探偵業の業務の適正化に関する法律《本則》

法番号:2006年法律第60号

略称: 探偵業務適正化法・探偵業法

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1条 (目的)

1項 この法律は、探偵業について必要な規制を定めることにより、その業務の運営の適正を図り、もって個人の権利利益の保護に資することを目的とする。

2条 (定義)

1項 この法律において「 探偵業務 」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいう。

2項 この法律において「 探偵業 」とは、 探偵業務 を行う営業をいう。ただし、専ら、放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関(報道(不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事実として知らせることをいい、これに基づいて意見又は見解を述べることを含む。以下同じ。)を業として行う個人を含む。)の依頼を受けて、その報道の用に供する目的で行われるものを除く。

3項 この法律において「 探偵業者 」とは、 第4条第1項 《探偵業を営もうとする者は、内閣府令で定め…》 るところにより、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会以下「公安委員会」という。に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。 この場合において、当該届出書には、内 の規定による届出をして 探偵業 を営む者をいう。

3条 (欠格事由)

1項 次の各号のいずれかに該当する者は、 探偵業 を営んではならない。

1号 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

2号 拘禁刑以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者

3号 最近5年間に 第15条 《営業の停止等 公安委員会は、探偵業者等…》 がこの法律若しくは探偵業務に関し他の法令の規定に違反した場合において探偵業の業務の適正な運営が著しく害されるおそれがあると認められるとき、又は前条の規定による指示に違反したときは、当該探偵業者に対し、 の規定による処分に違反した者

4号 暴力団員 による不当な行為の防止等に関する法律(1991年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員(以下「 暴力団員 」という。又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

5号 心身の故障により 探偵業務 を適正に行うことができない者として内閣府令で定めるもの

6号 営業に関し成年者と同1の能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号又は次号のいずれかに該当するもの

7号 法人でその役員のうちに第1号から第5号までのいずれかに該当する者があるもの

4条 (探偵業の届出)

1項 探偵業 を営もうとする者は、内閣府令で定めるところにより、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県 公安委員会 以下「 公安委員会 」という。)に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。この場合において、当該届出書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。

1号 商号、名称又は氏名及び住所

2号 営業所の名称及び所在地並びに当該営業所が主たる営業所である場合にあっては、その旨

3号 第1号に掲げる商号、名称若しくは氏名又は前号に掲げる名称のほか、当該営業所において広告又は宣伝をする場合に使用する名称があるときは、当該名称

4号 法人にあっては、その役員の氏名及び住所

2項 前項の規定による届出をした者は、当該 探偵業 を廃止したとき、又は同項各号に掲げる事項に変更があったときは、内閣府令で定めるところにより、 公安委員会 に、その旨を記載した届出書を提出しなければならない。この場合において、当該届出書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。

5条 (名義貸しの禁止)

1項 前条第1項の規定による 探偵業 の届出をした者は、自己の名義をもって、他人に探偵業を営ませてはならない。

6条 (探偵業務の実施の原則)

1項 探偵業 及び探偵業者の業務に従事する者(以下「 探偵業者等 」という。)は、 探偵業務 を行うに当たっては、この法律により他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではないことに留意するとともに、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない。

7条 (書面の交付を受ける義務)

1項 探偵業 者は、依頼者と 探偵業務 を行う契約を締結しようとするときは、当該依頼者から、当該探偵業務に係る調査の結果を犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いない旨を示す書面の交付を受けなければならない。

8条 (重要事項の説明等)

1項 探偵業 者は、依頼者と 探偵業務 を行う契約を締結しようとするときは、あらかじめ、当該依頼者に対し、次に掲げる事項について書面を交付して説明しなければならない。

1号 探偵業 者の商号、名称又は氏名及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

2号 第4条第1項 《探偵業を営もうとする者は、内閣府令で定め…》 るところにより、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会以下「公安委員会」という。に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。 この場合において、当該届出書には、内 の規定による届出をした 公安委員会 の名称

3号 探偵業務 を行うに当たっては、 個人情報の保護に関する法律 2003年法律第57号)その他の法令を遵守するものであること。

4号 第10条 《秘密の保持等 探偵業者の業務に従事する…》 者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。 探偵業者の業務に従事する者でなくなった後においても、同様とする。 2 探偵業者は、探偵業務に関して作成し、又は取得した文書、写 に規定する事項

5号 提供することができる 探偵業務 の内容

6号 探偵業務 の委託に関する事項

7号 探偵業務 の対価その他の当該探偵業務の依頼者が支払わなければならない金銭の概算額及び支払時期

8号 契約の解除に関する事項

9号 探偵業務 に関して作成し、又は取得した資料の処分に関する事項

2項 探偵業 者は、依頼者と 探偵業務 を行う契約を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項について当該契約の内容を明らかにする書面を当該依頼者に交付しなければならない。

1号 探偵業 者の商号、名称又は氏名及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

2号 探偵業務 を行う契約の締結を担当した者の氏名及び契約年月日

3号 探偵業務 に係る調査の内容、期間及び方法

4号 探偵業務 に係る調査の結果の報告の方法及び期限

5号 探偵業務 の委託に関する定めがあるときは、その内容

6号 探偵業務 の対価その他の当該探偵業務の依頼者が支払わなければならない金銭の額並びにその支払の時期及び方法

7号 契約の解除に関する定めがあるときは、その内容

8号 探偵業務 に関して作成し、又は取得した資料の処分に関する定めがあるときは、その内容

9条 (探偵業務の実施に関する規制)

1項 探偵業 者は、当該 探偵業務 に係る調査の結果が犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いられることを知ったときは、当該探偵業務を行ってはならない。

2項 探偵業 者は、 探偵業務 を探偵業者以外の者に委託してはならない。

10条 (秘密の保持等)

1項 探偵業 者の業務に従事する者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。探偵業者の業務に従事する者でなくなった後においても、同様とする。

2項 探偵業 者は、 探偵業務 に関して作成し、又は取得した文書、写真その他の資料(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。)について、その不正又は不当な利用を防止するため必要な措置をとらなければならない。

11条 (教育)

1項 探偵業 者は、その使用人その他の従業者に対し、 探偵業務 を適正に実施させるため、必要な教育を行わなければならない。

12条 (名簿の備付け等)

1項 探偵業 者は、内閣府令で定めるところにより、営業所ごとに、使用人その他の従業者の名簿を備えて、必要な事項を記載しなければならない。

2項 探偵業 者は、 第4条第1項 《探偵業を営もうとする者は、内閣府令で定め…》 るところにより、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会以下「公安委員会」という。に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。 この場合において、当該届出書には、内 の規定による届出をしたことを示す内閣府令で定める様式の標識について、営業所の見やすい場所に掲示するとともに、その事業の規模が著しく小さい場合その他の内閣府令で定める場合を除き、内閣府令で定めるところにより、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(公衆によって直接受信されることを目的として公衆からの求めに応じ自動的に送信を行うことをいい、放送又は有線放送に該当するものを除く。次項において同じ。)により公衆の閲覧に供しなければならない。

3項 探偵業 者以外の者は、前項の標識又はこれに類似する標識を掲示し、又は電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供してはならない。

13条 (報告及び立入検査)

1項 公安委員会 は、この法律の施行に必要な限度において、 探偵業 者に対し、その業務の状況に関し報告若しくは資料の提出を求め、又は警察職員に探偵業者の営業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2項 前項の規定により警察職員が立入検査をするときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3項 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

14条 (指示)

1項 公安委員会 は、 探偵業 者等がこの法律又は 探偵業務 に関し他の法令の規定に違反した場合において、探偵業の業務の適正な運営が害されるおそれがあると認められるときは、当該探偵業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。

15条 (営業の停止等)

1項 公安委員会 は、 探偵業 者等がこの法律若しくは 探偵業務 に関し他の法令の規定に違反した場合において探偵業の業務の適正な運営が著しく害されるおそれがあると認められるとき、又は前条の規定による指示に違反したときは、当該探偵業者に対し、当該営業所における探偵業について、6月以内の期間を定めて、その全部又は一部の停止を命ずることができる。

2項 公安委員会 は、 第3条 《欠格事由 次の各号のいずれかに該当する…》 者は、探偵業を営んではならない。 1 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者 2 拘禁刑以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがな 各号のいずれかに該当する者が 探偵業 を営んでいるときは、その者に対し、営業の廃止を命ずることができる。

16条 (方面公安委員会への権限の委任)

1項 この法律の規定により道 公安委員会 の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、方面公安委員会に行わせることができる。

17条 (罰則)

1項 第15条 《営業の停止等 公安委員会は、探偵業者等…》 がこの法律若しくは探偵業務に関し他の法令の規定に違反した場合において探偵業の業務の適正な運営が著しく害されるおそれがあると認められるとき、又は前条の規定による指示に違反したときは、当該探偵業者に対し、 の規定による処分に違反した者は、1年以下の拘禁刑又は1,010,000円以下の罰金に処する。

18条

1項 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の拘禁刑又は310,000円以下の罰金に処する。

1号 第4条第1項 《探偵業を営もうとする者は、内閣府令で定め…》 るところにより、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会以下「公安委員会」という。に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。 この場合において、当該届出書には、内 の規定による届出をしないで 探偵業 を営んだ者

2号 第5条 《名義貸しの禁止 前条第1項の規定による…》 探偵業の届出をした者は、自己の名義をもって、他人に探偵業を営ませてはならない。 の規定に違反して他人に 探偵業 を営ませた者

3号 第14条 《指示 公安委員会は、探偵業者等がこの法…》 又は探偵業務に関し他の法令の規定に違反した場合において、探偵業の業務の適正な運営が害されるおそれがあると認められるときは、当該探偵業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。 の規定による指示に違反した者

19条

1項 次の各号のいずれかに該当する者は、310,000円以下の罰金に処する。

1号 第4条第1項 《探偵業を営もうとする者は、内閣府令で定め…》 るところにより、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会以下「公安委員会」という。に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。 この場合において、当該届出書には、内 の届出書又は添付書類に虚偽の記載をして提出した者

2号 第4条第2項 《2 前項の規定による届出をした者は、当該…》 探偵業を廃止したとき、又は同項各号に掲げる事項に変更があったときは、内閣府令で定めるところにより、公安委員会に、その旨を記載した届出書を提出しなければならない。 この場合において、当該届出書には、内閣 の規定に違反して届出書若しくは添付書類を提出せず、又は同項の届出書若しくは添付書類に虚偽の記載をして提出した者

3号 第8条第1項 《探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を…》 締結しようとするときは、あらかじめ、当該依頼者に対し、次に掲げる事項について書面を交付して説明しなければならない。 1 探偵業者の商号、名称又は氏名及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名 2 若しくは第2項の規定に違反して書面を交付せず、又はこれらの規定に規定する事項を記載しない書面若しくは虚偽の記載のある書面を交付した者

4号 第12条第1項 《探偵業者は、内閣府令で定めるところにより…》 、営業所ごとに、使用人その他の従業者の名簿を備えて、必要な事項を記載しなければならない。 に規定する名簿を備え付けず、又はこれに必要な事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をした者

5号 第13条第1項 《公安委員会は、この法律の施行に必要な限度…》 において、探偵業者に対し、その業務の状況に関し報告若しくは資料の提出を求め、又は警察職員に探偵業者の営業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させること の規定に違反して報告をせず、若しくは資料の提出をせず、若しくは同項の報告若しくは資料の提出について虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出した者又は同項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

20条

1項 第12条第3項 《3 探偵業者以外の者は、前項の標識又はこ…》 れに類似する標識を掲示し、又は電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供してはならない。 の規定に違反したときは、当該違反行為をした者は、210,000円以下の罰金に処する。

21条

1項 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、 第17条 《罰則 第15条の規定による処分に違反し…》 た者は、1年以下の拘禁刑又は1,010,000円以下の罰金に処する。 から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

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