電子記録債権法施行令《本則》

法番号:2008年政令第325号

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制定文 内閣は、 電子記録債権法 2007年法律第102号第6条 《請求の方法 電子記録の請求は、請求者の…》 氏名又は名称及び住所その他の電子記録の請求に必要な情報として政令で定めるものを電子債権記録機関に提供してしなければならない。同法第4条第2項において準用する場合を含む。)、第48条第2項、第49条第2項、第50条、第53条第1項、第58条第1項及び第92条の規定に基づき、この政令を制定する。


1章 電子記録債権の発生、譲渡等

1条 (電子記録の請求に必要な情報)

1項 電子記録の請求をする場合に電子債権記録機関に提供しなければならない 電子記録債権法 以下「」という。第6条 《請求の方法 電子記録の請求は、請求者の…》 氏名又は名称及び住所その他の電子記録の請求に必要な情報として政令で定めるものを電子債権記録機関に提供してしなければならない。 の情報の内容は、次に掲げる事項とする。

1号 請求者の氏名又は名称及び住所

2号 請求者が法人であるときは、その代表者の氏名

3号 代理人によって電子記録の請求をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名

4号 民法 1896年法律第89号第423条 《債権者代位権の要件 債権者は、自己の債…》 権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利以下「被代位権利」という。を行使することができる。 ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。 2 債権者は、 その他の法令の規定により他人に代わって電子記録の請求をするときは、請求者が代位者である旨、当該他人の氏名又は名称及び住所並びに代位原因

5号 請求者が電子記録権利者、電子記録義務者又は電子記録名義人の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨

6号 前号の場合において、電子記録名義人となる電子記録権利者の相続人その他の一般承継人が電子記録の請求をするときは、電子記録権利者の氏名又は名称及び一般承継の時における住所

7号 前3号の場合を除き、請求者が電子記録権利者又は電子記録義務者(電子記録権利者及び電子記録義務者がない場合にあっては、電子記録名義人)でないときは、電子記録権利者、電子記録義務者又は電子記録名義人の氏名又は名称及び住所

8号 前各号に掲げるもののほか、別表の電子記録欄に掲げる電子記録の請求をするときは、同表の電子記録の請求に必要な情報欄に掲げる事項

2条 (信託の電子記録の記録事項)

1項 信託の電子記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。

1号 信託財産に属する旨

2号 信託財産に属する電子記録債権等( 第48条第1項 《電子記録債権又はこれを目的とする質権以下…》 この項において「電子記録債権等」という。については、信託の電子記録をしなければ、電子記録債権等が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。 に規定する電子記録債権等をいう。以下この章において同じ。)を特定するために必要な事項

3号 電子記録の年月日

3条 (信託の電子記録の請求)

1項 信託の電子記録は、受託者だけで請求することができる。

2項 受託者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める電子記録の請求と同時に、信託の電子記録の請求をしなければならない。

1号 電子記録債権(保証記録に係るもの及び特別求償権を除く。)の発生又は電子記録債権の譲渡により電子記録債権が信託財産に属することとなる場合発生記録又は譲渡記録

2号 第28条 《求償権の譲渡に伴い電子記録債権が移転した…》 場合の変更記録 債権記録に支払等をした者として記録されている者であって当該支払等により電子記録債権の債権者に代位したものがした求償権特別求償権を除く。の譲渡に伴い当該電子記録債権が移転した場合におけ に規定する求償権の譲渡に伴う電子記録債権の移転により当該電子記録債権が信託財産に属することとなった場合同条の変更記録

3号 電子記録債権を目的とする質権(転質の場合を含む。)の設定により当該質権が信託財産に属することとなる場合質権設定記録(転質の電子記録を含む。

4号 電子記録債権を目的とする質権(転質の場合を含む。)の被担保債権の譲渡に伴う当該質権の移転により当該質権が信託財産に属することとなった場合質権又は転質の移転による変更記録

3項 受益者又は委託者は、受託者に代わって信託の電子記録の請求をすることができる。

4条 (受託者の変更による変更記録等)

1項 受託者の任務が死亡、後見開始若しくは保佐開始の審判、破産手続開始の決定、法人の合併以外の理由による解散又は裁判所若しくは主務官庁(その権限の委任を受けた国に所属する行政庁及びその権限に属する事務を処理する都道府県の執行機関を含む。)の解任命令により終了し、新たに受託者が選任されたときは、信託財産に属する電子記録債権等についてする受託者の変更による変更記録は、 第29条第1項 《変更記録の請求は、当該変更記録につき電子…》 記録上の利害関係を有する者その者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人の全員がしなければならない。 の規定にかかわらず、新たに選任された当該受託者だけで請求することができる。

2項 受託者が2人以上ある場合において、その一部の受託者の任務が前項に規定する事由により終了したときは、信託財産に属する電子記録債権等についてする当該受託者の任務の終了による変更記録は、 第29条第1項 《変更記録の請求は、当該変更記録につき電子…》 記録上の利害関係を有する者その者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人の全員がしなければならない。 の規定にかかわらず、他の受託者だけで請求することができる。

5条 (信託財産に属しないこととなる場合等の電子記録)

1項 信託の電子記録を削除する旨の変更記録は、 第29条第1項 《変更記録の請求は、当該変更記録につき電子…》 記録上の利害関係を有する者その者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人の全員がしなければならない。 の規定にかかわらず、受託者(信託財産に属する電子記録債権等が固有財産に属することにより当該電子記録債権等が信託財産に属しないこととなった場合にあっては、受託者及び受益者)だけで請求することができる。

2項 信託管理人がある場合における前項の規定の適用については、同項中「受益者」とあるのは、「信託管理人」とする。

3項 受託者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める電子記録の請求と同時に、信託の電子記録を削除する旨の変更記録の請求をしなければならない。

1号 信託財産に属する電子記録債権の譲渡により当該電子記録債権が信託財産に属しないこととなる場合譲渡記録

2号 第28条 《求償権の譲渡に伴い電子記録債権が移転した…》 場合の変更記録 債権記録に支払等をした者として記録されている者であって当該支払等により電子記録債権の債権者に代位したものがした求償権特別求償権を除く。の譲渡に伴い当該電子記録債権が移転した場合におけ に規定する求償権の譲渡に伴う信託財産に属する電子記録債権の移転により当該電子記録債権が信託財産に属しないこととなった場合同条の変更記録

3号 信託財産に属する電子記録債権に係る債務についての支払等( 第24条第1号 《支払等記録の記録事項 第24条 支払等記…》 録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 1 支払、相殺その他の債務の全部若しくは一部を消滅させる行為又は混同以下「支払等」という。により消滅し、又は消滅することとなる電子記録名義人に対 に規定する支払等をいう。第5号において同じ。)により当該電子記録債権が信託財産に属しないこととなった場合において当該支払等についての支払等記録(法第63条第2項又は第65条の規定によるものを除く。)がされるとき当該支払等記録

4号 電子記録債権を目的とする質権(転質の場合を含む。次号において同じ。)で信託財産に属するものの被担保債権の譲渡に伴う当該質権の移転により当該質権が信託財産に属しないこととなった場合質権又は転質の移転による変更記録

5号 電子記録債権を目的とする質権で信託財産に属するものの被担保債権に係る債務についての支払等により当該質権が信託財産に属しないこととなった場合において当該支払等についての支払等記録がされるとき当該支払等記録

6条 (強制執行等の電子記録の記録事項)

1項 強制執行等の電子記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。

1号 強制執行等(強制執行、滞納処分その他の処分の制限をいう。以下この条及び次条において同じ。)の内容

2号 強制執行等の原因

3号 強制執行等に係る電子記録債権等を特定するために必要な事項

4号 強制執行等をした債権者があるときは、債権者の氏名又は名称及び住所

5号 電子記録の年月日

7条 (強制執行等の電子記録の削除)

1項 電子債権記録機関は、強制執行等の電子記録がされた後、差押債権者が第三債務者から支払を受けた場合、強制執行による差押命令の申立てが取り下げられた場合、滞納処分による差押えが解除された場合その他当該強制執行等の電子記録に係る強制執行等の手続が終了した場合において、その旨の書類の送達を受けたときは、遅滞なく、当該強制執行等の電子記録を削除する旨の変更記録をしなければならない。

8条 (仮処分に後れる電子記録の削除)

1項 電子記録債権等についての電子記録の請求をする権利を保全するための処分禁止の仮処分に係る強制執行等の電子記録がされた後、当該仮処分の債権者が当該仮処分の債務者を電子記録義務者とする当該電子記録の請求をする場合においては、当該仮処分の後にされた電子記録を削除する旨の変更記録は、当該債権者が単独で請求することができる。

9条 (電子記録の訂正)

1項 電子債権記録機関は、発生記録に 第16条第2項第12号 《2 発生記録においては、次に掲げる事項を…》 記録することができる。 1 第62条第1項に規定する口座間送金決済に関する契約に係る支払をするときは、その旨並びに債務者の預金又は貯金の口座以下「債務者口座」という。及び債権者の預金又は貯金の口座以下 又は第15号に掲げる事項が記録されている場合において、その記録の内容に抵触する譲渡記録、保証記録、質権設定記録、分割記録又は記録機関変更記録がされているときは、電子記録の訂正をしなければならない。ただし、電子記録上の利害関係を有する第三者がある場合にあっては、当該第三者の承諾があるときに限る。

2項 第10条第3項 《3 電子債権記録機関は、前2項の規定によ…》 り電子記録の訂正又は回復をするときは、当該訂正又は回復後の電子記録の内容と矛盾する電子記録について、電子記録の訂正をしなければならない。 から第5項までの規定は、前項の規定による電子記録の訂正について準用する。

10条 (電子記録の訂正等をする場合の記録事項)

1項 電子債権記録機関は、 第10条第1項 《電子債権記録機関は、次に掲げる場合には、…》 電子記録の訂正をしなければならない。 ただし、電子記録上の利害関係を有する第三者がある場合にあっては、当該第三者の承諾があるときに限る。 1 電子記録の請求に当たって電子債権記録機関に提供された情報の 若しくは前条第1項の規定により電子記録の訂正をし、又は法第10条第2項の規定により電子記録の回復をするときは、当該訂正又は回復の年月日をも記録しなければならない。

11条 (電子記録の嘱託)

1項 この政令に規定する電子記録の請求による電子記録の手続に関するの規定には当該規定を法第4条第2項において準用する場合を含むものとし、この政令中「請求」及び「請求者」にはそれぞれ嘱託及び嘱託者を含むものとする。

2章 電子債権記録機関

12条 (最低資本金の額)

1項 第53条第1項 《電子債権記録機関の資本金の額は、政令で定…》 める金額以上でなければならない。 に規定する政令で定める金額は、600,000,000円とする。

13条 (金融機関)

1項 第58条第1項 《電子債権記録機関は、主務省令で定めるとこ…》 ろにより、電子債権記録業の一部を、主務大臣の承認を受けて、銀行等銀行銀行法1981年法律第59号第2条第1項に規定する銀行をいう。、協同組織金融機関協同組織金融機関の優先出資に関する法律1993年法律 に規定する政令で定める金融機関は、次に掲げるものとする。

1号 銀行法(1981年法律第59号)第2条第1項に規定する銀行(同法第47条第2項に規定する外国銀行支店を含む。

2号 長期信用銀行法 1952年法律第187号第2条 《定義 この法律において「長期信用銀行」…》 とは、第4条第1項の規定により内閣総理大臣の免許を受けた者をいう。 に規定する長期信用銀行

3号 株式会社商工組合中央金庫

4号 農林中央金庫

5号 信用協同組合及び 中小企業等協同組合法 1949年法律第181号第9条の9第1項第1号 《協同組合連合会は、次の事業の一部を行うこ…》 とができる。 1 会員の預金又は定期積金の受入れ 2 会員に対する資金の貸付け及び会員のためにするその借入れ 3 会員が火災共済事業を行うことによつて負う共済責任の再共済 4 生産、加工、販売、購買、 の事業を行う協同組合連合会

6号 信用金庫及び信用金庫連合会

7号 労働金庫及び労働金庫連合会

8号 農業協同組合及び農業協同組合連合会( 農業協同組合法 1947年法律第132号第10条第1項第3号 《組合は、次の事業の全部又は一部を行うこと…》 できる。 1 組合員農業協同組合連合会にあつては、その農業協同組合連合会を直接又は間接に構成する者。次項及び第4項並びに第11条の50第3項を除き、以下この節において同じ。のためにする農業の経営及び の事業を行うものに限る。

9号 漁業協同組合( 水産業協同組合法 1948年法律第242号第11条第1項第4号 《漁業協同組合以下この章及び第4章において…》 「組合」という。は、次の事業の全部又は一部を行うことができる。 1 水産資源の管理及び水産動植物の増殖 2 水産に関する経営及び技術の向上に関する指導 3 組合員の事業又は生活に必要な資金の貸付け 4 の事業を行うものに限る。)、漁業協同組合連合会(同法第87条第1項第4号の事業を行うものに限る。)、水産加工業協同組合(同法第93条第1項第2号の事業を行うものに限る。及び水産加工業協同組合連合会(同法第97条第1項第2号の事業を行うものに限る。

10号 日本銀行

3章 雑則

14条 (金融庁長官へ委任される権限から除かれる権限)

1項 第92条第1項 《内閣総理大臣は、この法律の規定による権限…》 政令で定めるものを除く。を金融庁長官に委任する。 に規定する政令で定める権限は、次に掲げるものとする。

1号 第51条第1項 《主務大臣は、次に掲げる要件を備える者を、…》 その申請により、第56条に規定する業務以下「電子債権記録業」という。を営む者として、指定することができる。 1 次に掲げる機関を置く株式会社であること。 イ 取締役会 ロ 監査役会、監査等委員会又は の規定による指定

2号 第51条第2項 《2 主務大臣は、前項の指定をしたときは、…》 その指定した電子債権記録機関の商号及び本店の所在地を官報で公示しなければならない。 及び 第75条第2項 《2 主務大臣は、前項の規定により第51条…》 第1項の指定を取り消したときは、その旨を官報で公示しなければならない。 の規定による公示

3号 第75条第1項 《主務大臣は、電子債権記録機関が次の各号の…》 いずれかに該当するときは、第51条第1項の指定を取り消し、6月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又はその取締役、会計参与、監査役若しくは執行役の解任を命ずることができる。 1 の規定による法第51条第1項の指定の取消し

15条 (財務局長等への権限の委任)

1項 第92条第1項 《内閣総理大臣は、この法律の規定による権限…》 政令で定めるものを除く。を金融庁長官に委任する。 の規定により金融庁長官に委任された権限のうち法第73条第1項の規定によるもの(次項において「 報告命令等権限 」という。)は、電子債権記録機関の本店の所在地を管轄する財務局長(当該所在地が福岡財務支局の管轄区域内にある場合にあっては、福岡財務支局長)も行うことができる。

2項 報告命令等権限 で電子債権記録機関の本店以外の営業所又は当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者(以下この条において「 営業所等 」という。)に関するものについては、前項に規定する財務局長又は福岡財務支局長のほか、当該 営業所等 の所在地を管轄する財務局長(当該所在地が福岡財務支局の管轄区域内にある場合にあっては、福岡財務支局長)も行うことができる。

3項 前項の規定により、電子債権記録機関の 営業所等 に対して報告若しくは資料の提出の命令又は検査若しくは質問(以下この項において「 報告命令等 」という。)を行った財務局長又は福岡財務支局長は、当該電子債権記録機関の本店又は当該営業所等以外の営業所等に対する 報告命令等 の必要を認めたときは、当該報告命令等を行うことができる。

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