制定文 人事院は、 国家公務員法 (1947年法律第120号)に基づき、東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等の除染等のための業務等に係る職員の放射線障害の防止に関し次の人事院規則を制定する。
1条 (趣旨)
1項 除染等関連業務又は特定線量下業務に従事する職員その他の職員の放射線障害の防止について必要な事項は、規則10―四(職員の保健及び安全保持)に定めるもののほか、この規則の定めるところによる。
2条 (基本原則)
1項 各省各庁の長は、除染等関連業務又は特定線量下業務に従事する職員その他の職員が放射線(規則10―五(職員の放射線障害の防止)第3条第1項の放射線をいう。)を受けることをできるだけ少なくするように努めなければならない。
2条の2 (定義)
1項 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
1号 除染特別地域等 : 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法 (2011年法律第110号)
第25条第1項
《環境大臣は、その地域及びその周辺の地域に…》
おいて検出された放射線量等からみてその地域内の事故由来放射性物質による環境の汚染が著しいと認められることその他の事情から国が土壌等の除染等の措置並びに除去土壌の収集、運搬、保管及び処分以下「除染等の措
に規定する除染特別地域又は同法第32条第1項に規定する汚染状況重点調査地域をいう。
2号 除染等関連業務 : 除染特別地域等 内において2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により当該原子力発電所から放出された放射性物質(規則10―5
第3条第2項
《2 各省各庁の長は、人事院の定めるところ…》
により、除染等関連業務又は特定線量下業務に従事する職員のそれぞれの業務により受ける線量の測定等を行わなければならない。
の放射性物質に限る。次号において事故由来放射性物質という。)により汚染された物を取り扱う業務で人事院の定めるもの及びこれに関連する業務で当該人事院の定める業務に係る作業場所に立ち入って行うものをいう。
3号 特定線量下業務 : 除染特別地域等 内における人事院の定める方法によって求める平均空間線量率が事故由来放射性物質により2・五マイクロシーベルト毎時を超える場所において行う業務(前号の業務を除く。)をいう。
3条 (職員の被ばく限度及び線量の測定等)
1項 各省各庁の長は、 除染等関連業務 又は 特定線量下業務 に従事する職員の受ける線量が、人事院の定める限度を超えないようにしなければならない。
2項 各省各庁の長は、人事院の定めるところにより、 除染等関連業務 又は 特定線量下業務 に従事する職員のそれぞれの業務により受ける線量の測定等を行わなければならない。
3項 各省各庁の長は、前項の規定による線量の測定の結果等について、規則10―5第24条(第1項第5号を除く。)の規定の例により、記録を作成し、及び当該職員に知らせなければならない。
4項 各省各庁の長は、 特定線量下業務 に職員を従事させるときは、被ばく歴の有無(被ばく歴を有する職員にあっては、業務の場所、内容及び期間その他放射線による被ばくに関する事項)の調査を行い、これを記録しなければならない。
4条 (放射線障害を防止するための措置)
1項 各省各庁の長は、職員を 除染等関連業務 又は 特定線量下業務 に従事させるときは、人事院の定める放射線障害を防止するための措置を講じなければならない。
5条 (教育の実施)
1項 各省各庁の長は、職員を 除染等関連業務 又は 特定線量下業務 に従事させるときは、あらかじめ人事院の定めるところにより放射線障害の防止のための教育を行わなければならない。
6条 (健康診断)
1項 除染等関連業務 (人事院の定めるものを除く。次条第1項第6号において同じ。)に従事する職員に係る規則10―四別表第3第2号に掲げる業務に係る規則10―4第19条第1項の健康診断及び規則10―4第20条第2項第2号の特別定期健康診断の検査の項目及び実施時期については、規則10―5第26条の規定の例による。
7条 (除染等関連業務等管理規程)
1項 各省各庁の長は、 除染等関連業務 又は 特定線量下業務 に従事する職員その他の職員の放射線障害を防止するため、次に掲げる事項について、除染等関連業務又は特定線量下業務を行う官署ごとに除染等関連業務等管理規程を作成し、職員に周知させなければならない。
1号 除染等関連業務 又は 特定線量下業務 に係る放射線障害の防止に関する事務を処理する官職の名称及び当該官職の当該放射線障害の防止に係る職務内容
2号 除染等関連業務 又は 特定線量下業務 に係る測定用の器具等の使用、取扱い及び保守に関すること。
3号 除染等関連業務 又は 特定線量下業務 に従事する職員の範囲に関すること。
4号 除染等関連業務 又は 特定線量下業務 に従事する職員その他の職員の放射線障害を防止するための措置に関すること。
5号 除染等関連業務 又は 特定線量下業務 に従事する職員その他の職員に対する教育及び訓練に関すること。
6号 除染等関連業務 に従事する職員の健康診断に関すること。
7号 放射線障害を受けた職員又は受けたおそれのある職員に対する保健上必要な措置に関すること。
8号 除染等関連業務 又は 特定線量下業務 に従事する職員の受ける線量の測定並びにその記録及びその保管に関すること。
9号 緊急時の措置に関すること。
10号 その他放射線障害の防止に関し必要な事項
2項 各省各庁の長は、 除染等関連業務 等管理規程を作成し、又は変更したときは、速やかに人事院に報告しなければならない。
8条 (調整)
1項 除染等関連業務 又は 特定線量下業務 に従事する職員のうち、業務(除染等関連業務及び特定線量下業務を除く。)上規則10―5
第3条第3項
《3 各省各庁の長は、前項の規定による線量…》
の測定の結果等について、規則10―5第24条第1項第5号を除く。の規定の例により、記録を作成し、及び当該職員に知らせなければならない。
の管理区域に立ち入る職員又は立ち入る職員であったものがこれらの職員として当該業務への従事の際に受ける又は受けた線量については、除染等関連業務又は特定線量下業務に従事する際に受ける線量とみなす。
2項 除染等関連業務 に従事する職員のうち、 特定線量下業務 に従事する職員又は特定線量下業務に従事する職員であったものがこれらの職員として当該特定線量下業務への従事の際に受ける又は受けた線量については、除染等関連業務に従事する際に受ける線量とみなす。
3項 特定線量下業務 に従事する職員のうち、 除染等関連業務 に従事する職員又は除染等関連業務に従事する職員であったものがこれらの職員として当該除染等関連業務への従事の際に受ける又は受けた線量については、特定線量下業務に従事する際に受ける線量とみなす。