制定文
警察法施行令 (1954年政令第151号)
第13条第1項
《国家公安委員会が法第5条第4項の規定によ…》
る管理に係る事務又は同条第5項若しくは第6項の事務を行うために必要な手続その他の事項については、国家公安委員会規則で定める。
の規定に基づき、 鉄道警察隊の運営に関する規則 を次のように定める。
1条 (目的)
1項 この規則は、鉄道警察隊の設置、任務、勤務制、活動等について必要な事項を定め、もつてその効率的な運営を図ることを目的とする。
2条 (設置及び組織)
1項 都道府県警察は、本部(方面本部を含む。)に鉄道警察隊を設けるものとする。
2項 鉄道警察隊は、当該都道府県警察の管轄区域内の主要な駅の所在地又はその近傍地に置くものとする。
3項 都道府県警察は、必要に応じ、鉄道警察隊に分駐隊その他の組織を設けるものとする。
4項 鉄道警察隊に、隊長を置くものとする。
3条 (任務及び事務)
1項 鉄道警察隊は、鉄道施設において、個人の生命、身体及び財産を保護し、犯罪の予防及び検挙、事故の防止その他鉄道に係る公共の安全と秩序の維持に当たることを任務とする。
2項 鉄道警察隊は、前項の任務を遂行するため、次に掲げる事務をつかさどるものとする。
1号 鉄道施設における警らに関すること。
2号 線路、運転保安設備その他重要な鉄道施設の警戒警備の実施に関すること。
3号 鉄道施設における雑踏警備の実施に関すること。
4号 列車(連絡船を含む。以下同じ。)への警乗の実施に関すること。
5号 列車による現金その他の物品の輸送の警備の実施に関すること。
6号 列車による危険物の輸送の取締りの実施に関すること。
7号 鉄道事故における人命の救助及び鉄道事故の防止に関すること。
8号 鉄道事業者その他の関係団体、機関等(以下「 鉄道事業者等 」という。)との連絡に関すること。
9号 鉄道に関する統計に関すること。
4条 (事件等の処理範囲)
1項 鉄道警察隊は、事件又は事故について、犯人の逮捕、危険の防止、現場保存等現場における初動的な措置を行つた後、その処理を関係警察署に引き継ぐものとする。ただし、次の各号のいずれかに該当する犯罪に係る事件で鉄道警察隊が処理することが適当と認められるものについては、警視総監又は道府県 警察本部長 (以下「 警察本部長 」という。)の定めるところにより、鉄道警察隊が処理することができる。
1号 刑法 (1907年法律第45号)
第162条
《有価証券偽造等 行使の目的で、公債証書…》
、官庁の証券、会社の株券その他の有価証券を偽造し、又は変造した者は、3月以上10年以下の拘禁刑に処する。 2 行使の目的で、有価証券に虚偽の記入をした者も、前項と同様とする。
、
第163条
《偽造有価証券行使等 偽造若しくは変造の…》
有価証券又は虚偽の記入がある有価証券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者は、3月以上10年以下の拘禁刑に処する。 2 前項の罪の未遂は、罰する。
、
第235条
《窃盗 他人の財物を窃取した者は、窃盗の…》
罪とし、10年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金に処する。
及び
第246条
《詐欺 人を欺いて財物を交付させた者は、…》
10年以下の拘禁刑に処する。 2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
に規定する犯罪(同法第162条、第163条及び第246条に規定する犯罪にあつては鉄道運輸に係るものに、同法第235条に規定する犯罪にあつては列車内又は駅の構内において行われたものに限る。)
2号 鉄道営業法 (1900年法律第65号)に規定する犯罪
3号 新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法 (1964年法律第111号)に規定する犯罪
4号 前3号に掲げるもののほか、 警察本部長 が指定する犯罪
2項 前項に規定する初動的な措置については、 警察本部長 の定めるところによる。
5条 (勤務制等)
1項 鉄道警察隊の職員(以下「 隊員 」という。)の勤務は、交替制によるものとし、交替制勤務ごとに、指揮者及び通信要員を置くものとする。
2項 隊長は、前項の規定にかかわらず、鉄道施設における事件、事故等の発生状況等を勘案して 警察本部長 が定めるところにより、 隊員 の勤務を日勤制によるものとすることができる。
6条 (活動)
1項 隊員 は、警ら、警戒警備、警乗等を行うに当たつては、職務質問を行う等により犯罪の予防及び検挙に努めるとともに、危害の防止、公衆に対する保護、助言及び指導、少年の補導等を行うほか、鉄道施設等に係る情況の掌握に努めるものとする。
6条の2 (制服の着用等)
1項 隊員 は、制服を着用し、警察庁長官の定める標章を当該制服に着装しなければならない。
2項 隊員 は、 警察本部長 が鉄道施設における事件、事故等の発生状況等を勘案して定める事件、事故等を処理するため必要があると認める場合は、前項の規定にかかわらず、私服を着用することができる。
6条の3 (施設)
1項 鉄道警察隊の活動拠点とする施設は、その名称を表示するとともに、赤色灯を設けたものでなければならない。
7条 (鉄道警察用無線自動車)
1項 鉄道警察隊に、鉄道警察用無線自動車を配置するものとする。
2項 鉄道警察用無線自動車は、鉄道施設における事件、事故等の発生状況等を考慮して定める鉄道施設について警らするものとする。
8条 (鉄道事業者等との連携)
1項 都道府県警察は、 鉄道事業者等 との間において緊密な連絡を保ち、鉄道に係る公安の維持を図るため必要な鉄道施設及び鉄道運輸の実態の把握に努めるとともに、鉄道事業者等に対し、鉄道に係る公安の維持を図るため必要な措置を講ずるよう要請するものとする。
2項 都道府県警察は、 鉄道事業者等 との間において、事件、事故等の発生時における相互の連絡方法及び相互に連携して執るべき初動措置等について定めておくものとする。
9条 (資料の整備)
1項 鉄道警察隊は、鉄道施設、鉄道運輸等に関する資料その他鉄道警察隊の事務に必要な資料を常に活用することができるように整備しておかなければならない。
10条 (警察本部長の職務)
1項 警察本部長 は、都道府県警察の実情に即して鉄道警察隊の組織を整備し、鉄道運輸の実態、鉄道施設における事件、事故等の発生状況等に即して鉄道警察隊を効率的に運営し、並びに 隊員 の配置及び指導教養を適切に行うものとする。
2項 警察本部長 は、勤務制、勤務制ごとの勤務時間その他の鉄道警察隊の勤務に関する事項についての準則を定めなければならない。
11条 (隊長の職務)
1項 隊長は、鉄道運輸の実態、鉄道施設における事件、事故等の発生状況等に即して鉄道警察隊を計画的に運営するとともに、 隊員 の運用、指揮監督及び指導教養を適切に行うものとする。
12条 (運営上の留意事項)
1項 警察本部長 及び隊長は、鉄道警察隊の運営に当たつては、他の警察部門及び警察署と緊密に連携させ、その組織的機能を十分に発揮させるように努めなければならない。
13条 (指揮監督及び指導教養上の留意事項)
1項 隊長は、 隊員 の指揮監督及び指導教養に当たつては、その勤務の実態を的確に掌握し、能力、個性等に応じて具体的にこれを行うとともに、常にその結果を確認するほか、鉄道施設、鉄道運輸等に関する知識その他鉄道警察隊の事務に必要な専門的な知識及び技能に習熟させるように努めなければならない。
2項 隊長は、 隊員 の活動の評価に当たつては、隊員が行うべき活動の全般について、総合的に判断して、これを行うように努めなければならない。
14条 (都道府県警察相互の連携)
1項 都道府県警察は、関係都道府県警察との間において、事件、事故等の発生時における相互の連絡及び協力の方法、警乗を行う警察官に対する便宜供与その他相互の連携に関し必要な事項について定めておくものとする。
2項 鉄道警察隊は、2以上の都道府県警察の管轄区域にわたる鉄道警察隊に係る事務の処理の適正を図るため、連絡主任者を置き、関係都道府県警察と常に緊密な連絡を保たなければならない。
15条 (警察庁及び管区警察局の連絡調整等)
1項 警察庁及び管区警察局は、鉄道警察隊の一体的かつ効率的な運用が図られるよう必要な連絡調整等を行うものとする。
16条 (警察庁長官への委任)
1項 この規則に定めるもののほか、この規則の実施のため必要な事項は、警察庁長官が定める。