いじめ防止対策推進法《本則》

法番号:2013年法律第71号

略称: いじめ対策法・いじめ防止法

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1章 総則

1条 (目的)

1項 この法律は、いじめが、いじめを受けた児童等の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであることに鑑み、児童等の尊厳を保持するため、いじめの防止等(いじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処をいう。以下同じ。)のための対策に関し、基本理念を定め、国及び地方公共団体等の責務を明らかにし、並びにいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針の策定について定めるとともに、いじめの防止等のための対策の基本となる事項を定めることにより、いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進することを目的とする。

2条 (定義)

1項 この法律において「 いじめ 」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。

2項 この法律において「 学校 」とは、 学校 教育法(1947年法律第26号)第1条に規定する小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校(幼稚部を除く。)をいう。

3項 この法律において「 児童等 」とは、 学校 に在籍する児童又は生徒をいう。

4項 この法律において「 保護者 」とは、親権を行う者(親権を行う者のないときは、未成年後見人)をいう。

3条 (基本理念)

1項 いじめ の防止等のための対策は、いじめが全ての 児童等 に関係する問題であることに鑑み、児童等が安心して学習その他の活動に取り組むことができるよう、 学校 の内外を問わずいじめが行われなくなるようにすることを旨として行われなければならない。

2項 いじめ の防止等のための対策は、全ての 児童等 がいじめを行わず、及び他の児童等に対して行われるいじめを認識しながらこれを放置することがないようにするため、いじめが児童等の心身に及ぼす影響その他のいじめの問題に関する児童等の理解を深めることを旨として行われなければならない。

3項 いじめ の防止等のための対策は、いじめを受けた 児童等 の生命及び心身を保護することが特に重要であることを認識しつつ、国、地方公共団体、 学校 、地域住民、家庭その他の関係者の連携の下、いじめの問題を克服することを目指して行われなければならない。

4条 (いじめの禁止)

1項 児童等 は、 いじめ を行ってはならない。

5条 (国の責務)

1項 国は、 第3条 《基本理念 いじめの防止等のための対策は…》 、いじめが全ての児童等に関係する問題であることに鑑み、児童等が安心して学習その他の活動に取り組むことができるよう、学校の内外を問わずいじめが行われなくなるようにすることを旨として行われなければならない 基本理念 以下「 基本理念 」という。)にのっとり、 いじめ の防止等のための対策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

6条 (地方公共団体の責務)

1項 地方公共団体は、 基本理念 にのっとり、 いじめ の防止等のための対策について、国と協力しつつ、当該地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

7条 (学校の設置者の責務)

1項 学校 の設置者は、 基本理念 にのっとり、その設置する学校における いじめ の防止等のために必要な措置を講ずる責務を有する。

8条 (学校及び学校の教職員の責務)

1項 学校 及び学校の教職員は、 基本理念 にのっとり、当該学校に在籍する 児童等 保護者 、地域住民、児童相談所その他の関係者との連携を図りつつ、学校全体で いじめ の防止及び早期発見に取り組むとともに、当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処する責務を有する。

9条 (保護者の責務等)

1項 保護者 は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、その保護する 児童等 いじめ を行うことのないよう、当該児童等に対し、規範意識を養うための指導その他の必要な指導を行うよう努めるものとする。

2項 保護者 は、その保護する 児童等 いじめ を受けた場合には、適切に当該児童等をいじめから保護するものとする。

3項 保護者 は、国、地方公共団体、 学校 の設置者及びその設置する学校が講ずる いじめ の防止等のための措置に協力するよう努めるものとする。

4項 第1項の規定は、家庭教育の自主性が尊重されるべきことに変更を加えるものと解してはならず、また、前3項の規定は、 いじめ の防止等に関する 学校 の設置者及びその設置する学校の責任を軽減するものと解してはならない。

10条 (財政上の措置等)

1項 及び地方公共団体は、 いじめ の防止等のための対策を推進するために必要な財政上の措置その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

2章 いじめ防止基本方針等

11条 (いじめ防止基本方針)

1項 文部科学大臣は、関係行政機関の長と連携協力して、 いじめ の防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(以下「 いじめ防止基本方針 」という。)を定めるものとする。

2項 いじめ 防止基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

1号 いじめ の防止等のための対策の基本的な方向に関する事項

2号 いじめ の防止等のための対策の内容に関する事項

3号 その他 いじめ の防止等のための対策に関する重要事項

12条 (地方いじめ防止基本方針)

1項 地方公共団体は、 いじめ 防止基本方針を参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体におけるいじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(以下「 地方いじめ防止基本方針 」という。)を定めるよう努めるものとする。

13条 (学校いじめ防止基本方針)

1項 学校 は、 いじめ 防止基本方針又は 地方いじめ防止基本方針 を参酌し、その学校の実情に応じ、当該学校におけるいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針を定めるものとする。

14条 (いじめ問題対策連絡協議会)

1項 地方公共団体は、 いじめ の防止等に関係する機関及び団体の連携を図るため、条例の定めるところにより、 学校 、教育委員会、児童相談所、法務局又は地方法務局、都道府県警察その他の関係者により構成されるいじめ問題対策連絡協議会を置くことができる。

2項 都道府県は、前項の いじめ 問題対策連絡協議会を置いた場合には、当該いじめ問題対策連絡協議会におけるいじめの防止等に関係する機関及び団体の連携が当該都道府県の区域内の市町村が設置する 学校 におけるいじめの防止等に活用されるよう、当該いじめ問題対策連絡協議会と当該市町村の教育委員会との連携を図るために必要な措置を講ずるものとする。

3項 前2項の規定を踏まえ、教育委員会と いじめ 問題対策連絡協議会との円滑な連携の下に、 地方いじめ防止基本方針 に基づく地域におけるいじめの防止等のための対策を実効的に行うようにするため必要があるときは、教育委員会に附属機関として必要な組織を置くことができるものとする。

3章 基本的施策

15条 (学校におけるいじめの防止)

1項 学校 の設置者及びその設置する学校は、 児童等 の豊かな情操と道徳心を培い、心の通う対人交流の能力の素地を養うことが いじめ の防止に資することを踏まえ、全ての教育活動を通じた道徳教育及び体験活動等の充実を図らなければならない。

2項 学校 の設置者及びその設置する学校は、当該学校における いじめ を防止するため、当該学校に在籍する 児童等 保護者 、地域住民その他の関係者との連携を図りつつ、いじめの防止に資する活動であって当該学校に在籍する児童等が自主的に行うものに対する支援、当該学校に在籍する児童等及びその保護者並びに当該学校の教職員に対するいじめを防止することの重要性に関する理解を深めるための啓発その他必要な措置を講ずるものとする。

16条 (いじめの早期発見のための措置)

1項 学校 の設置者及びその設置する学校は、当該学校における いじめ を早期に発見するため、当該学校に在籍する 児童等 に対する定期的な調査その他の必要な措置を講ずるものとする。

2項 及び地方公共団体は、 いじめ に関する通報及び相談を受け付けるための体制の整備に必要な施策を講ずるものとする。

3項 学校 の設置者及びその設置する学校は、当該学校に在籍する 児童等 及びその 保護者 並びに当該学校の教職員が いじめ に係る相談を行うことができる体制(次項において「 相談体制 」という。)を整備するものとする。

4項 学校 の設置者及びその設置する学校は、 相談体制 を整備するに当たっては、家庭、地域社会等との連携の下、 いじめ を受けた 児童等 の教育を受ける権利その他の権利利益が擁護されるよう配慮するものとする。

17条 (関係機関等との連携等)

1項 及び地方公共団体は、 いじめ を受けた 児童等 又はその 保護者 に対する支援、いじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言その他のいじめの防止等のための対策が関係者の連携の下に適切に行われるよう、関係省庁相互間その他関係機関、 学校 、家庭、地域社会及び民間団体の間の連携の強化、民間団体の支援その他必要な体制の整備に努めるものとする。

18条 (いじめの防止等のための対策に従事する人材の確保及び資質の向上)

1項 及び地方公共団体は、 いじめ を受けた 児童等 又はその 保護者 に対する支援、いじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言その他のいじめの防止等のための対策が専門的知識に基づき適切に行われるよう、教員の養成及び研修の充実を通じた教員の資質の向上、生徒指導に係る体制等の充実のための教諭、養護教諭その他の教員の配置、心理、福祉等に関する専門的知識を有する者であっていじめの防止を含む教育相談に応じるものの確保、いじめへの対処に関し助言を行うために 学校 の求めに応じて派遣される者の確保等必要な措置を講ずるものとする。

2項 学校 の設置者及びその設置する学校は、当該学校の教職員に対し、 いじめ の防止等のための対策に関する研修の実施その他のいじめの防止等のための対策に関する資質の向上に必要な措置を計画的に行わなければならない。

19条 (インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進)

1項 学校 の設置者及びその設置する学校は、当該学校に在籍する 児童等 及びその 保護者 が、発信された情報の高度の流通性、発信者の匿名性その他のインターネットを通じて送信される情報の特性を踏まえて、インターネットを通じて行われる いじめ を防止し、及び効果的に対処することができるよう、これらの者に対し、必要な啓発活動を行うものとする。

2項 及び地方公共団体は、 児童等 がインターネットを通じて行われる いじめ に巻き込まれていないかどうかを監視する関係機関又は関係団体の取組を支援するとともに、インターネットを通じて行われるいじめに関する事案に対処する体制の整備に努めるものとする。

3項 インターネットを通じて いじめ が行われた場合において、当該いじめを受けた 児童等 又はその 保護者 は、当該いじめに係る情報の削除を求め、又は発信者情報( 特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律 2001年法律第137号第2条第10号 《定義 第2条 この法律において、次の各号…》 に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 1 特定電気通信 不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信電気通信事業法1984年法律第86号第2条第1号に規定する電気通信をいう。以 に規定する発信者情報をいう。)の開示を請求しようとするときは、必要に応じ、法務局又は地方法務局の協力を求めることができる。

20条 (いじめの防止等のための対策の調査研究の推進等)

1項 及び地方公共団体は、 いじめ の防止及び早期発見のための方策等、いじめを受けた 児童等 又はその 保護者 に対する支援及びいじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言の在り方、インターネットを通じて行われるいじめへの対応の在り方その他のいじめの防止等のために必要な事項やいじめの防止等のための対策の実施の状況についての調査研究及び検証を行うとともに、その成果を普及するものとする。

21条 (啓発活動)

1項 及び地方公共団体は、 いじめ 児童等 の心身に及ぼす影響、いじめを防止することの重要性、いじめに係る相談制度又は救済制度等について必要な広報その他の啓発活動を行うものとする。

4章 いじめの防止等に関する措置

22条 (学校におけるいじめの防止等の対策のための組織)

1項 学校 は、当該学校における いじめ の防止等に関する措置を実効的に行うため、当該学校の複数の教職員、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者その他の関係者により構成されるいじめの防止等の対策のための組織を置くものとする。

23条 (いじめに対する措置)

1項 学校 の教職員、地方公共団体の職員その他の 児童等 からの相談に応じる者及び児童等の 保護者 は、児童等から いじめ に係る相談を受けた場合において、いじめの事実があると思われるときは、いじめを受けたと思われる児童等が在籍する学校への通報その他の適切な措置をとるものとする。

2項 学校 は、前項の規定による通報を受けたときその他当該学校に在籍する 児童等 いじめ を受けていると思われるときは、速やかに、当該児童等に係るいじめの事実の有無の確認を行うための措置を講ずるとともに、その結果を当該学校の設置者に報告するものとする。

3項 学校 は、前項の規定による事実の確認により いじめ があったことが確認された場合には、いじめをやめさせ、及びその再発を防止するため、当該学校の複数の教職員によって、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者の協力を得つつ、いじめを受けた 児童等 又はその 保護者 に対する支援及びいじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言を継続的に行うものとする。

4項 学校 は、前項の場合において必要があると認めるときは、 いじめ を行った 児童等 についていじめを受けた児童等が使用する教室以外の場所において学習を行わせる等いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を講ずるものとする。

5項 学校 は、当該学校の教職員が第3項の規定による支援又は指導若しくは助言を行うに当たっては、 いじめ を受けた 児童等 保護者 といじめを行った児童等の保護者との間で争いが起きることのないよう、いじめの事案に係る情報をこれらの保護者と共有するための措置その他の必要な措置を講ずるものとする。

6項 学校 は、 いじめ が犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは所轄警察署と連携してこれに対処するものとし、当該学校に在籍する 児童等 の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは直ちに所轄警察署に通報し、適切に、援助を求めなければならない。

24条 (学校の設置者による措置)

1項 学校 の設置者は、前条第2項の規定による報告を受けたときは、必要に応じ、その設置する学校に対し必要な支援を行い、若しくは必要な措置を講ずることを指示し、又は当該報告に係る事案について自ら必要な調査を行うものとする。

25条 (校長及び教員による懲戒)

1項 校長及び教員は、当該 学校 に在籍する 児童等 いじめ を行っている場合であって教育上必要があると認めるときは、 学校教育法 第11条 《 校長及び教員は、教育上必要があると認め…》 るときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。 ただし、体罰を加えることはできない。 の規定に基づき、適切に、当該児童等に対して懲戒を加えるものとする。

26条 (出席停止制度の適切な運用等)

1項 市町村の教育委員会は、 いじめ を行った 児童等 保護者 に対して 学校 教育法第35条第1項(同法第49条において準用する場合を含む。)の規定に基づき当該児童等の出席停止を命ずる等、いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を速やかに講ずるものとする。

27条 (学校相互間の連携協力体制の整備)

1項 地方公共団体は、 いじめ を受けた 児童等 といじめを行った児童等が同じ 学校 に在籍していない場合であっても、学校がいじめを受けた児童等又はその 保護者 に対する支援及びいじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言を適切に行うことができるようにするため、学校相互間の連携協力体制を整備するものとする。

5章 重大事態への対処

28条 (学校の設置者又はその設置する学校による対処)

1項 学校 の設置者又はその設置する学校は、次に掲げる場合には、その事態(以下「 重大事態 」という。)に対処し、及び当該 重大事態 と同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに、当該学校の設置者又はその設置する学校の下に組織を設け、質問票の使用その他の適切な方法により当該重大事態に係る事実関係を明確にするための調査を行うものとする。

1号 いじめ により当該 学校 に在籍する 児童等 の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。

2号 いじめ により当該 学校 に在籍する 児童等 が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。

2項 学校 の設置者又はその設置する学校は、前項の規定による調査を行ったときは、当該調査に係る いじめ を受けた 児童等 及びその 保護者 に対し、当該調査に係る 重大事態 の事実関係等その他の必要な情報を適切に提供するものとする。

3項 第1項の規定により 学校 が調査を行う場合においては、当該学校の設置者は、同項の規定による調査及び前項の規定による情報の提供について必要な指導及び支援を行うものとする。

29条 (国立大学に附属して設置される学校に係る対処)

1項 国立大学法人( 国立大学法人法 2003年法律第112号第2条第1項 《この法律において「国立大学法人」とは、国…》 立大学を設置することを目的として、この法律の定めるところにより設立される法人をいう。 に規定する国立大学法人をいう。以下この条において同じ。)が設置する国立大学に附属して設置される 学校 は、前条第1項各号に掲げる場合には、当該国立大学法人の学長又は理事長を通じて、 重大事態 が発生した旨を、文部科学大臣に報告しなければならない。

2項 前項の規定による報告を受けた文部科学大臣は、当該報告に係る 重大事態 への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、前条第1項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。

3項 文部科学大臣は、前項の規定による調査の結果を踏まえ、当該調査に係る国立大学法人又はその設置する国立大学に附属して設置される 学校 が当該調査に係る 重大事態 への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずることができるよう、 国立大学法人法 第35条の2 《独立行政法人通則法の規定の準用 独立行…》 政法人通則法第3条、第7条第2項、第8条第1項、第9条、第11条、第14条から第17条まで、第21条の四、第21条の五、第24条、第25条、第25条の2第1項及び第2項、第26条、第28条、第28条の において準用する 独立行政法人通則法 1999年法律第103号第64条第1項 《主務大臣は、この法律を施行するため必要が…》 あると認めるときは、独立行政法人に対し、その業務並びに資産及び債務の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、独立行政法人の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させること に規定する権限の適切な行使その他の必要な措置を講ずるものとする。

30条 (公立の学校に係る対処)

1項 地方公共団体が設置する 学校 は、 第28条第1項 《学校の設置者又はその設置する学校は、次に…》 掲げる場合には、その事態以下「重大事態」という。に対処し、及び当該重大事態と同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに、当該学校の設置者又はその設置する学校の下に組織を設け、質問票の使用その他の適切 各号に掲げる場合には、当該地方公共団体の教育委員会を通じて、 重大事態 が発生した旨を、当該地方公共団体の長に報告しなければならない。

2項 前項の規定による報告を受けた地方公共団体の長は、当該報告に係る 重大事態 への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、 第28条第1項 《学校の設置者又はその設置する学校は、次に…》 掲げる場合には、その事態以下「重大事態」という。に対処し、及び当該重大事態と同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに、当該学校の設置者又はその設置する学校の下に組織を設け、質問票の使用その他の適切 の規定による調査の結果について調査を行うことができる。

3項 地方公共団体の長は、前項の規定による調査を行ったときは、その結果を議会に報告しなければならない。

4項 第2項の規定は、地方公共団体の長に対し、 地方教育行政の組織及び運営に関する法律 1956年法律第162号第21条 《教育委員会の職務権限 教育委員会は、当…》 該地方公共団体が処理する教育に関する事務で、次に掲げるものを管理し、及び執行する。 1 教育委員会の所管に属する第30条に規定する学校その他の教育機関以下「学校その他の教育機関」という。の設置、管理及 に規定する事務を管理し、又は執行する権限を与えるものと解釈してはならない。

5項 地方公共団体の長及び教育委員会は、第2項の規定による調査の結果を踏まえ、自らの権限及び責任において、当該調査に係る 重大事態 への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずるものとする。

30条の2

1項 第29条 《国立大学に附属して設置される学校に係る対…》 処 国立大学法人国立大学法人法2003年法律第112号第2条第1項に規定する国立大学法人をいう。以下この条において同じ。が設置する国立大学に附属して設置される学校は、前条第1項各号に掲げる場合には、 の規定は、公立大学法人( 地方独立行政法人法 2003年法律第118号第68条第1項 《一般地方独立行政法人で第21条第2号に掲…》 げる業務を行うもの以下「公立大学法人」という。は、第4条第1項の規定にかかわらず、その名称中に、地方独立行政法人という文字に代えて、公立大学法人という文字を用いなければならない。 に規定する公立大学法人をいう。)が設置する公立大学に附属して設置される 学校 について準用する。この場合において、 第29条第1項 《地方独立行政法人は、前条第1項の評価の結…》 果を、中期計画及び年度計画並びに業務運営の改善に適切に反映させるとともに、毎年度、当該評価の結果の反映状況を公表しなければならない。 中「文部科学大臣」とあるのは「当該公立大学法人を設立する地方公共団体の長࿸以下この条において単に「地方公共団体の長」という。)」と、同条第2項及び第3項中「文部科学大臣」とあるのは「地方公共団体の長」と、同項中「 国立大学法人法 第35条の2 《独立行政法人通則法の規定の準用 独立行…》 政法人通則法第3条、第7条第2項、第8条第1項、第9条、第11条、第14条から第17条まで、第21条の四、第21条の五、第24条、第25条、第25条の2第1項及び第2項、第26条、第28条、第28条の において準用する 独立行政法人通則法 1999年法律第103号第64条第1項 《主務大臣は、この法律を施行するため必要が…》 あると認めるときは、独立行政法人に対し、その業務並びに資産及び債務の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、独立行政法人の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させること 」とあるのは「 地方独立行政法人法 第121条第1項 《総務大臣若しくは都道府県知事又は設立団体…》 の長は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、地方独立行政法人総務大臣又は都道府県知事にあっては、第7条の規定による設立の認可又は第8条第2項の規定による定款の変更の認可を行った地方独立行政 」と読み替えるものとする。

31条 (私立の学校に係る対処)

1項 学校 法人( 私立学校法 1949年法律第270号第3条 《 この法律において「学校法人」とは、私立…》 学校の設置を目的として、この法律の定めるところにより設立される法人をいう。 に規定する学校法人をいう。以下この条において同じ。)が設置する学校は、 第28条第1項 《一般社団法人及び一般財団法人に関する法律…》 2006年法律第48号。以下「一般社団・財団法人法」という。第158条及び第164条の規定は、学校法人の設立について準用する。 この場合において、これらの規定中「財産の拠出」とあるのは「寄附行為」と、 各号に掲げる場合には、 重大事態 が発生した旨を、当該学校を所轄する都道府県知事(以下この条において単に「都道府県知事」という。)に報告しなければならない。

2項 前項の規定による報告を受けた都道府県知事は、当該報告に係る 重大事態 への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、 第28条第1項 《一般社団法人及び一般財団法人に関する法律…》 2006年法律第48号。以下「一般社団・財団法人法」という。第158条及び第164条の規定は、学校法人の設立について準用する。 この場合において、これらの規定中「財産の拠出」とあるのは「寄附行為」と、 の規定による調査の結果について調査を行うことができる。

3項 都道府県知事は、前項の規定による調査の結果を踏まえ、当該調査に係る 学校 法人又はその設置する学校が当該調査に係る 重大事態 への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずることができるよう、 私立学校法 第6条 《報告書の提出 所轄庁は、私立学校に対し…》 て、教育の調査、統計その他に関し必要な報告書の提出を求めることができる。 に規定する権限の適切な行使その他の必要な措置を講ずるものとする。

4項 前2項の規定は、都道府県知事に対し、 学校 法人が設置する学校に対して行使することができる権限を新たに与えるものと解釈してはならない。

32条

1項 学校 設置会社( 構造改革特別区域法 2002年法律第189号第12条第2項 《2 前項の規定により学校教育法第4条第1…》 項の認可を受けて学校を設置することができる株式会社以下この条及び第19条第1項第1号並びに別表第2号において「学校設置会社」という。は、その構造改革特別区域に設置する学校において、地域の特性を生かした に規定する学校設置会社をいう。以下この条において同じ。)が設置する学校は、 第28条第1項 《地方公共団体が、その設定する構造改革特別…》 区域において、公社管理道路地方道路公社地方道路公社法1970年法律第82号第1条の地方道路公社をいう。以下この条において同じ。が道路整備特別措置法1956年法律第7号第10条第1項の許可を受けて新設し 各号に掲げる場合には、当該学校設置会社の代表取締役又は代表執行役を通じて、 重大事態 が発生した旨を、同法第12条第1項の規定による認定を受けた地方公共団体の長(以下「 認定地方公共団体の長 」という。)に報告しなければならない。

2項 前項の規定による報告を受けた 認定地方公共団体の長 は、当該報告に係る 重大事態 への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、 第28条第1項 《学校の設置者又はその設置する学校は、次に…》 掲げる場合には、その事態以下「重大事態」という。に対処し、及び当該重大事態と同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに、当該学校の設置者又はその設置する学校の下に組織を設け、質問票の使用その他の適切 の規定による調査の結果について調査を行うことができる。

3項 認定地方公共団体の長 は、前項の規定による調査の結果を踏まえ、当該調査に係る 学校 設置会社又はその設置する学校が当該調査に係る 重大事態 への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずることができるよう、 構造改革特別区域法 第12条第10項 《10 学校設置会社の設置する学校が大学又…》 は高等専門学校である場合にあっては文部科学大臣、学校設置会社の設置する学校が大学及び高等専門学校以外の学校である場合にあっては認定地方公共団体の長は、当該学校に対して、教育の調査、統計その他に関し必要 に規定する権限の適切な行使その他の必要な措置を講ずるものとする。

4項 前2項の規定は、 認定地方公共団体の長 に対し、 学校 設置会社が設置する学校に対して行使することができる権限を新たに与えるものと解釈してはならない。

5項 第1項から前項までの規定は、 学校 設置非営利法人( 構造改革特別区域法 第13条第2項 《2 前項の規定により学校教育法第4条第1…》 項の認可を受けて学校を設置することができる特定非営利活動法人以下この条及び第19条第1項第2号並びに別表第3号において「学校設置非営利法人」という。は、その構造改革特別区域に設置する学校において、不登 に規定する学校設置非営利法人をいう。)が設置する学校について準用する。この場合において、第1項中「学校設置会社の代表取締役又は代表執行役」とあるのは「学校設置非営利法人の代表権を有する理事」と、「 第12条第1項 《地方公共団体が、その設定する構造改革特別…》 区域において、地域の特性を生かした教育の実施の必要性、地域産業を担う人材の育成の必要性その他の特別の事情に対応するための教育又は研究を株式会社の設置する学校学校教育法1947年法律第26号第1条に規定 」とあるのは「 第13条第1項 《地方公共団体が、その設定する構造改革特別…》 区域において、学校生活への適応が困難であるため相当の期間学校学校教育法第1条に規定する学校をいい、大学及び高等専門学校を除く。以下この条及び別表第3号において同じ。を欠席していると認められる児童、生徒 」と、第2項中「前項」とあるのは「第5項において準用する前項」と、第3項中「前項」とあるのは「第5項において準用する前項」と、「学校設置会社」とあるのは「学校設置非営利法人」と、「 第12条第10項 《10 学校設置会社の設置する学校が大学又…》 は高等専門学校である場合にあっては文部科学大臣、学校設置会社の設置する学校が大学及び高等専門学校以外の学校である場合にあっては認定地方公共団体の長は、当該学校に対して、教育の調査、統計その他に関し必要 」とあるのは「 第13条第3項 《3 前条第3項から第10項まで及び第12…》 項の規定は、学校設置非営利法人が学校を設置する場合について準用する。 この場合において、同項中「第3項又は第4項」とあるのは、「次条第3項において準用する第3項又は第4項」と読み替えるものとする。 において準用する同法第12条第10項」と、前項中「前2項」とあるのは「次項において準用する前2項」と読み替えるものとする。

33条 (文部科学大臣又は都道府県の教育委員会の指導、助言及び援助)

1項 地方自治法 1947年法律第67号第245条の4第1項 《各大臣内閣府設置法第4条第3項若しくはデ…》 ジタル庁設置法第4条第2項に規定する事務を分担管理する大臣たる内閣総理大臣又は国家行政組織法第5条第1項に規定する各省大臣をいう。以下この章から第14章まで及び第16章において同じ。又は都道府県知事そ の規定によるほか、文部科学大臣は都道府県又は市町村に対し、都道府県の教育委員会は市町村に対し、 重大事態 への対処に関する都道府県又は市町村の事務の適正な処理を図るため、必要な指導、助言又は援助を行うことができる。

6章 雑則

34条 (学校評価における留意事項)

1項 学校 の評価を行う場合において いじめ の防止等のための対策を取り扱うに当たっては、いじめの事実が隠蔽されず、並びにいじめの実態の把握及びいじめに対する措置が適切に行われるよう、いじめの早期発見、いじめの再発を防止するための取組等について適正に評価が行われるようにしなければならない。

35条 (高等専門学校における措置)

1項 高等専門 学校 学校教育法 第1条 《 この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、…》 中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。 に規定する高等専門学校をいう。以下この条において同じ。)の設置者及びその設置する高等専門学校は、当該高等専門学校の実情に応じ、当該高等専門学校に在籍する学生に係る いじめ に相当する行為の防止、当該行為の早期発見及び当該行為への対処のための対策に関し必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

《本則》 ここまで 附則 >  

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