展覧会における美術品損害の補償に関する法律施行規則《本則》

法番号:2011年文部科学省令第23号

略称: 美術品補償法施行規則・美術品損害補償法施行規則

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制定文 展覧会における美術品損害の補償に関する法律 2011年法律第17号及び 展覧会における美術品損害の補償に関する法律施行令 2011年政令第156号)の規定に基づき、 展覧会における美術品損害の補償に関する法律施行規則 を次のように定める。


1条 (定義)

1項 この省令において使用する用語は、 展覧会における美術品損害の補償に関する法律 以下「」という。)において使用する用語の例による。

2条 (展覧会の要件)

1項 第3条第2項 《2 前項前段の展覧会は、国民が美術品を鑑…》 賞する機会の拡大に資するものとして文部科学省令で定める規模、内容その他の要件に該当するものでなければならない。 の文部科学省令で定める要件は、次の各号のいずれにも該当するものであることとする。

1号 不特定かつ多数の者に美術品を鑑賞する機会を提供するものであること。

2号 開催を予定する期間が20日を超えるものであること。

3号 対象美術品の約定評価額総額が5,100,000,000円を超えるものとなるものであること。

4号 展示を予定する美術品のうち主要なものが海外から借り受けるものであること。

5号 利益の分配、物品の販売その他営利を主たる目的とするものでないこと。

6号 利益が生じたときは、当該利益を文化の振興その他の公益を目的とする事業に充てることとしていること。

3条 (展覧会の主催者の要件)

1項 補償契約に係る展覧会の主催者は、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する者でなければならない。

1号 当該展覧会を安全かつ適切に実施するために必要な資金を確保する見込みがあること。

2号 当該展覧会の開催に関する業務の執行及び会計の経理を適正に行うための体制が整備されていること。

3号 当該展覧会に相当する規模及び内容の展覧会を主催した実績を有すること。

4条 (展覧会の開催施設の要件)

1項 補償契約に係る展覧会を開催する施設(以下「 開催施設 」という。)は、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当するものでなければならない。

1号 開催施設 の建物が、その設置されている場所の状況に応じた必要な耐火性能及び耐震性能を有する構造のものであること。

2号 次に掲げる設備が設けられていること。

当該展覧会のために借り受ける美術品の性質に応じた適正な温度、湿度及び照度( 第7条第1号 《対象美術品の取扱いに関する基準 第7条 …》 法第6条の文部科学省令で定める基準は、次のとおりとする。 1 対象美術品の展示に当たっては、次によること。 イ 対象美術品の監視、開催施設の警備その他の対象美術品の損害を防止するための措置を適切に行う ロにおいて「 温度等 」という。)を保つことができる設備

防火及び防犯のために常時作動する設備

3号 開催施設 の建物内に当該開催施設以外の施設が設けられているときは、当該開催施設が当該開催施設以外の施設から独立した専用の施設として区画されていること。

5条 (損害保険契約の締結)

1項 補償契約に係る展覧会の主催者が、当該補償契約に係る対象美術品について、当該対象美術品に補償対象損害が生じた場合における当該補償対象損害の額のうち当該補償契約により補償される額を控除した額を填補するための損害保険契約(保険法(2008年法律第56号)第2条第6号に規定する損害保険契約をいう。)を締結する場合には、対象美術品ごとの約定保険価額(保険法第9条に規定する約定保険価額をいう。)を定めるとともに、当該約定保険価額が当該対象美術品の約定評価額と同1の額となるものでなければならない。

6条 (補償契約の締結の手続)

1項 補償契約を締結しようとする展覧会の主催者は、次に掲げる事項を記載した補償契約の申込書を文部科学大臣に提出しなければならない。

1号 当該展覧会の名称

2号 当該展覧会の趣旨及び内容

3号 当該展覧会の開催を予定する期間

4号 当該展覧会のために借り受ける美術品の名称、所在地、所有者の氏名又は名称及び価額(当該美術品の価額として当該美術品の所有者が算定した価額をいう。

5号 当該展覧会の主催者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

6号 当該展覧会の開催に関する業務の体制に関する事項

7号 当該展覧会の主催者が過去に主催した展覧会の実績に関する事項

8号 開催施設 の名称、所在地及び建物の構造並びに 第4条第2号 《展覧会の開催施設の要件 第4条 補償契約…》 に係る展覧会を開催する施設以下「開催施設」という。は、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当するものでなければならない。 1 開催施設の建物が、その設置されている場所の状況に応じた必要な耐火性能及び耐震及びロの設備に関する事項

2項 前項の申込書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。

1号 当該展覧会に係る収支予算書

2号 当該展覧会のために借り受ける美術品についての次に掲げる事項を記載した書面

前項第4号の価額の算定の根拠を明らかにする事項

種別、寸法、重量、材質、形状その他の特徴

3号 当該展覧会の主催者の最近における財産の状況を知ることができる書面

4号 当該展覧会の開催に関する業務について知識及び経験を有する学芸員その他の使用人の確保の状況を記載した書面

5号 開催施設 の建物の位置及び構造並びに 第4条第2号 《展覧会の開催施設の要件 第4条 補償契約…》 に係る展覧会を開催する施設以下「開催施設」という。は、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当するものでなければならない。 1 開催施設の建物が、その設置されている場所の状況に応じた必要な耐火性能及び耐震及びロの設備に関する図面

6号 開催施設 において過去に発生した美術品に係る事故に関する情報を記載した書面

7号 当該展覧会のために借り受ける美術品の陳列、当該美術品の監視及び 開催施設 の警備、 第4条第2号 《展覧会の開催施設の要件 第4条 補償契約…》 に係る展覧会を開催する施設以下「開催施設」という。は、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当するものでなければならない。 1 開催施設の建物が、その設置されている場所の状況に応じた必要な耐火性能及び耐震及びロの設備の運用その他の美術品の展示に関する業務の実施計画を記載した書面

8号 当該展覧会のために借り受ける美術品の運搬の経路、方法、開始時期及び予定終了時期その他の美術品の運搬に関する業務の実施計画を記載した書面

9号 前条の損害保険契約を締結する場合においては、当該展覧会のために借り受ける美術品の約定保険価額の見込みを記載した書面

10号 その他参考となるべき事項を記載した書面

3項 補償契約を締結しようとする展覧会の主催者は、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、前2項の規定にかかわらず、第1項各号に掲げる記載事項又は前項各号に掲げる添付書類の一部を省略することができる。

1号 前2項の規定に従って 開催施設 に係る直近の補償契約が締結された日(以下この項において「 特定補償契約締結日 」という。)以後5年以内に当該開催施設における当該展覧会の開催を予定する期間が終了すること。

2号 特定補償契約締結日 以後において当該 開催施設 における美術品に係る事故が発生していないこと。

3号 特定補償契約締結日 以後において当該 開催施設 に係る前項第5号に掲げる図面に変更がないこと。

7条 (対象美術品の取扱いに関する基準)

1項 第6条 《対象美術品の取扱い 補償契約の相手方で…》 ある展覧会の主催者は、対象美術品の展示、運搬その他の取扱いに当たっては、その損害の防止のために必要なものとして文部科学省令で定める基準を遵守しなければならない。 の文部科学省令で定める基準は、次のとおりとする。

1号 対象美術品の展示に当たっては、次によること。

対象美術品の監視、 開催施設 の警備その他の対象美術品の損害を防止するための措置を適切に行うために必要な体制を整備すること。

補償契約に係る展覧会の開催期間中、対象美術品の性質に応じた適正な 温度等 を保つとともに、温度等の測定値の記録を作成し、これを保管すること。

第4条第2号 《補償金 第4条 補償契約による政府の補償…》 は、次の各号に掲げる場合において、当該各号に定める額当該各号に掲げる場合のいずれにも該当する場合にあっては当該各号に定める額の合計額とし、当該各号に定める額又は当該合計額が政令で定める額以下「補償上限及びロの設備について保守及び管理に関する責任者を定め、当該責任者の指揮監督の下に定期的に点検整備(計器の較正を含む。)を行うとともに、その記録を作成し、これを保管すること。

対象美術品の陳列、対象美術品の監視及び 開催施設 の警備、 第4条第2号 《補償金 第4条 補償契約による政府の補償…》 は、次の各号に掲げる場合において、当該各号に定める額当該各号に掲げる場合のいずれにも該当する場合にあっては当該各号に定める額の合計額とし、当該各号に定める額又は当該合計額が政令で定める額以下「補償上限及びロの設備の運用その他の美術品の展示に関する業務のマニュアルを作成し、その内容について、当該業務を担当する者に周知徹底を図ること。

2号 対象美術品の運搬に当たっては、次によること。

対象美術品の搬出入等の作業を行う場合には、次によること。

(一) 美術品の搬出入等について知識及び経験を有する学芸員その他の者を当該作業に立ち会わせ、その作業に従事する者を指揮監督させること。

(二) 美術品の点検及び修復について知識及び経験を有する学芸員その他の者に対象美術品の状態を確認させるとともに、その記録を作成し、これを保管すること。

対象美術品の約定評価額総額に応じて二回以上に分けて運搬を行うこと。

道路上を走行する場合には、美術品を運搬するための専用の車両を使用すること。

3号 前2号に掲げるもののほか、対象美術品の損害の防止のために文部科学大臣が必要と認める措置を講ずること。

8条 (業務の委託)

1項 展覧会における美術品損害の補償に関する法律施行令 第4条第3号 《業務の委託 第4条 文部科学大臣が法第1…》 3条の規定により委託することができる業務は、次に掲げる業務とする。 1 補償金の支払の請求の受付 2 補償対象損害の額に関する調査 3 前2号に掲げるもののほか、補償金の支払に関する業務補償金の額の決 の文部科学省令で定める業務は、次に掲げるものとする。

1号 補償金の支払の請求に係る書類の確認及び補正の指示

2号 補償金の額の算定

3号 政府が支払うべき補償金の送金

4号 前各号に掲げるもののほか、補償金の支払に関し必要な業務のうち軽微なもの

9条 (補償金の額の算定方法)

1項 第4条第3項 《3 補償契約に係る対象美術品ごとの補償金…》 の額の算定方法に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。 の文部科学省令で定めるところにより算定する対象美術品ごとの補償金の額は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額とする。

1号 第4条第1項第1号 《補償契約による政府の補償は、次の各号に掲…》 げる場合において、当該各号に定める額当該各号に掲げる場合のいずれにも該当する場合にあっては当該各号に定める額の合計額とし、当該各号に定める額又は当該合計額が政令で定める額以下「補償上限額」という。を超 に掲げる場合(第3号に掲げる場合に該当する場合を除く。)における通常損害(補償対象損害のうち特定損害に該当するもの以外の損害をいう。以下この号において同じ。)が生じた対象美術品ごとの補償金の額法第4条第1項第1号に定める額(当該額が補償上限額を超える場合にあっては補償上限額)に当該対象美術品について生じた通常損害の額が当該補償契約に係る対象美術品について生じた通常損害の額の合計額に占める割合を乗じて得た額

2号 第4条第1項第2号 《補償契約による政府の補償は、次の各号に掲…》 げる場合において、当該各号に定める額当該各号に掲げる場合のいずれにも該当する場合にあっては当該各号に定める額の合計額とし、当該各号に定める額又は当該合計額が政令で定める額以下「補償上限額」という。を超 に掲げる場合(第3号に掲げる場合に該当する場合を除く。)における特定損害が生じた対象美術品ごとの補償金の額法第4条第1項第2号に定める額(当該額が補償上限額を超える場合にあっては補償上限額)に当該対象美術品について生じた特定損害の額が当該補償契約に係る対象美術品について生じた特定損害の額の合計額に占める割合を乗じて得た額

3号 第4条第1項第1号 《補償契約による政府の補償は、次の各号に掲…》 げる場合において、当該各号に定める額当該各号に掲げる場合のいずれにも該当する場合にあっては当該各号に定める額の合計額とし、当該各号に定める額又は当該合計額が政令で定める額以下「補償上限額」という。を超 及び第2号に掲げる場合のいずれにも該当する場合における補償対象損害が生じた対象美術品ごとの補償金の額法第4条第1項第1号及び第2号に定める額の合計額(当該額が補償上限額を超える場合にあっては補償上限額)に当該対象美術品について生じた補償対象損害の額が当該補償契約に係る対象美術品について生じた補償対象損害の額の合計額に占める割合を乗じて得た額

10条 (外国通貨による支払等)

1項 対象美術品の約定評価額を外国通貨で定めた場合における補償金の支払は、当該外国通貨で行うものとする。

2項 前項の場合における 第4条 《補償金 補償契約による政府の補償は、次…》 の各号に掲げる場合において、当該各号に定める額当該各号に掲げる場合のいずれにも該当する場合にあっては当該各号に定める額の合計額とし、当該各号に定める額又は当該合計額が政令で定める額以下「補償上限額」と 及び 第5条 《補償契約の締結の限度 政府は、一会計年…》 度内に締結する補償契約に係る約定評価額総額1の補償契約に係る対象美術品の約定評価額の合計額当該合計額が補償上限額を超える場合にあっては、補償上限額をいう。の合計額が会計年度ごとに国会の議決を経た金額を の規定の適用に係る当該外国通貨と本邦通貨との間の換算は、補償契約締結時の外国貨幣換算率(支出官事務規程(1947年大蔵省令第94号)第11条第2項第4号の規定により定められた外国貨幣換算率をいう。)を用いて行うものとする。

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