森林保険法《本則》

法番号:1937年法律第25号

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1章 総則

1条 (目的)

1項 この法律は、森林保険の制度を確立することにより、災害によって林業の再生産が阻害されることを防止するとともに、林業経営の安定を図ることを目的とする。

2条 (定義)

1項 この法律において「 森林保険 」とは、森林につき、火災、気象上の原因による災害(風害、水害、雪害、干害、凍害及び潮害に限る。及び噴火による災害(以下「 保険事故 」という。)によって生ずることのある損害を塡補する保険であって、この法律により行うものをいう。

2項 この法律において「 森林保険契約 」とは、国立研究開発法人森林研究・整備 機構 以下「 機構 」という。)が森林につき 保険事故 によって生ずることのある損害を塡補することを約し、保険契約者がこれに対して保険料を支払うことを約する契約をいう。

2章 森林保険

3条 (保険の目的)

1項 森林保険 の保険の目的たるべき森林は、人工的に生立させた樹木の集団とする。

4条 (被保険者たる資格)

1項 森林保険 の被保険者たる資格を有する者は、森林保険の保険の目的たる森林の所有者とする。

5条 (引受条件)

1項 機構 は、この法律に特別の定めがあるもののほか、 森林保険 の保険金額の標準、保険料率その他の引受けに関する条件(以下この条において「 引受条件 」という。)を定め、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2項 農林水産大臣は、前項の規定による届出に係る 引受条件 が次の各号のいずれかに該当しないと認めるときは、 機構 に対し、期限を定めてその引受条件を変更すべきことを命ずることができる。

1号 前項の保険金額の標準又は保険料率が保険契約者の負担の観点から著しく不適切なものでないこと。

2号 特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。

3号 保険事故 によって林業の再生産が阻害されることを防止するとともに、林業経営の安定を図る上で支障がないこと。

3項 機構 は、第1項の規定による届出をした 引受条件 以外の引受条件により、 森林保険 を引き受けてはならない。

6条 (保険料の払込み)

1項 森林保険 契約を締結しようとする者は、当該森林保険契約の申込みと同時に、 機構 に保険料の全額(次項の規定により保険料を分割して払い込む場合にあっては、その第一回の払込金額)を払い込まなければならない。

2項 保険料は、農林水産省令で定める事由がある場合には、分割して払い込むことができる。

3項 保険契約者は、前項の規定により保険料を分割して払い込む場合には、払込期限までに、 機構 にその第二回以降の払込金額を払い込まなければならない。

4項 前項の規定による保険料の払込みをその払込期限までにしないときは、当該 森林保険 契約は、その効力を失う。

5項 前2項に規定するもののほか、第2項の規定による保険料の払込みに関し必要な事項は、農林水産省令で定める。

7条 (保険証書)

1項 機構 は、 森林保険 契約の申込みを承諾したときは、保険証書(農林水産省令で定める事項を記載した書面をいう。次条及び 第11条 《保険金額の減額 保険証書に記載されてい…》 る事項と異なる事実があるため、払い込まれた保険料が正当に払い込むべき保険料に達しないときは、その不足する部分の割合に応じて保険金額を減額する。 において同じ。)を作成し、保険契約者に交付する。

8条 (保険責任の開始日)

1項 森林保険 契約に係る 機構 の保険責任は、特約がある場合を除いては、保険証書が作成された日の翌日から始まる。

9条 (重複保険の通知)

1項 森林保険 の保険の目的たる森林の全部又は一部につき、次に掲げる場合には、保険契約者又は被保険者(森林保険契約の締結前にあっては、保険契約者又は被保険者になる者。次項において同じ。)は、遅滞なく、その旨を 機構 に通知しなければならない。

1号 森林保険 契約の申込みの際他の保険契約が存するとき。

2号 森林保険 契約の申込み後に他の保険契約を締結し、又は変更したとき。

3号 第三者が締結した保険契約が存すること又は当該保険契約に変更があったことを知ったとき。

2項 機構 は、保険契約者又は被保険者が故意又は重大な過失により遅滞なく前項の規定による通知をしなかったときは、当該 森林保険 契約を解除することができる。

3項 前項の規定による解除権は、 機構 が同項の規定による解除の原因があることを知った時から1月間行使しないときは、消滅する。 森林保険 の保険の目的たる森林の全部又は一部につき、次の各号に掲げる場合において、当該各号に定める時から5年を経過したときも、同様とする。

1号 第1項第1号に掲げる場合当該申込みに係る 森林保険 契約が締結された時

2号 第1項第2号に掲げる場合当該保険契約が締結され、又は変更された時

3号 第1項第3号に掲げる場合当該保険契約が存すること又は当該保険契約に変更があったことを保険契約者又は被保険者が知った時

10条 (保険金額)

1項 森林保険 の保険金額は、 第5条第1項 《機構は、この法律に特別の定めがあるものの…》 ほか、森林保険の保険金額の標準、保険料率その他の引受けに関する条件以下この条において「引受条件」という。を定め、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣に届け出なければならない。 これを変更しよ の規定による届出に係る保険金額の標準により算出した金額(次項において「 標準金額 」という。)を超えてはならない。

2項 森林保険 契約は、当該森林保険契約の締結の時において保険金額が 標準金額 を超えていたときは、その超過部分について、無効とする。

11条 (保険金額の減額)

1項 保険証書に記載されている事項と異なる事実があるため、払い込まれた保険料が正当に払い込むべき保険料に達しないときは、その不足する部分の割合に応じて保険金額を減額する。

12条 (免責事由)

1項 次に掲げる場合には、 機構 は、損害を塡補する責任を負わない。

1号 損害が保険契約者又は被保険者の故意又は重大な過失によって生じたとき。

2号 保険契約者又は被保険者が、損害が生じたことを知りながら、その旨を 機構 に通知しなかったとき。

3号 損害が戦争その他の変乱又は地震によって生じたとき。

4号 塡補すべき額が少額であると認められる場合として農林水産省令で定める場合

13条 (損害の発生及び拡大の防止)

1項 被保険者は、その負担において、損害の発生及び拡大の防止に努めなければならない。

14条 (他人のためにする森林保険契約)

1項 森林保険 契約は、他人のためにも締結することができる。この場合において、被保険者は、当然に当該森林保険契約の利益を享受する。

15条 (森林保険契約に係る権利義務の承継)

1項 森林保険 の保険の目的たる森林を取得した者は、当該森林についての森林保険契約に係る権利及び義務を承継する。

16条 (危険増加による解除)

1項 機構 は、保険期間中に危険( 森林保険 契約により塡補することとされる損害の発生の可能性をいう。以下この条において同じ。)が著しく増加したときは、農林水産省令で定めるところにより、森林保険契約を解除することができる。

2項 保険契約者又は被保険者は、保険期間中に危険が著しく増加したときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、これを 機構 に通知しなければならない。

3項 保険契約者又は被保険者が故意又は重大な過失により遅滞なく前項の規定による通知をしなかった場合において、 機構 が第1項の規定による解除をしたときは、機構は、当該解除に係る危険が著しく増加した時から当該解除がされた時までに発生した 保険事故 による損害を塡補する責任を負わない。ただし、当該解除に係る危険の著しい増加をもたらした事由に基づかずに発生した保険事故による損害については、この限りでない。

4項 第1項の規定による解除権は、 機構 が同項の規定による解除の原因があることを知った時から1月間行使しないときは、消滅する。当該解除に係る危険が著しく増加した時から5年を経過したときも、同様とする。

17条 (保険法の準用)

1項 保険法(2008年法律第56号)第4条、 第10条 《保険金額 森林保険の保険金額は、第5条…》 第1項の規定による届出に係る保険金額の標準により算出した金額次項において「標準金額」という。を超えてはならない。 2 森林保険契約は、当該森林保険契約の締結の時において保険金額が標準金額を超えていたと第14条 《他人のためにする森林保険契約 森林保険…》 契約は、他人のためにも締結することができる。 この場合において、被保険者は、当然に当該森林保険契約の利益を享受する。 から 第16条 《危険増加による解除 機構は、保険期間中…》 に危険森林保険契約により塡補することとされる損害の発生の可能性をいう。以下この条において同じ。が著しく増加したときは、農林水産省令で定めるところにより、森林保険契約を解除することができる。 2 保険契 まで、 第18条 《印紙税の非課税 森林保険に関する書類に…》 は、印紙税を課さない。 から第21条まで、第23条第1項(第1号に係る部分に限る。)、第25条、第27条、第28条、第30条、第31条第1項及び第2項(第2号を除く。)、第32条(第1号に係る部分に限る。並びに第95条の規定は、 森林保険 について準用する。

3章 雑則

18条 (印紙税の非課税)

1項 森林保険 に関する書類には、印紙税を課さない。

19条 (過料)

1項 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした 機構 の役員は、210,000円以下の過料に処する。

1号 第5条第2項 《2 農林水産大臣は、前項の規定による届出…》 に係る引受条件が次の各号のいずれかに該当しないと認めるときは、機構に対し、期限を定めてその引受条件を変更すべきことを命ずることができる。 1 前項の保険金額の標準又は保険料率が保険契約者の負担の観点か の規定による命令に違反したとき。

2号 第5条第3項 《3 機構は、第1項の規定による届出をした…》 引受条件以外の引受条件により、森林保険を引き受けてはならない。 の規定に違反して 森林保険 を引き受けたとき。

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