大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法《本則》

法番号:2013年法律第61号

略称: 被災地借地借家法・大規模災害借地借家法

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1条 (趣旨)

1項 この法律は、大規模な災害の被災地において、当該災害により借地上の建物が滅失した場合における借地権者の保護等を図るための借地借家に関する特別措置を定めるものとする。

2条 (特定大規模災害及びこれに対して適用すべき措置等の指定)

1項 大規模な火災、震災その他の災害であって、その被災地において借地権者( 借地借家法 1991年法律第90号第2条第2号 《定義 第2条 この法律において、次の各号…》 に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 1 借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。 2 借地権者 借地権を有する者をいう。 3 借地権設定者 借地権者に対して借地権 に規定する借地権者をいう。以下同じ。)の保護その他の借地借家に関する配慮をすることが特に必要と認められるものが発生した場合には、当該災害を特定大規模災害として政令で指定するものとする。

2項 前項の政令においては、次条から 第5条 《借地契約の更新請求等 借地権の存続期間…》 が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、前条の規定によるもののほか、従前の契約と同1の条件で契約を更新したものとみなす。 ただし、借地権設定者が遅滞なく異議 まで、 第7条 《建物の再築による借地権の期間の延長 借…》 地権の存続期間が満了する前に建物の滅失借地権者又は転借地権者による取壊しを含む。以下同じ。があった場合において、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、その建物を築造するにつき借地権 及び 第8条 《借地契約の更新後の建物の滅失による解約等…》 契約の更新の後に建物の滅失があった場合においては、借地権者は、地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。 2 前項に規定する場合において、借地権者が借地権設定者の承諾を得ないで に規定する措置のうち当該特定大規模災害に対し適用すべき措置並びにこれを適用する地区を指定しなければならない。当該指定の後、新たに次条から 第5条 《借地契約の更新請求等 借地権の存続期間…》 が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、前条の規定によるもののほか、従前の契約と同1の条件で契約を更新したものとみなす。 ただし、借地権設定者が遅滞なく異議 まで、 第7条 《建物の再築による借地権の期間の延長 借…》 地権の存続期間が満了する前に建物の滅失借地権者又は転借地権者による取壊しを含む。以下同じ。があった場合において、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、その建物を築造するにつき借地権 及び 第8条 《借地契約の更新後の建物の滅失による解約等…》 契約の更新の後に建物の滅失があった場合においては、借地権者は、地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。 2 前項に規定する場合において、借地権者が借地権設定者の承諾を得ないで に規定する措置を適用する必要が生じたときは、適用すべき措置及びこれを適用する地区を政令で追加して指定するものとする。

3条 (借地契約の解約等の特例)

1項 特定大規模災害により借地権( 借地借家法 第2条第1号 《定義 第2条 この法律において、次の各号…》 に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 1 借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。 2 借地権者 借地権を有する者をいう。 3 借地権設定者 借地権者に対して借地権 に規定する借地権をいう。以下同じ。)の目的である土地の上の建物が滅失した場合(同法第8条第1項の場合を除く。)においては、前条第1項の政令の施行の日から起算して1年を経過する日までの間は、借地権者は、地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。

2項 前項の場合においては、借地権は、地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れがあった日から3月を経過することによって消滅する。

4条 (借地権の対抗力の特例)

1項 借地借家法 第10条第1項 《借地権は、その登記がなくても、土地の上に…》 借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。 の場合において、建物の滅失があっても、その滅失が特定大規模災害によるものであるときは、 第2条第1項 《この法律において、次の各号に掲げる用語の…》 意義は、当該各号に定めるところによる。 1 借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。 2 借地権者 借地権を有する者をいう。 3 借地権設定者 借地権者に対して借地権を設定している の政令の施行の日から起算して6月を経過する日までの間は、借地権は、なお同法第10条第1項の効力を有する。

2項 前項に規定する場合において、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときも、借地権は、なお 借地借家法 第10条第1項 《借地権は、その登記がなくても、土地の上に…》 借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。 の効力を有する。ただし、 第2条第1項 《この法律において、次の各号に掲げる用語の…》 意義は、当該各号に定めるところによる。 1 借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。 2 借地権者 借地権を有する者をいう。 3 借地権設定者 借地権者に対して借地権を設定している の政令の施行の日から起算して3年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。

5条 (土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可の特例)

1項 特定大規模災害により借地権の目的である土地の上の建物が滅失した場合において、借地権者がその土地の賃借権を第三者に譲渡し、又はその土地を第三者に転貸しようとする場合であって、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者( 借地借家法 第2条第3号 《定義 第2条 この法律において、次の各号…》 に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 1 借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。 2 借地権者 借地権を有する者をいう。 3 借地権設定者 借地権者に対して借地権 に規定する借地権設定者をいう。以下この項及び第4項において同じ。)に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、賃借権の譲渡若しくは転貸を条件とする借地条件の変更を命じ、又はその許可を財産上の給付に係らしめることができる。

2項 借地借家法 第19条第2項 《2 裁判所は、前項の裁判をするには、賃借…》 権の残存期間、借地に関する従前の経過、賃借権の譲渡又は転貸を必要とする事情その他一切の事情を考慮しなければならない。 から第6項までの規定は前項の申立てがあった場合について、同法第4章の規定は同項に規定する事件及びこの項において準用する同条第3項に規定する事件の裁判手続について、それぞれ準用する。この場合において、同法第19条第3項中「建物の譲渡及び賃借権」とあるのは「賃借権」と、同法第62条中「建物の譲渡」とあるのは「賃借権の譲渡又は転貸」と読み替えるものとする。

3項 第1項の申立ては、 第2条第1項 《大規模な火災、震災その他の災害であって、…》 その被災地において借地権者借地借家法1991年法律第90号第2条第2号に規定する借地権者をいう。以下同じ。の保護その他の借地借家に関する配慮をすることが特に必要と認められるものが発生した場合には、当該 の政令の施行の日から起算して1年以内に限り、することができる。

4項 前3項の規定は、転借地権( 借地借家法 第2条第4号 《定義 第2条 この法律において、次の各号…》 に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 1 借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。 2 借地権者 借地権を有する者をいう。 3 借地権設定者 借地権者に対して借地権 に規定する転借地権をいう。)が設定されている場合における転借地権者(同条第5号に規定する転借地権者をいう。次条において同じ。)と借地権設定者との間について準用する。ただし、借地権設定者が第2項において準用する同法第19条第3項の申立てをするには、借地権者の承諾を得なければならない。

6条 (強行規定)

1項 前3条の規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする。

7条 (被災地短期借地権)

1項 第2条第1項 《大規模な火災、震災その他の災害であって、…》 その被災地において借地権者借地借家法1991年法律第90号第2条第2号に規定する借地権者をいう。以下同じ。の保護その他の借地借家に関する配慮をすることが特に必要と認められるものが発生した場合には、当該 の政令の施行の日から起算して2年を経過する日までの間に、同条第2項の規定により指定された地区に所在する土地について借地権を設定する場合においては、 借地借家法 第9条 《強行規定 この節の規定に反する特約で借…》 地権者に不利なものは、無効とする。 の規定にかかわらず、存続期間を5年以下とし、かつ、契約の更新(更新の請求及び土地の使用の継続によるものを含む。及び建物の築造による存続期間の延長がないこととする旨を定めることができる。

2項 前項に規定する場合において、同項の定めがある借地権を設定するときは、 借地借家法 第13条 《建物買取請求権 借地権の存続期間が満了…》 した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。 2 前項の場合において、建物第17条 《借地条件の変更及び増改築の許可 建物の…》 種類、構造、規模又は用途を制限する旨の借地条件がある場合において、法令による土地利用の規制の変更、付近の土地の利用状況の変化その他の事情の変更により現に借地権を設定するにおいてはその借地条件と異なる建 及び 第25条 《1時使用目的の借地権 第3条から第8条…》 まで、第13条、第17条、第18条及び第22条から前条までの規定は、臨時設備の設置その他1時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合には、適用しない。 の規定は、適用しない。

3項 第1項の定めがある借地権の設定を目的とする契約は、公正証書による等書面によってしなければならない。

4項 第1項の定めがある借地権の設定を目的とする契約がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)によってされたときは、その契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。

8条 (従前の賃借人に対する通知)

1項 特定大規模災害により賃借権の目的である建物(以下この条において「 旧建物 」という。)が滅失した場合において、 旧建物 の滅失の当時における旧建物の賃貸人(以下この条において「 従前の賃貸人 」という。)が旧建物の敷地であった土地の上に当該滅失の直前の用途と同1の用途に供される建物を新たに築造し、又は築造しようとする場合であって、 第2条第1項 《大規模な火災、震災その他の災害であって、…》 その被災地において借地権者借地借家法1991年法律第90号第2条第2号に規定する借地権者をいう。以下同じ。の保護その他の借地借家に関する配慮をすることが特に必要と認められるものが発生した場合には、当該 の政令の施行の日から起算して3年を経過する日までの間にその建物について賃貸借契約の締結の勧誘をしようとするときは、 従前の賃貸人 は、当該滅失の当時旧建物を自ら使用していた賃借人(転借人を含み、1時使用のための賃借をしていた者を除く。)のうち知れている者に対し、遅滞なくその旨を通知しなければならない。

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