人事院規則10―一六(パワー・ハラスメントの防止等)《本則》

法番号:2020年人事院規則10―16

略称:

附則 >  

制定文 人事院は、 国家公務員法 1947年法律第120号)に基づき、パワー・ハラスメントの防止等に関し次の人事院規則を制定する。


1条 (趣旨)

1項 この規則は、人事行政の公正の確保、職員の利益の保護及び職員の能率の発揮を目的として、パワー・ハラスメントの防止のための措置及びパワー・ハラスメントが行われた場合に適切に対応するための措置に関し、必要な事項を定めるものとする。

2条 (定義)

1項 この規則において、「パワー・ハラスメント」とは、職務に関する優越的な関係を背景として行われる、業務上必要かつ相当な範囲を超える言動であって、職員に精神的若しくは身体的な苦痛を与え、職員の人格若しくは尊厳を害し、又は職員の勤務環境を害することとなるようなものをいう。

3条 (人事院の責務)

1項 人事院は、パワー・ハラスメントの防止及びパワー・ハラスメントが行われた場合の対応(以下「 パワー・ハラスメントの防止等 」という。)に関する施策についての企画立案を行うとともに、各省各庁の長が パワー・ハラスメントの防止等 のために実施する措置に関する調整、指導及び助言に当たらなければならない。

4条 (各省各庁の長の責務)

1項 各省各庁の長は、職員がその能率を充分に発揮できるような勤務環境を確保するため、パワー・ハラスメントの防止に関し、必要な措置を講ずるとともに、パワー・ハラスメントが行われた場合においては、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。

2項 各省各庁の長は、当該各省各庁に属する職員が他の各省各庁に属する職員(以下「 他省庁の職員 」という。)からパワー・ハラスメントを受けたとされる場合には、当該 他省庁の職員 に係る各省各庁の長に対し、当該他省庁の職員に対する調査を行うよう要請するとともに、必要に応じて当該他省庁の職員に対する指導等の対応を行うよう求めなければならない。この場合において、当該調査又は対応を行うよう求められた各省各庁の長は、これに応じて必要と認める協力を行わなければならない。

3項 各省各庁の長は、パワー・ハラスメントに関する苦情の申出、当該苦情等に係る調査への協力その他パワー・ハラスメントが行われた場合の職員の対応に起因して当該職員が職場において不利益を受けることがないようにしなければならない。

5条 (職員の責務)

1項 職員は、パワー・ハラスメントをしてはならない。

2項 職員は、次条第1項の指針を十分認識して行動するよう努めなければならない。

3項 管理又は監督の地位にある職員は、パワー・ハラスメントの防止のため、良好な勤務環境を確保するよう努めるとともに、パワー・ハラスメントに関する苦情の申出及び相談(以下「 苦情相談 」という。)が職員からなされた場合には、 苦情相談 に係る問題を解決するため、迅速かつ適切に対処しなければならない。

6条 (職員に対する指針)

1項 人事院は、パワー・ハラスメントを防止しパワー・ハラスメントに関する問題を解決するために職員が認識すべき事項について、指針を定めるものとする。

2項 各省各庁の長は、職員に対し、前項の指針の周知徹底を図らなければならない。

7条 (研修等)

1項 各省各庁の長は、 パワー・ハラスメントの防止等 のため、職員の意識の啓発及び知識の向上を図らなければならない。

2項 各省各庁の長は、 パワー・ハラスメントの防止等 のため、職員に対し、研修を実施しなければならない。この場合において、特に、新たに職員となった者にパワー・ハラスメントに関する基本的な事項について理解させること並びに昇任した職員にパワー・ハラスメントの防止等に関し昇任後の役職段階ごとに求められる役割及び技能について理解させることに留意するものとする。

3項 人事院は、各省各庁の長が前2項の規定により実施する研修等の調整及び指導に当たるとともに、自ら実施することが適当と認められる パワー・ハラスメントの防止等 のための研修について計画を立て、その実施に努めるものとする。

8条 (苦情相談への対応)

1項 各省各庁の長は、人事院の定めるところにより、パワー・ハラスメントに関する 苦情相談 が職員からなされた場合に対応するため、苦情相談を受ける職員(以下「 相談員 」という。)を配置し、 相談員 が苦情相談を受ける日時及び場所を指定する等必要な体制を整備しなければならない。この場合において、各省各庁の長は、苦情相談を受ける体制を職員に対して明示するものとする。

2項 相談員 は、次条第1項の指針に十分留意して、 苦情相談 に係る問題を迅速かつ適切に解決するよう努めるものとする。

3項 職員は、 相談員 に対して 苦情相談 を行うほか、人事院に対しても苦情相談を行うことができる。この場合において、人事院は、苦情相談を行った職員等から事情の聴取を行う等の必要な調査を行い、当該職員等に対して指導、助言及び必要なあっせん等を行うものとする。

9条 (苦情相談に関する指針)

1項 人事院は、 相談員 がパワー・ハラスメントに関する 苦情相談 に対応するに当たり留意すべき事項について、指針を定めるものとする。

2項 各省各庁の長は、 相談員 に対し、前項の指針の周知徹底を図らなければならない。

《本則》 ここまで 附則 >  

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