保険法《本則》

法番号:2008年法律第56号

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1章 総則

1条 (趣旨)

1項 保険に係る契約の成立、効力、履行及び終了については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。

2条 (定義)

1項 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

1号 保険契約 保険契約 、共済契約その他いかなる名称であるかを問わず、当事者の一方が一定の事由が生じたことを条件として財産上の給付(生命保険契約及び傷害疾病定額保険契約にあっては、金銭の支払に限る。以下保険給付という。)を行うことを約し、相手方がこれに対して当該一定の事由の発生の可能性に応じたものとして保険料(共済掛金を含む。以下同じ。)を支払うことを約する契約をいう。

2号 保険者 保険契約 の当事者のうち、保険給付を行う義務を負う者をいう。

3号 保険契約者 保険契約 の当事者のうち、保険料を支払う義務を負う者をいう。

4号 保険者 :次のイからハまでに掲げる 保険契約 の区分に応じ、当該イからハまでに定める者をいう。

損害 保険契約 損害保険契約によりてん補することとされる損害を受ける者

生命 保険契約 その者の生存又は死亡に関し 保険者 が保険給付を行うこととなる者

傷害疾病 定額 保険契約 その者の傷害又は疾病(以下「 傷害疾病 」という。)に基づき 保険者 が保険給付を行うこととなる者

5号 保険金受取人 :保険給付を受ける者として生命 保険契約 又は 傷害疾病 定額保険契約で定めるものをいう。

6号 損害 保険契約 :保険契約のうち、 保険者 が一定の偶然の事故によって生ずることのある損害をてん補することを約するものをいう。

7号 傷害疾病 損害保険契約 :損害保険契約のうち、 保険者 が人の 傷害疾病 によって生ずることのある損害(当該傷害疾病が生じた者が受けるものに限る。)をてん補することを約するものをいう。

8号 生命 保険契約 :保険契約のうち、 保険者 が人の生存又は死亡に関し一定の保険給付を行うことを約するもの( 傷害疾病 定額保険契約に該当するものを除く。)をいう。

9号 傷害疾病定額 保険契約 :保険契約のうち、 保険者 が人の 傷害疾病 に基づき一定の保険給付を行うことを約するものをいう。

2章 損害保険 > 1節 成立

3条 (損害保険契約の目的)

1項 損害保険契約 は、金銭に見積もることができる利益に限り、その目的とすることができる。

4条 (告知義務)

1項 保険契約 又は 被保険者 になる者は、 損害保険契約 の締結に際し、損害保険契約によりてん補することとされる損害の発生の可能性(以下この章において「 危険 」という。)に関する重要な事項のうち 保険者 になる者が告知を求めたもの( 第28条第1項 《保険者は、保険契約者又は被保険者が、告知…》 事項について、故意又は重大な過失により事実の告知をせず、又は不実の告知をしたときは、損害保険契約を解除することができる。 及び 第29条第1項 《損害保険契約の締結後に危険増加告知事項に…》 ついての危険が高くなり、損害保険契約で定められている保険料が当該危険を計算の基礎として算出される保険料に不足する状態になることをいう。以下この条及び第31条第2項第2号において同じ。が生じた場合におい において「 告知事項 」という。)について、事実の告知をしなければならない。

5条

1項 損害保険契約 を締結する前に発生した保険事故(損害保険契約によりてん補することとされる損害を生ずることのある偶然の事故として当該損害保険契約で定めるものをいう。以下この章において同じ。)による損害をてん補する旨の定めは、 保険契約 者が当該損害保険契約の申込み又はその承諾をした時において、当該保険契約者又は 被保険者 が既に保険事故が発生していることを知っていたときは、無効とする。

2項 損害保険契約 の申込みの時より前に発生した保険事故による損害をてん補する旨の定めは、 保険者 又は 保険契約 者が当該損害保険契約の申込みをした時において、当該保険者が保険事故が発生していないことを知っていたときは、無効とする。

6条 (損害保険契約の締結時の書面交付)

1項 保険者 は、 損害保険契約 を締結したときは、遅滞なく、 保険契約 者に対し、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。

1号 保険者 の氏名又は名称

2号 保険契約 者の氏名又は名称

3号 被保険者 の氏名又は名称その他の被保険者を特定するために必要な事項

4号 保険事故

5号 その期間内に発生した保険事故による損害をてん補するものとして 損害保険契約 で定める期間

6号 保険金額(保険給付の限度額として 損害保険契約 で定めるものをいう。以下この章において同じ。又は保険金額の定めがないときはその旨

7号 保険の目的物(保険事故によって損害が生ずることのある物として 損害保険契約 で定めるものをいう。以下この章において同じ。)があるときは、これを特定するために必要な事項

8号 第9条 《超過保険 損害保険契約の締結の時におい…》 て保険金額が保険の目的物の価額以下この章において「保険価額」という。を超えていたことにつき保険契約者及び被保険者が善意でかつ重大な過失がなかったときは、保険契約者は、その超過部分について、当該損害保険 ただし書に規定する約定保険価額があるときは、その約定保険価額

9号 保険料及びその支払の方法

10号 第29条第1項第1号 《損害保険契約の締結後に危険増加告知事項に…》 ついての危険が高くなり、損害保険契約で定められている保険料が当該危険を計算の基礎として算出される保険料に不足する状態になることをいう。以下この条及び第31条第2項第2号において同じ。が生じた場合におい の通知をすべき旨が定められているときは、その旨

11号 損害保険契約 を締結した年月日

12号 書面を作成した年月日

2項 前項の書面には、 保険者 法人その他の団体にあっては、その代表者)が署名し、又は記名押印しなければならない。

7条 (強行規定)

1項 第4条 《告知義務 保険契約者又は被保険者になる…》 者は、損害保険契約の締結に際し、損害保険契約によりてん補することとされる損害の発生の可能性以下この章において「危険」という。に関する重要な事項のうち保険者になる者が告知を求めたもの第28条第1項及び の規定に反する特約で 保険契約 又は 被保険者 に不利なもの及び 第5条第2項 《2 損害保険契約の申込みの時より前に発生…》 した保険事故による損害をてん補する旨の定めは、保険者又は保険契約者が当該損害保険契約の申込みをした時において、当該保険者が保険事故が発生していないことを知っていたときは、無効とする。 の規定に反する特約で保険契約者に不利なものは、無効とする。

2節 効力

8条 (第三者のためにする損害保険契約)

1項 被保険者 損害保険契約 の当事者以外の者であるときは、当該被保険者は、当然に当該損害保険契約の利益を享受する。

9条 (超過保険)

1項 損害保険契約 の締結の時において保険金額が保険の目的物の価額(以下この章において「 保険価額 」という。)を超えていたことにつき 保険契約 及び 被保険者 が善意でかつ重大な過失がなかったときは、保険契約者は、その超過部分について、当該損害保険契約を取り消すことができる。ただし、 保険価額 について約定した一定の価額(以下この章において「 約定保険価額 」という。)があるときは、この限りでない。

10条 (保険価額の減少)

1項 損害保険契約 の締結後に 保険価額 が著しく減少したときは、 保険契約 者は、 保険者 に対し、将来に向かって、保険金額又は 約定保険価額 については減少後の保険価額に至るまでの減額を、保険料についてはその減額後の保険金額に対応する保険料に至るまでの減額をそれぞれ請求することができる。

11条 (危険の減少)

1項 損害保険契約 の締結後に 危険 が著しく減少したときは、 保険契約 者は、 保険者 に対し、将来に向かって、保険料について、減少後の当該危険に対応する保険料に至るまでの減額を請求することができる。

12条 (強行規定)

1項 第8条 《第三者のためにする損害保険契約 被保険…》 者が損害保険契約の当事者以外の者であるときは、当該被保険者は、当然に当該損害保険契約の利益を享受する。 の規定に反する特約で 被保険者 に不利なもの及び 第9条 《超過保険 損害保険契約の締結の時におい…》 て保険金額が保険の目的物の価額以下この章において「保険価額」という。を超えていたことにつき保険契約者及び被保険者が善意でかつ重大な過失がなかったときは、保険契約者は、その超過部分について、当該損害保険 本文又は前2条の規定に反する特約で 保険契約 者に不利なものは、無効とする。

3節 保険給付

13条 (損害の発生及び拡大の防止)

1項 保険契約 及び 被保険者 は、保険事故が発生したことを知ったときは、これによる損害の発生及び拡大の防止に努めなければならない。

14条 (損害発生の通知)

1項 保険契約 又は 被保険者 は、保険事故による損害が生じたことを知ったときは、遅滞なく、 保険者 に対し、その旨の通知を発しなければならない。

15条 (損害発生後の保険の目的物の滅失)

1項 保険者 は、保険事故による損害が生じた場合には、当該損害に係る保険の目的物が当該損害の発生後に保険事故によらずに滅失したときであっても、当該損害をてん補しなければならない。

16条 (火災保険契約による損害てん補の特則)

1項 火災を保険事故とする 損害保険契約 保険者 は、保険事故が発生していないときであっても、消火、避難その他の消防の活動のために必要な処置によって保険の目的物に生じた損害をてん補しなければならない。

17条 (保険者の免責)

1項 保険者 は、 保険契約 又は 被保険者 の故意又は重大な過失によって生じた損害をてん補する責任を負わない。戦争その他の変乱によって生じた損害についても、同様とする。

2項 責任 保険契約 損害保険契約 のうち、 被保険者 が損害賠償の責任を負うことによって生ずることのある損害をてん補するものをいう。以下同じ。)に関する前項の規定の適用については、同項中「故意又は重大な過失」とあるのは、「故意」とする。

18条 (損害額の算定)

1項 損害保険契約 によりてん補すべき損害の額(以下この章において「 てん補損害額 」という。)は、その損害が生じた地及び時における価額によって算定する。

2項 約定保険価額 があるときは、 てん補損害額 は、当該約定保険価額によって算定する。ただし、当該約定保険価額が 保険価額 を著しく超えるときは、てん補損害額は、当該保険価額によって算定する。

19条 (一部保険)

1項 保険金額が 保険価額 約定保険価額 があるときは、当該約定保険価額)に満たないときは、 保険者 が行うべき保険給付の額は、当該保険金額の当該保険価額に対する割合を てん補損害額 に乗じて得た額とする。

20条 (重複保険)

1項 損害保険契約 によりてん補すべき損害について他の損害保険契約がこれをてん補することとなっている場合においても、 保険者 は、 てん補損害額 の全額(前条に規定する場合にあっては、同条の規定により行うべき保険給付の額の全額)について、保険給付を行う義務を負う。

2項 二以上の 損害保険契約 の各 保険者 が行うべき保険給付の額の合計額が てん補損害額 各損害保険契約に基づいて算定したてん補損害額が異なるときは、そのうち最も高い額。以下この項において同じ。)を超える場合において、保険者の1人が自己の負担部分(他の損害保険契約がないとする場合における各保険者が行うべき保険給付の額のその合計額に対する割合をてん補損害額に乗じて得た額をいう。以下この項において同じ。)を超えて保険給付を行い、これにより共同の免責を得たときは、当該保険者は、自己の負担部分を超える部分に限り、他の保険者に対し、各自の負担部分について求償権を有する。

21条 (保険給付の履行期)

1項 保険給付を行う期限を定めた場合であっても、当該期限が、保険事故、 てん補損害額 保険者 が免責される事由その他の保険給付を行うために確認をすることが 損害保険契約 上必要とされる事項の確認をするための相当の期間を経過する日後の日であるときは、当該期間を経過する日をもって保険給付を行う期限とする。

2項 保険給付を行う期限を定めなかったときは、 保険者 は、保険給付の請求があった後、当該請求に係る保険事故及び てん補損害額 の確認をするために必要な期間を経過するまでは、遅滞の責任を負わない。

3項 保険者 が前2項に規定する確認をするために必要な調査を行うに当たり、 保険契約 又は 被保険者 が正当な理由なく当該調査を妨げ、又はこれに応じなかった場合には、保険者は、これにより保険給付を遅延した期間について、遅滞の責任を負わない。

22条 (責任保険契約についての先取特権)

1項 責任 保険契約 被保険者 に対して当該責任保険契約の保険事故に係る損害賠償請求権を有する者は、保険給付を請求する権利について先取特権を有する。

2項 被保険者 は、前項の損害賠償請求権に係る債務について弁済をした金額又は当該損害賠償請求権を有する者の承諾があった金額の限度においてのみ、 保険者 に対して保険給付を請求する権利を行使することができる。

3項 責任 保険契約 に基づき保険給付を請求する権利は、譲り渡し、質権の目的とし、又は差し押さえることができない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

1号 第1項の損害賠償請求権を有する者に譲り渡し、又は当該損害賠償請求権に関して差し押さえる場合

2号 前項の規定により 被保険者 が保険給付を請求する権利を行使することができる場合

23条 (費用の負担)

1項 次に掲げる費用は、 保険者 の負担とする。

1号 てん補損害額 の算定に必要な費用

2号 第13条 《損害の発生及び拡大の防止 保険契約者及…》 び被保険者は、保険事故が発生したことを知ったときは、これによる損害の発生及び拡大の防止に努めなければならない。 の場合において、損害の発生又は拡大の防止のために必要又は有益であった費用

2項 第19条 《一部保険 保険金額が保険価額約定保険価…》 額があるときは、当該約定保険価額に満たないときは、保険者が行うべき保険給付の額は、当該保険金額の当該保険価額に対する割合をてん補損害額に乗じて得た額とする。 の規定は、前項第2号に掲げる費用の額について準用する。この場合において、同条中「 てん補損害額 」とあるのは、「 第23条第1項第2号 《次に掲げる費用は、保険者の負担とする。 …》 1 てん補損害額の算定に必要な費用 2 第13条の場合において、損害の発生又は拡大の防止のために必要又は有益であった費用 に掲げる費用の額」と読み替えるものとする。

24条 (残存物代位)

1項 保険者 は、保険の目的物の全部が滅失した場合において、保険給付を行ったときは、当該保険給付の額の 保険価額 約定保険価額 があるときは、当該約定保険価額)に対する割合に応じて、当該保険の目的物に関して 被保険者 が有する所有権その他の物権について当然に被保険者に代位する。

25条 (請求権代位)

1項 保険者 は、保険給付を行ったときは、次に掲げる額のうちいずれか少ない額を限度として、保険事故による損害が生じたことにより 被保険者 が取得する債権(債務の不履行その他の理由により債権について生ずることのある損害をてん補する 損害保険契約 においては、当該債権を含む。以下この条において「 被保険者債権 」という。)について当然に被保険者に代位する。

1号 当該 保険者 が行った保険給付の額

2号 被保険者 債権の額(前号に掲げる額が てん補損害額 に不足するときは、被保険者債権の額から当該不足額を控除した残額

2項 前項の場合において、同項第1号に掲げる額が てん補損害額 に不足するときは、 被保険者 は、被保険者債権のうち 保険者 が同項の規定により代位した部分を除いた部分について、当該代位に係る保険者の債権に先立って弁済を受ける権利を有する。

26条 (強行規定)

1項 第15条 《損害発生後の保険の目的物の滅失 保険者…》 は、保険事故による損害が生じた場合には、当該損害に係る保険の目的物が当該損害の発生後に保険事故によらずに滅失したときであっても、当該損害をてん補しなければならない。第21条第1項 《保険給付を行う期限を定めた場合であっても…》 、当該期限が、保険事故、てん補損害額、保険者が免責される事由その他の保険給付を行うために確認をすることが損害保険契約上必要とされる事項の確認をするための相当の期間を経過する日後の日であるときは、当該期 若しくは第3項又は前2条の規定に反する特約で 被保険者 に不利なものは、無効とする。

4節 終了

27条 (保険契約者による解除)

1項 保険契約 者は、いつでも 損害保険契約 を解除することができる。

28条 (告知義務違反による解除)

1項 保険者 は、 保険契約 又は 被保険者 が、 告知事項 について、故意又は重大な過失により事実の告知をせず、又は不実の告知をしたときは、 損害保険契約 を解除することができる。

2項 保険者 は、前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、 損害保険契約 を解除することができない。

1号 損害保険契約 の締結の時において、 保険者 が前項の事実を知り、又は過失によって知らなかったとき。

2号 保険者 のために 保険契約 の締結の媒介を行うことができる者(保険者のために保険契約の締結の代理を行うことができる者を除く。以下「 保険媒介者 」という。)が、保険契約者又は 被保険者 が前項の事実の告知をすることを妨げたとき。

3号 保険媒介者 が、 保険契約 又は 被保険者 に対し、前項の事実の告知をせず、又は不実の告知をすることを勧めたとき。

3項 前項第2号及び第3号の規定は、当該各号に規定する 保険媒介者 の行為がなかったとしても 保険契約 又は 被保険者 が第1項の事実の告知をせず、又は不実の告知をしたと認められる場合には、適用しない。

4項 第1項の規定による解除権は、 保険者 が同項の規定による解除の原因があることを知った時から1箇月間行使しないときは、消滅する。 損害保険契約 の締結の時から5年を経過したときも、同様とする。

29条 (危険増加による解除)

1項 損害保険契約 の締結後に 危険 増加( 告知事項 についての危険が高くなり、損害保険契約で定められている保険料が当該危険を計算の基礎として算出される保険料に不足する状態になることをいう。以下この条及び 第31条第2項第2号 《2 保険者は、次の各号に掲げる規定により…》 損害保険契約の解除をした場合には、当該各号に定める損害をてん補する責任を負わない。 1 第28条第1項 解除がされた時までに発生した保険事故による損害。 ただし、同項の事実に基づかずに発生した保険事故 において同じ。)が生じた場合において、保険料を当該危険増加に対応した額に変更するとしたならば当該損害保険契約を継続することができるときであっても、 保険者 は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、当該損害保険契約を解除することができる。

1号 当該 危険 増加に係る 告知事項 について、その内容に変更が生じたときは 保険契約 又は 被保険者 保険者 に遅滞なくその旨の通知をすべき旨が当該 損害保険契約 で定められていること。

2号 保険契約 又は 被保険者 が故意又は重大な過失により遅滞なく前号の通知をしなかったこと。

2項 前条第4項の規定は、前項の規定による解除権について準用する。この場合において、同条第4項中「 損害保険契約 の締結の時」とあるのは、「次条第1項に規定する 危険 増加が生じた時」と読み替えるものとする。

30条 (重大事由による解除)

1項 保険者 は、次に掲げる事由がある場合には、 損害保険契約 を解除することができる。

1号 保険契約 又は 被保険者 が、 保険者 に当該 損害保険契約 に基づく保険給付を行わせることを目的として損害を生じさせ、又は生じさせようとしたこと。

2号 被保険者 が、当該 損害保険契約 に基づく保険給付の請求について詐欺を行い、又は行おうとしたこと。

3号 前2号に掲げるもののほか、 保険者 保険契約 又は 被保険者 に対する信頼を損ない、当該 損害保険契約 の存続を困難とする重大な事由

31条 (解除の効力)

1項 損害保険契約 の解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。

2項 保険者 は、次の各号に掲げる規定により 損害保険契約 の解除をした場合には、当該各号に定める損害をてん補する責任を負わない。

1号 第28条第1項 《保険者は、保険契約者又は被保険者が、告知…》 事項について、故意又は重大な過失により事実の告知をせず、又は不実の告知をしたときは、損害保険契約を解除することができる。 解除がされた時までに発生した保険事故による損害。ただし、同項の事実に基づかずに発生した保険事故による損害については、この限りでない。

2号 第29条第1項 《損害保険契約の締結後に危険増加告知事項に…》 ついての危険が高くなり、損害保険契約で定められている保険料が当該危険を計算の基礎として算出される保険料に不足する状態になることをいう。以下この条及び第31条第2項第2号において同じ。が生じた場合におい 解除に係る 危険 増加が生じた時から解除がされた時までに発生した保険事故による損害。ただし、当該危険増加をもたらした事由に基づかずに発生した保険事故による損害については、この限りでない。

3号 前条同条各号に掲げる事由が生じた時から解除がされた時までに発生した保険事故による損害

32条 (保険料の返還の制限)

1項 保険者 は、次に掲げる場合には、保険料を返還する義務を負わない。

1号 保険契約 又は 被保険者 の詐欺又は強迫を理由として 損害保険契約 に係る意思表示を取り消した場合

2号 損害保険契約 第5条第1項 《損害保険契約を締結する前に発生した保険事…》 故損害保険契約によりてん補することとされる損害を生ずることのある偶然の事故として当該損害保険契約で定めるものをいう。以下この章において同じ。による損害をてん補する旨の定めは、保険契約者が当該損害保険契 の規定により無効とされる場合。ただし、 保険者 が保険事故の発生を知って当該損害保険契約の申込み又はその承諾をしたときは、この限りでない。

33条 (強行規定)

1項 第28条第1項 《保険者は、保険契約者又は被保険者が、告知…》 事項について、故意又は重大な過失により事実の告知をせず、又は不実の告知をしたときは、損害保険契約を解除することができる。 から第3項まで、 第29条第1項 《損害保険契約の締結後に危険増加告知事項に…》 ついての危険が高くなり、損害保険契約で定められている保険料が当該危険を計算の基礎として算出される保険料に不足する状態になることをいう。以下この条及び第31条第2項第2号において同じ。が生じた場合におい第30条 《重大事由による解除 保険者は、次に掲げ…》 る事由がある場合には、損害保険契約を解除することができる。 1 保険契約者又は被保険者が、保険者に当該損害保険契約に基づく保険給付を行わせることを目的として損害を生じさせ、又は生じさせようとしたこと。 又は 第31条 《解除の効力 損害保険契約の解除は、将来…》 に向かってのみその効力を生ずる。 2 保険者は、次の各号に掲げる規定により損害保険契約の解除をした場合には、当該各号に定める損害をてん補する責任を負わない。 1 第28条第1項 解除がされた時までに発 の規定に反する特約で 保険契約 又は 被保険者 に不利なものは、無効とする。

2項 前条の規定に反する特約で 保険契約 者に不利なものは、無効とする。

5節 傷害疾病損害保険の特則

34条 (被保険者による解除請求)

1項 被保険者 傷害疾病 損害 保険契約 の当事者以外の者であるときは、当該被保険者は、保険契約者に対し、当該保険契約者との間に別段の合意がある場合を除き、当該傷害疾病損害保険契約を解除することを請求することができる。

2項 保険契約 者は、前項の規定により 傷害疾病 損害保険契約を解除することの請求を受けたときは、当該傷害疾病損害保険契約を解除することができる。

35条 (傷害疾病損害保険契約に関する読替え)

1項 傷害疾病 損害 保険契約 における第1節から前節までの規定の適用については、 第5条第1項 《損害保険契約を締結する前に発生した保険事…》 故損害保険契約によりてん補することとされる損害を生ずることのある偶然の事故として当該損害保険契約で定めるものをいう。以下この章において同じ。による損害をてん補する旨の定めは、保険契約者が当該損害保険契第14条 《損害発生の通知 保険契約者又は被保険者…》 は、保険事故による損害が生じたことを知ったときは、遅滞なく、保険者に対し、その旨の通知を発しなければならない。第21条第3項 《3 保険者が前2項に規定する確認をするた…》 めに必要な調査を行うに当たり、保険契約者又は被保険者が正当な理由なく当該調査を妨げ、又はこれに応じなかった場合には、保険者は、これにより保険給付を遅延した期間について、遅滞の責任を負わない。 及び 第26条 《強行規定 第15条、第21条第1項若し…》 くは第3項又は前2条の規定に反する特約で被保険者に不利なものは、無効とする。 中「 被保険者 」とあるのは「被保険者(被保険者の死亡によって生ずる損害をてん補する傷害疾病損害保険契約にあっては、その相続人)」と、 第5条第1項 《損害保険契約を締結する前に発生した保険事…》 故損害保険契約によりてん補することとされる損害を生ずることのある偶然の事故として当該損害保険契約で定めるものをいう。以下この章において同じ。による損害をてん補する旨の定めは、保険契約者が当該損害保険契 中「保険事故が発生している」とあるのは「保険事故による損害が生じている」と、同条第2項中「保険事故が発生していない」とあるのは「保険事故による損害が生じていない」と、 第17条第1項 《保険者は、保険契約者又は被保険者の故意又…》 は重大な過失によって生じた損害をてん補する責任を負わない。 戦争その他の変乱によって生じた損害についても、同様とする。第30条 《重大事由による解除 保険者は、次に掲げ…》 る事由がある場合には、損害保険契約を解除することができる。 1 保険契約者又は被保険者が、保険者に当該損害保険契約に基づく保険給付を行わせることを目的として損害を生じさせ、又は生じさせようとしたこと。 及び 第32条第1号 《保険料の返還の制限 第32条 保険者は、…》 次に掲げる場合には、保険料を返還する義務を負わない。 1 保険契約者又は被保険者の詐欺又は強迫を理由として損害保険契約に係る意思表示を取り消した場合 2 損害保険契約が第5条第1項の規定により無効とさ 中「被保険者」とあるのは「被保険者(被保険者の死亡によって生ずる損害をてん補する傷害疾病損害保険契約にあっては、被保険者又はその相続人)」と、 第25条第1項 《保険者は、保険給付を行ったときは、次に掲…》 げる額のうちいずれか少ない額を限度として、保険事故による損害が生じたことにより被保険者が取得する債権債務の不履行その他の理由により債権について生ずることのある損害をてん補する損害保険契約においては、当 中「被保険者が」とあるのは「被保険者(被保険者の死亡によって生ずる損害をてん補する傷害疾病損害保険契約にあっては、その相続人。以下この条において同じ。)が」と、 第32条第2号 《保険料の返還の制限 第32条 保険者は、…》 次に掲げる場合には、保険料を返還する義務を負わない。 1 保険契約者又は被保険者の詐欺又は強迫を理由として損害保険契約に係る意思表示を取り消した場合 2 損害保険契約が第5条第1項の規定により無効とさ 中「保険事故の発生」とあるのは「保険事故による損害が生じていること」と、 第33条第1項 《第28条第1項から第3項まで、第29条第…》 1項、第30条又は第31条の規定に反する特約で保険契約者又は被保険者に不利なものは、無効とする。 中「、 第30条 《重大事由による解除 保険者は、次に掲げ…》 る事由がある場合には、損害保険契約を解除することができる。 1 保険契約者又は被保険者が、保険者に当該損害保険契約に基づく保険給付を行わせることを目的として損害を生じさせ、又は生じさせようとしたこと。 又は 第31条 《解除の効力 損害保険契約の解除は、将来…》 に向かってのみその効力を生ずる。 2 保険者は、次の各号に掲げる規定により損害保険契約の解除をした場合には、当該各号に定める損害をてん補する責任を負わない。 1 第28条第1項 解除がされた時までに発 」とあるのは「又は 第31条 《解除の効力 損害保険契約の解除は、将来…》 に向かってのみその効力を生ずる。 2 保険者は、次の各号に掲げる規定により損害保険契約の解除をした場合には、当該各号に定める損害をてん補する責任を負わない。 1 第28条第1項 解除がされた時までに発 」と、「不利なものは」とあるのは「不利なもの及び 第30条 《重大事由による解除 保険者は、次に掲げ…》 る事由がある場合には、損害保険契約を解除することができる。 1 保険契約者又は被保険者が、保険者に当該損害保険契約に基づく保険給付を行わせることを目的として損害を生じさせ、又は生じさせようとしたこと。 の規定に反する特約で保険契約者又は被保険者(被保険者の死亡によって生ずる損害をてん補する傷害疾病損害保険契約にあっては、被保険者又はその相続人)に不利なものは」とする。

6節 適用除外

36条

1項 第7条 《強行規定 第4条の規定に反する特約で保…》 険契約者又は被保険者に不利なもの及び第5条第2項の規定に反する特約で保険契約者に不利なものは、無効とする。第12条 《強行規定 第8条の規定に反する特約で被…》 保険者に不利なもの及び第9条本文又は前2条の規定に反する特約で保険契約者に不利なものは、無効とする。第26条 《強行規定 第15条、第21条第1項若し…》 くは第3項又は前2条の規定に反する特約で被保険者に不利なものは、無効とする。 及び 第33条 《強行規定 第28条第1項から第3項まで…》 、第29条第1項、第30条又は第31条の規定に反する特約で保険契約者又は被保険者に不利なものは、無効とする。 2 前条の規定に反する特約で保険契約者に不利なものは、無効とする。 の規定は、次に掲げる 損害保険契約 については、適用しない。

1号 商法(1899年法律第48号)第815条第1項に規定する海上 保険契約

2号 航空機若しくは航空機により運送される貨物を保険の目的物とする 損害保険契約 又は航空機の事故により生じた損害を賠償する責任に係る責任 保険契約

3号 原子力施設を保険の目的物とする 損害保険契約 又は原子力施設の事故により生じた損害を賠償する責任に係る責任 保険契約

4号 前3号に掲げるもののほか、法人その他の団体又は事業を行う個人の事業活動に伴って生ずることのある損害をてん補する 損害保険契約 傷害疾病 損害 保険契約 に該当するものを除く。

3章 生命保険 > 1節 成立

37条 (告知義務)

1項 保険契約 又は 被保険者 になる者は、 生命保険契約 の締結に際し、保険事故(被保険者の死亡又は一定の時点における生存をいう。以下この章において同じ。)の発生の可能性(以下この章において「 危険 」という。)に関する重要な事項のうち 保険者 になる者が告知を求めたもの( 第55条第1項 《保険者は、保険契約者又は被保険者が、告知…》 事項について、故意又は重大な過失により事実の告知をせず、又は不実の告知をしたときは、生命保険契約を解除することができる。 及び 第56条第1項 《生命保険契約の締結後に危険増加告知事項に…》 ついての危険が高くなり、生命保険契約で定められている保険料が当該危険を計算の基礎として算出される保険料に不足する状態になることをいう。以下この条及び第59条第2項第2号において同じ。が生じた場合におい において「 告知事項 」という。)について、事実の告知をしなければならない。

38条 (被保険者の同意)

1項 生命保険契約 の当事者以外の者を 被保険者 とする死亡 保険契約 保険者 が被保険者の死亡に関し保険給付を行うことを約する生命保険契約をいう。以下この章において同じ。)は、当該被保険者の同意がなければ、その効力を生じない。

39条 (遡及保険)

1項 死亡 保険契約 を締結する前に発生した保険事故に関し保険給付を行う旨の定めは、保険契約者が当該死亡保険契約の申込み又はその承諾をした時において、当該保険契約者又は 保険金受取人 が既に保険事故が発生していることを知っていたときは、無効とする。

2項 死亡 保険契約 の申込みの時より前に発生した保険事故に関し保険給付を行う旨の定めは、 保険者 又は保険契約者が当該死亡保険契約の申込みをした時において、当該保険者が保険事故が発生していないことを知っていたときは、無効とする。

40条 (生命保険契約の締結時の書面交付)

1項 保険者 は、 生命保険契約 を締結したときは、遅滞なく、 保険契約 者に対し、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。

1号 保険者 の氏名又は名称

2号 保険契約 者の氏名又は名称

3号 被保険者 の氏名その他の被保険者を特定するために必要な事項

4号 保険金受取人 の氏名又は名称その他の保険金受取人を特定するために必要な事項

5号 保険事故

6号 その期間内に保険事故が発生した場合に保険給付を行うものとして 生命保険契約 で定める期間

7号 保険給付の額及びその方法

8号 保険料及びその支払の方法

9号 第56条第1項第1号 《生命保険契約の締結後に危険増加告知事項に…》 ついての危険が高くなり、生命保険契約で定められている保険料が当該危険を計算の基礎として算出される保険料に不足する状態になることをいう。以下この条及び第59条第2項第2号において同じ。が生じた場合におい の通知をすべき旨が定められているときは、その旨

10号 生命保険契約 を締結した年月日

11号 書面を作成した年月日

2項 前項の書面には、 保険者 法人その他の団体にあっては、その代表者)が署名し、又は記名押印しなければならない。

41条 (強行規定)

1項 第37条 《告知義務 保険契約者又は被保険者になる…》 者は、生命保険契約の締結に際し、保険事故被保険者の死亡又は一定の時点における生存をいう。以下この章において同じ。の発生の可能性以下この章において「危険」という。に関する重要な事項のうち保険者になる者が の規定に反する特約で 保険契約 又は 被保険者 に不利なもの及び 第39条第2項 《2 死亡保険契約の申込みの時より前に発生…》 した保険事故に関し保険給付を行う旨の定めは、保険者又は保険契約者が当該死亡保険契約の申込みをした時において、当該保険者が保険事故が発生していないことを知っていたときは、無効とする。 の規定に反する特約で保険契約者に不利なものは、無効とする。

2節 効力

42条 (第三者のためにする生命保険契約)

1項 保険金受取人 生命保険契約 の当事者以外の者であるときは、当該保険金受取人は、当然に当該生命保険契約の利益を享受する。

43条 (保険金受取人の変更)

1項 保険契約 者は、保険事故が発生するまでは、 保険金受取人 の変更をすることができる。

2項 保険金受取人 の変更は、 保険者 に対する意思表示によってする。

3項 前項の意思表示は、その通知が 保険者 に到達したときは、当該通知を発した時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、その到達前に行われた保険給付の効力を妨げない。

44条 (遺言による保険金受取人の変更)

1項 保険金受取人 の変更は、遺言によっても、することができる。

2項 遺言による 保険金受取人 の変更は、その遺言が効力を生じた後、 保険契約 者の相続人がその旨を 保険者 に通知しなければ、これをもって保険者に対抗することができない。

45条 (保険金受取人の変更についての被保険者の同意)

1項 死亡 保険契約 保険金受取人 の変更は、 被保険者 の同意がなければ、その効力を生じない。

46条 (保険金受取人の死亡)

1項 保険金受取人 が保険事故の発生前に死亡したときは、その相続人の全員が保険金受取人となる。

47条 (保険給付請求権の譲渡等についての被保険者の同意)

1項 死亡 保険契約 に基づき保険給付を請求する権利の譲渡又は当該権利を目的とする質権の設定(保険事故が発生した後にされたものを除く。)は、 被保険者 の同意がなければ、その効力を生じない。

48条 (危険の減少)

1項 生命保険契約 の締結後に 危険 が著しく減少したときは、 保険契約 者は、 保険者 に対し、将来に向かって、保険料について、減少後の当該危険に対応する保険料に至るまでの減額を請求することができる。

49条 (強行規定)

1項 第42条 《第三者のためにする生命保険契約 保険金…》 受取人が生命保険契約の当事者以外の者であるときは、当該保険金受取人は、当然に当該生命保険契約の利益を享受する。 の規定に反する特約で 保険金受取人 に不利なもの及び前条の規定に反する特約で 保険契約 者に不利なものは、無効とする。

3節 保険給付

50条 (被保険者の死亡の通知)

1項 死亡 保険契約 の保険契約者又は 保険金受取人 は、 被保険者 が死亡したことを知ったときは、遅滞なく、 保険者 に対し、その旨の通知を発しなければならない。

51条 (保険者の免責)

1項 死亡 保険契約 保険者 は、次に掲げる場合には、保険給付を行う責任を負わない。ただし、第3号に掲げる場合には、 被保険者 を故意に死亡させた 保険金受取人 以外の保険金受取人に対する責任については、この限りでない。

1号 被保険者 が自殺をしたとき。

2号 保険契約 者が 被保険者 を故意に死亡させたとき(前号に掲げる場合を除く。)。

3号 保険金受取人 被保険者 を故意に死亡させたとき(前2号に掲げる場合を除く。)。

4号 戦争その他の変乱によって 被保険者 が死亡したとき。

52条 (保険給付の履行期)

1項 保険給付を行う期限を定めた場合であっても、当該期限が、保険事故、 保険者 が免責される事由その他の保険給付を行うために確認をすることが 生命保険契約 上必要とされる事項の確認をするための相当の期間を経過する日後の日であるときは、当該期間を経過する日をもって保険給付を行う期限とする。

2項 保険給付を行う期限を定めなかったときは、 保険者 は、保険給付の請求があった後、当該請求に係る保険事故の確認をするために必要な期間を経過するまでは、遅滞の責任を負わない。

3項 保険者 が前2項に規定する確認をするために必要な調査を行うに当たり、 保険契約 者、 被保険者 又は 保険金受取人 が正当な理由なく当該調査を妨げ、又はこれに応じなかった場合には、保険者は、これにより保険給付を遅延した期間について、遅滞の責任を負わない。

53条 (強行規定)

1項 前条第1項又は第3項の規定に反する特約で 保険金受取人 に不利なものは、無効とする。

4節 終了

54条 (保険契約者による解除)

1項 保険契約 者は、いつでも 生命保険契約 を解除することができる。

55条 (告知義務違反による解除)

1項 保険者 は、 保険契約 又は 被保険者 が、 告知事項 について、故意又は重大な過失により事実の告知をせず、又は不実の告知をしたときは、 生命保険契約 を解除することができる。

2項 保険者 は、前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、 生命保険契約 を解除することができない。

1号 生命保険契約 の締結の時において、 保険者 が前項の事実を知り、又は過失によって知らなかったとき。

2号 保険媒介者 が、 保険契約 又は 被保険者 が前項の事実の告知をすることを妨げたとき。

3号 保険媒介者 が、 保険契約 又は 被保険者 に対し、前項の事実の告知をせず、又は不実の告知をすることを勧めたとき。

3項 前項第2号及び第3号の規定は、当該各号に規定する 保険媒介者 の行為がなかったとしても 保険契約 又は 被保険者 が第1項の事実の告知をせず、又は不実の告知をしたと認められる場合には、適用しない。

4項 第1項の規定による解除権は、 保険者 が同項の規定による解除の原因があることを知った時から1箇月間行使しないときは、消滅する。 生命保険契約 の締結の時から5年を経過したときも、同様とする。

56条 (危険増加による解除)

1項 生命保険契約 の締結後に 危険 増加( 告知事項 についての危険が高くなり、生命保険契約で定められている保険料が当該危険を計算の基礎として算出される保険料に不足する状態になることをいう。以下この条及び 第59条第2項第2号 《2 保険者は、次の各号に掲げる規定により…》 生命保険契約の解除をした場合には、当該各号に定める保険事故に関し保険給付を行う責任を負わない。 1 第55条第1項 解除がされた時までに発生した保険事故。 ただし、同項の事実に基づかずに発生した保険事 において同じ。)が生じた場合において、保険料を当該危険増加に対応した額に変更するとしたならば当該生命保険契約を継続することができるときであっても、 保険者 は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、当該生命保険契約を解除することができる。

1号 当該 危険 増加に係る 告知事項 について、その内容に変更が生じたときは 保険契約 又は 被保険者 保険者 に遅滞なくその旨の通知をすべき旨が当該 生命保険契約 で定められていること。

2号 保険契約 又は 被保険者 が故意又は重大な過失により遅滞なく前号の通知をしなかったこと。

2項 前条第4項の規定は、前項の規定による解除権について準用する。この場合において、同条第4項中「 生命保険契約 の締結の時」とあるのは、「次条第1項に規定する 危険 増加が生じた時」と読み替えるものとする。

57条 (重大事由による解除)

1項 保険者 は、次に掲げる事由がある場合には、 生命保険契約 第1号の場合にあっては、死亡 保険契約 に限る。)を解除することができる。

1号 保険契約 又は 保険金受取人 が、 保険者 に保険給付を行わせることを目的として故意に 被保険者 を死亡させ、又は死亡させようとしたこと。

2号 保険金受取人 が、当該 生命保険契約 に基づく保険給付の請求について詐欺を行い、又は行おうとしたこと。

3号 前2号に掲げるもののほか、 保険者 保険契約 者、 被保険者 又は 保険金受取人 に対する信頼を損ない、当該 生命保険契約 の存続を困難とする重大な事由

58条 (被保険者による解除請求)

1項 死亡 保険契約 被保険者 が当該死亡保険契約の当事者以外の者である場合において、次に掲げるときは、当該被保険者は、保険契約者に対し、当該死亡保険契約を解除することを請求することができる。

1号 前条第1号又は第2号に掲げる事由がある場合

2号 前号に掲げるもののほか、 被保険者 保険契約 又は 保険金受取人 に対する信頼を損ない、当該死亡保険契約の存続を困難とする重大な事由がある場合

3号 保険契約 者と 被保険者 との間の親族関係の終了その他の事情により、被保険者が 第38条 《被保険者の同意 生命保険契約の当事者以…》 外の者を被保険者とする死亡保険契約保険者が被保険者の死亡に関し保険給付を行うことを約する生命保険契約をいう。以下この章において同じ。は、当該被保険者の同意がなければ、その効力を生じない。 の同意をするに当たって基礎とした事情が著しく変更した場合

2項 保険契約 者は、前項の規定により死亡保険契約を解除することの請求を受けたときは、当該死亡保険契約を解除することができる。

59条 (解除の効力)

1項 生命保険契約 の解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。

2項 保険者 は、次の各号に掲げる規定により 生命保険契約 の解除をした場合には、当該各号に定める保険事故に関し保険給付を行う責任を負わない。

1号 第55条第1項 《保険者は、保険契約者又は被保険者が、告知…》 事項について、故意又は重大な過失により事実の告知をせず、又は不実の告知をしたときは、生命保険契約を解除することができる。 解除がされた時までに発生した保険事故。ただし、同項の事実に基づかずに発生した保険事故については、この限りでない。

2号 第56条第1項 《生命保険契約の締結後に危険増加告知事項に…》 ついての危険が高くなり、生命保険契約で定められている保険料が当該危険を計算の基礎として算出される保険料に不足する状態になることをいう。以下この条及び第59条第2項第2号において同じ。が生じた場合におい 解除に係る 危険 増加が生じた時から解除がされた時までに発生した保険事故。ただし、当該危険増加をもたらした事由に基づかずに発生した保険事故については、この限りでない。

3号 第57条 《重大事由による解除 保険者は、次に掲げ…》 る事由がある場合には、生命保険契約第1号の場合にあっては、死亡保険契約に限る。を解除することができる。 1 保険契約者又は保険金受取人が、保険者に保険給付を行わせることを目的として故意に被保険者を死亡 同条各号に掲げる事由が生じた時から解除がされた時までに発生した保険事故

60条 (契約当事者以外の者による解除の効力等)

1項 差押債権者、破産管財人その他の死亡 保険契約 第63条 《保険料積立金の払戻し 保険者は、次に掲…》 げる事由により生命保険契約が終了した場合には、保険契約者に対し、当該終了の時における保険料積立金受領した保険料の総額のうち、当該生命保険契約に係る保険給付に充てるべきものとして、保険料又は保険給付の額 に規定する保険料積立金があるものに限る。次項及び次条第1項において同じ。)の当事者以外の者で当該死亡保険契約の解除をすることができるもの(次項及び 第62条 《 第60条第1項に規定する通知の時から同…》 項に規定する解除の効力が生じ、又は同条第2項の規定により当該解除の効力が生じないこととなるまでの間に保険事故が発生したことにより保険者が保険給付を行うべきときは、当該保険者は、当該保険給付を行うべき額 において「 解除権者 」という。)がする当該解除は、 保険者 がその通知を受けた時から1箇月を経過した日に、その効力を生ずる。

2項 保険金受取人 前項に規定する通知の時において、 保険契約 者である者を除き、保険契約者若しくは 被保険者 の親族又は被保険者である者に限る。次項及び次条において「 介入権者 」という。)が、保険契約者の同意を得て、前項の期間が経過するまでの間に、当該通知の日に当該死亡保険契約の解除の効力が生じたとすれば 保険者 解除権者 に対して支払うべき金額を解除権者に対して支払い、かつ、保険者に対してその旨の通知をしたときは、同項に規定する解除は、その効力を生じない。

3項 第1項に規定する解除の意思表示が差押えの手続又は 保険契約 者の破産手続、再生手続若しくは更生手続においてされたものである場合において、 介入権者 が前項の規定による支払及びその旨の通知をしたときは、当該差押えの手続、破産手続、再生手続又は更生手続との関係においては、 保険者 が当該解除により支払うべき金銭の支払をしたものとみなす。

61条

1項 死亡 保険契約 の解除により保険契約者が 保険者 に対して有することとなる金銭債権を差し押さえた債権者が前条第1項に規定する通知をした場合において、同条第2項の規定による支払の時に保険者が当該差押えに係る金銭債権の支払をするとすれば 民事執行法 1979年法律第4号)その他の法令の規定による供託をすることができるときは、 介入権者 は、当該供託の方法により同項の規定による支払をすることができる。

2項 前項の通知があった場合において、前条第2項の規定による支払の時に 保険者 が当該差押えに係る金銭債権の支払をするとすれば 民事執行法 その他の法令の規定による供託の義務を負うときは、 介入権者 は、当該供託の方法により同項の規定による支払をしなければならない。

3項 介入権者 が前2項の規定により供託の方法による支払をしたときは、当該供託に係る差押えの手続との関係においては、 保険者 が当該差押えに係る金銭債権につき当該供託の方法による支払をしたものとみなす。

4項 介入権者 は、第1項又は第2項の規定による供託をしたときは、 民事執行法 その他の法令の規定により第三債務者が執行裁判所その他の官庁又は公署に対してすべき届出をしなければならない。

62条

1項 第60条第1項 《差押債権者、破産管財人その他の死亡保険契…》 約第63条に規定する保険料積立金があるものに限る。次項及び次条第1項において同じ。の当事者以外の者で当該死亡保険契約の解除をすることができるもの次項及び第62条において「解除権者」という。がする当該解 に規定する通知の時から同項に規定する解除の効力が生じ、又は同条第2項の規定により当該解除の効力が生じないこととなるまでの間に保険事故が発生したことにより 保険者 が保険給付を行うべきときは、当該保険者は、当該保険給付を行うべき額の限度で、 解除権者 に対し、同項に規定する金額を支払わなければならない。この場合において、 保険金受取人 に対しては、当該保険給付を行うべき額から当該解除権者に支払った金額を控除した残額について保険給付を行えば足りる。

2項 前条の規定は、前項の規定による 保険者 解除権者 に対する支払について準用する。

63条 (保険料積立金の払戻し)

1項 保険者 は、次に掲げる事由により 生命保険契約 が終了した場合には、 保険契約 者に対し、当該終了の時における保険料積立金(受領した保険料の総額のうち、当該生命保険契約に係る保険給付に充てるべきものとして、保険料又は保険給付の額を定めるための予定死亡率、予定利率その他の計算の基礎を用いて算出される金額に相当する部分をいう。)を払い戻さなければならない。ただし、保険者が保険給付を行う責任を負うときは、この限りでない。

1号 第51条 《保険者の免責 死亡保険契約の保険者は、…》 次に掲げる場合には、保険給付を行う責任を負わない。 ただし、第3号に掲げる場合には、被保険者を故意に死亡させた保険金受取人以外の保険金受取人に対する責任については、この限りでない。 1 被保険者が自殺 各号(第2号を除く。)に規定する事由

2号 保険者 の責任が開始する前における 第54条 《保険契約者による解除 保険契約者は、い…》 つでも生命保険契約を解除することができる。 又は 第58条第2項 《2 保険契約者は、前項の規定により死亡保…》 険契約を解除することの請求を受けたときは、当該死亡保険契約を解除することができる。 の規定による解除

3号 第56条第1項 《生命保険契約の締結後に危険増加告知事項に…》 ついての危険が高くなり、生命保険契約で定められている保険料が当該危険を計算の基礎として算出される保険料に不足する状態になることをいう。以下この条及び第59条第2項第2号において同じ。が生じた場合におい の規定による解除

4号 第96条第1項 《保険者が破産手続開始の決定を受けたときは…》 、保険契約者は、保険契約を解除することができる。 の規定による解除又は同条第2項の規定による当該 生命保険契約 の失効

64条 (保険料の返還の制限)

1項 保険者 は、次に掲げる場合には、保険料を返還する義務を負わない。

1号 保険契約 者、 被保険者 又は 保険金受取人 の詐欺又は強迫を理由として 生命保険契約 に係る意思表示を取り消した場合

2号 死亡 保険契約 第39条第1項 《死亡保険契約を締結する前に発生した保険事…》 故に関し保険給付を行う旨の定めは、保険契約者が当該死亡保険契約の申込み又はその承諾をした時において、当該保険契約者又は保険金受取人が既に保険事故が発生していることを知っていたときは、無効とする。 の規定により無効とされる場合。ただし、 保険者 が保険事故の発生を知って当該死亡保険契約の申込み又はその承諾をしたときは、この限りでない。

65条 (強行規定)

1項 次の各号に掲げる規定に反する特約で当該各号に定める者に不利なものは、無効とする。

1号 第55条第1項から第3項まで又は 第56条第1項 《生命保険契約の締結後に危険増加告知事項に…》 ついての危険が高くなり、生命保険契約で定められている保険料が当該危険を計算の基礎として算出される保険料に不足する状態になることをいう。以下この条及び第59条第2項第2号において同じ。が生じた場合におい 保険契約 又は 被保険者

2号 第57条又は 第59条 《解除の効力 生命保険契約の解除は、将来…》 に向かってのみその効力を生ずる。 2 保険者は、次の各号に掲げる規定により生命保険契約の解除をした場合には、当該各号に定める保険事故に関し保険給付を行う責任を負わない。 1 第55条第1項 解除がされ 保険契約 者、 被保険者 又は 保険金受取人

3号 前2条 保険契約

4章 傷害疾病定額保険 > 1節 成立

66条 (告知義務)

1項 保険契約 又は 被保険者 になる者は、 傷害疾病 定額保険契約の締結に際し、給付事由(傷害疾病による治療、死亡その他の保険給付を行う要件として傷害疾病定額保険契約で定める事由をいう。以下この章において同じ。)の発生の可能性(以下この章において「 危険 」という。)に関する重要な事項のうち 保険者 になる者が告知を求めたもの( 第84条第1項 《保険者は、保険契約者又は被保険者が、告知…》 事項について、故意又は重大な過失により事実の告知をせず、又は不実の告知をしたときは、傷害疾病定額保険契約を解除することができる。 及び 第85条第1項 《傷害疾病定額保険契約の締結後に危険増加告…》 知事項についての危険が高くなり、傷害疾病定額保険契約で定められている保険料が当該危険を計算の基礎として算出される保険料に不足する状態になることをいう。以下この条及び第88条第2項第2号において同じ。が において「 告知事項 」という。)について、事実の告知をしなければならない。

67条 (被保険者の同意)

1項 傷害疾病 定額 保険契約 の当事者以外の者を 被保険者 とする傷害疾病定額保険契約は、当該被保険者の同意がなければ、その効力を生じない。ただし、被保険者(被保険者の死亡に関する保険給付にあっては、被保険者又はその相続人)が 保険金受取人 である場合は、この限りでない。

2項 前項ただし書の規定は、給付事由が 傷害疾病 による死亡のみである傷害疾病定額 保険契約 については、適用しない。

68条 (遡及保険)

1項 傷害疾病 定額 保険契約 を締結する前に発生した給付事由に基づき保険給付を行う旨の定めは、保険契約者が当該傷害疾病定額保険契約の申込み又はその承諾をした時において、当該保険契約者、 被保険者 又は 保険金受取人 が既に給付事由が発生していることを知っていたときは、無効とする。

2項 傷害疾病 定額 保険契約 の申込みの時より前に発生した給付事由に基づき保険給付を行う旨の定めは、 保険者 又は保険契約者が当該傷害疾病定額保険契約の申込みをした時において、当該保険者が給付事由が発生していないことを知っていたときは、無効とする。

69条 (傷害疾病定額保険契約の締結時の書面交付)

1項 保険者 は、 傷害疾病 定額 保険契約 を締結したときは、遅滞なく、保険契約者に対し、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。

1号 保険者 の氏名又は名称

2号 保険契約 者の氏名又は名称

3号 被保険者 の氏名その他の被保険者を特定するために必要な事項

4号 保険金受取人 の氏名又は名称その他の保険金受取人を特定するために必要な事項

5号 給付事由

6号 その期間内に 傷害疾病 又は給付事由が発生した場合に保険給付を行うものとして傷害疾病定額 保険契約 で定める期間

7号 保険給付の額及びその方法

8号 保険料及びその支払の方法

9号 第85条第1項第1号 《傷害疾病定額保険契約の締結後に危険増加告…》 知事項についての危険が高くなり、傷害疾病定額保険契約で定められている保険料が当該危険を計算の基礎として算出される保険料に不足する状態になることをいう。以下この条及び第88条第2項第2号において同じ。が の通知をすべき旨が定められているときは、その旨

10号 傷害疾病 定額 保険契約 を締結した年月日

11号 書面を作成した年月日

2項 前項の書面には、 保険者 法人その他の団体にあっては、その代表者)が署名し、又は記名押印しなければならない。

70条 (強行規定)

1項 第66条 《告知義務 保険契約者又は被保険者になる…》 者は、傷害疾病定額保険契約の締結に際し、給付事由傷害疾病による治療、死亡その他の保険給付を行う要件として傷害疾病定額保険契約で定める事由をいう。以下この章において同じ。の発生の可能性以下この章において の規定に反する特約で 保険契約 又は 被保険者 に不利なもの及び 第68条第2項 《2 傷害疾病定額保険契約の申込みの時より…》 前に発生した給付事由に基づき保険給付を行う旨の定めは、保険者又は保険契約者が当該傷害疾病定額保険契約の申込みをした時において、当該保険者が給付事由が発生していないことを知っていたときは、無効とする。 の規定に反する特約で保険契約者に不利なものは、無効とする。

2節 効力

71条 (第三者のためにする傷害疾病定額保険契約)

1項 保険金受取人 傷害疾病 定額 保険契約 の当事者以外の者であるときは、当該保険金受取人は、当然に当該傷害疾病定額保険契約の利益を享受する。

72条 (保険金受取人の変更)

1項 保険契約 者は、給付事由が発生するまでは、 保険金受取人 の変更をすることができる。

2項 保険金受取人 の変更は、 保険者 に対する意思表示によってする。

3項 前項の意思表示は、その通知が 保険者 に到達したときは、当該通知を発した時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、その到達前に行われた保険給付の効力を妨げない。

73条 (遺言による保険金受取人の変更)

1項 保険金受取人 の変更は、遺言によっても、することができる。

2項 遺言による 保険金受取人 の変更は、その遺言が効力を生じた後、 保険契約 者の相続人がその旨を 保険者 に通知しなければ、これをもって保険者に対抗することができない。

74条 (保険金受取人の変更についての被保険者の同意)

1項 保険金受取人 の変更は、 被保険者 の同意がなければ、その効力を生じない。ただし、変更後の保険金受取人が被保険者(被保険者の死亡に関する保険給付にあっては、被保険者又はその相続人)である場合は、この限りでない。

2項 前項ただし書の規定は、給付事由が 傷害疾病 による死亡のみである傷害疾病定額 保険契約 については、適用しない。

75条 (保険金受取人の死亡)

1項 保険金受取人 が給付事由の発生前に死亡したときは、その相続人の全員が保険金受取人となる。

76条 (保険給付請求権の譲渡等についての被保険者の同意)

1項 保険給付を請求する権利の譲渡又は当該権利を目的とする質権の設定(給付事由が発生した後にされたものを除く。)は、 被保険者 の同意がなければ、その効力を生じない。

77条 (危険の減少)

1項 傷害疾病 定額 保険契約 の締結後に 危険 が著しく減少したときは、保険契約者は、 保険者 に対し、将来に向かって、保険料について、減少後の当該危険に対応する保険料に至るまでの減額を請求することができる。

78条 (強行規定)

1項 第71条 《第三者のためにする傷害疾病定額保険契約 …》 保険金受取人が傷害疾病定額保険契約の当事者以外の者であるときは、当該保険金受取人は、当然に当該傷害疾病定額保険契約の利益を享受する。 の規定に反する特約で 保険金受取人 に不利なもの及び前条の規定に反する特約で 保険契約 者に不利なものは、無効とする。

3節 保険給付

79条 (給付事由発生の通知)

1項 保険契約 者、 被保険者 又は 保険金受取人 は、給付事由が発生したことを知ったときは、遅滞なく、 保険者 に対し、その旨の通知を発しなければならない。

80条 (保険者の免責)

1項 保険者 は、次に掲げる場合には、保険給付を行う責任を負わない。ただし、第3号に掲げる場合には、給付事由を発生させた 保険金受取人 以外の保険金受取人に対する責任については、この限りでない。

1号 被保険者 が故意又は重大な過失により給付事由を発生させたとき。

2号 保険契約 者が故意又は重大な過失により給付事由を発生させたとき(前号に掲げる場合を除く。)。

3号 保険金受取人 が故意又は重大な過失により給付事由を発生させたとき(前2号に掲げる場合を除く。)。

4号 戦争その他の変乱によって給付事由が発生したとき。

81条 (保険給付の履行期)

1項 保険給付を行う期限を定めた場合であっても、当該期限が、給付事由、 保険者 が免責される事由その他の保険給付を行うために確認をすることが 傷害疾病 定額 保険契約 上必要とされる事項の確認をするための相当の期間を経過する日後の日であるときは、当該期間を経過する日をもって保険給付を行う期限とする。

2項 保険給付を行う期限を定めなかったときは、 保険者 は、保険給付の請求があった後、当該請求に係る給付事由の確認をするために必要な期間を経過するまでは、遅滞の責任を負わない。

3項 保険者 が前2項に規定する確認をするために必要な調査を行うに当たり、 保険契約 者、 被保険者 又は 保険金受取人 が正当な理由なく当該調査を妨げ、又はこれに応じなかった場合には、保険者は、これにより保険給付を遅延した期間について、遅滞の責任を負わない。

82条 (強行規定)

1項 前条第1項又は第3項の規定に反する特約で 保険金受取人 に不利なものは、無効とする。

4節 終了

83条 (保険契約者による解除)

1項 保険契約 者は、いつでも 傷害疾病 定額保険契約を解除することができる。

84条 (告知義務違反による解除)

1項 保険者 は、 保険契約 又は 被保険者 が、 告知事項 について、故意又は重大な過失により事実の告知をせず、又は不実の告知をしたときは、 傷害疾病 定額保険契約を解除することができる。

2項 保険者 は、前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、 傷害疾病 定額 保険契約 を解除することができない。

1号 傷害疾病 定額 保険契約 の締結の時において、 保険者 が前項の事実を知り、又は過失によって知らなかったとき。

2号 保険媒介者 が、 保険契約 又は 被保険者 が前項の事実の告知をすることを妨げたとき。

3号 保険媒介者 が、 保険契約 又は 被保険者 に対し、前項の事実の告知をせず、又は不実の告知をすることを勧めたとき。

3項 前項第2号及び第3号の規定は、当該各号に規定する 保険媒介者 の行為がなかったとしても 保険契約 又は 被保険者 が第1項の事実の告知をせず、又は不実の告知をしたと認められる場合には、適用しない。

4項 第1項の規定による解除権は、 保険者 が同項の規定による解除の原因があることを知った時から1箇月間行使しないときは、消滅する。 傷害疾病 定額 保険契約 の締結の時から5年を経過したときも、同様とする。

85条 (危険増加による解除)

1項 傷害疾病 定額 保険契約 の締結後に 危険 増加( 告知事項 についての危険が高くなり、傷害疾病定額保険契約で定められている保険料が当該危険を計算の基礎として算出される保険料に不足する状態になることをいう。以下この条及び 第88条第2項第2号 《2 保険者は、次の各号に掲げる規定により…》 傷害疾病定額保険契約の解除をした場合には、当該各号に定める事由に基づき保険給付を行う責任を負わない。 1 第84条第1項 解除がされた時までに発生した傷害疾病。 ただし、同項の事実に基づかずに発生した において同じ。)が生じた場合において、保険料を当該危険増加に対応した額に変更するとしたならば当該傷害疾病定額保険契約を継続することができるときであっても、 保険者 は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、当該傷害疾病定額保険契約を解除することができる。

1号 当該 危険 増加に係る 告知事項 について、その内容に変更が生じたときは 保険契約 又は 被保険者 保険者 に遅滞なくその旨の通知をすべき旨が当該 傷害疾病 定額保険契約で定められていること。

2号 保険契約 又は 被保険者 が故意又は重大な過失により遅滞なく前号の通知をしなかったこと。

2項 前条第4項の規定は、前項の規定による解除権について準用する。この場合において、同条第4項中「 傷害疾病 定額 保険契約 の締結の時」とあるのは、「次条第1項に規定する 危険 増加が生じた時」と読み替えるものとする。

86条 (重大事由による解除)

1項 保険者 は、次に掲げる事由がある場合には、 傷害疾病 定額 保険契約 を解除することができる。

1号 保険契約 者、 被保険者 又は 保険金受取人 が、 保険者 に当該 傷害疾病 定額保険契約に基づく保険給付を行わせることを目的として給付事由を発生させ、又は発生させようとしたこと。

2号 保険金受取人 が、当該 傷害疾病 定額 保険契約 に基づく保険給付の請求について詐欺を行い、又は行おうとしたこと。

3号 前2号に掲げるもののほか、 保険者 保険契約 者、 被保険者 又は 保険金受取人 に対する信頼を損ない、当該 傷害疾病 定額保険契約の存続を困難とする重大な事由

87条 (被保険者による解除請求)

1項 被保険者 傷害疾病 定額 保険契約 の当事者以外の者である場合において、次に掲げるときは、当該被保険者は、保険契約者に対し、当該傷害疾病定額保険契約を解除することを請求することができる。

1号 第67条第1項ただし書に規定する場合(同項の同意がある場合を除く。

2号 前条第1号又は第2号に掲げる事由がある場合

3号 前号に掲げるもののほか、 被保険者 保険契約 又は 保険金受取人 に対する信頼を損ない、当該 傷害疾病 定額保険契約の存続を困難とする重大な事由がある場合

4号 保険契約 者と 被保険者 との間の親族関係の終了その他の事情により、被保険者が 第67条第1項 《傷害疾病定額保険契約の当事者以外の者を被…》 保険者とする傷害疾病定額保険契約は、当該被保険者の同意がなければ、その効力を生じない。 ただし、被保険者被保険者の死亡に関する保険給付にあっては、被保険者又はその相続人が保険金受取人である場合は、この の同意をするに当たって基礎とした事情が著しく変更した場合

2項 保険契約 者は、前項の規定により 傷害疾病 定額保険契約を解除することの請求を受けたときは、当該傷害疾病定額保険契約を解除することができる。

88条 (解除の効力)

1項 傷害疾病 定額 保険契約 の解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。

2項 保険者 は、次の各号に掲げる規定により 傷害疾病 定額 保険契約 の解除をした場合には、当該各号に定める事由に基づき保険給付を行う責任を負わない。

1号 第84条第1項 《保険者は、保険契約者又は被保険者が、告知…》 事項について、故意又は重大な過失により事実の告知をせず、又は不実の告知をしたときは、傷害疾病定額保険契約を解除することができる。 解除がされた時までに発生した 傷害疾病 ただし、同項の事実に基づかずに発生した傷害疾病については、この限りでない。

2号 第85条第1項 《傷害疾病定額保険契約の締結後に危険増加告…》 知事項についての危険が高くなり、傷害疾病定額保険契約で定められている保険料が当該危険を計算の基礎として算出される保険料に不足する状態になることをいう。以下この条及び第88条第2項第2号において同じ。が 解除に係る 危険 増加が生じた時から解除がされた時までに発生した 傷害疾病 ただし、当該危険増加をもたらした事由に基づかずに発生した傷害疾病については、この限りでない。

3号 第86条 《重大事由による解除 保険者は、次に掲げ…》 る事由がある場合には、傷害疾病定額保険契約を解除することができる。 1 保険契約者、被保険者又は保険金受取人が、保険者に当該傷害疾病定額保険契約に基づく保険給付を行わせることを目的として給付事由を発生 同条各号に掲げる事由が生じた時から解除がされた時までに発生した給付事由

89条 (契約当事者以外の者による解除の効力等)

1項 差押債権者、破産管財人その他の 傷害疾病 定額 保険契約 第92条 《保険料積立金の払戻し 保険者は、次に掲…》 げる事由により傷害疾病定額保険契約が終了した場合には、保険契約者に対し、当該終了の時における保険料積立金受領した保険料の総額のうち、当該傷害疾病定額保険契約に係る保険給付に充てるべきものとして、保険料 に規定する保険料積立金があるものに限る。以下この条から 第91条 《 第89条第1項に規定する通知の時から同…》 項に規定する解除の効力が生じ、又は同条第2項の規定により当該解除の効力が生じないこととなるまでの間に給付事由が発生したことにより保険者が保険給付を行うべき場合において、当該保険給付を行うことにより傷害 までにおいて同じ。)の当事者以外の者で当該傷害疾病定額保険契約の解除をすることができるもの(次項及び同条において「 解除権者 」という。)がする当該解除は、 保険者 がその通知を受けた時から1箇月を経過した日に、その効力を生ずる。

2項 保険金受取人 前項に規定する通知の時において、 保険契約 者である者を除き、保険契約者若しくは 被保険者 の親族又は被保険者である者に限る。次項及び次条において「 介入権者 」という。)が、保険契約者の同意を得て、前項の期間が経過するまでの間に、当該通知の日に当該 傷害疾病 定額保険契約の解除の効力が生じたとすれば 保険者 解除権者 に対して支払うべき金額を解除権者に対して支払い、かつ、保険者に対してその旨の通知をしたときは、同項に規定する解除は、その効力を生じない。

3項 第1項に規定する解除の意思表示が差押えの手続又は 保険契約 者の破産手続、再生手続若しくは更生手続においてされたものである場合において、 介入権者 が前項の規定による支払及びその旨の通知をしたときは、当該差押えの手続、破産手続、再生手続又は更生手続との関係においては、 保険者 が当該解除により支払うべき金銭の支払をしたものとみなす。

90条

1項 傷害疾病 定額 保険契約 の解除により保険契約者が 保険者 に対して有することとなる金銭債権を差し押さえた債権者が前条第1項に規定する通知をした場合において、同条第2項の規定による支払の時に保険者が当該差押えに係る金銭債権の支払をするとすれば 民事執行法 その他の法令の規定による供託をすることができるときは、 介入権者 は、当該供託の方法により同項の規定による支払をすることができる。

2項 前項の通知があった場合において、前条第2項の規定による支払の時に 保険者 が当該差押えに係る金銭債権の支払をするとすれば 民事執行法 その他の法令の規定による供託の義務を負うときは、 介入権者 は、当該供託の方法により同項の規定による支払をしなければならない。

3項 介入権者 が前2項の規定により供託の方法による支払をしたときは、当該供託に係る差押えの手続との関係においては、 保険者 が当該差押えに係る金銭債権につき当該供託の方法による支払をしたものとみなす。

4項 介入権者 は、第1項又は第2項の規定による供託をしたときは、 民事執行法 その他の法令の規定により第三債務者が執行裁判所その他の官庁又は公署に対してすべき届出をしなければならない。

91条

1項 第89条第1項 《差押債権者、破産管財人その他の傷害疾病定…》 額保険契約第92条に規定する保険料積立金があるものに限る。以下この条から第91条までにおいて同じ。の当事者以外の者で当該傷害疾病定額保険契約の解除をすることができるもの次項及び同条において「解除権者」 に規定する通知の時から同項に規定する解除の効力が生じ、又は同条第2項の規定により当該解除の効力が生じないこととなるまでの間に給付事由が発生したことにより 保険者 が保険給付を行うべき場合において、当該保険給付を行うことにより 傷害疾病 定額 保険契約 が終了することとなるときは、当該保険者は、当該保険給付を行うべき額の限度で、 解除権者 に対し、同項に規定する金額を支払わなければならない。この場合において、 保険金受取人 に対しては、当該保険給付を行うべき額から当該解除権者に支払った金額を控除した残額について保険給付を行えば足りる。

2項 前条の規定は、前項の規定による 保険者 解除権者 に対する支払について準用する。

92条 (保険料積立金の払戻し)

1項 保険者 は、次に掲げる事由により 傷害疾病 定額 保険契約 が終了した場合には、保険契約者に対し、当該終了の時における保険料積立金(受領した保険料の総額のうち、当該傷害疾病定額保険契約に係る保険給付に充てるべきものとして、保険料又は保険給付の額を定めるための給付事由の発生率、予定利率その他の計算の基礎を用いて算出される金額に相当する部分をいう。)を払い戻さなければならない。ただし、保険者が保険給付を行う責任を負うときは、この限りでない。

1号 第80条 《保険者の免責 保険者は、次に掲げる場合…》 には、保険給付を行う責任を負わない。 ただし、第3号に掲げる場合には、給付事由を発生させた保険金受取人以外の保険金受取人に対する責任については、この限りでない。 1 被保険者が故意又は重大な過失により 各号(第2号を除く。)に規定する事由

2号 保険者 の責任が開始する前における 第83条 《保険契約者による解除 保険契約者は、い…》 つでも傷害疾病定額保険契約を解除することができる。 又は 第87条第2項 《2 保険契約者は、前項の規定により傷害疾…》 病定額保険契約を解除することの請求を受けたときは、当該傷害疾病定額保険契約を解除することができる。 の規定による解除

3号 第85条第1項 《傷害疾病定額保険契約の締結後に危険増加告…》 知事項についての危険が高くなり、傷害疾病定額保険契約で定められている保険料が当該危険を計算の基礎として算出される保険料に不足する状態になることをいう。以下この条及び第88条第2項第2号において同じ。が の規定による解除

4号 第96条第1項 《保険者が破産手続開始の決定を受けたときは…》 、保険契約者は、保険契約を解除することができる。 の規定による解除又は同条第2項の規定による当該 傷害疾病 定額 保険契約 の失効

93条 (保険料の返還の制限)

1項 保険者 は、次に掲げる場合には、保険料を返還する義務を負わない。

1号 保険契約 者、 被保険者 又は 保険金受取人 の詐欺又は強迫を理由として 傷害疾病 定額保険契約に係る意思表示を取り消した場合

2号 傷害疾病 定額 保険契約 第68条第1項 《傷害疾病定額保険契約を締結する前に発生し…》 た給付事由に基づき保険給付を行う旨の定めは、保険契約者が当該傷害疾病定額保険契約の申込み又はその承諾をした時において、当該保険契約者、被保険者又は保険金受取人が既に給付事由が発生していることを知ってい の規定により無効とされる場合。ただし、 保険者 が給付事由の発生を知って当該傷害疾病定額保険契約の申込み又はその承諾をしたときは、この限りでない。

94条 (強行規定)

1項 次の各号に掲げる規定に反する特約で当該各号に定める者に不利なものは、無効とする。

1号 第84条第1項から第3項まで又は 第85条第1項 《傷害疾病定額保険契約の締結後に危険増加告…》 知事項についての危険が高くなり、傷害疾病定額保険契約で定められている保険料が当該危険を計算の基礎として算出される保険料に不足する状態になることをいう。以下この条及び第88条第2項第2号において同じ。が 保険契約 又は 被保険者

2号 第86条又は 第88条 《解除の効力 傷害疾病定額保険契約の解除…》 は、将来に向かってのみその効力を生ずる。 2 保険者は、次の各号に掲げる規定により傷害疾病定額保険契約の解除をした場合には、当該各号に定める事由に基づき保険給付を行う責任を負わない。 1 第84条第1 保険契約 者、 被保険者 又は 保険金受取人

3号 前2条 保険契約

5章 雑則

95条 (消滅時効)

1項 保険給付を請求する権利、保険料の返還を請求する権利及び 第63条 《保険料積立金の払戻し 保険者は、次に掲…》 げる事由により生命保険契約が終了した場合には、保険契約者に対し、当該終了の時における保険料積立金受領した保険料の総額のうち、当該生命保険契約に係る保険給付に充てるべきものとして、保険料又は保険給付の額 又は 第92条 《保険料積立金の払戻し 保険者は、次に掲…》 げる事由により傷害疾病定額保険契約が終了した場合には、保険契約者に対し、当該終了の時における保険料積立金受領した保険料の総額のうち、当該傷害疾病定額保険契約に係る保険給付に充てるべきものとして、保険料 に規定する保険料積立金の払戻しを請求する権利は、これらを行使することができる時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。

2項 保険料を請求する権利は、これを行使することができる時から1年間行使しないときは、時効によって消滅する。

96条 (保険者の破産)

1項 保険者 が破産手続開始の決定を受けたときは、 保険契約 者は、保険契約を解除することができる。

2項 保険契約 者が前項の規定による保険契約の解除をしなかったときは、当該保険契約は、破産手続開始の決定の日から3箇月を経過した日にその効力を失う。

《本則》 ここまで 附則 >  

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