信託法《本則》

法番号:2006年法律第108号

附則 >  

1章 総則

1条 (趣旨)

1項 信託の要件、効力等については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。

2条 (定義)

1項 この法律において「 信託 」とは、次条各号に掲げる方法のいずれかにより、特定の者が一定の目的(専らその者の利益を図る目的を除く。同条において同じ。)に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきものとすることをいう。

2項 この法律において「 信託行為 」とは、次の各号に掲げる 信託 の区分に応じ、当該各号に定めるものをいう。

1号 次条第1号に掲げる方法による 信託 :同号の信託契約

2号 次条第2号に掲げる方法による 信託 :同号の遺言

3号 次条第3号に掲げる方法による 信託 :同号の書面又は電磁的記録(同号に規定する電磁的記録をいう。)によってする意思表示

3項 この法律において「 信託財産 」とは、受託者に属する財産であって、 信託 により管理又は処分をすべき一切の財産をいう。

4項 この法律において「 委託者 」とは、次条各号に掲げる方法により 信託 をする者をいう。

5項 この法律において「 受託者 」とは、 信託 行為の定めに従い、信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をすべき義務を負う者をいう。

6項 この法律において「 受益者 」とは、受益権を有する者をいう。

7項 この法律において「 受益権 」とは、 信託 行為に基づいて 受託者 受益者 に対し負う債務であって信託財産に属する財産の引渡しその他の信託財産に係る給付をすべきものに係る債権(以下「 受益債権 」という。及びこれを確保するためにこの法律の規定に基づいて受託者その他の者に対し一定の行為を求めることができる権利をいう。

8項 この法律において「 固有財産 」とは、 受託者 に属する財産であって、 信託 財産に属する財産でない一切の財産をいう。

9項 この法律において「 信託財産責任負担債務 」とは、 受託者 信託 財産に属する財産をもって履行する責任を負う債務をいう。

10項 この法律において「 信託の併合 」とは、 受託者 を同1とする二以上の 信託 の信託財産の全部を1の新たな信託の信託財産とすることをいう。

11項 この法律において「 吸収 信託 分割 」とは、ある信託の信託財産の一部を 受託者 を同1とする他の信託の信託財産として移転することをいい、「新規信託分割」とは、ある信託の信託財産の一部を受託者を同1とする新たな信託の信託財産として移転することをいい、「信託の分割」とは、 吸収信託分割 又は新規信託分割をいう。

12項 この法律において「 限定責任 信託 」とは、 受託者 が当該信託のすべての信託財産責任負担債務について信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う信託をいう。

3条 (信託の方法)

1項 信託 は、次に掲げる方法のいずれかによってする。

1号 特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の契約(以下「 信託契約 」という。)を締結する方法

2号 特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の遺言をする方法

3号 特定の者が一定の目的に従い自己の有する一定の財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為を自らすべき旨の意思表示を公正証書その他の書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。 第49条第5項 《5 前項の場合には、同項に規定する権利の…》 存在を証する文書又は電磁的記録電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第172条の2第3項にお 第53条第2項 《2 第48条第4項及び第5項、第49条第…》 6項及び第7項を除く。並びに前2条の規定は、前項の規定による信託財産からの損害の賠償について準用する。 及び 第54条第4項 《4 第48条第4項及び第5項、第49条第…》 6項及び第7項を除く。、第51条並びに第52条並びに民法第648条第2項及び第3項並びに第648条の2の規定は、受託者の信託報酬について準用する。 において準用する場合を含む。及び 第172条の2第3項 《3 利害関係人は、裁判所書記官に対し、最…》 高裁判所規則で定めるところにより、報告等記録事項の全部若しくは一部を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該書面の内容が報告等記録事項と同一であることを証明したものを交付 を除き、以下同じ。)で当該目的、当該財産の特定に必要な事項その他の法務省令で定める事項を記載し又は記録したものによってする方法

4条 (信託の効力の発生)

1項 前条第1号に掲げる方法によってされる 信託 は、 委託者 となるべき者と 受託者 となるべき者との間の信託契約の締結によってその効力を生ずる。

2項 前条第2号に掲げる方法によってされる 信託 は、当該遺言の効力の発生によってその効力を生ずる。

3項 前条第3号に掲げる方法によってされる 信託 は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものによってその効力を生ずる。

1号 公正証書又は公証人の認証を受けた書面若しくは電磁的記録(以下この号及び次号において「 公正証書等 」と総称する。)によってされる場合当該 公正証書等 の作成

2号 公正証書等 以外の書面又は電磁的記録によってされる場合 受益者 となるべき者として指定された第三者(当該第三者が2人以上ある場合にあっては、その1人)に対する確定日付のある証書による当該 信託 がされた旨及びその内容の通知

4項 前3項の規定にかかわらず、 信託 は、信託行為に停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件の成就又は当該始期の到来によってその効力を生ずる。

5条 (遺言信託における信託の引受けの催告)

1項 第3条第2号 《信託の方法 第3条 信託は、次に掲げる方…》 法のいずれかによってする。 1 特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成の に掲げる方法によって 信託 がされた場合において、当該遺言に 受託者 となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に信託の引受けをするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。

2項 前項の規定による催告があった場合において、 受託者 となるべき者として指定された者は、同項の期間内に 委託者 の相続人に対し確答をしないときは、 信託 の引受けをしなかったものとみなす。

3項 委託者 の相続人が現に存しない場合における前項の規定の適用については、同項中「委託者の相続人」とあるのは、「 受益者 2人以上の受益者が現に存する場合にあってはその1人、 信託 管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)」とする。

6条 (遺言信託における裁判所による受託者の選任)

1項 第3条第2号 《信託の方法 第3条 信託は、次に掲げる方…》 法のいずれかによってする。 1 特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成の に掲げる方法によって 信託 がされた場合において、当該遺言に 受託者 の指定に関する定めがないとき、又は受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、受託者を選任することができる。

2項 前項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。

3項 第1項の規定による 受託者 の選任の裁判に対しては、 受益者 又は既に存する受託者に限り、即時抗告をすることができる。

4項 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。

7条 (受託者の資格)

1項 信託 は、未成年者を 受託者 としてすることができない。

8条 (受託者の利益享受の禁止)

1項 受託者 は、 受益者 として 信託 の利益を享受する場合を除き、何人の名義をもってするかを問わず、信託の利益を享受することができない。

9条 (脱法信託の禁止)

1項 法令によりある財産権を享有することができない者は、その権利を有するのと同1の利益を 受益者 として享受することができない。

10条 (訴訟信託の禁止)

1項 信託 は、訴訟行為をさせることを主たる目的としてすることができない。

11条 (詐害信託の取消し等)

1項 委託者 がその債権者を害することを知って 信託 をした場合には、 受託者 が債権者を害することを知っていたか否かにかかわらず、債権者は、受託者を被告として、 民法 1896年法律第89号第424条第3項 《3 債権者は、その債権が第1項に規定する…》 行為の前の原因に基づいて生じたものである場合に限り、同項の規定による請求以下「詐害行為取消請求」という。をすることができる。 に規定する詐害行為取消請求をすることができる。ただし、 受益者 が現に存する場合においては、当該受益者(当該受益者の中に 受益権 を譲り受けた者がある場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)の全部が、受益者としての指定(信託行為の定めにより又は 第89条第1項 《天然果実は、その元物から分離する時に、こ…》 れを収取する権利を有する者に帰属する。 に規定する受益者指定権等の行使により受益者又は変更後の受益者として指定されることをいう。以下同じ。)を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において債権者を害することを知っていたときに限る。

2項 前項の規定による詐害行為取消請求を認容する判決が確定した場合において、 信託 財産責任負担債務に係る債権を有する債権者( 委託者 であるものを除く。)が当該債権を取得した時において債権者を害することを知らなかったときは、委託者は、当該債権を有する債権者に対し、当該信託財産責任負担債務について弁済の責任を負う。ただし、同項の規定による詐害行為取消請求により 受託者 から委託者に移転する財産の価額を限度とする。

3項 前項の規定の適用については、 第49条第1項 《受託者は、前条第1項又は第2項の規定によ…》 り信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けることができる場合には、その額の限度で、信託財産に属する金銭を固有財産に帰属させることができる。 第53条第2項 《2 第48条第4項及び第5項、第49条第…》 6項及び第7項を除く。並びに前2条の規定は、前項の規定による信託財産からの損害の賠償について準用する。 及び 第54条第4項 《4 第48条第4項及び第5項、第49条第…》 6項及び第7項を除く。、第51条並びに第52条並びに民法第648条第2項及び第3項並びに第648条の2の規定は、受託者の信託報酬について準用する。 において準用する場合を含む。)の規定により 受託者 が有する権利は、金銭債権とみなす。

4項 委託者 がその債権者を害することを知って 信託 をした場合において、 受益者 受託者 から信託財産に属する財産の給付を受けたときは、債権者は、受益者を被告として、 民法 第424条第3項 《3 債権者は、その債権が第1項に規定する…》 行為の前の原因に基づいて生じたものである場合に限り、同項の規定による請求以下「詐害行為取消請求」という。をすることができる。 に規定する詐害行為取消請求をすることができる。ただし、当該受益者(当該受益者が 受益権 を譲り受けた者である場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)が、受益者としての指定を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において債権者を害することを知っていたときに限る。

5項 委託者 がその債権者を害することを知って 信託 をした場合には、債権者は、 受益者 を被告として、その 受益権 を委託者に譲り渡すことを訴えをもって請求することができる。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。

6項 民法 第426条 《 詐害行為取消請求に係る訴えは、債務者が…》 債権者を害することを知って行為をしたことを債権者が知った時から2年を経過したときは、提起することができない。 行為の時から10年を経過したときも、同様とする。 の規定は、前項の規定による請求権について準用する。

7項 受益者 の指定又は 受益権 の譲渡に当たっては、第1項本文、第4項本文又は第5項前段の規定の適用を不当に免れる目的で、債権者を害することを知らない者(以下この項において「 善意者 」という。)を無償(無償と同視すべき有償を含む。以下この項において同じ。)で受益者として指定し、又は 善意者 に対し無償で受益権を譲り渡してはならない。

8項 前項の規定に違反する 受益者 の指定又は 受益権 の譲渡により受益者となった者については、第1項ただし書及び第4項ただし書(第5項後段において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。

12条 (詐害信託の否認等)

1項 破産者が 委託者 としてした 信託 における 破産法 2004年法律第75号第160条第1項 《次に掲げる行為担保の供与又は債務の消滅に…》 関する行為を除く。は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 1 破産者が破産債権者を害することを知ってした行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、破産債権者を害 の規定の適用については、同項各号中「これによって利益を受けた者が、その行為の当時」とあるのは「 受益者 が現に存する場合においては、当該受益者(当該受益者の中に 受益権 を譲り受けた者がある場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)の全部が信託法第11条第1項に規定する受益者としての指定を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において」と、「知らなかったときは、この限りでない」とあるのは「知っていたときに限る」とする。

2項 破産者が破産債権者を害することを知って 委託者 として 信託 をした場合には、破産管財人は、 受益者 を被告として、その 受益権 を破産財団に返還することを訴えをもって請求することができる。この場合においては、前条第4項ただし書の規定を準用する。

3項 再生債務者が 委託者 としてした 信託 における 民事再生法 1999年法律第225号第127条第1項 《次に掲げる行為担保の供与又は債務の消滅に…》 関する行為を除く。は、再生手続開始後、再生債務者財産のために否認することができる。 1 再生債務者が再生債権者を害することを知ってした行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、再生 の規定の適用については、同項各号中「これによって利益を受けた者が、その行為の当時」とあるのは「 受益者 が現に存する場合においては、当該受益者(当該受益者の中に 受益権 を譲り受けた者がある場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)の全部が信託法(2006年法律第108号)第11条第1項に規定する受益者としての指定を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において」と、「知らなかったときは、この限りでない」とあるのは「知っていたときに限る」とする。

4項 再生債務者が再生債権者を害することを知って 委託者 として 信託 をした場合には、否認権限を有する監督委員又は管財人は、 受益者 を被告として、その 受益権 を再生債務者財産( 民事再生法 第12条第1項第1号 《次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権…》 で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。 1 再生債務者財産再生債務者が有する一切の財産をいう。以下同じ。に属する権利で登記がされたものに関し第30条第1項第36条第2項において準用 に規定する再生債務者財産をいう。 第25条第4項 《4 受託者が再生手続開始の決定を受けた場…》 合であっても、信託財産に属する財産は、再生債務者財産に属しない。 において同じ。)に返還することを訴えをもって請求することができる。この場合においては、前条第4項ただし書の規定を準用する。

5項 前2項の規定は、更生会社( 会社更生法 2002年法律第154号第2条第7項 《7 この法律において「更生会社」とは、更…》 生裁判所に更生事件が係属している株式会社であって、更生手続開始の決定がされたものをいう。 に規定する更生会社又は 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律 1996年法律第95号第169条第7項 《7 この章において「更生会社」とは、更生…》 裁判所に更生事件が係属している相互会社であって、更生手続開始の決定がされたものをいう。 に規定する更生会社をいう。又は更生協同組織金融機関(同法第4条第7項に規定する更生協同組織金融機関をいう。)について準用する。この場合において、第3項中「 民事再生法 1999年法律第225号第127条第1項 《次に掲げる行為担保の供与又は債務の消滅に…》 関する行為を除く。は、再生手続開始後、再生債務者財産のために否認することができる。 1 再生債務者が再生債権者を害することを知ってした行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、再生 」とあるのは「 会社更生法 2002年法律第154号第86条第1項 《次に掲げる行為担保の供与又は債務の消滅に…》 関する行為を除く。は、更生手続開始後、更生会社財産のために否認することができる。 1 更生会社が更生債権者等を害することを知ってした行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、更生債 並びに 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律 1996年法律第95号第57条第1項 《次に掲げる行為担保の供与又は債務の消滅に…》 関する行為を除く。は、更生手続開始後、更生協同組織金融機関財産のために否認することができる。 1 更生協同組織金融機関が更生債権者等を害することを知ってした行為。 ただし、これによって利益を受けた者が 及び 第223条第1項 《次に掲げる行為担保の供与又は債務の消滅に…》 関する行為を除く。は、更生手続開始後、更生会社財産のために否認することができる。 1 更生会社が更生債権者等を害することを知ってした行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、更生債 」と、「同項各号」とあるのは「これらの規定」と、前項中「再生債権者」とあるのは「更生債権者又は更生担保権者」と、「否認権限を有する監督委員又は管財人」とあるのは「管財人」と、「再生債務者財産( 民事再生法 第12条第1項第1号 《次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権…》 で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。 1 再生債務者財産再生債務者が有する一切の財産をいう。以下同じ。に属する権利で登記がされたものに関し第30条第1項第36条第2項において準用 に規定する再生債務者財産をいう。 第25条第4項 《4 受託者が再生手続開始の決定を受けた場…》 合であっても、信託財産に属する財産は、再生債務者財産に属しない。 において同じ。)」とあるのは「更生会社財産( 会社更生法 第2条第14項 《14 この法律において「更生会社財産」と…》 は、更生会社に属する一切の財産をいう。 に規定する更生会社財産又は 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律 第169条第14項 《14 この章において「更生会社財産」とは…》 、更生会社に属する一切の財産をいう。 に規定する更生会社財産をいう。又は更生協同組織金融機関財産(同法第4条第14項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と読み替えるものとする。

13条 (会計の原則)

1項 信託 の会計は、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。

2章 信託財産等

14条 (信託財産に属する財産の対抗要件)

1項 登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産については、 信託 の登記又は登録をしなければ、当該財産が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。

15条 (信託財産に属する財産の占有の

1項 受託者 は、 信託 財産に属する財産の占有について、 委託者 の占有の瑕疵かしを承継する。

16条 (信託財産の範囲)

1項 信託 行為において信託財産に属すべきものと定められた財産のほか、次に掲げる財産は、信託財産に属する。

1号 信託 財産に属する財産の管理、処分、滅失、損傷その他の事由により 受託者 が得た財産

2号 次条、 第18条 《 信託財産に属する財産と固有財産に属する…》 財産とを識別することができなくなった場合前条に規定する場合を除く。には、各財産の共有持分が信託財産と固有財産とに属するものとみなす。 この場合において、その共有持分の割合は、その識別することができなく第19条 《信託財産と固有財産等とに属する共有物の分…》 割 受託者に属する特定の財産について、その共有持分が信託財産と固有財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。 1 信託行為において定めた方法 2 受託者と受益者 第84条 《信託財産と固有財産等とに属する共有物の分…》 割の特例 受託者が2人以上ある信託における第19条の規定の適用については、同条第1項中「場合には」とあるのは「場合において、当該信託財産に係る信託に受託者が2人以上あるときは」と、同項第2号中「受託 の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この号において同じ。)、 第226条第3項 《3 第1項第2号に係る部分に限る。の規定…》 により受益者から受託者に対し支払われた金銭は、信託財産に帰属する。第228条第3項 《3 第1項第2号に係る部分に限る。の規定…》 により受益者から受託者に対し支払われた金銭は、信託財産に帰属する。 及び 第254条第2項 《2 前項の規定による損失のてん補として会…》 計監査人が受託者に対し交付した金銭その他の財産は、信託財産に帰属する。 の規定により 信託 財産に属することとなった財産( 第18条第1項 《信託財産に属する財産と固有財産に属する財…》 産とを識別することができなくなった場合前条に規定する場合を除く。には、各財産の共有持分が信託財産と固有財産とに属するものとみなす。 この場合において、その共有持分の割合は、その識別することができなくな同条第3項において準用する場合を含む。)の規定により信託財産に属するものとみなされた共有持分及び 第19条 《信託財産と固有財産等とに属する共有物の分…》 割 受託者に属する特定の財産について、その共有持分が信託財産と固有財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。 1 信託行為において定めた方法 2 受託者と受益者 の規定による分割によって信託財産に属することとされた財産を含む。

17条 (信託財産に属する財産の付合等)

1項 信託 財産に属する財産と 固有財産 若しくは他の信託の信託財産に属する財産との付合若しくは混和又はこれらの財産を材料とする加工があった場合には、各信託の信託財産及び固有財産に属する財産は各別の所有者に属するものとみなして、 民法 第242条 《不動産の付合 不動産の所有者は、その不…》 動産に従として付合した物の所有権を取得する。 ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。 から 第248条 《付合、混和又は加工に伴う償金の請求 第…》 242条から前条までの規定の適用によって損失を受けた者は、第703条及び第704条の規定に従い、その償金を請求することができる。 までの規定を適用する。

18条

1項 信託 財産に属する財産と 固有財産 に属する財産とを識別することができなくなった場合(前条に規定する場合を除く。)には、各財産の共有持分が信託財産と固有財産とに属するものとみなす。この場合において、その共有持分の割合は、その識別することができなくなった当時における各財産の価格の割合に応ずる。

2項 前項の共有持分は、相等しいものと推定する。

3項 前2項の規定は、ある 信託 受託者 が他の信託の受託者を兼ねる場合において、各信託の信託財産に属する財産を識別することができなくなったとき(前条に規定する場合を除く。)について準用する。この場合において、第1項中「信託財産と 固有財産 と」とあるのは、「各信託の信託財産」と読み替えるものとする。

19条 (信託財産と固有財産等とに属する共有物の分割)

1項 受託者 に属する特定の財産について、その共有持分が 信託 財産と 固有財産 とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。

1号 信託 行為において定めた方法

2号 受託者 受益者 信託 管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)との協議による方法

3号 分割をすることが 信託 の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、 受益者 の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該分割の信託財産に与える影響、当該分割の目的及び態様、 受託者 の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるときは、受託者が決する方法

2項 前項に規定する場合において、同項第2号の協議が調わないときその他同項各号に掲げる方法による分割をすることができないときは、 受託者 又は 受益者 信託 管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)は、裁判所に対し、同項の共有物の分割を請求することができる。

3項 受託者 に属する特定の財産について、その共有持分が 信託 財産と他の信託の信託財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。

1号 信託 の信託行為において定めた方法

2号 信託 受益者 信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)の協議による方法

3号 信託 について、分割をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、 受益者 の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該分割の信託財産に与える影響、当該分割の目的及び態様、 受託者 の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるときは、各信託の受託者が決する方法

4項 前項に規定する場合において、同項第2号の協議が調わないときその他同項各号に掲げる方法による分割をすることができないときは、各 信託 受益者 信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)は、裁判所に対し、同項の共有物の分割を請求することができる。

20条 (信託財産に属する財産についての混同の特例)

1項 同一物について所有権及び他の物権が 信託 財産と 固有財産 又は他の信託の信託財産とにそれぞれ帰属した場合には、 民法 第179条第1項 《同一物について所有権及び他の物権が同1人…》 に帰属したときは、当該他の物権は、消滅する。 ただし、その物又は当該他の物権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。 本文の規定にかかわらず、当該他の物権は、消滅しない。

2項 所有権以外の物権及びこれを目的とする他の権利が 信託 財産と 固有財産 又は他の信託の信託財産とにそれぞれ帰属した場合には、 民法 第179条第2項 《2 所有権以外の物権及びこれを目的とする…》 他の権利が同1人に帰属したときは、当該他の権利は、消滅する。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 前段の規定にかかわらず、当該他の権利は、消滅しない。

3項 次に掲げる場合には、 民法 第520条 《 債権及び債務が同1人に帰属したときは、…》 その債権は、消滅する。 ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。 本文の規定にかかわらず、当該債権は、消滅しない。

1号 信託 財産に属する債権に係る債務が 受託者 に帰属した場合(信託財産責任負担債務となった場合を除く。

2号 信託 財産責任負担債務に係る債権が 受託者 に帰属した場合(当該債権が信託財産に属することとなった場合を除く。

3号 固有財産 又は他の 信託 の信託財産に属する債権に係る債務が 受託者 に帰属した場合(信託財産責任負担債務となった場合に限る。

4号 受託者 の債務( 信託 財産責任負担債務を除く。)に係る債権が受託者に帰属した場合(当該債権が信託財産に属することとなった場合に限る。

21条 (信託財産責任負担債務の範囲)

1項 次に掲げる権利に係る債務は、 信託 財産責任負担債務となる。

1号 受益債権

2号 信託 財産に属する財産について信託前の原因によって生じた権利

3号 信託 前に生じた 委託者 に対する債権であって、当該債権に係る債務を信託財産責任負担債務とする旨の信託行為の定めがあるもの

4号 第103条第1項 《次に掲げる事項に係る信託の変更第3項にお…》 いて「重要な信託の変更」という。がされる場合には、これにより損害を受けるおそれのある受益者は、受託者に対し、自己の有する受益権を公正な価格で取得することを請求することができる。 ただし、第1号又は第2 又は第2項の規定による 受益権 取得請求権

5号 信託 財産のためにした行為であって 受託者 の権限に属するものによって生じた権利

6号 信託 財産のためにした行為であって 受託者 の権限に属しないもののうち、次に掲げるものによって生じた権利

第27条第1項又は第2項(これらの規定を 第75条第4項 《4 第27条の規定は、新受託者等が就任す…》 るに至るまでの間に前受託者がその権限に属しない行為をした場合について準用する。 において準用する場合を含む。ロにおいて同じ。)の規定により取り消すことができない行為(当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が 信託 財産のためにされたものであることを知らなかったもの(信託財産に属する財産について権利を設定し又は移転する行為を除く。)を除く。

第27条第1項 《受託者が信託財産のためにした行為がその権…》 限に属しない場合において、次のいずれにも該当するときは、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 1 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が信託財産のためにされたものであることを知っていたこ 又は第2項の規定により取り消すことができる行為であって取り消されていないもの

7号 第31条第6項 《6 第4項に規定する場合において、受託者…》 が第三者との間において第1項第1号又は第2号の財産について処分その他の行為をしたときは、当該第三者が同項及び第2項の規定に違反して第1項第1号又は第2号に掲げる行為がされたことを知っていたとき又は知ら に規定する処分その他の行為又は同条第7項に規定する行為のうち、これらの規定により取り消すことができない行為又はこれらの規定により取り消すことができる行為であって取り消されていないものによって生じた権利

8号 受託者 信託 事務を処理するについてした不法行為によって生じた権利

9号 第5号から前号までに掲げるもののほか、 信託 事務の処理について生じた権利

2項 信託 財産責任負担債務のうち次に掲げる権利に係る債務について、 受託者 は、信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う。

1号 受益債権

2号 信託 行為に 第216条第1項 《限定責任信託は、信託行為においてそのすべ…》 ての信託財産責任負担債務について受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う旨の定めをし、第232条の定めるところにより登記をすることによって、限定責任信託としての効力を生ずる。 の定めがあり、かつ、 第232条 《限定責任信託の定めの登記 信託行為にお…》 いて第216条第1項の定めがされたときは、限定責任信託の定めの登記は、2週間以内に、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 1 限定責任信託の目的 2 限定責任信託の名称 3 受託者の氏名又は の定めるところにより登記がされた場合における信託債権(信託財産責任負担債務に係る債権であって、 受益債権 でないものをいう。以下同じ。

3号 前2号に掲げる場合のほか、この法律の規定により 信託 財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものとされる場合における信託債権

4号 信託 債権を有する者(以下「 信託債権者 」という。)との間で信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う旨の合意がある場合における信託債権

22条 (信託財産に属する債権等についての相殺の制限)

1項 受託者 固有財産 又は他の 信託 の信託財産(第1号において「 固有財産等 」という。)に属する財産のみをもって履行する責任を負う債務(第1号及び第2号において「 固有財産等責任負担債務 」という。)に係る債権を有する者は、当該債権をもって信託財産に属する債権に係る債務と相殺をすることができない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

1号 当該 固有財産 等責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該 信託 財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該信託財産に属する債権が固有財産等に属するものでないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合

2号 当該 固有財産 等責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該 信託 財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該固有財産等責任負担債務が信託財産責任負担債務でないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合

2項 前項本文の規定は、 第31条第2項 《2 前項の規定にかかわらず、次のいずれか…》 に該当するときは、同項各号に掲げる行為をすることができる。 ただし、第2号に掲げる事由にあっては、同号に該当する場合でも当該行為をすることができない旨の信託行為の定めがあるときは、この限りでない。 1 各号に掲げる場合において、 受託者 が前項の相殺を承認したときは、適用しない。

3項 信託 財産責任負担債務(信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものに限る。)に係る債権を有する者は、当該債権をもって 固有財産 に属する債権に係る債務と相殺をすることができない。ただし、当該信託財産責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該固有財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該固有財産に属する債権が信託財産に属するものでないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合は、この限りでない。

4項 前項本文の規定は、 受託者 が同項の相殺を承認したときは、適用しない。

23条 (信託財産に属する財産に対する強制執行等の制限等)

1項 信託 財産責任負担債務に係る債権(信託財産に属する財産について生じた権利を含む。次項において同じ。)に基づく場合を除き、信託財産に属する財産に対しては、強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売(担保権の実行としてのものを除く。以下同じ。又は国税滞納処分(その例による処分を含む。以下同じ。)をすることができない。

2項 第3条第3号 《信託の方法 第3条 信託は、次に掲げる方…》 法のいずれかによってする。 1 特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成の に掲げる方法によって 信託 がされた場合において、 委託者 がその債権者を害することを知って当該信託をしたときは、前項の規定にかかわらず、信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者のほか、当該委託者( 受託者 であるものに限る。)に対する債権で信託前に生じたものを有する者は、信託財産に属する財産に対し、強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売又は国税滞納処分をすることができる。

3項 第11条第1項 《委託者がその債権者を害することを知って信…》 託をした場合には、受託者が債権者を害することを知っていたか否かにかかわらず、債権者は、受託者を被告として、民法1896年法律第89号第424条第3項に規定する詐害行為取消請求をすることができる。 ただ ただし書、第7項及び第8項の規定は、前項の規定の適用について準用する。

4項 前2項の規定は、第2項の 信託 がされた時から2年間を経過したときは、適用しない。

5項 第1項又は第2項の規定に違反してされた強制執行、仮差押え、仮処分又は担保権の実行若しくは競売に対しては、 受託者 又は 受益者 は、異議を主張することができる。この場合においては、 民事執行法 1979年法律第4号第38条 《第三者異議の訴え 強制執行の目的物につ…》 いて所有権その他目的物の譲渡又は引渡しを妨げる権利を有する第三者は、債権者に対し、その強制執行の不許を求めるために、第三者異議の訴えを提起することができる。 2 前項に規定する第三者は、同項の訴えに併 及び 民事保全法 平成元年法律第91号第45条 《第三者異議の訴えの管轄裁判所の特例 高…》 等裁判所が保全執行裁判所としてした保全執行に対する第三者異議の訴えは、仮に差し押さえるべき物又は係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。 の規定を準用する。

6項 第1項又は第2項の規定に違反してされた国税滞納処分に対しては、 受託者 又は 受益者 は、異議を主張することができる。この場合においては、当該異議の主張は、当該国税滞納処分について不服の申立てをする方法でする。

24条 (費用又は報酬の支弁等)

1項 前条第5項又は第6項の規定による異議に係る訴えを提起した 受益者 が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき、又は弁護士、 弁護士法 人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若しくは 司法書士法 人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、 信託 財産から支弁する。

2項 前項の訴えを提起した 受益者 が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、 受託者 に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。

25条 (信託財産と受託者の破産手続等との関係等)

1項 受託者 が破産手続開始の決定を受けた場合であっても、 信託 財産に属する財産は、破産財団に属しない。

2項 前項の場合には、 受益債権 は、破産債権とならない。 信託 債権であって 受託者 が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものも、同様とする。

3項 第1項の場合には、 破産法 第252条第1項 《裁判所は、破産者について、次の各号に掲げ…》 る事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。 1 債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為を の免責許可の決定による 信託 債権(前項に規定する信託債権を除く。)に係る債務の免責は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。

4項 受託者 が再生手続開始の決定を受けた場合であっても、 信託 財産に属する財産は、再生債務者財産に属しない。

5項 前項の場合には、 受益債権 は、再生債権とならない。 信託 債権であって 受託者 が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものも、同様とする。

6項 第4項の場合には、再生計画、再生計画認可の決定又は 民事再生法 第235条第1項 《再生債務者がその責めに帰することができな…》 い事由により再生計画を遂行することが極めて困難となり、かつ、次の各号のいずれにも該当する場合には、裁判所は、再生債務者の申立てにより、免責の決定をすることができる。 1 第232条第2項の規定により変 の免責の決定による 信託 債権(前項に規定する信託債権を除く。)に係る債務の免責又は変更は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。

7項 前3項の規定は、 受託者 が更生手続開始の決定を受けた場合について準用する。この場合において、第4項中「再生債務者財産」とあるのは「更生会社財産( 会社更生法 第2条第14項 《14 この法律において「更生会社財産」と…》 は、更生会社に属する一切の財産をいう。 に規定する更生会社財産又は 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律 第169条第14項 《14 この章において「更生会社財産」とは…》 、更生会社に属する一切の財産をいう。 に規定する更生会社財産をいう。又は更生協同組織金融機関財産(同法第4条第14項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と、第5項中「再生債権」とあるのは「更生債権又は更生担保権」と、前項中「再生計画、再生計画認可の決定又は 民事再生法 第235条第1項 《再生債務者がその責めに帰することができな…》 い事由により再生計画を遂行することが極めて困難となり、かつ、次の各号のいずれにも該当する場合には、裁判所は、再生債務者の申立てにより、免責の決定をすることができる。 1 第232条第2項の規定により変 の免責の決定」とあるのは「更生計画又は更生計画認可の決定」と読み替えるものとする。

3章 受託者等 > 1節 受託者の権限

26条 (受託者の権限の範囲)

1項 受託者 は、 信託 財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をする権限を有する。ただし、信託行為によりその権限に制限を加えることを妨げない。

27条 (受託者の権限違反行為の取消し)

1項 受託者 信託 財産のためにした行為がその権限に属しない場合において、次のいずれにも該当するときは、 受益者 は、当該行為を取り消すことができる。

1号 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が 信託 財産のためにされたものであることを知っていたこと。

2号 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が 受託者 の権限に属しないことを知っていたこと又は知らなかったことにつき重大な過失があったこと。

2項 前項の規定にかかわらず、 受託者 信託 財産に属する財産( 第14条 《信託財産に属する財産の対抗要件 登記又…》 は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産については、信託の登記又は登録をしなければ、当該財産が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。 の信託の登記又は登録をすることができるものに限る。)について権利を設定し又は移転した行為がその権限に属しない場合には、次のいずれにも該当するときに限り、 受益者 は、当該行為を取り消すことができる。

1号 当該行為の当時、当該 信託 財産に属する財産について 第14条 《信託財産に属する財産の対抗要件 登記又…》 は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産については、信託の登記又は登録をしなければ、当該財産が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。 の信託の登記又は登録がされていたこと。

2号 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が 受託者 の権限に属しないことを知っていたこと又は知らなかったことにつき重大な過失があったこと。

3項 2人以上の 受益者 のうちの1人が前2項の規定による取消権を行使したときは、その取消しは、他の受益者のためにも、その効力を生ずる。

4項 第1項又は第2項の規定による取消権は、 受益者 信託 管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)が取消しの原因があることを知った時から3箇月間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から1年を経過したときも、同様とする。

28条 (信託事務の処理の第三者への委託)

1項 受託者 は、次に掲げる場合には、 信託 事務の処理を第三者に委託することができる。

1号 信託 行為に信託事務の処理を第三者に委託する旨又は委託することができる旨の定めがあるとき。

2号 信託 行為に信託事務の処理の第三者への委託に関する定めがない場合において、信託事務の処理を第三者に委託することが信託の目的に照らして相当であると認められるとき。

3号 信託 行為に信託事務の処理を第三者に委託してはならない旨の定めがある場合において、信託事務の処理を第三者に委託することにつき信託の目的に照らしてやむを得ない事由があると認められるとき。

2節 受託者の義務等

29条 (受託者の注意義務)

1項 受託者 は、 信託 の本旨に従い、信託事務を処理しなければならない。

2項 受託者 は、 信託 事務を処理するに当たっては、善良な管理者の注意をもって、これをしなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる注意をもって、これをするものとする。

30条 (忠実義務)

1項 受託者 は、 受益者 のため忠実に 信託 事務の処理その他の行為をしなければならない。

31条 (利益相反行為の制限)

1項 受託者 は、次に掲げる行為をしてはならない。

1号 信託 財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を 固有財産 に帰属させ、又は固有財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を信託財産に帰属させること。

2号 信託 財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を他の信託の信託財産に帰属させること。

3号 第三者との間において 信託 財産のためにする行為であって、自己が当該第三者の代理人となって行うもの

4号 信託 財産に属する財産につき 固有財産 に属する財産のみをもって履行する責任を負う債務に係る債権を被担保債権とする担保権を設定することその他第三者との間において信託財産のためにする行為であって 受託者 又はその利害関係人と 受益者 との利益が相反することとなるもの

2項 前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当するときは、同項各号に掲げる行為をすることができる。ただし、第2号に掲げる事由にあっては、同号に該当する場合でも当該行為をすることができない旨の 信託 行為の定めがあるときは、この限りでない。

1号 信託 行為に当該行為をすることを許容する旨の定めがあるとき。

2号 受託者 が当該行為について重要な事実を開示して 受益者 の承認を得たとき。

3号 相続その他の包括承継により 信託 財産に属する財産に係る権利が 固有財産 に帰属したとき。

4号 受託者 が当該行為をすることが 信託 の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、 受益者 の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該行為の信託財産に与える影響、当該行為の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるとき。

3項 受託者 は、第1項各号に掲げる行為をしたときは、 受益者 に対し、当該行為についての重要な事実を通知しなければならない。ただし、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

4項 第1項及び第2項の規定に違反して第1項第1号又は第2号に掲げる行為がされた場合には、これらの行為は、無効とする。

5項 前項の行為は、 受益者 の追認により、当該行為の時にさかのぼってその効力を生ずる。

6項 第4項に規定する場合において、 受託者 が第三者との間において第1項第1号又は第2号の財産について処分その他の行為をしたときは、当該第三者が同項及び第2項の規定に違反して第1項第1号又は第2号に掲げる行為がされたことを知っていたとき又は知らなかったことにつき重大な過失があったときに限り、 受益者 は、当該処分その他の行為を取り消すことができる。この場合においては、 第27条第3項 《3 2人以上の受益者のうちの1人が前2項…》 の規定による取消権を行使したときは、その取消しは、他の受益者のためにも、その効力を生ずる。 及び第4項の規定を準用する。

7項 第1項及び第2項の規定に違反して第1項第3号又は第4号に掲げる行為がされた場合には、当該第三者がこれを知っていたとき又は知らなかったことにつき重大な過失があったときに限り、 受益者 は、当該行為を取り消すことができる。この場合においては、 第27条第3項 《3 2人以上の受益者のうちの1人が前2項…》 の規定による取消権を行使したときは、その取消しは、他の受益者のためにも、その効力を生ずる。 及び第4項の規定を準用する。

32条

1項 受託者 は、受託者として有する権限に基づいて 信託 事務の処理としてすることができる行為であってこれをしないことが 受益者 の利益に反するものについては、これを 固有財産 又は受託者の利害関係人の計算でしてはならない。

2項 前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当するときは、同項に規定する行為を 固有財産 又は 受託者 の利害関係人の計算ですることができる。ただし、第2号に掲げる事由にあっては、同号に該当する場合でも当該行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることができない旨の 信託 行為の定めがあるときは、この限りでない。

1号 信託 行為に当該行為を 固有財産 又は 受託者 の利害関係人の計算ですることを許容する旨の定めがあるとき。

2号 受託者 が当該行為を 固有財産 又は受託者の利害関係人の計算ですることについて重要な事実を開示して 受益者 の承認を得たとき。

3項 受託者 は、第1項に規定する行為を 固有財産 又は受託者の利害関係人の計算でした場合には、 受益者 に対し、当該行為についての重要な事実を通知しなければならない。ただし、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

4項 第1項及び第2項の規定に違反して 受託者 が第1項に規定する行為をした場合には、 受益者 は、当該行為は 信託 財産のためにされたものとみなすことができる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

5項 前項の規定による権利は、当該行為の時から1年を経過したときは、消滅する。

33条 (公平義務)

1項 受益者 が2人以上ある 信託 においては、 受託者 は、受益者のために公平にその職務を行わなければならない。

34条 (分別管理義務)

1項 受託者 は、 信託 財産に属する財産と 固有財産 及び他の信託の信託財産に属する財産とを、次の各号に掲げる財産の区分に応じ、当該各号に定める方法により、分別して管理しなければならない。ただし、分別して管理する方法について、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

1号 第14条 《信託財産に属する財産の対抗要件 登記又…》 は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産については、信託の登記又は登録をしなければ、当該財産が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。 信託 の登記又は登録をすることができる財産(第3号に掲げるものを除く。)当該信託の登記又は登録

2号 第14条の 信託 の登記又は登録をすることができない財産(次号に掲げるものを除く。)次のイ又はロに掲げる財産の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法

動産(金銭を除く。 信託 財産に属する財産と 固有財産 及び他の信託の信託財産に属する財産とを外形上区別することができる状態で保管する方法

金銭その他のイに掲げる財産以外の財産その計算を明らかにする方法

3号 法務省令で定める財産当該財産を適切に分別して管理する方法として法務省令で定めるもの

2項 前項ただし書の規定にかかわらず、同項第1号に掲げる財産について 第14条 《信託財産に属する財産の対抗要件 登記又…》 は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産については、信託の登記又は登録をしなければ、当該財産が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。 信託 の登記又は登録をする義務は、これを免除することができない。

35条 (信託事務の処理の委託における第三者の選任及び監督に関する義務)

1項 第28条 《信託事務の処理の第三者への委託 受託者…》 は、次に掲げる場合には、信託事務の処理を第三者に委託することができる。 1 信託行為に信託事務の処理を第三者に委託する旨又は委託することができる旨の定めがあるとき。 2 信託行為に信託事務の処理の第三 の規定により 信託 事務の処理を第三者に委託するときは、 受託者 は、信託の目的に照らして適切な者に委託しなければならない。

2項 第28条 《信託事務の処理の第三者への委託 受託者…》 は、次に掲げる場合には、信託事務の処理を第三者に委託することができる。 1 信託行為に信託事務の処理を第三者に委託する旨又は委託することができる旨の定めがあるとき。 2 信託行為に信託事務の処理の第三 の規定により 信託 事務の処理を第三者に委託したときは、 受託者 は、当該第三者に対し、信託の目的の達成のために必要かつ適切な監督を行わなければならない。

3項 受託者 信託 事務の処理を次に掲げる第三者に委託したときは、前2項の規定は、適用しない。ただし、受託者は、当該第三者が不適任若しくは不誠実であること又は当該第三者による事務の処理が不適切であることを知ったときは、その旨の 受益者 に対する通知、当該第三者への委託の解除その他の必要な措置をとらなければならない。

1号 信託 行為において指名された第三者

2号 信託 行為において 受託者 委託者 又は 受益者 の指名に従い信託事務の処理を第三者に委託する旨の定めがある場合において、当該定めに従い指名された第三者

4項 前項ただし書の規定にかかわらず、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

36条 (信託事務の処理の状況についての報告義務)

1項 委託者 又は 受益者 は、 受託者 に対し、 信託 事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況について報告を求めることができる。

37条 (帳簿等の作成等、報告及び保存の義務)

1項 受託者 は、 信託 事務に関する計算並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、信託財産に係る帳簿その他の書類又は電磁的記録を作成しなければならない。

2項 受託者 は、毎年一回、一定の時期に、法務省令で定めるところにより、貸借対照表、損益計算書その他の法務省令で定める書類又は電磁的記録を作成しなければならない。

3項 受託者 は、前項の書類又は電磁的記録を作成したときは、その内容について 受益者 信託 管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)に報告しなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

4項 受託者 は、第1項の書類又は電磁的記録を作成した場合には、その作成の日から10年間(当該期間内に 信託 の清算の結了があったときは、その日までの間。次項において同じ。)、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。ただし、 受益者 2人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人。第6項ただし書において同じ。)に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。

5項 受託者 は、 信託 財産に属する財産の処分に係る契約書その他の信託事務の処理に関する書類又は電磁的記録を作成し、又は取得した場合には、その作成又は取得の日から10年間、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。

6項 受託者 は、第2項の書類又は電磁的記録を作成した場合には、 信託 の清算の結了の日までの間、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。ただし、その作成の日から10年間を経過した後において、 受益者 に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。

38条 (帳簿等の閲覧等の請求)

1項 受益者 は、 受託者 に対し、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。

1号 前条第1項又は第5項の書類の閲覧又は謄写の請求

2号 前条第1項又は第5項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

2項 前項の請求があったときは、 受託者 は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。

1号 当該請求を行う者(以下この項において「 請求者 」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。

2号 請求者 が不適当な時に請求を行ったとき。

3号 請求者 信託 事務の処理を妨げ、又は 受益者 の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。

4号 請求者 が当該 信託 に係る業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。

5号 請求者 が前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求したとき。

6号 請求者 が、過去2年以内において、前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。

3項 前項(第1号及び第2号を除く。)の規定は、 受益者 が2人以上ある 信託 のすべての受益者から第1項の請求があったとき、又は受益者が1人である信託の当該受益者から同項の請求があったときは、適用しない。

4項 信託 行為において、次に掲げる情報以外の情報について、 受益者 が同意をしたときは第1項の規定による閲覧又は謄写の請求をすることができない旨の定めがある場合には、当該同意をした受益者(その承継人を含む。以下この条において同じ。)は、その同意を撤回することができない。

1号 前条第2項の書類又は電磁的記録の作成に欠くことのできない情報その他の 信託 に関する重要な情報

2号 当該 受益者 以外の者の利益を害するおそれのない情報

5項 受託者 は、前項の同意をした 受益者 から第1項の規定による閲覧又は謄写の請求があったときは、前項各号に掲げる情報に該当する部分を除き、これを拒むことができる。

6項 利害関係人は、 受託者 に対し、次に掲げる請求をすることができる。

1号 前条第2項の書類の閲覧又は謄写の請求

2号 前条第2項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

39条 (他の受益者の氏名等の開示の請求)

1項 受益者 が2人以上ある 信託 においては、受益者は、 受託者 に対し、次に掲げる事項を相当な方法により開示することを請求することができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。

1号 他の 受益者 の氏名又は名称及び住所

2号 他の 受益者 が有する 受益権 の内容

2項 前項の請求があったときは、 受託者 は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。

1号 当該請求を行う者(以下この項において「 請求者 」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。

2号 請求者 が不適当な時に請求を行ったとき。

3号 請求者 信託 事務の処理を妨げ、又は 受益者 の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。

4号 請求者 が前項の規定による開示によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。

5号 請求者 が、過去2年以内において、前項の規定による開示によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。

3項 前2項の規定にかかわらず、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

3節 受託者の責任等

40条 (受託者の損失てん補責任等)

1項 受託者 がその任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、 受益者 は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。ただし、第2号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく困難であるとき、原状の回復をするのに過分の費用を要するとき、その他受託者に原状の回復をさせることを不適当とする特別の事情があるときは、この限りでない。

1号 信託 財産に損失が生じた場合当該損失のてん補

2号 信託 財産に変更が生じた場合原状の回復

2項 受託者 第28条 《信託事務の処理の第三者への委託 受託者…》 は、次に掲げる場合には、信託事務の処理を第三者に委託することができる。 1 信託行為に信託事務の処理を第三者に委託する旨又は委託することができる旨の定めがあるとき。 2 信託行為に信託事務の処理の第三 の規定に違反して 信託 事務の処理を第三者に委託した場合において、信託財産に損失又は変更を生じたときは、受託者は、第三者に委託をしなかったとしても損失又は変更が生じたことを証明しなければ、前項の責任を免れることができない。

3項 受託者 第30条 《忠実義務 受託者は、受益者のため忠実に…》 信託事務の処理その他の行為をしなければならない。第31条第1項 《受託者は、次に掲げる行為をしてはならない…》 。 1 信託財産に属する財産当該財産に係る権利を含む。を固有財産に帰属させ、又は固有財産に属する財産当該財産に係る権利を含む。を信託財産に帰属させること。 2 信託財産に属する財産当該財産に係る権利を 及び第2項又は 第32条第1項 《受託者は、受託者として有する権限に基づい…》 て信託事務の処理としてすることができる行為であってこれをしないことが受益者の利益に反するものについては、これを固有財産又は受託者の利害関係人の計算でしてはならない。 及び第2項の規定に違反する行為をした場合には、受託者は、当該行為によって受託者又はその利害関係人が得た利益の額と同額の損失を 信託 財産に生じさせたものと推定する。

4項 受託者 第34条 《分別管理義務 受託者は、信託財産に属す…》 る財産と固有財産及び他の信託の信託財産に属する財産とを、次の各号に掲げる財産の区分に応じ、当該各号に定める方法により、分別して管理しなければならない。 ただし、分別して管理する方法について、信託行為に の規定に違反して 信託 財産に属する財産を管理した場合において、信託財産に損失又は変更を生じたときは、受託者は、同条の規定に従い分別して管理をしたとしても損失又は変更が生じたことを証明しなければ、第1項の責任を免れることができない。

41条 (法人である受託者の役員の連帯責任)

1項 法人である 受託者 の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は 信託 行為の定めに違反する行為につき悪意又は重大な過失があるときは、 受益者 に対し、当該法人と連帯して、損失のてん補又は原状の回復をする責任を負う。

42条 (損失てん補責任等の免除)

1項 受益者 は、次に掲げる責任を免除することができる。

1号 第40条 《受託者の損失てん補責任等 受託者がその…》 任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。 ただし、第2号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく の規定による責任

2号 前条の規定による責任

43条 (損失塡補責任等に係る債権の期間の制限)

1項 第40条 《受託者の損失てん補責任等 受託者がその…》 任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。 ただし、第2号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく の規定による責任に係る債権の消滅時効は、債務の不履行によって生じた責任に係る債権の消滅時効の例による。

2項 第41条 《法人である受託者の役員の連帯責任 法人…》 である受託者の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は信託行為の定めに違反する行為につき悪意又は重大な過失があるとき の規定による責任に係る債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

1号 受益者 が当該債権を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。

2号 当該債権を行使することができる時から10年間行使しないとき。

3項 第40条 《受託者の損失てん補責任等 受託者がその…》 任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。 ただし、第2号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく 又は 第41条 《法人である受託者の役員の連帯責任 法人…》 である受託者の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は信託行為の定めに違反する行為につき悪意又は重大な過失があるとき の規定による責任に係る 受益者 の債権の消滅時効は、受益者が受益者としての指定を受けたことを知るに至るまでの間(受益者が現に存しない場合にあっては、 信託 管理人が選任されるまでの間)は、進行しない。

4項 前項に規定する債権は、 受託者 がその任務を怠ったことによって 信託 財産に損失又は変更が生じた時から20年を経過したときは、消滅する。

44条 (受益者による受託者の行為の差止め)

1項 受託者 が法令若しくは 信託 行為の定めに違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって信託財産に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、 受益者 は、当該受託者に対し、当該行為をやめることを請求することができる。

2項 受託者 第33条 《公平義務 受益者が2人以上ある信託にお…》 いては、受託者は、受益者のために公平にその職務を行わなければならない。 の規定に違反する行為をし、又はこれをするおそれがある場合において、当該行為によって一部の 受益者 に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該受益者は、当該受託者に対し、当該行為をやめることを請求することができる。

45条 (費用又は報酬の支弁等)

1項 第40条 《受託者の損失てん補責任等 受託者がその…》 任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。 ただし、第2号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく第41条 《法人である受託者の役員の連帯責任 法人…》 である受託者の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は信託行為の定めに違反する行為につき悪意又は重大な過失があるとき 又は前条の規定による請求に係る訴えを提起した 受益者 が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき、又は弁護士、 弁護士法 人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若しくは 司法書士法 人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、 信託 財産から支弁する。

2項 前項の訴えを提起した 受益者 が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、 受託者 に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。

46条 (検査役の選任)

1項 受託者 信託 事務の処理に関し、不正の行為又は法令若しくは信託行為の定めに違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、 受益者 は、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。

2項 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。

3項 第1項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。

4項 第1項の規定による検査役の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

5項 第2項の検査役は、 信託 財産から裁判所が定める報酬を受けることができる。

6項 前項の規定による検査役の報酬を定める裁判をする場合には、 受託者 及び第2項の検査役の陳述を聴かなければならない。

7項 第5項の規定による検査役の報酬を定める裁判に対しては、 受託者 及び第2項の検査役に限り、即時抗告をすることができる。

47条

1項 前条第2項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、 受託者 に対し、 信託 事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況について報告を求め、又は当該信託に係る帳簿、書類その他の物件を調査することができる。

2項 前条第2項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。

3項 裁判所は、前項の報告について、その内容を明りようにし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、前条第2項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。

4項 前条第2項の検査役は、第2項の報告をしたときは、 受託者 及び同条第1項の申立てをした 受益者 に対し、第2項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。

5項 受託者 は、前項の規定による書面の写しの交付又は電磁的記録に記録された事項の法務省令で定める方法による提供があったときは、直ちに、その旨を 受益者 前条第1項の申立てをしたものを除く。次項において同じ。)に通知しなければならない。ただし、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

6項 裁判所は、第2項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、 受託者 に対し、同項の調査の結果を 受益者 に通知することその他の当該報告の内容を周知するための適切な措置をとるべきことを命じなければならない。

4節 受託者の費用等及び信託報酬等

48条 (信託財産からの費用等の償還等)

1項 受託者 は、 信託 事務を処理するのに必要と認められる費用を 固有財産 から支出した場合には、信託財産から当該費用及び支出の日以後におけるその利息(以下「 費用等 」という。)の償還を受けることができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

2項 受託者 は、 信託 事務を処理するについて費用を要するときは、信託財産からその前払を受けることができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

3項 受託者 は、前項本文の規定により 信託 財産から費用の前払を受けるには、 受益者 に対し、前払を受ける額及びその算定根拠を通知しなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

4項 第1項又は第2項の規定にかかわらず、 費用等 の償還又は費用の前払は、 受託者 第40条 《受託者の損失てん補責任等 受託者がその…》 任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。 ただし、第2号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく の規定による責任を負う場合には、これを履行した後でなければ、受けることができない。ただし、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

5項 第1項又は第2項の場合には、 受託者 受益者 との間の合意に基づいて当該受益者から 費用等 の償還又は費用の前払を受けることを妨げない。

49条 (費用等の償還等の方法)

1項 受託者 は、前条第1項又は第2項の規定により 信託 財産から 費用等 の償還又は費用の前払を受けることができる場合には、その額の限度で、信託財産に属する金銭を 固有財産 に帰属させることができる。

2項 前項に規定する場合において、必要があるときは、 受託者 は、 信託 財産に属する財産(当該財産を処分することにより信託の目的を達成することができないこととなるものを除く。)を処分することができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

3項 第1項に規定する場合において、 第31条第2項 《2 前項の規定にかかわらず、次のいずれか…》 に該当するときは、同項各号に掲げる行為をすることができる。 ただし、第2号に掲げる事由にあっては、同号に該当する場合でも当該行為をすることができない旨の信託行為の定めがあるときは、この限りでない。 1 各号のいずれかに該当するときは、 受託者 は、第1項の規定により有する権利の行使に代えて、 信託 財産に属する財産で金銭以外のものを 固有財産 に帰属させることができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

4項 第1項の規定により 受託者 が有する権利は、 信託 財産に属する財産に対し強制執行又は担保権の実行の手続が開始したときは、これらの手続との関係においては、金銭債権とみなす。

5項 前項の場合には、同項に規定する権利の存在を証する文書又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。 第172条の2第3項 《3 利害関係人は、裁判所書記官に対し、最…》 高裁判所規則で定めるところにより、報告等記録事項の全部若しくは一部を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該書面の内容が報告等記録事項と同一であることを証明したものを交付 において同じ。)により当該権利を有することを証明した 受託者 も、前項の強制執行又は担保権の実行の手続において、配当要求をすることができる。

6項 各債権者( 信託 財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に限る。以下この項及び次項において同じ。)の共同の利益のためにされた信託財産に属する財産の保存、清算又は配当に関する 費用等 について第1項の規定により 受託者 が有する権利は、第4項の強制執行又は担保権の実行の手続において、他の債権者(当該費用等がすべての債権者に有益でなかった場合にあっては、当該費用等によって利益を受けていないものを除く。)の権利に優先する。この場合においては、その順位は、 民法 第307条第1項 《共益の費用の先取特権は、各債権者の共同の…》 利益のためにされた債務者の財産の保存、清算又は配当に関する費用について存在する。 に規定する先取特権と同順位とする。

7項 次の各号に該当する 費用等 について第1項の規定により 受託者 が有する権利は、当該各号に掲げる区分に応じ、当該各号の財産に係る第4項の強制執行又は担保権の実行の手続において、当該各号に定める金額について、他の債権者の権利に優先する。

1号 信託 財産に属する財産の保存のために支出した金額その他の当該財産の価値の維持のために必要であると認められるものその金額

2号 信託 財産に属する財産の改良のために支出した金額その他の当該財産の価値の増加に有益であると認められるものその金額又は現に存する増価額のいずれか低い金額

50条 (信託財産責任負担債務の弁済による受託者の代位)

1項 受託者 は、 信託 財産責任負担債務を 固有財産 をもって弁済した場合において、これにより前条第1項の規定による権利を有することとなったときは、当該信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に代位する。この場合においては、同項の規定により受託者が有する権利は、その代位との関係においては、金銭債権とみなす。

2項 前項の規定により 受託者 が同項の債権者に代位するときは、受託者は、遅滞なく、当該債権者の有する債権が 信託 財産責任負担債務に係る債権である旨及びこれを 固有財産 をもって弁済した旨を当該債権者に通知しなければならない。

51条 (費用等の償還等と同時履行)

1項 受託者 は、 第49条第1項 《受託者は、前条第1項又は第2項の規定によ…》 り信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けることができる場合には、その額の限度で、信託財産に属する金銭を固有財産に帰属させることができる。 の規定により受託者が有する権利が消滅するまでは、 受益者 又は 第182条第1項第2号 《残余財産は、次に掲げる者に帰属する。 1…》 信託行為において残余財産の給付を内容とする受益債権に係る受益者次項において「残余財産受益者」という。となるべき者として指定された者 2 信託行為において残余財産の帰属すべき者以下この節において「帰属 に規定する帰属権利者に対する 信託 財産に係る給付をすべき債務の履行を拒むことができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

52条 (信託財産が費用等の償還等に不足している場合の措置)

1項 受託者 は、 第48条第1項 《受託者は、信託事務を処理するのに必要と認…》 められる費用を固有財産から支出した場合には、信託財産から当該費用及び支出の日以後におけるその利息以下「費用等」という。の償還を受けることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定める 又は第2項の規定により 信託 財産から 費用等 の償還又は費用の前払を受けるのに信託財産( 第49条第2項 《2 前項に規定する場合において、必要があ…》 るときは、受託者は、信託財産に属する財産当該財産を処分することにより信託の目的を達成することができないこととなるものを除く。を処分することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定め の規定により処分することができないものを除く。第1号及び第4項において同じ。)が不足している場合において、 委託者 及び 受益者 に対し次に掲げる事項を通知し、第2号の相当の期間を経過しても委託者又は受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けなかったときは、信託を終了させることができる。

1号 信託 財産が不足しているため 費用等 の償還又は費用の前払を受けることができない旨

2号 受託者 の定める相当の期間内に 委託者 又は 受益者 から 費用等 の償還又は費用の前払を受けないときは、 信託 を終了させる旨

2項 委託者 が現に存しない場合における前項の規定の適用については、同項中「委託者及び 受益者 」とあり、及び「委託者又は受益者」とあるのは、「受益者」とする。

3項 受益者 が現に存しない場合における第1項の規定の適用については、同項中「 委託者 及び受益者」とあり、及び「委託者又は受益者」とあるのは、「委託者」とする。

4項 第48条第1項 《受託者は、信託事務を処理するのに必要と認…》 められる費用を固有財産から支出した場合には、信託財産から当該費用及び支出の日以後におけるその利息以下「費用等」という。の償還を受けることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定める 又は第2項の規定により 信託 財産から 費用等 の償還又は費用の前払を受けるのに信託財産が不足している場合において、 委託者 及び 受益者 が現に存しないときは、 受託者 は、信託を終了させることができる。

53条 (信託財産からの損害の賠償)

1項 受託者 は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める損害の額について、 信託 財産からその賠償を受けることができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

1号 受託者 信託 事務を処理するため自己に過失なく損害を受けた場合当該損害の額

2号 受託者 信託 事務を処理するため第三者の故意又は過失によって損害を受けた場合(前号に掲げる場合を除く。)当該第三者に対し賠償を請求することができる額

2項 第48条第4項 《4 第1項又は第2項の規定にかかわらず、…》 費用等の償還又は費用の前払は、受託者が第40条の規定による責任を負う場合には、これを履行した後でなければ、受けることができない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 及び第5項、 第49条 《費用等の償還等の方法 受託者は、前条第…》 1項又は第2項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けることができる場合には、その額の限度で、信託財産に属する金銭を固有財産に帰属させることができる。 2 前項に規定する場合において、第6項及び第7項を除く。並びに前2条の規定は、前項の規定による 信託 財産からの損害の賠償について準用する。

54条 (受託者の信託報酬)

1項 受託者 は、 信託 の引受けについて商法(1899年法律第48号)第512条の規定の適用がある場合のほか、信託行為に受託者が信託財産から信託報酬(信託事務の処理の対価として受託者の受ける財産上の利益をいう。以下同じ。)を受ける旨の定めがある場合に限り、信託財産から信託報酬を受けることができる。

2項 前項の場合には、 信託 報酬の額は、信託行為に信託報酬の額又は算定方法に関する定めがあるときはその定めるところにより、その定めがないときは相当の額とする。

3項 前項の定めがないときは、 受託者 は、 信託 財産から信託報酬を受けるには、 受益者 に対し、信託報酬の額及びその算定の根拠を通知しなければならない。

4項 第48条第4項 《4 第1項又は第2項の規定にかかわらず、…》 費用等の償還又は費用の前払は、受託者が第40条の規定による責任を負う場合には、これを履行した後でなければ、受けることができない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 及び第5項、 第49条 《費用等の償還等の方法 受託者は、前条第…》 1項又は第2項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けることができる場合には、その額の限度で、信託財産に属する金銭を固有財産に帰属させることができる。 2 前項に規定する場合において、第6項及び第7項を除く。)、 第51条 《費用等の償還等と同時履行 受託者は、第…》 49条第1項の規定により受託者が有する権利が消滅するまでは、受益者又は第182条第1項第2号に規定する帰属権利者に対する信託財産に係る給付をすべき債務の履行を拒むことができる。 ただし、信託行為に別段 並びに 第52条 《信託財産が費用等の償還等に不足している場…》 合の措置 受託者は、第48条第1項又は第2項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けるのに信託財産第49条第2項の規定により処分することができないものを除く。第1号及び第4項において 並びに 民法 第648条第2項 《2 受任者は、報酬を受けるべき場合には、…》 委任事務を履行した後でなければ、これを請求することができない。 ただし、期間によって報酬を定めたときは、第624条第2項の規定を準用する。 及び第3項並びに 第648条の2 《成果等に対する報酬 委任事務の履行によ…》 り得られる成果に対して報酬を支払うことを約した場合において、その成果が引渡しを要するときは、報酬は、その成果の引渡しと同時に、支払わなければならない。 2 第634条の規定は、委任事務の履行により得ら の規定は、 受託者 信託 報酬について準用する。

55条 (受託者による担保権の実行)

1項 担保権が 信託 財産である信託において、信託行為において 受益者 が当該担保権によって担保される債権に係る債権者とされている場合には、担保権者である 受託者 は、信託事務として、当該担保権の実行の申立てをし、売却代金の配当又は弁済金の交付を受けることができる。

5節 受託者の変更等 > 1款 受託者の任務の終了

56条 (受託者の任務の終了事由)

1項 受託者 の任務は、 信託 の清算が結了した場合のほか、次に掲げる事由によって終了する。ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

1号 受託者 である個人の死亡

2号 受託者 である個人が後見開始又は保佐開始の審判を受けたこと。

3号 受託者 破産手続開始の決定により解散するものを除く。)が破産手続開始の決定を受けたこと。

4号 受託者 である法人が合併以外の理由により解散したこと。

5号 次条の規定による 受託者 の辞任

6号 第58条 《受託者の解任 委託者及び受益者は、いつ…》 でも、その合意により、受託者を解任することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に受託者を解任したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない の規定による 受託者 の解任

7号 信託 行為において定めた事由

2項 受託者 である法人が合併をした場合における合併後存続する法人又は合併により設立する法人は、受託者の任務を引き継ぐものとする。受託者である法人が分割をした場合における分割により受託者としての権利義務を承継する法人も、同様とする。

3項 前項の規定にかかわらず、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

4項 第1項第3号に掲げる事由が生じた場合において、同項ただし書の定めにより 受託者 の任務が終了しないときは、受託者の職務は、破産者が行う。

5項 受託者 の任務は、受託者が再生手続開始の決定を受けたことによっては、終了しない。ただし、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

6項 前項本文に規定する場合において、管財人があるときは、 受託者 の職務の遂行並びに 信託 財産に属する財産の管理及び処分をする権利は、管財人に専属する。保全管理人があるときも、同様とする。

7項 前2項の規定は、 受託者 が更生手続開始の決定を受けた場合について準用する。この場合において、前項中「管財人があるとき」とあるのは、「管財人があるとき( 会社更生法 第74条第2項 《2 前項の規定は、第72条第4項前段の規…》 定により更生会社の機関がその権限を回復している期間中に新たに提起された更生会社の財産関係の訴えについては、適用しない。 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律 第47条 《当事者適格等 会社更生法第74条の規定…》 は、更生協同組織金融機関の財産関係の訴えについて準用する。 この場合において、同条第2項及び第3項中「第72条第4項前段」とあるのは、「更生特例法第45条において準用する第72条第4項前段」と読み替え 及び 第213条 《当事者適格等 会社更生法第74条の規定…》 は、相互会社の更生手続における更生会社の財産関係の訴えについて準用する。 この場合において、同条第2項及び第3項中「第72条第4項前段」とあるのは、「更生特例法第211条において準用する第72条第4項 において準用する場合を含む。)の期間を除く。)」と読み替えるものとする。

57条 (受託者の辞任)

1項 受託者 は、 委託者 及び 受益者 の同意を得て、辞任することができる。ただし、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

2項 受託者 は、やむを得ない事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。

3項 受託者 は、前項の許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。

4項 第2項の許可の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。

5項 第2項の規定による辞任の許可の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

6項 委託者 が現に存しない場合には、第1項本文の規定は、適用しない。

58条 (受託者の解任)

1項 委託者 及び 受益者 は、いつでも、その合意により、 受託者 を解任することができる。

2項 委託者 及び 受益者 受託者 に不利な時期に受託者を解任したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。

3項 前2項の規定にかかわらず、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

4項 受託者 がその任務に違反して 信託 財産に著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、 委託者 又は 受益者 の申立てにより、受託者を解任することができる。

5項 裁判所は、前項の規定により 受託者 を解任する場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。

6項 第4項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。

7項 第4項の規定による解任の裁判に対しては、 委託者 受託者 又は 受益者 に限り、即時抗告をすることができる。

8項 委託者 が現に存しない場合には、第1項及び第2項の規定は、適用しない。

2款 前受託者の義務等

59条 (前受託者の通知及び保管の義務等)

1項 第56条第1項第3号 《受託者の任務は、信託の清算が結了した場合…》 のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者である個人の死亡 2 受託者で から第7号までに掲げる事由により 受託者 の任務が終了した場合には、受託者であった者(以下「 前受託者 」という。)は、 受益者 に対し、その旨を通知しなければならない。ただし、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

2項 第56条第1項第3号 《受託者の任務は、信託の清算が結了した場合…》 のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者である個人の死亡 2 受託者で に掲げる事由により 受託者 の任務が終了した場合には、 前受託者 は、破産管財人に対し、 信託 財産に属する財産の内容及び所在、信託財産責任負担債務の内容その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。

3項 第56条第1項第4号 《受託者の任務は、信託の清算が結了した場合…》 のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者である個人の死亡 2 受託者で から第7号までに掲げる事由により 受託者 の任務が終了した場合には、 前受託者 は、新たな受託者( 第64条第1項 《裁判所は、信託財産管理命令をする場合には…》 、当該信託財産管理命令において、信託財産管理者を選任しなければならない。 の規定により 信託 財産管理者が選任された場合にあっては、信託財産管理者。以下この節において「 新受託者等 」という。)が信託事務の処理をすることができるに至るまで、引き続き信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その義務を加重することができる。

4項 前項の規定にかかわらず、 第56条第1項第5号 《受託者の任務は、信託の清算が結了した場合…》 のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者である個人の死亡 2 受託者で に掲げる事由( 第57条第1項 《受託者は、委託者及び受益者の同意を得て、…》 辞任することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 の規定によるものに限る。)により 受託者 の任務が終了した場合には、 前受託者 は、 新受託者等 信託 事務の処理をすることができるに至るまで、引き続き受託者としての権利義務を有する。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。

5項 第3項の場合(前項本文に規定する場合を除く。)において、 前受託者 信託 財産に属する財産の処分をしようとするときは、 受益者 は、前受託者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。ただし、 新受託者等 が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。

60条 (前受託者の相続人等の通知及び保管の義務等)

1項 第56条第1項第1号 《受託者の任務は、信託の清算が結了した場合…》 のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者である個人の死亡 2 受託者で 又は第2号に掲げる事由により 受託者 の任務が終了した場合において、 前受託者 の相続人(法定代理人が現に存する場合にあっては、その法定代理人又は成年後見人若しくは保佐人(以下この節において「 前受託者の相続人等 」と総称する。)がその事実を知っているときは、前受託者の相続人等は、知れている 受益者 に対し、これを通知しなければならない。ただし、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

2項 第56条第1項第1号 《受託者の任務は、信託の清算が結了した場合…》 のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者である個人の死亡 2 受託者で 又は第2号に掲げる事由により 受託者 の任務が終了した場合には、 前受託者 の相続人等は、 新受託者等 又は 信託 財産法人管理人が信託事務の処理をすることができるに至るまで、信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。

3項 前項の場合において、 前受託者 の相続人等が 信託 財産に属する財産の処分をしようとするときは、 受益者 は、これらの者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。ただし、 新受託者等 又は信託財産法人管理人が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。

4項 第56条第1項第3号 《受託者の任務は、信託の清算が結了した場合…》 のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者である個人の死亡 2 受託者で に掲げる事由により 受託者 の任務が終了した場合には、破産管財人は、 新受託者等 信託 事務を処理することができるに至るまで、信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。

5項 前項の場合において、破産管財人が 信託 財産に属する財産の処分をしようとするときは、 受益者 は、破産管財人に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。ただし、 新受託者等 が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。

6項 前受託者 の相続人等又は破産管財人は、 新受託者等 又は 信託 財産法人管理人に対し、第1項、第2項又は第4項の規定による行為をするために支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。

7項 第49条第6項 《6 各債権者信託財産責任負担債務に係る債…》 権を有する債権者に限る。以下この項及び次項において同じ。の共同の利益のためにされた信託財産に属する財産の保存、清算又は配当に関する費用等について第1項の規定により受託者が有する権利は、第4項の強制執行 及び第7項の規定は、前項の規定により 前受託者 の相続人等又は破産管財人が有する権利について準用する。

61条 (費用又は報酬の支弁等)

1項 第59条第5項 《5 第3項の場合前項本文に規定する場合を…》 除く。において、前受託者が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、前受託者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等が信託事務の処理をすることがで 又は前条第3項若しくは第5項の規定による請求に係る訴えを提起した 受益者 が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき、又は弁護士、 弁護士法 人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若しくは 司法書士法 人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、 信託 財産から支弁する。

2項 前項の訴えを提起した 受益者 が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、 受託者 に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。

3款 新受託者の選任

62条

1項 第56条第1項 《受託者の任務は、信託の清算が結了した場合…》 のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者である個人の死亡 2 受託者で 各号に掲げる事由により 受託者 の任務が終了した場合において、 信託 行為に新たな受託者(以下「 新受託者 」という。)に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより 新受託者 となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれをすることができないときは、 委託者 及び 受益者 は、その合意により、新受託者を選任することができる。

2項 第56条第1項 《受託者の任務は、信託の清算が結了した場合…》 のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者である個人の死亡 2 受託者で 各号に掲げる事由により 受託者 の任務が終了した場合において、 信託 行為に 新受託者 となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、新受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。

3項 前項の規定による催告があった場合において、 新受託者 となるべき者として指定された者は、同項の期間内に 委託者 及び 受益者 2人以上の受益者が現に存する場合にあってはその1人、 信託 管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。

4項 第1項の場合において、同項の合意に係る協議の状況その他の事情に照らして必要があると認めるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、 新受託者 を選任することができる。

5項 前項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。

6項 第4項の規定による 新受託者 の選任の裁判に対しては、 委託者 若しくは 受益者 又は現に存する 受託者 に限り、即時抗告をすることができる。

7項 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。

8項 委託者 が現に存しない場合における前各項の規定の適用については、第1項中「委託者及び 受益者 は、その合意により」とあるのは「受益者は」と、第3項中「委託者及び受益者」とあるのは「受益者」と、第4項中「同項の合意に係る協議の状況」とあるのは「受益者の状況」とする。

4款 信託財産管理者等

63条 (信託財産管理命令)

1項 第56条第1項 《受託者の任務は、信託の清算が結了した場合…》 のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者である個人の死亡 2 受託者で 各号に掲げる事由により 受託者 の任務が終了した場合において、 新受託者 が選任されておらず、かつ、必要があると認めるときは、新受託者が選任されるまでの間、裁判所は、利害関係人の申立てにより、 信託 財産管理者による管理を命ずる処分(以下この款において「 信託財産管理命令 」という。)をすることができる。

2項 前項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。

3項 裁判所は、 信託 財産管理命令を変更し、又は取り消すことができる。

4項 信託 財産管理命令及び前項の規定による決定に対しては、利害関係人に限り、即時抗告をすることができる。

64条 (信託財産管理者の選任等)

1項 裁判所は、 信託 財産管理命令をする場合には、当該信託財産管理命令において、信託財産管理者を選任しなければならない。

2項 前項の規定による 信託 財産管理者の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

3項 裁判所は、第1項の規定による 信託 財産管理者の選任の裁判をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。

1号 信託 財産管理者を選任した旨

2号 信託 財産管理者の氏名又は名称

4項 前項第2号の規定は、同号に掲げる事項に変更を生じた場合について準用する。

5項 信託 財産管理命令があった場合において、信託財産に属する権利で登記又は登録がされたものがあることを知ったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、信託財産管理命令の登記又は登録を嘱託しなければならない。

6項 信託 財産管理命令を取り消す裁判があったとき、又は信託財産管理命令があった後に 新受託者 が選任された場合において当該新受託者が信託財産管理命令の登記若しくは登録の抹消の嘱託の申立てをしたときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、信託財産管理命令の登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。

65条 (前受託者がした法律行為の効力)

1項 前受託者 が前条第1項の規定による 信託 財産管理者の選任の裁判があった後に信託財産に属する財産に関してした法律行為は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。

2項 前受託者 が前条第1項の規定による 信託 財産管理者の選任の裁判があった日にした法律行為は、当該裁判があった後にしたものと推定する。

66条 (信託財産管理者の権限)

1項 第64条第1項 《裁判所は、信託財産管理命令をする場合には…》 、当該信託財産管理命令において、信託財産管理者を選任しなければならない。 の規定により 信託 財産管理者が選任された場合には、 受託者 の職務の遂行並びに信託財産に属する財産の管理及び処分をする権利は、信託財産管理者に専属する。

2項 2人以上の 信託 財産管理者があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。

3項 2人以上の 信託 財産管理者があるときは、第三者の意思表示は、その1人に対してすれば足りる。

4項 信託 財産管理者が次に掲げる行為の範囲を超える行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。

1号 保存行為

2号 信託 財産に属する財産の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為

5項 前項の規定に違反して行った 信託 財産管理者の行為は、無効とする。ただし、信託財産管理者は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。

6項 信託 財産管理者は、第2項ただし書又は第4項の許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。

7項 第2項ただし書又は第4項の許可の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。

8項 第2項ただし書又は第4項の規定による許可の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

67条 (信託財産に属する財産の管理)

1項 信託 財産管理者は、就職の後直ちに信託財産に属する財産の管理に着手しなければならない。

68条 (当事者適格)

1項 信託 財産に関する訴えについては、信託財産管理者を原告又は被告とする。

69条 (信託財産管理者の義務等)

1項 信託 財産管理者は、その職務を行うに当たっては、 受託者 と同1の義務及び責任を負う。

70条 (信託財産管理者の辞任及び解任)

1項 第57条第2項 《2 受託者は、やむを得ない事由があるとき…》 は、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 から第5項までの規定は 信託 財産管理者の辞任について、 第58条第4項 《4 受託者がその任務に違反して信託財産に…》 著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、委託者又は受益者の申立てにより、受託者を解任することができる。 から第7項までの規定は信託財産管理者の解任について、それぞれ準用する。この場合において、 第57条第2項 《2 受託者は、やむを得ない事由があるとき…》 は、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 中「やむを得ない事由」とあるのは、「正当な事由」と読み替えるものとする。

71条 (信託財産管理者の報酬等)

1項 信託 財産管理者は、信託財産から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。

2項 前項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判をする場合には、 信託 財産管理者の陳述を聴かなければならない。

3項 第1項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判に対しては、 信託 財産管理者に限り、即時抗告をすることができる。

72条 (信託財産管理者による新受託者への信託事務の引継ぎ等)

1項 第77条 《前受託者による新受託者等への信託事務の引…》 継ぎ等 新受託者等が就任した場合には、前受託者は、遅滞なく、信託事務に関する計算を行い、受益者2人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管 の規定は、 信託 財産管理者の選任後に 新受託者 が就任した場合について準用する。この場合において、同条第1項中「 受益者 2人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)」とあり、同条第2項中「受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人。次項において同じ。)」とあり、及び同条第3項中「受益者」とあるのは「新受託者」と、同条第2項中「当該受益者」とあるのは「当該新受託者」と読み替えるものとする。

73条 (受託者の職務を代行する者の権限)

1項 第66条 《信託財産管理者の権限 第64条第1項の…》 規定により信託財産管理者が選任された場合には、受託者の職務の遂行並びに信託財産に属する財産の管理及び処分をする権利は、信託財産管理者に専属する。 2 2人以上の信託財産管理者があるときは、これらの者が の規定は、 受託者 の職務を代行する者を選任する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者について準用する。

74条 (受託者の死亡により任務が終了した場合の信託財産の帰属等)

1項 第56条第1項第1号 《受託者の任務は、信託の清算が結了した場合…》 のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者である個人の死亡 2 受託者で に掲げる事由により 受託者 の任務が終了した場合には、 信託 財産は、法人とする。

2項 前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、 信託 財産法人管理人による管理を命ずる処分(第6項において「 信託財産法人管理命令 」という。)をすることができる。

3項 第63条第2項 《2 前項の申立てを却下する裁判には、理由…》 を付さなければならない。 から第4項までの規定は、前項の申立てに係る事件について準用する。

4項 新受託者 が就任したときは、第1項の法人は、成立しなかったものとみなす。ただし、 信託 財産法人管理人がその権限内でした行為の効力を妨げない。

5項 信託 財産法人管理人の代理権は、 新受託者 が信託事務の処理をすることができるに至った時に消滅する。

6項 第64条 《信託財産管理者の選任等 裁判所は、信託…》 財産管理命令をする場合には、当該信託財産管理命令において、信託財産管理者を選任しなければならない。 2 前項の規定による信託財産管理者の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 3 裁判 の規定は 信託 財産法人管理命令をする場合について、 第66条 《信託財産管理者の権限 第64条第1項の…》 規定により信託財産管理者が選任された場合には、受託者の職務の遂行並びに信託財産に属する財産の管理及び処分をする権利は、信託財産管理者に専属する。 2 2人以上の信託財産管理者があるときは、これらの者が から 第72条 《信託財産管理者による新受託者への信託事務…》 の引継ぎ等 第77条の規定は、信託財産管理者の選任後に新受託者が就任した場合について準用する。 この場合において、同条第1項中「受益者2人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信 までの規定は信託財産法人管理人について、それぞれ準用する。

5款 受託者の変更に伴う権利義務の承継等

75条 (信託に関する権利義務の承継等)

1項 第56条第1項 《受託者の任務は、信託の清算が結了した場合…》 のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者である個人の死亡 2 受託者で 各号に掲げる事由により 受託者 の任務が終了した場合において、 新受託者 が就任したときは、新受託者は、 前受託者 の任務が終了した時に、その時に存する 信託 に関する権利義務を前受託者から承継したものとみなす。

2項 前項の規定にかかわらず、 第56条第1項第5号 《受託者の任務は、信託の清算が結了した場合…》 のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者である個人の死亡 2 受託者で に掲げる事由( 第57条第1項 《受託者は、委託者及び受益者の同意を得て、…》 辞任することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 の規定によるものに限る。)により 受託者 の任務が終了した場合( 第59条第4項 《4 前項の規定にかかわらず、第56条第1…》 項第5号に掲げる事由第57条第1項の規定によるものに限る。により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至るまで、引き続き受託者としての権利義務を有す ただし書の場合を除く。)には、 新受託者 は、 新受託者等 が就任した時に、その時に存する 信託 に関する権利義務を 前受託者 から承継したものとみなす。

3項 前2項の規定は、 新受託者 が就任するに至るまでの間に 前受託者 信託 財産管理者又は信託財産法人管理人がその権限内でした行為の効力を妨げない。

4項 第27条 《受託者の権限違反行為の取消し 受託者が…》 信託財産のためにした行為がその権限に属しない場合において、次のいずれにも該当するときは、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 1 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が信託財産のためにさ の規定は、 新受託者等 が就任するに至るまでの間に 前受託者 がその権限に属しない行為をした場合について準用する。

5項 前受託者 その相続人を含む。以下この条において同じ。)が 第40条 《受託者の損失てん補責任等 受託者がその…》 任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。 ただし、第2号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく の規定による責任を負う場合又は法人である前受託者の理事、取締役若しくは執行役若しくはこれらに準ずる者(以下この項において「 理事等 」と総称する。)が 第41条 《法人である受託者の役員の連帯責任 法人…》 である受託者の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は信託行為の定めに違反する行為につき悪意又は重大な過失があるとき の規定による責任を負う場合には、 新受託者等 又は 信託 財産法人管理人は、前受託者又は 理事等 に対し、 第40条 《受託者の損失てん補責任等 受託者がその…》 任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。 ただし、第2号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく 又は 第41条 《法人である受託者の役員の連帯責任 法人…》 である受託者の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は信託行為の定めに違反する行為につき悪意又は重大な過失があるとき の規定による請求をすることができる。

6項 前受託者 信託 財産から 費用等 の償還若しくは損害の賠償を受けることができ、又は信託報酬を受けることができる場合には、前受託者は、 新受託者等 又は信託財産法人管理人に対し、費用等の償還若しくは損害の賠償又は信託報酬の支払を請求することができる。ただし、新受託者等又は信託財産法人管理人は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。

7項 第48条第4項 《4 第1項又は第2項の規定にかかわらず、…》 費用等の償還又は費用の前払は、受託者が第40条の規定による責任を負う場合には、これを履行した後でなければ、受けることができない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 並びに 第49条第6項 《6 各債権者信託財産責任負担債務に係る債…》 権を有する債権者に限る。以下この項及び次項において同じ。の共同の利益のためにされた信託財産に属する財産の保存、清算又は配当に関する費用等について第1項の規定により受託者が有する権利は、第4項の強制執行 及び第7項の規定は、前項の規定により 前受託者 が有する権利について準用する。

8項 新受託者 が就任するに至るまでの間に 信託 財産に属する財産に対し既にされている強制執行、仮差押え若しくは仮処分の執行又は担保権の実行若しくは競売の手続は、新受託者に対し続行することができる。

9項 前受託者 は、第6項の規定による請求に係る債権の弁済を受けるまで、 信託 財産に属する財産を留置することができる。

76条 (承継された債務に関する前受託者及び新受託者の責任)

1項 前条第1項又は第2項の規定により 信託 債権に係る債務が 新受託者 に承継された場合にも、 前受託者 は、自己の 固有財産 をもって、その承継された債務を履行する責任を負う。ただし、信託財産に属する財産のみをもって当該債務を履行する責任を負うときは、この限りでない。

2項 新受託者 は、前項本文に規定する債務を承継した場合には、 信託 財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。

77条 (前受託者による新受託者等への信託事務の引継ぎ等)

1項 新受託者等 が就任した場合には、 前受託者 は、遅滞なく、 信託 事務に関する計算を行い、 受益者 2人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)に対しその承認を求めるとともに、新受託者等が信託事務の処理を行うのに必要な信託事務の引継ぎをしなければならない。

2項 受益者 信託 管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人。次項において同じ。)が前項の計算を承認した場合には、同項の規定による当該受益者に対する信託事務の引継ぎに関する責任は、免除されたものとみなす。ただし、 前受託者 の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。

3項 受益者 前受託者 から第1項の計算の承認を求められた時から1箇月以内に異議を述べなかった場合には、当該受益者は、同項の計算を承認したものとみなす。

78条 (前受託者の相続人等又は破産管財人による新受託者等への信託事務の引継ぎ等)

1項 前条の規定は、 第56条第1項第1号 《受託者の任務は、信託の清算が結了した場合…》 のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者である個人の死亡 2 受託者で 又は第2号に掲げる事由により 受託者 の任務が終了した場合における 前受託者 の相続人等及び同項第3号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合における破産管財人について準用する。

6節 受託者が2人以上ある信託の特例

79条 (信託財産の合有)

1項 受託者 が2人以上ある 信託 においては、信託財産は、その合有とする。

80条 (信託事務の処理の方法)

1項 受託者 が2人以上ある 信託 においては、信託事務の処理については、受託者の過半数をもって決する。

2項 前項の規定にかかわらず、保存行為については、各 受託者 が単独で決することができる。

3項 前2項の規定により 信託 事務の処理について決定がされた場合には、各 受託者 は、当該決定に基づいて信託事務を執行することができる。

4項 前3項の規定にかかわらず、 信託 行為に 受託者 の職務の分掌に関する定めがある場合には、各受託者は、その定めに従い、信託事務の処理について決し、これを執行する。

5項 前2項の規定による 信託 事務の処理についての決定に基づく信託財産のためにする行為については、各 受託者 は、他の受託者を代理する権限を有する。

6項 前各項の規定にかかわらず、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

7項 受託者 が2人以上ある 信託 においては、第三者の意思表示は、その1人に対してすれば足りる。ただし、 受益者 の意思表示については、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

81条 (職務分掌者の当事者適格)

1項 前条第4項に規定する場合には、 信託 財産に関する訴えについて、各 受託者 は、自己の分掌する職務に関し、他の受託者のために原告又は被告となる。

82条 (信託事務の処理についての決定の他の受託者への委託)

1項 受託者 が2人以上ある 信託 においては、各受託者は、信託行為に別段の定めがある場合又はやむを得ない事由がある場合を除き、他の受託者に対し、信託事務(常務に属するものを除く。)の処理についての決定を委託することができない。

83条 (信託事務の処理に係る債務の負担関係)

1項 受託者 が2人以上ある 信託 において、信託事務を処理するに当たって各受託者が第三者に対し債務を負担した場合には、各受託者は、連帯債務者とする。

2項 前項の規定にかかわらず、 信託 行為に 受託者 の職務の分掌に関する定めがある場合において、ある受託者がその定めに従い信託事務を処理するに当たって第三者に対し債務を負担したときは、他の受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。ただし、当該第三者が、その債務の負担の原因である行為の当時、当該行為が信託事務の処理としてされたこと及び受託者が2人以上ある信託であることを知っていた場合であって、信託行為に受託者の職務の分掌に関する定めがあることを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかったときは、当該他の受託者は、これをもって当該第三者に対抗することができない。

84条 (信託財産と固有財産等とに属する共有物の分割の特例)

1項 受託者 が2人以上ある 信託 における 第19条 《信託財産と固有財産等とに属する共有物の分…》 割 受託者に属する特定の財産について、その共有持分が信託財産と固有財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。 1 信託行為において定めた方法 2 受託者と受益者 の規定の適用については、同条第1項中「場合には」とあるのは「場合において、当該信託財産に係る信託に受託者が2人以上あるときは」と、同項第2号中「受託者」とあるのは「 固有財産 に共有持分が属する受託者」と、同項第3号中「受託者の」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者の」と、同条第2項中「受託者」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者」と、同条第3項中「場合には」とあるのは「場合において、当該信託財産に係る信託又は他の信託財産に係る信託に受託者が2人以上あるときは」と、同項第3号中「受託者の」とあるのは「各信託財産の共有持分が属する受託者の」と、「受託者が決する」とあるのは「受託者の協議による」と、同条第4項中「第2号」とあるのは「第2号又は第3号」とする。

85条 (受託者の責任等の特例)

1項 受託者 が2人以上ある 信託 において、2人以上の受託者がその任務に違反する行為をしたことにより 第40条 《受託者の損失てん補責任等 受託者がその…》 任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。 ただし、第2号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく の規定による責任を負う場合には、当該行為をした各受託者は、連帯債務者とする。

2項 受託者 が2人以上ある 信託 における 第40条第1項 《受託者がその任務を怠ったことによって次の…》 各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。 ただし、第2号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく困難であるとき、原状の回復を 及び 第41条 《法人である受託者の役員の連帯責任 法人…》 である受託者の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は信託行為の定めに違反する行為につき悪意又は重大な過失があるとき の規定の適用については、これらの規定中「 受益者 」とあるのは、「受益者又は他の受託者」とする。

3項 受託者 が2人以上ある 信託 において 第42条 《損失てん補責任等の免除 受益者は、次に…》 掲げる責任を免除することができる。 1 第40条の規定による責任 2 前条の規定による責任 の規定により 第40条 《受託者の損失てん補責任等 受託者がその…》 任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。 ただし、第2号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく 又は 第41条 《法人である受託者の役員の連帯責任 法人…》 である受託者の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は信託行為の定めに違反する行為につき悪意又は重大な過失があるとき の規定による責任が免除されたときは、他の受託者は、これらの規定によれば当該責任を負うべき者に対し、当該責任の追及に係る請求をすることができない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

4項 受託者 が2人以上ある 信託 における 第44条 《受益者による受託者の行為の差止め 受託…》 者が法令若しくは信託行為の定めに違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって信託財産に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、受益者は、当該受託者に対し、当該行為を の規定の適用については、同条第1項中「 受益者 」とあるのは「受益者又は他の受託者」と、同条第2項中「当該受益者」とあるのは「当該受益者又は他の受託者」とする。

86条 (受託者の変更等の特例)

1項 受託者 が2人以上ある 信託 における 第59条 《前受託者の通知及び保管の義務等 第56…》 条第1項第3号から第7号までに掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、受託者であった者以下「前受託者」という。は、受益者に対し、その旨を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めが の規定の適用については、同条第1項中「 受益者 」とあるのは「受益者及び他の受託者」と、同条第3項及び第4項中「受託者の任務」とあるのは「すべての受託者の任務」とする。

2項 受託者 が2人以上ある 信託 における 第60条 《前受託者の相続人等の通知及び保管の義務等…》 第56条第1項第1号又は第2号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、前受託者の相続人法定代理人が現に存する場合にあっては、その法定代理人又は成年後見人若しくは保佐人以下この節におい の規定の適用については、同条第1項中「 受益者 」とあるのは「受益者及び他の受託者」と、同条第2項及び第4項中「受託者の任務」とあるのは「すべての受託者の任務」とする。

3項 受託者 が2人以上ある 信託 における 第74条第1項 《第56条第1項第1号に掲げる事由により受…》 託者の任務が終了した場合には、信託財産は、法人とする。 の規定の適用については、同項中「受託者の任務」とあるのは、「すべての受託者の任務」とする。

4項 受託者 が2人以上ある 信託 においては、 第75条第1項 《第56条第1項各号に掲げる事由により受託…》 者の任務が終了した場合において、新受託者が就任したときは、新受託者は、前受託者の任務が終了した時に、その時に存する信託に関する権利義務を前受託者から承継したものとみなす。 及び第2項の規定にかかわらず、その1人の任務が 第56条第1項 《受託者の任務は、信託の清算が結了した場合…》 のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者である個人の死亡 2 受託者で 各号に掲げる事由により終了した場合には、その任務が終了した時に存する信託に関する権利義務は他の受託者が当然に承継し、その任務は他の受託者が行う。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

87条 (信託の終了の特例)

1項 受託者 が2人以上ある 信託 における 第163条第3号 《信託の終了事由 第163条 信託は、次条…》 の規定によるほか、次に掲げる場合に終了する。 1 信託の目的を達成したとき、又は信託の目的を達成することができなくなったとき。 2 受託者が受益権の全部を固有財産で有する状態が1年間継続したとき。 3 の規定の適用については、同号中「受託者が欠けた場合」とあるのは、「すべての受託者が欠けた場合」とする。

2項 受託者 が2人以上ある 信託 においては、受託者の一部が欠けた場合であって、前条第4項ただし書の規定によりその任務が他の受託者によって行われず、かつ、 新受託者 が就任しない状態が1年間継続したときも、信託は、終了する。

4章 受益者等 > 1節 受益者の権利の取得及び行使

88条 (受益権の取得)

1項 信託 行為の定めにより 受益者 となるべき者として指定された者(次条第1項に規定する受益者指定権等の行使により受益者又は変更後の受益者として指定された者を含む。)は、当然に 受益権 を取得する。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

2項 受託者 は、前項に規定する 受益者 となるべき者として指定された者が同項の規定により 受益権 を取得したことを知らないときは、その者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。ただし、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

89条 (受益者指定権等)

1項 受益者 を指定し、又はこれを変更する権利(以下この条において「 受益者指定権等 」という。)を有する者の定めのある 信託 においては、受益者指定権等は、 受託者 に対する意思表示によって行使する。

2項 前項の規定にかかわらず、 受益者 指定権等は、遺言によって行使することができる。

3項 前項の規定により遺言によって 受益者 指定権等が行使された場合において、 受託者 がこれを知らないときは、これにより受益者となったことをもって当該受託者に対抗することができない。

4項 受託者 は、 受益者 を変更する権利が行使されたことにより受益者であった者がその 受益権 を失ったときは、その者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。ただし、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

5項 受益者 指定権等は、相続によって承継されない。ただし、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

6項 受益者 指定権等を有する者が 受託者 である場合における第1項の規定の適用については、同項中「受託者」とあるのは、「受益者となるべき者」とする。

90条 (委託者の死亡の時に受益権を取得する旨の定めのある信託等の特例)

1項 次の各号に掲げる 信託 においては、当該各号の 委託者 は、 受益者 を変更する権利を有する。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

1号 委託者 の死亡の時に 受益者 となるべき者として指定された者が 受益権 を取得する旨の定めのある 信託

2号 委託者 の死亡の時以後に 受益者 信託 財産に係る給付を受ける旨の定めのある信託

2項 前項第2号の 受益者 は、同号の 委託者 が死亡するまでは、受益者としての権利を有しない。ただし、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

91条 (受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託の特例)

1項 受益者 の死亡により、当該受益者の有する 受益権 が消滅し、他の者が新たな受益権を取得する旨の定め(受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する旨の定めを含む。)のある 信託 は、当該信託がされた時から30年を経過した時以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間、その効力を有する。

92条 (信託行為の定めによる受益者の権利行使の制限の禁止)

1項 受益者 による次に掲げる権利の行使は、 信託 行為の定めにより制限することができない。

1号 この法律の規定による裁判所に対する申立権

2号 第5条第1項 《第3条第2号に掲げる方法によって信託がさ…》 れた場合において、当該遺言に受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に信託の引受けをするかどうかを確答すべ の規定による催告権

3号 第23条第5項 《5 第1項又は第2項の規定に違反してされ…》 た強制執行、仮差押え、仮処分又は担保権の実行若しくは競売に対しては、受託者又は受益者は、異議を主張することができる。 この場合においては、民事執行法1979年法律第4号第38条及び民事保全法平成元年法 又は第6項の規定による異議を主張する権利

4号 第24条第1項 《前条第5項又は第6項の規定による異議に係…》 る訴えを提起した受益者が勝訴一部勝訴を含む。した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用訴訟費用を除く。を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若し の規定による支払の請求権

5号 第27条第1項 《受託者が信託財産のためにした行為がその権…》 限に属しない場合において、次のいずれにも該当するときは、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 1 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が信託財産のためにされたものであることを知っていたこ 又は第2項(これらの規定を 第75条第4項 《4 第27条の規定は、新受託者等が就任す…》 るに至るまでの間に前受託者がその権限に属しない行為をした場合について準用する。 において準用する場合を含む。)の規定による取消権

6号 第31条第6項 《6 第4項に規定する場合において、受託者…》 が第三者との間において第1項第1号又は第2号の財産について処分その他の行為をしたときは、当該第三者が同項及び第2項の規定に違反して第1項第1号又は第2号に掲げる行為がされたことを知っていたとき又は知ら 又は第7項の規定による取消権

7号 第36条 《信託事務の処理の状況についての報告義務 …》 委託者又は受益者は、受託者に対し、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況について報告を求めることができる。 の規定による報告を求める権利

8号 第38条第1項 《受益者は、受託者に対し、次に掲げる請求を…》 することができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 1 前条第1項又は第5項の書類の閲覧又は謄写の請求 2 前条第1項又は第5項の電磁的記録に記録された事項を法務 又は第6項の規定による閲覧又は謄写の請求権

9号 第40条 《受託者の損失てん補責任等 受託者がその…》 任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。 ただし、第2号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権

10号 第41条 《法人である受託者の役員の連帯責任 法人…》 である受託者の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は信託行為の定めに違反する行為につき悪意又は重大な過失があるとき の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権

11号 第44条 《受益者による受託者の行為の差止め 受託…》 者が法令若しくは信託行為の定めに違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって信託財産に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、受益者は、当該受託者に対し、当該行為を の規定による差止めの請求権

12号 第45条第1項 《第40条、第41条又は前条の規定による請…》 求に係る訴えを提起した受益者が勝訴一部勝訴を含む。した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用訴訟費用を除く。を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書 の規定による支払の請求権

13号 第59条第5項 《5 第3項の場合前項本文に規定する場合を…》 除く。において、前受託者が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、前受託者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等が信託事務の処理をすることがで の規定による差止めの請求権

14号 第60条第3項 《3 前項の場合において、前受託者の相続人…》 等が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、これらの者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等又は信託財産法人管理人が信託事務の処理をすることが 又は第5項の規定による差止めの請求権

15号 第61条第1項 《第59条第5項又は前条第3項若しくは第5…》 項の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴一部勝訴を含む。した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用訴訟費用を除く。を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士 の規定による支払の請求権

16号 第62条第2項 《2 第56条第1項各号に掲げる事由により…》 受託者の任務が終了した場合において、信託行為に新受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、新受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をす の規定による催告権

17号 第99条第1項 《受益者は、受託者に対し、受益権を放棄する…》 旨の意思表示をすることができる。 ただし、受益者が信託行為の当事者である場合は、この限りでない。 の規定による 受益権 を放棄する権利

18号 第103条第1項 《次に掲げる事項に係る信託の変更第3項にお…》 いて「重要な信託の変更」という。がされる場合には、これにより損害を受けるおそれのある受益者は、受託者に対し、自己の有する受益権を公正な価格で取得することを請求することができる。 ただし、第1号又は第2 又は第2項の規定による 受益権 取得請求権

19号 第131条第2項 《2 信託行為に信託監督人となるべき者を指…》 定する定めがあるときは、利害関係人は、信託監督人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに の規定による催告権

20号 第138条第2項 《2 信託行為に受益者代理人となるべき者を…》 指定する定めがあるときは、利害関係人は、受益者代理人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定 の規定による催告権

21号 第187条第1項 《第185条第2項の定めのある受益権の受益…》 者は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益者についての受益権原簿に記載され、若しくは記録された受益権原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該受益権原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求するこ の規定による交付又は提供の請求権

22号 第190条第2項 《2 委託者、受益者その他の利害関係人は、…》 受益証券発行信託の受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 1 受益権原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲 の規定による閲覧又は謄写の請求権

23号 第198条第1項 《受益証券発行信託の受益権を受益証券発行信…》 託の受託者以外の者から取得した者当該受託者を除く。は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益権に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 の規定による記載又は記録の請求権

24号 第226条第1項 《受託者が前条の規定に違反して受益者に対す…》 る信託財産に係る給付をした場合には、次の各号に掲げる者は、連帯して第2号に掲げる受益者にあっては、現に受けた個別の給付額の限度で連帯して、当該各号に定める義務を負う。 ただし、受託者がその職務を行うに の規定による金銭のてん補又は支払の請求権

25号 第228条第1項 《受託者が受益者に対する信託財産に係る給付…》 をした場合において、当該給付をした日後最初に到来する第222条第4項の時期に欠損額貸借対照表上の負債の額が資産の額を上回る場合において、当該負債の額から当該資産の額を控除して得た額をいう。以下この項に の規定による金銭のてん補又は支払の請求権

26号 第254条第1項 《会計監査人がその任務を怠ったことによって…》 信託財産に損失が生じた場合には、受益者は、当該会計監査人に対し、当該損失のてん補をすることを請求することができる。 の規定による損失のてん補の請求権

2節 受益権等 > 1款 受益権の譲渡等

93条 (受益権の譲渡性)

1項 受益者 は、その有する 受益権 を譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。

2項 前項の規定にかかわらず、 受益権 の譲渡を禁止し、又は制限する旨の 信託 行為の定め(以下この項において「 譲渡制限の定め 」という。)は、その 譲渡制限の定め がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対抗することができる。

94条 (受益権の譲渡の対抗要件)

1項 受益権 の譲渡は、譲渡人が 受託者 に通知をし、又は受託者が承諾をしなければ、受託者その他の第三者に対抗することができない。

2項 前項の通知及び承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、 受託者 以外の第三者に対抗することができない。

95条 (受益権の譲渡における受託者の抗弁)

1項 受託者 は、前条第1項の通知又は承諾がされるまでに譲渡人に対し生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。

95条の2 (共同相続における受益権の承継の対抗要件)

1項 相続により 受益権 が承継された場合において、 民法 第900条 《法定相続分 同順位の相続人が数人あると…》 きは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。 1 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。 2 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分 及び 第901条 《代襲相続人の相続分 第887条第2項又…》 は第3項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。 ただし、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定 の規定により算定した相続分を超えて当該受益権を承継した共同相続人が当該受益権に係る遺言の内容(遺産の分割により当該受益権を承継した場合にあっては、当該受益権に係る遺産の分割の内容)を明らかにして 受託者 にその承継の通知をしたときは、共同相続人の全員が受託者に通知をしたものとみなして、同法第899条の2第1項の規定を適用する。

96条 (受益権の質入れ)

1項 受益者 は、その有する 受益権 に質権を設定することができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。

2項 前項の規定にかかわらず、 受益権 の質入れを禁止し、又は制限する旨の 信託 行為の定め(以下この項において「 質入制限の定め 」という。)は、その 質入制限の定め がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった質権者その他の第三者に対抗することができる。

97条 (受益権の質入れの効果)

1項 受益権 を目的とする質権は、次に掲げる金銭等(金銭その他の財産をいう。以下この条及び次条において同じ。)について存在する。

1号 当該 受益権 を有する 受益者 受託者 から 信託 財産に係る給付として受けた金銭等

2号 第103条第6項 《6 第1項又は第2項の規定による請求以下…》 この款において「受益権取得請求」という。は、第4項の規定による通知又は前項の規定による公告の日から20日以内に、その受益権取得請求に係る受益権の内容を明らかにしてしなければならない。 に規定する 受益権 取得請求によって当該受益権を有する 受益者 が受ける金銭等

3号 信託 の変更による 受益権 の併合又は分割によって当該受益権を有する 受益者 が受ける金銭等

4号 信託 の併合又は分割(信託の併合又は信託の分割をいう。以下同じ。)によって当該 受益権 を有する 受益者 が受ける金銭等

5号 前各号に掲げるもののほか、当該 受益権 を有する 受益者 が当該受益権に代わるものとして受ける金銭等

98条

1項 受益権 の質権者は、前条の金銭等(金銭に限る。)を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。

2項 前項の債権の弁済期が到来していないときは、 受益権 の質権者は、 受託者 に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。この場合において、質権は、その供託金について存在する。

2款 受益権の放棄

99条

1項 受益者 は、 受託者 に対し、 受益権 を放棄する旨の意思表示をすることができる。ただし、受益者が 信託 行為の当事者である場合は、この限りでない。

2項 受益者 は、前項の規定による意思表示をしたときは、当初から 受益権 を有していなかったものとみなす。ただし、第三者の権利を害することはできない。

3款 受益債権

100条 (受益債権に係る受託者の責任)

1項 受益債権 に係る債務については、 受託者 は、 信託 財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。

101条 (受益債権と信託債権との関係)

1項 受益債権 は、 信託 債権に後れる。

102条 (受益債権の期間の制限)

1項 受益債権 の消滅時効は、次項及び第3項に定める事項を除き、債権の消滅時効の例による。

2項 受益債権 の消滅時効は、 受益者 が受益者としての指定を受けたことを知るに至るまでの間(受益者が現に存しない場合にあっては、 信託 管理人が選任されるまでの間)は、進行しない。

3項 受益債権 の消滅時効は、次に掲げる場合に限り、援用することができる。

1号 受託者 が、消滅時効の期間の経過後、遅滞なく、 受益者 に対し 受益債権 の存在及びその内容を相当の期間を定めて通知し、かつ、受益者からその期間内に履行の請求を受けなかったとき。

2号 消滅時効の期間の経過時において 受益者 の所在が不明であるとき、その他 信託 行為の定め、受益者の状況、関係資料の滅失その他の事情に照らして、受益者に対し前号の規定による通知をしないことについて正当な理由があるとき。

4項 受益債権 は、これを行使することができる時から20年を経過したときは、消滅する。

4款 受益権取得請求権

103条 (受益権取得請求)

1項 次に掲げる事項に係る 信託 の変更(第3項において「 重要な信託の変更 」という。)がされる場合には、これにより損害を受けるおそれのある 受益者 は、 受託者 に対し、自己の有する 受益権 を公正な価格で取得することを請求することができる。ただし、第1号又は第2号に掲げる事項に係る信託の変更がされる場合にあっては、これにより損害を受けるおそれのあることを要しない。

1号 信託 の目的の変更

2号 受益権 の譲渡の制限

3号 受託者 の義務の全部又は一部の減免(当該減免について、その範囲及びその意思決定の方法につき 信託 行為に定めがある場合を除く。

4号 受益債権 の内容の変更(当該内容の変更について、その範囲及びその意思決定の方法につき 信託 行為に定めがある場合を除く。

5号 信託 行為において定めた事項

2項 信託 の併合又は分割がされる場合には、これらにより損害を受けるおそれのある 受益者 は、 受託者 に対し、自己の有する 受益権 を公正な価格で取得することを請求することができる。ただし、前項第1号又は第2号に掲げる事項に係る変更を伴う信託の併合又は分割がされる場合にあっては、これらにより損害を受けるおそれのあることを要しない。

3項 前2項の 受益者 が、 重要な信託の変更 又は 信託 の併合若しくは信託の分割(以下この章において「 重要な信託の変更等 」という。)の意思決定に関与し、その際に当該重要な信託の変更等に賛成する旨の意思を表示したときは、前2項の規定は、当該受益者については、適用しない。

4項 受託者 は、 重要な信託の変更 等の意思決定の日から20日以内に、 受益者 に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。

1号 重要な信託の変更 等をする旨

2号 重要な信託の変更 等がその効力を生ずる日(次条第1項において「 効力発生日 」という。

3号 重要な信託の変更 等の中止に関する条件を定めたときは、その条件

5項 前項の規定による通知は、官報による公告をもって代えることができる。

6項 第1項又は第2項の規定による請求(以下この款において「 受益権取得請求 」という。)は、第4項の規定による通知又は前項の規定による公告の日から20日以内に、その 受益権 取得請求に係る受益権の内容を明らかにしてしなければならない。

7項 受益権 取得請求をした 受益者 は、 受託者 の承諾を得た場合に限り、その受益権取得請求を撤回することができる。

8項 重要な信託の変更 等が中止されたときは、 受益権 取得請求は、その効力を失う。

104条 (受益権の価格の決定等)

1項 受益権 取得請求があった場合において、受益権の価格の決定について、 受託者 受益者 との間に協議が調ったときは、受託者は、受益権取得請求の日から60日を経過する日(その日までに 効力発生日 が到来していない場合にあっては、効力発生日)までにその支払をしなければならない。

2項 受益権 の価格の決定について、受益権取得請求の日から30日以内に協議が調わないときは、 受託者 又は 受益者 は、その期間の満了の日後30日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。

3項 裁判所は、前項の規定により価格の決定をする場合には、同項の申立てをすることができる者の陳述を聴かなければならない。

4項 第2項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。

5項 第2項の規定による価格の決定の裁判に対しては、申立人及び同項の申立てをすることができる者に限り、即時抗告をすることができる。

6項 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。

7項 前条第7項の規定にかかわらず、第2項に規定する場合において、 受益権 取得請求の日から60日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、 受益者 は、いつでも、受益権取得請求を撤回することができる。

8項 第1項の 受託者 は、裁判所の決定した価格に対する同項の期間の満了の日後の利息をも支払わなければならない。

9項 受託者 は、 受益権 の価格の決定があるまでは、 受益者 に対し、当該受託者が公正な価格と認める額を支払うことができる。

10項 受益権 取得請求に係る 受託者 による受益権の取得は、当該受益権の価格に相当する金銭の支払の時に、その効力を生ずる。

11項 受益証券( 第185条第1項 《信託行為においては、この章の定めるところ…》 により、一又は二以上の受益権を表示する証券以下「受益証券」という。を発行する旨を定めることができる。 に規定する受益証券をいう。以下この章において同じ。)が発行されている 受益権 について受益権取得請求があったときは、当該受益証券と引換えに、その受益権取得請求に係る受益権の価格に相当する金銭を支払わなければならない。

12項 受益権 取得請求に係る債務については、 受託者 は、 信託 財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。ただし、信託行為又は当該 重要な信託の変更 等の意思決定において別段の定めがされたときは、その定めるところによる。

13項 前条第1項又は第2項の規定により 受託者 受益権 を取得したときは、その受益権は、消滅する。ただし、 信託 行為又は当該 重要な信託の変更 等の意思決定において別段の定めがされたときは、その定めるところによる。

3節 2人以上の受益者による意思決定の方法の特例 > 1款 総則

105条

1項 受益者 が2人以上ある 信託 における受益者の意思決定( 第92条 《信託行為の定めによる受益者の権利行使の制…》 限の禁止 受益者による次に掲げる権利の行使は、信託行為の定めにより制限することができない。 1 この法律の規定による裁判所に対する申立権 2 第5条第1項の規定による催告権 3 第23条第5項又は 各号に掲げる権利の行使に係るものを除く。)は、すべての受益者の一致によってこれを決する。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

2項 前項ただし書の場合において、 信託 行為に 受益者 集会における多数決による旨の定めがあるときは、次款の定めるところによる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

3項 第1項ただし書又は前項の規定にかかわらず、 第42条 《損失てん補責任等の免除 受益者は、次に…》 掲げる責任を免除することができる。 1 第40条の規定による責任 2 前条の規定による責任 の規定による責任の免除に係る意思決定の方法についての 信託 行為の定めは、次款の定めるところによる 受益者 集会における多数決による旨の定めに限り、その効力を有する。

4項 第1項ただし書及び前2項の規定は、次に掲げる責任の免除については、適用しない。

1号 第42条 《損失てん補責任等の免除 受益者は、次に…》 掲げる責任を免除することができる。 1 第40条の規定による責任 2 前条の規定による責任 の規定による責任の全部の免除

2号 第42条第1号 《損失てん補責任等の免除 第42条 受益者…》 は、次に掲げる責任を免除することができる。 1 第40条の規定による責任 2 前条の規定による責任 の規定による責任( 受託者 がその任務を行うにつき悪意又は重大な過失があった場合に生じたものに限る。)の一部の免除

3号 第42条第2号 《損失てん補責任等の免除 第42条 受益者…》 は、次に掲げる責任を免除することができる。 1 第40条の規定による責任 2 前条の規定による責任 の規定による責任の一部の免除

2款 受益者集会

106条 (受益者集会の招集)

1項 受益者 集会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。

2項 受益者 集会は、 受託者 信託 監督人が現に存する場合にあっては、受託者又は信託監督人)が招集する。

107条 (受益者による招集の請求)

1項 受益者 は、 受託者 信託 監督人が現に存する場合にあっては、受託者又は信託監督人)に対し、受益者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、受益者集会の招集を請求することができる。

2項 次に掲げる場合において、 信託 財産に著しい損害を生ずるおそれがあるときは、前項の規定による請求をした 受益者 は、受益者集会を招集することができる。

1号 前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合

2号 前項の規定による請求があった日から8週間以内の日を 受益者 集会の日とする受益者集会の招集の通知が発せられない場合

108条 (受益者集会の招集の決定)

1項 受益者 集会を招集する者(以下この款において「 招集者 」という。)は、受益者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。

1号 受益者 集会の日時及び場所

2号 受益者 集会の目的である事項があるときは、当該事項

3号 受益者 集会に出席しない受益者が電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下この款において同じ。)によって議決権を行使することができることとするときは、その旨

4号 前3号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項

109条 (受益者集会の招集の通知)

1項 受益者 集会を招集するには、 招集者 は、受益者集会の日の2週間前までに、知れている受益者及び 受託者 信託 監督人が現に存する場合にあっては、知れている受益者、受託者及び信託監督人)に対し、書面をもってその通知を発しなければならない。

2項 招集者 は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。

3項 前2項の通知には、前条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。

4項 無記名式の受益証券が発行されている場合において、 受益者 集会を招集するには、 招集者 は、受益者集会の日の3週間前までに、受益者集会を招集する旨及び前条各号に掲げる事項を官報により公告しなければならない。

110条 (受益者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等)

1項 招集者 は、前条第1項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、知れている 受益者 に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この条において「 受益者集会参考書類 」という。及び受益者が議決権を行使するための書面(以下この款において「 議決権行使書面 」という。)を交付しなければならない。

2項 招集者 は、前条第2項の承諾をした 受益者 に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による受益者集会参考書類及び 議決権行使書面 の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、受益者の請求があったときは、これらの書類を当該受益者に交付しなければならない。

3項 招集者 は、前条第4項の規定による公告をした場合において、 受益者 集会の日の1週間前までに無記名 受益権 無記名式の受益証券が発行されている受益権をいう。第8章において同じ。)の受益者の請求があったときは、直ちに、受益者集会参考書類及び 議決権行使書面 を当該受益者に交付しなければならない。

4項 招集者 は、前項の規定による 受益者 集会参考書類及び 議決権行使書面 の交付に代えて、政令で定めるところにより、受益者の承諾を得て、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該招集者は、同項の規定によるこれらの書類の交付をしたものとみなす。

111条

1項 招集者 は、 第108条第3号 《受益者集会の招集の決定 第108条 受益…》 者集会を招集する者以下この款において「招集者」という。は、受益者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 1 受益者集会の日時及び場所 2 受益者集会の目的である事項があるときは に掲げる事項を定めた場合には、 第109条第2項 《2 招集者は、前項の書面による通知の発出…》 に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 の承諾をした 受益者 に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、受益者に対し、 議決権行使書面 に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。

2項 招集者 は、 第108条第3号 《受益者集会の招集の決定 第108条 受益…》 者集会を招集する者以下この款において「招集者」という。は、受益者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 1 受益者集会の日時及び場所 2 受益者集会の目的である事項があるときは に掲げる事項を定めた場合において、 第109条第2項 《2 招集者は、前項の書面による通知の発出…》 に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 の承諾をしていない 受益者 から受益者集会の日の1週間前までに 議決権行使書面 に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該受益者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。

112条 (受益者の議決権)

1項 受益者 は、受益者集会において、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定めるものに応じて、議決権を有する。

1号 受益権 の内容が均等である場合受益権の個数

2号 前号に掲げる場合以外の場合 受益者 集会の招集の決定の時における 受益権 の価格

2項 前項の規定にかかわらず、 受益権 が当該受益権に係る 信託 の信託財産に属するときは、 受託者 は、当該受益権については、議決権を有しない。

113条 (受益者集会の決議)

1項 受益者 集会の決議は、議決権を行使することができる受益者の議決権の過半数を有する受益者が出席し、出席した当該受益者の議決権の過半数をもって行う。

2項 前項の規定にかかわらず、次に掲げる事項に係る 受益者 集会の決議は、当該受益者集会において議決権を行使することができる受益者の議決権の過半数を有する受益者が出席し、出席した当該受益者の議決権の3分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。

1号 第42条の規定による責任の免除( 第105条第4項 《4 第1項ただし書及び前2項の規定は、次…》 に掲げる責任の免除については、適用しない。 1 第42条の規定による責任の全部の免除 2 第42条第1号の規定による責任受託者がその任務を行うにつき悪意又は重大な過失があった場合に生じたものに限る。の 各号に掲げるものを除く。

2号 第136条第1項第1号 《信託監督人による事務の処理は、信託の清算…》 の結了のほか、次に掲げる事由により終了する。 ただし、第1号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 委託者及び受益者が信託監督人による事務の処 に規定する合意

3号 第143条第1項第1号 《受益者代理人による事務の処理は、信託の清…》 算の結了のほか、次に掲げる事由により終了する。 ただし、第1号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 委託者及び受益者代理人に代理される受益者 に規定する合意

4号 第149条第1項 《信託の変更は、委託者、受託者及び受益者の…》 合意によってすることができる。 この場合においては、変更後の信託行為の内容を明らかにしてしなければならない。 若しくは第2項第1号に規定する合意又は同条第3項に規定する意思表示

5号 第151条第1項 《信託の併合は、従前の各信託の委託者、受託…》 及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 1 信託の併合後の信託行為の内容 2 信託行為において定める受益権の内容に変更がある 又は第2項第1号に規定する合意

6号 第155条第1項 《吸収信託分割は、委託者、受託者及び受益者…》 の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 1 吸収信託分割後の信託行為の内容 2 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、そ 又は第2項第1号に規定する合意

7号 第159条第1項 《新規信託分割は、委託者、受託者及び受益者…》 の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 1 新規信託分割後の信託行為の内容 2 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、そ 又は第2項第1号に規定する合意

8号 第164条第1項 《委託者及び受益者は、いつでも、その合意に…》 より、信託を終了することができる。 に規定する合意

3項 前2項の規定にかかわらず、 第103条第1項第2号 《次に掲げる事項に係る信託の変更第3項にお…》 いて「重要な信託の変更」という。がされる場合には、これにより損害を受けるおそれのある受益者は、受託者に対し、自己の有する受益権を公正な価格で取得することを請求することができる。 ただし、第1号又は第2 から第4号までに掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、 受益者 間の権衡に変更を及ぼすものを除く。)に係る 重要な信託の変更 等に係る受益者集会の決議は、当該受益者集会において議決権を行使することができる受益者の半数以上であって、当該受益者の議決権の3分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。

4項 前3項の規定にかかわらず、 第103条第1項第1号 《次に掲げる事項に係る信託の変更第3項にお…》 いて「重要な信託の変更」という。がされる場合には、これにより損害を受けるおそれのある受益者は、受託者に対し、自己の有する受益権を公正な価格で取得することを請求することができる。 ただし、第1号又は第2 又は第4号に掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、 受益者 間の権衡に変更を及ぼすものに限る。)に係る 重要な信託の変更 等に係る受益者集会の決議は、総受益者の半数以上であって、総受益者の議決権の4分の三以上に当たる多数をもって行わなければならない。

5項 受益者 集会は、 第108条第2号 《受益者集会の招集の決定 第108条 受益…》 者集会を招集する者以下この款において「招集者」という。は、受益者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 1 受益者集会の日時及び場所 2 受益者集会の目的である事項があるときは に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。

114条 (議決権の代理行使)

1項 受益者 は、代理人によってその議決権を行使することができる。この場合においては、当該受益者又は代理人は、代理権を証明する書面を 招集者 に提出しなければならない。

2項 前項の代理権の授与は、 受益者 集会ごとにしなければならない。

3項 第1項の 受益者 又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、 招集者 の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該受益者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。

4項 受益者 第109条第2項 《2 招集者は、前項の書面による通知の発出…》 に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 の承諾をした者である場合には、 招集者 は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。

115条 (書面による議決権の行使)

1項 受益者 集会に出席しない受益者は、書面によって議決権を行使することができる。

2項 書面による議決権の行使は、 議決権行使書面 に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を 招集者 に提出して行う。

3項 前項の規定により書面によって行使した議決権は、出席した議決権者の行使した議決権とみなす。

116条 (電磁的方法による議決権の行使)

1項 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、 招集者 の承諾を得て、法務省令で定める時までに 議決権行使書面 に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。

2項 受益者 第109条第2項 《2 招集者は、前項の書面による通知の発出…》 に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 の承諾をした者である場合には、 招集者 は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。

3項 第1項の規定により電磁的方法によって行使した議決権は、出席した議決権者の行使した議決権とみなす。

117条 (議決権の不統一行使)

1項 受益者 は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。この場合においては、受益者集会の日の3日前までに、 招集者 に対しその旨及びその理由を通知しなければならない。

2項 招集者 は、前項の 受益者 が他人のために 受益権 を有する者でないときは、当該受益者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。

118条 (受託者の出席等)

1項 受託者 法人である受託者にあっては、その代表者又は代理人。次項において同じ。)は、 受益者 集会に出席し、又は書面により意見を述べることができる。

2項 受益者 集会又は 招集者 は、必要があると認めるときは、 受託者 に対し、その出席を求めることができる。この場合において、受益者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。

119条 (延期又は続行の決議)

1項 受益者 集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、 第108条 《受益者集会の招集の決定 受益者集会を招…》 集する者以下この款において「招集者」という。は、受益者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 1 受益者集会の日時及び場所 2 受益者集会の目的である事項があるときは、当該事項 及び 第109条 《受益者集会の招集の通知 受益者集会を招…》 集するには、招集者は、受益者集会の日の2週間前までに、知れている受益者及び受託者信託監督人が現に存する場合にあっては、知れている受益者、受託者及び信託監督人に対し、書面をもってその通知を発しなければな の規定は、適用しない。

120条 (議事録)

1項 受益者 集会の議事については、 招集者 は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。

121条 (受益者集会の決議の効力)

1項 受益者 集会の決議は、当該 信託 のすべての受益者に対してその効力を有する。

122条 (受益者集会の費用の負担)

1項 受益者 集会に関する必要な費用を支出した者は、 受託者 に対し、その償還を請求することができる。

2項 前項の規定による請求に係る債務については、 受託者 は、 信託 財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。

4節 信託管理人等 > 1款 信託管理人

123条 (信託管理人の選任)

1項 信託 行為においては、 受益者 が現に存しない場合に信託管理人となるべき者を指定する定めを設けることができる。

2項 信託 行為に信託管理人となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、信託管理人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。

3項 前項の規定による催告があった場合において、 信託 管理人となるべき者として指定された者は、同項の期間内に 委託者 委託者が現に存しない場合にあっては、 受託者 )に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。

4項 受益者 が現に存しない場合において、 信託 行為に信託管理人に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより信託管理人となるべき者として指定された者が就任の承諾をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託管理人を選任することができる。

5項 前項の規定による 信託 管理人の選任の裁判があったときは、当該信託管理人について信託行為に第1項の定めが設けられたものとみなす。

6項 第4項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。

7項 第4項の規定による 信託 管理人の選任の裁判に対しては、 委託者 若しくは 受託者 又は既に存する信託管理人に限り、即時抗告をすることができる。

8項 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。

124条 (信託管理人の資格)

1項 次に掲げる者は、 信託 管理人となることができない。

1号 未成年者

2号 当該 信託 受託者 である者

125条 (信託管理人の権限)

1項 信託 管理人は、 受益者 のために自己の名をもって受益者の権利に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

2項 2人以上の 信託 管理人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

3項 この法律の規定により 受益者 に対してすべき通知は、 信託 管理人があるときは、信託管理人に対してしなければならない。

126条 (信託管理人の義務)

1項 信託 管理人は、善良な管理者の注意をもって、前条第1項の権限を行使しなければならない。

2項 信託 管理人は、 受益者 のために、誠実かつ公平に前条第1項の権限を行使しなければならない。

127条 (信託管理人の費用等及び報酬)

1項 信託 管理人は、その事務を処理するのに必要と認められる費用及び支出の日以後におけるその利息を 受託者 に請求することができる。

2項 信託 管理人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める損害の額について、 受託者 にその賠償を請求することができる。

1号 信託 管理人がその事務を処理するため自己に過失なく損害を受けた場合当該損害の額

2号 信託 管理人がその事務を処理するため第三者の故意又は過失によって損害を受けた場合(前号に掲げる場合を除く。)当該第三者に対し賠償を請求することができる額

3項 信託 管理人は、商法第512条の規定の適用がある場合のほか、信託行為に信託管理人が報酬を受ける旨の定めがある場合に限り、 受託者 に報酬を請求することができる。

4項 前3項の規定による請求に係る債務については、 受託者 は、 信託 財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。

5項 第3項の場合には、報酬の額は、 信託 行為に報酬の額又は算定方法に関する定めがあるときはその定めるところにより、その定めがないときは相当の額とする。

6項 裁判所は、 第123条第4項 《4 受益者が現に存しない場合において、信…》 託行為に信託管理人に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより信託管理人となるべき者として指定された者が就任の承諾をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより の規定により 信託 管理人を選任した場合には、信託管理人の報酬を定めることができる。

7項 前項の規定による 信託 管理人の報酬の裁判があったときは、当該信託管理人について信託行為に第3項の定め及び第5項の報酬の額に関する定めがあったものとみなす。

8項 第6項の規定による 信託 管理人の報酬の裁判をする場合には、 受託者 及び信託管理人の陳述を聴かなければならない。

9項 第6項の規定による 信託 管理人の報酬の裁判に対しては、 受託者 及び信託管理人に限り、即時抗告をすることができる。

128条 (信託管理人の任務の終了)

1項 第56条 《受託者の任務の終了事由 受託者の任務は…》 、信託の清算が結了した場合のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者であ の規定は、 信託 管理人の任務の終了について準用する。この場合において、同条第1項第5号中「次条」とあるのは「 第128条第2項 《2 第57条の規定は信託管理人の辞任につ…》 いて、第58条の規定は信託管理人の解任について、それぞれ準用する。 において準用する次条」と、同項第6号中「 第58条 《受託者の解任 委託者及び受益者は、いつ…》 でも、その合意により、受託者を解任することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に受託者を解任したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない 」とあるのは「 第128条第2項 《2 第57条の規定は信託管理人の辞任につ…》 いて、第58条の規定は信託管理人の解任について、それぞれ準用する。 において準用する 第58条 《受託者の解任 委託者及び受益者は、いつ…》 でも、その合意により、受託者を解任することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に受託者を解任したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない 」と読み替えるものとする。

2項 第57条 《受託者の辞任 受託者は、委託者及び受益…》 者の同意を得て、辞任することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受託者は、やむを得ない事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 3 の規定は 信託 管理人の辞任について、 第58条 《受託者の解任 委託者及び受益者は、いつ…》 でも、その合意により、受託者を解任することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に受託者を解任したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない の規定は信託管理人の解任について、それぞれ準用する。

129条 (新信託管理人の選任等)

1項 第62条 《 第56条第1項各号に掲げる事由により受…》 託者の任務が終了した場合において、信託行為に新たな受託者以下「新受託者」という。に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより新受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれ の規定は、前条第1項において準用する 第56条第1項 《受託者の任務は、信託の清算が結了した場合…》 のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者である個人の死亡 2 受託者で 各号の規定により 信託 管理人の任務が終了した場合における新たな信託管理人(次項において「 新信託管理人 」という。)の選任について準用する。

2項 新信託管理人 が就任した場合には、 信託 管理人であった者は、遅滞なく、新信託管理人がその事務の処理を行うのに必要な事務の引継ぎをしなければならない。

3項 前項の 信託 管理人であった者は、 受益者 が存するに至った後においてその受益者となった者を知ったときは、遅滞なく、当該受益者となった者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。

130条 (信託管理人による事務の処理の終了等)

1項 信託 管理人による事務の処理は、次に掲げる事由により終了する。ただし、第2号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

1号 受益者 が存するに至ったこと。

2号 委託者 信託 管理人に対し事務の処理を終了する旨の意思表示をしたこと。

3号 信託 行為において定めた事由

2項 前項の規定により 信託 管理人による事務の処理が終了した場合には、信託管理人であった者は、遅滞なく、 受益者 に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。ただし、受益者が存するに至った後においてその受益者となった者を知った場合に限る。

2款 信託監督人

131条 (信託監督人の選任)

1項 信託 行為においては、 受益者 が現に存する場合に信託監督人となるべき者を指定する定めを設けることができる。

2項 信託 行為に信託監督人となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、信託監督人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。

3項 前項の規定による催告があった場合において、 信託 監督人となるべき者として指定された者は、同項の期間内に 委託者 委託者が現に存しない場合にあっては、 受託者 )に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。

4項 受益者 受託者 の監督を適切に行うことができない特別の事情がある場合において、 信託 行為に信託監督人に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより信託監督人となるべき者として指定された者が就任の承諾をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託監督人を選任することができる。

5項 前項の規定による 信託 監督人の選任の裁判があったときは、当該信託監督人について信託行為に第1項の定めが設けられたものとみなす。

6項 第4項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。

7項 第4項の規定による 信託 監督人の選任の裁判に対しては、 委託者 受託者 若しくは 受益者 又は既に存する信託監督人に限り、即時抗告をすることができる。

8項 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。

132条 (信託監督人の権限)

1項 信託 監督人は、 受益者 のために自己の名をもって 第92条 《信託行為の定めによる受益者の権利行使の制…》 限の禁止 受益者による次に掲げる権利の行使は、信託行為の定めにより制限することができない。 1 この法律の規定による裁判所に対する申立権 2 第5条第1項の規定による催告権 3 第23条第5項又は 各号(第17号、第18号、第21号及び第23号を除く。)に掲げる権利に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

2項 2人以上の 信託 監督人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

133条 (信託監督人の義務)

1項 信託 監督人は、善良な管理者の注意をもって、前条第1項の権限を行使しなければならない。

2項 信託 監督人は、 受益者 のために、誠実かつ公平に前条第1項の権限を行使しなければならない。

134条 (信託監督人の任務の終了)

1項 第56条 《受託者の任務の終了事由 受託者の任務は…》 、信託の清算が結了した場合のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者であ の規定は、 信託 監督人の任務の終了について準用する。この場合において、同条第1項第5号中「次条」とあるのは「 第134条第2項 《2 第57条の規定は信託監督人の辞任につ…》 いて、第58条の規定は信託監督人の解任について、それぞれ準用する。 において準用する次条」と、同項第6号中「 第58条 《受託者の解任 委託者及び受益者は、いつ…》 でも、その合意により、受託者を解任することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に受託者を解任したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない 」とあるのは「 第134条第2項 《2 第57条の規定は信託監督人の辞任につ…》 いて、第58条の規定は信託監督人の解任について、それぞれ準用する。 において準用する 第58条 《受託者の解任 委託者及び受益者は、いつ…》 でも、その合意により、受託者を解任することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に受託者を解任したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない 」と読み替えるものとする。

2項 第57条 《受託者の辞任 受託者は、委託者及び受益…》 者の同意を得て、辞任することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受託者は、やむを得ない事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 3 の規定は 信託 監督人の辞任について、 第58条 《受託者の解任 委託者及び受益者は、いつ…》 でも、その合意により、受託者を解任することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に受託者を解任したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない の規定は信託監督人の解任について、それぞれ準用する。

135条 (新信託監督人の選任等)

1項 第62条 《 第56条第1項各号に掲げる事由により受…》 託者の任務が終了した場合において、信託行為に新たな受託者以下「新受託者」という。に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより新受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれ の規定は、前条第1項において準用する 第56条第1項 《受託者の任務は、信託の清算が結了した場合…》 のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者である個人の死亡 2 受託者で 各号の規定により 信託 監督人の任務が終了した場合における新たな信託監督人(次項において「 新信託監督人 」という。)の選任について準用する。

2項 新信託監督人 が就任した場合には、 信託 監督人であった者は、遅滞なく、 受益者 に対しその事務の経過及び結果を報告し、新信託監督人がその事務の処理を行うのに必要な事務の引継ぎをしなければならない。

136条 (信託監督人による事務の処理の終了等)

1項 信託 監督人による事務の処理は、信託の清算の結了のほか、次に掲げる事由により終了する。ただし、第1号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

1号 委託者 及び 受益者 信託 監督人による事務の処理を終了する旨の合意をしたこと。

2号 信託 行為において定めた事由

2項 前項の規定により 信託 監督人による事務の処理が終了した場合には、信託監督人であった者は、遅滞なく、 受益者 に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。

3項 委託者 が現に存しない場合には、第1項第1号の規定は、適用しない。

137条 (信託管理人に関する規定の準用)

1項 第124条 《信託管理人の資格 次に掲げる者は、信託…》 管理人となることができない。 1 未成年者 2 当該信託の受託者である者 及び 第127条 《信託管理人の費用等及び報酬 信託管理人…》 は、その事務を処理するのに必要と認められる費用及び支出の日以後におけるその利息を受託者に請求することができる。 2 信託管理人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める損害の額について、受託者にそ の規定は、 信託 監督人について準用する。この場合において、同条第6項中「 第123条第4項 《4 受益者が現に存しない場合において、信…》 託行為に信託管理人に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより信託管理人となるべき者として指定された者が就任の承諾をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより 」とあるのは、「 第131条第4項 《4 受益者が受託者の監督を適切に行うこと…》 ができない特別の事情がある場合において、信託行為に信託監督人に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより信託監督人となるべき者として指定された者が就任の承諾をせず、若しくはこれをすることができない 」と読み替えるものとする。

3款 受益者代理人

138条 (受益者代理人の選任)

1項 信託 行為においては、その代理する 受益者 を定めて、受益者代理人となるべき者を指定する定めを設けることができる。

2項 信託 行為に 受益者 代理人となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受益者代理人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。

3項 前項の規定による催告があった場合において、 受益者 代理人となるべき者として指定された者は、同項の期間内に 委託者 委託者が現に存しない場合にあっては、 受託者 )に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。

139条 (受益者代理人の権限等)

1項 受益者 代理人は、その代理する受益者のために当該受益者の権利( 第42条 《損失てん補責任等の免除 受益者は、次に…》 掲げる責任を免除することができる。 1 第40条の規定による責任 2 前条の規定による責任 の規定による責任の免除に係るものを除く。)に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。ただし、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

2項 受益者 代理人がその代理する受益者のために裁判上又は裁判外の行為をするときは、その代理する受益者の範囲を示せば足りる。

3項 1人の 受益者 につき2人以上の受益者代理人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。ただし、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

4項 受益者 代理人があるときは、当該受益者代理人に代理される受益者は、 第92条 《信託行為の定めによる受益者の権利行使の制…》 限の禁止 受益者による次に掲げる権利の行使は、信託行為の定めにより制限することができない。 1 この法律の規定による裁判所に対する申立権 2 第5条第1項の規定による催告権 3 第23条第5項又は 各号に掲げる権利及び 信託 行為において定めた権利を除き、その権利を行使することができない。

140条 (受益者代理人の義務)

1項 受益者 代理人は、善良な管理者の注意をもって、前条第1項の権限を行使しなければならない。

2項 受益者 代理人は、その代理する受益者のために、誠実かつ公平に前条第1項の権限を行使しなければならない。

141条 (受益者代理人の任務の終了)

1項 第56条 《受託者の任務の終了事由 受託者の任務は…》 、信託の清算が結了した場合のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者であ の規定は、 受益者 代理人の任務の終了について準用する。この場合において、同条第1項第5号中「次条」とあるのは「 第141条第2項 《2 第57条の規定は受益者代理人の辞任に…》 ついて、第58条の規定は受益者代理人の解任について、それぞれ準用する。 において準用する次条」と、同項第6号中「 第58条 《受託者の解任 委託者及び受益者は、いつ…》 でも、その合意により、受託者を解任することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に受託者を解任したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない 」とあるのは「 第141条第2項 《2 第57条の規定は受益者代理人の辞任に…》 ついて、第58条の規定は受益者代理人の解任について、それぞれ準用する。 において準用する 第58条 《受託者の解任 委託者及び受益者は、いつ…》 でも、その合意により、受託者を解任することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に受託者を解任したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない 」と読み替えるものとする。

2項 第57条 《受託者の辞任 受託者は、委託者及び受益…》 者の同意を得て、辞任することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受託者は、やむを得ない事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 3 の規定は 受益者 代理人の辞任について、 第58条 《受託者の解任 委託者及び受益者は、いつ…》 でも、その合意により、受託者を解任することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に受託者を解任したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない の規定は受益者代理人の解任について、それぞれ準用する。

142条 (新受益者代理人の選任等)

1項 第62条 《 第56条第1項各号に掲げる事由により受…》 託者の任務が終了した場合において、信託行為に新たな受託者以下「新受託者」という。に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより新受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれ の規定は、前条第1項において準用する 第56条第1項 《受託者の任務は、信託の清算が結了した場合…》 のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第2号又は第3号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 受託者である個人の死亡 2 受託者で 各号の規定により 受益者 代理人の任務が終了した場合における新たな受益者代理人(次項において「 新受益者代理人 」という。)の選任について準用する。この場合において、 第62条第2項 《2 第56条第1項各号に掲げる事由により…》 受託者の任務が終了した場合において、信託行為に新受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、新受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をす 及び第4項中「利害関係人」とあるのは、「 委託者 又は受益者代理人に代理される受益者」と読み替えるものとする。

2項 新受益者代理人 が就任した場合には、 受益者 代理人であった者は、遅滞なく、その代理する受益者に対しその事務の経過及び結果を報告し、新受益者代理人がその事務の処理を行うのに必要な事務の引継ぎをしなければならない。

143条 (受益者代理人による事務の処理の終了等)

1項 受益者 代理人による事務の処理は、 信託 の清算の結了のほか、次に掲げる事由により終了する。ただし、第1号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

1号 委託者 及び 受益者 代理人に代理される受益者が受益者代理人による事務の処理を終了する旨の合意をしたこと。

2号 信託 行為において定めた事由

2項 前項の規定により 受益者 代理人による事務の処理が終了した場合には、受益者代理人であった者は、遅滞なく、その代理した受益者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。

3項 委託者 が現に存しない場合には、第1項第1号の規定は、適用しない。

144条 (信託管理人に関する規定の準用)

1項 第124条 《信託管理人の資格 次に掲げる者は、信託…》 管理人となることができない。 1 未成年者 2 当該信託の受託者である者 及び 第127条第1項 《信託管理人は、その事務を処理するのに必要…》 と認められる費用及び支出の日以後におけるその利息を受託者に請求することができる。 から第5項までの規定は、 受益者 代理人について準用する。

5章 委託者

145条 (委託者の権利等)

1項 信託 行為においては、 委託者 がこの法律の規定によるその権利の全部又は一部を有しない旨を定めることができる。

2項 信託 行為においては、 委託者 も次に掲げる権利の全部又は一部を有する旨を定めることができる。

1号 第23条第5項 《5 第1項又は第2項の規定に違反してされ…》 た強制執行、仮差押え、仮処分又は担保権の実行若しくは競売に対しては、受託者又は受益者は、異議を主張することができる。 この場合においては、民事執行法1979年法律第4号第38条及び民事保全法平成元年法 又は第6項の規定による異議を主張する権利

2号 第27条第1項 《受託者が信託財産のためにした行為がその権…》 限に属しない場合において、次のいずれにも該当するときは、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 1 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が信託財産のためにされたものであることを知っていたこ 又は第2項(これらの規定を 第75条第4項 《4 第27条の規定は、新受託者等が就任す…》 るに至るまでの間に前受託者がその権限に属しない行為をした場合について準用する。 において準用する場合を含む。)の規定による取消権

3号 第31条第6項 《6 第4項に規定する場合において、受託者…》 が第三者との間において第1項第1号又は第2号の財産について処分その他の行為をしたときは、当該第三者が同項及び第2項の規定に違反して第1項第1号又は第2号に掲げる行為がされたことを知っていたとき又は知ら 又は第7項の規定による取消権

4号 第32条第4項 《4 第1項及び第2項の規定に違反して受託…》 者が第1項に規定する行為をした場合には、受益者は、当該行為は信託財産のためにされたものとみなすことができる。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 の規定による権利

5号 第38条第1項 《受益者は、受託者に対し、次に掲げる請求を…》 することができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 1 前条第1項又は第5項の書類の閲覧又は謄写の請求 2 前条第1項又は第5項の電磁的記録に記録された事項を法務 の規定による閲覧又は謄写の請求権

6号 第39条第1項 《受益者が2人以上ある信託においては、受益…》 者は、受託者に対し、次に掲げる事項を相当な方法により開示することを請求することができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 1 他の受益者の氏名又は名称及び住所 2 の規定による開示の請求権

7号 第40条 《受託者の損失てん補責任等 受託者がその…》 任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。 ただし、第2号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権

8号 第41条 《法人である受託者の役員の連帯責任 法人…》 である受託者の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は信託行為の定めに違反する行為につき悪意又は重大な過失があるとき の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権

9号 第44条 《受益者による受託者の行為の差止め 受託…》 者が法令若しくは信託行為の定めに違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって信託財産に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、受益者は、当該受託者に対し、当該行為を の規定による差止めの請求権

10号 第46条第1項 《受託者の信託事務の処理に関し、不正の行為…》 又は法令若しくは信託行為の定めに違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、受益者は、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を調査させるため、裁判 の規定による検査役の選任の申立権

11号 第59条第5項 《5 第3項の場合前項本文に規定する場合を…》 除く。において、前受託者が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、前受託者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等が信託事務の処理をすることがで の規定による差止めの請求権

12号 第60条第3項 《3 前項の場合において、前受託者の相続人…》 等が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、これらの者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等又は信託財産法人管理人が信託事務の処理をすることが 又は第5項の規定による差止めの請求権

13号 第226条第1項 《受託者が前条の規定に違反して受益者に対す…》 る信託財産に係る給付をした場合には、次の各号に掲げる者は、連帯して第2号に掲げる受益者にあっては、現に受けた個別の給付額の限度で連帯して、当該各号に定める義務を負う。 ただし、受託者がその職務を行うに の規定による金銭のてん補又は支払の請求権

14号 第228条第1項 《受託者が受益者に対する信託財産に係る給付…》 をした場合において、当該給付をした日後最初に到来する第222条第4項の時期に欠損額貸借対照表上の負債の額が資産の額を上回る場合において、当該負債の額から当該資産の額を控除して得た額をいう。以下この項に の規定による金銭のてん補又は支払の請求権

15号 第254条第1項 《会計監査人がその任務を怠ったことによって…》 信託財産に損失が生じた場合には、受益者は、当該会計監査人に対し、当該損失のてん補をすることを請求することができる。 の規定による損失のてん補の請求権

3項 前項第1号、第7号から第9号まで又は第11号から第15号までに掲げる権利について同項の 信託 行為の定めがされた場合における 第24条 《費用又は報酬の支弁等 前条第5項又は第…》 6項の規定による異議に係る訴えを提起した受益者が勝訴一部勝訴を含む。した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用訴訟費用を除く。を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護第45条 《費用又は報酬の支弁等 第40条、第41…》 又は前条の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴一部勝訴を含む。した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用訴訟費用を除く。を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事 第226条第6項 《6 第45条の規定は、第1項の規定による…》 請求に係る訴えについて準用する。第228条第6項 《6 第45条の規定は、第1項の規定による…》 請求に係る訴えについて準用する。 及び 第254条第3項 《3 第42条第1号に係る部分に限る。並び…》 に第105条第3項及び第4項第3号を除く。の規定は第1項の規定による責任の免除について、第43条の規定は第1項の規定による責任に係る債権について、第45条の規定は第1項の規定による請求に係る訴えについ において準用する場合を含む。又は 第61条 《費用又は報酬の支弁等 第59条第5項又…》 は前条第3項若しくは第5項の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴一部勝訴を含む。した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用訴訟費用を除く。を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、 の規定の適用については、これらの規定中「 受益者 」とあるのは、「 委託者 又は受益者」とする。

4項 信託 行為においては、 受託者 が次に掲げる義務を負う旨を定めることができる。

1号 この法律の規定により 受託者 受益者 信託 管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人。次号において同じ。)に対し通知すべき事項を 委託者 に対しても通知する義務

2号 この法律の規定により 受託者 受益者 に対し報告すべき事項を 委託者 に対しても報告する義務

3号 第77条第1項 《新受託者等が就任した場合には、前受託者は…》 、遅滞なく、信託事務に関する計算を行い、受益者2人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人に対しその承認を求めるとともに、新受託者等が信 又は 第184条第1項 《清算受託者は、その職務を終了したときは、…》 遅滞なく、信託事務に関する最終の計算を行い、信託が終了した時における受益者信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人及び帰属権利者以下この条において「受益者等」と総称する。のすべてに対し、その承 の規定により 受託者 がする計算の承認を 委託者 に対しても求める義務

5項 委託者 が2人以上ある 信託 における第1項、第2項及び前項の規定の適用については、これらの規定中「委託者」とあるのは、「委託者の全部又は一部」とする。

146条 (委託者の地位の移転)

1項 委託者 の地位は、 受託者 及び 受益者 の同意を得て、又は 信託 行為において定めた方法に従い、第三者に移転することができる。

2項 委託者 が2人以上ある 信託 における前項の規定の適用については、同項中「 受託者 及び 受益者 」とあるのは、「他の委託者、受託者及び受益者」とする。

147条 (遺言信託における委託者の相続人)

1項 第3条第2号 《信託の方法 第3条 信託は、次に掲げる方…》 法のいずれかによってする。 1 特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成の に掲げる方法によって 信託 がされた場合には、 委託者 の相続人は、委託者の地位を相続により承継しない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

148条 (委託者の死亡の時に受益権を取得する旨の定めのある信託等の特例)

1項 第90条第1項 《次の各号に掲げる信託においては、当該各号…》 の委託者は、受益者を変更する権利を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 1 委託者の死亡の時に受益者となるべき者として指定された者が受益権を取得する旨の定めのあ 各号に掲げる 信託 において、その信託の 受益者 が現に存せず、又は同条第2項の規定により受益者としての権利を有しないときは、 委託者 第145条第2項 《2 信託行為においては、委託者も次に掲げ…》 る権利の全部又は一部を有する旨を定めることができる。 1 第23条第5項又は第6項の規定による異議を主張する権利 2 第27条第1項又は第2項これらの規定を第75条第4項において準用する場合を含む。の 各号に掲げる権利を有し、 受託者 が同条第4項各号に掲げる義務を負う。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

6章 信託の変更、併合及び分割 > 1節 信託の変更

149条 (関係当事者の合意等)

1項 信託 の変更は、 委託者 受託者 及び 受益者 の合意によってすることができる。この場合においては、変更後の信託行為の内容を明らかにしてしなければならない。

2項 前項の規定にかかわらず、 信託 の変更は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによりすることができる。この場合において、 受託者 は、第1号に掲げるときは 委託者 に対し、第2号に掲げるときは委託者及び 受益者 に対し、遅滞なく、変更後の信託行為の内容を通知しなければならない。

1号 信託 の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者 及び 受益者 の合意

2号 信託 の目的に反しないこと及び 受益者 の利益に適合することが明らかであるとき 受託者 の書面又は電磁的記録によってする意思表示

3項 前2項の規定にかかわらず、 信託 の変更は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者による 受託者 に対する意思表示によってすることができる。この場合において、第2号に掲げるときは、受託者は、 委託者 に対し、遅滞なく、変更後の信託行為の内容を通知しなければならない。

1号 受託者 の利益を害しないことが明らかであるとき 委託者 及び 受益者

2号 信託 の目的に反しないこと及び 受託者 の利益を害しないことが明らかであるとき 受益者

4項 前3項の規定にかかわらず、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

5項 委託者 が現に存しない場合においては、第1項及び第3項第1号の規定は適用せず、第2項中「第1号に掲げるときは委託者に対し、第2号に掲げるときは委託者及び 受益者 に対し」とあるのは、「第2号に掲げるときは、受益者に対し」とする。

150条 (特別の事情による信託の変更を命ずる裁判)

1項 信託 行為の当時予見することのできなかった特別の事情により、信託事務の処理の方法に係る信託行為の定めが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして 受益者 の利益に適合しなくなるに至ったときは、裁判所は、 委託者 受託者 又は受益者の申立てにより、信託の変更を命ずることができる。

2項 前項の申立ては、当該申立てに係る変更後の 信託 行為の定めを明らかにしてしなければならない。

3項 裁判所は、第1項の申立てについての裁判をする場合には、 受託者 の陳述を聴かなければならない。ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。

4項 第1項の申立てについての裁判には、理由の要旨を付さなければならない。

5項 第1項の申立てについての裁判に対しては、 委託者 受託者 又は 受益者 に限り、即時抗告をすることができる。

6項 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。

2節 信託の併合

151条 (関係当事者の合意等)

1項 信託 の併合は、従前の各信託の 委託者 受託者 及び 受益者 の合意によってすることができる。この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。

1号 信託 の併合後の信託行為の内容

2号 信託 行為において定める 受益権 の内容に変更があるときは、その内容及び変更の理由

3号 信託 の併合に際して 受益者 に対し金銭その他の財産を交付するときは、当該財産の内容及びその価額

4号 信託 の併合がその効力を生ずる日

5号 その他法務省令で定める事項

2項 前項の規定にかかわらず、 信託 の併合は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。この場合において、 受託者 は、第1号に掲げるときは 委託者 に対し、第2号に掲げるときは委託者及び 受益者 に対し、遅滞なく、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。

1号 信託 の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者 及び 受益者 の合意

2号 信託 の目的に反しないこと及び 受益者 の利益に適合することが明らかであるとき 受託者 の書面又は電磁的記録によってする意思表示

3項 前2項の規定にかかわらず、各 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

4項 委託者 が現に存しない場合においては、第1項の規定は適用せず、第2項中「第1号に掲げるときは委託者に対し、第2号に掲げるときは委託者及び 受益者 に対し」とあるのは、「第2号に掲げるときは、受益者に対し」とする。

152条 (債権者の異議)

1項 信託 の併合をする場合には、従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、 受託者 に対し、信託の併合について異議を述べることができる。ただし、信託の併合をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限りでない。

2項 前項の規定により同項の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、 受託者 は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第2号の期間は、1箇月を下ることができない。

1号 信託 の併合をする旨

2号 前項の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨

3号 その他法務省令で定める事項

3項 前項の規定にかかわらず、法人である 受託者 は、公告(次に掲げる方法によるものに限る。)をもって同項の規定による各別の催告に代えることができる。

1号 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法

2号 電子公告(公告の方法のうち、電磁的方法(会社法(2005年法律第86号)第2条第34号に規定する電磁的方法をいう。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって同号に規定するものをとる方法をいう。次節において同じ。

4項 第1項の債権者が第2項第2号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該 信託 の併合について承認をしたものとみなす。

5項 第1項の債権者が第2項第2号の期間内に異議を述べたときは、 受託者 は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として 信託 会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関( 金融機関の信託業務の兼営等に関する法律 1943年法律第43号第1条第1項 《銀行その他の金融機関政令で定めるものに限…》 る。以下「金融機関」という。は、他の法律の規定にかかわらず、内閣総理大臣の認可を受けて、信託業法2004年法律第154号第2条第1項に規定する信託業及び次に掲げる業務政令で定めるものを除く。以下「信託 の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。次節において同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該信託の併合をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。

153条 (信託の併合後の信託の信託財産責任負担債務の範囲等)

1項 信託 の併合がされた場合において、従前の信託の信託財産責任負担債務であった債務は、信託の併合後の信託の信託財産責任負担債務となる。

154条

1項 信託 の併合がされた場合において、前条に規定する従前の信託の信託財産責任負担債務のうち信託財産限定責任負担債務( 受託者 が信託財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う信託財産責任負担債務をいう。以下この章において同じ。)であるものは、信託の併合後の信託の信託財産限定責任負担債務となる。

3節 信託の分割 > 1款 吸収信託分割

155条 (関係当事者の合意等)

1項 吸収信託分割 は、 委託者 受託者 及び 受益者 の合意によってすることができる。この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。

1号 吸収信託分割 後の 信託 行為の内容

2号 信託 行為において定める 受益権 の内容に変更があるときは、その内容及び変更の理由

3号 吸収信託分割 に際して 受益者 に対し金銭その他の財産を交付するときは、当該財産の内容及びその価額

4号 吸収信託分割 がその効力を生ずる日

5号 移転する財産の内容

6号 吸収信託分割 によりその 信託 財産の一部を他の信託に移転する信託(以下この款において「 分割信託 」という。)の信託財産責任負担債務でなくなり、 分割信託 からその信託財産の一部の移転を受ける信託(以下「 承継信託 」という。)の信託財産責任負担債務となる債務があるときは、当該債務に係る事項

7号 その他法務省令で定める事項

2項 前項の規定にかかわらず、 吸収信託分割 は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。この場合において、 受託者 は、第1号に掲げるときは 委託者 に対し、第2号に掲げるときは委託者及び 受益者 に対し、遅滞なく、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。

1号 信託 の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者 及び 受益者 の合意

2号 信託 の目的に反しないこと及び 受益者 の利益に適合することが明らかであるとき 受託者 の書面又は電磁的記録によってする意思表示

3項 前2項の規定にかかわらず、各 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

4項 委託者 が現に存しない場合においては、第1項の規定は適用せず、第2項中「第1号に掲げるときは委託者に対し、第2号に掲げるときは委託者及び 受益者 に対し」とあるのは、「第2号に掲げるときは、受益者に対し」とする。

156条 (債権者の異議)

1項 吸収信託分割 をする場合には、 分割信託 又は 承継信託 信託 財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、 受託者 に対し、吸収信託分割について異議を述べることができる。ただし、吸収信託分割をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限りでない。

2項 前項の規定により同項の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、 受託者 は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第2号の期間は、1箇月を下ることができない。

1号 吸収信託分割 をする旨

2号 前項の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨

3号 その他法務省令で定める事項

3項 前項の規定にかかわらず、法人である 受託者 は、公告(次に掲げる方法によるものに限る。)をもって同項の規定による各別の催告に代えることができる。

1号 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法

2号 電子公告

4項 第1項の債権者が第2項第2号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該 吸収信託分割 について承認をしたものとみなす。

5項 第1項の債権者が第2項第2号の期間内に異議を述べたときは、 受託者 は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として 信託 会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該 吸収信託分割 をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。

157条 (吸収信託分割後の分割信託及び承継信託の信託財産責任負担債務の範囲等)

1項 吸収信託分割 がされた場合において、 第155条第1項第6号 《吸収信託分割は、委託者、受託者及び受益者…》 の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 1 吸収信託分割後の信託行為の内容 2 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、そ の債務は、吸収信託分割後の 分割信託 信託 財産責任負担債務でなくなり、吸収信託分割後の 承継信託 の信託財産責任負担債務となる。この場合において、分割信託の信託財産限定責任負担債務であった債務は、承継信託の信託財産限定責任負担債務となる。

158条

1項 第156条第1項 《吸収信託分割をする場合には、分割信託又は…》 承継信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、吸収信託分割について異議を述べることができる。 ただし、吸収信託分割をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるとき の規定により異議を述べることができる債権者(同条第2項の規定により各別の催告をしなければならないものに限る。)は、同条第2項の催告を受けなかった場合には、 吸収信託分割 前から有する次の各号に掲げる債権に基づき、 受託者 に対し、当該各号に定める財産をもって当該債権に係る債務を履行することを請求することもできる。ただし、第1号に定める財産に対しては吸収信託分割がその効力を生ずる日における 承継信託 の移転を受ける財産の価額を、第2号に定める財産に対しては当該日における 分割信託 信託 財産の価額を限度とする。

1号 分割信託 信託 財産責任負担債務に係る債権( 第155条第1項第6号 《吸収信託分割は、委託者、受託者及び受益者…》 の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 1 吸収信託分割後の信託行為の内容 2 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、そ の債務に係る債権を除く。 吸収信託分割 後の 承継信託 の信託財産に属する財産

2号 承継信託 信託 財産責任負担債務に係る債権( 第155条第1項第6号 《吸収信託分割は、委託者、受託者及び受益者…》 の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 1 吸収信託分割後の信託行為の内容 2 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、そ の債務に係る債権に限る。 吸収信託分割 後の 分割信託 の信託財産に属する財産

2款 新規信託分割

159条 (関係当事者の合意等)

1項 新規 信託 分割は、 委託者 受託者 及び 受益者 の合意によってすることができる。この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。

1号 新規 信託 分割後の信託行為の内容

2号 信託 行為において定める 受益権 の内容に変更があるときは、その内容及び変更の理由

3号 新規 信託 分割に際して 受益者 に対し金銭その他の財産を交付するときは、当該財産の内容及びその価額

4号 新規 信託 分割がその効力を生ずる日

5号 移転する財産の内容

6号 新規 信託 分割により従前の信託の信託財産責任負担債務でなくなり、新たな信託の信託財産責任負担債務となる債務があるときは、当該債務に係る事項

7号 その他法務省令で定める事項

2項 前項の規定にかかわらず、新規 信託 分割は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。この場合において、 受託者 は、第1号に掲げるときは 委託者 に対し、第2号に掲げるときは委託者及び 受益者 に対し、遅滞なく、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。

1号 信託 の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者 及び 受益者 の合意

2号 信託 の目的に反しないこと及び 受益者 の利益に適合することが明らかであるとき 受託者 の書面又は電磁的記録によってする意思表示

3項 前2項の規定にかかわらず、各 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

4項 委託者 が現に存しない場合においては、第1項の規定は適用せず、第2項中「第1号に掲げるときは委託者に対し、第2号に掲げるときは委託者及び 受益者 に対し」とあるのは、「第2号に掲げるときは、受益者に対し」とする。

160条 (債権者の異議)

1項 新規 信託 分割をする場合には、従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、 受託者 に対し、新規信託分割について異議を述べることができる。ただし、新規信託分割をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限りでない。

2項 前項の規定により同項の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、 受託者 は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別に催告しなければならない。ただし、第2号の期間は、1箇月を下ることができない。

1号 新規 信託 分割をする旨

2号 前項の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨

3号 その他法務省令で定める事項

3項 前項の規定にかかわらず、法人である 受託者 は、公告(次に掲げる方法によるものに限る。)をもって同項の規定による各別の催告に代えることができる。

1号 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法

2号 電子公告

4項 第1項の債権者が第2項第2号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新規 信託 分割について承認をしたものとみなす。

5項 第1項の債権者が第2項第2号の期間内に異議を述べたときは、 受託者 は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として 信託 会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該新規信託分割をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。

161条 (新規信託分割後の従前の信託及び新たな信託の信託財産責任負担債務の範囲等)

1項 新規 信託 分割がされた場合において、 第159条第1項第6号 《新規信託分割は、委託者、受託者及び受益者…》 の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 1 新規信託分割後の信託行為の内容 2 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、そ の債務は、新規信託分割後の従前の信託の信託財産責任負担債務でなくなり、新規信託分割後の新たな信託の信託財産責任負担債務となる。この場合において、従前の信託の信託財産限定責任負担債務であった債務は、新たな信託の信託財産限定責任負担債務となる。

162条

1項 第160条第1項 《新規信託分割をする場合には、従前の信託の…》 信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、新規信託分割について異議を述べることができる。 ただし、新規信託分割をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限 の規定により異議を述べることができる債権者(同条第2項の規定により各別の催告をしなければならないものに限る。)は、同条第2項の催告を受けなかった場合には、新規 信託 分割前から有する次の各号に掲げる債権に基づき、 受託者 に対し、当該各号に定める財産をもって当該債権に係る債務を履行することを請求することもできる。ただし、第1号に定める財産に対しては新規信託分割がその効力を生ずる日における新たな信託の信託財産の価額を、第2号に定める財産に対しては当該日における従前の信託の信託財産の価額を限度とする。

1号 従前の 信託 の信託財産責任負担債務に係る債権( 第159条第1項第6号 《新規信託分割は、委託者、受託者及び受益者…》 の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 1 新規信託分割後の信託行為の内容 2 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、そ の債務に係る債権を除く。)新規信託分割後の新たな信託の信託財産に属する財産

2号 新たな 信託 の信託財産責任負担債務に係る債権となった債権( 第159条第1項第6号 《新規信託分割は、委託者、受託者及び受益者…》 の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 1 新規信託分割後の信託行為の内容 2 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、そ の債務に係る債権に限る。)新規信託分割後の従前の信託の信託財産に属する財産

7章 信託の終了及び清算 > 1節 信託の終了

163条 (信託の終了事由)

1項 信託 は、次条の規定によるほか、次に掲げる場合に終了する。

1号 信託 の目的を達成したとき、又は信託の目的を達成することができなくなったとき。

2号 受託者 受益権 の全部を 固有財産 で有する状態が1年間継続したとき。

3号 受託者 が欠けた場合であって、 新受託者 が就任しない状態が1年間継続したとき。

4号 受託者 第52条 《信託財産が費用等の償還等に不足している場…》 合の措置 受託者は、第48条第1項又は第2項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けるのに信託財産第49条第2項の規定により処分することができないものを除く。第1号及び第4項において 第53条第2項 《2 第48条第4項及び第5項、第49条第…》 6項及び第7項を除く。並びに前2条の規定は、前項の規定による信託財産からの損害の賠償について準用する。 及び 第54条第4項 《4 第48条第4項及び第5項、第49条第…》 6項及び第7項を除く。、第51条並びに第52条並びに民法第648条第2項及び第3項並びに第648条の2の規定は、受託者の信託報酬について準用する。 において準用する場合を含む。)の規定により 信託 を終了させたとき。

5号 信託 の併合がされたとき。

6号 第165条 《特別の事情による信託の終了を命ずる裁判 …》 信託行為の当時予見することのできなかった特別の事情により、信託を終了することが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして受益者の利益に適合するに至ったことが明らかであるときは、裁判所は、委託 又は 第166条 《公益の確保のための信託の終了を命ずる裁判…》 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため信託の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより、信託の終了を命ずることがで の規定により 信託 の終了を命ずる裁判があったとき。

7号 信託 財産についての破産手続開始の決定があったとき。

8号 委託者 が破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定を受けた場合において、 破産法 第53条第1項 《双務契約について破産者及びその相手方が破…》 産手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、破産管財人は、契約の解除をし、又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。 民事再生法 第49条第1項 《双務契約について再生債務者及びその相手方…》 が再生手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、再生債務者等は、契約の解除をし、又は再生債務者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。 又は 会社更生法 第61条第1項 《双務契約について更生会社及びその相手方が…》 更生手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、管財人は、契約の解除をし、又は更生会社の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律 第41条第1項 《会社更生法第61条第1項から第4項まで及…》 び第62条の規定は、更生協同組織金融機関が当事者である双務契約について準用する。 及び 第206条第1項 《会社更生法第61条第1項から第4項まで及…》 び第62条の規定は、相互会社の更生手続における更生会社が当事者である双務契約について準用する。 において準用する場合を含む。)の規定による 信託 契約の解除がされたとき。

9号 信託 行為において定めた事由が生じたとき。

164条 (委託者及び受益者の合意等による信託の終了)

1項 委託者 及び 受益者 は、いつでも、その合意により、 信託 を終了することができる。

2項 委託者 及び 受益者 受託者 に不利な時期に 信託 を終了したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。

3項 前2項の規定にかかわらず、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

4項 委託者 が現に存しない場合には、第1項及び第2項の規定は、適用しない。

165条 (特別の事情による信託の終了を命ずる裁判)

1項 信託 行為の当時予見することのできなかった特別の事情により、信託を終了することが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして 受益者 の利益に適合するに至ったことが明らかであるときは、裁判所は、 委託者 受託者 又は受益者の申立てにより、信託の終了を命ずることができる。

2項 裁判所は、前項の申立てについての裁判をする場合には、 受託者 の陳述を聴かなければならない。ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。

3項 第1項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。

4項 第1項の申立てについての裁判に対しては、 委託者 受託者 又は 受益者 に限り、即時抗告をすることができる。

5項 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。

166条 (公益の確保のための信託の終了を命ずる裁判)

1項 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため 信託 の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は 委託者 受益者 、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより、信託の終了を命ずることができる。

1号 不法な目的に基づいて 信託 がされたとき。

2号 受託者 が、法令若しくは 信託 行為で定めるその権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。

2項 裁判所は、前項の申立てについての裁判をする場合には、 受託者 の陳述を聴かなければならない。ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。

3項 第1項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。

4項 第1項の申立てについての裁判に対しては、同項の申立てをした者又は 委託者 受託者 若しくは 受益者 に限り、即時抗告をすることができる。

5項 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。

6項 委託者 受益者 信託 債権者その他の利害関係人が第1項の申立てをしたときは、裁判所は、 受託者 の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。

7項 受託者 は、前項の規定による申立てをするには、第1項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。

8項 民事訴訟法 1996年法律第109号第75条第5項 《5 裁判所は、第1項の決定において、担保…》 の額及び担保を立てるべき期間を定めなければならない。 及び第7項並びに 第76条 《担保提供の方法 担保を立てるには、担保…》 を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭又は裁判所が相当と認める有価証券社債、株式等の振替に関する法律2001年法律第75号第278条第1項に規定する振替債 から 第80条 《担保の変換 裁判所は、担保を立てた者の…》 申立てにより、決定で、その担保の変換を命ずることができる。 ただし、その担保を契約によって他の担保に変換することを妨げない。 までの規定は、第6項の規定により第1項の申立てについて立てるべき担保について準用する。

167条 (官庁等の法務大臣に対する通知義務)

1項 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上前条第1項の申立て又は同項第2号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。

168条 (法務大臣の関与)

1項 裁判所は、 第166条第1項 《裁判所は、次に掲げる場合において、公益を…》 確保するため信託の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより、信託の終了を命ずることができる。 1 不法な目的に基づいて信託がされた の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。

2項 法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。

3項 裁判所は、法務大臣に対し、第1項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。

4項 第1項の申立てを却下する裁判に対しては、 第166条第4項 《4 第1項の申立てについての裁判に対して…》 は、同項の申立てをした者又は委託者、受託者若しくは受益者に限り、即時抗告をすることができる。 に規定する者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。

169条 (信託財産に関する保全処分)

1項 裁判所は、 第166条第1項 《裁判所は、次に掲げる場合において、公益を…》 確保するため信託の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより、信託の終了を命ずることができる。 1 不法な目的に基づいて信託がされた の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは 委託者 受益者 信託 債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、信託財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次条において「 管理命令 」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。

2項 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。

3項 第1項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、利害関係人に限り、即時抗告をすることができる。

170条

1項 裁判所は、 管理命令 をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。

2項 前項の管理人は、裁判所が監督する。

3項 裁判所は、第1項の管理人に対し、 信託 財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。

4項 第64条 《信託財産管理者の選任等 裁判所は、信託…》 財産管理命令をする場合には、当該信託財産管理命令において、信託財産管理者を選任しなければならない。 2 前項の規定による信託財産管理者の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 3 裁判 から 第72条 《信託財産管理者による新受託者への信託事務…》 の引継ぎ等 第77条の規定は、信託財産管理者の選任後に新受託者が就任した場合について準用する。 この場合において、同条第1項中「受益者2人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信 までの規定は、第1項の管理人について準用する。この場合において、 第65条 《前受託者がした法律行為の効力 前受託者…》 が前条第1項の規定による信託財産管理者の選任の裁判があった後に信託財産に属する財産に関してした法律行為は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。 2 前受託者が前条第1項の規定 中「 前受託者 」とあるのは、「 受託者 」と読み替えるものとする。

5項 信託 財産に属する権利で登記又は登録がされたものに関し前条第1項の規定による保全処分( 管理命令 を除く。)があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記又は登録を嘱託しなければならない。

6項 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。

171条 (保全処分に関する費用の負担)

1項 裁判所が 第169条第1項 《裁判所は、第166条第1項の申立てがあっ…》 た場合には、法務大臣若しくは委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、信託財産に関し、管理人による管理を命ずる処分次条において「管理命 の規定による保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、 受託者 の負担とする。当該保全処分について必要な費用も、同様とする。

2項 前項の保全処分又は 第169条第1項 《裁判所は、第166条第1項の申立てがあっ…》 た場合には、法務大臣若しくは委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、信託財産に関し、管理人による管理を命ずる処分次条において「管理命 の申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、 受託者 の負担とする。

172条 (保全処分に関する資料の閲覧等)

1項 利害関係人は、裁判所書記官に対し、 第170条第3項 《3 裁判所は、第1項の管理人に対し、信託…》 財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。

2項 利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。

3項 前項の規定は、第1項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。

4項 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第1項の資料の閲覧を請求することができる。

5項 民事訴訟法 第91条第5項 《5 非電磁的訴訟記録の閲覧、謄写及び複製…》 の請求は、非電磁的訴訟記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。 の規定は、第1項の資料について準用する。

172条の2 (保全処分に関する記録事項の閲覧等)

1項 利害関係人は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、 第170条第3項 《3 裁判所は、第1項の管理人に対し、信託…》 財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 の報告又は計算に関し裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。次項及び第3項において同じ。)に備えられたファイルに記録された事項(以下この条において「 報告等記録事項 」という。)の内容を最高裁判所規則で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。

2項 利害関係人は、裁判所書記官に対し、 報告等記録事項 について、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機と手続の相手方の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。次項において同じ。)を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法による複写を請求することができる。

3項 利害関係人は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、 報告等記録事項 の全部若しくは一部を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該書面の内容が報告等記録事項と同一であることを証明したものを交付し、又は報告等記録事項の全部若しくは一部を記録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該電磁的記録の内容が報告等記録事項と同一であることを証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。

4項 前条第4項及び 民事訴訟法 第91条第5項 《5 非電磁的訴訟記録の閲覧、謄写及び複製…》 の請求は、非電磁的訴訟記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。 の規定は、 報告等記録事項 について準用する。

173条 (新受託者の選任)

1項 裁判所は、 第166条第1項 《裁判所は、次に掲げる場合において、公益を…》 確保するため信託の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより、信託の終了を命ずることができる。 1 不法な目的に基づいて信託がされた の規定により 信託 の終了を命じた場合には、法務大臣若しくは 委託者 受益者 、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、当該信託の清算のために 新受託者 を選任しなければならない。

2項 前項の規定による 新受託者 の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

3項 第1項の規定により 新受託者 が選任されたときは、 前受託者 の任務は、終了する。

4項 第1項の 新受託者 は、 信託 財産から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。

5項 前項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判をする場合には、第1項の 新受託者 の陳述を聴かなければならない。

6項 第4項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判に対しては、第1項の 新受託者 に限り、即時抗告をすることができる。

174条 (終了した信託に係る吸収信託分割の制限)

1項 信託 が終了した場合には、当該信託を 承継信託 とする 吸収信託分割 は、することができない。

2節 信託の清算

175条 (清算の開始原因)

1項 信託 は、当該信託が終了した場合( 第163条第5号 《信託の終了事由 第163条 信託は、次条…》 の規定によるほか、次に掲げる場合に終了する。 1 信託の目的を達成したとき、又は信託の目的を達成することができなくなったとき。 2 受託者が受益権の全部を固有財産で有する状態が1年間継続したとき。 3 に掲げる事由によって終了した場合及び信託財産についての破産手続開始の決定により終了した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。)には、この節の定めるところにより、清算をしなければならない。

176条 (信託の存続の擬制)

1項 信託 は、当該信託が終了した場合においても、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。

177条 (清算受託者の職務)

1項 信託 が終了した時以後の 受託者 以下「 清算受託者 」という。)は、次に掲げる職務を行う。

1号 現務の結了

2号 信託 財産に属する債権の取立て及び信託債権に係る債務の弁済

3号 受益債権 残余財産の給付を内容とするものを除く。)に係る債務の弁済

4号 残余財産の給付

178条 (清算受託者の権限等)

1項 清算受託者 は、 信託 の清算のために必要な一切の行為をする権限を有する。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

2項 清算受託者 は、次に掲げる場合には、 信託 財産に属する財産を競売に付することができる。

1号 受益者 又は 第182条第1項第2号 《残余財産は、次に掲げる者に帰属する。 1…》 信託行為において残余財産の給付を内容とする受益債権に係る受益者次項において「残余財産受益者」という。となるべき者として指定された者 2 信託行為において残余財産の帰属すべき者以下この節において「帰属 に規定する帰属権利者(以下この条において「 受益者等 」と総称する。)が 信託 財産に属する財産を受領することを拒み、又はこれを受領することができない場合において、相当の期間を定めてその受領の催告をしたとき。

2号 受益者 等の所在が不明である場合

3項 前項第1号の規定により 信託 財産に属する財産を競売に付したときは、遅滞なく、 受益者 等に対しその旨の通知を発しなければならない。

4項 損傷その他の事由による価格の低落のおそれがある物は、第2項第1号の催告をしないで競売に付することができる。

179条 (清算中の信託財産についての破産手続の開始)

1項 清算中の 信託 において、信託財産に属する財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、 清算受託者 は、直ちに信託財産についての破産手続開始の申立てをしなければならない。

2項 信託 財産についての破産手続開始の決定がされた場合において、 清算受託者 が既に信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に支払ったものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。

180条 (条件付債権等に係る債務の弁済)

1項 清算受託者 は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。

2項 前項の場合には、 清算受託者 は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。

3項 第1項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、 清算受託者 の負担とする。当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。

4項 第1項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。

5項 第1項の規定による鑑定人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

6項 前各項の規定は、 清算受託者 受益者 信託 債権者及び 第182条第1項第2号 《残余財産は、次に掲げる者に帰属する。 1…》 信託行為において残余財産の給付を内容とする受益債権に係る受益者次項において「残余財産受益者」という。となるべき者として指定された者 2 信託行為において残余財産の帰属すべき者以下この節において「帰属 に規定する帰属権利者の間に別段の合意がある場合には、適用しない。

181条 (債務の弁済前における残余財産の給付の制限)

1項 清算受託者 は、 第177条第2号 《清算受託者の職務 第177条 信託が終了…》 した時以後の受託者以下「清算受託者」という。は、次に掲げる職務を行う。 1 現務の結了 2 信託財産に属する債権の取立て及び信託債権に係る債務の弁済 3 受益債権残余財産の給付を内容とするものを除く。 及び第3号の債務を弁済した後でなければ、 信託 財産に属する財産を次条第2項に規定する残余財産 受益者 等に給付することができない。ただし、当該債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。

182条 (残余財産の帰属)

1項 残余財産は、次に掲げる者に帰属する。

1号 信託 行為において残余財産の給付を内容とする 受益債権 に係る 受益者 次項において「 残余財産受益者 」という。)となるべき者として指定された者

2号 信託 行為において残余財産の帰属すべき者(以下この節において「 帰属権利者 」という。)となるべき者として指定された者

2項 信託 行為に 残余財産受益者 若しくは 帰属権利者 以下この項において「 残余財産 受益者 」と総称する。)の指定に関する定めがない場合又は信託行為の定めにより残余財産受益者等として指定を受けた者のすべてがその権利を放棄した場合には、信託行為に 委託者 又はその相続人その他の一般承継人を帰属権利者として指定する旨の定めがあったものとみなす。

3項 前2項の規定により残余財産の帰属が定まらないときは、残余財産は、 清算受託者 に帰属する。

183条 (帰属権利者)

1項 信託 行為の定めにより 帰属権利者 となるべき者として指定された者は、当然に残余財産の給付をすべき債務に係る債権を取得する。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

2項 第88条第2項 《2 受託者は、前項に規定する受益者となる…》 べき者として指定された者が同項の規定により受益権を取得したことを知らないときは、その者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによ の規定は、前項に規定する 帰属権利者 となるべき者として指定された者について準用する。

3項 信託 行為の定めにより 帰属権利者 となった者は、 受託者 に対し、その権利を放棄する旨の意思表示をすることができる。ただし、信託行為の定めにより帰属権利者となった者が信託行為の当事者である場合は、この限りでない。

4項 前項本文に規定する 帰属権利者 となった者は、同項の規定による意思表示をしたときは、当初から帰属権利者としての権利を取得していなかったものとみなす。ただし、第三者の権利を害することはできない。

5項 第100条 《受益債権に係る受託者の責任 受益債権に…》 係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 及び 第102条 《受益債権の期間の制限 受益債権の消滅時…》 効は、次項及び第3項に定める事項を除き、債権の消滅時効の例による。 2 受益債権の消滅時効は、受益者が受益者としての指定を受けたことを知るに至るまでの間受益者が現に存しない場合にあっては、信託管理人が の規定は、 帰属権利者 が有する債権で残余財産の給付をすべき債務に係るものについて準用する。

6項 帰属権利者 は、 信託 の清算中は、 受益者 とみなす。

184条 (清算受託者の職務の終了等)

1項 清算受託者 は、その職務を終了したときは、遅滞なく、 信託 事務に関する最終の計算を行い、信託が終了した時における 受益者 信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人及び 帰属権利者 以下この条において「 受益者等 」と総称する。)のすべてに対し、その承認を求めなければならない。

2項 受益者 等が前項の計算を承認した場合には、当該受益者等に対する 清算受託者 の責任は、免除されたものとみなす。ただし、清算受託者の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。

3項 受益者 等が 清算受託者 から第1項の計算の承認を求められた時から1箇月以内に異議を述べなかった場合には、当該受益者等は、同項の計算を承認したものとみなす。

8章 受益証券発行信託の特例 > 1節 総則

185条 (受益証券の発行に関する信託行為の定め)

1項 信託 行為においては、この章の定めるところにより、一又は二以上の 受益権 を表示する証券(以下「 受益証券 」という。)を発行する旨を定めることができる。

2項 前項の規定は、当該 信託 行為において特定の内容の 受益権 については 受益証券 を発行しない旨を定めることを妨げない。

3項 第1項の定めのある 信託 以下「 受益証券発行信託 」という。)においては、信託の変更によって前2項の定めを変更することはできない。

4項 第1項の定めのない 信託 においては、信託の変更によって同項又は第2項の定めを設けることはできない。

186条 (受益権原簿)

1項 受益証券 発行 信託 受託者 は、遅滞なく、 受益権 原簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この章において「 受益権原簿記載事項 」という。)を記載し、又は記録しなければならない。

1号 受益権 に係る 受益債権 の内容その他の受益権の内容を特定するものとして法務省令で定める事項

2号 受益権 に係る 受益証券 の番号、発行の日、受益証券が記名式か又は無記名式かの別及び無記名式の受益証券の数

3号 受益権 に係る 受益者 無記名受益権の受益者を除く。)の氏名又は名称及び住所

4号 前号の 受益者 が各 受益権 を取得した日

5号 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項

187条 (受益権原簿記載事項を記載した書面の交付等)

1項 第185条第2項 《2 前項の規定は、当該信託行為において特…》 定の内容の受益権については受益証券を発行しない旨を定めることを妨げない。 の定めのある 受益権 受益者 は、 受益証券 発行 信託 受託者 に対し、当該受益者についての受益権原簿に記載され、若しくは記録された受益権原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該受益権原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。

2項 前項の書面には、 受益証券 発行 信託 受託者 法人である受託者にあっては、その代表者。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。

3項 第1項の電磁的記録には、 受益証券 発行 信託 受託者 が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。

4項 受益証券 発行 信託 受託者 が2人以上ある場合における前2項の規定の適用については、これらの規定中「受益証券発行信託の受託者」とあるのは、「受益証券発行信託のすべての受託者」とする。

188条 (受益権原簿管理人)

1項 受益証券 発行 信託 受託者 は、 受益権 原簿管理人(受益証券発行信託の受託者に代わって受益権原簿の作成及び備置きその他の受益権原簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を定め、当該事務を行うことを委託することができる。

189条 (基準日)

1項 受益証券 発行 信託 受託者 は、一定の日(以下この条において「 基準日 」という。)を定めて、 基準日 において 受益権 原簿に記載され、又は記録されている 受益者 以下この条において「 基準日受益者 」という。)をその権利を行使することができる者と定めることができる。

2項 前項の規定は、無記名 受益権 受益者 については、適用しない。

3項 基準日 を定める場合には、 受益証券 発行 信託 受託者 は、基準日受益者が行使することができる権利(基準日から3箇月以内に行使するものに限る。)の内容を定めなければならない。

4項 受益証券 発行 信託 受託者 は、 基準日 を定めたときは、当該基準日の2週間前までに、当該基準日及び前項の規定により定めた事項を官報に公告しなければならない。ただし、信託行為に当該基準日及び基準日受益者が行使することができる権利の内容について定めがあるときは、この限りでない。

5項 第1項、第3項及び前項本文の規定にかかわらず、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

190条 (受益権原簿の備置き及び閲覧等)

1項 受益証券 発行 信託 受託者 は、 受益権 原簿をその住所(当該受託者が法人である場合(受益権原簿管理人が現に存する場合を除く。)にあってはその主たる事務所、受益権原簿管理人が現に存する場合にあってはその営業所)に備え置かなければならない。

2項 委託者 受益者 その他の利害関係人は、 受益証券 発行 信託 受託者 に対し、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。

1号 受益権 原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

2号 受益権 原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

3項 前項の請求があったときは、 受益証券 発行 信託 受託者 は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。

1号 当該請求を行う者(以下この項において「 請求者 」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。

2号 請求者 が不適当な時に請求を行ったとき。

3号 請求者 信託 事務の処理を妨げ、又は 受益者 の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。

4号 請求者 が前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。

5号 請求者 が、過去2年以内において、前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。

4項 第186条第3号 《受益権原簿 第186条 受益証券発行信託…》 の受託者は、遅滞なく、受益権原簿を作成し、これに次に掲げる事項以下この章において「受益権原簿記載事項」という。を記載し、又は記録しなければならない。 1 各受益権に係る受益債権の内容その他の受益権の内 又は第4号に掲げる事項( 第185条第2項 《2 前項の規定は、当該信託行為において特…》 定の内容の受益権については受益証券を発行しない旨を定めることを妨げない。 の定めのない 受益権 に係るものに限る。)について第2項の請求があった場合において、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

191条 (受益者に対する通知等)

1項 受益証券 発行 信託 受託者 受益者 に対してする通知又は催告は、 受益権 原簿に記載し、又は記録した当該受益者の住所(当該受益者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該受託者に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。

2項 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。

3項 受益証券 発行 信託 受益権 が2人以上の者の共有に属するときは、共有者は、受益証券発行信託の 受託者 受益者 に対してする通知又は催告を受領する者1人を定め、当該受託者に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。この場合においては、その者を受益者とみなして、前2項の規定を適用する。

4項 前項の規定による共有者の通知がない場合には、 受益証券 発行 信託 受託者 受益権 の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの1人に対してすれば足りる。

5項 この法律の規定により 受益証券 発行 信託 受託者 が無記名 受益権 受益者 に対してすべき通知は、当該受益者のうち当該受託者に氏名又は名称及び住所の知れている者に対してすれば足りる。この場合においては、当該受託者は、その通知すべき事項を官報に公告しなければならない。

192条 (無記名受益権の受益者による権利の行使)

1項 無記名 受益権 受益者 は、 受益証券 発行 信託 受託者 その他の者に対しその権利を行使しようとするときは、その受益証券を当該受託者その他の者に提示しなければならない。

2項 無記名 受益権 受益者 は、受益者集会において議決権を行使しようとするときは、受益者集会の日の1週間前までに、その 受益証券 第108条 《受益者集会の招集の決定 受益者集会を招…》 集する者以下この款において「招集者」という。は、受益者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 1 受益者集会の日時及び場所 2 受益者集会の目的である事項があるときは、当該事項 に規定する 招集者 に提示しなければならない。

193条 (共有者による権利の行使)

1項 受益証券 発行 信託 受益権 が2人以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該受益権についての権利を行使する者1人を定め、受益証券発行信託の 受託者 に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該受益権についての権利を行使することができない。ただし、当該受託者が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。

2節 受益権の譲渡等の特例

194条 (受益証券の発行された受益権の譲渡)

1項 受益証券 発行 信託 受益権 第185条第2項 《2 前項の規定は、当該信託行為において特…》 定の内容の受益権については受益証券を発行しない旨を定めることを妨げない。 の定めのある受益権を除く。)の譲渡は、当該受益権に係る受益証券を交付しなければ、その効力を生じない。

195条 (受益証券発行信託における受益権の譲渡の対抗要件)

1項 受益証券 発行 信託 受益権 の譲渡は、その受益権を取得した者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければ、受益証券発行信託の 受託者 に対抗することができない。

2項 第185条第2項 《2 前項の規定は、当該信託行為において特…》 定の内容の受益権については受益証券を発行しない旨を定めることを妨げない。 の定めのある 受益権 に関する前項の規定の適用については、同項中「 受託者 」とあるのは、「受託者その他の第三者」とする。

3項 第1項の規定は、無記名 受益権 については、適用しない。

196条 (権利の推定等)

1項 受益証券 の占有者は、当該受益証券に係る 受益権 を適法に有するものと推定する。

2項 受益証券 の交付を受けた者は、当該受益証券に係る 受益権 についての権利を取得する。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。

197条 (受益者の請求によらない受益権原簿記載事項の記載又は記録)

1項 受益証券 発行 信託 受託者 は、次の各号に掲げる場合には、法務省令で定めるところにより、当該各号の 受益権 受益者 に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。

1号 受益証券 発行 信託 受益権 を取得した場合において、当該受益権が消滅しなかったとき。

2号 前号の 受益証券 発行 信託 受益権 を処分したとき。

2項 受益証券 発行 信託 受託者 は、信託の変更によって 受益権 の併合がされた場合には、併合された受益権について、その受益権の 受益者 に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。

3項 受益証券 発行 信託 受託者 は、信託の変更によって 受益権 の分割がされた場合には、分割された受益権について、その受益権の 受益者 に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。

4項 前3項の規定は、無記名 受益権 については、適用しない。

198条 (受益者の請求による受益権原簿記載事項の記載又は記録)

1項 受益証券 発行 信託 受益権 を受益証券発行信託の 受託者 以外の者から取得した者(当該受託者を除く。)は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益権に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。

2項 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した 受益権 受益者 として受益権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。

3項 前2項の規定は、無記名 受益権 については、適用しない。

199条 (受益証券の発行された受益権の質入れ)

1項 受益証券 発行 信託 受益権 第185条第2項 《2 前項の規定は、当該信託行為において特…》 定の内容の受益権については受益証券を発行しない旨を定めることを妨げない。 の定めのある受益権を除く。)の質入れは、当該受益権に係る受益証券を交付しなければ、その効力を生じない。

200条 (受益証券発行信託における受益権の質入れの対抗要件)

1項 受益証券 発行 信託 受益権 第185条第2項 《2 前項の規定は、当該信託行為において特…》 定の内容の受益権については受益証券を発行しない旨を定めることを妨げない。 の定めのある受益権を除く。)の質権者は、継続して当該受益権に係る受益証券を占有しなければ、その質権をもって受益証券発行信託の 受託者 その他の第三者に対抗することができない。

2項 第185条第2項 《2 前項の規定は、当該信託行為において特…》 定の内容の受益権については受益証券を発行しない旨を定めることを妨げない。 の定めのある 受益権 の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければ、 受益証券 発行 信託 受託者 その他の第三者に対抗することができない。

201条 (質権に関する受益権原簿の記載等)

1項 受益証券 発行 信託 受益権 に質権を設定した者は、受益証券発行信託の 受託者 に対し、次に掲げる事項を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。

1号 質権者の氏名又は名称及び住所

2号 質権の目的である 受益権

2項 前項の規定は、無記名 受益権 については、適用しない。

202条 (質権に関する受益権原簿の記載事項を記載した書面の交付等)

1項 前条第1項各号に掲げる事項が 受益権 原簿に記載され、又は記録された質権者(以下この節において「 登録受益権質権者 」という。)は、 受益証券 発行 信託 受託者 に対し、当該 登録受益権質権者 についての受益権原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。

2項 前項の書面には、 受益証券 発行 信託 受託者 法人である受託者にあっては、その代表者。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。

3項 第1項の電磁的記録には、 受益証券 発行 信託 受託者 が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。

4項 受益証券 発行 信託 受託者 が2人以上ある場合における前2項の規定の適用については、これらの規定中「受益証券発行信託の受託者」とあるのは、「受益証券発行信託のすべての受託者」とする。

203条 (登録受益権質権者に対する通知等)

1項 受益証券 発行 信託 受託者 登録受益権質権者 に対してする通知又は催告は、 受益権 原簿に記載し、又は記録した当該登録受益権質権者の住所(当該登録受益権質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該受託者に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。

2項 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。

204条 (受益権の併合又は分割に係る受益権原簿の記載等)

1項 受益証券 発行 信託 受託者 は、信託の変更によって 受益権 の併合がされた場合において、当該受益権を目的とする質権の質権者が 登録受益権質権者 であるときは、併合された受益権について、その質権者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。

2項 受益証券 発行 信託 受託者 は、信託の変更によって 受益権 の分割がされた場合において、当該受益権を目的とする質権の質権者が 登録受益権質権者 であるときは、分割された受益権について、その質権者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。

205条

1項 受益証券 発行 信託 受託者 は、前条第1項に規定する場合には、併合された 受益権 に係る受益証券を 登録受益権質権者 に引き渡さなければならない。

2項 受益証券 発行 信託 受託者 は、前条第2項に規定する場合には、分割された 受益権 に係る受益証券を 登録受益権質権者 に引き渡さなければならない。

206条 (受益証券の発行されない受益権についての対抗要件等)

1項 第185条第2項 《2 前項の規定は、当該信託行為において特…》 定の内容の受益権については受益証券を発行しない旨を定めることを妨げない。 の定めのある 受益権 で他の 信託 の信託財産に属するものについては、当該受益権が信託財産に属する旨を受益権原簿に記載し、又は記録しなければ、当該受益権が信託財産に属することを 受益証券 発行信託の 受託者 その他の第三者に対抗することができない。

2項 前項の 受益権 が属する他の 信託 受託者 は、 受益証券 発行信託の受託者に対し、当該受益権が信託財産に属する旨を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。

3項 受益権 原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における 第187条 《受益権原簿記載事項を記載した書面の交付等…》 第185条第2項の定めのある受益権の受益者は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益者についての受益権原簿に記載され、若しくは記録された受益権原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該受益権原簿記 の規定の適用については、同条第1項中「 第185条第2項 《2 前項の規定は、当該信託行為において特…》 定の内容の受益権については受益証券を発行しない旨を定めることを妨げない。 の定めのある受益権の 受益者 」とあるのは「 第206条第1項 《第185条第2項の定めのある受益権で他の…》 信託の信託財産に属するものについては、当該受益権が信託財産に属する旨を受益権原簿に記載し、又は記録しなければ、当該受益権が信託財産に属することを受益証券発行信託の受託者その他の第三者に対抗することがで の受益権が属する他の 信託 受託者 」と、「当該受益者」とあるのは「当該受益権」と、「記録された受益権原簿記載事項」とあるのは「記録された受益権原簿記載事項(当該受益権が信託財産に属する旨を含む。)」とする。

3節 受益証券

207条 (受益証券の発行)

1項 受益証券 発行 信託 受託者 は、信託行為の定めに従い、遅滞なく、当該 受益権 に係る受益証券を発行しなければならない。

208条 (受益証券不所持の申出)

1項 受益証券 発行 信託 受益者 は、受益証券発行信託の 受託者 に対し、当該受益者の有する 受益権 に係る受益証券の所持を希望しない旨を申し出ることができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

2項 前項の規定による申出は、その申出に係る 受益権 の内容を明らかにしてしなければならない。この場合において、当該受益権に係る 受益証券 が発行されているときは、当該 受益者 は、当該受益証券を受益証券発行 信託 受託者 に提出しなければならない。

3項 第1項の規定による申出を受けた 受益証券 発行 信託 受託者 は、遅滞なく、前項前段の 受益権 に係る受益証券を発行しない旨を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。

4項 受益証券 発行 信託 受託者 は、前項の規定による記載又は記録をしたときは、第2項前段の 受益権 に係る受益証券を発行することができない。

5項 第2項後段の規定により提出された 受益証券 は、第3項の規定による記載又は記録をした時において、無効となる。

6項 第1項の規定による申出をした 受益者 は、いつでも、 受益証券 発行 信託 受託者 に対し、第2項前段の 受益権 に係る受益証券を発行することを請求することができる。この場合において、同項後段の規定により提出された受益証券があるときは、受益証券の発行に要する費用は、当該受益者の負担とする。

7項 前各項の規定は、無記名 受益権 については、適用しない。

209条 (受益証券の記載事項)

1項 受益証券 には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、受益証券発行 信託 受託者 法人である受託者にあっては、その代表者)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。

1号 受益証券 発行 信託 の受益証券である旨

2号 当初の 委託者 及び 受益証券 発行 信託 受託者 の氏名又は名称及び住所

3号 記名式の 受益証券 にあっては、 受益者 の氏名又は名称

4号 受益権 に係る 受益債権 の内容その他の受益権の内容を特定するものとして法務省令で定める事項

5号 受益証券 発行 信託 受託者 に対する 費用等 の償還及び損害の賠償に関する信託行為の定め

6号 信託 報酬の計算方法並びにその支払の方法及び時期

7号 記名式の 受益証券 をもって表示される 受益権 について譲渡の制限があるときは、その旨及びその内容

8号 受益者 の権利の行使に関する 信託 行為の定め(信託監督人及び受益者代理人に係る事項を含む。

9号 その他法務省令で定める事項

2項 受益証券 発行 信託 受託者 が2人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「受益証券発行信託の受託者」とあるのは、「受益証券発行信託のすべての受託者」とする。

210条 (記名式と無記名式との間の転換)

1項 受益証券 が発行されている 受益権 受益者 は、いつでも、その記名式の受益証券を無記名式とし、又はその無記名式の受益証券を記名式とすることを請求することができる。ただし、 信託 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

211条 (受益証券の喪失)

1項 受益証券 は、 非訟事件手続法 2011年法律第51号第100条 《管轄裁判所 公示催告手続公示催告によっ…》 て当該公示催告に係る権利につき失権の効力を生じさせるための一連の手続をいう。以下この章において同じ。に係る事件第112条第1項において「公示催告事件」という。は、公示催告に係る権利を有する者の普通裁判 に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。

2項 受益証券 を喪失した者は、 非訟事件手続法 第106条第1項 《権利の届出の終期前条第1項又は第2項の規…》 定により審理終結日が定められた場合にあっては、審理終結日。以下この条において同じ。までに適法な権利の届出又は権利を争う旨の申述がないときは、裁判所は、第104条第1項の場合を除き、当該公示催告の申立て に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。

3項 受益証券 を喪失した者が 非訟事件手続法 第114条 《申立権者 盗取され、紛失し、又は滅失し…》 た有価証券のうち、法令の規定により無効とすることができるものであって、次の各号に掲げるものを無効とする旨の宣言をするためにする公示催告の申立ては、それぞれ当該各号に定める者がすることができる。 1 無 に規定する公示催告の申立てをしたときは、当該受益証券を喪失した者は、相当の担保を供して、受益証券発行 信託 受託者 に当該受益証券に係る債務を履行させることができる。

4節 関係当事者の権利義務等の特例

212条 (受益証券発行信託の受託者の義務の特例)

1項 受益証券 発行 信託 においては、 第29条第2項 《2 受託者は、信託事務を処理するに当たっ…》 ては、善良な管理者の注意をもって、これをしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる注意をもって、これをするものとする。 ただし書の規定にかかわらず、信託行為の定めにより同項本文の義務を軽減することはできない。

2項 受益証券 発行 信託 においては、 第35条第4項 《4 前項ただし書の規定にかかわらず、信託…》 行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 の規定は、適用しない。

213条 (受益者の権利行使の制限に関する信託行為の定めの特例)

1項 受益証券 発行 信託 においては、 第92条第1号 《信託行為の定めによる受益者の権利行使の制…》 限の禁止 第92条 受益者による次に掲げる権利の行使は、信託行為の定めにより制限することができない。 1 この法律の規定による裁判所に対する申立権 2 第5条第1項の規定による催告権 3 第23条第5 、第5号、第6号及び第8号の規定にかかわらず、次に掲げる権利の全部又は一部について、総 受益者 の議決権の100分の三(これを下回る割合を信託行為において定めた場合にあっては、その割合。以下この項において同じ。)以上の割合の 受益権 を有する受益者又は現に存する受益権の総数の100分の三以上の数の受益権を有する受益者に限り当該権利を行使することができる旨の信託行為の定めを設けることができる。

1号 第27条第1項 《受託者が信託財産のためにした行為がその権…》 限に属しない場合において、次のいずれにも該当するときは、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 1 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が信託財産のためにされたものであることを知っていたこ 又は第2項(これらの規定を 第75条第4項 《4 第27条の規定は、新受託者等が就任す…》 るに至るまでの間に前受託者がその権限に属しない行為をした場合について準用する。 において準用する場合を含む。)の規定による取消権

2号 第31条第6項 《6 第4項に規定する場合において、受託者…》 が第三者との間において第1項第1号又は第2号の財産について処分その他の行為をしたときは、当該第三者が同項及び第2項の規定に違反して第1項第1号又は第2号に掲げる行為がされたことを知っていたとき又は知ら 又は第7項の規定による取消権

3号 第38条第1項 《受益者は、受託者に対し、次に掲げる請求を…》 することができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 1 前条第1項又は第5項の書類の閲覧又は謄写の請求 2 前条第1項又は第5項の電磁的記録に記録された事項を法務 の規定による閲覧又は謄写の請求権

4号 第46条第1項 《受託者の信託事務の処理に関し、不正の行為…》 又は法令若しくは信託行為の定めに違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、受益者は、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を調査させるため、裁判 の規定による検査役の選任の申立権

2項 受益証券 発行 信託 においては、 第92条第1号 《信託行為の定めによる受益者の権利行使の制…》 限の禁止 第92条 受益者による次に掲げる権利の行使は、信託行為の定めにより制限することができない。 1 この法律の規定による裁判所に対する申立権 2 第5条第1項の規定による催告権 3 第23条第5 の規定にかかわらず、次に掲げる権利の全部又は一部について、総 受益者 の議決権の10分の一(これを下回る割合を信託行為において定めた場合にあっては、その割合。以下この項において同じ。)以上の割合の 受益権 を有する受益者又は現に存する受益権の総数の10分の一以上の数の受益権を有する受益者に限り当該権利を行使することができる旨の信託行為の定めを設けることができる。

1号 第150条第1項 《信託行為の当時予見することのできなかった…》 特別の事情により、信託事務の処理の方法に係る信託行為の定めが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして受益者の利益に適合しなくなるに至ったときは、裁判所は、委託者、受託者又は受益者の申立てによ の規定による 信託 の変更を命ずる裁判の申立権

2号 第165条第1項 《信託行為の当時予見することのできなかった…》 特別の事情により、信託を終了することが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして受益者の利益に適合するに至ったことが明らかであるときは、裁判所は、委託者、受託者又は受益者の申立てにより、信託の の規定による 信託 の終了を命ずる裁判の申立権

3項 受益証券 発行 信託 において、 第39条第1項 《受益者が2人以上ある信託においては、受益…》 者は、受託者に対し、次に掲げる事項を相当な方法により開示することを請求することができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 1 他の受益者の氏名又は名称及び住所 2 の規定による開示が同条第3項の信託行為の定めにより制限されているときは、前2項の規定は、適用しない。

4項 受益証券 発行 信託 においては、 第92条第11号 《信託行為の定めによる受益者の権利行使の制…》 限の禁止 第92条 受益者による次に掲げる権利の行使は、信託行為の定めにより制限することができない。 1 この法律の規定による裁判所に対する申立権 2 第5条第1項の規定による催告権 3 第23条第5 の規定にかかわらず、6箇月(これを下回る期間を信託行為において定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き 受益権 を有する 受益者 に限り 第44条第1項 《受託者が法令若しくは信託行為の定めに違反…》 する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって信託財産に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、受益者は、当該受託者に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 の規定による差止めの請求権を行使することができる旨の信託行為の定めを設けることができる。

214条 (2人以上の受益者による意思決定の方法の特例)

1項 受益者 が2人以上ある 受益証券 発行 信託 においては、信託行為に別段の定めがない限り、信託行為に受益者の意思決定( 第92条 《信託行為の定めによる受益者の権利行使の制…》 限の禁止 受益者による次に掲げる権利の行使は、信託行為の定めにより制限することができない。 1 この法律の規定による裁判所に対する申立権 2 第5条第1項の規定による催告権 3 第23条第5項又は 各号に掲げる権利の行使に係るものを除く。)は第4章第3節第2款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めがあるものとみなす。

215条 (委託者の権利の特例)

1項 受益証券 発行 信託 においては、この法律の規定による 委託者 の権利のうち次に掲げる権利は、 受益者 がこれを行使する。

1号 第36条 《信託事務の処理の状況についての報告義務 …》 委託者又は受益者は、受託者に対し、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況について報告を求めることができる。 の規定による報告を求める権利

2号 第58条第4項 《4 受託者がその任務に違反して信託財産に…》 著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、委託者又は受益者の申立てにより、受託者を解任することができる。 第134条第2項 《2 第57条の規定は信託監督人の辞任につ…》 いて、第58条の規定は信託監督人の解任について、それぞれ準用する。 及び 第141条第2項 《2 第57条の規定は受益者代理人の辞任に…》 ついて、第58条の規定は受益者代理人の解任について、それぞれ準用する。 において準用する場合を含む。)、 第62条第4項 《4 第1項の場合において、同項の合意に係…》 る協議の状況その他の事情に照らして必要があると認めるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、新受託者を選任することができる。 第135条第1項 《第62条の規定は、前条第1項において準用…》 する第56条第1項各号の規定により信託監督人の任務が終了した場合における新たな信託監督人次項において「新信託監督人」という。の選任について準用する。 及び 第142条第1項 《第62条の規定は、前条第1項において準用…》 する第56条第1項各号の規定により受益者代理人の任務が終了した場合における新たな受益者代理人次項において「新受益者代理人」という。の選任について準用する。 この場合において、第62条第2項及び第4項中 において準用する場合を含む。)、 第63条第1項 《第56条第1項各号に掲げる事由により受託…》 者の任務が終了した場合において、新受託者が選任されておらず、かつ、必要があると認めるときは、新受託者が選任されるまでの間、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託財産管理者による管理を命ずる処分以下こ第74条第2項 《2 前項に規定する場合において、必要があ…》 ると認めるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託財産法人管理人による管理を命ずる処分第6項において「信託財産法人管理命令」という。をすることができる。第131条第4項 《4 受益者が受託者の監督を適切に行うこと…》 ができない特別の事情がある場合において、信託行為に信託監督人に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより信託監督人となるべき者として指定された者が就任の承諾をせず、若しくはこれをすることができない第150条第1項 《信託行為の当時予見することのできなかった…》 特別の事情により、信託事務の処理の方法に係る信託行為の定めが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして受益者の利益に適合しなくなるに至ったときは、裁判所は、委託者、受託者又は受益者の申立てによ第165条第1項 《信託行為の当時予見することのできなかった…》 特別の事情により、信託を終了することが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして受益者の利益に適合するに至ったことが明らかであるときは、裁判所は、委託者、受託者又は受益者の申立てにより、信託の第166条第1項 《裁判所は、次に掲げる場合において、公益を…》 確保するため信託の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより、信託の終了を命ずることができる。 1 不法な目的に基づいて信託がされた第169条第1項 《裁判所は、第166条第1項の申立てがあっ…》 た場合には、法務大臣若しくは委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、信託財産に関し、管理人による管理を命ずる処分次条において「管理命 又は 第173条第1項 《裁判所は、第166条第1項の規定により信…》 託の終了を命じた場合には、法務大臣若しくは委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、当該信託の清算のために新受託者を選任しなければならない。 の規定による申立権

3号 第62条第2項 《2 第56条第1項各号に掲げる事由により…》 受託者の任務が終了した場合において、信託行為に新受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、新受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をす第131条第2項 《2 信託行為に信託監督人となるべき者を指…》 定する定めがあるときは、利害関係人は、信託監督人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに 又は 第138条第2項 《2 信託行為に受益者代理人となるべき者を…》 指定する定めがあるときは、利害関係人は、受益者代理人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定 の規定による催告権

4号 第172条第1項 《利害関係人は、裁判所書記官に対し、第17…》 0条第3項の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。 、第2項若しくは第3項後段の規定による閲覧、謄写若しくは交付若しくは複製又は 第172条の2第1項 《利害関係人は、裁判所書記官に対し、最高裁…》 判所規則で定めるところにより、第170条第3項の報告又は計算に関し裁判所の使用に係る電子計算機入出力装置を含む。次項及び第3項において同じ。に備えられたファイルに記録された事項以下この条において「報告 から第3項までの規定による閲覧、複写若しくは交付若しくは提供の請求権

5号 第190条第2項 《2 委託者、受益者その他の利害関係人は、…》 受益証券発行信託の受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 1 受益権原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲 の規定による閲覧又は謄写の請求権

9章 限定責任信託の特例 > 1節 総則

216条 (限定責任信託の要件)

1項 限定責任信託 は、 信託 行為においてそのすべての信託財産責任負担債務について 受託者 が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う旨の定めをし、 第232条 《限定責任信託の定めの登記 信託行為にお…》 いて第216条第1項の定めがされたときは、限定責任信託の定めの登記は、2週間以内に、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 1 限定責任信託の目的 2 限定責任信託の名称 3 受託者の氏名又は の定めるところにより登記をすることによって、限定責任信託としての効力を生ずる。

2項 前項の 信託 行為においては、次に掲げる事項を定めなければならない。

1号 限定責任信託 の目的

2号 限定責任信託 の名称

3号 委託者 及び 受託者 の氏名又は名称及び住所

4号 限定責任信託 の主たる 信託 事務の処理を行うべき場所(第3節において「 事務処理地 」という。

5号 信託 財産に属する財産の管理又は処分の方法

6号 その他法務省令で定める事項

217条 (固有財産に属する財産に対する強制執行等の制限)

1項 限定責任信託 においては、 信託 財産責任負担債務( 第21条第1項第8号 《次に掲げる権利に係る債務は、信託財産責任…》 負担債務となる。 1 受益債権 2 信託財産に属する財産について信託前の原因によって生じた権利 3 信託前に生じた委託者に対する債権であって、当該債権に係る債務を信託財産責任負担債務とする旨の信託行為 に掲げる権利に係る債務を除く。)に係る債権に基づいて 固有財産 に属する財産に対し強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売又は国税滞納処分をすることはできない。

2項 前項の規定に違反してされた強制執行、仮差押え、仮処分又は担保権の実行若しくは競売に対しては、 受託者 は、異議を主張することができる。この場合においては、 民事執行法 第38条 《第三者異議の訴え 強制執行の目的物につ…》 いて所有権その他目的物の譲渡又は引渡しを妨げる権利を有する第三者は、債権者に対し、その強制執行の不許を求めるために、第三者異議の訴えを提起することができる。 2 前項に規定する第三者は、同項の訴えに併 及び 民事保全法 第45条 《第三者異議の訴えの管轄裁判所の特例 高…》 等裁判所が保全執行裁判所としてした保全執行に対する第三者異議の訴えは、仮に差し押さえるべき物又は係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。 の規定を準用する。

3項 第1項の規定に違反してされた国税滞納処分に対しては、 受託者 は、異議を主張することができる。この場合においては、当該異議の主張は、当該国税滞納処分について不服の申立てをする方法でする。

218条 (限定責任信託の名称等)

1項 限定責任信託 には、その名称中に限定責任信託という文字を用いなければならない。

2項 何人も、 限定責任信託 でないものについて、その名称又は商号中に、限定責任信託であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。

3項 何人も、不正の目的をもって、他の 限定責任信託 であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。

4項 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって事業に係る利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある 限定責任信託 受託者 は、その利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。

219条 (取引の相手方に対する明示義務)

1項 受託者 は、 限定責任信託 の受託者として取引をするに当たっては、その旨を取引の相手方に示さなければ、これを当該取引の相手方に対し主張することができない。

220条 (登記の効力)

1項 この章の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。

2項 この章の規定により登記すべき事項につき故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。

221条 (限定責任信託の定めを廃止する旨の信託の変更)

1項 第216条第1項 《限定責任信託は、信託行為においてそのすべ…》 ての信託財産責任負担債務について受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う旨の定めをし、第232条の定めるところにより登記をすることによって、限定責任信託としての効力を生ずる。 の定めを廃止する旨の 信託 の変更がされ、 第235条 《終了の登記 第163条第6号及び第7号…》 に係る部分を除く。若しくは第164条第1項若しくは第3項の規定により限定責任信託が終了したとき、又は第216条第1項の定めを廃止する旨の信託の変更がされたときは、2週間以内に、終了の登記をしなければな の終了の登記がされたときは、その変更後の信託については、この章の規定は、適用しない。

2節 計算等の特例

222条 (帳簿等の作成等、報告及び保存の義務等の特例)

1項 限定責任信託 における帳簿その他の書類又は電磁的記録の作成、内容の報告及び保存並びに閲覧及び謄写については、 第37条 《帳簿等の作成等、報告及び保存の義務 受…》 託者は、信託事務に関する計算並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、信託財産に係る帳簿その他の書類又は電磁的記録を作成しなければならな 及び 第38条 《帳簿等の閲覧等の請求 受益者は、受託者…》 に対し、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 1 前条第1項又は第5項の書類の閲覧又は謄写の請求 2 前条第1項又は第5項の電磁的記 の規定にかかわらず、次項から第9項までに定めるところによる。

2項 受託者 は、法務省令で定めるところにより、 限定責任信託 の会計帳簿を作成しなければならない。

3項 受託者 は、 限定責任信託 の効力が生じた後速やかに、法務省令で定めるところにより、その効力が生じた日における限定責任信託の貸借対照表を作成しなければならない。

4項 受託者 は、毎年、法務省令で定める一定の時期において、法務省令で定めるところにより、 限定責任信託 の貸借対照表及び損益計算書並びにこれらの附属明細書その他の法務省令で定める書類又は電磁的記録を作成しなければならない。

5項 受託者 は、前項の書類又は電磁的記録を作成したときは、その内容について 受益者 信託 管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)に報告しなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

6項 受託者 は、第2項の会計帳簿を作成した場合には、その作成の日から10年間(当該期間内に 信託 の清算の結了があったときは、その日までの間。次項において同じ。)、当該会計帳簿(書面に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては当該電磁的記録、電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては当該書面)を保存しなければならない。ただし、 受益者 2人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人。第8項において同じ。)に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。

7項 受託者 は、 信託 財産に属する財産の処分に係る契約書その他の信託事務の処理に関する書類又は電磁的記録を作成し、又は取得した場合には、その作成又は取得の日から10年間、当該書類又は電磁的記録(書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては当該電磁的記録、電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては当該書面)を保存しなければならない。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。

8項 受託者 は、第3項の貸借対照表及び第4項の書類又は電磁的記録(以下この項及び 第224条第2項第1号 《2 限定責任信託の受託者が、次に掲げる行…》 為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、受託者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 1 貸借対照表等に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽 において「 貸借対照表等 」という。)を作成した場合には、 信託 の清算の結了の日までの間、当該 貸借対照表等 書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては当該電磁的記録、電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては当該書面)を保存しなければならない。ただし、その作成の日から10年間を経過した後において、 受益者 に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。

9項 限定責任信託 における 第38条 《帳簿等の閲覧等の請求 受益者は、受託者…》 に対し、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 1 前条第1項又は第5項の書類の閲覧又は謄写の請求 2 前条第1項又は第5項の電磁的記 の規定の適用については、同条第1項各号中「前条第1項又は第5項」とあるのは「 第222条第2項 《2 受託者は、法務省令で定めるところによ…》 り、限定責任信託の会計帳簿を作成しなければならない。 又は第7項」と、同条第4項第1号及び第6項各号中「前条第2項」とあるのは「 第222条第3項 《3 受託者は、限定責任信託の効力が生じた…》 後速やかに、法務省令で定めるところにより、その効力が生じた日における限定責任信託の貸借対照表を作成しなければならない。 又は第4項」とする。

223条 (裁判所による提出命令)

1項 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、前条第2項から第4項までの書類の全部又は一部の提出を命ずることができる。

224条 (受託者の第三者に対する責任)

1項 限定責任信託 において、 受託者 信託 事務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該受託者は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。

2項 限定責任信託 受託者 が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。ただし、受託者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。

1号 貸借対照表等 に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録

2号 虚偽の登記

3号 虚偽の公告

3項 前2項の場合において、当該損害を賠償する責任を負う他の 受託者 があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。

225条 (受益者に対する信託財産に係る給付の制限)

1項 限定責任信託 においては、 受益者 に対する 信託 財産に係る給付は、その給付可能額(受益者に対し給付をすることができる額として純資産額の範囲内において法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この節において同じ。)を超えてすることはできない。

226条 (受益者に対する信託財産に係る給付に関する責任)

1項 受託者 が前条の規定に違反して 受益者 に対する 信託 財産に係る給付をした場合には、次の各号に掲げる者は、連帯して(第2号に掲げる受益者にあっては、現に受けた個別の給付額の限度で連帯して)、当該各号に定める義務を負う。ただし、受託者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。

1号 受託者 当該給付の帳簿価額(以下この節において「 給付額 」という。)に相当する金銭の 信託 財産に対するてん補の義務

2号 当該給付を受けた 受益者 現に受けた個別の 給付額 に相当する金銭の 受託者 に対する支払の義務

2項 受託者 が前項第1号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、同項第2号に掲げる 受益者 は、当該履行された金額に同号の 給付額 の同項第1号の給付額に対する割合を乗じて得た金額の限度で同項第2号に定める義務を免れ、受益者が同号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、受託者は、当該履行された金額の限度で同項第1号に定める義務を免れる。

3項 第1項(第2号に係る部分に限る。)の規定により 受益者 から 受託者 に対し支払われた金銭は、 信託 財産に帰属する。

4項 第1項に規定する義務は、免除することができない。ただし、当該給付をした日における給付可能額を限度として当該義務を免除することについて総 受益者 の同意がある場合は、この限りでない。

5項 第1項本文に規定する場合において、同項第1号の義務を負う他の 受託者 があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。

6項 第45条 《費用又は報酬の支弁等 第40条、第41…》 又は前条の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴一部勝訴を含む。した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用訴訟費用を除く。を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事 の規定は、第1項の規定による請求に係る訴えについて準用する。

227条 (受益者に対する求償権の制限等)

1項 前条第1項本文に規定する場合において、当該給付を受けた 受益者 は、 給付額 が当該給付をした日における給付可能額を超えることにつき善意であるときは、当該給付額について、 受託者 からの求償の請求に応ずる義務を負わない。

2項 前条第1項本文に規定する場合には、 信託 債権者は、当該給付を受けた 受益者 に対し、 給付額 当該給付額が当該信託債権者の債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。

228条 (欠損が生じた場合の責任)

1項 受託者 受益者 に対する 信託 財産に係る給付をした場合において、当該給付をした日後最初に到来する 第222条第4項 《4 受託者は、毎年、法務省令で定める一定…》 の時期において、法務省令で定めるところにより、限定責任信託の貸借対照表及び損益計算書並びにこれらの附属明細書その他の法務省令で定める書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 の時期に欠損額(貸借対照表上の負債の額が資産の額を上回る場合において、当該負債の額から当該資産の額を控除して得た額をいう。以下この項において同じ。)が生じたときは、次の各号に掲げる者は、連帯して(第2号に掲げる受益者にあっては、現に受けた個別の 給付額 の限度で連帯して)、当該各号に定める義務を負う。ただし、受託者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。

1号 受託者 その欠損額(当該欠損額が 給付額 を超える場合にあっては、当該給付額)に相当する金銭の 信託 財産に対するてん補の義務

2号 当該給付を受けた 受益者 欠損額(当該欠損額が現に受けた個別の 給付額 を超える場合にあっては、当該給付額)に相当する金銭の 受託者 に対する支払の義務

2項 受託者 が前項第1号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、同項第2号に掲げる 受益者 は、当該履行された金額に同号の 給付額 の同項第1号の給付額に対する割合を乗じて得た金額の限度で同項第2号に定める義務を免れ、受益者が同号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、受託者は、当該履行された金額の限度で同項第1号に定める義務を免れる。

3項 第1項(第2号に係る部分に限る。)の規定により 受益者 から 受託者 に対し支払われた金銭は、 信託 財産に帰属する。

4項 第1項に規定する義務は、総 受益者 の同意がなければ、免除することができない。

5項 第1項本文に規定する場合において、同項第1号の義務を負う他の 受託者 があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。

6項 第45条 《費用又は報酬の支弁等 第40条、第41…》 又は前条の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴一部勝訴を含む。した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用訴訟費用を除く。を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事 の規定は、第1項の規定による請求に係る訴えについて準用する。

229条 (債権者に対する公告)

1項 限定責任信託 清算受託者 は、その就任後遅滞なく、 信託 債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている信託債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、当該期間は、2箇月を下ることができない。

2項 前項の規定による公告には、当該 信託 債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。

230条 (債務の弁済の制限)

1項 限定責任信託 清算受託者 は、前条第1項の期間内は、清算中の限定責任信託の債務の弁済をすることができない。この場合において、清算受託者は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。

2項 前項の規定にかかわらず、 清算受託者 は、前条第1項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算中の 限定責任信託 信託 財産に属する財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。この場合において、当該許可の申立ては、清算受託者が2人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。

3項 清算受託者 は、前項の許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。

4項 第2項の許可の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。

5項 第2項の規定による弁済の許可の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

231条 (清算からの除斥)

1項 清算中の 限定責任信託 信託 債権者(知れているものを除く。)であって 第229条第1項 《限定責任信託の清算受託者は、その就任後遅…》 滞なく、信託債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている信託債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、2箇月を下ることができない。 の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。

2項 前項の規定により清算から除斥された 信託 債権者は、給付がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。

3項 2人以上の 受益者 がある場合において、清算中の 限定責任信託 の残余財産の給付を受益者の一部に対してしたときは、当該受益者の受けた給付と同1の割合の給付を当該受益者以外の受益者に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。

3節 限定責任信託の登記

232条 (限定責任信託の定めの登記)

1項 信託 行為において 第216条第1項 《限定責任信託は、信託行為においてそのすべ…》 ての信託財産責任負担債務について受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う旨の定めをし、第232条の定めるところにより登記をすることによって、限定責任信託としての効力を生ずる。 の定めがされたときは、 限定責任信託 の定めの登記は、2週間以内に、次に掲げる事項を登記してしなければならない。

1号 限定責任信託 の目的

2号 限定責任信託 の名称

3号 受託者 の氏名又は名称及び住所

4号 限定責任信託 事務処理地

5号 第64条第1項 《裁判所は、信託財産管理命令をする場合には…》 、当該信託財産管理命令において、信託財産管理者を選任しなければならない。 第74条第6項 《6 第64条の規定は信託財産法人管理命令…》 をする場合について、第66条から第72条までの規定は信託財産法人管理人について、それぞれ準用する。 において準用する場合を含む。)の規定により 信託 財産管理者又は信託財産法人管理人が選任されたときは、その氏名又は名称及び住所

6号 第163条第9号 《信託の終了事由 第163条 信託は、次条…》 の規定によるほか、次に掲げる場合に終了する。 1 信託の目的を達成したとき、又は信託の目的を達成することができなくなったとき。 2 受託者が受益権の全部を固有財産で有する状態が1年間継続したとき。 3 の規定による 信託 の終了についての信託行為の定めがあるときは、その定め

7号 会計監査人設置 信託 第248条第3項 《3 第1項の信託行為の定めのある信託及び…》 前項に規定する信託以下「会計監査人設置信託」と総称する。においては、信託行為に会計監査人を指定する定めを設けなければならない。 に規定する会計監査人設置信託をいう。 第240条第3号 《限定責任信託の定めの登記の添付書面 第2…》 40条 限定責任信託の定めの登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 1 限定責任信託の信託行為を証する書面 2 受託者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登 において同じ。)であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称

233条 (変更の登記)

1項 限定責任信託 事務処理地 に変更があったときは、2週間以内に、旧事務処理地においてはその変更の登記をし、新事務処理地においては前条各号に掲げる事項を登記しなければならない。

2項 同1の登記所の管轄区域内において 限定責任信託 事務処理地 に変更があったときは、その変更の登記をすれば足りる。

3項 前条各号(第4号を除く。)に掲げる事項に変更があったときは、2週間以内に、その変更の登記をしなければならない。

234条 (職務執行停止の仮処分命令等の登記)

1項 限定責任信託 受託者 の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その 事務処理地 において、その登記をしなければならない。

235条 (終了の登記)

1項 第163条 《信託の終了事由 信託は、次条の規定によ…》 るほか、次に掲げる場合に終了する。 1 信託の目的を達成したとき、又は信託の目的を達成することができなくなったとき。 2 受託者が受益権の全部を固有財産で有する状態が1年間継続したとき。 3 受託者が第6号及び第7号に係る部分を除く。)若しくは 第164条第1項 《委託者及び受益者は、いつでも、その合意に…》 より、信託を終了することができる。 若しくは第3項の規定により 限定責任信託 が終了したとき、又は 第216条第1項 《限定責任信託は、信託行為においてそのすべ…》 ての信託財産責任負担債務について受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う旨の定めをし、第232条の定めるところにより登記をすることによって、限定責任信託としての効力を生ずる。 の定めを廃止する旨の 信託 の変更がされたときは、2週間以内に、終了の登記をしなければならない。

236条 (清算受託者の登記)

1項 限定責任信託 が終了した場合において、限定責任信託が終了した時における 受託者 清算受託者 となるときは、終了の日から、2週間以内に、清算受託者の氏名又は名称及び住所を登記しなければならない。

2項 信託 行為の定め又は 第62条第1項 《第56条第1項各号に掲げる事由により受託…》 者の任務が終了した場合において、信託行為に新たな受託者以下「新受託者」という。に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより新受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれを 若しくは第4項若しくは 第173条第1項 《裁判所は、第166条第1項の規定により信…》 託の終了を命じた場合には、法務大臣若しくは委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、当該信託の清算のために新受託者を選任しなければならない。 の規定により 清算受託者 が選任されたときも、前項と同様とする。

3項 第233条第3項 《3 前条各号第4号を除く。に掲げる事項に…》 変更があったときは、2週間以内に、その変更の登記をしなければならない。 の規定は、前2項の規定による登記について準用する。

237条 (清算結了の登記)

1項 限定責任信託 の清算が結了したときは、 第184条第1項 《清算受託者は、その職務を終了したときは、…》 遅滞なく、信託事務に関する最終の計算を行い、信託が終了した時における受益者信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人及び帰属権利者以下この条において「受益者等」と総称する。のすべてに対し、その承 の計算の承認の日から、2週間以内に、清算結了の登記をしなければならない。

238条 (管轄登記所及び登記簿)

1項 限定責任信託 の登記に関する事務は、限定責任信託の 事務処理地 を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所が管轄登記所としてつかさどる。

2項 登記所に、 限定責任信託 登記簿を備える。

239条 (登記の申請)

1項 第232条 《限定責任信託の定めの登記 信託行為にお…》 いて第216条第1項の定めがされたときは、限定責任信託の定めの登記は、2週間以内に、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 1 限定責任信託の目的 2 限定責任信託の名称 3 受託者の氏名又は 及び 第233条 《変更の登記 限定責任信託の事務処理地に…》 変更があったときは、2週間以内に、旧事務処理地においてはその変更の登記をし、新事務処理地においては前条各号に掲げる事項を登記しなければならない。 2 同1の登記所の管轄区域内において限定責任信託の事務 の規定による登記は 受託者 の申請によって、 第235条 《終了の登記 第163条第6号及び第7号…》 に係る部分を除く。若しくは第164条第1項若しくは第3項の規定により限定責任信託が終了したとき、又は第216条第1項の定めを廃止する旨の信託の変更がされたときは、2週間以内に、終了の登記をしなければな から 第237条 《清算結了の登記 限定責任信託の清算が結…》 了したときは、第184条第1項の計算の承認の日から、2週間以内に、清算結了の登記をしなければならない。 までの規定による登記は 清算受託者 の申請によってする。

2項 前項の規定にかかわらず、 信託 財産管理者又は信託財産法人管理人が選任されている場合には、 第232条 《限定責任信託の定めの登記 信託行為にお…》 いて第216条第1項の定めがされたときは、限定責任信託の定めの登記は、2週間以内に、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 1 限定責任信託の目的 2 限定責任信託の名称 3 受託者の氏名又は 及び 第233条 《変更の登記 限定責任信託の事務処理地に…》 変更があったときは、2週間以内に、旧事務処理地においてはその変更の登記をし、新事務処理地においては前条各号に掲げる事項を登記しなければならない。 2 同1の登記所の管轄区域内において限定責任信託の事務 の規定による登記( 第246条 《裁判による登記の嘱託 次に掲げる場合に…》 は、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、限定責任信託の事務処理地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 1 次に掲げる裁判があったとき。 イ 第58条第4項第70条第74条第6項において準 の規定によるものを除く。)は、信託財産管理者又は信託財産法人管理人の申請によってする。

240条 (限定責任信託の定めの登記の添付書面)

1項 限定責任信託 の定めの登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。

1号 限定責任信託 信託 行為を証する書面

2号 受託者 が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の本店又は主たる事務所がある場合を除く。

3号 会計監査人設置 信託 においては、次に掲げる書面

就任を承諾したことを証する書面

会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。

会計監査人が法人でないときは、 第249条第1項 《会計監査人は、公認会計士外国公認会計士公…》 認会計士法1948年法律第103号第16条の2第5項に規定する外国公認会計士をいう。を含む。第3項第2号において同じ。又は監査法人でなければならない。 に規定する者であることを証する書面

241条 (変更の登記の添付書面)

1項 事務処理地 の変更又は 第232条 《限定責任信託の定めの登記 信託行為にお…》 いて第216条第1項の定めがされたときは、限定責任信託の定めの登記は、2週間以内に、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 1 限定責任信託の目的 2 限定責任信託の名称 3 受託者の氏名又は 各号(第4号を除く。)に掲げる事項の変更の登記の申請書には、事務処理地の変更又は登記事項の変更を証する書面を添付しなければならない。

2項 法人である 新受託者 の就任による変更の登記の申請書には、前条第2号に掲げる書面を添付しなければならない。

3項 会計監査人の就任による変更の登記の申請書には、前条第3号ロ又はハに掲げる書面を添付しなければならない。

242条 (終了の登記の添付書面)

1項 限定責任信託 の終了の登記の申請書には、その事由の発生を証する書面を添付しなければならない。

243条 (清算受託者の登記の添付書面)

1項 次の各号に掲げる者が 清算受託者 となった場合の清算受託者の登記の申請書には、当該各号に定める書面を添付しなければならない。

1号 信託 行為の定めにより選任された者次に掲げる書面

当該 信託 行為の定めがあることを証する書面

選任された者が就任を承諾したことを証する書面

2号 第62条第1項 《第56条第1項各号に掲げる事由により受託…》 者の任務が終了した場合において、信託行為に新たな受託者以下「新受託者」という。に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより新受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれを の規定により選任された者次に掲げる書面

第62条第1項 《第56条第1項各号に掲げる事由により受託…》 者の任務が終了した場合において、信託行為に新たな受託者以下「新受託者」という。に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより新受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれを の合意があったことを証する書面

前号ロに掲げる書面

3号 第62条第4項 《4 第1項の場合において、同項の合意に係…》 る協議の状況その他の事情に照らして必要があると認めるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、新受託者を選任することができる。 又は 第173条第1項 《裁判所は、第166条第1項の規定により信…》 託の終了を命じた場合には、法務大臣若しくは委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、当該信託の清算のために新受託者を選任しなければならない。 の規定により裁判所が選任した者その選任を証する書面

2項 第240条 《限定責任信託の定めの登記の添付書面 限…》 定責任信託の定めの登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 1 限定責任信託の信託行為を証する書面 2 受託者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄第2号に係る部分に限る。)の規定は、 清算受託者 が法人である場合の清算受託者の登記について準用する。

244条 (清算受託者に関する変更の登記の添付書面)

1項 清算受託者 の退任による変更の登記の申請書には、退任を証する書面を添付しなければならない。

2項 第236条第1項 《限定責任信託が終了した場合において、限定…》 責任信託が終了した時における受託者が清算受託者となるときは、終了の日から、2週間以内に、清算受託者の氏名又は名称及び住所を登記しなければならない。 に規定する事項の変更の登記の申請書には、登記事項の変更を証する書面を添付しなければならない。

3項 第241条第2項 《2 法人である新受託者の就任による変更の…》 登記の申請書には、前条第2号に掲げる書面を添付しなければならない。 の規定は、法人である 清算受託者 の就任による変更の登記について準用する。

245条 (清算結了の登記の添付書面)

1項 清算結了の登記の申請書には、 第184条第1項 《清算受託者は、その職務を終了したときは、…》 遅滞なく、信託事務に関する最終の計算を行い、信託が終了した時における受益者信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人及び帰属権利者以下この条において「受益者等」と総称する。のすべてに対し、その承 の計算の承認があったことを証する書面を添付しなければならない。

246条 (裁判による登記の嘱託)

1項 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、 限定責任信託 事務処理地 を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。

1号 次に掲げる裁判があったとき。

第58条第4項 《4 受託者がその任務に違反して信託財産に…》 著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、委託者又は受益者の申立てにより、受託者を解任することができる。 第70条 《信託財産管理者の辞任及び解任 第57条…》 第2項から第5項までの規定は信託財産管理者の辞任について、第58条第4項から第7項までの規定は信託財産管理者の解任について、それぞれ準用する。 この場合において、第57条第2項中「やむを得ない事由」と 第74条第6項 《6 第64条の規定は信託財産法人管理命令…》 をする場合について、第66条から第72条までの規定は信託財産法人管理人について、それぞれ準用する。 において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定による 受託者 又は 信託 財産管理者若しくは信託財産法人管理人の解任の裁判

第64条第1項 《裁判所は、信託財産管理命令をする場合には…》 、当該信託財産管理命令において、信託財産管理者を選任しなければならない。 第74条第6項 《6 第64条の規定は信託財産法人管理命令…》 をする場合について、第66条から第72条までの規定は信託財産法人管理人について、それぞれ準用する。 において準用する場合を含む。)の規定による 信託 財産管理者又は信託財産法人管理人の選任の裁判

2号 次に掲げる裁判が確定したとき。

前号イに掲げる裁判を取り消す裁判

第165条 《特別の事情による信託の終了を命ずる裁判 …》 信託行為の当時予見することのできなかった特別の事情により、信託を終了することが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして受益者の利益に適合するに至ったことが明らかであるときは、裁判所は、委託 又は 第166条 《公益の確保のための信託の終了を命ずる裁判…》 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため信託の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより、信託の終了を命ずることがで の規定による 信託 の終了を命ずる裁判

247条 (商業登記法及び民事保全法の準用)

1項 限定責任信託 の登記については、 商業登記法 1963年法律第125号第2条 《事務の委任 法務大臣は、1の登記所の管…》 轄に属する事務を他の登記所に委任することができる。 から 第5条 《登記官の除斥 登記官又はその配偶者若し…》 くは四親等内の親族配偶者又は四親等内の親族であつた者を含む。以下この条において同じ。が登記の申請人であるときは、当該登記官は、当該登記をすることができない。 登記官又はその配偶者若しくは四親等内の親族 まで、 第7条 《会社法人等番号 登記簿には、法務省令で…》 定めるところにより、会社法人等番号特定の会社、外国会社その他の商人を識別するための番号をいう。第19条の3において同じ。を記録する。 から 第15条 《嘱託による登記 第5条、第17条から第…》 19条の二まで、第21条、第22条、第23条の二、第24条、第51条第1項及び第2項、第52条、第78条第1項及び第3項、第82条第2項及び第3項、第83条、第87条第1項及び第2項、第88条、第91 まで、 第17条 《登記申請の方式 登記の申請は、書面でし…》 なければならない。 2 申請書には、次の事項を記載し、申請人又はその代表者当該代表者が法人である場合にあつては、その職務を行うべき者若しくは代理人が記名押印しなければならない。 1 申請人の氏名及び から 第19条 《 官庁の許可を要する事項の登記を申請する…》 には、申請書に官庁の許可書又はその認証がある謄本を添附しなければならない。 の三まで、 第21条 《受付 登記官は、登記の申請書を受け取つ…》 たときは、受付帳に登記の種類、申請人の氏名、会社が申請人であるときはその商号、受付の年月日及び受付番号を記載し、申請書に受付の年月日及び受付番号を記載しなければならない。 2 情報通信技術を活用した行 から 第24条 《申請の却下 登記官は、次の各号のいずれ…》 かに掲げる事由がある場合には、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならない。 ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申請人がこれを まで、 第26条 《行政区画等の変更 行政区画、郡、区、市…》 町村内の町若しくは字又はそれらの名称の変更があつたときは、その変更による登記があつたものとみなす。第27条 《同1の所在場所における同1の商号の登記の…》 禁止 商号の登記は、その商号が他人の既に登記した商号と同一であり、かつ、その営業所会社にあつては、本店。以下この条において同じ。の所在場所が当該他人の商号の登記に係る営業所の所在場所と同一であるとき第51条 《本店移転の登記 本店を他の登記所の管轄…》 区域内に移転した場合の新所在地における登記の申請は、旧所在地を管轄する登記所を経由してしなければならない。 2 前項の登記の申請と旧所在地における登記の申請とは、同時にしなければならない。 3 第1項 から 第53条 《 新所在地における登記においては、会社成…》 立の年月日並びに本店を移転した旨及びその年月日をも登記しなければならない。 まで、 第71条第1項 《解散の登記において登記すべき事項は、解散…》 の旨並びにその事由及び年月日とする。第132条 《更正 登記に錯誤又は遺漏があるときは、…》 当事者は、その登記の更正を申請することができる。 2 更正の申請書には、錯誤又は遺漏があることを証する書面を添付しなければならない。 ただし、氏、名又は住所の更正については、この限りでない。 から 第137条 《 登記官は、異議を述べた者がないとき、又…》 は異議を却下したときは、登記を抹消しなければならない。 まで並びに 第139条 《行政手続法の適用除外 登記官の処分につ…》 いては、行政手続法1993年法律第88号第2章及び第3章の規定は、適用しない。 から 第148条 《省令への委任 この法律に定めるもののほ…》 か、登記簿の調製、登記申請書の様式及び添付書面その他この法律の施行に関し必要な事項は、法務省令で定める。 まで並びに 民事保全法 第56条 《法人の代表者の職務執行停止の仮処分等の登…》 記の嘱託 法人を代表する者その他法人の役員として登記された者について、その職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされた の規定を準用する。この場合において、 商業登記法 第51条第1項 《本店を他の登記所の管轄区域内に移転した場…》 合の新所在地における登記の申請は、旧所在地を管轄する登記所を経由してしなければならない。 中「本店」とあるのは「 事務処理地 信託 法(2006年法律第108号)第216条第2項第4号に規定する事務処理地をいう。以下同じ。)」と、「移転した」とあるのは「変更した」と、同項並びに同法第52条第2項、第3項及び第5項中「新所在地」とあるのは「新事務処理地」と、同法第51条第1項及び第2項並びに 第52条 《信託財産が費用等の償還等に不足している場…》 合の措置 受託者は、第48条第1項又は第2項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けるのに信託財産第49条第2項の規定により処分することができないものを除く。第1号及び第4項において 中「旧所在地」とあるのは「旧事務処理地」と、同法第71条第1項中「解散」とあるのは「限定責任信託の終了」と、 民事保全法 第56条 《法人の代表者の職務執行停止の仮処分等の登…》 記の嘱託 法人を代表する者その他法人の役員として登記された者について、その職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされた 中「法人を代表する者その他法人の役員」とあるのは「限定責任信託の 受託者 又は 清算受託者 」と、「法人の本店又は主たる事務所の所在地(外国法人にあっては、各事務所の所在地)」とあるのは「限定責任信託の事務処理地(信託法(2006年法律第108号)第216条第2項第4号に規定する事務処理地をいう。)」と読み替えるものとする。

10章 受益証券発行限定責任信託の特例

248条 (会計監査人の設置等)

1項 受益証券 発行 信託 である 限定責任信託 以下「 受益証券発行限定責任信託 」という。)においては、信託行為の定めにより、会計監査人を置くことができる。

2項 受益証券 発行 限定責任信託 であって最終の貸借対照表(直近の 第222条第4項 《4 受託者は、毎年、法務省令で定める一定…》 の時期において、法務省令で定めるところにより、限定責任信託の貸借対照表及び損益計算書並びにこれらの附属明細書その他の法務省令で定める書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 の時期において作成された貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が20,100,000,000円以上であるものにおいては、会計監査人を置かなければならない。

3項 第1項の 信託 行為の定めのある信託及び前項に規定する信託(以下「 会計監査人設置信託 」と総称する。)においては、信託行為に会計監査人を指定する定めを設けなければならない。

249条 (会計監査人の資格等)

1項 会計監査人は、公認会計士(外国公認会計士( 公認会計士法 1948年法律第103号第16条の2第5項 《5 第1項の登録を受けた者以下「外国公認…》 会計士」という。が次の各号のいずれかに該当する場合には、日本公認会計士協会は、同項の登録を抹消しなければならない。 1 第21条第1項各号のいずれかに該当するとき。 2 外国において公認会計士の資格に に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。第3項第2号において同じ。又は監査法人でなければならない。

2項 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを 受託者 に通知しなければならない。この場合においては、次項第2号に掲げる者を選定することはできない。

3項 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。

1号 公認会計士法 の規定により、 第222条第4項 《4 受託者は、毎年、法務省令で定める一定…》 の時期において、法務省令で定めるところにより、限定責任信託の貸借対照表及び損益計算書並びにこれらの附属明細書その他の法務省令で定める書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 に規定する書類又は電磁的記録について監査をすることができない者

2号 受託者 若しくはその利害関係人から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者

3号 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの

250条 (会計監査人が欠けた場合の措置)

1項 会計監査人設置信託 において、会計監査人が欠けたときは、 委託者 及び 受益者 は、会計監査人が欠けた時から2箇月以内に、その合意により、新たな会計監査人(以下この条において「 新会計監査人 」という。)を選任しなければならない。

2項 前項に規定する場合において、 委託者 が現に存しないとき、又は会計監査人が欠けた時から2箇月を経過しても同項の合意が調わないときは、 新会計監査人 の選任は、 受益者 のみでこれをすることができる。

3項 前2項に規定する場合において、 受益者 が2人以上あるときは、 受託者 信託 監督人が現に存する場合にあっては、受託者又は信託監督人)は、前2項の規定により 新会計監査人 を選任するため、遅滞なく、受益者集会を招集しなければならない。

4項 第1項又は第2項の規定により 新会計監査人 が選任されたときは、当該新会計監査人について 信託 行為に 第248条第3項 《3 第1項の信託行為の定めのある信託及び…》 前項に規定する信託以下「会計監査人設置信託」と総称する。においては、信託行為に会計監査人を指定する定めを設けなければならない。 の定めが設けられたものとみなす。

5項 会計監査人が欠けた場合には、辞任により退任した会計監査人は、 新会計監査人 が選任されるまで、なお会計監査人としての権利義務を有する。

251条 (会計監査人の辞任及び解任)

1項 第57条第1項 《受託者は、委託者及び受益者の同意を得て、…》 辞任することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 本文の規定は会計監査人の辞任について、 第58条第1項 《委託者及び受益者は、いつでも、その合意に…》 より、受託者を解任することができる。 及び第2項の規定は会計監査人の解任について、それぞれ準用する。

252条 (会計監査人の権限等)

1項 会計監査人は、 第222条第4項 《4 受託者は、毎年、法務省令で定める一定…》 の時期において、法務省令で定めるところにより、限定責任信託の貸借対照表及び損益計算書並びにこれらの附属明細書その他の法務省令で定める書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 の書類又は電磁的記録を監査する。この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。

2項 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は 受託者 に対し、会計に関する報告を求めることができる。

1号 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面

2号 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの

3項 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。

1号 第249条第3項第1号 《3 次に掲げる者は、会計監査人となること…》 ができない。 1 公認会計士法の規定により、第222条第4項に規定する書類又は電磁的記録について監査をすることができない者 2 受託者若しくはその利害関係人から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業 又は第2号に掲げる者

2号 受託者 又はその利害関係人

3号 受託者 又はその利害関係人から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者

4項 会計監査人設置信託 における 第222条第4項 《4 受託者は、毎年、法務省令で定める一定…》 の時期において、法務省令で定めるところにより、限定責任信託の貸借対照表及び損益計算書並びにこれらの附属明細書その他の法務省令で定める書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 、第5項及び第8項の規定の適用については、同条第4項中「作成しなければ」とあるのは「作成し、 第252条第1項 《会計監査人は、第222条第4項の書類又は…》 電磁的記録を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 の会計監査を受けなければ」と、同条第5項中「その内容」とあるのは「その内容及び会計監査報告」と、同条第8項中「作成した場合には」とあるのは「作成し、 第252条第1項 《会計監査人は、第222条第4項の書類又は…》 電磁的記録を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 の会計監査を受けた場合には」と、「当該書面࿹」とあるのは「当該書面࿹及び当該会計監査報告」とする。

253条 (会計監査人の注意義務)

1項 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、善良な管理者の注意をもって、これをしなければならない。

254条 (会計監査人の損失てん補責任等)

1項 会計監査人がその任務を怠ったことによって 信託 財産に損失が生じた場合には、 受益者 は、当該会計監査人に対し、当該損失のてん補をすることを請求することができる。

2項 前項の規定による損失のてん補として会計監査人が 受託者 に対し交付した金銭その他の財産は、 信託 財産に帰属する。

3項 第42条 《損失てん補責任等の免除 受益者は、次に…》 掲げる責任を免除することができる。 1 第40条の規定による責任 2 前条の規定による責任第1号に係る部分に限る。並びに 第105条第3項 《3 第1項ただし書又は前項の規定にかかわ…》 らず、第42条の規定による責任の免除に係る意思決定の方法についての信託行為の定めは、次款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めに限り、その効力を有する。 及び第4項(第3号を除く。)の規定は第1項の規定による責任の免除について、 第43条 《損失塡補責任等に係る債権の期間の制限 …》 第40条の規定による責任に係る債権の消滅時効は、債務の不履行によって生じた責任に係る債権の消滅時効の例による。 2 第41条の規定による責任に係る債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 1 の規定は第1項の規定による責任に係る債権について、 第45条 《費用又は報酬の支弁等 第40条、第41…》 又は前条の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴一部勝訴を含む。した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用訴訟費用を除く。を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事 の規定は第1項の規定による請求に係る訴えについて、それぞれ準用する。この場合において、 第105条第4項第2号 《4 第1項ただし書及び前2項の規定は、次…》 に掲げる責任の免除については、適用しない。 1 第42条の規定による責任の全部の免除 2 第42条第1号の規定による責任受託者がその任務を行うにつき悪意又は重大な過失があった場合に生じたものに限る。の 中「 受託者 がその任務」とあるのは、「会計監査人がその職務」と読み替えるものとする。

255条 (会計監査人の第三者に対する責任)

1項 会計監査人設置信託 において、会計監査人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該会計監査人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。

2項 会計監査人設置信託 の会計監査人が、 第252条第1項 《会計監査人は、第222条第4項の書類又は…》 電磁的記録を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 の会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項について虚偽の記載又は記録をしたときも、前項と同様とする。ただし、会計監査人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。

3項 前2項の場合において、当該損害を賠償する責任を負う他の会計監査人があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。

256条 (会計監査人の費用等及び報酬)

1項 第127条第1項 《信託管理人は、その事務を処理するのに必要…》 と認められる費用及び支出の日以後におけるその利息を受託者に請求することができる。 から第5項までの規定は、会計監査人の費用及び支出の日以後におけるその利息、損害の賠償並びに報酬について準用する。

257条 (受益者集会の特例)

1項 会計監査人設置信託 に係る 信託 行為に 第214条 《2人以上の受益者による意思決定の方法の特…》 例 受益者が2人以上ある受益証券発行信託においては、信託行為に別段の定めがない限り、信託行為に受益者の意思決定第92条各号に掲げる権利の行使に係るものを除く。は第4章第3節第2款の定めるところによる の別段の定めがない場合における 第118条 《受託者の出席等 受託者法人である受託者…》 にあっては、その代表者又は代理人。次項において同じ。は、受益者集会に出席し、又は書面により意見を述べることができる。 2 受益者集会又は招集者は、必要があると認めるときは、受託者に対し、その出席を求め の規定の適用については、同条第1項中「同じ。࿹」とあるのは「同じ。࿹及び会計監査人」と、同条第2項中「 受託者 」とあるのは「受託者又は会計監査人」とする。

11章 受益者の定めのない信託の特例

258条 (受益者の定めのない信託の要件)

1項 受益者 の定め(受益者を定める方法の定めを含む。以下同じ。)のない 信託 公益信託に関する法律 2024年法律第30号第2条第1項第1号 《この法律において、次の各号に掲げる用語の…》 意義は、当該各号に定めるところによる。 1 公益信託 この法律の定めるところによりする受益者の定め受益者を定める方法の定めを含む。第4条第3項において同じ。のない信託であって、公益事務を行うことのみを に規定する公益信託を除く。以下この章において同じ。)は、 第3条第1号 《行政庁 第3条 この法律における行政庁は…》 、次の各号に掲げる公益信託の区分に応じ、当該各号に定める内閣総理大臣又は都道府県知事とする。 1 次に掲げる公益信託 内閣総理大臣 イ 公益事務を二以上の都道府県の区域内において行う旨を信託行為で定め 又は第2号に掲げる方法によってすることができる。

2項 受益者 の定めのない 信託 においては、信託の変更によって受益者の定めを設けることはできない。

3項 受益者 の定めのある 信託 においては、信託の変更によって受益者の定めを廃止することはできない。

4項 第3条第2号 《行政庁 第3条 この法律における行政庁は…》 、次の各号に掲げる公益信託の区分に応じ、当該各号に定める内閣総理大臣又は都道府県知事とする。 1 次に掲げる公益信託 内閣総理大臣 イ 公益事務を二以上の都道府県の区域内において行う旨を信託行為で定め に掲げる方法によって 受益者 の定めのない 信託 をするときは、信託管理人を指定する定めを設けなければならない。この場合においては、信託管理人の権限のうち 第145条第2項 《2 信託行為においては、委託者も次に掲げ…》 る権利の全部又は一部を有する旨を定めることができる。 1 第23条第5項又は第6項の規定による異議を主張する権利 2 第27条第1項又は第2項これらの規定を第75条第4項において準用する場合を含む。の 各号(第6号を除く。)に掲げるものを行使する権限を制限する定めを設けることはできない。

5項 第3条第2号 《信託の方法 第3条 信託は、次に掲げる方…》 法のいずれかによってする。 1 特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成の に掲げる方法によってされた 受益者 の定めのない 信託 において信託管理人を指定する定めがない場合において、遺言執行者の定めがあるときは、当該遺言執行者は、信託管理人を選任しなければならない。この場合において、当該遺言執行者が信託管理人を選任したときは、当該信託管理人について信託行為に前項前段の定めが設けられたものとみなす。

6項 第3条第2号 《信託の方法 第3条 信託は、次に掲げる方…》 法のいずれかによってする。 1 特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成の に掲げる方法によってされた 受益者 の定めのない 信託 において信託管理人を指定する定めがない場合において、遺言執行者の定めがないとき、又は遺言執行者となるべき者として指定された者が信託管理人の選任をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託管理人を選任することができる。この場合において、信託管理人の選任の裁判があったときは、当該信託管理人について信託行為に第4項前段の定めが設けられたものとみなす。

7項 第123条第6項 《6 第4項の申立てについての裁判には、理…》 由を付さなければならない。 から第8項までの規定は、前項の申立てについての裁判について準用する。

8項 第3条第2号 《信託の方法 第3条 信託は、次に掲げる方…》 法のいずれかによってする。 1 特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成の に掲げる方法によってされた 受益者 の定めのない 信託 において、信託管理人が欠けた場合であって、信託管理人が就任しない状態が1年間継続したときは、当該信託は、終了する。

259条 (受益者の定めのない信託の存続期間)

1項 受益者 の定めのない 信託 の存続期間は、20年を超えることができない。

260条 (受益者の定めのない信託における委託者の権利)

1項 第3条第1号 《信託の方法 第3条 信託は、次に掲げる方…》 法のいずれかによってする。 1 特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成の に掲げる方法によってされた 受益者 の定めのない 信託 においては、 委託者 委託者が2人以上ある場合にあっては、そのすべての委託者)が 第145条第2項 《2 信託行為においては、委託者も次に掲げ…》 る権利の全部又は一部を有する旨を定めることができる。 1 第23条第5項又は第6項の規定による異議を主張する権利 2 第27条第1項又は第2項これらの規定を第75条第4項において準用する場合を含む。の 各号(第6号を除く。)に掲げる権利を有する旨及び 受託者 が同条第4項各号に掲げる義務を負う旨の定めが設けられたものとみなす。この場合においては、信託の変更によってこれを変更することはできない。

2項 第3条第2号 《信託の方法 第3条 信託は、次に掲げる方…》 法のいずれかによってする。 1 特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成の に掲げる方法によってされた 受益者 の定めのない 信託 であって、 第258条第5項 《5 第3条第2号に掲げる方法によってされ…》 た受益者の定めのない信託において信託管理人を指定する定めがない場合において、遺言執行者の定めがあるときは、当該遺言執行者は、信託管理人を選任しなければならない。 この場合において、当該遺言執行者が信託 後段又は第6項後段の規定により同条第4項前段の定めが設けられたものとみなされるものにおいては、信託の変更によって信託管理人の権限のうち 第145条第2項 《2 信託行為においては、委託者も次に掲げ…》 る権利の全部又は一部を有する旨を定めることができる。 1 第23条第5項又は第6項の規定による異議を主張する権利 2 第27条第1項又は第2項これらの規定を第75条第4項において準用する場合を含む。の 各号(第6号を除く。)に掲げるものを行使する権限を制限することはできない。

261条 (この法律の適用関係)

1項 受益者 の定めのない 信託 に関する次の表の上欄に掲げるこの法律の規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。

2項 受益者 の定めのない 信託 に係る 受託者 費用等 、損害の賠償及び信託報酬については、 第48条第5項 《5 第1項又は第2項の場合には、受託者が…》 受益者との間の合意に基づいて当該受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けることを妨げない。 第53条第2項 《2 第48条第4項及び第5項、第49条第…》 6項及び第7項を除く。並びに前2条の規定は、前項の規定による信託財産からの損害の賠償について準用する。 及び 第54条第4項 《4 第48条第4項及び第5項、第49条第…》 6項及び第7項を除く。、第51条並びに第52条並びに民法第648条第2項及び第3項並びに第648条の2の規定は、受託者の信託報酬について準用する。 において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。

3項 受益者 の定めのない 信託 に係る信託の変更については、 第149条第2項第1号 《2 前項の規定にかかわらず、信託の変更は…》 、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによりすることができる。 この場合において、受託者は、第1号に掲げるときは委託者に対し、第2号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、変更後の信 及び第3項第2号の規定は、適用しない。

4項 受益者 の定めのない 信託 に係る信託の併合については、 第151条第2項第1号 《2 前項の規定にかかわらず、信託の併合は…》 、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。 この場合において、受託者は、第1号に掲げるときは委託者に対し、第2号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、同項各号 の規定は、適用しない。

5項 受益者 の定めのない 信託 に係る信託の分割については、 第155条第2項第1号 《2 前項の規定にかかわらず、吸収信託分割…》 は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。 この場合において、受託者は、第1号に掲げるときは委託者に対し、第2号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、同項各 及び 第159条第2項第1号 《2 前項の規定にかかわらず、新規信託分割…》 は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。 この場合において、受託者は、第1号に掲げるときは委託者に対し、第2号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、同項各 の規定は、適用しない。

12章 雑則 > 1節 非訟

262条 (信託に関する非訟事件の管轄)

1項 この法律の規定による非訟事件は、この条に特別の定めがある場合を除き、 受託者 の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。

2項 受託者 が2人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「住所地」とあるのは、「いずれかの住所地」とする。

3項 受託者 の任務の終了後 新受託者 の就任前におけるこの法律の規定による裁判所に対する申立てに係る事件は、 前受託者 の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。

4項 受託者 が2人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「受託者の任務」とあるのは、「すべての受託者の任務」とし、 前受託者 が2人以上ある場合における同項の規定の適用については、同項中「住所地」とあるのは、「いずれかの住所地」とする。

5項 第6条第1項 《第3条第2号に掲げる方法によって信託がさ…》 れた場合において、当該遺言に受託者の指定に関する定めがないとき、又は受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより 又は 第258条第6項 《6 第3条第2号に掲げる方法によってされ…》 た受益者の定めのない信託において信託管理人を指定する定めがない場合において、遺言執行者の定めがないとき、又は遺言執行者となるべき者として指定された者が信託管理人の選任をせず、若しくはこれをすることがで の申立てに係る事件は、遺言者の最後の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。

263条 (信託に関する非訟事件の手続の特例)

1項 この法律の規定による非訟事件については、 非訟事件手続法 第40条 《検察官の関与 検察官は、非訟事件につい…》 て意見を述べ、その手続の期日に立ち会うことができる。 2 裁判所は、検察官に対し、非訟事件が係属したこと及びその手続の期日を通知するものとする。 及び 第57条第2項第2号 《2 終局決定の電子裁判書には、次に掲げる…》 事項を記録しなければならない。 1 主文 2 理由の要旨 3 当事者及び法定代理人 4 裁判所 の規定は、適用しない。

264条 (最高裁判所規則)

1項 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

2節 公告等

265条 (法人である受託者についての公告の方法)

1項 この法律の規定( 第152条第2項 《2 前項の規定により同項の債権者の全部又…》 は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第2号の期間は、1箇月を下ること第156条第2項 《2 前項の規定により同項の債権者の全部又…》 は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第2号の期間は、1箇月を下ること第160条第2項 《2 前項の規定により同項の債権者の全部又…》 は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別に催告しなければならない。 ただし、第2号の期間は、1箇月を下ることができ 及び 第229条第1項 《限定責任信託の清算受託者は、その就任後遅…》 滞なく、信託債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている信託債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、2箇月を下ることができない。 を除く。)による公告は、 受託者 受託者の任務の終了後 新受託者 の就任前にあっては、 前受託者 )が法人である場合には、当該法人における公告の方法(公告の期間を含む。)によりしなければならない。

266条 (法人である受託者の合併等についての公告の手続等の特例)

1項 会社法その他の法律の規定によりある法人が組織変更、合併その他の行為をするときは当該法人の債権者が当該行為について公告、催告その他の手続を経て異議を述べることができることとされている場合において、法人である 受託者 が当該行為をしようとするときは、受託者が 信託 財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、当該行為についてこれらの手続を経て異議を述べることができる債権者に含まれないものとする。

2項 会社法その他の法律の規定による法人の事業の譲渡に関する規定の適用については、 第3条第3号 《信託の方法 第3条 信託は、次に掲げる方…》 法のいずれかによってする。 1 特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成の に掲げる方法によってする 信託 は、その適用の対象となる行為に含まれるものとする。ただし、当該法律に別段の定めがあるときは、この限りでない。

13章 罰則

267条 (受益証券発行限定責任信託の受託者等の贈収賄罪)

1項 次に掲げる者が、その職務に関して、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、3年以下の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。これによって不正の行為をし、又は相当の行為をしないときは、5年以下の拘禁刑又は5,010,000円以下の罰金に処する。

1号 受益証券 発行 限定責任信託 受託者 前受託者 又は 清算受託者 を含む。以下同じ。

2号 受益証券 発行 限定責任信託 信託 財産管理者

3号 受益証券 発行 限定責任信託 民事保全法 第56条 《法人の代表者の職務執行停止の仮処分等の登…》 記の嘱託 法人を代表する者その他法人の役員として登記された者について、その職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされた に規定する仮処分命令により選任された 受託者 の職務を代行する者

4号 受益証券 発行 限定責任信託 信託 財産法人管理人

5号 受益証券 発行 限定責任信託 信託 管理人

6号 受益証券 発行 限定責任信託 信託 監督人

7号 受益証券 発行 限定責任信託 受益者 代理人

8号 受益証券 発行 限定責任信託 の検査役

9号 会計監査人

2項 前項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、3年以下の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。

3項 第1項の場合において、犯人の収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

268条 (国外犯)

1項 前条第1項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。

2項 前条第2項の罪は、 刑法 1907年法律第45号第2条 《すべての者の国外犯 この法律は、日本国…》 外において次に掲げる罪を犯したすべての者に適用する。 1 削除 2 第77条から第79条まで内乱、予備及び陰謀、内乱等幇助の罪 3 第81条外患誘致、第82条外患援助、第87条未遂罪及び第88条予備及 の例に従う。

269条 (法人における罰則の適用)

1項 第267条第1項 《次に掲げる者が、その職務に関して、賄賂を…》 収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、3年以下の拘禁刑又は3,010,000円以下の罰金に処する。 これによって不正の行為をし、又は相当の行為をしないときは、5年以下の拘禁刑又は5,010,0 に規定する者が法人であるときは、同項の規定は、その行為をした取締役、執行役その他業務を執行する役員又は支配人に対してそれぞれ適用する。

270条 (過料に処すべき行為)

1項 受託者 第60条第1項 《第56条第1項第1号又は第2号に掲げる事…》 由により受託者の任務が終了した場合において、前受託者の相続人法定代理人が現に存する場合にあっては、その法定代理人又は成年後見人若しくは保佐人以下この節において「前受託者の相続人等」と総称する。がその事 に規定する 前受託者 の相続人等、 信託 財産管理者、 民事保全法 第56条 《法人の代表者の職務執行停止の仮処分等の登…》 記の嘱託 法人を代表する者その他法人の役員として登記された者について、その職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされた に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人、信託管理人、信託監督人、 受益者 代理人又は検査役は、次のいずれかに該当する場合には、1,010,000円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。

1号 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。

2号 この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。

3号 この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類又は電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写を拒んだとき。

4号 この法律の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

5号 この法律の規定による調査を妨げたとき。

6号 第37条第1項 《保全命令を発した裁判所は、債務者の申立て…》 により、債権者に対し、相当と認める一定の期間内に、本案の訴えを提起するとともにその提起を証する書面又は電磁的記録を提出し、既に本案の訴えを提起しているときはその係属を証する書面又は電磁的記録を提出すべ 、第2項若しくは第5項の書類若しくは電磁的記録又は 第120条 《議事録 受益者集会の議事については、招…》 集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 の議事録( 信託 行為に第4章第3節第2款の定めるところによる 受益者 集会における多数決による旨の定めがある場合に限る。)を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。

7号 第152条第2項 《2 前項の規定により同項の債権者の全部又…》 は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第2号の期間は、1箇月を下ること 若しくは第5項、 第156条第2項 《2 前項の規定により同項の債権者の全部又…》 は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第2号の期間は、1箇月を下ること 若しくは第5項又は 第160条第2項 《2 前項の規定により同項の債権者の全部又…》 は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別に催告しなければならない。 ただし、第2号の期間は、1箇月を下ることができ 若しくは第5項の規定に違反して、 信託 の併合又は分割をしたとき。

8号 第179条第1項 《清算中の信託において、信託財産に属する財…》 産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算受託者は、直ちに信託財産についての破産手続開始の申立てをしなければならない。 の規定に違反して、破産手続開始の申立てをすることを怠ったとき。

9号 第181条 《債務の弁済前における残余財産の給付の制限…》 清算受託者は、第177条第2号及び第3号の債務を弁済した後でなければ、信託財産に属する財産を次条第2項に規定する残余財産受益者等に給付することができない。 ただし、当該債務についてその弁済をするた の規定に違反して、清算中の 信託 財産に属する財産の給付をしたとき。

2項 受益証券 発行 信託 受託者 、信託財産管理者、 民事保全法 第56条 《法人の代表者の職務執行停止の仮処分等の登…》 記の嘱託 法人を代表する者その他法人の役員として登記された者について、その職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされた に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人、信託監督人又は 受益権 原簿管理人は、次のいずれかに該当する場合には、1,010,000円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。

1号 第120条 《議事録 受益者集会の議事については、招…》 集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 の議事録( 信託 行為に 第214条 《2人以上の受益者による意思決定の方法の特…》 例 受益者が2人以上ある受益証券発行信託においては、信託行為に別段の定めがない限り、信託行為に受益者の意思決定第92条各号に掲げる権利の行使に係るものを除く。は第4章第3節第2款の定めるところによる の別段の定めがない場合に限る。又は 第186条 《受益権原簿 受益証券発行信託の受託者は…》 、遅滞なく、受益権原簿を作成し、これに次に掲げる事項以下この章において「受益権原簿記載事項」という。を記載し、又は記録しなければならない。 1 各受益権に係る受益債権の内容その他の受益権の内容を特定す 受益権 原簿を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。

2号 第187条第1項 《第185条第2項の定めのある受益権の受益…》 者は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益者についての受益権原簿に記載され、若しくは記録された受益権原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該受益権原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求するこ 又は 第202条第1項 《前条第1項各号に掲げる事項が受益権原簿に…》 記載され、又は記録された質権者以下この節において「登録受益権質権者」という。は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該登録受益権質権者についての受益権原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事 の規定に違反して、書面の交付又は電磁的記録の提供を拒んだとき。

3号 第190条第1項 《受益証券発行信託の受託者は、受益権原簿を…》 その住所当該受託者が法人である場合受益権原簿管理人が現に存する場合を除く。にあってはその主たる事務所、受益権原簿管理人が現に存する場合にあってはその営業所に備え置かなければならない。 の規定に違反して、 第186条 《受益権原簿 受益証券発行信託の受託者は…》 、遅滞なく、受益権原簿を作成し、これに次に掲げる事項以下この章において「受益権原簿記載事項」という。を記載し、又は記録しなければならない。 1 各受益権に係る受益債権の内容その他の受益権の内容を特定す 受益権 原簿を備え置かなかったとき。

4号 第207条 《受益証券の発行 受益証券発行信託の受託…》 者は、信託行為の定めに従い、遅滞なく、当該受益権に係る受益証券を発行しなければならない。 の規定に違反して、遅滞なく、 受益証券 を発行しなかったとき。

5号 第209条 《受益証券の記載事項 受益証券には、次に…》 掲げる事項及びその番号を記載し、受益証券発行信託の受託者法人である受託者にあっては、その代表者がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 1 受益証券発行信託の受益証券である旨 2 当初の委託者 の規定に違反して、 受益証券 に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。

3項 限定責任信託 受託者 信託 財産管理者、 民事保全法 第56条 《法人の代表者の職務執行停止の仮処分等の登…》 記の嘱託 法人を代表する者その他法人の役員として登記された者について、その職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされた に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者又は信託財産法人管理人は、次のいずれかに該当する場合には、1,010,000円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。

1号 第9章第3節の規定による登記をすることを怠ったとき。

2号 第222条第2項 《2 受託者は、法務省令で定めるところによ…》 り、限定責任信託の会計帳簿を作成しなければならない。 の会計帳簿、同条第3項の貸借対照表又は同条第4項若しくは第7項の書類若しくは電磁的記録を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。

3号 清算の結了を遅延させる目的で、 第229条第1項 《限定責任信託の清算受託者は、その就任後遅…》 滞なく、信託債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている信託債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、2箇月を下ることができない。 の期間を不当に定めたとき。

4号 第230条第1項 《限定責任信託の清算受託者は、前条第1項の…》 期間内は、清算中の限定責任信託の債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算受託者は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。

4項 会計監査人設置信託 受託者 信託 財産管理者、 民事保全法 第56条 《法人の代表者の職務執行停止の仮処分等の登…》 記の嘱託 法人を代表する者その他法人の役員として登記された者について、その職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされた に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人又は信託監督人は、 第250条第3項 《3 前2項に規定する場合において、受益者…》 が2人以上あるときは、受託者信託監督人が現に存する場合にあっては、受託者又は信託監督人は、前2項の規定により新会計監査人を選任するため、遅滞なく、受益者集会を招集しなければならない。 の規定に違反して、会計監査人の選任の手続をすることを怠ったときは、1,010,000円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。

271条

1項 次のいずれかに該当する者は、1,010,000円以下の過料に処する。

1号 第218条第1項 《限定責任信託には、その名称中に限定責任信…》 託という文字を用いなければならない。 の規定に違反して、 限定責任信託 の名称中に限定責任信託という文字を用いなかった者

2号 第218条第2項 《2 何人も、限定責任信託でないものについ…》 て、その名称又は商号中に、限定責任信託であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 の規定に違反して、 限定責任信託 であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に使用した者

3号 第218条第3項 《3 何人も、不正の目的をもって、他の限定…》 責任信託であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 の規定に違反して、他の 限定責任信託 であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者

《本則》 ここまで 附則 >  

国の法令検索サービス《E-Gov》の法令データ、法令APIを利用しています。