サイバーセキュリティ基本法《本則》

法番号:2014年法律第104号

略称:

附則 >  

1章 総則

1条 (目的)

1項 この法律は、インターネットその他の高度情報通信ネットワークの整備及び デジタル社会形成基本法 2021年法律第35号第2条 《定義 この法律において「デジタル社会」…》 とは、インターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて自由かつ安全に多様な情報又は知識を世界的規模で入手し、共有し、又は発信するとともに、官民データ活用推進基本法2016年法律第103号第2項に に規定する 情報通信技術 以下「 情報通信技術 」という。)の活用の進展に伴って世界的規模で生じているサイバーセキュリティに対する脅威の深刻化その他の内外の諸情勢の変化に伴い、情報の自由な流通を確保しつつ、サイバーセキュリティの確保を図ることが喫緊の課題となっている状況に鑑み、我が国のサイバーセキュリティに関する施策に関し、基本理念を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにし、並びにサイバーセキュリティ戦略の策定その他サイバーセキュリティに関する施策の基本となる事項を定めるとともに、サイバーセキュリティ戦略本部を設置すること等により、同法と相まって、サイバーセキュリティに関する施策を総合的かつ効果的に推進し、もって経済社会の活力の向上及び持続的発展並びに国民が安全で安心して暮らせる社会の実現を図るとともに、国際社会の平和及び安全の確保並びに我が国の安全保障に寄与することを目的とする。

2条 (定義)

1項 この法律において「 サイバーセキュリティ 」とは、電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式(以下この条において「 電磁的方式 」という。)により記録され、又は発信され、伝送され、若しくは受信される情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該情報の安全管理のために必要な措置並びに情報システム及び情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保のために必要な措置(情報通信ネットワーク又は 電磁的方式 で作られた記録に係る記録媒体(以下「 電磁的記録媒体 」という。)を通じた電子計算機に対する不正な活動による被害の防止のために必要な措置を含む。)が講じられ、その状態が適切に維持管理されていることをいう。

3条 (基本理念)

1項 サイバーセキュリティ に関する施策の推進は、インターネットその他の高度情報通信ネットワークの整備及び 情報通信技術 の活用による情報の自由な流通の確保が、これを通じた表現の自由の享有、イノベーションの創出、経済社会の活力の向上等にとって重要であることに鑑み、サイバーセキュリティに対する脅威に対して、国、地方公共団体、重要社会基盤事業者(国民生活及び経済活動の基盤であって、その機能が停止し、又は低下した場合に国民生活又は経済活動に多大な影響を及ぼすおそれが生ずるものに関する事業を行う者をいう。以下同じ。)等の多様な主体の連携により、積極的に対応することを旨として、行われなければならない。

2項 サイバーセキュリティ に関する施策の推進は、国民1人1人のサイバーセキュリティに関する認識を深め、自発的に対応することを促すとともに、サイバーセキュリティに対する脅威による被害を防ぎ、かつ、被害から迅速に復旧できる強じんな体制を構築するための取組を積極的に推進することを旨として、行われなければならない。

3項 サイバーセキュリティ に関する施策の推進は、インターネットその他の高度情報通信ネットワークの整備及び 情報通信技術 の活用による活力ある経済社会を構築するための取組を積極的に推進することを旨として、行われなければならない。

4項 サイバーセキュリティ に関する施策の推進は、サイバーセキュリティに対する脅威への対応が国際社会にとって共通の課題であり、かつ、我が国の経済社会が国際的な密接な相互依存関係の中で営まれていることに鑑み、サイバーセキュリティに関する国際的な秩序の形成及び発展のために先導的な役割を担うことを旨として、国際的協調の下に行われなければならない。

5項 サイバーセキュリティ に関する施策の推進は、 デジタル社会形成基本法 の基本理念に配慮して行われなければならない。

6項 サイバーセキュリティ に関する施策の推進に当たっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。

4条 (国の責務)

1項 国は、前条の 基本理念 以下「 基本理念 」という。)にのっとり、 サイバーセキュリティ に関する総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

5条 (地方公共団体の責務)

1項 地方公共団体は、 基本理念 にのっとり、国との適切な役割分担を踏まえて、 サイバーセキュリティ に関する自主的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

6条 (重要社会基盤事業者の責務)

1項 重要社会基盤事業者は、 基本理念 にのっとり、そのサービスを安定的かつ適切に提供するため、 サイバーセキュリティ の重要性に関する関心と理解を深め、自主的かつ積極的にサイバーセキュリティの確保に努めるとともに、国又は地方公共団体が実施するサイバーセキュリティに関する施策に協力するよう努めるものとする。

7条 (サイバー関連事業者その他の事業者の責務)

1項 サイバー関連事業者(インターネットその他の高度情報通信ネットワークの整備、 情報通信技術 の活用又は サイバーセキュリティ に関する事業を行う者をいう。以下同じ。)その他の事業者は、 基本理念 にのっとり、その事業活動に関し、自主的かつ積極的にサイバーセキュリティの確保に努めるとともに、国又は地方公共団体が実施するサイバーセキュリティに関する施策に協力するよう努めるものとする。

8条 (教育研究機関の責務)

1項 大学その他の教育研究機関は、 基本理念 にのっとり、自主的かつ積極的に サイバーセキュリティ の確保、サイバーセキュリティに係る人材の育成並びにサイバーセキュリティに関する研究及びその成果の普及に努めるとともに、国又は地方公共団体が実施するサイバーセキュリティに関する施策に協力するよう努めるものとする。

9条 (国民の努力)

1項 国民は、 基本理念 にのっとり、 サイバーセキュリティ の重要性に関する関心と理解を深め、サイバーセキュリティの確保に必要な注意を払うよう努めるものとする。

10条 (法制上の措置等)

1項 政府は、 サイバーセキュリティ に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上又は税制上の措置その他の措置を講じなければならない。

11条 (行政組織の整備等)

1項 国は、 サイバーセキュリティ に関する施策を講ずるにつき、行政組織の整備及び行政運営の改善に努めるものとする。

2章 サイバーセキュリティ戦略

12条

1項 政府は、 サイバーセキュリティ に関する施策の総合的かつ効果的な推進を図るため、サイバーセキュリティに関する基本的な計画(以下「 サイバーセキュリティ戦略 」という。)を定めなければならない。

2項 サイバーセキュリティ 戦略は、次に掲げる事項について定めるものとする。

1号 サイバーセキュリティ に関する施策についての基本的な方針

2号 国の行政機関等における サイバーセキュリティ の確保に関する事項

3号 重要社会基盤事業者及びその組織する団体並びに地方公共団体(以下「 重要社会基盤事業者等 」という。)における サイバーセキュリティ の確保の促進に関する事項

4号 前3号に掲げるもののほか、 サイバーセキュリティ に関する施策を総合的かつ効果的に推進するために必要な事項

3項 内閣総理大臣は、 サイバーセキュリティ 戦略の案につき閣議の決定を求めなければならない。

4項 政府は、 サイバーセキュリティ 戦略を策定したときは、遅滞なく、これを国会に報告するとともに、インターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。

5項 前2項の規定は、 サイバーセキュリティ 戦略の変更について準用する。

6項 政府は、 サイバーセキュリティ 戦略について、その実施に要する経費に関し必要な資金の確保を図るため、毎年度、国の財政の許す範囲内で、これを予算に計上する等その円滑な実施に必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

3章 基本的施策

13条 (国の行政機関等におけるサイバーセキュリティの確保)

1項 国は、国の行政機関、独立行政法人( 独立行政法人通則法 1999年法律第103号第2条第1項 《この法律において「独立行政法人」とは、国…》 民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体に委ねた場合には必ずしも実施されないおそ に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。及び特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、 総務省設置法 1999年法律第91号第4条第1項第8号 《総務省は、前条第1項の任務を達成するため…》 、次に掲げる事務をつかさどる。 1 恩給制度に関する企画及び立案に関すること。 2 恩給を受ける権利の裁定並びに恩給の支給及び負担に関すること。 3 行政制度一般に関する基本的事項の企画及び立案に関す の規定の適用を受けるものをいう。以下同じ。)等における サイバーセキュリティ に関し、国の行政機関、独立行政法人及び指定法人(特殊法人及び認可法人(特別の法律により設立され、かつ、その設立等に関し行政官庁の認可を要する法人をいう。 第33条第1項 《本部は、その所掌事務を遂行するため必要が…》 あると認めるときは、地方公共団体及び独立行政法人の長、国立大学法人国立大学法人法2003年法律第112号第2条第1項に規定する国立大学法人をいう。の学長又は理事長、大学共同利用機関法人同条第3項に規定 において同じ。)のうち、当該法人におけるサイバーセキュリティが確保されない場合に生ずる国民生活又は経済活動への影響を勘案して、国が当該法人におけるサイバーセキュリティの確保のために講ずる施策の一層の充実を図る必要があるものとしてサイバーセキュリティ戦略本部が指定するものをいう。以下同じ。)におけるサイバーセキュリティに関する統一的な基準の策定、国の行政機関における情報システムの共同化、情報通信ネットワーク又は 電磁的記録媒体 を通じた国の行政機関、独立行政法人又は指定法人の情報システムに対する不正な活動の監視及び分析、国の行政機関、独立行政法人及び指定法人におけるサイバーセキュリティに関する演習及び訓練並びに国内外の関係機関との連携及び連絡調整によるサイバーセキュリティに対する脅威への対応、国の行政機関、独立行政法人及び特殊法人等の間におけるサイバーセキュリティに関する情報の共有その他の必要な施策を講ずるものとする。

14条 (重要社会基盤事業者等におけるサイバーセキュリティの確保の促進)

1項 国は、 重要社会基盤事業者等 における サイバーセキュリティ に関し、基準の策定、演習及び訓練、情報の共有その他の自主的な取組の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。

15条 (民間事業者及び教育研究機関等の自発的な取組の促進)

1項 国は、中小企業者その他の民間事業者及び大学その他の教育研究機関が有する知的財産に関する情報が我が国の国際競争力の強化にとって重要であることに鑑み、これらの者が自発的に行う サイバーセキュリティ に対する取組が促進されるよう、サイバーセキュリティの重要性に関する関心と理解の増進、サイバーセキュリティに関する相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うことその他の必要な施策を講ずるものとする。

2項 国は、国民1人1人が自発的に サイバーセキュリティ の確保に努めることが重要であることに鑑み、日常生活における電子計算機又はインターネットその他の高度情報通信ネットワークの利用に際して適切な製品又はサービスを選択することその他の取組について、サイバーセキュリティに関する相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うことその他の必要な施策を講ずるものとする。

16条 (多様な主体の連携等)

1項 国は、関係行政機関相互間の連携の強化を図るとともに、国、地方公共団体、重要社会基盤事業者、サイバー関連事業者等の多様な主体が相互に連携して サイバーセキュリティ に関する施策に取り組むことができるよう必要な施策を講ずるものとする。

17条 (サイバーセキュリティ協議会)

1項 第28条第1項 《本部の長は、サイバーセキュリティ戦略本部…》 長以下「本部長」という。とし、内閣官房長官をもって充てる。 に規定する サイバーセキュリティ 戦略本部長及びその委嘱を受けた国務大臣(次項において「 本部長等 」という。)は、サイバーセキュリティに関する施策の推進に関し必要な協議を行うため、サイバーセキュリティ協議会(以下この条において「 協議会 」という。)を組織するものとする。

2項 本部長等 は、必要と認めるときは、協議して、 協議会 に、次に掲げる者を構成員として加えることができる。

1号 国の関係行政機関の長( 本部長等 を除く。

2号 地方公共団体又はその組織する団体

3号 重要社会基盤事業者又はその組織する団体

4号 サイバー関連事業者又はその組織する団体

5号 大学その他の教育研究機関又はその組織する団体

6号 その他 本部長等 が必要と認める者

3項 協議会 は、第1項の協議を行うため必要があると認めるときは、その構成員に対し、 サイバーセキュリティ に関する施策の推進に関し必要な資料の提出、意見の開陳、説明その他の協力を求めることができる。この場合において、当該構成員は、正当な理由がある場合を除き、その求めに応じなければならない。

4項 協議会 の事務に従事する者又は従事していた者は、正当な理由がなく、当該事務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。

5項 協議会 の庶務は、内閣官房において処理し、命を受けて内閣官房副長官補が掌理する。

6項 前各項に定めるもののほか、 協議会 の組織及び運営に関し必要な事項は、協議会が定める。

18条 (犯罪の取締り及び被害の拡大の防止)

1項 国は、 サイバーセキュリティ に関する犯罪の取締り及びその被害の拡大の防止のために必要な施策を講ずるものとする。

19条 (我が国の安全に重大な影響を及ぼすおそれのある事象への対応)

1項 国は、 サイバーセキュリティ に関する事象のうち我が国の安全に重大な影響を及ぼすおそれがあるものへの対応について、関係機関における体制の充実強化並びに関係機関相互の連携強化及び役割分担の明確化を図るために必要な施策を講ずるものとする。

20条 (産業の振興及び国際競争力の強化)

1項 国は、 サイバーセキュリティ の確保を自立的に行う能力を我が国が有することの重要性に鑑み、サイバーセキュリティに関連する産業が雇用機会を創出することができる成長産業となるよう、新たな事業の創出並びに産業の健全な発展及び国際競争力の強化を図るため、サイバーセキュリティに関し、先端的な研究開発の推進、技術の高度化、人材の育成及び確保、競争条件の整備等による経営基盤の強化及び新たな事業の開拓、技術の安全性及び信頼性に係る規格等の国際標準化及びその相互承認の枠組みへの参画その他の必要な施策を講ずるものとする。

21条 (研究開発の推進等)

1項 国は、我が国において サイバーセキュリティ に関する技術力を自立的に保持することの重要性に鑑み、サイバーセキュリティに関する研究開発及び技術等の実証の推進並びにその成果の普及を図るため、サイバーセキュリティに関し、研究体制の整備、技術の安全性及び信頼性に関する基礎研究及び基盤的技術の研究開発の推進、研究者及び技術者の育成、国の試験研究機関、大学、民間等の連携の強化、研究開発のための国際的な連携その他の必要な施策を講ずるものとする。

22条 (人材の確保等)

1項 国は、大学、高等専門学校、専修学校、民間事業者等と緊密な連携協力を図りながら、 サイバーセキュリティ に係る事務に従事する者の職務及び職場環境がその重要性にふさわしい魅力あるものとなるよう、当該者の適切な処遇の確保に必要な施策を講ずるものとする。

2項 国は、大学、高等専門学校、専修学校、民間事業者等と緊密な連携協力を図りながら、 サイバーセキュリティ に係る人材の確保、養成及び資質の向上のため、資格制度の活用、若年技術者の養成その他の必要な施策を講ずるものとする。

23条 (教育及び学習の振興、普及啓発等)

1項 国は、国民が広く サイバーセキュリティ に関する関心と理解を深めるよう、サイバーセキュリティに関する教育及び学習の振興、啓発及び知識の普及その他の必要な施策を講ずるものとする。

2項 国は、前項の施策の推進に資するよう、 サイバーセキュリティ に関する啓発及び知識の普及を図るための行事の実施、重点的かつ効果的にサイバーセキュリティに対する取組を推進するための期間の指定その他の必要な施策を講ずるものとする。

24条 (国際協力の推進等)

1項 国は、 サイバーセキュリティ に関する分野において、我が国の国際社会における役割を積極的に果たすとともに、国際社会における我が国の利益を増進するため、サイバーセキュリティに関し、国際的な規範の策定への主体的な参画、国際間における信頼関係の構築及び情報の共有の推進、開発途上地域のサイバーセキュリティに関する対応能力の構築の積極的な支援その他の国際的な技術協力、犯罪の取締りその他の国際協力を推進するとともに、我が国のサイバーセキュリティに対する諸外国の理解を深めるために必要な施策を講ずるものとする。

4章 サイバーセキュリティ戦略本部

25条 (設置)

1項 サイバーセキュリティ に関する施策を総合的かつ効果的に推進するため、内閣に、サイバーセキュリティ戦略 本部 以下「 本部 」という。)を置く。

26条 (所掌事務等)

1項 本部 は、次に掲げる事務をつかさどる。

1号 サイバーセキュリティ 戦略の案の作成及び実施の推進に関すること。

2号 国の行政機関、独立行政法人及び指定法人における サイバーセキュリティ に関する対策の基準の作成及び当該基準に基づく施策の評価(監査を含む。)その他の当該基準に基づく施策の実施の推進に関すること。

3号 国の行政機関、独立行政法人又は指定法人で発生した サイバーセキュリティ に関する重大な事象に対する施策の評価(原因究明のための調査を含む。)に関すること。

4号 サイバーセキュリティ に関する事象が発生した場合における国内外の関係者との連絡調整に関すること。

5号 前各号に掲げるもののほか、 サイバーセキュリティ に関する施策で重要なものの企画に関する調査審議、府省横断的な計画、関係行政機関の経費の見積りの方針及び施策の実施に関する指針の作成並びに施策の評価その他の当該施策の実施の推進並びに総合調整に関すること。

2項 本部 は、 サイバーセキュリティ 戦略の案を作成しようとするときは、あらかじめ、国家安全保障会議の意見を聴かなければならない。

3項 本部 は、我が国の安全保障に係る サイバーセキュリティ に関する重要事項について、国家安全保障会議との緊密な連携を図るものとする。

27条 (組織)

1項 本部 は、 サイバーセキュリティ 戦略本部長、サイバーセキュリティ戦略副本部長及びサイバーセキュリティ戦略本部員をもって組織する。

28条 (サイバーセキュリティ戦略本部長)

1項 本部 の長は、 サイバーセキュリティ 戦略本部長(以下「 本部長 」という。)とし、内閣官房長官をもって充てる。

2項 本部 長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。

3項 本部 長は、 第26条第1項第2号 《本部は、次に掲げる事務をつかさどる。 1…》 サイバーセキュリティ戦略の案の作成及び実施の推進に関すること。 2 国の行政機関、独立行政法人及び指定法人におけるサイバーセキュリティに関する対策の基準の作成及び当該基準に基づく施策の評価監査を含む 、第3号及び第5号に規定する評価又は 第32条 《資料提供等 関係行政機関の長は、本部の…》 定めるところにより、本部に対し、サイバーセキュリティに関する資料又は情報であって、本部の所掌事務の遂行に資するものを、適時に提供しなければならない。 2 前項に定めるもののほか、関係行政機関の長は、本 若しくは 第33条 《資料の提出その他の協力 本部は、その所…》 掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、地方公共団体及び独立行政法人の長、国立大学法人国立大学法人法2003年法律第112号第2条第1項に規定する国立大学法人をいう。の学長又は理事長、大学共同利 の規定により提供された資料、情報等に基づき、必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、勧告することができる。

4項 本部 長は、前項の規定により関係行政機関の長に対し勧告したときは、当該関係行政機関の長に対し、その勧告に基づいてとった措置について報告を求めることができる。

5項 本部 長は、第3項の規定により勧告した事項に関し特に必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、当該事項について 内閣法 1947年法律第5号第6条 《 内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方…》 針に基いて、行政各部を指揮監督する。 の規定による措置がとられるよう意見を具申することができる。

29条 (サイバーセキュリティ戦略副本部長)

1項 本部 に、 サイバーセキュリティ 戦略 副本部長 以下「 副本部長 」という。)を置き、国務大臣をもって充てる。

2項 副本部長 は、 本部 長の職務を助ける。

30条 (サイバーセキュリティ戦略本部員)

1項 本部 に、 サイバーセキュリティ 戦略本部員(次項において「 本部員 」という。)を置く。

2項 本部 員は、次に掲げる者(第1号から第6号までに掲げる者にあっては、 副本部長 に充てられたものを除く。)をもって充てる。

1号 国家公安委員会委員長

2号 デジタル大臣

3号 総務大臣

4号 外務大臣

5号 経済産業大臣

6号 防衛大臣

7号 前各号に掲げる者のほか、 本部 及び 副本部長 以外の国務大臣のうちから、本部の所掌事務を遂行するために特に必要があると認める者として内閣総理大臣が指定する者

8号 サイバーセキュリティ に関し優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する者

31条 (事務の委託)

1項 本部 は、次の各号に掲げる事務の区分に応じて、当該事務の一部を当該各号に定める者に委託することができる。

1号 第26条第1項第2号 《本部は、次に掲げる事務をつかさどる。 1…》 サイバーセキュリティ戦略の案の作成及び実施の推進に関すること。 2 国の行政機関、独立行政法人及び指定法人におけるサイバーセキュリティに関する対策の基準の作成及び当該基準に基づく施策の評価監査を含む に掲げる事務(独立行政法人及び指定法人における サイバーセキュリティ に関する対策の基準に基づく監査に係るものに限る。又は同項第3号に掲げる事務(独立行政法人又は指定法人で発生したサイバーセキュリティに関する重大な事象の原因究明のための調査に係るものに限る。)独立行政法人情報処理推進機構その他サイバーセキュリティに関する対策について10分な技術的能力及び専門的な知識経験を有するとともに、当該事務を確実に実施することができるものとして政令で定める法人

2号 第26条第1項第4号 《本部は、次に掲げる事務をつかさどる。 1…》 サイバーセキュリティ戦略の案の作成及び実施の推進に関すること。 2 国の行政機関、独立行政法人及び指定法人におけるサイバーセキュリティに関する対策の基準の作成及び当該基準に基づく施策の評価監査を含む に掲げる事務 サイバーセキュリティ に関する事象が発生した場合における国内外の関係者との連絡調整について10分な技術的能力及び専門的な知識経験を有するとともに、当該事務を確実に実施することができるものとして政令で定める法人

2項 前項の規定により事務の委託を受けた法人の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、正当な理由がなく、当該委託に係る事務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。

3項 第1項の規定により事務の委託を受けた法人の役員又は職員であって当該委託に係る事務に従事するものは、 刑法 1907年法律第45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

32条 (資料提供等)

1項 関係行政機関の長は、 本部 の定めるところにより、本部に対し、 サイバーセキュリティ に関する資料又は情報であって、本部の所掌事務の遂行に資するものを、適時に提供しなければならない。

2項 前項に定めるもののほか、関係行政機関の長は、 本部 長の求めに応じて、本部に対し、本部の所掌事務の遂行に必要な サイバーセキュリティ に関する資料又は情報の提供及び説明その他必要な協力を行わなければならない。

33条 (資料の提出その他の協力)

1項 本部 は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、地方公共団体及び独立行政法人の長、国立大学法人( 国立大学法人法 2003年法律第112号第2条第1項 《この法律において「国立大学法人」とは、国…》 立大学を設置することを目的として、この法律の定めるところにより設立される法人をいう。 に規定する国立大学法人をいう。)の学長又は理事長、大学共同利用機関法人(同条第3項に規定する大学共同利用機関法人をいう。)の機構長、日本司法支援センター( 総合法律支援法 2004年法律第74号第13条 《この章の目的 日本司法支援センター以下…》 「支援センター」という。の組織及び運営については、この章の定めるところによる。 に規定する日本司法支援センターをいう。)の理事長、特殊法人及び認可法人であって本部が指定するものの代表者並びに サイバーセキュリティ に関する事象が発生した場合における国内外の関係者との連絡調整を行う関係機関の代表者に対して、サイバーセキュリティに対する脅威による被害の拡大を防止し、及び当該被害からの迅速な復旧を図るために国と連携して行う措置その他のサイバーセキュリティに関する対策に関し必要な資料の提出、意見の開陳、説明その他の協力を求めることができる。この場合において、当該求めを受けた者は、正当な理由がある場合を除き、その求めに応じなければならない。

2項 本部 は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、同項の協力を依頼することができる。

34条 (地方公共団体への協力)

1項 地方公共団体は、 第5条 《地方公共団体の責務 地方公共団体は、基…》 本理念にのっとり、国との適切な役割分担を踏まえて、サイバーセキュリティに関する自主的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。 に規定する施策の策定又は実施のために必要があると認めるときは、 本部 に対し、情報の提供その他の協力を求めることができる。

2項 本部 は、前項の規定による協力を求められたときは、その求めに応じるよう努めるものとする。

35条 (事務)

1項 本部 に関する事務は、内閣官房において処理し、命を受けて内閣官房副長官補が掌理する。

36条 (主任の大臣)

1項 本部 に係る事項については、 内閣法 にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。

37条 (政令への委任)

1項 この法律に定めるもののほか、 本部 に関し必要な事項は、政令で定める。

5章 罰則

38条

1項 第17条第4項 《4 協議会の事務に従事する者又は従事して…》 いた者は、正当な理由がなく、当該事務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。 又は 第31条第2項 《2 前項の規定により事務の委託を受けた法…》 人の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、正当な理由がなく、当該委託に係る事務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。 の規定に違反した者は、1年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金に処する。

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