東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法《本則》

法番号:2011年法律第99号

略称: 災害廃棄物処理特措法

附則 >  

1条 (趣旨)

1項 この法律は、東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理が喫緊の課題となっていることに鑑み、国が被害を受けた市町村に代わって災害廃棄物を処理するための特例を定め、あわせて、国が講ずべきその他の措置について定めるものとする。

2条 (定義)

1項 この法律において「 災害廃棄物 」とは、東日本大震災(2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいう。以下同じ。)により生じた廃棄物( 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 1970年法律第137号。 第4条第4項 《4 第1項の規定により災害廃棄物の収集、…》 運搬又は処分を行った環境大臣については、廃棄物処理法第19条の4第1項の規定は、適用しない。 において「 廃棄物処理法 」という。第2条第1項 《この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗…》 大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。をいう。 に規定する廃棄物をいう。)をいう。

3条 (国の責務)

1項 国は、 災害廃棄物 の処理が迅速かつ適切に行われるよう、主体的に、市町村及び都道府県に対し必要な支援を行うとともに、災害廃棄物の処理に関する基本的な方針、災害廃棄物の処理の内容及び実施時期等を明らかにした工程表を定め、これに基づき必要な措置を計画的かつ広域的に講ずる責務を有する。

4条 (国による災害廃棄物の処理の代行)

1項 環境大臣は、 東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律 2011年法律第40号第2条第2項 《2 この法律において「特定被災地方公共団…》 体」とは、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、千葉県、新潟県及び長野県並びに東日本大震災による被害を受けた市町村で政令で定めるものをいう。 に規定する 特定被災地方公共団体 以下「 特定被災地方公共団体 」という。)である市町村の長から要請があり、かつ、次に掲げる事項を勘案して必要があると認められるときは、当該市町村に代わって自ら当該市町村の 災害廃棄物 の収集、運搬及び処分(再生を含む。以下同じ。)を行うものとする。

1号 当該市町村における 災害廃棄物 の処理の実施体制

2号 当該 災害廃棄物 の処理に関する専門的な知識及び技術の必要性

3号 当該 災害廃棄物 の広域的な処理の重要性

2項 環境大臣は、復興庁の長である内閣総理大臣の総合調整の下、関係行政機関の長と連携協力して、前項の規定による 災害廃棄物 の収集、運搬又は処分を行うものとする。

3項 環境大臣は、第1項の規定により 災害廃棄物 の収集、運搬又は処分を行う場合において、必要があると認めるときは、関係行政機関の長に協力を要請することができる。

4項 第1項の規定により 災害廃棄物 の収集、運搬又は処分を行った環境大臣については、 廃棄物処理法 第19条の4第1項の規定は、適用しない。

5条 (費用の負担等)

1項 前条第1項の規定により環境大臣が行う 災害廃棄物 の収集、運搬及び処分に要する費用は、国の負担とする。この場合において、同項の市町村は、当該費用の額から、自ら当該災害廃棄物の収集、運搬及び処分を行うこととした場合に国が当該市町村に交付すべき補助金の額に相当する額を控除した額を負担する。

2項 国は、 特定被災地方公共団体 である市町村が 災害廃棄物 の収集、運搬及び処分を行うために要する費用で当該市町村の負担に属するもの(前項後段の規定により負担する費用を含む。以下「 被災市町村負担費用 」という。)について、必要な財政上の措置を講ずるものとする。

3項 国は、前項に定める措置のほか、 災害廃棄物 の処理が 特定被災地方公共団体 である市町村における持続可能な社会の構築や雇用の機会の創出に資することに鑑み、地域における持続可能な社会の構築や雇用の機会の創出に資する事業を実施するために造成された基金の活用による 被災市町村負担費用 の軽減その他災害廃棄物の処理の促進のために必要な措置を講ずるものとする。

6条 (災害廃棄物の処理に関して国が講ずべき措置)

1項 国は、 災害廃棄物 に係る1時的な保管場所及び最終処分場の早急な確保及び適切な利用等を図るため、 特定被災地方公共団体 である市町村以外の地方公共団体に対する広域的な協力の要請及びこれに係る費用の負担、国有地の貸与、私人が所有する土地の借入れ等の促進、災害廃棄物の搬入及び搬出のための道路、港湾その他の輸送手段の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。

2項 国は、 災害廃棄物 の再生利用等を図るため、東日本大震災からの復興のための施設の整備等への災害廃棄物の活用その他の必要な措置を講ずるものとする。

3項 国は、 災害廃棄物 の処理に係る契約の内容に関する統一的な指針の策定その他の必要な措置を講ずるものとする。

4項 国は、 災害廃棄物 の処理に係る業務に従事する労働者等に関し、石綿による健康被害の防止その他の労働環境の整備のために必要な措置を講ずるものとする。

5項 国は、海に流出した 災害廃棄物 に関し、その処理について責任を負うべき主体が必ずしも明らかでないことに鑑み、指針を策定するとともに、早期に処理するよう必要な措置を講ずるものとする。

6項 国は、津波による堆積物その他の 災害廃棄物 に関し、感染症の発生の予防及び悪臭の発生の防止のために緊急に必要な措置を講ずるとともに、早期に、必要に応じ無害化処理等を行った上での復旧復興のための資材等としての活用を含めた処理等を行うよう必要な措置を講ずるものとする。

7条 (事務の委任)

1項 環境大臣は、環境省令で定めるところにより、 第4条 《国による災害廃棄物の処理の代行 環境大…》 臣は、東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律2011年法律第40号第2条第2項に規定する特定被災地方公共団体以下「特定被災地方公共団体」という。である市町村の長から要請があり、 に規定する事務を地方環境事務所長に委任することができる。

8条 (政令への委任)

1項 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。

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