共生社会の実現を推進するための認知症基本法《本則》

法番号:2023年法律第65号

略称:

附則 >  

1章 総則

1条 (目的)

1項 この法律は、我が国における急速な高齢化の進展に伴い認知症である者(以下「 認知症の人 」という。)が増加している現状等に鑑み、 認知症の人 が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、認知症に関する施策(以下「 認知症施策 」という。)に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体等の責務を明らかにし、及び 認知症施策 の推進に関する計画の策定について定めるとともに、認知症施策の基本となる事項を定めること等により、認知症施策を総合的かつ計画的に推進し、もって認知症の人を含めた国民1人1人がその個性と能力を10分に発揮し、相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する活力ある社会(以下「 共生社会 」という。)の実現を推進することを目的とする。

2条 (定義)

1項 この法律において「 認知症 」とは、アルツハイマー病その他の神経変性疾患、脳血管疾患その他の疾患により日常生活に支障が生じる程度にまで認知機能が低下した状態として政令で定める状態をいう。

3条 (基本理念)

1項 認知症施策 は、 認知症の人 が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならない。

1号 全ての 認知症の人 が、基本的人権を享有する個人として、自らの意思によって日常生活及び社会生活を営むことができるようにすること。

2号 国民が、 共生社会 の実現を推進するために必要な 認知症 に関する正しい知識及び 認知症の人 に関する正しい理解を深めることができるようにすること。

3号 認知症の人 にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるものを除去することにより、全ての認知症の人が、社会の対等な構成員として、地域において安全にかつ安心して自立した日常生活を営むことができるようにするとともに、自己に直接関係する事項に関して意見を表明する機会及び社会のあらゆる分野における活動に参画する機会の確保を通じてその個性と能力を10分に発揮することができるようにすること。

4号 認知症の人 の意向を10分に尊重しつつ、良質かつ適切な保健医療サービス及び福祉サービスが切れ目なく提供されること。

5号 認知症の人 に対する支援のみならず、その家族その他認知症の人と日常生活において密接な関係を有する者(以下「 家族等 」という。)に対する支援が適切に行われることにより、認知症の人及び 家族等 が地域において安心して日常生活を営むことができるようにすること。

6号 認知症 に関する専門的、学際的又は総合的な研究その他の 共生社会 の実現に資する研究等を推進するとともに、認知症及び軽度の認知機能の障害に係る予防、診断及び治療並びにリハビリテーション及び介護方法、 認知症の人 が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすための社会参加の在り方及び認知症の人が他の人々と支え合いながら共生することができる社会環境の整備その他の事項に関する科学的知見に基づく研究等の成果を広く国民が享受できる環境を整備すること。

7号 教育、地域づくり、雇用、保健、医療、福祉その他の各関連分野における総合的な取組として行われること。

4条 (国の責務)

1項 国は、前条の基本理念にのっとり、 認知症施策 を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する。

5条 (地方公共団体の責務)

1項 地方公共団体は、 第3条 《基本理念 認知症施策は、認知症の人が尊…》 厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならない。 1 全ての認知症の人が、基本的人権を享有する個人として、自らの意思によって日常生活及び社会生活 の基本理念にのっとり、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の地域の状況に応じた 認知症施策 を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する。

6条 (保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者の責務)

1項 保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者は、国及び地方公共団体が実施する 認知症施策 に協力するとともに、良質かつ適切な保健医療サービス又は福祉サービスを提供するよう努めなければならない。

7条 (日常生活及び社会生活を営む基盤となるサービスを提供する事業者の責務)

1項 公共交通事業者等( 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律 2006年法律第91号第2条第5号 《定義 第2条 この法律において次の各号に…》 掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 1 高齢者、障害者等 高齢者又は障害者で日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受けるものその他日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受ける者 の公共交通事業者等をいう。)、金融機関、小売業者その他の日常生活及び社会生活を営む基盤となるサービスを提供する事業者(前条に規定する者を除く。 第23条 《既存の特定建築物に設けるエレベーターにつ…》 いての建築基準法の特例 この法律の施行の際現に存する特定建築物に専ら車椅子を使用している者の利用に供するエレベーターを設置する場合において、当該エレベーターが次に掲げる基準に適合し、所管行政庁が防火 において同じ。)は、国及び地方公共団体が実施する 認知症施策 に協力するとともに、そのサービスを提供するに当たっては、その事業の遂行に支障のない範囲内において、 認知症の人 に対し必要かつ合理的な配慮をするよう努めなければならない。

8条 (国民の責務)

1項 国民は、 共生社会 の実現を推進するために必要な 認知症 に関する正しい知識及び 認知症の人 に関する正しい理解を深めるとともに、共生社会の実現に寄与するよう努めなければならない。

9条 (認知症の日及び認知症月間)

1項 国民の間に広く 認知症 についての関心と理解を深めるため、認知症の日及び認知症月間を設ける。

2項 認知症 の日は9月21日とし、認知症月間は同月1日から同月30日までとする。

3項 及び地方公共団体は、 認知症 の日においてその趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めるものとするとともに、認知症月間においてその趣旨にふさわしい行事が実施されるよう奨励しなければならない。

10条 (法制上の措置等)

1項 政府は、 認知症施策 を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。

2章 認知症施策推進基本計画等

11条 (認知症施策推進基本計画)

1項 政府は、 認知症施策 の総合的かつ計画的な推進を図るため、認知症施策推進 基本計画 以下この章及び 第27条 《所掌事務 本部は、次に掲げる事務をつか…》 さどる。 1 基本計画の案の作成及び実施の推進に関すること。 2 関係行政機関が基本計画に基づいて実施する施策の総合調整及び実施状況の評価に関すること。 3 前2号に掲げるもののほか、認知症施策で重要 において「 基本計画 」という。)を策定しなければならない。

2項 基本計画 に定める施策については、原則として、当該施策の具体的な目標及びその達成の時期を定めるものとする。

3項 内閣総理大臣は、 基本計画 の案につき閣議の決定を求めなければならない。

4項 政府は、 基本計画 を策定したときは、遅滞なく、これを国会に報告するとともに、インターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。

5項 政府は、適時に、第2項の規定により定める目標の達成状況を調査し、その結果をインターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。

6項 政府は、 認知症 に関する状況の変化を勘案し、及び 認知症施策 の効果に関する評価を踏まえ、少なくとも5年ごとに、 基本計画 に検討を加え、必要があると認めるときには、これを変更しなければならない。

7項 第3項及び第4項の規定は、 基本計画 の変更について準用する。

12条 (都道府県認知症施策推進計画)

1項 都道府県は、 基本計画 を基本とするとともに、当該都道府県の実情に即した都道府県 認知症施策 推進計画(以下この条及び次条第1項において「 都道府県計画 」という。)を策定するよう努めなければならない。

2項 都道府県計画 は、医療法(1948年法律第205号)第30条の4第1項に規定する医療計画、 社会福祉法 1951年法律第45号第108条第1項 《都道府県は、市町村地域福祉計画の達成に資…》 するために、各市町村を通ずる広域的な見地から、市町村の地域福祉の支援に関する事項として次に掲げる事項を一体的に定める計画以下「都道府県地域福祉支援計画」という。を策定するよう努めるものとする。 1 地 に規定する都道府県地域福祉支援計画、 老人福祉法 1963年法律第133号第20条の9第1項 《都道府県は、市町村老人福祉計画の達成に資…》 するため、各市町村を通ずる広域的な見地から、老人福祉事業の供給体制の確保に関する計画以下「都道府県老人福祉計画」という。を定めるものとする。 に規定する都道府県老人福祉計画、 介護保険法 1997年法律第123号第118条第1項 《都道府県は、基本指針に即して、3年を一期…》 とする介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施の支援に関する計画以下「都道府県介護保険事業支援計画」という。を定めるものとする。 に規定する都道府県介護保険事業支援計画その他の法令の規定による計画であって 認知症施策 に関連する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。

3項 都道府県は、 都道府県計画 の案を作成しようとするときは、あらかじめ、 認知症の人 及び 家族等 の意見を聴くよう努めなければならない。

4項 都道府県は、 都道府県計画 を策定したときは、遅滞なく、これをインターネットの利用その他適切な方法により公表するよう努めなければならない。

5項 都道府県は、適時に、 都道府県計画 に基づいて実施する施策の実施状況の評価を行い、その結果をインターネットの利用その他適切な方法により公表するよう努めなければならない。

6項 都道府県は、当該都道府県における 認知症 に関する状況の変化を勘案し、及び当該都道府県における 認知症施策 の効果に関する評価を踏まえ、少なくとも5年ごとに、 都道府県計画 に検討を加え、必要があると認めるときには、これを変更するよう努めなければならない。

7項 第3項の規定は第5項の評価の結果の取りまとめを行おうとする場合について、第3項及び第4項の規定は 都道府県計画 の変更について、それぞれ準用する。

13条 (市町村認知症施策推進計画)

1項 市町村(特別区を含む。以下この項において同じ。)は、 基本計画 都道府県計画 が策定されているときは、基本計画及び都道府県計画)を基本とするとともに、当該市町村の実情に即した市町村 認知症施策 推進計画(次項及び第3項において「 市町村計画 」という。)を策定するよう努めなければならない。

2項 市町村計画 は、 社会福祉法 第107条第1項 《市町村は、地域福祉の推進に関する事項とし…》 て次に掲げる事項を一体的に定める計画以下「市町村地域福祉計画」という。を策定するよう努めるものとする。 1 地域における高齢者の福祉、障害者の福祉、児童の福祉その他の福祉に関し、共通して取り組むべき事 に規定する市町村地域福祉計画、 老人福祉法 第20条の8第1項 《市町村は、老人居宅生活支援事業及び老人福…》 祉施設による事業以下「老人福祉事業」という。の供給体制の確保に関する計画以下「市町村老人福祉計画」という。を定めるものとする。 に規定する市町村老人福祉計画、 介護保険法 第117条第1項 《市町村は、基本指針に即して、3年を一期と…》 する当該市町村が行う介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施に関する計画以下「市町村介護保険事業計画」という。を定めるものとする。 に規定する市町村介護保険事業計画その他の法令の規定による計画であって 認知症施策 に関連する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。

3項 前条第3項から第7項までの規定は、 市町村計画 について準用する。

3章 基本的施策

14条 (認知症の人に関する国民の理解の増進等)

1項 及び地方公共団体は、国民が、 共生社会 の実現を推進するために必要な 認知症 に関する正しい知識及び 認知症の人 に関する正しい理解を深めることができるよう、学校教育及び社会教育における認知症に関する教育の推進、認知症の人に関する正しい理解を深めるための運動の展開その他の必要な施策を講ずるものとする。

15条 (認知症の人の生活におけるバリアフリー化の推進)

1項 及び地方公共団体は、 認知症の人 が自立して、かつ、安心して他の人々と共に暮らすことのできる安全な地域づくりの推進を図るため、移動のための交通手段の確保、交通の安全の確保、地域において認知症の人を見守るための体制の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。

2項 及び地方公共団体は、 認知症の人 が自立した日常生活及び社会生活を営むことができるよう、国、地方公共団体、事業者及び民間団体等の密接な連携の下に、認知症の人にとって利用しやすい製品及びサービスの開発及び普及の促進、事業者が認知症の人に適切に対応するために必要な指針の策定、民間における自主的な取組の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。

16条 (認知症の人の社会参加の機会の確保等)

1項 及び地方公共団体は、 認知症の人 が生きがいや希望を持って暮らすことができるよう、認知症の人が自らの 認知症 に係る経験等を共有することができる機会の確保、認知症の人の社会参加の機会の確保その他の必要な施策を講ずるものとする。

2項 及び地方公共団体は、若年性 認知症の人 65歳未満で 認知症 となった者をいう。以下この項において同じ。)その他の認知症の人の意欲及び能力に応じた雇用の継続、円滑な就職等に資するよう、事業主に対する若年性認知症の人その他の認知症の人の就労に関する啓発及び知識の普及その他の必要な施策を講ずるものとする。

17条 (認知症の人の意思決定の支援及び権利利益の保護)

1項 及び地方公共団体は、 認知症の人 の意思決定の適切な支援及び権利利益の保護を図るため、認知症の人の意思決定の適切な支援に関する指針の策定、認知症の人に対する分かりやすい形での情報提供の促進、消費生活における被害を防止するための啓発その他の必要な施策を講ずるものとする。

18条 (保健医療サービス及び福祉サービスの提供体制の整備等)

1項 及び地方公共団体は、 認知症の人 がその居住する地域にかかわらず等しくその状況に応じた適切な医療を受けることができるよう、 認知症 に係る専門的な医療又は認知症の人の心身の状況に応じた良質かつ適切な認知症の人に対する医療の提供等を行う医療機関の整備その他の医療提供体制の整備を図るために必要な施策を講ずるものとする。

2項 及び地方公共団体は、 認知症の人 に対し良質かつ適切な保健医療サービス及び福祉サービスを適時にかつ切れ目なく提供するため、 地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律 平成元年法律第64号第2条第1項 《この法律において「地域包括ケアシステム」…》 とは、地域の実情に応じて、高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防要介護状態若しくは要支援状態となることの予防又は要介護状 に規定する地域包括ケアシステムを構築することを通じ、保健及び医療並びに福祉の相互の有機的な連携の確保その他の必要な施策を講ずるものとする。

3項 及び地方公共団体は、個々の 認知症の人 の状況に応じた良質かつ適切な保健医療サービス及び福祉サービスが提供されるよう、認知症の人の保健、医療又は福祉に関する専門的知識及び技術を有する人材の確保、養成及び資質の向上その他の必要な施策を講ずるものとする。

19条 (相談体制の整備等)

1項 及び地方公共団体は、関係機関及び民間団体相互の有機的連携の下に、 認知症の人 又は 家族等 からの各種の相談に対し、個々の認知症の人の状況又は家族等の状況にそれぞれ配慮しつつ総合的に応ずることができるようにするため必要な体制の整備を図るものとする。

2項 及び地方公共団体は、 認知症の人 又は 家族等 が孤立することのないよう、認知症の人又は家族等が互いに支え合うために交流する活動に対する支援、関係機関の紹介その他の必要な情報の提供及び助言その他の必要な施策を講ずるものとする。

20条 (研究等の推進等)

1項 及び地方公共団体は、 認知症 の本態解明、認知症及び軽度の認知機能の障害に係る予防、診断及び治療並びにリハビリテーション及び介護方法その他の事項についての基礎研究及び臨床研究の推進並びにその成果の普及のために必要な施策を講ずるものとする。

2項 及び地方公共団体は、 認知症の人 が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすための社会参加の在り方、認知症の人が他の人々と支え合いながら共生することができる社会環境の整備その他の事項についての調査研究及び検証並びにその成果の活用のために必要な施策を講ずるものとする。

3項 国は、 共生社会 の実現に資する研究等の基盤を構築するため、官民の連携を図るとともに、全国的な規模の追跡調査の実施の推進、治験の迅速かつ容易な実施のための環境の整備、当該研究等への 認知症の人 及び 家族等 の参加の促進、当該研究等の成果の実用化のための環境の整備、当該研究等に係る情報の蓄積、管理及び活用のための基盤の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。

21条 (認知症の予防等)

1項 及び地方公共団体は、希望する者が科学的知見に基づく適切な 認知症 及び軽度の認知機能の障害の予防に取り組むことができるよう、予防に関する啓発及び知識の普及並びに地域における活動の推進、予防に係る情報の収集その他の必要な施策を講ずるものとする。

2項 及び地方公共団体は、 認知症 及び軽度の認知機能の障害の早期発見、早期診断及び早期対応を推進するため、 介護保険法 第115条の46第1項 《地域包括支援センターは、第1号介護予防支…》 援事業居宅要支援被保険者に係るものを除く。及び第115条の45第2項第1号から第6号までに掲げる事業以下「包括的支援事業」という。その他厚生労働省令で定める事業を実施し、地域住民の心身の健康の保持及び に規定する地域包括支援センター、医療機関、民間団体等の間における連携協力体制の整備、認知症及び軽度の認知機能の障害に関する情報の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。

22条 (認知症施策の策定に必要な調査の実施)

1項 国は、 認知症施策 を適正に策定し、実施し、及び評価するため、必要な調査の実施及び当該調査に必要な体制の整備を図るものとする。

23条 (多様な主体の連携)

1項 国は、国、地方公共団体、保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者、日常生活及び社会生活を営む基盤となるサービスを提供する事業者等の多様な主体が相互に連携して 認知症施策 に取り組むことができるよう必要な施策を講ずるものとする。

24条 (地方公共団体に対する支援)

1項 国は、地方公共団体が実施する 認知症施策 を支援するため、情報の提供その他必要な施策を講ずるものとする。

25条 (国際協力)

1項 国は、 認知症施策 を国際的協調の下に推進するため、外国政府、国際機関又は関係団体等との情報の交換その他必要な施策を講ずるものとする。

4章 認知症施策推進本部

26条 (設置)

1項 認知症施策 を総合的かつ計画的に推進するため、内閣に、認知症施策推進 本部 以下「 本部 」という。)を置く。

27条 (所掌事務)

1項 本部 は、次に掲げる事務をつかさどる。

1号 基本計画 の案の作成及び実施の推進に関すること。

2号 関係行政機関が 基本計画 に基づいて実施する施策の総合調整及び実施状況の評価に関すること。

3号 前2号に掲げるもののほか、 認知症施策 で重要なものの企画及び立案並びに総合調整に関すること。

2項 本部 は、次に掲げる場合には、あらかじめ、 認知症施策 推進関係者会議の意見を聴かなければならない。

1号 基本計画 の案を作成しようとするとき。

2号 前項第2号の評価について、その結果の取りまとめを行おうとするとき。

3項 前項(第1号に係る部分に限る。)の規定は、 基本計画 の変更の案の作成について準用する。

28条 (組織)

1項 本部 は、 認知症施策 推進本部長、認知症施策推進副本部長及び認知症施策推進本部員をもって組織する。

29条 (認知症施策推進本部長)

1項 本部 の長は、 認知症施策 推進本部長(以下「 本部長 」という。)とし、内閣総理大臣をもって充てる。

2項 本部 長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。

30条 (認知症施策推進副本部長)

1項 本部 に、 認知症施策 推進 副本部長 次項及び次条第2項において「 副本部長 」という。)を置き、内閣官房長官、 健康・医療戦略推進法 2014年法律第48号第24条第1項 《本部に、健康・医療戦略推進副本部長次項及…》 び次条第2項において「副本部長」という。を置き、内閣官房長官及び健康・医療戦略担当大臣内閣総理大臣の命を受けて、健康・医療戦略に関し内閣総理大臣を助けることをその職務とする国務大臣をいう。をもって充て に規定する健康・医療戦略担当大臣及び厚生労働大臣をもって充てる。

2項 副本部長 は、 本部 長の職務を助ける。

31条 (認知症施策推進本部員)

1項 本部 に、 認知症施策 推進本部員(次項において「 本部員 」という。)を置く。

2項 本部 員は、本部長及び 副本部長 以外の全ての国務大臣をもって充てる。

32条 (資料の提出その他の協力)

1項 本部 は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関、地方公共団体、独立行政法人( 独立行政法人通則法 1999年法律第103号第2条第1項 《この法律において「独立行政法人」とは、国…》 民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体に委ねた場合には必ずしも実施されないおそ に規定する独立行政法人をいう。及び地方独立行政法人( 地方独立行政法人法 2003年法律第118号第2条第1項 《この法律において「地方独立行政法人」とは…》 、住民の生活、地域社会及び地域経済の安定等の公共上の見地からその地域において確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、地方公共団体が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主 に規定する地方独立行政法人をいう。)の長並びに特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、 総務省設置法 1999年法律第91号第4条第1項第8号 《総務省は、前条第1項の任務を達成するため…》 、次に掲げる事務をつかさどる。 1 恩給制度に関する企画及び立案に関すること。 2 恩給を受ける権利の裁定並びに恩給の支給及び負担に関すること。 3 行政制度一般に関する基本的事項の企画及び立案に関す の規定の適用を受けるものをいう。)の代表者に対して、資料の提出、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。

2項 本部 は、その所掌事務を遂行するために特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。

33条 (認知症施策推進関係者会議)

1項 本部 に、 第27条第2項 《2 本部は、次に掲げる場合には、あらかじ…》 め、認知症施策推進関係者会議の意見を聴かなければならない。 1 基本計画の案を作成しようとするとき。 2 前項第2号の評価について、その結果の取りまとめを行おうとするとき。同条第3項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理するため、 認知症施策 推進 関係者会議 次条において「 関係者会議 」という。)を置く。

34条

1項 関係者会議 は、委員20人以内で組織する。

2項 関係者会議 の委員は、 認知症の人 及び 家族等 、認知症の人の保健、医療又は福祉の業務に従事する者その他関係者のうちから、内閣総理大臣が任命する。

3項 関係者会議 の委員は、非常勤とする。

35条 (事務)

1項 本部 に関する事務は、内閣官房において処理し、命を受けて内閣官房副長官補が掌理する。

36条 (主任の大臣)

1項 本部 に係る事項については、 内閣法 1947年法律第5号)にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。

37条 (政令への委任)

1項 この法律に定めるもののほか、 本部 に関し必要な事項は、政令で定める。

《本則》 ここまで 附則 >  

国の法令検索サービス《E-Gov》の法令データ、法令APIを利用しています。