国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律《本則》

法番号:2013年法律第48号

略称: ハーグ条約実施法

附則 >  

1章 総則

1条 (目的)

1項 この法律は、不法な連れ去り又は不法な留置がされた場合において子をその常居所を有していた国に返還すること等を定めた国際的な子の奪取の民事上の側面に関する 条約 以下「 条約 」という。)の的確な実施を確保するため、我が国における中央当局を指定し、その権限等を定めるとともに、子をその常居所を有していた国に迅速に返還するために必要な裁判手続等を定め、もって子の利益に資することを目的とする。

2条 (定義)

1項 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

1号 条約締約国 :日本国及び日本国との間で 条約 が効力を有している条約の締約国(当該締約国が条約第39条第1項又は 第40条第1項 《合議体の構成員である裁判官及び家庭裁判所…》 の1人の裁判官の除斥又は忌避については、その裁判官の所属する裁判所が裁判をする。 の規定による宣言をしている場合にあっては、当該宣言により条約が適用される当該締約国の領域の一部又は領域内の地域)をいう。

2号 :父母その他の者に監護される者をいう。

3号 連れ去り をその常居所を有する国から離脱させることを目的として当該子を当該国から出国させることをいう。

4号 留置 が常居所を有する国からの当該子の出国の後において、当該子の当該国への渡航が妨げられていることをいう。

5号 常居所地国 連れ去り の時又は 留置 の開始の直前にが常居所を有していた国(当該国が 条約 の締約国であり、かつ、条約第39条第1項又は 第40条第1項 《合議体の構成員である裁判官及び家庭裁判所…》 の1人の裁判官の除斥又は忌避については、その裁判官の所属する裁判所が裁判をする。 の規定による宣言をしている場合にあっては、当該宣言により条約が適用される当該国の領域の一部又は領域内の地域)をいう。

6号 不法な 連れ去り 常居所地国 の法令によれば監護の権利を有する者の当該権利を侵害する連れ去りであって、当該連れ去りの時に当該権利が現実に行使されていたもの又は当該連れ去りがなければ当該権利が現実に行使されていたと認められるものをいう。

7号 不法な 留置 常居所地国 の法令によれば監護の権利を有する者の当該権利を侵害する留置であって、当該留置の開始の時に当該権利が現実に行使されていたもの又は当該留置がなければ当該権利が現実に行使されていたと認められるものをいう。

8号 の返還 :子の常居所地国である 条約 締約国への返還をいう。

2章 子の返還及び子との交流に関する援助 > 1節 中央当局の指定

3条

1項 我が国の 条約 第6条第1項の中央当局は、外務大臣とする。

2節 子の返還に関する援助 > 1款 外国返還援助

4条 (外国返還援助申請)

1項 日本国への 連れ去り をされ、又は日本国において 留置 をされているであって、その 常居所地国 条約 締約国であるものについて、当該常居所地国の法令に基づき監護の権利を有する者は、当該連れ去り又は留置によって当該監護の権利が侵害されていると思料する場合には、日本国からの子の返還を実現するための援助(以下「 外国返還援助 」という。)を外務大臣に申請することができる。

2項 外国返還援助 の申請(以下「 外国返還援助申請 」という。)を行おうとする者は、外務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書(日本語又は英語により記載したものに限る。)を外務大臣に提出しなければならない。

1号 外国返還援助 申請をする者(以下この款において「 申請者 」という。)の氏名又は名称及び住所若しくは居所又は事務所(外国返還援助申請において返還を求められている以下この款において「 申請に係る子 」という。)の 常居所地国 におけるものに限る。 第7条第1項第4号 《外務大臣は、外国返還援助申請が次の各号の…》 いずれかに該当する場合には、当該外国返還援助申請を却下する。 1 申請に係る子が16歳に達していること。 2 申請に係る子が日本国内に所在していないことが明らかであり、かつ、申請に係る子が所在している において同じ。)の所在地

2号 申請に係る子 の氏名、生年月日及び住所又は居所(これらの事項が明らかでないときは、その旨)その他申請に係る子を特定するために必要な事項

3号 申請に係る子 連れ去り をし、又は 留置 をしていると思料される者の氏名その他当該者を特定するために必要な事項

4号 申請に係る子 常居所地国 条約 締約国であることを明らかにするために必要な事項

5号 申請に係る子 常居所地国 の法令に基づき 申請者 が申請に係る子についての監護の権利を有し、かつ、申請に係る子の 連れ去り 又は 留置 により当該監護の権利が侵害されていることを明らかにするために必要な事項

6号 申請に係る子 と同居していると思料される者の氏名、住所又は居所その他当該者を特定するために必要な事項(これらの事項が明らかでないときは、その旨

3項 前項の申請書には、同項第5号に掲げる事項を証明する書類その他外務省令で定める書類を添付しなければならない。

4項 外国返還援助 申請は、日本国以外の 条約 締約国の中央当局(条約第6条に規定する中央当局をいう。以下同じ。)を経由してすることができる。この場合において、 申請者 は、第2項各号に掲げる事項を記載した書面(日本語若しくは英語により記載したもの又は日本語若しくは英語による翻訳文を添付したものに限る。及び前項に規定する書類を外務大臣に提出しなければならない。

5条 (子の住所等に関する情報の提供の求め等)

1項 外務大臣は、 外国返還援助 申請があった場合において、必要と認めるときは、 申請に係る子 及び申請に係る子と同居している者の氏名及び住所又は居所を特定するため、政令で定めるところにより、次に掲げる機関及び法人( 第15条第1項 《外務大臣は、日本国への子の返還に関する事…》 件が日本国以外の条約締約国の裁判所又はその他の審判を行う機関以下この項及び次項において「外国裁判所等」という。に係属しており、当該条約締約国の中央当局から当該子の返還に係る子の日本国内における心身、養 において「 国の行政機関等 」という。)の長、地方公共団体の長その他の執行機関並びに申請に係る子及び申請に係る子と同居している者に関する情報を有している者として政令で定める者に対し、その有する当該氏名又は当該住所若しくは居所に関する情報の提供を求めることができる。

1号 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関(内閣府を除く。

2号 内閣府並びに 内閣府設置法 1999年法律第89号第49条第1項 《内閣府には、その外局として、委員会及び庁…》 を置くことができる。 及び第2項に規定する機関

3号 国家行政組織法 1948年法律第120号第3条第2項 《2 行政組織のため置かれる国の行政機関は…》 、省、委員会及び庁とし、その設置及び廃止は、別に法律の定めるところによる。 に規定する機関

4号 内閣府設置法 第40条第2項 《2 第18条、第37条、前条及び前項に定…》 めるもののほか、本府には、特に必要がある場合においては、第4条第3項に規定する所掌事務の範囲内で、法律の定めるところにより、特別の機関を置くことができる。 及び 第56条 《特別の機関 委員会及び庁には、特に必要…》 がある場合においては、前2条に規定するもののほか、法律の定める所掌事務の範囲内で、法律の定めるところにより、特別の機関を置くことができる。 の特別の機関

5号 国家行政組織法 第8条の2 《施設等機関 第3条の国の行政機関には、…》 法律の定める所掌事務の範囲内で、法律又は政令の定めるところにより、試験研究機関、検査検定機関、文教研修施設これらに類する機関及び施設を含む。、医療更生施設、矯正収容施設及び作業施設を置くことができる。 の施設等機関及び同法第8条の3の特別の機関

6号 独立行政法人通則法 1999年法律第103号第2条第1項 《この法律において「独立行政法人」とは、国…》 民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体に委ねた場合には必ずしも実施されないおそ に規定する独立行政法人

7号 国立大学法人法 2003年法律第112号第2条第1項 《この法律において「国立大学法人」とは、国…》 立大学を設置することを目的として、この法律の定めるところにより設立される法人をいう。 に規定する国立大学法人

2項 前項の場合において、同項に規定する情報の提供を求められた者は、遅滞なく、当該情報を外務大臣に提供するものとする。

3項 外務大臣は、前項の規定により提供された情報が、 申請に係る子 が日本国内に所在していることを示すものであるが、申請に係る子及び申請に係る子と同居している者の所在を特定するために10分でない場合には、外務省令で定めるところにより、都道府県警察に対し、当該情報を提供して、これらの者の所在を特定するために必要な措置をとることを求めることができる。

4項 前項に規定するもののほか、外務大臣からの第2項の規定により提供された情報及び前項の規定による都道府県警察の措置によって得られた情報の提供は、次に掲げる場合に限り、行うことができる。

1号 第26条 《国立大学法人の役員及び職員に関する規定の…》 準用 第12条、第13条、第14条、第15条第3項を除く。、第16条、第17条第7項及び第8項を除く。、第18条及び第19条の規定は、大学共同利用機関法人の役員及び職員について準用する。 この場合に の規定によるの返還の申立て又は子との交流の定めをすること若しくはその変更を求める家事審判若しくは家事調停の申立てをするために 申請に係る子 と同居している者の氏名を必要とする 申請者 から当該氏名の開示を求められた場合において、当該氏名を当該申請者に開示するとき。

2号 申請に係る子 についての 第29条 《業務の範囲等 大学共同利用機関法人は、…》 次の業務を行う。 1 大学共同利用機関を設置し、これを運営すること。 2 大学共同利用機関の施設及び設備等を大学の教員その他の者で当該大学共同利用機関の行う研究と同1の研究に従事するものの利用に供する に規定するの返還に関する事件若しくは子の返還の強制執行に係る事件が係属している裁判所又は申請に係る子についての子との交流に関する事件若しくは子との交流の強制執行に係る事件が係属している裁判所から、その手続を行うために申請に係る子及び申請に係る子と同居している者の住所又は居所の確認を求められた場合において、当該住所又は居所をこれらの裁判所に開示するとき。

3号 第10条第1項 《各国立大学法人に、役員として、その長であ…》 る学長当該国立大学法人が設置する国立大学の全部について第4項に規定する大学総括理事を置く場合にあっては、理事長。次条第1項並びに第21条第2項第4号、第3項及び第5項を除き、以下同じ。及び監事2人二以 の規定により、市町村、都道府県の設置する福祉事務所( 社会福祉法 1951年法律第45号)に規定する福祉に関する事務所をいう。以下この号及び同項において同じ。又は児童相談所( 児童福祉法 1947年法律第164号)に規定する児童相談所をいう。同号及び同項において同じ。)に対し、 申請に係る子 が虐待を受けているおそれがあると信ずるに足りる相当な理由がある旨を通告する場合において、申請に係る子及び申請に係る子と同居していると思料される者の氏名及び住所又は居所を当該市町村、都道府県の設置する福祉事務所又は児童相談所に通知するとき。

6条 (外国返還援助の決定及び通知)

1項 外務大臣は、 外国返還援助 申請があった場合には、次条第1項の規定によりこれを却下する場合及び 第8条第1項 《外務大臣は、申請に係る子が日本国以外の条…》 約締約国に所在していることが明らかである場合において、外国返還援助申請が前条第1項第4号に該当しないときは、第4条第2項の申請書申請者が同条第4項の規定により外国返還援助申請をした場合にあっては、同項 の規定により当該外国返還援助申請に係る書類の写しを送付する場合を除き、外国返還援助の決定(以下「 外国返還援助決定 」という。)をし、遅滞なく、 申請者 にその旨の通知(申請者が 第4条第4項 《4 外国返還援助申請は、日本国以外の条約…》 締約国の中央当局条約第6条に規定する中央当局をいう。以下同じ。を経由してすることができる。 この場合において、申請者は、第2項各号に掲げる事項を記載した書面日本語若しくは英語により記載したもの又は日本 の規定により日本国以外の 条約 締約国の中央当局を経由して外国返還援助申請をした場合にあっては、当該中央当局を経由してする通知。次条第2項及び 第8条第2項 《2 外務大臣は、前項の規定による送付をし…》 た場合には、申請者にその旨の通知をしなければならない。 において同じ。)をしなければならない。

2項 外務大臣は、 外国返還援助 決定をした場合には、必要に応じ、次に掲げる措置をとるものとする。

1号 第9条 《合意による子の返還等の促進 外務大臣は…》 、外国返還援助決定をした場合には、申請に係る子について子の返還又は申請者との交流を申請者及び申請に係る子を監護している者の合意により実現するため、これらの者の間の協議のあっせんその他の必要な措置をとる 又は 第10条 《子の虐待に係る通告 外務大臣は、申請に…》 係る子が日本国内に所在している場合において、虐待を受けているおそれがあると信ずるに足りる相当な理由があるときは、市町村、都道府県の設置する福祉事務所又は児童相談所に対し、その旨を通告しなければならない に規定する措置

2号 条約 の実施のための日本国以外の条約締約国の中央当局との連絡

3号 この法律に定める手続その他 子の返還 又はとの交流の実現に関連する日本国の法令に基づく制度に関する情報の 申請者 への提供

7条 (外国返還援助申請の却下)

1項 外務大臣は、 外国返還援助 申請が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該外国返還援助申請を却下する。

1号 申請に係る子 が16歳に達していること。

2号 申請に係る子 が日本国内に所在していないことが明らかであり、かつ、申請に係る子が所在している国又は地域が明らかでないこと。

3号 申請に係る子 条約 締約国以外の国又は地域に所在していることが明らかであること。

4号 申請に係る子 の所在地及び 申請者 の住所又は居所(申請者が法人その他の団体である場合にあっては、事務所の所在地)が同1の 条約 締約国内にあることが明らかであること。

5号 申請に係る子 連れ去り の時又は 留置 の開始の時に、申請に係る子の 常居所地国 条約 締約国でなかったこと。

6号 申請に係る子 常居所地国 の法令に基づき 申請者 が申請に係る子についての監護の権利を有していないことが明らかであり、又は申請に係る子の 連れ去り 若しくは 留置 により当該監護の権利が侵害されていないことが明らかであること。

2項 外務大臣は、前項の規定により 外国返還援助 申請を却下した場合には、 申請者 に直ちにその旨及びその理由の通知をしなければならない。

8条 (外国返還援助申請に係る書類の写しの条約締約国の中央当局への送付)

1項 外務大臣は、 申請に係る子 が日本国以外の 条約 締約国に所在していることが明らかである場合において、 外国返還援助 申請が前条第1項第4号に該当しないときは、 第4条第2項 《2 外国返還援助の申請以下「外国返還援助…》 申請」という。を行おうとする者は、外務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書日本語又は英語により記載したものに限る。を外務大臣に提出しなければならない。 1 外国返還援助申請をする者 の申請書( 申請者 が同条第4項の規定により外国返還援助申請をした場合にあっては、同項に規定する書面及び同条第3項に規定する書類の写しを当該条約締約国の中央当局に遅滞なく送付しなければならない。

2項 外務大臣は、前項の規定による送付をした場合には、 申請者 にその旨の通知をしなければならない。

9条 (合意による子の返還等の促進)

1項 外務大臣は、 外国返還援助 決定をした場合には、 申請に係る子 についての返還又は 申請者 との交流を申請者及び申請に係る子を監護している者の合意により実現するため、これらの者の間の協議のあっせんその他の必要な措置をとることができる。

10条 (子の虐待に係る通告)

1項 外務大臣は、 申請に係る子 が日本国内に所在している場合において、虐待を受けているおそれがあると信ずるに足りる相当な理由があるときは、市町村、都道府県の設置する福祉事務所又は児童相談所に対し、その旨を通告しなければならない。

2項 前項の規定による通告は、 児童虐待の防止等に関する法律 2000年法律第82号第6条第1項 《児童虐待を受けたと思われる児童を発見した…》 者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。 の規定による通告とみなして、同条第2項及び第3項並びに同法第7条及び 第8条 《外国返還援助申請に係る書類の写しの条約締…》 約国の中央当局への送付 外務大臣は、申請に係る子が日本国以外の条約締約国に所在していることが明らかである場合において、外国返還援助申請が前条第1項第4号に該当しないときは、第4条第2項の申請書申請者 の規定を適用する。

2款 日本国返還援助

11条 (日本国返還援助申請)

1項 日本国以外の 条約 締約国への 連れ去り をされ、又は日本国以外の条約締約国において 留置 をされているであって、その 常居所地国 が日本国であるものについて、日本国の法令に基づき監護の権利を有する者は、当該連れ去り又は留置によって当該監護の権利が侵害されていると思料する場合には、日本国への子の返還を実現するための援助(以下「 日本国返還援助 」という。)を外務大臣に申請することができる。

2項 第4条第2項 《2 外国返還援助の申請以下「外国返還援助…》 申請」という。を行おうとする者は、外務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書日本語又は英語により記載したものに限る。を外務大臣に提出しなければならない。 1 外国返還援助申請をする者 及び第3項の規定は、 日本国返還援助 の申請(以下「 日本国返還援助申請 」という。)について準用する。この場合において、同条第2項第1号中「 第7条第1項第4号 《外務大臣は、外国返還援助申請が次の各号の…》 いずれかに該当する場合には、当該外国返還援助申請を却下する。 1 申請に係る子が16歳に達していること。 2 申請に係る子が日本国内に所在していないことが明らかであり、かつ、申請に係る子が所在している 」とあるのは「 第13条第1項第4号 《外務大臣は、日本国返還援助申請が次の各号…》 のいずれかに該当する場合には、当該日本国返還援助申請を却下する。 1 日本国返還援助申請において返還を求められている子以下この款において「申請に係る子」という。が16歳に達していること。 2 申請に係 」と、同項第4号中「 条約 締約国」とあり、及び同項第5号中「 申請に係る子 常居所地国 」とあるのは「日本国」と読み替えるものとする。

12条 (日本国返還援助の決定及び通知)

1項 外務大臣は、 日本国返還援助 申請があった場合には、次条第1項の規定によりこれを却下する場合を除き、日本国返還援助の決定(以下「 日本国返還援助決定 」という。)をし、遅滞なく、日本国返還援助申請をした者(以下この款において「 申請者 」という。)にその旨を通知しなければならない。

2項 外務大臣は、 日本国返還援助 決定をした場合には、 第14条 《日本国返還援助申請に係る書類の写しの条約…》 締約国の中央当局への送付 外務大臣は、日本国返還援助決定をした場合には、第11条第2項において準用する第4条第2項の申請書及び同条第3項に規定する書類の写しを申請に係る子が所在している条約締約国の中 に規定する措置をとるものとする。

3項 外務大臣は、 日本国返還援助 決定をした場合には、前項に規定するもののほか、必要に応じ、次に掲げる措置をとるものとする。

1号 第15条 《子の社会的背景に関する情報の条約締約国の…》 中央当局への提供 外務大臣は、日本国への子の返還に関する事件が日本国以外の条約締約国の裁判所又はその他の審判を行う機関以下この項及び次項において「外国裁判所等」という。に係属しており、当該条約締約国 に規定する措置

2号 条約 の実施のための日本国以外の条約締約国の中央当局との連絡

13条 (日本国返還援助申請の却下)

1項 外務大臣は、 日本国返還援助 申請が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該日本国返還援助申請を却下する。

1号 日本国返還援助 申請において返還を求められている以下この款において「 申請に係る子 」という。)が16歳に達していること。

2号 申請に係る子 が所在している国又は地域が明らかでないこと。

3号 申請に係る子 が日本国又は 条約 締約国以外の国若しくは地域に所在していることが明らかであること。

4号 申請に係る子 の所在地及び 申請者 の住所又は居所(申請者が法人その他の団体である場合にあっては、事務所の所在地)が同1の 条約 締約国内にあることが明らかであること。

5号 申請に係る子 常居所地国 が日本国でないことが明らかであること。

6号 申請に係る子 連れ去り の時又は 留置 の開始の時に、申請に係る子が所在していると思料される国又は地域が 条約 締約国でなかったこと。

7号 日本国の法令に基づき 申請者 申請に係る子 についての監護の権利を有していないことが明らかであり、又は申請に係る子の 連れ去り 若しくは 留置 により当該監護の権利が侵害されていないことが明らかであること。

2項 外務大臣は、前項の規定により 日本国返還援助 申請を却下した場合には、 申請者 に直ちにその旨及びその理由を通知しなければならない。

14条 (日本国返還援助申請に係る書類の写しの条約締約国の中央当局への送付)

1項 外務大臣は、 日本国返還援助 決定をした場合には、 第11条第2項 《2 第4条第2項及び第3項の規定は、日本…》 国返還援助の申請以下「日本国返還援助申請」という。について準用する。 この場合において、同条第2項第1号中「第7条第1項第4号」とあるのは「第13条第1項第4号」と、同項第4号中「条約締約国」とあり、 において準用する 第4条第2項 《2 外国返還援助の申請以下「外国返還援助…》 申請」という。を行おうとする者は、外務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書日本語又は英語により記載したものに限る。を外務大臣に提出しなければならない。 1 外国返還援助申請をする者 の申請書及び同条第3項に規定する書類の写しを 申請に係る子 が所在している 条約 締約国の中央当局に遅滞なく送付しなければならない。

2項 外務大臣は、前項の規定による送付をした場合には、 申請者 にその旨の通知をしなければならない。

15条 (子の社会的背景に関する情報の条約締約国の中央当局への提供)

1項 外務大臣は、日本国へのの返還に関する事件が日本国以外の 条約 締約国の裁判所又はその他の審判を行う機関(以下この項及び次項において「 外国裁判所等 」という。)に係属しており、当該条約締約国の中央当局から当該 子の返還 に係る子の日本国内における心身、養育及び就学の状況その他の生活及び取り巻く環境の状況に関する情報の提供を求められた場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、当該条約締約国の中央当局に提供するために、政令で定めるところにより、 国の行政機関等 の長、地方公共団体の長その他の執行機関及び当該子に関する情報を有している者として政令で定める者に対し、その有する当該情報の提供を求めることができる。

1号 当該中央当局が、当該 外国裁判所等 の依頼を受けて当該事件に関する調査を行うために外務大臣に対し当該情報の提供を求めており、かつ、当該調査以外の目的のために当該情報を利用するおそれがないと認められるとき。

2号 当該事件に係る 外国裁判所等 の手続の当事者(当該子が当該手続の当事者である場合にあっては、当該子を除く。)が当該情報を当該中央当局に提供することに同意しているとき。

2項 前項の場合において、同項に規定する情報の提供を求められた者は、次の各号のいずれにも該当するときは、遅滞なく、当該情報を外務大臣に提供するものとする。

1号 当該情報を前項に規定する中央当局に提供することによって同項に規定する子及び同項に規定する事件に係る 外国裁判所等 の手続の当事者の権利利益を不当に侵害するおそれがないと認めるとき。

2号 当該情報が、前項に規定する子及び同項に規定する事件に係る 外国裁判所等 の手続の当事者の知り得る状態にあり、かつ、これらの者以外の特定の個人を識別することができる情報を含まないとき。

3項 外務大臣は、前項の規定により提供された情報を、第1項に規定する中央当局に対してのみ提供することができる。

3節 子との交流に関する援助 > 1款 日本国交流援助

16条 (日本国交流援助申請)

1項 日本国内に所在しているであって、交流をすることができなくなる直前に常居所を有していた国又は地域が 条約 締約国であるものについて、当該国又は地域の法令に基づき交流をすることができる者(日本国以外の条約締約国に住所又は居所を有しているものに限る。)は、当該子との交流が妨げられていると思料する場合には、当該子との交流を実現するための援助(以下「 日本国交流援助 」という。)を外務大臣に申請することができる。

2項 日本国交流援助 の申請(以下「 日本国交流援助申請 」という。)を行おうとする者は、外務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書(日本語又は英語により記載したものに限る。)を外務大臣に提出しなければならない。

1号 日本国交流援助 申請をする者(以下この款において「 申請者 」という。)の氏名及び住所又は居所

2号 日本国交流援助 申請において交流を求められている以下この款において「 申請に係る子 」という。)の氏名、生年月日及び住所又は居所(これらの事項が明らかでないときは、その旨)その他 申請に係る子 を特定するために必要な事項

3号 申請に係る子 との交流を妨げていると思料される者の氏名その他当該者を特定するために必要な事項

4号 申請者 申請に係る子 と交流をすることができなくなる直前に申請に係る子が常居所を有していた国又は地域が 条約 締約国であることを明らかにするために必要な事項

5号 申請者 申請に係る子 と交流をすることができなくなる直前に申請に係る子が常居所を有していた国又は地域の法令に基づき申請者が申請に係る子と交流をすることができ、かつ、申請者の申請に係る子との交流が妨げられていることを明らかにするために必要な事項

6号 申請に係る子 と同居していると思料される者の氏名、住所又は居所その他当該者を特定するために必要な事項(これらの事項が明らかでないときは、その旨

3項 前項の申請書には、同項第5号に掲げる事項を証明する書類その他外務省令で定める書類を添付しなければならない。

4項 日本国交流援助 申請は、日本国以外の 条約 締約国の中央当局を経由してすることができる。この場合において、 申請者 は、第2項各号に掲げる事項を記載した書面(日本語若しくは英語により記載したもの又は日本語若しくは英語による翻訳文を添付したものに限る。及び前項に規定する書類を外務大臣に提出しなければならない。

17条 (日本国交流援助の決定及び通知)

1項 外務大臣は、 日本国交流援助 申請があった場合には、次条第1項の規定によりこれを却下する場合及び 第19条第1項 《外務大臣は、申請に係る子が日本国以外の条…》 約締約国に所在していることが明らかである場合において、日本国交流援助申請が前条第1項第4号に該当しないときは、第16条第2項の申請書申請者が同条第4項の規定により日本国交流援助申請をした場合にあっては の規定により当該日本国交流援助申請に係る書類の写しを送付する場合を除き、日本国交流援助の決定(以下「 日本国交流援助決定 」という。)をし、遅滞なく、 申請者 にその旨の通知(申請者が前条第4項の規定により日本国以外の 条約 締約国の中央当局を経由して日本国交流援助申請をした場合にあっては、当該中央当局を経由してする通知。次条第2項及び 第19条第2項 《2 外務大臣は、前項の規定による送付をし…》 た場合には、申請者にその旨の通知をしなければならない。 において同じ。)をしなければならない。

2項 外務大臣は、 日本国交流援助 決定をした場合には、必要に応じ、次に掲げる措置をとるものとする。

1号 第20条 《日本国交流援助に関する準用規定 第5条…》 、第9条及び第10条の規定は、外務大臣に対し日本国交流援助申請があった場合について準用する。 この場合において、第5条第4項第1号中「第26条の規定による子の返還の申立て又は子との交流の定めをすること において準用する 第9条 《合意による子の返還等の促進 外務大臣は…》 、外国返還援助決定をした場合には、申請に係る子について子の返還又は申請者との交流を申請者及び申請に係る子を監護している者の合意により実現するため、これらの者の間の協議のあっせんその他の必要な措置をとる 又は 第10条 《子の虐待に係る通告 外務大臣は、申請に…》 係る子が日本国内に所在している場合において、虐待を受けているおそれがあると信ずるに足りる相当な理由があるときは、市町村、都道府県の設置する福祉事務所又は児童相談所に対し、その旨を通告しなければならない に規定する措置

2号 条約 の実施のための日本国以外の条約締約国の中央当局との連絡

3号 この法律に定める手続その他子との交流の実現に関連する日本国の法令に基づく制度に関する情報の 申請者 への提供

18条 (日本国交流援助申請の却下)

1項 外務大臣は、 日本国交流援助 申請が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該日本国交流援助申請を却下する。

1号 申請に係る子 が16歳に達していること。

2号 申請に係る子 が日本国内に所在していないことが明らかであり、かつ、申請に係る子が所在している国又は地域が明らかでないこと。

3号 申請に係る子 条約 締約国以外の国又は地域に所在していることが明らかであること。

4号 申請に係る子 の所在地及び 申請者 の住所又は居所が同1の 条約 締約国内にあることが明らかであること。

5号 申請者 が日本国内に住所若しくは居所を有していることが明らかであり、又は日本国以外の 条約 締約国に住所若しくは居所を有していないことが明らかであること。

6号 申請者 申請に係る子 と交流をすることができなくなる直前に申請に係る子が常居所を有していた国又は地域が 条約 締約国でないこと。

7号 申請者 申請に係る子 と交流をすることができなくなる直前に申請に係る子が常居所を有していた国若しくは地域の法令に基づき申請者が申請に係る子と交流をすることができないことが明らかであり、又は申請者の申請に係る子との交流が妨げられていないことが明らかであること。

2項 外務大臣は、前項の規定により 日本国交流援助 申請を却下した場合には、 申請者 に直ちにその旨及びその理由の通知をしなければならない。

19条 (日本国交流援助申請に係る書類の写しの条約締約国の中央当局への送付)

1項 外務大臣は、 申請に係る子 が日本国以外の 条約 締約国に所在していることが明らかである場合において、 日本国交流援助 申請が前条第1項第4号に該当しないときは、 第16条第2項 《2 日本国交流援助の申請以下「日本国交流…》 援助申請」という。を行おうとする者は、外務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書日本語又は英語により記載したものに限る。を外務大臣に提出しなければならない。 1 日本国交流援助申請を の申請書( 申請者 が同条第4項の規定により日本国交流援助申請をした場合にあっては、同項に規定する書面及び同条第3項に規定する書類の写しを当該条約締約国の中央当局に遅滞なく送付しなければならない。

2項 外務大臣は、前項の規定による送付をした場合には、 申請者 にその旨の通知をしなければならない。

20条 (日本国交流援助に関する準用規定)

1項 第5条 《子の住所等に関する情報の提供の求め等 …》 外務大臣は、外国返還援助申請があった場合において、必要と認めるときは、申請に係る子及び申請に係る子と同居している者の氏名及び住所又は居所を特定するため、政令で定めるところにより、次に掲げる機関及び法人第9条 《合意による子の返還等の促進 外務大臣は…》 、外国返還援助決定をした場合には、申請に係る子について子の返還又は申請者との交流を申請者及び申請に係る子を監護している者の合意により実現するため、これらの者の間の協議のあっせんその他の必要な措置をとる 及び 第10条 《子の虐待に係る通告 外務大臣は、申請に…》 係る子が日本国内に所在している場合において、虐待を受けているおそれがあると信ずるに足りる相当な理由があるときは、市町村、都道府県の設置する福祉事務所又は児童相談所に対し、その旨を通告しなければならない の規定は、外務大臣に対し 日本国交流援助 申請があった場合について準用する。この場合において、 第5条第4項第1号 《4 前項に規定するもののほか、外務大臣か…》 らの第2項の規定により提供された情報及び前項の規定による都道府県警察の措置によって得られた情報の提供は、次に掲げる場合に限り、行うことができる。 1 第26条の規定による子の返還の申立て又は子との交流 中「 第26条 《条約に基づく子の返還 日本国への連れ去…》 又は日本国における留置により子についての監護の権利を侵害された者は、子を監護している者に対し、この法律の定めるところにより、常居所地国に子を返還することを命ずるよう家庭裁判所に申し立てることができる の規定によるの返還の申立て又は子との交流の定めをすること若しくはその変更を求める家事審判若しくは」とあるのは「子との交流の定めをすること又はその変更を求める家事審判又は」と、同項第2号中「 第29条 《子の返還に関する事件の手続 子の返還に…》 関する事件第32条第1項に規定する子の返還申立事件、第121条の規定による調査及び勧告の事件並びに第123条第2項に規定する出国禁止命令事件をいう。以下同じ。の手続については、他の法令に定めるもののほ に規定する子の返還に関する事件若しくは子の返還の強制執行に係る事件が係属している裁判所又は 申請に係る子 についての子との交流に関する事件若しくは」とあるのは「子との交流に関する事件又は」と、「これらの」とあるのは「当該」と、 第9条 《合意による子の返還等の促進 外務大臣は…》 、外国返還援助決定をした場合には、申請に係る子について子の返還又は申請者との交流を申請者及び申請に係る子を監護している者の合意により実現するため、これらの者の間の協議のあっせんその他の必要な措置をとる 中「子の返還又は 申請者 」とあるのは「申請者」と読み替えるものとする。

2款 外国交流援助

21条 (外国交流援助申請)

1項 日本国以外の 条約 締約国に所在しているであって、交流をすることができなくなる直前に常居所を有していた国又は地域が条約締約国であるものについて、当該国又は地域の法令に基づき交流をすることができる者(日本国内に住所又は居所を有しているものに限る。)は、当該子との交流が妨げられていると思料する場合には、当該子との交流を実現するための援助(以下「 外国交流援助 」という。)を外務大臣に申請することができる。

2項 第16条第2項 《2 日本国交流援助の申請以下「日本国交流…》 援助申請」という。を行おうとする者は、外務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書日本語又は英語により記載したものに限る。を外務大臣に提出しなければならない。 1 日本国交流援助申請を 及び第3項の規定は、 外国交流援助 の申請(以下「 外国交流援助申請 」という。)について準用する。

22条 (外国交流援助の決定及び通知)

1項 外務大臣は、 外国交流援助 申請があった場合には、次条第1項の規定によりこれを却下する場合を除き、外国交流援助の決定(以下「 外国交流援助決定 」という。)をし、遅滞なく、外国交流援助申請をした者(以下この款において「 申請者 」という。)にその旨を通知しなければならない。

2項 外務大臣は、 外国交流援助 決定をした場合には、 第24条 《外国交流援助申請に係る書類の写しの条約締…》 約国の中央当局への送付 外務大臣は、外国交流援助決定をした場合には、第21条第2項において準用する第16条第2項の申請書及び同条第3項に規定する書類の写しを申請に係る子が所在している条約締約国の中央 に規定する措置をとるものとする。

3項 外務大臣は、 外国交流援助 決定をした場合には、前項に規定するもののほか、必要に応じ、次に掲げる措置をとるものとする。

1号 第25条 《外国交流援助に関する準用規定 第15条…》 の規定は、外務大臣に対し外国交流援助申請があった場合について準用する。 この場合において、同条第1項中「日本国への子の返還」とあるのは「申請に係る子についての子との交流」と、「当該子の返還に係る子」と において準用する 第15条 《子の社会的背景に関する情報の条約締約国の…》 中央当局への提供 外務大臣は、日本国への子の返還に関する事件が日本国以外の条約締約国の裁判所又はその他の審判を行う機関以下この項及び次項において「外国裁判所等」という。に係属しており、当該条約締約国 に規定する措置

2号 条約 の実施のための日本国以外の条約締約国の中央当局との連絡

23条 (外国交流援助申請の却下)

1項 外務大臣は、 外国交流援助 申請が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該外国交流援助申請を却下する。

1号 外国交流援助 申請において交流を求められている以下この款において「 申請に係る子 」という。)が16歳に達していること。

2号 申請に係る子 が所在している国又は地域が明らかでないこと。

3号 申請に係る子 が日本国又は 条約 締約国以外の国若しくは地域に所在していることが明らかであること。

4号 申請に係る子 の所在地及び 申請者 の住所又は居所が同1の 条約 締約国内にあることが明らかであること。

5号 申請者 が日本国内に住所又は居所を有していないことが明らかであること。

6号 申請者 申請に係る子 と交流をすることができなくなる直前に申請に係る子が常居所を有していた国又は地域が 条約 締約国でないこと。

7号 申請者 申請に係る子 と交流をすることができなくなる直前に申請に係る子が常居所を有していた国若しくは地域の法令に基づき申請者が申請に係る子と交流をすることができないことが明らかであり、又は申請者の申請に係る子との交流が妨げられていないことが明らかであること。

2項 外務大臣は、前項の規定により 外国交流援助 申請を却下した場合には、 申請者 に直ちにその旨及びその理由を通知しなければならない。

24条 (外国交流援助申請に係る書類の写しの条約締約国の中央当局への送付)

1項 外務大臣は、 外国交流援助 決定をした場合には、 第21条第2項 《2 第16条第2項及び第3項の規定は、外…》 国交流援助の申請以下「外国交流援助申請」という。について準用する。 において準用する 第16条第2項 《2 日本国交流援助の申請以下「日本国交流…》 援助申請」という。を行おうとする者は、外務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書日本語又は英語により記載したものに限る。を外務大臣に提出しなければならない。 1 日本国交流援助申請を の申請書及び同条第3項に規定する書類の写しを 申請に係る子 が所在している 条約 締約国の中央当局に遅滞なく送付しなければならない。

2項 外務大臣は、前項の規定による送付をした場合には、 申請者 にその旨を通知しなければならない。

25条 (外国交流援助に関する準用規定)

1項 第15条 《子の社会的背景に関する情報の条約締約国の…》 中央当局への提供 外務大臣は、日本国への子の返還に関する事件が日本国以外の条約締約国の裁判所又はその他の審判を行う機関以下この項及び次項において「外国裁判所等」という。に係属しており、当該条約締約国 の規定は、外務大臣に対し 外国交流援助 申請があった場合について準用する。この場合において、同条第1項中「日本国へのの返還」とあるのは「 申請に係る子 についての子との交流」と、「当該 子の返還 に係る子」とあるのは「申請に係る子」と読み替えるものとする。

3章 子の返還に関する事件の手続等 > 1節 返還事由等

26条 (条約に基づく子の返還)

1項 日本国への 連れ去り 又は日本国における 留置 によりについての監護の権利を侵害された者は、子を監護している者に対し、この法律の定めるところにより、 常居所地国 に子を返還することを命ずるよう家庭裁判所に申し立てることができる。

27条 (子の返還事由)

1項 裁判所は、の返還の申立てが次の各号に掲げる事由のいずれにも該当すると認めるときは、子の返還を命じなければならない。

1号 が16歳に達していないこと。

2号 が日本国内に所在していること。

3号 常居所地国 の法令によれば、当該 連れ去り 又は 留置 が申立人の有するについての監護の権利を侵害するものであること。

4号 当該 連れ去り の時又は当該 留置 の開始の時に、 常居所地国 条約 締約国であったこと。

28条 (子の返還拒否事由等)

1項 裁判所は、前条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる事由のいずれかがあると認めるときは、の返還を命じてはならない。ただし、第1号から第3号まで又は第5号に掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して 常居所地国 に子を返還することが子の利益に資すると認めるときは、子の返還を命ずることができる。

1号 の返還の申立てが当該 連れ去り の時又は当該 留置 の開始の時から1年を経過した後にされたものであり、かつ、子が新たな環境に適応していること。

2号 申立人が当該 連れ去り の時又は当該 留置 の開始の時にに対して現実に監護の権利を行使していなかったこと(当該連れ去り又は留置がなければ申立人が子に対して現実に監護の権利を行使していたと認められる場合を除く。)。

3号 申立人が当該 連れ去り の前若しくは当該 留置 の開始の前にこれに同意し、又は当該連れ去りの後若しくは当該留置の開始の後にこれを承諾したこと。

4号 常居所地国 に子を返還することによって、の心身に害悪を及ぼすことその他子を耐え難い状況に置くこととなる重大な危険があること。

5号 の年齢及び発達の程度に照らして子の意見を考慮することが適当である場合において、子が常居所地国に返還されることを拒んでいること。

6号 常居所地国 に子を返還することが日本国における人権及び基本的自由の保護に関する基本原則により認められないものであること。

2項 裁判所は、前項第4号に掲げる事由の有無を判断するに当たっては、次に掲げる事情その他の一切の事情を考慮するものとする。

1号 常居所地国 においてが申立人から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動(次号において「 暴力等 」という。)を受けるおそれの有無

2号 相手方及びが常居所地国に入国した場合に相手方が申立人から子に心理的外傷を与えることとなる 暴力等 を受けるおそれの有無

3号 申立人又は相手方が 常居所地国 においてを監護することが困難な事情の有無

3項 裁判所は、日本国においての監護に関する裁判があったこと又は外国においてされた子の監護に関する裁判が日本国で効力を有する可能性があることのみを理由として、子の返還の申立てを却下する裁判をしてはならない。ただし、これらの子の監護に関する裁判の理由を子の返還の申立てについての裁判において考慮することを妨げない。

2節 子の返還に関する事件の手続の通則

29条 (子の返還に関する事件の手続)

1項 の返還に関する事件( 第32条第1項 《子の返還申立事件第26条の規定による子の…》 返還の申立てに係る事件をいう。以下同じ。は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める家庭裁判所の管轄に属する。 1 子の住所地日本国内に子の住所がないとき、又は住所が知れないときは、その居所地。次号 に規定する子の返還申立事件、 第121条 《家庭裁判所による義務の履行状況の調査及び…》 履行の勧告 子の返還を命ずる終局決定をした家庭裁判所抗告裁判所が子の返還を命ずる終局決定をした場合にあっては、第一審裁判所である家庭裁判所。以下同じ。は、権利者の申出があるときは、子の返還の義務の履 の規定による調査及び勧告の事件並びに 第123条第2項 《2 出国禁止命令を求める事由については、…》 出国禁止命令の申立てに係る事件以下「出国禁止命令事件」という。の申立人が資料を提出しなければならない。 に規定する出国禁止命令事件をいう。以下同じ。)の手続については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。

30条 (裁判所及び当事者の責務)

1項 裁判所は、の返還に関する事件の手続が公正かつ迅速に行われるように努め、当事者は、信義に従い誠実に子の返還に関する事件の手続を追行しなければならない。

31条 (最高裁判所規則)

1項 この法律に定めるもののほか、の返還に関する事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

3節 子の返還申立事件の手続 > 1款 総則 > 1目 管轄

32条 (管轄)

1項 の返還申立事件( 第26条 《条約に基づく子の返還 日本国への連れ去…》 又は日本国における留置により子についての監護の権利を侵害された者は、子を監護している者に対し、この法律の定めるところにより、常居所地国に子を返還することを命ずるよう家庭裁判所に申し立てることができる の規定による子の返還の申立てに係る事件をいう。以下同じ。)は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める家庭裁判所の管轄に属する。

1号 の住所地(日本国内に子の住所がないとき、又は住所が知れないときは、その居所地。次号において同じ。)が東京高等裁判所、名古屋高等裁判所、仙台高等裁判所又は札幌高等裁判所の管轄区域内にある場合東京家庭裁判所

2号 の住所地が大阪高等裁判所、広島高等裁判所、福岡高等裁判所又は高松高等裁判所の管轄区域内にある場合大阪家庭裁判所

2項 の返還申立事件は、日本国内に子の住所がない場合又は住所が知れない場合であって、日本国内に子の居所がないとき又は居所が知れないときは、東京家庭裁判所の管轄に属する。

33条 (併合申立てによる管轄)

1項 1の申立てにより数人のについての子の返還を求める場合には、前条の規定により1人の子についての子の返還の申立てについて管轄権を有する家庭裁判所にその申立てをすることができる。

34条 (管轄裁判所の指定)

1項 管轄裁判所が法律上若しくは事実上裁判権を行うことができないとき、又は裁判所の管轄区域が明確でないため管轄裁判所が定まらないときは、最高裁判所は、申立てにより、管轄裁判所を定める。

35条 (管轄の標準時)

1項 裁判所の管轄は、の返還の申立てがあった時を標準として定める。

36条 (管轄の合意)

1項 当事者は、第一審に限り、合意により 第32条第1項 《子の返還申立事件第26条の規定による子の…》 返還の申立てに係る事件をいう。以下同じ。は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める家庭裁判所の管轄に属する。 1 子の住所地日本国内に子の住所がないとき、又は住所が知れないときは、その居所地。次号 各号に定める家庭裁判所の1を管轄裁判所と定めることができる。

2項 前項の合意は、の返還の申立てに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。

3項 第1項の合意がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)によってされたときは、その合意は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。

37条 (移送等)

1項 裁判所は、の返還申立事件がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄権を有する家庭裁判所に移送する。

2項 家庭裁判所は、前項に規定する場合において、の返還申立事件を処理するために特に必要があると認めるときは、職権で、当該 子の返還 申立事件の全部又は一部を管轄権を有する家庭裁判所以外の家庭裁判所( 第32条第1項 《子の返還申立事件第26条の規定による子の…》 返還の申立てに係る事件をいう。以下同じ。は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める家庭裁判所の管轄に属する。 1 子の住所地日本国内に子の住所がないとき、又は住所が知れないときは、その居所地。次号 各号に定める家庭裁判所に限る。)に移送することができる。

3項 第32条第1項 《子の返還申立事件第26条の規定による子の…》 返還の申立てに係る事件をいう。以下同じ。は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める家庭裁判所の管轄に属する。 1 子の住所地日本国内に子の住所がないとき、又は住所が知れないときは、その居所地。次号 各号に定める家庭裁判所は、第1項に規定する場合において、の返還申立事件を処理するために特に必要があると認めるときは、職権で、当該 子の返還 申立事件の全部又は一部を自ら処理することができる。

4項 家庭裁判所は、の返還申立事件がその管轄に属する場合においても、当該 子の返還 申立事件を処理するために特に必要があると認めるときは、職権で、当該子の返還申立事件の全部又は一部を他の家庭裁判所( 第32条第1項 《子の返還申立事件第26条の規定による子の…》 返還の申立てに係る事件をいう。以下同じ。は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める家庭裁判所の管轄に属する。 1 子の住所地日本国内に子の住所がないとき、又は住所が知れないときは、その居所地。次号 各号に定める家庭裁判所に限る。)に移送することができる。

5項 第1項、第2項及び前項の規定による移送の裁判並びに第1項の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

6項 前項の規定による移送の裁判に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。

7項 民事訴訟法 1996年法律第109号第22条 《移送の裁判の拘束力等 確定した移送の裁…》 判は、移送を受けた裁判所を拘束する。 2 移送を受けた裁判所は、更に事件を他の裁判所に移送することができない。 3 移送の裁判が確定したときは、訴訟は、初めから移送を受けた裁判所に係属していたものとみ の規定は、の返還申立事件の移送の裁判について準用する。

2目 裁判所職員の除斥及び忌避

38条 (裁判官の除斥)

1項 裁判官は、次に掲げる場合には、その職務の執行から除斥される。ただし、第6号に掲げる場合にあっては、他の裁判所の嘱託により受託裁判官としてその職務を行うことを妨げない。

1号 裁判官又はその配偶者若しくは配偶者であった者が、事件の当事者であるとき、又は当事者となる資格を有する者であるとき。

2号 裁判官が当事者又はの四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族であるとき、又はあったとき。

3号 裁判官が当事者又はの後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。

4号 裁判官が事件について証人若しくは鑑定人となったとき、又は審問を受けることとなったとき。

5号 裁判官が事件について当事者若しくはの代理人若しくは補佐人であるとき、又はあったとき。

6号 裁判官が事件について仲裁判断に関与し、又は不服を申し立てられた前審の裁判に関与したとき。

2項 前項に規定する除斥の原因があるときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、除斥の裁判をする。

39条 (裁判官の忌避)

1項 裁判官について裁判の公正を妨げる事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することができる。

2項 当事者は、裁判官の面前において事件について陳述をしたときは、その裁判官を忌避することができない。ただし、忌避の原因があることを知らなかったとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。

40条 (除斥又は忌避の裁判及び手続の停止)

1項 合議体の構成員である裁判官及び家庭裁判所の1人の裁判官の除斥又は忌避については、その裁判官の所属する裁判所が裁判をする。

2項 前項の裁判は、合議体でする。

3項 裁判官は、その除斥又は忌避についての裁判に関与することができない。

4項 除斥又は忌避の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまでの返還申立事件の手続を停止しなければならない。ただし、急速を要する行為については、この限りでない。

5項 次に掲げる事由があるとして忌避の申立てを却下する裁判をするときは、第3項の規定は、適用しない。

1号 の返還申立事件の手続を遅滞させる目的のみでされたことが明らかなとき。

2号 前条第2項の規定に違反するとき。

3号 最高裁判所規則で定める手続に違反するとき。

6項 前項の裁判は、第1項及び第2項の規定にかかわらず、忌避された受命裁判官等(受命裁判官、受託裁判官又はの返還申立事件を取り扱う家庭裁判所の1人の裁判官をいう。次条第3項ただし書において同じ。)がすることができる。

7項 第5項の裁判をした場合には、第4項本文の規定にかかわらず、の返還申立事件の手続は、停止しない。

8項 除斥又は忌避を理由があるとする裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

9項 除斥又は忌避の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

41条 (裁判所書記官の除斥及び忌避)

1項 裁判所書記官の除斥及び忌避については、 第38条 《裁判官の除斥 裁判官は、次に掲げる場合…》 には、その職務の執行から除斥される。 ただし、第6号に掲げる場合にあっては、他の裁判所の嘱託により受託裁判官としてその職務を行うことを妨げない。 1 裁判官又はその配偶者若しくは配偶者であった者が、事第39条 《裁判官の忌避 裁判官について裁判の公正…》 を妨げる事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することができる。 2 当事者は、裁判官の面前において事件について陳述をしたときは、その裁判官を忌避することができない。 ただし、忌避の原因があるこ 並びに前条第3項、第5項、第8項及び第9項の規定を準用する。

2項 裁判所書記官について除斥又は忌避の申立てがあったときは、その裁判所書記官は、その申立てについての裁判が確定するまでその申立てがあったの返還申立事件に関与することができない。ただし、前項において準用する前条第5項各号に掲げる事由があるとして忌避の申立てを却下する裁判があったときは、この限りでない。

3項 裁判所書記官の除斥又は忌避についての裁判は、裁判所書記官の所属する裁判所がする。ただし、前項ただし書の裁判は、受命裁判官等(受命裁判官又は受託裁判官にあっては、当該裁判官の手続に立ち会う裁判所書記官が忌避の申立てを受けたときに限る。)がすることができる。

42条 (家庭裁判所調査官の除斥)

1項 家庭裁判所調査官の除斥については、 第38条 《裁判官の除斥 裁判官は、次に掲げる場合…》 には、その職務の執行から除斥される。 ただし、第6号に掲げる場合にあっては、他の裁判所の嘱託により受託裁判官としてその職務を行うことを妨げない。 1 裁判官又はその配偶者若しくは配偶者であった者が、事 並びに 第40条第2項 《2 前項の裁判は、合議体でする。…》 、第8項及び第9項の規定(忌避に関する部分を除く。)を準用する。

2項 家庭裁判所調査官について除斥の申立てがあったときは、その家庭裁判所調査官は、その申立てについての裁判が確定するまでその申立てがあったの返還申立事件に関与することができない。

3項 家庭裁判所調査官の除斥についての裁判は、家庭裁判所調査官の所属する裁判所がする。

3目 当事者能力及び手続行為能力

43条 (当事者能力及び手続行為能力の原則等)

1項 当事者能力、の返還申立事件の手続における手続上の行為(以下「 手続行為 」という。)をすることができる能力(以下この項において「 手続行為能力 」という。)、 手続行為 能力を欠く者の法定代理、手続行為をするのに必要な授権及び法定代理権の消滅については、 民事訴訟法 第28条 《原則 当事者能力、訴訟能力及び訴訟無能…》 力者の法定代理は、この法律に特別の定めがある場合を除き、民法1896年法律第89号その他の法令に従う。 訴訟行為をするのに必要な授権についても、同様とする。第29条 《法人でない社団等の当事者能力 法人でな…》 い社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができる。第33条 《外国人の訴訟能力の特則 外国人は、その…》 本国法によれば訴訟能力を有しない場合であっても、日本法によれば訴訟能力を有すべきときは、訴訟能力者とみなす。第34条第1項 《訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするの…》 に必要な授権を欠くときは、裁判所は、期間を定めて、その補正を命じなければならない。 この場合において、遅滞のため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、1時訴訟行為をさせることができる。 及び第2項並びに 第36条第1項 《法定代理権の消滅は、本人又は代理人から相…》 手方に通知しなければ、その効力を生じない。 の規定を準用する。

2項 未成年者及び成年被後見人は、法定代理人の同意を要することなく、又は法定代理人によらずに、自ら 手続行為 をすることができる。被保佐人又は被補助人について、保佐人若しくは保佐監督人又は補助人若しくは補助監督人の同意がない場合も、同様とする。

3項 後見人が他の者がしたの返還の申立て又は抗告について 手続行為 をするには、後見監督人の同意を要しない。

4項 後見人が次に掲げる 手続行為 をするには、後見監督人の同意がなければならない。

1号 の返還の申立ての取下げ又は和解

2号 終局決定に対する即時抗告、 第108条第1項 《外国においてすべき書類の送達は、裁判長が…》 その国の管轄官庁又はその国に駐在する日本の大使、公使若しくは領事に嘱託してする。 の抗告又は 第111条第2項 《2 前項の高等裁判所は、同項の終局決定に…》 ついて、最高裁判所の判例これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申 の申立ての取下げ

3号 第144条 《付調停 家庭裁判所及び高等裁判所は、当…》 事者の同意を得て、いつでも、職権で、子の返還申立事件を家事調停に付することができる。 の同意

44条 (未成年者又は成年被後見人の法定代理人)

1項 親権を行う者又は後見人は、未成年者又は成年被後見人を代理して 手続行為 をすることができる。

45条 (特別代理人)

1項 裁判長は、未成年者又は成年被後見人について、法定代理人がない場合又は法定代理人が代理権を行うことができない場合において、の返還申立事件の手続が遅滞することにより損害が生ずるおそれがあるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、特別代理人を選任することができる。

2項 特別代理人の選任の裁判は、疎明に基づいてする。

3項 裁判所は、いつでも特別代理人を改任することができる。

4項 特別代理人が 手続行為 をするには、後見人と同1の授権がなければならない。

5項 第1項の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

46条 (法人の代表者等への準用)

1項 法人の代表者及び法人でない社団又は財団で当事者能力を有するものの代表者又は管理人については、この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定を準用する。

4目 参加

47条 (当事者参加)

1項 当事者となる資格を有する者は、当事者としての返還申立事件の手続に参加することができる。

2項 裁判所は、相当と認めるときは、当事者の申立てにより又は職権で、他の当事者となる資格を有する者を、当事者としての返還申立事件の手続に参加させることができる。

3項 第1項の規定による参加の申出及び前項の申立ては、参加の趣旨及び理由を記載した書面でしなければならない。

4項 第1項の規定による参加の申出を却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

48条 (子の参加)

1項 の返還申立事件において返還を求められている子は、 子の返還 申立事件の手続に参加することができる。

2項 裁判所は、相当と認めるときは、職権で、返還を求められているを、 子の返還 申立事件の手続に参加させることができる。

3項 第1項の規定による参加の申出は、書面でしなければならない。

4項 裁判所は、の返還申立事件の手続に参加しようとする子の年齢及び発達の程度その他一切の事情を考慮して当該子が当該手続に参加することが当該子の利益を害すると認めるときは、第1項の規定による参加の申出を却下しなければならない。

5項 第1項の規定による参加の申出を却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

6項 第1項又は第2項の規定によりの返還申立事件の手続に参加した子(以下単に「手続に参加した子」という。)は、当事者がすることができる 手続行為 子の返還 の申立ての取下げ及び変更並びに裁判に対する不服申立て及び裁判所書記官の処分に対する異議の取下げを除く。)をすることができる。ただし、裁判に対する不服申立て及び裁判所書記官の処分に対する異議の申立てについては、手続に参加した子が不服申立て又は異議の申立てに関するこの法律の他の規定によりすることができる場合に限る。

49条 (手続からの排除)

1項 裁判所は、当事者となる資格を有しない者及び当事者である資格を喪失した者をの返還申立事件の手続から排除することができる。

2項 前項の規定による排除の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

5目 手続代理人及び補佐人

50条 (手続代理人の資格)

1項 法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ手続代理人となることができない。ただし、家庭裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を手続代理人とすることができる。

2項 前項ただし書の許可は、いつでも取り消すことができる。

51条 (裁判長による手続代理人の選任等)

1項 未成年者、成年被後見人、被保佐人及び被補助人(以下この条において「 未成年者等 」という。)が 手続行為 をしようとする場合において、必要があると認めるときは、裁判長は、申立てにより、弁護士を手続代理人に選任することができる。

2項 未成年者等 が前項の申立てをしない場合においても、裁判長は、弁護士を手続代理人に選任すべき旨を命じ、又は職権で弁護士を手続代理人に選任することができる。

3項 前2項の規定により裁判長が手続代理人に選任した弁護士に対し 未成年者等 が支払うべき報酬の額は、裁判所が相当と認める額とする。

52条 (手続代理人の代理権の範囲)

1項 手続代理人は、委任を受けた事件について、参加及び強制執行に関する行為をし、かつ、弁済を受領することができる。

2項 手続代理人は、次に掲げる事項については、特別の委任を受けなければならない。

1号 の返還の申立ての取下げ又は和解

2号 終局決定に対する即時抗告、 第108条第1項 《高等裁判所の終局決定に対しては、その決定…》 に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。 の抗告若しくは 第111条第2項 《2 前項の高等裁判所は、同項の終局決定に…》 ついて、最高裁判所の判例これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申 の申立て又はこれらの取下げ

3号 第122条第3項 《3 子の返還申立事件が高等裁判所に係属す…》 る場合には、その高等裁判所が、前2項の規定による裁判以下「出国禁止命令」という。をする。 に規定する出国禁止命令の申立て又はその取下げ

4号 第144条 《付調停 家庭裁判所及び高等裁判所は、当…》 事者の同意を得て、いつでも、職権で、子の返還申立事件を家事調停に付することができる。 の同意

5号 代理人の選任

3項 手続代理人の代理権は、制限することができない。ただし、弁護士でない手続代理人については、この限りでない。

4項 前3項の規定は、法令により裁判上の行為をすることができる代理人の権限を妨げない。

53条 (手続代理人及びその代理権に関する民事訴訟法の準用)

1項 民事訴訟法 第34条 《訴訟能力等を欠く場合の措置等 訴訟能力…》 、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠くときは、裁判所は、期間を定めて、その補正を命じなければならない。 この場合において、遅滞のため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、1時訴訟行為を第3項を除く。)、 第36条第1項 《法定代理権の消滅は、本人又は代理人から相…》 手方に通知しなければ、その効力を生じない。 及び 第56条 《個別代理 訴訟代理人が数人あるときは、…》 各自当事者を代理する。 2 当事者が前項の規定と異なる定めをしても、その効力を生じない。 から 第58条 《訴訟代理権の不消滅 訴訟代理権は、次に…》 掲げる事由によっては、消滅しない。 1 当事者の死亡又は訴訟能力の喪失 2 当事者である法人の合併による消滅 3 当事者である受託者の信託に関する任務の終了 4 法定代理人の死亡、訴訟能力の喪失又は まで(同条第3項を除く。)の規定は、手続代理人及びその代理権について準用する。

54条 (補佐人)

1項 の返還申立事件の手続における補佐人については、 民事訴訟法 第60条 《補佐人 当事者又は訴訟代理人は、裁判所…》 の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。 2 前項の許可は、いつでも取り消すことができる。 3 補佐人の陳述は、当事者又は訴訟代理人が直ちに取り消し、又は更正しないときは、当事者又は訴訟代理 の規定を準用する。

6目 手続費用

55条 (手続費用の負担)

1項 の返還申立事件の手続の費用(以下「 手続費用 」という。)は、各自の負担とする。

2項 裁判所は、事情により、前項の規定によれば当事者及び手続に参加したがそれぞれ負担すべき 手続費用 の全部又は一部を、その負担すべき者以外の当事者に負担させることができる。

56条 (手続費用の負担の裁判等)

1項 裁判所は、事件を完結する裁判において、職権で、その審級における 手続費用 裁判所が 第144条 《付調停 家庭裁判所及び高等裁判所は、当…》 事者の同意を得て、いつでも、職権で、子の返還申立事件を家事調停に付することができる。 の規定により事件を家事調停に付した場合にあっては、家事調停に関する手続の費用を含む。)の全部について、その負担の裁判をしなければならない。ただし、事情により、事件の一部又は中間の争いに関する裁判において、その費用についての負担の裁判をすることができる。

2項 上級の裁判所が本案の裁判を変更する場合には、手続の総費用(裁判所が 第144条 《付調停 家庭裁判所及び高等裁判所は、当…》 事者の同意を得て、いつでも、職権で、子の返還申立事件を家事調停に付することができる。 の規定により事件を家事調停に付した場合にあっては、家事調停に関する手続の費用を含む。)について、その負担の裁判をしなければならない。事件の差戻し又は移送を受けた裁判所がその事件を完結する裁判をする場合も、同様とする。

3項 裁判所が 第144条 《付調停 家庭裁判所及び高等裁判所は、当…》 事者の同意を得て、いつでも、職権で、子の返還申立事件を家事調停に付することができる。 の規定により事件を家事調停に付した場合において、調停が成立し、の返還申立事件の 手続費用 の負担について特別の定めをしなかったときは、その費用は、各自が負担する。

57条 (手続費用の立替え)

1項 事実の調査、証拠調べ、呼出し、告知その他のの返還申立事件の手続に必要な行為に要する費用は、国庫において立て替えることができる。

58条 (手続費用に関する民事訴訟法の準用等)

1項 民事訴訟法 第68条 《和解の場合の負担 当事者が裁判所におい…》 て和解をした場合において、和解の費用又は訴訟費用の負担について特別の定めをしなかったときは、その費用は、各自が負担する。 から 第74条 《費用額の確定処分の更正 第71条第1項…》 、第72条又は前条第1項の規定による額を定める処分に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでもその処分を更正することができる。 2 第7 までの規定(同法第71条第8項(同法第72条後段及び 第74条第2項 《2 前項の場合においては、家庭裁判所及び…》 裁判長の職務は、その裁判官が行う。 において準用する場合を含む。)の規定を除く。)は、 手続費用 の負担について準用する。この場合において、同法第73条第1項中「補助参加の申出の取下げ又は補助参加についての異議」とあるのは「国際的なの奪取の民事上の側面に関する 条約 の実施に関する法律第47条第1項又は 第48条第1項 《子の返還申立事件において返還を求められて…》 いる子は、子の返還申立事件の手続に参加することができる。 の規定による参加の申出」と、同条第2項中「 第61条 《電子調書の作成等 裁判所書記官は、子の…》 返還申立事件の手続の期日について、最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書期日又は期日外における手続の方式、内容及び経過等の記録及び公証をするためにこの法律その他の法令の規定により裁判所書記官が作 から 第66条 《他の申立権者等による受継 子の返還申立…》 事件の申立人の死亡によってその手続を続行することができない場合には、当該子の返還申立事件において申立人となることができる者は、その手続を受け継ぐことができる。 2 前項の規定による受継の申立ては、子の まで及び」とあるのは「 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律 第58条第1項 《民事訴訟法第68条から第74条までの規定…》 同法第71条第8項同法第72条後段及び第74条第2項において準用する場合を含む。の規定を除く。は、手続費用の負担について準用する。 この場合において、同法第73条第1項中「補助参加の申出の取下げ又は において準用する」と、「第8項まで」とあるのは「第7項まで」と、「訴訟が」とあるのは「子の返還申立事件が」と読み替えるものとする。

2項 前項において準用する 民事訴訟法 第69条第3項 《3 第1項前項において準用する場合を含む…》 。の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 の規定による即時抗告並びに同法第71条第5項(前項において準用する同法第72条後段において準用する場合を含む。)、 第73条第2項 《2 裁判長は、発言を許し、又はその命令に…》 従わない者の発言を禁止することができる。 及び 第74条第2項 《2 前項の場合においては、家庭裁判所及び…》 裁判長の職務は、その裁判官が行う。 の異議の申立てについての裁判に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。

59条 (手続上の救助)

1項 の返還申立事件の手続の準備及び追行に必要な費用を支払う資力がない者又はその支払により生活に著しい支障を生ずる者に対しては、裁判所は、申立てにより、手続上の救助の裁判をすることができる。ただし、救助を求める者が不当な目的で子の返還の申立てその他の 手続行為 をしていることが明らかなときは、この限りでない。

2項 民事訴訟法 第82条第2項 《2 訴訟上の救助の決定は、審級ごとにする…》 及び 第83条 《救助の効力等 訴訟上の救助の決定は、そ…》 の定めるところに従い、訴訟及び強制執行について、次に掲げる効力を有する。 1 裁判費用並びに執行官の手数料及びその職務の執行に要する費用の支払の猶予 2 裁判所において付添いを命じた弁護士の報酬及び から 第86条 《即時抗告 この節に規定する決定に対して…》 は、即時抗告をすることができる。 まで(同法第83条第1項第3号を除く。)の規定は、手続上の救助について準用する。この場合において、同法第84条中「 第82条第1項 《家庭裁判所は、他の家庭裁判所に事実の調査…》 を嘱託することができる。 本文」とあるのは、「国際的なの奪取の民事上の側面に関する 条約 の実施に関する法律第59条第1項本文」と読み替えるものとする。

7目 子の返還申立事件の審理等

60条 (手続の非公開)

1項 の返還申立事件の手続は、公開しない。ただし、裁判所は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。

61条 (電子調書の作成等)

1項 裁判所書記官は、の返還申立事件の手続の期日について、最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書(期日又は期日外における手続の方式、内容及び経過等の記録及び公証をするためにこの法律その他の法令の規定により裁判所書記官が作成する電磁的記録をいう。以下同じ。)を作成しなければならない。ただし、証拠調べの期日以外の期日については、裁判長においてその必要がないと認めるときは、その経過の要領を裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)に備えられたファイル( 第62条の2第2項 《2 当事者又は利害関係を疎明した第三者は…》 、裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、電磁的事件記録に記録されている事項について、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織裁判所の使用に係る電子計算機と手続の相手 及び第3項、 第62条の3第1項 《当事者は、裁判所書記官に対し、最高裁判所…》 規則で定めるところにより、子の返還申立事件に関する事項を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを交付し、又は当該事項を記録した電磁的記録であって裁判所第121条の3第2項 《2 関係人は、調査及び勧告をする家庭裁判…》 所の許可を得て、裁判所書記官に対し、調査及び勧告の事件に関する電磁的事件記録に記録されている事項について、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使 及び第3項並びに 第121条の4第1項 《関係人は、調査及び勧告をする家庭裁判所の…》 許可を得て、第121条第1項の規定による調査及び勧告の事件に関する事項を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを交付し、又は当該事項を記録した電磁的記 を除き、以下単に「ファイル」という。)に記録することをもって、これに代えることができる。

2項 裁判所書記官は、の返還申立事件の手続について、電子調書を作成したときは、最高裁判所規則で定めるところにより、これをファイルに記録しなければならない。

3項 前項の規定によりファイルに記録された電子調書については、 民事訴訟法 第160条の2 《口頭弁論に係る電子調書の更正 前条第2…》 項の規定によりファイルに記録された電子調書の内容に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでも更正することができる。 2 前項の規定による の規定を準用する。この場合において、同条第3項中「 第71条第4項 《4 第1項の申立てに関する処分は、相当と…》 認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 、第5項及び第8項」とあるのは、「 第71条第4項 《4 第1項の申立てに関する処分は、相当と…》 認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 及び第5項」と読み替えるものとする。

62条 (非電磁的事件記録の閲覧等)

1項 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、非電磁的事件記録(の返還申立事件の記録中次条第1項に規定する電磁的事件記録を除いた部分をいう。以下この条において同じ。)の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付(第4項第1号において「 非電磁的事件記録の閲覧等 」という。)を請求することができる。

2項 前項の規定は、非電磁的事件記録中の録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。第7項及び 第121条の2第2項 《2 前項の規定は、調査及び勧告の事件に関…》 する非電磁的事件記録中の録音テープ等に関しては、適用しない。 この場合において、関係人は、調査及び勧告をする家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、これらの物の複製を請求することができる。 において「 録音テープ等 」という。)に関しては、適用しない。この場合において、当事者又は利害関係を疎明した第三者は、裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、これらの物の複製を請求することができる。

3項 裁判所は、当事者から前2項の規定による許可の申立てがあったときは、当該申立てに係る許可をしなければならない。

4項 裁判所は、非電磁的事件記録中住所等表示部分(の返還申立事件の記録中 第5条第4項 《4 前項に規定するもののほか、外務大臣か…》 らの第2項の規定により提供された情報及び前項の規定による都道府県警察の措置によって得られた情報の提供は、次に掲げる場合に限り、行うことができる。 1 第26条の規定による子の返還の申立て又は子との交流第2号に係る部分に限る。)の規定により外務大臣から提供を受けた相手方又は子の住所又は居所が記載され、又は記録された部分をいう。以下同じ。)については、前項の規定にかかわらず、同項の申立てに係る許可をしないものとする。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

1号 住所等表示部分の 非電磁的事件記録の閲覧等 又はその複製についての相手方の同意があるとき。

2号 の返還を命ずる終局決定が確定した後において、子の返還を命ずる終局決定に関する強制執行をするために必要があるとき。

5項 裁判所は、の返還申立事件において返還を求められている子の利益を害するおそれ、当事者若しくは第三者の私生活若しくは業務の平穏を害するおそれ又は当事者若しくは第三者の私生活についての重大な秘密が明らかにされることにより、その者が社会生活を営むのに著しい支障を生じ、若しくはその者の名誉を著しく害するおそれがあると認められるときは、第3項及び前項ただし書の規定にかかわらず、第3項の申立てに係る許可をしないことができる。事件の性質、審理の状況、記録の内容等に照らして当該当事者に同項の申立てに係る許可をすることを不適当とする特別の事情があると認められるときも、同様とする。

6項 裁判所は、利害関係を疎明した第三者から第1項又は第2項の規定による許可の申立てがあった場合において、相当と認めるときは、当該申立てに係る許可をすることができる。

7項 当事者は、非電磁的事件記録中当該当事者が提出した書面等(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下同じ。又は 録音テープ等 については、第1項及び第2項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得ないで、裁判所書記官に対し、その閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は複製を請求することができる。次条第4項第2号又は第3号に掲げる事項について 第69条の2 《 子の返還申立事件の手続における申立て等…》 については、民事訴訟法第133条、第133条の2第1項、第5項及び第6項並びに第133条の4第1項から第3項まで、第4項第1号に係る部分に限る。及び第5項から第7項までの規定を準用する。 この場合にお において読み替えて準用する 民事訴訟法 第133条の2第5項 《5 裁判所は、第2項の申立てがあった場合…》 において、必要があると認めるときは、電磁的訴訟記録等電磁的訴訟記録又は第132条の4第1項の処分の申立てに係る事件の記録中ファイル記録事項に係る部分をいう。以下この項及び次項において同じ。中当該秘匿事 の規定によりその内容を書面に出力し、又はこれを他の記録媒体に記録する措置を講じた場合における当該書面又は当該記録媒体についても、同様とする。

8項 非電磁的事件記録の閲覧、謄写及び複製の請求は、非電磁的事件記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。

9項 第3項の申立てを却下した裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

10項 前項の規定による即時抗告がの返還申立事件の手続を不当に遅滞させることを目的としてされたものであると認められるときは、原裁判所は、その即時抗告を却下しなければならない。

11項 前項の規定による裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

62条の2 (電磁的事件記録の閲覧等)

1項 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、電磁的事件記録(の返還申立事件の記録中この法律その他の法令の規定によりファイルに記録された事項に係る部分をいう。以下この条において同じ。)の内容を最高裁判所規則で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。

2項 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、電磁的事件記録に記録されている事項について、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機と手続の相手方の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。以下同じ。)を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法による複写を請求することができる。

3項 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、電磁的事件記録に記録されている事項の全部若しくは一部を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該書面の内容が電磁的事件記録に記録されている事項と同一であることを証明したものを交付し、又は当該事項の全部若しくは一部を記録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該電磁的記録の内容が電磁的事件記録に記録されている事項と同一であることを証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。

4項 電磁的事件記録中次に掲げる事項に係る部分については、当事者は、前3項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得ないで、裁判所書記官に対し、電磁的事件記録の閲覧等(第1項の規定による閲覧、第2項の規定による複写又は前項の規定による書面の交付若しくは電磁的記録の提供をいう。次項において同じ。)を請求することができる。

1号 電子裁判書( 第94条第1項 《終局決定は、電子裁判書最高裁判所規則で定…》 めるところにより、子の返還申立事件における裁判の内容を裁判所が記録した電磁的記録をいう。以下同じ。を作成してしなければならない。この法律の他の規定において準用する場合を含む。)に規定する電子裁判書であって、同条第3項(この法律の他の規定において準用する場合を含む。)の規定によりファイルに記録されたものをいう。)に記録されている事項

2号 当該当事者がこの法律その他の法令の規定により最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してファイルに記録した事項

3号 当該当事者が提出した書面等又は記録媒体に記載され、又は記録された事項が 第69条第1項 《子の返還申立事件の手続における申立てその…》 他の申述次項及び次条において「申立て等」という。については、民事訴訟法第132条の十、第132条の十一及び第132条の十二第1項第1号に係る部分を除く。の規定を準用する。 この場合において、同法第13 において読み替えて準用する 民事訴訟法 第132条の12第1項 《申立て等が書面等により行われたとき前条第…》 1項の規定に違反して行われたときを除く。は、裁判所書記官は、当該書面等に記載された事項次の各号に掲げる場合における当該各号に定める事項を除く。をファイルに記録しなければならない。 ただし、当該事項をフ の規定又は 第69条第2項 《2 前項の規定は、法定代理人又は訴訟代理…》 人として訴訟行為をした者が、その代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権があることを証明することができず、かつ、追認を得ることができなかった場合において、その訴訟行為によって生じた訴訟費用について準用す において読み替えて準用する同法第132条の13の規定によりファイルに記録された場合における当該事項

5項 前条第3項から第6項まで及び第9項から第11項までの規定は電磁的事件記録の閲覧等の許可の申立てについて、同条第8項の規定は電磁的事件記録の閲覧及び複写について、それぞれ準用する。

62条の3 (子の返還申立事件に関する事項の証明)

1項 当事者は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、の返還申立事件に関する事項を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを交付し、又は当該事項を記録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。

2項 利害関係を疎明した第三者は、裁判所の許可を得て、前項の規定による請求をすることができる。

3項 第62条第6項 《6 裁判所は、利害関係を疎明した第三者か…》 ら第1項又は第2項の規定による許可の申立てがあった場合において、相当と認めるときは、当該申立てに係る許可をすることができる。 の規定は、利害関係を疎明した第三者から前項の規定による許可の申立てがあった場合について準用する。

63条 (期日及び期間)

1項 の返還申立事件の手続の期日の指定及び変更は、職権で、裁判長が行う。

2項 の返還申立事件の手続の期日は、やむを得ない場合に限り、日曜日その他の一般の休日に指定することができる。

3項 の返還申立事件の手続の期日の変更は、顕著な事由がある場合に限り、することができる。

4項 民事訴訟法 第94条 《期日の呼出し 期日の呼出しは、次の各号…》 のいずれかに掲げる方法その他相当と認める方法によってする。 1 ファイルに記録された電子呼出状裁判所書記官が、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判長が指定した期日に出頭すべき旨を告知するために出頭 から 第97条 《訴訟行為の追完 当事者が裁判所の使用に…》 係る電子計算機の故障その他その責めに帰することができない事由により不変期間を遵守することができなかった場合には、その事由が消滅した後1週間以内に限り、不変期間内にすべき訴訟行為の追完をすることができる までの規定は、の返還申立事件の手続の期日及び期間について準用する。

64条 (手続の併合等)

1項 裁判所は、の返還申立事件の手続を併合し、又は分離することができる。

2項 裁判所は、前項の規定による裁判を取り消すことができる。

3項 裁判所は、当事者を異にするの返還申立事件についての手続の併合を命じた場合において、その前に尋問をした証人について、尋問の機会がなかった当事者が尋問の申出をしたときは、その尋問をしなければならない。

65条 (法令により手続を続行すべき者による受継)

1項 当事者がの返還申立事件の手続を続行することができない場合(当事者の死亡による場合を除く。)には、法令により手続を続行する資格のある者は、その手続を受け継がなければならない。

2項 法令により手続を続行する資格のある者が前項の規定による受継の申立てをした場合において、その申立てを却下する裁判がされたときは、当該裁判に対し、即時抗告をすることができる。

3項 第1項の場合には、裁判所は、他の当事者の申立てにより又は職権で、法令により手続を続行する資格のある者にの返還申立事件の手続を受け継がせることができる。

66条 (他の申立権者等による受継)

1項 の返還申立事件の申立人の死亡によってその手続を続行することができない場合には、当該 子の返還 申立事件において申立人となることができる者は、その手続を受け継ぐことができる。

2項 前項の規定による受継の申立ては、の返還申立事件の申立人が死亡した日から1月以内にしなければならない。

3項 の返還申立事件の相手方の死亡によってその手続を続行することができない場合には、裁判所は、申立てにより又は職権で、相手方が死亡した日から3月以内に限り、相手方の死亡後に子を監護している者に、その手続を受け継がせることができる。

67条 (送達及び手続の中止)

1項 送達及びの返還申立事件の手続の中止については、 民事訴訟法 第1編第5章第4節及び 第130条 《電子調書の作成 裁判所書記官は、出国禁…》 止命令事件及び前条第1項の規定による申立てに係る事件第133条において「出国禁止命令取消事件」という。の手続の期日について、最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書を作成しなければならない。 ただ から 第132条 《過料の裁判 第122条第2項の規定によ…》 る裁判を受けた者が当該裁判に従わないときは、裁判所は、210,000円以下の過料に処する。 まで(同条第1項を除く。)の規定を準用する。この場合において、同法第109条の4第1項中「第132条の11第1項各号」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する 条約 の実施に関する法律第69条第1項において読み替えて準用する第132条の11第1項各号」と、同法第113条中「その訴訟の目的である請求又は防御の方法」とあるのは「裁判を求める事項」と読み替えるものとする。

68条 (裁判所書記官の処分に対する異議)

1項 裁判所書記官の処分に対する異議の申立てについては、その裁判所書記官の所属する裁判所が裁判をする。

2項 前項の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

8目 電子情報処理組織による申立て等

69条

1項 の返還申立事件の手続における申立てその他の申述(次項及び次条において「 申立て等 」という。)については、 民事訴訟法 第132条 《中断及び中止の効果 判決の言渡しは、訴…》 訟手続の中断中であっても、することができる。 2 訴訟手続の中断又は中止があったときは、期間は、進行を停止する。 この場合においては、訴訟手続の受継の通知又はその続行の時から、新たに全期間の進行を始め の十、 第132条 《中断及び中止の効果 判決の言渡しは、訴…》 訟手続の中断中であっても、することができる。 2 訴訟手続の中断又は中止があったときは、期間は、進行を停止する。 この場合においては、訴訟手続の受継の通知又はその続行の時から、新たに全期間の進行を始め の十一及び 第132条 《中断及び中止の効果 判決の言渡しは、訴…》 訟手続の中断中であっても、することができる。 2 訴訟手続の中断又は中止があったときは、期間は、進行を停止する。 この場合においては、訴訟手続の受継の通知又はその続行の時から、新たに全期間の進行を始め の十二(第1項第1号に係る部分を除く。)の規定を準用する。この場合において、同法第132条の10第5項及び第6項並びに第132条の12第2項及び第3項中「送達」とあるのは「送達又は送付」と、同法第132条の11第1項第1号中「 第54条第1項 《子の返還申立事件の手続における補佐人につ…》 いては、民事訴訟法第60条の規定を準用する。 ただし書」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する 条約 の実施に関する法律第50条第1項ただし書」と、同項第2号中「 第2条 《定義 この法律において、次の各号に掲げ…》 る用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 1 条約締約国 :dfn: 日本国及び日本国との間で条約が効力を有している条約の締約国当該締約国が条約第39条第1項又は第40条第1項の規定による宣言を 」とあるのは「 第9条 《合意による子の返還等の促進 外務大臣は…》 、外国返還援助決定をした場合には、申請に係る子について子の返還又は申請者との交流を申請者及び申請に係る子を監護している者の合意により実現するため、これらの者の間の協議のあっせんその他の必要な措置をとる において準用する同法第2条」と、同法第132条の12第1項第3号中「当該 申立て等 に係る書面等について、当該申立て等とともに第133条の2第2項の申立てがされた」とあるのは「 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律 第69条の2 《 子の返還申立事件の手続における申立て等…》 については、民事訴訟法第133条、第133条の2第1項、第5項及び第6項並びに第133条の4第1項から第3項まで、第4項第1号に係る部分に限る。及び第5項から第7項までの規定を準用する。 この場合にお において読み替えて準用する 第133条第1項 《出国禁止命令事件及び出国禁止命令取消事件…》 の手続については、特別の定めがある場合を除き、第3節第1款から第3款まで及び第5款第72条、第84条、第85条、第87条、第89条、第90条、第99条及び第100条を除く。の規定を準用する。 この場合 の決定があった」と、「申立てが却下されたとき又は当該同項の申立てに係る決定」とあるのは「決定」と、「同項に規定する秘匿事項記載部分」とあるのは「秘匿事項(同項に規定する申立て等をする者又はその法定代理人の住所等又は氏名等をいう。以下この号において同じ。又は秘匿事項を推知することができる事項」と読み替えるものとする。

2項 の返還申立事件の手続においてこの法律その他の法令の規定に基づき裁判所に提出された書面等( 申立て等 が書面等により行われたときにおける当該書面等を除く。又は電磁的記録を記録した記録媒体に記載され、又は記録されている事項のファイルへの記録については、 民事訴訟法 第132条 《中断及び中止の効果 判決の言渡しは、訴…》 訟手続の中断中であっても、することができる。 2 訴訟手続の中断又は中止があったときは、期間は、進行を停止する。 この場合においては、訴訟手続の受継の通知又はその続行の時から、新たに全期間の進行を始め の十三(第1号及び第3号に係る部分を除く。)の規定を準用する。この場合において、同条第4号中「 第133条の3第1項 《裁判所は、当事者又はその法定代理人に対し…》 て送達をするため、その者の住所、居所その他送達をすべき場所についての調査を嘱託した場合において、当該嘱託に係る調査結果の報告が記載され、又は記録された書面又は電磁的記録が閲覧されることにより、当事者又 の規定による」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する 条約 の実施に関する法律第69条の2において読み替えて準用する 第133条第1項 《出国禁止命令事件及び出国禁止命令取消事件…》 の手続については、特別の定めがある場合を除き、第3節第1款から第3款まで及び第5款第72条、第84条、第85条、第87条、第89条、第90条、第99条及び第100条を除く。の規定を準用する。 この場合 の」と、「当該決定に係る」とあるのは「当該」と、「及び電磁的記録を記録した」とあるのは「又は当該」と、「事項」とあるのは「秘匿事項(同項に規定する申立て等をする者又はその法定代理人の住所等又は氏名等をいう。以下この号において同じ。又は秘匿事項を推知することができる事項」と読み替えるものとする。

9目 当事者に対する住所、氏名等の秘匿

69条の2

1項 の返還申立事件の手続における 申立て等 については、 民事訴訟法 第133条 《申立人の住所、氏名等の秘匿 申立て等を…》 する者又はその法定代理人の住所、居所その他その通常所在する場所以下この項及び次項において「住所等」という。の全部又は一部が当事者に知られることによって当該申立て等をする者又は当該法定代理人が社会生活を第133条の2第1項 《秘匿決定があった場合には、秘匿事項届出部…》 分に係る訴訟記録等の閲覧等の請求をすることができる者を当該秘匿決定に係る秘匿対象者に限る。 、第5項及び第6項並びに 第133条の4第1項 《秘匿決定、第133条の2第2項の決定又は…》 前条第1項の決定次項及び第7項において「秘匿決定等」という。に係る者以外の者は、訴訟記録等の存する裁判所に対し、その要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、その決定の取消しの申立てをする から第3項まで、第4項(第1号に係る部分に限る。及び第5項から第7項までの規定を準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

2款 一審裁判所における子の返還申立事件の手続 > 1目 子の返還の申立て

70条 (申立ての方式等)

1項 の返還の申立ては、申立書(以下「 子の返還申立書 」という。)を家庭裁判所に提出してしなければならない。

2項 の返還申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。この場合において、第2号に掲げる申立ての趣旨は、返還を求める子及び子を返還すべき 条約 締約国を特定して記載しなければならない。

1号 当事者及び法定代理人

2号 申立ての趣旨

3号 の返還申立事件の手続による旨

3項 申立人は、1の申立てにより数人のについての子の返還を求めることができる。

4項 の返還申立書が第2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。

5項 前項の場合において、申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、の返還申立書を却下しなければならない。

6項 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。

7項 民事訴訟法 第137条の2 《訴えの提起の手数料の納付がない場合の訴状…》 却下 民事訴訟費用等に関する法律1971年法律第40号の規定に従い訴えの提起の手数料を納付しない場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、その期間内に当該手数料を納付すべきことを命ずる処分をしなけ の規定は、申立人が 民事訴訟費用等に関する法律 1971年法律第40号)の規定に従いの返還の申立ての手数料を納付しない場合について準用する。

71条 (申立ての変更)

1項 申立人は、申立ての基礎に変更がない限り、申立ての趣旨を変更することができる。ただし、 第89条 《審理の終結 家庭裁判所は、子の返還申立…》 事件の手続においては、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定めなければならない。 ただし、当事者双方が立ち会うことができる の規定により審理を終結した後は、この限りでない。

2項 申立ての趣旨の変更は、の返還申立事件の手続の期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。

3項 家庭裁判所は、申立ての趣旨の変更が不適法であるときは、その変更を許さない旨の裁判をしなければならない。

4項 申立ての趣旨の変更によりの返還申立事件の手続が著しく遅滞することとなるときは、家庭裁判所は、その変更を許さない旨の裁判をすることができる。

72条 (申立書の写しの送付等)

1項 の返還の申立てがあった場合には、家庭裁判所は、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、子の返還申立書の写しを相手方に送付しなければならない。

2項 前項の規定によるの返還申立書の写しの送付は、公示送達の方法によっては、することができない。

3項 第70条第4項 《4 子の返還申立書が第2項の規定に違反す…》 る場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。 から第6項までの規定は、第1項の規定によるの返還申立書の写しの送付をすることができない場合について準用する。

4項 裁判長は、第1項の規定によるの返還申立書の写しの送付の費用の予納を相当の期間を定めて申立人に命じた場合において、その予納がないときは、命令で、子の返還申立書を却下しなければならない。

5項 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。

2目 子の返還申立事件の手続の期日

73条 (裁判長の手続指揮権)

1項 の返還申立事件の手続の期日においては、裁判長が手続を指揮する。

2項 裁判長は、発言を許し、又はその命令に従わない者の発言を禁止することができる。

3項 当事者がの返還申立事件の手続の期日における裁判長の指揮に関する命令に対し異議を述べたときは、家庭裁判所は、その異議について裁判をする。

74条 (受命裁判官による手続)

1項 家庭裁判所は、受命裁判官にの返還申立事件の手続の期日における手続を行わせることができる。ただし、事実の調査及び証拠調べについては、 第82条第3項 《3 家庭裁判所は、相当と認めるときは、受…》 命裁判官に事実の調査をさせることができる。 の規定又は 第86条第1項 《子の返還申立事件の手続における証拠調べに…》 ついては、民事訴訟法第2編第4章第1節から第6節までの規定同法第179条、第182条、第187条から第189条まで及び第207条第2項の規定を除く。を準用する。 この場合において、同法第185条第1項 において準用する 民事訴訟法 第2編第4章第1節から第6節までの規定により受命裁判官が事実の調査又は証拠調べをすることができる場合に限る。

2項 前項の場合においては、家庭裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。

75条 (音声の送受信による通話の方法による手続)

1項 家庭裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、家庭裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、の返還申立事件の手続の期日における手続(証拠調べを除く。)を行うことができる。

2項 の返還申立事件の手続の期日に出頭しないで前項の手続に関与した者は、その期日に出頭したものとみなす。

76条 (通訳人の立会い等その他の措置)

1項 の返還申立事件の手続の期日における通訳人の立会い等については 民事訴訟法 第154条 《通訳人の立会い等 口頭弁論に関与する者…》 が日本語に通じないとき、又は耳が聞こえない者若しくは口がきけない者であるときは、通訳人を立ち会わせる。 ただし、耳が聞こえない者又は口がきけない者には、文字で問い、又は陳述をさせることができる。 2 の規定を、子の返還申立事件の手続関係を明瞭にするために必要な陳述をすることができない当事者、手続に参加した子、代理人及び補佐人に対する措置については同法第155条の規定を、それぞれ準用する。

3目 事実の調査及び証拠調べ

77条 (事実の調査及び証拠調べ等)

1項 家庭裁判所は、職権で事実の調査をし、かつ、申立てにより又は職権で、必要と認める証拠調べをしなければならない。

2項 申立人及び相手方は、それぞれ 第27条 《子の返還事由 裁判所は、子の返還の申立…》 てが次の各号に掲げる事由のいずれにも該当すると認めるときは、子の返還を命じなければならない。 1 子が16歳に達していないこと。 2 子が日本国内に所在していること。 3 常居所地国の法令によれば、当 に規定する事由( 第28条第1項第2号 《裁判所は、前条の規定にかかわらず、次の各…》 号に掲げる事由のいずれかがあると認めるときは、子の返還を命じてはならない。 ただし、第1号から第3号まで又は第5号に掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して常居所地国に子を返還することが子 に規定する場合に関する事由を含む。)についての資料及び同項に規定する事由についての資料を提出するほか、事実の調査及び証拠調べに協力するものとする。

78条 (疎明)

1項 疎明は、即時に取り調べることができる資料によってしなければならない。

79条 (家庭裁判所調査官による事実の調査)

1項 家庭裁判所は、家庭裁判所調査官に事実の調査をさせることができる。

2項 急迫の事情があるときは、裁判長が、家庭裁判所調査官に事実の調査をさせることができる。

3項 家庭裁判所調査官は、事実の調査の結果を書面又は口頭で家庭裁判所に報告するものとする。

4項 家庭裁判所調査官は、前項の規定による報告に意見を付することができる。

5項 家庭裁判所調査官は、第3項の規定による書面による報告に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、当該書面に記載すべき事項を最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してファイルに記録する方法又は当該書面に記載すべき事項に係る電磁的記録を記録した記録媒体を提出する方法により報告を行うことができる。

80条 (家庭裁判所調査官の期日への立会い等)

1項 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、の返還申立事件の手続の期日に家庭裁判所調査官を立ち会わせることができる。

2項 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項の規定により立ち会わせた家庭裁判所調査官に意見を述べさせることができる。

3項 家庭裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、の返還申立事件の手続の期日において、最高裁判所規則で定めるところにより、家庭裁判所及び当事者双方が家庭裁判所調査官との間で音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、家庭裁判所調査官に子の返還申立事件の手続の期日に立ち会わせ、当該期日において前項の意見を述べさせることができる。

81条 (裁判所技官による診断等)

1項 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、医師である裁判所技官に事件の関係人の心身の状況について診断をさせることができる。

2項 第79条第2項 《2 急迫の事情があるときは、裁判長が、家…》 庭裁判所調査官に事実の調査をさせることができる。 から第5項までの規定は前項の診断について、前条の規定は裁判所技官の期日への立会い及び意見の陳述について、それぞれ準用する。

82条 (事実の調査の嘱託等)

1項 家庭裁判所は、他の家庭裁判所に事実の調査を嘱託することができる。

2項 前項の規定による嘱託により職務を行う受託裁判官は、他の家庭裁判所において事実の調査をすることを相当と認めるときは、更に事実の調査の嘱託をすることができる。

3項 家庭裁判所は、相当と認めるときは、受命裁判官に事実の調査をさせることができる。

4項 前3項の規定により受託裁判官又は受命裁判官が事実の調査をする場合には、家庭裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。

83条 (調査の嘱託等)

1項 家庭裁判所は、必要な調査を外務大臣に嘱託するほか、官庁、公署その他適当と認める者に嘱託し、又は学校、保育所その他適当と認める者に対しの心身の状態及び生活の状況その他の事項に関して必要な報告を求めることができる。

84条 (事実の調査の通知)

1項 家庭裁判所は、事実の調査をしたときは、特に必要がないと認める場合を除き、その旨を当事者及び手続に参加したに通知しなければならない。

85条 (陳述の聴取)

1項 家庭裁判所は、の返還の申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、当事者の陳述を聴かなければならない。

2項 家庭裁判所が審問の期日を開いて当事者の陳述を聴くことにより事実の調査をするときは、他の当事者は、当該期日に立ち会うことができる。ただし、当該他の当事者が当該期日に立ち会うことにより事実の調査に支障を生ずるおそれがあると認められるときは、この限りでない。

86条 (証拠調べ)

1項 の返還申立事件の手続における証拠調べについては、 民事訴訟法 第2編第4章第1節から第6節までの規定(同法第179条、第182条、第187条から第189条まで及び第207条第2項の規定を除く。)を準用する。この場合において、同法第185条第1項中「地方裁判所若しくは簡易裁判所」とあるのは「他の家庭裁判所」と、同条第2項中「地方裁判所又は簡易裁判所」とあるのは「家庭裁判所」と読み替えるものとする。

2項 前項において準用する 民事訴訟法 の規定による即時抗告は、執行停止の効力を有する。

87条 (不法を証する文書の提出)

1項 家庭裁判所は、申立人が 不法な連れ去り 又は 不法な留置 があったことを証する文書を 常居所地国 において得ることができるときは、申立人に対し、当該文書を提出することを求めることができる。

4目 子の返還申立事件の手続における子の意思の把握等

88条

1項 家庭裁判所は、の返還申立事件の手続においては、子の陳述の聴取、家庭裁判所調査官による調査その他の適切な方法により、子の意思を把握するように努め、終局決定をするに当たり、子の年齢及び発達の程度に応じて、その意思を考慮しなければならない。

5目 審理の終結等

89条 (審理の終結)

1項 家庭裁判所は、の返還申立事件の手続においては、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定めなければならない。ただし、当事者双方が立ち会うことができる子の返還申立事件の手続の期日においては、直ちに審理を終結する旨を宣言することができる。

90条 (裁判日)

1項 家庭裁判所は、前条の規定により審理を終結したときは、裁判をする日を定めなければならない。

6目 裁判

91条 (裁判の方式)

1項 家庭裁判所は、の返還申立事件の手続においては、決定で、裁判をする。

92条 (終局決定)

1項 家庭裁判所は、の返還申立事件が裁判をするのに熟したときは、終局決定をする。

2項 家庭裁判所は、の返還申立事件の一部が裁判をするのに熟したときは、その一部について終局決定をすることができる。手続の併合を命じた数個の子の返還申立事件中その一が裁判をするのに熟したときも、同様とする。

93条 (終局決定の告知及び効力の発生等)

1項 終局決定は、当事者及びに対し、相当と認める方法で告知しなければならない。ただし、子(手続に参加した子を除く。)に対しては、子の年齢及び発達の程度その他一切の事情を考慮して子の利益を害すると認める場合は、この限りでない。

2項 終局決定は、当事者に告知することによってその効力を生ずる。ただし、の返還を命ずる終局決定は、確定しなければその効力を生じない。

3項 終局決定は、即時抗告の期間の満了前には確定しないものとする。

4項 終局決定の確定は、前項の期間内にした即時抗告の提起により、遮断される。

94条 (終局決定の方式及び電子裁判書)

1項 終局決定は、電子裁判書(最高裁判所規則で定めるところにより、の返還申立事件における裁判の内容を裁判所が記録した電磁的記録をいう。以下同じ。)を作成してしなければならない。

2項 終局決定の電子裁判書には、次に掲げる事項を記録しなければならない。

1号 主文

2号 理由

3号 当事者及び法定代理人

4号 裁判所

3項 裁判所は、第1項の規定により電子裁判書を作成したときは、最高裁判所規則で定めるところにより、これをファイルに記録しなければならない。

95条 (更正決定)

1項 終局決定に誤記その他これに類する明白な誤りがあるときは、家庭裁判所は、申立てにより又は職権で、いつでも更正決定をすることができる。

2項 更正決定は、最高裁判所規則で定めるところにより、電子裁判書を作成してしなければならない。

3項 更正決定に対しては、更正後の終局決定が原決定であるとした場合に即時抗告をすることができる者に限り、即時抗告をすることができる。

4項 第1項の申立てを不適法として却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

5項 終局決定に対し適法な即時抗告があったときは、前2項の即時抗告は、することができない。

96条 (終局決定に関する民事訴訟法の準用)

1項 民事訴訟法 第247条 《自由心証主義 裁判所は、判決をするに当…》 たり、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果をしん酌して、自由な心証により、事実についての主張を真実と認めるべきか否かを判断する。第256条第1項 《裁判所は、判決に法令の違反があることを発…》 見したときは、その言渡し後1週間以内に限り、変更の判決をすることができる。 ただし、判決が確定したとき、又は判決を変更するため事件につき更に弁論をする必要があるときは、この限りでない。 及び 第258条 《裁判の脱漏 裁判所が請求の一部について…》 裁判を脱漏したときは、訴訟は、その請求の部分については、なおその裁判所に係属する。 2 訴訟費用の負担の裁判を脱漏したときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、その訴訟費用の負担について、決定で、裁判第2項後段を除く。)の規定は、終局決定について準用する。この場合において、同法第256条第1項中「言渡し後」とあるのは、「終局決定が告知を受ける者に最初に告知された日から」と読み替えるものとする。

97条 (中間決定)

1項 家庭裁判所は、終局決定の前提となる法律関係の争いその他中間の争いについて、裁判をするのに熟したときは、中間決定をすることができる。

2項 中間決定は、最高裁判所規則で定めるところにより、電子裁判書を作成してしなければならない。

98条 (終局決定以外の裁判)

1項 終局決定以外の裁判は、これを受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。

2項 終局決定以外の裁判については、これを受ける者(数人あるときは、そのうちの1人)に告知することによってその効力を生ずる。

3項 第92条 《終局決定 家庭裁判所は、子の返還申立事…》 件が裁判をするのに熟したときは、終局決定をする。 2 家庭裁判所は、子の返還申立事件の一部が裁判をするのに熟したときは、その一部について終局決定をすることができる。 手続の併合を命じた数個の子の返還申 から 第96条 《終局決定に関する民事訴訟法の準用 民事…》 訴訟法第247条、第256条第1項及び第258条第2項後段を除く。の規定は、終局決定について準用する。 この場合において、同法第256条第1項中「言渡し後」とあるのは、「終局決定が告知を受ける者に最初 まで( 第93条第1項 《終局決定は、当事者及び子に対し、相当と認…》 める方法で告知しなければならない。 ただし、子手続に参加した子を除く。に対しては、子の年齢及び発達の程度その他一切の事情を考慮して子の利益を害すると認める場合は、この限りでない。 及び第2項並びに 第94条第1項 《終局決定は、電子裁判書最高裁判所規則で定…》 めるところにより、子の返還申立事件における裁判の内容を裁判所が記録した電磁的記録をいう。以下同じ。を作成してしなければならない。 を除く。)の規定は、前項の裁判について準用する。この場合において、 第94条第2項第2号 《2 終局決定の電子裁判書には、次に掲げる…》 事項を記録しなければならない。 1 主文 2 理由 3 当事者及び法定代理人 4 裁判所 中「理由」とあるのは、「理由の要旨」と読み替えるものとする。

4項 の返還申立事件の手続の指揮に関する裁判は、いつでも取り消すことができる。

5項 終局決定以外の裁判は、判事補が単独ですることができる。

7目 裁判によらない子の返還申立事件の終了

99条 (子の返還の申立ての取下げ)

1項 の返還の申立ては、終局決定が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。ただし、申立ての取下げは、終局決定がされた後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。

2項 前項ただし書の規定により申立ての取下げについて相手方の同意を要する場合においては、家庭裁判所は、相手方に対し、申立ての取下げがあったことを通知しなければならない。ただし、申立ての取下げがの返還申立事件の手続の期日において口頭でされた場合において、相手方がその期日に出頭したときは、この限りでない。

3項 前項本文の規定による通知を受けた日から2週間以内に相手方が異議を述べないときは、申立ての取下げに同意したものとみなす。同項ただし書の規定による場合において、申立ての取下げがあった日から2週間以内に相手方が異議を述べないときも、同様とする。

4項 民事訴訟法 第261条第3項 《3 訴えの取下げは、書面でしなければなら…》 ない。 及び第4項並びに 第262条第1項 《訴訟は、訴えの取下げがあった部分について…》 は、初めから係属していなかったものとみなす。 の規定は、申立ての取下げについて準用する。この場合において、同法第261条第4項中「口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日࿸以下この章において「口頭弁論等の期日」という。)」とあるのは、「の返還申立事件の手続の期日」と読み替えるものとする。

100条 (和解)

1項 の返還申立事件における和解については、 民事訴訟法 第89条第1項 《裁判所は、訴訟がいかなる程度にあるかを問…》 わず、和解を試み、又は受命裁判官若しくは受託裁判官に和解を試みさせることができる。第264条 《和解条項案の書面による受諾 当事者の一…》 方が出頭することが困難であると認められる場合において、その当事者があらかじめ裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官から提示された和解条項案を受諾する旨の書面を提出し、他の当事者が口頭弁論等の期日に出頭 及び 第265条 《裁判所等が定める和解条項 裁判所又は受…》 命裁判官若しくは受託裁判官は、当事者の共同の申立てがあるときは、事件の解決のために適当な和解条項を定めることができる。 2 前項の申立ては、書面でしなければならない。 この場合においては、その書面に同 の規定を準用する。この場合において、同法第264条第1項及び第265条第3項中「口頭弁論等」とあるのは、「子の返還申立事件の手続」と読み替えるものとする。

2項 の返還申立事件においては、子の監護に関する事項、夫婦間の協力扶助に関する事項及び婚姻費用の分担に関する事項についても、和解をすることができる。

3項 裁判所書記官が、次の各号に掲げる事項についての和解について電子調書を作成し、これをファイルに記録したときは、その記録は、当該各号に定める裁判と同1の効力を有する。

1号 の返還確定した子の返還を命ずる終局決定

2号 の監護に関する事項、夫婦間の協力扶助に関する事項及び婚姻費用の分担に関する事項確定した 家事事件手続法 2011年法律第52号第39条 《審判事項 家庭裁判所は、この編に定める…》 ところにより、別表第一及び別表第2に掲げる事項並びに同編に定める事項について、審判をする。 の規定による審判

3号 その他の事項確定判決

4項 前項の規定によりファイルに記録された電子調書は、当事者に送付しなければならない。

5項 第3項の規定によりファイルに記録された電子調書については、 民事訴訟法 第267条の2 《和解等に係る電子調書の更正決定 前条第…》 1項の規定によりファイルに記録された電子調書につきその内容に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、いつでも更正決定をすることができる。 2 前項の の規定を準用する。

3款 不服申立て > 1目 終局決定に対する即時抗告

101条 (即時抗告をすることができる裁判)

1項 当事者は、終局決定に対し、即時抗告をすることができる。

2項 は、 子の返還 を命ずる終局決定に対し、即時抗告をすることができる。

3項 手続費用 の負担の裁判に対しては、独立して即時抗告をすることができない。

102条 (即時抗告期間)

1項 終局決定に対する即時抗告は、2週間の不変期間内にしなければならない。ただし、その期間前に提起した即時抗告の効力を妨げない。

2項 当事者又は手続に参加したによる即時抗告の期間は、即時抗告をする者が終局決定の告知を受けた日から進行する。

3項 手続に参加した子を除く。)による即時抗告の期間は、当事者が終局決定の告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から進行する。

103条 (即時抗告の提起の方式等)

1項 即時抗告は、抗告状を原裁判所に提出してしなければならない。

2項 抗告状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

1号 当事者及び法定代理人

2号 原決定の表示及びその決定に対して即時抗告をする旨

3項 即時抗告が不適法でその不備を補正することができないことが明らかであるときは、原裁判所は、これを却下しなければならない。

4項 前項の規定による終局決定に対しては、即時抗告をすることができる。

5項 前項の即時抗告は、1週間の不変期間内にしなければならない。ただし、その期間前に提起した即時抗告の効力を妨げない。

6項 第70条第4項 《4 子の返還申立書が第2項の規定に違反す…》 る場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。 及び第5項の規定は抗告状が第2項の規定に違反する場合について、 民事訴訟法 第137条の2第1項 《民事訴訟費用等に関する法律1971年法律…》 第40号の規定に従い訴えの提起の手数料を納付しない場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、その期間内に当該手数料を納付すべきことを命ずる処分をしなければならない。 から第6項までの規定は 民事訴訟費用等に関する法律 の規定に従い即時抗告の提起の手数料を納付しない場合について、それぞれ準用する。

104条 (抗告状の写しの送付等)

1項 終局決定に対する即時抗告があった場合には、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び手続に参加した抗告人を除く。)に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。

2項 裁判長は、前項の規定による抗告状の写しの送付の費用の予納を相当の期間を定めて抗告人に命じた場合において、その予納がないときは、命令で、抗告状を却下しなければならない。

105条 (陳述の聴取)

1項 抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者(抗告人を除く。)の陳述を聴かなければならない。

106条 (抗告裁判所による裁判)

1項 抗告裁判所は、即時抗告を理由があると認める場合には、自ら裁判をしなければならない。ただし、次条第3項において準用する 民事訴訟法 第307条 《事件の差戻し 控訴裁判所は、訴えを不適…》 法として却下した第一審判決を取り消す場合には、事件を第一審裁判所に差し戻さなければならない。 ただし、事件につき更に弁論をする必要がないときは、この限りでない。 又は 第308条第1項 《前条本文に規定する場合のほか、控訴裁判所…》 が第一審判決を取り消す場合において、事件につき更に弁論をする必要があるときは、これを第一審裁判所に差し戻すことができる。 の規定により事件を第一審裁判所に差し戻すときは、この限りでない。

107条 (第一審の手続の規定及び民事訴訟法の準用等)

1項 終局決定に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続については、特別の定めがある場合を除き、前款の規定( 第70条第6項 《6 前項の命令に対しては、即時抗告をする…》 ことができる。第72条第2項 《2 前項の規定による子の返還申立書の写し…》 の送付は、公示送達の方法によっては、することができない。 及び第5項、 第93条第3項 《3 終局決定は、即時抗告の期間の満了前に…》 は確定しないものとする。 及び第4項、 第95条第3項 《3 更正決定に対しては、更正後の終局決定…》 が原決定であるとした場合に即時抗告をすることができる者に限り、即時抗告をすることができる。 から第5項まで並びに 第98条第5項 《5 終局決定以外の裁判は、判事補が単独で…》 することができる。 を除く。)を準用する。

2項 抗告裁判所は、 第104条第1項 《終局決定に対する即時抗告があった場合には…》 、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び手続に参加した子抗告人を除く。に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。 の規定による抗告状の写しの送付をすることを要しないときは、前項において準用する 第89条 《審理の終結 家庭裁判所は、子の返還申立…》 事件の手続においては、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定めなければならない。 ただし、当事者双方が立ち会うことができる の規定による審理の終結の手続を経ることなく、即時抗告を却下し、又は棄却することができる。

3項 民事訴訟法 第283条 《控訴裁判所の判断を受ける裁判 終局判決…》 前の裁判は、控訴裁判所の判断を受ける。 ただし、不服を申し立てることができない裁判及び抗告により不服を申し立てることができる裁判は、この限りでない。第284条 《控訴権の放棄 控訴をする権利は、放棄す…》 ることができる。第292条 《控訴の取下げ 控訴は、控訴審の終局判決…》 があるまで、取り下げることができる。 2 第261条第3項及び第4項、第262条第1項並びに第263条の規定は、控訴の取下げについて準用する。第298条第1項 《第一審においてした訴訟行為は、控訴審にお…》 いてもその効力を有する。第299条 《第一審の管轄違いの主張の制限 控訴審に…》 おいては、当事者は、第一審裁判所が管轄権を有しないことを主張することができない。 ただし、専属管轄当事者が第11条の規定により合意で定めたものを除く。については、この限りでない。 2 前項の第一審裁判第302条 《控訴棄却 控訴裁判所は、第一審判決を相…》 当とするときは、控訴を棄却しなければならない。 2 第一審判決がその理由によれば不当である場合においても、他の理由により正当であるときは、控訴を棄却しなければならない。第303条 《控訴権の濫用に対する制裁 控訴裁判所は…》 、前条第1項の規定により控訴を棄却する場合において、控訴人が訴訟の完結を遅延させることのみを目的として控訴を提起したものと認めるときは、控訴人に対し、控訴の提起の手数料として納付すべき金額の十倍以下の 及び 第305条 《第一審判決が不当な場合の取消し 控訴裁…》 判所は、第一審判決を不当とするときは、これを取り消さなければならない。 から 第309条 《第一審の管轄違いを理由とする移送 控訴…》 裁判所は、事件が管轄違いであることを理由として第一審判決を取り消すときは、判決で、事件を管轄裁判所に移送しなければならない。 までの規定は、終局決定に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同法第292条第2項中「第261条第3項及び第4項、第262条第1項並びに第263条」とあるのは「国際的なの奪取の民事上の側面に関する 条約 の実施に関する法律第99条第4項」と、同法第299条第2項中「 第6条第1項 《外務大臣は、外国返還援助申請があった場合…》 には、次条第1項の規定によりこれを却下する場合及び第8条第1項の規定により当該外国返還援助申請に係る書類の写しを送付する場合を除き、外国返還援助の決定以下「外国返還援助決定」という。をし、遅滞なく、申 各号」とあるのは「 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律 第32条第1項 《子の返還申立事件第26条の規定による子の…》 返還の申立てに係る事件をいう。以下同じ。は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める家庭裁判所の管轄に属する。 1 子の住所地日本国内に子の住所がないとき、又は住所が知れないときは、その居所地。次号 各号」と、同法第303条第5項中「第189条」とあるのは「 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律 第150条 《 この法律の規定による過料の裁判は、裁判…》 官の命令で執行する。 この命令は、執行力のある債務名義と同1の効力を有する。 2 この法律に規定するもののほか、過料についての裁判に関しては、非訟事件手続法2011年法律第51号第5編の規定同法第11 」と読み替えるものとする。

2目 終局決定に対する特別抗告

108条 (特別抗告をすることができる裁判等)

1項 高等裁判所の終局決定に対しては、その決定に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。

2項 前項の抗告(以下「 特別抗告 」という。)が係属する抗告裁判所は、抗告状又は抗告理由書に記載された 特別抗告 の理由についてのみ調査をする。

109条 (原裁判の執行停止)

1項 特別抗告 は、執行停止の効力を有しない。ただし、前条第2項の抗告裁判所又は原裁判所は、申立てにより、担保を立てさせて、又は立てさせないで、特別抗告について裁判があるまで、原裁判の執行の停止その他必要な処分を命ずることができる。

2項 前項ただし書の規定により担保を立てる場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する家庭裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。

3項 民事訴訟法 第76条 《担保提供の方法 担保を立てるには、担保…》 を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭又は裁判所が相当と認める有価証券社債、株式等の振替に関する法律2001年法律第75号第278条第1項に規定する振替債第77条 《担保物に対する被告の権利 被告は、訴訟…》 費用に関し、前条の規定により供託した金銭又は有価証券について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。第79条 《担保の取消し 担保を立てた者が担保の事…》 由が消滅したことを証明したときは、裁判所は、申立てにより、担保の取消しの決定をしなければならない。 2 担保を立てた者が担保の取消しについて担保権利者の同意を得たことを証明したときも、前項と同様とする 及び 第80条 《担保の変換 裁判所は、担保を立てた者の…》 申立てにより、決定で、その担保の変換を命ずることができる。 ただし、その担保を契約によって他の担保に変換することを妨げない。 の規定は、前項の担保について準用する。

110条 (即時抗告の規定及び民事訴訟法の準用)

1項 第102条第2項 《2 当事者又は手続に参加した子による即時…》 抗告の期間は、即時抗告をする者が終局決定の告知を受けた日から進行する。 及び第3項、 第103条 《即時抗告の提起の方式等 即時抗告は、抗…》 告状を原裁判所に提出してしなければならない。 2 抗告状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 1 当事者及び法定代理人 2 原決定の表示及びその決定に対して即時抗告をする旨 3 即時抗告が不第4項及び第5項を除く。)、 第104条 《抗告状の写しの送付等 終局決定に対する…》 即時抗告があった場合には、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び手続に参加した子抗告人を除く。に対し、抗告状の写しを送付しなけ第105条 《陳述の聴取 抗告裁判所は、即時抗告が不…》 適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者抗告人を除く。の陳述を聴かなければならない。 並びに 第107条 《第一審の手続の規定及び民事訴訟法の準用等…》 終局決定に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続については、特別の定めがある場合を除き、前款の規定第70条第6項、第72条第2項及び第5項、第93条第3項及び第4項、第95条第3項から第5項まで の規定は、 特別抗告 及びその抗告審に関する手続について準用する。

2項 民事訴訟法 第314条第2項 《2 前条において準用する第288条及び第…》 289条第2項の規定による裁判長の職権は、原裁判所の裁判長が行う。第315条 《上告の理由の記載 上告状に上告の理由の…》 記載がないときは、上告人は、最高裁判所規則で定める期間内に、上告理由書を原裁判所に提出しなければならない。 2 上告の理由は、最高裁判所規則で定める方式により記載しなければならない。第316条第1項 《次の各号に該当することが明らかであるとき…》 は、原裁判所は、決定で、上告を却下しなければならない。 1 上告が不適法でその不備を補正することができないとき。 2 前条第1項の規定に違反して上告理由書を提出せず、又は上告の理由の記載が同条第2項の第2号に係る部分に限る。)、 第321条第1項 《原判決において適法に確定した事実は、上告…》 裁判所を拘束する。第322条 《職権調査事項についての適用除外 前2条…》 の規定は、裁判所が職権で調査すべき事項には、適用しない。第325条第1項 《第312条第1項又は第2項に規定する事由…》 があるときは、上告裁判所は、原判決を破棄し、次条の場合を除き、事件を原裁判所に差し戻し、又はこれと同等の他の裁判所に移送しなければならない。 高等裁判所が上告裁判所である場合において、判決に影響を及ぼ 前段、第2項、第3項後段及び第4項、 第326条 《破棄自判 次に掲げる場合には、上告裁判…》 所は、事件について裁判をしなければならない。 1 確定した事実について憲法その他の法令の適用を誤ったことを理由として判決を破棄する場合において、事件がその事実に基づき裁判をするのに熟するとき。 2 事 並びに 第336条第2項 《2 前項の抗告は、裁判の告知を受けた日か…》 ら5日の不変期間内にしなければならない。 の規定は、 特別抗告 及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同法第314条第2項中「前条において準用する第288条及び第289条第2項」とあるのは「国際的なの奪取の民事上の側面に関する 条約 の実施に関する法律第110条第1項において準用する同法第103条第6項」と、同法第322条中「前2条」とあるのは「 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律 第108条第2項 《2 前項の抗告以下「特別抗告」という。が…》 係属する抗告裁判所は、抗告状又は抗告理由書に記載された特別抗告の理由についてのみ調査をする。 の規定及び同法第110条第2項において準用する第321条第1項」と、同法第325条第1項前段及び第2項中「第312条第1項又は第2項」とあるのは「 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律 第108条第1項 《高等裁判所の終局決定に対しては、その決定…》 に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。 」と、同条第3項後段中「この場合」とあるのは「差戻し又は移送を受けた裁判所が裁判をする場合」と、同条第4項中「前項」とあるのは「差戻し又は移送を受けた裁判所」と読み替えるものとする。

3目 終局決定に対する許可抗告

111条 (許可抗告をすることができる裁判等)

1項 高等裁判所の終局決定(次項の申立てについての決定を除く。)に対しては、 第108条第1項 《高等裁判所の終局決定に対しては、その決定…》 に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。 の規定による場合のほか、その高等裁判所が次項の規定により許可したときに限り、最高裁判所に特に抗告をすることができる。

2項 前項の高等裁判所は、同項の終局決定について、最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申立てにより、抗告を許可しなければならない。

3項 前項の申立てにおいては、 第108条第1項 《高等裁判所の終局決定に対しては、その決定…》 に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。 に規定する事由を理由とすることはできない。

4項 第2項の規定による許可があった場合には、第1項の抗告(以下この条及び次条第1項において「 許可抗告 」という。)があったものとみなす。

5項 許可抗告 が係属する抗告裁判所は、第2項の規定による許可の申立書又は同項の申立てに係る理由書に記載された許可抗告の理由についてのみ調査をする。

6項 許可抗告 が係属する抗告裁判所は、終局決定に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは、原決定を破棄することができる。

112条 (即時抗告等の規定及び民事訴訟法の準用)

1項 第102条第2項 《2 当事者又は手続に参加した子による即時…》 抗告の期間は、即時抗告をする者が終局決定の告知を受けた日から進行する。 及び第3項、 第103条 《即時抗告の提起の方式等 即時抗告は、抗…》 告状を原裁判所に提出してしなければならない。 2 抗告状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 1 当事者及び法定代理人 2 原決定の表示及びその決定に対して即時抗告をする旨 3 即時抗告が不第4項及び第5項を除く。)、 第104条 《抗告状の写しの送付等 終局決定に対する…》 即時抗告があった場合には、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び手続に参加した子抗告人を除く。に対し、抗告状の写しを送付しなけ第105条 《陳述の聴取 抗告裁判所は、即時抗告が不…》 適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者抗告人を除く。の陳述を聴かなければならない。第107条 《第一審の手続の規定及び民事訴訟法の準用等…》 終局決定に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続については、特別の定めがある場合を除き、前款の規定第70条第6項、第72条第2項及び第5項、第93条第3項及び第4項、第95条第3項から第5項まで 並びに 第109条 《原裁判の執行停止 特別抗告は、執行停止…》 の効力を有しない。 ただし、前条第2項の抗告裁判所又は原裁判所は、申立てにより、担保を立てさせて、又は立てさせないで、特別抗告について裁判があるまで、原裁判の執行の停止その他必要な処分を命ずることがで の規定は、 許可抗告 及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、 第102条第2項 《2 当事者又は手続に参加した子による即時…》 抗告の期間は、即時抗告をする者が終局決定の告知を受けた日から進行する。 及び第3項、 第103条第1項 《即時抗告は、抗告状を原裁判所に提出してし…》 なければならない。 、第2項第2号及び第3項、 第104条第1項 《終局決定に対する即時抗告があった場合には…》 、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び手続に参加した子抗告人を除く。に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。 並びに 第105条 《陳述の聴取 抗告裁判所は、即時抗告が不…》 適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者抗告人を除く。の陳述を聴かなければならない。 中「即時抗告」とあり、 第103条第6項 《6 第70条第4項及び第5項の規定は抗告…》 状が第2項の規定に違反する場合について、民事訴訟法第137条の2第1項から第6項までの規定は民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い即時抗告の提起の手数料を納付しない場合について、それぞれ準用する。 中「即時抗告の提起」とあり、並びに 第109条第1項 《特別抗告は、執行停止の効力を有しない。 …》 ただし、前条第2項の抗告裁判所又は原裁判所は、申立てにより、担保を立てさせて、又は立てさせないで、特別抗告について裁判があるまで、原裁判の執行の停止その他必要な処分を命ずることができる。 本文中「 特別抗告 」とあるのは「 第111条第2項 《2 前項の高等裁判所は、同項の終局決定に…》 ついて、最高裁判所の判例これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申 の申立て」と、 第103条第1項 《即時抗告は、抗告状を原裁判所に提出してし…》 なければならない。 、第2項及び第6項、 第104条 《抗告状の写しの送付等 終局決定に対する…》 即時抗告があった場合には、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び手続に参加した子抗告人を除く。に対し、抗告状の写しを送付しなけ 並びに 第107条第2項 《2 抗告裁判所は、第104条第1項の規定…》 による抗告状の写しの送付をすることを要しないときは、前項において準用する第89条の規定による審理の終結の手続を経ることなく、即時抗告を却下し、又は棄却することができる。 中「抗告状」とあるのは「 第111条第2項 《2 前項の高等裁判所は、同項の終局決定に…》 ついて、最高裁判所の判例これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申 の規定による許可の申立書」と、同条中「即時抗告」とあり、及び 第109条第1項 《特別抗告は、執行停止の効力を有しない。 …》 ただし、前条第2項の抗告裁判所又は原裁判所は、申立てにより、担保を立てさせて、又は立てさせないで、特別抗告について裁判があるまで、原裁判の執行の停止その他必要な処分を命ずることができる。 ただし書中「特別抗告」とあるのは「 第111条第4項 《4 第2項の規定による許可があった場合に…》 は、第1項の抗告以下この条及び次条第1項において「許可抗告」という。があったものとみなす。 に規定する許可抗告」と読み替えるものとする。

2項 民事訴訟法 第315条 《上告の理由の記載 上告状に上告の理由の…》 記載がないときは、上告人は、最高裁判所規則で定める期間内に、上告理由書を原裁判所に提出しなければならない。 2 上告の理由は、最高裁判所規則で定める方式により記載しなければならない。 及び 第336条第2項 《2 前項の抗告は、裁判の告知を受けた日か…》 ら5日の不変期間内にしなければならない。 の規定は前条第2項の申立てについて、同法第318条第3項の規定は前条第2項の規定による許可をする場合について、同法第318条第4項後段、第321条第1項、第322条、第325条第1項前段、第2項、第3項後段及び第4項並びに第326条の規定は前条第2項の規定による許可があった場合について、それぞれ準用する。この場合において、同法第318条第4項後段中「第320条」とあるのは「国際的なの奪取の民事上の側面に関する 条約 の実施に関する法律第111条第5項」と、同法第322条中「前2条」とあるのは「 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律 第111条第5項 《5 許可抗告が係属する抗告裁判所は、第2…》 項の規定による許可の申立書又は同項の申立てに係る理由書に記載された許可抗告の理由についてのみ調査をする。 の規定及び同法第112条第2項において準用する第321条第1項」と、同法第325条第1項前段及び第2項中「第312条第1項又は第2項」とあるのは「 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律 第111条第2項 《2 前項の高等裁判所は、同項の終局決定に…》 ついて、最高裁判所の判例これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申 」と、同条第3項後段中「この場合」とあるのは「差戻し又は移送を受けた裁判所が裁判をする場合」と、同条第4項中「前項」とあるのは「差戻し又は移送を受けた裁判所」と読み替えるものとする。

4目 終局決定以外の裁判に対する不服申立て

113条 (不服申立ての対象)

1項 終局決定以外の裁判に対しては、特別の定めがある場合に限り、即時抗告をすることができる。

114条 (受命裁判官又は受託裁判官の裁判に対する異議)

1項 受命裁判官又は受託裁判官の裁判に対して不服がある当事者は、の返還申立事件が係属している裁判所に異議の申立てをすることができる。ただし、その裁判が家庭裁判所の裁判であるとした場合に即時抗告をすることができるものであるときに限る。

2項 前項の異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

115条 (即時抗告期間等)

1項 終局決定以外の裁判に対する即時抗告は、1週間の不変期間内にしなければならない。ただし、その期間前に提起した即時抗告の効力を妨げない。

2項 前項の即時抗告は、特別の定めがある場合を除き、執行停止の効力を有しない。ただし、抗告裁判所又は原裁判所は、申立てにより、担保を立てさせて、又は立てさせないで、即時抗告について裁判があるまで、原裁判の執行の停止その他必要な処分を命ずることができる。

3項 第109条第2項 《2 前項ただし書の規定により担保を立てる…》 場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する家庭裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。 及び第3項の規定は、前項ただし書の規定により担保を立てる場合における供託及び担保について準用する。

4項 原裁判をした裁判所、裁判官又は裁判長は、即時抗告を理由があると認めるときは、その裁判を更正しなければならない。

116条 (終局決定に対する不服申立ての規定の準用等)

1項 前3目の規定( 第101条第1項 《当事者は、終局決定に対し、即時抗告をする…》 ことができる。 及び第2項、 第102条第1項 《終局決定に対する即時抗告は、2週間の不変…》 期間内にしなければならない。 ただし、その期間前に提起した即時抗告の効力を妨げない。 並びに同条第3項、 第104条 《抗告状の写しの送付等 終局決定に対する…》 即時抗告があった場合には、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び手続に参加した子抗告人を除く。に対し、抗告状の写しを送付しなけ 及び 第105条 《陳述の聴取 抗告裁判所は、即時抗告が不…》 適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者抗告人を除く。の陳述を聴かなければならない。これらの規定を 第112条第1項 《第102条第2項及び第3項、第103条第…》 4項及び第5項を除く。、第104条、第105条、第107条並びに第109条の規定は、許可抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。 この場合において、第102条第2項及び第3項、第103条第1項 において準用する場合を含む。並びに 第110条 《即時抗告の規定及び民事訴訟法の準用 第…》 102条第2項及び第3項、第103条第4項及び第5項を除く。、第104条、第105条並びに第107条の規定は、特別抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。 2 民事訴訟法第314条第2項、第3 の規定を除く。)は、裁判所、裁判官又は裁判長がした終局決定以外の裁判に対する不服申立てについて準用する。この場合において、 第108条第1項 《高等裁判所の終局決定に対しては、その決定…》 に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。 中「高等裁判所の終局決定」とあるのは「家庭裁判所の終局決定以外の裁判で不服を申し立てることができないもの及び高等裁判所の終局決定以外の裁判」と、 第111条第1項 《高等裁判所の終局決定次項の申立てについて…》 の決定を除く。に対しては、第108条第1項の規定による場合のほか、その高等裁判所が次項の規定により許可したときに限り、最高裁判所に特に抗告をすることができる。 中「できる」とあるのは「できる。ただし、その決定が家庭裁判所の決定であるとした場合に即時抗告をすることができるものであるときに限る」と読み替えるものとする。

2項 第102条第2項 《2 当事者又は手続に参加した子による即時…》 抗告の期間は、即時抗告をする者が終局決定の告知を受けた日から進行する。 及び第3項、 第103条 《即時抗告の提起の方式等 即時抗告は、抗…》 告状を原裁判所に提出してしなければならない。 2 抗告状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 1 当事者及び法定代理人 2 原決定の表示及びその決定に対して即時抗告をする旨 3 即時抗告が不 並びに 第107条 《第一審の手続の規定及び民事訴訟法の準用等…》 終局決定に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続については、特別の定めがある場合を除き、前款の規定第70条第6項、第72条第2項及び第5項、第93条第3項及び第4項、第95条第3項から第5項まで の規定は、裁判所、裁判官又は裁判長がした終局決定以外の裁判に対する 特別抗告 及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、 第103条第6項 《6 第70条第4項及び第5項の規定は抗告…》 状が第2項の規定に違反する場合について、民事訴訟法第137条の2第1項から第6項までの規定は民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い即時抗告の提起の手数料を納付しない場合について、それぞれ準用する。 中「及び第5項」とあるのは、「から第6項まで」と読み替えるものとする。

3項 民事訴訟法 第314条第2項 《2 前条において準用する第288条及び第…》 289条第2項の規定による裁判長の職権は、原裁判所の裁判長が行う。第315条 《上告の理由の記載 上告状に上告の理由の…》 記載がないときは、上告人は、最高裁判所規則で定める期間内に、上告理由書を原裁判所に提出しなければならない。 2 上告の理由は、最高裁判所規則で定める方式により記載しなければならない。第316条 《原裁判所による上告の却下 次の各号に該…》 当することが明らかであるときは、原裁判所は、決定で、上告を却下しなければならない。 1 上告が不適法でその不備を補正することができないとき。 2 前条第1項の規定に違反して上告理由書を提出せず、又は第1項第1号を除く。)、 第321条第1項 《原判決において適法に確定した事実は、上告…》 裁判所を拘束する。第322条 《職権調査事項についての適用除外 前2条…》 の規定は、裁判所が職権で調査すべき事項には、適用しない。第325条第1項 《第312条第1項又は第2項に規定する事由…》 があるときは、上告裁判所は、原判決を破棄し、次条の場合を除き、事件を原裁判所に差し戻し、又はこれと同等の他の裁判所に移送しなければならない。 高等裁判所が上告裁判所である場合において、判決に影響を及ぼ 前段、第2項、第3項後段及び第4項、 第326条 《破棄自判 次に掲げる場合には、上告裁判…》 所は、事件について裁判をしなければならない。 1 確定した事実について憲法その他の法令の適用を誤ったことを理由として判決を破棄する場合において、事件がその事実に基づき裁判をするのに熟するとき。 2 事 並びに 第336条第2項 《2 前項の抗告は、裁判の告知を受けた日か…》 ら5日の不変期間内にしなければならない。 の規定は、裁判所、裁判官又は裁判長がした終局決定以外の裁判に対する 特別抗告 及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同法第314条第2項中「前条において準用する第288条及び第289条第2項」とあるのは「国際的なの奪取の民事上の側面に関する 条約 の実施に関する法律第116条第2項において読み替えて準用する同法第103条第6項」と、同法第316条第2項中「対しては」とあるのは「対しては、1週間の不変期間内に」と、同法第322条中「前2条」とあるのは「 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律 第116条第1項 《前3目の規定第101条第1項及び第2項、…》 第102条第1項並びに同条第3項、第104条及び第105条これらの規定を第112条第1項において準用する場合を含む。並びに第110条の規定を除く。は、裁判所、裁判官又は裁判長がした終局決定以外の裁判に において準用する同法第108条第2項の規定及び同法第116条第3項において準用する第321条第1項」と、同法第325条第1項前段及び第2項中「第312条第1項又は第2項」とあるのは「 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律 第116条第1項 《前3目の規定第101条第1項及び第2項、…》 第102条第1項並びに同条第3項、第104条及び第105条これらの規定を第112条第1項において準用する場合を含む。並びに第110条の規定を除く。は、裁判所、裁判官又は裁判長がした終局決定以外の裁判に において読み替えて準用する同法第108条第1項」と、同条第3項後段中「この場合」とあるのは「差戻し又は移送を受けた裁判所が裁判をする場合」と、同条第4項中「前項」とあるのは「差戻し又は移送を受けた裁判所」と読み替えるものとする。

4款 終局決定の変更

117条 (終局決定の変更)

1項 の返還を命ずる終局決定をした裁判所(その決定に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を棄却する終局決定( 第107条第2項 《2 抗告裁判所は、第104条第1項の規定…》 による抗告状の写しの送付をすることを要しないときは、前項において準用する第89条の規定による審理の終結の手続を経ることなく、即時抗告を却下し、又は棄却することができる。 の規定による決定を除く。以下この項において同じ。)をしたときは、当該抗告裁判所)は、子の返還を命ずる終局決定が確定した後に、事情の変更によりその決定を維持することを不当と認めるに至ったときは、当事者の申立てにより、その決定(当該抗告裁判所が当該即時抗告を棄却する終局決定をした場合にあっては、当該終局決定)を変更することができる。ただし、子が常居所地国に返還された後は、この限りでない。

2項 前項の規定による終局決定の変更の申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

1号 当事者及び法定代理人

2号 変更を求める終局決定の表示及びその決定に対して変更を求める旨

3号 終局決定の変更を求める理由

3項 裁判所は、第1項の規定により終局決定を変更するときは、当事者(同項の申立てをした者を除く。)の陳述を聴かなければならない。

4項 第1項の申立てを却下する終局決定に対しては、当該申立てをした者は、即時抗告をすることができる。

5項 第1項の規定により終局決定を変更する決定に対しては、即時抗告をすることができる。

6項 前各項に規定するもののほか、第1項の規定による終局決定の変更の手続には、その性質に反しない限り、各審級における手続に関する規定を準用する。

118条 (執行停止の裁判)

1項 裁判所は、前条第1項の申立てがあった場合において、同項の規定による変更の理由として主張した事情が法律上理由があるとみえ、かつ、事実上の点につき疎明があったときは、申立てにより、担保を立てさせて、若しくは立てさせないで強制執行の1時の停止を命じ、又は担保を立てさせて既にした執行処分の取消しを命ずることができる。

2項 前項の規定による申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

3項 第109条第2項 《2 前項ただし書の規定により担保を立てる…》 場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する家庭裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。 及び第3項の規定は、第1項の規定により担保を立てる場合における供託及び担保について準用する。

5款 再審

119条 (再審)

1項 確定した終局決定その他の裁判(事件を完結するものに限る。第5項において同じ。)に対しては、再審の申立てをすることができる。

2項 再審の手続には、その性質に反しない限り、各審級における手続に関する規定を準用する。

3項 民事訴訟法 第4編の規定(同法第341条及び第349条の規定を除く。)は、第1項の再審の申立て及びこれに関する手続について準用する。この場合において、同法第348条第1項中「不服申立ての限度で、本案の審理及び裁判をする」とあるのは、「本案の審理及び裁判をする」と読み替えるものとする。

4項 前項において準用する 民事訴訟法 第346条第1項 《裁判所は、再審の事由がある場合には、再審…》 開始の決定をしなければならない。 の再審開始の決定に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。

5項 第3項において準用する 民事訴訟法 第348条第2項 《2 裁判所は、前項の場合において、判決を…》 正当とするときは、再審の請求を棄却しなければならない。 の規定により終局決定その他の裁判に対する再審の申立てを棄却する決定に対しては、当該終局決定その他の裁判に対し即時抗告をすることができる者に限り、即時抗告をすることができる。

120条 (執行停止の裁判)

1項 裁判所は、前条第1項の再審の申立てがあった場合において、不服の理由として主張した事情が法律上理由があるとみえ、事実上の点につき疎明があり、かつ、執行により償うことができない損害が生ずるおそれがあることにつき疎明があったときは、申立てにより、担保を立てさせて、若しくは立てさせないで強制執行の1時の停止を命じ、又は担保を立てさせて既にした執行処分の取消しを命ずることができる。

2項 前項の規定による申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

3項 第109条第2項 《2 前項ただし書の規定により担保を立てる…》 場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する家庭裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。 及び第3項の規定は、第1項の規定により担保を立てる場合における供託及び担保について準用する。

4節 義務の履行状況の調査及び履行の勧告

121条 (家庭裁判所による義務の履行状況の調査及び履行の勧告)

1項 の返還を命ずる終局決定をした家庭裁判所(抗告裁判所が子の返還を命ずる終局決定をした場合にあっては、第一審裁判所である家庭裁判所。以下同じ。)は、権利者の申出があるときは、子の返還の義務の履行状況を調査し、義務者に対し、その義務の履行を勧告することができる。

2項 の返還を命ずる終局決定をした家庭裁判所は、前項の規定による調査及び勧告を他の家庭裁判所に嘱託することができる。

3項 の返還を命ずる終局決定をした家庭裁判所並びに前項の規定により調査及び勧告の嘱託を受けた家庭裁判所(以下この条から 第121条 《家庭裁判所による義務の履行状況の調査及び…》 履行の勧告 子の返還を命ずる終局決定をした家庭裁判所抗告裁判所が子の返還を命ずる終局決定をした場合にあっては、第一審裁判所である家庭裁判所。以下同じ。は、権利者の申出があるときは、子の返還の義務の履 の四までにおいて「 調査及び勧告をする家庭裁判所 」という。)は、家庭裁判所調査官に第1項の規定による調査及び勧告をさせることができる。

4項 調査及び勧告をする家庭裁判所 は、第1項の規定による調査及び勧告に必要な調査を外務大臣に嘱託するほか、官庁、公署その他適当と認める者に嘱託し、又は学校、保育所その他適当と認める者に対しの生活の状況その他の事項に関して必要な報告を求めることができる。

5項 第1項の規定による調査及び勧告の手続には、その性質に反しない限り、前節第1款の規定を準用する。

121条の2 (調査及び勧告の事件に関する非電磁的事件記録の閲覧等)

1項 関係人(前条第1項の規定による調査及び勧告の事件の関係人をいう。以下この条から 第121条 《家庭裁判所による義務の履行状況の調査及び…》 履行の勧告 子の返還を命ずる終局決定をした家庭裁判所抗告裁判所が子の返還を命ずる終局決定をした場合にあっては、第一審裁判所である家庭裁判所。以下同じ。は、権利者の申出があるときは、子の返還の義務の履 の四までにおいて同じ。)は、 調査及び勧告をする家庭裁判所 の許可を得て、裁判所書記官に対し、調査及び勧告の事件に関する非電磁的事件記録(前条第1項の規定による調査及び勧告の事件の記録中次条第1項に規定する調査及び勧告の事件に関する電磁的事件記録を除いた部分をいう。次項及び第4項において同じ。)の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。

2項 前項の規定は、調査及び勧告の事件に関する非電磁的事件記録中の 録音テープ等 に関しては、適用しない。この場合において、関係人は、 調査及び勧告をする家庭裁判所 の許可を得て、裁判所書記官に対し、これらの物の複製を請求することができる。

3項 調査及び勧告をする家庭裁判所 は、関係人から前2項の規定による許可の申立てがあった場合において、相当と認めるときは、これを許可することができる。

4項 第62条第7項 《7 当事者は、非電磁的事件記録中当該当事…》 者が提出した書面等書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下同じ。又は録音テープ等については、第1 の規定は第1項及び第2項の規定による請求について、同条第8項の規定は調査及び勧告の事件に関する非電磁的事件記録の閲覧、謄写及び複製の請求について、それぞれ準用する。

121条の3 (調査及び勧告の事件に関する電磁的事件記録の閲覧等)

1項 関係人は、 調査及び勧告をする家庭裁判所 の許可を得て、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、調査及び勧告の事件に関する電磁的事件記録( 第121条第1項 《子の返還を命ずる終局決定をした家庭裁判所…》 抗告裁判所が子の返還を命ずる終局決定をした場合にあっては、第一審裁判所である家庭裁判所。以下同じ。は、権利者の申出があるときは、子の返還の義務の履行状況を調査し、義務者に対し、その義務の履行を勧告する の規定による調査及び勧告の事件の記録中この法律その他の法令の規定によりファイルに記録された事項に係る部分をいう。次項及び第3項において同じ。)の内容を最高裁判所規則で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。

2項 関係人は、 調査及び勧告をする家庭裁判所 の許可を得て、裁判所書記官に対し、調査及び勧告の事件に関する電磁的事件記録に記録されている事項について、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法による複写を請求することができる。

3項 関係人は、 調査及び勧告をする家庭裁判所 の許可を得て、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、調査及び勧告の事件に関する電磁的事件記録に記録されている事項の全部若しくは一部を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該書面の内容が調査及び勧告の事件に関する電磁的事件記録に記録されている事項と同一であることを証明したものを交付し、又は当該事項の全部若しくは一部を記録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該電磁的記録の内容が調査及び勧告の事件に関する電磁的事件記録に記録されている事項と同一であることを証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。

4項 調査及び勧告をする家庭裁判所 は、関係人から前3項の規定による許可の申立てがあった場合において、相当と認めるときは、これを許可することができる。

5項 第62条の2第4項 《4 電磁的事件記録中次に掲げる事項に係る…》 部分については、当事者は、前3項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得ないで、裁判所書記官に対し、電磁的事件記録の閲覧等第1項の規定による閲覧、第2項の規定による複写又は前項の規定による書面の交付若しく第1号に係る部分を除く。)の規定は第1項から第3項までの規定による請求について、 第62条第8項 《8 非電磁的事件記録の閲覧、謄写及び複製…》 の請求は、非電磁的事件記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。 の規定は第1項及び第2項の規定による請求について、それぞれ準用する。

121条の4 (調査及び勧告の事件に関する事項の証明)

1項 関係人は、 調査及び勧告をする家庭裁判所 の許可を得て、 第121条第1項 《子の返還を命ずる終局決定をした家庭裁判所…》 抗告裁判所が子の返還を命ずる終局決定をした場合にあっては、第一審裁判所である家庭裁判所。以下同じ。は、権利者の申出があるときは、子の返還の義務の履行状況を調査し、義務者に対し、その義務の履行を勧告する の規定による調査及び勧告の事件に関する事項を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを交付し、又は当該事項を記録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。

2項 調査及び勧告をする家庭裁判所 は、関係人から前項の規定による許可の申立てがあった場合において、相当と認めるときは、これを許可することができる。

121条の5 (和解によって定められた義務)

1項 第121条 《家庭裁判所による義務の履行状況の調査及び…》 履行の勧告 子の返還を命ずる終局決定をした家庭裁判所抗告裁判所が子の返還を命ずる終局決定をした場合にあっては、第一審裁判所である家庭裁判所。以下同じ。は、権利者の申出があるときは、子の返還の義務の履 から前条までの規定は、和解によって定められた義務の履行について準用する。

5節 出国禁止命令

122条 (出国禁止命令)

1項 の返還申立事件が係属する家庭裁判所は、子の返還申立事件の当事者が子を日本国外に出国させるおそれがあるときは、子の返還申立事件の一方の当事者の申立てにより、他方の当事者に対し、子を出国させてはならないことを命ずることができる。

2項 家庭裁判所は、前項の規定による申立てに係る事件の相手方がが名義人となっている旅券を所持すると認めるときは、申立てにより、同項の規定による裁判において、当該旅券の外務大臣への提出を命じなければならない。

3項 の返還申立事件が高等裁判所に係属する場合には、その高等裁判所が、前2項の規定による裁判(以下「 出国禁止命令 」という。)をする。

4項 出国禁止命令 は、の返還の申立てについての終局決定の確定により、その効力を失う。

123条 (出国禁止命令の申立て等)

1項 出国禁止命令 の申立ては、その趣旨及び出国禁止命令を求める事由を明らかにしてしなければならない。

2項 出国禁止命令 を求める事由については、出国禁止命令の申立てに係る事件(以下「 出国禁止命令事件 」という。)の申立人が資料を提出しなければならない。

3項 前条第2項の規定による裁判の申立ては、 出国禁止命令 があるまで、取り下げることができる。

4項 民事訴訟法 第261条第3項 《3 訴えの取下げは、書面でしなければなら…》 ない。 及び第4項並びに 第262条第1項 《訴訟は、訴えの取下げがあった部分について…》 は、初めから係属していなかったものとみなす。 の規定は、 出国禁止命令 の申立ての取下げについて準用する。この場合において、同法第261条第4項中「口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日࿸以下この章において「口頭弁論等の期日」という。)」とあるのは、「国際的なの奪取の民事上の側面に関する 条約 の実施に関する法律第123条第2項に規定する出国禁止命令事件の手続の期日」と読み替えるものとする。

124条 (陳述の聴取)

1項 出国禁止命令 は、出国禁止命令事件の相手方の陳述を聴かなければ、することができない。ただし、その陳述を聴く手続を経ることにより出国禁止命令の目的を達することができない事情があるときは、この限りでない。

125条 (記録の閲覧等)

1項 裁判所は、 第133条 《子の返還申立事件の手続規定の準用 出国…》 禁止命令事件及び出国禁止命令取消事件の手続については、特別の定めがある場合を除き、第3節第1款から第3款まで及び第5款第72条、第84条、第85条、第87条、第89条、第90条、第99条及び第100条 において準用する 第62条第3項 《3 裁判所は、当事者から前2項の規定によ…》 る許可の申立てがあったときは、当該申立てに係る許可をしなければならない。 第62条の2第5項 《5 前条第3項から第6項まで及び第9項か…》 ら第11項までの規定は電磁的事件記録の閲覧等の許可の申立てについて、同条第8項の規定は電磁的事件記録の閲覧及び複写について、それぞれ準用する。 において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、 出国禁止命令 事件について、出国禁止命令事件の当事者から 第133条 《子の返還申立事件の手続規定の準用 出国…》 禁止命令事件及び出国禁止命令取消事件の手続については、特別の定めがある場合を除き、第3節第1款から第3款まで及び第5款第72条、第84条、第85条、第87条、第89条、第90条、第99条及び第100条 において準用する 第62条第1項 《当事者又は利害関係を疎明した第三者は、裁…》 判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、非電磁的事件記録子の返還申立事件の記録中次条第1項に規定する電磁的事件記録を除いた部分をいう。以下この条において同じ。の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは 若しくは第2項又は 第62条の2第1項 《当事者又は利害関係を疎明した第三者は、裁…》 判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、電磁的事件記録子の返還申立事件の記録中この法律その他の法令の規定によりファイルに記録された事項に係る部分をいう。以下この条にお から第3項までの規定による許可の申立てがあった場合には、出国禁止命令事件の相手方に対し、出国禁止命令事件が係属したことを通知し、又は出国禁止命令を告知するまでは、相当と認めるときに限り、これを許可することができる。

126条 (出国禁止命令の告知及び効力)

1項 出国禁止命令 の申立てについての裁判は、出国禁止命令事件の当事者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。

2項 出国禁止命令 は、出国禁止命令事件の相手方に告知することによってその効力を生じ、出国禁止命令の申立てを却下する裁判は、出国禁止命令事件の申立人に告知することによってその効力を生ずる。

127条 (即時抗告)

1項 出国禁止命令 事件の当事者は、出国禁止命令の申立てについての裁判に対し、即時抗告をすることができる。

128条 (即時抗告に伴う執行停止)

1項 前条の規定により即時抗告が提起された場合において、原裁判の取消しの原因となることが明らかな事情及び原裁判の執行により償うことができない損害を生ずるおそれがあることについて疎明があったときは、抗告裁判所は、申立てにより、即時抗告についての裁判が効力を生ずるまでの間、担保を立てさせて、若しくは担保を立てることを条件として、又は担保を立てさせないで原裁判の執行の停止を命ずることができる。 出国禁止命令 事件の記録が家庭裁判所に存する間は、家庭裁判所も、この処分を命ずることができる。

2項 第123条第2項 《2 出国禁止命令を求める事由については、…》 出国禁止命令の申立てに係る事件以下「出国禁止命令事件」という。の申立人が資料を提出しなければならない。 の規定は前項の申立てについて、 第109条第2項 《2 前項ただし書の規定により担保を立てる…》 場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する家庭裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。 及び第3項の規定は前項の規定により担保を立てる場合における供託及び担保について、それぞれ準用する。

129条 (出国禁止命令の取消し)

1項 第122条第1項 《子の返還申立事件が係属する家庭裁判所は、…》 子の返還申立事件の当事者が子を日本国外に出国させるおそれがあるときは、子の返還申立事件の一方の当事者の申立てにより、他方の当事者に対し、子を出国させてはならないことを命ずることができる。 の規定による裁判が確定した後に、当該裁判を求める事由の消滅その他の事情の変更があるときは、の返還申立事件が係属する裁判所は、当該裁判を受けた者の申立てにより、当該裁判の取消しの裁判をすることができる。

2項 裁判所が、 第122条第1項 《子の返還申立事件が係属する家庭裁判所は、…》 子の返還申立事件の当事者が子を日本国外に出国させるおそれがあるときは、子の返還申立事件の一方の当事者の申立てにより、他方の当事者に対し、子を出国させてはならないことを命ずることができる。 の規定による裁判を取り消す場合において、同条第2項の規定による裁判がされているときは、裁判所は、当該裁判をも取り消さなければならない。

3項 第123条 《出国禁止命令の申立て等 出国禁止命令の…》 申立ては、その趣旨及び出国禁止命令を求める事由を明らかにしてしなければならない。 2 出国禁止命令を求める事由については、出国禁止命令の申立てに係る事件以下「出国禁止命令事件」という。の申立人が資料を 及び前3条の規定は、第1項の申立て及び当該申立てについての裁判について準用する。

130条 (電子調書の作成)

1項 裁判所書記官は、 出国禁止命令 事件及び前条第1項の規定による申立てに係る事件( 第133条 《子の返還申立事件の手続規定の準用 出国…》 禁止命令事件及び出国禁止命令取消事件の手続については、特別の定めがある場合を除き、第3節第1款から第3款まで及び第5款第72条、第84条、第85条、第87条、第89条、第90条、第99条及び第100条 において「 出国禁止命令取消事件 」という。)の手続の期日について、最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書を作成しなければならない。ただし、裁判長においてその必要がないと認めるときは、この限りでない。

131条 (外務大臣による旅券の保管)

1項 外務大臣は、 第122条第2項 《2 家庭裁判所は、前項の規定による申立て…》 に係る事件の相手方が子が名義人となっている旅券を所持すると認めるときは、申立てにより、同項の規定による裁判において、当該旅券の外務大臣への提出を命じなければならない。 の規定による裁判を受けた者から当該裁判に係る旅券の提出を受けたときは、当該旅券を保管しなければならない。

2項 外務大臣は、 出国禁止命令 が効力を失ったときは、前項の旅券の提出を行った者の求めにより、当該旅券を返還しなければならない。

132条 (過料の裁判)

1項 第122条第2項 《2 家庭裁判所は、前項の規定による申立て…》 に係る事件の相手方が子が名義人となっている旅券を所持すると認めるときは、申立てにより、同項の規定による裁判において、当該旅券の外務大臣への提出を命じなければならない。 の規定による裁判を受けた者が当該裁判に従わないときは、裁判所は、210,000円以下の過料に処する。

133条 (子の返還申立事件の手続規定の準用)

1項 出国禁止命令 事件及び出国禁止命令取消事件の手続については、特別の定めがある場合を除き、第3節第1款から第3款まで及び第5款( 第72条 《申立書の写しの送付等 子の返還の申立て…》 があった場合には、家庭裁判所は、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、子の返還申立書の写しを相手方に送付しなければならない。 2 前項の規定による子の返還申立書の写し第84条 《事実の調査の通知 家庭裁判所は、事実の…》 調査をしたときは、特に必要がないと認める場合を除き、その旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。第85条 《陳述の聴取 家庭裁判所は、子の返還の申…》 立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、当事者の陳述を聴かなければならない。 2 家庭裁判所が審問の期日を開いて当事者の陳述を聴くことにより事実の調査をするときは、他の当第87条 《不法を証する文書の提出 家庭裁判所は、…》 申立人が不法な連れ去り又は不法な留置があったことを証する文書を常居所地国において得ることができるときは、申立人に対し、当該文書を提出することを求めることができる。第89条 《審理の終結 家庭裁判所は、子の返還申立…》 事件の手続においては、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定めなければならない。 ただし、当事者双方が立ち会うことができる第90条 《裁判日 家庭裁判所は、前条の規定により…》 審理を終結したときは、裁判をする日を定めなければならない。第99条 《子の返還の申立ての取下げ 子の返還の申…》 立ては、終局決定が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。 ただし、申立ての取下げは、終局決定がされた後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。 2 前項ただし書の規 及び 第100条 《和解 子の返還申立事件における和解につ…》 いては、民事訴訟法第89条第1項、第264条及び第265条の規定を準用する。 この場合において、同法第264条第1項及び第265条第3項中「口頭弁論等」とあるのは、「子の返還申立事件の手続」と読み替え を除く。)の規定を準用する。この場合において、 第94条第2項第2号 《2 終局決定の電子裁判書には、次に掲げる…》 事項を記録しなければならない。 1 主文 2 理由 3 当事者及び法定代理人 4 裁判所 中「理由」とあるのは、「理由の要旨」と読み替えるものとする。

4章 子の返還の執行手続に関する民事執行法の特則

134条 (子の返還の強制執行)

1項 の返還の強制執行は、 民事執行法 1979年法律第4号第171条第1項 《次の各号に掲げる強制執行は、執行裁判所が…》 それぞれ当該各号に定める旨を命ずる方法により行う。 1 作為を目的とする債務についての強制執行 債務者の費用で第三者に当該作為をさせること。 2 不作為を目的とする債務についての強制執行 債務者の費用 の規定により執行裁判所が第三者に子の返還を実施させる決定をする方法により行うほか、同法第172条第1項に規定する方法により行う。

2項 前項の強制執行は、確定したの返還を命ずる終局決定(確定した子の返還を命ずる終局決定と同1の効力を有するものを含む。)の正本又は記録事項証明書( 民事執行法 第18条の2 《記録事項証明書の提出等の省略 民事執行…》 の手続においてこの法律の規定に基づき裁判所、裁判所書記官又は執行官に次の各号に掲げるものに係る記録事項証明書裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイル以下単に「ファイル」という。に記録されている に規定する記録事項証明書をいう。次項及び 第149条第2項 《2 子との交流について定め、又はその変更…》 について定める審判書若しくは調停調書の正本又は電子審判書家事事件手続法第76条第1項に規定する電子審判書であって、同条第3項の規定によりファイルに記録されたものをいう。若しくは調停に係る電子調書同法第 において同じ。)に基づいて実施する。

3項 民事執行法 第18条の2 《記録事項証明書の提出等の省略 民事執行…》 の手続においてこの法律の規定に基づき裁判所、裁判所書記官又は執行官に次の各号に掲げるものに係る記録事項証明書裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイル以下単に「ファイル」という。に記録されている の規定は、前項の終局決定の記録事項証明書の執行裁判所への提出について準用する。

135条 (子の年齢による子の返還の強制執行の制限)

1項 が16歳に達した場合には、 民事執行法 第171条第1項 《次の各号に掲げる強制執行は、執行裁判所が…》 それぞれ当該各号に定める旨を命ずる方法により行う。 1 作為を目的とする債務についての強制執行 債務者の費用で第三者に当該作為をさせること。 2 不作為を目的とする債務についての強制執行 債務者の費用 の規定による子の返還の強制執行(同項の規定による決定に基づく子の返還の実施を含む。以下「 子の返還の代替執行 」という。)は、することができない。

2項 民事執行法 第172条第1項 《作為又は不作為を目的とする債務で前条第1…》 項の強制執行ができないものについての強制執行は、執行裁判所が、債務者に対し、遅延の期間に応じ、又は相当と認める一定の期間内に履行しないときは直ちに、債務の履行を確保するために相当と認める一定の額の金銭 に規定する方法によるの返還の強制執行の手続において、執行裁判所は、子が16歳に達した日の翌日以降に子を返還しないことを理由として、同項の規定による金銭の支払を命じてはならない。

136条 (子の返還の代替執行と間接強制との関係)

1項 の返還の代替執行の申立ては、次の各号のいずれかに該当するときでなければすることができない。

1号 民事執行法 第172条第1項 《作為又は不作為を目的とする債務で前条第1…》 項の強制執行ができないものについての強制執行は、執行裁判所が、債務者に対し、遅延の期間に応じ、又は相当と認める一定の期間内に履行しないときは直ちに、債務の履行を確保するために相当と認める一定の額の金銭 の規定による決定が確定した日から2週間を経過したとき(当該決定において定められた債務を履行すべき一定の期間の経過がこれより後である場合にあっては、その期間を経過したとき)。

2号 民事執行法 第172条第1項 《作為又は不作為を目的とする債務で前条第1…》 項の強制執行ができないものについての強制執行は、執行裁判所が、債務者に対し、遅延の期間に応じ、又は相当と認める一定の期間内に履行しないときは直ちに、債務の履行を確保するために相当と認める一定の額の金銭 に規定する方法による強制執行を実施しても、債務者が 常居所地国 に子を返還する見込みがあるとは認められないとき。

3号 の急迫の危険を防止するため直ちに子の返還の代替執行をする必要があるとき。

137条 (子の返還の代替執行の申立て)

1項 の返還の代替執行の申立ては、債務者に代わって 常居所地国 に子を返還する者(以下「 返還実施者 」という。)となるべき者を特定してしなければならない。

138条 (子の返還を実施させる決定)

1項 第134条第1項 《子の返還の強制執行は、民事執行法1979…》 年法律第4号第171条第1項の規定により執行裁判所が第三者に子の返還を実施させる決定をする方法により行うほか、同法第172条第1項に規定する方法により行う。 の決定は、債務者によるの監護を解くために必要な行為をする者として執行官を指定し、かつ、 返還実施者 を指定してしなければならない。

2項 執行裁判所は、 民事執行法 第171条第3項 《3 執行裁判所は、第1項の規定による決定…》 をする場合には、債務者を審尋しなければならない。 の規定にかかわらず、に急迫した危険があるときその他の審尋をすることにより強制執行の目的を達することができない事情があるときは、債務者を審尋しないで 第134条第1項 《執行官は、差押物を売却するには、入札又は…》 競り売りのほか、最高裁判所規則で定める方法によらなければならない。 の決定をすることができる。

139条 (子の返還の代替執行の申立ての却下)

1項 執行裁判所は、 第137条 《子の返還の代替執行の申立て 子の返還の…》 代替執行の申立ては、債務者に代わって常居所地国に子を返還する者以下「返還実施者」という。となるべき者を特定してしなければならない。 返還実施者 となるべき者を前条の規定により返還実施者として指定することがの利益に照らして相当でないと認めるときは、 第137条 《子の返還の代替執行の申立て 子の返還の…》 代替執行の申立ては、債務者に代わって常居所地国に子を返還する者以下「返還実施者」という。となるべき者を特定してしなければならない。 の申立てを却下しなければならない。

140条 (執行官の権限等)

1項 民事執行法 第175条 《執行官の権限等 執行官は、債務者による…》 子の監護を解くために必要な行為として、債務者に対し説得を行うほか、債務者の住居その他債務者の占有する場所において、次に掲げる行為をすることができる。 1 その場所に立ち入り、子を捜索すること。 この場第8項を除く。)の規定はの返還の代替執行における執行官の権限及び当該権限の行使に係る執行裁判所の裁判について、同法第176条の規定は子の返還の代替執行の手続について、それぞれ準用する。この場合において、同法第175条第1項第2号中「債権者若しくはその代理人と子」とあるのは「 返還実施者 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する 条約 の実施に関する法律(2013年法律第48号)第137条に規定する返還実施者をいう。以下同じ。)、債権者若しくは同法第140条第1項において準用する第6項に規定する代理人と子」と、「又は債権者若しくはその代理人」とあるのは「又は返還実施者、債権者若しくは同項に規定する代理人」と、同項第3号及び同条第9項中「債権者又はその代理人」とあるのは「返還実施者、債権者又は 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律 第140条第1項 《民事執行法第175条第8項を除く。の規定…》 は子の返還の代替執行における執行官の権限及び当該権限の行使に係る執行裁判所の裁判について、同法第176条の規定は子の返還の代替執行の手続について、それぞれ準用する。 この場合において、同法第175条第 において準用する第6項に規定する代理人」と読み替えるものとする。

2項 執行官は、前項において準用する 民事執行法 第175条第1項 《執行官は、債務者による子の監護を解くため…》 に必要な行為として、債務者に対し説得を行うほか、債務者の住居その他債務者の占有する場所において、次に掲げる行為をすることができる。 1 その場所に立ち入り、子を捜索すること。 この場合において、必要が 又は第2項の規定によるの監護を解くために必要な行為をするに際し抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、威力を用い、又は警察上の援助を求めることができる。

3項 執行官は、前項の規定にかかわらず、に対して威力を用いることはできない。子以外の者に対して威力を用いることが子の心身に有害な影響を及ぼすおそれがある場合においては、当該子以外の者についても、同様とする。

141条 (返還実施者の権限等)

1項 返還実施者 は、 常居所地国 に子を返還するために、の監護その他の必要な行為をすることができる。

2項 の返還の代替執行の手続については、 民事執行法 第171条第6項 《6 第6条第2項の規定は、第1項の規定に…》 よる決定を執行する場合について準用する。 の規定は、適用しない。

3項 前条第1項において準用する 民事執行法 第176条 《執行裁判所及び執行官の責務 執行裁判所…》 及び執行官は、第174条第1項第1号に掲げる方法による子の引渡しの強制執行の手続において子の引渡しを実現するに当たつては、子の年齢及び発達の程度その他の事情を踏まえ、できる限り、当該強制執行が子の心身 の規定は、 返還実施者 について準用する。

142条 (外務大臣の協力)

1項 外務大臣は、の返還の代替執行に関し、立会いその他の必要な協力をすることができる。

143条 (執行事件の記録の閲覧等)

1項 の返還の強制執行に係る事件の非電磁的事件記録( 民事執行法 第17条第1項 《執行裁判所の行う民事執行について、利害関…》 係を有する者は、裁判所書記官に対し、非電磁的事件記録事件の記録中次条第1項に規定する電磁的事件記録を除いた部分をいう。の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 に規定する非電磁的事件記録をいう。 第149条第2項 《2 子との交流について定め、又はその変更…》 について定める審判書若しくは調停調書の正本又は電子審判書家事事件手続法第76条第1項に規定する電子審判書であって、同条第3項の規定によりファイルに記録されたものをいう。若しくは調停に係る電子調書同法第 において同じ。)の閲覧、謄写若しくは複製又はその正本、謄本若しくは抄本の交付の請求、当該事件の電磁的事件記録( 民事執行法 第17条の2第1項 《執行裁判所の行う民事執行について、利害関…》 係を有する者は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、電磁的事件記録事件の記録中この法律その他の法令の規定により裁判所の使用に係る電子計算機入出力装置を含む。以下同じ。に備えられたフ に規定する電磁的事件記録をいう。 第149条第2項 《2 子との交流について定め、又はその変更…》 について定める審判書若しくは調停調書の正本又は電子審判書家事事件手続法第76条第1項に規定する電子審判書であって、同条第3項の規定によりファイルに記録されたものをいう。若しくは調停に係る電子調書同法第 において同じ。)の閲覧若しくは複写又はその内容の全部若しくは一部を証明した書面の交付若しくは電磁的記録の提供の請求及び当該事件に関する事項を証明した書面の交付又は電磁的記録の提供の請求については、 第62条 《非電磁的事件記録の閲覧等 当事者又は利…》 害関係を疎明した第三者は、裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、非電磁的事件記録子の返還申立事件の記録中次条第1項に規定する電磁的事件記録を除いた部分をいう。以下この条において同じ。の閲覧若しくは謄 から 第62条 《非電磁的事件記録の閲覧等 当事者又は利…》 害関係を疎明した第三者は、裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、非電磁的事件記録子の返還申立事件の記録中次条第1項に規定する電磁的事件記録を除いた部分をいう。以下この条において同じ。の閲覧若しくは謄 の三までの規定を準用する。この場合において、 第62条第7項 《7 当事者は、非電磁的事件記録中当該当事…》 者が提出した書面等書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下同じ。又は録音テープ等については、第1 中「 第69条の2 《 子の返還申立事件の手続における申立て等…》 については、民事訴訟法第133条、第133条の2第1項、第5項及び第6項並びに第133条の4第1項から第3項まで、第4項第1号に係る部分に限る。及び第5項から第7項までの規定を準用する。 この場合にお において読み替えて準用する 民事訴訟法 第133条の2第5項 《5 裁判所は、第2項の申立てがあった場合…》 において、必要があると認めるときは、電磁的訴訟記録等電磁的訴訟記録又は第132条の4第1項の処分の申立てに係る事件の記録中ファイル記録事項に係る部分をいう。以下この項及び次項において同じ。中当該秘匿事 」とあるのは、「 民事執行法 第20条 《民事訴訟法の準用 特別の定めがある場合…》 を除き、民事執行の手続に関しては、その性質に反しない限り、民事訴訟法第1編から第4編までの規定を準用する。 この場合において、同法第109条の4第1項中「第132条の11第1項各号」とあるのは、「民事 において準用する 民事訴訟法 第92条第9項 《9 裁判所は、第1項の申立て同項第2号に…》 掲げる事由があることを理由とするものに限る。次項において同じ。があった場合において、当該申立てに係る営業秘密がその訴訟の追行の目的以外の目的で使用され、又は当該営業秘密が開示されることにより、当該営業 及び 第133条の2第5項 《5 裁判所は、第2項の申立てがあった場合…》 において、必要があると認めるときは、電磁的訴訟記録等電磁的訴訟記録又は第132条の4第1項の処分の申立てに係る事件の記録中ファイル記録事項に係る部分をいう。以下この項及び次項において同じ。中当該秘匿事同法第133条の3第2項において準用する場合を含む。)」と読み替えるものとする。

5章 家事事件の手続に関する特則 > 1節 子の返還申立事件に係る家事調停の手続等

144条 (付調停)

1項 家庭裁判所及び高等裁判所は、当事者の同意を得て、いつでも、職権で、の返還申立事件を家事調停に付することができる。

145条 (家事事件手続法の特則)

1項 裁判所は、前条の規定により事件を家事調停に付する場合においては、家事調停事件を自ら処理しなければならない。ただし、家事調停事件を処理するために特に必要があると認めるときは、事件を当該裁判所以外の家庭裁判所( 第32条第1項 《子の返還申立事件第26条の規定による子の…》 返還の申立てに係る事件をいう。以下同じ。は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める家庭裁判所の管轄に属する。 1 子の住所地日本国内に子の住所がないとき、又は住所が知れないときは、その居所地。次号 各号に定める家庭裁判所に限る。)に処理させることができる。

2項 第43条第2項 《2 未成年者及び成年被後見人は、法定代理…》 人の同意を要することなく、又は法定代理人によらずに、自ら手続行為をすることができる。 被保佐人又は被補助人について、保佐人若しくは保佐監督人又は補助人若しくは補助監督人の同意がない場合も、同様とする。 の規定は、前条の規定により事件を家事調停に付した場合の家事調停事件の手続における手続上の行為をすることができる能力について準用する。

3項 前条の規定により事件を家事調停に付した場合において、当事者間にの返還の合意が成立し、裁判所書記官が、その合意について電子調書を作成し、これをファイルに記録したときは、調停が成立したものとし、子の返還の合意に係る記録部分は、 家事事件手続法 第268条第1項 《調停において当事者間に合意が成立し、裁判…》 所書記官が、その合意について電子調書を作成し、これをファイルに記録したときは、調停が成立したものとし、その記録は、確定判決別表第2に掲げる事項にあっては、確定した第39条の規定による審判と同1の効力を の規定にかかわらず、確定した子の返還を命ずる終局決定と同1の効力を有する。

4項 前条の規定により事件を家事調停に付した場合の家事調停事件の手続においてされた 家事事件手続法 第284条第1項 《家庭裁判所は、調停が成立しない場合におい…》 て相当と認めるときは、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を考慮して、職権で、事件の解決のため必要な審判以下「調停に代わる審判」という。をすることができる。 ただし、第277条第1項に規定する事 の規定による審判(同法第274条第5項の規定により読み替えて適用される同法第284条第1項の規定による 調停に代わる審判 に代わる裁判を含む。以下この項及び 第147条 《子の返還の申立ての取下げの擬制 裁判所…》 が第144条の規定により事件を家事調停に付した場合において、調停が成立し、又は調停に代わる審判が確定したときは、子の返還申立事件について申立ての取下げがあったものとみなす。 において「 調停に代わる審判 」という。)について、同法第286条第1項の規定による異議の申立てがないとき、又は異議の申立てを却下する審判(同法第274条第5項の規定により読み替えて適用される同法第287条に規定する異議の申立てを却下する審判に代わる裁判を含む。)が確定したときは、当該調停に代わる審判のうちの返還を命ずる部分は、同法第287条の規定にかかわらず、確定した子の返還を命ずる終局決定と同1の効力を有する。

146条 (子の返還申立事件の手続の中止)

1項 裁判所が 第144条 《付調停 家庭裁判所及び高等裁判所は、当…》 事者の同意を得て、いつでも、職権で、子の返還申立事件を家事調停に付することができる。 の規定により事件を家事調停に付したときは、当該裁判所は、家事調停事件が終了するまでの返還申立事件の手続を中止することができる。

147条 (子の返還の申立ての取下げの擬制)

1項 裁判所が 第144条 《付調停 家庭裁判所及び高等裁判所は、当…》 事者の同意を得て、いつでも、職権で、子の返還申立事件を家事調停に付することができる。 の規定により事件を家事調停に付した場合において、調停が成立し、又は 調停に代わる審判 が確定したときは、の返還申立事件について申立ての取下げがあったものとみなす。

2節 子との交流についての家事審判及び家事調停の手続等に関する特則

148条 (管轄の特則)

1項 外国返還援助 決定若しくは 日本国交流援助 決定を受けた者又はの返還の申立てをした者が、子との交流の定めをすること又はその変更を求める家事審判又は家事調停の申立てをする場合において、次の各号に掲げるときには、当該各号に定める家庭裁判所にも、これらの申立てをすることができる。

1号 の住所地(日本国内に子の住所がないとき、又は住所が知れないときは、その居所地。次号において同じ。)が東京高等裁判所、名古屋高等裁判所、仙台高等裁判所又は札幌高等裁判所の管轄区域内にあるとき東京家庭裁判所

2号 の住所地が大阪高等裁判所、広島高等裁判所、福岡高等裁判所又は高松高等裁判所の管轄区域内にあるとき大阪家庭裁判所

2項 前項の申立てに係る審判事件及び調停事件は、日本国内にの住所がない場合又は住所が知れない場合であって、日本国内に子の居所がないとき又は居所が知れないときは、東京家庭裁判所の管轄に属する。

149条 (記録の閲覧等の特則)

1項 との交流の定めをすること又はその変更を求める家事審判の申立てに係る事件の記録中に住所等表示部分がある場合には、裁判所は、当該住所等表示部分については、 家事事件手続法 第47条第3項 《3 家庭裁判所は、当事者から前2項の規定…》 による許可の申立てがあったときは、これを許可しなければならない。同法第47条の2第5項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定にかかわらず、同法第47条第3項の申立てに係る許可をしないものとする。ただし、 第62条第4項 《4 裁判所は、非電磁的事件記録中住所等表…》 示部分子の返還申立事件の記録中第5条第4項第2号に係る部分に限る。の規定により外務大臣から提供を受けた相手方又は子の住所又は居所が記載され、又は記録された部分をいう。以下同じ。については、前項の規定に 各号( 第62条の2第5項 《5 前条第3項から第6項まで及び第9項か…》 ら第11項までの規定は電磁的事件記録の閲覧等の許可の申立てについて、同条第8項の規定は電磁的事件記録の閲覧及び複写について、それぞれ準用する。 において準用する場合を含む。)に掲げる場合のいずれかに該当するときは、この限りでない。

2項 との交流について定め、又はその変更について定める審判書若しくは調停調書の正本又は電子審判書( 家事事件手続法 第76条第1項 《審判は、最高裁判所規則で定めるところによ…》 り、審判に係る電磁的記録以下「電子審判書」という。を作成してしなければならない。 ただし、即時抗告をすることができない審判については、最高裁判所規則で定めるところにより、主文、当事者及び法定代理人並び に規定する電子審判書であって、同条第3項の規定によりファイルに記録されたものをいう。)若しくは調停に係る電子調書(同法第268条第1項の規定により作成され、ファイルに記録された電子調書をいう。)の記録事項証明書に基づく強制執行の申立てに係る事件の記録中に 第5条第4項 《4 前項に規定するもののほか、外務大臣か…》 らの第2項の規定により提供された情報及び前項の規定による都道府県警察の措置によって得られた情報の提供は、次に掲げる場合に限り、行うことができる。 1 第26条の規定による子の返還の申立て又は子との交流第2号に係る部分に限る。)の規定により外務大臣から提供を受けた情報が記載され、又は記録されたものがある場合には、当該事件の非電磁的事件記録の閲覧、謄写若しくは複製又はその正本、謄本若しくは抄本の交付の請求、当該事件の電磁的事件記録の閲覧若しくは複写又はその内容の全部若しくは一部を証明した書面の交付若しくは電磁的記録の提供の請求及び当該事件に関する事項を証明した書面の交付又は電磁的記録の提供の請求については、 第62条 《非電磁的事件記録の閲覧等 当事者又は利…》 害関係を疎明した第三者は、裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、非電磁的事件記録子の返還申立事件の記録中次条第1項に規定する電磁的事件記録を除いた部分をいう。以下この条において同じ。の閲覧若しくは謄 から 第62条 《非電磁的事件記録の閲覧等 当事者又は利…》 害関係を疎明した第三者は、裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、非電磁的事件記録子の返還申立事件の記録中次条第1項に規定する電磁的事件記録を除いた部分をいう。以下この条において同じ。の閲覧若しくは謄 の三までの規定を準用する。この場合において、 第62条第7項 《7 当事者は、非電磁的事件記録中当該当事…》 者が提出した書面等書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下同じ。又は録音テープ等については、第1 中「 第69条の2 《 子の返還申立事件の手続における申立て等…》 については、民事訴訟法第133条、第133条の2第1項、第5項及び第6項並びに第133条の4第1項から第3項まで、第4項第1号に係る部分に限る。及び第5項から第7項までの規定を準用する。 この場合にお において読み替えて準用する 民事訴訟法 第133条の2第5項 《5 裁判所は、第2項の申立てがあった場合…》 において、必要があると認めるときは、電磁的訴訟記録等電磁的訴訟記録又は第132条の4第1項の処分の申立てに係る事件の記録中ファイル記録事項に係る部分をいう。以下この項及び次項において同じ。中当該秘匿事 」とあるのは、「 民事執行法 第20条 《民事訴訟法の準用 特別の定めがある場合…》 を除き、民事執行の手続に関しては、その性質に反しない限り、民事訴訟法第1編から第4編までの規定を準用する。 この場合において、同法第109条の4第1項中「第132条の11第1項各号」とあるのは、「民事 において準用する 民事訴訟法 第92条第9項 《9 裁判所は、第1項の申立て同項第2号に…》 掲げる事由があることを理由とするものに限る。次項において同じ。があった場合において、当該申立てに係る営業秘密がその訴訟の追行の目的以外の目的で使用され、又は当該営業秘密が開示されることにより、当該営業 及び 第133条の2第5項 《5 裁判所は、第2項の申立てがあった場合…》 において、必要があると認めるときは、電磁的訴訟記録等電磁的訴訟記録又は第132条の4第1項の処分の申立てに係る事件の記録中ファイル記録事項に係る部分をいう。以下この項及び次項において同じ。中当該秘匿事同法第133条の3第2項において準用する場合を含む。)」と読み替えるものとする。

6章 過料の裁判の執行等

150条

1項 この法律の規定による過料の裁判は、裁判官の命令で執行する。この命令は、執行力のある債務名義と同1の効力を有する。

2項 この法律に規定するもののほか、過料についての裁判に関しては、 非訟事件手続法 2011年法律第51号)第5編の規定(同法第119条並びに 第121条第1項 《子の返還を命ずる終局決定をした家庭裁判所…》 抗告裁判所が子の返還を命ずる終局決定をした場合にあっては、第一審裁判所である家庭裁判所。以下同じ。は、権利者の申出があるときは、子の返還の義務の履行状況を調査し、義務者に対し、その義務の履行を勧告する 及び第3項の規定並びに同法第120条及び 第122条 《出国禁止命令 子の返還申立事件が係属す…》 る家庭裁判所は、子の返還申立事件の当事者が子を日本国外に出国させるおそれがあるときは、子の返還申立事件の一方の当事者の申立てにより、他方の当事者に対し、子を出国させてはならないことを命ずることができる の規定中検察官に関する部分を除く。並びに 刑事訴訟法 1948年法律第131号第508条第1項 《検察官又は裁判所若しくは裁判官は、裁判の…》 執行に関して、その目的を達するため必要な調査をすることができる。 ただし、強制の処分は、この法律に特別の定めがある場合でなければ、これをすることができない。 本文及び第2項並びに 第514条 《 検察官又は裁判所若しくは裁判官は、裁判…》 の執行に関して必要があると認めるときは、裁判の執行を受ける者その他の者の出頭を求め、質問をし、又は裁判の執行を受ける者以外の者に鑑定、通訳若しくは翻訳を嘱託することができる。 の規定を準用する。

7章 雑則

151条 (審理の状況についての説明)

1項 の返還申立事件の申立人又は外務大臣は、子の返還の申立てから6週間が経過したときは、当該 子の返還 申立事件が係属している裁判所に対し、審理の状況について説明を求めることができる。

152条 (親権者の指定等についての審判事件の取扱い)

1項 親権者の指定若しくは変更又はの監護に関する処分についての審判事件( 人事訴訟法 2003年法律第109号第32条第1項 《裁判所は、申立てにより、夫婦の一方が他の…》 一方に対して提起した婚姻の取消し又は離婚の訴えに係る請求を認容する判決において、子の監護者の指定その他の子の監護に関する処分、財産の分与に関する処分、親権行使者民法第824条の2第3項の規定により単独 に規定する附帯処分についての裁判及び同条第3項の親権者の指定についての裁判に係る事件を含む。以下この条において同じ。)が係属している場合において、当該審判事件が係属している裁判所に対し、当該審判事件に係る子について 不法な連れ去り 又は 不法な留置 と主張される 連れ去り 又は 留置 があったことが外務大臣又は当該子についての子の返還申立事件が係属する裁判所から通知されたときは、当該審判事件が係属している裁判所は、当該審判事件について裁判をしてはならない。ただし、子の返還の申立てが相当の期間内にされないとき、又は子の返還の申立てを却下する裁判が確定したときは、この限りでない。

153条 (総合法律支援法の適用に関する特例)

1項 条約 締約国の国民又は条約締約国に常居所を有する者(日本国民又は我が国に住所を有し適法に在留する者を除く。)であって、 連れ去り 又は 留置 に係るについての子の返還、子との交流その他条約の適用に関係のある事項について民事裁判等手続(我が国の裁判所における民事事件、家事事件又は行政事件に関する手続をいう。)を利用するものは、当該事項に関する限り、 総合法律支援法 2004年法律第74号)の適用については、同法第30条第1項第2号に規定する国民等とみなす。

《本則》 ここまで 附則 >  

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