死刑再審無罪者に対し国民年金の給付等を行うための国民年金の保険料の納付の特例等に関する法律《本則》

法番号:2013年法律第66号

略称:

附則 >  

1条 (趣旨)

1項 この法律は、死刑に処せられた罪について再審において無罪の言渡しを受けてその判決が確定した者(無罪の言渡しを受けた罪以外の罪について死刑に処せられた者を除く。以下「 死刑再審無罪者 」という。)については、死刑の判決が確定した後は、仮釈放もなく社会復帰への希望を持つことが著しく困難であるため国民年金の保険料の納付等の手続をとらなかったことがやむを得ないと認められることに鑑み、 死刑再審無罪者 に対し国民年金の給付等を行うための国民年金の保険料の納付の特例等に関し必要な事項を定めるものとする。

2条 (国民年金の給付を行うための国民年金の保険料の納付の特例)

1項 死刑再審無罪者 は、死刑の判決が確定した日から死刑に処せられた罪について再審において無罪の言渡しを受けてその判決が確定した日(以下「 無罪判決確定日 」という。)の前日までの期間(次条第1項において「 対象期間 」という。)のうち 国民年金法 等の一部を改正する法律(1985年法律第34号)第1条の規定による改正前の 国民年金法 1959年法律第141号)(以下この項において「旧 国民年金法 」という。)による被保険者期間(次条第1項において「 旧被保険者期間 」という。又は 国民年金法 第7条第1項第1号 《次の各号のいずれかに該当する者は、国民年…》 金の被保険者とする。 1 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であつて次号及び第3号のいずれにも該当しないもの厚生年金保険法1954年法律第115号に基づく老齢を支給事由とする年金たる保険給 に規定する第1号被保険者としての国民年金の被保険者期間(次条第1項において「 新被保険者期間 」という。)であるもの( 国民年金法 第5条第3項 《3 この法律において、「保険料全額免除期…》 間」とは、第7条第1項第1号に規定する被保険者としての被保険者期間であつて第89条第1項、第90条第1項又は第90条の3第1項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るもののうち、第9 に規定する保険料納付済期間、 国民年金法 第5条第2項 《2 この法律において、「保険料免除期間」…》 とは、保険料全額免除期間、保険料4分の三免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の一免除期間を合算した期間をいう。 に規定する保険料納付済期間その他の政令で定める期間を除く。)に係る保険料を納付することができる。

2項 前項の納付は、 無罪判決確定日 から起算して1年を経過する日までの間において、一括して行わなければならない。

3項 第1項の規定により保険料が納付されたときは、 無罪判決確定日 に、当該納付に係る期間の各月の当該 死刑再審無罪者 の国民年金の保険料が納付されたものとみなす。

4項 死刑再審無罪者 に係る 国民年金法 に規定する事項及び前3項の規定の適用に関し必要な事項については、同法その他の法令の規定にかかわらず、政令で特別の定めをすることができる。

3条 (特別給付金の支給)

1項 国は、前条第1項の規定により保険料が納付された場合には、 国民年金法 の規定による老齢基礎年金その他政令で定める給付(以下この項において「 老齢基礎年金等 」という。)の支給を開始すべき年齢(以下この項において「 支給開始年齢 」という。)に達した日の属する月の翌月以後に 死刑再審無罪者 となった者に対し、当該者の請求により、60歳に達した日に 対象期間 のうち 旧被保険者期間 又は 新被保険者期間 であるものに係る保険料が納付されたものとみなして計算された 老齢基礎年金等 支給開始年齢 に達した日の属する月の翌月から 無罪判決確定日 の属する月まで支給されたとした場合における当該老齢基礎年金等の額に相当する額(死刑再審無罪者が無罪判決確定日前に 国民年金法 その他の法律による政令で定める給付の支給を受けた場合にあっては、その額から既に支給された当該政令で定める給付の額を控除した額)として政令で定めるところにより計算した額の特別給付金を支給する。

2項 前項に定めるもののほか、特別給付金の支給に関し必要な事項は、政令で定める。

4条 (譲渡等の禁止等)

1項 前条第1項の特別給付金の支給を受ける権利は、譲渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。

2項 租税その他の公課は、前条第1項の特別給付金として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。

5条 (情報の提供)

1項 厚生労働大臣及び日本年金機構並びに法務大臣は、法務省令・厚生労働省令で定めるところにより、 第2条第1項 《死刑再審無罪者は、死刑の判決が確定した日…》 から死刑に処せられた罪について再審において無罪の言渡しを受けてその判決が確定した日以下「無罪判決確定日」という。の前日までの期間次条第1項において「対象期間」という。のうち国民年金法等の一部を改正する の保険料の納付及び 第3条第1項 《国は、前条第1項の規定により保険料が納付…》 された場合には、国民年金法の規定による老齢基礎年金その他政令で定める給付以下この項において「老齢基礎年金等」という。の支給を開始すべき年齢以下この項において「支給開始年齢」という。に達した日の属する月 の特別給付金の支給に関し、相互に必要な情報の提供を行うものとする。

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