制定文 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令 の一部を改正する政令(2024年政令第244号)の施行に伴い、及び化学物質の審査及び製造の規制に関する法律(1973年法律第117号)第28条第2項の規定に基づき、PFOI等の取扱いに関する技術上の基準(許可製造業者に係るものを除く。)を定める省令を次のように定める。
1条 (定義)
1項 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
1号 PFOI等 :化学物質の審査及び製造の規制に関する法律施行令(1974年政令第202号)第1条第1項第35号イ及びロに規定する化学物質をいう。
2号 許可製造業者 : PFOI等 の製造の事業を営むことについて化学物質の審査及び製造の規制に関する法律(次号において法という。)第17条第1項の許可を受けた者をいう。
3号 届出使用者 :業として PFOI等 を使用することについて法第26条第1項の規定による届出をした者をいう。
4号 PFOI等取扱事業者 :業として PFOI等 を取り扱う者( 許可製造業者 及びPFOI等又は汚染物を入れた保管容器の保管又は運送に係る業務の委託を受けた者を除く。)をいう。
5号 汚染物 : PFOI等 を含む廃液又はPFOI等が付着している布その他の不要物をいう。
6号 保管容器 : PFOI等 又は 汚染物 を保管する容器をいう。
7号 移替え : PFOI等 を他の設備、 保管容器 等へ移す作業をいう。
8号 使用設備 : PFOI等 の使用の用に供する設備であって、PFOI等が投入される設備からPFOI等の使用によって得られる化学物質を保管する容器に充塡する設備までの各設備のうち、PFOI等が通る設備をいう。
2条 (移替え)
1項 PFOI等 取扱事業者は、 移替え を行うときは、次の各号に定めるところにより行わなければならない。
1号 コンクリート造の床面若しくは合成樹脂等により被覆した床面の屋内において、又は密閉式の機器を用いて行うこと。
2号 PFOI等 が飛散又は流出する可能性のある箇所には、受皿を設ける措置その他PFOI等の飛散又は流出の拡大を防止するための措置を講ずること。
3号 PFOI等 が飛散又は流出した場合に備えて、布等を準備すること。
4号 移替え に使用した機器については、洗浄し、又は布等でふき取り、 PFOI等 が残留しないよう努めること。
5号 前号の洗浄に用いた液体又はふき取りに用いた布等は、 保管容器 に入れて保管すること。ただし、当該液体については、当該液体に含まれる PFOI等 の量を低減させるための措置を講じて排出する場合は、この限りでない。
3条 (使用設備)
1項 PFOI等 取扱事業者は、 使用設備 について次の各号に掲げる基準を満たさなければならない。
1号 使用設備 は、常用の圧力又は常用の温度において発生する最大の応力に対して、十分な強度を有するものであること。
2号 使用設備 は、 PFOI等 が漏出するおそれがないよう、腐食しにくい材料を用いたもの又は有効な腐食防止のための措置を講じたものであること。
3号 使用設備 は、 PFOI等 が漏出した場合に地下に浸透することがないよう、コンクリート造の床面又は合成樹脂等により被覆した床面に設置すること。
4号 使用設備 は、 PFOI等 の使用の用にのみ供する設備であること。ただし、洗浄、掃除等により使用設備中のPFOI等を除去することができる場合は、この限りでない。
5号 使用設備 の開口した箇所には、局所排気装置を設置する措置、受皿を設ける措置その他 PFOI等 の飛散及び流出の拡大を防止するための措置を講ずること。
6号 使用設備 から排出する気体及び液体に含まれる PFOI等 の量を低減するため、集じん装置、スクラバーその他これらと同等の機能を有する装置を設置すること。
7号 使用設備 の見やすい箇所に、当該使用設備が PFOI等 を使用するものである旨を表示すること。
8号 前各号に掲げるもののほか、 使用設備 からの PFOI等 の漏出等を防止するために必要な措置を講ずること。
4条 (排出量の把握)
1項 PFOI等 取扱事業者は、事業所ごとに、毎年一回、当該事業所から排出する気体及び液体につき、PFOI等の排出量を把握するのに適したサンプリング及び分析を行うことにより、PFOI等の排出量を把握しなければならない。ただし、サンプリング及び分析によるPFOI等の排出量の把握が技術上困難な場合は、PFOI等の使用量等を用いてその排出量を推定することができるものとする。
2項 PFOI等 取扱事業者は、前項のサンプリング及び分析又は推定の結果を踏まえて、PFOI等の排出量の削減に係る措置を講ずるよう努めなければならない。
3項 PFOI等 取扱事業者は、第1項のサンプリング及び分析又は推定を行ったときは、その結果を記載した帳簿を作成しなければならない。
4項 前項の帳簿は、事業所ごとに備え、これを当該事業所の閉鎖の日から起算して5年間保存しなければならない。
5条 (保管)
1項 PFOI等 取扱事業者は、PFOI等又は 汚染物 を入れた 保管容器 を保管するときは、次の各号に定めるところにより保管しなければならない。
1号 保管容器 は、 PFOI等 又は 汚染物 が漏出する又はこぼれるおそれがなく、かつ、転倒した場合の衝撃に耐える密閉式の構造の堅固な容器であって、浸透しにくい材料を用いて製作されたものであること。
2号 保管容器 は、コンクリート造の床面又は合成樹脂等により被覆した床面の屋内に設置すること。
3号 保管容器 は、関係者以外の者が容易に立ち入ることができない場所に保管すること。
4号 保管容器 及びその保管場所の見やすい箇所に、 PFOI等 又は 汚染物 を保管している旨を表示すること。
2項 PFOI等 取扱事業者( 届出使用者 を除く。)は、事業所ごとに、PFOI等又は 汚染物 の保管数量を記載した帳簿を作成しなければならない。
3項 前項の帳簿は、事業所ごとに備え、これを当該事業所の閉鎖の日から起算して5年間保存しなければならない。
6条 (点検)
1項 PFOI等 取扱事業者は、 使用設備 及び 保管容器 並びにその設置する床面について、次の各号に掲げる事項を定期的に点検しなければならない。ただし、遠隔監視装置等を用いて、次の各号に掲げる事項を早期に発見するために必要な措置を講じることをもって、これに代えることができる。
1号 使用設備 及び 保管容器 から PFOI等 又は 汚染物 が漏出又は飛散していないこと。
2号 使用設備 及び 保管容器 に損傷又は腐食が生じていないこと。
3号 使用設備 及び 保管容器 を設置する床面にひび割れがないこと。
4号 前3号に掲げるもののほか、 使用設備 及び 保管容器 並びにその設置する床面に異常が認められないこと。
2項 PFOI等 取扱事業者は、前項に規定する点検の結果において 使用設備 及び 保管容器 並びにその設置する床面に異常が認められた場合は、速やかに補修その他の必要な措置を講じなければならない。
3項 PFOI等 取扱事業者は、第1項の点検の結果の記録を作成し、これを作成の日から起算して5年間保存しなければならない。
7条 (運送)
1項 PFOI等 取扱事業者は、PFOI等又は 汚染物 を入れた 保管容器 を運送するときは、当該保管容器の転倒を防止する措置を講じなければならない。
8条 (漏出時の措置)
1項 PFOI等 取扱事業者は、PFOI等又は 汚染物 が漏出したときは、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
1号 速やかに漏出の拡大の防止のために必要な応急措置を講ずること。
2号 漏出した PFOI等 又は 汚染物 について回収するよう努めること。
3号 回収した PFOI等 又は 汚染物 及び回収に伴って生じた汚染物を、 保管容器 に入れて保管すること。
9条 (委託先の監督)
1項 PFOI等 取扱事業者は、PFOI等又は 汚染物 を入れた 保管容器 の保管又は運送に係る業務を委託する場合は、当該委託した業務が
第5条
《保管 PFOI等取扱事業者は、PFOI…》
等又は汚染物を入れた保管容器を保管するときは、次の各号に定めるところにより保管しなければならない。 1 保管容器は、PFOI等又は汚染物が漏出する又はこぼれるおそれがなく、かつ、転倒した場合の衝撃に耐
から前条までの基準に適合する方法により行われるよう、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行うこと。
10条 (管理責任者)
1項 PFOI等 取扱事業者は、次の各号に掲げる業務の管理について知識を有する者のうちから管理責任者を選任し、その者に当該業務を管理させなければならない。
1号 移替え に関すること。
2号 使用設備 に関すること。
3号 PFOI等 の排出量の把握に関すること。
4号 PFOI等 又は 汚染物 を入れた 保管容器 の保管に関すること。
5号 使用設備 及び 保管容器 並びにその設置する床面の点検に関すること。
6号 PFOI等 又は 汚染物 を入れた 保管容器 の運送に関すること。
7号 PFOI等 又は 汚染物 が漏出した場合の措置に関すること。