1条 (目的)
1項 この法律は、我が国の大学の国際競争力の強化及びイノベーションの創出( 科学技術・イノベーション基本法 (1995年法律第130号)
第2条第1項
《この法律において「イノベーションの創出」…》
とは、科学的な発見又は発明、新商品又は新役務の開発その他の創造的活動を通じて新たな価値を生み出し、これを普及することにより、経済社会の大きな変化を創出することをいう。
に規定するイノベーションの創出をいう。
第3条第2項第5号
《2 科学技術・イノベーション創出の振興に…》
当たっては、広範な分野における各分野の特性を踏まえた均衡のとれた研究開発能力の涵かん養、学際的又は総合的な研究開発の推進、基礎研究、応用研究及び開発研究の調和のとれた発展、学術研究及び学術研究以外の研
において同じ。)の促進を図るためには、国際的に卓越した研究の展開及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が相当程度見込まれる大学について研究及び研究成果の活用のための体制を強化することが重要であることに鑑み、当該体制の強化の推進に関する基本的な方針の作成、国際卓越研究大学(
第4条第5項
《5 文部科学大臣は、第1項の認定をしたと…》
きは、遅滞なく、当該認定を受けた大学以下「国際卓越研究大学」という。の名称その他文部科学省令で定める事項を公表しなければならない。
に規定する国際卓越研究大学をいう。以下この条において同じ。)の認定、国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化を目的とする事業の実施に関する計画の認可、当該事業に関する国立研究開発法人科学技術振興 機構 (以下「 機構 」という。)による助成等について定め、もって科学技術の水準の向上並びに学術及び社会の発展に寄与することを目的とする。
2条 (大学における教育及び研究の特性への配慮)
1項 国は、この法律の運用に当たっては、研究者の自主性の尊重その他の大学における教育及び研究の特性に常に配慮しなければならない。
3条 (基本方針)
1項 文部科学大臣は、国際的に卓越した研究の展開及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が相当程度見込まれる大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化の推進に関する基本的な方針(以下「 基本方針 」という。)を定めるものとする。
2項 基本方針 には、次に掲げる事項を定めるものとする。
1号 国際的に卓越した研究の展開及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が相当程度見込まれる大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化の推進の意義及び目標に関する事項
2号 次条第1項の国際的に卓越した研究の展開及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が相当程度見込まれる大学であることの認定に関する基本的な事項
3号 第5条第1項
《国際卓越研究大学の設置者は、当該国際卓越…》
研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化を目的とする次項第2号イからホまでに掲げる事業の実施に関する計画以下この条において「国際卓越研究大学研究等体制強化計画」という。を作成し、文部科学省令
に規定する国際卓越研究大学研究等体制強化計画についての同項の認可に関する基本的な事項
4号 第7条
《機構の助成 機構は、認可設置者が設置す…》
る国際卓越研究大学に対し、次条第1項に規定する実施方針に従って、認可計画に記載された第5条第2項第2号イからホまでに掲げる事業に関する助成次条第1項において「国際卓越研究大学研究等体制強化助成」という
に規定する国際卓越研究大学研究等体制強化助成に関し、 機構 が遵守すべき基本的な事項
5号 科学技術の振興及びイノベーションの創出の促進に関する施策その他の関連する施策との連携に関する基本的な事項
6号 その他国際的に卓越した研究の展開及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が相当程度見込まれる大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化の推進に関する重要事項
3項 基本方針 は、 科学技術・イノベーション基本法
第12条第1項
《政府は、科学技術・イノベーション創出の振…》
興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、科学技術・イノベーション創出の振興に関する基本的な計画以下この条において「科学技術・イノベーション基本計画」という。を策定しなければならない。
に規定する科学技術・イノベーション基本計画との調和が保たれたものでなければならない。
4項 文部科学大臣は、 基本方針 を定め、又は変更しようとするときは、関係行政機関の長に協議するとともに、総合科学技術・イノベーション会議の意見を聴かなければならない。
5項 文部科学大臣は、 基本方針 を定め、又は変更したときは、当該基本方針を公表しなければならない。
4条 (国際卓越研究大学の認定)
1項 大学の設置者は、申請により、当該大学が国際的に卓越した研究の展開及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が相当程度見込まれるものであることの文部科学大臣の認定を受けることができる。
2項 前項の認定を受けようとする大学の設置者は、文部科学省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書に、次項各号のいずれにも該当していることを証する書類を添えて、文部科学大臣に提出しなければならない。
1号 認定を受けようとする大学の設置者の名称及び主たる事務所の所在地
2号 認定を受けようとする大学の名称及び所在地
3号 その他文部科学省令で定める事項
3項 文部科学大臣は、第1項の認定の申請があった場合において、その申請に係る大学が次の各号のいずれにも該当していると認めるときは、その認定をするものとする。
1号 国際的に卓越した研究の実績として文部科学省令で定めるものを有していること。
2号 経済社会に変化をもたらす研究成果の活用の実績として文部科学省令で定めるものを有していること。
3号 先端的、学際的又は総合的な研究の実施に係る教員組織及び研究環境が整備されていることその他研究の体制が国際的に卓越した研究を展開するために必要なものとして文部科学省令で定める基準に適合していること。
4号 大学の研究成果の提供を受けて当該成果を実用化しようとする民間事業者との連携協力のための体制が確保されていることその他研究成果の活用の体制が研究成果の経済社会における活用を促進するために必要なものとして文部科学省令で定める基準に適合していること。
5号 国内外の先端的な研究及び研究成果を活用した新たな事業の創出の動向、社会の要請その他の大学を取り巻く状況を踏まえて研究及び研究成果の活用に必要な資金及び人材の確保及び配分並びに知的財産権の取得及び活用を行う体制が構築されていることその他運営体制が研究及び研究成果の活用を計画的に推進するために必要なものとして文部科学省令で定める基準に適合していること。
6号 研究に関する業務の執行と管理運営に関する業務の執行との役割分担が適切に行われていることその他業務執行体制が研究及び研究成果の活用を組織的に推進するために必要なものとして文部科学省令で定める基準に適合していること。
7号 国際的に卓越した研究及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用を持続的に発展させるために必要な財政基盤として文部科学省令で定めるものを有していること。
4項 文部科学大臣は、第1項の認定をしようとするときは、総合科学技術・イノベーション会議及び科学技術・学術審議会の意見を聴かなければならない。
5項 文部科学大臣は、第1項の認定をしたときは、遅滞なく、当該認定を受けた大学(以下「 国際卓越研究大学 」という。)の名称その他文部科学省令で定める事項を公表しなければならない。
6項 文部科学大臣は、 国際卓越研究大学 が第3項各号のいずれかに該当しなくなったと認めるときは、第1項の認定を取り消すことができる。
7項 第4項及び第5項の規定は、前項の規定による認定の取消しについて準用する。
5条 (国際卓越研究大学研究等体制強化計画の認可等)
1項 国際卓越研究大学 の設置者は、当該国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化を目的とする次項第2号イからホまでに掲げる事業の実施に関する計画(以下この条において「 国際卓越研究大学研究等体制強化計画 」という。)を作成し、文部科学省令で定めるところにより、文部科学大臣に提出して、その認可を受けることができる。
2項 国際卓越研究大学 研究等体制強化計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
1号 研究及び研究成果の活用のための体制の強化の目標
2号 前号の目標を達成するために行う次に掲げる事業の内容、実施方法及び実施時期
イ 国際的に卓越した科学技術に関する研究環境の整備充実
ロ 優秀な若年の研究者の育成及び活躍の推進に資する活動
ハ 国際的に卓越した能力を有する研究者及び研究の支援又は研究成果の活用のために必要な技術者その他の文部科学省令で定める人材(ニにおいて「 技術者等 」という。)の確保
ニ 技術者等 の育成に資する活動
ホ 研究成果の活用のために必要な事業を行うための環境の整備充実
3号 前号イからホまでに掲げる事業を実施するために必要な資金の額及びその調達方法
4号 その他文部科学省令で定める事項
3項 文部科学大臣は、第1項の認可の申請があった場合において、その申請に係る 国際卓越研究大学 研究等体制強化計画が次の各号のいずれにも該当するものであると認めるときは、その認可をするものとする。
1号 基本方針 に適合するものであること。
2号 円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
3号 当該 国際卓越研究大学 の研究及び研究成果の活用のための体制の強化に資するものであること。
4項 文部科学大臣は、第1項の認可をしようとするときは、内閣総理大臣及び財務大臣に協議するとともに、総合科学技術・イノベーション会議及び科学技術・学術審議会の意見を聴かなければならない。
5項 文部科学大臣は、第1項の認可をしたときは、文部科学省令で定めるところにより、当該認可に係る 国際卓越研究大学 研究等体制強化計画の概要を公表しなければならない。
6項 第1項の認可を受けた 国際卓越研究大学 の設置者(以下「 認可設置者 」という。)は、当該認可に係る国際卓越研究大学研究等体制強化計画を変更しようとするときは、文部科学省令で定めるところにより、文部科学大臣の認可を受けなければならない。
7項 第3項から第5項までの規定は、前項の規定による変更の認可について準用する。
8項 認可設置者 は、第1項の認可に係る 国際卓越研究大学 研究等体制強化計画(第6項の規定による変更の認可があったときは、その変更後のもの。以下「 認可計画 」という。)に従い、第2項第2号イからホまでに掲げる事業を実施しなければならない。
6条 (機構の業務の特例)
1項 機構 は、次に掲げる業務を行うことができる。
1号 認可設置者 が設置する 国際卓越研究大学 に対し、前条第2項第2号ハからホまでに掲げる事業に関する助成を行うこと。
2号 前号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
7条 (機構の助成)
1項 機構 は、 認可設置者 が設置する 国際卓越研究大学 に対し、次条第1項に規定する実施方針に従って、 認可計画 に記載された
第5条第2項第2号
《2 国際卓越研究大学研究等体制強化計画に…》
は、次に掲げる事項を記載しなければならない。 1 研究及び研究成果の活用のための体制の強化の目標 2 前号の目標を達成するために行う次に掲げる事業の内容、実施方法及び実施時期 イ 国際的に卓越した科学
イからホまでに掲げる事業に関する助成(次条第1項において「 国際卓越研究大学研究等体制強化助成 」という。)を行わなければならない。
8条 (国際卓越研究大学研究等体制強化助成の実施に関する方針)
1項 機構 は、 基本方針 に即して、文部科学省令で定めるところにより、 国際卓越研究大学 研究等体制強化助成の実施方法及び実施条件その他の国際卓越研究大学研究等体制強化助成の実施に必要な事項に関する方針(以下この項及び第3項において「 実施方針 」という。)を定め、文部科学大臣の認可を受けなければならない。 実施方針 を変更しようとするときも、同様とする。
2項 文部科学大臣は、前項の認可をしようとするときは、内閣総理大臣及び財務大臣に協議するとともに、総合科学技術・イノベーション会議の意見を聴かなければならない。
3項 機構 は、第1項の認可を受けたときは、その 実施方針 を公表しなければならない。
9条 (定期報告)
1項 認可設置者 は、文部科学省令で定めるところにより、定期的に、 認可計画 の実施状況について、文部科学大臣に報告しなければならない。
10条 (報告又は資料の提出)
1項 文部科学大臣は、 認可計画 の円滑かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、 認可設置者 に対し、認可計画の実施状況に関し、報告又は資料の提出を求めることができる。
11条 (認可計画の認可の取消し)
1項 文部科学大臣は、 認可設置者 が次の各号のいずれかに該当するときは、
第5条第1項
《国際卓越研究大学の設置者は、当該国際卓越…》
研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化を目的とする次項第2号イからホまでに掲げる事業の実施に関する計画以下この条において「国際卓越研究大学研究等体制強化計画」という。を作成し、文部科学省令
の認可を取り消すことができる。
1号 認可計画 が
第5条第3項
《3 文部科学大臣は、第1項の認可の申請が…》
あった場合において、その申請に係る国際卓越研究大学研究等体制強化計画が次の各号のいずれにも該当するものであると認めるときは、その認可をするものとする。 1 基本方針に適合するものであること。 2 円滑
各号のいずれかに該当しなくなったと認めるとき。
2号 第5条第6項
《6 第1項の認可を受けた国際卓越研究大学…》
の設置者以下「認可設置者」という。は、当該認可に係る国際卓越研究大学研究等体制強化計画を変更しようとするときは、文部科学省令で定めるところにより、文部科学大臣の認可を受けなければならない。
の規定による認可を受けないで 認可計画 を変更したとき。
3号 認可計画 に従って
第5条第2項第2号
《2 国際卓越研究大学研究等体制強化計画に…》
は、次に掲げる事項を記載しなければならない。 1 研究及び研究成果の活用のための体制の強化の目標 2 前号の目標を達成するために行う次に掲げる事業の内容、実施方法及び実施時期 イ 国際的に卓越した科学
イからホまでに掲げる事業を実施していないと認めるとき。
4号 第9条
《定期報告 認可設置者は、文部科学省令で…》
定めるところにより、定期的に、認可計画の実施状況について、文部科学大臣に報告しなければならない。
の規定に違反したとき。
5号 前条の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。
2項 第5条第4項
《4 文部科学大臣は、第1項の認可をしよう…》
とするときは、内閣総理大臣及び財務大臣に協議するとともに、総合科学技術・イノベーション会議及び科学技術・学術審議会の意見を聴かなければならない。
の規定は、前項の規定による認可の取消しについて準用する。
3項 文部科学大臣は、第1項の規定による認可の取消しをしたときは、遅滞なく、その旨を公表しなければならない。
12条 (国の援助)
1項 国は、 認可設置者 に対し、 認可計画 の円滑かつ確実な実施に関し必要な助言その他の援助を行うものとする。