1条 (目的)
1項 この法律は、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故を契機に明らかとなった原子力の研究、開発及び利用(以下「 原子力利用 」という。)に関する政策に係る縦割り行政の弊害を除去し、並びに1の行政組織が 原子力利用 の推進及び規制の両方の機能を担うことにより生ずる問題を解消するため、原子力利用における事故の発生を常に想定し、その防止に最善かつ最大の努力をしなければならないという認識に立って、確立された国際的な基準を踏まえて原子力利用における安全の確保を図るため必要な施策を策定し、又は実施する事務(原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉に関する規制に関すること並びに国際約束に基づく保障措置の実施のための規制その他の原子力の平和的利用の確保のための規制に関することを含む。)を一元的につかさどるとともに、その委員長及び委員が専門的知見に基づき中立公正な立場で独立して職権を行使する原子力規制委員会を設置し、もって国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的とする。
2条 (設置)
1項 国家行政組織法 (1948年法律第120号)
第3条第2項
《2 行政組織のため置かれる国の行政機関は…》
、省、委員会及び庁とし、その設置及び廃止は、別に法律の定めるところによる。
の規定に基づいて、環境省の外局として、原子力規制委員会を設置する。
3条 (任務)
1項 原子力規制委員会は、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資するため、 原子力利用 における安全の確保を図ること(原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉に関する規制に関すること並びに国際約束に基づく保障措置の実施のための規制その他の原子力の平和的利用の確保のための規制に関することを含む。)を任務とする。
4条 (所掌事務)
1項 原子力規制委員会は、前条の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。
1号 原子力利用 における安全の確保に関すること。
2号 原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉に関する規制その他これらに関する安全の確保に関すること。
3号 核原料物質及び核燃料物質の使用に関する規制その他これらに関する安全の確保に関すること。
4号 国際約束に基づく保障措置の実施のための規制その他の原子力の平和的利用の確保のための規制に関すること。
5号 放射線による障害の防止に関すること。
6号 核燃料物質、放射性同位元素その他の放射性物質の防護に関すること。
7号 放射性物質又は放射線の水準の監視及び測定に関する基本的な方針の策定及び推進並びに関係行政機関の経費の配分計画に関すること。
8号 放射能水準の把握のための監視及び測定に関すること。
9号 原子力利用 における安全の確保に関する研究者及び技術者の養成及び訓練(大学における教育及び研究に係るものを除く。)に関すること。
10号 核燃料物質、放射性同位元素その他の放射性物質の防護に関する関係行政機関の事務の調整に関すること。
11号 原子炉の運転等( 原子力損害の賠償に関する法律 (1961年法律第147号)
第2条第1項
《この法律において「原子炉の運転等」とは、…》
次の各号に掲げるもの及びこれらに付随してする核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物原子核分裂生成物を含む。第5号において同じ。の運搬、貯蔵又は廃棄であつて、政令で定めるものをいう。 1 原子炉の
に規定する原子炉の運転等をいう。)に起因する事故(以下「 原子力事故 」という。)の原因及び 原子力事故 により発生した被害の原因を究明するための調査に関すること。
12号 所掌事務に係る国際協力に関すること。
13号 前各号に掲げる事務を行うため必要な調査及び研究を行うこと。
14号 前各号に掲げるもののほか、法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき、原子力規制委員会に属させられた事務
2項 原子力規制委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、 原子力利用 における安全の確保に関する事項について勧告し、及びその勧告に基づいてとった措置について報告を求めることができる。
5条 (職権の行使)
1項 原子力規制委員会の委員長及び委員は、独立してその職権を行う。
6条 (組織)
1項 原子力規制委員会は、委員長及び委員4人をもって組織する。
2項 委員長は、会務を総理し、原子力規制委員会を代表する。
3項 委員長に事故があるとき又は委員長が欠けたときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。
7条 (委員長及び委員の任命)
1項 委員長及び委員は、人格が高潔であって、 原子力利用 における安全の確保に関して専門的知識及び経験並びに高い識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
2項 委員長の任免は、天皇が、これを認証する。
3項 国会の会期中に、 原子力災害対策特別措置法 (1999年法律第156号)
第15条第2項
《2 内閣総理大臣は、前項の規定による報告…》
及び提出があったときは、直ちに、原子力緊急事態が発生した旨及び次に掲げる事項の公示以下「原子力緊急事態宣言」という。をするものとする。 1 緊急事態応急対策を実施すべき区域 2 原子力緊急事態の概要
の規定による原子力緊急事態宣言がされている場合その他の特に緊急を要する事情がある場合であり、かつ、委員長及び前条第3項の規定により委員長の職務を代理する委員のいずれもが欠員である場合(以下この項において「 緊急任命が必要な場合 」という。)において、両議院又はいずれかの議院が 緊急任命が必要な場合 である旨の文書を添えた第1項の規定による委員長に係る同意の求めがあった日(同項の規定による委員長に係る同意の求めがあった後に緊急任命が必要な場合に該当することとなったときにあっては、その旨の通知を受けた日)から国会又は各議院の休会中の期間を除いて10日以内に当該同意に係る議決をしないとき(他の議院が当該同意をしない旨の議決をしたときを除く。)は、内閣総理大臣は、同項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員長を任命することができる。
4項 前項の場合において、 原子力災害対策特別措置法
第15条第4項
《4 内閣総理大臣は、原子力緊急事態宣言を…》
した後、原子力災害の拡大の防止を図るための応急の対策を実施する必要がなくなったと認めるときは、速やかに、原子力緊急事態の解除を行う旨及び次に掲げる事項の公示以下「原子力緊急事態解除宣言」という。をする
の規定による原子力緊急事態解除宣言がされたときその他の特に緊急を要する事情がなくなったときは、その後速やかに両議院の事後の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認の求めがあった国会においてその承認を得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその委員長を罷免しなければならない。
5項 委員長又は委員につき任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、第1項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員長又は委員を任命することができる。
6項 第4項の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、第4項中「前項」とあるのは「次項」と、「 原子力災害対策特別措置法
第15条第4項
《4 内閣総理大臣は、原子力緊急事態宣言を…》
した後、原子力災害の拡大の防止を図るための応急の対策を実施する必要がなくなったと認めるときは、速やかに、原子力緊急事態の解除を行う旨及び次に掲げる事項の公示以下「原子力緊急事態解除宣言」という。をする
の規定による原子力緊急事態解除宣言がされたときその他の特に緊急を要する事情がなくなったときは、その後速やかに」とあるのは「任命後最初の国会において( 原子力災害対策特別措置法
第15条第2項
《2 内閣総理大臣は、前項の規定による報告…》
及び提出があったときは、直ちに、原子力緊急事態が発生した旨及び次に掲げる事項の公示以下「原子力緊急事態宣言」という。をするものとする。 1 緊急事態応急対策を実施すべき区域 2 原子力緊急事態の概要
の規定による原子力緊急事態宣言がされている場合その他の特に緊急を要する事情がある場合であって、その旨の通知が両議院になされたときにおける委員長に係る事後の承認にあっては、当該特に緊急を要する事情がなくなった後速やかに)」と、「委員長」とあるのは「委員長又は委員」と読み替えるものとする。
7項 次の各号のいずれかに該当する者は、委員長又は委員となることができない。
1号 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
2号 拘禁刑以上の刑に処せられた者
3号 原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理若しくは廃棄の事業を行う者、原子炉を設置する者、外国原子力船を本邦の水域に立ち入らせる者若しくは核原料物質若しくは核燃料物質の使用を行う者又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)若しくはこれらの者の使用人その他の従業者
4号 前号に掲げる者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)又は使用人その他の従業者
8条 (任期)
1項 委員長及び委員の任期は、5年とする。ただし、補欠の委員長又は委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2項 委員長及び委員は、再任されることができる。
3項 委員長及び委員の任期が満了したときは、当該委員長及び委員は、後任者が任命されるまで引き続きその職務を行うものとする。
9条 (罷免)
1項 内閣総理大臣は、委員長又は委員が
第7条第7項
《7 次の各号のいずれかに該当する者は、委…》
員長又は委員となることができない。 1 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者 2 拘禁刑以上の刑に処せられた者 3 原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理若しくは廃棄の事業を行う者、原子炉を設置する
各号のいずれかに該当するに至ったときは、これらを罷免しなければならない。
2項 内閣総理大臣は、委員長若しくは委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認めるとき、又は委員長若しくは委員に職務上の義務違反その他委員長若しくは委員たるに適しない行為があると認めるときは、あらかじめ原子力規制委員会の意見を聴いた上、両議院の同意を得て、これらを罷免することができる。
10条 (会議)
1項 原子力規制委員会は、委員長が招集する。
2項 原子力規制委員会は、委員長及び2人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
3項 原子力規制委員会の議事は、出席者の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
4項 前2項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合において、委員長において特に緊急を要するため委員会を招集するいとまがないと認めるとき又は委員会の会議若しくは議事の定足数を欠いているときは、委員長は、当該各号に掲げる事項に関し、委員会を臨時に代理することができる。
1号 原子力災害対策特別措置法
第15条第1項
《原子力規制委員会は、次のいずれかに該当す…》
る場合において、原子力緊急事態が発生したと認めるときは、直ちに、内閣総理大臣に対し、その状況に関する必要な情報の報告を行うとともに、次項の規定による公示及び第3項の規定による指示の案を提出しなければな
各号に該当する場合同項の規定による原子力緊急事態の発生の認定、内閣総理大臣への報告並びに同条第2項の規定による公示及び同条第3項の規定による指示の案の提出
2号 原子力災害対策特別措置法
第15条第2項
《2 内閣総理大臣は、前項の規定による報告…》
及び提出があったときは、直ちに、原子力緊急事態が発生した旨及び次に掲げる事項の公示以下「原子力緊急事態宣言」という。をするものとする。 1 緊急事態応急対策を実施すべき区域 2 原子力緊急事態の概要
の規定による原子力緊急事態宣言があった時から同条第4項の規定による原子力緊急事態解除宣言があるまでの間にある場合同法第2条第5号に規定する緊急事態応急対策に関すること。
3号 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律 (2004年法律第112号。以下この項において「 国民保護法 」という。)
第105条第1項
《原子力防災管理者原子力災害対策特別措置法…》
1999年法律第156号第9条第1項の原子力防災管理者をいう。第192条第2号において同じ。は、武力攻撃に伴って、放射性物質又は放射線が原子力事業所同法第2条第4号の原子力事業所をいう。第7項において
前段の規定による通報を受けた場合同条第2項の規定による対策本部長( 武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律 (2003年法律第79号。以下この項において「 事態対処法 」という。)
第11条第1項
《対策本部の長は、事態対策本部長以下「対策…》
本部長」という。とし、内閣総理大臣内閣総理大臣に事故があるときは、そのあらかじめ指名する国務大臣をもって充てる。
に規定する対策本部長をいう。第5号において同じ。)への報告及び関係指定公共機関への通知
4号 国民保護法
第105条第1項
《原子力防災管理者原子力災害対策特別措置法…》
1999年法律第156号第9条第1項の原子力防災管理者をいう。第192条第2号において同じ。は、武力攻撃に伴って、放射性物質又は放射線が原子力事業所同法第2条第4号の原子力事業所をいう。第7項において
に規定する事実がある場合同条第4項の規定による当該事実の発生の認定
5号 国民保護法
第105条第3項
《3 所在都道府県知事、所在市町村長及び関…》
係周辺都道府県知事事業所外運搬に係る事実の発生の場合にあっては、当該事実が発生した場所を管轄する都道府県知事及び市町村長。次項において同じ。は、第1項に規定する事実があると認めるときは、それぞれその国
の規定による通報を受けた場合同条第4項の規定により準用する同条第2項の規定による対策本部長への報告及び関係指定公共機関への通知並びに同条第4項後段の規定による所在都道府県知事、所在市町村長及び関係周辺都道府県知事並びに原子力事業者( 原子力災害対策特別措置法
第2条第3号
《定義 第2条 この法律において、次の各号…》
に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 1 原子力災害 原子力緊急事態により国民の生命、身体又は財産に生ずる被害をいう。 2 原子力緊急事態 原子力事業者の原子炉の運転等原子力損
の原子力事業者をいう。以下同じ。)への通知
6号 武力攻撃事態等( 事態対処法 第1条に規定する武力攻撃事態等をいう。)に至った場合 国民保護法
第106条
《原子炉等に係る武力攻撃災害の発生等の防止…》
原子力規制委員会事業所外運搬に係る事実の発生の場合にあっては、原子力規制委員会及び国土交通大臣は、武力攻撃事態等において、核燃料物質原子力基本法1955年法律第186号第3条第2号の核燃料物質をい
の規定により必要な措置を講ずべきことを命ずること。
5項 委員長は、前項の規定により、臨時に代理したときは、原子力規制委員会規則で定めるところにより、その旨及び代理した事項を次の会議において報告しなければならない。
6項 委員長に事故があり、又は委員長が欠けた場合の第2項、第4項及び前項の規定の適用については、
第6条第3項
《3 委員長に事故があるとき又は委員長が欠…》
けたときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。
の規定により委員長の職務を代理する委員は、委員長とみなす。
11条 (服務等)
1項 委員長及び委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職務を退いた後も、同様とする。
2項 委員長及び委員は、在任中、政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。
3項 委員長及び委員は、在任中、内閣総理大臣の許可のある場合を除くほか、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行ってはならない。
4項 原子力規制委員会は、委員長及び委員の職務の中立公正に関し国民の疑惑又は不信を招くような行為を防止するため、委員長又は委員の研究に係る原子力事業者等からの寄附に関する情報の公開、委員長又は委員の地位にある間における原子力事業者等からの寄附の制限その他の委員長及び委員が遵守すべき内部規範を定め、これを公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
5項 原子力規制委員会は、 原子力事故 が生じた場合において、これに迅速かつ適切に対処することができるよう、様々な事態を想定した上で、会議の開催及び議決の方法その他委員長及び委員が遵守すべき行動指針を内容とする内部規範を定め、これを適正に運用しなければならない。
12条 (給与)
1項 委員長及び委員の給与は、別に法律で定める。
13条 (審議会等)
1項 原子力規制委員会に、次の審議会等を置く。
2項 前項に定めるもののほか、別に法律で定めるところにより原子力規制委員会に置かれる審議会等は、放射線審議会とする。
14条 (原子炉安全専門審査会)
1項 原子炉安全専門審査会は、原子力規制委員会の指示があった場合において、原子炉に係る安全性に関する事項を調査審議する。
15条
1項 原子炉安全専門審査会は、政令で定める員数以内の審査委員をもって組織する。
2項 審査委員は、学識経験のある者のうちから、原子力規制委員会が任命する。
3項 審査委員は、非常勤とする。
4項 審査委員の任期は、2年とする。
5項 審査委員は、再任されることができる。
16条
1項 原子炉安全専門審査会に、会長1人を置き、審査委員の互選によってこれを定める。
2項 会長は、会務を総理する。
3項 会長に事故があるときは、あらかじめその指名する審査委員がその職務を代理する。
17条
1項 前3条に定めるもののほか、原子炉安全専門審査会に関し必要な事項は、政令で定める。
18条 (核燃料安全専門審査会)
1項 核燃料安全専門審査会は、原子力規制委員会の指示があった場合において、核燃料物質に係る安全性に関する事項を調査審議する。
19条
1項 核燃料安全専門審査会は、政令で定める員数以内の審査委員をもって組織する。
2項 第15条第2項
《2 審査委員は、学識経験のある者のうちか…》
ら、原子力規制委員会が任命する。
から第5項まで、
第16条
《 原子炉安全専門審査会に、会長1人を置き…》
、審査委員の互選によってこれを定める。 2 会長は、会務を総理する。 3 会長に事故があるときは、あらかじめその指名する審査委員がその職務を代理する。
及び
第17条
《 前3条に定めるもののほか、原子炉安全専…》
門審査会に関し必要な事項は、政令で定める。
の規定は、核燃料安全専門審査会について準用する。
20条 (放射線審議会)
1項 放射線審議会については、 放射線障害防止の技術的基準に関する法律 (1958年法律第162号。これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。
21条
1項 削除
22条 (緊急事態応急対策委員)
1項 原子力規制委員会に、原子力規制委員会の指示があった場合において、 原子力災害対策特別措置法
第2条第2号
《定義 第2条 この法律において、次の各号…》
に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 1 原子力災害 原子力緊急事態により国民の生命、身体又は財産に生ずる被害をいう。 2 原子力緊急事態 原子力事業者の原子炉の運転等原子力損
に規定する原子力緊急事態における応急対策に関する事項を調査審議させるため、政令で定める員数以内の緊急事態 応急対策委員 (以下「 応急対策委員 」という。)を置く。
2項 応急対策委員 は、学識経験のある者のうちから、原子力規制委員会が任命する。
3項 応急対策委員 は、非常勤とし、その任期は、2年とする。
4項 応急対策委員 は、再任されることができる。
23条 (原子力事故調査)
1項 原子力規制委員会は、
第4条第1項第11号
《原子力規制委員会は、前条の任務を達成する…》
ため、次に掲げる事務をつかさどる。 1 原子力利用における安全の確保に関すること。 2 原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉に関する規制その他これらに関する安全の確保に関する
に掲げる事務を遂行するため必要があると認めるときは、次に掲げる処分をすることができる。
1号 原子力事業者、 原子力事故 により発生した被害の拡大の防止のための措置を講じた者その他の原子力事故の関係者(以下単に「関係者」という。)から報告を徴すること。
2号 原子力事業所その他の 原子力事故 の現場、原子力事業者の事務所その他の必要と認める場所に立ち入って、帳簿、書類その他の原子力事故に関係のある物件(以下「 関係物件 」という。)を検査し、関係者に質問し、又は試験のため必要な最小限度の量に限り、核原料物質、核燃料物質その他の必要な試料を収去すること。
3号 関係者に出頭を求めて質問すること。
4号 関係物件 の所有者、所持者若しくは保管者に対し当該物件の提出を求め、又は提出物件を留め置くこと。
5号 関係物件 の所有者、所持者若しくは保管者に対し当該物件の保全を命じ、又はその移動を禁止すること。
6号 原子力事業所その他の 原子力事故 の現場に、公務により立ち入る者及び原子力規制委員会が支障がないと認める者以外の者が立ち入ることを禁止すること。
2項 原子力規制委員会は、必要があると認めるときは、委員長、委員又は原子力規制庁の職員に前項各号に掲げる処分をさせることができる。
3項 前項の規定により第1項第2号に掲げる処分をする者は、その身分を示す証票を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
4項 第1項又は第2項の規定による処分の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
24条 (国会に対する報告)
1項 原子力規制委員会は、毎年、内閣総理大臣を経由して国会に対し所掌事務の処理状況を報告するとともに、その概要を公表しなければならない。
25条 (情報の公開)
1項 原子力規制委員会は、国民の知る権利の保障に資するため、その保有する情報の公開を徹底することにより、その運営の透明性を確保しなければならない。
26条 (規則の制定)
1項 原子力規制委員会は、その所掌事務について、法律若しくは政令を実施するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、原子力規制委員会規則を制定することができる。
27条 (原子力規制庁)
1項 原子力規制委員会の事務を処理させるため、原子力規制委員会に事務局を置く。
2項 前項の事務局は、原子力規制庁と称する。
3項 原子力規制庁に、事務局長その他の職員を置く。
4項 前項の事務局長は、原子力規制庁長官と称する。
5項 原子力規制庁長官は、委員長の命を受けて、庁務を掌理する。
6項 原子力規制庁の内部組織については、 国家行政組織法
第7条第7項
《7 委員会には、法律の定めるところにより…》
、事務局を置くことができる。 第3項から第5項までの規定は、事務局の内部組織について、これを準用する。
の規定にかかわらず、同条第3項、第4項及び第6項並びに同法第21条第1項及び第5項の規定を準用する。この場合において、同法第7条第6項及び第21条第5項中「省令」とあるのは、「原子力規制委員会規則」と読み替えるものとする。
28条 (原子力規制委員会の運営)
1項 この法律に定めるもののほか、原子力規制委員会の運営に関し必要な事項は、原子力規制委員会が定める。
29条 (罰則)
1項 第11条第1項
《委員長及び委員は、職務上知ることのできた…》
秘密を漏らしてはならない。 その職務を退いた後も、同様とする。
の規定に違反した者は、1年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金に処する。
30条
1項 次の各号のいずれかに該当する者は、310,000円以下の罰金に処する。
1号 第23条第1項第1号
《原子力規制委員会は、第4条第1項第11号…》
に掲げる事務を遂行するため必要があると認めるときは、次に掲げる処分をすることができる。 1 原子力事業者、原子力事故により発生した被害の拡大の防止のための措置を講じた者その他の原子力事故の関係者以下単
又は第2項の規定による報告の徴取に対し虚偽の報告をした者
2号 第23条第1項第2号
《原子力規制委員会は、第4条第1項第11号…》
に掲げる事務を遂行するため必要があると認めるときは、次に掲げる処分をすることができる。 1 原子力事業者、原子力事故により発生した被害の拡大の防止のための措置を講じた者その他の原子力事故の関係者以下単
若しくは第2項の規定による検査若しくは試料の提供を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又はこれらの規定による質問に対し虚偽の陳述をした者
3号 第23条第1項第3号
《原子力規制委員会は、第4条第1項第11号…》
に掲げる事務を遂行するため必要があると認めるときは、次に掲げる処分をすることができる。 1 原子力事業者、原子力事故により発生した被害の拡大の防止のための措置を講じた者その他の原子力事故の関係者以下単
又は第2項の規定による質問に対し虚偽の陳述をした者
4号 第23条第1項第4号
《原子力規制委員会は、第4条第1項第11号…》
に掲げる事務を遂行するため必要があると認めるときは、次に掲げる処分をすることができる。 1 原子力事業者、原子力事故により発生した被害の拡大の防止のための措置を講じた者その他の原子力事故の関係者以下単
又は第2項の規定による処分に違反して物件を提出しない者
5号 第23条第1項第5号
《原子力規制委員会は、第4条第1項第11号…》
に掲げる事務を遂行するため必要があると認めるときは、次に掲げる処分をすることができる。 1 原子力事業者、原子力事故により発生した被害の拡大の防止のための措置を講じた者その他の原子力事故の関係者以下単
又は第2項の規定による処分に違反して物件を保全せず、又は移動した者
31条
1項 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、同条の刑を科する。