する場合を含む。)、 第230条第1項 《相続財産について破産手続開始の決定があっ…》 た場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 1 被相続人の代理人であった者 2 相続人及同条第2項において準用する場合を含む。又は 第244条の6第1項 《信託財産について破産手続開始の決定があっ…》 た場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 1 受託者等 2 会計監査人信託法第248条同条第2項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、前項前段と同様とする。説明義務者の 代表者等 が、その説明義務者の業務に関し、 第96条第1項 《第40条の規定は保全管理人の請求について…》 、第47条、第50条及び第51条の規定は保全管理命令が発せられた場合について、第74条第2項、第75条、第76条、第79条、第80条、第82条から第85条まで、第87条第1項及び第2項並びに第90条第 において準用する 第40条第1項 《次に掲げる者は、破産管財人若しくは第14…》 4条第2項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 ただし、第5号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。 1同条第2項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、同様とする。

3項 破産者 第83条第1項 《破産管財人は、第40条第1項各号に掲げる…》 及び同条第2項に規定する者に対して同条の規定による説明を求め、又は破産財団に関する帳簿、書類その他の物件を検査することができる。 第96条第1項 《第40条の規定は保全管理人の請求について…》 、第47条、第50条及び第51条の規定は保全管理命令が発せられた場合について、第74条第2項、第75条、第76条、第79条、第80条、第82条から第85条まで、第87条第1項及び第2項並びに第90条第 において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだとき、相続財産について 破産手続 開始の決定があった場合において 第230条第1項第2号 《相続財産について破産手続開始の決定があっ…》 た場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 1 被相続人の代理人であった者 2 相続人及 若しくは第3号に掲げる者が 第83条第1項 《破産管財人は、第40条第1項各号に掲げる…》 及び同条第2項に規定する者に対して同条の規定による説明を求め、又は破産財団に関する帳簿、書類その他の物件を検査することができる。 の規定による検査を拒んだとき又は信託財産について破産手続開始の決定があった場合において 受託者等 が同項( 第96条第1項 《第40条の規定は保全管理人の請求について…》 、第47条、第50条及び第51条の規定は保全管理命令が発せられた場合について、第74条第2項、第75条、第76条、第79条、第80条、第82条から第85条まで、第87条第1項及び第2項並びに第90条第 において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだときも、第1項前段と同様とする。

4項 第83条第2項 《2 破産管財人は、その職務を行うため必要…》 があるときは、破産者の子会社等次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める法人をいう。次項において同じ。に対して、その業務及び財産の状況につき説明を求め、又はその帳簿、書類その他の物件を検査す に規定する 破産者 の子会社等(同条第3項において破産者の子会社等とみなされるものを含む。以下この項において同じ。)の 代表者等 が、その破産者の子会社等の業務に関し、同条第2項( 第96条第1項 《第40条の規定は保全管理人の請求について…》 、第47条、第50条及び第51条の規定は保全管理命令が発せられた場合について、第74条第2項、第75条、第76条、第79条、第80条、第82条から第85条まで、第87条第1項及び第2項並びに第90条第 において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による説明を拒み、若しくは虚偽の説明をし、又は 第83条第2項 《2 破産管財人は、その職務を行うため必要…》 があるときは、破産者の子会社等次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める法人をいう。次項において同じ。に対して、その業務及び財産の状況につき説明を求め、又はその帳簿、書類その他の物件を検査す の規定による検査を拒んだときも、第1項前段と同様とする。

269条 (重要財産開示拒絶等の罪)

1項 破産者 信託財産の破産にあっては、 受託者等 )が 第41条 《破産者の重要財産開示義務 破産者は、破…》 産手続開始の決定後遅滞なく、その所有する不動産、現金、有価証券、預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。 第244条の6第4項 《4 第41条の規定は、信託財産について破…》 産手続開始の決定があった場合における受託者等について準用する。 において準用する場合を含む。)の規定による書面の提出を拒み、又は虚偽の書面を裁判所に提出したときは、3年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

270条 (業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪)

1項 破産手続 開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、 債務者 の業務及び財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産)の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造した者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産)について破産手続開始の決定が確定したときは、3年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第155条第2項 《2 裁判所書記官は、必要があると認めると…》 きは、破産管財人の申出により、破産財団に関する帳簿を閉鎖することができる。 の規定により閉鎖された 破産財団 に関する帳簿を隠滅し、偽造し、又は変造した者も、同様とする。

271条 (審尋における説明拒絶等の罪)

1項 債務者 が、 破産手続 開始の申立て(債務者以外の者がしたものを除く。又は免責許可の申立てについての審尋において、裁判所が説明を求めた事項について説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときは、3年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

272条 (破産管財人等に対する職務妨害の罪)

1項 偽計又は威力を用いて、 破産管財人 保全管理人 、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害した者は、3年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

273条 (収賄罪)

1項 破産管財人 保全管理人 、破産管財人代理又は保全管理人代理(次項において「 破産管財人等 」という。)が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、3年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2項 前項の場合において、その 破産管財人 等が不正の請託を受けたときは、5年以下の拘禁刑若しくは5,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

3項 破産管財人 又は 保全管理人 が法人である場合において、破産管財人又は保全管理人の職務を行うその 役員 又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、3年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、その役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、破産管財人又は保全管理人に賄賂を収受させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときも、同様とする。

4項 前項の場合において、その 役員 又は職員が不正の請託を受けたときは、5年以下の拘禁刑若しくは5,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

5項 破産債権 者若しくは代理委員又はこれらの者の代理人、 役員 若しくは職員が、債権者集会の期日における議決権の行使又は 第139条第2項第2号 《2 裁判所は、前項の決議に付する旨の決定…》 において、議決権者の議決権行使の方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めなければならない。 1 債権者集会の期日において議決権を行使する方法 2 書面等投票書面その他の最高裁判所規則で定める方法のう に規定する書面等投票による議決権の行使に関し、不正の請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の拘禁刑若しくは5,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

6項 前各項の場合において、犯人又は法人である 破産管財人 若しくは 保全管理人 が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

274条 (贈賄罪)

1項 前条第1項又は第3項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、3年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2項 前条第2項、第4項又は第5項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、5年以下の拘禁刑若しくは5,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

275条 (破産者等に対する面会強請等の罪)

1項 破産者 個人である破産者に限り、相続財産の破産にあっては、相続人。以下この条において同じ。又はその親族その他の者に 破産債権 免責手続 の終了後にあっては、免責されたものに限る。以下この条において同じ。)を弁済させ、又は破産債権につき破産者の親族その他の者に保証をさせる目的で、破産者又はその親族その他の者に対し、面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、3年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

276条 (国外犯)

1項 第265条 《詐欺破産罪 破産手続開始の前後を問わず…》 、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産。次項において同じ。について破産手続開始の決定が確定したとき第266条 《特定の債権者に対する担保の供与等の罪 …》 債務者相続財産の破産にあっては相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者を、信託財産の破産にあっては受託者等を含む。以下この条において同じ。が、破産手続開始の前後を問わず、特定の債権者に第270条 《業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の…》 罪 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、債務者の業務及び財産相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産の状況に関する帳簿、書類その他の物第272条 《破産管財人等に対する職務妨害の罪 偽計…》 又は威力を用いて、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害した者は、3年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 及び 第274条 《贈賄罪 前条第1項又は第3項に規定する…》 賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、3年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前条第2項、第4項又は第5項に規定する賄賂を供与し、又はその の罪は、 刑法 1907年法律第45号第2条 《すべての者の国外犯 この法律は、日本国…》 外において次に掲げる罪を犯したすべての者に適用する。 1 削除 2 第77条から第79条まで内乱、予備及び陰謀、内乱等幇助の罪 3 第81条外患誘致、第82条外患援助、第87条未遂罪及び第88条予備及 の例に従う。

2項 第267条 《破産管財人等の特別背任罪 破産管財人、…》 保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理が、自己若しくは第三者の利益を図り又は債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、債権者に財産上の損害を加えたときは、10年以下の拘禁刑若しくは10 及び 第273条 《収賄罪 破産管財人、保全管理人、破産管…》 財人代理又は保全管理人代理次項において「破産管財人等」という。が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、3年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又は第5項を除く。)の罪は、 刑法 第4条 《公務員の国外犯 この法律は、日本国外に…》 おいて次に掲げる罪を犯した日本国の公務員に適用する。 1 第101条看守者等による逃走援助の罪及びその未遂罪 2 第156条虚偽公文書作成等の罪 3 第193条公務員職権濫用、第195条第2項特別公務 の例に従う。

3項 第273条第5項 《5 破産債権者若しくは代理委員又はこれら…》 の者の代理人、役員若しくは職員が、債権者集会の期日における議決権の行使又は第139条第2項第2号に規定する書面等投票による議決権の行使に関し、不正の請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束 の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。

277条 (両罰規定)

1項 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、 第265条 《詐欺破産罪 破産手続開始の前後を問わず…》 、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産。次項において同じ。について破産手続開始の決定が確定したとき第266条 《特定の債権者に対する担保の供与等の罪 …》 債務者相続財産の破産にあっては相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者を、信託財産の破産にあっては受託者等を含む。以下この条において同じ。が、破産手続開始の前後を問わず、特定の債権者に第268条 《説明及び検査の拒絶等の罪 第40条第1…》 項同条第2項において準用する場合を含む。、第230条第1項同条第2項において準用する場合を含む。又は第244条の6第1項同条第2項において準用する場合を含む。の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説第1項を除く。)、 第269条 《重要財産開示拒絶等の罪 破産者信託財産…》 の破産にあっては、受託者等が第41条第244条の6第4項において準用する場合を含む。の規定による書面の提出を拒み、又は虚偽の書面を裁判所に提出したときは、3年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以 から 第272条 《破産管財人等に対する職務妨害の罪 偽計…》 又は威力を用いて、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害した者は、3年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 まで、 第274条 《贈賄罪 前条第1項又は第3項に規定する…》 賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、3年以下の拘禁刑若しくは3,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前条第2項、第4項又は第5項に規定する賄賂を供与し、又はその 又は 第275条 《破産者等に対する面会強請等の罪 破産者…》 個人である破産者に限り、相続財産の破産にあっては、相続人。以下この条において同じ。又はその親族その他の者に破産債権免責手続の終了後にあっては、免責されたものに限る。以下この条において同じ。を弁済させ、 の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

《本則》 ここまで 附則 >  

国の法令検索サービス《E-Gov》の法令データ、法令APIを利用しています。