家事事件手続法《本則》

法番号:2011年法律第52号

略称:

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1編 総則 > 1章 通則

1条 (趣旨)

1項 家事審判及び家事調停に関する事件(以下「 家事事件 」という。)の手続については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。

2条 (裁判所及び当事者の責務)

1項 裁判所は、 家事事件 の手続が公正かつ迅速に行われるように努め、当事者は、信義に従い誠実に家事事件の手続を追行しなければならない。

3条 (最高裁判所規則)

1項 この法律に定めるもののほか、 家事事件 の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

1章の2 日本の裁判所の管轄権

3条の2 (不在者の財産の管理に関する処分の審判事件の管轄権)

1項 裁判所は、不在者の財産の管理に関する処分の審判事件(別表第1の55の項の事項についての審判事件をいう。 第145条 《管轄 不在者の財産の管理に関する処分の…》 審判事件は、不在者の従来の住所地又は居所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。 において同じ。)について、不在者の財産が日本国内にあるときは、管轄権を有する。

3条の3 (失踪の宣告の取消しの審判事件の管轄権)

1項 裁判所は、失踪の宣告の取消しの審判事件(別表第1の57の項の事項についての審判事件をいう。 第149条第1項 《失踪の宣告の取消しの審判事件は、失踪者の…》 住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。 及び第2項において同じ。)について、次の各号のいずれかに該当するときは、管轄権を有する。

1号 日本において失踪の宣告の審判があったとき。

2号 失踪者の住所が日本国内にあるとき又は失踪者が日本の国籍を有するとき。

3号 失踪者が生存していたと認められる最後の時点において、失踪者が日本国内に住所を有していたとき又は日本の国籍を有していたとき。

3条の4 (嫡出否認の訴えの特別代理人の選任の審判事件の管轄権)

1項 裁判所は、嫡出否認の訴えについて日本の裁判所が管轄権を有するときは、嫡出否認の訴えの特別代理人の選任の審判事件(別表第1の59の項の事項についての審判事件をいう。 第159条第1項 《嫡出否認の訴えの特別代理人の選任の審判事…》 件は、子の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。 及び第2項において同じ。)について、管轄権を有する。

3条の5 (養子縁組をするについての許可の審判事件等の管轄権)

1項 裁判所は、養子縁組をするについての許可の審判事件(別表第1の61の項の事項についての審判事件をいう。 第161条第1項 《養子縁組をするについての許可の審判事件は…》 、養子となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。 及び第2項において同じ。)、養子縁組の承諾をするについての同意に代わる許可の審判事件(同表の61の2の項の事項についての審判事件をいう。 第161条の2 《 養子縁組の承諾をするについての同意に代…》 わる許可の審判事件は、養子となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。 2 第118条の規定は、養子縁組の承諾をするについての同意に代わる許可の審判事件における養子となるべき者の法定代理人 において同じ。及び特別養子縁組の成立の審判事件(同表の63の項の事項についての審判事件をいう。 第164条 《特別養子縁組の成立の審判事件 特別養子…》 縁組の成立の審判事件は、養親となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。 2 養子となるべき者は、特別養子適格の確認養子となるべき者について民法第817条の6に定める要件があること及び同法 において同じ。)(特別養子適格の確認の審判事件(同条第2項に規定する特別養子適格の確認についての審判事件をいう。 第164条の2第2項 《2 特別養子適格の確認の審判事件は、養親…》 となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。 及び第4項において同じ。)を含む。)について、養親となるべき者又は養子となるべき者の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるときは、管轄権を有する。

3条の6 (死後離縁をするについての許可の審判事件の管轄権)

1項 裁判所は、死後離縁をするについての許可の審判事件(別表第1の62の項の事項についての審判事件をいう。 第162条第1項 《死後離縁をするについての許可の審判事件は…》 、申立人の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。 及び第2項において同じ。)について、次の各号のいずれかに該当するときは、管轄権を有する。

1号 養親又は養子の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるとき。

2号 養親又は養子がその死亡の時に日本国内に住所を有していたとき。

3号 養親又は養子の一方が日本の国籍を有する場合であって、他の一方がその死亡の時に日本の国籍を有していたとき。

3条の7 (特別養子縁組の離縁の審判事件の管轄権)

1項 裁判所は、特別養子縁組の離縁の審判事件(別表第1の64の項の事項についての審判事件をいう。以下同じ。)について、次の各号のいずれかに該当するときは、管轄権を有する。

1号 養親の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるとき。

2号 養子の実父母又は検察官からの申立てであって、養子の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるとき。

3号 養親及び養子が日本の国籍を有するとき。

4号 日本国内に住所がある養子からの申立てであって、養親及び養子が最後の共通の住所を日本国内に有していたとき。

5号 日本国内に住所がある養子からの申立てであって、養親が行方不明であるとき、養親の住所がある国においてされた離縁に係る確定した裁判が日本国で効力を有しないときその他の日本の裁判所が審理及び裁判をすることが養親と養子との間の衡平を図り、又は適正かつ迅速な審理の実現を確保することとなる特別の事情があると認められるとき。

3条の8 (親権に関する審判事件等の管轄権)

1項 裁判所は、親権に関する審判事件(別表第1の65の項から69の項まで及び別表第2の7の項から8の2の項までの事項についての審判事件をいう。 第167条 《管轄 親権に関する審判事件は、子父又は…》 母を同じくする数人の子についての親権者の指定若しくは変更、親権行使者の指定又は第三者が子に与えた財産の管理に関する処分の申立てに係るものにあっては、そのうちの1人の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属 において同じ。)、子の監護に関する処分の審判事件(同表の3の項の事項についての審判事件をいう。以下同じ。)(子の監護に要する費用の分担に関する処分の審判事件を除く。及び親権を行う者につき破産手続が開始された場合における管理権喪失の審判事件(別表第1の132の項の事項についての審判事件をいう。 第242条第1項第2号 《次の各号に掲げる審判事件は、当該各号に定…》 める地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。 1 破産手続が開始された場合における夫婦財産契約による財産の管理者の変更等の審判事件別表第1の131の項の事項についての審判事件をいう。第3項において同じ。 及び第3項において同じ。)について、子の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるときは、管轄権を有する。

3条の9 (養子の離縁後に未成年後見人となるべき者の選任の審判事件等の管轄権)

1項 裁判所は、養子の離縁後に未成年後見人となるべき者の選任の審判事件(別表第1の70の項の事項についての審判事件をいう。 第176条 《管轄 未成年後見に関する審判事件別表第…》 1の70の項から83の項までの事項についての審判事件をいう。は、未成年被後見人養子の離縁後に未成年後見人となるべき者の選任の審判事件にあっては、未成年被後見人となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判所の 及び 第177条第1号 《手続行為能力 第177条 第118条の規…》 定は、次に掲げる審判事件第3号及び第5号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。における未成年被後見人第1号の審判事件にあっては、未成年被後見人となるべき者及び養親について準用する。 において同じ。又は未成年後見人の選任の審判事件(同表の71の項の事項についての審判事件をいう。同条第2号において同じ。)について、未成年被後見人となるべき者若しくは未成年被後見人(以下この条において「 未成年被後見人となるべき者等 」という。)の住所若しくは居所が日本国内にあるとき又は 未成年被後見人となるべき者等 が日本の国籍を有するときは、管轄権を有する。

3条の10 (夫婦、親子その他の親族関係から生ずる扶養の義務に関する審判事件の管轄権)

1項 裁判所は、夫婦、親子その他の親族関係から生ずる扶養の義務に関する審判事件(別表第1の84の項及び85の項並びに別表第2の1の項から3の項まで、9の項及び10の項の事項についての審判事件(同表の3の項の事項についての審判事件にあっては、子の監護に要する費用の分担に関する処分の審判事件に限る。)をいう。)について、扶養義務者(別表第1の84の項の事項についての審判事件にあっては、扶養義務者となるべき者)であって申立人でないもの又は扶養権利者(子の監護に要する費用の分担に関する処分の審判事件にあっては、子の監護者又は)の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるときは、管轄権を有する。

3条の11 (相続に関する審判事件の管轄権)

1項 裁判所は、相続に関する審判事件(別表第1の86の項から110の項まで及び133の項並びに別表第2の11の項から15の項までの事項についての審判事件をいう。)について、相続開始の時における被相続人の住所が日本国内にあるとき、住所がない場合又は住所が知れない場合には相続開始の時における被相続人の居所が日本国内にあるとき、居所がない場合又は居所が知れない場合には被相続人が相続開始の前に日本国内に住所を有していたとき(日本国内に最後に住所を有していた後に外国に住所を有していたときを除く。)は、管轄権を有する。

2項 相続開始の前に推定相続人の廃除の審判事件(別表第1の86の項の事項についての審判事件をいう。以下同じ。)、推定相続人の廃除の審判の取消しの審判事件(同表の87の項の事項についての審判事件をいう。 第188条第1項 《推定相続人の廃除の審判事件及び推定相続人…》 の廃除の審判の取消しの審判事件は、被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。 ただし、これらの審判事件が被相続人の死亡後に申し立てられた場合にあっては、相続が開始した地を管轄する家庭裁判所の 及び 第189条第1項 《推定相続人の廃除の審判又はその取消しの審…》 判の確定前の遺産の管理に関する処分の審判事件は、推定相続人の廃除の審判事件又は推定相続人の廃除の審判の取消しの審判事件が係属している家庭裁判所その審判事件が係属していない場合にあっては相続が開始した地 において同じ。)、遺言の確認の審判事件(同表の102の項の事項についての審判事件をいう。 第209条第2項 《2 前項の規定にかかわらず、遺言の確認の…》 審判事件は、遺言者の生存中は、遺言者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。 において同じ。又は遺留分の放棄についての許可の審判事件(同表の110の項の事項についての審判事件をいう。 第216条第1項第2号 《次の各号に掲げる審判事件は、当該各号に定…》 める地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。 1 遺留分を算定するための財産の価額を定める場合における鑑定人の選任の審判事件別表第1の109の項の事項についての審判事件をいう。 相続が開始した地 2 遺 において同じ。)の申立てがあった場合における前項の規定の適用については、同項中「相続開始の時における被相続人」とあるのは「被相続人」と、「相続開始の前」とあるのは「申立て前」とする。

3項 裁判所は、第1項に規定する場合のほか、推定相続人の廃除の審判又はその取消しの審判の確定前の遺産の管理に関する処分の審判事件(別表第1の88の項の事項についての審判事件をいう。 第189条第1項 《推定相続人の廃除の審判又はその取消しの審…》 判の確定前の遺産の管理に関する処分の審判事件は、推定相続人の廃除の審判事件又は推定相続人の廃除の審判の取消しの審判事件が係属している家庭裁判所その審判事件が係属していない場合にあっては相続が開始した地 及び第2項において同じ。)、相続財産の保存に関する処分の審判事件(同表の89の項の事項についての審判事件をいう。 第190条の2 《 相続財産の保存に関する処分の審判事件は…》 、相続が開始した地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。 2 第125条第1項から第6項まで、第146条の二及び第147条の規定は、相続財産の保存に関する処分の審判事件について準用する。 この場合におい において同じ。)、限定承認を受理した場合における相続財産の清算人の選任の審判事件(同表の94の項の事項についての審判事件をいう。)、財産分離の請求後の相続財産の管理に関する処分の審判事件(同表の97の項の事項についての審判事件をいう。 第202条第1項第2号 《次の各号に掲げる審判事件は、当該各号に定…》 める裁判所の管轄に属する。 1 財産分離の審判事件別表第1の96の項の事項についての審判事件をいう。次号において同じ。 相続が開始した地を管轄する家庭裁判所 2 財産分離の請求後の相続財産の管理に関す 及び第3項において同じ。及び相続人の不存在の場合における相続財産の清算に関する処分の審判事件(同表の99の項の事項についての審判事件をいう。以下同じ。)について、相続財産に属する財産が日本国内にあるときは、管轄権を有する。

4項 当事者は、合意により、いずれの国の裁判所に遺産の分割に関する審判事件(別表第2の12の項から14の項までの事項についての審判事件をいう。 第3条 《最高裁判所規則 この法律に定めるものの…》 ほか、家事事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 の十四及び 第191条第1項 《遺産の分割に関する審判事件は、相続が開始…》 した地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。 において同じ。及び特別の寄与に関する処分の審判事件(同表の15の項の事項についての審判事件をいう。 第3条 《最高裁判所規則 この法律に定めるものの…》 ほか、家事事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 の十四及び 第216条の2 《管轄 特別の寄与に関する処分の審判事件…》 は、相続が開始した地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。 において同じ。)の申立てをすることができるかについて定めることができる。

5項 民事訴訟法 1996年法律第109号第3条の7第2項 《2 前項の合意は、一定の法律関係に基づく…》 訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。 から第4項までの規定は、前項の合意について準用する。

3条の12 (財産の分与に関する処分の審判事件の管轄権)

1項 裁判所は、財産の分与に関する処分の審判事件(別表第2の4の項の事項についての審判事件をいう。 第150条第5号 《管轄 第150条 次の各号に掲げる審判事…》 件は、当該各号に定める地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。 1 夫婦間の協力扶助に関する処分の審判事件別表第2の1の項の事項についての審判事件をいう。次条第1号及び第152条の2第1項第1号において 及び 第152条の2第2項 《2 家庭裁判所は、財産の分与に関する処分…》 の審判事件において、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、当事者に対し、その財産の状況に関する情報を開示することを命ずることができる。 において同じ。)について、次の各号のいずれかに該当するときは、管轄権を有する。

1号 又は妻であった者の一方からの申立てであって、他の一方の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるとき。

2号 夫であった者及び妻であった者の双方が日本の国籍を有するとき。

3号 日本国内に住所がある夫又は妻であった者の一方からの申立てであって、夫であった者及び妻であった者が最後の共通の住所を日本国内に有していたとき。

4号 日本国内に住所がある夫又は妻であった者の一方からの申立てであって、他の一方が行方不明であるとき、他の一方の住所がある国においてされた財産の分与に関する処分に係る確定した裁判が日本国で効力を有しないときその他の日本の裁判所が審理及び裁判をすることが当事者間の衡平を図り、又は適正かつ迅速な審理の実現を確保することとなる特別の事情があると認められるとき。

3条の13 (家事調停事件の管轄権)

1項 裁判所は、家事調停事件について、次の各号のいずれかに該当するときは、管轄権を有する。

1号 当該調停を求める事項についての訴訟事件又は家事審判事件について日本の裁判所が管轄権を有するとき。

2号 相手方の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるとき。

3号 当事者が日本の裁判所に家事調停の申立てをすることができる旨の合意をしたとき。

2項 民事訴訟法 第3条の7第2項 《2 前項の合意は、一定の法律関係に基づく…》 訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。 及び第3項の規定は、前項第3号の合意について準用する。

3項 人事訴訟法 2003年法律第109号第2条 《定義 この法律において「人事訴訟」とは…》 、次に掲げる訴えその他の身分関係の形成又は存否の確認を目的とする訴え以下「人事に関する訴え」という。に係る訴訟をいう。 1 婚姻の無効及び取消しの訴え、離婚の訴え、協議上の離婚の無効及び取消しの訴え並 に規定する人事に関する訴え(離婚及び離縁の訴えを除く。)を提起することができる事項についての調停事件については、第1項(第2号及び第3号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。

3条の14 (特別の事情による申立ての却下)

1項 裁判所は、 第3条の2 《不在者の財産の管理に関する処分の審判事件…》 の管轄権 裁判所は、不在者の財産の管理に関する処分の審判事件別表第1の55の項の事項についての審判事件をいう。第145条において同じ。について、不在者の財産が日本国内にあるときは、管轄権を有する。 から前条までに規定する事件について日本の裁判所が管轄権を有することとなる場合(遺産の分割に関する審判事件又は特別の寄与に関する処分の審判事件について、日本の裁判所にのみ申立てをすることができる旨の合意に基づき申立てがされた場合を除く。)においても、事案の性質、申立人以外の事件の関係人の負担の程度、証拠の所在地、未成年者である子の利益その他の事情を考慮して、日本の裁判所が審理及び裁判をすることが適正かつ迅速な審理の実現を妨げ、又は相手方がある事件について申立人と相手方との間の衡平を害することとなる特別の事情があると認めるときは、その申立ての全部又は一部を却下することができる。

3条の15 (管轄権の標準時)

1項 日本の裁判所の管轄権は、家事審判若しくは家事調停の申立てがあった時又は裁判所が職権で 家事事件 の手続を開始した時を標準として定める。

2章 管轄

4条 (管轄が住所地により定まる場合の管轄権を有する家庭裁判所)

1項 家事事件 は、管轄が人の住所地により定まる場合において、日本国内に住所がないとき又は住所が知れないときはその居所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属し、日本国内に居所がないとき又は居所が知れないときはその最後の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

5条 (優先管轄)

1項 この法律の他の規定により二以上の家庭裁判所が管轄権を有するときは、 家事事件 は、先に申立てを受け、又は職権で手続を開始した家庭裁判所が管轄する。

6条 (管轄裁判所の指定)

1項 管轄裁判所が法律上又は事実上裁判権を行うことができないときは、その裁判所の直近上級の裁判所は、申立てにより又は職権で、管轄裁判所を定める。

2項 裁判所の管轄区域が明確でないため管轄裁判所が定まらないときは、関係のある裁判所に共通する直近上級の裁判所は、申立てにより又は職権で、管轄裁判所を定める。

3項 前2項の規定により管轄裁判所を定める裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

7条 (管轄権を有する家庭裁判所の特例)

1項 この法律の他の規定により 家事事件 の管轄が定まらないときは、その家事事件は、審判又は調停を求める事項に係る財産の所在地又は最高裁判所規則で定める地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

8条 (管轄の標準時)

1項 裁判所の管轄は、家事審判若しくは家事調停の申立てがあった時又は裁判所が職権で 家事事件 の手続を開始した時を標準として定める。

9条 (移送等)

1項 裁判所は、 家事事件 の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄裁判所に移送する。ただし、家庭裁判所は、事件を処理するために特に必要があると認めるときは、職権で、家事事件の全部又は一部を管轄権を有する家庭裁判所以外の家庭裁判所に移送し、又は自ら処理することができる。

2項 家庭裁判所は、 家事事件 がその管轄に属する場合においても、次の各号に掲げる事由があるときは、職権で、家事事件の全部又は一部を当該各号に定める家庭裁判所に移送することができる。

1号 家事事件 の手続が遅滞することを避けるため必要があると認めるときその他相当と認めるとき 第5条 《優先管轄 この法律の他の規定により二以…》 上の家庭裁判所が管轄権を有するときは、家事事件は、先に申立てを受け、又は職権で手続を開始した家庭裁判所が管轄する。 の規定により管轄権を有しないこととされた家庭裁判所

2号 事件を処理するために特に必要があると認めるとき前号の家庭裁判所以外の家庭裁判所

3項 前2項の規定による移送の裁判及び第1項の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

4項 前項の規定による移送の裁判に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。

5項 民事訴訟法 第22条 《移送の裁判の拘束力等 確定した移送の裁…》 判は、移送を受けた裁判所を拘束する。 2 移送を受けた裁判所は、更に事件を他の裁判所に移送することができない。 3 移送の裁判が確定したときは、訴訟は、初めから移送を受けた裁判所に係属していたものとみ の規定は、 家事事件 の移送の裁判について準用する。

3章 裁判所職員の除斥及び忌避

10条 (裁判官の除斥)

1項 裁判官は、次に掲げる場合には、その職務の執行から除斥される。ただし、第6号に掲げる場合にあっては、他の裁判所の嘱託により受託裁判官としてその職務を行うことを妨げない。

1号 裁判官又はその配偶者若しくは配偶者であった者が、事件の当事者若しくはその他の審判を受ける者となるべき者(審判(申立てを却下する審判を除く。)がされた場合において、その審判を受ける者となる者をいう。以下同じ。)であるとき、又は事件についてこれらの者と共同権利者、共同義務者若しくは償還義務者の関係にあるとき。

2号 裁判官が当事者又はその他の審判を受ける者となるべき者の四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族であるとき、又はあったとき。

3号 裁判官が当事者又はその他の審判を受ける者となるべき者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。

4号 裁判官が事件について証人若しくは鑑定人となったとき、又は審問を受けることとなったとき。

5号 裁判官が事件について当事者若しくはその他の審判を受ける者となるべき者の代理人若しくは補佐人であるとき、又はあったとき。

6号 裁判官が事件について仲裁判断に関与し、又は不服を申し立てられた前審の裁判に関与したとき。

2項 前項に規定する除斥の原因があるときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、除斥の裁判をする。

11条 (裁判官の忌避)

1項 裁判官について裁判又は調停の公正を妨げる事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することができる。

2項 当事者は、裁判官の面前において事件について陳述をしたときは、その裁判官を忌避することができない。ただし、忌避の原因があることを知らなかったとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。

12条 (除斥又は忌避の裁判及び手続の停止)

1項 合議体の構成員である裁判官及び家庭裁判所の1人の裁判官の除斥又は忌避についてはその裁判官の所属する裁判所が、受託裁判官として職務を行う簡易裁判所の裁判官の除斥又は忌避についてはその裁判所の所在地を管轄する地方裁判所が、裁判をする。

2項 家庭裁判所及び地方裁判所における前項の裁判は、合議体でする。

3項 裁判官は、その除斥又は忌避についての裁判に関与することができない。

4項 除斥又は忌避の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで 家事事件 の手続を停止しなければならない。ただし、急速を要する行為については、この限りでない。

5項 次に掲げる事由があるとして忌避の申立てを却下する裁判をするときは、第3項の規定は、適用しない。

1号 家事事件 の手続を遅滞させる目的のみでされたことが明らかなとき。

2号 前条第2項の規定に違反するとき。

3号 最高裁判所規則で定める手続に違反するとき。

6項 前項の裁判は、第1項及び第2項の規定にかかわらず、忌避された受命裁判官等(受命裁判官、受託裁判官、調停委員会を組織する裁判官又は 家事事件 を取り扱う家庭裁判所の1人の裁判官をいう。次条第3項ただし書において同じ。)がすることができる。

7項 第5項の裁判をした場合には、第4項本文の規定にかかわらず、 家事事件 の手続は停止しない。

8項 除斥又は忌避を理由があるとする裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

9項 除斥又は忌避の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

13条 (裁判所書記官の除斥及び忌避)

1項 裁判所書記官の除斥及び忌避については、 第10条 《裁判官の除斥 裁判官は、次に掲げる場合…》 には、その職務の執行から除斥される。 ただし、第6号に掲げる場合にあっては、他の裁判所の嘱託により受託裁判官としてその職務を行うことを妨げない。 1 裁判官又はその配偶者若しくは配偶者であった者が、事第11条 《裁判官の忌避 裁判官について裁判又は調…》 停の公正を妨げる事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することができる。 2 当事者は、裁判官の面前において事件について陳述をしたときは、その裁判官を忌避することができない。 ただし、忌避の原因 並びに前条第3項、第5項、第8項及び第9項の規定を準用する。

2項 裁判所書記官について除斥又は忌避の申立てがあったときは、その裁判所書記官は、その申立てについての裁判が確定するまでその申立てがあった 家事事件 に関与することができない。ただし、前項において準用する前条第5項各号に掲げる事由があるとして忌避の申立てを却下する裁判があったときは、この限りでない。

3項 裁判所書記官の除斥又は忌避についての裁判は、裁判所書記官の所属する裁判所がする。ただし、前項ただし書の裁判は、受命裁判官等(受命裁判官又は受託裁判官にあっては、当該裁判官の手続に立ち会う裁判所書記官が忌避の申立てを受けたときに限る。)がすることができる。

14条 (参与員の除斥及び忌避)

1項 参与員の除斥及び忌避については、 第10条 《裁判官の除斥 裁判官は、次に掲げる場合…》 には、その職務の執行から除斥される。 ただし、第6号に掲げる場合にあっては、他の裁判所の嘱託により受託裁判官としてその職務を行うことを妨げない。 1 裁判官又はその配偶者若しくは配偶者であった者が、事第11条 《裁判官の忌避 裁判官について裁判又は調…》 停の公正を妨げる事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することができる。 2 当事者は、裁判官の面前において事件について陳述をしたときは、その裁判官を忌避することができない。 ただし、忌避の原因 並びに 第12条第2項 《2 家庭裁判所及び地方裁判所における前項…》 の裁判は、合議体でする。 、第8項及び第9項の規定を準用する。

2項 参与員について除斥又は忌避の申立てがあったときは、その参与員は、その申立てについての裁判が確定するまでその申立てがあった 家事事件 に関与することができない。ただし、 第12条第5項 《5 次に掲げる事由があるとして忌避の申立…》 てを却下する裁判をするときは、第3項の規定は、適用しない。 1 家事事件の手続を遅滞させる目的のみでされたことが明らかなとき。 2 前条第2項の規定に違反するとき。 3 最高裁判所規則で定める手続に違 各号に掲げる事由があるとして忌避の申立てを却下する裁判があったときは、この限りでない。

3項 参与員の除斥又は忌避についての裁判は、参与員の所属する家庭裁判所がする。ただし、前項ただし書の裁判は、受命裁判官(受命裁判官の手続に立ち会う参与員が忌避の申立てを受けたときに限る。又は 家事事件 を取り扱う家庭裁判所の1人の裁判官がすることができる。

15条 (家事調停官の除斥及び忌避)

1項 家事調停官の除斥及び忌避については、 第10条 《裁判官の除斥 裁判官は、次に掲げる場合…》 には、その職務の執行から除斥される。 ただし、第6号に掲げる場合にあっては、他の裁判所の嘱託により受託裁判官としてその職務を行うことを妨げない。 1 裁判官又はその配偶者若しくは配偶者であった者が、事第11条 《裁判官の忌避 裁判官について裁判又は調…》 停の公正を妨げる事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することができる。 2 当事者は、裁判官の面前において事件について陳述をしたときは、その裁判官を忌避することができない。 ただし、忌避の原因 並びに 第12条第2項 《2 家庭裁判所及び地方裁判所における前項…》 の裁判は、合議体でする。 から第4項まで、第8項及び第9項の規定を準用する。

2項 第12条第5項 《5 次に掲げる事由があるとして忌避の申立…》 てを却下する裁判をするときは、第3項の規定は、適用しない。 1 家事事件の手続を遅滞させる目的のみでされたことが明らかなとき。 2 前条第2項の規定に違反するとき。 3 最高裁判所規則で定める手続に違 各号に掲げる事由があるとして忌避の申立てを却下する裁判があったときは、前項において準用する同条第4項本文の規定にかかわらず、 家事事件 の手続は停止しない。

3項 家事調停官の除斥又は忌避についての裁判は、家事調停官の所属する家庭裁判所がする。ただし、前項の裁判は、忌避された家事調停官がすることができる。

16条 (家庭裁判所調査官及び家事調停委員の除斥)

1項 家庭裁判所調査官及び家事調停委員の除斥については、 第10条 《裁判官の除斥 裁判官は、次に掲げる場合…》 には、その職務の執行から除斥される。 ただし、第6号に掲げる場合にあっては、他の裁判所の嘱託により受託裁判官としてその職務を行うことを妨げない。 1 裁判官又はその配偶者若しくは配偶者であった者が、事 並びに 第12条第2項 《2 家庭裁判所及び地方裁判所における前項…》 の裁判は、合議体でする。 、第8項及び第9項の規定(忌避に関する部分を除く。)を準用する。

2項 家庭裁判所調査官又は家事調停委員について除斥の申立てがあったときは、その家庭裁判所調査官又は家事調停委員は、その申立てについての裁判が確定するまでその申立てがあった 家事事件 に関与することができない。

3項 家庭裁判所調査官又は家事調停委員の除斥についての裁判は、家庭裁判所調査官又は家事調停委員の所属する裁判所がする。

4章 当事者能力及び手続行為能力

17条 (当事者能力及び手続行為能力の原則等)

1項 当事者能力、 家事事件 の手続における手続上の行為(以下「 手続行為 」という。)をすることができる能力(以下この項において「 手続行為能力 」という。)、 手続行為 能力を欠く者の法定代理及び手続行為をするのに必要な授権については、 民事訴訟法 第28条 《原則 当事者能力、訴訟能力及び訴訟無能…》 力者の法定代理は、この法律に特別の定めがある場合を除き、民法1896年法律第89号その他の法令に従う。 訴訟行為をするのに必要な授権についても、同様とする。第29条 《法人でない社団等の当事者能力 法人でな…》 い社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができる。第31条 《未成年者及び成年被後見人の訴訟能力 未…》 成年者及び成年被後見人は、法定代理人によらなければ、訴訟行為をすることができない。 ただし、未成年者が独立して法律行為をすることができる場合は、この限りでない。第33条 《外国人の訴訟能力の特則 外国人は、その…》 本国法によれば訴訟能力を有しない場合であっても、日本法によれば訴訟能力を有すべきときは、訴訟能力者とみなす。 並びに 第34条第1項 《訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするの…》 に必要な授権を欠くときは、裁判所は、期間を定めて、その補正を命じなければならない。 この場合において、遅滞のため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、1時訴訟行為をさせることができる。 及び第2項の規定を準用する。

2項 被保佐人、被補助人( 手続行為 をすることにつきその補助人の同意を得ることを要するものに限る。次項において同じ。又は後見人その他の法定代理人が他の者がした家事審判又は家事調停の申立て又は抗告について手続行為をするには、保佐人若しくは保佐監督人、補助人若しくは補助監督人又は後見監督人の同意その他の授権を要しない。職権により手続が開始された場合についても、同様とする。

3項 被保佐人、被補助人又は後見人その他の法定代理人が次に掲げる 手続行為 をするには、特別の授権がなければならない。ただし、家事調停の申立てその他家事調停の手続の追行について同意その他の授権を得ている場合において、第2号に掲げる手続行為をするときは、この限りでない。

1号 家事審判又は家事調停の申立ての取下げ

2号 第268条第1項 《裁判所は、大規模訴訟当事者が著しく多数で…》 かつ、尋問すべき証人又は当事者本人が著しく多数である訴訟をいう。に係る事件について、当事者に異議がないときは、受命裁判官に裁判所内で証人又は当事者本人の尋問をさせることができる。 若しくは 第277条第1項第1号 《第158条の規定は、原告又は被告が口頭弁…》 論の続行の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしない場合について準用する。 の合意、 第270条第1項 《簡易裁判所においては、簡易な手続により迅…》 速に紛争を解決するものとする。 若しくは第2項に規定する調停条項案の受諾又は 第286条第8項 《8 当事者が、申立てに係る家事調停離婚又…》 は離縁についての家事調停を除く。の手続において、調停に代わる審判に服する旨の共同の申出をしたときは、第1項の規定は、適用しない。 の共同の申出

3号 審判に対する即時抗告、 第94条第1項 《家庭裁判所の審判で不服を申し立てることが…》 できないもの及び高等裁判所の家事審判事件についての決定に対しては、その裁判に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。 第288条 《 家事調停の手続においてされた裁判に対す…》 る不服申立て及び再審については、特別の定めのある場合を除き、それぞれ前編第1章第2節及び第3節の規定を準用する。 において準用する場合を含む。)の抗告若しくは 第97条第2項 《2 前項の高等裁判所は、同項の決定につい…》 て、最高裁判所の判例これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申立て 第288条 《 家事調停の手続においてされた裁判に対す…》 る不服申立て及び再審については、特別の定めのある場合を除き、それぞれ前編第1章第2節及び第3節の規定を準用する。 において準用する場合を含む。)の申立ての取下げ又は 第279条第1項 《当事者及び利害関係人は、合意に相当する審…》 判に対し、家庭裁判所に異議を申し立てることができる。 ただし、当事者にあっては、第277条第1項各号に掲げる要件に該当しないことを理由とする場合に限る。 若しくは 第286条第1項 《当事者は、調停に代わる審判に対し、家庭裁…》 判所に異議を申し立てることができる。 の異議の取下げ

18条 (未成年者及び成年被後見人の法定代理人)

1項 親権を行う者又は後見人は、 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法この法律の他の規定において準用する場合を含む。又は 第252条第1項 《次の各号に掲げる調停事件第1号及び第2号…》 にあっては、財産上の給付を求めるものを除く。において、当該各号に定める者は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法定代理人によらずに、自ら手続行為をすることができる。 の規定により未成年者又は成年被後見人が法定代理人によらずに自ら 手続行為 をすることができる場合であっても、未成年者又は成年被後見人を代理して手続行為をすることができる。ただし、家事審判及び家事調停の申立ては、 民法 1896年法律第89号)その他の法令の規定により親権を行う者又は後見人が申立てをすることができる場合( 人事訴訟法 第2条 《定義 この法律において「人事訴訟」とは…》 、次に掲げる訴えその他の身分関係の形成又は存否の確認を目的とする訴え以下「人事に関する訴え」という。に係る訴訟をいう。 1 婚姻の無効及び取消しの訴え、離婚の訴え、協議上の離婚の無効及び取消しの訴え並 に規定する人事に関する訴え(離婚及び離縁の訴えを除く。)を提起することができる事項についての家事調停の申立てにあっては、同法その他の法令の規定によりその訴えを提起することができる場合を含む。)に限る。

19条 (特別代理人)

1項 裁判長は、未成年者又は成年被後見人について、法定代理人がない場合又は法定代理人が代理権を行うことができない場合において、 家事事件 の手続が遅滞することにより損害が生ずるおそれがあるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、特別代理人を選任することができる。

2項 特別代理人の選任の裁判は、疎明に基づいてする。

3項 裁判所は、いつでも特別代理人を改任することができる。

4項 特別代理人が 手続行為 をするには、後見人と同1の授権がなければならない。

5項 第1項の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

20条 (法定代理権の消滅の通知)

1項 別表第2に掲げる事項についての審判事件においては、法定代理権の消滅は、本人又は代理人から他方の当事者に通知しなければ、その効力を生じない。家事調停事件においても、同様とする。

21条 (法人の代表者等への準用)

1項 法人の代表者及び法人でない社団又は財団で当事者能力を有するものの代表者又は管理人については、この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定を準用する。

5章 手続代理人及び補佐人

22条 (手続代理人の資格)

1項 法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ手続代理人となることができない。ただし、家庭裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を手続代理人とすることができる。

2項 前項ただし書の許可は、いつでも取り消すことができる。

23条 (裁判長による手続代理人の選任等)

1項 手続行為 につき行為能力の制限を受けた者が 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法この法律の他の規定において準用する場合を含む。又は 第252条第1項 《次の各号に掲げる調停事件第1号及び第2号…》 にあっては、財産上の給付を求めるものを除く。において、当該各号に定める者は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法定代理人によらずに、自ら手続行為をすることができる。 の規定により手続行為をしようとする場合において、必要があると認めるときは、裁判長は、申立てにより、弁護士を手続代理人に選任することができる。

2項 手続行為 につき行為能力の制限を受けた者が前項の申立てをしない場合においても、裁判長は、弁護士を手続代理人に選任すべき旨を命じ、又は職権で弁護士を手続代理人に選任することができる。

3項 前2項の規定により裁判長が手続代理人に選任した弁護士に対し 手続行為 につき行為能力の制限を受けた者が支払うべき報酬の額は、裁判所が相当と認める額とする。

24条 (手続代理人の代理権の範囲)

1項 手続代理人は、委任を受けた事件について、参加、強制執行及び保全処分に関する行為をし、かつ、弁済を受領することができる。

2項 手続代理人は、次に掲げる事項については、特別の委任を受けなければならない。ただし、家事調停の申立てその他家事調停の手続の追行について委任を受けている場合において、第2号に掲げる 手続行為 をするときは、この限りでない。

1号 家事審判又は家事調停の申立ての取下げ

2号 第268条第1項 《調停において当事者間に合意が成立し、裁判…》 所書記官が、その合意について電子調書を作成し、これをファイルに記録したときは、調停が成立したものとし、その記録は、確定判決別表第2に掲げる事項にあっては、確定した第39条の規定による審判と同1の効力を 若しくは 第277条第1項第1号 《人事に関する訴え離婚及び離縁の訴えを除く…》 。を提起することができる事項についての家事調停の手続において、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、家庭裁判所は、必要な事実を調査した上、第1号の合意を正当と認めるときは、当該合意に相当す の合意、 第270条第1項 《当事者の一方が出頭することが困難であると…》 認められる場合において、その当事者があらかじめ調停委員会裁判官のみで家事調停の手続を行う場合にあっては、その裁判官。次項、次条及び第272条第1項において同じ。から提示された調停条項案を受諾する旨の書 若しくは第2項に規定する調停条項案の受諾又は 第286条第8項 《8 当事者が、申立てに係る家事調停離婚又…》 は離縁についての家事調停を除く。の手続において、調停に代わる審判に服する旨の共同の申出をしたときは、第1項の規定は、適用しない。 の共同の申出

3号 審判に対する即時抗告、 第94条第1項 《家庭裁判所の審判で不服を申し立てることが…》 できないもの及び高等裁判所の家事審判事件についての決定に対しては、その裁判に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。 第288条 《 家事調停の手続においてされた裁判に対す…》 る不服申立て及び再審については、特別の定めのある場合を除き、それぞれ前編第1章第2節及び第3節の規定を準用する。 において準用する場合を含む。)の抗告、 第97条第2項 《2 前項の高等裁判所は、同項の決定につい…》 て、最高裁判所の判例これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申立て 第288条 《 家事調停の手続においてされた裁判に対す…》 る不服申立て及び再審については、特別の定めのある場合を除き、それぞれ前編第1章第2節及び第3節の規定を準用する。 において準用する場合を含む。)の申立て又は 第279条第1項 《当事者及び利害関係人は、合意に相当する審…》 判に対し、家庭裁判所に異議を申し立てることができる。 ただし、当事者にあっては、第277条第1項各号に掲げる要件に該当しないことを理由とする場合に限る。 若しくは 第286条第1項 《当事者は、調停に代わる審判に対し、家庭裁…》 判所に異議を申し立てることができる。 の異議

4号 前号の抗告(即時抗告を含む。)、申立て又は異議の取下げ

5号 代理人の選任

3項 手続代理人の代理権は、制限することができない。ただし、弁護士でない手続代理人については、この限りでない。

4項 前3項の規定は、法令により裁判上の行為をすることができる代理人の権限を妨げない。

25条 (手続代理人の代理権の消滅の通知)

1項 手続代理人の代理権の消滅は、家事審判事件(別表第2に掲げる事項についてのものに限る。及び家事調停事件においては本人又は代理人から他方の当事者に、その他の 家事事件 においては本人又は代理人から裁判所に通知しなければ、その効力を生じない。

26条 (手続代理人及びその代理権に関する民事訴訟法の準用)

1項 民事訴訟法 第34条 《訴訟能力等を欠く場合の措置等 訴訟能力…》 、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠くときは、裁判所は、期間を定めて、その補正を命じなければならない。 この場合において、遅滞のため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、1時訴訟行為を第3項を除く。及び 第56条 《個別代理 訴訟代理人が数人あるときは、…》 各自当事者を代理する。 2 当事者が前項の規定と異なる定めをしても、その効力を生じない。 から 第58条 《訴訟代理権の不消滅 訴訟代理権は、次に…》 掲げる事由によっては、消滅しない。 1 当事者の死亡又は訴訟能力の喪失 2 当事者である法人の合併による消滅 3 当事者である受託者の信託に関する任務の終了 4 法定代理人の死亡、訴訟能力の喪失又は まで(同条第3項を除く。)の規定は、手続代理人及びその代理権について準用する。

27条 (補佐人)

1項 家事事件 の手続における補佐人については、 民事訴訟法 第60条 《補佐人 当事者又は訴訟代理人は、裁判所…》 の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。 2 前項の許可は、いつでも取り消すことができる。 3 補佐人の陳述は、当事者又は訴訟代理人が直ちに取り消し、又は更正しないときは、当事者又は訴訟代理 の規定を準用する。

6章 手続費用 > 1節 手続費用の負担

28条 (手続費用の負担)

1項 手続費用(家事審判に関する手続の費用(以下「 審判費用 」という。及び家事調停に関する手続の費用(以下「 調停費用 」という。)をいう。以下同じ。)は、各自の負担とする。

2項 裁判所は、事情により、前項の規定によれば当事者及び利害関係参加人( 第42条第7項 《7 第1項から第3項までの規定により家事…》 審判の手続に参加した者以下「利害関係参加人」という。は、当事者がすることができる手続行為家事審判の申立ての取下げ及び変更並びに裁判に対する不服申立て及び裁判所書記官の処分に対する異議の取下げを除く。を に規定する利害関係参加人をいう。第1号において同じ。)がそれぞれ負担すべき手続費用の全部又は一部を、その負担すべき者以外の者であって次に掲げるものに負担させることができる。

1号 当事者又は利害関係参加人

2号 前号に掲げる者以外の審判を受ける者となるべき者

3号 前号に掲げる者に準ずる者であって、その裁判により直接に利益を受けるもの

3項 前2項の規定によれば検察官が負担すべき手続費用は、国庫の負担とする。

29条 (手続費用の負担の裁判等)

1項 裁判所は、事件を完結する裁判において、職権で、その審級における 審判費用 調停手続を経ている場合にあっては、 調停費用 を含む。)の全部について、その負担の裁判をしなければならない。ただし、事情により、事件の一部又は中間の争いに関する裁判において、その費用についての負担の裁判をすることができる。

2項 上級の裁判所が本案の裁判を変更する場合には、手続の総費用(調停手続を経ている場合にあっては、 調停費用 を含む。)について、その負担の裁判をしなければならない。事件の差戻し又は移送を受けた裁判所がその事件を完結する裁判をする場合も、同様とする。

3項 調停が成立した場合において、 調停費用 審判手続を経ている場合にあっては、 審判費用 を含む。)の負担について特別の定めをしなかったときは、その費用は、各自が負担する。

4項 第244条 《調停事項等 家庭裁判所は、人事に関する…》 訴訟事件その他家庭に関する事件別表第1に掲げる事項についての事件を除く。について調停を行うほか、この編の定めるところにより審判をする。 の規定により調停を行うことができる事件についての訴訟が係属する裁判所が 第257条第2項 《2 前項の事件について家事調停の申立てを…》 することなく訴えを提起した場合には、裁判所は、職権で、事件を家事調停に付さなければならない。 ただし、裁判所が事件を調停に付することが相当でないと認めるときは、この限りでない。 又は 第274条第1項 《第244条の規定により調停を行うことがで…》 きる事件についての訴訟又は家事審判事件が係属している場合には、裁判所は、当事者本案について被告又は相手方の陳述がされる前にあっては、原告又は申立人に限る。の意見を聴いて、いつでも、職権で、事件を家事調 の規定により事件を調停に付した場合において、調停が成立し、その訴訟についての訴訟費用の負担について特別の定めをしなかったときは、その費用は、各自が負担する。

30条 (手続費用の立替え)

1項 事実の調査、証拠調べ、呼出し、告知その他の 家事事件 の手続に必要な行為に要する費用は、国庫において立て替えることができる。

31条 (手続費用に関する民事訴訟法の準用等)

1項 民事訴訟法 第69条 《法定代理人等の費用償還 法定代理人、訴…》 訟代理人、裁判所書記官又は執行官が故意又は重大な過失によって無益な訴訟費用を生じさせたときは、受訴裁判所は、申立てにより又は職権で、これらの者に対し、その費用額の償還を命ずることができる。 2 前項の から 第74条 《費用額の確定処分の更正 第71条第1項…》 、第72条又は前条第1項の規定による額を定める処分に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでもその処分を更正することができる。 2 第7 までの規定(同法第71条第8項(同法第72条後段及び 第74条第2項 《2 審判申立てを却下する審判を除く。は、…》 特別の定めがある場合を除き、審判を受ける者審判を受ける者が数人あるときは、そのうちの1人に告知することによってその効力を生ずる。 ただし、即時抗告をすることができる審判は、確定しなければその効力を生じ において準用する場合を含む。)の規定を除く。)は、手続費用の負担について準用する。この場合において、同法第72条中「当事者が裁判所において和解をした場合」とあるのは「調停が成立した場合」と、「和解の費用又は訴訟費用」とあるのは「 家事事件 手続法第29条第3項の 調停費用 又は同条第4項の訴訟費用」と、同法第73条第1項中「裁判及び和解」とあるのは「裁判及び調停の成立」と、「補助参加の申出の取下げ又は補助参加についての異議の取下げ」とあるのは「 家事事件手続法 第41条第1項 《当事者となる資格を有する者は、当事者とし…》 て家事審判の手続に参加することができる。 若しくは 第42条第1項 《審判を受ける者となるべき者は、家事審判の…》 手続に参加することができる。 の規定による参加の申出の取下げ又は同条第2項の規定による参加の許可の申立ての取下げ」と、同条第2項中「 第61条 《事実の調査の嘱託等 家庭裁判所は、他の…》 家庭裁判所又は簡易裁判所に事実の調査を嘱託することができる。 2 前項の規定による嘱託により職務を行う受託裁判官は、他の家庭裁判所又は簡易裁判所において事実の調査をすることを相当と認めるときは、更に事 から 第66条 《合意管轄 別表第2に掲げる事項について…》 の審判事件は、この法律の他の規定により定める家庭裁判所のほか、当事者が合意で定める家庭裁判所の管轄に属する。 2 民事訴訟法第11条第2項及び第3項の規定は、前項の合意について準用する。 まで及び」とあるのは「 家事事件手続法 第31条第1項 《民事訴訟法第69条から第74条までの規定…》 同法第71条第8項同法第72条後段及び第74条第2項において準用する場合を含む。の規定を除く。は、手続費用の負担について準用する。 この場合において、同法第72条中「当事者が裁判所において和解をした場 において準用する」と、「第8項まで」とあるのは「第7項まで」と、「訴訟が」とあるのは「家事事件が」と読み替えるものとする。

2項 前項において準用する 民事訴訟法 第69条第3項 《3 第1項前項において準用する場合を含む…》 。の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 の規定による即時抗告並びに同法第71条第5項(前項において準用する同法第72条後段において準用する場合を含む。)、 第73条第2項 《2 家庭裁判所は、家事審判事件の一部が裁…》 判をするのに熟したときは、その一部について審判をすることができる。 手続の併合を命じた数個の家事審判事件中その一が裁判をするのに熟したときも、同様とする。 及び 第74条第2項 《2 審判申立てを却下する審判を除く。は、…》 特別の定めがある場合を除き、審判を受ける者審判を受ける者が数人あるときは、そのうちの1人に告知することによってその効力を生ずる。 ただし、即時抗告をすることができる審判は、確定しなければその効力を生じ の異議の申立てについての裁判に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。

2節 手続上の救助

32条

1項 家事事件 の手続の準備及び追行に必要な費用を支払う資力がない者又はその支払により生活に著しい支障を生ずる者に対しては、裁判所は、申立てにより、手続上の救助の裁判をすることができる。ただし、救助を求める者が不当な目的で家事審判又は家事調停の申立てその他の 手続行為 をしていることが明らかなときは、この限りでない。

2項 民事訴訟法 第82条第2項 《2 訴訟上の救助の決定は、審級ごとにする…》 及び 第83条 《救助の効力等 訴訟上の救助の決定は、そ…》 の定めるところに従い、訴訟及び強制執行について、次に掲げる効力を有する。 1 裁判費用並びに執行官の手数料及びその職務の執行に要する費用の支払の猶予 2 裁判所において付添いを命じた弁護士の報酬及び から 第86条 《即時抗告 この節に規定する決定に対して…》 は、即時抗告をすることができる。 まで(同法第83条第1項第3号を除く。)の規定は、手続上の救助について準用する。この場合において、同法第84条中「 第82条第1項 《家事審判の申立ては、特別の定めがある場合…》 を除き、審判があるまで、その全部又は一部を取り下げることができる。 本文」とあるのは、「 家事事件 手続法第32条第1項本文」と読み替えるものとする。

7章 家事事件の審理等

33条 (手続の非公開)

1項 家事事件 の手続は、公開しない。ただし、裁判所は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。

34条 (期日及び期間)

1項 家事事件 の手続の期日の指定及び変更は、職権で、裁判長が行う。

2項 家事事件 の手続の期日は、やむを得ない場合に限り、日曜日その他の一般の休日に指定することができる。

3項 家事事件 の手続の期日の変更は、顕著な事由がある場合に限り、することができる。

4項 民事訴訟法 第94条 《期日の呼出し 期日の呼出しは、次の各号…》 のいずれかに掲げる方法その他相当と認める方法によってする。 1 ファイルに記録された電子呼出状裁判所書記官が、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判長が指定した期日に出頭すべき旨を告知するために出頭 から 第97条 《訴訟行為の追完 当事者が裁判所の使用に…》 係る電子計算機の故障その他その責めに帰することができない事由により不変期間を遵守することができなかった場合には、その事由が消滅した後1週間以内に限り、不変期間内にすべき訴訟行為の追完をすることができる までの規定は、 家事事件 の手続の期日及び期間について準用する。

34条の2 (電子調書のファイルへの記録等)

1項 裁判所書記官は、 家事事件 の手続について、電子調書(期日又は期日外における手続の方式、内容及び経過等の記録及び公証をするためにこの法律その他の法令の規定により裁判所書記官が作成する電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。以下同じ。)を作成したときは、最高裁判所規則で定めるところにより、これを裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)に備えられたファイル( 第47条の2第2項 《2 当事者又は利害関係を疎明した第三者は…》 、家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、電磁的家事審判事件記録に記録されている事項について、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織裁判所の使用に係る電子計算機 及び第3項、 第47条の3第1項 《当事者は、裁判所書記官に対し、最高裁判所…》 規則で定めるところにより、家事審判事件に関する事項を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを交付し、又は当該事項を記録した電磁的記録であって裁判所書記第254条の2第2項 《2 当事者又は利害関係を疎明した第三者は…》 、家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、電磁的家事調停事件記録に記録されている事項について、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る 及び第3項、 第254条の3第1項 《当事者は、裁判所書記官に対し、最高裁判所…》 規則で定めるところにより、家事調停事件に関する事項を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを交付し、又は当該事項を記録した電磁的記録であって裁判所書記第289条の3第2項 《2 関係人は、調査及び勧告をする家庭裁判…》 所の許可を得て、裁判所書記官に対し、調査及び勧告の事件に関する電磁的事件記録に記録されている事項について、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使 及び第3項並びに 第289条の4第1項 《関係人は、調査及び勧告をする家庭裁判所の…》 許可を得て、第289条第1項の規定による調査及び勧告の事件に関する事項を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを交付し、又は当該事項を記録した電磁的記 を除き、以下単に「ファイル」という。)に記録しなければならない。

34条の3 (電子調書の更正)

1項 前条の規定によりファイルに記録された電子調書の内容に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでも更正することができる。

2項 前項の規定による更正の処分は、最高裁判所規則で定めるところにより、その旨をファイルに記録してしなければならない。

3項 第1項の規定による更正の処分又は同項の申立てを却下する処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。

4項 第1項の規定による更正の処分又は同項の申立てを却下する処分に対する異議の申立ては、その告知を受けた日から1週間の不変期間内にしなければならない。

35条 (手続の併合等)

1項 裁判所は、 家事事件 の手続を併合し、又は分離することができる。

2項 裁判所は、前項の規定による裁判を取り消すことができる。

3項 裁判所は、当事者を異にする 家事事件 について手続の併合を命じた場合において、その前に尋問をした証人について、尋問の機会がなかった当事者が尋問の申出をしたときは、その尋問をしなければならない。

36条 (送達及び手続の中止)

1項 送達及び 家事事件 の手続の中止については、 民事訴訟法 第1編第5章第4節及び 第130条 《陳述及び意見の聴取 家庭裁判所は、次の…》 各号に掲げる審判をする場合には、当該各号に定める者第1号、第2号、第4号及び第5号にあっては、申立人を除く。の陳述を聴かなければならない。 1 保佐開始の審判 被保佐人となるべき者 2 保佐人の同意を から 第132条 《即時抗告 次の各号に掲げる審判に対して…》 は、当該各号に定める者第1号及び第4号にあっては、申立人を除く。は、即時抗告をすることができる。 1 保佐開始の審判 民法第11条本文及び任意後見契約法第10条第2項に規定する者 2 保佐開始の申立て まで(同条第1項を除く。)の規定を準用する。この場合において、同法第109条の4第1項中「第132条の11第1項各号」とあるのは「 家事事件手続法 第38条第1項 《家事事件の手続における申立てその他の申述…》 次項及び次条において「申立て等」という。については、民事訴訟法第132条の十、第132条の十一及び第132条の十二第1項第1号に係る部分を除く。の規定を準用する。 この場合において、同法第132条の1 において読み替えて準用する第132条の11第1項各号」と、同法第113条中「その訴訟の目的である請求又は防御の方法」とあるのは「裁判又は調停を求める事項」と読み替えるものとする。

37条 (裁判所書記官の処分に対する異議)

1項 裁判所書記官の処分に対する異議の申立てについては、その裁判所書記官の所属する裁判所が裁判をする。

2項 前項の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

8章 電子情報処理組織による申立て等

38条

1項 家事事件 の手続における申立てその他の申述(次項及び次条において「 申立て等 」という。)については、 民事訴訟法 第132条 《中断及び中止の効果 判決の言渡しは、訴…》 訟手続の中断中であっても、することができる。 2 訴訟手続の中断又は中止があったときは、期間は、進行を停止する。 この場合においては、訴訟手続の受継の通知又はその続行の時から、新たに全期間の進行を始め の十、 第132条 《中断及び中止の効果 判決の言渡しは、訴…》 訟手続の中断中であっても、することができる。 2 訴訟手続の中断又は中止があったときは、期間は、進行を停止する。 この場合においては、訴訟手続の受継の通知又はその続行の時から、新たに全期間の進行を始め の十一及び 第132条 《中断及び中止の効果 判決の言渡しは、訴…》 訟手続の中断中であっても、することができる。 2 訴訟手続の中断又は中止があったときは、期間は、進行を停止する。 この場合においては、訴訟手続の受継の通知又はその続行の時から、新たに全期間の進行を始め の十二(第1項第1号に係る部分を除く。)の規定を準用する。この場合において、同法第132条の10第5項及び第6項並びに第132条の12第2項及び第3項中「送達」とあるのは「送達又は送付」と、同法第132条の11第1項第1号中「 第54条第1項 《家庭裁判所は、相当と認めるときは、当事者…》 の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、家庭裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、家事審判の手続の期日における手続証拠調べを除く。を行うことがで ただし書」とあるのは「 家事事件手続法 第22条第1項 《法令により裁判上の行為をすることができる…》 代理人のほか、弁護士でなければ手続代理人となることができない。 ただし、家庭裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を手続代理人とすることができる。 ただし書」と、同項第2号中「 第2条 《裁判所及び当事者の責務 裁判所は、家事…》 事件の手続が公正かつ迅速に行われるように努め、当事者は、信義に従い誠実に家事事件の手続を追行しなければならない。 」とあるのは「 第9条 《移送等 裁判所は、家事事件の全部又は一…》 部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄裁判所に移送する。 ただし、家庭裁判所は、事件を処理するために特に必要があると認めるときは、職権で、家事事件の全部又は一部を管轄 において準用する同法第2条」と、同法第132条の12第1項第3号中「当該 申立て等 に係る書面等について、当該申立て等とともに第133条の2第2項の申立てがされた」とあるのは「 家事事件手続法 第38条の2 《 家事事件の手続における申立て等について…》 は、民事訴訟法第133条、第133条の2第1項、第5項及び第6項並びに第133条の4第1項から第3項まで、第4項第1号に係る部分に限る。及び第5項から第7項までの規定を準用する。 この場合において、次 において読み替えて準用する 第133条第1項 《第119条の規定は被保佐人となるべき者及…》 び被保佐人の精神の状況に関する鑑定及び意見の聴取について、第121条の規定は保佐開始の申立ての取下げ及び保佐人の選任の申立ての取下げについて、第124条の規定は保佐の事務の監督について準用する。 の決定があった」と、「申立てが却下されたとき又は当該同項の申立てに係る決定」とあるのは「決定」と、「同項に規定する秘匿事項記載部分」とあるのは「秘匿事項(同項に規定する申立て等をする者又はその法定代理人の住所等又は氏名等をいう。以下この号において同じ。又は秘匿事項を推知することができる事項」と読み替えるものとする。

2項 家事事件 別表第1に掲げる事項についての審判事件(同表に掲げる事項についての 第106条第1項 《審判前の保全処分前条第1項の審判及び同条…》 第2項の審判に代わる裁判をいう。以下同じ。の申立ては、その趣旨及び保全処分を求める事由を明らかにしてしなければならない。 に規定する審判前の保全処分の事件を含む。)であって最高裁判所規則で定めるものを除く。)の手続においてこの法律その他の法令の規定に基づき裁判所に提出された書面等(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下同じ。)( 申立て等 が書面等により行われたときにおける当該書面等を除く。又は電磁的記録を記録した記録媒体に記載され、又は記録されている事項のファイルへの記録については、 民事訴訟法 第132条 《中断及び中止の効果 判決の言渡しは、訴…》 訟手続の中断中であっても、することができる。 2 訴訟手続の中断又は中止があったときは、期間は、進行を停止する。 この場合においては、訴訟手続の受継の通知又はその続行の時から、新たに全期間の進行を始め の十三(第1号及び第3号に係る部分を除く。)の規定を準用する。この場合において、同条第4号中「 第133条の3第1項 《裁判所は、当事者又はその法定代理人に対し…》 て送達をするため、その者の住所、居所その他送達をすべき場所についての調査を嘱託した場合において、当該嘱託に係る調査結果の報告が記載され、又は記録された書面又は電磁的記録が閲覧されることにより、当事者又 の規定による」とあるのは「 家事事件手続法 第38条の2 《 家事事件の手続における申立て等について…》 は、民事訴訟法第133条、第133条の2第1項、第5項及び第6項並びに第133条の4第1項から第3項まで、第4項第1号に係る部分に限る。及び第5項から第7項までの規定を準用する。 この場合において、次 において読み替えて準用する 第133条第1項 《第119条の規定は被保佐人となるべき者及…》 び被保佐人の精神の状況に関する鑑定及び意見の聴取について、第121条の規定は保佐開始の申立ての取下げ及び保佐人の選任の申立ての取下げについて、第124条の規定は保佐の事務の監督について準用する。 の」と、「当該決定に係る」とあるのは「当該」と、「及び電磁的記録を記録した」とあるのは「又は当該」と、「事項」とあるのは「秘匿事項(同項に規定する申立て等をする者又はその法定代理人の住所等又は氏名等をいう。以下この号において同じ。又は秘匿事項を推知することができる事項」と読み替えるものとする。

9章 当事者に対する住所、氏名等の秘匿

38条の2

1項 家事事件 の手続における 申立て等 については、 民事訴訟法 第133条 《申立人の住所、氏名等の秘匿 申立て等を…》 する者又はその法定代理人の住所、居所その他その通常所在する場所以下この項及び次項において「住所等」という。の全部又は一部が当事者に知られることによって当該申立て等をする者又は当該法定代理人が社会生活を第133条の2第1項 《秘匿決定があった場合には、秘匿事項届出部…》 分に係る訴訟記録等の閲覧等の請求をすることができる者を当該秘匿決定に係る秘匿対象者に限る。 、第5項及び第6項並びに 第133条の4第1項 《秘匿決定、第133条の2第2項の決定又は…》 前条第1項の決定次項及び第7項において「秘匿決定等」という。に係る者以外の者は、訴訟記録等の存する裁判所に対し、その要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、その決定の取消しの申立てをする から第3項まで、第4項(第1号に係る部分に限る。及び第5項から第7項までの規定を準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

2編 家事審判に関する手続 > 1章 総則 > 1節 家事審判の手続 > 1款 通則

39条 (審判事項)

1項 家庭裁判所は、この編に定めるところにより、別表第一及び別表第2に掲げる事項並びに同編に定める事項について、審判をする。

40条 (参与員)

1項 家庭裁判所は、参与員の意見を聴いて、審判をする。ただし、家庭裁判所が相当と認めるときは、その意見を聴かないで、審判をすることができる。

2項 家庭裁判所は、参与員を家事審判の手続の期日に立ち会わせることができる。

3項 家庭裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、家庭裁判所及び当事者双方が参与員との間で音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、参与員に家事審判の手続の期日に立ち会わせ、当該期日における行為を行わせることができる。

4項 参与員は、家庭裁判所の許可を得て、第1項の意見を述べるために、申立人が提出した資料の内容について、申立人から説明を聴くことができる。ただし、別表第2に掲げる事項についての審判事件においては、この限りでない。

5項 参与員の員数は、各事件について1人以上とする。

6項 参与員は、毎年あらかじめ家庭裁判所の選任した者の中から、事件ごとに家庭裁判所が指定する。

7項 前項の規定により選任される者の資格、員数その他同項の規定による選任に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

8項 参与員には、最高裁判所規則で定める額の旅費、日当及び宿泊料を支給する。

41条 (当事者参加)

1項 当事者となる資格を有する者は、当事者として家事審判の手続に参加することができる。

2項 家庭裁判所は、相当と認めるときは、当事者の申立てにより又は職権で、他の当事者となる資格を有する者(審判を受ける者となるべき者に限る。)を、当事者として家事審判の手続に参加させることができる。

3項 第1項の規定による参加の申出及び前項の申立ては、参加の趣旨及び理由を記載した書面でしなければならない。

4項 第1項の規定による参加の申出を却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

42条 (利害関係参加)

1項 審判を受ける者となるべき者は、家事審判の手続に参加することができる。

2項 審判を受ける者となるべき者以外の者であって、審判の結果により直接の影響を受けるもの又は当事者となる資格を有するものは、家庭裁判所の許可を得て、家事審判の手続に参加することができる。

3項 家庭裁判所は、相当と認めるときは、職権で、審判を受ける者となるべき者及び前項に規定する者を、家事審判の手続に参加させることができる。

4項 前条第3項の規定は、第1項の規定による参加の申出及び第2項の規定による参加の許可の申立てについて準用する。

5項 家庭裁判所は、第1項又は第2項の規定により家事審判の手続に参加しようとする者が未成年者である場合において、その者の年齢及び発達の程度その他一切の事情を考慮してその者が当該家事審判の手続に参加することがその者の利益を害すると認めるときは、第1項の規定による参加の申出又は第2項の規定による参加の許可の申立てを却下しなければならない。

6項 第1項の規定による参加の申出を却下する裁判(前項の規定により第1項の規定による参加の申出を却下する裁判を含む。)に対しては、即時抗告をすることができる。

7項 第1項から第3項までの規定により家事審判の手続に参加した者(以下「 利害関係参加人 」という。)は、当事者がすることができる 手続行為 家事審判の申立ての取下げ及び変更並びに裁判に対する不服申立て及び裁判所書記官の処分に対する異議の取下げを除く。)をすることができる。ただし、裁判に対する不服申立て及び裁判所書記官の処分に対する異議の申立てについては、 利害関係参加人 が不服申立て又は異議の申立てに関するこの法律の他の規定によりすることができる場合に限る。

43条 (手続からの排除)

1項 家庭裁判所は、当事者となる資格を有しない者及び当事者である資格を喪失した者を家事審判の手続から排除することができる。

2項 前項の規定による排除の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

44条 (法令により手続を続行すべき者による受継)

1項 当事者が死亡、資格の喪失その他の事由によって家事審判の手続を続行することができない場合には、法令により手続を続行する資格のある者は、その手続を受け継がなければならない。

2項 法令により手続を続行する資格のある者が前項の規定による受継の申立てをした場合において、その申立てを却下する裁判がされたときは、当該裁判に対し、即時抗告をすることができる。

3項 第1項の場合には、家庭裁判所は、他の当事者の申立てにより又は職権で、法令により手続を続行する資格のある者に家事審判の手続を受け継がせることができる。

45条 (他の申立権者による受継)

1項 家事審判の申立人が死亡、資格の喪失その他の事由によってその手続を続行することができない場合において、法令により手続を続行する資格のある者がないときは、当該家事審判の申立てをすることができる者は、その手続を受け継ぐことができる。

2項 家庭裁判所は、前項の場合において、必要があると認めるときは、職権で、当該家事審判の申立てをすることができる者に、その手続を受け継がせることができる。

3項 第1項の規定による受継の申立て及び前項の規定による受継の裁判は、第1項の事由が生じた日から1月以内にしなければならない。

46条 (電子調書の作成等)

1項 裁判所書記官は、家事審判の手続の期日について、最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書を作成しなければならない。ただし、証拠調べの期日以外の期日については、裁判長においてその必要がないと認めるときは、その経過の要領をファイルに記録することをもって、これに代えることができる。

47条 (非電磁的家事審判事件記録の閲覧等)

1項 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、非電磁的家事審判事件記録(家事審判事件の記録中次条第1項に規定する電磁的家事審判事件記録を除いた部分をいう。以下この条において同じ。)の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。

2項 前項の規定は、非電磁的家事審判事件記録中の録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。以下「 録音テープ等 」という。)に関しては、適用しない。この場合において、当事者又は利害関係を疎明した第三者は、家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、これらの物の複製を請求することができる。

3項 家庭裁判所は、当事者から前2項の規定による許可の申立てがあったときは、これを許可しなければならない。

4項 家庭裁判所は、事件の関係人である未成年者の利益を害するおそれ、当事者若しくは第三者の私生活若しくは業務の平穏を害するおそれ又は当事者若しくは第三者の私生活についての重大な秘密が明らかにされることにより、その者が社会生活を営むのに著しい支障を生じ、若しくはその者の名誉を著しく害するおそれがあると認められるときは、前項の規定にかかわらず、同項の申立てを許可しないことができる。事件の性質、審理の状況、記録の内容等に照らして当該当事者に同項の申立てを許可することを不適当とする特別の事情があると認められるときも、同様とする。

5項 家庭裁判所は、利害関係を疎明した第三者から第1項又は第2項の規定による許可の申立てがあった場合において、相当と認めるときは、これを許可することができる。

6項 当事者は、非電磁的家事審判事件記録中当該当事者が提出した書面等又は 録音テープ等 については、第1項及び第2項の規定にかかわらず、家庭裁判所の許可を得ないで、裁判所書記官に対し、その閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製を請求することができる。次条第4項第2号又は第3号に掲げる事項について 第38条の2 《 家事事件の手続における申立て等について…》 は、民事訴訟法第133条、第133条の2第1項、第5項及び第6項並びに第133条の4第1項から第3項まで、第4項第1号に係る部分に限る。及び第5項から第7項までの規定を準用する。 この場合において、次 において読み替えて準用する 民事訴訟法 第133条の2第5項 《5 裁判所は、第2項の申立てがあった場合…》 において、必要があると認めるときは、電磁的訴訟記録等電磁的訴訟記録又は第132条の4第1項の処分の申立てに係る事件の記録中ファイル記録事項に係る部分をいう。以下この項及び次項において同じ。中当該秘匿事 の規定によりその内容を書面に出力し、又はこれを他の記録媒体に記録する措置を講じた場合の当該書面又は当該記録媒体についても、同様とする。

7項 非電磁的家事審判事件記録の閲覧、謄写及び複製の請求は、非電磁的家事審判事件記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。

8項 第3項の申立てを却下した裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

9項 前項の規定による即時抗告が家事審判の手続を不当に遅滞させることを目的としてされたものであると認められるときは、原裁判所は、その即時抗告を却下しなければならない。

10項 前項の規定による裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

47条の2 (電磁的家事審判事件記録の閲覧等)

1項 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、電磁的家事審判事件記録(家事審判事件の記録中この法律その他の法令の規定によりファイルに記録された事項に係る部分をいう。以下この条において同じ。)の内容を最高裁判所規則で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。

2項 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、電磁的家事審判事件記録に記録されている事項について、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機と手続の相手方の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。以下同じ。)を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法による複写を請求することができる。

3項 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、電磁的家事審判事件記録に記録されている事項の全部若しくは一部を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該書面の内容が電磁的家事審判事件記録に記録されている事項と同一であることを証明したものを交付し、又は当該事項の全部若しくは一部を記録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該電磁的記録の内容が電磁的家事審判事件記録に記録されている事項と同一であることを証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。

4項 電磁的家事審判事件記録中次に掲げる事項に係る部分については、当事者は、前3項の規定にかかわらず、家庭裁判所の許可を得ないで、裁判所書記官に対し、電磁的家事審判事件記録の閲覧等(第1項の規定による閲覧、第2項の規定による複写又は前項の規定による書面の交付若しくは電磁的記録の提供をいう。次項において同じ。)を請求することができる。電磁的家事審判事件記録中第1号に掲げる事項に係る部分については、審判を受ける者が当該審判があった後に請求する場合も、同様とする。

1号 第76条第1項 《審判は、最高裁判所規則で定めるところによ…》 り、審判に係る電磁的記録以下「電子審判書」という。を作成してしなければならない。 ただし、即時抗告をすることができない審判については、最高裁判所規則で定めるところにより、主文、当事者及び法定代理人並び に規定する電子審判書(同条第3項の規定によりファイルに記録されたものに限る。又は電子決定書( 第81条第1項 《家庭裁判所は、家事審判の手続においては、…》 審判をする場合を除き、決定で裁判をする。 この場合には、第73条から第79条まで第74条第2項ただし書、第76条第1項及び第78条第3項を除く。の規定を準用する。 において準用する 第76条第2項 《2 電子審判書には、次に掲げる事項を記録…》 しなければならない。 1 主文 2 理由の要旨 3 当事者及び法定代理人 4 裁判所 及び第3項の規定により作成され、ファイルに記録された電磁的記録をいう。 第77条第2項 《2 更正決定は、最高裁判所規則で定めると…》 ころにより、電子決定書を作成してしなければならない。 及び 第80条第2項 《2 中間決定は、最高裁判所規則で定めると…》 ころにより、電子決定書を作成してしなければならない。 において同じ。)に記録されている事項

2号 当該当事者がこの法律その他の法令の規定により最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してファイルに記録した事項

3号 当該当事者が提出した書面等又は記録媒体に記載され、又は記録された事項が 第38条第1項 《家事事件の手続における申立てその他の申述…》 次項及び次条において「申立て等」という。については、民事訴訟法第132条の十、第132条の十一及び第132条の十二第1項第1号に係る部分を除く。の規定を準用する。 この場合において、同法第132条の1 において読み替えて準用する 民事訴訟法 第132条の12第1項 《申立て等が書面等により行われたとき前条第…》 1項の規定に違反して行われたときを除く。は、裁判所書記官は、当該書面等に記載された事項次の各号に掲げる場合における当該各号に定める事項を除く。をファイルに記録しなければならない。 ただし、当該事項をフ の規定又は 第38条第2項 《2 家事事件別表第1に掲げる事項について…》 の審判事件同表に掲げる事項についての第106条第1項に規定する審判前の保全処分の事件を含む。であって最高裁判所規則で定めるものを除く。の手続においてこの法律その他の法令の規定に基づき裁判所に提出された において読み替えて準用する同法第132条の13の規定によりファイルに記録された場合における当該事項

5項 前条第3項から第5項まで及び第8項から第10項までの規定は電磁的家事審判事件記録の閲覧等の許可の申立てについて、同条第7項の規定は電磁的家事審判事件記録の閲覧及び複写の請求について、それぞれ準用する。

47条の3 (家事審判事件に関する事項の証明)

1項 当事者は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、家事審判事件に関する事項を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを交付し、又は当該事項を記録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。審判を受ける者が当該審判があった後に請求する場合も、同様とする。

2項 利害関係を疎明した第三者は、家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、前項の規定による請求をすることができる。

3項 家庭裁判所は、利害関係を疎明した第三者から前項の規定による許可の申立てがあった場合において、相当と認めるときは、これを許可することができる。

48条 (検察官に対する通知)

1項 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上検察官の申立てにより審判をすべき場合が生じたことを知ったときは、管轄権を有する家庭裁判所に対応する検察庁の検察官にその旨を通知しなければならない。

2款 家事審判の申立て

49条 (申立ての方式等)

1項 家事審判の申立ては、申立書(以下「 家事審判の申立書 」という。)を家庭裁判所に提出してしなければならない。

2項 家事審判の申立書 には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

1号 当事者及び法定代理人

2号 申立ての趣旨及び理由

3項 申立人は、二以上の事項について審判を求める場合において、これらの事項についての家事審判の手続が同種であり、これらの事項が同1の事実上及び法律上の原因に基づくときは、1の申立てにより求めることができる。

4項 家事審判の申立書 が第2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。

5項 前項の場合において、申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、 家事審判の申立書 を却下しなければならない。

6項 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。

7項 民事訴訟法 第137条の2 《訴えの提起の手数料の納付がない場合の訴状…》 却下 民事訴訟費用等に関する法律1971年法律第40号の規定に従い訴えの提起の手数料を納付しない場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、その期間内に当該手数料を納付すべきことを命ずる処分をしなけ の規定は、申立人が 民事訴訟費用等に関する法律 1971年法律第40号)の規定に従い家事審判の申立ての手数料を納付しない場合について準用する。

50条 (申立ての変更)

1項 申立人は、申立ての基礎に変更がない限り、申立ての趣旨又は理由を変更することができる。ただし、 第71条 《審理の終結 家庭裁判所は、別表第2に掲…》 げる事項についての家事審判の手続においては、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定めなければならない。 ただし、当事者双方 第188条第4項 《4 推定相続人の廃除の審判事件における手…》 続については、申立人及び廃除を求められた推定相続人を当事者とみなして、第67条及び第69条から第72条までの規定を準用する。 において準用する場合を含む。)の規定により審理を終結した後は、この限りでない。

2項 申立ての趣旨又は理由の変更は、家事審判の手続の期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。

3項 家庭裁判所は、申立ての趣旨又は理由の変更が不適法であるときは、その変更を許さない旨の裁判をしなければならない。

4項 申立ての趣旨又は理由の変更により家事審判の手続が著しく遅滞することとなるときは、家庭裁判所は、その変更を許さない旨の裁判をすることができる。

3款 家事審判の手続の期日

51条 (事件の関係人の呼出し)

1項 家庭裁判所は、家事審判の手続の期日に事件の関係人を呼び出すことができる。

2項 呼出しを受けた事件の関係人は、家事審判の手続の期日に出頭しなければならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、代理人を出頭させることができる。

3項 前項の事件の関係人が正当な理由なく出頭しないときは、家庭裁判所は、60,000円以下の過料に処する。

52条 (裁判長の手続指揮権)

1項 家事審判の手続の期日においては、裁判長が手続を指揮する。

2項 裁判長は、発言を許し、又はその命令に従わない者の発言を禁止することができる。

3項 当事者が家事審判の手続の期日における裁判長の指揮に関する命令に対し異議を述べたときは、家庭裁判所は、その異議について裁判をする。

53条 (受命裁判官による手続)

1項 家庭裁判所は、受命裁判官に家事審判の手続の期日における手続を行わせることができる。ただし、事実の調査及び証拠調べについては、 第61条第3項 《3 家庭裁判所は、相当と認めるときは、受…》 命裁判官に事実の調査をさせることができる。 の規定又は 第64条第1項 《家事審判の手続における証拠調べについては…》 、民事訴訟法第2編第4章第1節から第6節までの規定同法第179条、第182条、第187条から第189条まで、第207条第2項、第208条、第224条同法第229条第2項及び第232条第1項において準用 において準用する 民事訴訟法 第2編第4章第1節から第6節までの規定により受命裁判官が事実の調査又は証拠調べをすることができる場合に限る。

2項 前項の場合においては、家庭裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。

54条 (音声の送受信による通話の方法による手続)

1項 家庭裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、家庭裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、家事審判の手続の期日における手続(証拠調べを除く。)を行うことができる。

2項 家事審判の手続の期日に出頭しないで前項の手続に関与した者は、その期日に出頭したものとみなす。

55条 (通訳人の立会い等その他の措置)

1項 家事審判の手続の期日における通訳人の立会い等については 民事訴訟法 第154条 《通訳人の立会い等 口頭弁論に関与する者…》 が日本語に通じないとき、又は耳が聞こえない者若しくは口がきけない者であるときは、通訳人を立ち会わせる。 ただし、耳が聞こえない者又は口がきけない者には、文字で問い、又は陳述をさせることができる。 2 の規定を、家事審判事件の手続関係を明瞭にするために必要な陳述をすることができない当事者、 利害関係参加人 、代理人及び補佐人に対する措置については同法第155条の規定を準用する。

4款 事実の調査及び証拠調べ

56条 (事実の調査及び証拠調べ等)

1項 家庭裁判所は、職権で事実の調査をし、かつ、申立てにより又は職権で、必要と認める証拠調べをしなければならない。

2項 当事者は、適切かつ迅速な審理及び審判の実現のため、事実の調査及び証拠調べに協力するものとする。

57条 (疎明)

1項 疎明は、即時に取り調べることができる資料によってしなければならない。

58条 (家庭裁判所調査官による事実の調査)

1項 家庭裁判所は、家庭裁判所調査官に事実の調査をさせることができる。

2項 急迫の事情があるときは、裁判長が、家庭裁判所調査官に事実の調査をさせることができる。

3項 家庭裁判所調査官は、事実の調査の結果を書面又は口頭で家庭裁判所に報告するものとする。

4項 家庭裁判所調査官は、前項の規定による報告に意見を付することができる。

5項 家庭裁判所調査官は、第3項の規定による書面による報告に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、当該書面に記載すべき事項を最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してファイルに記録する方法又は当該書面に記載すべき事項に係る電磁的記録を記録した記録媒体を提出する方法により報告を行うことができる。

59条 (家庭裁判所調査官の期日への立会い等)

1項 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、家事審判の手続の期日に家庭裁判所調査官を立ち会わせることができる。

2項 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項の規定により立ち会わせた家庭裁判所調査官に意見を述べさせることができる。

3項 家庭裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、家事審判の手続の期日において、最高裁判所規則で定めるところにより、家庭裁判所及び当事者双方が家庭裁判所調査官との間で音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、家庭裁判所調査官に家事審判の手続の期日に立ち会わせ、当該期日において前項の意見を述べさせることができる。

4項 家庭裁判所は、家事審判事件の処理に関し、事件の関係人の家庭環境その他の環境の調整を行うために必要があると認めるときは、家庭裁判所調査官に社会福祉機関との連絡その他の措置をとらせることができる。

5項 急迫の事情があるときは、裁判長が、前項の措置をとらせることができる。

60条 (裁判所技官による診断等)

1項 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、医師である裁判所技官に事件の関係人の心身の状況について診断をさせることができる。

2項 第58条第2項 《2 急迫の事情があるときは、裁判長が、家…》 庭裁判所調査官に事実の調査をさせることができる。 から第5項までの規定は前項の診断について、前条第1項から第3項までの規定は裁判所技官の期日への立会い及び意見の陳述について準用する。

61条 (事実の調査の嘱託等)

1項 家庭裁判所は、他の家庭裁判所又は簡易裁判所に事実の調査を嘱託することができる。

2項 前項の規定による嘱託により職務を行う受託裁判官は、他の家庭裁判所又は簡易裁判所において事実の調査をすることを相当と認めるときは、更に事実の調査の嘱託をすることができる。

3項 家庭裁判所は、相当と認めるときは、受命裁判官に事実の調査をさせることができる。

4項 前3項の規定により受託裁判官又は受命裁判官が事実の調査をする場合には、家庭裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。

62条 (調査の嘱託等)

1項 家庭裁判所は、必要な調査を官庁、公署その他適当と認める者に嘱託し、又は銀行、信託会社、関係人の使用者その他の者に対し関係人の預金、信託財産、収入その他の事項に関して必要な報告を求めることができる。

63条 (事実の調査の通知)

1項 家庭裁判所は、事実の調査をした場合において、その結果が当事者による家事審判の手続の追行に重要な変更を生じ得るものと認めるときは、これを当事者及び 利害関係参加人 に通知しなければならない。

64条 (証拠調べ)

1項 家事審判の手続における証拠調べについては、 民事訴訟法 第2編第4章第1節から第6節までの規定(同法第179条、 第182条 《管轄 扶養義務の設定の審判事件別表第1…》 の84の項の事項についての審判事件をいう。は、扶養義務者となるべき者数人についての扶養義務の設定の申立てに係るものにあっては、そのうちの1人の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。 2 扶養義務の第187条 《扶養に関する審判事件を本案とする保全処分…》 家庭裁判所第105条第2項の場合にあっては、高等裁判所は、次に掲げる事項についての審判又は調停の申立てがあった場合において、強制執行を保全し、又は事件の関係人の急迫の危険を防止するため必要があると から 第189条 《遺産の管理に関する処分の審判事件 推定…》 相続人の廃除の審判又はその取消しの審判の確定前の遺産の管理に関する処分の審判事件は、推定相続人の廃除の審判事件又は推定相続人の廃除の審判の取消しの審判事件が係属している家庭裁判所その審判事件が係属して まで、第207条第2項、 第208条 《管理者の改任等に関する規定の準用 第1…》 25条の規定は、相続人の不存在の場合における相続財産の清算に関する処分の審判事件について準用する。 この場合において、同条第3項中「成年被後見人の財産」とあるのは、「相続財産」と読み替えるものとする。第224条 《任意後見監督人の事務の調査 家庭裁判所…》 は、家庭裁判所調査官に任意後見監督人の事務を調査させることができる。同法第229条第2項及び 第232条第1項 《性別の取扱いの変更の審判事件別表第1の1…》 26の項の事項についての審判事件をいう。次項において同じ。は、申立人の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。 において準用する場合を含む。及び第229条第4項の規定を除く。)を準用する。

2項 前項において準用する 民事訴訟法 の規定による即時抗告は、執行停止の効力を有する。

3項 当事者が次の各号のいずれかに該当するときは、家庭裁判所は、210,000円以下の過料に処する。

1号 第1項において準用する 民事訴訟法 第223条第1項 《裁判所は、文書提出命令の申立てを理由があ…》 ると認めるときは、決定で、文書の所持者に対し、その提出を命ずる。 この場合において、文書に取り調べる必要がないと認める部分又は提出の義務があると認めることができない部分があるときは、その部分を除いて、同法第231条及び第231条の3第1項において準用する場合を含む。)の規定による提出の命令に従わないとき、又は正当な理由なく第1項において準用する同法第232条第1項において準用する同法第223条第1項の規定による提示の命令に従わないとき。

2号 書証を妨げる目的で第1項において準用する 民事訴訟法 第220条 《文書提出義務 次に掲げる場合には、文書…》 の所持者は、その提出を拒むことができない。 1 当事者が訴訟において引用した文書を自ら所持するとき。 2 挙証者が文書の所持者に対しその引渡し又は閲覧を求めることができるとき。 3 文書が挙証者の利益同法第231条及び第231条の3第1項において準用する場合を含む。)の規定により提出の義務がある文書(同法第231条に規定する文書に準ずる物件及び同法第231条の2に規定する電磁的記録を含む。)を滅失させ、その他これを使用することができないようにしたとき、又は検証を妨げる目的で検証の目的を滅失させ、その他これを使用することができないようにしたとき。

4項 当事者が次の各号のいずれかに該当するときは、家庭裁判所は、110,000円以下の過料に処する。

1号 正当な理由なく第1項において準用する 民事訴訟法 第229条第2項 《2 第219条、第223条、第224条第…》 1項及び第2項、第226条並びに第227条第1項の規定は、対照の用に供すべき筆跡又は印影を備える文書その他の物件の提出又は送付について準用する。同法第231条において準用する場合を含む。)において準用する同法第223条第1項の規定による提出の命令に従わないとき。

2号 対照の用に供することを妨げる目的で対照の用に供すべき筆跡又は印影を備える文書その他の物件を滅失させ、その他これを使用することができないようにしたとき。

3号 第1項において準用する 民事訴訟法 第229条第3項 《3 対照をするのに適当な相手方の筆跡がな…》 いときは、裁判所は、対照の用に供すべき文字の筆記を相手方に命ずることができる。同法第231条において準用する場合を含む。)の規定による決定に正当な理由なく従わないとき、又は当該決定に係る対照の用に供すべき文字を書体を変えて筆記したとき。

5項 家庭裁判所は、当事者本人を尋問する場合には、その当事者に対し、家事審判の手続の期日に出頭することを命ずることができる。

6項 民事訴訟法 第192条 《不出頭に対する過料等 証人が正当な理由…》 なく出頭しないときは、裁判所は、決定で、これによって生じた訴訟費用の負担を命じ、かつ、110,000円以下の過料に処する。 2 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 から 第194条 《勾こう引 裁判所は、正当な理由なく出頭…》 しない証人の勾こう引を命ずることができる。 2 刑事訴訟法中勾引に関する規定は、前項の勾引について準用する。 までの規定は前項の規定により出頭を命じられた当事者が正当な理由なく出頭しない場合について、同法第209条第1項及び第2項の規定は出頭した当事者が正当な理由なく宣誓又は陳述を拒んだ場合について準用する。

5款 家事審判の手続における子の意思の把握等

65条

1項 家庭裁判所は、親子、親権又は未成年後見に関する家事審判その他未成年者である子(未成年被後見人を含む。以下この条において同じ。)がその結果により影響を受ける家事審判の手続においては、子の陳述の聴取、家庭裁判所調査官による調査その他の適切な方法により、子の意思を把握するように努め、審判をするに当たり、子の年齢及び発達の程度に応じて、その意思を考慮しなければならない。

6款 家事調停をすることができる事項についての家事審判の手続の特則

66条 (合意管轄)

1項 別表第2に掲げる事項についての審判事件は、この法律の他の規定により定める家庭裁判所のほか、当事者が合意で定める家庭裁判所の管轄に属する。

2項 民事訴訟法 第11条第2項 《2 前項の合意は、一定の法律関係に基づく…》 訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。 及び第3項の規定は、前項の合意について準用する。

67条 (家事審判の申立書の写しの送付等)

1項 別表第2に掲げる事項についての家事審判の申立てがあった場合には、家庭裁判所は、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、 家事審判の申立書 の写しを相手方に送付しなければならない。ただし、家事審判の手続の円滑な進行を妨げるおそれがあると認められるときは、家事審判の申立てがあったことを通知することをもって、家事審判の申立書の写しの送付に代えることができる。

2項 第49条第4項 《4 家事審判の申立書が第2項の規定に違反…》 する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。 から第6項までの規定は、前項の規定による 家事審判の申立書 の写しの送付又はこれに代わる通知をすることができない場合について準用する。

3項 裁判長は、第1項の規定による 家事審判の申立書 の写しの送付又はこれに代わる通知の費用の予納を相当の期間を定めて申立人に命じた場合において、その予納がないときは、命令で、家事審判の申立書を却下しなければならない。

4項 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。

68条 (陳述の聴取)

1項 家庭裁判所は、別表第2に掲げる事項についての家事審判の手続においては、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、当事者の陳述を聴かなければならない。

2項 前項の規定による陳述の聴取は、当事者の申出があるときは、審問の期日においてしなければならない。

69条 (審問の期日)

1項 別表第2に掲げる事項についての家事審判の手続においては、家庭裁判所が審問の期日を開いて当事者の陳述を聴くことにより事実の調査をするときは、他の当事者は、当該期日に立ち会うことができる。ただし、当該他の当事者が当該期日に立ち会うことにより事実の調査に支障を生ずるおそれがあると認められるときは、この限りでない。

70条 (事実の調査の通知)

1項 家庭裁判所は、別表第2に掲げる事項についての家事審判の手続において、事実の調査をしたときは、特に必要がないと認める場合を除き、その旨を当事者及び 利害関係参加人 に通知しなければならない。

71条 (審理の終結)

1項 家庭裁判所は、別表第2に掲げる事項についての家事審判の手続においては、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定めなければならない。ただし、当事者双方が立ち会うことができる家事審判の手続の期日においては、直ちに審理を終結する旨を宣言することができる。

72条 (審判日)

1項 家庭裁判所は、前条の規定により審理を終結したときは、審判をする日を定めなければならない。

7款 審判等

73条 (審判)

1項 家庭裁判所は、家事審判事件が裁判をするのに熟したときは、審判をする。

2項 家庭裁判所は、家事審判事件の一部が裁判をするのに熟したときは、その一部について審判をすることができる。手続の併合を命じた数個の家事審判事件中その一が裁判をするのに熟したときも、同様とする。

74条 (審判の告知及び効力の発生等)

1項 審判は、特別の定めがある場合を除き、当事者及び 利害関係参加人 並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。

2項 審判(申立てを却下する審判を除く。)は、特別の定めがある場合を除き、審判を受ける者(審判を受ける者が数人あるときは、そのうちの1人)に告知することによってその効力を生ずる。ただし、即時抗告をすることができる審判は、確定しなければその効力を生じない。

3項 申立てを却下する審判は、申立人に告知することによってその効力を生ずる。

4項 審判は、即時抗告の期間の満了前には確定しないものとする。

5項 審判の確定は、前項の期間内にした即時抗告の提起により、遮断される。

75条 (審判の執行力)

1項 金銭の支払、物の引渡し、登記義務の履行その他の給付を命ずる審判は、執行力のある債務名義と同1の効力を有する。

76条 (審判の方式及び電子審判書)

1項 審判は、最高裁判所規則で定めるところにより、審判に係る電磁的記録(以下「 電子審判書 」という。)を作成してしなければならない。ただし、即時抗告をすることができない審判については、最高裁判所規則で定めるところにより、主文、当事者及び法定代理人並びに裁判所を記録した電磁的記録(第3項において「 電子審判書に代わる電磁的記録 」という。)を作成し、又は電子調書に主文を記録することをもって、 電子審判書 の作成に代えることができる。

2項 電子審判書 には、次に掲げる事項を記録しなければならない。

1号 主文

2号 理由の要旨

3号 当事者及び法定代理人

4号 裁判所

3項 家庭裁判所は、第1項の規定により 電子審判書 又は電子審判書に代わる電磁的記録を作成したときは、最高裁判所規則で定めるところにより、これらをファイルに記録しなければならない。

77条 (更正決定)

1項 審判に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、家庭裁判所は、申立てにより又は職権で、いつでも更正決定をすることができる。

2項 更正決定は、最高裁判所規則で定めるところにより、電子決定書を作成してしなければならない。

3項 更正決定に対しては、更正後の審判が原審判であるとした場合に即時抗告をすることができる者に限り、即時抗告をすることができる。

4項 第1項の申立てを不適法として却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

5項 審判に対し適法な即時抗告があったときは、前2項の即時抗告は、することができない。

78条 (審判の取消し又は変更)

1項 家庭裁判所は、審判をした後、その審判を不当と認めるときは、次に掲げる審判を除き、職権で、これを取り消し、又は変更することができる。

1号 申立てによってのみ審判をすべき場合において申立てを却下した審判

2号 即時抗告をすることができる審判

2項 審判が確定した日から5年を経過したときは、家庭裁判所は、前項の規定による取消し又は変更をすることができない。ただし、事情の変更によりその審判を不当と認めるに至ったときは、この限りでない。

3項 家庭裁判所は、第1項の規定により審判の取消し又は変更をする場合には、その審判における当事者及びその他の審判を受ける者の陳述を聴かなければならない。

4項 第1項の規定による取消し又は変更の審判に対しては、取消し後又は変更後の審判が原審判であるとした場合に即時抗告をすることができる者に限り、即時抗告をすることができる。

79条 (審判に関する民事訴訟法の準用)

1項 民事訴訟法 第247条 《自由心証主義 裁判所は、判決をするに当…》 たり、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果をしん酌して、自由な心証により、事実についての主張を真実と認めるべきか否かを判断する。第256条第1項 《裁判所は、判決に法令の違反があることを発…》 見したときは、その言渡し後1週間以内に限り、変更の判決をすることができる。 ただし、判決が確定したとき、又は判決を変更するため事件につき更に弁論をする必要があるときは、この限りでない。 及び 第258条 《裁判の脱漏 裁判所が請求の一部について…》 裁判を脱漏したときは、訴訟は、その請求の部分については、なおその裁判所に係属する。 2 訴訟費用の負担の裁判を脱漏したときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、その訴訟費用の負担について、決定で、裁判第2項後段を除く。)の規定は、審判について準用する。この場合において、同法第256条第1項中「言渡し後」とあるのは、「審判が告知を受ける者に最初に告知された日から」と読み替えるものとする。

79条の2 (外国裁判所の家事事件についての確定した裁判の効力)

1項 外国裁判所の 家事事件 についての確定した裁判(これに準ずる公的機関の判断を含む。)については、その性質に反しない限り、 民事訴訟法 第118条 《外国裁判所の確定判決の効力 外国裁判所…》 の確定判決は、次に掲げる要件のすべてを具備する場合に限り、その効力を有する。 1 法令又は条約により外国裁判所の裁判権が認められること。 2 敗訴の被告が訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達公示 の規定を準用する。

80条 (中間決定)

1項 家庭裁判所は、審判の前提となる法律関係の争いその他中間の争いについて、裁判をするのに熟したときは、中間決定をすることができる。

2項 中間決定は、最高裁判所規則で定めるところにより、電子決定書を作成してしなければならない。

81条 (審判以外の裁判)

1項 家庭裁判所は、家事審判の手続においては、審判をする場合を除き、決定で裁判をする。この場合には、 第73条 《審判 家庭裁判所は、家事審判事件が裁判…》 をするのに熟したときは、審判をする。 2 家庭裁判所は、家事審判事件の一部が裁判をするのに熟したときは、その一部について審判をすることができる。 手続の併合を命じた数個の家事審判事件中その一が裁判をす から 第79条 《審判に関する民事訴訟法の準用 民事訴訟…》 法第247条、第256条第1項及び第258条第2項後段を除く。の規定は、審判について準用する。 この場合において、同法第256条第1項中「言渡し後」とあるのは、「審判が告知を受ける者に最初に告知された まで( 第74条第2項 《2 審判申立てを却下する審判を除く。は、…》 特別の定めがある場合を除き、審判を受ける者審判を受ける者が数人あるときは、そのうちの1人に告知することによってその効力を生ずる。 ただし、即時抗告をすることができる審判は、確定しなければその効力を生じ ただし書、 第76条第1項 《審判は、最高裁判所規則で定めるところによ…》 り、審判に係る電磁的記録以下「電子審判書」という。を作成してしなければならない。 ただし、即時抗告をすることができない審判については、最高裁判所規則で定めるところにより、主文、当事者及び法定代理人並び 及び 第78条第3項 《3 家庭裁判所は、第1項の規定により審判…》 の取消し又は変更をする場合には、その審判における当事者及びその他の審判を受ける者の陳述を聴かなければならない。 を除く。)の規定を準用する。

2項 家事審判の手続の指揮に関する裁判は、いつでも取り消すことができる。

3項 審判以外の裁判は、判事補が単独ですることができる。

8款 取下げによる事件の終了

82条 (家事審判の申立ての取下げ)

1項 家事審判の申立ては、特別の定めがある場合を除き、審判があるまで、その全部又は一部を取り下げることができる。

2項 別表第2に掲げる事項についての家事審判の申立ては、審判が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。ただし、申立ての取下げは、審判がされた後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。

3項 前項ただし書、 第153条 《申立ての取下げの制限 第82条第2項の…》 規定にかかわらず、財産の分与に関する処分の審判の申立ての取下げは、相手方が本案について書面を提出し、又は家事審判の手続の期日において陳述をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない 第199条第1項 《第153条の規定は、遺産の分割の審判の申…》 立ての取下げについて準用する。 において準用する場合を含む。及び 第199条第2項 《2 第82条第2項の規定にかかわらず、遺…》 産の分割の審判の申立ての取下げは、相続開始の時から10年を経過した後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。 の規定により申立ての取下げについて相手方の同意を要する場合においては、家庭裁判所は、相手方に対し、申立ての取下げがあったことを通知しなければならない。ただし、申立ての取下げが家事審判の手続の期日において口頭でされた場合において、相手方がその期日に出頭したときは、この限りでない。

4項 前項本文の規定による通知を受けた日から2週間以内に相手方が異議を述べないときは、申立ての取下げに同意したものとみなす。同項ただし書の規定による場合において、申立ての取下げがあった日から2週間以内に相手方が異議を述べないときも、同様とする。

5項 民事訴訟法 第261条第3項 《3 訴えの取下げは、書面でしなければなら…》 ない。 及び第4項並びに 第262条第1項 《訴訟は、訴えの取下げがあった部分について…》 は、初めから係属していなかったものとみなす。 の規定は、家事審判の申立ての取下げについて準用する。この場合において、同法第261条第4項中「口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日࿸以下この章において「口頭弁論等の期日」という。)」とあるのは、「家事審判の手続の期日」と読み替えるものとする。

83条 (家事審判の申立ての取下げの擬制)

1項 家事審判の申立人( 第153条 《申立ての取下げの制限 第82条第2項の…》 規定にかかわらず、財産の分与に関する処分の審判の申立ての取下げは、相手方が本案について書面を提出し、又は家事審判の手続の期日において陳述をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない 第199条第1項 《第153条の規定は、遺産の分割の審判の申…》 立ての取下げについて準用する。 において準用する場合を含む。及び 第199条第2項 《2 第82条第2項の規定にかかわらず、遺…》 産の分割の審判の申立ての取下げは、相続開始の時から10年を経過した後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。 の規定により申立ての取下げについて相手方の同意を要する場合にあっては、当事者双方)が、連続して二回、呼出しを受けた家事審判の手続の期日に出頭せず、又は呼出しを受けた家事審判の手続の期日において陳述をしないで退席をしたときは、家庭裁判所は、申立ての取下げがあったものとみなすことができる。

9款 高等裁判所が一審として行う手続

84条

1項 高等裁判所が第一審として家事審判の手続を行う場合におけるこの節の規定の適用については、同節の規定( 第58条 《家庭裁判所調査官による事実の調査 家庭…》 裁判所は、家庭裁判所調査官に事実の調査をさせることができる。 2 急迫の事情があるときは、裁判長が、家庭裁判所調査官に事実の調査をさせることができる。 3 家庭裁判所調査官は、事実の調査の結果を書面又第59条第1項 《家庭裁判所は、必要があると認めるときは、…》 家事審判の手続の期日に家庭裁判所調査官を立ち会わせることができる。 から第4項まで、 第61条第1項 《家庭裁判所は、他の家庭裁判所又は簡易裁判…》 所に事実の調査を嘱託することができる。 及び第2項並びに 第65条 《 家庭裁判所は、親子、親権又は未成年後見…》 に関する家事審判その他未成年者である子未成年被後見人を含む。以下この条において同じ。がその結果により影響を受ける家事審判の手続においては、子の陳述の聴取、家庭裁判所調査官による調査その他の適切な方法に の規定を除く。)中「家庭裁判所」とあるのは「高等裁判所」と、 第39条 《審判事項 家庭裁判所は、この編に定める…》 ところにより、別表第一及び別表第2に掲げる事項並びに同編に定める事項について、審判をする。第49条第3項 《3 申立人は、二以上の事項について審判を…》 求める場合において、これらの事項についての家事審判の手続が同種であり、これらの事項が同1の事実上及び法律上の原因に基づくときは、1の申立てにより求めることができる。第56条第2項 《2 当事者は、適切かつ迅速な審理及び審判…》 の実現のため、事実の調査及び証拠調べに協力するものとする。第65条 《 家庭裁判所は、親子、親権又は未成年後見…》 に関する家事審判その他未成年者である子未成年被後見人を含む。以下この条において同じ。がその結果により影響を受ける家事審判の手続においては、子の陳述の聴取、家庭裁判所調査官による調査その他の適切な方法に第72条 《審判日 家庭裁判所は、前条の規定により…》 審理を終結したときは、審判をする日を定めなければならない。第73条 《審判 家庭裁判所は、家事審判事件が裁判…》 をするのに熟したときは、審判をする。 2 家庭裁判所は、家事審判事件の一部が裁判をするのに熟したときは、その一部について審判をすることができる。 手続の併合を命じた数個の家事審判事件中その一が裁判をす第74条第1項 《審判は、特別の定めがある場合を除き、当事…》 及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 から第3項まで(第2項ただし書を除く。)、 第75条 《審判の執行力 金銭の支払、物の引渡し、…》 登記義務の履行その他の給付を命ずる審判は、執行力のある債務名義と同1の効力を有する。第77条第1項 《審判に計算違い、誤記その他これらに類する…》 明白な誤りがあるときは、家庭裁判所は、申立てにより又は職権で、いつでも更正決定をすることができる。第78条 《審判の取消し又は変更 家庭裁判所は、審…》 判をした後、その審判を不当と認めるときは、次に掲げる審判を除き、職権で、これを取り消し、又は変更することができる。 1 申立てによってのみ審判をすべき場合において申立てを却下した審判 2 即時抗告をす第1項第2号及び第4項を除く。)、 第79条 《審判に関する民事訴訟法の準用 民事訴訟…》 法第247条、第256条第1項及び第258条第2項後段を除く。の規定は、審判について準用する。 この場合において、同法第256条第1項中「言渡し後」とあるのは、「審判が告知を受ける者に最初に告知された第80条第1項 《家庭裁判所は、審判の前提となる法律関係の…》 争いその他中間の争いについて、裁判をするのに熟したときは、中間決定をすることができる。第81条第1項 《家庭裁判所は、家事審判の手続においては、…》 審判をする場合を除き、決定で裁判をする。 この場合には、第73条から第79条まで第74条第2項ただし書、第76条第1項及び第78条第3項を除く。の規定を準用する。 並びに 第82条第1項 《家事審判の申立ては、特別の定めがある場合…》 を除き、審判があるまで、その全部又は一部を取り下げることができる。 及び第2項中「審判」とあるのは「審判に代わる裁判」と、 第42条第2項 《2 審判を受ける者となるべき者以外の者で…》 あって、審判の結果により直接の影響を受けるもの又は当事者となる資格を有するものは、家庭裁判所の許可を得て、家事審判の手続に参加することができる。 中「審判の結果」とあるのは「審判に代わる裁判の結果」と、 第47条の2第4項 《4 電磁的家事審判事件記録中次に掲げる事…》 項に係る部分については、当事者は、前3項の規定にかかわらず、家庭裁判所の許可を得ないで、裁判所書記官に対し、電磁的家事審判事件記録の閲覧等第1項の規定による閲覧、第2項の規定による複写又は前項の規定に 及び 第47条の3第1項 《当事者は、裁判所書記官に対し、最高裁判所…》 規則で定めるところにより、家事審判事件に関する事項を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを交付し、又は当該事項を記録した電磁的記録であって裁判所書記 中「審判を」とあるのは「審判に代わる裁判を」と、「当該審判」とあるのは「当該審判に代わる裁判」と、 第47条の2第4項第1号 《4 電磁的家事審判事件記録中次に掲げる事…》 項に係る部分については、当事者は、前3項の規定にかかわらず、家庭裁判所の許可を得ないで、裁判所書記官に対し、電磁的家事審判事件記録の閲覧等第1項の規定による閲覧、第2項の規定による複写又は前項の規定に 及び 第76条 《審判の方式及び電子審判書 審判は、最高…》 裁判所規則で定めるところにより、審判に係る電磁的記録以下「電子審判書」という。を作成してしなければならない。 ただし、即時抗告をすることができない審判については、最高裁判所規則で定めるところにより、主 中「 電子審判書 」とあるのは「電子裁判書」と、 第58条第1項 《家庭裁判所は、家庭裁判所調査官に事実の調…》 査をさせることができる。第59条第1項 《家庭裁判所は、必要があると認めるときは、…》 家事審判の手続の期日に家庭裁判所調査官を立ち会わせることができる。 から第4項まで、 第61条第1項 《家庭裁判所は、他の家庭裁判所又は簡易裁判…》 所に事実の調査を嘱託することができる。 及び 第65条 《 家庭裁判所は、親子、親権又は未成年後見…》 に関する家事審判その他未成年者である子未成年被後見人を含む。以下この条において同じ。がその結果により影響を受ける家事審判の手続においては、子の陳述の聴取、家庭裁判所調査官による調査その他の適切な方法に 中「家庭裁判所は」とあるのは「高等裁判所は」と、 第58条第3項 《3 家庭裁判所調査官は、事実の調査の結果…》 を書面又は口頭で家庭裁判所に報告するものとする。 中「家庭裁判所に」とあるのは「高等裁判所に」と、 第59条第3項 《3 家庭裁判所は、相当と認めるときは、当…》 事者の意見を聴いて、家事審判の手続の期日において、最高裁判所規則で定めるところにより、家庭裁判所及び当事者双方が家庭裁判所調査官との間で音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、家庭 中「家庭裁判所及び」とあるのは「高等裁判所及び」と、 第76条第1項 《審判は、最高裁判所規則で定めるところによ…》 り、審判に係る電磁的記録以下「電子審判書」という。を作成してしなければならない。 ただし、即時抗告をすることができない審判については、最高裁判所規則で定めるところにより、主文、当事者及び法定代理人並び 中「審判は、最高裁判所規則で定めるところにより、審判に係る電磁的記録࿸以下」とあるのは「審判に代わる裁判は、最高裁判所規則で定めるところにより、審判に代わる裁判に係る電磁的記録࿸以下この条において」と、同項ただし書中「即時抗告をすることができない審判」とあるのは「家庭裁判所の審判であるとした場合に即時抗告をすることができない審判に代わる裁判」と、 第78条第1項第2号 《家庭裁判所は、審判をした後、その審判を不…》 当と認めるときは、次に掲げる審判を除き、職権で、これを取り消し、又は変更することができる。 1 申立てによってのみ審判をすべき場合において申立てを却下した審判 2 即時抗告をすることができる審判 中「即時抗告をすることができる審判」とあるのは「家庭裁判所の審判であるとした場合に即時抗告をすることができる審判に代わる裁判」とする。

2項 第40条 《参与員 家庭裁判所は、参与員の意見を聴…》 いて、審判をする。 ただし、家庭裁判所が相当と認めるときは、その意見を聴かないで、審判をすることができる。 2 家庭裁判所は、参与員を家事審判の手続の期日に立ち会わせることができる。 3 家庭裁判所は 及び 第48条 《検察官に対する通知 裁判所その他の官庁…》 、検察官又は吏員は、その職務上検察官の申立てにより審判をすべき場合が生じたことを知ったときは、管轄権を有する家庭裁判所に対応する検察庁の検察官にその旨を通知しなければならない。 の規定は、高等裁判所が第一審として家事審判の手続を行う場合については、適用しない。

2節 不服申立て > 1款 審判に対する不服申立て > 1目 即時抗告

85条 (即時抗告をすることができる審判)

1項 審判に対しては、特別の定めがある場合に限り、即時抗告をすることができる。

2項 手続費用の負担の裁判に対しては、独立して即時抗告をすることができない。

86条 (即時抗告期間)

1項 審判に対する即時抗告は、特別の定めがある場合を除き、2週間の不変期間内にしなければならない。ただし、その期間前に提起した即時抗告の効力を妨げない。

2項 即時抗告の期間は、特別の定めがある場合を除き、即時抗告をする者が、審判の告知を受ける者である場合にあってはその者が審判の告知を受けた日から、審判の告知を受ける者でない場合にあっては申立人が審判の告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から、それぞれ進行する。

87条 (即時抗告の提起の方式等)

1項 即時抗告は、抗告状を原裁判所に提出してしなければならない。

2項 抗告状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

1号 当事者及び法定代理人

2号 原審判の表示及びその審判に対して即時抗告をする旨

3項 即時抗告が不適法でその不備を補正することができないことが明らかであるときは、原裁判所は、これを却下しなければならない。

4項 前項の規定による審判に対しては、即時抗告をすることができる。

5項 前項の即時抗告は、1週間の不変期間内にしなければならない。ただし、その期間前に提起した即時抗告の効力を妨げない。

6項 第49条第4項 《4 家事審判の申立書が第2項の規定に違反…》 する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。 及び第5項の規定は抗告状が第2項の規定に違反する場合について、 民事訴訟法 第137条の2第1項 《民事訴訟費用等に関する法律1971年法律…》 第40号の規定に従い訴えの提起の手数料を納付しない場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、その期間内に当該手数料を納付すべきことを命ずる処分をしなければならない。 から第6項までの規定は 民事訴訟費用等に関する法律 の規定に従い即時抗告の提起の手数料を納付しない場合について、それぞれ準用する。

88条 (抗告状の写しの送付等)

1項 審判に対する即時抗告があった場合には、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び 利害関係参加人 抗告人を除く。)に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。ただし、抗告審における手続の円滑な進行を妨げるおそれがあると認められる場合には、即時抗告があったことを通知することをもって、抗告状の写しの送付に代えることができる。

2項 裁判長は、前項の規定による抗告状の写しの送付又はこれに代わる通知の費用の予納を相当の期間を定めて抗告人に命じた場合において、その予納がないときは、命令で、抗告状を却下しなければならない。

89条 (陳述の聴取)

1項 抗告裁判所は、原審における当事者及びその他の審判を受ける者(抗告人を除く。)の陳述を聴かなければ、原審判を取り消すことができない。

2項 別表第2に掲げる事項についての審判事件においては、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者(抗告人を除く。)の陳述を聴かなければならない。

90条 (原裁判所による更正)

1項 原裁判所は、審判に対する即時抗告を理由があると認めるときは、その審判を更正しなければならない。ただし、別表第2に掲げる事項についての審判については、更正することができない。

91条 (抗告裁判所による裁判)

1項 抗告裁判所は、即時抗告について決定で裁判をする。

2項 抗告裁判所は、即時抗告を理由があると認める場合には、家事審判事件について自ら審判に代わる裁判をしなければならない。ただし、 第93条第3項 《3 民事訴訟法第283条、第284条、第…》 292条、第298条第1項、第299条第1項、第302条、第303条及び第305条から第308条までの規定は、審判に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。 この場合において、同法第 において準用する 民事訴訟法 第307条 《事件の差戻し 控訴裁判所は、訴えを不適…》 法として却下した第一審判決を取り消す場合には、事件を第一審裁判所に差し戻さなければならない。 ただし、事件につき更に弁論をする必要がないときは、この限りでない。 又は 第308条第1項 《前条本文に規定する場合のほか、控訴裁判所…》 が第一審判決を取り消す場合において、事件につき更に弁論をする必要があるときは、これを第一審裁判所に差し戻すことができる。 の規定により事件を第一審裁判所に差し戻すときは、この限りでない。

92条 (原審の管轄違いの場合の取扱い)

1項 抗告裁判所は、家事審判事件(別表第2に掲げる事項についての審判事件を除く。)の全部又は一部が原裁判所の管轄に属しないと認める場合には、原審判を取り消さなければならない。ただし、原審における審理の経過、事件の性質、抗告の理由等に照らして原審判を取り消さないことを相当とする特別の事情があると認めるときは、この限りでない。

2項 抗告裁判所は、家事審判事件が管轄違いであることを理由として原審判を取り消すときは、その事件を管轄権を有する家庭裁判所に移送しなければならない。

93条 (家事審判の手続の規定及び民事訴訟法の準用等)

1項 審判に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続については、特別の定めがある場合を除き、前節第1款から第8款までの規定( 第40条 《参与員 家庭裁判所は、参与員の意見を聴…》 いて、審判をする。 ただし、家庭裁判所が相当と認めるときは、その意見を聴かないで、審判をすることができる。 2 家庭裁判所は、参与員を家事審判の手続の期日に立ち会わせることができる。 3 家庭裁判所は第41条第4項 《4 第1項の規定による参加の申出を却下す…》 る裁判に対しては、即時抗告をすることができる。第42条第6項 《6 第1項の規定による参加の申出を却下す…》 る裁判前項の規定により第1項の規定による参加の申出を却下する裁判を含む。に対しては、即時抗告をすることができる。第43条第2項 《2 前項の規定による排除の裁判に対しては…》 、即時抗告をすることができる。第44条第2項 《2 法令により手続を続行する資格のある者…》 が前項の規定による受継の申立てをした場合において、その申立てを却下する裁判がされたときは、当該裁判に対し、即時抗告をすることができる。第47条第8項 《8 第3項の申立てを却下した裁判に対して…》 は、即時抗告をすることができる。 から第10項まで( 第47条の2第5項 《5 前条第3項から第5項まで及び第8項か…》 ら第10項までの規定は電磁的家事審判事件記録の閲覧等の許可の申立てについて、同条第7項の規定は電磁的家事審判事件記録の閲覧及び複写の請求について、それぞれ準用する。 において準用する場合を含む。)、 第48条 《検察官に対する通知 裁判所その他の官庁…》 、検察官又は吏員は、その職務上検察官の申立てにより審判をすべき場合が生じたことを知ったときは、管轄権を有する家庭裁判所に対応する検察庁の検察官にその旨を通知しなければならない。第49条第6項 《6 前項の命令に対しては、即時抗告をする…》 ことができる。第66条 《合意管轄 別表第2に掲げる事項について…》 の審判事件は、この法律の他の規定により定める家庭裁判所のほか、当事者が合意で定める家庭裁判所の管轄に属する。 2 民事訴訟法第11条第2項及び第3項の規定は、前項の合意について準用する。第67条第4項 《4 前項の命令に対しては、即時抗告をする…》 ことができる。第74条第2項 《2 審判申立てを却下する審判を除く。は、…》 特別の定めがある場合を除き、審判を受ける者審判を受ける者が数人あるときは、そのうちの1人に告知することによってその効力を生ずる。 ただし、即時抗告をすることができる審判は、確定しなければその効力を生じ ただし書、第4項及び第5項、 第76条第1項 《審判は、最高裁判所規則で定めるところによ…》 り、審判に係る電磁的記録以下「電子審判書」という。を作成してしなければならない。 ただし、即時抗告をすることができない審判については、最高裁判所規則で定めるところにより、主文、当事者及び法定代理人並び ただし書、 第77条第3項 《3 更正決定に対しては、更正後の審判が原…》 審判であるとした場合に即時抗告をすることができる者に限り、即時抗告をすることができる。 から第5項まで、 第78条第4項 《4 第1項の規定による取消し又は変更の審…》 判に対しては、取消し後又は変更後の審判が原審判であるとした場合に即時抗告をすることができる者に限り、即時抗告をすることができる。第81条第3項 《3 審判以外の裁判は、判事補が単独でする…》 ことができる。 並びに 第83条 《家事審判の申立ての取下げの擬制 家事審…》 判の申立人第153条第199条第1項において準用する場合を含む。及び第199条第2項の規定により申立ての取下げについて相手方の同意を要する場合にあっては、当事者双方が、連続して二回、呼出しを受けた家事 の規定を除く。)、第4節の規定( 第105条第2項 《2 本案の家事審判事件が高等裁判所に係属…》 する場合には、その高等裁判所が、前項の審判に代わる裁判をする。第110条 《即時抗告 審判前の保全処分第105条第…》 2項の審判に代わる裁判を除く。次項において同じ。の申立人は、申立てを却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。 ただし、次に掲げる保全処分の申立てを却下する審判については、この限りでない。 1 第111条 《即時抗告に伴う執行停止 前条第2項の規…》 定により即時抗告が提起された場合において、原審判の取消しの原因となることが明らかな事情及び原審判の執行により償うことができない損害を生ずるおそれがあることについて疎明があったときは、抗告裁判所は、申立 及び 第113条 《即時抗告等 前条第1項の審判前の保全処…》 分の取消しの審判の申立人は、申立てを却下する審判第110条第1項各号に掲げる保全処分の取消しの申立てを却下する審判を除く。に対し、即時抗告をすることができる。 2 審判前の保全処分の申立人は、前条第1 の規定を除く。及び次章の規定(家庭裁判所の管轄及び即時抗告に関する規定を除く。)を準用する。この場合において、 第78条第1項第2号 《家庭裁判所は、審判をした後、その審判を不…》 当と認めるときは、次に掲げる審判を除き、職権で、これを取り消し、又は変更することができる。 1 申立てによってのみ審判をすべき場合において申立てを却下した審判 2 即時抗告をすることができる審判 中「即時抗告をすることができる審判」とあるのは、「家庭裁判所の審判であるとした場合に即時抗告をすることができる審判に代わる裁判」と読み替えるものとする。

2項 抗告裁判所は、 第88条第1項 《審判に対する即時抗告があった場合には、抗…》 告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び利害関係参加人抗告人を除く。に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。 ただし、抗告審 の規定による抗告状の写しの送付及びこれに代わる即時抗告があったことの通知をすることを要しないときは、前項において準用する 第71条 《審理の終結 家庭裁判所は、別表第2に掲…》 げる事項についての家事審判の手続においては、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定めなければならない。 ただし、当事者双方 の規定による審理の終結の手続を経ることなく、即時抗告を却下し、又は棄却することができる。

3項 民事訴訟法 第283条 《控訴裁判所の判断を受ける裁判 終局判決…》 前の裁判は、控訴裁判所の判断を受ける。 ただし、不服を申し立てることができない裁判及び抗告により不服を申し立てることができる裁判は、この限りでない。第284条 《控訴権の放棄 控訴をする権利は、放棄す…》 ることができる。第292条 《控訴の取下げ 控訴は、控訴審の終局判決…》 があるまで、取り下げることができる。 2 第261条第3項及び第4項、第262条第1項並びに第263条の規定は、控訴の取下げについて準用する。第298条第1項 《第一審においてした訴訟行為は、控訴審にお…》 いてもその効力を有する。第299条第1項 《控訴審においては、当事者は、第一審裁判所…》 が管轄権を有しないことを主張することができない。 ただし、専属管轄当事者が第11条の規定により合意で定めたものを除く。については、この限りでない。第302条 《控訴棄却 控訴裁判所は、第一審判決を相…》 当とするときは、控訴を棄却しなければならない。 2 第一審判決がその理由によれば不当である場合においても、他の理由により正当であるときは、控訴を棄却しなければならない。第303条 《控訴権の濫用に対する制裁 控訴裁判所は…》 、前条第1項の規定により控訴を棄却する場合において、控訴人が訴訟の完結を遅延させることのみを目的として控訴を提起したものと認めるときは、控訴人に対し、控訴の提起の手数料として納付すべき金額の十倍以下の 及び 第305条 《第一審判決が不当な場合の取消し 控訴裁…》 判所は、第一審判決を不当とするときは、これを取り消さなければならない。 から 第308条 《 前条本文に規定する場合のほか、控訴裁判…》 所が第一審判決を取り消す場合において、事件につき更に弁論をする必要があるときは、これを第一審裁判所に差し戻すことができる。 2 第一審裁判所における訴訟手続が法律に違反したことを理由として事件を差し戻 までの規定は、審判に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同法第292条第2項中「 第261条第3項 《3 第58条第3項から第5項までの規定は…》 、前項の規定による事実の調査及び心身の状況についての診断について準用する。 及び第4項、 第262条第1項 《調停委員会は、相当と認めるときは、当該調…》 停委員会を組織する家事調停委員に事実の調査をさせることができる。 ただし、家庭裁判所調査官に事実の調査をさせることを相当と認めるときは、この限りでない。 並びに 第263条 《意見の聴取の嘱託 調停委員会は、他の家…》 庭裁判所又は簡易裁判所に事件の関係人から紛争の解決に関する意見を聴取することを嘱託することができる。 2 前項の規定により意見の聴取の嘱託を受けた家庭裁判所は、相当と認めるときは、家事調停委員に当該嘱 」とあるのは「 家事事件 手続法第82条第5項及び 第83条 《家事審判の申立ての取下げの擬制 家事審…》 判の申立人第153条第199条第1項において準用する場合を含む。及び第199条第2項の規定により申立ての取下げについて相手方の同意を要する場合にあっては、当事者双方が、連続して二回、呼出しを受けた家事 」と、同法第303条第5項中「 第189条 《遺産の管理に関する処分の審判事件 推定…》 相続人の廃除の審判又はその取消しの審判の確定前の遺産の管理に関する処分の審判事件は、推定相続人の廃除の審判事件又は推定相続人の廃除の審判の取消しの審判事件が係属している家庭裁判所その審判事件が係属して 」とあるのは「 家事事件手続法 第291条 《過料の裁判の執行等 この法律の規定によ…》 る過料の裁判は、裁判官の命令で執行する。 この命令は、執行力のある債務名義と同1の効力を有する。 2 この法律に規定するもののほか、過料についての裁判に関しては、非訟事件手続法2011年法律第51号第 」と読み替えるものとする。

2目 特別抗告

94条 (特別抗告をすることができる裁判等)

1項 家庭裁判所の審判で不服を申し立てることができないもの及び高等裁判所の家事審判事件についての決定に対しては、その裁判に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。

2項 前項の抗告(以下「 特別抗告 」という。)が係属する抗告裁判所は、抗告状又は抗告理由書に記載された 特別抗告 の理由についてのみ調査をする。

95条 (原裁判の執行停止)

1項 特別抗告 は、執行停止の効力を有しない。ただし、前条第2項の抗告裁判所又は原裁判所は、申立てにより、担保を立てさせて、又は立てさせないで、特別抗告について裁判があるまで、原裁判の執行の停止その他必要な処分を命ずることができる。

2項 前項ただし書の規定により担保を立てる場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する家庭裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。

3項 民事訴訟法 第76条 《担保提供の方法 担保を立てるには、担保…》 を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭又は裁判所が相当と認める有価証券社債、株式等の振替に関する法律2001年法律第75号第278条第1項に規定する振替債第77条 《担保物に対する被告の権利 被告は、訴訟…》 費用に関し、前条の規定により供託した金銭又は有価証券について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。第79条 《担保の取消し 担保を立てた者が担保の事…》 由が消滅したことを証明したときは、裁判所は、申立てにより、担保の取消しの決定をしなければならない。 2 担保を立てた者が担保の取消しについて担保権利者の同意を得たことを証明したときも、前項と同様とする 及び 第80条 《担保の変換 裁判所は、担保を立てた者の…》 申立てにより、決定で、その担保の変換を命ずることができる。 ただし、その担保を契約によって他の担保に変換することを妨げない。 の規定は、前項の担保について準用する。

96条 (即時抗告の規定及び民事訴訟法の準用)

1項 第86条第2項 《2 即時抗告の期間は、特別の定めがある場…》 合を除き、即時抗告をする者が、審判の告知を受ける者である場合にあってはその者が審判の告知を受けた日から、審判の告知を受ける者でない場合にあっては申立人が審判の告知を受けた日二以上あるときは、当該日のう第87条 《即時抗告の提起の方式等 即時抗告は、抗…》 告状を原裁判所に提出してしなければならない。 2 抗告状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 1 当事者及び法定代理人 2 原審判の表示及びその審判に対して即時抗告をする旨 3 即時抗告が不 から 第89条 《陳述の聴取 抗告裁判所は、原審における…》 当事者及びその他の審判を受ける者抗告人を除く。の陳述を聴かなければ、原審判を取り消すことができない。 2 別表第2に掲げる事項についての審判事件においては、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は まで、 第91条第1項 《抗告裁判所は、即時抗告について決定で裁判…》 をする。 及び 第93条 《家事審判の手続の規定及び民事訴訟法の準用…》 等 審判に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続については、特別の定めがある場合を除き、前節第1款から第8款までの規定第40条、第41条第4項、第42条第6項、第43条第2項、第44条第2項、第4 の規定は、 特別抗告 及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、 第87条第6項 《6 第49条第4項及び第5項の規定は抗告…》 状が第2項の規定に違反する場合について、民事訴訟法第137条の2第1項から第6項までの規定は民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い即時抗告の提起の手数料を納付しない場合について、それぞれ準用する。 中「及び第5項」とあるのは「から第6項まで」と、「第137条の2第1項から第6項まで」とあるのは「 第137条 《手続行為能力 第118条の規定は、次に…》 掲げる審判事件第1号、第7号及び第9号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。における被補助人となるべき者及び被補助人について準用する。 1 補助開始の審判事件 2 補助人の同意を得な の二」と読み替えるものとする。

2項 民事訴訟法 第314条第2項 《2 前条において準用する第288条及び第…》 289条第2項の規定による裁判長の職権は、原裁判所の裁判長が行う。第315条 《上告の理由の記載 上告状に上告の理由の…》 記載がないときは、上告人は、最高裁判所規則で定める期間内に、上告理由書を原裁判所に提出しなければならない。 2 上告の理由は、最高裁判所規則で定める方式により記載しなければならない。第316条 《原裁判所による上告の却下 次の各号に該…》 当することが明らかであるときは、原裁判所は、決定で、上告を却下しなければならない。 1 上告が不適法でその不備を補正することができないとき。 2 前条第1項の規定に違反して上告理由書を提出せず、又は第1項第1号を除く。)、 第321条第1項 《原判決において適法に確定した事実は、上告…》 裁判所を拘束する。第322条 《職権調査事項についての適用除外 前2条…》 の規定は、裁判所が職権で調査すべき事項には、適用しない。第325条第1項 《第312条第1項又は第2項に規定する事由…》 があるときは、上告裁判所は、原判決を破棄し、次条の場合を除き、事件を原裁判所に差し戻し、又はこれと同等の他の裁判所に移送しなければならない。 高等裁判所が上告裁判所である場合において、判決に影響を及ぼ 前段、第2項、第3項後段及び第4項、 第326条 《破棄自判 次に掲げる場合には、上告裁判…》 所は、事件について裁判をしなければならない。 1 確定した事実について憲法その他の法令の適用を誤ったことを理由として判決を破棄する場合において、事件がその事実に基づき裁判をするのに熟するとき。 2 事 並びに 第336条第2項 《2 前項の抗告は、裁判の告知を受けた日か…》 ら5日の不変期間内にしなければならない。 の規定は、 特別抗告 及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同法第314条第2項中「前条において準用する 第288条 《 家事調停の手続においてされた裁判に対す…》 る不服申立て及び再審については、特別の定めのある場合を除き、それぞれ前編第1章第2節及び第3節の規定を準用する。 及び 第289条第2項 《2 義務を定める第39条の規定による審判…》 をした家庭裁判所は、前項の規定による調査及び勧告を他の家庭裁判所に嘱託することができる。 」とあるのは「 家事事件 手続法第96条第1項において読み替えて準用する同法第87条第6項」と、同法第316条第2項中「対しては」とあるのは「対しては、1週間の不変期間内に」と、同法第322条中「前2条」とあるのは「 家事事件手続法 第94条第2項 《2 前項の抗告以下「特別抗告」という。が…》 係属する抗告裁判所は、抗告状又は抗告理由書に記載された特別抗告の理由についてのみ調査をする。 の規定及び同法第96条第2項において準用する第321条第1項」と、同法第325条第1項前段及び第2項中「第312条第1項又は第2項」とあるのは「 家事事件手続法 第94条第1項 《家庭裁判所の審判で不服を申し立てることが…》 できないもの及び高等裁判所の家事審判事件についての決定に対しては、その裁判に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。 」と、同条第3項後段中「この場合」とあるのは「差戻し又は移送を受けた裁判所が裁判をする場合」と、同条第4項中「前項」とあるのは「差戻し又は移送を受けた裁判所」と読み替えるものとする。

3目 許可抗告

97条 (許可抗告をすることができる裁判等)

1項 高等裁判所の家事審判事件についての決定(次項の申立てについての決定を除く。)に対しては、 第94条第1項 《家庭裁判所の審判で不服を申し立てることが…》 できないもの及び高等裁判所の家事審判事件についての決定に対しては、その裁判に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。 の規定による場合のほか、その高等裁判所が次項の規定により許可したときに限り、最高裁判所に特に抗告をすることができる。ただし、その決定が家庭裁判所の審判であるとした場合に即時抗告をすることができるものであるときに限る。

2項 前項の高等裁判所は、同項の決定について、最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申立てにより、抗告を許可しなければならない。

3項 前項の申立てにおいては、 第94条第1項 《家庭裁判所の審判で不服を申し立てることが…》 できないもの及び高等裁判所の家事審判事件についての決定に対しては、その裁判に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。 に規定する事由を理由とすることはできない。

4項 第2項の規定による許可があった場合には、第1項の抗告(以下この条及び次条第1項において「 許可抗告 」という。)があったものとみなす。

5項 許可抗告 が係属する抗告裁判所は、第2項の規定による許可の申立書又は同項の申立てに係る理由書に記載された許可抗告の理由についてのみ調査をする。

6項 許可抗告 が係属する抗告裁判所は、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは、原決定を破棄することができる。

98条 (即時抗告等の規定及び民事訴訟法の準用)

1項 第86条第2項 《2 即時抗告の期間は、特別の定めがある場…》 合を除き、即時抗告をする者が、審判の告知を受ける者である場合にあってはその者が審判の告知を受けた日から、審判の告知を受ける者でない場合にあっては申立人が審判の告知を受けた日二以上あるときは、当該日のう第87条 《即時抗告の提起の方式等 即時抗告は、抗…》 告状を原裁判所に提出してしなければならない。 2 抗告状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 1 当事者及び法定代理人 2 原審判の表示及びその審判に対して即時抗告をする旨 3 即時抗告が不第4項及び第5項を除く。)、 第88条 《抗告状の写しの送付等 審判に対する即時…》 抗告があった場合には、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び利害関係参加人抗告人を除く。に対し、抗告状の写しを送付しなければな第89条 《陳述の聴取 抗告裁判所は、原審における…》 当事者及びその他の審判を受ける者抗告人を除く。の陳述を聴かなければ、原審判を取り消すことができない。 2 別表第2に掲げる事項についての審判事件においては、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は第91条第1項 《抗告裁判所は、即時抗告について決定で裁判…》 をする。第93条 《家事審判の手続の規定及び民事訴訟法の準用…》 等 審判に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続については、特別の定めがある場合を除き、前節第1款から第8款までの規定第40条、第41条第4項、第42条第6項、第43条第2項、第44条第2項、第4 及び 第95条 《原裁判の執行停止 特別抗告は、執行停止…》 の効力を有しない。 ただし、前条第2項の抗告裁判所又は原裁判所は、申立てにより、担保を立てさせて、又は立てさせないで、特別抗告について裁判があるまで、原裁判の執行の停止その他必要な処分を命ずることがで の規定は、 許可抗告 及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、 第86条第2項 《2 即時抗告の期間は、特別の定めがある場…》 合を除き、即時抗告をする者が、審判の告知を受ける者である場合にあってはその者が審判の告知を受けた日から、審判の告知を受ける者でない場合にあっては申立人が審判の告知を受けた日二以上あるときは、当該日のう第87条第1項 《即時抗告は、抗告状を原裁判所に提出してし…》 なければならない。 、第2項第2号及び第3項、 第88条第1項 《審判に対する即時抗告があった場合には、抗…》 告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び利害関係参加人抗告人を除く。に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。 ただし、抗告審 並びに 第89条第2項 《2 別表第2に掲げる事項についての審判事…》 件においては、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者抗告人を除く。の陳述を聴かなければならない。 中「即時抗告」とあり、 第87条第6項 《6 第49条第4項及び第5項の規定は抗告…》 状が第2項の規定に違反する場合について、民事訴訟法第137条の2第1項から第6項までの規定は民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い即時抗告の提起の手数料を納付しない場合について、それぞれ準用する。 中「即時抗告の提起」とあり、並びに 第95条第1項 《特別抗告は、執行停止の効力を有しない。 …》 ただし、前条第2項の抗告裁判所又は原裁判所は、申立てにより、担保を立てさせて、又は立てさせないで、特別抗告について裁判があるまで、原裁判の執行の停止その他必要な処分を命ずることができる。 本文中「 特別抗告 」とあるのは「 第97条第2項 《2 前項の高等裁判所は、同項の決定につい…》 て、最高裁判所の判例これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申立て の申立て」と、 第87条第1項 《即時抗告は、抗告状を原裁判所に提出してし…》 なければならない。 、第2項及び第6項、 第88条 《抗告状の写しの送付等 審判に対する即時…》 抗告があった場合には、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び利害関係参加人抗告人を除く。に対し、抗告状の写しを送付しなければな 並びに 第93条第2項 《2 抗告裁判所は、第88条第1項の規定に…》 よる抗告状の写しの送付及びこれに代わる即時抗告があったことの通知をすることを要しないときは、前項において準用する第71条の規定による審理の終結の手続を経ることなく、即時抗告を却下し、又は棄却することが 中「抗告状」とあるのは「 第97条第2項 《2 前項の高等裁判所は、同項の決定につい…》 て、最高裁判所の判例これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申立て の規定による許可の申立書」と、 第91条第1項 《抗告裁判所は、即時抗告について決定で裁判…》 をする。 並びに 第93条第1項 《審判に対する即時抗告及びその抗告審に関す…》 る手続については、特別の定めがある場合を除き、前節第1款から第8款までの規定第40条、第41条第4項、第42条第6項、第43条第2項、第44条第2項、第47条第8項から第10項まで第47条の2第5項に 前段、第2項及び第3項中「即時抗告」とあり、並びに 第95条第1項 《特別抗告は、執行停止の効力を有しない。 …》 ただし、前条第2項の抗告裁判所又は原裁判所は、申立てにより、担保を立てさせて、又は立てさせないで、特別抗告について裁判があるまで、原裁判の執行の停止その他必要な処分を命ずることができる。 ただし書中「特別抗告」とあるのは「許可抗告」と読み替えるものとする。

2項 民事訴訟法 第315条 《上告の理由の記載 上告状に上告の理由の…》 記載がないときは、上告人は、最高裁判所規則で定める期間内に、上告理由書を原裁判所に提出しなければならない。 2 上告の理由は、最高裁判所規則で定める方式により記載しなければならない。 及び 第336条第2項 《2 前項の抗告は、裁判の告知を受けた日か…》 ら5日の不変期間内にしなければならない。 の規定は前条第2項の申立てについて、同法第318条第3項の規定は前条第2項の規定による許可をする場合について、同法第318条第4項後段、第321条第1項、第322条、第325条第1項前段、第2項、第3項後段及び第4項並びに第326条の規定は前条第2項の規定による許可があった場合について準用する。この場合において、同法第318条第4項後段中「第320条」とあるのは「 家事事件 手続法第97条第5項」と、同法第322条中「前2条」とあるのは「 家事事件手続法 第97条第5項 《5 許可抗告が係属する抗告裁判所は、第2…》 項の規定による許可の申立書又は同項の申立てに係る理由書に記載された許可抗告の理由についてのみ調査をする。 の規定及び同法第98条第2項において準用する第321条第1項」と、同法第325条第1項前段及び第2項中「第312条第1項又は第2項」とあるのは「 家事事件手続法 第97条第2項 《2 前項の高等裁判所は、同項の決定につい…》 て、最高裁判所の判例これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申立て 」と、同条第3項後段中「この場合」とあるのは「差戻し又は移送を受けた裁判所が裁判をする場合」と、同条第4項中「前項」とあるのは「差戻し又は移送を受けた裁判所」と読み替えるものとする。

2款 審判以外の裁判に対する不服申立て

99条 (不服申立ての対象)

1項 審判以外の裁判に対しては、特別の定めがある場合に限り、即時抗告をすることができる。

100条 (受命裁判官又は受託裁判官の裁判に対する異議)

1項 受命裁判官又は受託裁判官の裁判に対して不服がある当事者は、家事審判事件が係属している裁判所に異議の申立てをすることができる。ただし、その裁判が家庭裁判所の裁判であるとした場合に即時抗告をすることができるものであるときに限る。

2項 前項の異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

101条 (即時抗告期間等)

1項 審判以外の裁判に対する即時抗告は、1週間の不変期間内にしなければならない。ただし、その期間前に提起した即時抗告の効力を妨げない。

2項 前項の即時抗告は、特別の定めがある場合を除き、執行停止の効力を有しない。ただし、抗告裁判所又は原裁判所は、申立てにより、担保を立てさせて、又は立てさせないで、即時抗告について裁判があるまで、原裁判の執行の停止その他必要な処分を命ずることができる。

3項 第95条第2項 《2 前項ただし書の規定により担保を立てる…》 場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する家庭裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。 及び第3項の規定は、前項ただし書の規定により担保を立てる場合における供託及び担保について準用する。

102条 (審判に対する不服申立ての規定の準用)

1項 前款の規定( 第85条第1項 《審判に対しては、特別の定めがある場合に限…》 り、即時抗告をすることができる。第86条第1項 《審判に対する即時抗告は、特別の定めがある…》 場合を除き、2週間の不変期間内にしなければならない。 ただし、その期間前に提起した即時抗告の効力を妨げない。 並びに 第88条 《抗告状の写しの送付等 審判に対する即時…》 抗告があった場合には、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び利害関係参加人抗告人を除く。に対し、抗告状の写しを送付しなければな 及び 第89条 《陳述の聴取 抗告裁判所は、原審における…》 当事者及びその他の審判を受ける者抗告人を除く。の陳述を聴かなければ、原審判を取り消すことができない。 2 別表第2に掲げる事項についての審判事件においては、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又はこれらの規定を 第96条第1項 《第86条第2項、第87条から第89条まで…》 、第91条第1項及び第93条の規定は、特別抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。 この場合において、第87条第6項中「及び第5項」とあるのは「から第6項まで」と、「第137条の2第1項から第 及び 第98条第1項 《第86条第2項、第87条第4項及び第5項…》 を除く。、第88条、第89条、第91条第1項、第93条及び第95条の規定は、許可抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。 この場合において、第86条第2項、第87条第1項、第2項第2号及び第3 において準用する場合を含む。)の規定を除く。)は、裁判所、裁判官又は裁判長がした審判以外の裁判に対する不服申立てについて準用する。

3節 再審

103条 (再審)

1項 確定した審判その他の裁判(事件を完結するものに限る。第5項において同じ。)に対しては、再審の申立てをすることができる。

2項 再審の手続には、その性質に反しない限り、各審級における手続に関する規定を準用する。

3項 民事訴訟法 第4編の規定(同法第341条及び第349条の規定を除く。)は、第1項の再審の申立て及びこれに関する手続について準用する。この場合において、同法第348条第1項中「不服申立ての限度で、本案の審理及び裁判をする」とあるのは、「本案の審理及び裁判をする」と読み替えるものとする。

4項 前項において準用する 民事訴訟法 第346条第1項 《裁判所は、再審の事由がある場合には、再審…》 開始の決定をしなければならない。 の再審開始の決定に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。

5項 第3項において準用する 民事訴訟法 第348条第2項 《2 裁判所は、前項の場合において、判決を…》 正当とするときは、再審の請求を棄却しなければならない。 の規定により審判その他の裁判に対する再審の申立てを棄却する決定に対しては、当該審判その他の裁判に対し即時抗告をすることができる者に限り、即時抗告をすることができる。

104条 (執行停止の裁判)

1項 裁判所は、前条第1項の再審の申立てがあった場合において、不服の理由として主張した事情が法律上理由があるとみえ、事実上の点につき疎明があり、かつ、執行により償うことができない損害が生ずるおそれがあることにつき疎明があったときは、申立てにより、担保を立てさせて、若しくは立てさせないで強制執行の1時の停止を命じ、又は担保を立てさせて既にした執行処分の取消しを命ずることができる。

2項 前項の規定による申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

3項 第95条第2項 《2 前項ただし書の規定により担保を立てる…》 場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する家庭裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。 及び第3項の規定は、第1項の規定により担保を立てる場合における供託及び担保について準用する。

4節 審判前の保全処分

105条 (審判前の保全処分)

1項 本案の家事審判事件(家事審判事件に係る事項について家事調停の申立てがあった場合にあっては、その家事調停事件)が係属する家庭裁判所は、この法律の定めるところにより、仮差押え、仮処分、財産の管理者の選任その他の必要な保全処分を命ずる審判をすることができる。

2項 本案の家事審判事件が高等裁判所に係属する場合には、その高等裁判所が、前項の審判に代わる裁判をする。

106条 (審判前の保全処分の申立て等)

1項 審判前の保全処分(前条第1項の審判及び同条第2項の審判に代わる裁判をいう。以下同じ。)の申立ては、その趣旨及び保全処分を求める事由を明らかにしてしなければならない。

2項 審判前の保全処分の申立人は、保全処分を求める事由を疎明しなければならない。

3項 家庭裁判所(前条第2項の場合にあっては、高等裁判所)は、審判前の保全処分の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、職権で、事実の調査及び証拠調べをすることができる。

4項 審判前の保全処分の申立ては、審判前の保全処分があった後であっても、その全部又は一部を取り下げることができる。

107条 (陳述の聴取)

1項 審判前の保全処分のうち仮の地位を定める仮処分を命ずるものは、審判を受ける者となるべき者の陳述を聴かなければ、することができない。ただし、その陳述を聴く手続を経ることにより保全処分の目的を達することができない事情があるときは、この限りでない。

108条 (記録の閲覧等)

1項 家庭裁判所( 第105条第2項 《2 本案の家事審判事件が高等裁判所に係属…》 する場合には、その高等裁判所が、前項の審判に代わる裁判をする。 の場合にあっては、高等裁判所)は、 第47条第3項 《3 家庭裁判所は、当事者から前2項の規定…》 による許可の申立てがあったときは、これを許可しなければならない。 第47条の2第5項 《5 前条第3項から第5項まで及び第8項か…》 ら第10項までの規定は電磁的家事審判事件記録の閲覧等の許可の申立てについて、同条第7項の規定は電磁的家事審判事件記録の閲覧及び複写の請求について、それぞれ準用する。 において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、審判前の保全処分の事件について、当事者から 第47条第1項 《当事者又は利害関係を疎明した第三者は、家…》 庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、非電磁的家事審判事件記録家事審判事件の記録中次条第1項に規定する電磁的家事審判事件記録を除いた部分をいう。以下この条において同じ。の閲覧若しくは謄写又はその正 若しくは第2項又は 第47条の2第1項 《当事者又は利害関係を疎明した第三者は、家…》 庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、電磁的家事審判事件記録家事審判事件の記録中この法律その他の法令の規定によりファイルに記録された事項に係る部分をいう。以下こ から第3項までの規定による許可の申立てがあった場合には、審判前の保全処分の事件における審判を受ける者となるべき者に対し、当該事件が係属したことを通知し、又は審判前の保全処分を告知するまでは、相当と認めるときに限り、これを許可することができる。

109条 (審判)

1項 審判前の保全処分は、疎明に基づいてする。

2項 審判前の保全処分については、 第74条第2項 《2 審判申立てを却下する審判を除く。は、…》 特別の定めがある場合を除き、審判を受ける者審判を受ける者が数人あるときは、そのうちの1人に告知することによってその効力を生ずる。 ただし、即時抗告をすることができる審判は、確定しなければその効力を生じ ただし書の規定は、適用しない。

3項 審判前の保全処分の執行及び効力は、 民事保全法 平成元年法律第91号)その他の仮差押え及び仮処分の執行及び効力に関する法令の規定に従う。この場合において、同法第45条中「仮に差し押さえるべき物又は係争物の所在地を管轄する地方裁判所」とあるのは、「本案の家事審判事件(家事審判事件に係る事項について家事調停の申立てがあった場合にあっては、その家事調停事件)が係属している家庭裁判所(当該家事審判事件が高等裁判所に係属しているときは、原裁判所)」とする。

110条 (即時抗告)

1項 審判前の保全処分( 第105条第2項 《2 本案の家事審判事件が高等裁判所に係属…》 する場合には、その高等裁判所が、前項の審判に代わる裁判をする。 の審判に代わる裁判を除く。次項において同じ。)の申立人は、申立てを却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。ただし、次に掲げる保全処分の申立てを却下する審判については、この限りでない。

1号 第126条第1項 《家庭裁判所第105条第2項の場合にあって…》 は、高等裁判所。以下この条及び次条において同じ。は、後見開始の申立てがあった場合において、成年被後見人となるべき者の生活、療養看護又は財産の管理のため必要があるときは、申立てにより又は職権で、担保を立 第134条第1項 《保佐開始の審判事件を本案とする保全処分に…》 ついては、第126条第1項の規定を準用する。 及び 第143条第1項 《補助開始の審判事件を本案とする保全処分に…》 ついては、第126条第1項の規定を準用する。 において準用する場合を含む。)、 第158条第1項 《家庭裁判所は、夫婦の一方から夫婦財産契約…》 による財産の管理者の変更の申立てがあった場合において、他の一方の管理する申立人所有の財産又は共有財産の管理のため必要があるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てさせないで、当該財産の管理者の変更の 第242条第3項 《3 第152条第1項、第154条第2項第…》 2号に係る部分に限る。、第155条、第156条第1項第2号に係る部分に限る。及び第158条の規定は破産手続が開始された場合における夫婦財産契約による財産の管理者の変更等の審判事件について、第168条第 において準用する場合を含む。及び 第200条第1項 《家庭裁判所第105条第2項の場合にあって…》 は、高等裁判所。次項及び第3項において同じ。は、遺産の分割の審判又は調停の申立てがあった場合において、財産の管理のため必要があるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てさせないで、遺産の分割の申立て の規定による財産の管理者の選任又は財産の管理等に関する指示の保全処分

2号 第127条第1項 《家庭裁判所は、成年後見人の解任の審判事件…》 が係属している場合において、成年被後見人の利益のため必要があるときは、成年後見人の解任の申立てをした者の申立てにより又は職権で、成年後見人の解任についての審判が効力を生ずるまでの間、成年後見人の職務の 第135条 《保佐人の解任の審判事件等を本案とする保全…》 処分 第127条第1項から第4項までの規定は、保佐人の解任の審判事件又は保佐監督人の解任の審判事件を本案とする保全処分について準用する。第144条 《補助人の解任の審判事件等を本案とする保全…》 処分 第127条第1項から第4項までの規定は、補助人の解任の審判事件又は補助監督人の解任の審判事件を本案とする保全処分について準用する。第181条 《未成年後見人の解任の審判事件等を本案とす…》 る保全処分 第127条第1項から第4項までの規定は、未成年後見人の解任の審判事件又は未成年後見監督人の解任の審判事件を本案とする保全処分について準用する。 及び 第225条第1項 《第127条第1項から第4項までの規定は、…》 任意後見監督人の解任の審判事件別表第1の117の項の事項についての審判事件をいう。を本案とする保全処分について準用する。 において準用する場合を含む。)、 第166条第1項 《家庭裁判所第105条第2項の場合にあって…》 は、高等裁判所。第3項及び第4項において同じ。は、特別養子縁組の成立の申立てがあった場合において、養子となるべき者の利益のため必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、特別養子縁組の成立の申同条第5項において準用する場合を含む。)、 第174条第1項 《家庭裁判所第105条第2項の場合にあって…》 は、高等裁判所。以下この条及び次条において同じ。は、親権喪失、親権停止又は管理権喪失の申立てがあった場合において、子の利益のため必要があると認めるときは、当該申立てをした者の申立てにより、親権喪失、親 第242条第3項 《3 第152条第1項、第154条第2項第…》 2号に係る部分に限る。、第155条、第156条第1項第2号に係る部分に限る。及び第158条の規定は破産手続が開始された場合における夫婦財産契約による財産の管理者の変更等の審判事件について、第168条第 において準用する場合を含む。)、 第175条第3項 《3 家庭裁判所は、親権者の指定又は変更の…》 審判又は調停の申立てがあった場合において、子の利益のため必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、親権者の指定又は変更の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、親権者の職務の執行を停止し 及び 第215条第1項 《家庭裁判所第105条第2項の場合にあって…》 は、高等裁判所。第3項及び第4項において同じ。は、遺言執行者の解任の申立てがあった場合において、遺言の内容の実現のため必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、遺言執行者の解任の申立てについ の規定による職務代行者の選任の保全処分

2項 本案の家事審判の申立てについての審判(申立てを却下する審判を除く。)に対し即時抗告をすることができる者は、審判前の保全処分(前項各号に掲げる保全処分を命ずる審判を除く。)に対し、即時抗告をすることができる。

111条 (即時抗告に伴う執行停止)

1項 前条第2項の規定により即時抗告が提起された場合において、原審判の取消しの原因となることが明らかな事情及び原審判の執行により償うことができない損害を生ずるおそれがあることについて疎明があったときは、抗告裁判所は、申立てにより、即時抗告についての裁判が効力を生ずるまでの間、担保を立てさせて、若しくは担保を立てることを条件として、若しくは担保を立てさせないで原審判の執行の停止を命じ、又は担保を立てさせて、若しくは担保を立てることを条件として既にした執行処分の取消しを命ずることができる。審判前の保全処分の事件の記録が家庭裁判所に存する間は、家庭裁判所も、これらの処分を命ずることができる。

2項 第106条第2項 《2 審判前の保全処分の申立人は、保全処分…》 を求める事由を疎明しなければならない。 及び第3項の規定は、前項の申立てについて準用する。

112条 (審判前の保全処分の取消し)

1項 審判前の保全処分が確定した後に、保全処分を求める事由の消滅その他の事情の変更があるときは、本案の家事審判事件(家事審判事件に係る事項について家事調停の申立てがあった場合にあっては、その家事調停事件)が係属する家庭裁判所又は審判前の保全処分をした家庭裁判所は、本案の家事審判の申立てについての審判(申立てを却下する審判を除く。)に対し即時抗告をすることができる者の申立てにより又は職権で、審判前の保全処分の取消しの審判をすることができる。

2項 本案の家事審判事件が高等裁判所に係属する場合には、その高等裁判所が、前項の審判前の保全処分の取消しの審判に代わる裁判をする。

3項 第106条 《審判前の保全処分の申立て等 審判前の保…》 全処分前条第1項の審判及び同条第2項の審判に代わる裁判をいう。以下同じ。の申立ては、その趣旨及び保全処分を求める事由を明らかにしてしなければならない。 2 審判前の保全処分の申立人は、保全処分を求める 並びに 第109条第1項 《審判前の保全処分は、疎明に基づいてする。…》 及び第2項の規定は、第1項の審判前の保全処分の取消しの審判及び前項の裁判について準用する。

113条 (即時抗告等)

1項 前条第1項の審判前の保全処分の取消しの審判の申立人は、申立てを却下する審判( 第110条第1項 《審判前の保全処分第105条第2項の審判に…》 代わる裁判を除く。次項において同じ。の申立人は、申立てを却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。 ただし、次に掲げる保全処分の申立てを却下する審判については、この限りでない。 1 第126条第 各号に掲げる保全処分の取消しの申立てを却下する審判を除く。)に対し、即時抗告をすることができる。

2項 審判前の保全処分の申立人は、前条第1項の審判前の保全処分の取消しの審判( 第110条第1項 《審判前の保全処分第105条第2項の審判に…》 代わる裁判を除く。次項において同じ。の申立人は、申立てを却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。 ただし、次に掲げる保全処分の申立てを却下する審判については、この限りでない。 1 第126条第 各号に掲げる保全処分の取消しの審判を除く。及び 第115条 《民事保全法の準用 民事保全法第4条の規…》 定は審判前の保全処分に関する手続における担保について、同法第14条、第15条及び第20条から第24条まで同法第23条第4項を除く。の規定は審判前の保全処分について、同法第33条の規定は審判前の保全処分 において準用する 民事保全法 第33条 《原状回復の裁判 仮処分命令に基づき、債…》 権者が物の引渡し若しくは明渡し若しくは金銭の支払を受け、又は物の使用若しくは保管をしているときは、裁判所は、債務者の申立てにより、前条第1項の規定により仮処分命令を取り消す決定において、債権者に対し、 の規定による原状回復の審判に対し、即時抗告をすることができる。

3項 第111条 《即時抗告に伴う執行停止 前条第2項の規…》 定により即時抗告が提起された場合において、原審判の取消しの原因となることが明らかな事情及び原審判の執行により償うことができない損害を生ずるおそれがあることについて疎明があったときは、抗告裁判所は、申立 の規定は、前2項の規定による即時抗告に伴う執行停止について準用する。

114条 (電子調書の作成)

1項 裁判所書記官は、審判前の保全処分の手続の期日について、最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書を作成しなければならない。ただし、裁判長においてその必要がないと認めるときは、この限りでない。

2項 審判前の保全処分の手続については、 第46条 《電子調書の作成等 裁判所書記官は、家事…》 審判の手続の期日について、最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書を作成しなければならない。 ただし、証拠調べの期日以外の期日については、裁判長においてその必要がないと認めるときは、その経過の要領 の規定は、適用しない。

115条 (民事保全法の準用)

1項 民事保全法 第4条 《担保の提供 この法律の規定により担保を…》 立てるには、担保を立てるべきことを命じた裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭又は担保を立てるべきことを命じた裁判所が相当と認める有価証券社債、株式等の振替に関 の規定は審判前の保全処分に関する手続における担保について、同法第14条、 第15条 《家事調停官の除斥及び忌避 家事調停官の…》 除斥及び忌避については、第10条、第11条並びに第12条第2項から第4項まで、第8項及び第9項の規定を準用する。 2 第12条第5項各号に掲げる事由があるとして忌避の申立てを却下する裁判があったときは 及び 第20条 《法定代理権の消滅の通知 別表第2に掲げ…》 る事項についての審判事件においては、法定代理権の消滅は、本人又は代理人から他方の当事者に通知しなければ、その効力を生じない。 家事調停事件においても、同様とする。 から 第24条 《手続代理人の代理権の範囲 手続代理人は…》 、委任を受けた事件について、参加、強制執行及び保全処分に関する行為をし、かつ、弁済を受領することができる。 2 手続代理人は、次に掲げる事項については、特別の委任を受けなければならない。 ただし、家事 まで(同法第23条第4項を除く。)の規定は審判前の保全処分について、同法第33条の規定は審判前の保全処分の取消しの裁判について、同法第34条の規定は 第112条第1項 《審判前の保全処分が確定した後に、保全処分…》 を求める事由の消滅その他の事情の変更があるときは、本案の家事審判事件家事審判事件に係る事項について家事調停の申立てがあった場合にあっては、その家事調停事件が係属する家庭裁判所又は審判前の保全処分をした の審判前の保全処分の取消しの審判について準用する。

5節 戸籍の記載等の嘱託

116条

1項 裁判所書記官は、次に掲げる場合には、最高裁判所規則で定めるところにより、遅滞なく、戸籍事務を管掌する者又は登記所に対し、戸籍の記載又は 後見登記等に関する法律 1999年法律第152号)に定める登記を嘱託しなければならない。ただし、戸籍の記載又は同法に定める登記の嘱託を要するものとして最高裁判所規則で定めるものに限る。

1号 別表第1に掲げる事項についての審判又はこれに代わる裁判が効力を生じた場合

2号 審判前の保全処分が効力を生じ、又は効力を失った場合

2章 家事審判事件 > 1節 成年後見に関する審判事件

117条 (管轄)

1項 後見開始の審判事件(別表第1の1の項の事項についての審判事件をいう。次項及び次条第1号において同じ。)は、成年被後見人となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 成年後見に関する審判事件(別表第1の1の項から16の2の項までの事項についての審判事件をいう。)は、後見開始の審判事件を除き、後見開始の審判をした家庭裁判所(抗告裁判所が後見開始の裁判をした場合にあっては、その第一審裁判所である家庭裁判所)の管轄に属する。ただし、後見開始の審判事件が家庭裁判所に係属しているときは、その家庭裁判所の管轄に属する。

118条 (手続行為能力)

1項 次に掲げる審判事件(第1号、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。)においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、 第17条第1項 《当事者能力、家事事件の手続における手続上…》 の行為以下「手続行為」という。をすることができる能力以下この項において「手続行為能力」という。、手続行為能力を欠く者の法定代理及び手続行為をするのに必要な授権については、民事訴訟法第28条、第29条、 において準用する 民事訴訟法 第31条 《未成年者及び成年被後見人の訴訟能力 未…》 成年者及び成年被後見人は、法定代理人によらなければ、訴訟行為をすることができない。 ただし、未成年者が独立して法律行為をすることができる場合は、この限りでない。 の規定にかかわらず、法定代理人によらずに、自ら 手続行為 をすることができる。その者が被保佐人又は被補助人(手続行為をすることにつきその補助人の同意を得ることを要するものに限る。)であって、保佐人若しくは保佐監督人又は補助人若しくは補助監督人の同意がない場合も、同様とする。

1号 後見開始の審判事件

2号 後見開始の審判の取消しの審判事件(別表第1の2の項の事項についての審判事件をいう。

3号 成年後見人の選任の審判事件(別表第1の3の項の事項についての審判事件をいう。

4号 成年後見人の解任の審判事件(別表第1の5の項の事項についての審判事件をいう。 第127条第1項 《訴訟手続の受継の申立てがあった場合には、…》 裁判所は、相手方に通知しなければならない。 において同じ。

5号 成年後見監督人の選任の審判事件(別表第1の6の項の事項についての審判事件をいう。

6号 成年後見監督人の解任の審判事件(別表第1の8の項の事項についての審判事件をいう。 第127条第5項 《5 前各項の規定は、成年後見監督人の解任…》 の審判事件を本案とする保全処分について準用する。 において同じ。

7号 成年被後見人に関する特別代理人の選任の審判事件(別表第1の12の項の事項についての審判事件をいう。

8号 成年被後見人に宛てた郵便物又は 民間事業者による信書の送達に関する法律 2002年法律第99号第2条第3項 《3 この法律において「信書便物」とは、信…》 書便の役務により送達される信書その包装及びその包装に封入される信書以外の物を含む。をいう。 に規定する信書便物(以下「 郵便物等 」という。)の配達の嘱託及びその嘱託の取消し又は変更の審判事件(別表第1の12の2の項の事項についての審判事件をいう。 第123条の2 《陳述の聴取の例外 成年被後見人に宛てた…》 郵便物等の配達の嘱託等の審判事件においては、第89条第1項の規定第96条第1項及び第98条第1項において準用する場合を含む。にかかわらず、抗告裁判所は、信書の送達の事業を行う者の陳述を聴くことを要しな において「 成年被後見人に宛てた 郵便物等 の配達の嘱託等の審判事件 」という。

9号 成年後見の事務の監督の審判事件(別表第1の14の項の事項についての審判事件をいう。

10号 第三者が成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件(別表第1の15の項の事項についての審判事件をいう。 第125条第1項 《家庭裁判所は、いつでも、第三者が成年被後…》 見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任した管理者を改任することができる。 及び第2項において同じ。

119条 (精神の状況に関する鑑定及び意見の聴取)

1項 家庭裁判所は、成年被後見人となるべき者の精神の状況につき鑑定をしなければ、後見開始の審判をすることができない。ただし、明らかにその必要がないと認めるときは、この限りでない。

2項 家庭裁判所は、成年被後見人の精神の状況につき医師の意見を聴かなければ、 民法 第10条 《後見開始の審判の取消し 第7条に規定す…》 る原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人未成年後見人及び成年後見人をいう。以下同じ。、後見監督人未成年後見監督人及び成年後見監督人をいう。以下同じ。又は検察官の請求に の規定による後見開始の審判の取消しの審判をすることができない。ただし、明らかにその必要がないと認めるときは、この限りでない。

120条 (陳述及び意見の聴取)

1項 家庭裁判所は、次の各号に掲げる審判をする場合には、当該各号に定める者(第1号から第3号までにあっては、申立人を除く。)の陳述を聴かなければならない。ただし、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人については、その者の心身の障害によりその者の陳述を聴くことができないときは、この限りでない。

1号 後見開始の審判成年被後見人となるべき者

2号 後見開始の審判の取消しの審判(民法第10条の規定による場合に限る。)成年被後見人及び成年後見人

3号 成年後見人又は成年後見監督人の選任の審判成年被後見人となるべき者又は成年被後見人

4号 成年後見人の解任の審判成年後見人

5号 成年後見監督人の解任の審判成年後見監督人

6号 成年被後見人に宛てた 郵便物等 の配達の嘱託の審判成年被後見人

2項 家庭裁判所は、次の各号に掲げる審判をする場合には、当該各号に定める者の意見を聴かなければならない。

1号 成年後見人の選任の審判成年後見人となるべき者

2号 成年後見監督人の選任の審判成年後見監督人となるべき者

121条 (申立ての取下げの制限)

1項 次に掲げる申立ては、審判がされる前であっても、家庭裁判所の許可を得なければ、取り下げることができない。

1号 後見開始の申立て

2号 民法 第843条第2項 《2 成年後見人が欠けたときは、家庭裁判所…》 は、成年被後見人若しくはその親族その他の利害関係人の請求により又は職権で、成年後見人を選任する。 の規定による成年後見人の選任の申立て

3号 民法 第845条 《辞任した後見人による新たな後見人の選任の…》 請求 後見人がその任務を辞したことによって新たに後見人を選任する必要が生じたときは、その後見人は、遅滞なく新たな後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。 の規定により選任の請求をしなければならない者による同法第843条第3項の規定による成年後見人の選任の申立て

122条 (審判の告知等)

1項 次の各号に掲げる審判は、当該各号に定める者に通知しなければならない。この場合においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人については、 第74条第1項 《審判は、特別の定めがある場合を除き、当事…》 及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 の規定は、適用しない。

1号 後見開始の審判成年被後見人となるべき者

2号 成年被後見人に宛てた 郵便物等 の配達の嘱託の審判成年被後見人

2項 成年被後見人に宛てた 郵便物等 の配達の嘱託及びその嘱託の取消し又は変更の審判は、信書の送達の事業を行う者に告知することを要しない。この場合においては、その審判が効力を生じた時に、信書の送達の事業を行う者に通知しなければならない。

3項 次の各号に掲げる審判は、 第74条第1項 《審判は、特別の定めがある場合を除き、当事…》 及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 に規定する者のほか、当該各号に定める者に告知しなければならない。

1号 後見開始の審判 民法 第843条第1項 《家庭裁判所は、後見開始の審判をするときは…》 、職権で、成年後見人を選任する。 の規定により成年後見人に選任される者並びに 任意後見契約に関する法律 1999年法律第150号。以下「 任意後見契約法 」という。第10条第3項 《3 第4条第1項の規定により任意後見監督…》 人が選任された後において本人が後見開始の審判等を受けたときは、任意後見契約は終了する。 の規定により終了する任意後見契約に係る任意後見人及び任意後見監督人

2号 後見開始の審判の取消しの審判成年後見人及び成年後見監督人

3号 成年被後見人に宛てた 郵便物等 の配達の嘱託の取消し又は変更の審判成年後見人

123条 (即時抗告)

1項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者(第1号にあっては、申立人を除く。)は、即時抗告をすることができる。

1号 後見開始の審判 民法 第7条 《後見開始の審判 精神上の障害により事理…》 を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をす 及び 任意後見契約法 第10条第2項 《2 前項の場合における後見開始の審判等の…》 請求は、任意後見受任者、任意後見人又は任意後見監督人もすることができる。 に規定する者

2号 後見開始の申立てを却下する審判申立人

3号 後見開始の審判の取消しの申立てを却下する審判 民法 第10条 《後見開始の審判の取消し 第7条に規定す…》 る原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人未成年後見人及び成年後見人をいう。以下同じ。、後見監督人未成年後見監督人及び成年後見監督人をいう。以下同じ。又は検察官の請求に に規定する者

4号 成年後見人の解任の審判成年後見人

5号 成年後見人の解任の申立てを却下する審判申立人、成年後見監督人並びに成年被後見人及びその親族

6号 成年後見監督人の解任の審判成年後見監督人

7号 成年後見監督人の解任の申立てを却下する審判申立人並びに成年被後見人及びその親族

8号 成年被後見人に宛てた 郵便物等 の配達の嘱託の審判成年被後見人及びその親族

9号 成年被後見人に宛てた 郵便物等 の配達の嘱託の取消し又は変更の審判成年後見人

10号 成年被後見人に宛てた 郵便物等 の配達の嘱託及びその嘱託の取消し又は変更の申立てを却下する審判申立人

11号 成年被後見人の死亡後の死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結その他相続財産の保存に必要な行為についての許可の申立てを却下する審判申立人

2項 審判の告知を受ける者でない者による後見開始の審判に対する即時抗告の期間は、 民法 第843条第1項 《家庭裁判所は、後見開始の審判をするときは…》 、職権で、成年後見人を選任する。 の規定により成年後見人に選任される者が審判の告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から進行する。

123条の2 (陳述の聴取の例外)

1項 成年被後見人に宛てた郵便物等の配達の嘱託等の審判事件 においては、 第89条第1項 《抗告裁判所は、原審における当事者及びその…》 他の審判を受ける者抗告人を除く。の陳述を聴かなければ、原審判を取り消すことができない。 の規定( 第96条第1項 《第86条第2項、第87条から第89条まで…》 、第91条第1項及び第93条の規定は、特別抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。 この場合において、第87条第6項中「及び第5項」とあるのは「から第6項まで」と、「第137条の2第1項から第 及び 第98条第1項 《第86条第2項、第87条第4項及び第5項…》 を除く。、第88条、第89条、第91条第1項、第93条及び第95条の規定は、許可抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。 この場合において、第86条第2項、第87条第1項、第2項第2号及び第3 において準用する場合を含む。)にかかわらず、抗告裁判所は、信書の送達の事業を行う者の陳述を聴くことを要しない。

124条 (成年後見の事務の監督)

1項 家庭裁判所は、適当な者に、成年後見の事務若しくは成年被後見人の財産の状況を調査させ、又は臨時に財産の管理をさせることができる。

2項 家庭裁判所は、前項の規定により調査又は管理をした者に対し、成年被後見人の財産の中から、相当な報酬を与えることができる。

3項 家庭裁判所は、家庭裁判所調査官に第1項の規定による調査をさせることができる。

4項 民法 第644条 《受任者の注意義務 受任者は、委任の本旨…》 に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。第646条 《受任者による受取物の引渡し等 受任者は…》 、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない。 その収取した果実についても、同様とする。 2 受任者は、委任者のために自己の名で取得した権利を委任者に移転し第647条 《受任者の金銭の消費についての責任 受任…》 者は、委任者に引き渡すべき金額又はその利益のために用いるべき金額を自己のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払わなければならない。 この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任 及び 第650条 《受任者による費用等の償還請求等 受任者…》 は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。 2 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められ の規定は、第1項の規定により財産を管理する者について準用する。

125条 (管理者の改任等)

1項 家庭裁判所は、いつでも、第三者が成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任した管理者を改任することができる。

2項 家庭裁判所は、第三者が成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任した管理者(前項の規定により改任された管理者を含む。以下この条において「 財産の管理者 」という。)に対し、財産の状況の報告及び管理の計算を命ずることができる。

3項 前項の報告及び計算に要する費用は、成年被後見人の財産の中から支弁する。

4項 家庭裁判所は、 財産の管理者 に対し、その提供した担保の増減、変更又は免除を命ずることができる。

5項 財産の管理者 の不動産又は船舶の上に抵当権の設定を命ずる審判が効力を生じたときは、裁判所書記官は、その設定の登記を嘱託しなければならない。設定した抵当権の変更又は消滅の登記についても、同様とする。

6項 民法 第644条 《受任者の注意義務 受任者は、委任の本旨…》 に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。第646条 《受任者による受取物の引渡し等 受任者は…》 、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない。 その収取した果実についても、同様とする。 2 受任者は、委任者のために自己の名で取得した権利を委任者に移転し第647条 《受任者の金銭の消費についての責任 受任…》 者は、委任者に引き渡すべき金額又はその利益のために用いるべき金額を自己のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払わなければならない。 この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任 及び 第650条 《受任者による費用等の償還請求等 受任者…》 は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。 2 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められ の規定は、 財産の管理者 について準用する。

7項 家庭裁判所は、成年被後見人が財産を管理することができるようになったとき、管理すべき財産がなくなったときその他財産の管理を継続することが相当でなくなったときは、成年被後見人、 財産の管理者 若しくは利害関係人の申立てにより又は職権で、財産の管理者の選任その他の財産の管理に関する処分の取消しの審判をしなければならない。

126条 (後見開始の審判事件を本案とする保全処分)

1項 家庭裁判所( 第105条第2項 《2 本案の家事審判事件が高等裁判所に係属…》 する場合には、その高等裁判所が、前項の審判に代わる裁判をする。 の場合にあっては、高等裁判所。以下この条及び次条において同じ。)は、後見開始の申立てがあった場合において、成年被後見人となるべき者の生活、療養看護又は財産の管理のため必要があるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てさせないで、後見開始の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、 財産の管理者 を選任し、又は事件の関係人に対し、成年被後見人となるべき者の生活、療養看護若しくは財産の管理に関する事項を指示することができる。

2項 家庭裁判所は、後見開始の申立てがあった場合において、成年被後見人となるべき者の財産の保全のため特に必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、後見開始の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、成年被後見人となるべき者の財産上の行為(民法第9条ただし書に規定する行為を除く。第7項において同じ。)につき、前項の 財産の管理者 の後見を受けることを命ずることができる。

3項 家庭裁判所は、成年被後見人となるべき者の心身の障害によりその者の陳述を聴くことができないときは、 第107条 《陳述の聴取 審判前の保全処分のうち仮の…》 地位を定める仮処分を命ずるものは、審判を受ける者となるべき者の陳述を聴かなければ、することができない。 ただし、その陳述を聴く手続を経ることにより保全処分の目的を達することができない事情があるときは、 の規定にかかわらず、その者の陳述を聴く手続を経ずに、前項の規定による審判(次項から第7項までにおいて「 後見命令の審判 」という。)をすることができる。

4項 後見命令の審判 は、第1項の 財産の管理者 数人あるときは、そのうちの1人)に告知することによって、その効力を生ずる。

5項 後見命令の審判 は、成年被後見人となるべき者に通知しなければならない。この場合においては、成年被後見人となるべき者については、 第74条第1項 《審判は、特別の定めがある場合を除き、当事…》 及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 の規定は、適用しない。

6項 審判の告知を受ける者でない者による 後見命令の審判 に対する即時抗告の期間は、第1項の 財産の管理者 が第4項の規定による告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から進行する。

7項 後見命令の審判 があったときは、成年被後見人となるべき者及び第1項の 財産の管理者 は、成年被後見人となるべき者がした財産上の行為を取り消すことができる。この場合においては、制限行為能力者の行為の取消しに関する 民法 の規定を準用する。

8項 前条第1項から第6項までの規定及び 民法 第27条 《管理人の職務 前2条の規定により家庭裁…》 判所が選任した管理人は、その管理すべき財産の目録を作成しなければならない。 この場合において、その費用は、不在者の財産の中から支弁する。 2 不在者の生死が明らかでない場合において、利害関係人又は検察 から 第29条 《管理人の担保提供及び報酬 家庭裁判所は…》 、管理人に財産の管理及び返還について相当の担保を立てさせることができる。 2 家庭裁判所は、管理人と不在者との関係その他の事情により、不在者の財産の中から、相当な報酬を管理人に与えることができる。 まで(同法第27条第2項を除く。)の規定は、第1項の 財産の管理者 について準用する。この場合において、前条第3項中「成年被後見人」とあるのは、「成年被後見人となるべき者」と読み替えるものとする。

127条 (成年後見人の解任の審判事件等を本案とする保全処分)

1項 家庭裁判所は、成年後見人の解任の審判事件が係属している場合において、成年被後見人の利益のため必要があるときは、成年後見人の解任の申立てをした者の申立てにより又は職権で、成年後見人の解任についての審判が効力を生ずるまでの間、成年後見人の職務の執行を停止し、又はその職務代行者を選任することができる。

2項 前項の規定による成年後見人の職務の執行を停止する審判は、職務の執行を停止される成年後見人、他の成年後見人又は同項の規定により選任した職務代行者に告知することによって、その効力を生ずる。

3項 家庭裁判所は、いつでも、第1項の規定により選任した職務代行者を改任することができる。

4項 家庭裁判所は、第1項の規定により選任し、又は前項の規定により改任した職務代行者に対し、成年被後見人の財産の中から、相当な報酬を与えることができる。

5項 前各項の規定は、成年後見監督人の解任の審判事件を本案とする保全処分について準用する。

2節 保佐に関する審判事件

128条 (管轄)

1項 保佐開始の審判事件(別表第1の17の項の事項についての審判事件をいう。以下同じ。)は、被保佐人となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 保佐に関する審判事件(別表第1の17の項から35の項までの事項についての審判事件をいう。)は、保佐開始の審判事件を除き、保佐開始の審判をした家庭裁判所(抗告裁判所が保佐開始の裁判をした場合にあっては、その第一審裁判所である家庭裁判所)の管轄に属する。ただし、保佐開始の審判事件が家庭裁判所に係属しているときは、その家庭裁判所の管轄に属する。

129条 (手続行為能力)

1項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、次に掲げる審判事件(第1号、第7号及び第9号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。)における被保佐人となるべき者及び被保佐人について準用する。

1号 保佐開始の審判事件

2号 保佐人の同意を得なければならない行為の定めの審判事件(別表第1の18の項の事項についての審判事件をいう。

3号 保佐人の同意に代わる許可の審判事件(別表第1の19の項の事項についての審判事件をいう。

4号 保佐開始の審判の取消しの審判事件(別表第1の20の項の事項についての審判事件をいう。

5号 保佐人の同意を得なければならない行為の定めの審判の取消しの審判事件(別表第1の21の項の事項についての審判事件をいう。

6号 保佐人の選任の審判事件(別表第1の22の項の事項についての審判事件をいう。

7号 保佐人の解任の審判事件(別表第1の24の項の事項についての審判事件をいう。 第135条 《保佐人の解任の審判事件等を本案とする保全…》 処分 第127条第1項から第4項までの規定は、保佐人の解任の審判事件又は保佐監督人の解任の審判事件を本案とする保全処分について準用する。 において同じ。

8号 保佐監督人の選任の審判事件(別表第1の26の項の事項についての審判事件をいう。

9号 保佐監督人の解任の審判事件(別表第1の28の項の事項についての審判事件をいう。 第135条 《保佐人の解任の審判事件等を本案とする保全…》 処分 第127条第1項から第4項までの規定は、保佐人の解任の審判事件又は保佐監督人の解任の審判事件を本案とする保全処分について準用する。 において同じ。

10号 保佐人に対する代理権の付与の審判事件(別表第1の32の項の事項についての審判事件をいう。

11号 保佐人に対する代理権の付与の審判の取消しの審判事件(別表第1の33の項の事項についての審判事件をいう。

12号 保佐の事務の監督の審判事件(別表第1の34の項の事項についての審判事件をいう。

130条 (陳述及び意見の聴取)

1項 家庭裁判所は、次の各号に掲げる審判をする場合には、当該各号に定める者(第1号、第2号、第4号及び第5号にあっては、申立人を除く。)の陳述を聴かなければならない。

1号 保佐開始の審判被保佐人となるべき者

2号 保佐人の同意を得なければならない行為の定めの審判被保佐人となるべき者又は被保佐人

3号 保佐人の同意に代わる許可の審判保佐人

4号 保佐開始の審判の取消しの審判(民法第14条第1項の規定による場合に限る。)被保佐人及び保佐人

5号 保佐人又は保佐監督人の選任の審判被保佐人となるべき者又は被保佐人

6号 保佐人の解任の審判保佐人

7号 保佐監督人の解任の審判保佐監督人

2項 家庭裁判所は、次の各号に掲げる審判をする場合には、当該各号に定める者の意見を聴かなければならない。

1号 保佐人の選任の審判保佐人となるべき者

2号 保佐監督人の選任の審判保佐監督人となるべき者

131条 (審判の告知)

1項 次の各号に掲げる審判は、 第74条第1項 《審判は、特別の定めがある場合を除き、当事…》 及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 に規定する者のほか、当該各号に定める者に告知しなければならない。

1号 保佐開始の審判 民法 第876条の2第1項 《家庭裁判所は、保佐開始の審判をするときは…》 、職権で、保佐人を選任する。 の規定により保佐人に選任される者並びに 任意後見契約法 第10条第3項 《3 第4条第1項の規定により任意後見監督…》 人が選任された後において本人が後見開始の審判等を受けたときは、任意後見契約は終了する。 の規定により終了する任意後見契約に係る任意後見人及び任意後見監督人

2号 保佐人の同意を得なければならない行為の定めの審判保佐人及び保佐監督人(当該審判が保佐人又は保佐監督人の選任の審判と同時にされる場合にあっては、保佐人となるべき者又は保佐監督人となるべき者

3号 保佐人の同意に代わる許可の審判保佐人及び保佐監督人

4号 保佐開始の審判の取消しの審判保佐人及び保佐監督人

5号 保佐人の同意を得なければならない行為の定めの審判の取消しの審判保佐人及び保佐監督人

6号 保佐人に対する代理権の付与の審判被保佐人及び保佐監督人(当該審判が保佐監督人の選任の審判と同時にされる場合にあっては、保佐監督人となるべき者

7号 保佐人に対する代理権の付与の審判の取消しの審判被保佐人及び保佐監督人

132条 (即時抗告)

1項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者(第1号及び第4号にあっては、申立人を除く。)は、即時抗告をすることができる。

1号 保佐開始の審判 民法 第11条 《保佐開始の審判 精神上の障害により事理…》 を弁識する能力が著しく不10分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。 ただし、 本文及び 任意後見契約法 第10条第2項 《2 前項の場合における後見開始の審判等の…》 請求は、任意後見受任者、任意後見人又は任意後見監督人もすることができる。 に規定する者

2号 保佐開始の申立てを却下する審判申立人

3号 保佐開始の審判の取消しの申立てを却下する審判 民法 第14条第1項 《第11条本文に規定する原因が消滅したとき…》 は、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判を取り消さなければならない。 に規定する者

4号 保佐人の同意を得なければならない行為の定めの審判被保佐人

5号 保佐人の同意に代わる許可の申立てを却下する審判申立人

6号 保佐人の解任の審判保佐人

7号 保佐人の解任の申立てを却下する審判申立人、保佐監督人並びに被保佐人及びその親族

8号 保佐監督人の解任の審判保佐監督人

9号 保佐監督人の解任の申立てを却下する審判申立人並びに被保佐人及びその親族

2項 審判の告知を受ける者でない者及び被保佐人となるべき者による保佐開始の審判に対する即時抗告の期間は、被保佐人となるべき者が審判の告知を受けた日及び 民法 第876条の2第1項 《家庭裁判所は、保佐開始の審判をするときは…》 、職権で、保佐人を選任する。 の規定により保佐人に選任される者が審判の告知を受けた日のうち最も遅い日から進行する。

133条 (成年後見に関する審判事件の規定の準用)

1項 第119条 《精神の状況に関する鑑定及び意見の聴取 …》 家庭裁判所は、成年被後見人となるべき者の精神の状況につき鑑定をしなければ、後見開始の審判をすることができない。 ただし、明らかにその必要がないと認めるときは、この限りでない。 2 家庭裁判所は、成年被 の規定は被保佐人となるべき者及び被保佐人の精神の状況に関する鑑定及び意見の聴取について、 第121条 《申立ての取下げの制限 次に掲げる申立て…》 は、審判がされる前であっても、家庭裁判所の許可を得なければ、取り下げることができない。 1 後見開始の申立て 2 民法第843条第2項の規定による成年後見人の選任の申立て 3 民法第845条の規定によ の規定は保佐開始の申立ての取下げ及び保佐人の選任の申立ての取下げについて、 第124条 《成年後見の事務の監督 家庭裁判所は、適…》 当な者に、成年後見の事務若しくは成年被後見人の財産の状況を調査させ、又は臨時に財産の管理をさせることができる。 2 家庭裁判所は、前項の規定により調査又は管理をした者に対し、成年被後見人の財産の中から の規定は保佐の事務の監督について準用する。

134条 (保佐開始の審判事件を本案とする保全処分)

1項 保佐開始の審判事件を本案とする保全処分については、 第126条第1項 《家庭裁判所第105条第2項の場合にあって…》 は、高等裁判所。以下この条及び次条において同じ。は、後見開始の申立てがあった場合において、成年被後見人となるべき者の生活、療養看護又は財産の管理のため必要があるときは、申立てにより又は職権で、担保を立 の規定を準用する。

2項 家庭裁判所( 第105条第2項 《2 本案の家事審判事件が高等裁判所に係属…》 する場合には、その高等裁判所が、前項の審判に代わる裁判をする。 の場合にあっては、高等裁判所)は、保佐開始の申立てがあった場合において、被保佐人となるべき者の財産の保全のため特に必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、保佐開始の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、被保佐人となるべき者の財産上の行為(民法第13条第1項に規定する行為に限る。第5項において同じ。)につき、前項において準用する 第126条第1項 《家庭裁判所第105条第2項の場合にあって…》 は、高等裁判所。以下この条及び次条において同じ。は、後見開始の申立てがあった場合において、成年被後見人となるべき者の生活、療養看護又は財産の管理のため必要があるときは、申立てにより又は職権で、担保を立 の規定により選任される 財産の管理者 以下この条において単に「財産の管理者」という。)の保佐を受けることを命ずることができる。

3項 前項の規定による審判(次項及び第5項において「 保佐命令の審判 」という。)は、 第74条第1項 《審判は、特別の定めがある場合を除き、当事…》 及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 に規定する者のほか、 財産の管理者 に告知しなければならない。

4項 審判の告知を受ける者でない者及び被保佐人となるべき者による 保佐命令の審判 に対する即時抗告の期間は、被保佐人となるべき者が審判の告知を受けた日及び 財産の管理者 が前項の規定による審判の告知を受けた日のうち最も遅い日から進行する。

5項 保佐命令の審判 があったときは、被保佐人となるべき者及び 財産の管理者 は、被保佐人となるべき者が財産の管理者の同意を得ないでした財産上の行為を取り消すことができる。この場合においては、制限行為能力者の行為の取消しに関する 民法 の規定を準用する。

6項 第125条第1項 《家庭裁判所は、いつでも、第三者が成年被後…》 見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任した管理者を改任することができる。 から第6項までの規定及び 民法 第27条 《管理人の職務 前2条の規定により家庭裁…》 判所が選任した管理人は、その管理すべき財産の目録を作成しなければならない。 この場合において、その費用は、不在者の財産の中から支弁する。 2 不在者の生死が明らかでない場合において、利害関係人又は検察 から 第29条 《管理人の担保提供及び報酬 家庭裁判所は…》 、管理人に財産の管理及び返還について相当の担保を立てさせることができる。 2 家庭裁判所は、管理人と不在者との関係その他の事情により、不在者の財産の中から、相当な報酬を管理人に与えることができる。 まで(同法第27条第2項を除く。)の規定は、 財産の管理者 について準用する。この場合において、 第125条第3項 《3 前項の報告及び計算に要する費用は、成…》 年被後見人の財産の中から支弁する。 中「成年被後見人」とあるのは、「被保佐人となるべき者」と読み替えるものとする。

135条 (保佐人の解任の審判事件等を本案とする保全処分)

1項 第127条第1項 《家庭裁判所は、成年後見人の解任の審判事件…》 が係属している場合において、成年被後見人の利益のため必要があるときは、成年後見人の解任の申立てをした者の申立てにより又は職権で、成年後見人の解任についての審判が効力を生ずるまでの間、成年後見人の職務の から第4項までの規定は、保佐人の解任の審判事件又は保佐監督人の解任の審判事件を本案とする保全処分について準用する。

3節 補助に関する審判事件

136条 (管轄)

1項 補助開始の審判事件(別表第1の36の項の事項についての審判事件をいう。以下同じ。)は、被補助人となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 補助に関する審判事件(別表第1の36の項から54の項までの事項についての審判事件をいう。)は、補助開始の審判事件を除き、補助開始の審判をした家庭裁判所(抗告裁判所が補助開始の裁判をした場合にあっては、その第一審裁判所である家庭裁判所)の管轄に属する。ただし、補助開始の審判事件が家庭裁判所に係属しているときは、その家庭裁判所の管轄に属する。

137条 (手続行為能力)

1項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、次に掲げる審判事件(第1号、第7号及び第9号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。)における被補助人となるべき者及び被補助人について準用する。

1号 補助開始の審判事件

2号 補助人の同意を得なければならない行為の定めの審判事件(別表第1の37の項の事項についての審判事件をいう。

3号 補助人の同意に代わる許可の審判事件(別表第1の38の項の事項についての審判事件をいう。

4号 補助開始の審判の取消しの審判事件(別表第1の39の項の事項についての審判事件をいう。

5号 補助人の同意を得なければならない行為の定めの審判の取消しの審判事件(別表第1の40の項の事項についての審判事件をいう。

6号 補助人の選任の審判事件(別表第1の41の項の事項についての審判事件をいう。

7号 補助人の解任の審判事件(別表第1の43の項の事項についての審判事件をいう。 第144条 《補助人の解任の審判事件等を本案とする保全…》 処分 第127条第1項から第4項までの規定は、補助人の解任の審判事件又は補助監督人の解任の審判事件を本案とする保全処分について準用する。 において同じ。

8号 補助監督人の選任の審判事件(別表第1の45の項の事項についての審判事件をいう。

9号 補助監督人の解任の審判事件(別表第1の47の項の事項についての審判事件をいう。 第144条 《補助人の解任の審判事件等を本案とする保全…》 処分 第127条第1項から第4項までの規定は、補助人の解任の審判事件又は補助監督人の解任の審判事件を本案とする保全処分について準用する。 において同じ。

10号 補助人に対する代理権の付与の審判事件(別表第1の51の項の事項についての審判事件をいう。

11号 補助人に対する代理権の付与の審判の取消しの審判事件(別表第1の52の項の事項についての審判事件をいう。

12号 補助の事務の監督の審判事件(別表第1の53の項の事項についての審判事件をいう。

138条 (精神の状況に関する意見の聴取)

1項 家庭裁判所は、被補助人となるべき者の精神の状況につき医師その他適当な者の意見を聴かなければ、補助開始の審判をすることができない。

139条 (陳述及び意見の聴取)

1項 家庭裁判所は、次の各号に掲げる審判をする場合には、当該各号に定める者(第1号、第3号及び第4号にあっては、申立人を除く。)の陳述を聴かなければならない。

1号 補助開始の審判被補助人となるべき者

2号 補助人の同意に代わる許可の審判補助人

3号 補助開始の審判の取消しの審判(民法第18条第1項又は第3項の規定による場合に限る。)被補助人及び補助人

4号 補助人又は補助監督人の選任の審判被補助人となるべき者又は被補助人

5号 補助人の解任の審判補助人

6号 補助監督人の解任の審判補助監督人

2項 家庭裁判所は、次の各号に掲げる審判をする場合には、当該各号に定める者の意見を聴かなければならない。

1号 補助人の選任の審判補助人となるべき者

2号 補助監督人の選任の審判補助監督人となるべき者

140条 (審判の告知)

1項 次の各号に掲げる審判は、 第74条第1項 《審判は、特別の定めがある場合を除き、当事…》 及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 に規定する者のほか、当該各号に定める者に告知しなければならない。

1号 補助開始の審判 民法 第876条の7第1項 《家庭裁判所は、補助開始の審判をするときは…》 、職権で、補助人を選任する。 の規定により補助人に選任される者並びに 任意後見契約法 第10条第3項 《3 第4条第1項の規定により任意後見監督…》 人が選任された後において本人が後見開始の審判等を受けたときは、任意後見契約は終了する。 の規定により終了する任意後見契約に係る任意後見人及び任意後見監督人

2号 補助人の同意を得なければならない行為の定めの審判補助人及び補助監督人(当該審判が補助人又は補助監督人の選任の審判と同時にされる場合にあっては、補助人となるべき者又は補助監督人となるべき者

3号 補助人の同意に代わる許可の審判補助人及び補助監督人

4号 補助開始の審判の取消しの審判補助人及び補助監督人

5号 補助人の同意を得なければならない行為の定めの審判の取消しの審判補助人及び補助監督人

6号 補助人に対する代理権の付与の審判被補助人及び補助監督人(当該審判が補助監督人の選任の審判と同時にされる場合にあっては、補助監督人となるべき者

7号 補助人に対する代理権の付与の審判の取消しの審判被補助人及び補助監督人

141条 (即時抗告)

1項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者(第1号にあっては、申立人を除く。)は、即時抗告をすることができる。

1号 補助開始の審判 民法 第15条第1項 《精神上の障害により事理を弁識する能力が不…》 10分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判をすることができる。 ただし、第7条又は第11条本文に 本文及び 任意後見契約法 第10条第2項 《2 前項の場合における後見開始の審判等の…》 請求は、任意後見受任者、任意後見人又は任意後見監督人もすることができる。 に規定する者

2号 補助開始の申立てを却下する審判申立人

3号 補助開始の審判の取消しの申立てを却下する審判 民法 第18条第1項 《第15条第1項本文に規定する原因が消滅し…》 たときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判を取り消さなければならない。 に規定する者

4号 補助人の同意に代わる許可の申立てを却下する審判申立人

5号 補助人の解任の審判補助人

6号 補助人の解任の申立てを却下する審判申立人、補助監督人並びに被補助人及びその親族

7号 補助監督人の解任の審判補助監督人

8号 補助監督人の解任の申立てを却下する審判申立人並びに被補助人及びその親族

2項 審判の告知を受ける者でない者及び被補助人となるべき者による補助開始の審判に対する即時抗告の期間は、被補助人となるべき者が審判の告知を受けた日及び 民法 第876条の7第1項 《家庭裁判所は、補助開始の審判をするときは…》 、職権で、補助人を選任する。 の規定により補助人に選任される者が審判の告知を受けた日のうち最も遅い日から進行する。

142条 (成年後見に関する審判事件の規定の準用)

1項 第121条 《申立ての取下げの制限 次に掲げる申立て…》 は、審判がされる前であっても、家庭裁判所の許可を得なければ、取り下げることができない。 1 後見開始の申立て 2 民法第843条第2項の規定による成年後見人の選任の申立て 3 民法第845条の規定によ の規定は補助開始の申立ての取下げ及び補助人の選任の申立ての取下げについて、 第124条 《成年後見の事務の監督 家庭裁判所は、適…》 当な者に、成年後見の事務若しくは成年被後見人の財産の状況を調査させ、又は臨時に財産の管理をさせることができる。 2 家庭裁判所は、前項の規定により調査又は管理をした者に対し、成年被後見人の財産の中から の規定は補助の事務の監督について準用する。

143条 (補助開始の審判事件を本案とする保全処分)

1項 補助開始の審判事件を本案とする保全処分については、 第126条第1項 《家庭裁判所第105条第2項の場合にあって…》 は、高等裁判所。以下この条及び次条において同じ。は、後見開始の申立てがあった場合において、成年被後見人となるべき者の生活、療養看護又は財産の管理のため必要があるときは、申立てにより又は職権で、担保を立 の規定を準用する。

2項 家庭裁判所( 第105条第2項 《2 本案の家事審判事件が高等裁判所に係属…》 する場合には、その高等裁判所が、前項の審判に代わる裁判をする。 の場合にあっては、高等裁判所)は、補助開始及び補助人の同意を得なければならない行為の定めの申立てがあった場合において、被補助人となるべき者の財産の保全のため特に必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、補助開始の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、被補助人となるべき者の財産上の行為(民法第13条第1項に規定する行為であって、当該補助人の同意を得なければならない行為の定めの申立てに係るものに限る。第5項において同じ。)につき、前項において準用する 第126条第1項 《家庭裁判所第105条第2項の場合にあって…》 は、高等裁判所。以下この条及び次条において同じ。は、後見開始の申立てがあった場合において、成年被後見人となるべき者の生活、療養看護又は財産の管理のため必要があるときは、申立てにより又は職権で、担保を立 の規定により選任される 財産の管理者 以下この条において単に「財産の管理者」という。)の補助を受けることを命ずることができる。

3項 前項の規定による審判(次項及び第5項において「 補助命令の審判 」という。)は、 第74条第1項 《審判は、特別の定めがある場合を除き、当事…》 及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 に規定する者のほか、 財産の管理者 に告知しなければならない。

4項 審判の告知を受ける者でない者及び被補助人となるべき者による 補助命令の審判 に対する即時抗告の期間は、被補助人となるべき者が審判の告知を受けた日及び 財産の管理者 が前項の規定による審判の告知を受けた日のうち最も遅い日から進行する。

5項 補助命令の審判 があったときは、被補助人となるべき者及び 財産の管理者 は、被補助人となるべき者が財産の管理者の同意を得ないでした財産上の行為を取り消すことができる。この場合においては、制限行為能力者の行為の取消しに関する 民法 の規定を準用する。

6項 第125条第1項 《家庭裁判所は、いつでも、第三者が成年被後…》 見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任した管理者を改任することができる。 から第6項までの規定及び 民法 第27条 《管理人の職務 前2条の規定により家庭裁…》 判所が選任した管理人は、その管理すべき財産の目録を作成しなければならない。 この場合において、その費用は、不在者の財産の中から支弁する。 2 不在者の生死が明らかでない場合において、利害関係人又は検察 から 第29条 《管理人の担保提供及び報酬 家庭裁判所は…》 、管理人に財産の管理及び返還について相当の担保を立てさせることができる。 2 家庭裁判所は、管理人と不在者との関係その他の事情により、不在者の財産の中から、相当な報酬を管理人に与えることができる。 まで(同法第27条第2項を除く。)の規定は、 財産の管理者 について準用する。この場合において、 第125条第3項 《3 前項の報告及び計算に要する費用は、成…》 年被後見人の財産の中から支弁する。 中「成年被後見人」とあるのは、「被補助人となるべき者」と読み替えるものとする。

144条 (補助人の解任の審判事件等を本案とする保全処分)

1項 第127条第1項 《家庭裁判所は、成年後見人の解任の審判事件…》 が係属している場合において、成年被後見人の利益のため必要があるときは、成年後見人の解任の申立てをした者の申立てにより又は職権で、成年後見人の解任についての審判が効力を生ずるまでの間、成年後見人の職務の から第4項までの規定は、補助人の解任の審判事件又は補助監督人の解任の審判事件を本案とする保全処分について準用する。

4節 不在者の財産の管理に関する処分の審判事件

145条 (管轄)

1項 不在者の財産の管理に関する処分の審判事件は、不在者の従来の住所地又は居所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

146条 (管理人の改任等)

1項 家庭裁判所は、いつでも、 民法 第25条第1項 《従来の住所又は居所を去った者以下「不在者…》 」という。がその財産の管理人以下この節において単に「管理人」という。を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。 本人の の規定により選任し、又は同法第26条の規定により改任した管理人を改任することができる。

2項 家庭裁判所は、 民法 第25条第1項 《従来の住所又は居所を去った者以下「不在者…》 」という。がその財産の管理人以下この節において単に「管理人」という。を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。 本人の の規定により選任し、又は同法第26条の規定により改任した管理人及び前項の規定により改任した管理人(第4項及び第6項、次条並びに 第147条 《処分の取消し 家庭裁判所は、不在者が財…》 産を管理することができるようになったとき、管理すべき財産がなくなったとき家庭裁判所が選任した管理人が管理すべき財産の全部が供託されたときを含む。その他財産の管理を継続することが相当でなくなったときは、 において「家庭裁判所が選任した管理人」という。)に対し、財産の状況の報告及び管理の計算を命ずることができる。同法第27条第2項の場合においては、不在者が置いた管理人に対しても、同様とする。

3項 前項の報告及び計算に要する費用は、不在者の財産の中から支弁する。

4項 家庭裁判所は、管理人(家庭裁判所が選任した管理人及び不在者が置いた管理人をいう。次項及び 第147条 《処分の取消し 家庭裁判所は、不在者が財…》 産を管理することができるようになったとき、管理すべき財産がなくなったとき家庭裁判所が選任した管理人が管理すべき財産の全部が供託されたときを含む。その他財産の管理を継続することが相当でなくなったときは、 において同じ。)に対し、その提供した担保の増減、変更又は免除を命ずることができる。

5項 管理人の不動産又は船舶の上に抵当権の設定を命ずる審判が効力を生じたときは、裁判所書記官は、その設定の登記を嘱託しなければならない。設定した抵当権の変更又は消滅の登記についても、同様とする。

6項 民法 第644条 《受任者の注意義務 受任者は、委任の本旨…》 に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。第646条 《受任者による受取物の引渡し等 受任者は…》 、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない。 その収取した果実についても、同様とする。 2 受任者は、委任者のために自己の名で取得した権利を委任者に移転し第647条 《受任者の金銭の消費についての責任 受任…》 者は、委任者に引き渡すべき金額又はその利益のために用いるべき金額を自己のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払わなければならない。 この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任 及び 第650条 《受任者による費用等の償還請求等 受任者…》 は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。 2 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められ の規定は、家庭裁判所が選任した管理人について準用する。

146条の2 (供託等)

1項 家庭裁判所が選任した管理人は、不在者の財産の管理、処分その他の事由により金銭が生じたときは、不在者のために、当該金銭を不在者の財産の管理に関する処分を命じた裁判所の所在地を管轄する家庭裁判所の管轄区域内の供託所に供託することができる。

2項 家庭裁判所が選任した管理人は、前項の規定による供託をしたときは、法務省令で定めるところにより、その旨その他法務省令で定める事項を公告しなければならない。

147条 (処分の取消し)

1項 家庭裁判所は、不在者が財産を管理することができるようになったとき、管理すべき財産がなくなったとき(家庭裁判所が選任した管理人が管理すべき財産の全部が供託されたときを含む。)その他財産の管理を継続することが相当でなくなったときは、不在者、管理人若しくは利害関係人の申立てにより又は職権で、 民法 第25条第1項 《従来の住所又は居所を去った者以下「不在者…》 」という。がその財産の管理人以下この節において単に「管理人」という。を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。 本人の の規定による管理人の選任その他の不在者の財産の管理に関する処分の取消しの審判をしなければならない。

5節 失踪の宣告に関する審判事件 > 1款 失踪の宣告の審判事件

148条

1項 失踪の宣告の審判事件(別表第1の56の項の事項についての審判事件をいう。次項において同じ。)は、不在者の従来の住所地又は居所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、失踪の宣告の審判事件における不在者について準用する。

3項 家庭裁判所は、次に掲げる事項を公告し、かつ、第2号及び第4号の期間が経過しなければ、失踪の宣告の審判をすることができない。この場合において、第2号及び第4号の期間は、 民法 第30条第1項 《不在者の生死が7年間明らかでないときは、…》 家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪そうの宣告をすることができる。 の場合にあっては3月を、同条第2項の場合にあっては1月を下ってはならない。

1号 不在者について失踪の宣告の申立てがあったこと。

2号 不在者は、一定の期間までにその生存の届出をすべきこと。

3号 前号の届出がないときは、失踪の宣告がされること。

4号 不在者の生死を知る者は、一定の期間までにその届出をすべきこと。

4項 失踪の宣告の審判は、不在者に告知することを要しない。

5項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者(第1号にあっては、申立人を除く。)は、即時抗告をすることができる。

1号 失踪の宣告の審判不在者及び利害関係人

2号 失踪の宣告の申立てを却下する審判申立人

2款 失踪の宣告の取消しの審判事件

149条

1項 失踪の宣告の取消しの審判事件は、失踪者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、失踪の宣告の取消しの審判事件における失踪者について準用する。

3項 失踪の宣告の取消しの審判は、事件の記録上失踪者の住所又は居所が判明している場合に限り、失踪者に告知すれば足りる。

4項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

1号 失踪の宣告の取消しの審判利害関係人(申立人を除く。

2号 失踪の宣告の取消しの申立てを却下する審判失踪者及び利害関係人

6節 婚姻等に関する審判事件

150条 (管轄)

1項 次の各号に掲げる審判事件は、当該各号に定める地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

1号 夫婦間の協力扶助に関する処分の審判事件(別表第2の1の項の事項についての審判事件をいう。次条第1号及び 第152条の2第1項第1号 《家庭裁判所は、次に掲げる審判事件において…》 、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、当事者に対し、その収入及び資産の状況に関する情報を開示することを命ずることができる。 1 夫婦間の協力扶助に関する処分の審判事件 2 婚姻費用の分担 において同じ。)夫又は妻の住所地

2号 夫婦財産契約による 財産の管理者 の変更等の審判事件(別表第1の58の項の事項についての審判事件をいう。)夫又は妻の住所地

3号 婚姻費用の分担に関する処分の審判事件(別表第2の2の項の事項についての審判事件をいう。 第152条の2第1項第2号 《家庭裁判所は、次に掲げる審判事件において…》 、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、当事者に対し、その収入及び資産の状況に関する情報を開示することを命ずることができる。 1 夫婦間の協力扶助に関する処分の審判事件 2 婚姻費用の分担 において同じ。)夫又は妻の住所地

4号 子の監護に関する処分の審判事件子(又は母を同じくする数人の子についての申立てに係るものにあっては、そのうちの1人)の住所地

5号 財産の分与に関する処分の審判事件夫又は妻であった者の住所地

6号 離婚等の場合における祭具等の所有権の承継者の指定の審判事件(別表第2の5の項の事項についての審判事件をいう。)所有者の住所地

151条 (手続行為能力)

1項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、次の各号に掲げる審判事件及びこれらの審判事件を本案とする保全処分についての審判事件(いずれの審判事件においても、財産上の給付を求めるものを除く。)における当該各号に定める者について準用する。

1号 夫婦間の協力扶助に関する処分の審判事件夫及び

2号 子の監護に関する処分の審判事件子

152条 (陳述の聴取)

1項 家庭裁判所は、夫婦財産契約による 財産の管理者 の変更等の審判をする場合には、夫及び妻(申立人を除く。)の陳述を聴かなければならない。

2項 家庭裁判所は、子の監護に関する処分の審判(子の監護に要する費用の分担に関する処分の審判を除く。)をする場合には、 第68条 《陳述の聴取 家庭裁判所は、別表第2に掲…》 げる事項についての家事審判の手続においては、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、当事者の陳述を聴かなければならない。 2 前項の規定による陳述の聴取は、当事者の申出 の規定により当事者の陳述を聴くほか、子(15歳以上のものに限る。)の陳述を聴かなければならない。

152条の2 (情報開示命令)

1項 家庭裁判所は、次に掲げる審判事件において、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、当事者に対し、その収入及び資産の状況に関する情報を開示することを命ずることができる。

1号 夫婦間の協力扶助に関する処分の審判事件

2号 婚姻費用の分担に関する処分の審判事件

3号 子の監護に関する処分の審判事件(子の監護に要する費用の分担に関する処分の審判事件に限る。

2項 家庭裁判所は、財産の分与に関する処分の審判事件において、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、当事者に対し、その財産の状況に関する情報を開示することを命ずることができる。

3項 前2項の規定により情報の開示を命じられた当事者が、正当な理由なくその情報を開示せず、又は虚偽の情報を開示したときは、家庭裁判所は、110,000円以下の過料に処する。

152条の3 (審判前の親子交流の試行的実施)

1項 家庭裁判所は、子の監護に関する処分の審判事件(子の監護に要する費用の分担に関する処分の審判事件を除く。)において、子の心身の状態に照らして相当でないと認める事情がなく、かつ、事実の調査のため必要があると認めるときは、当事者に対し、子との交流の試行的実施を促すことができる。

2項 家庭裁判所は、前項の試行的実施を促すに当たっては、交流の方法、交流をする日時及び場所並びに家庭裁判所調査官その他の者の立会いその他の関与の有無を定めるとともに、当事者に対して子の心身に有害な影響を及ぼす言動を禁止することその他適当と認める条件を付することができる。

3項 家庭裁判所は、第1項の試行的実施を促したときは、当事者に対してその結果の報告(当該試行的実施をしなかったときは、その理由の説明)を求めることができる。

153条 (申立ての取下げの制限)

1項 第82条第2項 《2 別表第2に掲げる事項についての家事審…》 判の申立ては、審判が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。 ただし、申立ての取下げは、審判がされた後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。 の規定にかかわらず、財産の分与に関する処分の審判の申立ての取下げは、相手方が本案について書面を提出し、又は家事審判の手続の期日において陳述をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。

154条 (給付命令等)

1項 家庭裁判所は、夫婦間の協力扶助に関する処分の審判において、扶助の程度若しくは方法を定め、又はこれを変更することができる。

2項 家庭裁判所は、次に掲げる審判において、当事者(第2号の審判にあっては、夫又は)に対し、金銭の支払、物の引渡し、登記義務の履行その他の給付を命ずることができる。

1号 夫婦間の協力扶助に関する処分の審判

2号 夫婦財産契約による 財産の管理者 の変更等の審判

3号 婚姻費用の分担に関する処分の審判

4号 財産の分与に関する処分の審判

3項 家庭裁判所は、子の監護に関する処分の審判において、子の監護をすべき者の指定又は変更、子の監護の分掌、父又は母と子との交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項の定めをする場合には、当事者に対し、子の引渡し又は金銭の支払その他の財産上の給付その他の給付を命ずることができる。

4項 家庭裁判所は、離婚等の場合における祭具等の所有権の承継者の指定の審判において、当事者に対し、系譜、祭具及び墳墓の引渡しを命ずることができる。

155条 (共有財産の分割)

1項 家庭裁判所は、夫婦財産契約による 財産の管理者 の変更の審判とともに共有財産の分割に関する処分の審判をする場合において、特別の事情があると認めるときは、共有財産の分割の方法として、一方の婚姻の当事者に他方の婚姻の当事者に対する債務を負担させて、現物の分割に代えることができる。

156条 (即時抗告)

1項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

1号 夫婦間の協力扶助に関する処分の審判及びその申立てを却下する審判夫及び

2号 夫婦財産契約による 財産の管理者 の変更等の審判及びその申立てを却下する審判夫及び

3号 婚姻費用の分担に関する処分の審判及びその申立てを却下する審判夫及び

4号 子の監護に関する処分の審判及びその申立てを却下する審判子の父母及び子の監護者

5号 財産の分与に関する処分の審判及びその申立てを却下する審判夫又は妻であった者

6号 離婚等の場合における祭具等の所有権の承継者の指定の審判及びその申立てを却下する審判婚姻の当事者(民法第751条第2項において準用する同法第769条第2項の規定による場合にあっては、生存配偶者)その他の利害関係人

2項 子の監護に関する処分の審判(父母以外の親族と子との交流に関する処分の審判に限る。及びその申立てを却下する審判に対する即時抗告は、 民法 第766条の2第2項 《2 前項の定めについての前条第2項又は第…》 3項の規定による審判の請求は、次に掲げる者第2号に掲げる者にあっては、その者と子との交流についての定めをするため他に適当な方法がないときに限る。がすることができる。 1 父母 2 父母以外の子の親族子第2号に係る部分に限る。)の規定による請求をすることができる者及び同法第817条の13第5項の規定による請求をすることができる者もすることができる。

157条 (婚姻等に関する審判事件を本案とする保全処分)

1項 家庭裁判所( 第105条第2項 《2 本案の家事審判事件が高等裁判所に係属…》 する場合には、その高等裁判所が、前項の審判に代わる裁判をする。 の場合にあっては、高等裁判所。以下この条及び次条において同じ。)は、次に掲げる事項についての審判又は調停の申立てがあった場合において、強制執行を保全し、又は子その他の利害関係人の急迫の危険を防止するため必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、当該事項についての審判を本案とする仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。

1号 夫婦間の協力扶助に関する処分

2号 婚姻費用の分担に関する処分

3号 子の監護に関する処分

4号 財産の分与に関する処分

2項 家庭裁判所は、前項第3号に掲げる事項について仮の地位を定める仮処分(子の監護に要する費用の分担に関する仮処分を除く。)を命ずる場合には、 第107条 《陳述の聴取 審判前の保全処分のうち仮の…》 地位を定める仮処分を命ずるものは、審判を受ける者となるべき者の陳述を聴かなければ、することができない。 ただし、その陳述を聴く手続を経ることにより保全処分の目的を達することができない事情があるときは、 の規定により審判を受ける者となるべき者の陳述を聴くほか、子(15歳以上のものに限る。)の陳述を聴かなければならない。ただし、子の陳述を聴く手続を経ることにより保全処分の目的を達することができない事情があるときは、この限りでない。

158条 (夫婦財産契約による財産の管理者の変更等の審判事件を本案とする保全処分)

1項 家庭裁判所は、夫婦の一方から夫婦財産契約による 財産の管理者 の変更の申立てがあった場合において、他の一方の管理する申立人所有の財産又は共有財産の管理のため必要があるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てさせないで、当該財産の管理者の変更の申立てについての審判(共有財産の分割に関する処分の申立てがあった場合にあっては、その申立てについての審判)が効力を生ずるまでの間、財産の管理者を選任し、又は事件の関係人に対し、他の一方の管理する申立人所有の財産若しくは共有財産の管理に関する事項を指示することができる。

2項 家庭裁判所は、夫婦財産契約による 財産の管理者 の変更の審判の申立てがあった場合において、強制執行を保全し、又は事件の関係人の急迫の危険を防止するため必要があるときは、当該申立てをした者又は夫婦の他の一方の申立てにより、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。

3項 第125条第1項 《家庭裁判所は、いつでも、第三者が成年被後…》 見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任した管理者を改任することができる。 から第6項までの規定及び 民法 第27条 《管理人の職務 前2条の規定により家庭裁…》 判所が選任した管理人は、その管理すべき財産の目録を作成しなければならない。 この場合において、その費用は、不在者の財産の中から支弁する。 2 不在者の生死が明らかでない場合において、利害関係人又は検察 から 第29条 《管理人の担保提供及び報酬 家庭裁判所は…》 、管理人に財産の管理及び返還について相当の担保を立てさせることができる。 2 家庭裁判所は、管理人と不在者との関係その他の事情により、不在者の財産の中から、相当な報酬を管理人に与えることができる。 まで(同法第27条第2項を除く。)の規定は、第1項の 財産の管理者 について準用する。この場合において、 第125条第3項 《3 前項の報告及び計算に要する費用は、成…》 年被後見人の財産の中から支弁する。 中「成年被後見人の財産」とあるのは、「管理に係る財産」と読み替えるものとする。

7節 親子に関する審判事件 > 1款 嫡出否認の訴えの特別代理人の選任の審判事件

159条

1項 嫡出否認の訴えの特別代理人の選任の審判事件は、子の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、嫡出否認の訴えの特別代理人の選任の審判事件における父及び 民法 第774条第4項 《4 第772条第3項の規定により子の父が…》 定められる場合において、子の懐胎の時から出生の時までの間に母と婚姻していた者であって、子の父以外のもの以下「前夫」という。は、子が嫡出であることを否認することができる。 ただし、その否認権の行使が子の に規定する前夫について準用する。

3項 嫡出否認の訴えの特別代理人の選任の申立てをした者は、その申立てを却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。

2款 子の氏の変更についての許可の審判事件

160条

1項 子の氏の変更についての許可の審判事件(別表第1の60の項の事項についての審判事件をいう。次項において同じ。)は、子(又は母を同じくする数人の子についての子の氏の変更についての許可の申立てに係るものにあっては、そのうちの1人)の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、子の氏の変更についての許可の審判事件における子(15歳以上のものに限る。)について準用する。

3項 子の氏の変更についての許可の申立てをした者は、その申立てを却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。

3款 養子縁組をするについての許可の審判事件

161条

1項 養子縁組をするについての許可の審判事件は、養子となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、養子縁組をするについての許可の審判事件における養親となるべき者及び養子となるべき者(15歳以上のものに限る。)について準用する。

3項 家庭裁判所は、養子縁組をするについての許可の審判をする場合には、次に掲げる者の陳述を聴かなければならない。ただし、養子となるべき者については、その者の心身の障害によりその者の陳述を聴くことができないときは、この限りでない。

1号 養子となるべき者(15歳以上のものに限る。

2号 養子となるべき者に対し親権を行う者及び養子となるべき者の未成年後見人

4項 養子縁組をするについての許可の申立てをした者は、その申立てを却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。

4款 養子縁組の承諾をするについての同意に代わる許可の審判事件

161条の2

1項 養子縁組の承諾をするについての同意に代わる許可の審判事件は、養子となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、養子縁組の承諾をするについての同意に代わる許可の審判事件における養子となるべき者の法定代理人、養子となるべき者の父母でその監護をすべき者であるもの及び養子となるべき者の父母で親権を停止されているものについて準用する。

3項 家庭裁判所は、養子縁組の承諾をするについての同意に代わる許可の審判をする場合には、養子となるべき者の父母でその監護をすべき者であるもの及び養子となるべき者の父母で親権を停止されているものの陳述を聴かなければならない。

4項 養子縁組の承諾をするについての同意に代わる許可の審判は、 第74条第1項 《審判は、特別の定めがある場合を除き、当事…》 及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 に規定する者のほか、養子となるべき者の父母でその監護をすべき者であるもの及び養子となるべき者の父母で親権を停止されているものに告知しなければならない。

5項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

1号 養子縁組の承諾をするについての同意に代わる許可の審判養子となるべき者の父母でその監護をすべき者であるもの及び養子となるべき者の父母で親権を停止されているもの

2号 養子縁組の承諾をするについての同意に代わる許可の申立てを却下する審判申立人

5款 死後離縁をするについての許可の審判事件

162条

1項 死後離縁をするについての許可の審判事件は、申立人の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、死後離縁をするについての許可の審判事件における養親及び養子(15歳以上のものに限る。)について準用する。

3項 家庭裁判所は、養子の死後に死後離縁をするについての許可の申立てがあった場合には、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、養子を代襲して養親の相続人となるべき者に対し、その旨を通知するものとする。ただし、事件の記録上その者の氏名及び住所又は居所が判明している場合に限る。

4項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

1号 死後離縁をするについての許可の審判利害関係人(申立人を除く。

2号 死後離縁をするについての許可の申立てを却下する審判申立人

6款 離縁等の場合における祭具等の所有権の承継者の指定の審判事件

163条

1項 離縁等の場合における祭具等の所有権の承継者の指定の審判事件(別表第2の6の項の事項についての審判事件をいう。)は、その所有者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 家庭裁判所は、離縁等の場合における祭具等の所有権の承継者の指定の審判において、当事者に対し、系譜、祭具及び墳墓の引渡しを命ずることができる。

3項 離縁の当事者その他の利害関係人は、離縁等の場合における祭具等の所有権の承継者の指定の審判及びその申立てを却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。

7款 特別養子縁組に関する審判事件

164条 (特別養子縁組の成立の審判事件)

1項 特別養子縁組の成立の審判事件は、養親となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 養子となるべき者は、特別養子適格の確認(養子となるべき者について 民法 第817条の6 《父母の同意 特別養子縁組の成立には、養…》 子となる者の父母の同意がなければならない。 ただし、父母がその意思を表示することができない場合又は父母による虐待、悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合は、この限りでない。 に定める要件があること及び同法第817条の7に規定する父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合に該当することについての確認をいう。以下この条及び次条において同じ。)の審判(申立人の同条第1項の規定による申立てによりされたものに限る。)を受けた者又は児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判(特別養子縁組の成立の申立ての日の6箇月前の日以後に確定したものに限る。)を受けた者でなければならない。

3項 養子となるべき者の親権者(申立人の配偶者である 民法 第817条の3第2項 《2 夫婦の一方は、他の一方が養親とならな…》 いときは、養親となることができない。 ただし、夫婦の一方が他の一方の嫡出である子特別養子縁組以外の縁組による養子を除く。の養親となる場合は、この限りでない。 ただし書に規定する他の一方を除く。以下この項において同じ。及びその親権者に対し親権を行う者は、特別養子縁組の成立の審判事件において養子となるべき者を代理して 手続行為 をすることができない。

4項 養子となるべき者の父母(申立人の配偶者である 民法 第817条の3第2項 《2 夫婦の一方は、他の一方が養親とならな…》 いときは、養親となることができない。 ただし、夫婦の一方が他の一方の嫡出である子特別養子縁組以外の縁組による養子を除く。の養親となる場合は、この限りでない。 ただし書に規定する他の一方を除く。第10項において同じ。)は、 第42条第1項 《審判を受ける者となるべき者は、家事審判の…》 手続に参加することができる。 及び第3項の規定にかかわらず、特別養子縁組の成立の審判事件の手続に参加することができない。

5項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、特別養子縁組の成立の審判事件(当該審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。)における養親となるべき者並びに養子となるべき者及び申立人の配偶者である 民法 第817条の3第2項 《2 夫婦の一方は、他の一方が養親とならな…》 いときは、養親となることができない。 ただし、夫婦の一方が他の一方の嫡出である子特別養子縁組以外の縁組による養子を除く。の養親となる場合は、この限りでない。 ただし書に規定する他の一方について準用する。

6項 家庭裁判所は、特別養子縁組の成立の審判をする場合には、次に掲げる者の陳述を聴かなければならない。

1号 養子となるべき者(15歳以上のものに限る。

2号 養子となるべき者に対し親権を行う者(養子となるべき者の父母及び養子となるべき者の親権者に対し親権を行う者を除く。及び養子となるべき者の未成年後見人

7項 特別養子適格の確認の審判(児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判を含む。以下この項において同じ。)は、特別養子縁組の成立の審判事件の係属する裁判所を拘束する。この場合において、特別養子適格の確認の審判は、特別養子縁組の成立の審判事件との関係においては、特別養子縁組の成立の審判をする時においてしたものとみなす。

8項 特別養子縁組の成立の審判は、 第74条第1項 《審判は、特別の定めがある場合を除き、当事…》 及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 に規定する者のほか、第6項第2号に掲げる者に告知しなければならない。

9項 特別養子縁組の成立の審判は、養子となるべき者の年齢及び発達の程度その他一切の事情を考慮してその者の利益を害すると認める場合には、その者に告知することを要しない。ただし、養子となるべき者が15歳に達している場合は、この限りでない。

10項 特別養子縁組の成立の審判は、養子となるべき者の父母に告知することを要しない。ただし、住所又は居所が知れている父母に対しては、審判をした日及び審判の主文を通知しなければならない。

11項 家庭裁判所は、第2項の規定にかかわらず、特別養子縁組の成立の審判を、特別養子適格の確認の審判と同時にすることができる。この場合においては、特別養子縁組の成立の審判は、特別養子適格の確認の審判が確定するまでは、確定しないものとする。

12項 家庭裁判所は、前項前段の場合において、特別養子適格の確認の審判を取り消す裁判が確定したときは、職権で、特別養子縁組の成立の審判を取り消さなければならない。

13項 特別養子縁組の成立の審判は、養子となるべき者が18歳に達した日以後は、確定しないものとする。この場合においては、家庭裁判所は、職権で、その審判を取り消さなければならない。

14項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

1号 特別養子縁組の成立の審判養子となるべき者及び第6項第2号に掲げる者

2号 特別養子縁組の成立の申立てを却下する審判申立人

15項 養子となるべき者(15歳未満のものに限る。)による特別養子縁組の成立の審判に対する即時抗告の期間は、養子となるべき者以外の者が審判の告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から進行する。

164条の2 (特別養子適格の確認の審判事件)

1項 家庭裁判所は、養親となるべき者の申立てにより、その者と養子となるべき者との間における縁組について、特別養子適格の確認の審判をすることができる。ただし、養子となるべき者の出生の日から2箇月を経過する日まで及び養子となるべき者が18歳に達した日以後は、この限りでない。

2項 特別養子適格の確認の審判事件は、養親となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

3項 特別養子適格の確認の申立ては、特別養子縁組の成立の申立てと同時にしなければならない。

4項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、特別養子適格の確認の審判事件における養親となるべき者並びに養子となるべき者及び養子となるべき者の父母について準用する。

5項 民法 第817条 《離縁による復氏の際の権利の承継 第76…》 9条の規定は、離縁について準用する。 の六本文の同意は、次の各号のいずれにも該当する場合には、撤回することができない。ただし、その同意をした日から2週間を経過する日までは、この限りでない。

1号 養子となるべき者の出生の日から2箇月を経過した後にされたものであること。

2号 次のいずれかに該当するものであること。

家庭裁判所調査官による事実の調査を経た上で家庭裁判所に書面を提出してされたものであること。

審問の期日においてされたものであること。

6項 家庭裁判所は、特別養子適格の確認の審判をする場合には、次に掲げる者の陳述を聴かなければならない。この場合において、第2号に掲げる者の同意がないにもかかわらずその審判をするときは、その者の陳述の聴取は、審問の期日においてしなければならない。

1号 養子となるべき者(15歳以上のものに限る。

2号 養子となるべき者の父母

3号 養子となるべき者に対し親権を行う者(前号に掲げる者を除く。及び養子となるべき者の未成年後見人

4号 養子となるべき者の父母に対し親権を行う者及び養子となるべき者の父母の後見人

7項 家庭裁判所は、特別養子縁組の成立の申立てを却下する審判が確定したとき、又は特別養子縁組の成立の申立てが取り下げられたときは、当該申立てをした者の申立てに係る特別養子適格の確認の申立てを却下しなければならない。

8項 家庭裁判所は、特別養子適格の確認の申立てを却下する審判をする場合には、第6項第2号及び第3号に掲げる者の陳述を聴かなければならない。

9項 特別養子適格の確認の審判は、 第74条第1項 《審判は、特別の定めがある場合を除き、当事…》 及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 に規定する者のほか、第6項第3号及び第4号に掲げる者に告知しなければならない。

10項 特別養子適格の確認の審判は、養子となるべき者の年齢及び発達の程度その他一切の事情を考慮してその者の利益を害すると認める場合には、その者に告知することを要しない。

11項 家庭裁判所は、特別養子適格の確認の審判をする場合において、第6項第2号に掲げる者を特定することができないときは、同号及び同項第4号に掲げる者の陳述を聴くこと並びにこれらの者にその審判を告知することを要しない。

12項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

1号 特別養子適格の確認の審判養子となるべき者及び第6項第2号から第4号までに掲げる者

2号 特別養子適格の確認の申立てを却下する審判申立人

13項 養子となるべき者による特別養子適格の確認の審判に対する即時抗告の期間は、養子となるべき者以外の者が審判の告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から進行する。

14項 特別養子縁組の成立の申立てを却下する審判が確定したとき、又は特別養子縁組の成立の申立てが取り下げられたときは、当該申立てをした者の申立てによる特別養子適格の確認の審判は、その効力を失う。

165条 (特別養子縁組の離縁の審判事件)

1項 特別養子縁組の離縁の審判事件は、養親の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、特別養子縁組の離縁の審判事件(当該審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。)における養親、養子及びその実父母について準用する。

3項 家庭裁判所は、特別養子縁組の離縁の審判をする場合には、次に掲げる者の陳述を聴かなければならない。この場合において、第1号から第3号までに掲げる者の陳述の聴取は、審問の期日においてしなければならない。

1号 養子(15歳以上のものに限る。

2号 養親

3号 養子の実父母

4号 養子に対し親権を行う者(第2号に掲げる者を除く。及び養子の後見人

5号 養親の後見人

6号 養子の実父母に対し親権を行う者及び養子の実父母の後見人

4項 家庭裁判所は、特別養子縁組の離縁の申立てを却下する審判をする場合には、次に掲げる者の陳述を聴かなければならない。

1号 養子の実父母(申立人を除く。

2号 養子に対し親権を行う者及び養子の後見人

3号 養子の実父母に対し親権を行う者及び養子の実父母の後見人

5項 特別養子縁組の離縁の審判は、 第74条第1項 《審判は、特別の定めがある場合を除き、当事…》 及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 に規定する者のほか、第3項第4号から第6号までに掲げる者に告知しなければならない。

6項 特別養子縁組の離縁の審判は、養子の年齢及び発達の程度その他一切の事情を考慮して養子の利益を害すると認める場合には、養子に告知することを要しない。

7項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者(第1号にあっては、申立人を除く。)は、即時抗告をすることができる。

1号 特別養子縁組の離縁の審判養子、養親、養子の実父母、養子に対し親権を行う者で養親でないもの、養子の後見人、養親の後見人、養子の実父母に対し親権を行う者及び養子の実父母の後見人

2号 特別養子縁組の離縁の申立てを却下する審判申立人

8項 養子による特別養子縁組の離縁の審判に対する即時抗告の期間は、養子以外の者が審判の告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から進行する。

166条 (特別養子縁組の成立の審判事件等を本案とする保全処分)

1項 家庭裁判所( 第105条第2項 《2 本案の家事審判事件が高等裁判所に係属…》 する場合には、その高等裁判所が、前項の審判に代わる裁判をする。 の場合にあっては、高等裁判所。第3項及び第4項において同じ。)は、特別養子縁組の成立の申立てがあった場合において、養子となるべき者の利益のため必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、特別養子縁組の成立の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、申立人を養子となるべき者の監護者に選任し、又は養子となるべき者の親権者若しくは未成年後見人の職務の執行を停止し、若しくはその職務代行者を選任することができる。

2項 前項の規定による職務の執行を停止する審判は、職務の執行を停止される親権者若しくは未成年後見人、養子となるべき者に対し親権を行う者若しくは他の未成年後見人又は同項の規定により選任した職務代行者に告知することによって、その効力を生ずる。

3項 家庭裁判所は、いつでも、第1項の規定により選任した職務代行者を改任することができる。

4項 家庭裁判所は、第1項の規定により選任し、又は前項の規定により改任した職務代行者に対し、養子となるべき者の財産の中から、相当な報酬を与えることができる。

5項 前各項の規定(養子となるべき者の監護者を選任する保全処分に関する部分を除く。)は、特別養子縁組の離縁の審判事件を本案とする保全処分について準用する。

8節 親権に関する審判事件

167条 (管轄)

1項 親権に関する審判事件は、子(又は母を同じくする数人の子についての親権者の指定若しくは変更、親権行使者の指定又は第三者が子に与えた財産の管理に関する処分の申立てに係るものにあっては、そのうちの1人)の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

168条 (手続行為能力)

1項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、次の各号に掲げる審判事件(第3号、第7号及び第8号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。)における当該各号に定める者について準用する。

1号 子に関する特別代理人の選任の審判事件(別表第1の65の項の事項についての審判事件をいう。)子

2号 第三者が子に与えた財産の管理に関する処分の審判事件(別表第1の66の項の事項についての審判事件をいう。 第173条 《管理者の改任等に関する規定の準用 第1…》 25条の規定は、第三者が子に与えた財産の管理に関する処分の審判事件について準用する。 において同じ。)子

3号 親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判事件(別表第1の67の項の事項についての審判事件をいう。)子及びその父母

4号 親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判の取消しの審判事件(別表第1の68の項の事項についての審判事件をいう。)子及びその父母

5号 親権又は管理権を辞し、又は回復するについての許可の審判事件(別表第1の69の項の事項についての審判事件をいう。)子及びその父母

6号 養子の離縁後に親権者となるべき者の指定の審判事件(別表第2の7の項の事項についての審判事件をいう。)養子、その父母及び養親

7号 親権者の指定又は変更の審判事件(別表第2の8の項の事項についての審判事件をいう。)子及びその父母

8号 親権行使者の指定の審判事件(別表第2の8の2の項の事項についての審判事件をいう。)子及びその父母

169条 (陳述の聴取)

1項 家庭裁判所は、次の各号に掲げる審判をする場合には、当該各号に定める者(第1号、第2号及び第4号にあっては、申立人を除く。)の陳述を聴かなければならない。この場合において、第1号に掲げる子の親権者の陳述の聴取は、審問の期日においてしなければならない。

1号 親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判子(15歳以上のものに限る。及び子の親権者

2号 親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判の取消しの審判子(15歳以上のものに限る。)、子に対し親権を行う者、子の未成年後見人及び親権を喪失し、若しくは停止され、又は管理権を喪失した者

3号 親権又は管理権を辞するについての許可の審判子(15歳以上のものに限る。

4号 親権又は管理権を回復するについての許可の審判子(15歳以上のものに限る。)、子に対し親権を行う者及び子の未成年後見人

2項 家庭裁判所は、親権者の指定若しくは変更又は親権行使者の指定の審判をする場合には、 第68条 《陳述の聴取 家庭裁判所は、別表第2に掲…》 げる事項についての家事審判の手続においては、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、当事者の陳述を聴かなければならない。 2 前項の規定による陳述の聴取は、当事者の申出 の規定により当事者の陳述を聴くほか、子(15歳以上のものに限る。)の陳述を聴かなければならない。

169条の2 (申立ての取下げの制限)

1項 親権者の指定の申立ては、審判がされる前であっても、家庭裁判所の許可を得なければ、取り下げることができない。

169条の3 (離婚が成立しない場合の申立ての却下)

1項 家庭裁判所は、親権者の指定の審判の手続において、申立人に対し、相当の期間を定め、父母が離婚したことを証する文書又は電磁的記録をその期間内に提出すべきことを命ずることができる。

2項 前項の場合において、申立人がその期間内に同項に規定する文書又は電磁的記録を提出しないときは、家庭裁判所は、親権者の指定の審判の申立てを却下することができる。

170条 (審判の告知)

1項 次の各号に掲げる審判は、 第74条第1項 《審判は、特別の定めがある場合を除き、当事…》 及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 に規定する者のほか、当該各号に定める者に告知しなければならない。ただし、子にあっては、子の年齢及び発達の程度その他一切の事情を考慮して子の利益を害すると認める場合は、この限りでない。

1号 親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判子

2号 親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判の取消しの審判子、子に対し親権を行う者及び子の未成年後見人

171条 (引渡命令等)

1項 家庭裁判所は、親権者の指定若しくは変更又は親権行使者の指定の審判において、当事者に対し、子の引渡し又は財産上の給付その他の給付を命ずることができる。

172条 (即時抗告)

1項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者(第1号から第3号まで及び第5号にあっては、申立人を除く。)は、即時抗告をすることができる。

1号 親権喪失の審判親権を喪失する者及びその親族

2号 親権停止の審判親権を停止される者及びその親族

3号 管理権喪失の審判管理権を喪失する者及びその親族

4号 親権喪失、親権停止又は管理権喪失の申立てを却下する審判申立人、子及びその親族、未成年後見人並びに未成年後見監督人

5号 親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判の取消しの審判子及びその親族、子に対し親権を行う者、未成年後見人並びに未成年後見監督人

6号 親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判の取消しの申立てを却下する審判申立人並びに親権を喪失し、若しくは停止され、又は管理権を喪失した者及びその親族

7号 親権又は管理権を回復するについての許可の申立てを却下する審判申立人

8号 養子の離縁後に親権者となるべき者の指定の審判養子の父母及び養子の監護者

9号 養子の離縁後に親権者となるべき者の指定の申立てを却下する審判申立人、養子の父母及び養子の監護者

10号 親権者の指定又は変更の審判及びその申立てを却下する審判子の父母及び子の監護者

11号 親権行使者の指定の審判及びその申立てを却下する審判子の父母

2項 次の各号に掲げる即時抗告の期間は、当該各号に定める日から進行する。

1号 審判の告知を受ける者でない者及び子による親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判に対する即時抗告親権を喪失し、若しくは停止され、又は管理権を喪失する者が審判の告知を受けた日

2号 審判の告知を受ける者でない者及び子による親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判の取消しの審判に対する即時抗告親権を喪失し、若しくは停止され、又は管理権を喪失した者が審判の告知を受けた日

173条 (管理者の改任等に関する規定の準用)

1項 第125条 《管理者の改任等 家庭裁判所は、いつでも…》 、第三者が成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任した管理者を改任することができる。 2 家庭裁判所は、第三者が成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任 の規定は、第三者が子に与えた財産の管理に関する処分の審判事件について準用する。

174条 (親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判事件を本案とする保全処分)

1項 家庭裁判所( 第105条第2項 《2 本案の家事審判事件が高等裁判所に係属…》 する場合には、その高等裁判所が、前項の審判に代わる裁判をする。 の場合にあっては、高等裁判所。以下この条及び次条において同じ。)は、親権喪失、親権停止又は管理権喪失の申立てがあった場合において、子の利益のため必要があると認めるときは、当該申立てをした者の申立てにより、親権喪失、親権停止又は管理権喪失の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、親権者の職務の執行を停止し、又はその職務代行者を選任することができる。

2項 前項の規定による親権者の職務の執行を停止する審判は、職務の執行を停止される親権者、子に対し親権を行う者又は同項の規定により選任した職務代行者に告知することによって、その効力を生ずる。

3項 家庭裁判所は、いつでも、第1項の規定により選任した職務代行者を改任することができる。

4項 家庭裁判所は、第1項の規定により選任し、又は前項の規定により改任した職務代行者に対し、子の財産の中から、相当な報酬を与えることができる。

175条 (親権者の指定又は変更の審判事件等を本案とする保全処分)

1項 家庭裁判所は、親権者の指定若しくは変更又は親権行使者の指定の審判又は調停の申立てがあった場合において、強制執行を保全し、又は子その他の利害関係人の急迫の危険を防止するため必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、親権者の指定若しくは変更又は親権行使者の指定の審判を本案とする仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。

2項 前項の規定により仮の地位の仮処分を命ずる場合には、 第107条 《陳述の聴取 審判前の保全処分のうち仮の…》 地位を定める仮処分を命ずるものは、審判を受ける者となるべき者の陳述を聴かなければ、することができない。 ただし、その陳述を聴く手続を経ることにより保全処分の目的を達することができない事情があるときは、 の規定により審判を受ける者となるべき者の陳述を聴くほか、子(15歳以上のものに限る。)の陳述を聴かなければならない。ただし、子の陳述を聴く手続を経ることにより保全処分の申立ての目的を達することができない事情があるときは、この限りでない。

3項 家庭裁判所は、親権者の指定又は変更の審判又は調停の申立てがあった場合において、子の利益のため必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、親権者の指定又は変更の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、親権者の職務の執行を停止し、又はその職務代行者を選任することができる。

4項 前項の規定による親権者の職務の執行を停止する審判は、職務の執行を停止される親権者、子に対し親権を行う者又は同項の規定により選任した職務代行者に告知することによって、その効力を生ずる。

5項 家庭裁判所は、いつでも、第3項の規定により選任した職務代行者を改任することができる。

6項 家庭裁判所は、第3項の規定により選任し、又は前項の規定により改任した職務代行者に対し、子の財産の中から、相当な報酬を与えることができる。

9節 未成年後見に関する審判事件

176条 (管轄)

1項 未成年後見に関する審判事件(別表第1の70の項から83の項までの事項についての審判事件をいう。)は、未成年被後見人(養子の離縁後に未成年後見人となるべき者の選任の審判事件にあっては、未成年被後見人となるべき者)の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

177条 (手続行為能力)

1項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、次に掲げる審判事件(第3号及び第5号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。)における未成年被後見人(第1号の審判事件にあっては、未成年被後見人となるべき者及び養親)について準用する。

1号 養子の離縁後に未成年後見人となるべき者の選任の審判事件

2号 未成年後見人の選任の審判事件

3号 未成年後見人の解任の審判事件(別表第1の73の項の事項についての審判事件をいう。 第181条 《未成年後見人の解任の審判事件等を本案とす…》 る保全処分 第127条第1項から第4項までの規定は、未成年後見人の解任の審判事件又は未成年後見監督人の解任の審判事件を本案とする保全処分について準用する。 において同じ。

4号 未成年後見監督人の選任の審判事件(別表第1の74の項の事項についての審判事件をいう。

5号 未成年後見監督人の解任の審判事件(別表第1の76の項の事項についての審判事件をいう。 第181条 《未成年後見人の解任の審判事件等を本案とす…》 る保全処分 第127条第1項から第4項までの規定は、未成年後見人の解任の審判事件又は未成年後見監督人の解任の審判事件を本案とする保全処分について準用する。 において同じ。

6号 未成年被後見人に関する特別代理人の選任の審判事件(別表第1の79の項の事項についての審判事件をいう。

7号 未成年後見の事務の監督の審判事件(別表第1の81の項の事項についての審判事件をいう。

8号 第三者が未成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件(別表第1の82の項の事項についての審判事件をいう。 第180条 《成年後見に関する審判事件の規定の準用 …》 第121条の規定は未成年後見人の選任の申立ての取下げについて、第124条の規定は未成年後見の事務の監督について、第125条の規定は第三者が未成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件について において同じ。

178条 (陳述及び意見の聴取)

1項 家庭裁判所は、次の各号に掲げる審判をする場合には、当該各号に定める者(第1号にあっては、申立人を除く。)の陳述を聴かなければならない。

1号 未成年後見人又は未成年後見監督人の選任の審判未成年被後見人(15歳以上のものに限る。

2号 未成年後見人の解任の審判未成年後見人

3号 未成年後見監督人の解任の審判未成年後見監督人

2項 家庭裁判所は、次の各号に掲げる審判をする場合には、当該各号に定める者の意見を聴かなければならない。

1号 養子の離縁後に未成年後見人となるべき者又は未成年後見人の選任未成年後見人となるべき者

2号 未成年後見監督人の選任未成年後見監督人となるべき者

179条 (即時抗告)

1項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

1号 養子の離縁後に未成年後見人となるべき者の選任の申立てを却下する審判申立人

2号 未成年後見人の解任の審判未成年後見人

3号 未成年後見人の解任の申立てを却下する審判申立人、未成年後見監督人並びに未成年被後見人及びその親族

4号 未成年後見監督人の解任の審判未成年後見監督人

5号 未成年後見監督人の解任の申立てを却下する審判申立人並びに未成年被後見人及びその親族

180条 (成年後見に関する審判事件の規定の準用)

1項 第121条 《申立ての取下げの制限 次に掲げる申立て…》 は、審判がされる前であっても、家庭裁判所の許可を得なければ、取り下げることができない。 1 後見開始の申立て 2 民法第843条第2項の規定による成年後見人の選任の申立て 3 民法第845条の規定によ の規定は未成年後見人の選任の申立ての取下げについて、 第124条 《成年後見の事務の監督 家庭裁判所は、適…》 当な者に、成年後見の事務若しくは成年被後見人の財産の状況を調査させ、又は臨時に財産の管理をさせることができる。 2 家庭裁判所は、前項の規定により調査又は管理をした者に対し、成年被後見人の財産の中から の規定は未成年後見の事務の監督について、 第125条 《管理者の改任等 家庭裁判所は、いつでも…》 、第三者が成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任した管理者を改任することができる。 2 家庭裁判所は、第三者が成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任 の規定は第三者が未成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件について準用する。この場合において、 第121条第2号 《申立ての取下げの制限 第121条 次に掲…》 げる申立ては、審判がされる前であっても、家庭裁判所の許可を得なければ、取り下げることができない。 1 後見開始の申立て 2 民法第843条第2項の規定による成年後見人の選任の申立て 3 民法第845条 中「第843条第2項の規定による成年後見人」とあるのは「第840条第1項の規定による未成年後見人」と、同条第3号中「第843条第3項の規定による成年後見人」とあるのは「第840条第2項の規定による未成年後見人」と読み替えるものとする。

181条 (未成年後見人の解任の審判事件等を本案とする保全処分)

1項 第127条第1項 《家庭裁判所は、成年後見人の解任の審判事件…》 が係属している場合において、成年被後見人の利益のため必要があるときは、成年後見人の解任の申立てをした者の申立てにより又は職権で、成年後見人の解任についての審判が効力を生ずるまでの間、成年後見人の職務の から第4項までの規定は、未成年後見人の解任の審判事件又は未成年後見監督人の解任の審判事件を本案とする保全処分について準用する。

10節 扶養に関する審判事件

182条 (管轄)

1項 扶養義務の設定の審判事件(別表第1の84の項の事項についての審判事件をいう。)は、扶養義務者となるべき者(数人についての扶養義務の設定の申立てに係るものにあっては、そのうちの1人)の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 扶養義務の設定の取消しの審判事件(別表第1の85の項の事項についての審判事件をいう。)は、その扶養義務の設定の審判をした家庭裁判所(抗告裁判所がその扶養義務の設定の裁判をした場合にあっては、その第一審裁判所である家庭裁判所)の管轄に属する。

3項 扶養の順位の決定及びその決定の変更又は取消しの審判事件(別表第2の9の項の事項についての審判事件をいう。並びに扶養の程度又は方法についての決定及びその決定の変更又は取消しの審判事件(同表の10の項の事項についての審判事件をいう。 第184条の2第1項 《家庭裁判所は、扶養の程度又は方法について…》 の決定及びその決定の変更又は取消しの審判事件において、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、当事者に対し、その収入及び資産の状況に関する情報を開示することを命ずることができる。 において同じ。)は、相手方(数人に対する申立てに係るものにあっては、そのうちの1人)の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

183条 (申立ての特則)

1項 扶養義務の設定の申立ては、 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律 2003年法律第110号第23条の2第2項第4号 《2 保護者となるべき者の順位は、次のとお…》 りとし、先順位の者が保護者の権限を行うことができないときは、次順位の者が保護者となる。 ただし、第1号に掲げる者がいない場合において、対象者の保護のため特に必要があると認めるときは、家庭裁判所は、利害 の規定による保護者の選任の申立てと1の申立てによりするときは、同法第2条第2項に規定する対象者の住所地を管轄する家庭裁判所にもすることができる。

184条 (陳述の聴取)

1項 家庭裁判所は、次の各号に掲げる審判をする場合には、当該各号に定める者(申立人を除く。)の陳述を聴かなければならない。

1号 扶養義務の設定の審判扶養義務者となるべき者

2号 扶養義務の設定の取消しの審判扶養権利者

184条の2 (情報開示命令)

1項 家庭裁判所は、扶養の程度又は方法についての決定及びその決定の変更又は取消しの審判事件において、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、当事者に対し、その収入及び資産の状況に関する情報を開示することを命ずることができる。

2項 前項の規定により情報の開示を命じられた当事者が、正当な理由なくその情報を開示せず、又は虚偽の情報を開示したときは、家庭裁判所は、110,000円以下の過料に処する。

185条 (給付命令)

1項 家庭裁判所は、扶養の程度又は方法についての決定及びその決定の変更又は取消しの審判において、当事者に対し、金銭の支払、物の引渡し、登記義務の履行その他の給付を命ずることができる。

186条 (即時抗告)

1項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

1号 扶養義務の設定の審判扶養義務者となるべき者(申立人を除く。

2号 扶養義務の設定の申立てを却下する審判申立人

3号 扶養義務の設定の取消しの審判扶養権利者(申立人を除く。

4号 扶養義務の設定の取消しの申立てを却下する審判申立人

5号 扶養の順位の決定及びその決定の変更又は取消しの審判並びにこれらの申立てを却下する審判申立人及び相手方

6号 扶養の程度又は方法についての決定及びその決定の変更又は取消しの審判並びにこれらの申立てを却下する審判申立人及び相手方

187条 (扶養に関する審判事件を本案とする保全処分)

1項 家庭裁判所( 第105条第2項 《2 本案の家事審判事件が高等裁判所に係属…》 する場合には、その高等裁判所が、前項の審判に代わる裁判をする。 の場合にあっては、高等裁判所)は、次に掲げる事項についての審判又は調停の申立てがあった場合において、強制執行を保全し、又は事件の関係人の急迫の危険を防止するため必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、当該事項についての審判を本案とする仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。

1号 扶養の順位の決定及びその決定の変更又は取消し

2号 扶養の程度又は方法についての決定及びその決定の変更又は取消し

11節 推定相続人の廃除に関する審判事件

188条 (推定相続人の廃除の審判事件及び推定相続人の廃除の取消しの審判事件)

1項 推定相続人の廃除の審判事件及び推定相続人の廃除の審判の取消しの審判事件は、被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。ただし、これらの審判事件が被相続人の死亡後に申し立てられた場合にあっては、相続が開始した地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、前項に規定する審判事件における被相続人について準用する。

3項 家庭裁判所は、推定相続人の廃除の審判事件においては、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、廃除を求められた推定相続人の陳述を聴かなければならない。この場合における陳述の聴取は、審問の期日においてしなければならない。

4項 推定相続人の廃除の審判事件における手続については、申立人及び廃除を求められた推定相続人を当事者とみなして、 第67条 《家事審判の申立書の写しの送付等 別表第…》 2に掲げる事項についての家事審判の申立てがあった場合には、家庭裁判所は、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、家事審判の申立書の写しを相手方に送付しなければならない。 及び 第69条 《審問の期日 別表第2に掲げる事項につい…》 ての家事審判の手続においては、家庭裁判所が審問の期日を開いて当事者の陳述を聴くことにより事実の調査をするときは、他の当事者は、当該期日に立ち会うことができる。 ただし、当該他の当事者が当該期日に立ち会 から 第72条 《審判日 家庭裁判所は、前条の規定により…》 審理を終結したときは、審判をする日を定めなければならない。 までの規定を準用する。

5項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

1号 推定相続人の廃除の審判廃除された推定相続人

2号 推定相続人の廃除又はその審判の取消しの申立てを却下する審判申立人

189条 (遺産の管理に関する処分の審判事件)

1項 推定相続人の廃除の審判又はその取消しの審判の確定前の遺産の管理に関する処分の審判事件は、推定相続人の廃除の審判事件又は推定相続人の廃除の審判の取消しの審判事件が係属している家庭裁判所(その審判事件が係属していない場合にあっては相続が開始した地を管轄する家庭裁判所、その審判事件が抗告裁判所に係属している場合にあってはその裁判所)の管轄に属する。

2項 第125条第1項 《家庭裁判所は、いつでも、第三者が成年被後…》 見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任した管理者を改任することができる。 から第6項までの規定は、推定相続人の廃除の審判又はその取消しの審判の確定前の遺産の管理に関する処分の審判事件において選任した管理人について準用する。この場合において、同条第1項、第2項及び第4項中「家庭裁判所」とあるのは「推定相続人の廃除の審判又はその取消しの審判の確定前の遺産の管理に関する処分を命じた裁判所」と、同条第3項中「成年被後見人の財産」とあるのは「遺産」と読み替えるものとする。

3項 推定相続人の廃除の審判又はその取消しの審判の確定前の遺産の管理に関する処分を命じた裁判所は、推定相続人の廃除の審判又はその取消しの審判が確定したときは、廃除を求められた推定相続人、前項の管理人若しくは利害関係人の申立てにより又は職権で、その処分の取消しの裁判をしなければならない。

12節 相続の場合における祭具等の所有権の承継者の指定の審判事件

190条

1項 相続の場合における祭具等の所有権の承継者の指定の審判事件(別表第2の11の項の事項についての審判事件をいう。)は、相続が開始した地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 家庭裁判所は、相続の場合における祭具等の所有権の承継者の指定の審判において、当事者に対し、系譜、祭具及び墳墓の引渡しを命ずることができる。

3項 相続人その他の利害関係人は、相続の場合における祭具等の所有権の承継者の指定の審判及びその申立てを却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。

12節の2 相続財産の保存に関する処分の審判事件

190条の2

1項 相続財産の保存に関する処分の審判事件は、相続が開始した地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 第125条第1項 《家庭裁判所は、いつでも、第三者が成年被後…》 見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任した管理者を改任することができる。 から第6項まで、 第146条 《管理人の改任等 家庭裁判所は、いつでも…》 、民法第25条第1項の規定により選任し、又は同法第26条の規定により改任した管理人を改任することができる。 2 家庭裁判所は、民法第25条第1項の規定により選任し、又は同法第26条の規定により改任した の二及び 第147条 《処分の取消し 家庭裁判所は、不在者が財…》 産を管理することができるようになったとき、管理すべき財産がなくなったとき家庭裁判所が選任した管理人が管理すべき財産の全部が供託されたときを含む。その他財産の管理を継続することが相当でなくなったときは、 の規定は、相続財産の保存に関する処分の審判事件について準用する。この場合において、 第125条第3項 《3 前項の報告及び計算に要する費用は、成…》 年被後見人の財産の中から支弁する。 中「成年被後見人の財産」とあるのは、「相続財産」と読み替えるものとする。

13節 遺産の分割に関する審判事件

191条 (管轄)

1項 遺産の分割に関する審判事件は、相続が開始した地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 前項の規定にかかわらず、遺産の分割の審判事件(別表第2の12の項の事項についての審判事件をいう。以下同じ。)が係属している場合における寄与分を定める処分の審判事件(同表の14の項の事項についての審判事件をいう。次条において同じ。)は、当該遺産の分割の審判事件が係属している裁判所の管轄に属する。

192条 (手続の併合等)

1項 遺産の分割の審判事件及び寄与分を定める処分の審判事件が係属するときは、これらの審判の手続及び審判は、併合してしなければならない。数人からの寄与分を定める処分の審判事件が係属するときも、同様とする。

193条 (寄与分を定める処分の審判の申立ての期間の指定)

1項 家庭裁判所は、遺産の分割の審判の手続において、1月を下らない範囲内で、当事者が寄与分を定める処分の審判の申立てをすべき期間を定めることができる。

2項 家庭裁判所は、寄与分を定める処分の審判の申立てが前項の期間を経過した後にされたときは、当該申立てを却下することができる。

3項 家庭裁判所は、第1項の期間を定めなかった場合においても、当事者が時機に後れて寄与分を定める処分の申立てをしたことにつき、申立人の責めに帰すべき事由があり、かつ、申立てに係る寄与分を定める処分の審判の手続を併合することにより、遺産の分割の審判の手続が著しく遅滞することとなるときは、その申立てを却下することができる。

194条 (遺産の換価を命ずる裁判)

1項 家庭裁判所は、遺産の分割の審判をするため必要があると認めるときは、相続人に対し、遺産の全部又は一部を競売して換価することを命ずることができる。

2項 家庭裁判所は、遺産の分割の審判をするため必要があり、かつ、相当と認めるときは、相続人の意見を聴き、相続人に対し、遺産の全部又は一部について任意に売却して換価することを命ずることができる。ただし、共同相続人中に競売によるべき旨の意思を表示した者があるときは、この限りでない。

3項 前2項の規定による裁判(以下この条において「 換価を命ずる裁判 」という。)が確定した後に、その 換価を命ずる裁判 の理由の消滅その他の事情の変更があるときは、家庭裁判所は、相続人の申立てにより又は職権で、これを取り消すことができる。

4項 換価を命ずる裁判 は、 第81条第1項 《家庭裁判所は、家事審判の手続においては、…》 審判をする場合を除き、決定で裁判をする。 この場合には、第73条から第79条まで第74条第2項ただし書、第76条第1項及び第78条第3項を除く。の規定を準用する。 において準用する 第74条第1項 《審判は、特別の定めがある場合を除き、当事…》 及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 に規定する者のほか、遺産の分割の審判事件の当事者に告知しなければならない。

5項 相続人は、 換価を命ずる裁判 に対し、即時抗告をすることができる。

6項 家庭裁判所は、 換価を命ずる裁判 をする場合において、 第200条第1項 《家庭裁判所第105条第2項の場合にあって…》 は、高等裁判所。次項及び第3項において同じ。は、遺産の分割の審判又は調停の申立てがあった場合において、財産の管理のため必要があるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てさせないで、遺産の分割の申立て 財産の管理者 が選任されていないときは、これを選任しなければならない。

7項 家庭裁判所は、 換価を命ずる裁判 により換価を命じられた相続人に対し、遺産の中から、相当な報酬を与えることができる。

8項 第125条 《管理者の改任等 家庭裁判所は、いつでも…》 、第三者が成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任した管理者を改任することができる。 2 家庭裁判所は、第三者が成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任 の規定及び 民法 第27条 《管理人の職務 前2条の規定により家庭裁…》 判所が選任した管理人は、その管理すべき財産の目録を作成しなければならない。 この場合において、その費用は、不在者の財産の中から支弁する。 2 不在者の生死が明らかでない場合において、利害関係人又は検察 から 第29条 《管理人の担保提供及び報酬 家庭裁判所は…》 、管理人に財産の管理及び返還について相当の担保を立てさせることができる。 2 家庭裁判所は、管理人と不在者との関係その他の事情により、不在者の財産の中から、相当な報酬を管理人に与えることができる。 まで(同法第27条第2項を除く。)の規定は、第6項の規定により選任した 財産の管理者 について準用する。この場合において、 第125条第3項 《3 前項の報告及び計算に要する費用は、成…》 年被後見人の財産の中から支弁する。 中「成年被後見人の財産」とあるのは、「遺産」と読み替えるものとする。

195条 (債務を負担させる方法による遺産の分割)

1項 家庭裁判所は、遺産の分割の審判をする場合において、特別の事情があると認めるときは、遺産の分割の方法として、共同相続人の1人又は数人に他の共同相続人に対する債務を負担させて、現物の分割に代えることができる。

196条 (給付命令)

1項 家庭裁判所は、遺産の分割の審判において、当事者に対し、金銭の支払、物の引渡し、登記義務の履行その他の給付を命ずることができる。

197条 (遺産の分割の禁止の審判の取消し及び変更)

1項 家庭裁判所は、事情の変更があるときは、相続人の申立てにより、いつでも、遺産の分割の禁止の審判を取り消し、又は変更する審判をすることができる。この申立てに係る審判事件は、別表第2に掲げる事項についての審判事件とみなす。

198条 (即時抗告)

1項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

1号 遺産の分割の審判及びその申立てを却下する審判相続人

2号 遺産の分割の禁止の審判相続人

3号 遺産の分割の禁止の審判を取り消し、又は変更する審判相続人

4号 寄与分を定める処分の審判相続人

5号 寄与分を定める処分の申立てを却下する審判申立人

2項 第192条 《手続の併合等 遺産の分割の審判事件及び…》 寄与分を定める処分の審判事件が係属するときは、これらの審判の手続及び審判は、併合してしなければならない。 数人からの寄与分を定める処分の審判事件が係属するときも、同様とする。 前段の規定により審判が併合してされたときは、寄与分を定める処分の審判又はその申立てを却下する審判に対しては、独立して即時抗告をすることができない。

3項 第192条 《手続の併合等 遺産の分割の審判事件及び…》 寄与分を定める処分の審判事件が係属するときは、これらの審判の手続及び審判は、併合してしなければならない。 数人からの寄与分を定める処分の審判事件が係属するときも、同様とする。 後段の規定により審判が併合してされたときは、申立人の1人がした即時抗告は、申立人の全員に対してその効力を生ずる。

199条 (申立ての取下げの制限)

1項 第153条 《申立ての取下げの制限 第82条第2項の…》 規定にかかわらず、財産の分与に関する処分の審判の申立ての取下げは、相手方が本案について書面を提出し、又は家事審判の手続の期日において陳述をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない の規定は、遺産の分割の審判の申立ての取下げについて準用する。

2項 第82条第2項 《2 別表第2に掲げる事項についての家事審…》 判の申立ては、審判が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。 ただし、申立ての取下げは、審判がされた後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。 の規定にかかわらず、遺産の分割の審判の申立ての取下げは、相続開始の時から10年を経過した後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。

200条 (遺産の分割の審判事件を本案とする保全処分)

1項 家庭裁判所( 第105条第2項 《2 本案の家事審判事件が高等裁判所に係属…》 する場合には、その高等裁判所が、前項の審判に代わる裁判をする。 の場合にあっては、高等裁判所。次項及び第3項において同じ。)は、遺産の分割の審判又は調停の申立てがあった場合において、財産の管理のため必要があるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てさせないで、遺産の分割の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、 財産の管理者 を選任し、又は事件の関係人に対し、財産の管理に関する事項を指示することができる。

2項 家庭裁判所は、遺産の分割の審判又は調停の申立てがあった場合において、強制執行を保全し、又は事件の関係人の急迫の危険を防止するため必要があるときは、当該申立てをした者又は相手方の申立てにより、遺産の分割の審判を本案とする仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。

3項 前項に規定するもののほか、家庭裁判所は、遺産の分割の審判又は調停の申立てがあった場合において、相続財産に属する債務の弁済、相続人の生活費の支弁その他の事情により遺産に属する預貯金債権(民法第466条の5第1項に規定する預貯金債権をいう。以下この項において同じ。)を当該申立てをした者又は相手方が行使する必要があると認めるときは、その申立てにより、遺産に属する特定の預貯金債権の全部又は一部をその者に仮に取得させることができる。ただし、他の共同相続人の利益を害するときは、この限りでない。

4項 第125条第1項 《家庭裁判所は、いつでも、第三者が成年被後…》 見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任した管理者を改任することができる。 から第6項までの規定及び 民法 第27条 《管理人の職務 前2条の規定により家庭裁…》 判所が選任した管理人は、その管理すべき財産の目録を作成しなければならない。 この場合において、その費用は、不在者の財産の中から支弁する。 2 不在者の生死が明らかでない場合において、利害関係人又は検察 から 第29条 《管理人の担保提供及び報酬 家庭裁判所は…》 、管理人に財産の管理及び返還について相当の担保を立てさせることができる。 2 家庭裁判所は、管理人と不在者との関係その他の事情により、不在者の財産の中から、相当な報酬を管理人に与えることができる。 まで(同法第27条第2項を除く。)の規定は、第1項の 財産の管理者 について準用する。この場合において、 第125条第3項 《3 前項の報告及び計算に要する費用は、成…》 年被後見人の財産の中から支弁する。 中「成年被後見人の財産」とあるのは、「遺産」と読み替えるものとする。

14節 相続の承認及び放棄に関する審判事件

201条

1項 相続の承認及び放棄に関する審判事件(別表第1の90の項から95の項までの事項についての審判事件をいう。)は、相続が開始した地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 前項の規定にかかわらず、限定承認の場合における鑑定人の選任の審判事件(別表第1の93の項の事項についての審判事件をいう。)は、限定承認の申述を受理した家庭裁判所(抗告裁判所が受理した場合にあっては、その第一審裁判所である家庭裁判所)の管轄に属する。

3項 家庭裁判所(抗告裁判所が限定承認の申述を受理した場合にあっては、その裁判所)は、相続人が数人ある場合において、限定承認の申述を受理したときは、職権で、 民法 第936条第1項 《相続人が数人ある場合には、家庭裁判所は、…》 相続人の中から、相続財産の清算人を選任しなければならない。 の規定により相続財産の清算人を選任しなければならない。

4項 第118条 《単独行為の無権代理 単独行為については…》 、その行為の時において、相手方が、代理人と称する者が代理権を有しないで行為をすることに同意し、又はその代理権を争わなかったときに限り、第113条から前条までの規定を準用する。 代理権を有しない者に対し の規定は、限定承認又は相続の放棄の取消しの申述の受理の審判事件(別表第1の91の項の事項についての審判事件をいう。)における限定承認又は相続の放棄の取消しをすることができる者について準用する。

5項 限定承認及びその取消し並びに相続の放棄及びその取消しの申述は、次に掲げる事項を記載した申述書を家庭裁判所に提出してしなければならない。

1号 当事者及び法定代理人

2号 限定承認若しくはその取消し又は相続の放棄若しくはその取消しをする旨

6項 第49条第3項 《3 申立人は、二以上の事項について審判を…》 求める場合において、これらの事項についての家事審判の手続が同種であり、これらの事項が同1の事実上及び法律上の原因に基づくときは、1の申立てにより求めることができる。 から第7項まで及び 第50条 《申立ての変更 申立人は、申立ての基礎に…》 変更がない限り、申立ての趣旨又は理由を変更することができる。 ただし、第71条第188条第4項において準用する場合を含む。の規定により審理を終結した後は、この限りでない。 2 申立ての趣旨又は理由の変 の規定は、前項の申述について準用する。この場合において、 第49条第4項 《4 家事審判の申立書が第2項の規定に違反…》 する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。 中「第2項」とあるのは、「 第201条第5項 《5 限定承認及びその取消し並びに相続の放…》 及びその取消しの申述は、次に掲げる事項を記載した申述書を家庭裁判所に提出してしなければならない。 1 当事者及び法定代理人 2 限定承認若しくはその取消し又は相続の放棄若しくはその取消しをする旨 」と読み替えるものとする。

7項 家庭裁判所は、第5項の申述の受理の審判をするときは、最高裁判所規則で定めるところにより、その旨の電磁的記録を作成し、ファイルに記録しなければならない。この場合において、当該審判は、その記録をした時に、その効力を生ずる。

8項 前項の審判については、 第76条 《審判の方式及び電子審判書 審判は、最高…》 裁判所規則で定めるところにより、審判に係る電磁的記録以下「電子審判書」という。を作成してしなければならない。 ただし、即時抗告をすることができない審判については、最高裁判所規則で定めるところにより、主 の規定は、適用しない。

9項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

1号 相続の承認又は放棄をすべき期間の伸長の申立てを却下する審判申立人

2号 限定承認又は相続の放棄の取消しの申述を却下する審判限定承認又は相続の放棄の取消しをすることができる者

3号 限定承認又は相続の放棄の申述を却下する審判申述人

15節 財産分離に関する審判事件

202条

1項 次の各号に掲げる審判事件は、当該各号に定める裁判所の管轄に属する。

1号 財産分離の審判事件(別表第1の96の項の事項についての審判事件をいう。次号において同じ。)相続が開始した地を管轄する家庭裁判所

2号 財産分離の請求後の相続財産の管理に関する処分の審判事件財産分離の審判事件が係属している家庭裁判所(抗告裁判所に係属している場合にあってはその裁判所、財産分離の裁判確定後にあっては財産分離の審判事件が係属していた家庭裁判所

3号 財産分離の場合における鑑定人の選任の審判事件(別表第1の98の項の事項についての審判事件をいう。)財産分離の審判をした家庭裁判所(抗告裁判所が財産分離の裁判をした場合にあっては、その第一審裁判所である家庭裁判所

2項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

1号 財産分離の審判相続人

2号 民法 第941条第1項 《相続債権者又は受遺者は、相続開始の時から…》 3箇月以内に、相続人の財産の中から相続財産を分離することを家庭裁判所に請求することができる。 相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、その期間の満了後も、同様とする。 の規定による財産分離の申立てを却下する審判相続債権者及び受遺者

3号 民法 第950条第1項 《相続人が限定承認をすることができる間又は…》 相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、相続人の債権者は、家庭裁判所に対して財産分離の請求をすることができる。 の規定による財産分離の申立てを却下する審判相続人の債権者

3項 第125条 《法定追認 追認をすることができる時以後…》 に、取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。 ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。 1 全部又は一部の履行 2 履行の請求 3 更改 4 担保の の規定は、財産分離の請求後の相続財産の管理に関する処分の審判事件について準用する。この場合において、同条第3項中「成年被後見人の財産」とあるのは、「相続財産」と読み替えるものとする。

16節 相続人の不存在に関する審判事件

203条 (管轄)

1項 次の各号に掲げる審判事件は、当該各号に定める家庭裁判所の管轄に属する。

1号 相続人の不存在の場合における相続財産の清算に関する処分の審判事件相続が開始した地を管轄する家庭裁判所

2号 相続人の不存在の場合における鑑定人の選任の審判事件(別表第1の100の項の事項についての審判事件をいう。)相続人の不存在の場合における相続財産の清算に関する処分の審判事件において相続財産の清算人の選任の審判をした家庭裁判所

3号 特別縁故者に対する相続財産の分与の審判事件(別表第1の101の項の事項についての審判事件をいう。次条第2項及び 第207条 《相続財産の換価を命ずる裁判 第194条…》 第1項、第2項本文、第3項から第5項まで及び第7項の規定は、特別縁故者に対する相続財産の分与の審判事件について準用する。 この場合において、同条第1項及び第7項中「相続人」とあり、並びに同条第2項中「 において同じ。)相続が開始した地を管轄する家庭裁判所

204条 (特別縁故者に対する相続財産の分与の審判)

1項 特別縁故者に対する相続財産の分与の申立てについての審判は、 民法 第952条第2項 《2 前項の規定により相続財産の清算人を選…》 任したときは、家庭裁判所は、遅滞なく、その旨及び相続人があるならば一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければならない。 この場合において、その期間は、6箇月を下ることができない。 の期間の満了後3月を経過した後にしなければならない。

2項 同1の相続財産に関し特別縁故者に対する相続財産の分与の審判事件が数個同時に係属するときは、これらの審判の手続及び審判は、併合してしなければならない。

205条 (意見の聴取)

1項 家庭裁判所は、特別縁故者に対する相続財産の分与の申立てについての審判をする場合には、 民法 第952条第1項 《前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人…》 又は検察官の請求によって、相続財産の清算人を選任しなければならない。 の規定により選任し、又は 第208条 《 削除…》 において準用する 第125条第1項 《追認をすることができる時以後に、取り消す…》 ことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。 ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。 1 全部又は一部の履行 2 履行の請求 3 更改 4 担保の供与 5 取 の規定により改任した相続財産の清算人(次条及び 第207条 《土地所有権の範囲 土地の所有権は、法令…》 の制限内において、その土地の上下に及ぶ。 において単に「相続財産の清算人」という。)の意見を聴かなければならない。

206条 (即時抗告)

1項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

1号 特別縁故者に対する相続財産の分与の審判申立人及び相続財産の清算人

2号 特別縁故者に対する相続財産の分与の申立てを却下する審判申立人

2項 第204条第2項 《2 同1の相続財産に関し特別縁故者に対す…》 る相続財産の分与の審判事件が数個同時に係属するときは、これらの審判の手続及び審判は、併合してしなければならない。 の規定により審判が併合してされたときは、申立人の1人又は相続財産の清算人がした即時抗告は、申立人の全員に対してその効力を生ずる。

207条 (相続財産の換価を命ずる裁判)

1項 第194条第1項 《家庭裁判所は、遺産の分割の審判をするため…》 必要があると認めるときは、相続人に対し、遺産の全部又は一部を競売して換価することを命ずることができる。 、第2項本文、第3項から第5項まで及び第7項の規定は、特別縁故者に対する相続財産の分与の審判事件について準用する。この場合において、同条第1項及び第7項中「相続人」とあり、並びに同条第2項中「相続人の意見を聴き、相続人」とあるのは「相続財産の清算人」と、同条第3項中「相続人」とあるのは「特別縁故者に対する相続財産の分与の申立人若しくは相続財産の清算人」と、同条第4項中「当事者」とあるのは「申立人」と、同条第5項中「相続人」とあるのは「特別縁故者に対する相続財産の分与の申立人及び相続財産の清算人」と読み替えるものとする。

208条 (管理者の改任等に関する規定の準用)

1項 第125条 《管理者の改任等 家庭裁判所は、いつでも…》 、第三者が成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任した管理者を改任することができる。 2 家庭裁判所は、第三者が成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任 の規定は、相続人の不存在の場合における相続財産の清算に関する処分の審判事件について準用する。この場合において、同条第3項中「成年被後見人の財産」とあるのは、「相続財産」と読み替えるものとする。

17節 遺言に関する審判事件

209条 (管轄)

1項 遺言に関する審判事件(別表第1の102の項から108の項までの事項についての審判事件をいう。)は、相続を開始した地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 前項の規定にかかわらず、遺言の確認の審判事件は、遺言者の生存中は、遺言者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

210条 (陳述及び意見の聴取)

1項 家庭裁判所は、次の各号に掲げる審判をする場合には、当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。

1号 遺言執行者の解任の審判遺言執行者

2号 負担付遺贈に係る遺言の取消しの審判受遺者及び負担の利益を受けるべき者

2項 家庭裁判所は、遺言執行者の選任の審判をする場合には、遺言執行者となるべき者の意見を聴かなければならない。

211条 (電子調書の作成)

1項 裁判所書記官は、遺言書の検認について、最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書を作成しなければならない。

212条 (申立ての取下げの制限)

1項 遺言の確認又は遺言書の検認の申立ては、審判がされる前であっても、家庭裁判所の許可を得なければ、取り下げることができない。

213条 (審判の告知)

1項 次の各号に掲げる審判は、 第74条第1項 《審判は、特別の定めがある場合を除き、当事…》 及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 に規定する者のほか、当該各号に定める者に告知しなければならない。

1号 遺言執行者の解任の審判相続人

2号 負担付遺贈に係る遺言の取消しの審判負担の利益を受けるべき者

214条 (即時抗告)

1項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

1号 遺言の確認の審判利害関係人

2号 遺言の確認の申立てを却下する審判遺言に立ち会った証人及び利害関係人

3号 遺言執行者の選任の申立てを却下する審判利害関係人

4号 遺言執行者の解任の審判遺言執行者

5号 遺言執行者の解任の申立てを却下する審判利害関係人

6号 遺言執行者の辞任についての許可の申立てを却下する審判申立人

7号 負担付遺贈に係る遺言の取消しの審判受遺者その他の利害関係人(申立人を除く。

8号 負担付遺贈に係る遺言の取消しの申立てを却下する審判相続人

215条 (遺言執行者の解任の審判事件を本案とする保全処分)

1項 家庭裁判所( 第105条第2項 《2 本案の家事審判事件が高等裁判所に係属…》 する場合には、その高等裁判所が、前項の審判に代わる裁判をする。 の場合にあっては、高等裁判所。第3項及び第4項において同じ。)は、遺言執行者の解任の申立てがあった場合において、遺言の内容の実現のため必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、遺言執行者の解任の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、遺言執行者の職務の執行を停止し、又はその職務代行者を選任することができる。

2項 前項の規定による遺言執行者の職務の執行を停止する審判は、職務の執行を停止される遺言執行者、他の遺言執行者又は同項の規定により選任した職務代行者に告知することによって、その効力を生ずる。

3項 家庭裁判所は、いつでも、第1項の規定により選任した職務代行者を改任することができる。

4項 家庭裁判所は、第1項の規定により選任し、又は前項の規定により改任した職務代行者に対し、相続財産の中から、相当な報酬を与えることができる。

18節 遺留分に関する審判事件

216条

1項 次の各号に掲げる審判事件は、当該各号に定める地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

1号 遺留分を算定するための財産の価額を定める場合における鑑定人の選任の審判事件(別表第1の109の項の事項についての審判事件をいう。)相続が開始した地

2号 遺留分の放棄についての許可の審判事件被相続人の住所地

2項 遺留分の放棄についての許可の申立てをした者は、申立てを却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。

18節の2 特別の寄与に関する審判事件

216条の2 (管轄)

1項 特別の寄与に関する処分の審判事件は、相続が開始した地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

216条の3 (給付命令)

1項 家庭裁判所は、特別の寄与に関する処分の審判において、当事者に対し、金銭の支払を命ずることができる。

216条の4 (即時抗告)

1項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

1号 特別の寄与に関する処分の審判申立人及び相手方

2号 特別の寄与に関する処分の申立てを却下する審判申立人

216条の5 (特別の寄与に関する審判事件を本案とする保全処分)

1項 家庭裁判所( 第105条第2項 《2 本案の家事審判事件が高等裁判所に係属…》 する場合には、その高等裁判所が、前項の審判に代わる裁判をする。 の場合にあっては、高等裁判所)は、特別の寄与に関する処分についての審判又は調停の申立てがあった場合において、強制執行を保全し、又は申立人の急迫の危険を防止するため必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、特別の寄与に関する処分の審判を本案とする仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。

19節 任意後見契約法に規定する審判事件

217条 (管轄)

1項 任意後見契約の効力を発生させるための任意後見監督人の選任の審判事件(別表第1の111の項の事項についての審判事件をいう。次項及び次条において同じ。)は、 任意後見契約法 第2条第2号 《定義 第2条 この法律において、次の各号…》 に掲げる用語の意義は、当該各号の定めるところによる。 1 任意後見契約 委任者が、受任者に対し、精神上の障害により事理を弁識する能力が不10分な状況における自己の生活、療養看護及び財産の管理に関する事 の本人(以下この節において単に「本人」という。)の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 任意後見契約法 に規定する審判事件(別表第1の111の項から121の項までの事項についての審判事件をいう。)は、任意後見契約の効力を発生させるための任意後見監督人の選任の審判事件を除き、任意後見契約の効力を発生させるための任意後見監督人の選任の審判をした家庭裁判所(抗告裁判所が当該任意後見監督人を選任した場合にあっては、その第一審裁判所である家庭裁判所)の管轄に属する。ただし、任意後見契約の効力を発生させるための任意後見監督人の選任の審判事件が家庭裁判所に係属しているときは、その家庭裁判所の管轄に属する。

218条 (手続行為能力)

1項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、任意後見契約の効力を発生させるための任意後見監督人の選任の審判事件における本人について準用する。

219条 (精神の状況に関する意見の聴取)

1項 家庭裁判所は、本人の精神の状況につき医師その他適当な者の意見を聴かなければ、任意後見契約の効力を発生させるための任意後見監督人の選任の審判をすることができない。

220条 (陳述及び意見の聴取)

1項 家庭裁判所は、次の各号に掲げる審判をする場合には、当該各号に定める者(第1号及び第4号にあっては、申立人を除く。)の陳述を聴かなければならない。ただし、本人については、本人の心身の障害により本人の陳述を聴くことができないときは、この限りでない。

1号 任意後見契約の効力を発生させるための任意後見監督人の選任の審判並びに任意後見監督人が欠けた場合及び任意後見監督人を更に選任する場合における任意後見監督人の選任の審判本人

2号 任意後見監督人の解任の審判任意後見監督人

3号 任意後見人の解任の審判任意後見人

4号 任意後見契約の解除についての許可の審判本人及び任意後見人

2項 家庭裁判所は、前項第1号に掲げる審判をする場合には、任意後見監督人となるべき者の意見を聴かなければならない。

3項 家庭裁判所は、任意後見契約の効力を発生させるための任意後見監督人の選任の審判をする場合には、任意後見契約の効力が生ずることについて、任意後見受任者の意見を聴かなければならない。

221条 (申立ての取下げの制限)

1項 任意後見契約の効力を発生させるための任意後見監督人の選任及び任意後見監督人が欠けた場合における任意後見監督人の選任の申立ては、審判がされる前であっても、家庭裁判所の許可を得なければ、取り下げることができない。

222条 (審判の告知)

1項 次の各号に掲げる審判は、 第74条第1項 《審判は、特別の定めがある場合を除き、当事…》 及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 に規定する者のほか、当該各号に定める者に告知しなければならない。

1号 任意後見契約の効力を発生させるための任意後見監督人の選任の審判本人及び任意後見受任者

2号 後見開始の審判等の取消しの審判後見開始の審判の取消しの審判にあっては成年後見人及び成年後見監督人、保佐開始の審判の取消しの審判にあっては保佐人及び保佐監督人並びに補助開始の審判の取消しの審判にあっては補助人及び補助監督人

3号 任意後見人の解任の審判本人及び任意後見監督人

4号 任意後見契約の解除についての許可の審判本人、任意後見人及び任意後見監督人

223条 (即時抗告)

1項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者(第4号及び第6号にあっては、申立人を除く。)は、即時抗告をすることができる。

1号 任意後見契約の効力を発生させるための任意後見監督人の選任の申立てを却下する審判申立人

2号 任意後見監督人の解任の審判任意後見監督人

3号 任意後見監督人の解任の申立てを却下する審判申立人並びに本人及びその親族

4号 任意後見人の解任の審判本人及び任意後見人

5号 任意後見人の解任の申立てを却下する審判申立人、任意後見監督人並びに本人及びその親族

6号 任意後見契約の解除についての許可の審判本人及び任意後見人

7号 任意後見契約の解除についての許可の申立てを却下する審判申立人

224条 (任意後見監督人の事務の調査)

1項 家庭裁判所は、家庭裁判所調査官に任意後見監督人の事務を調査させることができる。

225条 (任意後見監督人の解任の審判事件等を本案とする保全処分)

1項 第127条第1項 《家庭裁判所は、成年後見人の解任の審判事件…》 が係属している場合において、成年被後見人の利益のため必要があるときは、成年後見人の解任の申立てをした者の申立てにより又は職権で、成年後見人の解任についての審判が効力を生ずるまでの間、成年後見人の職務の から第4項までの規定は、任意後見監督人の解任の審判事件(別表第1の117の項の事項についての審判事件をいう。)を本案とする保全処分について準用する。

2項 第127条第1項 《家庭裁判所は、成年後見人の解任の審判事件…》 が係属している場合において、成年被後見人の利益のため必要があるときは、成年後見人の解任の申立てをした者の申立てにより又は職権で、成年後見人の解任についての審判が効力を生ずるまでの間、成年後見人の職務の 及び第2項の規定は、任意後見人の解任の審判事件(別表第1の120の項の事項についての審判事件をいう。)を本案とする保全処分について準用する。この場合において、同条第1項中「停止し、又はその職務代行者を選任する」とあるのは「停止する」と、同条第2項中「同項の規定により選任した職務代行者」とあるのは「任意後見監督人」と読み替えるものとする。

20節 戸籍法に規定する審判事件

226条 (管轄)

1項 次の各号に掲げる審判事件は、当該各号に定める地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

1号 氏若しくは名の変更又は氏の振り仮名若しくは名の振り仮名の変更についての許可の審判事件(別表第1の122の項の事項についての審判事件をいう。)申立人の住所地

2号 就籍許可の審判事件(別表第1の123の項の事項についての審判事件をいう。)就籍しようとする地

3号 戸籍の訂正についての許可の審判事件(別表第1の124の項の事項についての審判事件をいう。)その戸籍のある地

4号 戸籍事件についての市町村長の処分に対する不服の審判事件(別表第1の125の項の事項についての審判事件をいう。次条において同じ。)市役所( 戸籍法 1947年法律第224号第4条 《 この法律中市、市長及び市役所に関する規…》 定は、特別区においては特別区、特別区の区長及び特別区の区役所に、地方自治法第252条の19第1項の指定都市においては区及び総合区、区長及び総合区長並びに及び総合区の区役所にこれを準用する。 において準用する同法第122条の規定による場合にあっては、区役所又は町村役場の所在地

227条 (手続行為能力)

1項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、 戸籍法 に規定する審判事件(別表第1の122の項から125の項までの事項についての審判事件をいう。)における当該審判事件の申立てをすることができる者について準用する。ただし、戸籍事件についての市町村長の処分に対する不服の審判事件においては、当該処分を受けた届出その他の行為を自らすることができる場合に限る。

228条 (事件係属の通知)

1項 家庭裁判所は、 戸籍法 第113条 《 戸籍の記載が法律上許されないものである…》 こと又はその記載に錯誤若しくは遺漏があることを発見した場合には、利害関係人は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍の訂正を申請することができる。 の規定による戸籍の訂正についての許可の申立てが当該戸籍の届出人又は届出事件の本人以外の者からされた場合には、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、当該届出人又は届出事件の本人に対し、その旨を通知しなければならない。ただし、事件の記録上これらの者の氏名及び住所又は居所が判明している場合に限る。

229条 (陳述及び意見の聴取)

1項 家庭裁判所は、氏又は氏の振り仮名の変更についての許可の審判をする場合には、申立人と同一戸籍内にある者(15歳以上のものに限る。)の陳述を聴かなければならない。

2項 家庭裁判所は、戸籍事件についての市町村長(特別区の区長を含むものとし、 地方自治法 1947年法律第67号第252条の19第1項 《政令で指定する人口五十万以上の市以下「指…》 定都市」という。は、次に掲げる事務のうち都道府県が法律又はこれに基づく政令の定めるところにより処理することとされているものの全部又は一部で政令で定めるものを、政令で定めるところにより、処理することがで の指定都市にあっては、区長又は総合区長とする。以下この節において同じ。)の処分に対する不服の申立てがあった場合には、当該市町村長の意見を聴かなければならない。

230条 (審判の告知等)

1項 戸籍事件についての市町村長の処分に対する不服の申立てを却下する審判は、 第74条第1項 《審判は、特別の定めがある場合を除き、当事…》 及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 に規定する者のほか、当該市町村長に告知しなければならない。

2項 家庭裁判所は、戸籍事件についての市町村長の処分に対する不服の申立てを理由があると認めるときは、当該市町村長に対し、相当の処分を命じなければならない。

231条 (即時抗告)

1項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

1号 又は氏の振り仮名の変更についての許可の審判利害関係人(申立人を除く。

2号 氏若しくは名の変更又は氏の振り仮名若しくは名の振り仮名の変更についての許可の申立てを却下する審判申立人

3号 就籍許可の申立てを却下する審判申立人

4号 戸籍の訂正についての許可の審判利害関係人(申立人を除く。

5号 戸籍の訂正についての許可の申立てを却下する審判申立人

6号 前条第2項の規定による市町村長に相当の処分を命ずる審判当該市町村長

7号 戸籍事件についての市町村長の処分に対する不服の申立てを却下する審判申立人

21節 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律に規定する審判事件

232条

1項 性別の取扱いの変更の審判事件(別表第1の126の項の事項についての審判事件をいう。次項において同じ。)は、申立人の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、性別の取扱いの変更の審判事件における申立人について準用する。

3項 性別の取扱いの変更の申立てをした者は、その申立てを却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。

22節 厚生年金保険法に規定する審判事件

233条

1項 請求すべきあん分割合に関する処分の審判事件(別表第2の16の項の事項についての審判事件をいう。)は、申立人又は相手方の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 申立人及び相手方は、請求すべき按分割合に関する処分の審判及びその申立てを却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。

3項 請求すべき按分割合に関する処分の審判の手続については、 第68条第2項 《2 前項の規定による陳述の聴取は、当事者…》 の申出があるときは、審問の期日においてしなければならない。 の規定は、適用しない。

23節 児童福祉法に規定する審判事件

234条 (管轄)

1項 都道府県の措置についての承認の審判事件(別表第1の127の項の事項についての審判事件をいう。次条において同じ。)、都道府県の措置の期間の更新についての承認の審判事件(同表の128の項の事項についての審判事件をいう。同条において同じ。)、児童相談所長又は都道府県知事の引き続いての1時保護についての承認の審判事件(同表の128の2の項の事項についての審判事件をいう。同条において同じ。及び児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判事件(同表の128の3の項の事項についての審判事件をいう。以下この節において同じ。)は、児童の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

235条 (手続行為能力)

1項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、都道府県の措置についての承認の審判事件、都道府県の措置の期間の更新についての承認の審判事件及び児童相談所長又は都道府県知事の引き続いての1時保護についての承認の審判事件における児童を現に監護する者、児童に対し親権を行う者、児童の未成年後見人及び児童並びに児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判事件における児童及びその父母について準用する。

236条 (陳述及び意見の聴取)

1項 家庭裁判所は、都道府県の措置についての承認、都道府県の措置の期間の更新についての承認又は児童相談所長若しくは都道府県知事の引き続いての1時保護についての承認の申立てについての審判をする場合には、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、前条に規定する者(児童にあっては、15歳以上のものに限る。)の陳述を聴かなければならない。

2項 前項の場合において、家庭裁判所は、申立人に対し、児童を現に監護する者、児童に対し親権を行う者及び児童の未成年後見人の陳述に関する意見を求めることができる。

3項 第164条の2第6項 《6 家庭裁判所は、特別養子適格の確認の審…》 判をする場合には、次に掲げる者の陳述を聴かなければならない。 この場合において、第2号に掲げる者の同意がないにもかかわらずその審判をするときは、その者の陳述の聴取は、審問の期日においてしなければならな 及び第8項の規定は、児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判事件について準用する。

237条 (審判の告知)

1項 都道府県の措置についての承認、都道府県の措置の期間の更新についての承認又は児童相談所長若しくは都道府県知事の引き続いての1時保護についての承認の審判は、 第74条第1項 《審判は、特別の定めがある場合を除き、当事…》 及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 に規定する者のほか、児童を現に監護する者、児童に対し親権を行う者及び児童の未成年後見人に告知しなければならない。

2項 第164条の2第9項 《9 特別養子適格の確認の審判は、第74条…》 第1項に規定する者のほか、第6項第3号及び第4号に掲げる者に告知しなければならない。 から第11項までの規定は、児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判事件について準用する。

238条 (即時抗告)

1項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

1号 都道府県の措置についての承認の審判児童を現に監護する者、児童に対し親権を行う者及び児童の未成年後見人

2号 都道府県の措置についての承認の申立てを却下する審判申立人

3号 都道府県の措置の期間の更新についての承認の審判児童を現に監護する者、児童に対し親権を行う者及び児童の未成年後見人

4号 都道府県の措置の期間の更新についての承認の申立てを却下する審判申立人

5号 児童相談所長又は都道府県知事の引き続いての1時保護についての承認の審判児童を現に監護する者、児童に対し親権を行う者及び児童の未成年後見人

6号 児童相談所長又は都道府県知事の引き続いての1時保護についての承認の申立てを却下する審判申立人

2項 第164条の2第12項 《12 次の各号に掲げる審判に対しては、当…》 該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。 1 特別養子適格の確認の審判 養子となるべき者及び第6項第2号から第4号までに掲げる者 2 特別養子適格の確認の申立てを却下する審判 申立人 及び第13項の規定は、児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判事件について準用する。

239条 (児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判の特則)

1項 家庭裁判所は、児童の出生の日から2箇月を経過する日まで及び児童が18歳に達した日以後は、児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判をすることができない。

2項 第164条の2第5項 《5 民法第817条の六本文の同意は、次の…》 各号のいずれにも該当する場合には、撤回することができない。 ただし、その同意をした日から2週間を経過する日までは、この限りでない。 1 養子となるべき者の出生の日から2箇月を経過した後にされたものであ の規定は、児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判事件について準用する。

24節 生活保護法等に規定する審判事件

240条

1項 施設への入所等についての許可の審判事件(別表第1の129の項の事項についての審判事件をいう。第3項において同じ。)は、被保護者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 扶養義務者の負担すべき費用額の確定の審判事件(別表第2の17の項の事項についての審判事件をいう。)は、扶養義務者(数人に対する申立てに係るものにあっては、そのうちの1人)の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

3項 第118条 《手続行為能力 次に掲げる審判事件第1号…》 、第4号及び第6号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第17条第1項において準用する民事訴訟法第31条の規定にかかわらず、法 の規定は、施設への入所等についての許可の審判事件における被保護者、被保護者に対し親権を行う者及び被保護者の後見人について準用する。

4項 家庭裁判所は、施設への入所等についての許可の申立てについての審判をする場合には、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、被保護者(15歳以上のものに限る。)、被保護者に対し親権を行う者及び被保護者の後見人の陳述を聴かなければならない。

5項 施設への入所等についての許可の審判は、 第74条第1項 《審判は、特別の定めがある場合を除き、当事…》 及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 に規定する者のほか、被保護者に対し親権を行う者及び被保護者の後見人に告知しなければならない。

6項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

1号 施設への入所等についての許可の審判被保護者に対し親権を行う者及び被保護者の後見人

2号 施設への入所等についての許可の申立てを却下する審判申立人

3号 扶養義務者の負担すべき費用額の確定の審判及びその申立てを却下する審判申立人及び相手方

25節 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律に規定する審判事件

241条

1項 保護者の順位の変更及び保護者の選任の審判事件(別表第1の130の項の事項についての審判事件をいう。第4項において同じ。)は、 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律 第2条第2項 《2 この法律において「対象者」とは、次の…》 各号のいずれかに該当する者をいう。 1 公訴を提起しない処分において、対象行為を行ったこと及び刑法第39条第1項に規定する者以下「心神喪失者」という。又は同条第2項に規定する者以下「心神耗弱者」という に規定する対象者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項 家庭裁判所は、次の各号に掲げる審判をする場合には、当該各号に定める者(申立人を除く。)の意見を聴かなければならない。

1号 保護者の順位の変更の審判先順位に変更される者

2号 保護者の選任の審判保護者となるべき者

3項 保護者の順位の変更又は保護者の選任の申立てをした者は、その申立てを却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。

4項 家庭裁判所は、いつでも、保護者の順位の変更及び保護者の選任の審判事件において選任した保護者を改任することができる。

26節 破産法に規定する審判事件

242条

1項 次の各号に掲げる審判事件は、当該各号に定める地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

1号 破産手続が開始された場合における夫婦財産契約による 財産の管理者 の変更等の審判事件(別表第1の131の項の事項についての審判事件をいう。第3項において同じ。)夫又は妻の住所地

2号 親権を行う者につき破産手続が開始された場合における管理権喪失の審判事件子の住所地

3号 破産手続における相続の放棄の承認についての申述の受理の審判事件(別表第1の133の項の事項についての審判事件をいう。第3項において同じ。)相続が開始した地

2項 破産管財人は、破産手続における相続の放棄の承認についての申述を却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。

3項 第152条第1項 《家庭裁判所は、夫婦財産契約による財産の管…》 理者の変更等の審判をする場合には、夫及び妻申立人を除く。の陳述を聴かなければならない。第154条第2項 《2 家庭裁判所は、次に掲げる審判において…》 、当事者第2号の審判にあっては、夫又は妻に対し、金銭の支払、物の引渡し、登記義務の履行その他の給付を命ずることができる。 1 夫婦間の協力扶助に関する処分の審判 2 夫婦財産契約による財産の管理者の変第2号に係る部分に限る。)、 第155条 《共有財産の分割 家庭裁判所は、夫婦財産…》 契約による財産の管理者の変更の審判とともに共有財産の分割に関する処分の審判をする場合において、特別の事情があると認めるときは、共有財産の分割の方法として、一方の婚姻の当事者に他方の婚姻の当事者に対する第156条第1項 《次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号…》 に定める者は、即時抗告をすることができる。 1 夫婦間の協力扶助に関する処分の審判及びその申立てを却下する審判 夫及び妻 2 夫婦財産契約による財産の管理者の変更等の審判及びその申立てを却下する審判 第2号に係る部分に限る。及び 第158条 《夫婦財産契約による財産の管理者の変更等の…》 審判事件を本案とする保全処分 家庭裁判所は、夫婦の一方から夫婦財産契約による財産の管理者の変更の申立てがあった場合において、他の一方の管理する申立人所有の財産又は共有財産の管理のため必要があるときは の規定は破産手続が開始された場合における夫婦財産契約による 財産の管理者 の変更等の審判事件について、 第168条 《手続行為能力 第118条の規定は、次の…》 各号に掲げる審判事件第3号、第7号及び第8号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。における当該各号に定める者について準用する。 1 子に関する特別代理人の選任の審判事件別表第1の65第3号に係る部分に限る。)、 第169条第1項 《家庭裁判所は、次の各号に掲げる審判をする…》 場合には、当該各号に定める者第1号、第2号及び第4号にあっては、申立人を除く。の陳述を聴かなければならない。 この場合において、第1号に掲げる子の親権者の陳述の聴取は、審問の期日においてしなければなら第1号に係る部分に限る。)、 第170条 《審判の告知 次の各号に掲げる審判は、第…》 74条第1項に規定する者のほか、当該各号に定める者に告知しなければならない。 ただし、子にあっては、子の年齢及び発達の程度その他一切の事情を考慮して子の利益を害すると認める場合は、この限りでない。 1第1号に係る部分に限る。)、 第172条第1項 《次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号…》 に定める者第1号から第3号まで及び第5号にあっては、申立人を除く。は、即時抗告をすることができる。 1 親権喪失の審判 親権を喪失する者及びその親族 2 親権停止の審判 親権を停止される者及びその親族第3号及び第4号に係る部分に限る。及び第2項(第1号に係る部分に限る。並びに 第174条 《親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判事…》 件を本案とする保全処分 家庭裁判所第105条第2項の場合にあっては、高等裁判所。以下この条及び次条において同じ。は、親権喪失、親権停止又は管理権喪失の申立てがあった場合において、子の利益のため必要が の規定(管理権喪失に関する部分に限る。)は親権を行う者につき破産手続が開始された場合における管理権喪失の審判事件について、 第201条第5項 《5 限定承認及びその取消し並びに相続の放…》 及びその取消しの申述は、次に掲げる事項を記載した申述書を家庭裁判所に提出してしなければならない。 1 当事者及び法定代理人 2 限定承認若しくはその取消し又は相続の放棄若しくはその取消しをする旨 から第8項までの規定は破産手続における相続の放棄の承認についての申述の受理の審判事件について準用する。

27節 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律に規定する審判事件

243条

1項 遺留分の算定に係る合意についての許可の審判事件(別表第1の134の項の事項についての審判事件をいう。)は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

1号 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律 2008年法律第33号第4条第1項 《旧代表者の推定相続人及び会社事業後継者は…》 、その全員の合意をもって、書面により、次に掲げる内容の定めをすることができる。 ただし、当該会社事業後継者が所有する当該特例中小会社の株式等のうち当該定めに係るものを除いたものに係る議決権の数が総株主 の規定による合意(同法第5条又は 第6条第2項 《2 裁判所の管轄区域が明確でないため管轄…》 裁判所が定まらないときは、関係のある裁判所に共通する直近上級の裁判所は、申立てにより又は職権で、管轄裁判所を定める。 の規定による合意をした場合にあっては、同法第4条第1項及び 第5条 《優先管轄 この法律の他の規定により二以…》 上の家庭裁判所が管轄権を有するときは、家事事件は、先に申立てを受け、又は職権で手続を開始した家庭裁判所が管轄する。 又は 第6条第2項 《2 裁判所の管轄区域が明確でないため管轄…》 裁判所が定まらないときは、関係のある裁判所に共通する直近上級の裁判所は、申立てにより又は職権で、管轄裁判所を定める。 の規定による合意)についての申立てに係るものである場合同法第3条第2項の旧代表者の住所地

2号 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律 第4条第3項 《3 旧個人事業者の推定相続人及び個人事業…》 後継者は、その全員の合意をもって、書面により、当該個人事業後継者が当該旧個人事業者からの贈与又は当該事業用資産受贈者からの相続により取得した事業用資産の全部又は一部について、その価額を遺留分を算定する の規定による合意(同法第5条又は 第6条第2項 《2 裁判所の管轄区域が明確でないため管轄…》 裁判所が定まらないときは、関係のある裁判所に共通する直近上級の裁判所は、申立てにより又は職権で、管轄裁判所を定める。 の規定による合意をした場合にあっては、同法第4条第3項及び 第5条 《優先管轄 この法律の他の規定により二以…》 上の家庭裁判所が管轄権を有するときは、家事事件は、先に申立てを受け、又は職権で手続を開始した家庭裁判所が管轄する。 又は 第6条第2項 《2 裁判所の管轄区域が明確でないため管轄…》 裁判所が定まらないときは、関係のある裁判所に共通する直近上級の裁判所は、申立てにより又は職権で、管轄裁判所を定める。 の規定による合意)についての申立てに係るものである場合同法第3条第4項の旧個人事業者の住所地

2項 遺留分の算定に係る合意についての許可の審判は、当該合意の当事者の全員に告知しなければならない。

3項 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

1号 遺留分の算定に係る合意についての許可の審判当該合意の当事者(申立人を除く。

2号 遺留分の算定に係る合意についての許可の申立てを却下する審判当該合意の当事者

3編 家事調停に関する手続 > 1章 総則 > 1節 通則

244条 (調停事項等)

1項 家庭裁判所は、人事に関する訴訟事件その他家庭に関する事件(別表第1に掲げる事項についての事件を除く。)について調停を行うほか、この編の定めるところにより審判をする。

245条 (管轄等)

1項 家事調停事件は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所の管轄に属する。

2項 民事訴訟法 第11条第2項 《2 前項の合意は、一定の法律関係に基づく…》 訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。 及び第3項の規定は、前項の合意について準用する。

3項 第191条第2項 《2 前項の承認は、公共の利益を害し、又は…》 公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある場合を除き、拒むことができない。 及び 第192条 《不出頭に対する過料等 証人が正当な理由…》 なく出頭しないときは、裁判所は、決定で、これによって生じた訴訟費用の負担を命じ、かつ、110,000円以下の過料に処する。 2 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 の規定は、遺産の分割の調停事件(別表第2の12の項の事項についての調停事件をいう。及び寄与分を定める処分の調停事件(同表の14の項の事項についての調停事件をいう。)について準用する。この場合において、 第191条第2項 《2 前項の承認は、公共の利益を害し、又は…》 公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある場合を除き、拒むことができない。 中「前項」とあるのは、「 第245条第1項 《裁判所は、独立した攻撃又は防御の方法その…》 他中間の争いについて、裁判をするのに熟したときは、中間判決をすることができる。 請求の原因及び数額について争いがある場合におけるその原因についても、同様とする。 」と読み替えるものとする。

246条 (地方裁判所又は簡易裁判所への移送)

1項 家庭裁判所は、 第244条 《調停事項等 家庭裁判所は、人事に関する…》 訴訟事件その他家庭に関する事件別表第1に掲げる事項についての事件を除く。について調停を行うほか、この編の定めるところにより審判をする。 の規定により調停を行うことができる事件以外の事件について調停の申立てを受けた場合には、職権で、これを管轄権を有する地方裁判所又は簡易裁判所に移送する。

2項 家庭裁判所は、 第244条 《調停事項等 家庭裁判所は、人事に関する…》 訴訟事件その他家庭に関する事件別表第1に掲げる事項についての事件を除く。について調停を行うほか、この編の定めるところにより審判をする。 の規定により調停を行うことができる事件について調停の申立てを受けた場合において、事件を処理するために必要があると認めるときは、職権で、事件の全部又は一部を管轄権を有する地方裁判所又は簡易裁判所に移送することができる。

3項 家庭裁判所は、事件を処理するために特に必要があると認めるときは、前2項の規定にかかわらず、その事件を管轄権を有する地方裁判所又は簡易裁判所以外の地方裁判所又は簡易裁判所(事物管轄権を有するものに限る。)に移送することができる。

4項 第9条第3項 《3 前2項の規定による移送の裁判及び第1…》 項の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 から第5項までの規定は、前3項の規定による移送の裁判について準用する。

247条 (調停機関)

1項 家庭裁判所は、調停委員会で調停を行う。ただし、家庭裁判所が相当と認めるときは、裁判官のみで行うことができる。

2項 家庭裁判所は、当事者の申立てがあるときは、前項ただし書の規定にかかわらず、調停委員会で調停を行わなければならない。

248条 (調停委員会)

1項 調停委員会は、裁判官1人及び家事調停委員2人以上で組織する。

2項 調停委員会を組織する家事調停委員は、家庭裁判所が各事件について指定する。

3項 調停委員会の決議は、過半数の意見による。可否同数の場合には、裁判官の決するところによる。

4項 調停委員会の評議は、秘密とする。

249条 (家事調停委員)

1項 家事調停委員は、非常勤とし、その任免に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

2項 家事調停委員には、別に法律で定めるところにより手当を支給し、並びに最高裁判所規則で定める額の旅費、日当及び宿泊料を支給する。

250条 (家事調停官の任命等)

1項 家事調停官は、弁護士で5年以上その職にあったもののうちから、最高裁判所が任命する。

2項 家事調停官は、この法律の定めるところにより、家事調停事件の処理に必要な職務を行う。

3項 家事調停官は、任期を2年とし、再任されることができる。

4項 家事調停官は、非常勤とする。

5項 家事調停官は、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、在任中、その意に反して解任されることがない。

1号 弁護士法 1949年法律第205号第7条 《弁護士の欠格事由 次に掲げる者は、第4…》 条、第5条及び前条の規定にかかわらず、弁護士となる資格を有しない。 1 拘禁刑以上の刑に処せられた者 2 弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者 3 懲戒の処分により、弁護士若しくは外国法事務弁護士であつて 各号のいずれかに該当するに至ったとき。

2号 心身の故障のため職務の執行ができないと認められたとき。

3号 職務上の義務違反その他家事調停官たるに適しない非行があると認められたとき。

6項 この法律に定めるもののほか、家事調停官の任免に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

251条 (家事調停官の権限等)

1項 家事調停官は、家庭裁判所の指定を受けて、家事調停事件を取り扱う。

2項 家事調停官は、その取り扱う家事調停事件の処理について、この法律において家庭裁判所、裁判官又は裁判長が行うものとして定める家事調停事件の処理に関する権限を行うことができる。

3項 家事調停官は、独立してその職権を行う。

4項 家事調停官は、その権限を行うについて、裁判所書記官、家庭裁判所調査官及び医師である裁判所技官に対し、その職務に関し必要な命令をすることができる。この場合において、 裁判所法 1947年法律第59号第60条第5項 《裁判所書記官は、口述の書取その他書類又は…》 電磁的記録の作成又は変更に関して裁判官の命令を受けた場合において、その作成又は変更を正当でないと認めるときは、自己の意見を書き添え、又は併せて記録することができる。 の規定は、家事調停官の命令を受けた裁判所書記官について準用する。

5項 家事調停官には、別に法律で定めるところにより手当を支給し、並びに最高裁判所規則で定める額の旅費、日当及び宿泊料を支給する。

252条 (手続行為能力)

1項 次の各号に掲げる調停事件(第1号及び第2号にあっては、財産上の給付を求めるものを除く。)において、当該各号に定める者は、 第17条第1項 《当事者能力、家事事件の手続における手続上…》 の行為以下「手続行為」という。をすることができる能力以下この項において「手続行為能力」という。、手続行為能力を欠く者の法定代理及び手続行為をするのに必要な授権については、民事訴訟法第28条、第29条、 において準用する 民事訴訟法 第31条 《未成年者及び成年被後見人の訴訟能力 未…》 成年者及び成年被後見人は、法定代理人によらなければ、訴訟行為をすることができない。 ただし、未成年者が独立して法律行為をすることができる場合は、この限りでない。 の規定にかかわらず、法定代理人によらずに、自ら 手続行為 をすることができる。その者が被保佐人又は被補助人(手続行為をすることにつきその補助人の同意を得ることを要するものに限る。)であって、保佐人若しくは保佐監督人又は補助人若しくは補助監督人の同意がない場合も、同様とする。

1号 夫婦間の協力扶助に関する処分の調停事件(別表第2の1の項の事項についての調停事件をいう。 第258条第3項 《3 前項の決定に対しては、即時抗告をする…》 ことができる。 において同じ。)夫及び

2号 子の監護に関する処分の調停事件(別表第2の3の項の事項についての調停事件をいう。 第258条第3項 《3 前項の決定に対しては、即時抗告をする…》 ことができる。 において同じ。)子

3号 養子の離縁後に親権者となるべき者の指定の調停事件(別表第2の7の項の事項についての調停事件をいう。)養子、その父母及び養親

4号 親権者の指定又は変更の調停事件(別表第2の8の項の事項についての調停事件をいう。)子及びその父母

5号 親権行使者の指定の調停事件(別表第2の8の2の項の事項についての調停事件をいう。)子及びその父母

6号 人事訴訟法 第2条 《定義 この法律において「人事訴訟」とは…》 、次に掲げる訴えその他の身分関係の形成又は存否の確認を目的とする訴え以下「人事に関する訴え」という。に係る訴訟をいう。 1 婚姻の無効及び取消しの訴え、離婚の訴え、協議上の離婚の無効及び取消しの訴え並 に規定する人事に関する訴え( 第277条第1項 《人事に関する訴え離婚及び離縁の訴えを除く…》 。を提起することができる事項についての家事調停の手続において、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、家庭裁判所は、必要な事実を調査した上、第1号の合意を正当と認めるときは、当該合意に相当す において単に「人事に関する訴え」という。)を提起することができる事項についての調停事件同法第13条第1項の規定が適用されることにより訴訟行為をすることができることとなる者

2項 親権を行う者又は後見人は、 第18条 《未成年者及び成年被後見人の法定代理人 …》 親権を行う者又は後見人は、第118条この法律の他の規定において準用する場合を含む。又は第252条第1項の規定により未成年者又は成年被後見人が法定代理人によらずに自ら手続行為をすることができる場合であっ の規定にかかわらず、前項第1号、第3号及び第4号に掲げる調停事件(同項第1号の調停事件にあっては、財産上の給付を求めるものを除く。)においては、当該各号に定める者に代理して 第268条第1項 《調停において当事者間に合意が成立し、裁判…》 所書記官が、その合意について電子調書を作成し、これをファイルに記録したときは、調停が成立したものとし、その記録は、確定判決別表第2に掲げる事項にあっては、確定した第39条の規定による審判と同1の効力を の合意、 第270条第1項 《当事者の一方が出頭することが困難であると…》 認められる場合において、その当事者があらかじめ調停委員会裁判官のみで家事調停の手続を行う場合にあっては、その裁判官。次項、次条及び第272条第1項において同じ。から提示された調停条項案を受諾する旨の書 に規定する調停条項案の受諾及び 第286条第8項 《8 当事者が、申立てに係る家事調停離婚又…》 は離縁についての家事調停を除く。の手続において、調停に代わる審判に服する旨の共同の申出をしたときは、第1項の規定は、適用しない。 の共同の申出をすることができない。離婚についての調停事件における夫及び妻の後見人並びに離縁についての調停事件における養親の後見人、養子(15歳以上のものに限る。以下この項において同じ。)に対し親権を行う者及び養子の後見人についても、同様とする。

253条 (電子調書の作成)

1項 裁判所書記官は、家事調停の手続の期日について、最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書を作成しなければならない。ただし、裁判長においてその必要がないと認めるときは、この限りでない。

254条 (非電磁的家事調停事件記録の閲覧等)

1項 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、非電磁的家事調停事件記録(家事調停事件の記録中次条第1項に規定する電磁的家事調停事件記録を除いた部分をいう。以下この条において同じ。)の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。

2項 前項の規定は、非電磁的家事調停事件記録中の 録音テープ等 に関しては、適用しない。この場合において、当事者又は利害関係を疎明した第三者は、家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、これらの物の複製を請求することができる。

3項 家庭裁判所は、当事者又は利害関係を疎明した第三者から前2項の規定による許可の申立てがあった場合(第6項に規定する場合を除く。)において、相当と認めるときは、これを許可することができる。

4項 当事者は、非電磁的家事調停事件記録中当該当事者が提出した書面等又は 録音テープ等 については、第1項及び第2項の規定にかかわらず、家庭裁判所の許可を得ないで、裁判所書記官に対し、その閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製を請求することができる。次条第4項第3号又は第4号に掲げる事項について 第38条の2 《 家事事件の手続における申立て等について…》 は、民事訴訟法第133条、第133条の2第1項、第5項及び第6項並びに第133条の4第1項から第3項まで、第4項第1号に係る部分に限る。及び第5項から第7項までの規定を準用する。 この場合において、次 において読み替えて準用する 民事訴訟法 第133条の2第5項 《5 裁判所は、第2項の申立てがあった場合…》 において、必要があると認めるときは、電磁的訴訟記録等電磁的訴訟記録又は第132条の4第1項の処分の申立てに係る事件の記録中ファイル記録事項に係る部分をいう。以下この項及び次項において同じ。中当該秘匿事 の規定によりその内容を書面に出力し、又はこれを他の記録媒体に記録する措置を講じた場合の当該書面又は当該記録媒体についても、同様とする。

5項 非電磁的家事調停事件記録の閲覧、謄写及び複製の請求は、非電磁的家事調停事件記録の保存又は裁判所若しくは調停委員会の執務に支障があるときは、することができない。

6項 第277条第1項 《第158条の規定は、原告又は被告が口頭弁…》 論の続行の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしない場合について準用する。 に規定する事項についての調停事件において、当事者から第1項又は第2項の規定による許可の申立てがあった場合については、 第47条第3項 《3 前項の書面は、当事者双方に送達しなけ…》 ればならない。 、第4項及び第8項から第10項までの規定を準用する。

254条の2 (電磁的家事調停事件記録の閲覧等)

1項 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、電磁的家事調停事件記録(家事調停事件の記録中この法律その他の法令の規定によりファイルに記録された事項に係る部分をいう。以下この条において同じ。)の内容を最高裁判所規則で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。

2項 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、電磁的家事調停事件記録に記録されている事項について、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法による複写を請求することができる。

3項 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、電磁的家事調停事件記録に記録されている事項の全部若しくは一部を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該書面の内容が電磁的家事調停記録に記録されている事項と同一であることを証明したものを交付し、又は当該事項の全部若しくは一部を記録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該電磁的記録の内容が電磁的家事調停事件記録に記録されている事項と同一であることを証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。

4項 電磁的家事調停事件記録中次に掲げる事項に係る部分については、当事者は、前3項の規定にかかわらず、家庭裁判所の許可を得ないで、裁判所書記官に対し、電磁的家事調停事件記録の閲覧等(第1項の規定による閲覧、第2項の規定による複写又は前項の規定による書面の交付若しくは電磁的記録の提供をいう。次項及び第6項において同じ。)を請求することができる。

1号 第258条第1項 《第41条から第43条までの規定は家事調停…》 の手続における参加及び排除について、第44条の規定は家事調停の手続における受継について、第51条から第55条までの規定は家事調停の手続の期日について、第56条から第62条まで及び第64条の規定は家事調 において準用する 第76条第1項 《審判は、最高裁判所規則で定めるところによ…》 り、審判に係る電磁的記録以下「電子審判書」という。を作成してしなければならない。 ただし、即時抗告をすることができない審判については、最高裁判所規則で定めるところにより、主文、当事者及び法定代理人並び に規定する 電子審判書 同条第3項の規定によりファイルに記録されたものに限る。又は電子決定書( 第258条第1項 《第41条から第43条までの規定は家事調停…》 の手続における参加及び排除について、第44条の規定は家事調停の手続における受継について、第51条から第55条までの規定は家事調停の手続の期日について、第56条から第62条まで及び第64条の規定は家事調 において準用する 第81条第1項 《家庭裁判所は、家事審判の手続においては、…》 審判をする場合を除き、決定で裁判をする。 この場合には、第73条から第79条まで第74条第2項ただし書、第76条第1項及び第78条第3項を除く。の規定を準用する。 において準用する 第76条第2項 《2 電子審判書には、次に掲げる事項を記録…》 しなければならない。 1 主文 2 理由の要旨 3 当事者及び法定代理人 4 裁判所 及び第3項の規定により作成され、ファイルに記録された電磁的記録をいう。 第269条第2項 《2 更正決定は、最高裁判所規則で定めると…》 ころにより、電子決定書を作成してしなければならない。 において同じ。)に記録されている事項

2号 調停において成立した合意を記録し、又は調停をしないものとして、若しくは調停が成立しないものとして事件が終了した旨を記録した電子調書に記録されている事項

3号 当該当事者がこの法律その他の法令の規定により最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してファイルに記録した事項

4号 当該当事者が提出した書面等又は記録媒体に記載され、又は記録された事項が 第38条第1項 《家事事件の手続における申立てその他の申述…》 次項及び次条において「申立て等」という。については、民事訴訟法第132条の十、第132条の十一及び第132条の十二第1項第1号に係る部分を除く。の規定を準用する。 この場合において、同法第132条の1 において読み替えて準用する 民事訴訟法 第132条の12第1項 《申立て等が書面等により行われたとき前条第…》 1項の規定に違反して行われたときを除く。は、裁判所書記官は、当該書面等に記載された事項次の各号に掲げる場合における当該各号に定める事項を除く。をファイルに記録しなければならない。 ただし、当該事項をフ の規定又は 第38条第2項 《2 家事事件別表第1に掲げる事項について…》 の審判事件同表に掲げる事項についての第106条第1項に規定する審判前の保全処分の事件を含む。であって最高裁判所規則で定めるものを除く。の手続においてこの法律その他の法令の規定に基づき裁判所に提出された において読み替えて準用する同法第132条の13の規定によりファイルに記録された場合における当該事項

5項 前条第3項の規定は電磁的家事調停事件記録の閲覧等の許可の申立てについて、同条第5項の規定は電磁的家事調停事件記録の閲覧及び複写の請求について、それぞれ準用する。

6項 第277条第1項 《人事に関する訴え離婚及び離縁の訴えを除く…》 。を提起することができる事項についての家事調停の手続において、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、家庭裁判所は、必要な事実を調査した上、第1号の合意を正当と認めるときは、当該合意に相当す に規定する事項についての調停事件において、当事者から電磁的家事調停事件記録の閲覧等の許可の申立てがあった場合については、 第47条第3項 《3 家庭裁判所は、当事者から前2項の規定…》 による許可の申立てがあったときは、これを許可しなければならない。 、第4項及び第8項から第10項までの規定を準用する。

254条の3 (家事調停事件に関する事項の証明)

1項 当事者は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、家事調停事件に関する事項を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを交付し、又は当該事項を記録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。

2項 利害関係を疎明した第三者は、家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、前項の規定による請求をすることができる。

3項 家庭裁判所は、利害関係を疎明した第三者から前項の規定による許可の申立てがあった場合において、相当と認めるときは、これを許可することができる。

2節 家事調停の申立て等

255条 (家事調停の申立て)

1項 家事調停の申立ては、申立書(次項及び次条において「 家事調停の申立書 」という。)を家庭裁判所に提出してしなければならない。

2項 家事調停の申立書 には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

1号 当事者及び法定代理人

2号 申立ての趣旨及び理由

3項 家事調停の申立てを不適法として却下する審判に対しては、即時抗告をすることができる。

4項 第49条第3項 《3 申立人は、二以上の事項について審判を…》 求める場合において、これらの事項についての家事審判の手続が同種であり、これらの事項が同1の事実上及び法律上の原因に基づくときは、1の申立てにより求めることができる。 から第7項まで及び 第50条 《申立ての変更 申立人は、申立ての基礎に…》 変更がない限り、申立ての趣旨又は理由を変更することができる。 ただし、第71条第188条第4項において準用する場合を含む。の規定により審理を終結した後は、この限りでない。 2 申立ての趣旨又は理由の変第1項ただし書を除く。)の規定は、家事調停の申立てについて準用する。この場合において、 第49条第4項 《4 家事審判の申立書が第2項の規定に違反…》 する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。 中「第2項」とあるのは、「 第255条第2項 《2 家事調停の申立書には、次に掲げる事項…》 を記載しなければならない。 1 当事者及び法定代理人 2 申立ての趣旨及び理由 」と読み替えるものとする。

256条 (家事調停の申立書の写しの送付等)

1項 家事調停の申立てがあった場合には、家庭裁判所は、申立てが不適法であるとき又は家事調停の手続の期日を経ないで 第271条 《調停をしない場合の事件の終了 調停委員…》 会は、事件が性質上調停を行うのに適当でないと認めるとき、又は当事者が不当な目的でみだりに調停の申立てをしたと認めるときは、調停をしないものとして、家事調停事件を終了させることができる。 の規定により家事調停事件を終了させるときを除き、 家事調停の申立書 の写しを相手方に送付しなければならない。ただし、家事調停の手続の円滑な進行を妨げるおそれがあると認められるときは、家事調停の申立てがあったことを通知することをもって、家事調停の申立書の写しの送付に代えることができる。

2項 第49条第4項 《4 家事審判の申立書が第2項の規定に違反…》 する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。 から第6項までの規定は前項の規定による 家事調停の申立書 の写しの送付又はこれに代わる通知をすることができない場合について、 第67条第3項 《3 裁判長は、第1項の規定による家事審判…》 の申立書の写しの送付又はこれに代わる通知の費用の予納を相当の期間を定めて申立人に命じた場合において、その予納がないときは、命令で、家事審判の申立書を却下しなければならない。 及び第4項の規定は前項の規定による家事調停の申立書の写しの送付又はこれに代わる通知の費用の予納について準用する。

257条 (調停前置主義)

1項 第244条 《調停事項等 家庭裁判所は、人事に関する…》 訴訟事件その他家庭に関する事件別表第1に掲げる事項についての事件を除く。について調停を行うほか、この編の定めるところにより審判をする。 の規定により調停を行うことができる事件について訴えを提起しようとする者は、まず家庭裁判所に家事調停の申立てをしなければならない。

2項 前項の事件について家事調停の申立てをすることなく訴えを提起した場合には、裁判所は、職権で、事件を家事調停に付さなければならない。ただし、裁判所が事件を調停に付することが相当でないと認めるときは、この限りでない。

3項 裁判所は、前項の規定により事件を調停に付する場合においては、事件を管轄権を有する家庭裁判所に処理させなければならない。ただし、家事調停事件を処理するために特に必要があると認めるときは、事件を管轄権を有する家庭裁判所以外の家庭裁判所に処理させることができる。

3節 家事調停の手続

258条 (家事審判の手続の規定の準用等)

1項 第41条 《当事者参加 当事者となる資格を有する者…》 は、当事者として家事審判の手続に参加することができる。 2 家庭裁判所は、相当と認めるときは、当事者の申立てにより又は職権で、他の当事者となる資格を有する者審判を受ける者となるべき者に限る。を、当事者 から 第43条 《手続からの排除 家庭裁判所は、当事者と…》 なる資格を有しない者及び当事者である資格を喪失した者を家事審判の手続から排除することができる。 2 前項の規定による排除の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 までの規定は家事調停の手続における参加及び排除について、 第44条 《法令により手続を続行すべき者による受継 …》 当事者が死亡、資格の喪失その他の事由によって家事審判の手続を続行することができない場合には、法令により手続を続行する資格のある者は、その手続を受け継がなければならない。 2 法令により手続を続行する の規定は家事調停の手続における受継について、 第51条 《事件の関係人の呼出し 家庭裁判所は、家…》 事審判の手続の期日に事件の関係人を呼び出すことができる。 2 呼出しを受けた事件の関係人は、家事審判の手続の期日に出頭しなければならない。 ただし、やむを得ない事由があるときは、代理人を出頭させること から 第55条 《通訳人の立会い等その他の措置 家事審判…》 の手続の期日における通訳人の立会い等については民事訴訟法第154条の規定を、家事審判事件の手続関係を明瞭にするために必要な陳述をすることができない当事者、利害関係参加人、代理人及び補佐人に対する措置に までの規定は家事調停の手続の期日について、 第56条 《事実の調査及び証拠調べ等 家庭裁判所は…》 、職権で事実の調査をし、かつ、申立てにより又は職権で、必要と認める証拠調べをしなければならない。 2 当事者は、適切かつ迅速な審理及び審判の実現のため、事実の調査及び証拠調べに協力するものとする。 から 第62条 《調査の嘱託等 家庭裁判所は、必要な調査…》 を官庁、公署その他適当と認める者に嘱託し、又は銀行、信託会社、関係人の使用者その他の者に対し関係人の預金、信託財産、収入その他の事項に関して必要な報告を求めることができる。 まで及び 第64条 《証拠調べ 家事審判の手続における証拠調…》 べについては、民事訴訟法第2編第4章第1節から第6節までの規定同法第179条、第182条、第187条から第189条まで、第207条第2項、第208条、第224条同法第229条第2項及び第232条第1項 の規定は家事調停の手続における事実の調査及び証拠調べについて、 第65条 《 家庭裁判所は、親子、親権又は未成年後見…》 に関する家事審判その他未成年者である子未成年被後見人を含む。以下この条において同じ。がその結果により影響を受ける家事審判の手続においては、子の陳述の聴取、家庭裁判所調査官による調査その他の適切な方法に の規定は家事調停の手続における子の意思の把握等について、 第73条 《審判 家庭裁判所は、家事審判事件が裁判…》 をするのに熟したときは、審判をする。 2 家庭裁判所は、家事審判事件の一部が裁判をするのに熟したときは、その一部について審判をすることができる。 手続の併合を命じた数個の家事審判事件中その一が裁判をす第74条 《審判の告知及び効力の発生等 審判は、特…》 別の定めがある場合を除き、当事者及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。 2 審判申立てを却下する審判を除く。は、特別の定めがある場合を第76条 《審判の方式及び電子審判書 審判は、最高…》 裁判所規則で定めるところにより、審判に係る電磁的記録以下「電子審判書」という。を作成してしなければならない。 ただし、即時抗告をすることができない審判については、最高裁判所規則で定めるところにより、主第1項ただし書を除く。)、 第77条 《更正決定 審判に計算違い、誤記その他こ…》 れらに類する明白な誤りがあるときは、家庭裁判所は、申立てにより又は職権で、いつでも更正決定をすることができる。 2 更正決定は、最高裁判所規則で定めるところにより、電子決定書を作成してしなければならな 及び 第79条 《審判に関する民事訴訟法の準用 民事訴訟…》 法第247条、第256条第1項及び第258条第2項後段を除く。の規定は、審判について準用する。 この場合において、同法第256条第1項中「言渡し後」とあるのは、「審判が告知を受ける者に最初に告知された の規定は家事調停に関する審判について、 第81条 《審判以外の裁判 家庭裁判所は、家事審判…》 の手続においては、審判をする場合を除き、決定で裁判をする。 この場合には、第73条から第79条まで第74条第2項ただし書、第76条第1項及び第78条第3項を除く。の規定を準用する。 2 家事審判の手続 の規定は家事調停に関する審判以外の裁判について準用する。

2項 前項において準用する 第61条第1項 《家庭裁判所は、他の家庭裁判所又は簡易裁判…》 所に事実の調査を嘱託することができる。 の規定により家事調停の手続における事実の調査の嘱託を受けた裁判所は、相当と認めるときは、裁判所書記官に当該嘱託に係る事実の調査をさせることができる。ただし、嘱託を受けた家庭裁判所が家庭裁判所調査官に当該嘱託に係る事実の調査をさせることを相当と認めるときは、この限りでない。

3項 第152条の2 《情報開示命令 家庭裁判所は、次に掲げる…》 審判事件において、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、当事者に対し、その収入及び資産の状況に関する情報を開示することを命ずることができる。 1 夫婦間の協力扶助に関する処分の審判事件 2 の規定は夫婦間の協力扶助に関する処分の調停事件、婚姻費用の分担に関する処分の調停事件(別表第2の2の項の事項についての調停事件をいう。)、子の監護に関する処分の調停事件(子の監護に要する費用の分担に関する処分の調停事件に限る。)、財産の分与に関する処分の調停事件(同表の4の項の事項についての調停事件をいう。及び離婚についての調停事件について、 第152条の3 《審判前の親子交流の試行的実施 家庭裁判…》 所は、子の監護に関する処分の審判事件子の監護に要する費用の分担に関する処分の審判事件を除く。において、子の心身の状態に照らして相当でないと認める事情がなく、かつ、事実の調査のため必要があると認めるとき の規定は子の監護に関する処分の調停事件(子の監護に要する費用の分担に関する処分の調停事件を除く。及び離婚についての調停事件について、 第184条の2 《情報開示命令 家庭裁判所は、扶養の程度…》 又は方法についての決定及びその決定の変更又は取消しの審判事件において、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、当事者に対し、その収入及び資産の状況に関する情報を開示することを命ずることができ の規定は扶養の程度又は方法についての決定及びその決定の変更又は取消しの調停事件(同表の10の項の事項についての調停事件をいう。)について、それぞれ準用する。

259条 (調停委員会が行う家事調停の手続の指揮)

1項 調停委員会が行う家事調停の手続は、調停委員会を組織する裁判官が指揮する。

260条 (調停委員会等の権限)

1項 調停委員会が家事調停を行う場合には、次に掲げる事項に関する裁判所の権限は、調停委員会が行う。

1号 第22条 《手続代理人の資格 法令により裁判上の行…》 為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ手続代理人となることができない。 ただし、家庭裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を手続代理人とすることができる。 2 前項ただし書の許可 の規定による手続代理人の許可等

2号 第27条 《補佐人 家事事件の手続における補佐人に…》 ついては、民事訴訟法第60条の規定を準用する。 において準用する 民事訴訟法 第60条第1項 《当事者又は訴訟代理人は、裁判所の許可を得…》 て、補佐人とともに出頭することができる。 及び第2項の規定による補佐人の許可等

3号 第33条 《外国人の訴訟能力の特則 外国人は、その…》 本国法によれば訴訟能力を有しない場合であっても、日本法によれば訴訟能力を有すべきときは、訴訟能力者とみなす。 ただし書の規定による傍聴の許可

4号 第35条 《特別代理人 法定代理人がない場合又は法…》 定代理人が代理権を行うことができない場合において、未成年者又は成年被後見人に対し訴訟行為をしようとする者は、遅滞のため損害を受けるおそれがあることを疎明して、受訴裁判所の裁判長に特別代理人の選任を申し の規定による手続の併合等

5号 第255条第4項 《4 第49条第3項から第7項まで及び第5…》 0条第1項ただし書を除く。の規定は、家事調停の申立てについて準用する。 この場合において、第49条第4項中「第2項」とあるのは、「第255条第2項」と読み替えるものとする。 において準用する 第50条第3項 《3 家庭裁判所は、申立ての趣旨又は理由の…》 変更が不適法であるときは、その変更を許さない旨の裁判をしなければならない。 及び第4項の規定による申立ての変更

6号 第258条第1項 《第41条から第43条までの規定は家事調停…》 の手続における参加及び排除について、第44条の規定は家事調停の手続における受継について、第51条から第55条までの規定は家事調停の手続の期日について、第56条から第62条まで及び第64条の規定は家事調 において準用する 第41条第1項 《当事者となる資格を有する者は、当事者とし…》 て家事審判の手続に参加することができる。 及び第2項並びに 第42条第1項 《審判を受ける者となるべき者は、家事審判の…》 手続に参加することができる。 から第3項まで及び第5項の規定による参加、 第43条第1項 《家庭裁判所は、当事者となる資格を有しない…》 及び当事者である資格を喪失した者を家事審判の手続から排除することができる。 の規定による排除、 第44条第1項 《当事者が死亡、資格の喪失その他の事由によ…》 って家事審判の手続を続行することができない場合には、法令により手続を続行する資格のある者は、その手続を受け継がなければならない。 及び第3項の規定による受継、 第51条第1項 《家庭裁判所は、家事審判の手続の期日に事件…》 の関係人を呼び出すことができる。 の規定による事件の関係人の呼出し、 第54条第1項 《家庭裁判所は、相当と認めるときは、当事者…》 の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、家庭裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、家事審判の手続の期日における手続証拠調べを除く。を行うことがで の規定による音声の送受信による通話の方法による手続並びに 第56条第1項 《家庭裁判所は、職権で事実の調査をし、かつ…》 、申立てにより又は職権で、必要と認める証拠調べをしなければならない。第59条第1項 《家庭裁判所は、必要があると認めるときは、…》 家事審判の手続の期日に家庭裁判所調査官を立ち会わせることができる。 から第3項まで(これらの規定を 第60条第2項 《2 第58条第2項から第5項までの規定は…》 前項の診断について、前条第1項から第3項までの規定は裁判所技官の期日への立会い及び意見の陳述について準用する。 において準用する場合を含む。)、 第61条第1項 《家庭裁判所は、他の家庭裁判所又は簡易裁判…》 所に事実の調査を嘱託することができる。第62条 《調査の嘱託等 家庭裁判所は、必要な調査…》 を官庁、公署その他適当と認める者に嘱託し、又は銀行、信託会社、関係人の使用者その他の者に対し関係人の預金、信託財産、収入その他の事項に関して必要な報告を求めることができる。 並びに 第64条第5項 《5 家庭裁判所は、当事者本人を尋問する場…》 合には、その当事者に対し、家事審判の手続の期日に出頭することを命ずることができる。 の規定並びに同条第1項において準用する 民事訴訟法 の規定による事実の調査及び証拠調べ(過料及び勾引に関する事項を除く。

2項 調停委員会が家事調停を行う場合には、 第23条第1項 《手続行為につき行為能力の制限を受けた者が…》 第118条この法律の他の規定において準用する場合を含む。又は第252条第1項の規定により手続行為をしようとする場合において、必要があると認めるときは、裁判長は、申立てにより、弁護士を手続代理人に選任す 及び第2項の規定による手続代理人の選任等、 第34条第1項 《家事事件の手続の期日の指定及び変更は、職…》 権で、裁判長が行う。 の規定による期日の指定並びに 第253条 《電子調書の作成 裁判所書記官は、家事調…》 停の手続の期日について、最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書を作成しなければならない。 ただし、裁判長においてその必要がないと認めるときは、この限りでない。 ただし書の規定による電子調書の作成に関する裁判長の権限は、当該調停委員会を組織する裁判官が行う。

261条 (調停委員会を組織する裁判官による事実の調査及び証拠調べ等)

1項 調停委員会を組織する裁判官は、当該調停委員会の決議により、事実の調査及び証拠調べをすることができる。

2項 前項の場合には、裁判官は、家庭裁判所調査官に事実の調査をさせ、又は医師である裁判所技官に事件の関係人の心身の状況について診断をさせることができる。

3項 第58条第3項 《3 家庭裁判所調査官は、事実の調査の結果…》 を書面又は口頭で家庭裁判所に報告するものとする。 から第5項までの規定は、前項の規定による事実の調査及び心身の状況についての診断について準用する。

4項 第1項の場合には、裁判官は、相当と認めるときは、裁判所書記官に事実の調査をさせることができる。ただし、家庭裁判所調査官に事実の調査をさせることを相当と認めるときは、この限りでない。

5項 調停委員会を組織する裁判官は、当該調停委員会の決議により、家庭裁判所調査官に 第59条第4項 《4 家庭裁判所は、家事審判事件の処理に関…》 し、事件の関係人の家庭環境その他の環境の調整を行うために必要があると認めるときは、家庭裁判所調査官に社会福祉機関との連絡その他の措置をとらせることができる。 の規定による措置をとらせることができる。

262条 (家事調停委員による事実の調査)

1項 調停委員会は、相当と認めるときは、当該調停委員会を組織する家事調停委員に事実の調査をさせることができる。ただし、家庭裁判所調査官に事実の調査をさせることを相当と認めるときは、この限りでない。

263条 (意見の聴取の嘱託)

1項 調停委員会は、他の家庭裁判所又は簡易裁判所に事件の関係人から紛争の解決に関する意見を聴取することを嘱託することができる。

2項 前項の規定により意見の聴取の嘱託を受けた家庭裁判所は、相当と認めるときは、家事調停委員に当該嘱託に係る意見を聴取させることができる。

264条 (家事調停委員の専門的意見の聴取)

1項 調停委員会は、必要があると認めるときは、当該調停委員会を組織していない家事調停委員の専門的な知識経験に基づく意見を聴取することができる。

2項 前項の規定により意見を聴取する家事調停委員は、家庭裁判所が指定する。

3項 前項の規定による指定を受けた家事調停委員は、調停委員会に出席して意見を述べるものとする。

265条 (調停の場所)

1項 調停委員会は、事件の実情を考慮して、裁判所外の適当な場所で調停を行うことができる。

266条 (調停前の処分)

1項 調停委員会は、家事調停事件が係属している間、調停のために必要であると認める処分を命ずることができる。

2項 急迫の事情があるときは、調停委員会を組織する裁判官が前項の処分(以下「 調停前の処分 」という。)を命ずることができる。

3項 調停前の処分 は、執行力を有しない。

4項 調停前の処分 として必要な事項を命じられた当事者又は 利害関係参加人 が正当な理由なくこれに従わないときは、家庭裁判所は、110,000円以下の過料に処する。

267条 (裁判官のみで行う家事調停の手続)

1項 裁判官のみで家事調停の手続を行う場合においては、家庭裁判所は、相当と認めるときは、裁判所書記官に事実の調査をさせることができる。ただし、家庭裁判所調査官に事実の調査をさせることを相当と認めるときは、この限りでない。

2項 第263条 《意見の聴取の嘱託 調停委員会は、他の家…》 庭裁判所又は簡易裁判所に事件の関係人から紛争の解決に関する意見を聴取することを嘱託することができる。 2 前項の規定により意見の聴取の嘱託を受けた家庭裁判所は、相当と認めるときは、家事調停委員に当該嘱 から前条までの規定は、裁判官のみで家事調停の手続を行う場合について準用する。

4節 調停の成立

268条 (調停の成立及び効力)

1項 調停において当事者間に合意が成立し、裁判所書記官が、その合意について電子調書を作成し、これをファイルに記録したときは、調停が成立したものとし、その記録は、確定判決(別表第2に掲げる事項にあっては、確定した 第39条 《審判事項 家庭裁判所は、この編に定める…》 ところにより、別表第一及び別表第2に掲げる事項並びに同編に定める事項について、審判をする。 の規定による審判)と同1の効力を有する。

2項 家事調停事件の一部について当事者間に合意が成立したときは、その一部について調停を成立させることができる。手続の併合を命じた数個の家事調停事件中その1について合意が成立したときも、同様とする。

3項 離婚又は離縁についての調停事件においては、 第258条第1項 《第41条から第43条までの規定は家事調停…》 の手続における参加及び排除について、第44条の規定は家事調停の手続における受継について、第51条から第55条までの規定は家事調停の手続の期日について、第56条から第62条まで及び第64条の規定は家事調 において準用する 第54条第1項 《家庭裁判所は、相当と認めるときは、当事者…》 の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、家庭裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、家事審判の手続の期日における手続証拠調べを除く。を行うことがで に規定する方法によっては、調停を成立させることができない。ただし、家庭裁判所及び当事者双方が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法による場合は、この限りでない。

4項 第1項及び第2項の規定は、 第277条第1項 《人事に関する訴え離婚及び離縁の訴えを除く…》 。を提起することができる事項についての家事調停の手続において、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、家庭裁判所は、必要な事実を調査した上、第1号の合意を正当と認めるときは、当該合意に相当す に規定する事項についての調停事件については、適用しない。

5項 第1項の規定によりファイルに記録された電子調書は、当事者に送付しなければならない。

269条 (調停に係る電子調書の更正決定)

1項 前条第1項の規定によりファイルに記録された電子調書につきその内容に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、家庭裁判所は、申立てにより又は職権で、いつでも更正決定をすることができる。

2項 更正決定は、最高裁判所規則で定めるところにより、電子決定書を作成してしなければならない。

3項 更正決定に対しては、即時抗告をすることができる。

4項 第1項の申立てを不適法として却下した決定に対しては、即時抗告をすることができる。

270条 (調停条項案の書面による受諾)

1項 当事者の一方が出頭することが困難であると認められる場合において、その当事者があらかじめ調停委員会(裁判官のみで家事調停の手続を行う場合にあっては、その裁判官。次項、次条及び 第272条第1項 《調停委員会は、当事者間に合意第277条第…》 1項第1号の合意を含む。が成立する見込みがない場合又は成立した合意が相当でないと認める場合には、調停が成立しないものとして、家事調停事件を終了させることができる。 ただし、家庭裁判所が第284条第1項 において同じ。)から提示された調停条項案を受諾する旨の書面を提出し、他の当事者が家事調停の手続の期日に出頭して当該調停条項案を受諾したときは、当事者間に合意が成立したものとみなす。

2項 当事者双方が出頭することが困難であると認められる場合において、当事者双方があらかじめ調停委員会から調停が成立すべき日時を定めて提示された調停条項案を受諾する旨の書面を提出し、その日時が経過したときは、その日時に、当事者間に合意が成立したものとみなす。

3項 前2項の規定は、離婚又は離縁についての調停事件については、適用しない。

5節 調停の成立によらない事件の終了

271条 (調停をしない場合の事件の終了)

1項 調停委員会は、事件が性質上調停を行うのに適当でないと認めるとき、又は当事者が不当な目的でみだりに調停の申立てをしたと認めるときは、調停をしないものとして、家事調停事件を終了させることができる。

272条 (調停の不成立の場合の事件の終了)

1項 調停委員会は、当事者間に合意( 第277条第1項第1号 《人事に関する訴え離婚及び離縁の訴えを除く…》 。を提起することができる事項についての家事調停の手続において、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、家庭裁判所は、必要な事実を調査した上、第1号の合意を正当と認めるときは、当該合意に相当す の合意を含む。)が成立する見込みがない場合又は成立した合意が相当でないと認める場合には、調停が成立しないものとして、家事調停事件を終了させることができる。ただし、家庭裁判所が 第284条第1項 《家庭裁判所は、調停が成立しない場合におい…》 て相当と認めるときは、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を考慮して、職権で、事件の解決のため必要な審判以下「調停に代わる審判」という。をすることができる。 ただし、第277条第1項に規定する事 の規定による調停に代わる審判をしたときは、この限りでない。

2項 前項の規定により家事調停事件が終了したときは、家庭裁判所は、当事者に対し、その旨を通知しなければならない。

3項 当事者が前項の規定による通知を受けた日から2週間以内に家事調停の申立てがあった事件について訴えを提起したときは、家事調停の申立ての時に、その訴えの提起があったものとみなす。

4項 第1項の規定により別表第2に掲げる事項についての調停事件が終了した場合には、家事調停の申立ての時に、当該事項についての家事審判の申立てがあったものとみなす。

273条 (家事調停の申立ての取下げ)

1項 家事調停の申立ては、家事調停事件が終了するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。

2項 前項の規定にかかわらず、遺産の分割の調停の申立ての取下げは、相続開始の時から10年を経過した後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。

3項 第1項の規定にかかわらず、親権者の指定の調停の申立ては、家事調停事件が終了する前であっても、家庭裁判所の許可を得なければ、取り下げることができない。

4項 第82条第3項 《3 前項ただし書、第153条第199条第…》 1項において準用する場合を含む。及び第199条第2項の規定により申立ての取下げについて相手方の同意を要する場合においては、家庭裁判所は、相手方に対し、申立ての取下げがあったことを通知しなければならない 及び第4項並びに 民事訴訟法 第261条第3項 《3 訴えの取下げは、書面でしなければなら…》 ない。 及び第4項並びに 第262条第1項 《訴訟は、訴えの取下げがあった部分について…》 は、初めから係属していなかったものとみなす。 の規定は、家事調停の申立ての取下げについて準用する。この場合において、 第82条第3項 《3 前項ただし書、第153条第199条第…》 1項において準用する場合を含む。及び第199条第2項の規定により申立ての取下げについて相手方の同意を要する場合においては、家庭裁判所は、相手方に対し、申立ての取下げがあったことを通知しなければならない 中「前項ただし書、 第153条 《申立ての取下げの制限 第82条第2項の…》 規定にかかわらず、財産の分与に関する処分の審判の申立ての取下げは、相手方が本案について書面を提出し、又は家事審判の手続の期日において陳述をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない 第199条第1項 《第153条の規定は、遺産の分割の審判の申…》 立ての取下げについて準用する。 において準用する場合を含む。及び 第199条第2項 《2 第82条第2項の規定にかかわらず、遺…》 産の分割の審判の申立ての取下げは、相続開始の時から10年を経過した後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。 」とあるのは「 第273条第2項 《2 前項の規定にかかわらず、遺産の分割の…》 調停の申立ての取下げは、相続開始の時から10年を経過した後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。 」と、同法第261条第4項中「口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日࿸以下この章において「 口頭弁論等の期日 」という。)」とあるのは「家事調停の手続の期日」と読み替えるものとする。

6節 付調停等

274条 (付調停)

1項 第244条 《調停事項等 家庭裁判所は、人事に関する…》 訴訟事件その他家庭に関する事件別表第1に掲げる事項についての事件を除く。について調停を行うほか、この編の定めるところにより審判をする。 の規定により調停を行うことができる事件についての訴訟又は家事審判事件が係属している場合には、裁判所は、当事者(本案について被告又は相手方の陳述がされる前にあっては、原告又は申立人に限る。)の意見を聴いて、いつでも、職権で、事件を家事調停に付することができる。

2項 裁判所は、前項の規定により事件を調停に付する場合においては、事件を管轄権を有する家庭裁判所に処理させなければならない。ただし、家事調停事件を処理するために特に必要があると認めるときは、事件を管轄権を有する家庭裁判所以外の家庭裁判所に処理させることができる。

3項 家庭裁判所及び高等裁判所は、第1項の規定により事件を調停に付する場合には、前項の規定にかかわらず、その家事調停事件を自ら処理することができる。

4項 前項の規定により家庭裁判所又は高等裁判所が調停委員会で調停を行うときは、調停委員会は、当該裁判所がその裁判官の中から指定する裁判官1人及び家事調停委員2人以上で組織する。

5項 第3項の規定により高等裁判所が自ら調停を行う場合についてのこの編の規定の適用については、 第244条 《調停事項等 家庭裁判所は、人事に関する…》 訴訟事件その他家庭に関する事件別表第1に掲げる事項についての事件を除く。について調停を行うほか、この編の定めるところにより審判をする。第247条 《調停機関 家庭裁判所は、調停委員会で調…》 停を行う。 ただし、家庭裁判所が相当と認めるときは、裁判官のみで行うことができる。 2 家庭裁判所は、当事者の申立てがあるときは、前項ただし書の規定にかかわらず、調停委員会で調停を行わなければならない第248条第2項 《2 調停委員会を組織する家事調停委員は、…》 家庭裁判所が各事件について指定する。第254条第1項 《当事者又は利害関係を疎明した第三者は、家…》 庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、非電磁的家事調停事件記録家事調停事件の記録中次条第1項に規定する電磁的家事調停事件記録を除いた部分をいう。以下この条において同じ。の閲覧若しくは謄写又はその正 から第4項まで、 第254条の2第1項 《当事者又は利害関係を疎明した第三者は、家…》 庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、電磁的家事調停事件記録家事調停事件の記録中この法律その他の法令の規定によりファイルに記録された事項に係る部分をいう。以下こ から第4項まで、 第254条の3第2項 《2 利害関係を疎明した第三者は、家庭裁判…》 所の許可を得て、裁判所書記官に対し、前項の規定による請求をすることができる。 及び第3項、 第264条第2項 《2 前項の規定により意見を聴取する家事調…》 停委員は、家庭裁判所が指定する。第266条第4項 《4 調停前の処分として必要な事項を命じら…》 れた当事者又は利害関係参加人が正当な理由なくこれに従わないときは、家庭裁判所は、110,000円以下の過料に処する。第268条第3項 《3 離婚又は離縁についての調停事件におい…》 ては、第258条第1項において準用する第54条第1項に規定する方法によっては、調停を成立させることができない。 ただし、家庭裁判所及び当事者双方が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら ただし書、 第269条第1項 《前条第1項の規定によりファイルに記録され…》 た電子調書につきその内容に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、家庭裁判所は、申立てにより又は職権で、いつでも更正決定をすることができる。 並びに 第272条第1項 《調停委員会は、当事者間に合意第277条第…》 1項第1号の合意を含む。が成立する見込みがない場合又は成立した合意が相当でないと認める場合には、調停が成立しないものとして、家事調停事件を終了させることができる。 ただし、家庭裁判所が第284条第1項 ただし書及び第2項並びに次章及び第3章の規定中「家庭裁判所」とあるのは「高等裁判所」と、 第244条 《調停事項等 家庭裁判所は、人事に関する…》 訴訟事件その他家庭に関する事件別表第1に掲げる事項についての事件を除く。について調停を行うほか、この編の定めるところにより審判をする。第258条第1項 《第41条から第43条までの規定は家事調停…》 の手続における参加及び排除について、第44条の規定は家事調停の手続における受継について、第51条から第55条までの規定は家事調停の手続の期日について、第56条から第62条まで及び第64条の規定は家事調第276条 《訴えの取下げの擬制等 訴訟が係属してい…》 る裁判所が第257条第2項又は第274条第1項の規定により事件を調停に付した場合において、調停が成立し、又は次条第1項若しくは第284条第1項の規定による審判が確定したときは、当該訴訟について訴えの取第277条第1項第1号 《人事に関する訴え離婚及び離縁の訴えを除く…》 。を提起することができる事項についての家事調停の手続において、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、家庭裁判所は、必要な事実を調査した上、第1号の合意を正当と認めるときは、当該合意に相当す第279条第3項 《3 前項の期間は、異議の申立てをすること…》 ができる者が、審判の告知を受ける者である場合にあってはその者が審判の告知を受けた日から、審判の告知を受ける者でない場合にあっては当事者が審判の告知を受けた日二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日から 及び 第284条第1項 《家庭裁判所は、調停が成立しない場合におい…》 て相当と認めるときは、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を考慮して、職権で、事件の解決のため必要な審判以下「調停に代わる審判」という。をすることができる。 ただし、第277条第1項に規定する事 中「審判」とあるのは「審判に代わる裁判」と、 第267条第1項 《裁判官のみで家事調停の手続を行う場合にお…》 いては、家庭裁判所は、相当と認めるときは、裁判所書記官に事実の調査をさせることができる。 ただし、家庭裁判所調査官に事実の調査をさせることを相当と認めるときは、この限りでない。 中「家庭裁判所は」とあるのは「高等裁判所は」と、次章の規定中「合意に相当する審判」とあるのは「合意に相当する審判に代わる裁判」と、 第272条第1項 《調停委員会は、当事者間に合意第277条第…》 1項第1号の合意を含む。が成立する見込みがない場合又は成立した合意が相当でないと認める場合には、調停が成立しないものとして、家事調停事件を終了させることができる。 ただし、家庭裁判所が第284条第1項 ただし書及び第3章の規定( 第286条第7項 《7 第5項の規定により別表第2に掲げる事…》 項についての調停に代わる審判が効力を失った場合には、家事調停の申立ての時に、当該事項についての家事審判の申立てがあったものとみなす。 の規定を除く。)中「調停に代わる審判」とあるのは「調停に代わる審判に代わる裁判」と、 第281条 《合意に相当する審判の効力 第279条第…》 1項の規定による異議の申立てがないとき、又は異議の申立てを却下する審判が確定したときは、合意に相当する審判は、確定判決と同1の効力を有する。 及び 第287条 《調停に代わる審判の効力 前条第1項の規…》 定による異議の申立てがないとき、又は異議の申立てを却下する審判が確定したときは、別表第2に掲げる事項についての調停に代わる審判は確定した第39条の規定による審判と同1の効力を、その余の調停に代わる審判 中「却下する審判」とあるのは「却下する審判に代わる裁判」とする。

275条 (訴訟手続及び家事審判の手続の中止)

1項 家事調停の申立てがあった事件について訴訟が係属しているとき、又は訴訟が係属している裁判所が 第257条第2項 《2 前項の事件について家事調停の申立てを…》 することなく訴えを提起した場合には、裁判所は、職権で、事件を家事調停に付さなければならない。 ただし、裁判所が事件を調停に付することが相当でないと認めるときは、この限りでない。 若しくは前条第1項の規定により事件を調停に付したときは、訴訟が係属している裁判所は、家事調停事件が終了するまで訴訟手続を中止することができる。

2項 家事調停の申立てがあった事件について家事審判事件が係属しているとき、又は家事審判事件が係属している裁判所が前条第1項の規定により事件を調停に付したときは、家事審判事件が係属している裁判所は、家事調停事件が終了するまで、家事審判の手続を中止することができる。

276条 (訴えの取下げの擬制等)

1項 訴訟が係属している裁判所が 第257条第2項 《2 前項の事件について家事調停の申立てを…》 することなく訴えを提起した場合には、裁判所は、職権で、事件を家事調停に付さなければならない。 ただし、裁判所が事件を調停に付することが相当でないと認めるときは、この限りでない。 又は 第274条第1項 《第244条の規定により調停を行うことがで…》 きる事件についての訴訟又は家事審判事件が係属している場合には、裁判所は、当事者本案について被告又は相手方の陳述がされる前にあっては、原告又は申立人に限る。の意見を聴いて、いつでも、職権で、事件を家事調 の規定により事件を調停に付した場合において、調停が成立し、又は次条第1項若しくは 第284条第1項 《家庭裁判所は、調停が成立しない場合におい…》 て相当と認めるときは、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を考慮して、職権で、事件の解決のため必要な審判以下「調停に代わる審判」という。をすることができる。 ただし、第277条第1項に規定する事 の規定による審判が確定したときは、当該訴訟について訴えの取下げがあったものとみなす。

2項 家事審判事件が係属している裁判所が 第274条第1項 《第244条の規定により調停を行うことがで…》 きる事件についての訴訟又は家事審判事件が係属している場合には、裁判所は、当事者本案について被告又は相手方の陳述がされる前にあっては、原告又は申立人に限る。の意見を聴いて、いつでも、職権で、事件を家事調 の規定により事件を調停に付した場合において、調停が成立し、又は 第284条第1項 《家庭裁判所は、調停が成立しない場合におい…》 て相当と認めるときは、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を考慮して、職権で、事件の解決のため必要な審判以下「調停に代わる審判」という。をすることができる。 ただし、第277条第1項に規定する事 の審判が確定したときは、当該家事審判事件は、終了する。

2章 合意に相当する審判

277条 (合意に相当する審判の対象及び要件)

1項 人事に関する訴え(離婚及び離縁の訴えを除く。)を提起することができる事項についての家事調停の手続において、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、家庭裁判所は、必要な事実を調査した上、第1号の合意を正当と認めるときは、当該 合意に相当する審判 以下「 合意に相当する審判 」という。)をすることができる。ただし、当該事項に係る身分関係の当事者の一方が死亡した後は、この限りでない。

1号 当事者間に申立ての趣旨のとおりの審判を受けることについて合意が成立していること。

2号 当事者の双方が申立てに係る無効若しくは取消しの原因又は身分関係の形成若しくは存否の原因について争わないこと。

2項 前項第1号の合意は、 第258条第1項 《第41条から第43条までの規定は家事調停…》 の手続における参加及び排除について、第44条の規定は家事調停の手続における受継について、第51条から第55条までの規定は家事調停の手続の期日について、第56条から第62条まで及び第64条の規定は家事調 において準用する 第54条第1項 《家庭裁判所は、相当と認めるときは、当事者…》 の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、家庭裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、家事審判の手続の期日における手続証拠調べを除く。を行うことがで 並びに 第270条第1項 《当事者の一方が出頭することが困難であると…》 認められる場合において、その当事者があらかじめ調停委員会裁判官のみで家事調停の手続を行う場合にあっては、その裁判官。次項、次条及び第272条第1項において同じ。から提示された調停条項案を受諾する旨の書 及び第2項に規定する方法によっては、成立させることができない。ただし、家庭裁判所及び当事者双方が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法による場合は、この限りでない。

3項 第1項の家事調停の手続が調停委員会で行われている場合において、 合意に相当する審判 をするときは、家庭裁判所は、その調停委員会を組織する家事調停委員の意見を聴かなければならない。

4項 第272条第1項 《調停委員会は、当事者間に合意第277条第…》 1項第1号の合意を含む。が成立する見込みがない場合又は成立した合意が相当でないと認める場合には、調停が成立しないものとして、家事調停事件を終了させることができる。 ただし、家庭裁判所が第284条第1項 から第3項までの規定は、家庭裁判所が第1項第1号の規定による合意を正当と認めない場合について準用する。

278条 (申立ての取下げの制限)

1項 家事調停の申立ての取下げは、 合意に相当する審判 がされた後は、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。

279条 (異議の申立て)

1項 当事者及び利害関係人は、 合意に相当する審判 に対し、家庭裁判所に異議を申し立てることができる。ただし、当事者にあっては、 第277条第1項 《人事に関する訴え離婚及び離縁の訴えを除く…》 。を提起することができる事項についての家事調停の手続において、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、家庭裁判所は、必要な事実を調査した上、第1号の合意を正当と認めるときは、当該合意に相当す 各号に掲げる要件に該当しないことを理由とする場合に限る。

2項 前項の規定による異議の申立ては、2週間の不変期間内にしなければならない。

3項 前項の期間は、異議の申立てをすることができる者が、審判の告知を受ける者である場合にあってはその者が審判の告知を受けた日から、審判の告知を受ける者でない場合にあっては当事者が審判の告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から、それぞれ進行する。

4項 第1項の規定による異議の申立てをする権利は、放棄することができる。

280条 (異議の申立てに対する審判等)

1項 家庭裁判所は、当事者がした前条第1項の規定による異議の申立てが不適法であるとき、又は異議の申立てに理由がないと認めるときは、これを却下しなければならない。利害関係人がした同項の規定による異議の申立てが不適法であるときも、同様とする。

2項 異議の申立人は、前項の規定により異議の申立てを却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。

3項 家庭裁判所は、当事者から適法な異議の申立てがあった場合において、異議の申立てを理由があると認めるときは、 合意に相当する審判 を取り消さなければならない。

4項 利害関係人から適法な異議の申立てがあったときは、 合意に相当する審判 は、その効力を失う。この場合においては、家庭裁判所は、当事者に対し、その旨を通知しなければならない。

5項 当事者が前項の規定による通知を受けた日から2週間以内に家事調停の申立てがあった事件について訴えを提起したときは、家事調停の申立ての時に、その訴えの提起があったものとみなす。

281条 (合意に相当する審判の効力)

1項 第279条第1項 《当事者及び利害関係人は、合意に相当する審…》 判に対し、家庭裁判所に異議を申し立てることができる。 ただし、当事者にあっては、第277条第1項各号に掲げる要件に該当しないことを理由とする場合に限る。 の規定による異議の申立てがないとき、又は異議の申立てを却下する審判が確定したときは、 合意に相当する審判 は、確定判決と同1の効力を有する。

282条 (婚姻の取消しについての合意に相当する審判の特則)

1項 婚姻の取消しについての家事調停の手続において、婚姻の取消しについての 合意に相当する審判 をするときは、この合意に相当する審判において、当事者間の合意に基づき、子の親権者を指定しなければならない。

2項 前項の 合意に相当する審判 は、子の親権者の指定につき当事者間で合意が成立しないとき、又は成立した合意が相当でないと認めるときは、することができない。

283条 (申立人の死亡により事件が終了した場合の特則)

1項 父が嫡出否認についての調停の申立てをした後に死亡した場合において、当該申立てに係る子のために相続権を害される者その他父の三親等内の血族が父の死亡の日から1年以内に嫡出否認の訴えを提起したときは、父がした調停の申立ての時に、その訴えの提起があったものとみなす。

283条の2 (嫡出否認の審判の通知)

1項 家庭裁判所は、 民法 第772条第3項 《3 第1項の場合において、女が子を懐胎し…》 た時から子の出生の時までの間に二以上の婚姻をしていたときは、その子は、その出生の直近の婚姻における夫の子と推定する。 の規定により父が定められる子の嫡出否認についての 合意に相当する審判 が確定したときは、同法第774条第4項に規定する前夫(事件の記録上その氏名及び住所又は居所が判明しているものに限る。)に対し、当該合意に相当する審判の内容を通知するものとする。

283条の3 (認知の無効についての調停の申立ての特則)

1項 認知をした者が認知について反対の事実があることを理由とする認知の無効についての調停の申立てをした後に死亡した場合において、当該申立てに係る子のために相続権を害される者その他認知をした者の三親等内の血族が認知をした者の死亡の日から1年以内に認知について反対の事実があることを理由とする認知の無効の訴えを提起したときは、認知をした者がした調停の申立ての時に、その訴えの提起があったものとみなす。

2項 子が認知について反対の事実があることを理由とする認知の無効についての調停の申立てをした後に死亡した場合において、子の直系卑属又はその法定代理人が子の死亡の日から1年以内に認知について反対の事実があることを理由とする認知の無効の訴えを提起したときは、子がした調停の申立ての時に、その訴えの提起があったものとみなす。

3章 調停に代わる審判

284条 (調停に代わる審判の対象及び要件)

1項 家庭裁判所は、調停が成立しない場合において相当と認めるときは、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を考慮して、職権で、事件の解決のため必要な審判(以下「 調停に代わる審判 」という。)をすることができる。ただし、 第277条第1項 《人事に関する訴え離婚及び離縁の訴えを除く…》 。を提起することができる事項についての家事調停の手続において、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、家庭裁判所は、必要な事実を調査した上、第1号の合意を正当と認めるときは、当該合意に相当す に規定する事項についての家事調停の手続においては、この限りでない。

2項 家事調停の手続が調停委員会で行われている場合において、 調停に代わる審判 をするときは、家庭裁判所は、その調停委員会を組織する家事調停委員の意見を聴かなければならない。

3項 家庭裁判所は、 調停に代わる審判 において、当事者に対し、子の引渡し又は金銭の支払その他の財産上の給付その他の給付を命ずることができる。

285条 (調停に代わる審判の特則)

1項 家事調停の申立ての取下げは、 第273条第1項 《家事調停の申立ては、家事調停事件が終了す…》 るまで、その全部又は一部を取り下げることができる。 の規定にかかわらず、 調停に代わる審判 がされた後は、することができない。

2項 調停に代わる審判 の告知は、公示送達の方法によっては、することができない。

3項 調停に代わる審判 を告知することができないときは、家庭裁判所は、これを取り消さなければならない。

286条 (異議の申立て等)

1項 当事者は、 調停に代わる審判 に対し、家庭裁判所に異議を申し立てることができる。

2項 第279条第2項 《2 前項の規定による異議の申立ては、2週…》 間の不変期間内にしなければならない。 から第4項までの規定は、前項の規定による異議の申立てについて準用する。

3項 家庭裁判所は、第1項の規定による異議の申立てが不適法であるときは、これを却下しなければならない。

4項 異議の申立人は、前項の規定により異議の申立てを却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。

5項 適法な異議の申立てがあったときは、 調停に代わる審判 は、その効力を失う。この場合においては、家庭裁判所は、当事者に対し、その旨を通知しなければならない。

6項 当事者が前項の規定による通知を受けた日から2週間以内に家事調停の申立てがあった事件について訴えを提起したときは、家事調停の申立ての時に、その訴えの提起があったものとみなす。

7項 第5項の規定により別表第2に掲げる事項についての 調停に代わる審判 が効力を失った場合には、家事調停の申立ての時に、当該事項についての家事審判の申立てがあったものとみなす。

8項 当事者が、申立てに係る家事調停(離婚又は離縁についての家事調停を除く。)の手続において、 調停に代わる審判 に服する旨の共同の申出をしたときは、第1項の規定は、適用しない。

9項 前項の共同の申出は、書面でしなければならない。

10項 当事者は、 調停に代わる審判 の告知前に限り、第8項の共同の申出を撤回することができる。この場合においては、相手方の同意を得ることを要しない。

287条 (調停に代わる審判の効力)

1項 前条第1項の規定による異議の申立てがないとき、又は異議の申立てを却下する審判が確定したときは、別表第2に掲げる事項についての 調停に代わる審判 は確定した 第39条 《審判事項 家庭裁判所は、この編に定める…》 ところにより、別表第一及び別表第2に掲げる事項並びに同編に定める事項について、審判をする。 の規定による審判と同1の効力を、その余の調停に代わる審判は確定判決と同1の効力を有する。

4章 不服申立て等

288条

1項 家事調停の手続においてされた裁判に対する不服申立て及び再審については、特別の定めのある場合を除き、それぞれ前編第1章第2節及び第3節の規定を準用する。

4編 履行の確保

289条 (家庭裁判所による義務の履行状況の調査及び履行の勧告)

1項 義務を定める 第39条 《審判事項 家庭裁判所は、この編に定める…》 ところにより、別表第一及び別表第2に掲げる事項並びに同編に定める事項について、審判をする。 の規定による審判をした家庭裁判所( 第91条第1項 《抗告裁判所は、即時抗告について決定で裁判…》 をする。 第96条第1項 《第86条第2項、第87条から第89条まで…》 、第91条第1項及び第93条の規定は、特別抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。 この場合において、第87条第6項中「及び第5項」とあるのは「から第6項まで」と、「第137条の2第1項から第 及び 第98条第1項 《第86条第2項、第87条第4項及び第5項…》 を除く。、第88条、第89条、第91条第1項、第93条及び第95条の規定は、許可抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。 この場合において、第86条第2項、第87条第1項、第2項第2号及び第3 において準用する場合を含む。)の規定により抗告裁判所が義務を定める裁判をした場合にあっては第一審裁判所である家庭裁判所、 第105条第2項 《2 本案の家事審判事件が高等裁判所に係属…》 する場合には、その高等裁判所が、前項の審判に代わる裁判をする。 の規定により高等裁判所が義務を定める裁判をした場合にあっては本案の家事審判事件の第一審裁判所である家庭裁判所。以下同じ。)は、権利者の申出があるときは、その審判(抗告裁判所又は高等裁判所が義務を定める裁判をした場合にあっては、その裁判。 第290条第1項 《義務を定める第39条の規定による審判をし…》 た家庭裁判所は、その審判で定められた金銭の支払その他の財産上の給付を目的とする義務の履行を怠った者がある場合において、相当と認めるときは、権利者の申立てにより、義務者に対し、相当の期限を定めてその義務 において同じ。)で定められた義務の履行状況を調査し、義務者に対し、その義務の履行を勧告することができる。

2項 義務を定める 第39条 《審判事項 家庭裁判所は、この編に定める…》 ところにより、別表第一及び別表第2に掲げる事項並びに同編に定める事項について、審判をする。 の規定による審判をした家庭裁判所は、前項の規定による調査及び勧告を他の家庭裁判所に嘱託することができる。

3項 義務を定める 第39条 《審判事項 家庭裁判所は、この編に定める…》 ところにより、別表第一及び別表第2に掲げる事項並びに同編に定める事項について、審判をする。 の規定による審判をした家庭裁判所並びに前項の規定により調査及び勧告の嘱託を受けた家庭裁判所(以下この条から 第289条 《家庭裁判所による義務の履行状況の調査及び…》 履行の勧告 義務を定める第39条の規定による審判をした家庭裁判所第91条第1項第96条第1項及び第98条第1項において準用する場合を含む。の規定により抗告裁判所が義務を定める裁判をした場合にあっては の四までにおいて「 調査及び勧告をする家庭裁判所 」という。)は、家庭裁判所調査官に第1項の規定による調査及び勧告をさせることができる。

4項 調査及び勧告をする家庭裁判所 は、第1項の規定による調査及び勧告に関し、事件の関係人の家庭環境その他の環境の調整を行うために必要があると認めるときは、家庭裁判所調査官に社会福祉機関との連絡その他の措置をとらせることができる。

5項 調査及び勧告をする家庭裁判所 は、第1項の規定による調査及び勧告に必要な調査を官庁、公署その他適当と認める者に嘱託し、又は銀行、信託会社、関係人の使用者その他の者に対し関係人の預金、信託財産、収入その他の事項に関して必要な報告を求めることができる。

289条の2 (調査及び勧告の事件に関する非電磁的事件記録の閲覧等)

1項 関係人(前条第1項の規定による調査及び勧告の事件の関係人をいう。以下この条から 第289条 《家庭裁判所による義務の履行状況の調査及び…》 履行の勧告 義務を定める第39条の規定による審判をした家庭裁判所第91条第1項第96条第1項及び第98条第1項において準用する場合を含む。の規定により抗告裁判所が義務を定める裁判をした場合にあっては の四までにおいて同じ。)は、 調査及び勧告をする家庭裁判所 の許可を得て、裁判所書記官に対し、調査及び勧告の事件に関する非電磁的事件記録(前条第1項の規定による調査及び勧告の事件の記録中次条第1項に規定する調査及び勧告の事件に関する電磁的事件記録を除いた部分をいう。次項及び第4項において同じ。)の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。

2項 前項の規定は、調査及び勧告の事件に関する非電磁的事件記録中の 録音テープ等 に関しては、適用しない。この場合において、関係人は、 調査及び勧告をする家庭裁判所 の許可を得て、裁判所書記官に対し、これらの物の複製を請求することができる。

3項 調査及び勧告をする家庭裁判所 は、関係人から前2項の規定による許可の申立てがあった場合において、相当と認めるときは、これを許可することができる。

4項 第47条第6項 《6 当事者は、非電磁的家事審判事件記録中…》 当該当事者が提出した書面等又は録音テープ等については、第1項及び第2項の規定にかかわらず、家庭裁判所の許可を得ないで、裁判所書記官に対し、その閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその の規定は第1項及び第2項の規定による請求について、同条第7項の規定は調査及び勧告の事件に関する非電磁的事件記録の閲覧、謄写及び複製の請求について、それぞれ準用する。

289条の3 (調査及び勧告の事件に関する電磁的事件記録の閲覧等)

1項 関係人は、 調査及び勧告をする家庭裁判所 の許可を得て、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、調査及び勧告の事件に関する電磁的事件記録( 第289条第1項 《義務を定める第39条の規定による審判をし…》 た家庭裁判所第91条第1項第96条第1項及び第98条第1項において準用する場合を含む。の規定により抗告裁判所が義務を定める裁判をした場合にあっては第一審裁判所である家庭裁判所、第105条第2項の規定に の規定による調査及び勧告の事件の記録中この法律その他の法令の規定によりファイルに記録された事項に係る部分をいう。次項及び第3項において同じ。)の内容を最高裁判所規則で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。

2項 関係人は、 調査及び勧告をする家庭裁判所 の許可を得て、裁判所書記官に対し、調査及び勧告の事件に関する電磁的事件記録に記録されている事項について、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法による複写を請求することができる。

3項 関係人は、 調査及び勧告をする家庭裁判所 の許可を得て、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、調査及び勧告の事件に関する電磁的事件記録に記録されている事項の全部若しくは一部を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該書面の内容が調査及び勧告の事件に関する電磁的事件記録に記録されている事項と同一であることを証明したものを交付し、又は当該事項の全部若しくは一部を記録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該電磁的記録の内容が調査及び勧告の事件に関する電磁的事件記録に記録されている事項と同一であることを証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。

4項 調査及び勧告をする家庭裁判所 は、関係人から前3項の規定による許可の申立てがあった場合において、相当と認めるときは、これを許可することができる。

5項 第47条の2第4項 《4 電磁的家事審判事件記録中次に掲げる事…》 項に係る部分については、当事者は、前3項の規定にかかわらず、家庭裁判所の許可を得ないで、裁判所書記官に対し、電磁的家事審判事件記録の閲覧等第1項の規定による閲覧、第2項の規定による複写又は前項の規定に第1号に係る部分を除く。)の規定は第1項から第3項までの規定による請求について、 第47条第7項 《7 非電磁的家事審判事件記録の閲覧、謄写…》 及び複製の請求は、非電磁的家事審判事件記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。 の規定は第1項及び第2項の規定による請求について、それぞれ準用する。

289条の4 (調査及び勧告の事件に関する事項の証明)

1項 関係人は、 調査及び勧告をする家庭裁判所 の許可を得て、 第289条第1項 《義務を定める第39条の規定による審判をし…》 た家庭裁判所第91条第1項第96条第1項及び第98条第1項において準用する場合を含む。の規定により抗告裁判所が義務を定める裁判をした場合にあっては第一審裁判所である家庭裁判所、第105条第2項の規定に の規定による調査及び勧告の事件に関する事項を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを交付し、又は当該事項を記録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。

2項 調査及び勧告をする家庭裁判所 は、関係人から前項の規定による許可の申立てがあった場合において、相当と認めるときは、これを許可することができる。

289条の5 (調停又は調停に代わる審判において定められた義務)

1項 第289条 《家庭裁判所による義務の履行状況の調査及び…》 履行の勧告 義務を定める第39条の規定による審判をした家庭裁判所第91条第1項第96条第1項及び第98条第1項において準用する場合を含む。の規定により抗告裁判所が義務を定める裁判をした場合にあっては から前条までの規定は、調停又は 調停に代わる審判 において定められた義務(高等裁判所において定められたものを含む。次条第3項において同じ。)の履行及び 調停前の処分 として命じられた事項の履行について準用する。

290条 (義務履行の命令)

1項 義務を定める 第39条 《審判事項 家庭裁判所は、この編に定める…》 ところにより、別表第一及び別表第2に掲げる事項並びに同編に定める事項について、審判をする。 の規定による審判をした家庭裁判所は、その審判で定められた金銭の支払その他の財産上の給付を目的とする義務の履行を怠った者がある場合において、相当と認めるときは、権利者の申立てにより、義務者に対し、相当の期限を定めてその義務の履行をすべきことを命ずる審判をすることができる。この場合において、その命令は、その命令をする時までに義務者が履行を怠った義務の全部又は一部についてするものとする。

2項 義務を定める 第39条 《審判事項 家庭裁判所は、この編に定める…》 ところにより、別表第一及び別表第2に掲げる事項並びに同編に定める事項について、審判をする。 の規定による審判をした家庭裁判所は、前項の規定により義務の履行を命ずるには、義務者の陳述を聴かなければならない。

3項 前2項の規定は、調停又は 調停に代わる審判 において定められた義務の履行について準用する。

4項 前3項に規定するもののほか、第1項(前項において準用する場合を含む。)の規定による義務の履行を命ずる審判の手続については、第2編第1章に定めるところによる。

5項 第1項(第3項において準用する場合を含む。)の規定により義務の履行を命じられた者が正当な理由なくその命令に従わないときは、家庭裁判所は、110,000円以下の過料に処する。

5編 罰則

291条 (過料の裁判の執行等)

1項 この法律の規定による過料の裁判は、裁判官の命令で執行する。この命令は、執行力のある債務名義と同1の効力を有する。

2項 この法律に規定するもののほか、過料についての裁判に関しては、 非訟事件手続法 2011年法律第51号)第5編の規定(同法第119条並びに 第121条第1項 《次に掲げる申立ては、審判がされる前であっ…》 ても、家庭裁判所の許可を得なければ、取り下げることができない。 1 後見開始の申立て 2 民法第843条第2項の規定による成年後見人の選任の申立て 3 民法第845条の規定により選任の請求をしなければ 及び第3項の規定並びに同法第120条及び 第122条 《審判の告知等 次の各号に掲げる審判は、…》 当該各号に定める者に通知しなければならない。 この場合においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人については、第74条第1項の規定は、適用しない。 1 後見開始の審判 成年被後見人となるべき者 の規定中検察官に関する部分を除く。並びに 刑事訴訟法 1948年法律第131号第508条第1項 《検察官又は裁判所若しくは裁判官は、裁判の…》 執行に関して、その目的を達するため必要な調査をすることができる。 ただし、強制の処分は、この法律に特別の定めがある場合でなければ、これをすることができない。 本文及び第2項並びに 第514条 《 検察官又は裁判所若しくは裁判官は、裁判…》 の執行に関して必要があると認めるときは、裁判の執行を受ける者その他の者の出頭を求め、質問をし、又は裁判の執行を受ける者以外の者に鑑定、通訳若しくは翻訳を嘱託することができる。 の規定を準用する。

292条 (人の秘密を漏らす罪)

1項 参与員、家事調停委員又はこれらの職にあった者が正当な理由なくその職務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、1年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金に処する。

293条 (評議の秘密を漏らす罪)

1項 家事調停委員又は家事調停委員であった者が正当な理由なく評議の経過又は裁判官、家事調停官若しくは家事調停委員の意見若しくはその多少の数を漏らしたときは、310,000円以下の罰金に処する。参与員又は参与員であった者が正当な理由なく裁判官又は参与員の意見を漏らしたときも、同様とする。

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