アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律《本則》

法番号:2019年法律第16号

略称: アイヌ施策推進法

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1章 総則

1条 (目的)

1項 この法律は、日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族であるアイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌの伝統及びアイヌ文化(以下「 アイヌの伝統等 」という。)が置かれている状況並びに近年における先住民族をめぐる国際情勢に鑑み、アイヌ施策の推進に関し、基本理念、国等の責務、政府による基本方針の策定、民族共生象徴空間構成施設の管理に関する措置、市町村(特別区を含む。以下同じ。)によるアイヌ施策推進地域計画の作成及びその内閣総理大臣による認定、当該認定を受けたアイヌ施策推進地域計画に基づく事業に対する特別の措置、アイヌ政策推進本部の設置等について定めることにより、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、及びその誇りが尊重される社会の実現を図り、もって全ての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とする。

2条 (定義)

1項 この法律において「 アイヌ文化 」とは、アイヌ語並びにアイヌにおいて継承されてきた生活様式、音楽、舞踊、工芸その他の文化的所産及びこれらから発展した文化的所産をいう。

2項 この法律において「 アイヌ施策 」とは、 アイヌ文化 の振興並びに アイヌの伝統等 に関する知識の普及及び啓発(以下「 アイヌ文化の振興等 」という。並びにアイヌの人々が民族としての誇りを持って生活するためのアイヌ文化の振興等に資する環境の整備に関する施策をいう。

3項 この法律において「 民族共生象徴空間構成施設 」とは、民族共生象徴空間( アイヌ文化 の振興等の拠点として国土交通省令・文部科学省令で定める場所に整備される 国有財産法 1948年法律第73号第3条第2項 《2 行政財産とは、次に掲げる種類の財産を…》 いう。 1 公用財産 国において国の事務、事業又はその職員国家公務員宿舎法1949年法律第117号第2条第2号の職員をいう。の住居の用に供し、又は供するものと決定したもの 2 公共用財産 国において直 に規定する行政財産をいう。)を構成する施設(その敷地を含む。)であって、国土交通省令・文部科学省令で定めるものをいう。

3条 (基本理念)

1項 アイヌ施策 の推進は、アイヌの人々の民族としての誇りが尊重されるよう、アイヌの人々の誇りの源泉である アイヌの伝統等 並びに我が国を含む国際社会において重要な課題である多様な民族の共生及び多様な文化の発展についての国民の理解を深めることを旨として、行われなければならない。

2項 アイヌ施策 の推進は、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができるよう、アイヌの人々の自発的意思の尊重に配慮しつつ、行われなければならない。

3項 アイヌ施策 の推進は、国、地方公共団体その他の関係する者の相互の密接な連携を図りつつ、アイヌの人々が北海道のみならず全国において生活していることを踏まえて全国的な視点に立って行われなければならない。

4条

1項 何人も、アイヌの人々に対して、アイヌであることを理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。

5条 (国及び地方公共団体の責務)

1項 及び地方公共団体は、前2条に定める基本理念にのっとり、 アイヌ施策 を策定し、及び実施する責務を有する。

2項 及び地方公共団体は、 アイヌ文化 を継承する者の育成について適切な措置を講ずるよう努めなければならない。

3項 及び地方公共団体は、教育活動、広報活動その他の活動を通じて、アイヌに関し、国民の理解を深めるよう努めなければならない。

4項 国は、 アイヌ文化 の振興等に資する調査研究を推進するよう努めるとともに、地方公共団体が実施する アイヌ施策 を推進するために必要な助言その他の措置を講ずるよう努めなければならない。

6条 (国民の努力)

1項 国民は、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、及びその誇りが尊重される社会の実現に寄与するよう努めるものとする。

2章 基本方針等

7条 (基本方針)

1項 政府は、 アイヌ施策 の総合的かつ効果的な推進を図るための基本的な方針(以下「 基本方針 」という。)を定めなければならない。

2項 基本方針 には、次に掲げる事項を定めるものとする。

1号 アイヌ施策 の意義及び目標に関する事項

2号 政府が実施すべき アイヌ施策 に関する基本的な方針

3号 民族共生象徴空間構成施設 の管理に関する基本的な事項

4号 第10条第1項 《市町村は、単独で又は共同して、基本方針に…》 基づき当該市町村を包括する都道府県の知事が都道府県方針を定めているときは、基本方針に基づくとともに、当該都道府県方針を勘案して、内閣府令で定めるところにより、当該市町村の区域内におけるアイヌ施策を推進 に規定する アイヌ施策 推進地域計画の同条第9項の認定に関する基本的な事項

5号 前各号に掲げるもののほか、 アイヌ施策 の推進のために必要な事項

3項 内閣総理大臣は、アイヌ政策推進本部が作成した 基本方針 の案について閣議の決定を求めなければならない。

4項 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、 基本方針 を公表しなければならない。

5項 政府は、情勢の推移により必要が生じたときは、 基本方針 を変更しなければならない。

6項 第3項及び第4項の規定は、 基本方針 の変更について準用する。

8条 (都道府県方針)

1項 都道府県知事は、 基本方針 に基づき、当該都道府県の区域内における アイヌ施策 を推進するための方針(以下この条及び 第10条 《アイヌ施策推進地域計画の認定 市町村は…》 、単独で又は共同して、基本方針に基づき当該市町村を包括する都道府県の知事が都道府県方針を定めているときは、基本方針に基づくとともに、当該都道府県方針を勘案して、内閣府令で定めるところにより、当該市町村 において「 都道府県方針 」という。)を定めるよう努めるものとする。

2項 都道府県方針 には、おおむね次に掲げる事項を定めるものとする。

1号 アイヌ施策 の目標に関する事項

2号 当該都道府県が実施すべき アイヌ施策 に関する方針

3号 前2号に掲げるもののほか、 アイヌ施策 の推進のために必要な事項

3項 都道府県知事は、 都道府県方針 に他の地方公共団体と関係がある事項を定めようとするときは、当該事項について、あらかじめ、当該他の地方公共団体の長の意見を聴かなければならない。

4項 都道府県知事は、 都道府県方針 を定めたときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるとともに、関係市町村長に通知しなければならない。

5項 前2項の規定は、 都道府県方針 の変更について準用する。

3章 民族共生象徴空間構成施設の管理に関する措置

9条

1項 国土交通大臣及び文部科学大臣は、 第20条第1項 《国土交通大臣及び文部科学大臣は、アイヌ文…》 化の振興等を目的とする一般社団法人又は一般財団法人であって、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国を通じて1に限り、同条に規定する業務を行う者として の規定による指定をしたときは、 民族共生象徴空間構成施設 の管理を当該指定を受けた者(次項において「 指定法人 」という。)に委託するものとする。

2項 前項の規定により管理の委託を受けた 指定法人 は、当該委託を受けて行う 民族共生象徴空間構成施設 の管理に要する費用に充てるために、民族共生象徴空間構成施設につき入場料その他の料金( 第22条第2項 《2 民族共生象徴空間構成施設管理業務規程…》 には、民族共生象徴空間構成施設管理業務の実施の方法、民族共生象徴空間構成施設の入場料等その他の国土交通省令・文部科学省令で定める事項を定めておかなければならない。 において「 入場料等 」という。)を徴収することができる。

3項 前項に定めるもののほか、第1項の規定による委託について必要な事項は、政令で定める。

4章 アイヌ施策推進地域計画の認定等

10条 (アイヌ施策推進地域計画の認定)

1項 市町村は、単独で又は共同して、 基本方針 に基づき(当該市町村を包括する都道府県の知事が 都道府県方針 を定めているときは、基本方針に基づくとともに、当該都道府県方針を勘案して)、内閣府令で定めるところにより、当該市町村の区域内における アイヌ施策 を推進するための計画(以下「 アイヌ施策推進地域計画 」という。)を作成し、内閣総理大臣の認定を申請することができる。

2項 アイヌ施策 推進地域計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。

1号 アイヌ施策 推進地域計画の目標

2号 アイヌ施策 の推進に必要な次に掲げる事業に関する事項

アイヌ文化 の保存又は継承に資する事業

アイヌの伝統等 に関する理解の促進に資する事業

観光の振興その他の産業の振興に資する事業

地域内若しくは地域間の交流又は国際交流の促進に資する事業

その他内閣府令で定める事業

3号 計画期間

4号 その他内閣府令で定める事項

3項 市町村は、 アイヌ施策 推進地域計画を作成しようとするときは、これに記載しようとする前項第2号に規定する事業を実施する者の意見を聴かなければならない。

4項 第2項第2号(ニを除く。)に規定する事業に関する事項には、アイヌにおいて継承されてきた儀式の実施その他の アイヌ文化 の振興等に利用するための林産物を国有林野( 国有林野の管理経営に関する法律 1951年法律第246号第2条第1項 《この法律において「国有林野」とは、次に掲…》 げるものをいう。 1 国の所有に属する森林原野であつて、国において森林経営の用に供し、又は供するものと決定したもの 2 国の所有に属する森林原野であつて、国民の福祉のための考慮に基づき森林経営の用に供 に規定する国有林野をいう。 第16条第1項 《造林者は、分収造林契約の目的以外の目的に…》 分収林を使用してはならない。 ただし、分収造林契約の目的を妨げないと認めて森林管理局長が許可した場合は、この限りでない。 において同じ。)において採取する事業に関する事項を記載することができる。

5項 前項に定めるもののほか、第2項第2号(ニを除く。)に規定する事業に関する事項には、アイヌにおいて継承されてきた儀式若しくは漁法(以下この項において「 儀式等 」という。)の保存若しくは継承又は 儀式等 に関する知識の普及及び啓発に利用するためのさけを内水面( 漁業法 1949年法律第267号第60条第5項第5号 《5 この章において「共同漁業」とは、次に…》 掲げる漁業であつて一定の水面を共同に利用して営むものをいう。 1 第1種共同漁業 藻類、貝類又は農林水産大臣の指定する定着性の水産動物を目的とする漁業 2 第2種共同漁業 海面海面に準ずる湖沼として農 に規定する内水面をいう。)において採捕する事業(以下この条及び 第17条 《漁獲割当割合の設定 漁獲割当てによる漁…》 獲量の管理を行う管理区分以下この節並びに第124条第1項及び第132条第2項第1号において「漁獲割当管理区分」という。において当該漁獲割当ての対象となる特定水産資源を採捕しようとする者は、当該管理区分 において「 内水面さけ採捕事業 」という。)に関する事項を記載することができる。この場合においては、 内水面さけ採捕事業 ごとに、当該内水面さけ採捕事業を実施する区域を記載するものとする。

6項 前2項に定めるもののほか、第2項第2号(ハに係る部分に限る。)に規定する事業に関する事項には、当該市町村における地域の名称又はその略称を含む商標の使用をし、又は使用をすると見込まれる商品又は役務の需要の開拓を行う事業(以下この項及び 第18条 《漁獲割当割合の設定を行わない場合 前条…》 第1項の規定により申請した者が次の各号に掲げる者のいずれかに該当するときは、農林水産大臣又は都道府県知事は、漁獲割当割合の設定を行つてはならない。 1 漁業又は労働に関する法令を遵守せず、かつ、引き続 において「 商品等需要開拓事業 」という。)に関する事項を記載することができる。この場合においては、 商品等需要開拓事業 ごとに、当該商品等需要開拓事業の目標及び実施期間を記載するものとする。

7項 第2項第2号イからホまでのいずれかの事業を実施しようとする者は、市町村に対して、 アイヌ施策 推進地域計画を作成することを提案することができる。この場合においては、 基本方針 に即して、当該提案に係るアイヌ施策推進地域計画の素案を作成して、これを提示しなければならない。

8項 前項の規定による提案を受けた市町村は、当該提案に基づき アイヌ施策 推進地域計画を作成するか否かについて、遅滞なく、当該提案をした者に通知しなければならない。この場合において、アイヌ施策推進地域計画を作成しないこととするときは、その理由を明らかにしなければならない。

9項 内閣総理大臣は、第1項の規定による認定の申請があった場合において、 アイヌ施策 推進地域計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。

1号 基本方針 に適合するものであること。

2号 当該 アイヌ施策 推進地域計画の実施が当該地域におけるアイヌ施策の推進に相当程度寄与するものであると認められること。

3号 円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。

10項 内閣総理大臣は、前項の認定を行うに際し必要と認めるときは、アイヌ政策推進本部に対し、意見を求めることができる。

11項 内閣総理大臣は、第9項の認定をしようとするときは、その旨を当該認定に係る アイヌ施策 推進地域計画を作成した市町村を包括する都道府県の知事に通知しなければならない。この場合において、当該都道府県の知事が 都道府県方針 を定めているときは、同項の認定に関し、内閣総理大臣に対し、意見を述べることができる。

12項 内閣総理大臣は、 アイヌ施策 推進地域計画に特定事業関係事項(第4項から第6項までのいずれかに規定する事項をいう。以下同じ。)が記載されている場合において、第9項の認定をしようとするときは、当該特定事業関係事項について、当該特定事業関係事項に係る国の関係行政機関の長(以下単に「国の関係行政機関の長」という。)の同意を得なければならない。

13項 内閣総理大臣は、 アイヌ施策 推進地域計画に 内水面さけ採捕事業 に関する事項が記載されている場合において、第9項の認定をしようとするときは、当該アイヌ施策推進地域計画を作成した市町村(市町村が共同して作成したときは、当該内水面さけ採捕事業を実施する区域を含む市町村に限る。)を包括する都道府県の知事の意見を聴かなければならない。

14項 内閣総理大臣は、第9項の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

11条 (認定を受けたアイヌ施策推進地域計画の変更)

1項 市町村は、前条第9項の認定を受けた アイヌ施策 推進地域計画の変更(内閣府令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、内閣総理大臣の認定を受けなければならない。

2項 前条第3項から第14項までの規定は、同条第9項の認定を受けた アイヌ施策 推進地域計画の変更について準用する。

12条 (報告の徴収)

1項 内閣総理大臣は、 第10条第9項 《9 内閣総理大臣は、第1項の規定による認…》 定の申請があった場合において、アイヌ施策推進地域計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。 1 基本方針に適合するものであること。 2 当該アイヌ施策推進地域計画の実施が の認定(前条第1項の変更の認定を含む。)を受けた市町村(以下「 認定市町村 」という。)に対し、 第10条第9項 《9 内閣総理大臣は、第1項の規定による認…》 定の申請があった場合において、アイヌ施策推進地域計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。 1 基本方針に適合するものであること。 2 当該アイヌ施策推進地域計画の実施が の認定を受けた アイヌ施策 推進地域計画(前条第1項の変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下「 認定アイヌ施策推進地域計画 」という。)の実施の状況について報告を求めることができる。

2項 国の関係行政機関の長は、 認定アイヌ施策推進地域計画 に特定事業関係事項が記載されている場合には、 認定市町村 に対し、当該特定事業関係事項の実施の状況について報告を求めることができる。

13条 (措置の要求)

1項 内閣総理大臣は、 認定アイヌ施策推進地域計画 の適正な実施のため必要があると認めるときは、 認定市町村 に対し、当該認定アイヌ施策推進地域計画の実施に関し必要な措置を講ずることを求めることができる。

2項 国の関係行政機関の長は、 認定アイヌ施策推進地域計画 に特定事業関係事項が記載されている場合において、当該特定事業関係事項の適正な実施のため必要があると認めるときは、 認定市町村 に対し、当該特定事業関係事項の実施に関し必要な措置を講ずることを求めることができる。

14条 (認定の取消し)

1項 内閣総理大臣は、 認定アイヌ施策推進地域計画 第10条第9項 《9 内閣総理大臣は、第1項の規定による認…》 定の申請があった場合において、アイヌ施策推進地域計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。 1 基本方針に適合するものであること。 2 当該アイヌ施策推進地域計画の実施が 各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その認定を取り消すことができる。この場合において、当該認定アイヌ施策推進地域計画に特定事業関係事項が記載されているときは、内閣総理大臣は、あらかじめ、国の関係行政機関の長にその旨を通知しなければならない。

2項 前項の規定による通知を受けた国の関係行政機関の長は、同項の規定による認定の取消しに関し、内閣総理大臣に意見を述べることができる。

3項 前項に規定する場合のほか、国の関係行政機関の長は、 認定アイヌ施策推進地域計画 に特定事業関係事項が記載されている場合には、第1項の規定による認定の取消しに関し、内閣総理大臣に意見を述べることができる。

4項 第10条第14項 《14 内閣総理大臣は、第9項の認定をした…》 ときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。 の規定は、第1項の規定による認定の取消しについて準用する。

5章 認定アイヌ施策推進地域計画に基づく事業に対する特別の措置

15条 (交付金の交付等)

1項 国は、 認定市町村 に対し、 認定アイヌ施策推進地域計画 に基づく事業( 第10条第2項第2号 《2 アイヌ施策推進地域計画には、次に掲げ…》 る事項を記載するものとする。 1 アイヌ施策推進地域計画の目標 2 アイヌ施策の推進に必要な次に掲げる事業に関する事項 イ アイヌ文化の保存又は継承に資する事業 ロ アイヌの伝統等に関する理解の促進に に規定するものに限る。)の実施に要する経費に充てるため、内閣府令で定めるところにより、予算の範囲内で、交付金を交付することができる。

2項 前項の交付金を充てて行う事業に要する費用については、他の法令の規定に基づく国の負担若しくは補助又は交付金の交付は、当該規定にかかわらず、行わないものとする。

3項 前2項に定めるもののほか、第1項の交付金の交付に関し必要な事項は、内閣府令で定める。

16条 (国有林野における共用林野の設定)

1項 農林水産大臣は、国有林野の経営と 認定市町村 第10条第4項 《4 第2項第2号ニを除く。に規定する事業…》 に関する事項には、アイヌにおいて継承されてきた儀式の実施その他のアイヌ文化の振興等に利用するための林産物を国有林野国有林野の管理経営に関する法律1951年法律第246号第2条第1項に規定する国有林野を に規定する事項を記載した 認定アイヌ施策推進地域計画 を作成した市町村に限る。以下この項において同じ。)の住民の利用とを調整することが土地利用の高度化を図るため必要であると認めるときは、契約により、当該認定市町村の住民又は当該認定市町村内の一定の区域に住所を有する者に対し、これらの者が同条第4項の規定により記載された事項に係る国有林野をアイヌにおいて継承されてきた儀式の実施その他の アイヌ文化 の振興等に利用するための林産物の採取に共同して使用する権利を取得させることができる。

2項 前項の契約は、 国有林野の管理経営に関する法律 第18条第3項 《3 第1項の規定により国有林野を使用する…》 権利を取得させることを内容とする契約以下「共用林野契約」という。の相手方は、当該契約に基いて当該国有林野を使用することができる者以下「共用者」という。の住所地の属する市町村とする。 但し、市町村内の一 に規定する共用林野契約とみなして、同法第5章(同条第1項及び第2項を除く。)の規定を適用する。この場合において、同条第3項本文中「第1項」とあるのは「 アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律 2019年法律第16号第16条第1項 《農林水産大臣は、国有林野の経営と認定市町…》 村第10条第4項に規定する事項を記載した認定アイヌ施策推進地域計画を作成した市町村に限る。以下この項において同じ。の住民の利用とを調整することが土地利用の高度化を図るため必要であると認めるときは、契約 」と、「市町村」とあるのは「 認定市町村 同法第12条第1項に規定する認定市町村をいう。以下同じ。)」と、同項ただし書並びに同法第19条第5号、 第22条第1項 《指定法人は、前条第1号に掲げる業務以下「…》 民族共生象徴空間構成施設管理業務」という。に関する規程以下「民族共生象徴空間構成施設管理業務規程」という。を定め、国土交通大臣及び文部科学大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするとき 及び 第24条 《区分経理 指定法人は、国土交通省令・文…》 部科学省令で定めるところにより、民族共生象徴空間構成施設管理業務に関する経理と民族共生象徴空間構成施設管理業務以外の業務に関する経理とを区分して整理しなければならない。 中「市町村」とあるのは「認定市町村」と、同法第18条第4項中「第1項」とあり、及び同法第21条の二中「 第18条 《商標法の特例 認定アイヌ施策推進地域計…》 画に記載された商品等需要開拓事業については、当該商品等需要開拓事業の実施期間次項及び第3項において単に「実施期間」という。内に限り、次項から第6項までの規定を適用する。 2 特許庁長官は、認定アイヌ施 」とあるのは「 アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律 第16条第1項 《農林水産大臣は、国有林野の経営と認定市町…》 村第10条第4項に規定する事項を記載した認定アイヌ施策推進地域計画を作成した市町村に限る。以下この項において同じ。の住民の利用とを調整することが土地利用の高度化を図るため必要であると認めるときは、契約 」とする。

17条 (漁業法及び水産資源保護法による許可についての配慮)

1項 農林水産大臣又は都道府県知事は、 認定アイヌ施策推進地域計画 に記載された 内水面さけ採捕事業 の実施のため 漁業法 第119条第1項 《農林水産大臣又は都道府県知事は、漁業調整…》 のため、特定の種類の水産動植物であつて農林水産省令若しくは規則で定めるものの採捕を目的として営む漁業若しくは特定の漁業の方法であつて農林水産省令若しくは規則で定めるものにより営む漁業水産動植物の採捕に 若しくは第2項又は 水産資源保護法 1951年法律第313号第4条第1項 《農林水産大臣又は都道府県知事は、水産資源…》 の保護培養のために必要があると認めるときは、次に掲げる事項に関して、農林水産省令又は規則を定めることができる。 1 水産動植物に有害な物の遺棄又は漏せつその他水産動植物に有害な水質の汚濁に関する制限又 の規定に基づく農林水産省令又は都道府県の規則の規定による許可が必要とされる場合において、当該許可を求められたときは、当該内水面さけ採捕事業が円滑に実施されるよう適切な配慮をするものとする。

18条 (商標法の特例)

1項 認定アイヌ施策推進地域計画 に記載された 商品等需要開拓事業 については、当該商品等需要開拓事業の実施期間(次項及び第3項において単に「実施期間」という。)内に限り、次項から第6項までの規定を適用する。

2項 特許庁長官は、 認定アイヌ施策推進地域計画 に記載された 商品等需要開拓事業 に係る商品又は役務に係る地域団体商標の商標登録( 商標法 1959年法律第127号第7条の2第1項 《事業協同組合その他の特別の法律により設立…》 された組合法人格を有しないものを除き、当該特別の法律において、正当な理由がないのに、構成員たる資格を有する者の加入を拒み、又はその加入につき現在の構成員が加入の際に付されたよりも困難な条件を付してはな に規定する地域団体商標の商標登録をいう。以下この項及び次項において同じ。)について、同法第40条第1項若しくは第2項又は第41条の2第1項若しくは第7項の登録料を納付すべき者が当該商品又は役務に係る商品等需要開拓事業の実施主体であるときは、政令で定めるところにより、当該登録料(実施期間内に地域団体商標の商標登録を受ける場合のもの又は実施期間内に地域団体商標の商標登録に係る商標権の存続期間の更新登録の申請をする場合のものに限る。)を軽減し、又は免除することができる。この場合において、同法第18条第2項並びに 第23条第1項 《指定法人は、毎事業年度、事業計画書及び収…》 支予算書を作成し、当該事業年度の開始前に第20条第1項の規定による指定を受けた日の属する事業年度にあっては、その指定を受けた後遅滞なく、国土交通大臣及び文部科学大臣の認可を受けなければならない。 これ 及び第2項の規定の適用については、これらの規定中「納付があつたとき」とあるのは、「納付又はその納付の免除があつたとき」とする。

3項 特許庁長官は、 認定アイヌ施策推進地域計画 に記載された 商品等需要開拓事業 に係る商品又は役務に係る地域団体商標の商標登録について、当該地域団体商標の商標登録を受けようとする者が当該商品又は役務に係る商品等需要開拓事業の実施主体であるときは、政令で定めるところにより、 商標法 第76条第2項 《2 別表の中欄に掲げる者は、それぞれ同表…》 の下欄に掲げる金額の範囲内において政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 の規定により納付すべき商標登録出願の手数料(実施期間内に商標登録出願をする場合のものに限る。)を軽減し、又は免除することができる。

4項 商標法 第40条第1項 《商標権の設定の登録を受ける者は、登録料と…》 して、一件ごとに、32,900円を超えない範囲内で政令で定める額に区分指定商品又は指定役務が属する第6条第2項の政令で定める商品及び役務の区分をいう。以下同じ。の数を乗じて得た額を納付しなければならな 若しくは第2項又は 第41条の2第1項 《商標権の設定の登録を受ける者は、第40条…》 第1項の規定にかかわらず、登録料を分割して納付することができる。 この場合においては、商標登録をすべき旨の査定又は審決の謄本の送達があつた日から30日以内に、一件ごとに、19,100円を超えない範囲内 若しくは第7項の登録料は、商標権が第2項の規定による登録料の軽減又は免除(以下この項において「 減免 」という。)を受ける者を含む者の共有に係る場合であって持分の定めがあるときは、同法第40条第1項若しくは第2項又は第41条の2第1項若しくは第7項の規定にかかわらず、各共有者ごとにこれらに規定する登録料の金額( 減免 を受ける者にあっては、その減免後の金額)にその持分の割合を乗じて得た額を合算して得た額とし、その額を納付しなければならない。

5項 商標登録出願により生じた権利が第3項の規定による商標登録出願の手数料の軽減又は免除(以下この項において「 減免 」という。)を受ける者を含む者の共有に係る場合であって持分の定めがあるときは、これらの者が自己の商標登録出願により生じた権利について 商標法 第76条第2項 《2 別表の中欄に掲げる者は、それぞれ同表…》 の下欄に掲げる金額の範囲内において政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 の規定により納付すべき商標登録出願の手数料は、同項の規定にかかわらず、各共有者ごとに同項に規定する商標登録出願の手数料の金額( 減免 を受ける者にあっては、その減免後の金額)にその持分の割合を乗じて得た額を合算して得た額とし、その額を納付しなければならない。

6項 前2項の規定により算定した登録料又は手数料の金額に10円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てるものとする。

19条 (地方債についての配慮)

1項 認定市町村 認定アイヌ施策推進地域計画 に基づいて行う事業に要する経費に充てるため起こす地方債については、国は、当該認定市町村の財政状況が許す限り起債ができるよう、及び資金事情が許す限り財政融資資金をもって引き受けるよう特別の配慮をするものとする。

6章 指定法人

20条 (指定等)

1項 国土交通大臣及び文部科学大臣は、 アイヌ文化 の振興等を目的とする一般社団法人又は一般財団法人であって、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国を通じて1に限り、同条に規定する業務を行う者として指定することができる。

2項 国土交通大臣及び文部科学大臣は、前項の申請をした者が次の各号のいずれかに該当するときは、同項の規定による指定をしてはならない。

1号 この法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者であること。

2号 第30条第1項 《国土交通大臣及び文部科学大臣は、指定法人…》 が次の各号のいずれかに該当するときは、第20条第1項の規定による指定を取り消すことができる。 1 この法律又はこの法律に基づく命令に違反したとき。 2 第21条に規定する業務を適正かつ確実に実施するこ の規定により指定を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者であること。

3号 その役員のうちに、次のいずれかに該当する者があること。

拘禁刑以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者

第27条第2項 《2 国土交通大臣及び文部科学大臣は、指定…》 法人の第21条に規定する業務に従事する役員が、この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分若しくは民族共生象徴空間構成施設管理業務規程に違反する行為をしたとき、同条に規定する業務に関 の規定による命令により解任され、その解任の日から2年を経過しない者

3項 国土交通大臣及び文部科学大臣は、第1項の規定による指定をしたときは、当該指定を受けた者(以下「 指定法人 」という。)の名称、住所及び事務所の所在地を公示しなければならない。

4項 指定法人 は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣及び文部科学大臣に届け出なければならない。

5項 国土交通大臣及び文部科学大臣は、前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。

21条 (業務)

1項 指定法人 は、次に掲げる業務を行うものとする。

1号 第9条第1項 《国土交通大臣及び文部科学大臣は、第20条…》 第1項の規定による指定をしたときは、民族共生象徴空間構成施設の管理を当該指定を受けた者次項において「指定法人」という。に委託するものとする。 の規定による委託を受けて 民族共生象徴空間構成施設 の管理を行うこと。

2号 アイヌ文化 を継承する者の育成その他のアイヌ文化の振興に関する業務を行うこと。

3号 アイヌの伝統等 に関する広報活動その他のアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発を行うこと。

4号 アイヌ文化 の振興等に資する調査研究を行うこと。

5号 アイヌ文化 の振興、 アイヌの伝統等 に関する知識の普及及び啓発又はアイヌ文化の振興等に資する調査研究を行う者に対して、助言、助成その他の援助を行うこと。

6号 前各号に掲げるもののほか、 アイヌ文化 の振興等を図るために必要な業務を行うこと。

22条 (民族共生象徴空間構成施設管理業務規程)

1項 指定法人 は、前条第1号に掲げる業務(以下「 民族共生象徴空間構成施設管理業務 」という。)に関する規程(以下「 民族共生象徴空間構成施設管理業務規程 」という。)を定め、国土交通大臣及び文部科学大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2項 民族共生象徴空間構成施設 管理業務規程には、民族共生象徴空間構成施設管理業務の実施の方法、民族共生象徴空間構成施設の 入場料等 その他の国土交通省令・文部科学省令で定める事項を定めておかなければならない。

3項 国土交通大臣及び文部科学大臣は、第1項の認可をした 民族共生象徴空間構成施設 管理業務規程が民族共生象徴空間構成施設管理業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、 指定法人 に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。

23条 (事業計画等)

1項 指定法人 は、毎事業年度、事業計画書及び収支予算書を作成し、当該事業年度の開始前に( 第20条第1項 《国土交通大臣及び文部科学大臣は、アイヌ文…》 化の振興等を目的とする一般社団法人又は一般財団法人であって、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国を通じて1に限り、同条に規定する業務を行う者として の規定による指定を受けた日の属する事業年度にあっては、その指定を受けた後遅滞なく)、国土交通大臣及び文部科学大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2項 指定法人 は、毎事業年度、事業報告書及び収支決算書を作成し、当該事業年度の終了後3月以内に国土交通大臣及び文部科学大臣に提出しなければならない。

24条 (区分経理)

1項 指定法人 は、国土交通省令・文部科学省令で定めるところにより、 民族共生象徴空間構成施設 管理業務に関する経理と民族共生象徴空間構成施設管理業務以外の業務に関する経理とを区分して整理しなければならない。

25条 (国派遣職員に係る特例)

1項 国家公務員法 1947年法律第120号第106条の2第3項 《前項第2号の「退職手当通算法人」とは、独…》 立行政法人独立行政法人通則法第2条第1項に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。その他特別の法律により設立された法人でその業務が国の事務又は事業と密接な関連を有するもののうち政令で定めるもの退職手当こ に規定する退職手当通算法人には、 指定法人 を含むものとする。

2項 国派遣職員( 国家公務員法 第2条 《一般職及び特別職 国家公務員の職は、こ…》 れを一般職と特別職とに分つ。 一般職は、特別職に属する職以外の国家公務員の一切の職を包含する。 特別職は、次に掲げる職員の職とする。 1 内閣総理大臣 2 国務大臣 3 人事官及び検査官 4 内閣法制 に規定する一般職に属する職員が、任命権者又はその委任を受けた者の要請に応じ、 指定法人 の職員(常時勤務に服することを要しない者を除き、 第21条 《権限の委任 人事院又は内閣総理大臣は、…》 それぞれ人事院規則又は政令の定めるところにより、この法律に基づく権限の一部を他の機関をして行なわせることができる。 この場合においては、人事院又は内閣総理大臣は、当該事務に関し、他の機関の長を指揮監督 に規定する業務に従事する者に限る。以下この項において同じ。)となるため退職し、引き続いて当該指定法人の職員となり、引き続き当該指定法人の職員として在職している場合における当該指定法人の職員をいう。次項において同じ。)は、 国家公務員退職手当法 1953年法律第182号第7条 《勤続期間の計算 退職手当の算定の基礎と…》 なる勤続期間の計算は、職員としての引き続いた在職期間による。 2 前項の規定による在職期間の計算は、職員となつた日の属する月から退職した日の属する月までの月数による。 3 職員が退職した場合第12条第 の二及び 第20条第3項 《3 職員が第7条の2第1項の規定に該当す…》 る退職をし、かつ、引き続いて公庫等職員となつた場合又は同条第2項の規定に該当する職員が退職し、かつ、引き続いて公庫等職員となつた場合においては、政令で定める場合を除き、この法律の規定による退職手当は、 の規定の適用については、同法第7条の2第1項に規定する公庫等職員とみなす。

3項 指定法人 又は国派遣職員は、 国家公務員共済組合法 1958年法律第128号第124条の2 《公庫等に転出した継続長期組合員についての…》 特例 組合員長期給付に関する規定の適用を受けない者を除く。が任命権者若しくはその委任を受けた者の要請に応じ、引き続いて沖縄振興開発金融公庫その他特別の法律により設立された法人でその業務が国若しくは地 の規定の適用については、それぞれ同条第1項に規定する公庫等又は公庫等職員とみなす。

26条 (職員の派遣等についての配慮)

1項 前条に規定するもののほか、国は、 指定法人 が行う 第21条 《業務 指定法人は、次に掲げる業務を行う…》 ものとする。 1 第9条第1項の規定による委託を受けて民族共生象徴空間構成施設の管理を行うこと。 2 アイヌ文化を継承する者の育成その他のアイヌ文化の振興に関する業務を行うこと。 3 アイヌの伝統等に に規定する業務の適正かつ確実な遂行を図るため必要があると認めるときは、職員の派遣その他の適当と認める人的援助について必要な配慮を加えるよう努めるものとする。

27条 (役員の選任及び解任)

1項 指定法人 第21条 《業務 指定法人は、次に掲げる業務を行う…》 ものとする。 1 第9条第1項の規定による委託を受けて民族共生象徴空間構成施設の管理を行うこと。 2 アイヌ文化を継承する者の育成その他のアイヌ文化の振興に関する業務を行うこと。 3 アイヌの伝統等に に規定する業務に従事する役員の選任及び解任は、国土交通大臣及び文部科学大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2項 国土交通大臣及び文部科学大臣は、 指定法人 第21条 《業務 指定法人は、次に掲げる業務を行う…》 ものとする。 1 第9条第1項の規定による委託を受けて民族共生象徴空間構成施設の管理を行うこと。 2 アイヌ文化を継承する者の育成その他のアイヌ文化の振興に関する業務を行うこと。 3 アイヌの伝統等に に規定する業務に従事する役員が、この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分若しくは 民族共生象徴空間構成施設 管理業務規程に違反する行為をしたとき、同条に規定する業務に関し著しく不適当な行為をしたとき、又はその在任により指定法人が 第20条第2項第3号 《2 国土交通大臣及び文部科学大臣は、前項…》 の申請をした者が次の各号のいずれかに該当するときは、同項の規定による指定をしてはならない。 1 この法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経 に該当することとなるときは、指定法人に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。

28条 (報告の徴収及び立入検査)

1項 国土交通大臣及び文部科学大臣は、この法律の施行に必要な限度において、 指定法人 に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、指定法人の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2項 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3項 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

29条 (監督命令)

1項 国土交通大臣及び文部科学大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、 指定法人 に対し、 第21条 《業務 指定法人は、次に掲げる業務を行う…》 ものとする。 1 第9条第1項の規定による委託を受けて民族共生象徴空間構成施設の管理を行うこと。 2 アイヌ文化を継承する者の育成その他のアイヌ文化の振興に関する業務を行うこと。 3 アイヌの伝統等に に規定する業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

30条 (指定の取消し等)

1項 国土交通大臣及び文部科学大臣は、 指定法人 が次の各号のいずれかに該当するときは、 第20条第1項 《国土交通大臣及び文部科学大臣は、アイヌ文…》 化の振興等を目的とする一般社団法人又は一般財団法人であって、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国を通じて1に限り、同条に規定する業務を行う者として の規定による指定を取り消すことができる。

1号 この法律又はこの法律に基づく命令に違反したとき。

2号 第21条 《業務 指定法人は、次に掲げる業務を行う…》 ものとする。 1 第9条第1項の規定による委託を受けて民族共生象徴空間構成施設の管理を行うこと。 2 アイヌ文化を継承する者の育成その他のアイヌ文化の振興に関する業務を行うこと。 3 アイヌの伝統等に に規定する業務を適正かつ確実に実施することができないおそれがある者となったとき。

3号 第22条第1項 《指定法人は、前条第1号に掲げる業務以下「…》 民族共生象徴空間構成施設管理業務」という。に関する規程以下「民族共生象徴空間構成施設管理業務規程」という。を定め、国土交通大臣及び文部科学大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするとき の規定により認可を受けた 民族共生象徴空間構成施設 管理業務規程によらないで民族共生象徴空間構成施設管理業務を行ったとき。

4号 第22条第3項 《3 国土交通大臣及び文部科学大臣は、第1…》 項の認可をした民族共生象徴空間構成施設管理業務規程が民族共生象徴空間構成施設管理業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、指定法人に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。第27条第2項 《2 国土交通大臣及び文部科学大臣は、指定…》 法人の第21条に規定する業務に従事する役員が、この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分若しくは民族共生象徴空間構成施設管理業務規程に違反する行為をしたとき、同条に規定する業務に関 又は前条の規定による命令に違反したとき。

5号 不当に 民族共生象徴空間構成施設 管理業務を実施しなかったとき。

2項 国土交通大臣及び文部科学大臣は、前項の規定により 第20条第1項 《国土交通大臣及び文部科学大臣は、アイヌ文…》 化の振興等を目的とする一般社団法人又は一般財団法人であって、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国を通じて1に限り、同条に規定する業務を行う者として の規定による指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。

31条 (指定を取り消した場合における経過措置)

1項 前条第1項の規定により 第20条第1項 《国土交通大臣及び文部科学大臣は、アイヌ文…》 化の振興等を目的とする一般社団法人又は一般財団法人であって、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国を通じて1に限り、同条に規定する業務を行う者として の規定による指定を取り消した場合において、国土交通大臣及び文部科学大臣がその取消し後に新たに 指定法人 を指定したときは、取消しに係る指定法人の 民族共生象徴空間構成施設 管理業務に係る財産は、新たに指定を受けた指定法人に帰属する。

2項 前項に定めるもののほか、前条第1項の規定により 第20条第1項 《国土交通大臣及び文部科学大臣は、アイヌ文…》 化の振興等を目的とする一般社団法人又は一般財団法人であって、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国を通じて1に限り、同条に規定する業務を行う者として の規定による指定を取り消した場合における 民族共生象徴空間構成施設 管理業務に係る財産の管理その他所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、合理的に必要と判断される範囲内において、政令で定めることができる。

7章 アイヌ政策推進本部

32条 (設置)

1項 アイヌ施策 を総合的かつ効果的に推進するため、内閣に、アイヌ政策推進 本部 以下「 本部 」という。)を置く。

33条 (所掌事務)

1項 本部 は、次に掲げる事務をつかさどる。

1号 基本方針 の案の作成に関すること。

2号 基本方針 の実施を推進すること。

3号 前2号に掲げるもののほか、 アイヌ施策 で重要なものの企画及び立案並びに総合調整に関すること。

34条 (組織)

1項 本部 は、アイヌ政策推進本部長、アイヌ政策推進副本部長及びアイヌ政策推進本部員をもって組織する。

35条 (アイヌ政策推進本部長)

1項 本部 の長は、アイヌ政策推進本部長(以下「 本部長 」という。)とし、内閣官房長官をもって充てる。

2項 本部 長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。

36条 (アイヌ政策推進副本部長)

1項 本部 に、アイヌ政策推進 副本部長 次項及び次条第2項において「 副本部長 」という。)を置き、国務大臣をもって充てる。

2項 副本部長 は、 本部 長の職務を助ける。

37条 (アイヌ政策推進本部員)

1項 本部 に、アイヌ政策推進本部員(次項において「 本部員 」という。)を置く。

2項 本部 員は、次に掲げる者(第1号から第8号までに掲げる者にあっては、 副本部長 に充てられたものを除く。)をもって充てる。

1号 法務大臣

2号 外務大臣

3号 文部科学大臣

4号 厚生労働大臣

5号 農林水産大臣

6号 経済産業大臣

7号 国土交通大臣

8号 環境大臣

9号 前各号に掲げる者のほか、 本部 及び 副本部長 以外の国務大臣のうちから、本部の所掌事務を遂行するために特に必要があると認める者として内閣総理大臣が指定する者

38条 (資料の提出その他の協力)

1項 本部 は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関、地方公共団体、独立行政法人( 独立行政法人通則法 1999年法律第103号第2条第1項 《この法律において「独立行政法人」とは、国…》 民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体に委ねた場合には必ずしも実施されないおそ に規定する独立行政法人をいう。及び地方独立行政法人( 地方独立行政法人法 2003年法律第118号第2条第1項 《この法律において「地方独立行政法人」とは…》 、住民の生活、地域社会及び地域経済の安定等の公共上の見地からその地域において確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、地方公共団体が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主 に規定する地方独立行政法人をいう。)の長並びに特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、 総務省設置法 1999年法律第91号第4条第1項第8号 《総務省は、前条第1項の任務を達成するため…》 、次に掲げる事務をつかさどる。 1 恩給制度に関する企画及び立案に関すること。 2 恩給を受ける権利の裁定並びに恩給の支給及び負担に関すること。 3 行政制度一般に関する基本的事項の企画及び立案に関す の規定の適用を受けるものをいう。)の代表者に対して、資料の提出、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。

2項 本部 は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。

39条 (事務)

1項 本部 に関する事務は、内閣官房において処理し、命を受けて内閣官房副長官補が掌理する。

40条 (主任の大臣)

1項 本部 に係る事項については、 内閣法 1947年法律第5号)にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。

41条 (政令への委任)

1項 この法律に定めるもののほか、 本部 に関し必要な事項は、政令で定める。

8章 雑則

42条 (権限の委任)

1項 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、その一部を北海道開発局長に委任することができる。

2項 第16条 《国有林野における共用林野の設定 農林水…》 産大臣は、国有林野の経営と認定市町村第10条第4項に規定する事項を記載した認定アイヌ施策推進地域計画を作成した市町村に限る。以下この項において同じ。の住民の利用とを調整することが土地利用の高度化を図る の規定による農林水産大臣の権限は、農林水産省令で定めるところにより、その一部を森林管理局長に委任することができる。

3項 前項の規定により森林管理局長に委任された権限は、農林水産省令で定めるところにより、森林管理署長に委任することができる。

43条 (命令への委任)

1項 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、命令で定める。

44条 (罰則)

1項 第28条第1項 《国土交通大臣及び文部科学大臣は、この法律…》 の施行に必要な限度において、指定法人に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、指定法人の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることがで の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して陳述せず、若しくは虚偽の陳述をした者は、310,000円以下の罰金に処する。

2項 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。

45条

1項 第29条 《監督命令 国土交通大臣及び文部科学大臣…》 は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定法人に対し、第21条に規定する業務に関し監督上必要な命令をすることができる。 の規定による命令に違反した者は、510,000円以下の過料に処する。

《本則》 ここまで 附則 >  

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