在外教育施設における教育の振興に関する法律《本則》

法番号:2022年法律第73号

略称:

附則 >  

1章 総則

1条 (目的)

1項 この法律は、在外教育施設が海外に在留する邦人である子(以下「 在留邦人の子 」という。)の教育を受ける機会の確保を図る上で重要な役割を果たしていることに鑑み、及び在外教育施設における教育を取り巻く環境の変化に対応するため、在外教育施設における教育の振興に関し、基本理念を定め、及び国の責務を明らかにするとともに、基本方針の策定その他在外教育施設における教育の振興に関する施策の基本となる事項を定めることにより、在外教育施設における教育の振興に関する施策を総合的かつ効果的に推進し、もって次代の社会を担い、及び国際社会で活躍することができる豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成に資するとともに、国際相互理解の増進に寄与することを目的とする。

2条 (定義)

1項 この法律において「 学校 」とは、 学校 教育法(1947年法律第26号)第1条に規定する小学校、中学校又は高等学校をいう。

2項 この法律において「 在外教育施設 」とは、 在留邦人の子 のために海外に設置された教育施設であって、次のいずれかに該当するものをいう。

1号 学校 に相当するものとして文部科学大臣が告示する教育施設

2号 前号に掲げるもののほか、 学校 における教育課程の一部を行う教育施設であって、 在留邦人の子 の心身の発達に応じて体系的な教育を組織的に行うために必要なものとして、次に掲げる事項に関し外務大臣が定める基準に適合するもの

教育施設の設置者

教育施設における国語教育その他教育の内容

教育施設に在籍する 在留邦人の子 の数

教育施設の教職員の確保の状況

教育施設の運営の体制

3条 (基本理念)

1項 在外教育施設 における教育の振興は、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならない。

1号 在留邦人の子 の教育を受ける機会の確保に万全を期すること。

2号 在外教育施設 における教育環境と 学校 における教育環境が同等の水準となることが確保されることを旨とすること。

3号 在留邦人の子 の異なる文化を尊重する態度のかん養と我が国に対する諸外国の理解の増進が図られるようにすること。

4条 (国の責務)

1項 国は、前条の基本理念にのっとり、 在外教育施設 における教育の振興に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

5条 (連携の強化)

1項 国は、 在外教育施設 における教育の振興に関する施策が円滑に実施されるよう、関係省庁相互間その他関係機関、在外教育施設の設置者等の間の連携の強化その他必要な体制の整備に努めるものとする。

6条 (財政上の措置等)

1項 政府は、 在外教育施設 における教育の振興に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講じなければならない。

2章 基本方針

7条

1項 文部科学大臣及び外務大臣は、 在外教育施設 における教育の振興に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(以下この条において「 基本方針 」という。)を定めなければならない。

2項 基本方針 においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

1号 在外教育施設 における教育の振興の基本的な方向に関する事項

2号 在外教育施設 における教育の振興の内容に関する事項

3号 前2号に掲げるもののほか、 在外教育施設 における教育の振興に関する重要事項

3項 文部科学大臣及び外務大臣は、 在外教育施設 における教育に関する状況の変化を勘案し、おおむね5年ごとに 基本方針 に検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更するものとする。

4項 文部科学大臣及び外務大臣は、 基本方針 を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。

3章 基本的施策

8条 (在外教育施設の教職員の確保)

1項 国は、地方公共団体の協力を得つつ、 在外教育施設 の教職員を確保するために必要な施策を講ずるものとする。

9条 (在外教育施設の教職員に対する研修の充実等)

1項 国は、 在外教育施設 の教職員に対する研修の充実その他のその資質の向上のために必要な施策を講ずるものとする。

10条 (在外教育施設における教育の内容及び方法の充実強化)

1項 国は、 在外教育施設 における教育の内容及び方法の充実強化が図られるよう、参考となる資料等の情報の提供、在外教育施設における情報通信技術の活用の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。

2項 国は、前項の施策を講ずるに当たっては、 在外教育施設 における教育の内容がその所在する地域の特色を生かしたものとなるよう配慮するものとする。

11条 (在外教育施設の適正かつ健全な運営の確保)

1項 国は、 在外教育施設 の適正かつ健全な運営の確保が図られるよう、在外教育施設の運営に係る相談体制の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。

12条 (在外教育施設の安全対策等)

1項 国は、 在外教育施設 に在籍する 在留邦人の子 及びその教職員の安全の確保が図られるよう、在外教育施設の安全対策及びその所在する地域の安全に関する情報の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。

13条 (在外教育施設を拠点とする国際的な交流の促進等)

1項 国は、 在外教育施設 を拠点とする国際的な交流の促進が図られるよう、在外教育施設における我が国の魅力の増進に資する活動(次項において「 魅力増進活動 」という。)の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。

2項 国は、 魅力増進活動 に資する自主的な活動として、 在外教育施設 を拠点とした日本文化の紹介又は日本語の普及、在外教育施設における 在留邦人の子 以外の者であってその教育を受けることを希望するものの受入れその他の我が国に対する諸外国の理解の増進を図るための活動が行われる場合には、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うものとする。

14条 (調査研究の推進等)

1項 国は、 在外教育施設 における教育の内容及び方法に関する研究その他の在外教育施設における教育に関する調査研究の推進並びにその成果の普及及び活用のために必要な施策を講ずるものとする。

《本則》 ここまで 附則 >  

国の法令検索サービス《E-Gov》の法令データ、法令APIを利用しています。